JP4500640B2 - 感光性平版印刷版 - Google Patents
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Description
これらの組成物の有機高分子として、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステルの共重合体を用いることは、従来数多く知られている(例えば、特許文献1、2、3および4参照。)。
しかし、これらの従来の組成物の性能は十分と言えず、特に感度、耐汚れ性、耐刷性の点で改良が望まれていた。
また、近年、光重合性感光材料を用いた高感度感材の研究が進み、種々の応用分野に適用されている。その中でも特にレーザー直接製版システムは実用化の領域に入り、アルゴンイオンレーザー(488nm)、FD−YAGレーザー(532nm)、バイオレットレーザー(405nm)で描画可能なCTP版が実用化されている(例えば、特許文献6、7および8参照。)。
しかし、特許文献6、7および8等に記載のCTP版は、感度、印刷での汚れ難さ、耐刷力の全ての性能を満足するものがなく、印刷版としてバランスの良い性能を有するものが望まれていた。
。
(1)平均開口径0.5〜5μmの中波構造と平均開口径0.01〜0.2μmの小波構造とを重畳した構造の砂目形状を表面に有する平版印刷版用支持体を、有機ホスホン酸化合物により親水化処理した後に、付加重合可能なエチレン性不飽和化合物、下記C−1で表される増感色素、重合開始剤としてヘキサアリールビスイミダゾール骨格を有する化合物、連鎖移動剤および高分子バインダーを含有する重合層と、酸素遮断性のオーバーコート層とを、前記支持体上に順次設けたことを特徴とする感光性平版印刷版。
(2)前記有機ホスホン酸化合物がポリビニルホスホン酸であることを特徴とする前記(1)記載の感光性平版印刷版。
(3)前記平版印刷版用支持体が、平均波長5〜100μmの大波構造と平均開口径0.5〜5μmの中波構造と平均開口径0.01〜0.2μmの小波構造とを重畳した構造の砂目形状を表面に有することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の感光性平版印刷版。
(4)前記小波構造の開口径に対する深さの比の平均が0.2以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の感光性平版印刷版。
(5)前記高分子バインダーがポリウレタンバインダーであることを特徴とする前記(
1)〜(4)のいずれかに記載の感光性平版印刷版。
(6)前記ポリウレタンバインダーが架橋性基を有することを特徴とする前記(5)に記載の感光性平版印刷版。
(7)前記連鎖移動剤が、下記のE−1またはE−2で表されることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の感光性平版印刷版。
以下、本発明の感光性平版印刷版について詳細に説明する。
本発明の感光性平版印刷版は、特定の砂目構造を有する粗面化処理を行なった後、陽極酸化処理をし、さらに有機ホスホン酸により親水化処理を行い、重合層、酸素遮断層を順次設けることにより得ることができる。
以下、本発明の感光性平版印刷版を構成する支持体及び各層について説明する。
[平版印刷版用支持体]
<表面の砂目形状>
本発明の平版印刷版用支持体は、平均開口径0.5〜5μmの中波構造と平均開口径0.01〜0.2μmの小波構造とを重畳した構造の砂目形状を表面に有することを特徴とする。本発明において、平均開口径0.5〜5μmの中波構造は、主にアンカー(投錨)効果によって重合層を保持し、耐刷力を付与する機能を有する。中波構造のピットの平均開口径が0.5μm未満であると、上層に設けられる重合層との密着性が低下し、平版印
刷版の耐刷性が低下する場合がある。また、中波構造のピットの平均開口径が5μmを超えると、アンカーの役割を果たすピット境界部分の数が減るため、やはり耐刷性が低下する場合がある。中波構造の平均開口径は、0.7〜3.0μmであるのがさらに好ましい。
なお、前記中波構造は、支持体の表面に80〜100%の面積率で、小波構造は、支持体の表面に70〜100%の面積率で存在するのが好ましい。
なお、中波構造と小波構造とが重畳した構造の砂目形状は、電子顕微鏡を用いて支持体の表面を真上から倍率10000倍で観察することにより、大きな波(中波)の繰返しの存在と、その大きな波の中に、小さな波(小波)が多数繰返し存在する構造として観察できる。また、大波は、上記で観察された中波の多数の繰返し包含するさらに大きな波の単位である。
電子顕微鏡を用いて支持体の表面を真上から倍率2000倍で撮影し、得られた電子顕微鏡写真においてピットの周囲が環状に連なっている中波構造のピット(中波ピット)を少なくとも50個抽出し、その直径を読み取って開口径とし、平均開口径を算出する。大波構造を重畳した構造の場合も同じ方法で測定する。また、測定のバラツキを抑制するために、市販の画像解析ソフトによる等価円直径測定を行うこともできる。この場合、上記電子顕微鏡写真をスキャナーで取り込んでデジタル化し、ソフトウェアにより二値化した後、等価円直径を求める。本発明者が測定したところ、目視測定の結果とデジタル処理の
結果とは、ほぼ同じ値を示した。大波構造を重畳した構造の場合も同様であった。
高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて支持体の表面を真上から倍率50000倍で撮影し、得られたSEM写真において小波構造のピット(小波ピット)を少なくとも50個抽出し、その直径を読み取って開口径とし、平均開口径を算出する。
小波構造の開口径に対する深さの比の平均は、高分解能SEMを用いて支持体の破断面を倍率50000倍で撮影し、得られたSEM写真において小波ピットを少なくとも20個抽出し、開口径と深さとを読み取って比を求めて平均値を算出する。
触針式粗さ計で2次元粗さ測定を行い、ISO4287に規定されている平均山間隔Sm を5回測定し、その平均値を平均波長とする。
本発明の平版印刷版用支持体は、後述するアルミニウム板に表面処理を施すことによって、上述した表面の砂目形状をアルミニウム板の表面に形成させたものである。本発明の平版印刷版用支持体は、好ましくはアルミニウム板に粗面化処理および陽極酸化処理を施して得られるが、この支持体の製造工程は、特に限定されず、粗面化処理および陽極酸化処理以外の各種の工程を含んでいてもよい。以下に、上述した表面の砂目形状を形成させるための代表的方法として、アルミニウム板に機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および電解液を用いた電気化学的粗面化処理を順次施す方法、アルミニウム板に機械的粗面化処理、アルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および異なる電解液を用いた電気化学的粗面化処理を複数回施す方法、アルミニウム板にアルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および電解液を用いた電気化学的粗面化処理を順次施す方法、アルミニウム板にアルカリエッチング処理、酸によるデスマット処理および異なる電解液を用いた電気化学的粗面化処理を複数回施す方法が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。これらの方法において、前記電気化学的粗面化処理の後、更に、アルカリエッチング処理および酸によるデスマット処理を施してもよい。これらの方法により得られた本発明の平版印刷版用支持体は、上述したように、2種以上の異なる周期の凹凸を重畳した構造が表面に形成されており、平版印刷版としたときの耐汚れ性および耐刷性のいずれにも優れる。以下、表面処理の各工程について、詳細に説明する。
機械的粗面化処理は、電気化学的粗面化処理と比較してより安価に、平均波長5〜100μmの凹凸のある表面を形成することができるため、粗面化処理の手段として有効である。機械的粗面化処理方法としては、例えば、アルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、特開平6−135175号公報および特公昭50−40047号公報に記載されているナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法を用いることができる。また、凹凸面をアルミニウム板に圧接する転写方法を用いることもできる。即ち、特開昭55−74898号、特開昭60−36195号、特開昭60−203496号の各公報に記載されている方法のほか、転写を数回行うことを特徴とする特開平6−5
5871号公報、表面が弾性であることを特徴とした特願平4−204235号明細書(特開平6−024168号公報)に記載されている方法も適用可能である。
電気化学的粗面化処理には、通常の交流を用いた電気化学的粗面化処理に用いられる電解液を用いることができる。中でも、塩酸または硝酸を主体とする電解液を用いることで、本発明に特徴的な凹凸構造を表面に形成させることができる。本発明における電解粗面化処理としては、陰極電解処理の前後に酸性溶液中での交番波形電流による第1および第2の電解処理を行うことが好ましい。陰極電解処理により、アルミニウム板の表面で水素
ガスが発生してスマットが生成することにより表面状態が均一化され、その後の交番波形電流による電解処理の際に均一な電解粗面化が可能となる。この電解粗面化処理は、例えば、特公昭48−28123号公報および英国特許第896,563号明細書に記載されている電気化学的グレイン法(電解グレイン法)に従うことができる。この電解グレイン法は、正弦波形の交流電流を用いるものであるが、特開昭52−58602号公報に記載されているような特殊な波形を用いて行ってもよい。また、特開平3−79799号公報に記載されている波形を用いることもできる。また、特開昭55−158298号、特開昭56−28898号、特開昭52−58602号、特開昭52−152302号、特開昭54−85802号、特開昭60−190392号、特開昭58−120531号、特開昭63−176187号、特開平1−5889号、特開平1−280590号、特開平1−118489号、特開平1−148592号、特開平1−178496号、特開平1−188315号、特開平1−154797号、特開平2−235794号、特開平3−260100号、特開平3−253600号、特開平4−72079号、特開平4−72098号、特開平3−267400号、特開平1−141094の各公報に記載されている方法も適用できる。また、前述のほかに、電解コンデンサーの製造方法として提案されている特殊な周波数の交番電流を用いて電解することも可能である。例えば、米国特許第4,276,129号明細書および同第4,676,879号明細書に記載されている。
ウムイオンが3〜50g/Lとなるように、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等を添加した液を用いることが好ましい。
硝酸を主体とする電解液を用いた電気化学的粗面化処理により、平均開口径0.5〜5μmのピットを形成することができる。ただし、電気量を比較的多くしたときは、電解反応が集中し、5μmを超えるハニカムピットも生成する。このような砂目を得るためには、電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和が、1〜1000C/dm2 であるのが好ましく、50〜300C/dm2 であるのがより好ましい。この際の電流密度は20〜100A/dm2 であるのが好ましい。また、高濃度または高温の硝酸電解液を用いると、平均開口径0.2μm以下の小波構造を形成させることもできる。
塩酸はそれ自身のアルミニウム溶解力が強いため、わずかな電解を加えるだけで表面に微細な凹凸を形成させることが可能である。この微細な凹凸は、平均開口径が0.01〜0.2μmであり、アルミニウム板の表面の全面に均一に生成する。このような砂目を得るためには電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和が、1〜100C/dm2 であるのが好ましく、20〜70C/dm2 であるのがより好ましい。この際の電流密度は20〜50A/dm2 であるのが好ましい。
アルカリエッチング処理は、上記アルミニウム板をアルカリ溶液に接触させることにより、表層を溶解する処理である。
を用いた場合、塩酸電解液を用いた場合よりもエッチング量は多めに設定する必要がある。電解粗面化処理が複数回行われる場合には、それぞれの処理後に、必要に応じてアルカリエッチング処理を行うことができる。
電解粗面化処理またはアルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗い(デスマット処理)が行われる。用いられる酸としては、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ化水素酸、ホウフッ化水素酸が挙げられる。上記デスマット処理は、例えば、上記アルミニウム板を塩酸、硝酸、硫酸等の濃度0.5〜30質量%の酸性溶液(アルミニウムイオン0.01〜5質量%を含有する。)に接触させることにより行う。アルミニウム板を酸性溶液に接触させる方法としては、例えば、アルミニウム板を酸性溶液を入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板を酸性溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、酸性溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙げられる。デスマット処理においては、酸性溶液として、上述した電解粗面化処理において排出される硝酸を主体とする水溶液もしくは塩酸を主体とする水溶液の廃液、または、後述する陽極酸化処理において排出される硫酸を主体とする水溶液の廃液を用いることができる。デスマット処理の液温は、25〜90℃であるのが好ましい。また、処理時間は、1〜180秒であるのが好ましい。デスマット処理に用いられる酸性溶液には、アルミニウムおよびアルミニウム合金成分が溶け込んでいてもよい。
以上のように処理されたアルミニウム板には、更に、陽極酸化処理が施される。陽極酸化処理はこの分野で従来行われている方法で行うことができる。この場合、例えば、硫酸濃度50〜300g/Lで、アルミニウム濃度5質量%以下の溶液中で、アルミニウム板を陽極として通電して陽極酸化皮膜を形成させることができる。陽極酸化処理に用いられる溶液としては、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸等を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
、アルミニウム板416は、図4中矢印で示すように搬送される。電解液418が貯溜された給電槽412にてアルミニウム板416は給電電極420によって(+)に荷電される。そして、アルミニウム板416は、給電槽412においてローラ422によって上方に搬送され、ニップローラ424によって下方に方向変換された後、電解液426が貯溜された電解処理槽414に向けて搬送され、ローラ428によって水平方向に方向転換される。ついで、アルミニウム板416は、電解電極430によって(−)に荷電されることにより、その表面に陽極酸化皮膜が形成され、電解処理槽414を出たアルミニウム板416は後工程に搬送される。前記陽極酸化処理装置410において、ローラ422、ニップローラ424およびローラ428によって方向転換手段が構成され、アルミニウム板416は、給電槽412と電解処理槽414との槽間部において、前記ローラ422、424および428により、山型および逆U字型に搬送される。給電電極420と電解電極430とは、直流電源434に接続されている。
本発明においては、必要に応じて陽極酸化皮膜に存在するマイクロポアを封じる封孔処理を行ってもよい。封孔処理は、沸騰水処理、熱水処理、蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等の公知の方法に従って行うことができる。例えば、特公昭56−12518号公報、特開平4−4194号公報、特願平4−33952号明細書(特開平5−202496号公報)、特願平4−33951号明細書(特開平5−179482号公報)等に記載されている装置および方法で封孔処理を行ってもよい。
陽極酸化処理後または封孔処理後は、有機ホスホン酸化合物による親水化処理を行う。有機ホスホン酸化合物による親水化処理としては、以下に述べる処理が好ましい。具体的には独国特許第1,134,093号明細書および英国特許第1,230,447号明細書に記載されているポリビニルホスホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載されているホスホン酸処理があげられる。
また特開昭63−145092号公報に記載されているカルボキシ基またはヒドロキシ基を含む有機ホスホン酸、特開昭63−165183号公報に記載されているアミノ基とホスホン酸基を有する化合物、特開平5−246171号公報に記載されているフェニルホスホン酸等の脂肪族または芳香族ホスホン酸処理をあげることができる。
これらの中で特にポリビニルホスホン酸による処理が耐汚れ性および耐刷性の観点から好ましい。
2)として測定される。例えば、下記のように蛍光X線分析装置として理学電機工業(株)製RIX3000を用い、ピーク高さよりP原子の量を測定する。
X線管球 :Rh
測定スペクトル :P−Kα
管電圧 :50kV
管電流 :50mA
スリット :COARSE
分光結晶 :RX4
検出器 :F−PC
分析面積 :30mmφ
ピーク位置(2θ) :144.75deg.
バックグランド(2θ) :140.70deg.,146.85deg.
積算時間 :80秒/sample
上述した各処理の工程終了後には水洗を行うのが好ましい。水洗には、純水、井水、水道水等を用いることができる。処理液の次工程への持ち込みを防ぐためにニップ装置を用いてもよい。
本発明の平版印刷版用支持体を得るためには公知のアルミニウム板を用いることができる。本発明に用いられるアルミニウム板は、寸度的に安定なアルミニウムを主成分とする金属であり、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。純アルミニウム板のほか、アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板を用いることもできる。
等に記載された技術も知られている。
659号、特開平4−231425号、特開平4−276031号、特開平5−311261号、特開平6−136466号の各公報等に記載されている。また、溶湯の脱ガスに関しては、特開平5−51659号公報、実開平5−49148号公報等に記載されている。本願出願人も、特開平7−40017号公報において、溶湯の脱ガスに関する技術を提案している。
鈍、平面性の改善、スリット等の工程を経て、所定の厚さ、例えば、0.1〜0.5mmの板厚に仕上げられる。連続鋳造法を用いた場合の中間焼鈍条件および冷間圧延条件については、本願出願人によって提案された技術が、特開平6−220593号、特開平6−210308号、特開平7−54111号、特開平8−92709号の各公報等に記載されている。
ドルフェルト、ハードボードを用いることができる。この他にもいろいろな形態があるが、安定して、キズも付かず運送等が可能であればこの方法に限るものではない。
本発明の感光性平版印刷版は、支持体上に中間層を設けることができる。この中間層は、高分子化合物を含有する。以下、中間層に用いられる高分子化合物について説明する。
ここで、「単位(A)」は、アルミナを主成分とする薄層クロマトグラフィーをメタノールで展開したときのRf値が0.5以下、好ましくは0.2以下の単量体(以下「単量体(A)」という。)から誘導され、後述する単量体(B)と重合して生成する高分子化合物を構成する単位である。また、「単位(B)」は、シリカを主成分とする薄層クロマトグラフィーをメタノールで展開したときのRf値が0.5以下、好ましくは0.2以下の単量体(以下「単量体(B)」という。)から誘導され、上記単量体(A)と重合して生成する高分子化合物を構成する単位である。
即ち、上記高分子化合物は、アルミナを主成分とする薄層クロマトグラフィーをメタノールで展開したときのRf値が0.5以下の単量体(A)から誘導される単位(A)と、シリカを主成分とする薄層クロマトグラフィーをメタノールで展開したときのRf値が0.5以下の単量体(B)から誘導される単位(B)とを含有し、前記単量体(A)と単量体(B)とを重合して生成される高分子化合物である。
XおよびX′は、それぞれ独立に、pKa が7以下の酸基またはそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を表し、カルボキシ基、スルホ基、ホスホン酸基、硫酸モノエステル基またはリン酸モノエステル基であるのが好ましい。
R1 は、水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を表し、水素原子またはアルキル基であるのが好ましい。
a、b、dおよびeは、それぞれ独立に、0または1を表し、aとbが同時に0でないのが好ましい。tは1〜3の整数を表す。
アクリル酸(Rf:0.09)
メタクリル酸(Rf:0.09)
マレイン酸(Rf:0.00)
が水素原子またはアルキル基であり、R3 、R4 、R5およびR7 が、それぞれ独立に、水素原子または置換基が結合していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、芳香族基またはアラルキル基であり、R6 が炭素数1〜10のアルキリジン基または置換アルキリジンであり(ただし、R3 とR4 、および、R6 とR7 は、それぞれ結合して環を形成していてもよい。)、j、kおよびmが、それぞれ独立に、0または1である(ただし、jとkが同時に0でない。)、単量体が好ましい。R8は炭素数1〜30のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。
1〜3のアルキル基で置換して得られる置換フェニレン基であり、Mが炭素数1〜2のアルキレン基または酸素原子で連結された炭素数1〜2のアルキレン基であり、Z- が塩素イオンまたはR8 SO3 - であり、R2 が水素原子またはメチル基であり、jが0であり、kが1である単量体が好ましい。
ンエーテル等を含有する単量体が挙げられる。
単位(A)を20モル%以上含有すると、アルカリ現像時の除去性がいっそう促進される。また、単位(B)を1モル%以上含有すると、単位(A)との相乗効果により密着性がいっそう向上する。
本発明に用いられる高分子化合物は、光散乱法を用いて測定した質量平均分子量(Mw )が500〜2,000,000であるのが好ましく、2,000〜600,000であるのがより好ましい。また、高分子化合物中に含まれる未反応モノマー量は、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
また、中間層には、平版印刷版の調子再現性を改良するため、黄色染料を含有させることもできる。
中間層を設ける方法としては、例えば、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン等の有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤またはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤に上記高分子化合物を溶解させた溶液を平版印刷版用支持体上に塗布し乾燥させて設ける方法、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン等の有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤またはこれらの有機溶剤と水との混合溶剤に上記高分子化合物を溶解させた溶液に、平版印刷版用支持体を浸せきさせて高分子化合物を吸着させた後、水等によって洗浄し乾燥させて設ける方法が挙げられる。
本発明に用いる感光性平版印刷版の重合層(以下、単に感光層とも呼ぶ)を構成する重合型感光性組成物(以下、重合性組成物と呼ぶ)は、特に限定されないが、好ましくは、付加重合可能なエチレン性不飽和化合物(以下、エチレン性不飽和結合含有化合物とも呼ぶ)、高分子バインダー、重合開始剤を必須成分とし、必要に応じ、増感色素、共増感剤、着色剤、可塑剤、熱重合禁止剤等の種々の化合物を含有する組成物である。
エチレン性不飽和結合含有化合物とは、重合性組成物が活性光線の照射を受けた時、重合開始剤の作用により付加重合し、架橋、硬化するようなエチレン性不飽和結合を有する化合物である。付加重合可能なエチレン性不飽和結合を含む化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選択することができる。例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつものである。
。さらに、前述のエステルモノマーの混合物も挙げることができる。また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレシビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
(ただし、RおよびR'はHあるいはCH3を示す。)
感光層に用いられる高分子バインダーは、該組成物の皮膜形成剤として機能するだけでなく、アルカリ現像液に溶解する必要があるため、アルカリ水に可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が使用される、該有機高分子重合体は、例えば、水可溶性有機高分子重合体を用いると水現像が可能になる。この様な有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59-44615号、特公昭54-34327号、特公昭58-12577号、特公昭54-25957号、特開昭54-92723号、特開昭59-53836号、特開昭59-71048号の各公報に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。
基、アミノ基、エポキシ基等が、又光照射によりラジカルになり得る官能基としてはメルカプト基、チオール基、ハロゲン原子、トリアジン構造、オニウム塩構造等が、又極性基としてカルボキシル基、イミド基等が挙げられる。上記付加重合反応し得る官能基としては、アクリル基、メタクリル基、アリル基、スチリル基などエチレン性不飽和結合基が特に好ましいが、又アミノ基、ヒドロキシ基、ホスホン酸基、燐酸基、カルバモイル基、イソシアネート基、ウレイド基、ウレイレン基、スルホン酸基、アンモニオ基から選ばれる官能基も有用である。
本発明では、特にポリウレタン樹脂が有用である。
(i)ジイソシアネート化合物
ジイソシアネート化合物としては、式(1)で表されるジイソシアネート化合物が挙げられる。
,4(または2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等のような脂環式ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等のようなジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物等が挙げられる。
少なくとも1つのカルボキシル基を有する少なくとも1種のジオール化合物としては、式(2)、(3)、(4)のジオール化合物および/または、テトラカルボン酸2無水物をジオール化合物で開環させた化合物が挙げられる。カルボン酸2無水物を開環させるために使用されるジオール化合物を使用することができる。
ノカルボニル)]ジフタル酸二無水物、ヒドロキノンジアセテートとトリメット酸無水物の付加体、ジアセチルジアミンとトリメット酸無水物の付加体などの芳香族テトラカルボン酸二無水物;5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンB−4400)、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物などの脂環族テトラカルボン酸二無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
a)テトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環させて得られたアルコール末端の化合物と、ジイソシアネート化合物とを反応させる方法。
b)ジイソシアネート化合物をジオール化合物過剰の条件下で反応させ得られたアルコール末端のウレタン化合物と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させる方法。
その他のジオール化合物としては一般式(A’)で表されるエチレングリコール化合物を挙げることができる。
HO−(CH2CH2O)n−H (A’)
(式中、nは1以上の整数を表す。)
、nが2〜50のエチレングリコール化合物がより好ましく、nが3〜30のエチレングリコール化合物がさらに好ましく、nが4〜10のエチレングリコール化合物が特に好ましい。
HO−L6−O−CO−L7−CO−O−L6−OH (11)
HO−L7−CO−O−L6−OH (12)
式中、L6、L7はそれぞれ同一でも相違していてもよく、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、などの各基が含まれる。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を示す。必要に応じ、L6、L7中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド基などを有していてもよい。なおL6、L7で環を形成してもよい。
HO−L8−NH−CO−L9−CO−NH−L8−OH (19)
HO−L9−CO−NH−L8−OH (20)
式中、L8、L9はそれぞれ同一でも相違していてもよく、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、などの各基が含まれる。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を示す。必要に応じ、L8、L9中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド基などを有していてもよい。なおL8、L9で環を形成してもよい。
HO−Ar2−(L16−Ar3)n−OH (21)
HO−Ar2−L16−OH (22)
式中、L16は置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基を示す。必要に応じ、L16中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド基を有していてもよい。
本発明におけるポリウレタン樹脂において、さらに下記に示すアミノ基含有化合物を組み合わせて式(1)で表されるジイソシアネート化合物と反応させ、ウレア構造を形成してポリウレタン樹脂の構造に組み込んでもよい。
。
(側鎖にエチレン性不飽和結合を有するウレタン樹脂)
本発明に用いられる特定ウレタン樹脂は、その側鎖に、下記一般式(1)〜(3)で表される官能基のうち少なくとも1つを有するものが挙げられる。まず、下記一般式(1)〜(3)で表される官能基について説明する。
ール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。
よいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
本発明に係る特定ウレタン樹脂は、下記一般式(4)で表されるジイソシアネート化合物の少なくとも1種と、一般式(5)で表されるジオール化合物の少なくとも1種と、の反応生成物で表される構造単位を基本骨格とするポリウレタン樹脂(以下、適宜「特定ポリウレタン樹脂と称する)である。
HO−Y0−OH (5)
上記一般式(4)で表されるジイソシアネート化合物としては、例えば、トリイソシアネート化合物と、不飽和基を有する単官能のアルコール又は単官能のアミン化合物1当量とを付加反応させて得られる生成物がある。
トリイソシアネート化合物としては、例えば下記に示すものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
すなわち、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等のような脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等のような脂環族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等のようなジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物;等が挙げられる。
上記一般式(5)で表されるジオール化合物としては、広くは、ポリエーテルジオール化合物、ポリエステルジオール化合物、ポリカーボネートジオール化合物等が挙げられる。
また、重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物と高分子バインダーは、質量比で1/9〜9/1の範囲とするのが好ましい。より好ましい範囲は2/8〜8/2であり、更に好ましくは3/7〜7/3である。
本発明に使用される重合開始剤としてはヘキサアリールビイミダゾール系化合物、オニウム塩、トリハロメチル化合物およびメタロセン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、特にヘキサアリールビイミダゾール系化合物が好ましい。
具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム等を挙げることができる。
本発明の感光層には、露光光源の波長に対応した増感色素を含有することができる。
まず、300nmから500nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素について説明する。この様な増感色素としては、例えば、下記一般式(V)に示されるメロシアニン色素類、下記一般式(VI)で示されるベンゾピラン類、クマリン類、下記一般式(VII)で表される芳香族ケトン類、下記一般式(VIII)で表されるアントラセン類、等を挙げることができる。
3は一価の非金属原子団を表す。より好ましいR13は、芳香族基またはヘテロ芳香族基であって、Ar3とR13が互いに結合して環を形成してもよい。)
フェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等)、ヘテロアリール基(例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジン等)、アルケニル基(例えばビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等)、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)およびその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO3H2)およびその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、
モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO3H2)およびその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、等が挙げられ、以上の置換基のうち、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基が特に好ましい。
、ナフト[1,2]セレナゾール、ナフト[2,1]セレナゾール等)、チアゾリン類(例えば、チアゾリン、4−メチルチアゾリン等)、2−キノリン類(例えば、キノリン、3−メチルキノリン、5−メチルキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、6−クロロキノリン、8−クロロキノリン、6−メトキシキノリン、6−エトキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン等)、4−キノリン類(例えば、キノリン、6−メトキシキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン等)、1−イソキノリン類(例えば、イソキノリン、3,4−ジヒドロイソキノリン、等)、3−イソキノリン類(例えば、イソキノリン等)、ベンズイミダゾール類(例えば、1,3−ジエチルベンズイミダゾール、1−エチル−3−フェニルベンズイミダゾール等)、3,3−ジアルキルインドレニン類(例えば、3,3−ジメチルインドレニン、3,3,5,−トリメチルインドレニン、3,3,7,−トリメチルインドレニン等)、2−ピリジン類(例えば、ピリジン、5−メチルピリジン等)、4−ピリジン(例えば、ピリジン等)等を挙げることができる。
具体例としては、ベンゾジチオール類(例えば、ベンゾジチオール、5−t−ブチルベンゾジチオール、5−メチルベンゾジチオール等)、ナフトジチオール類(例えば、ナフト[1,2]ジチオール、ナフト[2,1]ジチオール等)、ジチオール類(例えば、4,5−ジメチルジチオール類、4−フェニルジチオール類、4−メトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジメトキシカルボニルベンゾジチオール類、4,5−ジトリフルオロメチルジチオール、4,5−ジシアノジチオール、4−メトキシカルボニルメチルジチオール、4−カルボキシメチルジチオール等を挙げることができる。
、水素原子または一価の非金属原子団を表し、AとR1およびR2とR3はそれぞれ互いに、脂肪族性または芳香族性の環を形成するため結合してもよい。)
モイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO3H2)およびその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO3H2)およびその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
ル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
ある種の添加剤(以後、共増感剤という)を用いることで、該感光層の感度をさらに向上させる事ができる。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。
即ち、先述の重合開始系の光吸収により開始される光反応と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、過酸化物、酸化剤、還元剤等)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。
共増感剤は、大きくは、以下の(a)〜(c)に分類されるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
(a)還元されて活性ラジカルを生成しうる化合物
(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうる化合物
(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用する化合物
炭素−ハロゲン結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が開裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や、酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂し、活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には例えば、トリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
共増感剤は、単独でまたは2種以上併用して用いることができる。
共増感剤の使用量は、エチレン性不飽和二重結合を有する重合可能な化合物100質量部に対し通常0.05〜100質量部、好ましくは1〜80質量部、さらに好ましくは3〜50質量部である。
また、本発明においては以上の基本成分の他に感光性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合禁止剤としてはハロイドキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。
熱重合禁止剤の添加量は、感光層を構成する全固形分に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体等の添加量は、感光層を構成する全固形分に対して約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
更に感光層の着色を目的として、着色剤を添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料(C.I.Pigment Blue 15:3、15:4、15:6など)、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料がある。染料および顔料の添加量は全組成物の約0.5質量%〜約20質量%が好ましい。加えて、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は全組成物の10質量%以下が好ましい。
感光層の塗設に際しては、上記各成分を溶媒に溶解し塗布液を調製する。ここで使用する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライト、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート−3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどの有機溶媒がある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。
塗布溶液中の固形分の濃度は通常1〜50質量%である。
本発明の感光性平版印刷版においては、通常、露光を大気中で行うため、該感光性組成物からなる層の上に、さらに、オーバーコート層(保護層とも呼ぶ)を設ける事が好ましい。保護層は、感光層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素や塩基性物質等の低分子化合物の感光層への混入を防止し、大気中での露光を可能とする。従って、この様な保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できる事が望ましい。この様な、保護層に関する工夫が従来よりなされており、米国特許第3、458、311号、特開昭55−49729号
に詳しく記載されている。
本発明の感光性平版印刷版の製版方法に使用される現像液は、特に限定されないが、例えば、無機アルカリ塩とノニオン系界面活性剤を含有し、通常pHが11.0〜12.5であるものが好適に使用される。
本発明における感光性平版印刷版を、例えば、カーボンアーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、ヘリウムカドミウムレーザー、アルゴンイオンレーザー、FD・YAGレーザー、ヘリウムネオレーザー、半導体レーザー(350nm〜600nm)等の従来公知の活性光線で画像露光した後、現像処理することにより、アルミニウム板支持体表面に画像を形成することができる。
画像露光後、現像までの間に、感光層の硬化率を高める目的で50℃〜140℃の温度で1秒〜5分の時間の加熱プロセスを設けることを行っても良い。加熱温度が前記の範囲において、硬化率アップの効果があり、未露光部での暗重合による残膜も生じない。
上記のような処理により得られた印刷版は特開2000−89478号公報に記載の方法による後露光処理やバーニングなどの加熱処理により、耐刷性を向上させることができる。
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
なお、実施例12〜19は参考例である。
<支持体の作製>
1.平版印刷版用支持体の作成
(実施例1)
<アルミニウム板>
Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.005質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作成した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ、JIS 1050材のアルミニウム板を得た。このアルミニウム
板を幅1030mmにした後、以下に示す表面処理に供した。
表面処理は、以下の(b)〜(j)の各種処理を連続的に行うことにより行った。なお、各処理および水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2 溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は図2に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図3に示すものを使用した。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2 、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2 であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.25g/m2 溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
温度30℃の硫酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は図2に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図3に示すものを使用した。電流密度は電流のピーク値で25A/dm2 、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2 であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2 溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
図4に示す構造の陽極酸化装置を用いて陽極酸化処理を行い、実施例1の平版印刷版用支持体を得た。第一および第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度170g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度38℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2 であった。
上記(h)において、アルミニウム板の溶解量をそれぞれ0.2g/m2 および0.5g/m2 とした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2および3の平版印刷版用支持体を得た。
上記(g)において、交流電圧の周波数を30Hzとし、かつ、上記(h)を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、実施例4の平版印刷版用支持体を得た。
上記(g)において、交流電圧の周波数をそれぞれ300Hzおよび500Hzとした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例5および6の平版印刷版用支持体を得た。
上記(d)において、電流密度を電流のピーク値で15A/dm2 とした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例7の平版印刷版用支持体を得た。
上記(d)において、電解液の液温を70℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例8の平版印刷版用支持体を得た。
上記(b)の前に、下記(a)を行った以外は、実施例1と同様の方法により、実施例9の平版印刷版用支持体を得た。
(a)機械的粗面化処理
図1に示したような装置を使って、比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。図1において、1はアルミニウム板、2および4はローラ状ブラシ、3は研磨スラリー液、5、6、7および8は支持ローラである。研磨剤の平均粒径は40μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ
300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
上記(g)において、交流電圧の周波数を10Hzとした以外は、実施例3と同様の方法により、比較例1の平版印刷版用支持体を得た。
上記(g)において、交流電圧の周波数を10Hzとし、かつ、上記(h)において、アルミニウム板の溶解量を1.0g/m2 とした以外は、実施例1と同様の方法により、比較例2の平版印刷版用支持体を得た。
上記(d)において、交流電圧の周波数を15Hzとした以外は、実施例1と同様の方法により、比較例3の平版印刷版用支持体を得た。
上記(d)において、電解液の液温を80℃とし、かつ、TPを0msecとした以外は、実施例1と同様の方法により、比較例4の平版印刷版用支持体を得た。
上記(g)において、交流電圧の周波数を10Hzとし、かつ、上記(h)において、アルミニウム板の溶解量を1.0g/m2 とした以外は、実施例8と同様の方法により、比較例5の平版印刷版用支持体を得た。
上記(g)、(h)および(i)を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、比較例6の平版印刷版用支持体を得た。
上記(d)、(e)および(f)を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、比較例7の平版印刷版用支持体を得た。
上記(g)において、電解液として塩酸と酢酸との混合液(塩酸濃度7.5g/L、酢酸濃度15g/L)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、比較例8の平版印刷版用支持体を得た。
上記で得られた平版印刷版用支持体の表面の凹部について、下記(1)〜(4)の測定を行った。結果を第1表に示す。なお、第1表中、「−」は、該当する波長の凹部がなかったことを示す。
SEMを用いて支持体の表面を真上から倍率2000倍で撮影し、得られたSEM写真においてピットの周囲が環状に連なっている中波構造のピット(中波ピット)を50個抽
出し、その直径を読み取って開口径とし、平均開口径を算出した。
高分解能SEMを用いて支持体の表面を真上から倍率50000倍で撮影し、得られたSEM写真において小波構造のピット(小波ピット)を50個抽出し、その直径を読み取って開口径とし、平均開口径を算出した。
小波構造の開口径に対する深さの比の平均は、高分解能SEMを用いて支持体の破断面を倍率50000倍で撮影し、得られたSEM写真において開口径0.3μm以下の小波ピットを20個抽出し、開口径と深さとを読み取って比を求めて平均値を算出した。
触針式粗さ計(sufcom575、東京精密社製)で2次元粗さ測定を行い、ISO4287に規定されている平均山間隔Sm を5回測定し、その平均値を平均波長とした。2次元粗さ測定は、以下の条件で行った。cut off0.8、傾斜補正FLAT−ML、測定長3mm、縦倍率10000倍、走査速度0.3mm/sec、触針先端径2μm
上記で得られた各平版印刷版用支持体に、後述するように有機ホスホン酸化合物による親水化処理、下塗処理等の界面処理を行った。
[親水化層]
このようにして得られた支持体を、1%ポリビニルホスホン酸水溶液に60℃条件で5秒間浸漬した後、水洗した。
この上に、下記組成の高感度重合性組成物P−1を乾燥塗布質量が1.5g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させ、感光層を形成した。
エチレン性不飽和結合含有化合物(A−1) 4.2 質量部
線状有機高分子重合体(高分子バインダー)(B−1) 3.6 質量部
増感剤(C−1) 0.21質量部
重合開始剤(D−1) 0.81質量部
連鎖移動剤(E−1) 0.3 質量部
ε―フタロシアニン分散物 0.76質量部
フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF780 0.05質量部
(大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 58 質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 53 質量部
ポリビニルアルコール(PVA105 クラレ(株)製) 75.7g
ルビスコールVA64W(50%aq. BASF(株)製) 5 g
ポリビニルピロリドン(K−30 和光純薬(株)製) 20 g
界面活性剤(エマレックス710 日本乳化剤(株)製) 1.8g
実施例1の感光層の高分子バインダーB−1を下記高分子バインダーB−2およびB−3に変えた以外は実施例1と同様にして感光性平版印刷版を作製した。
得られた感光性平版印刷版を富士写真フイルム(株)製Vx9600CTP(光源波長:405nm)にて感材上の露光量が0.05mJ/cm2になるように調整し画像状に描き込みを行った。その後、下記組成のアルカリ現像液を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサーLP−850PIIを用い、液温を30℃に保ち、現像時間20秒で現像した。得られた平版印刷版を、小森コーポレーション社製のリスロン印刷機で、大日本インキ化学工業社製のDIC−GEOS(N)墨のインキを用いて印刷し、ベタ画像の濃度が薄くなり始めたと目視で認められた時点の印刷枚数により、耐刷性を評価した。
水酸化カリウム 0.15g
ポリオキシエチレンナフチルエーテル(n=13) 5.0 g
キレスト400(キレート剤) 0.1 g
水 94.75g
また上記で得られた平版印刷版の耐汚れ性を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
三菱ダイヤ型F2印刷機(三菱重工社製)で、DIC−GEOS(s)紅のインキを用いて印刷し、1万枚印刷した後におけるブランケットの汚れを目視で以下のように評価した。結果を表1に示す。
○: ブランケットの汚れなし。
△: ブランケットにインキの着色が僅かにみられる。
×: ブランケットにインキの着色が著しい。
上記耐汚れ性の評価において、1万枚印刷した後、版を1時間放置し、その後、再度印刷を開始して、非画像部部分のブランケットの汚れを目視で評価した。結果を表1に示す。耐放置汚れ性をブランケットの汚れの程度が少ない方から○、△、×の4段階で評価した。
上記評価結果を表1に示す。
<支持体>
実施例12〜19及び比較例9〜12においては、上記実施例1記載の支持体を使用した。
実施例1記載の支持体上に、下記表2に示すように有機ホスホン酸化合物溶液により6
0℃5秒間親水化処理を行った(実施例12〜19)。また比較例9は親水化処理を行なわず、比較例10〜12においてはシリケート処理により中間層として有機ホスホン酸層を設け、この上に、下記組成の高感度重合性組成物P−2を乾燥塗布質量が1.5g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させ、感光層を形成した。
エチレン性不飽和結合含有化合物(A−1) 4.2 質量部
線状有機高分子重合体(高分子バインダー)(B−1) 3.6 質量部
増感剤(C−2) 0.21質量部
重合開始剤(D−1) 0.81質量部
連鎖移動剤(E−2) 0.3 質量部
ε―フタロシアニン分散物 0.76質量部
フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF780 0.05質量部
(大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 58 質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 53 質量部
得られた感光性平版印刷版に対し、実施例1と同じ評価を行った。結果を表3に示す。
2、4 ローラ状ブラシ
3 研磨スラリー液
5、6、7、8 支持ローラ
11 アルミニウム板
12 ラジアルドラムローラ
13a、13b 主極
14 電解処理液
15 電解液供給口
16 スリット
17 電解液通路
18 補助陽極
19a、19b サイリスタ
20 交流電源
40 主電解槽
50 補助陽極槽
410 陽極酸化処理装置
412 給電槽
414 電解処理槽
416 アルミニウム板
418、426 電解液
420 給電電極
422、428 ローラ
424 ニップローラ
430 電解電極
432 槽壁
434 直流電源
Claims (7)
- 前記有機ホスホン酸化合物がポリビニルホスホン酸であることを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版。
- 前記平版印刷版用支持体が、平均波長5〜100μmの大波構造と平均開口径0.5〜5μmの中波構造と平均開口径0.01〜0.2μmの小波構造とを重畳した構造の砂目形状を表面に有することを特徴とする請求項1または2に記載の感光性平版印刷版。
- 前記小波構造の開口径に対する深さの比の平均が0.2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性平版印刷版。
- 前記高分子バインダーがポリウレタンバインダーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感光性平版印刷版。
- 前記ポリウレタンバインダーが架橋性基を有することを特徴とする請求項5に記載の感光性平版印刷版。
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