JP4495498B2 - 基板処理装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

基板処理装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板処理装置に関し、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法に使用されるCVD装置や拡散装置、酸化装置およびアニール装置等の熱処理装置(furnace )に利用して有効なものに関する。
ICの製造方法において、半導体素子を含む集積回路が作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に窒化シリコン(Si34 )や酸化シリコンおよびポリシリコン等のCVD膜を形成するのに、バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置が広く使用されている。
バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置(以下、CVD装置という。)は、ウエハが搬入されるインナチューブおよびインナチューブを取り囲むアウタチューブから構成されて縦形に設置されたプロセスチューブと、プロセスチューブによって形成された処理室に処理ガスとしての成膜ガスを供給するガス供給管と、処理室を真空排気する排気管と、プロセスチューブ外に敷設されて処理室を加熱するヒータユニットと、ボートエレベータによって昇降されて処理室の炉口を開閉するシールキャップと、シールキャップの上に垂直に設置されて複数枚のウエハを保持するボートとを備えており、複数枚のウエハがボートによって垂直方向に整列されて保持された状態で処理室に下端の炉口から搬入(ボートローディング)され、シールキャップによって炉口が閉塞された状態で、処理室に成膜ガスがガス供給管から供給されるとともに、ヒータユニットによって処理室が加熱されることにより、ウエハの上にCVD膜が堆積するように構成されている。
従来のこの種のCVD装置においては、ヒータユニットとプロセスチューブとの間の空間を排気する排気口はヒータユニットの天井面の中央部に配置されているのが、一般的である(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−164298号公報
ヒータユニットとプロセスチューブとの間の空間を排気する排気口がヒータユニットの天井面の中央部に配置されたCVD装置においては、中央部が冷却されることにより、ボートに装填されたウエハの中央部の温度が低下するために、ウエハ面内の温度分布の均一性が悪化するという問題点がある。
ウエハ面内の温度分布の均一性を改善するために、ヒータユニットの天井面の中央部にサブヒータユニットを設置することが考えられる。しかし、サブヒータユニットの放熱分を余計に冷却する必要があるために、排気装置の出力が増大し、その分、消費電力が増加するという問題点がある。
本発明の目的は、消費電力の増加を抑制しつつ、面内温度分布の均一性を改善することができるとともに、急速の昇降温が可能な基板処理装置を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)基板を処理する処理室と、この処理室内を加熱するヒータユニットと、前記ヒータユニットに開設されて前記処理室と前記ヒータユニットとの間を排気する複数の排気口と、前記ヒータユニットの外側に配された排気接続口と、前記複数の排気口と前記排気接続口とを連絡する連絡路と、前記連絡路の前記複数の排気口が集合する部位に配された整流板とを備えていることを特徴とする基板処理装置。
(2)基板を処理する処理室と、この処理室内を加熱するヒータユニットとを備えている基板処理装置において、前記ヒータユニットは複数の排気口の開口端が前記処理室と前記ヒータユニットとの間の筒状空間の略直上の天井部に配されており、前記排気口は前記開口端から離れるに従って前記ヒータユニットの中心軸から離れて行くように配されていることを特徴とする基板処理装置。
(3)基板を処理する処理室と、この処理室内を加熱するヒータユニットと、前記ヒータユニットから独立し天井部に吊り下がるように設置されたサブヒータユニットとを備えている基板処理装置において、前記ヒータユニットは複数の排気口の開口端が前記処理室と前記ヒータユニットとの間の筒状空間の略直上の天井部であって、前記サブヒータユニットの外側に配されていることを特徴とする基板処理装置。
(4)基板を処理する処理室と、この処理室内を加熱するヒータユニットと、前記ヒータユニットに開設されて前記処理室と前記ヒータユニットとの間を排気する複数の排気口と、前記ヒータユニットの外側に配された排気接続口と、前記複数の排気口と前記排気接続口とを連絡する連絡路と、前記連絡路の前記複数の排気口が集合する部位に配された整流板とを備えている基板処理装置を使用する半導体装置の製造方法であって、
前記基板を前記処理室に収納するステップと、
前記処理室内を前記ヒータユニットによって加熱するステップと、
前記処理室と前記ヒータユニットとの間を前記複数の排気口によって排気するステップと、
前記複数の排気口から排気された雰囲気が前記連絡路を流れて前記整流板によって整流されて集合するステップと、
前記整流板によって整流されて集合した雰囲気が前記排気接続口を流れるステップと、を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
前記(1)によれば、消費電力の増加を抑制しつつ、面内温度分布の均一性を改善することができるとともに、急速の昇降温を実現することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
本実施の形態において、図1および図2に示されているように、本発明に係る基板処理装置は、ICの製造方法における成膜工程を実施するCVD装置(バッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD装置)10として構成されている。
図1および図2に示されたCVD装置10は、中心線が垂直になるように縦に配されて支持された縦形のプロセスチューブ11を備えており、プロセスチューブ11は互いに同心円に配置されたアウタチューブ12とインナチューブ13とから構成されている。アウタチューブ12は石英(SiO2 )が使用されて、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に一体成形されている。インナチューブ13は上下両端が開口した円筒形状に形成されており、インナチューブ13の筒中空部はボートによって長く整列した状態に保持された複数枚のウエハが搬入される処理室14を実質的に形成している。インナチューブ13の下端開口はウエハを出し入れするための炉口15を実質的に構成している。したがって、インナチューブ13の内径は取り扱うウエハの最大外径(例えば、直径300mm)よりも大きくなるように設定されている。
アウタチューブ12とインナチューブ13との間の下端部は、略円筒形状に構築されたマニホールド16によって気密封止されている。アウタチューブ12およびインナチューブ13の交換等のために、マニホールド16はアウタチューブ12およびインナチューブ13にそれぞれ着脱自在に取り付けられている。マニホールド16がCVD装置の筐体2に支持されることにより、プロセスチューブ11は垂直に据え付けられた状態になっている。
アウタチューブ12とインナチューブ13との隙間によって排気路17が、横断面形状が一定幅の円形リング形状に構成されている。図1に示されているように、マニホールド16の側壁の上部には排気管18の一端が接続されており、排気管18は排気路17の最下端部に連通した状態になっている。排気管18の他端には圧力コントローラ21によって制御される排気装置19が接続されており、排気管18の途中には圧力センサ20が接続されている。圧力コントローラ21は圧力センサ20からの測定結果に基づいて排気装置19をフィードバック制御するように構成されている。
マニホールド16の下方にはガス導入管22がインナチューブ13の炉口15に連通するように配設されており、ガス導入管22にはガス流量コントローラ24によって制御される原料ガス供給装置および不活性ガス供給装置(以下、ガス供給装置という。)23が接続されている。ガス導入管22によって炉口15に導入されたガスは、インナチューブ13の処理室14内を流通して排気路17を通って排気管18によって排気される。
マニホールド16には下端開口を閉塞するシールキャップ25が垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ25はマニホールド16の外径と略等しい円盤形状に構築されており、筐体2の待機室3に設備されたボートエレベータ26によって垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ26はモータ駆動の送りねじ軸装置およびベローズ等によって構成されており、ボートエレベータ26のモータ27は駆動コントローラ28によって制御されるように構成されている。シールキャップ25の中心線上には回転軸30が挿通されて回転自在に支承されており、回転軸30は駆動コントローラ28によって制御されるモータ29によって回転駆動されるように構成されている。回転軸30の上端にはボート31が垂直に立脚されて支持されている。
ボート31は上下で一対の端板32、33と、これらの間に架設されて垂直に配設された三本の保持部材34とを備えており、三本の保持部材34には多数の保持溝35が長手方向に等間隔に配されて互いに対向して開口するように刻設されている。ボート31は三本の保持部材34の保持溝35間にウエハ1を挿入されることにより、複数枚のウエハ1を水平にかつ互いに中心を揃えた状態に整列させて保持するようになっている。ボート31と回転軸30との間には断熱キャップ部36が配置されている。回転軸30はボート31をシールキャップ25の上面から持ち上げた状態に支持することにより、ボート31の下端を炉口15の位置から適当な距離だけ離間させるように構成されている。
プロセスチューブ11の外側にはヒータユニット40が同心円に配置されて、筐体2に支持された状態で設置されている。ヒータユニット40はステンレス鋼(SUS)が使用されて上端閉塞で下端開口の円筒形状に形成されたケース41を備えている。ケース41の内径および全長はアウタチューブ12の外径および全長よりも大きく設定されている。ケース41の内側にはケース41よりも小径の円筒形状に構築された断熱槽42が同心円に設置されている。断熱槽42の内側には断熱槽42よりも小径の円筒形状に形成された断熱側壁43が、アウタチューブ12との間に間隙をとって同心円に設置されている。断熱側壁43は短尺の円筒形状に形成された断熱ブロック44が複数個、垂直方向に積み重ねられて一本の筒体に構築されている。断熱ブロック44は短尺の円筒形状であるドーナツ形状に、繊維状または球状のアルミナやシリカ等の断熱材が使用されて、例えばバキュームフォーム法の成形型によって一体成形されている。断熱側壁43の上には断熱天井壁45が断熱側壁43の上端開口を閉塞するように被せられている。断熱天井壁45はケース41の内径と等しい外径を有する円板形状に形成された断熱プレート46が複数枚、垂直方向に積み重ねられて一枚の円盤に構築されている。断熱プレート46は繊維状または球状のアルミナやシリカ等の断熱材が使用されて、例えばバキュームフォーム法の成形型によって成形されている。
断熱側壁43の内周面には発熱体(以下、側壁発熱体という。)47が各断熱ブロック44に配置されて敷設されている。側壁発熱体47はFe−Cr−Al合金やMOSi2 およびSiC等の抵抗発熱材料が使用されて、波形の平板形状にプレス加工やレーザ切断加工等によって一体成形されており、断熱ブロック44の内径よりも若干だけ小径の円形リング形状に丸められている。
ヒータユニット40の天井面である断熱天井壁45の下面の中央部には、サブヒータユニット48が水平に設置されている。サブヒータユニット48は発熱体(以下、天井発熱体という。)49とホルダ50とを備えており、天井発熱体49を保持したホルダ50が断熱天井壁45の下面に吊持されている。天井発熱体49はFe−Cr−Al合金やMOSi2 およびSiC等の抵抗発熱材料が使用されて、渦巻き形の平板形状にプレス加工やレーザ切断加工等によって一体成形されている。なお、ボート31の断熱キャップ部36の上側には下側サブヒータユニット37が設置されている。
図1に示されているように、側壁発熱体47、天井発熱体49および下側サブヒータユニット37の発熱体は発熱体駆動装置52に接続されており、発熱体駆動装置52は温度コントローラ53によって制御されるように構成されている。ヒータユニット40の側壁部には複数本の熱電対54が上下方向に間隔を置いて配されて、それぞれ径方向に挿通されており、熱電対54は計測結果を温度コントローラ53に送信するようになっている。温度コントローラ53は熱電対54からの計測温度によって発熱体駆動装置52をフィードバック制御するようになっている。すなわち、温度コントローラ53は発熱体駆動装置52の目標温度と熱電対54の計測温度との誤差を求めて、誤差がある場合には誤差を解消させるフィードバック制御を実行するようになっている。また、温度コントローラ53は側壁発熱体47をゾーン制御するように構成されている。
ヒータユニット40とプロセスチューブ11との間には冷却ガスとしての冷却エアを流通させる冷却エア通路61が、プロセスチューブ11を全体的に包囲するように形成されている。ヒータユニット40の断熱側壁43の下端部には給気ダクト62が環状に敷設されており、給気ダクト62および断熱側壁43には吹出口63が複数個、周方向に略等間隔に配されて径方向および上下方向にも複数個ずつ開設されている。給気ダクト62の外周側には冷却エアを供給する給気管64が接続されており、給気管64に供給された冷却エアは給気ダクト62および吹出口63を通じて冷却エア通路61の全周に拡散するようになっている。
断熱天井壁45には冷却エアを冷却エア通路61から排出するための排気口としての排気孔65が四本(図3参照)、同一円形線上で周方向に略等間隔に配置されて上下方向に貫通するように開設されている。各排気孔65の冷却エア通路61に連通した上流側開口端65aは、サブヒータユニット48の長手方向の外周よりも外側において冷却エア通路61の略直上にそれぞれ配置されている。このように、各排気孔65の上流側開口端が冷却エア通路61の略直上に配置されているために、排気孔65は冷却エア通路61を効率よく排気することができる。また、排気孔65を断熱天井壁45の周辺部(周縁部)に配置することにより、サブヒータユニット48の天井発熱体49を天井面の中央部に敷設することができるとともに、天井発熱体49を排気流路から退避させて排気流による応力や化学反応を防止することにより、天井発熱体49の劣化を抑制することができる。各排気孔65は天井面(開口面)から離れるに従ってヒータユニット40の中心軸から離れて行くように形成(配管)されている。排気孔65が傾斜していると、側壁発熱体47からの排気孔65への輻射熱の入射を起こり難くすることができ、かつまた、排気経路を長くすることができる。
断熱天井壁45の上には図3に示された排気フード70が被せられている。図3に示されているように、排気フード70はステンレス鋼板が使用されて多角形(八角形)の箱形状に組み立てられた筐体71を備えている。筐体71の底板72は多角形(八角形)の枠形状に形成されており、枠形状の内形によって大きな開口73が相対的に形成されている。開口73の四隅には四本の排気孔65の下流側開口がそれぞれ位置するようになっている。筐体71の一枚の側板74には横長の四角形孔形状の排気接続口75が開設されており、側板74の外面には排気系の一部を構成する排気ダクト76が排気接続口75と連通するように突設されている。排気ダクト76の下流側端は排気ブロア等に接続されるようになっている。
筐体71の内部における排気接続口75の左右両脇には左右で一対の隔壁77、78がそれぞれ立設されており、左右の隔壁77、78の後方には後側隔壁79が立設されている。左右の隔壁77、78および後側隔壁79により、筐体71の内部には四本の排気孔65と排気接続口75とを連絡する連絡路80が形成されている。図3(a)に示されているように、連絡路80は左側両隅の排気孔65、65に連通する左側連絡路部81と、右側両隅の排気孔65、65に連通する右側連絡路部82と、左側連絡路部81と右側連絡路部82とを連絡する中央連絡路部83と、中央連絡路部83と排気接続口75とを連絡する終端連絡路部84とから構成されている。
左側連絡路部81における前後の排気孔65、65が集合する部位である前後方向の中央には、左側整流板85が左右方向に延在するように立設されている。右側連絡路部82における前後の排気孔65、65が集合する部位である前後方向の中央には、右側整流板86が左右方向に延在するように立設されている。中央連絡路部83における左側連絡路部81と右側連絡路部82とが集合する部位である左右方向の中央には、中央整流板87が前後方向に延在するように立設されており、中央整流板87は終端連絡路部84を通って排気ダクト76の内部まで延長されている。
前記構成に係るCVD装置によるICの製造方法における成膜工程を説明する。
図1に示されているように、予め指定された枚数のウエハ1がボート31に装填されると、ウエハ1群を保持したボート31はシールキャップ25がボートエレベータ26によって上昇されることにより、インナチューブ13の処理室14に搬入(ボートローディング)されて行き、シールキャップ25に支持されたままの状態で処理室14に存置される。上限に達したシールキャップ25はマニホールド16に押接することにより、プロセスチューブ11の内部をシールした状態になる。
続いて、プロセスチューブ11の内部が排気管18によって排気されるとともに、側壁発熱体47および天井発熱体49によって温度コントローラ53のシーケンス制御の目標温度に加熱される。側壁発熱体47および天井発熱体49の加熱によるプロセスチューブ11の内部の実際の上昇温度と、側壁発熱体47および天井発熱体49のシーケンス制御の目標温度との誤差は、熱電対54の計測結果に基づくフィードバック制御によって補正される。また、ボート31がモータ29によって回転される。
プロセスチューブ11の内圧および温度、ボート31の回転が全体的に一定の安定した状態になると、プロセスチューブ11の処理室14には原料ガスがガス供給装置23によってガス導入管22から導入される。ガス導入管22によって導入された原料ガスは、インナチューブ13の処理室14内を流通して排気路17を通って排気管18によって排気される。処理室14を流通する際に、原料ガスが所定の処理温度に加熱されたウエハ1に接触することによる熱CVD反応により、ウエハ1にはCVD膜が形成される。
ちなみに、窒化珪素(Si3 4 )が成膜される場合の処理条件の一例は、次の通りである。処理温度は700〜800℃、原料ガスとしてのSiH2 Cl2 の流量は0.1〜0.5SLM(スタンダード・リットル毎分)、NH3 の流量は0.3〜5SLM、処理圧力は20〜100Paである。
所定の処理時間が経過すると、処理ガスの導入が停止された後に、窒素ガス等のパージガスがプロセスチューブ11の内部にガス導入管22から導入される。同時に、冷却エア66が給気管64から供給されて吹出口63から冷却エア通路61に吹き出し、各排気孔65、連絡路80、排気接続口75および排気ダクト76によって排気されることにより、冷却エア通路61に流通される。冷却エア通路61における冷却エア66の流通により、ヒータユニット40の全体が強制的に冷却されるために、プロセスチューブ11の温度は大きいレート(速度)をもって急速に下降することになる。なお、冷却エア通路61は処理室14から隔離されているので、冷媒として冷却エア66を使用することができるが、冷却効果をより一層高めるためや、エア内の不純物による高温下での腐蝕を防止するために、窒素ガス等の不活性ガスを冷媒ガスとして使用してもよい。
処理室14の温度が所定の温度に下降すると、シールキャップ25に支持されたボート31はボートエレベータ26によって下降されることにより、処理室14から搬出(ボートアンローディング)される。
以降、前記作用が繰り返されることにより、CVD装置10によってウエハ1に対する成膜処理が実施されて行く。
なお、アウタチューブ12およびヒータユニット40の温度は処理温度以上に維持する必要がないばかりでなく、処理温度未満に下げることがかえって好ましいために、前述した成膜ステップにおいては、冷却エア66が冷却エア通路61に流通されることにより、アウタチューブ12およびヒータユニット40を強制的に冷却される。この冷却により、例えば、シリコン窒化膜であればNH4 Clの付着を防止することができる150℃程度にアウタチューブ12の温度を維持することができる。
ところで、設備コストやランニングコストおよび設置スペース等の観点からは、CVD装置の工場排気系への排気接続口は一つに設定することが望ましい。本実施の形態においては、冷却エア通路61の冷却エア66は冷却エア通路61の直上において四方に分散配置された四本の排気孔65によって全周にわたって均等に排気することにより、ヒータユニット40を冷却エア通路61の全周にわたって均一に冷却することができる。しかし、排気接続口75は一箇所に配置されているために、四本の排気孔65からそれぞれ排気した冷却エア66を排気接続口75に集合させる必要がある。
例えば、四本の排気孔65を全体が中空の排気フードによって上から単純に覆った場合には、一つの排気接続口75からの排気力は接続面に対して略一律であるために、四本の排気孔65のそれぞれと排気接続口75との距離によって排気する量が変わることになる。すなわち、各排気孔65の排気量は距離が短い程大きくなる。
この構造においては、排気接続口75に対して各排気孔65が互いに均等な距離に配置されている場合には、排気量は互いに等しくなって各排気孔65相互間で均衡するために、効率的な排気を確保することができる。しかし、この場合においても、排気孔65の内部における下方から上方への熱の移動による対流の発生や経路形状の影響(コンダクタンス)および処理室内の温度分布の影響を受けて、各排気孔65相互間において温度差が発生して各排気孔65相互間で異なる流れが発生することにより、うまく排気されずに排気の流れが変わったり、熱の対流の変動が起きたりして、各排気孔65相互間で排気量が不均衡になるために、効率的な排気を確保することができなくなる。
このように、各排気孔65相互間で排気力が不均衡になると、冷却エア通路61における周方向の冷却能力が不均一になるために、処理室14内の特に上端側(トップ側)の温度変化が激しくなり、ウエハ面内の温度分布が不均一になり、その結果、ウエハ面内の膜厚均一性が悪化する。
本実施の形態に係る排気フード70においては、連絡路80の集合箇所に整流板85、86、87が敷設されているので、各排気孔65相互間での排気量は互いに等しく制御することができる。まず、左側連絡路部81に前後の排気孔65、65からそれぞれ吹き出して集合する冷却エア66は、左側整流板85によって互いに均等になるように整流される。同様に、右側連絡路部82に前後の排気孔65、65からそれぞれ吹き出して集合する冷却エア66は、右側整流板86によって互いに均等になるように整流される。次いで、中央連絡路部83に左側連絡路部81と右側連絡路部82とからそれぞれ吹き出して集合する冷却エア66は、中央整流板87によって互いに均等になるように整流される。
このようにして、排気フード70に流れ込んだ冷却エア66を二段階に分けて順次に整流することにより、一つの排気接続口75から相対的に作用する排気力を四本の排気孔65に均等に伝えることができるので、四本の排気孔65の排気量を互いに均衡させることができる。
以上のようにして、本実施の形態においては、四本の排気孔65の排気量を互いに均等に制御することができるので、冷却エア通路61における周方向の冷却能力が均一になる。その結果、処理室14内の特に上端側(トップ側)の周方向の温度分布が均一になるので、ウエハ面内の温度分布が均一になり、ウエハ面内の膜厚均一性が向上する。
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
1) 成膜ステップ後にヒータユニットとプロセスチューブの間の空間に冷却エアを流通することにより、ヒータユニットおよびプロセスチューブを大きいレート(速度)をもって急速に降温させることができるので、CVD装置のスループットをより一層向上させることができ、また、ウエハの熱履歴を小さくすることにより、ICの歩留りを向上させることができる。
2) 複数の排気孔を冷却エア通路の略直上にそれぞれ配置することにより、冷却エア通路を効率よく排気することができるので、ヒータユニットおよびプロセスチューブをより一層大きいレート(速度)をもって急速に降温させることができる。
3) 排気孔をヒータユニットの断熱天井壁の周辺部に配置することにより、サブヒータユニットをヒータユニットの天井面の中央部に敷設することができるとともに、サブヒータユニットを排気流路から退避させて排気流による応力や化学反応を防止することにより、天井発熱体の劣化を抑制することができる。
4) 一つの排気接続口に四本の排気孔を連絡する連絡路に整流板を配置することにより、四本の排気孔の排気量を互いに均等に制御することができるので、冷却エア通路における周方向の冷却能力を均一に制御することができる。その結果、処理室内の特に上端側(トップ側)の周方向の温度分布を均一に維持することができるので、ウエハ面内の温度分布を均一化することができ、ウエハ面内の膜厚均一性を向上させることができる。
図4は本発明の第二の実施の形態に係る排気フードを示している。
本実施の形態が前記実施の形態と異なる点は、連絡路80および整流板85、86、87が断熱パネル88に形成されている点である。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、複数の排気口(排気孔)は四つに限らない。排気量を均衡させるために、偶数が好ましい。
加熱手段としては、抵抗発熱体を使用するに限らず、ハロゲンランプや熱線(赤外線や遠赤外線等)の波長(例えば、0.5〜3.5μm)を照射する他の加熱ランプ(例えば、熱エネルギーのピーク波長が2〜2.5μm程度であるカーボンランプ)を使用してもよいし、誘導加熱ヒータ等の金属発熱体を使用してもよい。
前記実施の形態においては、CVD装置について説明したが、酸化・拡散装置やアニール装置等の基板処理装置全般に適用することができる。
被処理基板はウエハに限らず、ホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスクおよび磁気ディスク等であってもよい。
本発明の一実施の形態であるCVD装置を示す一部切断正面図である。 主要部を示す正面断面図である 排気フードを示しており、(a)は平面断面図、(b)は正面図である。 本発明の第二の実施の形態に係る排気フードを示しており、(a)は平面断面図、(b)は(a)のb−b線に沿う断面図である。
符号の説明
1…ウエハ(基板)、2…筐体、3…待機室、10…CVD装置(基板処理装置)、11…プロセスチューブ、12…アウタチューブ、13…インナチューブ、14…処理室、15…炉口、16…マニホールド、17…排気路、18…排気管、19…排気装置、20…圧力センサ、21…圧力コントローラ、22…ガス導入管、23…ガス供給装置、24…ガス流量コントローラ、25…シールキャップ、26…ボートエレベータ、27…モータ、28…駆動コントローラ、29…モータ、30…回転軸、31…ボート、32、33…端板、34…保持部材、35…保持溝、36…断熱キャップ部、37…下側サブヒータユニット、40…ヒータユニット、41…ケース、42…断熱槽、43…断熱側壁、44…断熱ブロック、45…断熱天井壁、46…断熱プレート、47…側壁発熱体、48…サブヒータユニット、49…天井発熱体、50…ホルダ、52…発熱体駆動装置、53…温度コントローラ、54…熱電対、61…冷却エア通路、62…給気ダクト、63…吹出口、64…給気管、65…排気孔(排気口)、65a…上流側開口端、66…冷却エア、70…排気フード、71…筐体、72…底板、73…開口、74…側板、75…排気接続口、76…排気ダクト、77、78…左右の隔壁、79…後側隔壁、80…連絡路、81…左側連絡路部、82…右側連絡路部、83…中央連絡路部、84…終端連絡路部、85…左側整流板、86…右側整流板、87…中央整流板、88…断熱パネル。

Claims (3)

  1. 基板を処理する処理室と、この処理室内を加熱するヒータユニットと、前記ヒータユニットに開設されて前記処理室と前記ヒータユニットとの間を排気する複数の排気口と、前記ヒータユニットの外側に配された排気接続口と、前記複数の排気口と前記排気接続口とを連絡する連絡路と、前記複数の排気口のそれぞれから排気される排気量が均等になるように前記連絡路の前記複数の排気口が集合する部位に配された整流板と、前記ヒータユニットの天井下面に設置されたサブヒータユニットと、を有し、
    前記複数の排気口の開口端が前記処理室と前記ヒータユニットの天井部であって、前記サブヒータユニットの外側に配されていることを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記複数の排気口は、前記開口端から離れるに従って前記処理室を取り囲んだ前記ヒータユニットの中心軸から離れて行くように配されていることを特徴とする請求項1の基板処理装置。
  3. 基板を処理室に収納するステップと、
    前記処理室内をヒータユニットおよび該ヒータユニットの天井下面に設置されたサブヒータユニットによって前記基板を加熱するステップと、
    前記処理室と前記ヒータユニットとの間を、前記処理室と前記ヒータユニットの天井部であって、前記サブヒータユニットの外側に配されている前記複数の排気口の開口端から排気し、
    前記複数の排気口と前記ヒータユニットの外側に配された排気接続口とを連絡する連絡路の前記複数の排気口が集合する部位に配された整流板によって前記複数の排気口のそれぞれから排気される流れを、排気量が均等になるように整流し、前記排気接続口から排気するステップと、
    を備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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