しかしながら、複数のワーカ(利用者)が、居室や会議室など、オフィス内のさまざまな作業空間を移動しながら業務をおこなっている環境において、複数のワーカが同じ作業空間に集まって、プレゼンテーション、議論、設計図面の検討などの共同作業を効率的におこなうためには、その都度、或る特定の利用者に利用が限定されているような共同作業の環境を想定するのではなく、ワーカが作業空間に持ち込む携帯型のコンピュータや作業空間に設置された機器が提供する機能を連携して操作できるようにする柔軟性が必要になる。
また更には、互いに離れた場所に存在する複数の作業空間でコミュニケーションを図りながら共同作業する場面において、ネットワークで互いに結ばれた作業空間をひとつの作業空間として捉え、その作業空間で作業をする利用する携帯機器や各作業空間に設置された機器が連携して操作できるようにする柔軟性が必要になる。
更には、予め登録されている利用者に利用が限定されていたり、予め決められた機器上のワークスペース間でのみ連携を可能にするのではなく、連携対象を限定せず、現実の作業空間で共同作業をおこなっている場面で利用されている機器であれば、特別な制約が加わることなく、すべて連携可能にするような開放性も必要になる。また更には、1台のサーバ等が制御を集中管理する方法ではなく、さまざまな機器が対等に接続しあって全体として信頼性が高くかつ高効率に動作させるための制御の非集中性が必要になる。
また、特許文献1の共同作業支援システムでは、会議中に使用された資料に関する保管場所情報を受信するために、それぞれの利用者が概保管場所受信用の端末装置を持ち歩かなければならないという不便さがあった。また、受信した文書に関する保管場所情報は、個々の会議イベント(コンテクスト)単位でまとめられないため、ある会議の中で使用された資料の集合といった形で取り出すことができなかった。また、さらには、文書に関する情報しか得られないため、そのときの参加者の集合など、状況情報について取得することはできなかった。
また、特許文献2記載の情報処理装置では、取得しようとする会議に関する開催日時や場所に関する情報を、利用者自身が指定して検索しなければならないという操作上の煩雑さがあった。また、会議に参加していた参加者の集合に関する情報など、状況情報を取得することができなかった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、柔軟性や開放性、非集中性を実現して、種々な機器を用いて共同作業を行うに最適な作業空間を形成することができる組織活動記録装置およびプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、請求項1に記載のように、文書集合もしくはデスクトップ空間として表現されるワークスペースを、ハイブリッドピア・ツー・ピアネットワークによる通信を行うワークスペースピアに、該ワークスペースピアからのアクセスにより、ネットワークを介して、提供するワークスペース提供手段と、ワークスペース提供手段によって一のワークスペースが提供されたワークスペースピアが存在する作業空間を、該ワークスペースピアに付与された識別情報をRFIDアンテナが受け取ることにより、検出するワークスペース検出手段と、同一時間帯かつ同一作業空間内に存在すると認識される他のワークスペースを、ワークスペース検出手段によって検出された作業空間を問い合わせることにより、検索するワークスペース検索手段と、一のワークスペースと他のワークスペースとを統合して協調作業空間を形成するワークスペース統合手段と、協調作業空間内での活動を活動毎に共有文書として時間と場所に対応付けて保存する活動記録手段と、を備え、活動は、画像、映像、音声を含むものであり、活動記録手段は、共有文書からキーワードによる特徴量を抽出し、抽出された特徴量に基づきキーワードを時系列的に集め合わせて遷移ベクトルを形成し、遷移ベクトルに基づいて複数の時間と場所間で比較することを特徴とする組織活動記録装置である。
本発明によれば、複数のワーカが現実世界の複数の作業空間を移動しながら作業をおこなうオフィス環境において、同一時間帯かつ同一作業空間内に存在すると認識された各ユーザのワークスペースを合成し、当該合成されたワークスペース内で共有された文書群を、そのときの日時、作業空間、共同作業者に対応付けて記録し、それら設定された対応関係をたどることによって、それらの情報を連想的にアクセスする。
本発明の組織活動記録装置は、例えば更に、前記ワークスペースピアの位置情報を保持するワークスペースインデクス手段を備え、前記ワークスペース検索手段は、前記ワークスペースインデクス手段に問い合わせることによって前記ワークスペース位置および同一時間帯に同一作業空間内に存在する他のワークスペースに関する情報を取得する。本発明によれば、ワークスペースインデクス手段に問い合わせることによってワークスペース位置および同一時間帯に同一作業空間内に存在する他のワークスペースに関する情報を取得することで、各種機器上で動作するワークスペースを対等な関係で接続することができる。
前記ワークスペース提供手段は、例えば、常時稼動するコンピュータ上で稼動している。本発明によれば、ノートPCやPDAなどの携帯機器のように電源のON/OFFが頻繁にされる機器ではなく、常時稼働する計算機上でピアを動作させるため、障害に強く、また、高い計算能力が必要とされるワークスペースを携帯機器を通じて提供することができる。
前記ワークスペース統合手段は、例えば、複数のユーザが操作を共有できる共有のデスクトップ環境を構成する。本発明によれば、複数のユーザが操作を共有できる共有のデスクトップ環境を構成するので、現実の作業環境上で、複数の利用者が持ち寄ったデスクトップ環境を合成して協調作業環境を形成することができる。
前記ワークスペース統合手段は、例えば、複数のユーザがファイルを共有できる共有ファイル集合を構成する。本発明によれば、複数のユーザがファイルを共有できる共有ファイル集合を構成するので、現実の作業環境上で、複数の利用者が持ち寄った文書群を共有する空間を形成することができる。
前記連携対象検出手段は、例えば、ワークスペースピアとなる機器に付与された識別子を検出し、前記識別子によって特定されるワークスペースピアの情報を前記ワークスペースインデクス手段に通知する。本発明によれば、ワークスペースピアとなる機器に付与された識別子を検出し、識別子によって特定されるワークスペースピアの情報を前記ワークスペースインデクス手段に通知するので、確実に対象物を識別することができる。
前記ワークスペース検出手段は、例えば、作業空間内に設置された生体センサとして実現されており、前記作業空間内で検出された利用者に対応付けられたワークスペースに対応するワークスペースピアの情報を、ネットワーク経由で前記ワークスペースインデクス手段に通知する。本発明によれば、業空間内で検出された利用者に対応付けられたワークスペースに対応するワークスペースピアの情報をネットワーク経由でワークスペースインデクス手段に通知するので、IDカードや携帯機器を持ち歩くことなく、ワークスペースを識別することができる。
前記ワークスペース検索手段は、例えば、前記ワークスペース提供手段が提供するワークスペースの所在を明示的に指定されることによって識別する。本発明によれば、作業空間内にセンサを配置する必要がないため、安価な構成が可能になると共に、センサを設置することが難しい場所においても利用することができる。
前記ワークスペース検索手段は、例えば、前記ワークスペース提供手段が提供するワークスペースの所在が指定されると、前記ワークスペースピア間で同じ作業空間内に存在するワークスペースピアに関する情報を共有伝播させることで同じ作業空間に存在するワークスペースピアを認識する。本発明によれば、作業空間内にセンサを配置する必要がないため、安価な構成が可能になると共に、センサを設置することが難しい場所においても利用することができる。
本発明の組織活動記録装置は、例えば、更に、各コンテクストに応じたアクセス鍵を発行するアクセス鍵発行手段を備え、前記ワークスペース統合手段は、前記アクセス鍵発行手段が発行したアクセス鍵に基づいて、前記ワークスペースを統合する。本発明によれば、ワークスペース統合手段は、アクセス鍵発行手段が発行したアクセス鍵に基づいて、ワークスペースを統合させるため、同一作業空間内に存在するワークスペースのみとの間での連携に限定し、セキュアな連携をおこなうことができる。
本発明の組織活動記録装置は、例えば、更に、前記作業空間の利用予約が行える利用予約手段を備え、前記ワークスペース統合手段は、前記利用予約手段の利用予約に基づいて、前記ワークスペースを統合する。本発明によれば、ワークスペース統合手段は、利用予約手段の利用予約に基づいて、ワークスペースを統合するので、予定外の個人ワークスペースとの間での統合を抑制し、セキュアな協調作業空間の形成をおこなうことができる。
前記ワークスペース統合手段は、例えば、予定する時間帯での作業空間の利用に関するパスワードに基づいて、前記ワークスペースを統合する。本発明によれば、ワークスペース統合手段は、予定する時間帯での作業空間の利用に関するパスワードに基づいて、ワークスペースを統合するので、予定外のワークスペースとの間での連携を抑制し、セキュアな連携をおこなうことができる。
前記ワークスペース統合手段は、例えば、過去のワークスペースの統合履歴に基づいて計算されるワークスペース間の信頼度に応じて、ワークスペースの統合の際の認証処理を行う。本発明によれば、ワークスペース統合手段は、過去のワークスペースの統合履歴に基づいて計算されるワークスペース間の信頼度に応じて、ワークスペースの統合の際の認証処理を行うので、信頼関係の強い個人ワークスペースとの間での連携には認証を省略し、信頼関係の弱い個人ワークスペースとの間での連携には認証をおこなうようにして、利用者に対して過度な認証処理を必要とさせないようにすることができる。
前記ワークスペース統合手段は、例えば、作業空間毎に過去に統合したワークスペースピアのアドレスを保持しており、前記ワークスペース検索手段によってワークスペースが認証されると、ネットワーク上を検索する前に、該保持されているワークスペースピアのアドレスを調べて連携対象となるワークスペースピアのアドレスを調べる。本発明によれば、作業空間毎に過去に統合したワークスペースピアのアドレスを保持しており、前記ワークスペース検索手段によってワークスペースが認証されると、ネットワーク上を検索する前に、該保持されているワークスペースピアのアドレスを調べて連携対象となるワークスペースピアのアドレスを調べるので、作業空間内で頻繁に連携関係が設定される個人ワークスペースに関しては、それらを連携時に、毎回、ネットワーク上で検索する必要がなくなるため、高速に連携関係を設定することができる。
前記ワークスペース統合手段は、例えば、コンテクストの特徴に対応付けて、過去に統合したワークスペースに関するワークスペースピアのアドレスを保持しており、ワークスペース検索手段によってワークスペースが認証されると、ネットワーク上を検索する前に、当該コンテクストに対応付けて保持されているワークスペースピアのアドレスを調べて連携対象となるワークスペースピアのアドレスを調べる。本発明によれば、コンテクストの特徴に対応付けて、過去に統合したワークスペースに関するワークスペースピアのアドレスを保持しており、ワークスペース検索手段によってワークスペースが認証されると、ネットワーク上を検索する前に、当該コンテクストに対応付けて保持されているワークスペースピアのアドレスを調べて連携対象となるワークスペースピアのアドレスを調べるので、連携時に、毎回、ネットワーク上で検索する必要がなくなるため、高速に連携関係を設定することができる。
前記ワークスペース提供手段は、例えば、ワークスペース接続インタフェースを、映像入出力、音声入出力、操作イベントで構成される入出力チャンネルに関する属性として記述し、前記ワークスペース統合手段は、前記ワークスペース接続インタフェースに基づいて前記ワークスペースを統合する。本発明によれば、ワークスペース上での映像や音声によるコミュニケーションや共同作業空間上での操作イベントを統一的な接続形式に従って接続することで、広域かつオープンな協調作業空間の形成ができる。
前記ワークスペース検索手段は、例えば、前記ワークスペースが作業空間内に存在していた時間帯を、前記ワークスペースにとってのコンテクストの開始および終了時刻として扱う。本発明によれば、前記ワークスペースが作業空間内に存在していた時間帯を、ワークスペースにとってのコンテクストの開始および終了時刻として扱うことで、ワークスペースが作業空間内に存在していた時間だけがそれぞれにとってのコンテクストとして扱えるため、コンテクストの切り出しを個別に管理でき、長時間の会議の中でメンバが入れ替わるような場合であっても、各利用者は自分に関連する部分のコンテクストだけを切り出して管理することができる。
前記ワークスペース検索手段は、例えば、複数のワークスペースのうちの最初のワークスペースが作業空間内で認識された時間から、すべてのワークスペースが認識されなくなるまでの時間帯を前記ワークスペースのコンテクストの開始および終了時刻として扱う。本発明によれば、複数のワークスペースのうちの最初のワークスペースが作業空間内で認識された時間から、すべてのワークスペースが認識されなくなるまでの時間帯をワークスペースのコンテクストの開始および終了時刻として扱うことで、利用者は、途中で退出したとしても、他のメンバ全員が退出するまでのコンテクストを共有することができる。
本発明の組織活動記録装置は、例えば更に、前記作業空間の利用に対する予約を行える利用予約手段を備え、前記ワークスペース検索手段は、ワークスペースが作業空間内で認識された時間と、前記利用予約手段に登録された時間帯を照合し、参加予定者および検出開始時刻と検出終了時刻の差が所定以内の場合、前記利用予約手段に登録された時間帯を、前記ワークスペースにとってのコンテクストの開始および終了時刻として扱う。本発明によれば、ワークスペースが作業空間内で認識された時間と、利用予約手段に登録された時間帯を照合し、参加予定者および検出開始時刻と検出終了時刻の差が所定以内の場合、前記利用予約手段に登録された時間帯を、前記ワークスペースにとってのコンテクストの開始および終了時刻として扱うことで、利用者の入退出時刻に多少の違いがあったとしても、スケジュール表に登録されている時間によって、コンテクストの開始と終了時刻を補正することができる。
前記ワークスペース検索手段は、例えば、前記作業空間内で認識されるワークスペースに変化が見られた時点を境界として時間帯を切り出し、前記ワークスペースにとってのコンテクストの開始および終了時刻として扱う。本発明によれば、作業空間内で認識されるワークスペースに変化が見られた時点を境界として時間帯を切り出し、前記ワークスペースにとってのコンテクストの開始および終了時刻として扱うことで、連続している会議で一部のメンバが重複しているような場合であっても、参加者のメンバの大部分が入れ替われるような状況が検出できれば、利用者は、作業空間から退出したりすることなく、別のコンテクストとして認識することができる。
前記ワークスペース検索手段は、例えば、前記作業空間内で認識されるワークスペースを記録するとともに、会議の開始および終了、機器の利用開始および終了並びに参加者のイベントを階層的に構造化し、前記ワークスペースにとってのコンテクストとして保存する。本発明によれば、作業空間内で認識されるワークスペースを記録するとともに、会議の開始および終了、機器の利用開始および終了並びに参加者のイベントを階層的に構造化し、前記ワークスペースにとってのコンテクストとして保存することで、後でコンテクストの履歴に基づいて共有文書や参加者などを検索する際に、検出された細かいコンテクストの変化を手がかりにして取り出すことができる。
前記ワークスペース検出手段は、例えば、前記作業空間内で認識される参加者の人数、該参加者の所属組織、該参加者の役職のうちの少なくともいずれか一つから会議のフォーマル度を判別し、コンテクスト情報を構成する付加情報として追加する。本発明によれば、作業空間内で認識される参加者の人数、該参加者の所属組織、該参加者の役職のうちの少なくともいずれか一つから会議のフォーマル度を判別し、コンテクスト情報を構成する付加情報として追加することで、コンテクスト履歴の中から過去のコンテクストを検索する際に、会議のフォーマル度を利用して検索することができる。
前記ワークスペース検出手段は、例えば、前記作業空間内で検出される日時と開催場所、参加者の人数、該参加者の所属組織および該参加者の役職のうちの少なくともいずれか一つから会議体を判別し、コンテクスト情報を構成する付加情報として追加する。本発明によれば、作業空間内で検出される日時と開催場所、参加者の人数、該参加者の所属組織および該参加者の役職のうちの少なくともいずれか一つから会議体を判別し、コンテクスト情報を構成する付加情報として追加することで、コンテクスト履歴の中から過去のコンテクストを検索する際に、会議体の名称を利用して検索することができる。
前記ワークスペース検出手段は、例えば、前記作業空間上で認識される情報とコンピュータ上で認識される情報を組み合わせて、活動内容に関するコンテクストを抽出する。本発明によれば、作業空間上で認識される情報とコンピュータ上で認識される情報を組み合わせて、活動内容に関するコンテクストを抽出することで、コンテクスト履歴の中から過去のコンテクストを検索する際に、現実世界の事象として検出される情報と計算機上での操作によって検出される情報を組み合わせて、より、詳細な活動内容を検出し、その結果をコンテクストの検索に利用することができる。
本発明の組織活動記録装置は、例えば更に、前記作業空間とは異なる地点に存在する作業空間との接続関係を仲介する作業空間接続手段を備えている。本発明によれば、作業空間とは異なる地点に存在する作業空間との接続関係を仲介する作業空間接続手段を備えているので、遠隔地に存在する複数の作業空間を結んで、仮想的にひとつの作業空間を形成し、あたかも同じ作業空間に存在しているような感覚で、当該作業空間内で認識されるワークスペースを統合することができる。
本発明の組織活動記録装置は例えば更に、各作業空間に関する情報をエリア別に保持し各作業空間に関する情報を要求に応じて提供する情報提供手段を備えている。本発明によれば、各作業空間に関する情報をエリア別に保持し各作業空間に関する情報を要求に応じて提供する情報提供手段を備えているので、遠隔地に存在する複数の作業空間を結んで、仮想的にひとつの作業空間を形成し、あたかも同じ作業空間に存在しているような感覚で、当該作業空間内で認識されるワークスペースを統合することができる。
前記ワークスペース統合手段は、例えば、所定のコミュニケーションシステムと連動して、遠隔地に存在するワークスペースを統合する。本発明によれば、所定のコミュニケーションシステムと連動して、遠隔地に存在するワークスペースを統合することで、遠隔地との接続の開始に際して、互いに時間調整をおこなった上で予定時刻に接続するというようなことをしなくても、接続先とコミュニケーションが可能になった時点をきっかけとして、相手先の作業空間との間で協調作業空間の形成をおこなうことができる。
前記作業空間接続手段は、例えば、過去の接続先の履歴に基づいて、接続先候補を表示させるための情報を生成する。本発明によれば、過去の接続先の履歴に基づいて、接続先候補を表示させるための情報を生成することで、利用者は接続先となる接続ポイントの名前やアドレスを調べることなく、共同作業の頻度の頻度の多い作業空間については、即座に指定することができる。
前記作業空間接続手段は、例えば、過去の共同作業履歴から求めた利用者の関係強度に基づいて、接続先の作業空間を指定するための表示情報を生成する。本発明によれば、過去の共同作業履歴から求めた利用者の関係強度に基づいて、接続先の作業空間を指定するための表示情報を生成するので、利用者は接続先となる接続ポイントの名前やアドレスを調べることなく、接続先となる作業空間を即座に指定することができる。
前記活動記録手段は、例えば、作業空間内において、ホワイトボードに書かれた画像、スチルカメラまたはビデオカメラによって撮影された映像、マイクによって収録された音声のうちの少なくともいずれか一つを、共有のコンテクストに対応付けて記録する。本発明によれば、作業空間内において、ホワイトボードに書かれた画像、スチルカメラまたはビデオカメラによって撮影された映像、マイクによって収録された音声のうちの少なくともいずれか一つを、共有のコンテクストに対応付けて記録することで、コンテクスト履歴から検索することによって再利用することができる。
前記活動記録手段は、例えば、所定の情報処理装置上で編集した文書に対する注釈をコンテクストに対応付けて記録する。本発明によれば、所定の情報処理装置上で編集した文書に対する注釈をコンテクストに対応付けて記録することで、再利用することができる。
前記活動記録手段は、例えば、作業空間内のスキャナでスキャンした文書をコンテクストに対応付けて記録する。本発明によれば、作業空間内のスキャナでスキャンした文書をコンテクストに対応付けて記録することで、スキャナから入力された書籍や書類のスキャンイメージをコンテクストに対応付けて、私有文書として保存され、コンテクスト履歴から検索することによって再利用することができる。
前記活動記録手段は、例えば、所定の情報提示装置によって公開される情報をコンテクストに対応付けて記憶する。本発明によれば、所定の情報提示装置によって公開される情報をコンテクストに対応付けて記憶することで、コンテクスト履歴から検索することによって再利用することができる。
前記活動記録手段は、例えば、紙文書または電子ペーパが前記作業空間内で認識された場合、該紙文書または該電子ペーパに対応する電子文書を前記コンテクストに対応付けて記録する。本発明によれば、紙文書または電子ペーパが前記作業空間内で認識された場合、該紙文書または該電子ペーパに対応する電子文書を前記コンテクストに対応付けて記録することで、コンテクスト履歴から検索することによって再利用することができる。
前記ワークスペース統合手段は、例えば、同一コンテクストに存在した利用者またはドキュメントに対して相互に固定的なリンクを設定する。本発明によれば、同一コンテクストに存在した利用者またはドキュメントに対して相互に固定的なリンクを設定することで、文書と利用者との間にリンクが自動的に設定されるため、後で、文書をキーにして他の利用者とのコンタクトを促進させることができる。
前記活動記録手段は、例えば、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、各コンテクスト毎に、前記ワークスペース上で共有した文書のサムネイルを一覧表示するための情報を生成する。本発明によれば、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、各コンテクスト毎に、前記ワークスペース上で共有した文書のサムネイルを一覧表示するための情報を生成するので、コンテクスト履歴の中からアクセスしたいコンテクストを検索する際に、文書のレイアウトから、同一コンテクスト下で使用された文書群を視覚的に想起することを支援することができる。
前記活動記録手段は、例えば、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、各コンテクスト毎に、参加者の顔写真または作業空間内での座席配置を一覧表示するための情報を生成する。本発明によれば、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、各コンテクスト毎に、参加者の顔写真または作業空間内での座席配置を一覧表示することで、コンテクスト履歴の中からアクセスしたいコンテクストを検索する際に、参加者の顔イメージトから、目的とするコンテクストを想起することを支援することができる。
前記活動記録手段は、例えば、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、各コンテクスト毎に、作業がおこなわれた場所の作業空間の写真または作業中に撮影された写真を表示する情報を生成する。本発明によれば、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、各コンテクスト毎に、作業がおこなわれた場所の作業空間の写真または作業中に撮影された写真を表示する情報を生成することでコンテクスト履歴の中からアクセスしたいコンテクストを検索する際に、作業空間のイメージ画像から、目的とするコンテクストを想起することを支援することができる。
前記活動記録手段は、例えば、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、協調作業時に蓄積されるイベントの集合を階層的な関係として表示閲覧できるようにする検索機能を提供する。本発明によれば、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、協調作業時に蓄積されるイベントの集合を階層的な関係として表示閲覧できるようにする検索機能を提供することで、コンテクスト履歴の中からアクセスしたいコンテクストを検索する際に、検出可能な作業中に発生したさまざまなイベントに基づいて、目的とするコンテクストを想起することができる。
前記活動記録手段は、例えば、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、作業空間内での参加者の位置または資料を提示した画面の位置を記憶する。本発明によれば、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、作業空間内での参加者の位置または資料を提示した画面の位置を記憶することで、目的とするコンテクストを想起することを支援することができる。
前記活動記録手段は、例えば、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、コンテクストの履歴をスケジュール表の形式で一覧表示するための情報を生成する。本発明によれば、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、コンテクストの履歴をスケジュール表の形式で一覧表示することで、利用者の時間的な記憶をもとに、目的とするコンテクストを想起することを支援することができる。
前記活動記録手段は、例えば、前記コンテクストの断片をHTML形式でWebサーバ上に出力するとともに、前記利用予約手段に、前記コンテクストの日時に該当するスケジュールアイテムとして、当該出力したHTML文書のURLを登録することを可能にする。本発明によれば、コンテクストの断片をHTML形式でWebサーバ上に出力するとともに、利用予約手段に、前記コンテクストの日時に該当するスケジュールアイテムとして、当該出力したHTML文書のURLを登録することで、利用者は、それまでに利用してきたスケジュール管理システムを別のシステムに切り替えることなく、利用することができる。
前記活動記録手段は、例えば、文書、利用者および作業空間を含む対象毎に該文書、利用者および作業空間が存在していた日時と場所に対応するコンテクストを保持しており、選択された対象に関連するコンテクストの一覧を選択可能に表示する情報を生成する。本発明によれば、選択された対象に関連するコンテクストの一覧を選択可能に表示することで、関連する過去の情報を連想的に取り出すことができる。
前記活動記録手段は、例えば、前記ワークスペース上での利用者間での共同作業の頻度、文書交換の頻度、文書の提供/被提供関係の方向性に基づき、利用者間の関係強度を計算し、該利用者間の関係強度を人的ネットワークのビューとして俯瞰表示するための情報を生成する。本発明によれば、利用者間の関係強度を人的ネットワークのビューとして俯瞰表示することで、利用者間の関係に基づいて組織内の活動状況を把握し、組織全体が保持管理する記憶として情報資源の再利用を促進することができる。
前記活動記録手段は、例えば、各コンテクスト内で扱われた文書群に含まれるキーワード集合に基づいてコンテクスト間の類似度の距離を求め俯瞰表示するための情報を生成する。本発明によれば、各コンテクスト内で扱われた文書群に含まれるキーワード集合に基づいてコンテクスト間の類似度の距離を求め俯瞰表示することで、文書間の類似性に基づいて組織内における同様の活動をおこなっている活動に関する状況を把握し、組織全体が保持管理する記憶として情報資源の再利用を促進することができる。
前記活動記録手段は、例えば、コンテクストの断片を、HTML形式でWebサーバ上に出力するとともに、所定のコンテクストをブックマークの集合として記録する。本発明によれば、コンテクストの断片を、HTML形式でWebサーバ上に出力するとともに、所定のコンテクストをブックマークの集合として記録することで、コンテクスト履歴に記録・保存されるコンテクストの中で、頻繁に参照されるコンテクストを、簡便な操作によって呼び出し、当該コンテクストに関する情報をアクセスすることができる。
前記活動記録手段は、例えば、前記コンテクストの断片をHTML形式でWebサーバ上に出力するとともに、書き込み可能なIDを備えた電子ペーパまたは紙文書のIDに対して、該Webサーバ上に出力されたコンテクストの断片のアドレスを対応付けて記録する。本発明によれば、コンテクストの断片をHTML形式でWebサーバ上に出力するとともに、書き込み可能なIDを備えた電子ペーパまたは紙文書のIDに対して、該Webサーバ上に出力されたコンテクストの断片のアドレスを対応付けて記録することで、コンテクスト履歴に記録・保存されるコンテクストの中で、頻繁に参照されるコンテクストを、消費電力が不要な印刷物の形で持ち歩いたり、紙文書の持つ閲覧性を利用して即座に目的とするコンテクストを特定できるようにすることに加え、当該コンテクストに関する情報を即座にアクセスすることができる。
前記活動記録手段は、例えば、利用者が置かれた現在のコンテクストにおける利用者の集合、または、共有文書から抽出される特徴量、作業場所および日時のうちの少なくともいずれか一つに基づいて、コンテクストを一覧表示するための情報を生成する。本発明によれば、利用者が置かれた現在のコンテクストにおける利用者の集合、または、共有文書から抽出される特徴量、作業場所および日時のうちの少なくともいずれか一つに基づいて、コンテクストを一覧表示するための情報を生成することで、カレントと同じ状況の過去のコンテクストを容易にアクセスできるため、定例で同じ時間帯に同様のメンバでおこなっている会議などの場合、以前の会議に関するコンテクストを、検索することなく、即座に取り出すことができる。
前記活動記録手段は、例えば、コンテクストの断片を、HTML形式でWebサーバ上に出力するとともに、そのコンテクストの断片のアドレスを電子メールシステムの電子メールとして送受信して交換できるようにする。本発明によれば、コンテクストの断片を、HTML形式でWebサーバ上に出力するとともに、そのコンテクストの断片のアドレスを電子メールシステムの電子メールとして送受信して交換できるようにすることで、同一コンテクスト下での作業に参加しなかった利用者も含め、多くの利用者間で、当該コンテクストに関する情報を交換し、アクセスすることができる。
前記活動記録手段は、例えば、コンテクスト履歴上に保存されているコンテクストに対して、掲示板システム上のトピックスまたは非同期型の議論システムのディスカッションスレッドを生成する。本発明によれば、コンテクスト履歴上に保存されているコンテクストに対して、掲示板システム上のトピックスまたは非同期型の議論システムのディスカッションスレッドを生成することで、リアルタイムでおこなった議論の後で、非同期的に議論をおこなってフォローアップしたり、議事録や関連資料を追加することができる。
前記活動記録手段は、例えばに、コンテクスト履歴上に保存されている過去の任意のコンテクストに関して、参加ユーザと、当該参加ユーザへのコミュニケーション手段を対応付ける。本発明によれば、コンテクスト履歴上に保存されている過去の任意のコンテクストに関して、参加ユーザと、当該参加ユーザへのコミュニケーション手段を対応付けることで、参加ユーザを指定することにより、自動的に電子メールシステムのメールシートがオープンし、電子メールを送信することを可能にしたり、自動的に電話をかけて会話することができる。
前記活動記録手段は、例えば、予め登録した利用者の集合、または、関連性の高い利用者の集合に関して、利用者が置かれた現在のコンテクストに関する情報を表示するための情報を生成する。本発明によれば、予め登録した利用者の集合、または、関連性の高い利用者の集合に関して、利用者が置かれた現在のコンテクストに関する情報を表示することで、利用者が関連するメンバに関する、現在の仕事の状況に関するアウェアネス(気付き)を得ることができる。
前記活動記録手段は、例えば、コンテクストに応じて、利用者が所持している携帯電話の留守番電話モードの設定を変更するための情報を生成する。本発明によれば、コンテクストに応じて、利用者が所持している携帯電話の留守番電話モードの設定を変更することで、会議中のような場合、電話によって会議がインタラプトされることを防ぐことができる。
前記活動記録手段は、例えば、同じグループのメンバと現在の自分の活動パターンに不一致が生じた場合に、アラームを警告するための情報を生成する。本発明によれば、同じグループのメンバと現在の自分の活動パターンに不一致が生じた場合に、アラームを警告することで、例えば、参加すべき会議を忘れていた場合など、利用者に注意の喚起を促すことができる。
前記活動記録手段は、例えば、各コンテクストで共有された文書群からキーワードによる特徴量を抽出し、時系列的なキーワード集合の遷移ベクトルを形成し、複数のコンテクスト間で比較する。本発明によれば、各コンテクストで共有された文書群からキーワードによる特徴量を抽出し、時系列的なキーワード集合の遷移ベクトルを形成し、複数のコンテクスト間で比較することで、同様の内容を扱っている他のメンバの存在についての気付きを得ることができる。
前記ワークスペース提供手段は、例えば、ワークスペースをネットワーク上に公開する際の公開範囲を予め利用者の集合として指定し、当該指定された利用者にのみ利用を制限する。本発明によれば、ワークスペースをネットワーク上に公開する際の公開範囲を予め利用者の集合として指定し、当該指定された利用者にのみ利用を制限することで、利用者個人の所在や活動に関する情報が、不特定多数の利用者や想定外の利用者によってアクセスされ、プライバシが侵害されることを防ぐことができる。
前記ワークスペース提供手段は、例えば、ワークスペースに対してアクセスした利用者の情報を表示するための情報を生成する。本発明によれば、ワークスペースに対してアクセスした利用者の情報を表示することで、利用者が提供・開示した情報が、想定外の利用者によってアクセスされていないかどうかを知ることができ、開示範囲を、ある程度、把握することができる。
本発明は、請求項2に記載のように、文書集合もしくはデスクトップ空間として表現されるワークスペースを、ハイブリッドピア・ツー・ピアネットワークによる通信を行うワークスペースピアに、該ワークスペースピアからのアクセスにより、ネットワークを介して、提供するワークスペース提供ステップ、ワークスペース提供ステップによって一のワークスペースが提供されたワークスペースピアが存在する作業空間を、該ワークスペースピアに付与された識別情報をRFIDアンテナが受け取ることにより、検出するワークスペース検出ステップ、同一時間帯かつ同一作業空間内に存在すると認識される他のワークスペースを、ワークスペース検出ステップによって検出された作業空間を問い合わせることにより、検索するワークスペース検索ステップ、一のワークスペースと他のワークスペースとを統合して協調作業空間を形成するワークスペース統合ステップ、協調作業空間内での活動を活動毎に共有文書として時間と場所に対応付けて保存する活動記録ステップをコンピュータに実行させるプログラムであって、活動は、画像、映像、音声を含むものであり、活動記録ステップは、共有文書からキーワードによる特徴量を抽出し、抽出された特徴量に基づきキーワードを時系列的に集め合わせて遷移ベクトルを形成し、遷移ベクトルに基づいて複数の時間と場所間で比較することを特徴とするプログラムである。
本発明によれば、柔軟性や開放性、非集中性を実現して、種々な機器を用いて共同作業を行うに最適な作業空間を形成することができる組織活動記録装置およびプログラムを提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本実施形態による組織活動記録装置の概要を説明するための図である。図1において、PWは個人ワークスペースピア、SWは共有ワークスペース、APはアクセスポイントピア、αおよびβは作業空間をそれぞれ示す。個人ワークスペースピアPWはユーザにワークスペースを提供するものである。アクセスポイントピアAPは作業空間αと作業空間βを結ぶものである。
組織活動記録装置は、同一時間帯かつ同一作業空間内に存在すると認識されるワークスペースPWを統合して協調作業空間を形成する。このため、複数の個人ワークスペースピアPW間でアドホックに共有ワークスペースSWを形成することができる。これにより、ある作業空間で作業をする際に、当該作業空間で利用可能な文書やアプリケーションコンポーネントなどの計算リソースを連携させることができる。例えば、複数の作業者がオフィス内のさまざまな作業空間を移動することによって共同作業を進めている状況において、当該作業空間をさまざまな計算リソースを用いて共同作業をおこなうのに最適な環境を自動的にセットアップすることを支援するためのユビキタスコンピューティング環境のためのシステムアーキテクチャを提供することができる。
図2は、ハイブリッドピア・ツー・ピアネットワークを説明するための図である。本発明の組織活動記録装置の作業空間内で用いる通信ネットワークは、ピア・ツー・ピア(P2P:Peer−to−Peer)ネットワークである。P2Pネットワークには、「純粋(Pure)P2Pネットワーク」と「ハイブリッド(Hybrid)P2Pネットワーク」の2つのネットワーク形態がある。
純粋P2Pネットワークとは、インデクスサーバを介することなく、ネットワークシステムの各構成要素としてのピア機器A乃至E間で直接、制御メッセージおよびコンテンツ送受信を実行する構成であり、ピア機器A乃至Eは等しい機能・役割を持ち、対等なコミュニケーションを行うネットワーク形態である。それを用いた代表的なサービスとしてはグヌーテラ(Gnuterlla)がある。
一方、ハイブリッドP2Pネットワークとは、ネットワークシステムの各構成要素としての例えばPC、携帯通信端末等のピア機器間の相互作用を円滑にするためのインデクスサーバを配置したネットワーク形態のことである。すなわち、コンテンツの送受信機能を備えた例えばPC等のピア機器は、ネットワークによって相互に通信を行えるシステムであり、コンテンツ検索のためのコンテンツ格納情報を持つルックアップサーバとしてのインデクスサーバを置くネットワーク構成である。この構成を用いた代表的なサービスとしては、例えばナップスター(Napster)がある。本実施形態では、図2に示すように、各作業空間α、β内にインデックスサーバとアクセスポイントの機能を備えたインデクス・アクセスポイントピアIAP1、IAP2を配置させ、ハイブリッドP2Pネットワークを用いる。
図3は、作業空間内におけるピアの検出方法を説明するための図である。作業空間α、β内には、それぞれセンサSS1、SS2、インデクス・アクセスポイントピアIAP1、IAP2が設けられている。作業空間α、β内のセンサSS1及びSS2を介して個人ワークスペースピアPWA乃至PWEを認識する。図3に示す例では、作業空間α内のセンサSS1が個人ワークスペースピアPWA乃至PWCを認識し、作業空間β内のセンサSS2が個人ワークスペースピアPWD及びPWEを認識する。
図4は本実施形態によるシステムの構成図である。図4に示すように、システム1は、ワークスペースピア管理サーバ2、文書管理サーバ3、携帯型機器4、無線LAN基地局5、RFIDアンテナ内蔵テーブル8、RFIDタグ付き紙文書9、インデクス・アクセスポイントサーバ10、複合機(MFP)11、スケジューラサーバ12、アクセス鍵発行サーバ13を含む。符号30はネットワークを示す。
図5は、組織活動記録装置の構成を示す図である。組織活動記録装置50は、ワークスペースピア管理サーバ2、携帯型機器4、RFIDアンテナ8a、インデクス・アクセスポイントサーバ10、スケジューラサーバ12およびアクセス鍵発行サーバ13を含む。
ワークスペースピア管理サーバ2は、個人ワークスペースピアPWを制御するものである。図5に示すように、ワークスペースピア管理サーバ2は、個人ワークスペース提供手段21、個人ワークスペース検索手段22、ワークスペース統合手段23および活動記録手段24を備える。個人ワークスペース提供手段21は、文書集合もしくはデスクトップ空間として表現される各ユーザのワークスペースを提供する。この個人ワークスペース提供手段21は常時稼動するコンピュータ上で稼動するのが良い。これにより、携帯型機器4等のクライアントから個人ワークスペース提供手段21に常時アクセスすることができるため、ノートPCやPDAなどの携帯機器のように電源のON/OFFが頻繁にされる機器ではなく、常時稼働する計算機上で動作させることができる。
個人ワークスペース検索手段22は、同一時間帯かつ同一作業空間内に存在すると認識される個人ワークスペースを検出する。ワークスペース統合手段23は、ワークスペース検索手段22によって検出されたワークスペースを統合して協調作業空間を形成する。活動記録手段24は、協調作業空間内での活動を時間と場所に対応付けて保存する。
図4に戻り、文書管理サーバ3は、各種機器上で扱われる文書の実体を保存するリポジトリである。文書管理サーバ3上の文書はURLによって特定し、取り出すことができる。携帯型機器4は例えばノートPCやPDA等である。携帯型機器4は、無線LAN基地局5や有線ネットワーク(不図示)を介してネットワーク30に接続されている。携帯型機器4は、作業空間を構成する要素としての「ワークスペースピアPW」である。携帯型機器4には、P2Pブラウザがインストールされている。P2Pブラウザをインストールしたユーザは、ネットワーク上でP2Pノードになる。
携帯型機器4は、赤外線受光部および無線LANアンテナを内蔵する。無線LAN基地局5は、作業空間内の無線LAN基地局となる。作業空間α、βには、非接触型ICカード(RFIDカード)を認識するRFIDアンテナ8a(センサ)が、作業空間α、β内のテーブル8内に配置されている。このRFIDアンテナ8aは、各作業空間に配置されるインデクス・アクセスポイントサーバ10に接続されている。利用者が携帯している携帯型機器4、利用者のIDカードおよび紙文書には、RFIDタグが貼付されている。これらは、上記作業空間α、β内に配置されたRFIDアンテナ8aによって認識される。
インデクス・アクセスポイントサーバ10は、作業空間α、β内に存在する機器に関する情報をネットワークを介して作業空間α、β内に存在する他の計算機に伝達する。図5に示すように、インデクス・アクセスポイントサーバ10は、個人ワークスペース検出手段41、多地点作業空間接続手段42、エリア別作業空間情報提供手段43及び連携対象インデクス手段44を備える。
個人ワークスペース検出手段41は、作業空間内に配置され、ハイブリッドピア・ツー・ピアネットワークによる通信を行うワークスペースピアとなる機器が存在する作業空間を検出するものであり、個人ワークスペースピアとなる携帯型機器4に付与されたIDをRFIDアンテナ8aから受け取ると、IDによって特定される個人ワークスペースピアの情報を連携対象インデクス手段44に通知する。ワークスペースは、機器IDやIDカードなどのセンサによって認識可能な識別子に対応付けられている。多地点作業空間接続手段42は、作業空間とは異なる地点に存在する作業空間との接続関係を仲介するものである。エリア別作業空間情報提供手段43は、各作業空間に関する情報をエリア別に保持し各作業空間に関する情報を要求に応じて提供する。
連携対象インデクス手段44は、個人ワークスペースピアのカレントの位置を保持し、各個人ワークスペースの所在に関する情報を一括管理する。個人ワークスペース検索手段22は、連携対象インデクス手段44に問い合わせることによって、当該個人ワークスペースの位置および同一時間帯に同一作業空間内に存在する他の個人ワークスペースを検出することができる。それら個人ワークスペースピアとの間で接続インタフェースを交換して個人ワークスペース間で協調作業空間を形成する。このため、各種機器上で動作する個人ワークスペースを対等な関係で接続することができる。
複合機(MFP)11は、個人ワークスペースピアPW等からの要求に応じて紙文書9をプリントする。スケジューラサーバ12は、作業空間の利用に対する予約を行えるものである。このスケジューラサーバ12は、スケジュール表を管理し、利用者は事前にスケジュール管理機構にログインして例えば参加する会議に事前登録をしておく。このとき、会議のスケジュールアイテムには開催場所や時間帯に関する情報が登録されている。
アクセス鍵発行サーバ13は、作業空間のコンテクストに応じたアクセス鍵を発行する。文書管理サーバ3、携帯型機器4、インデクス・アクセスポイントサーバ10が提供する機能はJavaServlet(Java:登録商標)上で実現される。これらのサーバ間での通信は、XML(Extensible Markup Language)形式のメッセージが交換されることによって実現される。なお、インデクス・アクセスポイントサーバ10、携帯型機器4、文書管理サーバ3は、独立した存在であり、任意のサーバ間でメッセージを交換することができる。各種機器では、JXTA等に代表されるピア・ツー・ピアフレームワークが実行されている。これにより、各種機器間で相互にピア・ツー・ピア型のネットワークを形成することができる。また、ピア間で互いに通信しあうことにより、各ピアが保持する情報をピア間で同期的に共有することができる。つまり、ピア・ツー・ピア型のファイル共有をおこなうことができる。
次に、本実施形態のソフトウエアが処理するデータの構造を説明する。まず、個人ワークスペースピアにおけるデータ構造について説明する。図6及び図7は個人ワークスペースピアにおけるデータ構造を示す図である。個人ワークスペースピア上で動作するソフトウエアは、図6及び図7に示す構造をした「個人ワークスペース131」データを保持し、後述する手順の処理を行う。個人ワークスペース131は、ピアID、現在位置ID、所有者、カレントアクセスポイントを含む。
図8はインデクス・アクセスポイントにおけるデータ構造を示す図である。インデクス・アクセスポイントピアIAP上で動作するソフトウエアは、図8に示す構造をした「インデクス・アクセスポイント141」データを保持し、後述する手順の処理を行う。インデクス・アクセスポイント141は、ピアID、アドレス、現在位置ID、アクセスポイント名、接続先指定UIアドレスを含む。
次に同一作業空間内のピアの検出についてのメッセージフローについて説明する。図9は、同一作業空間内のピアの検出フローである。作業空間α内には個人ワークスペースピアPWA乃至PWEが存在するものとする。作業空間α内のテーブル8に埋め込む形で設置されたRFIDアンテナ8aは、利用者が携帯しているノートPC、IDカード、紙文書に貼付されたRFIDタグを認識待ちの状態にある。RFIDアンテナ8aによってRFIDタグが検出された場合、または、それまでに存在していたタグが検出されなくなると、個人ワークスペースピアPWAは、図10のような形式をした「オブジェクト検出メッセージ161」を生成する。この「オブジェクト検出メッセージ161」は、「メッセージID(messageid)」、「送信日時(datetime)」、「送信元アクセスポイントピアID(originated)」、「検出・非検出フラグ(status)」、検出された「オブジェクトのID(objectid)」で構成される。なお、「検出・非検出フラグ(status)」には、新たなオブジェクトが検出された場合は、”detected”が、検出されなくなった場合は、”undetected”の値が設定される。
個人ワークスペースピアPWAは、オブジェクト検出メッセージ161を個人ワークスペースピアPWBに送る。個人ワークスペースピアPWBは、図11に示すような形式をした「オブジェクト検出転送依頼メッセージ162」を生成する。ここで、「オブジェクト検出転送依頼メッセージ162」は、「メッセージID(messageid)」、「送信日時(datetime)」、「送信元アクセスポイントピアID(originated)」、「検出/非検出フラグ(status)」、送信元のアクセスポイントピアが検出したオブジェクトに関する「オブジェクトID(objectid)」を含む。個人ワークスペースピアPWBは、生成したオブジェクト検出転送依頼メッセージ162を個人ワークスペースピアPW3に送る。これに対して、個人ワークスペースピアPWBおよびPWCは、協調ピア応答メッセージを生成して、個人ワークスペースピアPWAに送る。
また、個人ワークスペースピアPWAは、オブジェクト検出メッセージ161を個人ワークスペースピアPWDに送ると、個人ワークスペースピアPWDは、オブジェクト検出転送依頼メッセージ162を生成し、これを個人ワークスペースピアPWEに送る。オブジェクト検出転送依頼メッセージ162を受けた個人ワークスペースピアPWEでは、協調ピア応答メッセージを生成し、協調ピア応答メッセージを個人ワークスペースピアPWAに送る。これにより、作業空間α内において、個人ワークスペースピアPWA乃至PWEが検出される。
次に遠隔地との接続に関するメッセージフローについて説明する。図12は、遠隔地との接続に関するメッセージフローを示す。作業空間α内にインデクス・アクセスポイントピアIAP1、個人ワークスペースピアPWAおよびPWBが存在し、作業空間β内にインデクス・アクセスポイントピアAP2、個人ワークスペースピアPWCおよびPWDが存在するものとする。各作業空間α、βのテーブル8に埋め込む形で設置されたRFIDアンテナ8aは、利用者が携帯しているノートPC、IDカード、紙文書に貼付されたRFIDタグを認識待ちの状態にある。RFIDアンテナ8aによってRFIDタグが検出された場合、または、それまでに存在していたタグが検出されなくなると、作業空間α内のアクセスポイントピアAP1は、図10のような形式をした「オブジェクト検出メッセージ161」を生成する。
インデクス・アクセスポイントピアAP1は、「オブジェクト検出メッセージ161」送信の処理の際、上述のアクセスポイントピアAP1が保持する「リモートアクセスポイントピア参照集合」に保持されている「リモートアクセスポイントピア参照」の「状態」に”true”が設定されているインデクス・アクセスポイントピアAP2に対して、図11に示した「オブジェクト検出転送依頼メッセージ162」を生成する。
インデクス・アクセスポイントピアAP1は、オブジェクト検出メッセージ161を個人ワークスペースピアPWAおよびPWBに送ると共に、ワークスペースピア検出転送依頼メッセージ162を作業空間βのインデクス・アクセスポイントピアAP2に送る。インデクス・アクセスポイントピアAP2は、インデクス・アクセスポイントピアAP1から「オブジェクト検出転送依頼メッセージ162」を受信すると、当該メッセージ中に含まれているオブジェクトIDを含む「オブジェクト検出メッセージ161」を生成して、当該リモートアクセスポイントピアが同じ作業空間内に存在していると認識されている機器を表すすべての個人ワークスペースピアPWCおよびPWDに対して、当該生成した「オブジェクト検出メッセージ161」を送信する。これにより、作業空間αおよびβ内において、個人ワークスペースピアPWA乃至PWDが検出される。
[連携対象ピアの発見]
図13は連携対象ピア発見の処理フローチャートである。個人ワークスペースピアPWとなる機器には、RFIDタグが組み込まれている。各作業空間α、βには、当該各携帯機器のRFIDタグのIDを認識する机型のRFIDアンテナ8aが設置されている。利用者が持ち込んだ携帯型機器4をRFIDアンテナ8a内蔵テーブル8に置くと、RFIDタグが認識される。これにより、携帯型機器4が当該作業空間内に存在することを認識する。机型RFIDアンテナ8aに接続されたインデクス・アクセスポイントサーバ10は、各作業空間内に存在するインデクス・アクセスポイントサーバ10に当該机型RFID上で検出された個人ワークスペースピアのIDを通知する。ここで、通知先となるインデクス・アクセスポイントのネットワークアドレスは、現在位置IDによって特定されるアドレスとして管理されている。例えば位置IDがIPアドレスとして表現されている。
インデクス・アクセスポイントサーバ10は、上記で報告のあった個人ワークスペースピアIDに関する情報をインデクス・アクセスポイント141の「カレントピア集合」保持する(ステップS101)。個人ワークスペースピアPWでは、「共有文書履歴集合」に、新しい「共有文書履歴136」が生成され、そのときの日時が「開始日時」に、現在位置のIDが「位置ID」に登録される(ステップS102)。個人ワークスペースピアPWでは、当該作業空間内に存在するインデクス・アクセスポイントサーバ10に対して問い合わせることによって、同じ作業空間内に存在する個人ワークスペースピアPWを検索するとともに、現在位置IDを、当該ピアの「現在位置ID」に登録する(ステップS103)。
このとき、個人ワークスペースピアPWの場合、個人ワークスペース131の「協調個人ワークスペース集合」に、発見された個人ワークスペースピアのピアIDを登録する(ステップS104)。検索は、P2P型の検索がおこなわれる。つまり、まず最初は、サブネット上の全ピアについて検索し、ゲートウェイピアによって接続された他のサブネットが検索され、見つかったものが検索要求元に報告される。
[作業空間の形成と文書共有]
図14は文書共有における処理フローチャートである。図21は、個人ワークスペースユーザインターフェース201である。個人ワークスペースUI201は、当該利用者が個人的に所有しているファイル群の一覧を表示する「個人文書ファイルリスト203」と、同じ場所に存在する他の個人ワークスペースピアPWとの間で共有する文書を一覧する「共有文書ファイルリスト204」で構成される。ここで、「個人文書ファイルリスト203」に一覧されているファイル群は、文書管理サーバ103上に保存されている。
この個人ワークスペースUI201上で、「個人文書ファイルリスト203」上に表示されたファイルを選択して「共有文書ファイルリスト204」上にドラッグ&ドロップをおこなう(ステップS201)と、当該文書が、共有文書として共有文書空間に文書のアドレスが登録される(ステップS202)。これにより、カレントの共有文書履歴134の「共有文書集合」に、あらたな共有文書135のデータが生成されて登録される(ステップS203)。この際に、共有文書のアドレス(URL)と当該共有文書の文書タイプが登録される。
上記の処理と同時に、当該共有文書に関する情報が、当該個人ワークスペースピアPWが「協調個人ワークスペース集合」に保持する個人ワークスペースピアPWとの間でリアルタイムに共有され(ピア・ツー・ピアのフレームワークが提供する機能によってピア間でデータが伝播される)、当該共有文書情報を受け取ったの個人ワークスペースピアPWでは、当該共有文書に関する情報を、カレントの共有文書履歴134の「共有文書集合」に、あらたな共有文書135のデータを生成して登録する。
作業空間α、β内に置かれたRFIDアンテナ8aによって紙文書または、電子ペーパに貼られたIDタグが認識されると、そのIDタグに対応して予め文書管理サーバ3上に保存されている電子文書を取り出して共有文書として登録する。この対応関係は、複写した際、または、ネットワーク経由でプリントが指示された際に、複合機11内のストレージに印刷対象の文書が自動的に保存されると共に、出力文書と同一のIDを付与することで実現される。付与されるIDの中には、保存されている複合機11のアドレスが含まれており、そのアドレスを用いて電子版の文書が取得される。
[遠隔地との接続]
図15は、遠隔地との接続時の処理フローチャートである。各作業空間α、βには、各作業空間を代表するアクセスポイントサーバ10が設置されている。個人ワークスペースピアPWは、当該個人ワークスペースピアPWが存在するカレントの作業空間に関する「カレントアクセスポイント」をP2Pネットワーク上で検索し、登録する(ステップS501)。カレントのアクセスポイントが提供する接続先指定用のユーザインタフェース(Javaアプレット(Java:登録商標))を呼び出す(ステップS502)。当該ユーザの個人ワークスペース131が保持する過去の接続先リストの中から接続先を選択する(ステップS503)。なお、接続先を指定すると、その結果が当該作業空間内に存在するすべてのユーザの個人ワークスペースのローカルの接続先リスト履歴に追加される。
ユーザが接続先を選択、または、新たな接続先URIを入力すると、当該接続先に相当するアクセスポイントサーバ10がネットワーク30上で検索される(ステップS504)。アクセスポイントサーバ10は、一定時間毎にP2Pネットワーク内を検索し、発見された同一コンテクスト下にあるピア(アクセスポイントが網羅する作業空間内に現在存在する個人ワークスペース)を保持する。
個人ワークスペースピアPWでは、文書共有の際に、カレントのアクセスポイントと接続関係にある他のアクセスポイントが保持するピアを同一コンテクスト下にあるピアとして共有文書に関する情報を共有する(ステップS505)。具体的には、アクセスポイントサーバ10間で変更情報を伝播させる。
[コンテクストに基づく文書へのアクセス]
図16は、コンテクストに基づく文書へのアクセス時の処理フローチャートである。利用者は図21に示す個人ワークスペースUI201を通じて、連想的に文書を取り出すことができる。この個人ワークスペースUI上201では、個人ワークスペースピアPWに格納されている共有文書履歴集合に保存されている過去のコンテクストが「コンテクスト一覧206」に時系列でリストされており(ステップS601)、この中から任意のコンテクストを選択すると(ステップS602)、該当するコンテクストに関する情報が表示される(ステップS603)。ここで、コンテクストに関する情報には、日時、場所、選択されたコンテクストに関する文書集合、そのときの参加者集合などが含まれる。
一方、上記の手続きを経て、過去のコンテクストで共有された文書が個人ワークスペースUI201上でアクセスされると、当該文書をアクセスした日時と当該アクセスした利用者のメールアドレスが、アクセス履歴として登録される(ステップS604)。これによりプライバシが保持される。なお、各文書に関するアクセス履歴は、アクセス履歴一覧ビューを呼び出すことによって表示できる。
[人的ネットワークビューの表示]
図17は、人的ネットワークビューの表示処理フローチャートである。図22は人的ネットワーク表示ユーザインタフェース301を示す図である。図21に示す個人ワークスペースUI201のコンテクスト履歴一覧のポップアップメニューから「人的ネットワーク図212」を選択すると(ステップS701)、共有文書履歴134に保存されている利用者集合に基づいて、過去における時間当たりの共同作業の頻度を計測し、それに基づいて利用者間の強度を計算する(ステップS702)。その結果を図22のような顔写真アイコンをネットワーク状に俯瞰した人的ネットワークビュー302として表示する(ステップS703)。図22において、強度が強いほどリンクの長さが短いことを示す。
この俯瞰図上で、任意のユーザのアイコンを指示すると、当該ユーザが参加した会議コンテクスト一覧ビュー303が表示され(ステップS704)、その中からコンテクストを指定すると、図21に示す個人ワークスペースUI201上に、当該指定されたコンテクストに関する情報が表示される(ステップS705)。
[グループアウェアネスの表示]
図18は、グループアウェアネスの表示処理フローチャートである。図23は、グループアウェアネスユーザインターフェース401を示す図である。図21に示す個人ワークスペースUI201の「メンバ活動状況一覧207」ボタンを選択すると(ステップS801)、個人ワークスペースピアPWが保持する「グループメンバ133」に登録されているメンバが所有者となっている個人ワークスペースの「現在位置」から、図23のような俯瞰図を表示する(ステップS802)。これにより他の利用者の作業状況を把握することができる。
[電子メールによるコンテクストの交換]
図19は、電子メールによるコンテクストの交換処理フローチャートである。
図24は、電子メール送信ユーザインタフェースを示す図である。共有文書履歴134が生成されると、当該共有文書履歴134に対応するWebページが自動的に生成され(ステップS901)、Webブラウザを介してアクセスすることができる。
図21に示す個人ワークスペースUI201上のコンテクスト一覧206の中からコンテクストを指定し、ポップアップメニューから「電子メール211」を選択すると、図24に示すように、当該生成されたWebページのアドレスを本文中に含んだ電子メールメッセージウィンドウ501が表示され、利用者は、このメールシートを送る(ステップS902)。受信者は、受け取ったメールシート中に含まれるURLを表示することで(ステップS903)、該当するWebページにアクセスすることができる。
[協調作業の終了]
図20は、協調作業の終了処理フローチャートである。携帯型機器4に組み込まれたセンサによって認識される作業空間が変化すると、コンテクストの終了として認識される(ステップS1001)。コンテクストの断片がWebページとして生成されてWebサーバ上に出力される(ステップS1002)。スケジューラにログインし、スケジューラ上の該当する時間帯に上記Webサーバに出力されたWebページのアドレスが登録される(ステップS1003)。既に予約が入っている場合は、そのコメント欄に追記し、予約がない場合は、新しいエントリを生成して追加する。
図25は、カレンダーシステム上のユーザインタフェース701を示す図である。図21に示すサービス起動のユーザインタフェース220上の「コンテクスト履歴メニュー」上で、「カレンダー210」を選択すると、図25に示すようなカレンダービュー701が表示される。このカレンダービュー701上には、「コンテクスト」データ中の「日時」フィールドと「場所」フィールドに基づいて、過去のコンテクストがカレンダー上に表示される。カレンダービュー701の左半分は、月単位で表示される「月次ビュー702」であり、右半分は日単位で表示される「日次ビュー703」である。利用者は、日次ビュー703上に表示されるコンテクストを選択すると、選択された日時のコンテクストに関する、日時、共有文書、参加者、開催場所、キャプチャ映像に関する情報が、図24に示すような形式のコンテクスト表示ウィンドウ601として表示され、さらに、参加者、または、共有文書を選択することによって、それらに関する詳細な情報を得ることができる。
図21に示すサービス起動のユーザインタフェース220上の「コンテクスト履歴メニュー」上で、「電子メール211」を選択すると、図24に示すような電子メールメッセージウィンドウ501が表示される。このメッセージの本文部は、先にWebサーバ上にHTML形式で出力されたコンテクストスナップショット(「コンテクスト」の「スナップショット」フィールドに格納されている)のURLがメッセージ本体に自動的に書き出されており、利用者は、送信先とメッセージのタイトルを入力して送信ボタンを押すことによって、当該メッセージが送信先に送付される。
一方、当該メッセージの受信側では、メッセージ本対中に書き出されたコンテクスト断片のURLをクリックすることで、当該コンテクストに関する情報を閲覧するとともに、共有された文書を取り出すことができる。
[遠隔地の作業空間を結んだ作業空間の共有処理]
作業空間αに設置されたアクセスポイントピアAP1は、作業空間βなどの遠隔地に存在する作業空間との作業空間の共有を設定するための、図26に示すような外観をした「遠隔地接続先設定用画面801」を提供する。この画面には、図8に示すデータ構造をした「アクセスポイント141」の「接続先142」に保持されている接続候補となる遠隔地のアクセスポイントピアAPの集合が、画面上の「所在地選択リスト」、および「接続先リスト上」に表示され、この中から利用者が作業空間を共有する接続先を指定し、「接続ボタン」を押すことにより、当該指定された「リモートアクセスポイントピア参照中」の「接続状態」に真(true)が設定され、接続先として格納される。
また、接続対象がリスト上に表示されない場合、「接続先リスト」上のポップアップメニュー上で「add」を選択すると、図26に示すような「遠隔地接続先登録ウィンドウ901」が表示され、このウィンドウを通じて、接続候補となるアクセスポイントピアの「所在地」、「作業空間名」、「接続先」を登録する。
また、図5で示した組織活動記録装置50は、上述した以外の以下のような機能を有する。
[ワークスペースの多様性]
まず、ワークスペースの多様性について説明する。個人ワークスペース提供手段21が管理するワークスペースは、例えば個人のデスクトップ環境である。各個人ワークスペースピアのデスクトップ環境は、ユーザ個人が操作する領域と、同一時間帯かつ同一作業空間内に存在する他の複数のユーザ間で共有する領域に分かれている。ワークスペース統合手段23は、複数の個人ワークスペースピアで操作を共有できる共有のデスクトップ環境を構成する。これにより、共有領域上でのデータと操作が、他の作業者との間でリアルタイムで共有される。このため、現実の作業環境上で、複数の利用者が持ち寄ったデスクトップ環境を合成して協調作業環境を形成できる。
また、個人ワークスペース提供手段21が管理するワークスペースは、例えば個人が管理するファイル集合である。個人が個人ワークスペースピアが管理するファイル集合は、ユーザ個人が所有する文書ファイル群と、同一時間帯かつ同一作業空間内に存在する他の複数のユーザ間で共有する文書群によって構成されている。ワークスペース統合手段23は、複数の個人ワークスペースピア間でファイルを共有できる共有ファイル集合を構成する。これにより、共有文書群に関する情報が、他の利用者との間でリアルタイムに共有される。よって、現実の作業環境上で、複数の利用者が持ち寄った文書群を共有する空間を形成できる。
[作業空間内の個人ワークスペースの認識]
次に、作業空間内の個人ワークスペースの認識について説明する。個人ワークスペースピアを、機器IDやIDカードなどのセンサによって認識可能な識別子に対応付けておく。RFIDアンテナ8aは、個人ワークスペースピアPWのIDを検出する。RFIDアンテナ8aに接続されたアクセスポイントサーバ10の個人ワークスペース検出手段41は、検出されたIDで特定される個人ワークスペースピアPWに対して当該個人ワークスペースピアPWが検出された場所をネットワーク経由で通知する。各個人ワークスペースピアPWでは、アクセスポイントサーバ10から送られてきた所在情報を受信して各自のワークスペースが現在存在する現実空間内の作業空間を認識する。これにより、対象物を確実に識別することができる。
RFIDアンテナ8aに代えて、個々の作業空間内に設置された生体センサを用いるようにしてもよい。個人ワークスペース提供手段21が提供するワークスペースは、個々の利用者に対応付けられている。生体センサは、各利用者の指紋、顔、網膜パターン、声紋、手の形状、顔温度分布等の利用者の生体上の特徴量を個人ワークスペース検出手段に送る。個人ワークスペース検出手段41は、生体上の特徴量に基づいて、各利用者の生体上の特徴量に対応付けられている個人ワークスペースピアの存在を認識し、個人ワークスペース検出手段41は、当該作業空間内で検出された利用者に対応付けられたワークスペースに対応するピアの情報を、連携対象インデクス手段44に通知する。このため、IDカードや携帯機器を持ち歩くことなく、作業空間内に配置されたセンサが、人間に対応つけられたワークスペースを識別することができる。これにより、IDカードや携帯機器を持ち歩くことなく、人間に対応つけられたワークスペースを識別することができる。
個人ワークスペース提供手段21が提供するワークスペースの所在は、利用者が、個人ワークスペース検索手段22に対して、それらの所在を明示的に指定することによってワークスペースを識別することができる。よって、作業空間内にセンサを配置する必要がないため、安価な構成が可能になると共に、センサを設置することが難しい場所においても利用することができる。
個人ワークスペース提供手段21が提供するワークスペースの所在は、機器の所在に対応付けられている。利用者が、個人ワークスペース検索手段22に対して、同じ場所に存在する他の機器の存在を明示的に指定する。例えば、利用者が、連携対象とする機器をリスト上から選択したりするなどして連携関係を設定しようとする機器を指定する。同じ作業空間内に存在する個人ワークスペースピアに関する情報が個人ワークスペースピア間で共有伝播され、同じ作業空間内に存在する個人ワークスペースピア群を認識できる。これにより、作業空間内にセンサを配置する必要がないため、安価な構成が可能になると共に、センサを設置することが難しい場所においても利用することができる。
[セキュリティ上安全なワークスペースの連携・合成]
アクセス鍵発行サーバ13は、各コンテクストに応じた唯一のアクセス鍵を発行する。個人ワークスペース検索手段22によって個人ワークスペースが認識されると、当該個人ワークスペースの個人ワークスペース提供手段21に対して、上記アクセス鍵発行サーバ13が発行した各コンテクストに対応したアクセス鍵が送られる。ワークスペース統合手段23は、アクセス鍵を照合して個人ワークスペースを統合した協調作業空間としての管理をおこなう。このように、同一作業空間内(遠隔地間で接続されている場合も含む)で認識されているワークスペース管理機構のみに、連携関係の設定を制限する。コンテクスト(同一時間帯と同一の作業空間)に対応付けられたアクセス鍵(クレデンシャル)が各ワークスペース管理機構に発行され、連携関係の設定時に照合されるので、同一作業空間内に存在するワークスペースのみとの間での連携に限定し、セキュアな連携をおこなうことができる。
スケジューラサーバ12は、利用者が事前にログインして作業空間の利用予約をおこなうためのものである。スケジューラサーバ12は、スケジュール表を管理する。利用者は事前にスケジューラサーバ12にログインして参加する会議に事前登録をしておく。会議のスケジュール表には、開催場所や時間帯に関する情報が登録されている。個人ワークスペース検索手段22によってワークスペースが認識されると、ワークスペース統合手段23は、当該認識された個人ワークスペースの所有者が、スケジューラサーバ12に問い合わせて、当該時間帯と作業空間の利用を予約しているかどうかを確認する。ワークスペース統合手段23は、利用者が当該時間帯と作業空間の利用を予約している場合に限り、個人ワークスペースの統合を行う。このため、利用する時間帯と場所を予め予約しておくことによって、予定外の個人ワークスペースとの間での統合を抑制し、セキュアな協調作業空間の形成をおこなうことができる。
ワークスペース統合手段23は、利用者が事前に予定する時間帯での作業空間の利用に関するパスワードを発行する。例えば、参加予定者に対して時間と場所に対応付けられたワンタイムパスワードが発行される。個人ワークスペース提供手段21は、当該パスワードを保持しておく。個人ワークスペース検索手段22によってワークスペースが認識されると、ワークスペース統合手段23は、当該認識された個人ワークスペース提供手段22が保持しているパスワードを照合し、問題がなければ当該個人ワークスペースを統合して協調作業空間を形成する。このため、利用する時間帯と場所に対応つけられた、予約された時間と場所でのみ有効なパスワードが発行されるため、予定外のワークスペースとの間での連携を抑制し、セキュアな連携をおこなうことができる。
ワークスペース統合手段23は、過去のワークスペースの統合履歴に基づいてワークスペース間の信頼度を計算し、保持している。ワークスペース統合手段23は、閾値以上の信頼度がある個人ワークスペースとの連携の際には認証処理をおこなわず、閾値以下の信頼度の信頼度のワークスペースとの統合の際には認証処理をおこなう。これにより、過去の共同作業の実績に基づいて構築される信頼関係に基づき、信頼関係の強い個人ワークスペースとの間での連携には認証を省略し、信頼関係の弱い個人ワークスペースとの間での連携には認証をおこなうようにして、利用者に対して過度な認証処理を必要とさせないようにすることができる。
[効果的な連携関係の設定]
ワークスペース統合手段23は、作業空間毎に、過去に統合したワークスペースに関するワークスペースピアのアドレスをキャッシュ内に保持している。ワークスペース統合手段23は、個人ワークスペース検索手段22によって個人ワークスペースが認証されると、ネットワーク上を検索する前に、当該キャッシュ内に保持されているアドレスを調べて連携対象となるワークスペースピアのアドレスを調べる。これにより、作業空間内で頻繁に連携関係が設定される個人ワークスペースに関しては、それらを連携時に、毎回、ネットワーク上で検索する必要がなくなるため、高速に連携関係を設定することができる。
ワークスペース統合手段23は、コンテクストの特徴(メンバ構成、日時、場所)に対応付けて、過去に統合したワークスペースに関する個人ワークスペースピアのアドレスを保持している。ワークスペース統合手段23は、個人ワークスペース検索手段22によってワークスペースが認証されると、ネットワーク上を検索する前に、当該コンテクストに対応付けて保持されているアドレスを調べて連携対象となる個人ワークスペースピアのアドレスを調べて連携関係を設定する。これにより、複数の作業空間同士で日常的に接続する場合や、利用者が頻繁に作業空間を利用する場面において、あるコンテクスト下で頻繁に連携関係が設定される個人ワークスペースピアに関しては、それらを連携時に、毎回、ネットワーク上で検索する必要がなくなるため、高速に連携関係を設定することができる。
[ワークスペース接続インタフェースの形式]
個人ワークスペース提供手段21は、ワークスペース接続インタフェースを、映像入出力、音声入出力、操作イベントで構成される入出力チャンネルに関する属性として記述する。ワークスペース統合手段23は、当該ワークスペース接続インタフェースに基づいて、プロトコル変換やフォーマット変換をおこなうことによって、ワークスペースを統合する。このため、個人ワークスペース上での映像や音声によるコミュニケーションや共同作業空間上での操作イベントを統一的な接続形式に従って接続することで、広域かつオープンな協調作業空間の形成ができる。
[コンテクストのセグメンテーション]
個人ワークスペース検索手段22は、個々の個人ワークスペースピアが作業空間内に存在していた時間帯を、当該個人ワークスペースピアにとってのコンテクストの開始・終了時刻として扱う。つまり、個人ワークスペース検索手段22は、各ワークスペースごとに、作業空間内に入室して認識された時刻から退出時刻までをコンテクストとして扱う。このため、ワークスペースが作業空間内に存在していた時間だけがそれぞれにとってのコンテクストとして扱えるため、コンテクストの切り出しを個別に管理でき、長時間の会議の中でメンバが入れ替わるような場合であっても、各利用者は自分に関連する部分のコンテクストだけを切り出して管理することができる。なお、活動記録手段24は、検出されたコンテクストを単位として個々の利用者別にコンテクストの履歴を記録してゆく。
個人ワークスペース検索手段22は、最初にいずれかの個人ワークスペースピアが作業空間内で認識された時間から、すべての個人ワークスペースピアが認識されなくなるまでの時間帯を、当該個人ワークスペースにとってのコンテクストの開始・終了時刻として扱う。つまり、個人ワークスペース検索手段22は、最初に検出対象(個人ワークスペース)が入室した時刻から、最後に退出した利用者までの時刻までをひとつのコンテクストとして扱う。このため、利用者は、途中で退出したとしても、他のメンバ全員が退出するまでのコンテクストを共有することができる。なお、活動記録手段24は、検出されたコンテクストを単位としてコンテクストの履歴を記録してゆく。
スケジューラサーバ12は、利用者が事前に利用予約をおこなうためのものである。個人ワークスペース検索手段22は、個人ワークスペースが作業空間内で認識された時間と、スケジューラサーバ12に登録された時間帯を照合し、参加予定者や検出開始時刻と検出終了時刻に大きな差が見られない場合は、スケジューラサーバ12に登録された時間帯を、当該個人ワークスペースにとってのコンテクストの開始および終了時刻として扱う。このように、予め登録されているスケジュール表中のスケジュールアイテムに登録されている、当該作業空間に関する開始時刻と終了時刻をコンテクストの切り出しの際に利用することで、利用者の入退出時刻に多少の違いがあったとしても、スケジュール表に登録されている時間によって、コンテクストの開始と終了時刻を補正することができる。なお、活動記録手段24は、検出されたコンテクストを単位としてコンテクストの履歴を記録してゆく。
個人ワークスペース検索手段22は、作業空間内で認識されるワークスペースに大きな変化が見られた時点を境界として時間帯を切り出し、ワークスペースにとってのコンテクストの開始および終了時刻として扱う。つまり、個人ワークスペース検索手段22は、ある一定以上の変化が生じた場合に、コンテクストの切り替え時点であると認識し、利用者集合や構成機器集合の変化に基づいてコンテクストの開始時刻と終了時刻を特定する。このため、連続している会議で一部のメンバが重複しているような場合であっても、参加者のメンバの大部分が入れ替われるような状況が検出できれば、利用者は、作業空間から退出したりすることなく、別のコンテクストとして認識することができる。なお、活動記録手段24は、検出されたコンテクストを単位としてコンテクストの履歴を記録してゆく。
個人ワークスペース検索手段22は、作業空間内で認識される個人ワークスペースを細かく記録するとともに、会議の開始・終了、機器の利用開始と終了、参加者の移動などのイベントを階層的に構造化し、当該個人ワークスペースにとってのコンテクストとして保存する。このように、発生するイベントに基づいて階層的にコンテクストをセグメンテーションし、発表者の切り替わりや資料の切り替わり、参加者の入退出等に基づいてコンテクストが階層的に組織化される。それら階層的なコンテクストに基づいて作業履歴がこまかく切り出されてゆく。このため、後でコンテクストの履歴に基づいて共有文書や参加者などを検索する際に、検出された細かいコンテクストの変化を手がかりにして取り出すことができる。なお、活動記録手段24は、このようにして検出されたコンテクストを単位としてコンテクストの履歴を記録してゆく。
[抽象コンテクストの抽出]
個人ワークスペース検出手段41は、作業空間内で検出される、参加者の人数、参加者の所属組織や役職から会議のフォーマル度を判別し、コンテクスト情報を構成する付加情報として追加する。この情報を利用して、コンテクスト履歴から過去のコンテクストを検索する。このため、コンテクスト履歴の中から過去のコンテクストを検索する際に、会議のフォーマル度を利用して検索することができる。
個人ワークスペース検出手段41は、作業空間内で検出される、日時と開催場所、参加者の人数、参加者の所属組織と役職から会議体(経営会議、運営会等)を判別し、コンテクスト情報を構成する付加情報として追加する。この情報を利用して、コンテクスト履歴から過去のコンテクストを検索する。このため、コンテクスト履歴の中から過去のコンテクストを検索する際に、会議体の名称を利用して検索することができる。
個人ワークスペース検出手段41は、現実の作業空間上で認識される情報(参加者、場所など)とデジタルの世界で認識される情報(使用している文書、ソフトウエア等)を組み合わせて、より詳細な活動内容に関するコンテクストを抽出する。この情報を利用して、コンテクスト履歴から過去のコンテクストを検索する。このため、コンテクスト履歴の中から過去のコンテクストを検索する際に、現実世界の事象として検出される情報と計算機上での操作によって検出される情報を組み合わせて、より、詳細な活動内容を検出し、その結果をコンテクストの検索に利用することができる。例えば、使用している電子文書中のコンテンツから、キーワードベクトルを抽出して会議の内容を把握し、参加者とキーワードを対応つけておき、同様のコンテクスト間でリンクを設定する。
[複数の遠隔地間での作業空間の形成]
次に、複数の遠隔地間での作業空間の形成について説明する。多地点作業空間接続手段42は、他の作業空間との接続関係を仲介するものである。ワークスペース統合手段23は、多地点作業空間接続手段42を通じて、接続関係にある他の作業空間との間で、作業空間内で認識されたワークスペースに関する識別情報(アドレスまたはID)を交換し、ワークスペースをあたかも同じ作業空間内に存在するものとして統合する。具体的には、それぞれの作業空間内に存在する機器をそれぞれの作業空間内のアクセスポイントサーバ10に接続すると、多地点作業空間接続手段42を介して作業空間内に存在する個人ワークスペースに関する情報がリアルタイムで共有され、当該作業空間内に存在する利用者のワークスペースを統合して協調作業空間を形成する。このため、遠隔地に存在する複数の作業空間を結んで、仮想的にひとつの作業空間を形成し、あたかも同じ作業空間に存在しているような感覚で、当該作業空間内で認識されるワークスペースを統合することができる。
エリア別作業空間情報提供手段43は、各作業空間に関する情報をエリア別に保持し該各作業空間に関する情報を提供する。ワークスペース統合手段23は、階層的な構造をした名前として特定される接続先の作業空間名に基づいて、エリア別作業空間情報提供手段43に問い合わせをおこない、接続先となる他の作業空間に対応するワークスペース統合手段を特定し、遠隔地の作業空間内で認識されたワークスペースに関する識別情報(アドレスまたはID)を交換し、複数の遠隔地間で個人ワークスペースの統合による協調作業空間の形成をおこなう。これにより、遠隔地に存在する複数の作業空間を結んで、仮想的にひとつの作業空間を形成し、あたかも同じ作業空間に存在しているような感覚で、当該作業空間内で認識されるワークスペースを統合することができる。なお、作業空間名は、ロケーションの範囲に対応した階層的な構造の名前で管理されており、各ロケーション範囲のピア群に関する情報をキャッシュするピア(ネームサーバに類似した機能)が存在し、検索時には、それらのワークスペースピアに問い合わせることによって遠隔地に存在するピアを特定する。
ワークスペース統合手段23および多地点作業空間接続手段42は、電話やTV会議システム等の既存のコミュニケーションシステムと連動し、このコミュニケーションシステムで、通信相手との間に通信回線の接続が開始した時点から、接続先の作業空間の双方の間で、作業空間接続手段を介して個人ワークスペースに関する識別情報(アドレスまたはID)を交換し、遠隔地に存在する、ひとつないしは複数の個人ワークスペースのピアを、あたかも同じ作業空間内に存在するものとして連携するとともに、当該接続関係にある個人ワークスペース間で共有される文書に関する情報を、逐次、多地点作業空間接続手段42を介して交換し、共有する。
このように、電話やTV会議システムと連動し、利用者が電話またはTV会議システムを用いて相手を呼び出した時点、または、相手から呼び出された時点で、当該発信元のアクセスポイント(作業空間接続手段に相当)と発信先のアクセスポイントとの間で自動的にアクセスポイント間の接続関係が設定され、そのアクセスポイントを介して、遠隔地の個人ワークスペース間で共有文書に関する情報をリアルタイムで共有する(変化があった場合は、その結果が通知される)ことにより、遠隔地に存在する複数の個人ワークスペースを結んだ共同作業空間の形成を可能にする。これにより、遠隔地との接続の開始に際して、アクセスポイントの機能を用いて、遠隔地のアクセスポイントとの接続関係を明示的に設定しなくても、電話やTV会議システムで接続相手を呼び出す、または、呼び出されることによって、作業空間間で協調作業空間の形成をおこなうことができる。
多地点作業空間接続手段42は、電話やTV会議システム等の既存のコミュニケーションシステムと連動し、このコミュニケーションシステムでの通信が開始した時点から、接続地点の多地点作業空間接続手段42間で連携関係を形成する。各多地点作業空間接続手段42は、各多地点作業空間接続手段42が対象とする作業空間内に存在する個人ワークスペースピアのID集合を、接続関係にある遠隔地の作業空間接続手段との間でリアルタイムに共有する(変化があった場合は、その結果が通知される)。また、各多地点作業空間接続手段42は、接続関係にある遠隔地の作業空間に存在する個人ワークスペースピアのID集合を、当該多地点作業空間接続手段42が対象とする作業空間内のすべての個人ワークスペースピアに通知する(変化の都度、通知する)。さらに、各個人ワークペースピアが持つワークスペース統合手段23は、多地点作業空間接続手段42から通知された、遠隔地の個人ワークスペースピアに関するIDの集合に基づき、遠隔地の個人ワークスペースピアとの間で、直接的に共有文書に関する情報を交換・共有する。
このように、電話やTV会議システムと連動し、利用者が電話またはTV会議システムを用いて相手を呼び出した時点、または、相手から呼び出された時点で、当該発信元のアクセスポイント(作業空間接続手段に相当)と発信先のアクセスポイントとの間で、自動的にアクセスポイント間の接続関係を設定し、各作業空間内に存在する個人ワークスペースピアの集合に関する情報をリアルタイムに共有するとともに、各アクセスポイントが網羅する作業空間内の個人ワークスペースピア、または、個人ワークスペースインデクスに対して、遠隔地の個人ワークスペースに関する情報を通知する。これにより、遠隔地との接続の開始に際して、遠隔地のアクセスポイントとの接続関係を明示的に設定しなくても、電話やTV会議システムで接続相手を呼び出す、または、呼び出されることによって、作業空間間で協調作業空間の形成をおこなうことができる。
多地点作業空間接続手段42は、過去に接続先となった多地点作業空間接続手段の履歴を保持しており、接続時に、それら過去の接続先を一覧表示し、接続先の選択をおこなうことを可能にする。これにより、利用者は接続先となる接続ポイントの名前やアドレスを調べることなく、共同作業の頻度の頻度の多い作業空間については、即座に指定することができる。
多地点作業空間接続手段42は、遠隔地と接続して共同作業を行う際に、共同作業空間内で認識された利用者の集合から、過去の共同作業履歴から求められる他の利用者のうち、関係強度の強い利用者(共同作業をおこなった回数が多い利用者)の現在位置をネットワーク上で検索し、発見された場合に、その利用者が存在する作業空間に対応する多地点作業空間接続手段の一覧を提示し、接続先として指定することができる。これにより、利用者は接続先となる接続ポイントの名前やアドレスを調べることなく、接続先となる作業空間を即座に指定することができる。
活動記録手段24は、作業空間内において、ホワイトボードに書かれた画像、スチルカメラ、ビデオカメラによって撮影された映像、マイクによって収録された音声などを、共有のコンテクスト(日時と場所)に対応付けて記録する。後でコンテクストの履歴からアクセスすることができる。このため、作業空間に設置された機器を用いて新たに生成された情報や、会話などをコンテクストに対応付けて、共有文書として保存され、コンテクスト履歴から検索することによって再利用することができる。
活動記録手段24は、作業空間内において、PDAやノートPCなどの情報処理装置上で編集した、文書に対する注釈を個人のコンテクストに対応付けて記録し、後でコンテクストの履歴からアクセスすることができる。これにより、利用者が所持している機器を用いて新たに生成された情報や、会話などをコンテクストに対応付けて、私有文書として保存しておき、再利用することができる。
活動記録手段24は、作業空間内において、スキャナでスキャンした文書を個人のコンテクストに対応付けて記録し、後でコンテクストの履歴からアクセス可能にする。これにより、スキャナから入力された書籍や書類のスキャンイメージをコンテクストに対応付けて、私有文書として保存され、コンテクスト履歴から検索することによって再利用することができる。
活動記録手段24は、作業空間に設置されている情報提示装置(掲示板、行き先の受付等)によって公開されている情報を私有コンテクストに対応付けて記憶する。視覚情報提示装置は、提示している情報に関するIDを発信しており、そのIDを獲得して、ワークスペース内(個人ワークスペースや共有ワークスペース)に、そのときの日時や場所(コンテクスト)に対応付けて保存するとともに、日時や場所の記憶にもとづいて利用者が後でアクセスすることができる。これにより、作業空間に設置された情報掲示装置上に表示されている情報をコンテクストに対応付けて、私有文書として保存され、コンテクスト履歴から検索することによって再利用することができる。
紙文書や電子ペーパは、読み込み可能なIDを保持している。このIDには、当該紙文書や電子ペーパに対応付けられた電子文書のIDまたはアドレスが印刷時に付与されている。活動記録手段24は、このIDが作業空間内で認識されると、このIDに対応した電子文書を、そのときのコンテクストに対応付けて記録する。これにより、紙文書、または、電子ペーパが作業空間内で認識されることにより、それらに対応した電子文書が、当該コンテクスト下における共有文書として保存され、コンテクスト履歴から検索することによって再利用することができる。
ワークスペース統合手段23は、同一コンテクスト(同一時間帯かつ同一作業空間)に存在した利用者やドキュメントに対して相互に固定的なリンクを設定する。利用者は、それら設定されたリンクをたどることによって連想的にドキュメントや利用者に関する情報にアクセスすることができる。これにより、文書と利用者との間にリンクが自動的に設定されるため、後で、文書をキーにして他の利用者とのコンタクトを促進させることができる。
[状況に基づいた活動内容へのアクセスと再利用の促進]
以下のようにして活動内容へのアクセスと再利用を促進している。活動記録手段24は、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、各コンテクスト毎に、そのときにワークスペース上で共有した文書のサムネイルを一覧表示する。これにより、コンテクスト履歴の中からアクセスしたいコンテクストを検索する際に、文書のレイアウトから、同一コンテクスト下で使用された文書群を視覚的に想起することを支援することができる。
活動記録手段24は、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、各コンテクスト毎に、そのときの参加者の顔写真、または、作業空間内での座席配置を一覧表示する。これにより、コンテクスト履歴の中からアクセスしたいコンテクストを検索する際に、参加者の顔イメージトから、目的とするコンテクストを想起することを支援する。
活動記録手段24は、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、各コンテクスト毎に、作業がおこなわれた場所の作業空間の写真、または、作業中に撮影された写真を表示する。これにより、コンテクスト履歴の中からアクセスしたいコンテクストを検索する際に、作業空間のイメージ画像から、目的とするコンテクストを想起することを支援する。
活動記録手段24は、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、協調作業時に蓄積されるイベントの集合を階層的な関係として表示閲覧できるようにする検索機能を提供する。階層的に蓄積されるイベントの集合に基づいて、検索をおこない、目的とする資料を特定する。例えば、演台での発表者、発言者などが細かく記録されていれば、それらイベントに基づいて検索することができる。これにより、コンテクスト履歴の中からアクセスしたいコンテクストを検索する際に、検出可能な作業中に発生したさまざまなイベントに基づいて、目的とするコンテクストを想起することを支援する。
活動記録手段24は、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、作業空間内での参加者の位置(座った位置や演台位置など)や資料を提示した画面の位置などを記録しておき、後で利用者がコンテクストを検索する際に、作業空間の図に対応付けられてそれらの関係を時間的変化とともに表示する。これにより、コンテクスト履歴の中からアクセスしたいコンテクストを検索する際に、共同作業時の参加者の席の位置関係や、資料の提示位置などの空間的な位置関係の情報に基づいて、目的とするコンテクストを想起することを支援することができる。
活動記録手段24は、コンテクスト履歴を検索するためのユーザインタフェースとして、コンテクストの履歴をスケジュール表の形式で一覧できるようにする。利用者は、スケジュール表に表示されたコンテクストを選択して、そのコンテクストに関する各種情報にアクセスすることができる。これにより、コンテクスト履歴をカレンダーとして時系列的に表示し、利用者の時間的な記憶をもとに、目的とするコンテクストを想起することを支援する。
活動記録手段24は、コンテクストの断片を、HTML形式でWebサーバ上に出力するとともに、利用者が日常的に利用している既存のスケジュール管理システムに、当該コンテクストの日時に該当するスケジュールアイテムとして、当該出力したHTML文書のURLを自動的に登録し、スケジュール管理システムから、当該コンテクストに関する情報をアクセスすることを可能にする。これにより、現実の作業空間でのコンテクストに関する情報を、既存のスケジュール管理システム上からアクセスすることができるため、利用者は、それまでに利用してきたスケジュール管理システムを別のシステムに切り替えることなく、利用することができる。
活動記録手段24は、対象(文書、利用者、作業空間等)毎に、それらが存在していた日時と場所に対応するコンテクストを保持しており、選択された対象に関連するコンテクストの一覧を表示する。その中からコンテクストを選択することによって、当該コンテクストに関する各種情報にアクセスすることができる。これにより、対象に対して付与されたコンテクスト履歴を取り出すことによって、関連する過去の情報を連想的に取り出すことができる。
活動記録手段24は、ワークスペース上での利用者間での共同作業の頻度、文書交換の頻度、文書の提供/被提供関係の方向性などに基づき、利用者間の関係強度を計算し、それを人的ネットワークのビューとして俯瞰表示する。さらに、俯瞰表示上で利用者を指定すると、当該選択された利用者が関与した過去のコンテクストの履歴が表示され、それらコンテクストに関する各種情報にアクセスできる。これにより、利用者間の関係に基づいて組織内の活動状況を把握し、組織全体が保持管理する記憶として情報資源の再利用を促進することができる。
活動記録手段24は、各コンテクスト内で扱われた文書群に含まれるキーワード集合に基づいてコンテクスト間の類似度の距離が求められて俯瞰表示され、関連性の強いコンテクストにアクセスできる。これにより、文書間の類似性に基づいて組織内における同様の活動をおこなっている活動に関する状況を把握し、組織全体が保持管理する記憶として情報資源の再利用を促進することができる。
活動記録手段24は、コンテクストの断片を、HTML形式でWebサーバ上に出力するとともに、重要なコンテクスト(所定のコンテクスト)をブックマークの集合として記録しておき、必要なときに即座に呼び出すことができる。これにより、コンテクスト履歴に記録・保存されるコンテクストの中で、頻繁に参照されるコンテクストを、簡便な操作によって呼び出し、当該コンテクストに関する情報をアクセスすることを可能にする。
活動記録手段24は、コンテクストの断片を、HTML形式でWebサーバ上に出力するとともに、書き込み可能なIDを備えた電子ペーパや紙文書のIDに対して、当該サーバ上に出力されたコンテクストの断片のアドレスを対応付けておき、それを認識させることによって、過去のコンテクストを呼び出すことができる。これにより、コンテクスト履歴に記録・保存されるコンテクストの中で、頻繁に参照されるコンテクストを、消費電力が不要な印刷物の形で持ち歩いたり、紙文書の持つ閲覧性を利用して即座に目的とするコンテクストを特定できるようにすることに加え、当該コンテクストに関する情報を即座にアクセスすることを可能にする。
活動記録手段24は、カレントのコンテクスト(時刻と場所)における、利用者の集合、または、共有文書から抽出される特徴量(キーワード集合等)、作業場所、日時(曜日や時間帯など)に基づいて、同様のコンテクストを一覧し、それらコンテクストに関する各種情報にアクセスできるようにする。これにより、カレントと同じ状況の過去のコンテクストを容易にアクセスできるため、定例で同じ時間帯に同様のメンバでおこなっている会議などの場合、以前の会議に関するコンテクストを、検索することなく、即座に取り出すことができる。
[組織的な枠組みを超えた活動状況のアウェア]
活動記録手段24は、コンテクストの断片を、HTML形式でWebサーバ上に出力するとともに、そのコンテクストの断片のアドレス(URL)を電子メールシステムの電子メールとして送受信して交換できるようにする。これにより、該当コンテクスト下での作業に参加しなかった利用者も含め、多くの利用者間で、当該コンテクストに関する情報を交換し、アクセスできるようにする。
活動記録手段24は、コンテクスト履歴上に保存されているコンテクストに対して、掲示板システム上のトピックスや非同期型の議論システムのディスカッションスレッドを生成し、当該コンテクストに関連した非同期的な会話をおこなったり、資料を登録することを可能にする。これにより、リアルタイムでおこなった議論の後で、非同期的に議論をおこなってフォローアップしたり、議事録や関連資料を追加することができる。
活動記録手段24は、コンテクスト履歴上に保存されている過去の任意のコンテクストに関して、参加ユーザと、当該参加ユーザへのコミュニケーション手段を対応付けておき、ユーザをクリックすることで、自動的にコミュニケーション手段を呼び出すことができる。これにより、参加ユーザを指定することにより、自動的に電子メールシステムのメールシートがオープンし、電子メールを送信することを可能にしたり、自動的に電話をかけて会話することができる。
活動記録手段24は、予め登録した利用者の集合、または、関連性の高い利用者の集合に関して、カレントのコンテクストに関する情報を、常時、またはコンテクストに変化があった場合に表示する。これにより、利用者が関連するメンバに関する、現在の仕事の状況に関するアウェアネス(気付き)を得ることができる。
活動記録手段24は、コンテクストに応じて、利用者が所持している携帯電話を留守番電話モードに自動的に設定したり解除したりする。これにより、会議中のような場合、電話によって会議がインタラプトされることを防ぐことができる。
活動記録手段24は、同じグループのメンバと現在の自分の活動パターンに不一致が生じた場合に、アラームを警告する。これにより、例えば、参加すべき会議を忘れていた場合など、利用者に注意を喚起を促すことを可能にする。
活動記録手段24は、各コンテクストで共有された文書群からキーワードによる特徴量を抽出し、時系列的なキーワード集合の遷移ベクトルを形成し、複数のコンテクスト間で比較することにより、将来、興味が共通化すると思われるグループ間を互いに気付かせることができる。これにより、同様の内容を扱っている他のメンバの存在についての気付きを得ることができる。
[プライバシの管理]
個人ワークスペース提供手段21は、個人ワークスペースをネットワーク上に公開する際の公開範囲を予め利用者の集合として指定し、当該指定された利用者にのみ利用を制限する。このように、各ユーザ毎に、自分の存在を公開する範囲をユーザ個人で設定可能にする。さらには、各コンテクストに対応付けて設定できるようにする。これにより、利用者個人の所在や活動に関する情報が、不特定多数の利用者や想定外の利用者によってアクセスされ、プライバシが侵害されることを防ぐことができる。
個人ワークスペース提供手段21は、ワークスペースに対してアクセスした利用者の情報を履歴として保持し、利用者が必要とする時点でアクセス記録を閲覧、または、リアルタイムに表示する。自分の所在や自分が提供した文書に対して他の利用者がアクセスした履歴を保持し、ユーザはいつでもそれらのアクセス履歴をチェックすることができる。また、アクセスされた際には、リアルタイムでその旨が利用者にフィードバックされる。これにより、利用者が提供・開示した情報が、想定外の利用者によってアクセスされていないかどうかを知ることができ、開示範囲を、ある程度、把握することができる。
なお、本発明による組織活動記録方法は、組織活動記録装置50により実現される。また、プログラムをハードディスク装置や、CD−ROM、DVDまたはフレキシブルディスクなどの可搬型記憶媒体等からインストールし、または通信回路からダウンロードし、例えばCPUがこのプログラムを実行することで、各ステップが実現される。
このプログラムは、ハイブリッドピア・ツー・ピアネットワークによる通信を行うワークスペースピアとなる機器が存在する作業空間を検出するワークスペース検出手段から作業空間に関する情報を取得するステップ、同一時間帯かつ同一作業空間内に存在すると認識されるワークスペースを検索するワークスペース検索ステップ、前記ワークスペース検索ステップで検出されたワークスペースを統合して協調作業空間を形成するワークスペース統合ステップ、前記協調作業空間内での活動を時間と場所に対応付けて保存する活動記録ステップをコンピュータに実行させる。
なお、連携対象インデクス手段44がワークスペースインデクス手段に、作業空間利用予約手段が利用予約手段に、多地点作業空間接続手段43が作業空間接続手段に、エリア別作業空間情報提供手段43が情報提供手段にそれぞれ対応する。
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。