JP4501129B2 - 和紙成形体の製造方法及び和紙成形体の製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、和紙成形体の製造方法及び和紙成形体の製造に関し、特に、つなぎ目のない大きな和紙成形体であっても製造することができる、和紙成形体の製造方法及び和紙成形体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
和紙成形体の製造方法としては、例えば、図6に示すような方法が、既に提案されている。
【0003】
この方法では、破壊可能な素材からなる、所望の立体形状を有する原型101の表面に、表面が毛羽だった、複数の紐状部材102を交差させて配置し、この表面に、植物繊維3及びネリを含む紙料液を付着させ、この表面に、植物繊維103及びネリを含む紙料液を付着させ、紐状部材102と植物繊維103を乾燥して、上記原型101を破壊して和紙成形体の内部から取り出すようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平05−156954号公報(第2頁〜第3頁、図1)
【0005】
また、「ダルマ」のようなものを製造する際には、外網割抄紙法がある。この方法は、まず、ダルマの形状の半体部を成形した一対の成形型(一対の成形体を閉じた状態にすると内部に、ダルマの外形形状の凹部が形成されるようになっている。)を用意する。一対の成形型には、紙料液注入管と、紙料液排出管とが設けられており、一対の成形型を閉じた状態にして、紙料液注入管から、閉じた状態にされている一対の成形型内に紙料液を注入したり、閉じた状態にされている一対の成形型内に注入された紙料液を紙料液排出管から排出できるようになっている。
【0006】
次に、一対の成形型の各々の内部に網を成形型の凹部に沿うように取り付けた後、一対の成形型を閉じた状態にする。
【0007】
次に、閉じた状態にされている一対の成形型と網との間内に紙料液を注入し、網の内側から紙料液を吸引排出し、一対の成形型内に取り付けられた網の表面に紙料液を付着・乾燥させた後、一対の成形型を開いて、紙製のダルマを取り出すようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示すような方法により、和紙成形体を製造した場合には、和紙成形体に繊維及び/又は繊維束の不均一な重なりが生じる、といったような問題がある。
【0009】
また、だるまの製造方法を用いて、和紙成形体を製造した場合には、一対の成形型の接触面に対応する箇所に線が形成される、といったような問題がある。
【0010】
また、従来の和紙成形体の製造方法では、大きな球形(例えば、直径が1m以上)を製造するのが極めて困難である、という問題がある。
【0011】
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、小さい和紙成形体のみならず、大きな和紙成形体を製造することができ、しかも、和紙成形体に繊維及び/又は繊維束の不均一な重なりが生じることがなく、その表面に線が形成されることがない、和紙成形体の製造方法及びそのような和紙成形体を製造するのに適した和紙成形体の製造装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
【0020】
請求項1に記載の和紙成形体の製造方法は、網の内側に、バルーン体を挿入し、網と、バルーン体の表面との間の空隙に、充填材を充填した後、バルーン体の内部に溶液を注入しつつ、網を、紙原料を分散した溶液中に浸漬し、網の表面に紙を抄くようにした。
ここに、本明細書で用いる用語、「網の表面に紙を抄く」には、網を用いて網上に紙を堆積させる工程及び/又は予め紙原料を分散させた溶液中に網を浸漬させる工程を含む。
網としては、通常の紙を抄くものであれば、特に限定されることはなく、充填材を詰めることで、球形その他の立体形状になるものが好ましい。
また、充填材としては、種々のものを用いることができる。
網内に充填材を詰めた後に、充填材の自重により、網の原型形状が型崩れしないようにするためには、比重の小さいものが好ましい。
また、充填材の粒径については、特に限定されることはないが、網で、予め調整された紙原料を分散した溶液を濾過できるように、粒子間を通過できるものが、好ましい。
【0021】
充填材として、比重の小さいもの(例えば、比重が1以下のもの)を用いた場合に、網内に充填材のみを詰め込んで、網の形状を保持するようにした場合、予め調整された紙原料を分散した溶液中に、充填材を詰めた網を浸漬させると、充填材の浮力により、網の形状が変形する、という問題がある。
【0022】
この和紙成形体の製造方法では、予め調整された紙原料を分散させた溶液中に、網、充填材及びバルーン体を浸漬させる前には、バルーン体の内部には、空気を入れることで、網内の重量を軽くして、網の変形を防ぎ、予め調整された紙原料を分散させた溶液中に、網、充填材及びバルーン体を浸漬させる工程や、網の表面に紙を抄く工程では、バルーン体内に水を入れることで、網、充填材及びバルーン体の比重を、予め調整された紙原料を分散させた溶液に近い比重とし、網の変形を防いでいる。
【0023】
即ち、和紙成形体の製造方法を用いれば、所望の形状の和紙成形体を製造することができる。
【0024】
また、この和紙成形体の製造方法では、網の内部に、バルーン体を配置し、網とバルーン体の間に充填材を詰め、バルーン体と充填材との協働により網の形状の保持を図っている。
【0025】
即ち、この和紙成形体の製造方法には、バルーン体により、網内に詰める充填材の量を減らすことができるので、網内に充填材を詰める作業を軽減できる、という利点もある。
【0026】
請求項2に記載の和紙成形体の製造方法は、請求項1に記載の和紙成形体の製造方法において、網の表面に紙を抄く際に、バルーン体の内部に注入した溶液の水位を前記紙原料を分散した溶液の水位と同調させるようにした。
【0027】
この和紙成形体の製造方法では、予め調整された紙原料を分散させた溶液中に、網、充填材及びバルーン体を浸漬させる前には、バルーン体の内部に、空気を入れることで、網内の重量を軽くして、網の変形を防ぎ、且つ、紙を抄く際には、バルーン体の内部に注入した溶液の水位を前記紙原料を分散した溶液の水位と同調させて、網の変形を防いでいる。
【0028】
即ち、和紙成形体の製造方法を用いれば、所望の形状の和紙成形体を製造することができる。
【0029】
請求項3に記載の和紙成形体の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の和紙成形体の製造方法で用いる充填材が、発泡スチロールビーズを含む。
【0030】
充填材としては、種々のものを用いることができるが、比重が小さい(比容積が大きい)ものが好ましい。発泡スチロールビーズは、そのような要件を満たしており、好ましい。
【0031】
この和紙成形体の製造方法では、比重の小さい材料を選択しているので、網内に充填物を詰めた後に、その自重による網の変形を防ぐことができる。これにより、この和紙成形体の製造方法を用いれば、所望の形状の和紙成形体を希望通りの形状で製造することができる。
【0032】
請求項4に記載の和紙成形体の製造方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の和紙成形体の製造方法で用いる充填材が、貫通孔を有する中空物を含む。
【0033】
中空物は、内部に中空を有するので、内部まで材料が入っているものより、同じ材料、同じ体積の場合には、見掛けの比重を小さくすることができる。
【0034】
また、中空物であって、その外殻部に貫通孔を有するものは、溶液中に浸漬した場合、中空部内に溶液が侵入する結果、比重が中空部内に空気が入っている場合より大きくなり、且つ、溶液の比重に近くなる。
【0035】
この和紙成形体の製造方法では、充填材として、貫通孔を有する中空物を用いているので、網内に充填物を詰めた後に、その自重による網の変形を防ぐことができ、且つ、充填物を詰めた網を、予め調整した紙原料を分散させた溶液中に浸漬した後において、浮力による網の形状の変形を防ぐことができる。これにより、この和紙成形体の製造方法を用いれば、所望の形状の和紙成形体を希望通りの形状で製造することができる。
【0038】
この和紙成形体の製造方法では、網の形状を袋形状にしているので、シームレスの袋形状の和紙成形体を製造することができる。
【0039】
特に、請求項1又は請求項2に係る発明に本発明を適用した場合には、袋形状の和紙成形体であって、直径の大きいものを製造することができる。
【0043】
請求項5に記載の和紙成形体の製造装置は、紙原料を分散した溶液を収容する溶液貯蔵槽と、溶液貯蔵槽内に設けられた、網を取り付ける網取付部とを備え、網の内部にバルーン体を挿入し、網と、バルーン体の表面との間の空隙に、充填材を充填した後、充填材を充填した網を網取付部に取り付け、その後、バルーン体の内部に溶液を注入しつつ、溶液貯蔵槽内に、紙原料を分散した溶液を収容し、網の表面に紙を抄くようにした。
この和紙成形体の製造装置では、網を充填材により形状保持するようにし、充填材を充填した網を、紙原料を分散した溶液中に浸漬し、網の表面に紙を抄くようにしているので、所望の立体形状の網の形状を保持しつつ、網の表面に、所望の立体形状の和紙成形体を製造することができる。且つ、充填材を充填した網を、紙原料を分散した溶液中に浸漬し、網上に紙を抄くという作業を繰り返し又は連続して行なうことで、所望の紙厚、繊維及び/又は繊維束の不均一な重なりが生じることがなく、その表面に線が形成されることがない、和紙成形体を製造することができる。
また、網の表面に紙を抄くことができるようにしているので、シームレスな和紙成形体を製造できる。
【0044】
この和紙成形体の製造装置では、予め調整された紙原料を分散させた溶液中に、網、充填材及びバルーン体を浸漬させる前には、バルーン体の内部には、空気を入れることで、網内の重量を軽くして、網の変形を防ぎ、予め調整された紙原料を分散させた溶液中に、網、充填材及びバルーン体を浸漬させる工程や、網の表面に紙を抄く工程では、バルーン体内に水を入れることで、網、充填材及びバルーン体の比重を、予め調整された紙原料を分散させた溶液に近い比重とし、網の変形を防ぐことができるようにしている。
【0045】
即ち、和紙成形体の製造装置を用いれば、所望の形状の和紙成形体を製造することができる。
【0046】
また、この和紙成形体の製造装置では、網の内部に、バルーン体を配置し、網とバルーン体の間に充填材を詰め、バルーン体と充填材との協働により網の形状の保持を図ることができるようにしている。
【0047】
即ち、この和紙成形体の製造装置には、バルーン体により、網内に詰める充填材の量を減らすことができるので、網内に充填材を詰める作業を軽減できる、という利点もある。
【0061】
特に、請求項8又は請求項9に係る発明に本発明を適用した場合には、袋形状の和紙成形体であって、直径の大きいものを製造することができる。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る和紙成形体の製造方法及び和紙成形体の製造装置について、図面を参照しながら、更に詳しく説明する。
【0063】
図1は、本発明に係る和紙成形体の製造装置を概略的に示す構成図である。この図は、網3を用いて紙を抄くために、網3を、予め調整した紙原料を分散させた溶液Mに浸漬した状態を示している。
【0064】
この和紙成形体の製造装置1は、紙原料を分散した溶液Mを収容する溶液貯蔵槽2と、溶液貯蔵槽2内に設けられた、取付部4とを備える。
【0065】
この取付部は、後述する網3と、バルーン体5とを取り付けるための台である。
【0066】
また、この和紙成形体の製造装置1は、網3の内側に、バルーン体5を備える。
【0067】
網3は、取付部4に着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0068】
網3としては、立体和紙成形体を製造する場合には、立体形状のものを用いる。
【0069】
また、バルーン体5は、取付部4に着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0070】
取付部4は、網3を取り付ける網取付部4aと、バルーン体5を取り付けるバルーン体取付部4bとを備える。
【0071】
網取付部4a及びバルーン体取付部4bの各々は、円筒体形状又は概ね円筒体形状をしている。そして、網取付部4aが、バルーン体取付部4bの外方に網取付部4aが配置されている。また、平面視した場合は、バルーン体取付部4b及び網取付部4aが、同心円又は概ね同心円に配置されている。
【0072】
バルーン体5の開口部は、給排水管t1に接続されている。
【0073】
給排水管t1には、給水管t2と、排水管t3とが接続されている。
【0074】
給水管t2の途中の位置(給水管t2と、後述する補助タンク用給水管t7との接続部c2より上流位置(水を供給する水源(例えば、水道水の蛇口(図示せず。))に近い位置)には、バルーン体5内への水の供給と停止とを行なうためのバルーン体内給水用バルブv1が設けられている。
【0075】
また、排水管t3には、バルーン体内排水用バルブv2と、バルーン体内排水流量調整バルブv3とが設けられている。
【0076】
また、この和紙成形体の製造装置1には、空気供給管t4が、バルーン体5内に挿入された状態になるように設けられている。
【0077】
空気供給管t4の一端et4aには、空気供給・吸引源が続されている。
【0078】
この例では、空気供給・吸引源13は、3方弁13aと空気供給源(例えば、ブロア、コンプレッサー等)13bとにより構成されている。
【0079】
即ち、空気供給管t4の一端et4aに3方弁13aを介して、空気供給源(例えば、ブロア、コンプレッサー等)13bを設け、3方弁13aの切り替えにより、空気供給源(例えば、ブロア、コンプレッサー等)13bを駆動することにより取付部4に取り付けられているバルーン体5内へ圧縮エアーを供給したり、バルーン体5内の空気を抜くことができるようになっている。
【0080】
尚、空気供給源としては、大気圧以上の正圧を一定に維持できるものであれば、特に限定されることはない。
【0081】
また、空気供給管t4の途中の位置(この例では、空気供給管t4の、後述するエアー圧力計7が設けられている位置と、後述する補助タンク用給水管t7と空気供給管t4との接続部c1との間の位置)には、圧縮エアー調整弁v8が設けられている。
【0082】
また、この和紙成形体の製造装置1では、バルーン体5内の水と空気との置換を効率的に行なえるように、空気供給管t4の他端(空気排出口)et4bをバルーン体5内の上方位置に設け、給排水管t1の給排水口et1aをバルーン体5の下方位置に設けている。
【0083】
また、排水管t3には、バルーン体内排水用バルブv2と、バルーン体内排水流量調整バルブv3とが設けられている。
【0084】
また、和紙成形体の製造装置1の溶液貯蔵槽2は、溶液貯蔵槽2内に貯留されている液を排出するための、第1の排水管t5と、第2の排水管t6とを備える。
【0085】
第1の排水管t5は、溶液貯蔵槽2内に貯留されている溶液Mを排出するものであり、溶液貯蔵槽2の下方位置であって、網3の外方位置に設けられている。
【0086】
第1の排水管t5は、溶液貯蔵槽2内に貯留されている溶液M中、網3の外側に存在している溶液Mを排出するものである。
【0087】
第1の排水管t5には、溶液貯蔵槽内排水用バルブv4と、溶液貯蔵槽内排水量調整用バルブv5とが設けられている。
【0088】
第2の排水管t6は、主として、網3とバルーン体5との間から、溶液貯蔵槽2内に貯留されている溶液Mを排出するものであり、溶液貯蔵槽2の下方位置であって、網3とバルーン体5との間の位置に排水口et6を有する。
【0089】
第2の排水管t6の長さは、網から必要十分な水頭圧を確保できる長さを有するものとする。
【0090】
第2の排水管t6には、溶液貯蔵槽2内に貯留された溶液M中、網3を通過した溶液を排水する排水用バルブv6と、溶液貯蔵槽2内に貯留された溶液中、網3を通過した溶液を排水する排水量調整用バルブv7とが設けられている。
【0091】
尚、図1中、6で示す部材装置は、バルーン体内液面検出用補助タンクを示しており、バルーン体内液面検出用補助タンク6には、補助タンク用給水管t7が接続されている。
【0092】
補助タンク用給水管t7は、給水管t2の途中の位置に接続されている。
【0093】
また、7、8で示す部材装置は、エアー圧力計を示している。
【0094】
エアー圧力計7は、空気供給管t4の途中の位置に設けられており、空気供給管t4内に供給される圧縮エアーの圧力を測定できるようになっている。
【0095】
また、バルーン体内液面検出用補助タンク6と空気供給管t4との間には、補助タンク向け空気供給管t8が接続されている。
【0096】
そして、エアー圧力計8は、補助タンク向け空気供給管t8の途中の位置に設けられており、補助タンク向け空気供給管t8内に供給される圧縮エアーの圧力を測定できるようになっている。
【0097】
補助タンク向け空気供給管t8の途中の位置(この例では、補助タンク向け空気供給管t8の、エアー圧力計8が設けられている位置と、空気供給管t4と補助タンク向け空気供給管t8との接続部c1との間の位置)には、圧縮エアー調整弁v9が設けられている。
【0098】
また、10、11で示す部材装置は、溶液貯蔵槽液面検出器である。
【0099】
溶液貯蔵槽液面検出器10は、溶液貯蔵槽2内に貯留されている溶液の水位を検出するためのものであり、溶液貯蔵槽2内に設けられている。
【0100】
また、溶液貯蔵槽液面検出器11は、バルーン体内液面検出用補助タンク6内に貯留される溶液W2の液面を検出するためのものであり、バルーン体内液面検出用補助タンク6内に設けられている。
【0101】
また、この和紙成形体の製造装置1は、使用の際の便宜を考慮して、制御装置12により、和紙成形体の製造装置1の制御ができるようになっている。
【0102】
例えば、溶液貯蔵槽液面検出器10が検出したデータは、信号線L1を介して制御装置12に入力されるようになっている。
【0103】
また、溶液貯蔵槽液面検出器11が検出したデータは、信号線L2を介して制御装置12に入力されるようになっている。
【0104】
また、エアー圧力計7が検出したデータは、信号線L3を介して制御装置12に入力されるようになっている。
【0105】
また、エアー圧力計8が検出したデータは、信号線L4を介して制御装置12に入力されるようになっている。
【0106】
また、制御装置12と、圧縮エアー調整弁(この例では、電磁弁)v8との間は、信号線L5により接続されており、制御装置12側からの指令により、圧縮エアー調整弁(この例では、電磁弁)v8の開口量を調整することで、空気供給管t4内に供給される圧縮エアーの圧力を調整できるようになっている。
【0107】
また、制御装置12と、圧縮エアー調整弁(この例では、電磁弁)v9との間は、信号線L6により接続されており、制御装置12側からの指令により、圧縮エアー調整弁(この例では、電磁弁)v9の開口量を調整することで、空気供給管t4内に供給される圧縮エアーの圧力を調整できるようになっている。
【0108】
尚、この和紙成形体の製造装置1では、バルーン体内給水用バルブv1、バルーン体内排水用バルブv2、バルーン体内排水流量調整バルブv3、溶液貯蔵槽内排水用バルブv4、溶液貯蔵槽内排水量調整用バルブv5、溶液貯蔵槽2内に貯留された溶液M中、網3を通過した溶液を排水する排水用バルブv6、及び、溶液貯蔵槽2内に貯留された溶液M中、網3を通過した溶液を排水する排水量調整用バルブv7の各々は、手動式としているが、これらについても、信号線を介して制御装置12側で制御できるようにしてもよい。
【0109】
また、これとは逆に、制御装置12を設けずに、全ての作業を手動とするようにしてもよい。
【0110】
次に、本発明に係る和紙成形体を製造方法を、この和紙成形体の製造装置1を用いて、和紙成形体を製造する場合を例にとって説明する。
【0111】
図2、図3、図4及び図5の各々は、本発明に係る和紙成形体の製造方法の要部を模式的に説明する説明図である。
【0112】
ここでは、説明を容易とするため、球状の和紙成形体を製造する場合を例にとって説明する。
【0113】
まず、この和紙成形体の製造装置1を用いて、和紙成形体を製造する場合、網3として、図2(a)にその断面を模式的に示したような球状の網を用意する。また、バルーン体5として、図2(a)にその断面を模式的に示したような、バルーン体5を膨らませた場合、網3を完全に広げた状態にした場合よりもやや小さい容積の球状のバルーン体5を用意する。
【0114】
バルーン体5の材料としては、例えば、ゴム等の弾性を有するものやビニールなどの樹脂製を用いる。
【0115】
また、網3としては、その形状が立体形状(この例では、球状)であることを除けば、通常の和紙を抄く時に用いる抄網を用いる。
【0116】
次に、バルーン体5を適当に変形させ、網3の開口部より網3内に収容し、バルーン体5を元の状態(ふくらんだ状態)に戻す。この時、バルーン体5の開口部の、網3の開口部内に位置するようにする。
【0117】
次に、図2(b)に示すように、網3とバルーン体5との間の隙間部内に充填材fを充填する。
【0118】
充填材fとしては、種々のものを用いることができ、特に限定されることはない。
【0119】
充填材fとしては、例えば、発泡スチロールビーズ又はこれに類するものや、また、例えば、その他の種々の樹脂、セラミックス材、アルミニウム等の金属材料であってもよい。
【0120】
しかしながら、充填材fとして比重の大きいものを用いた場合には、網3とバルーン体5との間に充填材fを充填した後に、網3が充填材fの自重により網3の原型形状に対し、下方部分が広がった形状になる。
【0121】
一方、充填材fとして比重の小さいものを用いた場合には、網3とバルーン体5との間に充填材fを充填した後においても、網3の原型形状を保持できる。
【0122】
このようなことを考慮した場合には、充填材fは、比重が小さいものが好ましく、発泡スチロールビーズなどの材料が好ましい。
【0123】
充填材fの粒径については、網3とバルーン体5との間の隙間部内に充填材fを充填後において、網3の形状を保持でき、且つ、充填材fと充填材fとの隙間を通じて、溶液Mを通過させることができ、抄紙時及びその前後に充填材fの自重又は浮力で網3の形状を概ね変形させない限り、特に限定されることはない。
【0124】
次に、網3とバルーン体5とを取付部4に取り付ける。
【0125】
より具体的に説明すると、網3の開口部を網3を取り付ける網取付部4aに取り付け、バルーン体5の開口部を、バルーン体5を取り付けるバルーン体取付部4bに取り付ける。
【0126】
次に、制御装置12の主電源をオンにする。
【0127】
次に、図1及び図3を参照しながら説明すると、バルーン体内給水用バルブv1を開くとともに、空気供給管t4の一端et4aを大気に導通した状態にし、圧縮エアー調整弁v8を所望の開口量に調整し、バルーン体5内の空気を溶液(この例では、水)W1に置換する。
【0128】
また、圧縮エアー調整弁v9を所望の開口量に調整し、バルーン体内液面検出用補助タンク6内の空気を溶液(この例では、水)W2に置換する。
【0129】
この際、エアー圧力計8の検出したデータと、エアー圧力計7の検出したデータとが一致又は概ね一致させるようにすることで、バルーン体5内の溶液(この例では、水)W1の液面の高さ(水位)を、バルーン体内液面検出用補助タンク6内の溶液(この例では、水)W2の液面の高さ(水位)と同調させるようにすることで、バルーン体5内の溶液(この例では、水)W1の液面の高さ(水位)をバルーン体内液面検出用補助タンク6内に設けられている溶液貯蔵槽液面検出器11より検出する。
【0130】
且つ、上記したバルーン体5内の空気を溶液(この例では水)W1に置換する工程の開始とともに、溶液貯蔵槽2内に、予め調整していた紙原料を分散した溶液Mの注入を開始する。
【0131】
即ち、上記したバルーン体5内の空気を溶液(この例では水)W1に置換する工程の開始とともに、第1の排水管t5に設けられている溶液貯蔵槽内排水用バルブv4を閉じた状態にし、且つ、第2の排水管t6に設けられている排水用バルブv6を閉じた状態にし、溶液貯蔵槽2の開口部から溶液貯蔵槽2内に、予め調整していた紙原料を分散した溶液Mの注入を開始する。
【0132】
この工程において、溶液貯蔵槽2の開口部から溶液貯蔵槽2内に注入される紙原料を分散した溶液Mの液面の高さ(水位)を溶液貯蔵槽2内に設けられている溶液貯蔵槽液面検出器10により検出し、溶液貯蔵槽液面検出器10及び溶液貯蔵槽液面検出器11の各々が検出したデータが一致又は概ね一致するように、溶液貯蔵槽2内への紙原料を分散した溶液Mの注入作業と、バルーン体5内の空気を溶液(この例では、水)W1に置換する置換作業とを行なうことで、溶液貯蔵槽2内への紙原料を分散した溶液Mの注入作業と、バルーン体5内の空気を溶液(この例では、水)W1に置換する置換作業との作業中、バルーン体5内の溶液(この例では、水)W1の液面高さ(水位)と溶液貯蔵槽2内に注入される紙原料を分散した溶液Mの液面の高さ(水位)とを同調させる。
【0133】
このような作業は、溶液貯蔵槽2内への紙原料を分散した溶液Mの注入量及び/又はバルーン体内給水用バルブv1の開口量を適宜調整することにより行なう(以上については、図3を参照)。
【0134】
尚、溶液貯蔵槽2内への紙原料を分散した溶液Mの注入作業の終了時点は、網3が紙原料を分散した溶液M内に水没するのに十分な水位となるまでであり、溶液貯蔵槽液面検出器10の検出したデータを、制御装置12の記憶部(図示せず。)に予め記憶させた、溶液貯蔵槽2内への紙原料を分散した溶液Mの注入作業の終了時点の閾値と比較し、閾値と溶液貯蔵槽液面検出器10の検出したデータが一致した時点を終了時点とする。
【0135】
尚、この例では、バルーン体5内の空気を溶液(この例では、水)W1に置換する置換作業は、バルーン体5内に注入された溶液(この例では、水)W1の液面の高さ(水位)が、空気供給管t4の他端et4bの高さまでとしている。
【0136】
より詳しく説明すると、バルーン体5内の空気を溶液(この例では、水)W1に置換する置換作業終了時点は、溶液貯蔵槽液面検出器11の検出したデータを、制御装置12の記憶部(図示せず。)に予め記憶させた、バルーン体5内への溶液(この例では、水)W1の注入作業の終了時点の閾値と比較し、閾値と溶液貯蔵槽液面検出器11の検出したデータが一致した時点を終了時点とする。
【0137】
そして、バルーン体5内の空気を溶液(この例では、水)W1に置換する置換作業終了時点は、溶液貯蔵槽液面検出器11の検出したデータが、制御装置12の記憶部(図示せず。)に予め記憶させた、バルーン体5内への溶液(この例では、水)W1の注入作業の終了時点の閾値と一致した時点で、バルーン体内給水用バルブv1を閉じた状態にする。
【0138】
尚、バルーン体内給水用バルブv1を閉じた状態にした後は、溶液貯蔵槽2内への紙原料を分散した溶液Mの注入作業のみが、この作業の終了時点まで行なわれる。
【0139】
以上の工程により、和紙成形体の製造装置1は、図1に示したような状態になる。
【0140】
次に、第2の排水管t6に設けられている排水用バルブv6を開いた状態にするとともに、排水量調整用バルブv7を所望の調整量に調整する。
【0141】
すると、溶液貯蔵槽2内に貯留された紙原料を分散した溶液Mは、網3を通過し、第2の排水管t6へと排出される。
【0142】
紙原料を分散した溶液Mは、網3を通過する際に、網3の表面に紙層Pを形成し、網3を通過した濾液は充填材f同志に隙間を介して、第2の排水管t6へと排出される。
【0143】
網3の表面に紙層Pが、溶液貯蔵槽2内に貯留された紙原料を分散した溶液Mから露呈した状態になった際に、網3の表面に紙層Pが所望の厚さより薄い場合には、溶液貯蔵槽2内に貯留された紙原料を分散した溶液Mを追加し、網3の表面に紙層Pが所望の厚さになるまで、抄紙作業を繰り返す。
【0144】
また、この工程は、連続して行なうこともできる。
【0145】
即ち、和紙成形体の製造装置1は、図1に示したような状態になった後、第2の排水管t6に設けられている排水用バルブv6を開いた状態にするとともに、排水量調整用バルブv7を所望の調整量に調整する。
【0146】
すると、溶液貯蔵槽2内に貯留された紙原料を分散した溶液Mは、網3を通過し、第2の排水管t6へと排出される。
【0147】
紙原料を分散した溶液Mは、網3を通過する際に、網3の表面に紙層Pを形成し、網3を通過した濾液は充填材f同志に隙間を介して、第2の排水管t6へと排出される。
【0148】
この紙原料を分散した溶液Mの網3を通過した濾液の充填材f同志に隙間を介して、第2の排水管t6へと排出工程作業と途中に、補助溶液貯蔵槽(図示せず。)から、溶液貯蔵槽2内に、紙原料を分散した溶液Mの補給を、網3上に積層される紙Pが所望の厚さになるまで連続的に行うようにしても良い。
【0149】
網3の表面に紙層Pが所望の厚さになった時点で、溶液貯蔵槽内排水用バルブv4を開き、溶液貯蔵槽内排水量調整用バルブv5を所望の排水量になるように調整する。これにより、溶液貯蔵槽2内に貯留された紙原料を分散した溶液Mが、第1の排水管t5から排出される。
【0150】
この工程においては、溶液貯蔵槽内排水量調整用バルブv5と排水量調整用バルブv7とを適宜調整し、常に、網3とバルーン体5との間の溶液の液面の高さ(水位)が、溶液貯蔵槽2内に貯留された、紙原料を分散した溶液M中、網3の外側に存在する溶液Mの液面の高さ(水位)より低くなるように調整する。
【0151】
以上の作業は、和紙成形体の製造装置1が、図1の状態から図4の状態になるまでの間行うようにする。
【0152】
次に、和紙成形体の製造装置1が、図4の状態になってから後、即ち、溶液貯蔵槽2内の紙原料を分散した溶液Mの液面(水位)が、バルーン体5内の溶液(この例では、水)W1の液面の高さ(水位)まで降下した後は、排水管t3に設けられているバルーン体内排水用バルブv2を開いた状態で、バルーン体内排水流量調整バルブv3の適宜調整と、第1の排水管t5に設けられている溶液貯蔵槽内排水用バルブv4の開閉と、溶液貯蔵槽内排水量調整用バルブv5の適宜調整と、第2の排水管t6に設けられている排水用バルブv6の開閉と、排水量調整用バルブv7の適宜調整と、網3の表面に紙層Pが所望の厚さになるまで、溶液貯蔵槽2内に貯留された紙原料を分散した溶液Mを追加するという抄紙作業を繰り返す。
【0153】
又は、紙原料を分散した溶液Mの網3を通過した濾液の充填材f同志に隙間を介して、第2の排水管t6へと排出工程作業と途中に、補助溶液貯蔵槽(図示せず。)から、溶液貯蔵槽2内に、紙原料を分散した溶液Mの補給を、網3上に積層される紙Pが所望の厚さになるまで連続的に行うようにしても良い。
【0154】
但し、この工程においては、既に、網3上に所望の厚さの紙が形成され、一旦、溶液貯蔵槽2内に貯留されている溶液Mから露呈している網3の部分及びその上に形成されている紙Pが、再び、紙原料を分散させた溶液Mに漬からないように、補助溶液貯蔵槽(図示せず。)から、溶液貯蔵槽2内に、紙原料を分散した溶液Mの補給を行なうように、注意を払う必要がある。
【0155】
この工程においては、溶液貯蔵槽液面検出器10及び溶液貯蔵槽液面検出器11の各々の検出するデータに基づいて、溶液貯蔵槽2内に貯留された紙原料を分散した溶液Mの液面の高さ(水位)とバルーン体5内の溶液(この例では、水)W1の液面の高さ(水位)とが概ね同じ高さになるように同調させるようにする。
【0156】
より詳しく説明すると、この工程においては、圧縮エアー調整弁v8を所定の開口量に調整し、3方弁13aの大気と導通している管を閉じた状態にし、且つ、空気供給源(例えば、ブロア、コンプレッサー等)13bの圧縮エアー送出口と空気供給管t4とを導通状態にし、空気供給源(例えば、ブロア、コンプレッサー等)13bを駆動又は停止することで、バルーン体5内の溶液(この例では、水)W1の液面の高さ(水位)が、溶液貯蔵槽2内に貯留された紙原料を分散した溶液Mの液面の高さ(水位)と一致するように調整する。
【0157】
また、この工程においても、溶液貯蔵槽内排水量調整用バルブv5と排水量調整用バルブv7とを適宜調整し、常に、網3とバルーン体5との間の溶液の液面の高さ(水位)が、溶液貯蔵槽2内に貯留された、紙原料を分散した溶液M中、網3の外側に存在する溶液Mの液面の高さ(水位)より低くなるように調整する。
【0158】
このような作業は、溶液貯蔵槽2内の紙原料を分散した溶液Mが空になるまで行なう(以上の工程については、図5を参照。)。
尚、この和紙成形体の製造方法によれば、網3の表面の上方領域に積層される紙Pの厚さが所望の厚さになった後は、第2の排水管t6から排出される網3を通過した溶液の排出条件を維持又は概ね維持するようにして、第1の排水管t5からの、溶液貯蔵槽2内の溶液Mを、常に、網3とバルーン体5との間の溶液の液面の高さ(水位)が、溶液貯蔵槽2内に貯留された、紙原料を分散した溶液M中、網3の外側に存在する溶液Mの液面の高さ(水位)より低くなるように調整して排出するようにすれば、網3の表面全体に所望の厚さの紙Pを積層することができる。尚、このことは、本発明者が実験により知見したものである。
【0159】
そして、溶液貯蔵槽2内の紙原料を分散した溶液Mが空になり次第、第1の排水管t5に設けられている溶液貯蔵槽内排水用バルブv4を閉じた状態にする。
【0160】
次に、圧縮エアー調整弁v8を適当な開口量に調整し、3方弁13aの大気に導通している管を開いた状態にし、空気供給源(例えば、ブロア、コンプレッサー等)13bと空気供給管t4との間を閉じた状態にし、且つ、空気供給管t4と3方弁13aの大気に導通している管を開いた状態にし、空気供給源(例えば、ブロア、コンプレッサー等)13bを駆動し、空気供給源(例えば、ブロア、コンプレッサー等)13bから3方弁13aの大気に導通している管方向に圧縮エアーの気流を作ることで、空気供給管t4内にバルーン体5から3方弁13aの大気に導通している管方向に向かう吸引雰囲気の気流を生じさせ、バルーン体5内の空気を抜き、バルーン体5を萎んだ状態にする。
【0161】
その後、網3を取付部4から取り外し、網3の内部に充填した充填材fを取り除き、その後に、網3の表面に形成されている紙Pの内側から網3を取り除くと、球形和紙成形体が完成する。
【0162】
本発明者は、以上、説明した和紙成形体の製造装置1を用い、実際に和紙成形体を製造した所、直径が55cm以上の球形和紙成形体を、紙厚にばらつきなく製造することができた。
【0163】
以上の結果から、本発明に係る和紙成形体の製造装置及び/又は本発明に係る和紙成形体の製造方法を用いれば、大型のシームレスの球形の和紙成形体が製造できることが明らかになった。
【0164】
また、本発明に係る和紙成形体の製造装置及び/又は和紙成形体の製造方法では、網3を充填材fにより形状保持するようにし、充填材fを充填した網3を、紙原料を分散した溶液M中に浸漬し、網3の表面に紙Pを抄くようにしているので、所望の立体形状の網の形状を保持しつつ、網3の表面に、所望の立体形状の和紙成形体を製造することができる。
【0165】
且つ、充填材fを充填した網3を、紙原料を分散した溶液M中に浸漬し、網3上に紙を抄くという作業を繰り返し又は連続して行なうことで、所望の紙厚、繊維及び/又は繊維束の不均一な重なりが生じることがなく、その表面に線が形成されることがない、和紙成形体を製造することができる。また、網3の表面に紙Pを抄くようにしているので、シームレスな和紙成形体を製造できる。
【0166】
また、本発明に係る和紙成形体の製造装置及び/又は和紙成形体の製造方法では、予め調整された紙原料を分散させた溶液中に、網3、充填材f及びバルーン体5を浸漬させる前には、バルーン体5の内部に、空気を入れることで、網3内の重量を軽くして、網3の変形を防ぎ、予め調整された紙原料を分散させた溶液M中に、網3、充填材f及びバルーン体5を浸漬させる工程や、網3の表面に紙Pを抄く工程では、バルーン体5内に水を入れることで、網3、充填材f及びバルーン体5の比重を、予め調整された紙原料を分散させた溶液に近い比重とし、網3の変形を防いでいる。即ち、本発明に係る和紙成形体の製造装置及び/又は和紙成形体の製造方法を用いれば、所望の形状の和紙成形体を製造することができる。また、本発明に係る和紙成形体の製造装置及び/又は和紙成形体の製造方法では、網3の内部に、バルーン体5を配置し、網3とバルーン体5の間に充填材fを詰め、バルーン体5と充填材fとの協働により網3の形状の保持を図っている。
【0167】
即ち、本発明に係る和紙成形体の製造装置及び/又は和紙成形体の製造方法には、バルーン体5により、網3内に詰める充填材fの量を減らすことができるので、網3内に充填材fを詰める作業を軽減できる、という利点もある。
【0168】
特に、充填材fとして、発泡スチロールビーズを用いたような場合には、発泡スチロールビーズが静電気を帯び、網3内に発泡スチロールビーズを詰める作業が困難になるが、バルーン体5により、網3内に詰める充填材fの量を減らすことができるので、網3内に充填材fを詰める作業を軽減できる。
【0169】
また、本発明に係る和紙成形体の製造装置1及び本発明に係る和紙成形体の製造方法において、網3の表面に紙Pを抄く際に、溶液貯蔵槽2内に貯留する紙原料を分散させた溶液Mの液面の高さ(水位)と、バルーン体5内の水の液面の高さ(水位)とを同じ又は概ね同じ高さに同調させることで、網3の変形を防ぐことができる。これにより、網を変形させない状態で網3の表面に所望の形状の和紙成形体を製造することができる。
【0170】
尚、この発明の実施の形態では、バルーン体5を用いた例を中心に説明したが、網3の中に、充填材fのみを充填するようにした、和紙成形体の製造装置や和紙成形体に製造方法も、本発明に含まれることを付記しておく。
【0171】
また、用いる充填材fの材料としては、溶液に浸漬する前には、比重が小さく、溶液に浸漬させた後においては比重が溶液に近くなる材料が好ましい。
【0172】
このようなことを考慮した場合には、例えば、練習用のゴルフボールのような中空を有する樹脂成形体であり、外殻部に、外殻部の表面と裏面との間を貫通するような孔(貫通孔)を有する材料が好ましい。
【0173】
また、上記の発明の実施の形態では、球形形状の和紙成形体を製造した例を説明したが、これは、単に、本発明を説明するために用いたものであって、本発明は、球形形状の和紙成形物のみを製造することができるものでは無いことは、言うまでもない。
【0174】
本発明に係る和紙成形体の製造装置及び/又は和紙成形体の製造方法を用いれば、網3の形状を球形形状、ラグビーボールや卵型等の平面視した場合、略楕円体形状、また、手袋のような形状等、種々の袋のようになっている形状とすれば、そのような和紙成形体を製造することができる。
【0175】
例えば、ラグビーボールや卵型等の平面視した場合、略楕円体形状の和紙成形体を製造する場合には、ラグビーボールや卵型等の平面視した場合、略楕円体形状の網を用意し、バルーン体と網の間に充填材を詰めることで、網の形状を保持できるようにしてから、上記手順に沿って、そのような和紙成形体を製造すればよい。
【0176】
また、例えば、手袋のような形状の和紙成形体を製造する場合には、手袋のような形状の網を用意し、バルーン体と網の手のひら挿入部との間、及び、網の指挿入部に充填材を詰めることで、網の形状を保持できるようにしてから、上記手順に沿って、そのような和紙成形体を製造すればよい。
【0177】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載の和紙成形体の製造方法では、網を充填材により形状保持するようにし、充填材を充填した網を、紙原料を分散した溶液中に浸漬し、網の表面に紙を抄くようにしているので、所望の立体形状の網の形状を保持しつつ、網の表面に、所望の立体形状の和紙成形体を製造することができる。且つ、充填材を充填した網を、紙原料を分散した溶液中に浸漬し、網上に紙を抄くという作業を繰り返し行なうことで、所望の紙厚、繊維及び/又は繊維束の不均一な重なりが生じることがなく、その表面に線が形成されることがない、和紙成形体を製造することができる。また、網の表面に紙を抄くようにしているので、シームレスな和紙成形体を製造できる。
【0178】
請求項1に記載の和紙成形体の製造方法では、予め調整された紙原料を分散させた溶液中に、網、充填材及びバルーン体を浸漬させる前には、バルーン体の内部に、空気を入れることで、網内の重量を軽くして、網の変形を防ぎ、予め調整された紙原料を分散させた溶液中に、網、充填材及びバルーン体を浸漬させる工程や、網の表面に紙を抄く工程では、バルーン体内に水を入れることで、網、充填材及びバルーン体の比重を、予め調整された紙原料を分散させた溶液に近い比重とし、網の変形を防いでいる。即ち、和紙成形体の製造方法を用いれば、所望の形状の和紙成形体を製造することができる。また、この和紙成形体の製造方法では、網の内部に、バルーン体を配置し、網とバルーン体の間に充填材を詰め、バルーン体と充填材との協働により網の形状の保持を図っている。
【0179】
即ち、この和紙成形体の製造方法には、バルーン体により、網内に詰める充填材の量を減らすことができるので、網内に充填材を詰める作業を軽減できる、という利点もある。
【0180】
請求項2に記載の和紙成形体の製造方法では、予め調整された紙原料を分散させた溶液中に、網、充填材及びバルーン体を浸漬させる前には、バルーン体の内部には、空気を入れることで、網内の重量を軽くして、網の変形を防ぎ、且つ、紙を抄く際には、バルーン体の内部に注入した溶液の水位を前記紙原料を分散した溶液の水位と同調させて、網の変形を防いでいる。即ち、和紙成形体の製造方法を用いれば、所望の形状の和紙成形体を製造することができる。
【0181】
請求項3に記載の和紙成形体の製造方法では、比重の小さい材料を選択しているので、網内に充填物を詰めた後に、その自重による網の変形を防ぐことができる。
【0182】
請求項4に記載の和紙成形体の製造方法では、充填材として、貫通孔を有する中空物を用いているので、網内に充填物を詰めた後に、その自重による網の変形を防ぐことができ、且つ、充填物を詰めた網を、予め調整した紙原料を分散させた溶液中に浸漬した後において、浮力による網の形状の変形を防ぐことができる。これにより、この和紙成形体の製造方法を用いれば、所望の形状の和紙成形体を希望通りの形状で製造することができる。
【0184】
請求項5に記載の和紙成形体の製造装置では、網を充填材により形状保持するようにし、充填材を充填した網を、紙原料を分散した溶液中に浸漬し、網の表面に紙を抄くようにしているので、所望の立体形状の網の形状を保持しつつ、網の表面に、所望の立体形状の和紙成形体を製造することができる。且つ、充填材を充填した網を、紙原料を分散した溶液中に浸漬し、網上に紙を抄くという作業を繰り返し又は連続して行なうことで、所望の紙厚、繊維及び/又は繊維束の不均一な重なりが生じることがなく、その表面に線が形成されることがない、和紙成形体を製造することができる。また、網の表面に紙を抄くことができるようにしているので、シームレスな和紙成形体を製造できる。
【0185】
請求項5に記載の和紙成形体の製造装置では、予め調整された紙原料を分散させた溶液中に、網、充填材及びバルーン体を浸漬させる前には、バルーン体の内部には、空気を入れることで、網内の重量を軽くして、網の変形を防ぎ、予め調整された紙原料を分散させた溶液中に、網、充填材及びバルーン体を浸漬させる工程や、網の表面に紙を抄く工程では、バルーン体内に水を入れることで、網、充填材及びバルーン体の比重を、予め調整された紙原料を分散させた溶液に近い比重とし、網の変形を防ぐことができるようにしている。即ち、和紙成形体の製造装置を用いれば、所望の形状の和紙成形体を製造することができる。
【0186】
また、この和紙成形体の製造装置では、網の内部に、バルーン体を配置し、網とバルーン体の間に充填材を詰め、バルーン体と充填材との協働により網の形状の保持を図ることができるようにしている。
【0187】
即ち、この和紙成形体の製造装置には、バルーン体により、網内に詰める充填材の量を減らすことができるので、網内に充填材を詰める作業を軽減できる、という利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る和紙成形体の製造装置を概略的に示す構成図である。
【図2】図2(a)及び図2(b)の各々は、本発明に係る和紙成形体を製造方法の要部を模式的に説明する説明図である。
【図3】本発明に係る和紙成形体を製造方法の要部を模式的に説明する説明図である。
【図4】本発明に係る和紙成形体を製造方法の要部を模式的に説明する説明図である。
【図5】本発明に係る和紙成形体を製造方法の要部を模式的に説明する説明図である。
【図6】従来の和紙成形体の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 和紙成形体の製造装置
2 溶液貯蔵槽
3 網
4 取付部
4a 網取付部
4b バルーン体取付部
5 バルーン体
6 バルーン体内液面検出用補助タンク
7、8 エアー圧力計
12 制御装置
c1、c2 接続部
f 充填材
L1、L2、L3、L4、L5、L6 信号線
t1 給排水管
t2 給水管
t3 排水管
t4 空気供給管
t5 第1の排水管
t6 第2の排水管
t7 補助タンク用給水管
v1 バルーン体内給水用バルブ
v2 バルーン体内排水用バルブ
v3 バルーン体内排水流量調整バルブ
v4 溶液貯蔵槽内排水用バルブ
v5 溶液貯蔵槽内排水量調整用バルブ
v6 排水用バルブ
v7 排水量調整用バルブ
v8 圧縮エアー調整弁
v9 圧縮エアー調整弁
et6 排水口
Claims (5)
- 網の内側に、バルーン体を挿入し、前記網と、前記バルーン体の表面との間の空隙に、充填材を充填した後、前記バルーン体の内部に溶液を注入しつつ、前記網を、紙原料を分散した溶液中に浸漬し、前記網の表面に紙を抄くようにした、和紙成形体の製造方法。
- 前記網の表面に紙を抄く際に、前記バルーン体の内部に注入した溶液の水位を前記紙原料を分散した溶液の水位と同調させるようにした、請求項1に記載の和紙成形体の製造方法。
- 前記充填材が、発泡スチロールビーズを含む、請求項1又は請求項2に記載の和紙成形体の製造方法。
- 前記充填材が、貫通孔を有する中空物を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の和紙成形体の製造方法。
- 紙原料を分散した溶液を収容する溶液貯蔵槽と、前記溶液貯蔵槽内に設けられた、網を取り付ける網取付部とを備え、前記網の内部にバルーン体を挿入し、前記網と、前記バルーン体の表面との間の空隙に、充填材を充填した後、前記充填材を充填した網を前記網取付部に取り付け、その後、前記バルーン体の内部に溶液を注入しつつ、前記溶液貯蔵槽内に、前記紙原料を分散した溶液を収容し、前記網の表面に紙を抄くようにした、和紙成形体の製造装置。
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