JP4494633B2 - 新規なオメガ−コノトキシン・ぺプチド類 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は新規なオメガ−コノトキシン(ω−コノトキシン)クラスの新規なペプチドに関し、そして薬理手段としてのそれらの使用、並びにN−型カルシウム・チャンネルの遮断が、例えば、虚血後のニューロン損傷の減少、無痛覚の形成、又は麻酔の無痛覚の増大において有益であり、精神分裂病、興奮性の精神病、高血圧、炎症、気管支収縮を引き起こす疾患の治療において有益であり、そして神経障害痛の進行阻害において有益である任意の適応におけるそれらの使用に関する。本発明はこれらのペプチドを含む薬学的組成物及びこれらのペプチドの有用な類似体を見出す際に役立つ核酸プローブにも関する。
【0002】
コナス属(円錐巻貝)の捕食性の海洋性巻貝類は、毒の注入により獲物を動けなくする海洋性軟体動物の多様な一つの科である。この毒は、種々の異なる種類の細胞受容体を標的にするコノトキシン類として知られるペプチド類の複雑な混合物である。これらの軟体動物が餌にする獲物が異なるように、毒中に見出されるペプチド類の混合物は円錐巻貝の種の間で異なる。
【0003】
このような毒から単離され、ω−コノトキシン類として知られるペプチド類の一つの特定のファミリーは、電位感受性カルシウムチャンネル(VSCC)を標的にし遮断することが見出されてきた。これらのω−コノトキシン類は六つの特徴的なシステイン置換とジスルフィド結合の様式を備えたかなり小さなペプチド類(典型的には24から32アミノ酸)である。ジスルフィド結合の様式及びシステイン残基の分布は、このペプチドが四つのループを含むと理論的に考えられうることを意味している。システイン残基の1と2、2と3、4と5、及び5と6の間のアミノ酸がループを規定し、システイン残基の3と4は隣接する。
【0004】
コナス属の種々の異なる種の複雑なペプチド毒から単離されたか、又は既知のω−コノトキシン類の化学的変異体として合成された異なるω−コノトキシン類の研究は、ニューロンのカルシウムチャンネルの種々のサブタイプに対する親和性及び選択性を様々に示すω−コノトキシン類の配列を提供してきた。VSCCに対するこれらのペプチド類の一部の親和性の中には、幾つかのω−コノトキシン類がニューロンの電位感受性カルシウムチャンネルの異なるサブタイプを規定するための重要な研究手段となっている程のものもある。GVIAなどのω−コノトキシン類はN−型カルシウムチャンネルに対して高レベルの選択性を有し、一方、MVIICなどの他のω−コノトキシン類はN−型チャンネルに対して低い親和性を有するがP/Q−型チャンネルに強く結合する。これらのリガンドの標識形(例えば、 125ヨウ素化MVIIA)は、通常、VSCCに関する薬理学的検定に使用される。
【0005】
この入手可能なコノトキシン類は幾つかのカルシウムチャンネルのサブタイプを定義するのに役立つのに対し、異なる結合の様式及び異なる親和性を示す新規なリガンドはチャンネルのサブタイプをさらに定義するのに有用でありうる。
【0006】
研究手段としてのこれらの使用に加えて、N−型カルシウムチャンネルを標的にするω−コノトキシン類は、虚血誘導性の脳障害、薬物誘導性でありうるか又は精神医学障害に起因しうる急性の精神病発現、気管支収縮、高血圧、炎症及び慢性痛を引き起こす疾患を含む種々の状態の治療における使用が提唱されてきた。ω−コノトキシン類は精神分裂病の治療、無痛覚の形成、及び麻酔誘導性の無痛覚の増大にも使用されうる。本発明の化合物はN−型カルシウムチャンネルの遮断が有益な任意の適応症に有用でありうる。MVIIA、又は合成形態ではSNX−111として知られる一つの特定のω−コノトキシンはこれらの適用の幾つかのために臨床試験中である。
【0007】
ω−コノトキシン類の使用におけるこれらの前進にも関わらず、現在利用できる化合物は理想的な治療法ではない。例えば、SNX−111は末梢のチャンネルでの作用の結果として高血圧を惹起すると報告されている。別のω−コノトキシン類であるGVIAはN−型カルシウムチャンネルの強力なアンタゴニストであるが、不可逆的な様式で上記チャンネルに結合するため、治療法として適していない。多くの他の既知のω−コノトキシン類は、適切な治療法候補と考えられるほどN−型チャンネルに対する十分なレベルの選択性を有しておらず、P/Q−型チャンネルの遮断は死に至りうる。
【0008】
従って、P/Q−型チャンネルよりN−型カルシウムチャンネルに対して選択性を有する新規な治療薬剤が必要とされており、この薬剤はN−型カルシウムチャンネルに関する状態の治療に有用でありうる。
【0009】
本発明の第一の側面においては、システイン残基5とシステイン残基6の間の第四のループが、下記のアミノ酸配列
SGTVGR(配列番号:1)
又は一つ以上のアミノ酸の置換若しくは側鎖の修飾をうけた上記配列を含む、単離され合成され又は組換えで得られたω−コノトキシン・ペプチドを提供する。
【0010】
第四のループは上記の配列、又は一つ以上のアミノ酸の同類置換若しくは側鎖の修飾を受けた上記配列から構成されることが好ましい。
【0011】
ω−コノトキシン・ペプチドの第一、第二、及び第三のループのそれぞれが天然のω−コノトキシン・ペプチドのループ、又は一つ以上のアミノ酸の置換、付加若しくは欠失をうけた上記のアミノ酸配列に対応することが好ましい。
【0012】
置換は、アミノ酸が異なる天然のアミノ酸残基又は非通常のアミノ酸残基で置換されるアミノ酸の変更を包含する。このような置換は「同類」として分類され、その場合、ポリペプチドに含まれるアミノ酸残基は類似の特性をもつ他の天然のアミノ酸と置き換わり、例えば、Gly←→Ala、Val←→Ile←→Leu、Asp←→Glu、Lys←→Arg、Asn←→Gln又はPhe←→Trp←→Tyrが挙げられる。幾つかの非通常アミノ酸も天然のアミノ酸との置換に適しうると理解されるべきである。例えば、オルニチン、ホモアルギニン及びジメチルリシンはHis、Arg及びLysと関連する。
【0013】
本発明により包含される置換は「非同類」であってもよい。その場合、ポリペプチド中に存在するアミノ酸残基は、異なる群に由来する天然のアミノ酸などの異なる性質を有するアミノ酸と置換される(例えば、電荷を帯びたアミノ酸又は疎水性のアミノ酸をアラニンと置換する)、又は天然のアミノ酸は非通常のアミノ酸と置換される。
【0014】
アミノ酸の置換は、通常、一つの残基であるが、固まりの又は分散した複数の残基であってもよい。
【0015】
アミノ酸の置換は同類であることが好ましい。
【0016】
付加は一つ以上の天然又は非通常のアミノ酸残基の付加を包含する。欠失は一つ以上のアミノ酸残基の欠失を包含する。
【0017】
上述したように、本発明は一つ以上のアミノ酸が側鎖の修飾をうけたペプチド類を含む。本発明により意図される側鎖の修飾の例には、アルデヒドとの反応による還元的アルキル化後のNaBH4 による還元、メチルアセチミデートでのアミディネーション、無水酢酸でのアシル化、シアン酸塩でアミノ基のカルバモイル化、2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)でアミノ基のトリニトロベンジル化、無水コハク酸及び無水テトラヒドロフタル酸によるアミノ基のアシル化、及びピリドキサール−5−リン酸でのリシンのピリドキシル化後のNaBH4 による還元などのアミノ基の修飾が含まれる。
【0018】
アルギニン残基のグアニジン基は、2,3−ブタンジオン、フェニルグリオキサール及びグリオキサールなどの試薬による複素環縮合産物の形成により修飾されうる。
【0019】
カルボキシル基は、O−アシルイソウレア形成を経るカルボジイミド活性化後、例えば対応するアミドへの誘導により修飾されうる。
【0020】
スルフヒドリル基は、ヨード酢酸又はヨードアセトアミドによりカルボキシメチル化、過ギ酸酸化によるシステイン酸形成、他のチオール化合物による混合ジスルフィドの形成、マレイミド、無水マレイン酸又は他の置換されたマレイミドとの反応、4−クロロメルクリ安息香酸塩、4−クロロメルクリフェニルスルホン酸、フェニルメルクリ塩化物、2−クロロメルクリ−4−ニトロフェノール及び他の水銀剤を用いる水銀誘導体の形成、アルカリ性pHにおけるシアン酸塩によるカルバモイル化などの方法により改変されうる。システイン残基のいかなる修飾も、必要なジスルフィド結合を形成するペプチドの能力に悪影響を及ぼしてはいけない。ペプチドが一つ以上のジスルフィド結合の代りにジセレン結合を形成するようにシステインのスルフヒドリル基をセレンの等価物と置換することも可能である。
【0021】
トリプトファン残基は、例えば、N−ブロモスクシンイミドによる酸化、又は2−ヒドロキシ−5−ニトロベンジルブロミド若しくはスルフェニルハロゲン化物によるインドール環のアルキル化により修飾されうる。他方で、チロシン残基は、テトラニトロメタンによるニトロ化により改変して3−ニトロチロシン誘導体を形成しうる。
【0022】
ヒスチジン残基のイミダゾール環の修飾は、ヨード酢酸誘導体によるアルキル化又はジエチルピロカルボン酸塩によるN−カルベトキシル化により達成されうる。
【0023】
プロリン残基は、例えば、4位のヒドロキシル化により修飾されうる。
【0024】
幾つかのアミノ酸残基、例えば、メチオニンはある状況下で酸化されやすい。時には、酸化された残基は親ペプチドの生物活性と同様な該活性を保持しうるため、ペプチドの酸化形態は本発明の範囲内であると考えられ、例えば、CVIDでは、メチオニン残基が酸化されている。しかし、時には、アミノ酸残基の酸化は活性又は選択性を低下させうる。従って、酸化可能な残基が存在する場合、それらは別のアミノ酸で置換されうる。置換は、例えば、電荷及びサイズなどの同様の性質を有するアミノ酸でなされてもよく、又は異なる性質を有するアミノ酸でなされてもよい。例を挙げると、CVIDの場合、12位のメチオニン残基は、例えば、ノルロイシン、O−メチルセリン、O−メチルホモセリン又はアラニンで置換されてもよい。
【0025】
修飾された側鎖を有するアミノ酸及び他の非天然のアミノ酸の一部の一覧を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0004494633
【0027】
【外4】
Figure 0004494633
【0028】
【外5】
Figure 0004494633
【0029】
これらのタイプの修飾は、個体に投与される場合又は診断薬として使用される場合、ペプチドを安定化するために重要である。ペプチドを安定化するため又は、例えば、膜貫通性若しくは溶解性などの他の性質を強化するために、他の修飾がペプチドに施されうる。このような修飾は、一つ以上のアミノ酸の側鎖を修飾して他のタイプの基、例えば、親油性の基を結合させることを含む。このような結合は、ペプチドの活性を妨げないようにペプチドから離して他の基又は複数の基を配置するよう設計された連結基を介して行われる。当業者は本発明のペプチドを修飾する方法を容易に決定できるはずである。このようなペプチドの全ての修飾形態が本発明の範囲内であると考えられる。
【0030】
本発明により意図される他の誘導体は完全な非グリコシル化分子から修飾されたグリコシル化分子までの範囲のグリコシル化変異体を含む。改変されたグリコシル化の様式は異なる宿主細胞における組換え分子の発現から生じうる。
【0031】
本発明のω−コノトキシン類は、通常、C末端でアミド化(amidated) されているのが通常であるが、遊離のカルボキシル末端をもつ化合物又はC末端で他の修飾を持つ化合物も本発明の範囲内であると考えられる。このペプチド類はアミド化されているか遊離のカルボキシル基を有することが好ましい。
【0032】
該ペプチド類はCys残基及び特徴的なジスルフィド結合様式を保持することが好ましい。さらなるCys残基がジスルフィド結合の形成中保護されるならば、該ぺプチド類はさらなるCys残基を含んでもよい。
【0033】
該ペプチド類が、
SKLMYD(配列番号:2)、
SRLMYD(配列番号:3)、
DRLMYD(配列番号:4)、
DKLMYD(配列番号:33)、
SKLAYD(配列番号:34)、
SKLNleYD(配列番号:35)、
SRLNleYD(配列番号:36)、
SKLOhmhserYD(配列番号:37)、
SKLOmserYD(配列番号:38)
から選択される配列又は一つ以上の同類アミノ酸置換若しくは側鎖の修飾をうけた上記配列を含む第二ループを有することが好ましい。
【0034】
特に好ましい態様においては、ω−コノトキシンぺプチド類は下記の配列を有する:
CVID(1) CKSKGAKSKLMYDCCSGSSGTVGR
1 2 3 4
(配列番号:5)
【0035】
4個のループは下線を付けて示される。このペプチドはコナス・カタス(Conus catus)から単離され、本明細書ではCVIDと称する。このペプチドは、受容体結合検定においてP/Q−型カルシウムチャンネルよりN−型カルシウムチャンネルに対して強い効力と高い選択性を有することが示された。CVIDの二つの修飾形もN−型カルシウムチャンネルに対する強い効力と高い選択性を有することが示された。これらは下記の通りR10−CVID及びD9 10−CVIDと称する。
10−CVID(2) CKSKGAKCSRLMYDCCSGSCSGTVGRC(配列番号:6)
9 10−CVID(3) CKSKGAKCDRLMYDCCSGSCSGTVGRC(配列番号:7)
【0036】
本発明のペプチド類はCVIDなどの天然のコノトキシン・ペプチド類であってもよく、このような天然ペプチド類の誘導体であってもよい。天然のコノトキシン・ペプチド類の誘導体は、上述したような一つ以上のアミノ酸の置換、欠失又は付加により天然のものとは異なっていてもよい。
【0037】
天然ペプチド類の誘導体を形成するための修飾では、活性な天然ペプチド類のアミノ酸配列を比較し、もしあれば、活性種間でどの残基が保存されるかを決定することが役立つ。これらの保存された残基の置換は、禁止はしないが、非保存的残基の置換より好まれない。
【0038】
Alaが一つ以上の残基と置換した誘導体は、薬理団(pharmacophore)を同定するために使用できる。一時に一つ又は二つのアミノ酸だけがAlaと置換されることが好ましい。電荷を帯びた残基、極性残基、又は疎水性残基がそれぞれ置換されたさらなる新規なペプチド類を作成することができ、これらは受容体に対するこのペプチドの薬理学的クラスの結合に関与する相互作用のタイプをより正確に定義する助けとなる。電荷が逆になる又は極性残基が疎水性残基と置換した非同類置換は、さらに結合に関与する残基を同定できる。これら全てのペプチド類は、改良された効力又はより高い選択性を示す可能性を有する。効力、選択性及び/又は安定性を改良するために非天然アミノ酸の変更も含めることができよう。
【0039】
露出した残基は最も受容体結合に関与するらしく、体系的に置換できる。効力及び/又は選択性を改良するためのさらなる結合相互作用を得るため、より長い側鎖の形態又は非同類変更を用いて、結合に関与する残基及び薬理団のちょうど周囲にある残基を変更することに特に重点がおかれる。
【0040】
当業者に知られているタイプ(ニールセンら、1996年及び/又は1999年)及び実施例5にさらに記載されるタイプの三次元 1H・NMR研究により、CVIDがMVIIAなどの既知のω−コノトキシン類と同様な折りたたみを採ることが示される。しかし、これらのω−コノトキシン類と違って、CVIDのループ4は既知のω−コノトキシン類とは異なる方向で見出され、CVIDはループ2とループ4をともに維持する二つの水素結合をも有する。これらはCVIDのVSCC間を識別する能力に寄与しうる因子である。
【0041】
このループ4の新規なコンホーメーション及びCVIDのループ2とループ4間の安定化を考慮して、一つの好ましい誘導体群はCVIDに見られる方向と同様なループ4の方向を維持する群である。誘導体のさらに好ましい群は、ループ2及びループ4のコンホーメーションを安定化するループ2とループ4の間の一つ又は複数の相互作用を有するこれらのω−コノトキシン類である。当業者は、特定のペプチド類の三次元構造、ループ4の方向及びループ間の相互作用を容易に決定しうる。
【0042】
誘導体の別の好ましい群は、CVIDの残基10、11、22及び23を維持するか又はこれらにおける同類置換のみを有するものである。
【0043】
本発明の別の様態において、コノトキシンCVIDのループ1から3の一つ以上が異なるω−コノトキシンの対応するループで置換されたキメラのω−コノトキシン・ペプチドを提供する。
【0044】
好ましい基を持つCVID誘導体は、CVIDのある残基を維持するω−コノトキシン・ペプチド類である。これらの誘導体は下記の配列
CxxxGxxCxKLxYxCCxSCSGxVGRC
で表され、ここで、xは任意の他のアミノ酸であってもよく、一つまでのxは欠失してもよい。xに対する好ましい選択は、N−型BSCC選択性及び同類置換又はこれらのアミノ酸のアラニン置換を備えたω−コノペプチド類由来の対応する天然のアミノ酸であり、それらの全てが修飾された側鎖を有してもよい。例えば、メチオニンはO−メチルセリン又はO−メチルホモセリンで置換してもよい。
【0045】
幾つかの既知のコノトキシン類はつぎの通りである。
MVIIA(SNX−III ) CKGKGAKCSRLMYDCCTGSCRSGKC(配列番号:8)
MVIIC CKGKGAPCRKTMYDCCSGSCGRRGKC(配列番号:9)
GVIA CKSOGSSCSOTSYNCCRSCNOYTKRCY(配列番号:10)
【0046】
GVIAの配列において、「O」は4−ヒドロキシプロリン(Hyp)を指す。このアミノ酸残基は、コードされたペプチドの翻訳後修飾から生じるものであり、そのヌクレオチド配列が直接コードしているわけではない。
【0047】
本発明により意図されるキメラのω−コノトキシン類はDADD、DAGD、及びGGGDを含む。ここで、D、A又はGはCVID、MVIIA又はGVIAからそれぞれ選択されるループを表す。従って、DADDはCVIDから選択されるループ1、3及び4並びにMVIIAから選択されるループ2に対応し、このキメラのω−コノトキシンはR10−CVIDと同一である。
【0048】
本発明の幾つかの他のω−コノトキシン・ペプチド類は、実施例3で記載される一般的手順にしたがってコナス・カタスから単離されたmRNAによりコードされていることが見出された。これらのコードされたペプチド類は標準的手法により合成され、CVIDの誘導体と考えられうる。配列はつぎの通りである。
【0049】
【外6】
Figure 0004494633
【0050】
CVIDの他の誘導体の例には下記の配列が含まれる。
【0051】
【外7】
Figure 0004494633
【0052】
化合物(13)及び(15)(配列番号:23及び25)はC末端及びN末端でそれぞれ付加的アミノ酸を有する。
【0053】
化合物(14)(配列番号:24)はC末端に遊離のカルボキル基を有する。
【0054】
化合物(16)(配列番号:26)はN末端でアシル化されている。
【0055】
化合物(22)(配列番号:32)はスルフォキシドに酸化されたメチオニン残基を有する。
【0056】
化合物(10)、(17)、(2)及び(21)(それぞれ配列番号:20、27、30及び32)はメチオニン置換体を表す。
【0057】
ω−コノトキシン・ペプチドの好ましい群はCVID、化合物(4)、(5)、(10)、(17)、(18)(20)及び(21)である。特に好ましいω−コノトキシン・ペプチドはCVIDである。
【0058】
添付の配列表において、アミノ酸Xaaは表2に示すものである。
【0059】
【表2】
Figure 0004494633
【0060】
本発明によるペプチド類はP/Q型カルシウムチャンネルよりN−型カルシウムチャンネルに対して選択性を有することが好ましい。本明細書で使用される「選択的」及び「選択性」という用語は、N−型カルシウムチャンネルにおけるペプチドの結合活性がP/Q型カルシウムチャンネルにおける結合活性より高いことを意味する。当業者は標準技術を用いてこれらのカルシウムチャンネルに対するペプチドの選択性を容易に測定できるであろう。
【0061】
ヨー素化されたCVIA及びMVIIAは、それぞれ、N−型及びP/Q型のカルシウムチャンネルに対する高親和性リガンドであり、受容体結合検定(クリスティパティら、1994;ナダスディら、1995)に日常的に使用されている。このような検定は本発明のペプチド類のカルシウムチャンネル結合活性を試験するために使用されうる。リューら(1997)によって記述されたような機能検定もN−型カルシウムチャンネルにおける活性を測定するのに役立ちうる。本発明のペプチド類もこのような検定に使用されうる。
【0062】
本発明のω−コノトキシン類は、N−型カルシウムチャンネル及び/又はこのようなチャンネルの特定のサブタイプと相互作用する化合物を同定するための検定及び/又はスクリーニングを実施するために、通常、放射性ヨウ素化されたCVIDなどの標識形態で使用されうる。当業者はこのような検定及び/又はスクリーニングを容易に確立することができるであろう。本発明の化合物の標識された種々の変形体は標準的方法により容易に調製され、標準検定でN−型カルシウムチャンネルに対する結合能の保持について評価されうる。次に、N−型カルシウムチャンネルに対する結合能又はこのようなチャンネルの結合部分を実際に保持する標識された化合物の変形体を、検定及び/又はスクリーニングに使用しうるであろう。従って、本発明は、N−型VSCCで活性をもつ化合物を同定するためのスクリーニングにおける本発明のペプチド類の使用にまで及ぶ。
【0063】
本発明のω−コノトキシン類は、標準的ペプチド合成法を用い、その後酸化ジスルフィド結合を形成させることにより調製されうる。例えば、直鎖状ペプチド類はシュノルツァーら(1992)により記述されているようなBOC化学を用いる固相手順によって合成されうる。脱保護化及び固体支持体からの切断の後、還元されたペプチド類を調整用クロマトグラフィーを用いて精製する。精製された還元型ペプチド類は例えば、実施例2で記載するように緩衝系で酸化する。酸化型ペプチド類は調製用クロマトグラフィーを用いて精製した。
【0064】
コノトキシン類の合成を述べている参考文献として、サトーら、リューら及びWO91/07980が挙げられる。
【0065】
ω−コノトキシン類は組換えDNA技術を用いても調製されうる。所望のペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を適切なベクターに挿入し、タンパク質を適切な発現系で発現しうる。場合によっては、発現したペプチドのさらなる化学的修飾、例えば、C末端のアミド化が適している。ある状況下においては、ペプチド発現後の化学的段階として発現したペプチドの酸化的結合の形成を行うことが望ましい。折りたたまれていないペプチドを提供するために、この段階の前に還元的段階を置いても良い。当業者はペプチドの還元及び酸化のための適切な条件を容易に決定しうる。
【0066】
天然のCVIDは、検定により誘導されたこの毒の分画の後、精製したペプチドを配列決定することにより、コナス・カタスから単離した。
【0067】
本発明は、上述したようなω−コノトキシン・ペプチドをコードするヌクレオチド配列又は該ぺプチドをコードする配列に相補的なヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子をさらに提供する。
【0068】
本発明のさらなる側面において、CVIDの第四ループを有するω−コノトキシン・ペプチド類をコードするヌクレオチド配列又は該ペプチド類をコードする配列に相補的なヌクレオチド配列を含む核酸プローブを提供する。該プローブはω−コノトキシンCVIDのループ4の全部若しくは一部又は一つ以上のアミノ酸の置換若しくは側鎖の修飾をうけた上記配列をコードするか又はこれに相補的である。
【0069】
特に好ましい態様において、核酸プローブは配列番号:1に示される配列をコードするか又は該配列に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0070】
本明細書で使用されるとき、「プローブ」に対する言及には、増幅で使用されるプライマー又は直接ハイブリダイゼーションにおいて用いられるプローブに対する言及が含まれる。
【0071】
本発明のさらなる別の側面は、本発明のω−コノトキシン・ペプチド類に対する抗体に関する。このような抗体はモノクローナル又はポリクローナルであってもよく、該ペプチド類に対する天然の抗体から選択してもよく、標準技術を用いて該ペプチド類に対して特異的に形成させてもよい。後者の場合、ペプチド類をまず担体分子と混ぜる必要がある。本発明の抗体は治療薬または診断薬として特に有用である。
【0072】
この点で、特異的抗体は本発明のペプチド類をスクリーニングするために使用することができる。このような検定の技術は当分野では周知であり、例えば、サンドウィッチ検定及びELISAが含まれる。ペプチドレベルの知識はある治療プロトコルを監視するために重要でありうる。
【0073】
本発明の核酸分子はDNA又はRNAである。核酸分子がDNA形である場合、それはゲノムDNA又はcDNAである。本発明の核酸分子のRNA形は一般にmRNAである。
【0074】
本発明の核酸分子は、通常、単離された形態であるが、ベクター分子、特に発現ベクター分子などの他の遺伝分子に組込まれていてもよく、又は連結されていてもよく、又は他の方法で融合又は会合してもよい。ベクター類及び発現ベクター類は、一般的に、原核細胞又は真核細胞のいずれか又は両方で複製でき、そして適応可能であれば、発現できる。原核細胞は、大腸菌、バシラス・エスピー及びシュードモナス・エスピーを含むことが好ましい。真核細胞は、酵母、真菌、哺乳類及び昆虫の細胞を含むことが好ましい。
【0075】
従って、本発明の別の側面は、ベクター部分及び本発明のペプチドをコードできる遺伝子を含む遺伝子構築物を予定する。
【0076】
好ましくは、遺伝子構築物の遺伝子部分はベクター上でプロモーターに機能しうるように連結されており、該プロモーターは適切な細胞において遺伝子部分の発現を指示することができる。
【0077】
本発明はこのような遺伝子構築物及び該構築物を含む原核細胞又は真核細胞に及ぶ。
【0078】
P/Q型よりN−型カルシウムチャンネルに対する高い効力及び選択性を考慮して、本発明のω−コノトキシン・ペプチド類はN−型カルシウムチャンネルの遮断が有益な任意の適応に役立ちうる。このような適応には、虚血後のニューロン損傷の低減、無痛覚の形成、麻酔性無痛覚の増大や、精神分裂病、興奮性の精神病、高血圧、炎症及び気管支収縮を引き起こす疾患等の治療、並びに神経障害痛の進行の阻害が含まれる。無痛覚は一般的に痛みの緩和を意味し、急性の痛み、持続性の痛み、又は神経障害の痛みからの緩和が含まれる。該ペプチド類が役立つ好ましい適応には、無痛覚の形成、麻酔性無痛覚の増大、及び神経障害の進行の阻害が含まれる。
【0079】
本発明のω−コノトキシン類などのN−型カルシウムチャンネルで活性をもつ化合物を評価するのに役立つ検定はインビトロ検定又はインビボ検定であり、当業者には周知である。検定の例として、WO91/07980、WO93/13128、US5824645、WO97/04797、未来の薬物(1994年及び1998年)、薬物データ報告(1993年)又はヘディング(1999年)に記載されているもの又は引用されているものが挙げられる。
【0080】
役立ちうる具体的な検定には、インビトロ結合検定、侵害受容試験、例えば、ホルマリン試験及びホットプレート試験(モルムバーグとヤッシュ、1995年)、尾部軽打試験及び機械的足圧試験(オモートら、1996年)、又は神経障害痛のモデル(ワイトとカズン、1998年)など、神経保護試験、例えば、ラットの4−管閉塞モデル又はインビトロ細胞生存検定など、例えばP物質などの神経伝達物質の放出についての影響を観察する他の検定(レイら、1991;キャボットら、1998)が含まれる。
【0081】
本発明のω−コノトキシン類はこれらの検定の幾つかにおいて有用な活性を示した。
【0082】
従って、本発明のさらなる側面において、システイン残基5とシステイン残基6の間の第四ループが下記のアミノ酸配列
SGTVGR(配列番号:1)
又は一つ以上のアミノ酸の同類置換をうけた該配列を含む単離され、合成され又は組換えで得られたω−コノトキシン・ペプチド、並びに薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む組成物が提供される。
【0083】
該組成物は薬学的組成物の形態であることが好ましい。
【0084】
虚血後のニューロン損傷の低減、無痛覚の形成、麻酔性無痛覚の増大、精神分裂病の治療、又は興奮性の精神病、高血圧、炎症及び気管支収縮を引き起こす疾患の治療、又は神経障害痛の進行阻害のための医薬の製造における、システイン残基5とシステイン残基6の間の第四ループが下記のアミノ酸配列
SGTVGR(配列番号:1)
又は一つ以上のアミノ酸の同類置換若しくは側鎖の修飾をうけた該配列を含む単離され、合成され又は組換えで得られたω−コノトキシン・ペプチドの使用も提供される。
【0085】
本発明は、システイン残基5とシステイン残基6の間の第四ループが下記のアミノ酸配列
SGTVGR(配列番号:1)
又は一つ以上のアミノ酸の同類置換若しくは側鎖の修飾をうけた該配列を含む単離され又は組換えで得られたω−コノトキシン・ペプチドの有効量を哺乳類に投与する工程を含む方法であって、虚血後のニューロン損傷の低減のため、無痛覚の形成のため、麻酔性無痛覚の増大ため、精神分裂病や、興奮性の精神病や、高血圧や、炎症や気管支収縮を引き起こす疾患等の治療のため、又は神経障害痛の進行の阻害のための方法をさらに提供する。
【0086】
該ペプチドは予防的な意味で投与されうるが、哺乳類にはこのような治療の必要のあることが好ましい。
【0087】
当業者には容易に理解されるように、投与経路及び薬学的に許容しうる担体の性質は、その状態の性質及び治療される哺乳類の性質に依存する。特定の担体又は送達システムの選択及び投与経路の選択は、当業者により用意に決定されうるであろう。該ペプチド活性体を含む任意の製剤の調製においては、該ペプチドの活性が工程中に壊されず且つ該ペプチドが壊されることなくその作用部位に到達できることを保証するよう注意を払うべきである。状況によっては、例えば、マイクロカプセル化などの当分野で知られる手段によりペプチドを保護する必要のあることがある。同様に、選択される投与経路は該ペプチドがその作用部位に到達するようなものであるべきである。
【0088】
注射可能な使用に適する薬剤形には、滅菌した注射可能な溶液又は分散液、及び注射可能な滅菌溶液の即時調製用の滅菌した粉末が含まれる。これらは製造及び貯蔵の状況下で安定であるべきであり、酸化、及び細菌若しくは真菌などの微生物の汚染作用から保護されうる。
【0089】
当業者は、従来のアプローチを用いて本発明のペプチド類又は修飾されたペプチド類のための適切な製剤を容易に決定しうる。好ましいpHの範囲、及び、例えば、酸化防止剤などの適切な賦形剤の決定は当分野では常套手順である(例えば、クリーランドら、1993を参照)。緩衝系は所望範囲のpH値を付与するために日常的に使用され、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩及びコハク酸塩などのカルボン酸緩衝液が含まれる。このような製剤のために、BHT若しくはビタミンEなどのフェノール化合物、メチオニン若しくは亜硫酸塩などの還元剤、及びEDTAなどの金属キレート剤を含む種々の酸化防止剤が利用できる。
【0090】
注射可能な溶液又は分散液用の溶媒又は分散媒は、ペプチド活性体のための任意の従来の溶媒又は担体系を含んでも良く、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液状ポリエチレングリコール等)、これらの適切な混合物、及び植物油を含んでも良い。適切な流動性は、例えば、レシチンなどの被覆物の使用により、分散液の場合に必要な粒子サイズの維持により、そして界面活性剤の使用により維持できる。微生物の作用の防止は、必要ならば、例えば、パラベン、塩化ブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等の種々の抗細菌剤及び抗真菌剤を含めることにより可能となる。多くの場合、重量オスモル濃度を調整するための薬剤、例えば、糖類又は塩化ナトリウムなどを含むことが好ましい。注射用の製剤は血液と等張であることが好ましい。注射可能な組成物の長期吸収性は、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収を遅延する薬剤を組成物に含めることによりもたらされる。注射可能な使用に適切な薬剤形は、静脈内、筋肉内、大脳内、鞘内、硬膜外の注射又は注入を含む任意の適切な経路により送達されうる。
【0091】
注射可能な滅菌溶液は、必要量の活性化合物を、上に列挙したような種々の他の成分と適切な溶媒中で混合し、必要ならば濾過滅菌することにより調製される。一般的に、分散液は、基本的な分散媒と上に列挙したものから選択された必要な他の成分とを含む滅菌ビークル中に種々の滅菌した活性成分を混合することにより調製される。注射可能な滅菌溶液調製用の滅菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、予め滅菌濾過した活性成分の溶液及び任意のさらなる所望の成分の真空乾燥又は凍結乾燥である。
【0092】
該活性成分が適切に保護されている場合、該成分は、例えば、不活性希釈剤若しくは同化しうる食用担体とともに経口投与してもよく、又は硬外皮若しくは軟外皮のゼラチンカプセルに封入してもよく、錠剤に圧縮してもよく、常食の食物と直接混合してもよい。経口治療投与では、該活性化合物は賦形剤と混合してもよく、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、オブラート剤等の剤形で用いてもよい。このような組成物及び調製物は少なくとも1重量%の活性化合物を含むことが好ましい。もちろん、組成物及び調製物の百分率は様々であり、その単位の重量の約5%から約80%の間にあるのが都合がよい。治療に有用な組成物における活性化合物の量は、適切な服用量が得られるような量である。
【0093】
錠剤、トローチ、丸薬、カプセル等は以下に列挙するような成分も含みうる。ゴム、アカシア、コーンスターチ又はゼラチン等の結合剤、リン酸二カルシウム塩などの賦形剤、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム塩などの滑剤、スクロース、ラクトース又はサッカリンなどの甘味料が添加されてもよく、ペパーミント、冬緑油、又はさくらんぼ風味などの香味料が添加されてもよい。投与単位剤形がカプセルの場合、上記タイプの物質に加えて液体の担体を含んでもよい。種々の他の物質が被覆剤として又はその他の方法で投与単位の物理的形態を改変するために存在してもよい。例えば、錠剤、丸剤、又はカプセルがセラック、糖又はその両方で被覆されてもよい。シロップ又はエリキシルは活性化合物、甘味剤としてのスクロース、保存剤としてのメチルパラベン及びプロピルパラベン、さくらんぼ又はオレンジ風味の色素及び香味料を含んでもよい。もちろん、いずれの投与単位剤形を調製するのに用いられる任意の物質も、その使用量において薬学的に純粋であり実質的に無毒性であるべきである。さらに、これらの活性化合物は放出制御調製物及び製剤に組込まれてもよい。
【0094】
本発明は、投与、例えば、クリーム、ローション、ジェル等の局所的適用、又は、例えば、溶液若しくは乾燥粉末の吸入若しくは鼻腔内送達に適した組成物にふさわしい任意の他の剤形にも及ぶ。
【0095】
非経口投与剤形は静脈内、大脳内、鞘内若しくは硬膜外の送達に適するものを含むことが好ましい。
【0096】
薬学的に許容しうる担体及び/又は希釈剤は、任意の及び全ての溶媒、分散媒、被覆剤、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張剤、及び吸収遅延剤等を含む。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体及び薬剤の使用は当分野では周知である。任意の簡便な媒体及び薬剤が活性成分と配合禁忌であるときに限りそれを除いて、治療用組成物にそれを使用することが意図される。補足的活性成分もまた該組成物に組み込まれ得る。
【0097】
投与の容易性及び服用量の均一性のため、非経口組成物を投与単位剤形に製剤化することはとくに都合がよい。本明細書で使用される投与単位剤形とは、治療される哺乳類の患者にとって一回の投薬に適した物理的に個別の単位を指し、各単位は必要とされる薬学的担体とともに所望の治療効果を生じるように計算され予め決められた量の活性物質を含む。本発明の新規な投与単位剤形の仕様は、(a)活性物質のユニークな特性及び達成される具体的な治療効果ならびに(b)本明細書で詳細に開示されるように身体の健康が損なわれる疾病状態を有する生物の患者における病気の治療のためこのような活性物質を調合する技術における本来の制限によって左右され、直接これらに依存する。
【0098】
この主要な活性成分は、簡便かつ効果的な投与のために投与単位剤形中に適切な薬学的に許容しうる担体とともに有効な量で調合される。単位投与剤形は、たとえば、0.25 μgから約2000mgの範囲の量で主要な活性成分を含む。割合で表現すると、この活性化合物は一般的に 1mlの担体に対して約0.25μgから約200mg存在する。補足的活性成分を含む組成物の場合、一回投薬量は前記成分の通常の服用量及び投与様式を参照することにより決定される。
【0099】
本発明の理解を容易にするため、本発明の幾つかの好ましい態様を説明する実施例及び図面を参照する。しかし、これまでの記載の一般性が以下の記載の具体性に置換えられるべきでないことを理解すべきである。
【0100】
予期される発現タンパク質の末端グリシンは翻訳後修飾の幾つかの形態により除去され、巻貝から単離されるタンパク質のC末端システインはアミド化されたままである。
【0101】
実施例
実施例1
コナス・カタスの毒の検定により誘導される分画はつぎのように実施した:
オメガ・コノトキシンCVID(1)は、最初、オーストラリアのグレート・バリア・リーフから採集されたコナス・カタスの毒管から抽出した粗毒より単離した。勾配逆相HPLCを用いて、この粗毒を幾つかの画分に分離した後、これらの画分を 125I・GVIA結合検定で検定した(実施例4参照)。結合検定で活性な画分はさらに検定誘導による逆相HPLCにより精製し、エドマン配列決定法により確実な一次構造を得た。CVIDに対応する画分は約25〜27分の保持時間を有した。
【0102】
逆相HPLCは調製用及び分析用ヴィダックC18カラム上でウォーターズ600HPLCシステムで実施した。試料は、通常、1%勾配(100%Aで5分、100%Aから60%Bまでで60分)を用いて1ml/分で流し、214nmでモニターした。時々、サイズ排除HPLCを用いてさらなる分画を行った。検定用の画分は、1分間隔で又はu.v.検出器で検出されるピークに対応して採取した。全分析に使用された緩衝系はA=H2 O中0.1%TFA、そしてB=0.09%TFA+10%H2 O+90%CH3 CNであった。
【0103】
実施例2
ペプチド類の合成は下記の手順にしたがって実施した。
【0104】
材料と方法
材料
C末端がアミド化されたペプチド類の合成は、ペニンスラ・ラボラトリーズとペプチド・インスチチュートから得られる、置換値が0.66から0.93meq/gの範囲のp−MBHA樹脂上で実施した。C末端の酸はアプライド・バイオシステム社から入手したBocで保護されたPAM樹脂上で合成した。Bocで保護されたアミノ酸はペプチド・インスチチュート社、ビーエイ・ケム社、ノバ・バイオケム社、フルカ社、バイオサーチ社及びオースペップ社から購入した。bocアミノ酸用に選択された側鎖の保護は、Arg(Tos)、Asn(Xan)、Asp(OcHex)、His(DNP)、Lys(ClZ)、Thr(Bzl)、Tyr(BrZ)、Glu(OcHex)、Ser(Bzl)、HyP(Bzl)、Trp(CHO)、Cys(p−MeBzl)、Gln(Xan)であった。使用された他の全てのBocアミノ酸は側鎖の保護がなされなかった。DMF、DCM、DIEA、TFA、ジシクロヘキシルカルボジイミド及びヒドロキシベンゾトリアゾールは全てオースペップ社(オーストラリア、メルボルン)から購入したペプチド合成のグレードであった。アセトニトリル及びメタノール(ハイパーソルブ−ファー UVグレード)はBDH社(英国、プール)から購入した。水は縦列のミリポア・ミリ‐RO−ミリ‐Q系から得た。p−クレゾール及びp−チオクレゾールはフルカ社(ドイツ)から購入した。HFはBOCガシーズ(オーストラリア、ブリスベン)により供給された。酢酸アンモニウム(AR)及び硫酸アンモニウム(AR)はAJAXケミカルズ社(オーストラリア)から購入した。グアニジンHCl(99%+)並びに還元型及び酸化型のグルタチオンはシグマ・アルドリッチ社(USA)から購入した。
【0105】
方法
合成
ペプチドの自動合成は、Bocで保護されたアミノ酸を該樹脂に結合させるために対称無水物又は活性エステルの化学を用いて、アプライド・バイオシステムズ430A合成機で実施した。手動の逐次合成はBOC化学方法論を用いて行った。この方法では、各2mmolのアミノ酸をHBTUの0.5MのDMF溶液4ml及びDIEA470μlを用いて活性化し、そして定量的ニンヒドリン2 分析により>99%のカップリングが得られるようにインサイチュのカップリングを平均10分行う。両方法共p−MeBHA樹脂又はPAM樹脂(0.5mmol規模)からの開始を含む。−OCH2 −PAM樹脂が使用されると、最初のアミノ酸は樹脂上に存在した。カップリング前のBoc保護基の除去は100%のTFA中で攪拌又は振とうすることにより行った。DMFはフローの洗浄用やカップリング溶媒として用いた。ニンヒドリン値が99%未満のカップリングを示したときは、各残基(2mmol)を常套的に合成機上及び手動合成で2倍結合させた。カップリングが99%未満のままであれば、残りのアミノ基は無水酢酸のDMF溶液(87μl/ml)でアセチル化した。
【0106】
脱保護化及び切断
ヒスチジン−DNPを含むペプチド類では、十分に保護化されたペプチドをまずチオール開裂(20%β−メルカプトエタノール、DIEAの10%DMF溶液、2x30分)にかけ、側鎖の保護を取除いた。次に、N−α−Boc基を除去し(TFA、2x1分)、トリプトファン−CHOを含むペプチドでは、水の5%DMF溶液25ml中のエタノールアミン(1.5g)の溶液を用いて、脱ホルミル化を行った(2x30分)。このペプチドをDCMで洗浄し窒素下で乾燥した。樹脂からの切断及び同時に行った側鎖の脱保護化は、液化HF中で捕捉剤のp−クレゾール及びp−チオクレゾールの存在下において(容量比で18:1:1)、1.5時間、−5℃〜5℃で実施した。HFを真空除去し、該ペプチドを冷エーテルで沈殿させ、焼結ロート上で濾過により回収し、冷エーテルで洗浄し、捕捉剤の付加物を除去した。このペプチドを50%AcOH又は45%アセトニトリル水溶液に溶解し、水で希釈し、凍結乾燥した。
【0107】
折りたたみ及び酸化
精製され還元されたペプチド類は、0.01MのNH4 OHでpH7.5〜8.0に調整された0.33MのNH4 OAc/0.5MのGnHCl水溶液又は2Mの(NH4 ) 2 SO4 /0.1MのNH4 OAc水溶液中で0.02から0.05mMの濃度で酸化した。この溶液を還元型グルタチオン及び酸化型グルタチオンの存在下で(ペプチド:GSH:GSSGのモル比は1:100:1であった)4℃で3日から5日間攪拌した。この反応混合液を定期的に採取し、RP−HPLCにより分析した。溶出画分をエレクトロスプレー質量分析法の分析用に回収した。LC及びMCにより酸化が完全であることが確認されると、TFAでpHを2〜3に下げることにより酸化を終結させた。
【0108】
クロマトグラフィー分析及び精製
自動注入器を備えたウォーターズ600HPLC系を全てのRP−HPLC用に使用した。分析用RP−HPLCはウォーターズ・デルタ・パックC18の300A(0.39x30cm)カラム又はヴィダックC18の5μ(0.46x25cm)カラムで実施した。試料は1%勾配(100%Aで5分、100%Aから60%Bまでで60分)を用いて1ml/分で流し、214nmでモニターした。全分析に使用された緩衝系はA=H2 O中の0.1%TFA及びB=0.09%TFA+10%H2 O+90%CH3 CNであった。
【0109】
ヴィダックC18の5μ(1.0x25cm)カラムは半調製用RP−HPLC用に使用し、ヴィダックC18の10μ(2.2x25cm)カラムは調製用RP−HPLCに用いた。粗還元型ペプチドは、1%勾配(100%Aから80%Bまでで80分)を用いて、8ml/分の流速及び230nmのu.v.検出で調製用クロマトグラフィーにより精製した。画分を回収し、エレクトロスプレー質量分析法により分析した。次に、所望の質量を有する画分を分析用RP−HPLCにより分析し、純度を確認した。これらの純粋な画分を合わせ、凍結乾燥して還元型ペプチドを得た。酸化型ペプチドは、酸性化された反応混合物を調製用カラムに8ml/分の流速でかけ、全ての酸化緩衝液が溶出されるまで100%Aで洗浄した後、8ml/分の流速及び230nmのu.v.検出で1%勾配(100%Aから80%Bまでで80分)にかけて精製した。画分を回収し、還元型ペプチドと同様に分析した。さらなる精製が必要であった場合、ペプチドを、3ml/分の流速及び230nmのu.v.検出で1%勾配(100%Aから80%Bまでで80分)の半調製用カラムにかけて再精製した。画分を回収し、上記のように分析した。
【0110】
質量分析法
質量スペクトルはPEサイックスAPI−III トリプル四重極イオンスプレー質量分析計で測定した。データは、0.1amuのスキャン・ステップ及び0.3秒の遅延時間を用いる数スキャンからの400〜2100amuの範囲におけるデータの蓄積により正イオンモードで得た。
【0111】
ペプチドは0.1%のTFAを含む45%アセトニトリル水溶液中に1mg/mlの濃度で溶解した。試料は、レオダイン・インジェクターを用いて直接的注入(5−20μl)し、ガラス毛細管を介して開口部から0.05%TFAを含む50%アセトニトリル水溶液の30〜40μl/分の溶媒流中へと輸送された。得られたデータはデコンボリューション(解きほぐし)(ハイパーマス−マックスペック3.2、サイックス社、カナダ)にかけ、観察されるプロトン化された種のMrを決定した。
【0112】
他の高分解能データはブルーカー・スペクトロスピン・バイオアペックス外部イオン源フーリエ変換エレクトロスプレー質量分析計で4.7Tの磁場で得た。
【0113】
合成されたペプチドの一部のデータを以下の表に示す。
【0114】
【表3】
Figure 0004494633
【0115】
実施例3
CVID遺伝子配列の単離及び特性決定
RNA抽出及びcDNA合成
コナス・カタスの二つの種をクイーンズアイランドのグレート・バリア・リーフにあるレディー・エリオット島から採取した。これらの動物に氷上で麻酔をかけ、解剖し、毒球(venom bulb)から吻管に至る領域の毒管を得た。この管を切断し、グアニジニウム・チオシアネート/N−ラウリルサルコシンを含む緩衝液に入れた後、手動で粉砕して乳化した。ポリA尾部を持つmRNAをファルマシア・バイオテク・クイックプレップ・mRNA精製システムを用いて該混合物から抽出した。
【0116】
鎖−1のcDNAは、スーパースクリプトII逆転写酵素(ギブコBRL社)と連係してNot1−d(T)18二元機能プライマー(5’−AACTGGAAGAATTCGCGGCCGCAGGAAT18−3’)(ファルマシア・バイオテク社)を用い、シー・カタスのポリAmRNAの鋳型から3’末端合成した。得られたcDNAの鋳型は、ファルマシア・バイオテク社のcDNAタイムセーバー・プロトコル通りにRNアーゼH/DNAポリメラーゼ手法を用いて二本鎖cDNAを製造するために使用した。次に、マラソン(クローンテック社)アダプターをds−cDNA分子の5’及び3’の末端に付加し、cDNA構築を完了した。イモ貝の毒ペプチドの完全なcDNA分子の表示は図1に示す。
【0117】
CVID及び関連するcDNA配列のPCR誘導
シー・カタス由来のds−cDNA、CSRD−301Aプライマー(5’−ATCATCAAAATGAAACTGACGTC−3’)、アンカープライマー(5’−AACTGGAAGAATTCGCGGCCGCAGGAAT−3’)及び適切なタック・ポリメラーゼ(バイオテク・インターナショナル社)及び緩衝液(25mMのMg、100μMのデオキシヌクレオチド、pH8.5で緩衝処理)を含む試料について、95℃/2分を1サイクル、95℃/30秒、55℃/60秒、72℃/90秒を35サイクル、及び72℃/10分を1サイクルでサーマル・サイクラー(オムニゲン社)中でPCRを行った。このPCRにより約380bpから500bpまでの不均一なDNA産物が生成した。このPCR産物に由来するクローンの配列分析により、該産物がCVID配列並びに他の関連する毒ペプチドの配列を含むことが示された。
【0118】
CVIDのクローニング及び配列決定
シー・カタスのcDNAのCSRD−301A−アンカーにより駆動されるPCRから生成したDNA産物を低融点アガロース中で電気泳動し、切り出した。このDNAをキアーゲン社のカラムでアガロースから抽出し、T4DNAキナーゼ(プロゲン社)で再リン酸化し、クレノウ・ポリメラーゼ(プロゲン社)で平滑末端化し、T4DNAリガーゼ(プロゲン社)を用いて、脱リン酸化されSmaIで切断したpUC18プラスミドベクターDNA(ファルマシア・バイオテク社)の多重クローニング部位に連結した。このベクターDNAをブルースクリプト大腸菌細胞中に電気形質転換し、PCR産物を表すクローンのライブラリーを作成した。ライブラリーの一部をLBamp プレートに播き、個々のクローンを選択し、LBamp ブロス中で一晩増殖させた。プラスミドDNAはRPMシステム(BIO−101社)を用いて培養物から精製し、ベクター内のPCR・DNA挿入物を、pUC18の順方向と逆方向のプライマー(ファルマシア・バイオテク社)、ジデオキシターミネーター配列決定化学(パーキン・エルマー社)を用いてABI373シークエンサー上で配列決定した。配列データはシークエンシング・ナビゲーター・ソフトウェア(アプライド・バイオシステムズ社)を用いて分析した。
【0119】
CVID遺伝子の配列
CSRD−301A/アンカーによるシー・カタスの毒管cDNAのPCRライブラリーにおけるクローン番号Cca−6は、CVIDペプチドの配列を提供した。CVID遺伝子のヌクレオチド配列及び関連するアミノ酸配列の予想される翻訳を図1に示す。このクローンライブラリーのさらなる分析により、同一の配列をもつ全部で八つのクローンが示された。全クローンは両方向から配列決定し一致した配列を得た。
【0120】
CVID配列は下記の特性を有する:
・73アミノ酸に翻訳される222塩基対のコード配列
・28アミノ酸の成熟ペプチドの推定配列。巻貝から単離されたタンパク質において、予想される発現タンパク質の末端グリシンはある形態の翻訳後修飾により除去されアミド化されたC末端のシステインが残存することに留意すべきである。
・予想される成熟ペプチドはC−a6 −C−a6 −CC−a3 −C−a6 −Cのパターンで六つのシステイン・フレームワークを有する。
【0121】
リーダーペプチド及び成熟ペプチドの両方のヌクレオチド配列及びアミノ酸配列は既知のペプチド配列のいずれとも同一ではない。
【0122】
CSRD−301Aプライマーの代わりに幾つかの追加のプライマーを用いて、上述した実験と同様なシー・カタスについてのさらなる実験を行った。これらのプライマーはより特異的であるように設計され、OM−2A(5’−ATC AAA ATG AAA CTG ACG TGT GTG GTG−3’)及びCca−6−3B(5’−GCG TTT TGA TCA GCC ACA TCT ACC TA−3’)であった。これらの実験により、CVID誘導体の幾つかについて配列を同定した。
【0123】
実施例4
放射性リガンド結合検定
125I−GVIA及び 125I−MVIICの調製
ペプチドはヨード−ゲン(登録商標)(フレーカー・ピー・ジェイら、1978)(1,3,4,6−テトラクロロ−2a,6a−ジフェニル−グリクオルリル)(アーマッド・エス・エヌら、1988、クルッズ・エル・ジェイら、1986)を用いてヨウ素化し、5μl(5.75mg/ml、17.4mCi/mg)のNa 125I(デュポンNEN(登録商標)、ニュー・リサーチ・プロダクツ社、ボストン)及び25μlの燐酸ナトリウム緩衝液(50mM、pH7.4)をヨードゲン(登録商標)(ピアス社、ロックフォード、USA)で被覆したエッペンドルフチューブに加え、5分間インキュベートした。反応混合物を攪拌し、目的のペプチド10μlを含むエッペンドルフチューブに移した。次に、この混合物をHPLCによる精製の前にさらに5分間反応させた。
【0124】
125I−標識されたペプチドの調製用HPLCは、二つのウォーターズ510HPLCポンプ及びウォーターズ481吸収検出器を備えたウォーターズ680勾配制御機で実施した。ペプチドはヴィダック逆相C18分析用カラム(4.6x250mm)で分析し、直線勾配0〜67%の溶媒Bで100分にわたって1ml/分で溶出した。ここで、溶媒A=1%TFA(トリフルオロ酢酸)、そして溶媒B=90%ACN+0.09%TFAであった。分離は214nmで観察し、1mlの画分を採取した。目的の画分はLKBヴァラック1272自動ガンマカウンターで検出した。
【0125】
ヨウ素化ペプチドの同一性を確認するため、PEサイックスAPIIII 質量分析計(PEサイックス、トーンヒル、オンタリオ州、カナダ)で質量分析を行った。非放射活性K 127Iでヨウ素化されたペプチド由来のHPLC画分を質量分析計に直接注入した。ソフトウェア・パッケージ・マックスペック(サイックス、トロント)を用いてアップル・マッキントッシュIIfxコンピューター上で質量スペクトルを得た。
【0126】
ラットの膜の調製
ラットの膜はヴァグナーら(1988)の手順に従って調製した。ラットは頸部脱臼により屠殺し、脳を取出し、直に液体窒素中で凍結した。凍結した脳は必要になるまで−78℃で貯蔵した。三つの脳(湿体重、6.25g)を解凍し125mlの50mMヘペス(pH7.4)中でウルトラテューレックス(ultraturrex)(IKA、170ワット)でホモジナイズした。ホモジナイズした脳を16000rpm(35000g)で20分間4℃で遠心分離し、上清を捨てた。そのペレットをpH7.4の50mMヘペス、10mMのEDTA中でさらにホモジナイズすることにより再懸濁し、4℃で30分間インキュベートした。遠心分離を上述のように繰り返し上清を捨てた。そのペレットをpH7.4、125mlの50mMヘペス(1:20希釈)中に再懸濁し、−78℃で貯蔵した。
【0127】
結合検定
結合実験は先述(クリスティパティら、1994、ナダスディら、1995)のように実施した。リガンド結合検定はガラスチューブ中室温で三連で行った。簡単に述べると、検定は12x75mmのホウケイ酸塩の培養チューブ中で室温で実施し、1時間インキュベートした。各チューブにはそれぞれ100μlの試験化合物を含め、ヨウ素化リガンド(7fmol)及びラットの膜(16mg)をこの順に加えた。この検定緩衝液には20mMヘペス(pH7.2)、75mMのNaCl、0.1mMのEDTA、0.1mMのEGTA、0.1%のBSA及びプロテアーゼ阻害剤、2mMのロイペプチン及び0.5Uのアプロチニンを含めた。非特異的結合は17nMのGVIA又は100nMのMVIICのいずれかの存在下で測定した。検定は、0.6%のポリエチレンイミン中に予め浸されたグラス・ファイバー・フィルター(ワットマンGFB)を用いてミリポア多岐濾過システムで真空ろ過により終結させた。各チューブは3mlの氷冷の洗浄緩衝液(20mMヘペス、pH7.2、125mMのNaCl及び0.1%BSA)で三回洗浄した。フィルターはガンマカウンターで計数した。幾つかの場合には、N−型カルシウムチャンネルにおける効力評価は、トムテック・ハーベスターで濾過しマクロベータ・ジェット・シンチレーション・カウンターで計数したラットの脳膜に結合した 125I−GVIAを測定することにより決定した。両手法で同様な結果が得られた。全ての場合で、グラフパッド・プリズムを用いて結合曲線を作成し、EC50値を算出した。本発明の化合物の幾つかについての値は表4に示す。
【0128】
【表4】
Figure 0004494633
【0129】
実施例5
CVIDにより示されるN−型VSCCに対する高レベルの選択性に鑑みて、そのN−型選択性に寄与しうる構造上の特徴を調べた。これは、当業者には既知のタイプの標準的な 1H・NMR技術を用いて行った。
【0130】
方法
1H・NMRによる構造研究
1 H・NMR分光法−全てのNMR実験は、z−勾配装置を備えたブルーカーARX500分光計又はx、y、z−勾配装置を備えたブルーカーDMX750分光計で記録した。ペプチド濃度は1〜5mMの範囲であった。各類似体は95%のH2 O/5%のD2 O(pH2.5〜3.5)中で調べた。記録された 1H・NMR実験は200及び400msの混合時間をもつNOESY(クマールら、ジーナーら)及び120msの混合時間をもつTOCSY(バックス)であった。全てのスペクトルは293°Kで記録され、4Kデータポイント、400〜512FID、16−64スキャン及び1秒のリサイクル遅延で6024Hz(500MHZ)又は8192Hz(750MHZ)にわたって記録された。CVIDについて記録されたその他の実験は、293°KでNOESY(100msの混合時間)、DOF−COSY(ランス)及びE−COSY(グレイシンガー)(100%D2 O)並びに280°Kでの重複実験が含まれた。
【0131】
溶媒はウォーターゲート配列(ピオットら,1992)を用いて抑制し、スペクトルはUXNMRを用いて処理した。FIDには多項関数を乗じ、両次元に90°シフトした正弦ベル関数又はフーリエ変換前にf1 における緩和ガウス関数を用いてアポダイズした。第5次数多項式を用いる基線の補正を適用し、化学シフトの値は0.00ppmのDSSを内部標準とした。第二のHαシフトはマルッカら(1995)のランダム・コイル・シフト値を用いて測定した。
【0132】
3J(NH−Hα)結合定数は高分解能1Dスペクトル(32K)から測定し、8Kx1Kにストリップ変換しオーレリア・プログラム(ブルーカー,GMBH)におけるローレンツの線調整手順を用いて導き出したDQF−COSYスペクトルから得られたものと比較した。 3J(Hα−Hβ)結合定数は高デジタル分解能(8Kx1K)に変換されたE−COSYスペクトルから直接測定した。
【0133】
距離の制限( distance restraints) 及び構造計算−NOESYスペクトルにおけるピーク量は、2.7、3.5、5.0及び6.0Åのプロトン間距離の長い範囲にそれぞれ対応させて強力、中間、微弱、非常に微弱として分類した。より短い距離の範囲は1.8Åに設定した。適切な偽原子(pseudoatom)補正を行い(ヴュスリッチら,1983)、0.5Å及び2.0Åの距離をメチルプロトン及びフェニルプロトンをそれぞれ含む制限の上限に加えた。 3J(NH−Hα)結合定数をφ二面角制限(パルディら,1984)を決定するために用い、関連するNOESYピーク強度とともに 3J(Hα−Hβ)結合定数を用いて、二面角制限χ1(ワグナーら,1987)を決定した。プロトンのプロキラル対(prochiral pair)についてのジアステレオ特異的な割り当てがない場合、二つの制限に対する最大の長い範囲を使用したが、ステレオ特異的な割り当てが確立された場合、この距離を明確に特定した。
【0134】
構造は、XPLOR3.8版におけるねじれ角動力学/シミュレーション・アニ−リング・プロトコル(ブリュンガーら,1986、ブリュンガー,1992、ライス、スタイン)並びにエンフとフューバーのパラメータ(ブルックスら,1983)に基づく幾何学的力場を用いて算出した。開始の構造は、無作為(φ、ι)二面角及び最小限化されたエネルギー(500工程)を用いて新たに作成し、正確な位置幾何学をもつ構造を作成した。この構造は合計15psの高温(50000°K)分子動力学にかけた後、15ps間0°Kまで冷却し、最終的エネルギー最小化(1000工程)に付した。構造の精巧化は改変されたエンフとフューバーの力場の影響下におけるエネルギー最小化(1000工程)を用いて行った。
【0135】
データ分析−構造は、Cα、C及びNの原子(XPLOR3.8版)についての対の様式及び平均のRMSDを用い、並びに骨格の二面角についての角次数パラメータ(ハイベルツら,1992、パラギーら,1993)を計算することにより比較した。構造の視覚化はインサイトII(MSI)を用いて実施した。
【0136】
結果
1H・NMR分光法
MVIIAと比較したHαの二次シフトにおける最大の相違はCVIDのループ2及びループ4に見られた。ループ4の相違は、CVIDが新規配列を有し二つのさらなる残基を取り込んでいることを考えれば驚くべきことではないが、MVIIAとCVIDのループ2は類似しているのでループ2の相違は注目に値する。CVIDにおける残基9〜14の二次シフトはMVIIAにおけるそれらと同じ基本様式に従っているが、大きさはより大きくなっている。このことは、CVIDにおけるループ2の構造がより安定化されていることを示している。これはループ4との長距離の相互作用に由来するものであろう。ループ2は以前にω−コノペプチド構造の最も少なく規定された領域であり、このループの残基は立体構造の交換を示す 1H・NMRスペクトルの比較的広いピークにより特性付けられる(ニールセンら,1996、リュ−ら,1997)。構造特定のこの欠如により、ループ2がω−コノペプチドの活性、機能、及び選択性に果たす重要な役割、とりわけMVIIAにおけるLeu11及びArg10などの二次的に重要な残基(ナダスディら、1995)と同様に重要な結合決定基のTyr13の役割を理解する試みが妨げられてきた。従って、CVIDは薬理団を開発するための新規な構造鋳型を提供しうる。CVIDのループ2及びループ4における残基の二次Hαシフトにおける有意な相違が、既存のω−コノトキシン構造からのCVIDの正確なモデリングを排除し、そしてその増大したN−型選択性が与えられたので、CVIDの3D構造は 1H・NMR分光法を用いて下記のように決定された。
【0137】
ω−コノペプチドCVIDの3D構造
CVIDの50個の構造を含む一群について、159の残基内NOE、110の連続NOE、184の中間NOE及び長距離NOEに由来する合計481の距離制限、合計14のH結合を規定する28のH結合の制限、並びに23のφ及び10のχ1の二面角の制限に基づき計算した。合計47の構造は一つの共通の折りたたみに収束し、2Åより大きなNOEの侵害(violation)はなく、3°以上の二面の侵害もなかった。これらの内、20の最低エネルギー構造がCVID構造を表すために選ばれた。(全残基にわたって計算された)0.35Åの骨格の対の様式のRMSDをもつ構造が非常によく確定される。φ及びιの骨格二面角についての角次数パラメータ(S)は平均0.99であった。これは、低い平均RMSDから0.24Åの構造まで反映する高度の構造精度を示す。
【0138】
他のω−コノトキシン類では記載されなかったCVIDの新規な特徴には、それぞれ、Lys10及びLeu11のNHプロトンからGly22とThr23のC=O酸素原子までのループ2とループ4の間の二つの水素結合の存在が含まれる。これらの水素結合が他のω−コノトキシン類と比べてCVIDにおけるループ2の安定性を増大させることは可能である。Tyr13の骨格が−60°のχ1側鎖のねじれ角をもつαL コンホーメーションにおいて安定化されたことは重要である。他のω−コノトキシン類におけるTyr13のコンホーメーションを定める試みは曖昧であり、実際に、Tyr13は他のω−コノトキシン類における平均化されたコンホーメーションを採択しうる。CVIDにおけるTyr13のコンホーメーションについての構造的観察は、残基内の強力なNHi −Hαi NOE並びにより弱いHαi-1 −NHi NOE及び 3J(NH−Hα)の7Hzという結合定数の存在により支持される。
【0139】
論考
CVIDはMVIIA、MVIIC及びGVIAなどの既知のω−コノトキシン類と同様な球状の折りたたみを採択していることが見出された。この比較により、MVIIA(最短のループ4を持つ)及びMVIICでは下向き、GVIAでは外向きであるが、CVIDではループ2方向に湾曲してより球状の表面を形成するというループ4の構造における有意な差異も強調される。CVIDにおけるループ4とループ2の間の二つの水素結合の存在は、この方向ではループ4に有利に働きループ2の安定化を助けているようである。GVIA、MVIIA又はMVIICに関しては、ループ2とループ4の間の水素結合はこれまで報告されてこなかったけれども、これは興味深い発見である。このCVID構造の独特の様相は、N−型VSCCに対する選択性の向上に寄与しているのかもしれず、ループ2/4の組み合わせがω−コノペプチドの選択性の重要な決定基を含むことを示唆している。
【0140】
CVIDの高い効力及び選択性により、CVIDはその3D構造に基づく薬理団の開発のための魅力的な候補となる。ループ2の向上した安定性は、今日までに見つかった他のω−コノトキシン類に優るその優れた選択性にエントロピー的に寄与しうる。しかしながら、MVIIA(Arg21、ナダスディら,1995)及びGVIA(Lys24、Tyr22、リュ−ら,1997)のループ4に存在する重要な二次的結合残基が欠如しているため、ω−コノトキシンの独特の群/VSCCの相互作用は、CVIDではループ4のおそらく比較的露出したThr23又はVal24により生じるようである。
【0141】
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【0151】
ランス,エム.、ゾレンソン,オー.ダブリュー.、ボーデンハウザー,ジー.、ワグナー,ジー.、エルンスト,アール.アール.及びヴュスリッチ,ケイ.(1983)Biochem.Biophys.Res.Commun.177、479−485。
レイ,エヌ.ジェイ.、ジョーンズ,エイ.ジェイ.及びキーン,ピー.(1991)、Br.J.Pharmacol.102、797−800。
ライス,エル.エム.とブランガー,エイ.ティー.(1994)Proteins:Struct.Funct.Genet.19、277−290。
【0152】
サリン,ブイ.ケイ.ら、Anal.Biochem.117、147(1981)。
サトー,ケイ.ら、(1997)FEBS Letters、414、480−484。
スタイン,イー.ジー.、ライス,エル.エム.及びブランガー,エイ.ティー.(1996)J.Magn.Reson.124、1554−1564。
【0153】
ワグナー,ジー.、ブラウン,ダブリュー.、ハーベル,ティー.エフ.、シャウマン,ティー.、ゴー,エヌ.及びヴュスリッチ,ケイ.(1987)J.Mol.Biol.196、611−639。
ワグナー,ジェイ.エイ.ら、(1988)J.Neurosci.、3354−9。
ホワイト,ディー.エム.とカズンズ,エム.ジェイ.、Brain Research、(1998)、801、50−58。
【0154】
ヴュスリッチ,ケイ.、ビルター,エム.及びブラウン,ダブリュー.(1983)J.Mol.Biol.169、949−961。
【0155】
この明細書及び以下の特許請求の範囲を通して、文脈が別の意味を要求しない限り、「含む(comprise)」という単語、又は「含む(comprises)」若しくは「含む(comprising)」などの変形語は、言明された完全体又は完全体の群を包含することを意味するが任意の他の完全体又は完全体の群を排除することを意味するものではないことが理解されよう。
【0156】
当業者は、本明細書に記載された発明が具体的に記載されたもの以外の変形及び修飾を許容することを理解するであろう。本発明はこのような全ての変形及び修飾を包含することが理解されるべきである。本発明は、この明細書で言及又は示された全ての工程、特性、組成物及び化合物も個々に又はまとめて含み、並びに該工程若しくは該特性の二つ以上の任意及び全ての組み合わせも含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はCVIDをコードする核酸配列の一例である。リーダー配列及び末端グリシンを含むアミノ酸配列も示す。核酸配列及びアミノ酸配列はそれぞれ配列番号:12及び配列番号:13としても示し、一方、第四ループをコードする核酸は配列番号:11に示す。一次ヌクレオチド配列は長さ382bpであり、リーダー配列(アミノ酸残基1から45)、成熟ペプチド(アミノ酸残基46から73で囲みを付ける)、3’非翻訳領域(成熟ペプチド領域直後の小文字のレタリングにより表される)、及びCSRD−301Aプライマー中に組込まれた5’非翻訳領域の小部分(配列開始部における太字イタリック体の小文字のレタリングで表す)を含む。ペプチドをコードする領域を表す開始コドン及び終止コドンは下線を付す。リーダーペプチド及び成熟ペプチドの推定アミノ酸配列は一次ヌクレオチド配列から翻訳され、ヌクレオチド配列の下に一文字略語で示す。ヌクレオチド配列上の番号は開始コドンからのアミノ酸残基の位置に関する。CVID配列内のCSRD−301A・PCRプライマーの位置は太字とイタリック体で強調する。アンカープライマーは(382+bpでの)ポリA尾部の3’側直前に位置するであろう。45の位置でのアルギニン残基の矢印は、成熟ペプチドからリーダーペプチドを酵素的に切断するための最も可能性の高い部位を示す。

Claims (13)

  1. 下記の配列の
    【外1】
    Figure 0004494633
    の一つを有する単離され、合成され又は組換えで得られたω−コノトキシン・ペプチド。
  2. 下記の配列
    CKSKGAKCSKLMYDCCSGSCSGTVGRC(配列番号:5)
    を有する請求項1記載のω−コノトキシン・ペプチド。
  3. P/Q型カルシウムチャンネルよりN−型カルシウムチャンネルに対してより高い選択性を有する請求項1又は請求項2記載のω−コノトキシン・ペプチド。
  4. ペプチド又は他の化合物のカルシウムチャンネル結合活性を試験するための受容体結合検定における、請求項1〜請求項3いずれか1項に記載の単離され、合成され又は組換えで得られたω−コノトキシン・ペプチドの使用。
  5. 請求項1〜請求項3いずれか1項に記載のω−コノトキシン・ペプチド(ただし、配列番号5,14,15または20のいずれかで表されるアミノ酸配列を有するものに限る。)をコードするヌクレオチド配列又は該ペプチドをコードする配列に相補的なヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子。
  6. 請求項1〜請求項3いずれか1項に記載のω−コノトキシン・ペプチドの全て若しくは一部をコードするヌクレオチド配列又は該ペプチドの全て若しくは一部をコードする配列に相補的なヌクレオチド配列を含む核酸プローブであって、該ω−コノトキシン・ペプチドの第四ループの全てをコードするプローブ又はそれらと相補的であるプローブ。
  7. 請求項1〜請求項3いずれか1項に記載のω−コノトキシン・ペプチドに対するモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体。
  8. ベクター部分及び請求項1〜請求項3いずれか1項に記載のω−コノトキシン・ペプチド(ただし、配列番号5,14,15または20のいずれかで表されるアミノ酸配列を有するものに限る。)をコードできる核酸を含む遺伝子構築物。
  9. 請求項1〜請求項3いずれか1項に記載のω−コノトキシン・ぺプチド、並びに薬学的に許容しうる担体又は希釈剤を含む組成物。
  10. N−型カルシウムチャンネルの遮断が有効な治療に結びつく状態を治療するための医薬の製造における、請求項1〜請求項3いずれか1項に記載のω−コノトキシン・ペプチドの使用。
  11. 虚血後のニューロン損傷の減少、無痛覚の形成、又は麻酔の無痛覚の増大、精神分裂病の治療又は興奮性の精神病や高血圧や炎症や気管支収縮を引き起こす疾患の治療、又は神経障害痛の進行の阻害、のための医薬の製造における、請求項1〜請求項3いずれか1項に記載のω−コノトキシン・ペプチドの使用。
  12. 無痛覚の形成のため、麻酔の無痛覚の増大のため又は神経障害痛の進行阻害、のための医薬の製造における、請求項11記載の使用。
  13. N−型VSCCでの活性をもつ化合物を同定するためのスクリーニングにおける請求項1〜請求項3いずれか1項に記載のω−コノトキシン・ペプチドの使用。
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