以下に、本発明にかかるスイッチ装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
第1図〜第7図を用いてこの発明の実施の形態1を説明する。第1図は、この発明における実施の形態1のスイッチ装置が適用されるネットワークシステムの構成の一例を示す図である。第1図に示すネットワークシステムは、イーサーネット(登録商標)などで構成されるネットワークシステムであって、ルータ7−1〜7−4を有するL3ネットワーク8と、ルータ7−3によってL3ネットワーク8と接続されるスイッチ装置1−1〜1−6,1−9および加入者端末10−1〜10−4,10−6を有する大規模L2ネットワーク6−1と、ルータ7−4によってL3ネットワーク8と接続されるスイッチ装置1−7,1−8および加入者端末10−5を有する大規模L2ネットワーク6−2と、ルータ7−1によってL3ネットワークに接続されるサーバ9−1と、ルータ7−2によってL3ネットワークに接続されるサーバ9−2とで構成されている。また、大規模L2ネットワーク6−1,6−2はVLAN(Virtual Local Area Network)技術によって物理的な構成に依存しないネットワークを構成している。なお、第1図では、スイッチ装置1−3〜1−6,1−8,1−9に接続されている加入者端末はそれぞれ1台としているが、一般的には、複数の加入者端末が接続されている。
第1図に示したスイッチ装置1−1〜1−8は、すべて同じ機能を備えている。第2図に示したスイッチ装置1−1の構成を示すブロック図を参照してスイッチ装置の機能を説明する。
第2図に示したスイッチ装置1−1は、n(nは自然数)個の入力ポートPI1〜PInと、これら入力ポートPI1〜PInに対応したMACフレーム処理部2−1〜2−nと、レイヤ2スイッチ処理部(以下、L2スイッチ処理部とする)3と、m(mは自然数)個の出力ポートPO1〜POmに対応する出力ポート処理部4−1〜4〜mとを備えている。
MACフレーム処理部2−1〜2−nは、それぞれに対応する入力ポートPI1〜PInから入力されるMACフレームを解析するMACフレーム解析処理部22と、MACフレーム解析処理部22の解析結果に基づいて優先制御情報をMACフレームに付加する優先制御情報付与部21とを備えている。
第3図は、スイッチ装置1−1に入力されるMACフレームのフレーム構成の一例を示す図である。MACフレームは、MACフレームヘッダと、IPヘッダ(この場合はIPv4のIPヘッダ)と、TCPヘッダまたはUDPヘッダと、データとで構成される。MACフレームヘッダは、フレームの宛先アドレスを示す6バイトの宛先MACアドレスと、フレームの送信元アドレスを示す6バイトの送信元MACアドレスと、VLAN−IDやVLAN優先ビットなどのVLAN情報を示す4バイトのVLANタグと、フレームのタイプや長さを示す2バイトのデータ長(Type/Length)とで構成される。
IPヘッダは、IPプロトコルのバージョンを示す4ビットのバージョン(VER)と、IPヘッダフィールドの大きさを示す4ビットのインターネットヘッダ長(IHL)と、IPデータグラムが要求するサービス品質を示す1バイトのサービスタイプ(TOS)と、IPヘッダおよびIPデータの長さを示す2バイトのトータル長と、上位層から各IPデータを識別するための2バイトの識別子(ID)と、IPデータの分割に関する情報を示す3ビットのフラグ(FL)と、各フラグメントのオリジナルデータにおける位置を示す13ビットのフラグメント・オフセット(FO)と、通過可能なルータの残り数を示す2バイトの生存時間(TTL)と、IPデータに含むIPの上位プロトコルを識別するためのプロトコル種別コードを示す2バイトのプロトコルタイプ(PROT)と、IPヘッダにおけるエラー検出のための2バイトのヘッダ・チェックサム(HC)と、送信元のIPアドレスを示す4バイトの送信元IPアドレス(SA)と、宛先のIPアドレスを示す4バイトの宛先IPアドレス(DA)とで構成される。
IPヘッダの後は、TCPヘッダまたはUDPヘッダであり、どちらの場合でも、送信元のポート番号を示す2バイトの送信元ポート番号と、宛先のポート番号を示す2バイトの宛先ポート番号とを有している。
MACフレーム解析処理部22は、第3図に示したMACフレームの所定の情報、たとえば、データ長やプロトコルタイプ、送信元ポート番号、宛先ポート番号などが、予め定められた情報と一致しているか否かを判定する。MACフレーム解析処理部22は、MACフレームの所定の情報が予め定められた情報と一致している場合にはキュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する。MACフレームの所定の情報が予め定められた情報と不一致の場合にはVLAN優先通知を優先制御情報付与部21に出力する。
優先制御情報付与部21は、第4図に示すように、4バイトの優先制御情報をMACフレームヘッダの前に付加する。優先制御情報とは、出力ポート処理部4−1〜4−mのどのキューにMACフレームを振り分けるかを示すものであり、VLAN優先ビットに対応する優先制御バッファ部、および当該優先制御バッファ部内のキューを識別する情報である。優先制御情報付与部21は、キュー指定通知を受けた場合にはキュー指定通知に基づいた優先制御情報を、VLAN優先通知を受けた場合には、MACフレームヘッダのVLANタグに基づいた優先制御情報をMACフレームヘッダの前に付加する。
L2スイッチ処理部3は、優先制御情報付与部21から入力され優先制御情報付きMACフレームを宛先MACアドレスに対応する出力ポート処理部4−1〜4−mに出力する。
出力ポート処理部4−1〜4−mは、それぞれ同じ機能を備えている。第5図に示した出力ポート処理部4−1の構成を示すブロック図を参照して出力ポート処理部の機能を説明する。出力ポート処理部4−1は、出力ポートPO1〜POmに設定されるVLANの数(VLAN−ID)に対応する(この場合は、10個)のVLAN制御バッファ部40−1〜40−10と、これらVLAN制御バッファ部40−1〜40−10から出力されるMACフレームを多重して出力ポートPO1に出力する重処理部41とを備えている。第5図においては、VLAN制御バッファ部40−1がVLAN−ID「1」に対応付けられ、VLAN制御バッファ部40−2がVLAN−ID「2」に対応付けられ、…、VLAN制御バッファ部40−10がVLAN−ID「10」に対応付けられている。
VLAN制御バッファ部40−1〜40−10は、それぞれ同じ機能を備えている。VLAN制御バッファ部40−1は、VLANタグの8段階のVLAN優先ビットに対応した優先制御バッファ部42−0〜42−7と、これら優先制御バッファ部42−0〜42−7から出力されるVLAN優先ビット毎のMACフレームを多重する多重処理部43とを備えている。第5図においては、優先制御バッファ部42−7がVLANタグのVLAN優先ビット「7」に対応付けられ、優先制御バッファ部42−6がVLANタグのVLAN優先ビット「6」に対応付けられ、…、優先制御バッファ部42−0がVLANタグのVLAN優先ビット「0」に対応付けられている。
優先制御バッファ部42−0〜42−7は、それぞれ同じ機能を備えている。優先制御バッファ部42−7は、フレーム振り分け処理部44と、複数(この場合は9個)のキュー45−1〜45−9と、出力キュー制御部46−1〜46−3と、多重処理部47とを備えている。
フレーム振り分け処理部44は、優先制御情報付与部21によって付加された優先制御情報に基づいてL2スイッチ処理部3から入力された優先制御情報付きMACフレームをキュー45−1〜45−9に振り分ける。各キュー45−1〜45−9は、振り分けられた優先制御情報付きMACフレームを蓄積する。
出力キュー制御部46−1は、キュー45−1に蓄積されたMACフレームを読み出して多重処理部47に出力する。出力キュー制御部46−2は、キュー45−2〜45−4から予め定められた順番にMACフレームを読み出して多重処理部47に出力する。出力キュー制御部46−3は、キュー45−5〜45−8から予め定められた出力調停制御基づいてMACフレームを読み出して多重処理部47に出力する。
多重処理部47は、出力キュー制御部46−1〜46−3が各キュー45−1〜45−8から読み出したMACフレームおよびキュー45−9のMACフレームを多重する。すなわち、多重処理部47は、VLAN−ID毎のVLAN優先ビットによるMACフレームを多重する。
つぎに、第6図のフローチャートを参照して、この発明における実施の形態1のスイッチ装置の動作を説明する。なお、MACフレーム解析処理部22には、データ長が「0x0806」というARP(Address Resolution Protocol)フレーム識別情報と、宛先ポート番号が「67(43h)」であってかつ送信元ポート番号が「68(44h)」というHDCP識別情報と、プロトコルタイプが「1(01h)」というICMPInternet Control Message Protocol)フレーム識別情報が予め設定されているものとする。また、優先制御情報付与部21には、キュー指定通知を受けた場合、優先制御バッファ部42−0〜42−7のそれぞれの最優先キューであるキュー45−1を使用し、VLAN優先通知を受けた場合、キュー45−1〜45−9のどのキューを使用するかのVLAN優先順位が、予め設定されているものとする。
入力ポートPI1〜PInからMACフレーム(第3図参照)が入力されると、入力ポートPI1〜PInに対応するMACフレーム処理部2−1〜2−nのMACフレーム解析処理部22は、MACフレームがARPフレームであるか否かを判定する(ステップS100)。具体的には、MACフレームのプリアンブルによって同期検出を行った後に、ビット数またはバイト数をカウントして第3図に示したデータ長(Type/Lergth)の情報を検出する。そして、検出したデータ長の情報と、ARPフレーム識別情報「0x0806」とを比較する。データ長が「0x0806」の場合には、MACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレームがARPフレームであると判断して、キュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS130)。
データ長が「0x0806」ではない場合(ARPフレームではない場合)には、MACフレーム解析処理部22は、ICPMフレームであるか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、MACフレーム解析処理部22は、ビット数またはバイト数をカウントして第3図に示したプロトコルタイプ(PROT)の情報を検出する。そして、検出したプロトコルタイプの情報と、予め設定されているICPMフレーム識別情報「01h」とを比較する。プロトコルタイプが「01h」の場合には、MACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレームがICPMフレームであると判断して、キュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS130)。
プロトコルタイプが「01h」ではない場合(ICMPフレームではない場合)には、MACフレーム解析処理部22は、HDCPフレームであるか否かを判定する(ステップS120)。具体的には、MACフレーム解析処理部22は、ビット数またはバイト数をカウントして第3図に示した送信元ポート番号および宛先ポート番号の情報を検出する。そして、検出した送信元ポート番号および宛先ポート番号と、HDCPフレーム識別情報「44h」および「43h」とを比較する。送信元ポート番号が「44h」であってかつ宛先ポート番号が「43h」の場合には、MACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレームがHDCPフレームであると判定して、キュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS130)。
送信元ポート番号および宛先ポート番号が「44h」および「43h」ではない場合(HDCPフレームではない場合)には、MACフレーム解析処理部22は、VLAN優先通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS140)。すなわち、MACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレームがARPフレーム、ICMPフレーム、またはHDCPフレームの場合にはキュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力し、入力されたMACフレームがARPフレーム、ICMPフレームまたはHDCPフレームではない場合にはVLAN優先通知を優先制御情報付与部21に出力する。
優先制御情報付与部21は、キュー指定通知またはVLAN優先通知に基づいてMACフレームを割り振るキューを決定して、決定したキューを示すキュー番号を優先制御情報としてMACフレームの前に付加する(ステップS150)。具体的には、キュー指定通知を受けると、優先制御情報付与部21は、VLANタグが示すVLAN優先ビットと、最優先キューとして予め設定されているキュー45−1を識別するためキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームの前に付加する。なお、どのVLAN優先ビットのキュー45−1であるかが予め設定されている場合には、設定されているVLAN優先ビットを使用する。VLAN優先通知を受けると、優先制御情報付与部21は、VLANタグが示すVLAN優先ビットおよび予め定められたVLAN優先順位に基づいてMACフレームを割り振るキューを決定して、VALNタグが示すVLAN優先ビットと、決定したキューを識別するためキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。優先制御情報付与部21は、優先制御情報付きMACフレーム(第4図参照)をL2スイッチ処理部3に出力する。
L2スイッチ処理部3は、MACフレームの宛先MACアドレスおよびVLANタグのVLAN情報に基づいて優先制御情報付きMACフレームの訪路を決定する(ステップS160)。具体的には、L2スイッチ処理部3は、宛先MACアドレスに基づいて出力ポートPO1〜POmを決定して、決定した出力ポートPO1〜POmに対応する出力ポート処理部4−1〜4−mを決定する。たとえば、優先制御情報付きMACフレームの宛先MACアドレスが出力ポートPO1を示している場合には優先制御情報付きMACフレームを出力ポート処理部4−1に出力することを決定し、優先制御情報付きMACフレームの宛先MACアドレスが出力ポートPO2を示している場合に優先制御情報付きMACフレームを出力ポート処理部4−2に出力することを決定する。L2スイッチ処理部3は、決定した出力ポート処理部4−1〜4−mに優先制御情報付きMACフレームを出力する。
出力ポート処理部4−1〜4−mに入力された優先制御情報付きMACフレームは、VLANタグのVLAN−IDおよび情報識別情報に基づいたVLAN制御バッファ部の優先制御バッファ部に入力される。たとえば、VLAN−IDが「1」であり、優先制御情報のVLAN優先ビットが「7」の優先制御情報付きMACフレームはVLAN制御バッファ部40−1の優先制御バッファ部42−7のフレーム振り分け処理部44に入力され、VLAN−IDが「2」であり、優先制御情報のVLAN優先ビットが「3」の優先制御情報付きMACフレームはVLAN制御バッファ部40−2の優先制御バッファ部42−3のフレーム振り分け処理部44に入力される。
フレーム振り分け処理部44は、L2スイッチ処理部3から入力された優先制御情報付きMACフレームの優先制御情報に基づいて優先制御情報付きMACフレームをキュー45−1〜45−9に出力する(ステップS170)。ARPフレーム、ICMPフレームまたはHDCPフレームである優先制御情報付きMACフレームには、優先制御情報付与部21によって優先制御情報に最優先キューであるキュー45−1のキュー番号が設定されているので、ARPフレーム、ICMPフレームまたはHDCPフレームはキュー45−1に出力される。キュー45−1〜45−9は、フレーム振り分け処理部44から入力された優先制御情報付きMACフレームを蓄積する。
出力キュー制御部46−1〜46−3は、予め定められた出力調停制御に基づいてキュー45−1〜45−9に蓄積されている優先制御情報付きMACフレームを読み出して、多重処理部47に出力する。ここで、出力キュー制御部46−1〜46−3は、最優先キューであるキュー45−1に優先制御情報付きMACフレームが蓄積されている場合には、最優先でキュー45−1の優先制御情報付きMACフレームを読み出すものとする。
多重処理部47は、キュー45−1〜45−9から出力された優先制御情報付きMACフレームを多重して多重処理部43に出力し、多重処理部43は、優先制御バッファ部42−0〜42−7の各多重処理部47から入力された優先制御情報付きMACフレームを多重して多重処理部41に出力し、多重処理部41は、VLAN制御バッファ部40−1〜40−10の各多重処理部43から入力された優先制御情報付きMACフレームの優先制御情報を削除して、第4図に示した優先制御付きMACフレームを第3図に示したMACフレームに戻したMACフレームを多重して、多重した出力MACフレームを対応する出力ポートPO1〜POmに出力する(ステップS180)。
このようにこの実施の形態1では、入力されたMACフレーム内のMACフレームヘッダ(レイヤ2制御情報)、IPヘッダ(レイヤ3制御情報)、またはTCPヘッダやUDPヘッダ(レイヤ4制御情報)から、IP通信を開始する前に使用するプロトコルのARPフレームやHDCPフレーム、またはネットワークの状態を調査するICMPフレームを識別して、ARPフレーム、HDCPフレーム、またはICMPフレームの場合には、これらのフレームを優先順位の最も高い最優先キューに振り分けてコマンドフレーム単位で優先的に処理するようにしているので、イーサーネット(登録商標)を用いた通信において、ネットワークへの高速な接続環境を提供するとともに、高速なネットワークの状態監視環境を提供することができる。
なお、この実施の形態1では、IP通信の開始前のプロトコルをARPプロトコルとHDCPプロトコルとしたが、これらのプロトコルに限るものではない。たとえば、第7図に示すように、TCPヘッダは、送信元ポート番号、宛先ポート番号、シーケンス番号、応答確認番号、オフセット(D/O)、予約、コード・ビット(FLAG)、ウインドウ、チェックサム、緊急ポインタ、オプションおよびパディングで構成される。MACフレーム解析処理部22が、TCPヘッダのコード・ビットを解析して、コード・ビットが「SYNC」、「SYNC/ACK」、または「ACK」の場合(3ウェイ・ハンドシェイクのフレームの場合)には、当該MACフレームを最優先キューに割り振るようにキュー指定通知を出力するようにしてもよい。これにより、TCPセッション開始を高速に行うことができる。
また、TCPヘッダのコード・ビットが「ACK」である場合にキュー指定通知を出力するようにして高速転送を行うようにすれば、双方向通信のスループットを上げることができる。
また、MACフレーム解析処理部22が、IPヘッダの宛先IPアドレスがマルチキャストアドレスであって、かつデータ内に経路情報が含まれているか否かを判定してルーティング情報フレームを検出し、ルーティング情報フレームを優先的に処理するようにしてもよい。
実施の形態2.
実施の形態1では、入力されたMACフレームのうち、特定のフレーム(ARPフレーム、HDCPフレーム、またはCIMPフレーム)を最優先キューに振り分けることで、特定のフレームを高速転送するようにした。この実施の形態2は、特定のMACアドレスを有するMACフレームを最優先キューに振り分けることで、特定の加入者端末の通信を高速化するものである。
第8図を用いてこの発明の実施の形態2を説明する。この発明における実施の形態2のスイッチ装置が適用されるネットワークシステムおよびスイッチ装置は、第1図および第2図に示した実施の形態1のネットワークシステムおよびスイッチ装置1−1と同様のものとなるので、ここではその説明を省略する。
第1図に示した加入者端末10−1および加入者端末10−2を優先端末とした場合を例に挙げて、第8図のフローチャートを参照して、この発明における実施の形態2のスイッチ装置の動作を説明する。なお、MACフレーム解析処理部22には、加入者端末10−1のMACアドレスと、加入者端末10−2のMACアドレスとが優先端末のアドレスとして予め設定されているものとする。また、優先制御情報付与部21には、キュー指定通知を受けた場合、優先制御バッファ部42−0〜42−7のそれぞれの2Mbpsにシェ−ピングされる最優先キューであるキュー45−2を使用し、VLAN優先通知を受けた場合、キュー45−1〜45−9のどのキューを使用するかのVLAN優先順位が、予め設定されているものとする。
入力ポートPI1〜PInからMACフレーム(第3図参照)が入力されると、入力ポートPI1〜PInに対応するMACフレーム処理部2−1〜2−nのMACフレーム解析処理部22は、優先端末宛のMACフレームであるか否かを判定する(ステップS200)。具体的には、MACフレームのプリアンブルによって同期検出を行った後に、ビット数またはバイト数をカウントして第3図に示した宛先MACアドレスを検出する。そして、検出した宛先MACアドレスと、加入者端末10−1または加入者端末10−2のMACアドレスとを比較する。検出した宛先MACアドレスが加入者端末10−1または加入者端末10−2のMACアドレスの場合には、MACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレームが優先端末宛のMACフレームであると判断して、キュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS220)。
宛先MACアドレスが優先端末のMACアドレスでない場合(優先端末宛のMACフレームではない場合)には、MACフレーム解析処理部22は、MACフレームが優先端末からのMACフレームであるか否かを判定する(ステップS210)。具体的には、ビット数またはバイト数をカウントして第3図に示した送信元MACアドレスを検出する。そして、検出した送信元MACアドレスと、加入者端末10−1または加入者端末10−2のMACアドレスとを比較する。検出した送信元MACアドレスが加入者端末10−1または加入者端末10−2のMACアドレスの場合には、MACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレームが優先端末からのMACフレームであると判断して、キュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS220)。
送信元MACアドレスが優先端末のMACアドレスでない場合(優先端末からのMACフレームではない場合)には、VLAN優先通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS230)。すなわち、MACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレームが、優先端末宛または優先端末からのMACフレームの場合にはキュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力し、入力されたMACフレームが優先端末とは関係のないMACフレームの場合にはVLAN優先通知を優先制御情報付与部21に出力する。
優先制御情報付与部21は、キュー指定通知またはVLAN優先通知に基づいて決定したキューを示すキュー番号を優先制御情報としてMACフレームの前に付加する(ステップS240)。具体的には、キュー指定通知を受けると、優先制御情報付与部21は、VLANタグが示すVLAN優先ビットと、最優先キューとして予め設定されているキュー45−2を識別するためキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。VLAN優先通知を受けると、優先制御情報付与部21は、VLANタグが示すVLAN優先ビットおよび予め定められたVLAN優先順位に基づいてMACフレームを割り振るキューを決定して、VALNタグが示すVLAN優先ビットと、決定したキューを識別するためキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。優先制御情報付与部21は、優先制御情報付きMACフレームをL2スイッチ処理部3に出力する。
L2スイッチ処理部3は、優先制御情報付きMACフレームの宛先MACアドレスに基づいて優先制御情報付きMACフレームの訪路を決定する(ステップS250)。
フレーム振り分け処理部44は、L2スイッチ処理部3から入力された優先制御情報付きMACフレームの優先制御情報に基づいて優先制御情報付きMACフレームをキュー45−1〜45−9に出力する(ステップS260)。加入者端末10−1および加入者端末10−2宛のMACフレーム、または加入者端末10−1および加入者端末10−2からのMACフレームには、優先制御情報付与部21によって優先制御情報に最優先キューであるキュー45−2のキュー番号が設定されているのでキュー45−2に出力される。キュー45−1〜45−9は、フレーム振り分け処理部44から入力された優先制御情報付きMACフレームを蓄積する。
出力キュー制御部46−1〜46−3は、予め定められた出力調停制御に基づいてキュー45−1〜45−9に蓄積されている優先制御情報付きMACフレームを読み出して、多重処理部47に出力する。ここで、出力キュー制御部46−1〜46−3は、最優先キューであるキュー45−2に優先制御情報付きMACフレームが蓄積されている場合には、最優先でキュー45−2の優先制御情報付きMACフレームを読み出すものとする。
多重処理部47は、キュー45−1〜45−9から出力された優先制御情報付きMACフレームを多重して多重処理部43に出力し、多重処理部43は、優先制御バッファ部42−0〜42−7の各多重処理部47から入力された優先制御情報付きMACフレームを多重して多重処理部41に出力し、多重処理部41は、VLAN制御バッファ部40−1〜40−10の各多重処理部43から入力された優先制御情報付きMACフレームの優先制御情報を削除して、第4図に示した優先制御付きMACフレームを第3図に示したMACフレームに戻したMACフレームを多重して、多重した出力MACフレームを対応する出力ポートPO1〜POmに出力する(ステップS270)。
このようにこの実施の形態2では、入力されたMACフレーム内のMACフレームヘッダ(レイヤ2制御情報)の宛先MACアドレスおよび送信元MACアドレスから、予め定められた優先端末に関するMACフレームを識別して、優先端末に関するMACフレームの場合には、このMACフレームを優先順位の高い最優先キューに振り分けて優先的に処理するようにしているので、予め定められている優先端末、たとえば、優先転送かつ最大転送速度の制限を保証するプレミアムサービスに加入しているユーザの加入者端末や、警察や病院、市役所等の公共サービスを提供するサーバ向通信およびこれら公共サービスを利用するユーザの加入者端末の通信をMACフレームのレベルで優先的に転送することが可能となり、イーサーネット(登録商標)におけるネットワーク上でのユーザに対するサービス性を向上させることができる。
なお、この実施の形態2では、MACフレームヘッダの宛先MACアドレスまたは送信元MACアドレスが優先端末のMACアドレスであるか否かを判定して、優先端末からのMACフレーム、または優先端末宛のMACフレームを優先的に処理するようにしたが、たとえば、宛先MACアドレスおよび送信元MACアドレスを一組として設定しておき、特定の加入者端末間の通信におけるMACフレームを優先的に処理するようにしてもよい。
また、この実施の形態2では、MACフレームヘッダの宛先MACアドレスまたは送信元MACアドレスを用いて優先端末に関するMACフレームを優先的に処理するようにしたが、たとえば、VLANタグのVLAN−IDを用いて、特定のVLAN−IDのMACフレームを優先的に処理するようにしてもよい。これにより、特定のVLANの加入者端末の通信を高速にすることができ、イーサーネット(登録商標)におけるネットワーク上でのユーザに対するサービス性を向上させることができる。
実施の形態3.
実施の形態2では、特定のMACアドレスを有するMACフレームを最優先キューに振り分けることで、特定の加入者端末の通信を高速化するようにした。この実施の形態3では、特定のIPアドレスを有するMACフレームを最優先キューに振り分けることで、レイヤ3ネットワークを介して接続される特定の加入者端末の通信を高速化するものである。
たとえば、先の第1図に示した加入者端末10−1および加入者端末10−5を優先端末とした場合、MACフレーム解析処理部22には、加入者端末10−1のIPアドレスと、加入者端末10−5のIPアドレスとが優先端末のIPアドレスとして予め設定されているものとする。また、優先制御情報付与部21には、キュー指定通知を受けた場合には、優先制御バッファ部42−0〜42−7のそれぞれの最低保証帯域として1Mbpsを保証する最優先キューであるキュー45−5使用し、VLAN優先通知を受けた場合、キュー45−1〜45−9のどのキューを使用するかのVLAN優先順位が、予め設定されているものとする。
MACフレーム解析処理部22は、第3図に示したMACフレームのIPヘッダの送信元IPアドレスまたは宛先IPアドレスが優先端末のIPアドレス(この場合は、加入者端末10−1または加入者端末10−5のIPアドレス)である場合にはキュー指定通知を、送信元IPアドレスまたは宛先IPアドレスが優先端末のIPアドレスではない場合にはVLAN優先通知を優先制御情報付与部21に出力する。
キュー指定通知を受けた場合、優先制御情報付与部21は、VLANタグが示すVLAN優先ビットと、最優先キューとして予め設定されているキュー45−5を識別するためのキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームの前に付加する。VLAN優先通知を受けた場合、優先制御情報付与部21は、VLANタグが示すVLAN優先ビットおよび予め定められたVLAN優先順位に基づいてMACフレームを割り振るキューを決定して、VALNタグが示すVLAN優先ビットと、決定したキューを識別するためキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。優先制御情報付与部21は、優先制御情報付きMACフレームをL2スイッチ処理部3に出力する。
すなわち、上述した実施の形態2の宛先MACアドレスおよび送信元MACアドレスの代わりに、送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスを用いて優先端末に関するMACフレームを識別する。
このようにこの実施の形態3では、入力されたMACフレーム内のIPヘッダ(レイヤ3制御情報)の送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスから、予め定められた優先端末に関するMACフレームを識別して、優先端末に関するMACフレームの場合には、このMACフレームを優先順位の高い最優先キューに振り分けて優先的に処理するようにしているので、ルータを介するMACアドレスを認識することができないレイヤ3ネットワークにおいても、予め定められている優先端末、たとえば、優先転送かつ最大転送速度の制限を保証するプレミアムサービスに加入しているユーザの加入者端末や、警察や病院、市役所等の公共サービスを提供するサーバ向通信およびこれら公共サービスを利用するユーザの加入者端末の通信をMACフレームのレベルで優先的に転送することが可能となり、イーサーネット(登録商標)におけるネットワーク上でのユーザに対するサービス性を向上させることができる。
なお、この実施の形態3では、MACフレームヘッダの宛先IPアドレスまたは送信元IPアドレスを用いて優先端末に関するMACフレームを優先的に処理するようにしたが、たとえば、サービスタイプを用いて、特定のサービスタイプのMACフレームを優先的に処理するようにしてもよい。これにより、特定のサービスタイプの通信を高速にすることができ、イーサーネット(登録商標)におけるネットワーク上でのユーザに対するサービス性を向上させることができる。
実施の形態4.
実施の形態1〜3では、入力されたMACフレームのMACフレームヘッダ、IPヘッダ、またはTCPヘッダやUCPヘッダを解析して、特定のプロトコルのMACフレーム、または優先端末のMACフレームを最優先キューに振り分けて優先的に処理するようにした。この実施の形態4は、MACフレームのTCUヘッダの送信元ポート番号または宛先ポート番号を解析して、特定のプロトコルのMACフレームを優先的に処理するものである。
第9図を用いてこの発明の実施の形態4を説明する。この発明における実施の形態4のスイッチ装置が適用されるネットワークシステムおよびスイッチ装置は、第1図および第2図に示した実施の形態1のネットワークシステムおよびスイッチ装置1−1と同様のものとなるので、ここではその説明を省略する。
第9図のフローチャートを参照して、この発明における実施の形態4のスイッチ装置の動作を説明する。なお、MACフレーム解析処理部22には、well knownポートであるFTPデータ用ポート(初期値)のポート番号「20」と、FTP制御用ポート番号「21」と、wwwのHTTP用ポート番号「80」と、SIP用ポート(VoIP(Voice over Internet Protocol)の制御用)番号「5060」とが予め設定されているものとする。また、優先制御情報付与部21には、SIP用ポートのキュー指定通知を受けた場合には最優先キューであるキュー45−1を使用し、HTTP用ポートのキュー指定通知を受けた場合にはベストエフォートの中優先キューであるキュー45−8を使用し、FTPデータ用ポートおよびFTP制御用ポートのキュー指定通知を受けた場合には低優先キューであるキュー45−9を使用し、VLAN優先通知を受けた場合にはキュー45−1〜45−9のどのキューを使用するかのVLAN優先順位が、予め設定されているものとする。
入力ポートPI1〜PInからMACフレーム(第3図参照)が入力されると、入力ポートPI1〜PInに対応するMACフレーム処理部2−1〜2−nのMACフレーム解析処理部22は、MACフレーム内の宛先ポート番号がFTPデータ用ポートのMACフレームであるか否かを判定する(ステップS300)。具体的には、宛先ポート番号の情報とFTPデータ用ポート番号「20」とを比較する。宛先ポート番号が「20」の場合、MACフレーム解析処理部22は、FTPデータ用ポート番号のキュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS340)。
宛先ポート番号が「20」ではない場合、MACフレーム解析処理部22は、MACフレーム内の宛先ポート番号がFTP制御用ポートであるか否かを判定する(ステップS310)。具体的には、宛先ポート番号の情報とFTP制御用ポート番号「21」とを比較する。宛先ポート番号が「21」の場合、MACフレーム解析処理部22は、FTP制御用ポート番号のキュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS340)。
宛先ポート番号が「21」ではない場合、MACフレーム解析処理部22は、MACフレーム内の宛先ポート番号がHTTP用ポートであるか否かを判定する(ステップS320)。具体的には、宛先ポート番号の情報とHTTP用ポート番号「80」とを比較する。宛先ポート番号が「80」の場合、MACフレーム解析処理部22は、HTTP用ポート番号のキュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS340)。
宛先ポート番号が「80」ではない場合、MACフレーム解析処理部22は、MACフレーム内の宛先ポート番号がSIP用ポートであるか否かを判定する(ステップS330)。具体的には、宛先ポート番号の情報とSIP用ポート番号「5060」とを比較する。宛先ポート番号が「5060」の場合、MACフレーム解析処理部22は、SIP用ポート番号のキュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS340)。
宛先ポート番号が「5060」でない場合、MACフレーム解析処理部22は、VLAN優先通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS350)。すなわち、MACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレーム内の宛先ポート番号がFTPデータ用ポート、FTP制御用ポート、HTTP用ポート、またはSIP用ポートの場合にはそれぞれのポートに対応するキュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力し、入力されたMACフレーム内の宛先ポート番号がFTPデータ用ポート、FTP制御用ポート、HTTP用ポート、またはSIP用ポートではない場合にはVLAN優先通知を優先制御情報付与部21に出力する。
優先制御情報付与部21は、キュー指定通知またはVLAN優先通知に基づいて決定したキューを示すキュー番号を優先制御情報としてMACフレームの前に付加する(ステップS360)。具体的には、FTPデータ用ポートまたはFTP制御用ポートのキュー指定通知を受けると、優先制御情報付与部21は、VLANタグが示すVLAN優先ビットと、低優先キューであるキュー45−9を識別するキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。HTTP用ポートのキュー指定通知を受けると、優先制御情報付与部21は、VLANタグが示すVLAN優先ビットと、中優先キューであるキュー45−8を識別するキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。SIP用ポートのキュー指定通知を受けると、優先制御情報付与部21は、VLANタグが示すVLAN優先ビットと、最優先キューであるキュー45−1を識別するキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。VLAN優先通知を受けると、優先制御情報付与部21は、VLANタグが示すVLAN優先ビットおよび予め定められたVLAN優先順位に基づいてMACフレームを割り振るキューを決定して、VALNタグが示すVLAN優先ビットと、決定したキューを識別するためキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。優先制御情報付与部21は、優先制御情報付きMACフレームをL2スイッチ処理部3に出力する。
L2スイッチ処理部3は、優先制御情報付きMACフレームの宛先MACアドレスに基づいて訪路を決定して、決定した訪路に優先制御情報付きMACフレームを出力する(ステップS370)。
フレーム振り分け処理部44は、L2スイッチ処理部3から入力された優先制御情報付きMACフレームの優先制御情報に基づいて優先制御情報付きMACフレームをキュー45−1〜45−9に出力する(ステップS380)。SIP用ポート宛のMACフレームには優先制御情報に最優先キューであるキュー45−1が設定されているのでキュー45−1に出力され、HTTP用ポート宛のMACフレームには優先制御情報にベストエフォートの中優先キューであるキュー45−8が設定されているのでキュー45−8に出力され、FTPデータ用ポート宛およびFTP制御用ポート宛のMACフレームには優先制御情報に低優先キューであるキュー45−9が設定されているのでキュー45−9に出力される。
出力キュー制御部46−1〜46−3は、予め定められた出力調停制御に基づいてキュー45−1〜45−9に蓄積されている優先制御情報付きMACフレームを読み出して、多重処理部47に出力する。
多重処理部47は、キュー45−1〜45−9から出力された優先制御情報付きMACフレームを多重して多重処理部43に出力し、多重処理部43は、優先制御バッファ部42−0〜42−7の各多重処理部47から入力された優先制御情報付きMACフレームを多重して多重処理部41に出力し、多重処理部41は、VLAN制御バッファ部40−1〜40−10の各多重処理部43から入力された優先制御情報付きMACフレームの優先制御情報を削除して、第4図に示した優先制御付きMACフレームを第3図に示したMACフレームに戻した出力MACフレームを多重して、多重した出力MACフレームを対応する出力ポートPO1〜POmに出力する(ステップS390)。
このようにこの実施の形態4では、入力されたMACフレーム内のTCPヘッダ(レイヤ4制御情報)の宛先ポート番号がFTPデータ用ポート、FTP制御用ポート、HTTP用ポート、またはSIP用ポートである場合には、予め定められている優先順位のキューに振り分けるようにしているので、TCPプロトコルの各ポート毎に予めわかっているサービス毎に対応した優先処理をフロー単位で行うことがでる。たとえば、FTPのように優先度が低くてもエラーなく転送されることが重要なフローと、VoIPのように遅延時間を最小限にすることが必要なサービスのフローとを区別して、それぞれのMACフレームに適した転送処理を行うことが可能となり、イーサーネット(登録商標)のネットワーク上でさまざまなアプリケーションを利用するユーザの加入者端末に対して、アプリケーションに適した転送処理を行ってサービス性を向上することができる。
なお、この実施の形態4では、TCPヘッダの宛先ポート番号を用いるようにしたが、これに限るものではなく、TCPヘッダの他の情報を用いてもよいし、UCPヘッダの情報を用いるようにしてもよい。
実施の形態5.
実施の形態1〜4では、MACフレームヘッダ、IPヘッダ、TCPヘッダ、またはUDPヘッダを解析して、特定のMACフレームを優先的に処理するようにした。この実施の形態5では、レイヤ5以上の情報を解析して特定のMACフレームを優先的に処理するものである。
第10図を用いてこの発明の実施の形態5を説明する。この発明における実施の形態5のスイッチ装置が適用されるネットワークシステムおよびスイッチ装置は、第1図および第2図に示した実施の形態1のネットワークシステムおよびスイッチ装置1−1と同様のものとなるので、ここではその説明を省略する。
この実施の形態5のスイッチ装置1−1〜1−8に入力されるMACフレームは、先の第3図に示したものと同様であるが、TCPまたはUCPヘッダの後のデータ内(レイヤ5以上の上位層)の予め定められた位置に優先コードの領域を設けておく。
第10図のフローチャートを参照して、この発明における実施の形態5のスイッチ装置の動作を説明する。なお、MACフレーム解析処理部22には、特定コード(ここでは、病院を示す「HOSPITAL_A」と緊急を示す「Emergency」)が設定されているものとする。また、優先制御情報付与部21には、キュー指定通知を受けた場合、VLAN優先ビット「7」の最優先キューであるキュー45−1を使用し、VLAN優先通知を受けた場合、キュー45−1〜45−9のどのキューを使用するかのVLAN優先順位が、予め設定されているものとする。
入力ポートPI1〜PInからMACフレーム(第3図参照)が入力されると、入力ポートPI1〜PInに対応するMACフレーム処理部2−1〜2−nのMACフレーム解析処理部22は、MACフレームが特定コードを有するMACフレームであるか否かを判定する(ステップS400)。具体的には、MACフレームのプリアンブルによって同期検出を行った後に、ビット数またはバイト数をカウントして第3図に示したデータ内の予め定められた優先コードの情報を検出する。そして、検出した優先コードの情報が病院を示す特定コード「HOSPITAL_A」または緊急を示す特定コード「Emergency」であるかを判定する。優先コードが「HOSPITAL_A」または「Emergency」である場合には、MACフレーム解析処理部22は、キュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS410)。
優先コードが「HOSPITAL_A」または「Emergency」ではない場合(優先コードが特定コードではない場合)、MACフレーム解析処理部22は、VLAN優先通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS420)。すなわち、MACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレームが特定コードを有するMACフレームの場合にはキュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力し、入力されたMACフレームが特定コードとは関係のないMACフレームの場合にはVLAN優先通知を優先制御情報付与部21に出力する。
優先制御情報付与部21は、キュー指定通知またはVLAN優先通知に基づいて決定したキューを示すキュー番号を優先制御情報としてMACフレームの前に付加する(ステップS430)。具体的には、キュー指定通知を受けると、優先制御情報付与部21は、VLAN優先ビット「7」とキュー45−1を識別するためのキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームの前に付加する。VLAN優先通知を受けると、優先制御情報付与部21は、VLANタグが示すVLAN優先ビットおよび予め定められたVLAN優先順位に基づいてMACフレームを割り振るキューを決定して、VALNタグが示すVLAN優先ビットと、決定したキューを識別するためキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。優先制御情報付与部21は、優先制御情報付きMACフレームをL2スイッチ処理部3に出力する。
L2スイッチ処理部3は、MACフレームの宛先MACアドレスに基づいて訪路を決定して、決定した訪路に優先制御情報付きMACフレームを出力する。(ステップS440)。
フレーム振り分け処理部44は、L2スイッチ処理部3から入力された優先制御情報付きMACフレームの優先制御情報に基づいて優先制御情報付きMACフレームをキュー45−1〜45−9に出力する(ステップS450)。MACフレームのデータ内に「HOSPITAL_A」または「Emergency」を有するMACフレームの優先制御情報には「VLAN優先ビット「7」で、かつ最優先キューであるキュー45−1が設定されているので、優先制御バッファ部42−7のキュー45−1に出力される。
出力キュー制御部46−1〜46−3は、予め定められた出力調停制御に基づいてキュー45−1〜45−9に蓄積されている優先制御情報付きMACフレームを読み出して、多重処理部47に出力する。ここで、出力キュー制御部46−1〜46−3は、最優先キューであるキュー45−2に優先制御情報付きMACフレームが蓄積されている場合には、最優先でキュー45−2の優先制御情報付きMACフレームを読み出すものとする。
多重処理部47は、キュー45−1〜45−9から出力された優先制御情報付きMACフレームを多重して多重処理部43に出力し、多重処理部43は、優先制御バッファ部42−0〜42−7の各多重処理部47から入力された優先制御情報付きMACフレームを多重して多重処理部41に出力し、多重処理部41は、VLAN制御バッファ部40−1〜40−10の各多重処理部43から入力された優先制御情報付きMACフレームの優先制御情報を削除して、第4図に示した優先制御付きMACフレームを第3図に示したMACフレームに戻したMACフレームを多重して、多重した出力MACフレームを対応する出力ポートPO1〜POmに出力する(ステップS460)。
このようにこの実施の形態5では、入力されたMACフレーム内のアプリケーション情報部分であるデータ(レイヤ5以上の上位層)に優先コードの領域を設けて、この優先コードが予め定められた特定コードと一致する場合には、このMACフレームを優先順位の高い優先ビットの最優先キューに振り分けて優先的に処理するようにしているので、特定のアプリケーション、たとえば、緊急患者のレントゲン写真や生体データなどを転送する際にデータ内に特定コードを設定することで、転送時にMACフレームのレベルで優先的に転送することが可能となり、イーサーネット(登録商標)におけるネットワーク上でのユーザに対するサービス性を向上させることができる。
実施の形態6.
第11図および第12図を用いてこの発明の実施の形態5を説明する。この発明における実施の形態5のスイッチ装置が適用されるネットワークシステムは、第1図に示したネットワークシステムのスイッチ装置1−1〜1−8の代わりにスイッチ装置1a−1〜1a−8を備えている。
スイッチ装置1a−1〜1a−8はすべて同じ機能を備えている。第11図に示したスイッチ装置1a−1の構成を示すブロック図を参照してスイッチ装置の機能を説明する。
第11図に示したスイッチ装置1a−1は、第2図に示したスイッチ装置1−1に優先制御処理部5が追加されている。第2図に示したスイッチ装置1−1と同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
MACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレーム内の送信元ポート番号または宛先ポート番号が予め定められたポート番号である場合に、キュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する機能に加えて、入力されたMACフレームがFTPコマンドシーケンスであるか否かを判定して、ポート番号を指定された場合には、そのMACフレーム内の送信元IPアドレスおよび宛先ポート番号を性能情報として優先制御処理部5に出力する機能を備えている。
優先制御処理部5は、MACフレーム処理部2−1〜2−nのそれぞれのMACフレーム解析処理部22から出力される性能情報を受けると、予め定められたキュー番号を性能情報に付加したキュー変更通知を優先制御情報付与部21に出力する。
つぎに、第12図のフローチャートを参照して、この発明における実施の形態6のスイッチ装置の動作を説明する。なお、MACフレーム解析処理部22には、well knownポートであるFTPデータ用ポート(初期値)のポート番号「20」と、FTP制御用ポート番号「21」とが予め設定されているものとする。また、優先制御情報付与部21には、キュー指定通知を受けた場合には低優先キューであるキュー45−9を使用し、VLAN優先通知を受けた場合にはキュー45−1〜45−9のどのキューを使用するかを示すVLAN優先順位が、予め設定されているものとする。さらに、優先制御処理部5には、性能情報を受けた場合、使用するキューを低優先キューであるキュー45−9に変更することが予め設定されているものとする。
入力ポートPI1〜PInからMACフレーム(第3図参照)が入力されると、入力ポートPI1〜PInに対応するMACフレーム処理部2−1〜2−nのMACフレーム解析処理部22は、MACフレームの宛先ポート番号がFTPデータ用ポートまたはFTP制御用ポートであるか否かを判定する(ステップS500,S510)。具体的には、宛先ポート番号の情報が「20」または「21」であるか否かを判定する。宛先ポート番号が「20」または「21」である場合、MACフレーム解析処理部22は、キュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS520)。
FTPプロトコルには、PASSIVモードまたはACTIVEモードにおいてデータ転送用の宛先ポート番号または送信元ポートを指定することができる。MACフレーム解析処理部22は、宛先ポート番号がFTPデータ用ポート番号またはFTP制御用ポート番号のMACフレームを検出するとFTPコマンドシーケンスであることを認識する。MACフレーム解析処理部22は、FTPコマンドシーケンス中に、送信元IPアドレスまたは宛先IPアドレスが、サーバのIPアドレスまたは加入者端末のIPアドレスであって、かつTCPヘッダの宛先ポート番号または送信元ポート番号がポート番号LであるMACフレームを判定する(ステップS530)。
ここで、サーバ9−1と加入者端末10−1とのFTPコマンドシーケンス中に、入力ポートPI1から加入者端末10−1からデータ転送用ポートとしてポート番号LのMACフレームが入力されたと仮定する。入力ポートPI1に対応するMACフレーム処理部2−1のMACフレーム解析処理部22は、送信元IPアドレスが加入者端末10−1のIPアドレスであって、かつ宛先IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであって、かつ宛先ポート番号のポート番号が「L」であるMACフレームを検出する。
MACフレーム処理部2−1のMACフレーム解析処理部22は、性能情報として検出したMACフレームの宛先IPアドレスおよびポート番号Lを優先制御処理部5に出力する(ステップS540)。
優先制御処理部5は、性能情報を受け取ると、予め定められている低優先キューであるキュー45−9のキュー番号を性能情報に付加したキュー変更通知を反対方向通信に使用する入力ポートに対応する優先制御情報付与部21に出力する(ステップS550)。スイッチ装置1a−1〜1a−8は、たとえば、出力ポートPO1から出力したMACフレームに対する応答のMACフレームは入力ポートPI2から入力されるというように予め対応する入力ポートと出力ポートとが設定されている。たとえば、サーバ9−1の宛先IPアドレスのMACフレームは出力ポートPO1に出力されるとすると、優先制御処理部5は、入力ポートPI2に対応するMACフレーム処理部2−2のMACフレーム解析処理部22に、送信元IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであってかつ送信元ポート番号がポート番号LであるMACフレームを検出してキュー指定通知を出力するように通知する。また、優先制御処理部5は、MACフレーム処理部2−2の優先制御情報付与部21に、送信元IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであってかつ送信元ポート番号がポート番号Lのキュー指定通知を受けた場合、低優先キューであるキュー45−9を使用することを通知するキュー変更通知を出力する。
一方、宛先ポート番号が「20」、「21」または「L」ではない場合には、MACフレーム解析処理部22は、VLAN優先通知を優先制御情報付与部21に出力する(ステップS560)。
優先制御情報付与部21は、キュー指定通知またはVLAN優先通知に基づいて決定したキューを示すキュー番号を優先制御情報としてMACフレームの前に付加する(ステップS570)。具体的には、MACフレーム処理部2−2の優先制御情報付与部21は、送信元IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであってかつ送信元ポート番号がポート番号Lのキュー指定通知を受けた場合、キュー変更通知で指定されたキュー45−9のキュー番号を優先制御情報としてMACフレームの前に付加する。VLAN優先通知を受けると、MACフレーム処理部2−2の優先制御情報付与部21は、VLANタグが示すVLAN優先ビットおよび予め定められたVLAN優先順位に基づいてMACフレームを割り振るキューを決定して、VALNタグが示すVLAN優先ビットと、決定したキューを識別するためキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。優先制御情報付与部21は、優先制御情報付きMACフレームをL2スイッチ処理部3に出力する。
L2スイッチ処理部3は、MACフレームの宛先MACアドレスに基づいて優先制御情報付きMACフレームの訪路を決定する(ステップS580)。
フレーム振り分け処理部44は、L2スイッチ処理部3から入力された優先制御情報付きMACフレームの優先制御情報に基づいて優先制御情報付きMACフレームをキュー45−1〜45−9に出力する(ステップS590)。
多重処理部47は、キュー45−1〜45−9から出力された優先制御情報付きMACフレームを多重して多重処理部43に出力し、多重処理部43は、優先制御バッファ部42−0〜42−7の各多重処理部47から入力された優先制御情報付きMACフレームを多重して多重処理部41に出力し、多重処理部41は、VLAN制御バッファ部40−1〜40−10の各多重処理部43から入力された優先制御情報付きMACフレームの優先制御情報を削除して、第4図に示した優先制御付きMACフレームを第3図に示したMACフレームに戻した出力MACフレームを多重して、多重した出力MACフレームを対応する出力ポートPO1〜POmに出力する(ステップS600)。
このようにこの実施の形態6では、入力されたMACフレーム内のIPヘッダ(レイヤ3制御情報)の送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスと、TCPヘッダ(レイヤ4制御情報)の送信元ポート番号および宛先ポート番号とから、双方向通信の逆方向通信に用いられる入力ポートに入力されるMACフレームを推定して、推定した入力ポートから入力されるMACフレームを振り分けるキューを決定するようにしているので、ユーザ間の双方向通信のMACフレームのレベルで優先的に転送することが可能となり、イーサーネット(登録商標)のネットワーク上でのユーザに対するサービス性を向上させることができる。
実施の形態7.
第13図および第14図を用いてこの発明の実施の形態7を説明する。この発明における実施の形態5のスイッチ装置が適用されるネットワークシステムは、第1図に示したネットワークシステムのスイッチ装置1−1〜1−8の代わりにスイッチ装置1b−1〜1b−8を備えている。
スイッチ装置1b−1〜1b−8は全て同じ機能を備えている。第13図に示したスイッチ装置1b−1の構成を示すブロック図を参照してスイッチ装置の機能を説明する。スイッチ装置1b−1は、第11図に示したスイッチ装置1a−1の出力ポート処理部4−1〜4−mの代わりに出力ポート処理部4a−1〜4a−mを、優先制御処理部5の代わりに優先制御処理部5aを備えている。
出力ポート処理部4a−1〜4a−mは全て同じ機能を備えている。第14図に示した出力ポート処理部4a−1の構成を示すブロック図を参照して出力ポート処理部の機能を説明する。第14図に示した出力ポート処理部4a−1は、第5図に示した出力ポート処理部4−1に性能情報測定部48が追加されている。第5図に示した出力ポート処理部4−1と同じ機能を持つ構成部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
性能情報測定部48は、VLAN制御バッファ部40−1〜40−10の優先制御バッファ部42−0〜42−7の各キュー45−1〜45−9に入力される予め定められた宛先IPアドレスを有する優先制御情報付きMACフレームのトラフィックを監視して、トラフィックが閾値を超えた場合には、IPアドレスを含む超過性能情報を優先制御処理部5aに出力する。また、超過性能情報を出力した後の一定時間の間、予め定められた宛先IPアドレスを有する優先制御情報付きMACフレームのトラフィックが閾値よりも小さい場合には、IPアドレスを含む低下性能情報を優先制御処理部5aに出力する。
第11図に戻って、MACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレーム内の送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスが予め定められたIPアドレスである場合に、キュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する機能に加えて、入力されたMACフレーム内の宛先IPアドレスが予め定められたIPアドレスであるMACフレーム(予め定められたIPアドレス宛のMACフレーム)をカウントする機能を更に備えている。
優先制御処理部5aは、出力ポート処理部4a−1〜4a−mの性能情報測定部48からの超過性能情報、およびMACフレーム処理部2−1〜2−nのMACフレーム解析処理部22のカウント値に基づいて、トラフィックを超えたIPアドレス宛に最も多くMACフレームを入力しているMACフレーム処理部の優先制御情報付与部21に対して、現在使用しているキューよりも優先順位の低いキューのキュー番号を設定するキュー変更通知を出力する。また、優先制御処理部5aは、出力ポート処理部4a−1〜4a−mの性能情報測定部48からの低下性能情報に基づいて、優先順位の低いキュー番号を設定するキュー変更通知を出力した優先制御情報付与部21に対して、変更前のキューのキュー番号を設定するキュー変更通知を出力する。
つぎに、加入者端末10−1、10−2とサーバ9−1との通信を例に挙げて、この発明における実施の形態7のスイッチ装置の動作を説明する。なお、MACフレーム解析処理部22には、優先通信端末である加入者端末10−1およびサーバ9−1のIPアドレスが予め設定されているものとする。また、優先制御情報付与部21には、加入者端末10−1からサーバ9−1へのMACフレーム(IPヘッダの送信元アドレスが加入者端末10−1のIPアドレスであって、かつ宛先IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであるMACフレーム)はVLAN優先ビット「7」の最大5Mbpsのピーク・カット・オフのキューである優先制御バッファ部42−7のキュー45−2を使用し、サーバ9−1から加入者端末10−1へのMACフレーム(IPヘッダの送信元IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであって、かつ宛先IPアドレスが加入者端末10−1のIPアドレスであるMACフレーム)はVLAN優先ビット「7」の最低保証帯域でかつシーピングの4Mbpsを保証するキューである優先制御バッファ部42−7のキュー45−6を使用することが設定されているものとする。また、優先制御処理部5には、超過性能情報を受けた場合、VLAN優先ビットが「0」の最低保証帯域でかつシーピングの4Mbpsを保証するキューである優先制御バッファ部42−0のキュー45−6を使用することが設定されているものとする。
なお、入力されたMACフレームのIPヘッダの送信元IPアドレスが加入者端末10−1のIPアドレスで、かつ宛先IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスである場合に、VLAN優先ビット「7」とキュー45−2のキュー番号とを優先制御情報として付加し、IPヘッダの送信元IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであって、かつ宛先IPアドレスが加入者端末10−1のIPアドレスである場合に、VLAN優先ビット「7」とキュー45−6のキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加して優先処理を行う動作は、IPヘッダを解析して優先処理を行う実施の形態3の動作と同じであるので、ここでは優先制御処理部5に関わる動作のみを説明する。
MACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレームが加入者端末10−1からサーバ9−1へのMACフレーム、すなわちIPヘッダの送信元IPアドレスが加入者端末10−1のIPアドレスであってかつ宛先IPアドレスがサーバ9−1である場合には内部のカウンタをカウントアップする。たとえば、加入者端末10−1が入力ポートPI1を、加入者端末10−2が入力ポートPI2を使用している場合、MACフレーム処理部2−1およびMACフレーム処理部2−2のMACフレーム解析処理部22は、MACフレーム内のIPヘッダの宛先アドレスがサーバ9−1のIPアドレスであるMACフレームの数をカウントする。
性能情報測定部48は、VLAN制御バッファ部40−1〜40−10の各キュー45−1〜45−9に入力される優先制御情報付きMACフレームの中でサーバ9−1への優先制御情報付きMACフレーム、すなわち宛先IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであるMACフレームのバイト数をカウントして、トラフィックを監視する。性能情報測定部48は、カウント値が閾値を超えた場合、サーバ9−1のIPアドレスを含む超過性能情報を優先制御処理部5aに出力する。たとえば、サーバ9−1が出力ポートPO1を使用している場合、出力ポート処理部4a−1の性能情報測定部48が、優先制御情報付きMACフレームのTCPヘッダの宛先IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレである情報制御情報付きMACフレームのバイト数をカウントする。そして、カウント値が閾値を超えた場合、性能情報測定部48は、優先情報処理部5aに超過性能情報を出力する。
出力ポート処理部4a−1〜4a−mの性能情報測定部48から超過性能情報を受けると、優先制御処理部5aは、MACフレーム処理部2−1〜2−nのMACフレーム解析処理部22の超過性能情報に含まれるIPアドレスに対応するカウント値を読み出す。ここでは、出力ポート処理部4−1の性能情報測定部48からサーバ9−1のIPアドレスを含む超過性能情報を受けている。優先制御処理部5aは、MACフレーム処理部2−1〜2−nのMACフレーム解析処理部22のサーバ9−1宛MACフレームのカウント値を読み出す。
優先制御処理部5aは、カウント値が最大であるMACフレーム処理部の優先制御情報付与部21に、現在使用しているキューよりも優先順位の低いキューのキュー番号を設定するキュー変更通知を出力する。たとえば、加入者端末10−1の方が加入者端末10−2よりも多くの通信を行っている場合、MACフレーム処理部2−1のMACフレーム解析処理部22のカウント値の方が、MACフレーム処理部2−2のMACフレーム解析処理部22のカウント値よりも大きくなっている。したがって、優先制御処理部5aは、MACフレーム処理部2−1の優先制御情報付与部21に送信元IPアドレスが加入者端末10−1のIPアドレスであって、かつ宛先アドレスがサーバ9−1のIPアドレスのMACフレームは、VLAN優先ビットが「0」の最低保証帯域でかつシーピングの4Mbpsを保証するキューである優先制御バッファ部42−0のキュー45−6を使用するようにキュー変更通知を出力する。
キュー変更通知を受けると、優先制御情報付与部21は、IPヘッダの送信元IPアドレスが加入者端末10−1のIPアドレスであって、かつ宛先IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであるMACフレームには、VLAN優先ビットが「0」と、キュー45−6を識別するためのキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。すなわち、優先制御情報のVLAN優先ビットを「7」から「0」に変更する。
これにより、加入者端末10−1からサーバ9−1への通信のMACフレームの優先順位が低くなり、サーバ9−1へのトラフィックを抑制することができる。
一方、出力ポート処理部4a−1の性能情報測定部48は、超過性能情報を出力した後も、サーバ9−1へのMACフレームのバイト数をカウントしてトラフィックを監視している。出力ポート処理部4−1の性能情報測定部48は、超過性能情報を出力した後の一定時間の間、予め定められた宛先IPアドレスを有する優先制御情報付きMACフレームのトラフィックが閾値よりも小さい場合には、IPアドレスを含む低下性能情報を優先制御処理部5aに出力する。すなわち、超過性能情報を出力した後の一定時間の間、サーバ9−1宛のMACフレームのバイト数をカウント値が閾値より小さい場合、サーバ9−1のIPアドレスを含む低下性能情報を優先制御処理部5aに出力する。
低下性能情報を受けると、優先制御処理部5aは、低下性能情報に含まれているIPアドレス宛のMACフレームの使用キューを変更したMACフレーム処理部の優先制御情報付与部21に対して、変更する前のキューのキュー番号を設定するキュー変更通知を出力する。ここでは、MACフレーム処理部2−1の優先制御情報付与部21に、送信元IPアドレスが加入者端末10−1のIPアドレスであってかつ宛先アドレスがサーバ9−1のIPアドレスのキュー指定通知を受けた場合、VLAN優先ビットが「7」の最低保証帯域でかつシーピングの4Mbpsを保証するキューである優先制御バッファ部42−7のキュー45−6を使用するようにキュー変更通知を出力する。
以後、MACフレーム処理部2−1の優先制御情報付与部21は、IPヘッダの送信元IPアドレスが加入者端末10−1のIPアドレスであってかつ宛先IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスのキュー指定通知を受けると、VLAN優先ビットが「7」と、キュー45−6を識別するためのキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。すなわち、優先制御情報のVLAN優先ビットを「0」から「7」に変更する。
これにより、加入者端末10−1からサーバ9−1への通信のMACフレームの優先順位が高くなり、最初に設定されていた優先順位で処理される。
このようにこの実施の形態7では、MACフレーム内のIPヘッダ(レイヤ3制御情報)の宛先IPアドレスによって予め定められた宛先IPアドレスへのトラフィックを監視して、トラフィックが予め定められた閾値を超えた場合には、トラフィックの多くを占めている送信元からのMACフレームの処理の優先順位を下げるようにしているので、安定した通信を行うことができ、イーサーネット(登録商標)のネットワーク上でのユーザに対するサービス性を向上させることができる。
なお、この実施の形態7では、IPヘッダの宛先アドレスおよび送信元IPアドレスを用いるようにしたが、IPヘッダのサービスタイプを用いて、特定のサービスタイプのMACフレームのトラフィックを監視して、トラフィックを制御するようにしてもよい。
実施の形態8.
実施の形態6では、MACフレーム内のIPヘッダの送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスと、TCPヘッダの送信元ポート番号および宛先ポート番号とから、双方向通信に用いられる逆方向通信に用いられる入力ポートに入力されるMACフレームを推定した。この実施の形態8は、MACフレームヘッダの宛先MACアドレスおよびIGMPフレームのタイプ、IPヘッダの宛先IPアドレスおよびIGMPフレームのタイプから双方向通信に用いられる逆方向通信に用いられる入力ポートに入力されるMACフレームを推定して、優先制御を行うものである。
この発明における実施の形態6のスイッチ装置が適用されるネットワークシステムおよびスイッチ装置は、実施の形態6と同様のものとなるので、ここではその説明を省略する。
なお、この発明における実施の形態8では、第1図のルータ7−3をマルチキャストルータとし、加入者端末10−1をIGMP(Internet Group Multicast Protocol, RFC2236)のクライアント端末とし、第15図に示すIGMPパケット、または第16図に示すRTPパケットのMACフレームがスイッチ装置に入力されるものとする。
また、MACフレーム解析処理部22には、マルチキャストグループへの参加問い合わせのMACフレームを識別するためのMACアドレスとしてMC_MAC(01.00.xx.xx.xx.xx)とIGMPフレームのタイプ「0x11」、マルチキャストグループへの参加のMACフレームを識別するためのIGMPフレームのタイプ「0x12」、マルチキャストグループからの離脱のMACフレームを識別するためのIGMPフレームのタイプ「0x13」が予め設定されているものとする。
さらに、優先制御情報付与部21には、IGMPパケットのキュー指定通知を受けた場合には最優先キューであるキュー45を使用することが予め設定されているものとする。
なお、MACフレーム解析処理部22がマルチキャストグループへの参加問い合わせ、マルチキャストグループへの参加、マルチキャストグループからの離脱のMACフレームを検出してキュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力して、優先制御情報付与部21が、VLAN優先ビットとキュー45のキュー番号とを優先制御情報として付加して優先処理を行う動作は、実施の形態6と同じ動作であるので、ここでは優先制御処理部5に関わる動作のみを説明する。
網側の入力ポート(ルータ7−3からのMACフレームが入力されるポートであり、ここでは、入力ポートPI1とする)からMACフレームが入力されると、入力ポートPI1に対応するMACフレーム処理部2−1のMACフレーム解析処理部22は、MACフレームヘッダの宛先MACアドレスがMC_MAC(01.00.xx.xx.xx.xx)であって、かつIGMPフレームのタイプが「0x11」であるかを判定する。すなわち、MACフレーム処理部2−1のMACフレーム解析処理部22は、マルチキャストグループへの参加問い合わせのMACフレームを検出する。マルチキャストグループへの参加問い合わせのMACフレームを検出した場合、MACフレーム処理部2−1のMACフレーム解析処理部22は、優先制御情報付与部21にキュー指定通知を出力するとともに、優先制御処理部5に、UCPヘッダの宛先IPアドレス(マルチキャストのグループアドレス)である性能情報を優先制御処理部5に通知する。
優先制御処理部5は、網側の入力ポートであるMACフレーム処理部2−1のMACフレーム解析処理部22から通知された宛先IPアドレス(IP_Multi_A)を加入者端末10−1側の入力ポート(ここでは、入力ポートPI2とする)に対応するMACフレーム処理部2−2のMACフレーム解析処理部22に通知する。
MACフレーム処理部2−2のMACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレームのIPヘッダの送信元IPアドレスが通知されたIPアドレス(IP_Multi_A)であって、かつIGMPパケットのタイプが「0x12」であるか否かを判定する。すなわち、マルチキャストグループへの参加のMACフレームを検出する。マルチキャストグループへの参加のMACフレームを検出した場合、MACフレーム処理部2−2のMACフレーム解析処理部22は、キュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力するとともに、自ポート(この場合は入力ポートPI2)宛の送信先IPアドレス(IP_Multi_A)であってかつRTPパケットのMACフレーム(映像配信のパケット)が送信されてくることを優先制御処理部5に通知する。
RTPパケットのMACフレームが送信されてくる通知を受けると、優先制御処理部5は、網側の入力ポートに対応するMACフレーム処理部2−1の優先制御情報付与部21に、RTPパケットのキュー指定通知を受けた場合には4Mbpsのシーピング機能付優先キューであるキュー45−2を使用ようにキュー変更通知を出力する。ここでは、4MbpsのMPEG2のRTPパケットを想定している。
MACフレーム処理部2−1のMACフレーム解析処理部22は、UDPヘッダの宛先IPアドレスがIP_Multi_AのRTPパケットのMACフレームを検出するとRTPパケットのキュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力する。
RTPパケットのキュー指定通知を受けると、MACフレーム処理部2−1の優先制御情報付与部21は、RTPパケットのMACフレームのVLANタグの示すVLAN優先ビットとキュー45−2を識別するためのキュー番号とを優先識別情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。
このようにこの実施の形態8では、入力されたMACフレームのIPヘッダ(レイヤ2制御情報)およびIGMPパケットまたはRTPパケット(レイヤ5制御情報)から、双方向通信に用いられる逆方向通信に用いられる入力ポートに入力されるMACフレームを推定して、推定した入力ポートから入力されるMACフレームを振り分けるキューを決定するようにしているので、MACフレームに適したキューを使用してスムーズな通信を保証することが可能となり、イーサーネット(登録商標)のネットワーク上でのユーザに対するサービス性を向上することができる。
なお、IPヘッダの送信元IPアドレスまたは宛先IPアドレスと、IGMPパケットのタイプとを用いてキュー指定通知を出力するようにしたが、MACフレームの他の情報を用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態8では、マルチキャストとしてIGMPフレームを解析するようにしたが、IGMPフレームに限るものではなく、他のプロトコルであってもかまわない。
実施の形態9.
この発明における実施の形態9のスイッチ装置が適用されるネットワークおよびスイッチ装置の構成は、実施の形態7と同様のものとなるので、ここではその説明を省略する。
性能情報測定部48は、VLAN制御バッファ部40−1〜40−10の優先制御バッファ部42−0〜42−7の各キュー45−1〜45−9に入力されるMACフレームの中で、送信元アドレスが予め定められたIPアドレスであって、かつUDPの送信元ポート番号が予め定められたポート番号であるMACフレームを加入者端末毎に測定する。
優先制御処理部5aは、送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスが予め定められたIPアドレスのMACフレームのアプリケーションの種類を解析することを指示する検出通知をMACフレーム解析処理部22に出力するとともに、MACフレーム解析処理部22からの解析結果に基づいて、アプリケーションが要求する通信品質を判定して、使用するキューを決定する。
この実施の形態9では、サーバ9−1から同一のサービス、たとえば、加入者端末10−1と加入者端末10−2とにライブ中継などの同時刻に同一のデータを転送し、加入者端末10−6はライブ中継のサービスを受けていない場合に加入者端末10−1を収容しているスイッチ装置1b−3、加入者端末10−2を収容しているスイッチ装置1b−4、および加入者端末10−6を収容してスイッチ装置1b−9を収容するスイッチ装置1b−1の動作を説明する。
サーバ9−1から送信されるライブ中継のデータはUDPプロトコルの送信元ポート番号として「NN」が使用されているものとする。また、MACフレーム解析処理部22および優先制御処理部5には、予めサーバ9−1のIPアドレスと、ポート番号「NN]とが設定されているものとする。さらに、優先制御情報付与部21には、サーバ9−1からのライブ中継サービスのMACフレームであるキュー指定通知を受けた場合は最低保証帯域5Mbpsであってかつシェーピングの優先キューであるキュー45−6を使用することが設定されているものとする。性能情報測定部48には、各種トラフィックの特性、たとえば、well knownポートを指定してVoIPのように使用するアプリケーションによって実時間性を要求するものや、FTPやHTTPのように実時間性を要求しないもの、映像配信のように常にトラフィックが一定のレートで流れるものなどが指定されているものとする。
なお、MACフレーム解析処理部22が、IPヘッダの送信元IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであって、かつUDPヘッダの送信元ポート番号が「NN」のMACフレームを検出してキュー指定通知を出力し、優先制御情報付与部21がMACフレームヘッダの前に優先制御情報を付加して、優先制御情報に基づいて優先処理を行う動作、すなわちMACフレームを解析して優先処理を行う動作は、実施の形態1〜5と同じ動作であるので、ここでは優先制御処理部5に関する動作のみを説明する。
性能情報測定部48は、VLAN制御バッファ部40−1〜40−10の優先制御バッファ部42−0〜42−7の各キュー45−1〜45−9に入力されるMACフレームの中で、送信元アドレスがサーバ9−1のIPアドレスであって、かつUDPの送信元ポート番号が「NN」であるMACフレーム(サーバ9−1からのMACフレーム)を加入者端末毎(この場合は、加入者端末10−1,10−2)に測定する。性能情報測定部48は、加入者端末10−1および加入者端末10−2へのMACフレームの平均転送レートが、予め定められている値(この場合は、5Mbps)に達していないことを検出すると、優先制御処理部5に性能情報を通知する。
性能情報を受けると、優先制御処理部5は、サーバ9−1から加入者端末10−6へのMACフレームを解析することを指示する検出通知をMACフレーム処理部2−1〜2−nのMACフレーム解析処理部22に出力する。すなわち、IPヘッダの送信元IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであって、かつ宛先IPアドレスが加入者端末10−6のIPアドレスであるMACフレームが、どのようなMACフレームであるのかを解析するように通知する。
MACフレーム処理部2−1〜2−nのMACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレームのIPヘッダの送信元IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであって、かつ宛先IPアドレスが加入者端末10−6のIPアドレスであるMACフレームの宛先ポート番号が「20」または「21」であればFTPのMACフレームであり、宛先ポート番号が「80」であればHTTPのMACフレームであり、宛先ポート番号が「5060」であればVoIPのMACフレームであるというように、MACフレーム内の情報からMACフレームがどのようなプロトコルのMACフレームであるかを解析して優先制御処理部5に通知する。
MACフレーム解析処理部22からの解析結果に基づいて、優先制御処理部5は、たとえば、サーバ9−1から加入者端末10−6へのMACフレームが、FTPように実時間性を要求されないMACフレームである場合、このFTPのMACフレームが割り振られる優先制御バッファ部が、サーバ9−1から加入者端末10−1または加入者端末10−2へのライブ中継サービスに用いているMACフレームが振り分けられる優先制御バッファ部よりも優先度が高くなっていないかを判定する。サーバ9−1から加入者端末10−6へのFTPのMACフレームの優先度が、サーバ9−1から加入者端末10−1または加入者端末10−2へのMACフレームの優先度よりも高くなっている場合には、優先制御処理部5は、サーバ9−1から加入者端末10−6へのFTPのMACフレームの優先度をサーバ9−1から加入者端末10−1または加入者端末10−2へのMACフレームの優先度より小さくするようにする。たとえば、優先制御処理部5は、FTPのキュー指定通知を受けた場合、1Mbpsのピーク・カット・オフであるキュー45−5を使用するように優先制御情報付与部21に通知するとともに、入力されたMACフレームがサーバ9−1から加入者端末10−6へのFTPのMACフレーム(IPヘッダの送信元IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであって、かつ宛先IPアドレスが加入者端末10−6のIPアドレスであって、かつ送信元ポート番号または宛先ポート番号が「20」または「21」のMACフレーム)の場合、FTPのキュー指定通知を出力するようにMACフレーム解析処理部22に通知する。
これによりサーバ9−1から加入者端末10−6へのFTPのMACフレームが割り振られるキューが、サーバ9−1から加入者端末10−1または加入者端末10−2へのライブ中継のMACフレームが割り振られる優先度よりも低くなり、サーバ9−1から加入者端末10−1または加入者端末10−2へのライブ中継のMACフレームが優先的に処理されて転送レートが高くなる。
一方、性能情報測定部48は、平均転送レートが5Mbpsに達していないことを通知する性能通知を出力した後も、IPヘッダの送信元IPアドレスがサーバ9−1であって、かつUDPヘッダの送信元ポートが「NN]であるMACフレームを加入者端末ごとに測定している。一定時間が経過した後もサーバ9−1から加入者端末10−1または加入者端末10−2へのMACフレームの平均転送レートが、5Mbpsに達していない場合には、さらに平均転送レートが5Mbpsに達していないことを通知する性能通知を優先制御処理部5に出力し、優先制御処理部5は、たとえば、HTTPのように実時間性を要求されないアプリケーションのMACフレームをMACフレーム解析処理部22に解析させて、その解析結果に基づいて使用するキューを変更する動作を繰り返す。
このようにこの実施の形態9では、MACフレーム内のIPヘッダ(レイヤ2制御情報)およびUDPヘッダ(レイヤ3制御情報)から、MACフレームのアプリケーションの要求する通信品質を識別して、指定された実時間性の要求されるMACフレームの転送レートを低下させているMACフレームを割り振るキューの優先度を下げるようにしているので、指定された実時間性の要求される通信のMACフレームを一定の転送レートで送信することができ、サービス品質を損なうことなく、イーサーネット(登録商標)のネットワーク上でのユーザに対する同一サービスに対する公平性を向上することができる。
なお、この実施の形態9では、well knownポートを使用してアプリケーションが要求する通信品質を判定するようにしたが、well knwonポートに限るものではなく、MACフレームヘッダの送信元MACアドレスや宛先MACアドレス、またはIPヘッダ内の送信元IPアドレスや宛先IPアドレスなどで通信品質を判定してもよいし、ネットワークに接続されている上位の監視装置と通信を行って通信品質を判定するようにしてもよい。
実施の形態10.
この発明における実施の形態10のスイッチ装置が適用されるネットワークおよびスイッチ装置の構成は、実施の形態7と同様のものとなるので、ここではその説明を省略する。
性能情報測定部48は、VLAN制御バッファ部40−1〜40−10の優先制御バッファ部42−0〜42−7の各キュー45−1〜45−9に入力されるMACフレームの中で、宛先アドレスが予め定められたIPアドレスであって、かつTCPヘッダの送信元ポート番号が予め定められたポート番号であるMACフレームをIPヘッダの送信元IPアドレス毎に測定する。
優先制御処理部5aは、性能情報測定部48によって通知される送信元IPアドレスを有するMACフレームが入力される入力ポートのMACフレームのアプリケーションの種類を解析するようにMACフレーム解析処理部22に通知するとともに、MACフレーム解析処理部22からの解析結果に基づいてアプリケーションが要求する通信品質を判定して、使用するキューを決定する。
この実施の形態10では、サーバ9−1からの同一サービスを受けている加入者端末10−1,10−2,10−6がそれぞれサーバ9−1と双方向通信を行っている場合に、スイッチ装置1b−1が加入者端末10−6を収容しているポートに加入者端末10−6とは別の加入者端末(図示せず)が収容されており、この別の加入者端末のトラフィックが多く、加入者端末10−1,10−2の通信量と比較して、加入者端末10−6の通信量が低くなっている場合のスイッチ装置1b−1の動作について説明する。
サーバ9−1からの加入者端末10−1,10−2,10−6への同一サービスのMACフレームは、UDPプロトコルの送信元ポート番号として「NN」が使用されているものとする。また、MACフレーム解析処理部22および優先制御処理部5には、予めサーバ9−1のIPアドレスと、ポート番号「NN]とが設定されているものとする。さらに、優先制御情報付与部21には、サーバ9−1からのサービスのMACフレームであるキュー指定通知を受けた場合はVLAN優先ビットが「5」のベストエフォートの優先キューであるキュー45−1を使用することが設定されているものとする。性能情報測定部48には、各種トラフィックの特性、たとえば、well knownポートを指定してVoIPのように使用するアプリケーションによって実時間性を要求するものや、FTPやHTTPのように実時間性を要求しないもの、映像配信のように常にトラフィックが一定のレートで流れるものなどが指定されているものとする。
なお、MACフレーム解析処理部22が、IPヘッダの送信元IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであって、かつTCPヘッダの送信元ポート番号が「NN」のMACフレームを検出してキュー指定通知を出力し、優先制御情報付与部21がMACフレームヘッダの前にVLAN優先ビットが「5」とキュー45−1のキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加して、優先制御情報に基づいて優先処理を行う動作は、すなわち、MACフレームを解析して優先制御を行う動作は、実施の形態1〜5と同じ動作であるので、ここでは優先制御処理部5aに関する動作のみを説明する。
性能情報測定部48は、VLAN制御バッファ部40−1〜40−10の優先制御バッファ部42−0〜42−7の各キュー45−1〜45−9に入力されるMACフレームの中で、宛先アドレスがサーバ9−1のIPアドレスであって、かつTCPヘッダの送信元ポート番号が「NN」であるMACフレーム(サーバ9−1からのMACフレーム)をIPヘッダの送信元IPアドレス毎に測定する。性能情報測定部48は、測定結果から、加入者端末10−1からサーバ9−1へのMACフレーム(送信元IPアドレスが加入者端末10−1のIPアドレスであるMACフレーム)、加入者端末10−2からサーバ9−1へのMACフレーム(送信元IPアドレスが加入者端末10−2のIPアドレスであるMACフレーム)または加入者端末10−6からサーバ9−1へのMACフレーム(送信元IPアドレスが加入者端末10−6のIPアドレスであるMACフレーム)の平均転送レートが、予め定められている値に達していないことを検出すると、優先制御処理部5に性能情報を通知する。ここでは、加入者端末10−6からサーバ9−1へのMACフレームの平均転送レートが、予め定められている値に達していないことを検出して、優先制御処理部5aに性能情報を通知する。
優先制御処理部5aは、加入者端末10−6からサーバ9−1へのMACフレームが入力される入力ポート(ここでは、入力ポートPI1とする)に対応するMACフレーム処理部2−1のMACフレーム解析処理部22に、MACフレームを解析するように通知する。
MACフレーム処理部2−1のMACフレーム解析処理部22は、入力されるMACフレームがどのようなアプリケーションのMACフレームであるかを解析する。たとえば、MACフレームのTCPヘッダの送信元ポート番号または宛先ポート番号が「20」または「21」であればFTPのMACフレームであり、宛先ポート番号が「80」であればHTTPのMACフレームであり、宛先ポート番号が「5060」であればVoIPのMACフレームであるというように、MACフレーム内の情報からMACフレームがどのようなプロトコルのMACフレームであるかを解析して、そのMACフレームの送信元IPアドレスと解析結果とを優先制御処理部5aに通知する。
優先制御処理部5aは、たとえば、FTPやHTTPのように実時間性を要求されないMACフレームを最も多く送信している送信元IPアドレスのMACフレームを現在使用しているキューよりも優先度を低くするように決定する。たとえば、FTPやHTTPのように実時間性を要求されないMACフレームを最も多く送信している送信元IPアドレスのMACフレームを5Mbpsのピーク・カット・オフのキュー45−6を使用することを決定する。そして、優先制御処理部5aは、FTPのキュー指定通知を受けた場合、キュー45−6のキューを使用することをMACフレーム処理部2−1の優先制御情報付与部21に設定するとともに、送信元IPアドレスが決定した送信元IPアドレスであって、かつ送信元ポート番号または宛先ポート番号が「20」または「21」であるMACフレームの場合、FTPのキュー指定通知を出力するようにMACフレーム処理部2−1のMACフレーム解析処理部22に通知する。
これにより加入者端末10−6と同じ入力ポートPI1を使用している他の加入者端末のMACフレームの優先度を低くして、加入者端末10−6のMACフレームは優先的に処理される。
一方、性能情報測定部48は、平均転送レートが予め定められた値に達していないことを通知する性能通知を出力した後も、宛先IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであって、かつ送信元ポート番号が「NN]であるMACフレームを送信元IPアドレス毎に測定している。一定時間が経過した後も、加入者端末10−1、10−2、10−6からサーバ9−1へのMACフレームの平均転送レートが、予め定められた値に達しない場合には、性能通知を、優先制御処理部5に出力し、優先制御処理部5aは、たとえば、HTTPのように実時間性を要求されないアプリケーションのMACフレームをMACフレーム解析処理部22に解析させて、その解析結果に基づいて使用するキューを変更する動作を繰り返す。
このようにこの実施の形態10では、同一入力ポートから入力されるMACフレーム内のIPヘッダ(レイヤ2制御情報)の宛先IPアドレスおよび送信元IPアドレスと、TCPヘッダ(レイヤ3制御情報)の送信元ポート番号とから、同一サービスに対するフローの性能情報を監視して、平均転送レートが予め定められた値より低下した場合には、平均転送レートが低下したMACフレームが入力される入力ポートの全てのMACフレームを解析して、アプリケーションが要求する通信品質に基づいて優先制御を行うようにしているので、サービス品質を損なうことなく、実時間性の要求の高いMACフレームの転送を優先することができ、イーサーネット(登録商標)のネットワーク上でのユーザに対するサービスの公平性を向上することができる。
なお、この実施の形態10では、Well knownポートを使用してアプリケーションの要求する通信品質を判定するようにしたが、well knownポートに限るものではなく、MACフレームヘッダの送信元MACアドレスや宛先MACアドレス、またはIPヘッダ内の送信元IPアドレスや宛先IPアドレスなどで通信品質を判定してもよいし、ネットワークに接続されている上位の監視装置と通信を行って通信品質を判定するようにしてもよい。
実施の形態11.
この発明における実施の形態11のスイッチ装置が適用されるネットワークおよびスイッチ装置の構成は、実施の形態7と同様のものとなるので、ここではその説明を省略する。
性能情報測定部48は、一定時間内に(単位時間)VLAN制御バッファ部40−1〜40−10の優先制御バッファ部42−0〜42−7の各キュー45−1〜45−9に入力されるMACフレームのIPヘッダの宛先IPアドレス毎に、異なる送信元IPアドレスを有するMACフレームの数を監視する。
優先制御処理部5aは、性能情報測定部48の監視結果に基づいて、特定の宛先IPアドレスへのMACフレームを振り分けるキューの優先度を、現在使用している優先度より低いものに変更することを決定する。
この実施の形態11では、サーバ9−1の同一サービスを受けている多数の加入者端末がそれぞれサーバ9−1と双方向通信を行っている場合に、DDoS(Distributed Denial Of Service)攻撃などによって長時間に渡ってサーバ9−1の通信が過負荷になった場合のスイッチ装置1b−1の動作を説明する。
なお、性能情報測定部48には、同一の宛先IPアドレスに対して単位時間あたりアクセス可能な加入者端末の台数である閾値Mと、同一の宛先IPアドレスに対して単位時間あたりの加入者端末の台数が閾値Mを超えた状態が継続可能な時間である閾値Nとが、予め設定されているものとする。
MACフレーム解析処理部22が、MACフレームの所定の情報に基づいてMACフレームを解析してキュー指定通知またはVLAN優先通知を出力して、優先制御情報付与部21が、キュー指定通知またはVLAN優先通知に基づいて優先制御情報をMACフレームヘッダの前に付加して、優先制御情報に基づいて優先処理を行う動作、すなわち、MACフレームを解析して優先処理を行う動作は、実施の形態1〜5と同じ動作であるので、ここでは優先制御処理部5aに関する動作のみを説明する。
性能情報測定部48は、一定時間内に(単位時間)VLAN制御バッファ部40−1〜40−10の優先制御バッファ部42−0〜42−7の各キュー45−1〜45−9に入力されるMACフレームのIPヘッダの宛先IPアドレス毎に、異なる送信元IPアドレスを有するMACフレームの数をカウントする。すなわち、性能情報測定部48は、一定時間内にサーバ9−1へ何台の端末(加入者端末およびサーバ)がMACフレームを送信しているか、加入者端末10−1,10−2,10−6へ何台の端末がMACフレームを送信しているかをカウントする。性能情報測定部48は、同一の宛先IPアドレスへのカウント値が閾値Mを超えた時間が閾値Nを超えた場合、閾値Nを超えた宛先IPアドレスを性能情報として優先制御処理部5aに出力する。たとえば、サーバ9−1へMACフレームを送信する端末の台数が閾値Mを超えた時間が閾値Nを超えたことを検出すると、性能情報測定部48は、優先制御処理部5aにサーバ9−1のIPアドレスを性能情報として出力する。
優先制御処理部5aは、性能情報として入力された宛先IPアドレス宛てのMACフレーム(ここでは、宛先IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであるMACフレーム)を解析してキュー指定通知を出力するように、MACフレーム処理部2−1〜2−nのMACフレーム解析処理部22に通知する。また、優先制御処理部5aは、MACフレーム処理部2−1〜2−nの優先制御情報付与部21に、宛先IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであるキュー指定通知を受けた場合にはVLAN優先ビット「0」のベストエフォートのキューであるキュー45−9を使用することを設定するキュー変更通知を出力する。
これにより、MACフレーム処理部2−1〜2−nのMACフレーム解析処理部22は、入力されたMACフレームの宛先IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスである場合にキュー指定通知を優先制御情報付与部21に出力し、優先制御情報付与部21は、キュー指定通知を受けると、VLAN優先ビット「0」とキュー45−9を識別するキュー番号とを優先制御情報としてMACフレームヘッダの前に付加する。すなわち、サーバ9−1へのMACフレームの優先度が低くなり、単位時間あたりのサーバ9−1への送信を抑制することができる。
サーバ9−1へのMACフレームの優先度を下げた後、性能情報測定部48は、定められた時間の間サーバ9−1へのMACフレームのバイト数をカウントしてトラフィックを監視する。サーバ9−1へのトラフィックが予め定められた値より小さくなった場合、すなわちサーバ9−1へのトラフィックが安定した場合には、性能情報測定部48は、優先制御処理部5aにサーバ9−1へのトラフィックが安定したことを通知する性能情報を出力する。
トラフィックが安定したことを通知する性能情報を受けると、優先制御処理部5aは、MACフレーム処理部2−1〜2−nのMACフレーム解析処理部22に、IPヘッダの宛先IPアドレスがサーバ9−1のIPアドレスであるMACフレームの検出を停止するように通知するとともに、MACフレーム処理部2−1〜2−nの優先制御情報付与部21に、変更前のVLAN優先ビットのキューを設定するキュー変更通知を出力する。
一方、同一の宛先IPアドレスへのカウント値が閾値Mを超えた時間が閾値Nを超えたことを通知する性能情報を出力した後も、その宛先IPアドレスへのトラフィックが過負荷である場合(この場合、サーバ9−1へのトラフィックが過負荷である場合)、再度、性能情報を優先制御処理部5aに出力する。
優先制御処理部5aは、再度、性能情報を受けると、MACフレーム処理部2−1〜2−nの優先制御情報付与部21に、キュー指定通知を受けた場合にはVLAN優先ビット「0」の0.5Mbpsのピーク・カット・オフのキューであるキュー45−6を使用することを通知する。すなわち、サーバ9−1へのMACフレームの優先度をさらに低くして、サーバ9−1へのMACフレームを抑制する。
このようにこの実施の形態11では、MACフレームのIPヘッダ(レイヤ3制御情報)から一定時間内に特定の宛先にMACフレームを送信している送信元の数を測定することで出力ポートにおける同一サーバへのフローを監視して、所定の時間以上、同一サーバに所定の台数以上の加入者端末が接続されている場合には、このサーバへのMACフレームを蓄積するキューの優先度を下げるようにしているので、たとえば、サーバに対するDDoS攻撃などをレイヤ2で防止することができ、イーサーネット(登録商標)のネットワークにおける加入者端末への安全性を向上することができる。
なお、この実施の形態11では、送信元IPアドレスおよび宛先IPアドレスを用いるようにしたが、MACフレームヘッダ(レイヤ2制御情報)の送信元MACアドレスおよび宛先MACアドレスを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態11では、使用するキューの優先度を下げるようにしたが、キューの優先度を下げても所定の時間以上、同一サーバに所定の台数以上の加入者端末が接続されている場合、サーバ宛のMACフレームの送信を停止するようにしてもよい。
また、実施の形態1〜11では、多重処理部41において優先制御情報を削除するようにしたが、フレーム割り振り処理部44によって各キュー45−1〜45−9に振り分けた後から出力ポートPO1〜POmにMACフレームを出力するまでの間であれば、多重処理部47または43で優先制御情報を削除しても構わない。もちろん、キュー45−1〜45−9にMACフレームを蓄積する際に、優先制御情報を削除してもかまわない。
また、実施の形態1〜11では、MACフレーム解析処理部22がMACフレームを解析するための情報(送信元MACアドレスや宛先MACアドレス、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号など)、優先制御情報付与部21が検出されたMACフレームをどのキューに蓄積するか、各優先制御バッファ部42−0〜42−7のキューの構成(たとえば、キュー45−1を最優先キューとし、キュー45−2を最大5Mbpsのピーク・カット・オフのキューとするなど)、および優先制御処理部5が性能情報に基づいて変更するキューは、予め設定されているものとした。しかし、これらの設定は、たとえば、ネットワークを監視する監視装置などのスイッチ装置よりも上位の装置によって変更または設定するようにしてもよい。
また、実施の形態1〜11では、優先制御情報付与部21が、MACフレームの前に優先制御情報を付与するようにしたが、第17図に示すように、優先制御情報を新たなVLANタグとして付加するようにしてもよい。すなわち、タグ・オン・タグの機能を利用して、MACフレームヘッダに優先制御情報を付与する。これにより、IEEE802.3Dで定義されているMACフレームとして最優先キューに振り分けることが可能となり、L2スイッチ処理部3に一般的なL2スイッチを使用することができ、スイッチ装置のコストを低減することができる。
また、キュー指定通知によって使用するキューは実施の形態1〜11で使用したキューに限るものではなく、使用するアプリケーションによってどのように設定してもかまわない。
また、この発明におけるスイッチ装置に入力されるMACフレームは、たとえば、第18図に示すようにMACフレームヘッダとIPヘッダの間にPPPoEヘッダを有するPPPoEフレームであってもかまわない。
さらに、この発明におけるスイッチ装置が解析する情報は、実施の形態1〜11で示したものに限るものではなく、MACフレーム内のレイヤ2制御情報、レイヤ3制御情報、レイヤ4制御情報、またはレイヤ5以上の上位層のどの情報を用いてもかまわない。