JP4493919B2 - 位置決め装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は位置決め装置に係り、特に、粗動テーブルを位置決めする第1位置決め手段と微動テーブルを位置決めする第2位置決め手段を組み合わせたものにおいて、上記第1位置決め手段に設けられている第1位置検出手段により検出される粗動テーブルの位置と上記第2位置決め手段に設けられている第2位置検出手段により検出される微動テーブルの位置との差が所定値になるように制御する制御手段を設け、それによって、大型且つ高価なレーザ変位計を使用することなく所望の制御ができるようにし、ひいては、装置の薄型化、小型化、低コスト化を図ることができるように工夫したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
精密位置決め装置としては、例えば、ボールネジ・ボールナット方式のものが知られている。これは、直線案内にボール軸受を使用するものであり、サーボモータによってボールネジを回転・駆動し、それによって、ボールネジに螺合され且つ回転を規制されたボールナットを直線上に移動させて位置決めを行う方法である。しかしながら、この種のボールネジ・ボールナット方式の場合には、直線案内とボールネジに機械的摩擦がある為にサブミクロンオーダ以下の高い精度の位置決めは困難であった。
【0003】
そこで、そのような高い精度の位置決めを行う為に、エア又は磁気による非接触浮上ガイドを用いると共に、非接触駆動可能な電磁リニアモータを用いた駆動方法が開発されていて、例えば、高額な設備である半導体製造装置等において既に使用されている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)。又、本発明者も小型コンパクトな超音波浮上装置を用いた非接触ガイドを開発している(例えば、特願2002−65366号)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11-186156号公報
【特許文献2】
特開平08-037772号公報
【特許文献3】
特開平05-111844号公報
【0005】
ところで、上記電磁リニアモータを使用した駆動方式の場合には、機械的な接触なしで駆動することができ、高精度な位置決めが可能であるという利点がある反面、電磁コイルと永久磁石とからなる構造が複雑であり、又、磁界分布の不均一性等により推力リップルがあって高精度な位置決めが困難であるという問題があった。
【0006】
そこで、これらの問題点を解決するものとして、ボイスコイルモータ(単層型リニアモータ)を使用した駆動方式が提案されている。
【0007】
ところが、上記ボイスコイルモータの場合には、ストロークが短いという欠点があった。そこで、粗動テーブルを移動・位置決めする粗動テーブル機構とボイスコイルモータを使用して微動テーブルを移動・位置決めする微動テーブル機構とを組み合わせた「ハイブリットリニア駆動機構」構が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0008】
【非特許文献1】
橋爪 等、新野 秀憲、日本機械学会論文集(C編)、Vol.67−661、第273〜第279頁。
【0009】
すなわち、粗動テーブル機構としてワイヤー駆動機構を採用すると共に微動テーブル機構としボイスコイルモータを使用した構成を組み合わせることにより、長いストロークを確保すると共に高い位置決め精度を得ようとするものである。そして、上記ハイブリットリニア駆動機構の場合には、微動テーブルと粗動テーブル相互間の相対変位量を相対変位測定センサ(具体的には、レーザ変位計)によって直接測定し、その測定値に基づいて、粗動テーブルを微動テーブルに追従させる制御を行うものである。
【0010】
上記ハイブリットリニア駆動機構を採用した位置決め装置の構成を図11に示す。図11に示す位置決め装置は上記非特許文献1の第275頁に開示されているものである。該位置決め装置501は概略次のような構成になっている。まず、粗動テーブル機構の構成であるが、往復台503があり、この往復台503はリニア軸受スライダ504に固定されており、リニア軸受レール部505に沿って図中左右方向に移動可能に配置されている。上記往復台503を移動させるための駆動機構は次のように構成されている。すなわち、サーボモータ507が設置されていて、このサーボモータ507の回転軸にはプーリ509が固着されている。一方、反対側には別のプーリ511が対向・配置されていて、これらプーリ509、511にはワイヤ513が巻回されている。既に述べた往復台503は上記ワイヤ513に連結されている。よって、サーボモータ507が適宜の方向に回転することにより、プーリ509、511、ワイヤ513を介して往復台503が左右何れかの方向に移動することになる。
【0011】
次に、微動テーブル機構の構成であるが、上記往復台503にはボイスコイルモータを構成する二対の永久磁石515、515(図では片側のみを図示、他の永久磁石はレール505の中心線に対称な位置にあり、テーブル517の下に隠れている)が設置されている。一方、テーブル517が配置されていて、このテーブル517は空気静圧案内装置519を介して図中左右方向に移動可能に設置されている。上記テーブル517側にはボイスコイルモータを構成するコイル521が設置されている。つまり、このコイル521と上記二対の永久磁石515、515によってボイスコイルモータを構成しているものである。
【0012】
上記したように、往復台503、リニア軸受スライダ504、リニア軸受レール部505、サーボモータ507、一対のプーリ509、511、ワイヤ513等によって粗動テーブル機構を構成し、一方、テーブル517、空気静圧案内装置519、二対の永久磁石515、515、コイル521等によって微動テーブル機構を構成し、これらの組み合わせによって長いストロークを確保すると共に高い位置決め精度を得ようとするものである。
【0013】
又、その際、往復台503側に固定されているレーザ変位計523によってテーブル517に固定されている反射板524によりレーザを反射させることにより、微動テーブル側と粗動テーブル側の相対変位量を直接測定し、その測定値に基づいて粗動テーブルとしての往復台503を微動テーブルとしてのテーブル517に追従させる制御を行うものである。
尚、図中符号525はレーザ干渉計用の反射鏡である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、上記ハイブリッドリニア駆動機構を採用した位置決め装置501の場合には、微動テーブルとしてのテーブル517と粗動テーブルとしての往復台503の相対変位量を直接測定するためにレーザ変位計523を使用しているが、該レーザ変位計523は比較的大型であり、それが原因して位置決め装置の薄型化・小型化が損なわれてしまうという問題があった。
又、粗動テーブルとしての往復台503の相対変位量を直接測定するためには、それを可能にする所定の場所に上記レーザ変位計523を設置する必要があり、それによって、位置決め装置全体としての設計裕度が低下してしまうという問題があった。
又、上記レーザ変位計は比較的高価であり、その為、位置決め装置としてのコストも上昇してしまうという問題があった。
【0015】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、高い精度で位置決めを行うことができると共に長いストロークを提供することができ、且つ、装置として薄型化・小型化を図ることが可能な位置決め装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1による位置決め装置は、第1駆動手段と第1位置検出手段とを備え粗動テーブルを位置決めする第1位置決め手段と、第2駆動手段と第1位置検出手段とは別の第2位置検出手段とを備え微動テーブルを位置決めする第2位置決め手段と、上記第2位置検出手段により求められる微動テーブルの位置により上記第2駆動手段を制御すると共に上記第1位置検出手段により求められる粗動テーブルの位置と上記第2位置検出手段により求められる微動テーブルの位置から両者の位置の差を算出して該位置の差が所定値になるように上記第1駆動手段を制御する制御手段と、を具備し、上記第2駆動手段はボイスコイルモータでありその構成部品は上記粗動テーブル上に載置されていて、上記第2位置検出手段はリニアスケールを具備するものであり、上記第1駆動手段の応答周波数を上記第2駆動手段の応答周波数よりも低く設定していることを特徴とする位置決め装置。
【0017】
すなわち、本願発明による位置決め装置は、第1駆動手段と第1位置検出手段とを備え粗動テーブルを位置決めする第1位置決め手段と、第2駆動手段と第2位置検出手段とを備え微動テーブルを位置決めする第2位置決め手段と、上記第1位置検出手段により求められる粗動テーブルの位置と上記第2位置検出手段により求められる微動テーブルの位置との差が所定値になるように制御する制御手段と、を具備したことを特徴とするものである。つまり、第1位置検出手段と第2位置検出手段によって夫々の位置検出を行い、それらの情報から粗動テーブルと微動テーブルの位置の差を算出し、その差が所定値になるように制御するものである。よって、従来、粗動テーブルと微動テーブルの相対変位量を直接測定する場合に必要であった大型且つ高価なレーザ変位計を必要とすることはなく、比較的小型で安価な第1位置検出手段と第2位置検出手段があれば所望の制御を実現することができる。それによって、位置決め装置としての薄型化、小型化、低コスト化を図ることができるようになったものである。
その際、上記第2駆動手段としてボイスコイルモータを採用することが考えられ、それによって、比較的簡単な構成で高い位置決め精度を得ることができる。又、上記粗動テーブル上に上記第2駆動手段の構成部品を載置した構成が考えられる。
又、上記粗動テーブル上に載置されている第2駆動手段の装置部品としては、コイルである場合が考えられ、又、永久磁石又はヨークである場合が考えられる。
又、上記第1駆動手段としては、例えば、ワイヤ駆動又はベルト駆動が考えられると共に、ボールねじ駆動やリニアモータ駆動が考えられる。
又、上記粗動テーブル上に上記第2位置決め手段全体を載置した構成が考えられる。
又、上記第2位置検出手段としては、例えば、リニアスケール又はレーザ干渉計を使用したものが考えられる。
又、上記第1位置検出手段としては、例えば、ロータリーエンコーダを使用したものやリニアエンコーダを使用したものが考えられる。
又、上記第1位置検出手段としては、例えば、位置センサを用いず内部演算のみで行うものが考えられ、この場合にはそれによってさらに構成の簡略化を図ることができる。
又、上記粗動テーブルと微動テーブルとの位置の差が所定値を越えたことを検出する位置ずれ検出センサを設置することが考えられ、その場合には、粗動テーブルと微動テーブルの位置ずれを検出して必要な処置を施すことが可能になり、それによって、微動テーブルの第2駆動手段が正常に動作しなくなる不具合を防止することができる。
又、上記位置ずれ検出センサを2個設置した場合には、位置ずれの方向をも検知することが可能になる。
又、上記位置ずれ検出センサを使用した位置補正装置を設けることが考えられ、その場合には、検出された位置ずれ情報に基づいて必要な補正を迅速に施すことが可能になる。
又、上記第1駆動手段の応答周波数を第2駆動手段の応答周波数よりも低くすることが考えられ、そのように構成することにより、振動発生を防止することが可能になる。
又、上記第1駆動手段と第2駆動手段の間に振動吸収手段を設置することが考えられ、それによって、第1駆動手段側の振動や衝撃が第2駆動手段側に伝達されることを緩和することができ、それによって、位置決め精度の低下を防止することが可能になる。
又、上記第2位置決め手段として、例えば、非接触ガイドを備えたものとして構成することが考えられ、それによって、摩擦等に影響されることがない高い精度の位置決めが可能になる。
又、上記非接触ガイドとしては、例えば、超音波浮上ガイドが考えられる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図4を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。本実施の形態による位置決め装置は、粗動テーブルを移動・位置決めする第1位置決め手段と、微動テーブルを移動・位置決めする第2位置決め手段とから構成されている。以下、順次説明する。
【0019】
まずは、第1位置決め手段の構成から説明していく。図1及び図2に示すように、固定部1があり、この固定部1は略U字状をなしていて、底壁部3と、左側側壁部5と、右側側壁部7とから構成されている。上記左側側壁部5と右側側壁部7の内側には、左側ガイド部9と右側ガイド部11が鋭利な状態で突出・配置されている。
【0020】
上記左側ガイド部9は、上側傾斜面13と下側傾斜面15とを備えた構成になっていて、これら上側傾斜面13と下側傾斜面15によって挟まれた部分が内側に突出・配置されているものである。同様に、上記右側ガイド部11も上側傾斜面17と下側傾斜面19とを備えた構成になっていて、これら上側傾斜面17と下側傾斜面19によって挟まれた部分が内側に突出・配置されているものである。
【0021】
上記固定部1の内側であって底壁部3の上には第1駆動手段としてのリニアガイド機構21が設置されている。すなわち、上記底壁部3上にはリニアガイドレール23が敷設されており、このリニアガイドレール23上には粗動テーブルとしてのリニアガイドスライダ25が移動可能に配置されている。一方、図1及び図2(b)に示すように、位置決め装置の一端側(図1中右側)には駆動モータ27が設置されていて、この駆動モータ27の回転軸29にはプーリ31が固着されている。又、上記プーリ31に対向するように別のプーリ33が位置決め装置の他端側(図1中左側)に配置されている。上記両プーリ31、33にはワイヤ35が巻回されている。
【0022】
そして、既に説明したリニアガイドスライダ25は上記ワイヤ35に連結されている。よって、上記駆動モータ27を適宜の方向に回転・駆動することにより、一対のプーリ31、33、及びワイヤ35を介して、リニアガイドスライダ25が図1中左右方向(Y軸方向)に移動することになる。
尚、ワイヤ35の代わりにベルトを使用してもよい。
【0023】
上記駆動モータ27には第1位置検出手段としてのロータリーエンコーダ37が取り付けられている。このロータリーエンコーダ37によって駆動モータ27の回転数を検出し、それによって、一対のプーリ31、33を介して送り出したワイヤ35の距離を算出し、それに基づいてリニアガイドスライド25の位置を検出するものである。
以上の構成が粗動テーブルとしてのリニアガイドスライダ25を位置決めする為の第1位置決め手段の構成である。
【0024】
次に、第2位置決め手段の構成を説明する。まず、既に述べたリニアガイドスライダ25の上面には、図2に示すように、プレート41が設置されており、このプレート41の上面には、第2駆動手段としてのボイスコイルモータを構成するコイル43が設置されている。
【0025】
一方、既に説明した固定部1の内側には可動部51が、図2中Z軸方向に浮上可能であって、図1中左右方向(Y軸方向)に移動可能な状態で収容・配置されている。上記可動部51は主として可動部本体53と振動装置55と柱部57等から構成されている。上記振動装置55は、振動板59と、この振動板59の上下両面に取り付けられた電極部61、63とから構成されている。又、上記振動板59は圧電材料から構成されている。
【0026】
又、上記振動装置55の左右両側には、既に説明した固定部1側の左側ガイド部9と右側ガイド部11に対応するように、左側ガイド部65、右側ガイド部67が設けられている。上記左側ガイド部65には、上側傾斜面69と下側傾斜面71が設けられていて鋭利な凹部を構成している。同様に、上記右側ガイド部67にも、上側傾斜面73と下側傾斜面75が設けられていて鋭利な凹部を構成している。
【0027】
そして、上記構成をなす振動装置55が超音波振動することにより、図2に示すように、可動部51がZ軸方向に浮上した非接触の状態になるものである。
【0028】
上記可動部51の柱部57の下端には平板部77が取り付けられていて、この平板部77の下面側には、図2及び図3に示すように、第2駆動手段としてのボイスコイルモータを構成する永久磁石79、79が取り付けられている。そして、既に説明したコイル43はこの永久磁石79、79に対して平行な方向、すなわち、水平方向に巻回された状態で設置されている。これら永久磁石79、79、コイル43とからなるボイスコイルモータによって可動部51を図1中左右方向、すなわち、Y方向に移動させるための駆動力を発生させるようになっている。
【0029】
上記永久磁石79、79は、図3に示すように、その磁化の向きが逆向きになっている。これは次のような理由による。すなわち、図3において、コイル43の左端部と右端部では電流の向きが逆向きになる。そのため、「フレミングの左手の法則」による推力の向きを同じにするためには、2個の永久磁石79、79を配置し、且つ、それら永久磁石79、79より生じる磁束の向きを逆向きにする必要があるものである。そして、この場合コイル43の図3中左端部分が同図中右側の永久磁石79側に移動することはないので、結局、ストロークはコイル43の移動方向の幅の1/2ということになる。又、上記コイル43と永久磁石79、79との間の隙間(h)は、この実施の形態では、1mmに設定されている。
【0030】
又、図1及び図2に示すように、上記可動部本体53には第2位置検出手段を構成するセンサ検出部81が取り付けられていると共に、固定部1の左側側壁5の内面であって上端部には、同じく第2位置検出手段を構成するリニアスケール83が取り付けられている。これらセンサ検出部81とリニアスケール83とからなる第2位置検出手段によって可動部51の位置を検出するものである。
以上の構成が、微動テーブルとしての可動部51を移動させて位置決めする為の第2位置決め手段の構成である。
【0031】
次に、上記第1位置決め手段と第2位置決め手段を制御するための制御手段の構成を説明する。図4は、本実施の形態における制御手段の構成を示すブロック図である。まず、微動テーブル側から説明すると、リニアスケール83を介して検出される可動部51の位置検出信号は、微動テーブル側コントローラ85のカウンタ87に入力される。カウンタ87に入力されその正逆を含めて計数された信号は位置演算器89に入力されて演算される。位置演算器89において演算された信号は制御演算器91に入力される。この制御演算器91では別途入力されている指令信号と実際の位置情報とを対比してその偏差を補う為の制御信号を出力する。該制御信号はD/Aコンバータ93を介してデジタル・アナログ変換されてボイスコイルモータドライバ95に入力される。ボイスコイルモータドライバ95は入力した制御信号に基づいてボイスコイルモータ、すなわち、コイル53と永久磁石79、79からなるボイスコイルモータを制御・駆動する。
【0032】
一方、粗動テーブル側をみてみると、粗動テーブルとしてのリニアガイドスライダ25の位置はロータリーエンコーダ37によって検出され、その検出信号は粗動テーブル側コントローラ101のカウンタ103に入力される。カウンタ103では正逆を含めて計数されその信号は位置演算器105に入力されて演算され、ワイヤ35の移動量ひいては位置情報が算出される。そして、この位置演算器105にて演算された信号は相対距離演算器107に入力される。この相対距離演算器107には、微動テーブル側コントローラ85の位置演算器89からの信号も入力される。
【0033】
そして、相対距離演算器107は、位置演算器89及び位置演算器105からの信号に基づいて、微動テーブルとしての可動部51と粗動テーブルとしてのリニアガイドスライダ25の相対距離を算出する。相対距離演算器107において演算・算出された信号は、制御演算器109に入力され、さらに、D/Aコンバータ111を介してデジタル・アナログ変換されてモータドライバ113に入力される。モータドライバ113は、入力した制御信号に基づいて、駆動モータ27を駆動させるものである。
【0034】
つまり、微動テーブル側コントローラ85は、指令値に対して微動テーブルとしての可動部51を移動・位置決めさせるべく制御しており、一方、粗動テーブル側コントローラ101は、微動テーブルとしての可動部51と粗動テーブルとしてのリニアガイドスライダ25との相対距離を算出して該相対距離を所定値(この実施の形態の場合には「0」)にするべくリニアガイドスライダ25を移動・位置決めするものである。 それによって、粗動テーブルとしてのリニアガイドスライダ25を微動テーブルとしての可動部51に追従させるものである。
【0035】
又、この実施の形態の場合には、第1駆動手段側の応答周波数を第2駆動手段側の応答周波数より低く設定している。具体的には、第1駆動手段側の応答周波数を第2駆動手段側の応答周波数の1/10に設定している。これは、次のような理由による。すなわち、仮に、第1駆動手段側の応答周波数を第2駆動手段側の応答周波数と同程度に設定した場合には、粗動テーブルとしてのリニアガイドスライダ25と微動テーブルとしての可動部51が振動してしまうことになり、それが原因して高い精度での位置決めが不可能になってしまうことが予想される。そこで、第1駆動手段側の応答周波数を第2駆動手段側の応答周波数より低く設定しているものである。
【0036】
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、図2に示すように、振動装置55による超音波振動によって可動部51に浮上力が作用し、可動部51は、図2に示すように、固定部1に対してZ軸方向に浮上した状態、つまり、固定部1側に対して非接触の状態になる。
その状態で、コイル43に適宜の方向に電流を流すことにより、「フレミングの左手の法則」に基づいて、可動部51に対して図1中Y方向の何れかに移動するための駆動力が作用する。したがって、可動部51はY方向の何れかに移動することになる。これが微動テーブル側の動作である。
すなわち、高精度の精密位置決めのために、摩擦が極めて少なく、制御性が良好な非接触ガイド(ここではさらに薄型化に有利な超音波浮上ガイド)を用い、且つ、推力リップルがないボイスコイルモータによって高精度位置決めに好適な構成としている。
【0037】
一方、粗動テーブル側の動作であるが、これは、制御手段による制御によって、基本的には上記微動テーブルとしての可動部51に追従する動作を行う。つまり、可動部51の位置情報と粗動テーブルとしてのリニアガイドスライダ25の位置情報に基づいて両者の相対距離を算出し、該相対距離が「0」になるように駆動モータ27を制御・駆動する。それによって、リニアガイドスライダ25が可動部51に追従するように動作することになる。
以上の動作を連続的に行うことにより、可動部51を所望の位置に高い精度で位置決めさせることができるものである。
因みに、ボイスコイルモータ駆動の場合には、そのストロークが5〜30mm程度に限られてしまうが、これを粗動テーブル、すなわち、第1位置決め手段と組み合わせることにより大幅に拡大することが可能になる。
【0038】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、位置決め装置としての薄型化、小型化を図ることができるようになった。これは、大型であった従来のレーザ変位計を使用することなく必要な検出が可能になったからである。つまり、相対距離を検出していたレーザ変位計を省略し、相対距離を第1位置検出手段と第2位置検出手段とから得られる各位置の差演算により求めるようにしたからである。
又、センサ検出部81とリニアスケール83を使用した第2位置検出手段、ロータリーエンコーダ37を使用した第1位置検出手段は共に比較的小型で廉価であり、よって、位置決め装置としてコンパクトにできると共にコストの低減を図ることができるものである。
又、リニアエンコーダでも同様の機能が得られるが、特に、ロータリーエンコーダ37の場合には駆動モータ27に直結されていて非常にコンパクトであり、又、微動テーブルの周辺に配置する必要もないので、装置設計の自由度が大幅に拡大されるものであり、勿論、既に述べた小型化、薄型化を図る上で好都合である。
又、この実施の形態の場合には、第1駆動手段側の応答周波数を第2駆動手段側の応答周波数より低く設定している。具体的には、第1駆動手段側の応答周波数を第2駆動手段側の応答周波数の1/10に設定している。それによって、粗動テーブルと微動テーブルの振動発生を防止することができ、精度が高くて高速の位置決めが可能になる。
本実施の形態では、コイル43を粗動テーブル側に配置すると共に永久磁石79を微動テーブル側に配置した。これは逆の配置でも同様の駆動は可能である。しかしながら、この種のコイル43の場合は電流により発熱するので、粗動テーブル側は非接触で浮上している微動テーブル側に比べて冷却能が高く、上記発熱を抑制する上で粗動テーブル側に配置するのが効果的である。
【0039】
次に、図5乃至図7を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。前記第1の実施の形態の場合は、粗動テーブルをワイヤ駆動方式によって移動させる構成としたが、この第2の実施の形態の場合には、粗動テーブルをボールネジ・ボールナット方式によって移動させるように構成したものであり、又、粗動テーブル上に第2位置決め手段全体を搭載するように構成したものである。以下、詳細に説明する。
【0040】
まず、粗動テーブルを移動・位置決めする第1位置決め手段の構成から説明する。固定部201があり、この固定部201は、底壁部203と側壁部204、205とから構成されている。上記側壁部204、205の内側には粗動テーブル207が、図5及び図6中左右方向に移動可能に設置されている。上記粗動テーブル207は、図示しないボールネジ・ボールナット機構によって移動するものである。
【0041】
すなわち、サーボモータが設置されていて、該サーボモータの回転軸にはボールネジが連結されている。上記ボールネジにはボールナットがその回転を規制された状態で螺合・配置されていて、上記粗動テーブル207はこのボールナットに連結されている。よって、上記サーボモータを適宜の方向に回転・駆動することにより、ボールネジ、ボールナットを介して、粗動テ―ブル207が、図5及び図6中左右方向に移動することになる。
【0042】
又、上記サーボモータには、図示しないロータリーエンコーダが取り付けられていて、サーボモータの回転数を介して粗動テーブル207の位置を検出するように構成されている。
以上が粗動テーブル207を移動・位置決めするための第1位置決め手段の構成である。
【0043】
次に、微動テーブルを移動・位置決めする第2位置決め手段の構成を説明する。まず、既に説明した粗動テーブル207の上面には振動吸収手段としてのラバ211が設置されている。このラバ211の上には、第2位置決め手段側の固定部213が設置されている。上記固定部213は略U字状をなしていて、底壁部215と、左側側壁部217と、右側側壁部219とから構成されている。上記左側側壁部217と右側側壁部219の内側には、左側ガイド部221と右側ガイド部223が鋭利な状態で突出・配置されている。
【0044】
上記左側ガイド部221は、上側傾斜面225と下側傾斜面227とを備えた構成になっていて、これら上側傾斜面225と下側傾斜面227によって挟まれた部分が内側に突出・配置されているものである。同様に、上記右側ガイド部223も上側傾斜面229と下側傾斜面231とを備えた構成になっていて、これら上側傾斜面229と下側傾斜面231によって挟まれた部分が内側に突出・配置されているものである。
【0045】
上記固定部213の内側には可動部241が、図7中Z軸方向に浮上可能であって、図5及び図6中左右方向(Y軸方向)に移動可能な状態で収容・配置されている。上記可動部241は主として可動部本体243と振動装置245と柱部247等から構成されている。上記振動装置245は、振動板249と、この振動板249の上下両面に取り付けられた電極部251、253とから構成されている。又、上記振動板249は圧電材料から構成されている。
【0046】
又、上記振動装置245の左右両側には、既に説明した固定部213側の左側ガイド部221と右側ガイド部223に対応するように、左側ガイド部252、右側ガイド部254が設けられている。上記左側ガイド部252には、上側傾斜面255と下側傾斜面257が設けられていて鋭利な凹部を構成している。同様に、上記右側ガイド部254にも、上側傾斜面259と下側傾斜面261が設けられていて鋭利な凹部を構成している。
そして、上記構成をなす振動装置245が超音波振動することにより、図7に示すように、可動部241がZ軸方向に浮上し、固定部213に対して非接触の状態になるものである。
【0047】
上記可動部241の柱部247の下端には平板部263が取り付けられていて、この平板部263の下面側には、図7に示すように、ボイスコイルモータを構成する永久磁石265、265が取り付けられている。一方、固定部213の底壁215の内側にはボイスコイルモータを構成するコイル267が設置されている。又、上記コイル267は上記永久磁石265、265に対して平行な方向、すなわち、水平方向に巻回された状態で設置されている。これら永久磁石265、265、コイル267とからなる構成によって可動部241を、図5及び図6中左右方向、すなわち、Y方向に移動させるための駆動力を発生させるようになっている。
尚、上記永久磁石265、265とコイル267との関係は、図3に示した前記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0048】
又、上記可動部本体243にはセンサ検出部269が取り付けられていると共に、粗動テーブル側の固定部201の側壁部205の内面であって上端部にはリニアスケール271が取り付けられている。これらセンサ検出部269とリニアスケール271とによって第2位置検出手段を構成しており、この第2位置検出手段によって可動部241の位置を検出するものである。
以上の構成が、微動テーブルとしての可動部241を移動させて位置決めする為の第2位置決め手段の構成である。
又、制御手段の構成は前記第1の実施の形態の場合と全く同じである。
【0049】
以上、この第2の実施の形態のような構成であっても、前記第1の実施の形態の場合と同様の作用・効果を奏することができるものである。
又、ラバ211を介在させることにより防振効果を得ることができる。この点について詳しく説明する。この第2の実施の形態の場合には、前記第1の実施の形態の場合のワイヤ駆動方式に比べて剛性が高いボールネジ・ボールナット駆動方式を採用している。そのため、粗動テーブル207側の振動や衝撃が微動テーブルとしての可動部241側に直接伝わるとになり、これが微動テーブル側の外乱になって位置決め精度を低下させることが懸念される。そこで、上記ラバ211を介在させて上記振動や衝撃の伝達を緩和するようにしているものである。
【0050】
次に、図8及び図9を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。この第3の実施の形態の場合には、前記第1の実施の形態による位置決め装置を改良するものである。すなわち、前記第1の実施の形態の場合は、粗動テーブル側と微動テーブル側の位置を夫々検出し、それら位置情報に基づいて両者の相対距離を算出し、該相対距離が所定値、具体的には「0」になるように制御するものである。
【0051】
ところが、粗動テーブル側のロータリーエンコーダのミスカウント、ワイヤとプーリ間の滑り等が原因して、コイルと永久磁石の位置にずれが発生することが予想される。このような位置ずれが発生し大きな位置ずれが発生した場合には、微動テーブル側の駆動が正常に機能しなくなってしまう。
そこで、この第3の実施の形態の場合には、上記位置ずれ、すなわち、コイルと永久磁石との間の位置ずれをセンサによって検知して自動補正しようとするものである。以下、詳細に説明する。
【0052】
図8(a)は、コイル43と永久磁石79、79を中心にした構成を抽出して示す正面図であり、又、図8(b)は図8(a)のb−b断面図である。
尚、前記第1の実施の形態の場合と同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
図に示すように、粗動テーブルとしてのリニアガイドスライダ25上には、センサ回路基板301が設置されていて、このセンサ回路基板301上にはプレート303が設置されている。このプレート303上にボイスコイルモータを構成する上記コイル43が設置されている。
【0053】
又、上記センサ回路基板301上には光センサ305、307が所定位置に夫々設置されている。上記センサ回路基板301には上記光センサ305、307の検出回路(図示せず)が設けられている。上記光センサ305及び光センサ307はコイル43の内側に配置されており、光センサ305の先端からはLED発光の光が光センサ305の先端のレンズにより集光され投射される。光センサ305から投射された光は永久磁石79の表面(又は表面上に張付けられた反射テープの高反射率表面)にて反射され、光センサ305の先端集光レンズに入射し、光センサ305の受光素子に入射する。仮に、光センサ305の直上に投射光を反射する永久磁石79がなければ、光センサ305の受光素子には微弱な強度の光しか戻ってこない。それによって、光センサ305の直上に永久磁石79があるか否かを検出するものである。そして、上記センサ回路基板301上には光強度が所定の大きさ以上か以下かの判定回路が設けられており、これにより永久磁石79が直上に有るか否かが判別できるものである。
【0054】
又、この第3の実施の形態の場合には、2個の永久磁石79、79間に隙間(C)が設けられており、光センサ305の直上に永久磁石79がある場合と隙間(C)がある場合とではその光反射強度が異なる。よって、その光反射強度の大きさによって光センサ305の直上に永久磁石79があるのか或いは隙間(C)が有るのかを判定できるものである。これは光センサ307の場合も同様である。尚、その他の方法としては、光センサをコイル43の外側に配置して永久磁石79が直上にある場合と永久磁石79から外れた場合を判定する方法、または永久磁石79の表面上に高反射領域(たとえば白色)と低反射領域(たとえば黒色)をもつ反射テープを貼り、この反射強度差により判定する方法等も有効である。
【0055】
次に、図9を参照して、この実施の形態の場合の制御手段の構成を説明する。尚、前記第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して示しその説明は省略する。
まず、光センサ305、307からの検出信号は、粗動テーブル側コントローラ101に設けられた相対位置補正器309に入力される。相対位置補正器309は、光センサ305、307から入力された検出信号に基づいて、微動テーブルと粗動テーブルとの間の相対距離が所定値を越えているか否か、越えている場合にはその大きさ(一定値)と方向を認識し、相対距離演算器107に出力する。そのとき、相対距離演算器107は、位置演算器89と105との差から得られた相対距離と比べ、違いが有れば相対距離補正器の出力値に置き換えることにより位置ずれの自動補正がなされる。
【0056】
上記制御をより具体的に説明する。前述したように、カウンター87、103等のミスカウント等が原因して各位置がずれてくると、ストロークが短い微動テーブル側の第2位置決め手段が正常に機能しなくなる。そこで上記したように、光センサ305及び光センサ307の2個の光センサを用いて、予め設定された所定量を超えた時その相対距離を検出し、微動、粗動の位置演算器の差演算で求められた相対距離と比べて補正する。
【0057】
例えば、図8(b)において、光センサ305又は光センサ307が永久磁石79、79の直下から永久磁石79、79間の隙間(C)の直下に移動した状態を想定すると、隙間(C)直下に移動した光センサ305、307の受光素子は強い光の受光から弱い光の受光へと変化する。この受光変化によって相対距離の大きさが検知できるものである。そして、図8(b)に示す状態を正規位置(相対距離0)とし、この図の状態で光センサ305の中心から直上の永久磁石79の右端までの左右方向の距離を(β)とすると共に、同図中左方向が位置座標の正方向だと仮定する。この時、例えば、光センサ305が図中右方向にずれて隙間(C)に差し掛かった時には、微動テーブル側と粗動テーブル側の相対距離は(+β)となる。そして、相対位置補正器309は、このとき光センサ305からの信号変化を受信し(+β)の位置データを相対距離演算器107に送る。相対距離演算器107は微動テーブル側の位置演算器89と粗動テーブル側の位置演算器105から送られてきた位置データ(Xp,Xc)の差(Xp−Xc)を算出すると共に、該相対距離と(+β)との差(Xp−Xc−β)を算出する。この差(α=Xp−Xc−β)が相対距離の位置ずれ量(α)となるので、この位置ずれ量(α)を相対距離演算器107に記憶させる。以降の相対距離演算はこの(α)で補正し、相対距離は(Xp−Xc+α)で算出されることになる。
【0058】
因みに、図8(b)において左にずれて隙間(C)に差し掛かった時には、微動テーブルと粗動テーブルの相対距離は(−β)となる。相対位置補正器107は、このとき光センサ307からの信号変化を受信し(−β)の位置データを相対距離演算器107に送る。以降は既に説明した光センサ305の場合と同じである。
【0059】
すなわち、相対位置補正器309は光センサ305又は光センサ307からの信号変化を受信し、予め設定されている距離データ(ここでは+β,−β)を相対距離演算器107に送る。このデータを受取った相対距離演算器107は現在演算している相対距離と比べ差が生じていたらこれを補正し、この補正値を記憶し以降の演算に用いることで相対位置の補正が行われるものである。
【0060】
又、本位置補正方法を用いて、最初の微動テーブルと粗動テーブルの相対位置の設定を簡易に行なうこともできる。例えば、粗動テーブルの駆動電流を制限しておき、微動テーブルを大きく動かすことにより、光センサ305、307を永久磁石79、79から外れさせ、上記相対位置補正器309を機能させれば相対位置の正しい設定が行われたことになる。
【0061】
尚、この第3の実施の形態の場合は、2個の光センサ305、307を設置した場合を例に挙げて説明しているが、1個の光センサの場合も想定される。この場合は、例えば、1個の光センサを、図8(b)の側断面図において、コイル43の中心に配置し、永久磁石79、79間の隙間(C)を適当に設定すればよい。そして、相対位置ずれの少ない時は光センサの直上は隙間(C)であり、所定量の位置ずれのある場合は永久磁石79、79が直上にあることになり、隙間(C)部が直上に有るか永久磁石79、79が直上に有るかによって不具合を判別することができる。
但し、この場合には、図8(b)の側断面図中の左側の永久磁石79が直上にあるか右側の永久磁石79が直上にあるかの判定はできない。よって、前述したような補正はできないものである。
【0062】
尚、この第3の実施の形態では、センサとして光センサを用いた例を挙げて説明したが、光センサの代わりに、例えば、磁気センサ等を使用しても同様の検出はできるものである。
【0063】
次に、図10を参照して本発明の第4の実施の形態を説明する。前記第1〜第3の実施の形態の場合には、微動テーブル側については第2位置検出手段によってその位置を検出し、粗動テーブル側については第1位置検出手段によってその位置を検出するようにしていた。それに対して、この第4の実施の形態の場合には、上記第1位置検出手段をなくして、その代わりに内部演算器を設けて処理しようとするものである。以下、詳細に説明する。
【0064】
図10はこの第4の実施の形態における制御手段の構成を示すブロック図であり、まず、第1位置検出手段が省略されており、粗動テーブル側の制御はいわゆる「オープンループ制御」になっている。そして、上記第1位置検出手段をなくす代わりに内部演算器401が設けられている。この場合は埋込型マイクロコントローラーのソフトが増加するだけでランニングコストは不要である。したがって薄型、コンパクト化及び低コスト化には最も好ましい構成となる。
【0065】
そして、上記内部演算器401は、制御演算器109からの動作指令値を基に内部演算して粗動テーブルの位置を算出する。これを具体的に説明すると、例えば、前記第1の実施の形態で示した駆動モータ27がステッピングモータであれば、指令ステップ数に基づいて内部演算することにより粗動テーブルの位置を算出することができる。
尚、この場合には図10に示しているD/Aコンバータ111も不要となり、直接接デジタルステップ数でモータドライバー113に移動指令を出力することができる。
又、駆動モータ27がサーボモータやDCモータである場合には、制御演算器109の出力である推力指令値、すなわち加速度より速度、移動距離を演算することにより粗動テーブルの位置の算出が可能である。
但し、この場合には負荷変動や外乱により精度が落ちることがあるので、図中に示す光センサ305、307による相対位置補正装置の装備が望まれる。
【0066】
以上、この第4の実施の形態によると、粗動テーブル側の第1位置検出手段が不用になるので、それによって、位置決め装置としての構成をさらに簡略化、コンパクト化することが可能になる。
【0067】
尚、本発明は前記第1〜第4の実施の形態に限定されるものではない。
まず、前記第1〜第4の実施の形態の場合には、第2駆動手段としてのボイスコイルモータとして超扁平型ボイスコイルモータを例に挙げて説明したが、通常の扁平型ボイスコイルモータであってもよい。
又、粗動テーブル側の駆動モータとしては様々なものが想定されるが、例えば、サーボモータ、DCモータ、ステッピングモータ、リニアモータ、超音波モータ、等であり、回転或いは直動の何れのモータであってもよい。
又、微動テーブル側におけるコイルと永久磁石の配置に関して、前記各実施の形態の場合には、冷却効果を期待して、固定側にコイルを設置した例を挙げて説明しているが、可動側、すなわち、浮上する側にコイルを配置する構成も含むものである。
又、第2位置検出手段は高精度要求を満たすものであればリニアスケールに限定されるものではない。例えば、レーザ干渉計も好適である。
その他、図示した構成はあくまで例であってそれに限定されるものではない。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明による位置決め装置によると、まず、第1位置検出手段と第2位置検出手段によって夫々の位置検出を行い、それらの情報から粗動テーブルと微動テーブルの位置の差を算出し、その差が所定値になるように制御するようにしたので、従来、すなわち、粗動テーブルと微動テーブルの相対変位量を直接測定する場合のように大型且つ高価な変位計を必要とすることはなく、比較的小型で安価な第1位置検出手段と第2位置検出手段があれば所望の制御を実現することができる。それによって、位置決め装置としての薄型化、小型化、低コスト化を図ることができるようになった。
又、第2駆動手段としてボイスコイルモータを採用した場合には、比較的簡単な構成で高い位置決め精度を得ることができる。
又、上記第1位置検出手段として、例えば、位置センサを用いず内部演算のみで行うように構成した場合には、それによって更に構成の簡略化を図ることができる。
又、上記粗動テーブルと微動テーブルとの位置の差が所定値を越えたことを検出する位置ずれ検出センサを設置した場合には、粗動テーブルと微動テーブルの位置ずれを検出して必要な処置を施すことが可能になり、それによって、位置決め精度の低下を防止することができる。
又、上記第1駆動手段の応答周波数を第2駆動手段の応答周波数よりも低くした場合には、振動発生を防止して位置決め精度の低下を防止することができる。
又、上記第1駆動手段と第2駆動手段の間に振動吸収手段を設置した場合には、それによって、動作時の振動を吸収して位置きめ精度の低下を防止することが可能になる。
又、上記第2位置決め手段として非接触ガイドを備えたものとして構成した場合には、それによって、摩擦等に影響されることがない高い精度の位置決めが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、位置決め装置の全体の構成を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、図2(a)は図1のa−a断面図、図2(b)は図1のb−b断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、一対の永久磁石とコイルを図2(a)に示す方向とは直交する方向から視た一部断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、制御の内容を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す図で、位置決め装置の全体の構成を示す平面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す図で、位置決め装置の全体の構成を示す正面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示す図で、図5のVII−VII断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態を示す図で、図8(a)は位置決め装置の要部の構成を示す断面図で、図8(b)は図8(a)のb−b断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態を示す図で、制御の内容を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態を示す図で、制御の内容を示すブロック図である。
【図11】従来例を示す図で、図11(a)は位置決め装置の全体の構成を示す平面図、図11(b)は位置決め装置の全体の構成を示す正面図である。
【符号の内容】
1 固定部
21 リニアガイド機構
23 リニアガイドレール
25 リニアガイドスライダ(粗動テーブル)
27 駆動モータ
31 プーリ
33 プーリ
35 ワイヤ
37 ロータリーエンコーダ
43 コイル
51 可動部(微動テーブル)
55 振動装置
79 永久磁石
81 検出部センサ
83 リニアスケール
85 微動テーブル側コントローラ
101 粗動テーブル側コントローラ

Claims (1)

  1. 第1駆動手段と第1位置検出手段とを備え粗動テーブルを位置決めする第1位置決め手段と、
    第2駆動手段と第1位置検出手段とは別の第2位置検出手段とを備え微動テーブルを位置決めする第2位置決め手段と、
    上記第2位置検出手段により求められる微動テーブルの位置により上記第2駆動手段を制御すると共に上記第1位置検出手段により求められる粗動テーブルの位置と上記第2位置検出手段により求められる微動テーブルの位置から両者の位置の差を算出して該位置の差が所定値になるように上記第1駆動手段を制御する制御手段と、を具備し、
    上記第2駆動手段はボイスコイルモータでありその構成部品は上記粗動テーブル上に載置されていて、
    上記第2位置検出手段はリニアスケールを具備するものであり、
    上記第1駆動手段の応答周波数を上記第2駆動手段の応答周波数よりも低く設定していることを特徴とする位置決め装置。
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