JP4491672B2 - 新規菌株 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常の殺虫活性を有するバチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)のある新規菌株に関する。
【0002】
【従来の技術】
バチルス・チューリンギエンシスは、グラム陽性の、好気性で、内生胞子を形成する細菌の大きいグループに属している。B.セレウス(B.cereus)またはB.アンセラシス(B.anthracis)のような他の非常に密接に関連したバチルス種とは異なり、バチルス・チューリンギエンシス(B.チューリンギエンシスまたはB.t.)種としてこれまでに知られているものの大多数は、それらの胞子形成過程において、その結晶構造のため一般に結晶体と称されることもある、副芽胞封入体を産生する。この結晶体は、殺虫活性のある結晶プロトキシンタンパク質、いわゆるδ−エンドトキシンから成る。
【0003】
これらのタンパク質結晶は、B.チューリンギエンシスの昆虫に対する毒性に寄与している。δ−エンドトキシンは、結晶体が経口摂取された後、これが標的昆虫の腸液に溶解されるまで、殺虫活性を発揮することはない。ほとんどの場合、実際の毒性成分は、昆虫の消化管からのプロテアーゼの作用によって引き起こされるタンパク質分解性の切断の結果として、プロトキシンから放出される。作物は、B.チューリンギエンシス、胞子またはタンパク質の毒素結晶、またはそれらの組合せを、殺虫効果のある量適用することによって、処理することができる。残念ながら、このようなB.チューリンギエンシスの殺虫性組成物は、このような処理に対し感受性があり、かつ容易に枯れてしまうような、ハクサイ、ホウレンソウおよびカラシナなどの一部の市場で重要な作物では使用することができない。米国では、低容量噴霧(1lb/10gal/エーカー、または1%)によりハクサイおよびホウレンソウが枯死することが報告され、かつ日本ではより被害が大きい。複数回の噴霧は、一層被害を増している。従って、ある種の植物に対する、B.チューリンギエンシスの植物毒性は、明確かつ経済的に重要な考慮すべき問題である。
【0004】
様々なB.チューリンギエンシス株のδ−エンドトキシンは、特定の標的昆虫に対する、特に様々な鱗翅目(Lepidoptera)、鞘翅目(Coleoptera)および双翅目(Diptera)の幼虫に対する高い特異性によって、およびこれらの幼虫に対する高度の活性によって特徴付けられている。B.チューリンギエンシス株のδ−エンドトキシンの使用における更なる利点は、この毒素がヒト、他の哺乳類、鳥および魚に対しては無害であるという事実にある。
【0005】
B.チューリンギエンシスの様々な殺虫性結晶タンパク質は、それらの活性スペクトルおよび配列の類似性を基に分類されている。ヒュフテ(Hofte)およびホワイトリー(Whiteley)によって発表された分類(Microbiol. Rev.、53:242-255(1989))により、公知の殺虫性結晶タンパク質は、4種の主要なクラスに分類された。一般に、これらの主要クラスは、活性スペクトル、すなわち鱗翅目に対するCryIタンパク質活性、鱗翅目および双翅目の両方に対するCryIIタンパク質活性、鞘翅目に対するCryIIIタンパク質活性、および双翅目に対するCryIVタンパク質活性によって定義される。
【0006】
各主要クラスにおいて、δ−エンドトキシンは、配列の類似性に従ってグループ化されている。CryIタンパク質は、典型的には、130〜140kDaプロトキシンタンパク質として生成され、これはタンパク質分解により切断され、約60〜70kDaの活性毒素タンパク質を生成する。このδ−エンドトキシンの活性部分は、完全な長さの分子のNH2-末端部分に存在している。ヒュフテ(Hofte)およびホワイトリー(Whiteley)(前記)は、公知のCryIタンパク質を、6グループ、すなわちIA(a)、IA(b)、IA(c)、IB、ICおよびIDに分類した(従ってタンパク質は、CryIE、CryIF、CryIG、CryIHおよびCryIXとしても特徴付けられている)。
【0007】
3種類のCryIAタンパク質の中でCryIA(c)は、ヒュフテ(Hofte)およびホワイトリー(Whiteley)(前記)によって、イラクサキンウワバ(トリコプラシア・ニ(Trichoplasia ni))に対する最も高い特異的活性を有しているものとして同定された。しかし残念ながら、1971年に単離され、かつ広く市販されている、B.チューリンギエンシス株HD-1に例証されるように、公知のCryIAを産生するB.チューリンギエンシス株は、優先的にCryIA(b)を産生する。
【0008】
結論として、比較的高レベルのCryIA(c)を産生し、それによって鱗翅目の害虫、例えば毛虫に対する高い特異的活性を発揮するような、B.チューリンギエンシスの新規菌株を同定しかつ単離し、それらから害虫駆除組成物を製造することが、依然農業及び作物生産地において必要と長い間痛切に感じられているが、満たされていない。望ましくは、このような改善された菌株は、低下した植物毒性を示す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、殺虫活性を有するバチルス・チューリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)の新規菌株を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、殺虫の目的について有用であるような新規B.チューリンギエンシス株を提供することによって、農業産業の長期間痛切に感じられ満たされることの無かった必要性に対処している。本発明のひとつの特徴は、この新規菌株が、トリコプラシア・ニ(T.ni)およびスポドプテラ・エクシグア(S.exigua)に対し、HD-1株よりも有意に高い効力を発揮することである。別の本発明の独自の特徴は、これらの新規菌株が、有益な割合の殺虫性タンパク質、特にCryIA型タンパク質の量に対して有意に増加した量のCryIA(c)タンパク質を示すことである。更に別の本発明独自の特徴は、新規F810株が、枯死に感受性のない植物に存在する菌株よりも有意に良好であることである。本発明の利点は、菌株、それらの誘導体、変異体および子孫、更にはこのような菌株を含有する殺虫性組成物、ならびに害虫の侵食の防除においてこれらの菌株および組成物を使用する方法が、特に鱗翅目の有害生物に対して、特に有効な殺虫剤であることである。
【0011】
本発明は、CryIA(c)を、この菌株によって発現されるCryIA(a)またはCryIA(b)の量よりも多く発現する新規CryIA-産生B.チューリンギエンシス株について記載する。本発明の望ましい態様は、綿実粉基質(cotton seed flour substrate)のような基質中で増殖した場合に、CryIA(c)を、この菌株によって産生されるCryIA(a)、CryIA(b)およびCryIA(c)タンパク質の量の合計の少なくとも約50%であるような量産生する、B.チューリンギエンシスの生物学的に純粋な培養物を包含している。望ましくは、この菌株は、同じ条件下で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD1の効力よりも、BIU/Qtで測定した場合に、トリコプラシア・ニに対して、少なくとも1.8倍大きい殺虫効力を有し、同じ条件下で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD1の効力よりも、BSU/Qtで測定した場合に、スポドプテラ・エクシグアに対して、少なくとも1.6倍大きい殺虫効力を有している。本発明の特異的なB.チューリンギエンシス株は、S197、S3158、S3159、S3212およびF810、ならびにそれらの誘導体、変異体および子孫、更には該菌株を含有する殺虫性組成物ならびに害虫の侵食の防除における該菌株の使用を含んでいる。
【0012】
本発明は、本明細書に開示されたB.チューリンギエンシス株を含有する、またはそれらに由来した胞子もしくは結晶毒素を含有する殺虫性組成物も包含している。更に本発明は、異種DNAで形質転換されたB.チューリンギエンシスの組換え体であって、レシピエントのバチルス・チューリンギエンシス株が、CryIA(c)を、この菌株によって産生されるCryIA(a)の量またはCryIA(b)の量より多い量産生することが可能であるような組換え体をも包含する。
【0013】
本発明に係る培養物においては、(1)CryIA(c)を、この菌株によって産生されるCryIA(a)の量またはCryIA(b)の量よりも多量に産生することが可能な、B.チューリンギエンシス株の生物学的に純粋な培養物であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る菌株においては、(2)この菌株によって産生されるCryIA型タンパク質の総量の少なくとも50%の量で、CryIA(c)を産生することが可能である、上記(1)記載のB.チューリンギエンシス株であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る菌株においては、(3)S197、S3158、S3159、S3212またはF810である、上記(1)記載のB.チューリンギエンシス株であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る培養物においては、(4)綿実粉基質の中で増殖される場合に、BIU/Qtで測定して、トリコプラシア・ニ(Trichoplusia ni)に対して、同じ条件で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD-1の効力よりも少なくとも1.8倍大きいような害虫駆除の効力を有し、かつBSU/Qtで測定して、スポドプテラ・エキシグア(Spodoptera exigua)に対して、同じ条件で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD-1の効力よりも少なくとも1.6倍大きいような害虫駆除の効力を有する、B.チューリンギエンシス株の生物学的に純粋な培養物であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る菌株においては、(5)S197、S3158、S3159、S3212またはF810である、上記(4)記載のB.チューリンギエンシス株であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る殺虫性組成物においては、(6)CryIA(c)を、この菌株によって産生されるCryIA(a)の量またはCryIA(b)の量よりも多量に産生することが可能なB.チューリンギエンシス株、該B.チューリンギエンシス株由来の胞子、および該B.チューリンギエンシス株由来の結晶毒素からなる群より選択される殺虫性因子を含有する、殺虫性組成物であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る組成物においては、(7)菌株が、CryIA(c)を、この菌株によって産生されるCryIA型タンパク質の総計の少なくとも50%の量で産生することが可能である、上記(6)記載の組成物であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る組成物においては、(8)菌株が、綿実粉基質の中で増殖される場合に、BIU/Qtで測定して、トリコプラシア・ニに対して、同じ条件で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD-1の効力よりも少なくとも1.8倍大きいような害虫駆除の効力を有し、かつBSU/Qtで測定して、スポドプテラ・エキシグアに対して、同じ条件で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD-1の効力よりも少なくとも1.6倍大きいような害虫駆除の効力を有する、上記(6)記載の組成物であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る組成物においては、(9)B.チューリンギエンシスとの併用に適した、担体、界面活性剤、農業用補助剤、希釈剤、および散布促進補助剤からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤をさらに含む、上記(6)記載の組成物であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る組成物においては、(10)殺虫性因子が、当該B.チューリンギエンシス株である、上記(6)記載の組成物であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る組成物においては、(11)菌株が、S197、S3158、S3159、S3212またはF810である、上記(11)記載の組成物であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係る組成物においては、(12)殺虫性因子が、当該B.チューリンギエンシス由来の胞子である、上記(6)記載の組成物であることを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係る組成物においては、(13)殺虫性因子が、当該B.チューリンギエンシス由来の結晶毒素である、上記(6)記載の組成物であることを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係る菌株においては、(14)B.チューリンギエンシス菌株が、CryIA(c)を、菌株によって産生されるCryIA(a)の量またはCryIA(b)の量よりも多量に産生することが可能である、外来DNAを含む組換えB.チューリンギエンシス株であることを特徴とする。
【0027】
また、本発明に係る菌株においては、(15)菌株が、綿実粉基質の中で増殖される場合に、BIU/Qtで測定して、トリコプラシア・ニに対して、同じ条件で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD-1の効力よりも少なくとも1.8倍大きいような害虫駆除の効力を有し、かつ、BSU/Qtで測定して、スポドプテラ・エキシグアに対して、同じ条件で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD-1の効力よりも少なくとも1.6倍大きいような害虫駆除の効力を有する、上記(14)記載の組換えB.チューリンギエンシス株であることを特徴とする。
【0028】
また、本発明に係るB.t.においては、(16)菌株が、S197、S3158、S3159、S3212またはF810である、上記(14)記載の組換えB.チューリンギエンシスであることを特徴とする。
【0029】
また、本発明に係るB.t.においては、(17)外来DNAが、殺虫性タンパク質をコードしている、上記(14)記載の組換えB.チューリンギエンシスであることを特徴とする。
【0030】
また、本発明に係る方法においては、(18)CryIA(c)を、菌株によって産生されるCryIA(a)の量またはCryIA(b)の量よりも多量に産生することが可能なB.チューリンギエンシス株、該B.チューリンギエンシス株由来の胞子、および該B.チューリンギエンシス株由来の結晶毒素からなる群より選択される殺虫性因子を含有する殺虫性組成物を、殺虫効果のある量で植物またはそれが生育する土壌に適用することを含む、植物を処理する方法であることを特徴とする。
【0031】
また、本発明に係る方法においては、(19)殺虫性因子が、当該B.チューリンギエンシス株である、上記(18)記載の方法であることを特徴とする。
【0032】
また、本発明に係る方法においては、(20)菌株が、S197、S3158、S3159、S3212またはF810である、上記(18)記載の方法であることを特徴とする。
【0033】
また、本発明に係る方法においては、(21)殺虫性因子が、B.チューリンギエンシス由来の胞子である、上記(18)記載の方法であることを特徴とする。
【0034】
また、本発明に係る方法においては、(22)殺虫性因子が、B.チューリンギエンシス由来の結晶毒素である、上記(18)載の方法であることを特徴とする。
【0035】
また、本発明に係る方法においては、(23)植物が、枯死に対する感受性があり、かつB.チューリンギエンシス株がF810である、上記(18)記載の方法であることを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
B.チューリンギエンシス株は、土壌から単離され、かつそれらのCryIA-型タンパク質の発現プロファイルを決定するためにスクリーニングされる。土壌の単離物は、B.チューリンギエンシスの技術分野において一般的な培地成分および発酵技術を用いて培養される。例えば、B.チューリンギエンシスは、Leeらの論文に記された方法(Microbial Biomass(1979, A.H.Rose(編)、アカデミック・プレス社、91-114ページ)などの工程を用いて、液内培養発酵により大量に生産される。典型的な増殖培地は、培養におけるB.チューリンギエンシスの増殖に適した下記の様々な組合せを1種以上含有している:魚粉、綿実粉、ダイズ粉、糖蜜、リン酸二アンモニウムおよびデンプン。
【0037】
発酵後、ブロスを植物または土壌に、直接噴霧することができる。あるいは、細菌、胞子および結晶毒素を、標準的方法、例えば、遠心分離、濾過、噴霧乾燥、または減圧乾燥などで分離収集する。その結果、得られる単離された胞子−結晶分画は、非常に安定であり、保存し、分析し、殺虫剤として直接使用するか、もしくは、他の殺虫製品に配合することができる。例えば、殺虫効力を測定するための生化学的、(酵素的)アッセイ、または生物学的アッセイなど、当業者によって日常的に使用される方法によって、CryIA(a)、CryIA(b)およびCryIA(c)の相対量を測定した。図1および2は、各々、HD-1株およびS3159株のCryIAタンパク質に関するクロマトグラフのプロファイルを図示している。
【0038】
CryIA(a)またはCryIA(b)の量よりも多いレベル、好ましくはCryIA(a)またはCryIA(b)のいずれかの量よりも少なくとも50%多く、より好ましくはCryIA(a)またはCryIA(b)のいずれかの量よりも少なくとも100%多く、更に好ましくは発現されたCryIA(a)およびCryIA(b)の量の合計よりも多いレベルでCryIA(c)を発現するCryIA産生性B.チューリンギエンシス株を選択する。図3は、各々、対照株HD-1、ならびにS3158、S3159、S3212およびF810株(SAN 1401とも称される)のCryIAタンパク質のクロマトグラフィーによるプロファイルを図示している。
【0039】
本発明のB.チューリンギエンシス株によって産生された胞子および結晶毒素は、殺虫剤として有用である。これらは、植物もしくは土壌への適用散布を促進するため、または配合物の効率を向上するために、例えば湿式顆粒、または液体濃縮物、または界面活性剤、分散剤、不活性担体もしくは他の成分またはそれらの組合せの添加による他の配合物へと配合される。
【0040】
従って第一の態様において、本発明は、先のブダペスト条約に準拠し、ARS特許培養物コレクション(Patent Culture Collection)に1997年3月19日にNRRL番号B-21666として寄託された新規B.チューリンギエンシス株S197、およびそれらの分類学上の同等物を提供する。
【0041】
第二の態様において、本発明は、先のブダペスト条約に準拠し、ARS特許培養物コレクションに1997年3月19日にNRRL番号B-21667として寄託された新規B.チューリンギエンシス株S3212、およびそれらの分類学上の同等物を提供する。
【0042】
第三の態様において、本発明は、先のブダペスト条約に準拠し、ARS特許培養物コレクションに1997年3月19日にNRRL番号B-21668として寄託された新規B.チューリンギエンシス株S3159、およびそれらの分類学上の同等物を提供する。
【0043】
第四の態様において、本発明は、先のブダペスト条約に準拠し、ARS特許培養物コレクションに1997年3月19日にNRRL番号B-21669として寄託された新規B.チューリンギエンシス株S3158、およびそれらの分類学上の同等物を提供する。
【0044】
第五の態様において、本発明は、先のブダペスト条約に準拠し、ARS特許培養物コレクションに1997年3月19日にNRRL番号B-21670として寄託された新規B.チューリンギエンシス株F810、およびそれらの分類学上の同等物を提供する。
【0045】
これらの新規菌株は、下記の特徴を示す:
コロニーの形態−B.チューリンギエンシスに典型的な、巨大なコロニーで、ぼんやりとした(dull)表面
増殖性細胞の形態−B.チューリンギエンシスに典型的な、棒状
培養法−B.チューリンギエンシスに典型的な方法
鞭毛血清型−3a3b、クルスタキ
封入体−2個の正四角錐(bipyramidal)および立方体。アルカリに可溶性のタンパク質−SDSポリアクリルアミドゲルは、2種の主要タンパク質のバンド、およそ130および70KDを示している。
殺虫活性−標的昆虫として、トリコプラシア・ニ幼虫の第3齢を使用した、トリコプラシア・ニに対する新規B.チューリンギエンシス株の平均効力は、HD-1の効力の2倍よりも大きい。
タンパク質発現:CryIAタンパク質の発現のクロマトグラフィーによる分析は、これらの菌株が、CryIA(a)またはCryIA(b)と比べて、有意に高いレベルのCryIA(c)を発現していることを示している(図1〜3を参照のこと)。
【0046】
菌株F810は、ハクサイ、ホウレンソウおよびカラシナのような枯死に感受性のある植物が枯れないという、別の有益な特性を有している。本明細書において使用される用語「枯死に感受性のある」とは、植物に適用すると、褐変、植物組織、特に葉の組織の損傷または壊死を引き起こすような、B.チューリンギエンシス発酵ブロス、およびそれらに由来する殺虫製品に対して感受性のある植物を意味する。例えば、このような植物は、HD-1株の発酵ブロスまたは殺虫製品の適用によって、損傷を受ける。
【0047】
寄託された単離株または分類学上の同等物を含む、このような菌株の誘導体、変異体または子孫は、例えば外来DNAの導入を通じてまたは変異誘発によって、遺伝的に修飾される。B.チューリンギエンシスの遺伝子操作法は、当技術分野において周知であり、Kramerらの米国特許第5,530,195号に開示されていて、これはその全体が参照として本明細書に組み入れられている。例として、本発明の新規の寄託菌株は、前述の米国特許第5,530,195号に開示されているCryIE(c)遺伝子を外来DNAとして受け取るための宿主として使用される。得られる組換えB.チューリンギエンシスは、CryIA(a)またはCryIA(b)のいずれかと比較してCryIA(c)が優勢である独自の殺虫性タンパク質のプロファイルを発現することに加え、組換えにより導入されたCryIE(c)遺伝子産物を発現する。Liら(Nature, 353:815-821(1991))は、更にB.チューリンギエンシスの遺伝子操作法をが当技術分野において周知のものであることを詳細に説明している。これらの参考文献は各々、その全体が本明細書に参照として組み入れられている。新規の寄託された菌株の1種のような宿主細胞に核酸配列を導入する方法は、Dowerの米国特許第5,186,800号およびSchurterらの論文(Mol. Gen. Genet., 218:177-181(1989))に示されており、これらは両方共その全体が本明細書に参照として組み入れられている。
【0048】
別の態様において、本発明は、前述の説明に従ったB.チューリンギエンシス株を含有する殺虫性組成物、特にこのような菌株の胞子を、例えば農業的に許容される担体、希釈剤、界面活性剤などの補助剤、または適用を容易にする補助剤などと組合せるかもしくは結合して含有する殺虫性組成物を提供する。この組成物は、任意に、肥料、微量養分の供給体、植物の成長剤、除草剤、害虫駆除剤、殺真菌剤、殺細菌剤、殺線虫剤および軟体動物駆除剤、ならびにそれらの混合物から選択される、別の生物学的活性を有する化合物を含む。この組成物は、本発明のB.チューリンギエンシス株、またはそれらの誘導体もしくは変異体を0.1〜99重量%、固体または液体の補助剤を1〜99.9重量%、および界面活性剤を0〜25重量%含有する。この組成物は、植物または土壌に、殺虫効果のある量を投与した場合に、殺虫活性を発揮する。
【0049】
農作に加え園芸において、作物は、害虫および/または感染症によって引き起こされる攻撃又は損傷に対して、更には雑草との競合に対して脆弱である。作物の収穫量を向上するために、成長する植物を、雑草、植物の疾病、害虫、線虫および他の作物の収穫を減らすような有害な条件から保護する措置が執られている。すき起こしなどの機械的措置、感染した植物または雑草の除去、除草剤、殺真菌剤、生殖体撲滅薬、殺線虫剤、成長調節剤、熟成剤および害虫駆除剤などの農薬が、作物を保護するために広く使用されている。新規の単離されたB.チューリンギエンシス株およびそれらに由来する殺虫剤は、農薬として有益に使用されている。
【0050】
本発明の菌株の特に有益な使用は、CryIA(c)をこの菌株によって産生されるCryIA(a)の量またはCryIA(b)の量より多い量で産生することが可能なB.チューリンギエンシス株、該B.チューリンギエンシス株由来の胞子、および該B.チューリンギエンシス株由来の結晶毒素からなる群より選択されるた殺虫性因子を含有する殺虫性組成物を、植物またはそれが生育する土壌へ、殺虫効果のある量で適用することを含む、植物または土壌の処理法におけるものである。
【0051】
本方法の好ましい態様において、植物とは、下記に例示されるような、市場において重要な植物である。好ましい態様において、殺虫性因子は、B.チューリンギエンシスS197、S3158、S3159、S3212またはF810である。別の好ましい態様において、殺虫性因子は、これらのB.チューリンギエンシス株の1種または複数種に由来する胞子である。更に別の態様において、殺虫性因子は、これらのB.チューリンギエンシス株の1種または複数種に由来する結晶毒素である。望ましい方法は、枯死に感受性のある植物において特に有用である、菌株F810を使用する。この方法は、そうしなければそれらの葉が実質的な枯死を示すような(例えば、HD-1株の発酵ブロスを用いると、葉のおよそ20%が枯死する)、枯死に感受性のある植物において本質的に枯死を生じない。この方法に従って、非常に丈夫でかつ市場価値のある植物、および実質的に改善された作物の収穫量を生じる。
【0052】
別の態様において、新規B.チューリンギエンシス株、またはこれを含有する組成物は、保護されるべき植物もしくは作物に、またはこれらが生育する土壌に、特定の種の害虫駆除剤または化学物質と共に(1993年、作物の防御用化学物質の参考書(Crop Protection Chemicals Reference)、Chemical and Pharmaceutical Press、カナダ)、効力を失うことなく、投与される。これは、ほとんどの他の常用される農業用噴霧材料と相溶性があるが、極端なアルカリ性噴霧液の中で用いてはならない。粉剤、懸濁液、水和剤として、またはいずれか他の農業用途に適した任意の材料中で、殺虫効果のある量で投与される。
【0053】
本発明の範囲に含まれる保護されるべき標的作物には、例えば以下の植物種が含まれる:
穀類(小麦、大麦、ライ麦、オート麦、米、モロコシおよび関連する作物)、ビート(テンサイおよび飼料ビート)、飼草(カモガヤ、フェスキューなど)、石果、仁果および小果樹(リンゴ、ナシ、プラム、モモ、アーモンド、チェリー、イチゴ、ラズベリーおよびブラックベリー)、マメ科の植物(インゲン、ヒラマメ、エンドウ、ダイズ)、油科植物(ナタネ、カラシナ、ケシ、オリーブ、ヒマワリ、ココナッツ、トウゴマ、カカオマメ、アメリカホドイモ)、キュウリ科の植物(キュウリ、ペポカボチャ、メロン)、繊維性植物(綿花、フラックス、インドアサ、ジュート)、カンキツ類(オレンジ、レモン、グレープフルーツ、マンダリンミカン)、野菜(ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツおよび他のアブラナ科の植物、タマネギ、トマト、ジャガイモ、パプリカ)、クスノキ科の植物(アボガド、ニンジン、シナモン、カンファー)、落葉樹および針葉樹(例えば、シナノキ、イチイ、オーク、ハンノキ、ポプラ、シラカバ、モミノキ、カラマツ、マツ)、またはトウモロコシ、タバコ、ナッツ、コーヒー、サトウキビ、チャノキ、ブドウ(vine)、ホップ、バナナおよび天然ゴムの木、ならびに観葉植物(キク科の植物を含む)などの植物。
【0054】
組換えバチルス・チューリンギエンシス株を含有する殺虫性組成物
本発明の新規B.チューリンギエンシス株、またはそれに由来した組換えB.チューリンギエンシス株は、通常、殺虫性組成物の形で適用され、かつ耕作領域または処理されるべき植物に、同時または連続して、他の生物学的活性化合物と共に適用することができる。これらの化合物は、肥料もしくは微量養分の供給体または他の植物の生育に影響を及ぼすような他の調製物であってもよい。これらは、更に選択的な除草剤、害虫駆除剤、殺真菌剤、殺細菌剤、殺線虫剤、軟体動物駆除剤またはこれらの調製物のいくつかの混合物であってもよく、必要に応じて、更に、調剤の技術分野において常用される担体、界面活性剤または散布を促進する補助剤と併用することができる。適当な担体および補助剤は、固体または液体であることができ、調剤技術において通常使用される物質、例えば天然または再生された鉱物、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、結合剤または肥料に相当する。活性のある菌株、胞子、結晶もしくは胞子−結晶複合体、またはそれらの組合せの処方物も、他の有効成分と一緒にすることができ、かつ適当な場合には、固体または液体補助剤を、公知の方法、例えば該有効成分を、溶媒、固形担体、場合によっては表面活性化化合物(界面活性剤)などの増量剤と均質混合および/または粉砕することにより調製することができる。処方物および処方の方法は、米国特許第5,501,852号に開示されていて、これはその全体が本明細書に参照として組み入れられている。
【0055】
適当な溶媒は:芳香族炭化水素、好ましくは炭素原子を8〜12個含むフラクション、例えばキシレン混合物又は置換されたナフタレン、フタル酸ジブチルまたはフタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル、例えばシクロヘキサンまたはパラフィンなどの脂肪族炭化水素、アルコールおよびグリコールならびにそれらのエーテルおよびエステル、例えばエタノール、エチレングリコールモノメチルエーテルまたはエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノンのようなケトン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルムアミドなどのような強力な極性溶媒、更には植物油またはエポキシ化された植物油、例えばエポキシ化されたココナッツ油またはダイズ油;または水である。
【0056】
例えば粉剤および水和剤などに使用される固形担体は、通常、方解石、タルク、カオリン、モンモリロナイトまたはアタパルガイトのような、天然の鉱物充填剤である。物理特性を改善するために、高度分散型のケイ酸または高度分散型の吸収性ポリマーを添加することも可能である。適当な顆粒状の吸着性担体は、多孔質型であり、例として軽石、レンガの破片、海泡石またはベントナイトがあり;ならびに適当な非吸着性の担体は、方解石または砂などの物質である。これに加え、多数のあらかじめ顆粒状にされた無機性または有機性の物質も使用することができ、例としては、特にドロマイトまたは微粉砕された植物残渣がある。
【0057】
配合される有効成分の性質に応じて、適当な表面活性化化合物は、良好な乳化、分散および湿潤特性を有する、非イオン性、陽イオン性および/または陰イオン性界面活性剤である。また、「界面活性剤」という用語は、界面活性剤の混合物を含むことが理解されると思われる。適当な陰イオン性界面活性剤は、水溶性のセッケンおよび水溶性の合成の表面活性化化合物の両方であることができる。適当なセッケンは、高級脂肪酸(C10-C22)の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、または未置換もしくは置換のアンモニウム塩であり、例えばオレイン酸もしくはステアリン酸、または例えばココナッツ油または獣脂から得ることができる天然の脂肪酸混合物のナトリウム塩またはカリウム塩であることができる。更に適した界面活性剤は、同じく脂肪酸のメチルタウリン塩、ならびに改変型または未改変型のリン脂質である。
【0058】
しかしながら、より頻繁には、いわゆる合成の界面活性剤、特に脂肪酸スルホン酸塩、脂肪酸硫酸塩、スルホン化されたベンズイミダゾール誘導体またはアルキルアリールスルホン酸塩を用いる。脂肪酸スルホン酸塩または硫酸塩は、通常アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、または未置換もしくは置換のアンモニウム塩の形であり、かつ一般にアシルラジカルのアルキル部分も含むC8-C22のアルキルラジカル、例えばリグノスルホン酸の、ドデシル硫酸、または天然の脂肪酸から得られる脂肪アルコール硫酸塩の混合物のナトリウムまたはカルシウム塩を含む。これらの化合物は更に脂肪アルコール/エチレンオキシド付加物の硫酸エステルおよびスルホン酸の塩を含む。スルホン化されたベンズイミダゾール誘導体は、好ましくは2個のスルホン酸基および炭素原子を約8〜22個有する1個の脂肪酸ラジカルを含む。アルキルアリールスルホン酸塩の例は、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、またはナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合生成物のナトリウム、カルシウムまたはトリエタノールアミン塩である。同じく適しているのは、対応するリン酸塩、例えばp-ノニルフェノールとエチレンオキシド4〜14モルの付加物のリン酸エステル塩である。非イオン性界面活性剤として好ましいのは、脂肪族もしくは脂環式アルコール、または飽和もしくは不飽和の脂肪酸およびアルキルフェノールのポリグリコールエーテル誘導体であり、これらの誘導体は、3〜30個のグリコールエーテル基、ならびに(脂肪族)炭化水素部分に8〜20個の炭素原子、およびアルキルフェノールのアルキル部分に6〜18個の炭素原子を含む。
【0059】
更に適した非イオン性界面活性剤は、ポリエチレンオキシドの、アルキル鎖に炭素原子1〜10個を有するポリプロピレングリコール、エチレンジアミノポリプロピレングリコールおよびアルキルポリプロピレングリコールとの水溶性付加物であり、この付加物は、20〜250個のエチレングリコールエーテル基および10〜100個のプロピレングリコールエーテル基を含む。これらの化合物は、通常プロピレングリコール1単位当たりに1〜5個のエチレングリコール単位を含んでいる。非イオン性界面活性剤の代表的な例は、ノニルフェノールポリエトキシエタノール、ヒマシ油のポリグリコールエーテル、ポリプロピレン/ポリエチレンオキシド付加物、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリエチレングリコールおよびオクチルフェノキシポリエトキシエタノールである。ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル、例えばポリオキシエチレンソルビタントリオレアートが、適当な非イオン性界面活性剤である。
【0060】
陽イオン性界面活性剤は、N-置換基として、少なくとも1個のC8置換−C22置換のアルキルラジカルを、および更なる置換基として、低級の未置換のまたはハロゲン化されたアルキル、ベンジルまたはヒドロキシ低級−アルキルラジカルを含む、第四級アンモニウム塩が好ましい。これらの塩は、ハロゲン化物、メチルスルホン酸塩またはエチルスルホン酸塩であり、例えばステアリルトリメチルアンモニウムクロリドまたはベンジルジ-(2-クロロエチル)エチルアンモニウムブロミドが好ましい。
【0061】
調剤の技術分野において慣習的に使用されるこれらの界面活性剤は、例えば、「McCutcheonの洗剤および乳化剤の年鑑(McCutcheon's Detergents and Emulsifiers Annual)」(MC Publishing Corp、リッジウッド、N.J., 1979年);Dr. Helmut Stacheの「界面活性剤ハンドブック(Tensid Taschenbuch)」(Carl Hanser Verlag社、ミュンヘン/ウイーン)などに記されている。
【0062】
別の本発明の殺虫性組成物の特に好ましい特性は、植物または土壌に適用した場合の、有効成分の残留性である。活性喪失を引き起こす可能性としては、紫外線、熱、葉の滲出物およびpHによる不活性化が含まれる。例えば、高いpH、特に還元剤が存在する場合には、δ−エンドトキシン結晶は、可溶化され、その結果タンパク質分解による不活性化をより受け易くなる。高い葉のpHも同じく重要であり、特に葉の表面がpH8〜10の範囲にある場合に重要である。本発明の殺虫性組成物の処方物は、有効成分の喪失の防止を補助する添加剤を含むか、もしくは、有効成分が不活性化から保護されるような方法で該物質を被包化するかのいずれかによって、これらの問題点に対処することができる。被包化は、化学的(McGuireおよびShasha、1992)、または生物学的(BarnesおよびCummings、1986)に達成される。化学的被包化は、有効成分をポリマーで被覆する方法に関連している一方で、生物学的被包化は、δ−エンドトキシン遺伝子の微生物における発現に関連している。生物学的被包化は、δ−エンドトキシンタンパク質を含む無傷の微生物を、その処方物において有効成分として用いる。UV防止剤の添加は、紫外線照射による損傷を有効に減少させる。熱による不活性化も、適当な添加剤を含むことで制御することができる。
【0063】
この殺虫性組成物は、通常、少なくとも1種の組換え体の新規遺伝子を、もしくはそれらの他の有効成分との組合せで含む、組換えB.チューリンギエンシス株を0.1〜99%、好ましくは0.1〜95%、固体または液体の補助剤を1〜99.9%、および界面活性剤を0〜25%、好ましくは0.1〜20%含有している。市販の製品は、濃縮物として処方されることが好ましいが、最終使用者は、通常実質的に低い濃度の希釈処方物を用いると考えられる。この殺虫性組成物は、更に、安定剤、消泡剤、粘度調節剤、結合剤、粘着付与剤などの成分に加え、肥料または特定の効果を得るための他の有効成分を含むこともできる。
【0064】
【実施例】
下記実施例は、更に本発明の実施において使用される材料および方法、ならびにその結果について説明するものである。これらは、例示のために提供するものであり、その詳細は、本発明の請求の範囲を限定するものとみなすべきではない。
【0065】
実施例1−新規B.チューリンギエンシス単離株の培養
新規B.チューリンギエンシス単離株、またはそれらの変異体の継代培養物を用いて、下記の綿実粉の基質に接種する(表1)。
【表1】
Figure 0004491672
【0066】
この培地を、オートクレーブにかけ、フラスコを、30℃で、回転振盪器を用いて360rpmで、48時間インキュベーションした。市販のためには、前述の方法を、標準的方法でスケールアップして行う。
【0067】
実施例2−鱗翅目に対する新規B.チューリンギエンシス単離株の活性
前記B.チューリンギエンシスの発酵ブロスを適宜希釈したもの20mlを、食餌180gに混合した。この食餌を、ジェリートレーの孔(50孔/トレー)に注入した。食餌を固めかつ冷却した後、3週齢のトリコプラシア・ニまたはスポドプテラ・エクシグアの幼虫25匹を、孔の中に入れ、これらの孔を、マイラー膜で封をした。27℃のインキュベーターの中で、バイオアッセイを行った。3日後に、死亡率を評価し、対照として、広範に使用されており十分に特徴分析が成されている市販のB.チューリンギエンシス単離株HD-1の活性と比較することによって、効力を決定した。効力の比較を表2に示す。
【表2】
Figure 0004491672
【0068】
実施例3−CryIAタンパク質発現の分析
発酵ブロスを用いて、本発明に含まれるB.チューリンギエンシス株によって産生された結晶のCryI型タンパク質成分を分析する。各発酵ブロスの正確な1mlを、10mMトリス-HClで緩衝された500mM NaCl(pH8)10ml、および1mM EDTA溶液中に懸濁し、15,000rpmで15分間遠心分離する。遠心分離によって生じた沈殿は、前述と同じNaCl溶液に再懸濁する。この工程を3回繰り返し、B.チューリンギエンシス試料からプロテイナーゼを除去する。最後の沈殿を水に懸濁し、総容量1.20mlとする。PMSF(フェニルメチルスルホニルフルオリド、セリンプロテイナーゼ阻害剤、最終濃度5mM)、EDTA(エチレンジニトロ四酢酸、メタロプロテイナーゼ阻害剤、10mM)、およびE64(N-[N-(L-3-トランスカルボキシラン-2-カルボニル)-L-ロイシル-L-ロイシル]-アグマチン、システインプロテイナーゼ阻害剤、20μg/ml)を添加し、残留しているプロテイナーゼを抑制し、B.チューリンギエンシス結晶を、β−メルカプトエタノール20μlおよび2N NaOH 150μlで溶解する。溶解した結晶タンパク質を、15,000rpmで30分間遠心分離し、上清として収集する。上清約1mlを回収する。
【0069】
次に、溶解した結晶タンパク質を、Sephadex G25(ファルマシア社)カラムクロマトグラフィーにより、プロテイナーゼ阻害剤のような小さい分子から分離する。Sphadex G25から溶出した分画を一緒にし、その分画中の結晶タンパク質を、酸による沈殿により回収する。この結晶タンパク質は、それらの等電点で効果的に沈殿する。沈殿したタンパク質を、1mM EDTAを含有する100mMトリス−HCl(pH8)700μl中に溶解し、トリプシン50μgで、37℃で30分間消化する。この消化は、トリプシン50μgを追加し更に30間インキュベーションすることにより終了させる。トリプシンは、130kdalの結晶タンパク質(プロトキシンとも称される)を、66kdalのコアフラグメント(活性化された毒素)へと消化する。次にトリプシンを、100mM PMSF 25μlで失活させ、トリプシンで消化された結晶タンパク質を、溶液をpH10.5にするために2N NaOH数μlを添加した8M尿素220μl中に完全に溶解する。この溶液の容量を、アミコン社Microcon-30回転濃縮器を用いて、150μlに減らし、濃縮した溶液100μlを、10×300mmのSuperdex-75(ファルマシア社)カラムに注入し、小さいペプチド断片を除去する。このクロマトグラフィーは、2M尿素を含有する20mMトリス-HCl(pH8.8)で行う。次に、66kdalトリプシンで消化されたタンパク質を含有するカラム溶離液1.5ml分画を、5×100mm Mono-Q(ファルマシア社)カラムに注入する。Mono-Qカラムについても、Superdex-75で使用したものと同じ緩衝液を用いる。溶離を、NaClで行い、その濃度を20mlにおいて150mMから200mMへと上昇させ(10から50分)、引き続き15mlの400mM(50から80分)に増加する。これらの条件下において、タンパク質は、50分以内に、CryIA(a)、CryIA(b)およびCryIA(c)の順で溶離する。
【0070】
CryIAの発現について、以下に更に本発明のB.チューリンギエンシス株において例示する。菌株S197、S3158、S3159、S3212、F810およびHD1(対照株)を培養し、本質的に前述のように処理する。CryIA(a)、CryIA(b)およびCryIA(c)の量を、各菌株について定量する。新規菌株の各々は、対照株HD1とは、有意に異なる。全ての新規菌株について、それぞれ、CryIA(a)、CryIA(b)およびCryIA(c)の割合が増加し、CryIA(c)は、CryIA型発現タンパク質の総量の50%以上である。対照的に、HD-1は、CryIA(b)が、CryIA(a)またはCryIA(c)よりも相対的に多い。この結果を、表3に詳細に記載している。
【表3】
Figure 0004491672
【0071】
実施例4−F810株の植物毒性
F810株の植物毒性を調べるために、F810およびHD-1(対照)を、同様の発酵条件下で増殖させる。発酵終了時の胞子数は、典型的には約5×109/mlである。各菌株培養物からの発酵ブロスを収集し、農学的に重要であるが、枯死に対して感受性がある植物、ハクサイに適用する。固形物含有率がおよそ7%である希釈していない発酵ブロスを、滴れ落ちるまで葉に噴霧する。ハクサイの葉は、F810株発酵ブロスで処理したものは枯死しないが、HD-1発酵ブロスで処理したハクサイの葉の20%以上が枯死する。HD-1の発酵ブロス中に存在する植物毒性は、この発酵ブロスを、殺虫製品を製造するために更に加工しても維持される。結果的にHD-1由来の殺虫製品は、枯死に感受性のある植物を処理する方法での使用に適していない一方で、F810由来の製品は適している。
【0072】
実施例5−組換えにより改良された菌株
本明細書により対象とされた組換えB.チューリンギエンシス単離株の利点を示す実施例を、ここに記載する。前述の新規に見出されたB.t.クルスタキ株は、トリコプラシア・ニ(キャベツシャクトリムシ)、ツメクサガ(Heliothis virescens)(タバコの青虫)のような特定の昆虫に対して、HD-1株のようなこれまでに公知のB.t.クルスタキ株の活性よりも、高い害虫駆除活性を有することが示されている。しかし、スポドプテラ種に対する活性については、有意差はなかった。本発明者らは、これらの菌株の害虫駆除活性が、組換えDNA技術によりさらに改善されることを見出した。この組換え株は、ハイブリッドのB.チューリンギエンシス結晶タンパク質遺伝子H04を、B.t.クルスタキ株S3158の染色体に導入することによって得た。H04タンパク質は、スポドプテラ・エキシグアに対して、高い活性があることが報告されている(de Maagdら、スポドプテラ・エキシグアに対して優れた毒性を示すバチルス・チューリンギエンシスδ−エンドトキシンCryIAbにおけるドメインIIIの置換および膜タンパク質認識の変更、Applied Environmental Microbiology、62:1537-1543(1996))。H04遺伝子は、3工程からなる方法において、組込みプラスミドを用いて、S3158の染色体に配置する。第一に、組込みプラスミドを構成する。次に、H04を持っている組込みプラスミドを、B.t.クルスタキ株W4D23(B.t.クルスタキ株HD73の誘導体の結晶を除いたもの)の染色体に導入する。最後の工程において、挿入された配列を、一般化された形質導入ファージCP51を用いて、W4D23の染色体から、S3158の染色体に移す。
【0073】
1.組込みベクターpSB1217の構築
図4に示したように、プラスミドpSB1217は、4個のDNA断片を有している。これは、(i)プラスミドpBR322由来のE.coli 複製起点およびアンピシリン耐性遺伝子、(ii)B.t.において選択マーカーとして作用する、B.サブチリス(subtilis)のエリスロマイシン耐性遺伝子ermC、(iii)B.t.クルスタキ株B.t.アイザワイ(aizawai)7.21のcryIA(b)遺伝子によってコードされたアミノ酸残基1〜460、およびB.t.エントモシダス(entomocidus)株60.5のcryIC遺伝子によってコードされた残基461〜1189を含む、ハイブリッド結晶タンパク質遺伝子H04、ならびに(iv)ホスファチジルイノシトールに特異的なホスホリパーゼC(PLC)をコードし、B.t.染色体へのH04の組込み部位を提供する、B.t.クルスタキHD73染色体由来のDNA断片を有する。
【0074】
プラスミドpSB1217は、下記の3工程によって構成される。第一に、プラスミドpBR322のテトラサイクリン耐性遺伝子を、B.サブチリスエリスロマイシン耐性遺伝子ermCで置換える。第二工程においてHD73由来の2.2kb PLC断片を付加する。第三の工程において、ハイブリッド結晶H04遺伝子を、この組込みベクターに加える。
【0075】
2.B.t.クルスタキW4D23の形質転換
組込みプラスミドpSB1217を、電気穿孔法を用いてコンピテント細胞を形質転換することによって、B.t.クルスタキ株W4D23中に配置した。W4D23株は、HD73の部分的にキュアリングした(cured)誘導体であり、これはKurstakによって、AP77BX17として単離された。W4D23を選択した理由は、形質転換が比較的容易であり、pSB1217に組込まれる結晶タンパク質の遺伝子を有さないためである。このプラスミドのPLC領域がW4D23染色体のPLC領域と並んだときに、pSB1217の組込みが生じた。このプラスミド全体が、1回の乗換えにより組込まれた。この組込みの結果、S3158::H04は、PLC領域を2個持つようになり;その両方が、pSB1217をコードしたPLC領域およびW4D23染色体PLCのハブリッドである。得られた菌株は、W4D23::H04と称した。プラスミドpSB1217の、W4D23のPLC領域への組込みは、PCR分析により確認した。
【0076】
3.W4D23からS3158へのH04の転移
プラスミドpSB1217の組込みによるS3158株の形質転換の試みは、この菌株の形質転換効率が限定的なものであるために、形質転換体を生じなかった。この技術的障害を回避するために、本発明者らは、一般的な形質導入ファージCP51を用いて、W4D23::H04染色体からS3158染色体へとH04を転移した(Thorne, C.B.、バチルス・セレウスの形質導入用バクテリオファージ、J. Viol.、2:657-662(1968))。ファージ溶菌液を、ファージCP51によるW4D23::H04株の感染によって生成した。次にこの溶菌液を用いて、S3158を感染した。エリスロマイシン上での増殖によって選択し、S3158::H04株を得た。プラスミドpSB1217のS3158のPLC領域への組込みは、PCRにより確認した。
【0077】
4.組換えS3158株の害虫駆除活性
野生型および組換え株を、胞子形成が完全に終了するまで生育し、十分な全培養物の希釈物を、人工的な昆虫の食餌に混合した。この希釈物を、昆虫に侵食させ、死亡率を4日後に記録した。ここで示されたように、組換えS3158株は、スポドプテラ・エキシグアに対して、これまでに公知のB.t.クルスタキHD-1株と比較して、非常に改善された害虫駆除活性を示した。
Figure 0004491672
【0078】
本発明を、ここまで、非制限的な詳細な説明および添付の図面により開示し説明してきた。本開示を鑑みて、様々な改変およびさらなる態様が当業者には明らかになると思われる。そうした改変および態様も本発明の請求の範囲内に含まれるものとする。
【0079】
【発明の効果】
本発明により、CryIA(c)の発現量がCyIA(a)またはCryIA(b)の発現量よりも多い新規のCryIA産生性B.thuringiensis菌株、その生成物、それらに由来する組換え菌株、およびそれらの使用方法、ならびに該菌株を含む殺虫性組成物、昆虫の侵食を防除するための該菌株の使用、および異種DNAで形質転換された組換えバチルス・チューリンギエンシスであって、レシピエント宿主バチルス・チューリンギエンシス株が、該菌株によって産生されるCryIA(a)またはCryIA(b)の量よりも多い量でCryIA(c)を産生することができるB.t.株が提供された。好ましい態様において、このB.チューリンギエンシス株および殺虫製品は、枯死に対して感受性のある植物に、殺虫効果のある量で、実質的に植物の枯死を引き起こすことなく、適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 通常のB.チューリンギエンシスの変種クルスタキ(kurstaki)株に共通のHD1のクロマトグラフィーのプロファイルを示す図である。このクロマトグラムは、3種のCryIAタンパク質を示している。左から右へ順にピークは、CryIA(a)、CryIA(b)およびCryIA(c)に相当している。容易に認められるように、優先的に発現したタンパク質はCryIA(b)であった。
【図2】 寄託された菌株S3159によって産生されたタンパク質のクロマトグラムを示す図である。左から右へ順にピークは、CryIA(a)、CryIA(b)およびCryIA(c)に相当している。容易に認められるように、優先的に発現したタンパク質はCryIA(c)であった。
【図3】 新規に寄託された単離株の各々および菌株HD-1によって発現されたCryIAタンパク質のクロマトグラフィーのプロファイルを示す図である。左から右へ順にピークは、CryIA(a)、CryIA(b)およびCryIA(c)に相当している。容易に認められるように、優先的に発現したタンパク質は、新規単離株の各々(A)=S197;(B)=S3158;(C)=S3159;(D)=S3212;および(E)=F810については、CryIA(c)である一方で、対照(F)=HD-1では優先的に発現したタンパク質はCryIA(b)であった。
【図4】 H04、ErmC、PLCおよびpBR322を含む、pSB1217組込みベクターのマップを示す図である。

Claims (18)

  1. CryIA(c)を、この菌株によって産生されるCryIA(a)の量またはCryIA(b)の量よりも多量に産生することが可能な、B.チューリンギエンシス株の生物学的に純粋な培養物であって、B.チューリンギエンシス株がS197、S3158、S3159、S3212またはF810である、前記培養物
  2. この菌株によって産生されるCryIA型タンパク質の総量の少なくとも50%の量で、CryIA(c)を産生することが可能である、請求項1記載のB.チューリンギエンシス株。
  3. 綿実粉基質の中で増殖される場合に、BIU/Qtで測定して、トリコプラシア・ニ(Trichoplusia ni)に対して、同じ条件で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD-1の効力よりも少なくとも1.8倍大きいような害虫駆除の効力を有し、かつBSU/Qtで測定して、スポドプテラ・エキシグア(Spodoptera exigua)に対して、同じ条件で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD-1の効力よりも少なくとも1.6倍大きいような害虫駆除の効力を有する、請求項1又は2記載のB.チューリンギエンシス株の生物学的に純粋な培養物。
  4. CryIA(c)を、この菌株によって産生されるCryIA(a)の量またはCryIA(b)の量よりも多量に産生することが可能なB.チューリンギエンシス株、該B.チューリンギエンシス株由来の胞子、および該B.チューリンギエンシス株由来の結晶毒素からなる群より選択される殺虫性因子を含有する、殺虫性組成物であって、B.チューリンギエンシス株がS197、S3158、S3159、S3212またはF810である、前記殺虫性組成物
  5. 菌株が、CryIA(c)を、この菌株によって産生されるCryIA型タンパク質の総計の少なくとも50%の量で産生することが可能である、請求項記載の組成物。
  6. 菌株が、綿実粉基質の中で増殖される場合に、BIU/Qtで測定して、トリコプラシア・ニに対して、同じ条件で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD-1の効力よりも少なくとも1.8倍大きいような害虫駆除の効力を有し、かつBSU/Qtで測定して、スポドプテラ・エキシグアに対して、同じ条件で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD-1の効力よりも少なくとも1.6倍大きいような害虫駆除の効力を有する、請求項記載の組成物。
  7. B.チューリンギエンシスとの併用に適した、担体、界面活性剤、農業用補助剤、希釈剤、および散布促進補助剤からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤をさらに含む、請求項記載の組成物。
  8. 殺虫性因子が、当該B.チューリンギエンシス株である、請求項記載の組成物。
  9. 殺虫性因子が、当該B.チューリンギエンシス由来の胞子である、請求項記載の組成物。
  10. 殺虫性因子が、当該B.チューリンギエンシス由来の結晶毒素である、請求項記載の組成物。
  11. 外来DNAを含む組換えB.チューリンギエンシス株であって、該B.チューリンギエンシス菌株が、CryIA(c)を、菌株によって産生されるCryIA(a)の量またはCryIA(b)の量よりも多量に産生することが可能であかつ外来DNAが導入される菌株がS197、S3158、S3159、S3212またはF810である組換えB.チューリンギエンシス株。
  12. 菌株が、綿実粉基質の中で増殖される場合に、BIU/Qtで測定して、トリコプラシア・ニに対して、同じ条件で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD-1の効力よりも少なくとも1.8倍大きいような害虫駆除の効力を有し、かつ、BSU/Qtで測定して、スポドプテラ・エキシグアに対して、同じ条件で増殖されたB.チューリンギエンシス株HD-1の効力よりも少なくとも1.6倍大きいような害虫駆除の効力を有する、請求項11記載の組換えB.チューリンギエンシス株。
  13. 外来DNAが、殺虫性タンパク質をコードしている、請求項11記載の組換えB.チューリンギエンシス。
  14. CryIA(c)を、菌株によって産生されるCryIA(a)の量またはCryIA(b)の量よりも多量に産生することが可能なB.チューリンギエンシス株、該B.チューリンギエンシス株由来の胞子、および該B.チューリンギエンシス株由来の結晶毒素からなる群より選択される殺虫性因子を含有する殺虫性組成物を、殺虫効果のある量で植物またはそれが生育する土壌に適用することを含む、植物を処理する方法であって、B.チューリンギエンシス株がS197、S3158、S3159、S3212またはF810である、前記方法
  15. 殺虫性因子が、当該B.チューリンギエンシス株である、請求項14記載の方法。
  16. 殺虫性因子が、B.チューリンギエンシス由来の胞子である、請求項14記載の方法。
  17. 殺虫性因子が、B.チューリンギエンシス由来の結晶毒素である、請求項14載の方法。
  18. 植物が、枯死に対する感受性があり、かつB.チューリンギエンシス株がF810である、請求項14記載の方法。
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