JP4489342B2 - 書換え可能媒体を用いるレーザプリンティング - Google Patents

書換え可能媒体を用いるレーザプリンティング Download PDF

Info

Publication number
JP4489342B2
JP4489342B2 JP2002313980A JP2002313980A JP4489342B2 JP 4489342 B2 JP4489342 B2 JP 4489342B2 JP 2002313980 A JP2002313980 A JP 2002313980A JP 2002313980 A JP2002313980 A JP 2002313980A JP 4489342 B2 JP4489342 B2 JP 4489342B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrocarbon
saturated
unsaturated
heteroatom
functional group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002313980A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003200610A (ja
Inventor
ケント・ヴィンセント
アール・スタンリー・ウィリアムズ
シャオ−アン・チャン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HP Inc
Original Assignee
Hewlett Packard Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hewlett Packard Co filed Critical Hewlett Packard Co
Publication of JP2003200610A publication Critical patent/JP2003200610A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4489342B2 publication Critical patent/JP4489342B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G09EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
    • G09FDISPLAYING; ADVERTISING; SIGNS; LABELS OR NAME-PLATES; SEALS
    • G09F9/00Indicating arrangements for variable information in which the information is built-up on a support by selection or combination of individual elements
    • G09F9/30Indicating arrangements for variable information in which the information is built-up on a support by selection or combination of individual elements in which the desired character or characters are formed by combining individual elements
    • G09F9/37Indicating arrangements for variable information in which the information is built-up on a support by selection or combination of individual elements in which the desired character or characters are formed by combining individual elements being movable elements
    • G09F9/372Indicating arrangements for variable information in which the information is built-up on a support by selection or combination of individual elements in which the desired character or characters are formed by combining individual elements being movable elements the positions of the elements being controlled by the application of an electric field
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/385Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective supply of electric current or selective application of magnetism to a printing or impression-transfer material
    • B41J2/41Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective supply of electric current or selective application of magnetism to a printing or impression-transfer material for electrostatic printing
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S977/00Nanotechnology
    • Y10S977/84Manufacture, treatment, or detection of nanostructure
    • Y10S977/887Nanoimprint lithography, i.e. nanostamp

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
  • Laser Beam Printer (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概してプリンティングに関し、特に分子着色料を使用する書換え可能媒体へのレーザプリンティングに関する。
【0002】
[付属書に対する参照]
本発明は、本発明によって請求される主題に関連するものとして、「MOLECULAR MECHANICAL DEVICES WITH A BAND GAP CHANGE ACTIVATED BY AN ELECTRIC FIELD FOR OPTICAL SWITCHING APPLICATIONS」と題されたZHANG等により2001年4月27日に出願された、一部の共同発明者による米国特許出願第09/844,862号の関連する明細書のページ及び図面を含むハードコピーの付属書を含む。
【0003】
【従来の技術】
プリントされた用紙の大半は、1度か2度読まれた後に破棄される。これは貴重な自然資源(樹木)の無駄であるだけでなく、紙は、膨大な量の廃棄物処理および再利用をもたらす。電子ディスプレイおよびインターネットを介するペーパレスオフィスを提供することに非常に関心が持たれている。しかしながら、大型スクリーンモデルは携帯が限定されていることや、ポータブルコンピュータを用いた場合でも実質的に閲覧する場所および姿勢が固定されること、いくつかのスクリーン技術に固有の軸外での視認性の問題、眼精疲労等の広範囲のパラメータに関し、ディスプレイがプリントされたページに対する代替物として劣っているとユーザは感じている。このため、電子的にプリントし、消去し、再利用することが可能な紙かまたは紙状シートに対する要求および市場が増大している。
【0004】
ディスプレイ用の静電分極された二色粒子が既知である。RCAのJacques Pankoveによるもの等の出版物は、少なくとも1962年3月まで遡る(RCA Technical Notes No.535)。早くも1977年には、黒および白の半球を有する二色球が、Lawrance Leeによって磁気分極に関し、XeroxのNick Sheridonによって静電分極に関し、別々に報告されている(それぞれ、S.I.D.Vol.18/3および4、233および239頁)。
【0005】
電子ペーパ状のプリント手段に対する要求は、近年、少なくとも2つのエレクトロクロミック画素(ピクセル)着色料の開発を促進した。すなわち、(1)マイクロカプセル型電気泳動着色料(例えば、E Ink Corp.が譲受人である「ELECTRONIC BOOK WITH MULTIPLE PAGE DISPLAYS」と題された米国特許第6,124,851号(Jacobson)を参照)と、(2)電界により回転可能な二色性の球状着色料(例えば、Xerox(登録商標) GyriconTM)とである。これらエレクトロクロミック着色料はそれぞれ、略半球状に二色であり、各マイクロカプセルの一方の半球はディスプレイ背景色(例えば白)にされ、他方の半球はプリントまたはイメージ色(例えば、黒または紺青)にされる。着色料が電界によって変換または回転することにより、各ピクセルにおいて所望の半球色が観察者に面する。
【0006】
Xerox Corporationは、ディスプレイおよびプリンタへの適用に対して二色半球を最も積極的に開発してきた。1978年11月21日にSheridonに対して発行された米国特許第4,126,854号は、ゼータ電位の異なる色付きの半球を有する二色球に関し、それらゼータ電位によって、このアドレス可能な電界の影響下で球が誘電流体内で回転することができることを述べている。この特許と、1979年3月6日に発行された後続する米国特許第4,143,103号において、Sheridonは、二色球が透明な高分子材料でカプセル化されるディスプレイシステムについて述べている。材料が誘電流体可塑剤に浸漬されることによりポリマーが膨張し、それによって各二色球の周囲に空洞が形成されることにより球の回転が可能になる。同じ誘電流体が、二色球のゼータ電位静電分極を確立する。1995年2月14日に発行された米国特許第5,389,945号では、Shridonは、二色球を含む高分子シートに、1電極が各ピクセルに対応する線形電極アレイと、対向する接地電極面とを用いてイメージを形成するプリンタについて述べている。1997年2月18日に発行された米国特許第5,604,027号では、Sheridonは、電子ペーパ用のマイクロカプセル化のいくつかの使用を述べている。
【0007】
二色球は、1つには製造コストが高いため商用に開発されなかった。報告されている中で最も一般的な製造技術には、通常は二酸化チタン着色料を含む、白色のミクロスフェア(微小球)の単層の露出面に黒半球を蒸着させることが含まれる。ミクロスフェアおよび半球コーティングを製作する方法は、上述したS.I.D.技報においてLeeおよびSheridonによって種々に述べられている。より最近では、Xeroxは、溶融した黒および白のポリマー滴を合せて噴射して、冷却時に固体二色球を形成させる技術を開発した。これらの方法には、1994年9月6日に発行された米国特許第5,344,594号における円周回転噴射が含まれる。不都合なことに、滴が衝突することにより、結果としての球の周囲で着色料が渦巻き状になり、吐出された小滴の濃度が適度な量に近づくと溶融した球の塊化を防止することは困難である。これら技術のいずれも、連続的な量産工程が無いため、大量で大規模の生産に向いていない。
【0008】
Leeは、固体構造内の着色料が自由回転できるように外殻球形シェル内のマイクロカプセル化二色球について述べている。薄い油層が、二色球と外殻とを分離する。これにより、固体薄膜層内にミクロスフェアを封入することができ、Shridonが提案するような媒体結合剤を膨張させる必要が無くなる。しかしながら、この技術は概して、Leeによって著された上記S.I.D.技報において磁気二色球に対して述べられている。
【0009】
Shridonは、1995年2月14日に発行された米国特許第5,389,945号において、書換え可能用紙にプリントするための電極アレイプリンタについて述べている。かかるプリンタは、独立してアドレス可能な電極のアレイによるものであり、電極の各々は、所与のピクセル領域内で二色球を回転させるために書換え可能媒体に対して局部的な電界を供給することができる。電極アレイは、潜在的にコンパクトなプリンタという利点を提供するが、コストとプリント速度との両方の観点から、マイクロカプセル二色球テクノロジに対して実際的でない。各電極は、二色球を回転させるために500〜600ボルトの電圧振幅を比較的低誘電の書換え可能用紙厚さにわたって生成するために、それ自体の高電圧ドライバを有していなければならない。かかるドライバと、電極のアレイにわたってそれらを相互接続することにより、電極アレイが高価になる。また、電極アレイを用いて達成可能なプリント速度も、書込み電界内で用紙にもたらされるニップ時間が短いため、著しく限定される。実際の電界強度下での二色球の色の回転速度は、20ミリ秒以上の範囲内にある。この速度では、電極アレイを採用する300dpi解像度プリンタは、1ページ/分未満のプリント速度に制限される。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第6,124,851号
【特許文献2】
米国特許第4,126,854号
【特許文献3】
米国特許第4,143,103号
【特許文献4】
米国特許第5,389,945号
【特許文献5】
米国特許第5,604,027号
【特許文献6】
米国特許第5,344,594号
【特許文献7】
米国特許第5,389,945号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、マイクロカプセルベースの電極媒体を使用する電極アレイプリンティング技術は、書換え可能媒体プリンティングに対して解像度、コストおよび速度を制限し、多くの商用の用途に対する開発を妨げることが分かる。したがって、書換え可能媒体に対し高解像度で高速かつ安価にプリントすることができるプリンティング技術が必要とされており、未だ解決されていない。より詳細には、媒体着色料がマイクロカプセルベースタイプに比較して優れた特性および利点を有する、レーザプリンタで使用するための媒体が必要とされている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
基本態様では、本発明は、分子着色料を有する書換え可能媒体と、プリントイメージを書込みおよび消去するための上記分子着色料に関連する電界を発生するレーザプリンタとを含んでなるハードコピーシステムを提供する。
【0013】
他の態様では、本発明は、書換え可能な分子着色料の少なくとも1つの層を有する書換え可能媒体のためのプリンタであって、堆積される電圧電荷を蓄積する光導電体手段と、光導電体手段上に堆積される電荷を書込み可能に消去する書込み手段と、書換え可能媒体が光導電体手段上に書込まれた電荷を通過する時に、光導電体手段から生成される電界により分子着色料のピクセル位置の分子状態を変化させて、これにより書換え可能媒体上にプリントイメージを発生させるように、書換え可能媒体をニップ接触領域において光導電体手段の近くに保持する支持手段とを含んでなるプリンタを提供する。
【0014】
他の基本態様では、本発明は、プリンティングイメージを表す電荷分布を光導電体上に堆積することと、光導電体上に堆積された電荷の堆積物を書込み可能に消去することと、書換え可能媒体をニップ接触領域を通して光導電体の近くに搬送し、書換え可能媒体が分子着色料の少なくとも1つの層を有することにより、書換え可能媒体が電荷が書込まれた光導電体を通過する時に、光導電体によって生成される電界が上記分子着色料のピクセル位置の分子状態を変化させ、それによって上記書込み可能な消去に関連するプリントイメージを生成することとを含むプリンティングプロセスを提供する。
【0015】
上述した概要は、本発明の態様、目的、利点および特徴すべての包括的なリストであるようには意図されておらず、そこから、本発明の範囲に対するいかなる限定もほのめかされるべきではない。この概要は、単に、公衆、特に本発明が関連する特定の技術の当業者に対し、将来の調査において特許の容易な理解を助けるために役立つように、本発明の特徴を知らせるために提供される。本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の説明および添付図面を考慮することによって明らかとなろう。なお、図面において同様の参照記号は図面を通して同様の特徴を表す。
【0016】
付属書の図面との混同を避けるために、本出願の図面では対の大文字の添え字を使用する。
【0017】
本明細書において参照する図面は、特に注釈をつける場合を除き一定の比率で縮小されていないものとして理解されなければならない。
【0018】
【発明の実施の形態】
本明細書において使用するサブタイトルは、読み手に対する便宜上のものであり、発明者により発明の範囲に対していかなる限定も意図されておらず、そこにいかなる限定も含まれるべきではない。
【0019】
[定義]
以下の用語および概念は、本論考とそれに対する付属書との両方に対して適用可能である。
【0020】
本明細書で使用する「自己組織化(self-assembled)」という用語は、構成要素の同一性(identity)のために自然に何らかの幾何学的パターンを採用するシステムを言う。すなわち、そのシステムは、この構成を採用することによりそのエネルギーの少なくとも極小を達成する。
【0021】
「1回のみ構成可能(singly configurable)」という用語は、スイッチが、酸化または還元反応等の不可逆的プロセスを介して1回だけその状態を変化させることができることを意味する。かかるスイッチは、例えば、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)の基本となることができる。
【0022】
「再構成可能(reconfigurable)」という用語は、スイッチが、酸化または還元等の可逆的プロセスを介して複数回その状態を変化させることができることを意味する。言換えれば、スイッチは、ランダムアクセスメモリ(RAM)のメモリビットかまたはディスプレイのカラーピクセル等であって、複数回開閉することができる。
【0023】
分子に対して適用される「双安定(bistable)」という用語は、エネルギー(または活性化)障壁によって分離される2つの相対的に低いエネルギー状態(極小)を有する分子を意味する。分子は、一方の状態から他方の状態に不可逆的にスイッチされてもよく(1回のみ構成可能)、または一方の状態から他方の状態に可逆的にスイッチされてもよい(再構成可能)。「多安定(multi-stable)」という用語は、3つ以上のかかる低エネルギー状態または極小を有する分子を言う。
【0024】
本発明による着色料分子に対する「バイモダル(bi-modal)」という用語は、高速であるが揮発性のスイッチングに対する無しかまたは低い活性化障壁の場合を含むように企図されてよい。かかる状況では、双安定性は必要でなく、分子は電界によって一方の状態にスイッチされ、電界の除去時にその元の状態に戻るように緩和される。かかる分子を、「バイモダル」と呼ぶ。実質的に、これらバイモダル着色料分子の形態は「自己消去(self-erasing)」である。対照的に、双安定着色料分子では、着色料分子は電界の除去時にその状態で保持され続け(不揮発性スイッチ)、その場合活性化障壁の存在により、分子をその前の状態に戻すように切替えるために反対の電界を印加する必要がある。また、本発明の態様を説明するために1つの用語として以下使用する「分子着色料(molecular colorant)」は、分子レベルに対して作用する色素等の他の化学組織とは区別されなければならない。言換えれば、以下使用する「分子着色料」には、本発明によって、付属書において述べられているような着色料分子とそれらの等価物とが採用される、ということを意味する。
【0025】
ミクロンスケールの寸法は、1マイクロメートルから数マイクロメートルまでのサイズに亙る寸法を言う。
【0026】
サブミクロンスケールの寸法は、1マイクロメートルから0.05マイクロメートルまでに亙る寸法を言う。
【0027】
ナノメータスケールの寸法は、0.1ナノメータから50ナノメータ(0.05マイクロメートル)に亙る寸法を言う。
【0028】
ミクロンスケールおよびサブミクロンスケールのワイヤは、幅または直径が0.05〜10マイクロメートルの寸法を有し、高さが数十ナノメータからマイクロメートルに亙ることが可能であり、長さが数マイクロメートル以上である、棒またはリボン形状の導体または半導体を言う。
【0029】
「HOMO」は、「最高被占分子軌道(highest occupied molecular orbital)」に対する一般的な化学上の頭文字であり、「LUMO」は、「最低空分子軌道(lowest unoccupied molecular orbital)」に対する一般的な化学上の頭文字である。HOMOおよびLUMOは、分子における電子誘導と、HOMOおよびLUMO間にエネルギー差(以下、HOMO−LUMOギャップまたはバンドギャップともいう)をもたらし、他のエネルギー的に近い分子軌道が、分子の色をもたらす。
【0030】
本発明のコンテキストにおいて、「光スイッチ(optical switch)」は、例えば遠赤外線(IR)から深紫外線(UV)までに亙る、肉眼で検出可能なものの内側と外側との両方における、分子の電磁特性の変化を伴う。光スイッチングは、電磁放射の吸収、反射、屈折、回折および散乱等の特性の変化を含む。
【0031】
「透明(transparency)」という用語は、可視スペクトル内で定義され、光学的に、着色料を通過する光が、着色料がスペクトル的に吸収する領域を除いて妨げられないかまたは変更されないことを意味するように定義される。例えば、分子着色料は、可視スペクトルにおいて吸収しない場合、無色透明の透明度を有するように見える。
【0032】
本明細書では、「全環境照明視認性(omni-ambient illumination viewability)」を、目が反応するあらゆる環境照明条件下での視認性として定義する。
【0033】
一般的な叙述として、本発明のコンテキストにおける「媒体(media)」は、携帯型か固定かに関らず、本発明による、分子着色料かまたは分子着色料を含むコーティングを含むかまたはそれが層状になっている任意の表面を有し、そこでは「双安定」分子が採用される。例えば、1枚の紙の特性のすべてを示す可撓性シートと、アプライアンス(分子着色料を使用する冷蔵庫ドアまたはコンピューティングアプライアンスである場合)の書込み可能面と、の両方である。本発明のコンテキストにおける「ディスプレイ」(または「スクリーン」)は、必ずしも双安定分子ではないが「バイモダル」分子を採用するあらゆる装置を含む。媒体タイプ装置がどこで終りディスプレイ機構がどこで始まるかに関しての境界が不鮮明であるため、本発明の範囲に対していかなる限定も意図されておらず、「媒体」としてまたは「ディスプレイ」としていかなる特定の実施形態の指示からもほのめかされるべきではない。
【0034】
発明の詳細な説明と付属書とを読むと明らかとなるように、「分子(molecule)」は、本発明によって例えば光スイッチ等の単一分子デバイスを意味するように解釈することができ、あるいはコンテキストによっては、例えば個別にアドレス可能でピクセルサイズの光スイッチのアレイ等、実際には自己組織化実装において単一分子として共有結合される、分子レベルデバイスの巨大なアレイであってもよい。このように、分子システムによっては、システムを形成する個々の分子デバイスの選択的な領域変更が可能である超分子を含むことを認めることができる。本明細書で使用する「分子システム(molecular system)」は、規則的アレイピクセルパターン等、組織的に使用される単一分子デバイスと、分子的に結合された個々のデバイスと、の両方を言う。これら用語を取替えて使用することにより本発明の範囲に対していかなる限定も意図されず、ほのめかされるべきではない。
【0035】
[装置概略説明]
ここで、本発明を実施するために目下考えられる最良の形態を示す、本発明の特定の実施形態を詳細に参照する。また、代替実施形態も適用可能であるとして簡単に説明する。
【0036】
本発明の書換え可能媒体は、紙またはフィルム等の基板を含み、その上かまたは中に、電界により色が反応する双安定の二色性の分子着色料を有する。着色料にわたって印加される第1の極性の電界は、その双安定着色料分子に対し第1の色を表示するように影響を与える。着色料にわたって印加される反対の極性の電界は、着色料分子に対しそれらを透明にするかまたは第2の色を表示するように影響を与える。電界が印加されない時、誘導される双安定分子状態は、無期限でないとしても長期間に亙って安定状態を維持する。
【0037】
図1は、図2Aおよび図2Bの書換え可能分子着色料媒体200に対する特定の実施形態におけるレーザプリンティングシステム180を示す。書込みステーション240は、標準レーザプリンタの光導電体、すなわち本技術分野において周知の帯電および光書込装置からなる。コロナチャージャ等の装置190によって光導電体210ドラムまたはベルトにもたらされる電荷は、衝突(impinging)レーザビームまたは他の露光装置220によって優先的に「書込まれる」。媒体140が光導電体210と背面電極250ローラとの間を通過する時、書換え可能プリント媒体140を通して電界が確立される。電界の極性と大きさとは、光導電体210上の仮想イメージ(相対電荷強度)の電荷特性にしたがって変動し、着色料分子203状態の再配向によって書換え可能媒体140にイメージが記録されるようにする。プリント後、光導電体210に残留する電荷は、電荷イレーサ200、通常はページ幅の照明源によって「消去」される。
【0038】
代替的に、背面電極250ローラは、バイアスをかけられずに、光導電体210上に蓄積される電荷に対して浮動することが可能である。かかる場合、ローラは、単に支持構造として作用し、光導電体210上に蓄積される電荷によって書換え可能媒体140にイメージが記録される際に、媒体140を光導電体210の近くに保持する。
【0039】
図1は個別の消去ステーション230を示すが、代替的に、背面電極250に適当なバイアスをかけることにより、個別の消去ステーション230を不要とすることができる。例えば、公称有機光導電体を、−600Vまで帯電し、露光した時に−100Vまで放電してよい。背面電極250に−350Vのバイアスを印加することにより、光導電体210の依然帯電している領域が媒体140に接触する時はいつでも、書換え可能媒体140に亙って発生した電界は−250Vになる。
【0040】
[分子着色料プリント媒体]
図2Aの拡大部分図に概略的に示すように、本発明の一実施形態による電子プリント媒体200は、裏打ち202基板の上に取付けられたエレクトロクロミックコーティング201を含む。本発明の媒体200は、実際にこのコーティングの局部領域をある色合いから別の色合いに選択的に変化させる電界を印加する結果、配座変化する、双安定エレクトロクロミック分子203(非常に拡大されたドットで表す)を含む、エレクトロクロミック分子着色料コーティング201層(層を実際には後述するように透明とすることができることを立証するため、および、層が非常に薄い、例えば数ミクロンのオーダであることを示すために、破線を使用する)を採用する。本発明を説明するために、エレクトロクロミック分子自体は、図2Bにおいて単純なドット203で示す。しかしながら、着色料の立方ミクロン毎に事実上無数のかかる分子がある(非架橋システムという意味で)ということが認めらなければならない。これは、架橋分子システムにおける、着色料の立方ミクロン毎に無数の分子光スイッチイングデバイスとも考えることができる
【0041】
任意に、分子着色料は、その分子スケールで空間的にアドレス可能であるために、基板の分子と混合されてよい。プリント媒体技術分野において、混合基板着色および製作プロセスは周知である。
【0042】
[エレクトロクロミック着色料のための二色分子]
書換え可能媒体に適した分子着色料を開発するために必要なのは、化学的酸化および/または還元を回避し、第1の状態から第2の状態への適度に迅速なスイッチングが可能であり、リアルタイムまたはビデオレートの書込み・消去に適用することが可能であるように可逆的であり、種々の光学装置に使用するように適合することができる、分子システムである。
【0043】
本発明は、分子が状態を変化させる時に色を変化させる、光スイッチ用の分子を使用することができるようにする。この特性は、多種多様の書込み・読出し・消去装置か、あるいは、色を変化させるかまたは透明から色付きに変化することができる材料によって可能とされる他のあらゆる用途に対して、使用することができる。本発明は、いくつかの新たなタイプの分子光学特性スイッチングメカニズムをもたらす。すなわち、(1)分子のバンドギャップを変化させるために、分子の少なくとも1つの回転可能な部分(ロータ)の回転を電界によって引き起こすことと、(2)バンドギャップを変化させるために、化学結合の変化を介する分子の電荷分離または再結合を電界によって引き起こすことと、(3)分子の折畳みまたは延伸を介するバンドギャップ変化を電界によって引き起こすことと、である。これら装置は、包括的に電界装置であるとみなされ、電気化学装置とは区別されなければならない。
【0044】
上記のZhang等による「MOLECULAR MECHANICAL DEVICES WITH A BAND GAP CHANGE ACTIVATED BY AN ELECTRIC FIELD FOR OPTICAL SWICHING APPLICATIONS」と題された、付属書として本明細書内に部分的に包含された同時係属米国特許出願は、本発明によって使用することができる二色分子の複数の実施形態を詳細に述べている。
【0045】
付属書において述べるようなテクノロジに関して、電子プリント媒体に対するマクロカプセルテクノロジ(上記の背景技術を参照)と比較したエレクトロクロミック分子着色料の圧倒的な利点は、標準化された従来からのハードコピー品質と、プリントコントラストと、イメージ解像度と、スイッチング速度と、色透明度と、の実現である。かかるエレクトロクロミック分子着色料を使用することにより、色モード、色密度およびコーティング層混合可能性(incorporability)において紙形態の従来のプリンティング顔料に似ている読取り可能な内容が提供される。透明状態では、本発明の二色分子203はいかなる可視光もそれほどには吸収せず、コーティング層201を通して媒体基板202を完全に見ることができる。このため、観察者に対し、エレクトロクロミック分子着色料イメージは、従来からの用紙上のインクプリントで現れる場合のイメージと実質的に同一に現れる。すなわち、特定の高密度色のグラデーションは、あるとしても、裸眼には見えない。本明細書で使用する「エレクトロクロミック分子着色料」という用語は、明示的に、例示的な黒状態とは異なる所望の合成色を達成することができる層を形成するように混合される、複数の異なる着色料分子を含むよう意図される。
【0046】
さらに、エレクトロクロミック分子着色料は、その分子(オングストローム)スケールで空間的にアドレス可能であり、数十ミクロンスケールのマイクロカプセル着色料より高いイメージ解像度を可能にする。
【0047】
媒体200のエレクトロクロミック分子着色料浸透ピクセル領域に対する色スイッチング時間は、マイクロカプセル着色料の場合の時間より大幅に短く、そのためイメージ形成速度が大幅に高速になる。それは主として、着色料のエレクトロクロミック分子が実質的に定常であり、電子の移動か、分子素子の捩れか、またはその両方によって色を変化させるためである。いずれの場合も、任意のアドレスされたピクセルの移動の総量は、マイクロカプセル着色料で必要なものより何桁も小さい。また、いかなる粘性抵抗成分も追加されない。
【0048】
[二色着色料を使用する電界アドレス可能書換え可能媒体]
書換え可能プリント媒体発明は、2001年7月31日に出願された、共同発明者による同時係属米国特許出願第09/919394号において述べられている。それと同様に、本発明は、第1実施形態において、二色エレクトロクロミック分子着色料を使用する電界アドレス可能書換え可能媒体200を含む。着色料は、分子レベルでアクティブであるため、複数の方法で形成することができる。自己組織型であり、含浸か、あるいは液体、塗料、インクまたは他の方法で適合された形態としての液体媒介物の基板202上へのコーティングを使用して形成される実施形態は、すべて本発明の範囲内にある。分子着色料は、自己組織型システムであってよく、あるいは従来からの堆積および乾燥(または硬化)技術を使用して着色料を基板に塗布する担体または媒介物を有してよい。以下、あらゆるタイプの媒介物をより詳細に論考する。
【0049】
本媒体200の発明は、多種多様の基板202材料および形態を考慮する。プリンタおよび普通紙状適用の使用に対して特定の単なる一実施例として、コーティング201は、市販の事務用品または他のプリント可能媒体のおよそのサイズ、厚さおよび形状の、プラスチックかまたは他の可撓性の耐久性がある材料基板202に付されてよい。実現される特定の基板202構成は完全に、特定の用途によって、および特に基板がコーティング201層に亙って与えられる電界を維持または生成する際に果たす役割によって決まる。実際には、少なくとも双安定分子システム形態の分子コーティングを、書込みまたはイメージを形成することができる任意の表面とともに使用することができる。
【0050】
[分子システムの消去可能に書換え可能表面]
本発明による媒体上の分子着色料の全般的な特徴は、添付の付属書に詳細に述べられている。本発明に関連する好ましい実施形態では、媒体200のコーティング層201は、電界反応高色密度状態(以下、単に「色状態」)および透明状態か、または2つの非常に対照的な色状態、例えば黒状態と色状態(例えば黄色))を有する、エレクトロクロミック分子203(図2Aおよび図2B)(自己組織型かまたは他の化学成分、すなわち「媒介物」と関連する分子)を含む。媒介物には、結合剤、溶媒、フロー添加剤、または所与の実施に適当な他の一般的なコーティング添加剤を含んでよい。
【0051】
好ましくは、コーティング201の着色料は、第1の電界が印加されると色状態(例えば、黒)を取得し、第2の電界が印加されると透明状態を取得する。好ましい実施形態におけるコーティング201(またはより詳細には、媒体200のアドレス可能ピクセル領域)は双安定である。言換えれば、一旦設定されるかまたは書込まれると、電界がターゲットとする「色付きピクセル」分子は、「印刷内容」を形成し、第2の磁界が印加されるまで現印刷状態で維持され、電界がターゲットとするピクセルにおいて分子をそれらの透明状態に戻すことによって、意図的にイメージを消去する。ここでもまた、任意の所与のピクセルにかかるスイッチングされる分子が無数にあってよい、ということが認められなければならない。印刷内容を維持するために電界を保持する必要はない。
【0052】
本発明のコーティング構成は、従来のコーティング形成テクノロジとは構造は非常に異なるが類似している。着色料の成分は、流動学と、プリンティング/コーティングプロセスおよび基板材料の接着ニーズと、によって決まる。実施によっては、着色料層は自己組織型となる。一般に、コーティング201層は、基板202上のコーティング201層を形成するために堆積される膜の固形分の1%〜30%を構成する。この量は、通常、所望のイメージ色密度によって確定される。エレクトロクロミック分子着色料が懸濁される基板202上に乾燥または硬化したコーティング201層をもたらすために、コーティング201には高分子結合剤が含まれてよい。代替的に、固形分は、いくつかの周知の方法による蒸着方法かあるいは着色料または関連する媒介物を堆積する他の薄膜堆積方法のために、100%もの着色料を含んでよい。堆積・蒸発方法の場合、関連する媒介物が無くてよい。場合によっては、着色料は、プリント内容を書込みおよび消去するために使用される電界との最適な位置合せを可能にするために、堆積されたコーティング201層内において予め配向されなければならない。かかる配向は、媒体200に亙って同時に印加される電界の影響下で堆積されたコーティング201層を凝固させることによって達成されてよい。1つの特定の実施形態では、コーティング201は、エレクトロクロミック分子着色料と、液体の紫外線(「UV」)硬化プレポリマー(例えば、メタクリル酸塩かまたはビニルモノマー/オリゴマ)と、を含む。この場合のポリマーは、紫外線に晒されると媒体基板202上に随時(in situ)形成される。かかるプレポリマーは、コーティング技術において周知である。
【0053】
第2の特定の実施形態では、コーティング凝固は、エポキシ、ウレタンおよび熱フリーラジカル活性化重合に対して一般的な熱活性化媒介物の化学反応によって発生してよい。
【0054】
第3の特定の実施形態では、コーティング凝固は、部分的または全体的な媒介物蒸発によって発生してよい。
【0055】
着色料はまた、自己組織化格子構造を可能にする着色料/コーティング設計によって自己配向(self-orient)してもよく、その場合各着色料モノマーは隣接する着色料モノマーと位置合せする。かかる設計および格子構造は、例えば、デンドリマおよび結晶には一般的である。自己組織化のプロセスは、周知のラングミュア(Langumir)膜および気相蒸着技術等の連続した単層堆積方法を含んでよい。
【0056】
[基板]
媒体の任意の特定の実施の構成は、書込み手段によって決まる。全体的に、基板は可撓性であっても、半可撓性であっても、剛性であってもよい。それは、膜、箔、シート、ファブリック、あるいはより堅固な予め成形された3次元物体としての構造を備えてよい。それは、特定の実施に対して適切なように導電性であっても、半導電性であっても、絶縁性であってもよい。同様に、基板は、特定の実現に対して適切なように、光学的に透明であっても、半透明または不透明であっても、色付きまたは色無しであってもよい。適当な基板材料は、例えば、紙、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、木材、合成および有機繊維、およびその組合せから構成されてよい。適当な可撓性シート材料は、好ましくは、繰返しのイメージ形成に対して耐久性があり、例えば樹脂含浸紙(例えば、Appleton Papers Master FlexTM)、合成繊維シート(例えば、DuPontTMTyvexTM)、プラスチックフィルム(例えば、DuPont MylarTM、General ElectricTMLexanTM等)、エラストマーフィルム(例えば、ネオプレンゴム、ポリウレタン等)、織ファブリック(例えば、木綿、レーヨン、アクリル樹脂、ガラス、金属、セラミック繊維等)および金属箔を含み、基板は導電性かまたは半導電性であることが好ましい。それは、分子着色料層201に接する導電層を有するか、または基板に亙る電圧降下を最小限にするために高誘電率バルク特性を有していなければならない。導電基板には、金属、導電ポリマー、イオンポリマー、塩および炭素充填プラスチックおよびエラストマー等が含まれる。適当な半導体基板は、従来からのドープシリコン等から構成されてよい。導電層を有する基板には、金属クラッドプリント回路基板、酸化インジウム錫コートガラス、セラミック等が含まれる。また、ガラス、セラミックまたは他の基板材料上に堆積または成長させた半導体膜も使用されてよい。これら基板の各々は市販されている。高誘電率材料には、チタニア等の金属酸化物セラミックが含まれる。適当な基板は、焼結セラミックフォーム、織セラミックファブリック、またはセラミック充填プラスチック、エラストマーおよび紙(セラミック−樹脂含浸を介して)から構成されてよい。半透明基板は、同じ基板上で環境照明とバックライトとの表示オプションが利用可能である用途に使用されてよい。概して、半透明基板は、環境表示条件下では比較的不透明な白に見え、バックライト表示条件下では透明な白に見えることが望ましい。適当な半透明基板には、結晶性および半結晶性プラスチック、繊維シートおよびフィルム(例えば、Dupont Tyvex)、つや消し表面処理プラスチックフィルム(例えば、DuPontマット仕上げMylarおよびGeneral Electricマット仕上げLexan)、市販のつや消し表面処理ガラス等が含まれる。
【0057】
[本発明の特定の装置および動作]
図1において例示するような一実施形態では、光導電体210上の電界電圧は、−250から+250で変動し、背面電極は、光導電体の帯電電圧と放電電圧との間のおよそ半分に設定される。概して、式は以下のようになる。
【0058】
転写ローラバイアス=(Vc−Vdc)/2
【0059】
ここで、Vc=帯電した光導電体であり、Vdc=放電した光導電体(ピクセル領域)である。
【0060】
消去時間と書込み時間とは同じにすることができ、したがってプリンタ設計の観点から最適化することができる。それは、書込み電界とこのようにバイアスすることによって生成される消去電界とが、大きさは同じであるが反対の方向を有するためである。
【0061】
図3Aは、本発明の一実施形態によって実施されるピクセルの黒領域の書込みを示す。図3Aにおいて、光導電体210の一部は、レーザによってその部分に放電させることによって書込み可能に消去されている。この放電によって、光導電体210の転写ローラ250に近接するこの部分に−100Vのバイアスが確立される。転写ローラ250は−350Vにバイアスがかけられるため、光導電体210と転写ローラ250との間に下方向の電界Eが生成される。この電界によって、着色料分子203はそれらの色状態、例えば黒に配向する。
【0062】
図3Bは、本発明の一実施形態によって実行されるピクセルの白領域(基板202が不透明な白であるとする)の書込みを示す。図3Bにおいて、光導電体210の一部は、レーザによって放電されていないため帯電した状態を維持する。帯電によって、転写ローラ250に近接する光導電体210のこの部分に−600Vのバイアスが確立される。転写ローラ250は−350Vでバイアスがかけられるため、光導電体210と転写ローラ250との間に上方向の電界Eが生成される。この電界によって、着色料分子203は、光導電体210と転写ローラ250との間を通過する際に透明状態に配向する。
【0063】
図4は、本発明の一実施形態によって実施される同時消去・書換えを示す。図4において、レーザスキャナ220は、光導電体210上の電荷を書込み可能に消去する。この書込み可能消去により、光導電体210と転写ローラ250との間に、書換え可能媒体140が光導電体210と転写ローラ250との間を通過する際に棒グラフイメージ420が記録されるために十分なバイアスがもたらされる。棒グラフイメージ420が書込まれているのと同時に、光導電体210と転写ローラ250との間のバイアスによって地図イメージ410(書換え可能媒体140に先に記録されていた)が消去される。
【0064】
別個の消去ステーション230を用いると通常はレーザプリンタシステム180に部品を追加する必要があるため、光導電体210が新たなイメージを書込むと同時に前のイメージを消去する両方の役割を果たすこのシナリオは、当然ながら非常に望ましい。しかしながら、かかる大きさの背面電極250バイアスの動作が、いくつかのマイクロカプセル100材料に対して必要な程度より低く、書込みおよび消去のための発生した磁界強度を低減する可能性があること、あるいは、オフィスまたは家庭において発生する電界への露出による消去に対してより高いイメージ安定性および抵抗力を加えるように、着色料分子203がより高い磁界強度に対応するように設計される可能性があること、が予期される。かかる場合、接地されない場合は背面電極250バイアスは、イメージ書込みモードにおいて電界強度を最適化するためにより低くなければならない。したがって、別個の消去ステーション230が必要となる。
【0065】
消去ステーション230(図1)は、プリンタ用紙経路に沿って測定されるように光導電体210の上流に配置される。消去ステーション230は、着色料分子203のすべてを同じ方向に配向させるために正確な極性および大きさの電界を生成し、それによっていかなる前のイメージも消去される。複数のイメージ電界および消去電界の配向が可能であることが理解されなければならない。例えば、消去ステーション330は、黒一色のイメージを生成し、それによって光導電体210はドキュメントの白い背景イメージを書込むことが可能である。より直観的には、消去ステーション230は、白一色のページを生成し、それによって光導電体210が黒色のイメージを書込むようにする。かかる設計判断は、着色料分子203の部分に付着する電荷の種類と、光導電体210上にもたらされる電荷の極性と、によって確定される。消去ステーション230を構成する電極は、対向する平行プレートか、一組のローラ(図示する)か、または書換え可能媒体140に亙って所望の電界をもたらすことができる任意の適当な構成として設計することができる。ローラの場合、ローラ表面を誘電体でコートすることによりローラ間のアーキングを防止することが望ましい場合がある。
【0066】
[トナーを用いてかつ書換え可能分子着色料媒体にプリントすることができるレーザプリンタ]
代替実施形態として、電界書換え可能および消去可能媒体140は、標準のデスクトップまたは他のレーザプリンタ(トナーを使用して従来からの紙状媒体でプリントする機能を保持する同じプリンタ)でプリントすることができる。かかるレーザプリンタに対して必要なのは、若干の追加と強化のみである。かかるプリンタは、従来のプリンティングからずっと環境的に汚染しないプリンタ方法へ橋渡しする導入製品として、広い市場性を有することになると考えられる。
【0067】
図7は、本発明による代替実施形態のプリンタのデュアルモード(すなわち、トナーおよび書換え可能モード)プリンタ300の実施形態を示す図である。本発明の書込み技術は、同じプリンタ300からの普通紙に対する従来からの電子写真トナー現像を用いる場合より、書換え可能用紙140に対しはるかに優れたイメージ品質をもたらすことができる。これは、書換え可能用紙140が、光導電体210によるコンタクトプリントとしてイメージ形成され、そのためはじき合うトナー粒子および静電転写によってもたらされる程度のドットの広がりが無くなるためである。
【0068】
デュアルモードレーザプリンタ300によって書換え可能媒体上に許容可能なイメージを生成するために必要なステップは、トナー現像ステーション310を使用不能にすることである。現像ローラ320を光導電体210から機械的に移動させることか、またはそれらの間に配置されたシールド(図示せず)を通してトナー転写を阻止することは、有効な解決法である。代替的に、現像ローラ320上のバイアスを制御することによってトナー現像を防止することは、より単純でありかつ既存のレーザプリンタ設計にもっとも介入しないものであると考えられる。
【0069】
参考として、図5に、現像ローラ320と光導電体210との例示的な標準構成を示す。多くの現像装置があるが、共通の目的は、現像ローラ320上にトナー粒子260の一様な層を生成し、各粒子260が同様の電荷極性を有するようにすることである。通常のトナー現像モードでは(図8)、現像電極320(ローラ)にバイアスがかけられることにより、トナーが現像ローラ320から光導電体210の放電領域(帯電領域現像の場合)に押出される。このバイアスは、光導電体210の帯電領域電圧と放電領域電圧との間のレベルで保持される。現像電極320バイアスが光導電体210の放電電圧(しばしば残留電圧と呼ばれる)に近似するかまたはそれより下まで降下した場合(図9)、現像ローラ320と光導電体210との間で発生した電界は、トナーを現像ローラ320に押出すか、あるいはトナーを現像ローラ320から外すように移動させるためには不十分な大きさとなる。
【0070】
このため、単純な電子制御で、現像機構を、通常のトナー現像モードから本発明の書換え可能媒体のトナー無しプリンティングを可能にするトナー使用不能モードに切替えることができる。現像電極320電圧は、誤信号トナーの現像も防止するように選択されなければならない。
【0071】
図8および図9は、現像ローラ320バイアスをいかに変化させてトナー現像を使用不能にすることができるかの一実施例である。なお、ここで示すものとは異なる、帯電領域現像またはトナー電荷極性等の他の現像モードにおいても、この技術から利益を得ることができる。基本的な概念はまだ適用されるため、ここではこれ以上論考しない。
【0072】
現像機構310と同様に、レーザプリンタフューザステーション290は、書換え可能用紙が「プリントされる」時はいつでも使用不能状態でなければならない。明らかに、フューザ290によって生成される熱は、加熱素子に対する電源を切断することによって容易に使用不能とすることができる。
【0073】
本明細書で説明する書換え可能用紙の概念は、用紙タイプの自動検出に容易に適用される。書換え可能用紙から普通紙を識別するために、例えば書換え可能用紙内に製作された透かしの光検出等、いくつかの用紙検出技術が可能であるが、1つの技術が最も的確であると考えられる。この場合、消去電極から上流の電極が配置され、シート(例えばマージン)上のいずれかの場所に配置された分子着色料にバイアスをかけて黒を書込む。同じ用紙経路に沿って配置された光検出器が、バイアスが黒を生成したか(書込み可能用紙)または何ももたらさなかったか(普通紙)を検出することができる。検出後、テストマークは、消去ステーションかまたは光導電体を介して消去される。
【0074】
通常(トナー)プリンティングが指定された時に書換え可能用紙が検出された場合、プリンタはプリント動作を停止してユーザに対して組合せが不適当であることを指示することができる。同様に、書換え可能プリンティングが指定された時に非書換え用紙が検出された場合も、プリンタはプリント動作を停止してユーザに組合せが不適当であることを指示することができる。代替的に、デュアルモードプリンタの場合、プリンタは自動的に書換えモードからトナーモードに切替り、その後普通紙にプリントすることができる。
【0075】
図6は、プリンタ用紙経路に沿いかつ光検出器280より上流の、シート状の書換え可能用紙140の通常プリントされていないマージンに配置された一対の書込み電極270を示す。電極に対して、周知の方法の線形またはマトリクス化アレイ電極テクノロジが採用されてよいが、さらに、エレクトロクロミック分子着色料が、その粒子(オングストローム)スケールで空間的にアドレス可能であり、それによってトナーまたは何十ミクロンスケールのマイクロカプセル着色料を用いる場合よりも高いイメージ解像度が可能になる。小さい電極は読取り難い境界をもたらす可能性があるため、大型の電極が好ましい。
【0076】
電極270は、すべての着色料分子を共通の状態配向、例えば色または黒に位置合せするように電圧バイアスされる。プリント媒体シートがプリンタのこの部分に入ると、電極270に電圧が印加されることにより、用紙が書換え可能用紙である場合は、黒のプリントパッチがイメージ形成される。一方、用紙が書換え可能でない場合、電極270によって黒のイメージは形成されない。そのため、光検出器280は、フィードバック経路となり、その経路に入る媒体が従来のまたは書換え可能の「用紙」のいずれであるかを判定する。このように形成された任意のプリントパッチは、消去ステーション230、すなわち光検出器280の下流に配置された逆極性電極の第2のセットによって、またはおそらくは上述したように光導電体210自体によって、消去されてよい。明らかに、上述したプリントパッチを形成するために、複数の異なる装置を使用することができる。図示する平行プレート電極270に加えて、一対のローラ電極、エッジ電極、またはこれらの組合せを使用することができる。
【0077】
代替実施形態では、図6および図7の光検出器280を、図1のシステム180の消去ステーション230と書込みステーション240との間に配置してもよい。この場合、消去ステーション230には、書換え可能用紙140上に黒一色のイメージをもたらし、当然ながら従来の用紙にはいかなるイメージももたらさない(白のままである)ようなバイアスがかけられる。そして、光検出器280は、それぞれ書換え可能かまたは従来の「用紙」の存在の決定因子としての黒または白の媒体表面色の存在を検出するように配置される。
【0078】
これら検出方式のいずれにおいても、第2の光検出器を、印刷媒体に隣接するが反対側に配置することにより、書換え可能シートがプリンタに上下逆に装填されたか否かを検出することができる。この場合、一対の書込み電極によって一続きの逆極性パルスを発生させることにより、一続きの黒のバーと空白とを生成する。書換え可能媒体の記録層に面している検出器が、バーパターン信号を受信する。
【0079】
代替的に、上下逆のシートが検出された場合、高性能プリンタは、光検出器に書込まれたデータをミラーイメージすることにより、シートの裏面に正確な表読み(right-reading)イメージを生成することができる。
【0080】
図7は、書換え可能媒体または普通紙プリンティングプロセスを含ませるための、従来のレーザプリンタ300の単純な追加物の略図を示す。基本的に、この実施形態では、書込み270電極および消去230電極に、現媒体が普通紙であるか本発明の書換え可能媒体であるかを検出する光検出器280を足したものを、従来のプリンタに追加したのみである。ここでまた、従来のレーザプリンタにおいて光導電体210からトナーを剥離して用紙上に転写ために使用される標準転写ローラ330が、図1に示す背面電極250の代りに機能する。なお、多くのレーザプリンタが、トナーを転写するために図1に示すような背面電極を使用する。しかしながら、通常、転写ローラは約2000ボルトでバイアスがかけられている。
【0081】
任意に、転写ローラ330はオフにされてよい。この場合、光導電体210によって生成される電界のみで、着色料分子を駆動するために十分な電界をもたらすことができる。このプリンタ300で使用されるフューザ290は、好ましくは、電源がそれぞれオンおよびオフとされた時に温度が迅速に上昇および下降する低熱質量ヒータからなる「インスタントオン(instant on)」タイプである。ここで、転写ローラ330バイアスの設定が正しい場合、消去電極230を不要とすることができる、ということは注目するに値する。
【0082】
また図1の論考を参照すると、転写ローラが書換え可能用紙140の底部に−350Vの電荷バイアスをもたらした場合、同じ実施例では、書込みおよび消去電界は、大きさは等しいが極性が反対になる。
【0083】
代替的に、光検出器280および書込み電極270を、従来の用紙か書換え可能用紙のいずれが使用されているかを示すユーザ起動スイッチに置換えることができる。図10は、本発明による書換え可能媒体プリンタのデュアルモードプリンタ実施形態に対するバイアス制御設定を示す図である。ユーザが、デュアルモードプリンタ300のスイッチ340を書換え可能用紙モードからトナーベースプリンティングに設定すると、スイッチ350、360および370の設定が変化する。スイッチ350は、現像ローラ320バイアスを制御する。スイッチ340をトナーベースプリントモードに設定することにより、スイッチ350は現像ローラ320バイアスを+350V(トナーは現像されない)から−250V(トナーは現像される)に変化させる。同様に、スイッチ360は、転写ローラ330バイアスを制御する。スイッチ340をトナーベースプリントモードに設定することにより、スイッチ360は転写ローラ330バイアスを−350Vから+2000V(トナーは用紙に転写される)に変化させる。最後に、スイッチ370はフューザ370を制御する。スイッチ340をトナーベースのプリントモードに設定することにより、スイッチ370はフューザ290電源を「オフ」(定着無しすなわち書換え媒体)から「オン」(トナーを用紙に定着)に変化させる。
【0084】
したがって、従来の用紙と書換え可能用紙とのプリンティングを制御するために、転写ローラ330電圧を変更することを含む多種多様の製品オプションがある。最も単純な実施形態では、図7に示す標準レーザプリンタ300から書込み電極270および消去電極230と光検出器280とを除いたものが、用紙設定のためのホストコンピュータイネーブルスイッチとともに使用される。従来の用紙およびトナープリンティングが望ましい場合、転写ローラ330および現像ローラ320電圧はトナー現像用に設定され、転写およびフューザ290温度は通常の定着用に設定される。書換え可能用紙140が使用される場合、転写ローラ330は、光導電体210による古いイメージの消去と新しいイメージの書込みとを同時に可能にするように設定され、現像機構320バイアスはトナー現像を禁止するように設定され、フューザ290ヒータは動作が停止される。電圧設定の各々の実施例は、この項目で上述した。この場合、コントローラおよびフォーマッタ回路ロジックのみが変更されればよく、基本エンジンは元のまま維持されてよい。
【0085】
先の項目で上述したように、スタンドアロン書換え可能媒体プリンタを、従来のトナーベースレーザプリンタよりずっと単純に作製することができる。図7を参照すると、かかるプリンタは、トナー現像液310、フューザ290およびトナークリーニングステーション(図示しないが通常は光導電体210上で作用する)を不要にする。同じプリンタは、図7に示す用紙タイプセンサ280と電極270とを必要としない。この場合、書換え可能用紙140は、図1のプリンタに対して説明したようにそのイメージが書込まれ前のイメージが消去されるようにすることができる。
【0086】
[両面書換え可能媒体]
上述した論考は片面書換え可能媒体に焦点を当てたが、基板シートの各面に記録層を有する書換え可能媒体を作製することが可能である。図11Aは、かかる両面書換え可能媒体システムを示す。図11では、記録層160と基板170との間の書換え媒体140に導電層380が追加されている。この場合は小さいホイールであるバイアスコンタクト410は、書換え媒体140が光導電体210を通過する際に物理的に導電層380に接触する。バイアスコンタクト410は、転写ローラ330に電気的に連結されている。このため、電界が導電層380と光導電体210との間に確立されることにより、イメージが記録層160によって記録される。
【0087】
しかしながら、導電層380は転写ローラ330と同じ電位にバイアスがかけられるため、かかる電界は転写ローラ330と導電層380との間には形成されない。したがって、記録層160への書込み時には、記録層400に記録されるイメージは変化しない。
【0088】
一実施形態では、導電層380および390は、基板170上に堆積された透明または白色の導電ポリマーコーティング層である。代替的に、基板170自体を導電材料から形成することができる。
【0089】
バイアスコンタクト410をホイールであるように示すが、ブラシ等の代替コンタクト機構を採用することができる。さらに、基板170の転写ローラ330に最も近い側に、第2のバイアスコンタクトを配置することができる。したがって、第2のバイアスコンタクトは、記録層400と接触する。これにより、基板170の一面のみに配置された単一導電層を使用することができる。さらに別の実施形態では、基板170内に1つまたは複数の導電層を形成し側面から接触する(例えばブラシにより)ことが可能である。
【0090】
要約すれば、本明細書で提示する書換え可能媒体とプリンタとは、多くの利点を提供する。
【0091】
1つの利益は、プリントページ毎のコストを著しく低減させるということである。書換え可能「用紙」は、静電気的にプリントされ、消去され、おそらく無期限にかまたは紙詰まり問題が発生する可能性のある程度まで基板が磨耗するまで再プリントされてよい。プリント密度に関りなく、予期されるプリント毎のコストは、レーザおよびインクジェットプリンタの場合より、単純なテキストプリントページ毎に少なくとも1桁は低減することが期待される。
【0092】
書換え可能媒体プリンティングプロセスには消耗品が無い。「インク」は媒体内にあり双安定、例えば黒または白の用紙である。購入し、取替え、または処分するためのトナー、インクまたはカートリッジは無い。この利益は、環境的に「優しい」プリンタソリューションを提供するだけでなく、カートリッジの購入、交換および処分に関するコストおよび「面倒な」要因を排除する。
【0093】
書換え可能媒体は、紙状の外観と感触とを有することができる。本発明の設計により、従来の顔料ベースの表面コーティングと類似するコーティングに二色着色料を組込むことが可能になる。かかるコーティングは、従来の用紙かまたは紙状基板のいずれにも施すことができ、本発明の書換え可能用紙にある程度の紙状の外観と感触とを与える。これは、Sheridonによって述べられている油膨潤性ポリマーベース基板とは著しく対照的である。
【0094】
書換え可能媒体は、プリント品質を向上させた。書換え可能媒体の着色料は、位置が固定であって媒体表面コーティング内にあり、電界書込み手段による直接接触プリントによって書込まれる。これは、着色料が書込み手段から媒体へ滴噴出かまたは静電荷転写によって転写される従来のプリンティング方法とは著しく対照的である。着色料が転写されることにより、インクジェットの場合は、インクウィッキング、はねおよびサテライト液滴に起因し、電子写真の場合は、静電散乱および誤信号トナーのバックグラウンド現像に起因する、顕著なドットゲインが生じる。かかるドットゲインは、本発明の書換え可能媒体テクノロジでは予想されない。
【0095】
書換え可能媒体により、用紙およびイメージの耐久性が向上する。本発明の分子着色料設計により、シート折曲りまたはシート表面に接触する物体からの圧力等、マイクロカプセル着色料では外部から与えられる力によって発生する可能性のあるいかなる損傷も排除される。例えば、Sheridonによる二色球は、同じ外力に晒された時に部分的かまたは完全に崩壊する可能性のある可撓性シート空洞中に浮遊するものである。
【0096】
本発明によるバイモダルで専用のレーザプリンタは、電極アレイ装置より製品コストが低い。光導電体ドラムとレーザスキャナとの合計コストは、ページ幅電極アレイと、300および600dpiプリンティングそれぞれに対するその推定される2400〜4800の専用高電圧ドライバと、より製品コストが低いと予想される。
【0097】
本発明によるバイモダルおよび専用のレーザプリンタでは、プリント速度が速くなる。レーザプリンタのより大きいニップ領域により、電極アレイプリンタと比較して20倍以上の書換え可能プリントスピードを可能にするはずである。
【0098】
本発明によるバイモダルおよび専用のレーザプリンタは、プリント解像度が高くなる。レーザプリンタの標準光学系および光導電体の応答度は、1200dpiまでのプリント解像度を可能にする。高コストな相互接続と高電圧ドライバとにより、電極アレイプリンタの実際の解像度が実質的に低くなる(例えば、300dpi)と考えられる。
【0099】
さらに、バイモダル動作自体が利点である。標準レーザプリンタエンジンは、書換え可能用紙を容易に採用するために従来の(トナー)用紙タイプと書換え可能(トナー無し)用紙タイプとを共にプリントすることができる。上記のSheridonの電極アレイプリンタは、書換え可能用紙専用のプリンタである。
【0100】
本発明の好ましい実施形態の上記説明は、例示と説明との目的のために提示した。網羅的であるか、あるいは本発明を正確な形態かまたは開示した例示的実施形態に限定するようには、意図されていない。明らかに、当業者には、多くの変更および変形が明らかとなろう。同様に、説明したいかなるプロセスステップも、同じ結果を達成するために他のステップと交換可能であってよい。実施形態は、発明の原理とその最良の形態の実際的な適用とを最もよく説明するために選択し説明しており、それによって当業者は考えられる特定の使用または実施に適するように種々の実施形態に対しおよび種々の変更を伴って本発明を理解することができる。本発明の範囲は、併記の特許請求の範囲とそれらの等価物とによって画定されることが意図されている。単数形の要素に対する言及は、明示的に述べない限りは「唯一無二」を意味するように意図されてはおらず、むしろ「1つまたは複数」を意味する。さらに、本開示における要素、コンポーネント、方法ステップはいずれも、要素、コンポーネントまたは方法ステップが併記の特許請求の範囲で明示的に列挙されているか否かに関らず、公に開示することは意図されていない。
【0101】
<付属書>
切替えの幾つかの新たな型の1つを明示する分子は、着色層101に提供される。すなわち、本発明は、従来技術と区別する切替え機構の幾つかの新たな型を導入する。
(1)分子のバンドギャップを変化させるための、電界によって引き起こされる少なくとも1つの回転可能なセクション(ロータ)または分子の回転。
(2)バンドギャップを変化させるための、化学結合の変化を介した、電界によって引き起こされる分子の電荷分離または再結合。
(3)分子の折畳みまたは延伸を介した、電界によって引き起こされるギャップバンド変化。
【0102】
したがって、色の切替えは、従来技術のアプローチと対照的に、拡散または酸化/還元反応というよりはむしろ、電界によって引き起こされる分子内変化の結果である。また、移動する分子部分が非常に小さく、したがって切替え時間は、実に早いと予測される。また、分子は、かなり単純、したがってロタキサン、カテナン、および関連化合物よりも、製造するのにより容易でかつ安価である。
【0103】
以下に、モデル化合物の簡単な説明とともに、モデル化合物の例を示す。
(1)分子立体配座変化を介した電界によって引き起こされるバンドギャップ変化(ロータ/ステータ型のモデル)(図12および図13a〜図13c)。
(2a)バンドの局在化を増加または減少させることにより付随する電荷分離または再結合を介した拡張共役の変化により生じる、電界によって引き起こされるバンドギャップ変化(図14a)。
(2b)電荷分離または再結合およびπ−結合破壊または形成を介した拡張共役の変化により生じる、電界によって引き起こされるバンドギャップ変化(図14b)。
(3)分子の折畳みまたは延伸を介した電界によって引き起こされるバンドギャップ変化(図15)。
【0104】
各モデルを、支持する例とともに以下にて記載する。しかしながら、付与する例は、説明する具体的な分子システムに本発明を限定するものとみなされず、むしろ上記切替え機構の単なる例示とみなされるべきである。
【0105】
[モデル(1):分子立体配座変化を介した電界によって引き起こされるバンドギャップ変化(ロータ/ステータ型のモデル)]
図12は、このモデルの一実施形態の概略図であり、分子立体配座変化を介した電界によって引き起こされるバンドギャップ変化(ロータ/ステータ型のモデル)を含む。図12に示すように、分子430は、ロータ部分432およびステータ部分434を含む。ロータ部分432は、かけられる電界により回転する。図の左側に表した状況では、分子全体を通して拡張共役が存在し、比較的小さなバンドギャップを生じ、それにより長波長(レッドシフト)の光吸着を生じる結果となる。図の右側に表したロータの回転後である他方の状況では、拡張共役は破壊され、比較的大きなバンドギャップを生じ、それにより短波長(ブルーシフト)の光吸着を生じる結果となる。図13a〜図13cは、このモデル1の代替的な好ましい実施形態を表す。これらの後者の図は、以下のモデルの実施例1および2と関連して説明する。
【0106】
このモデルでは、以下の要件を満たさなければならない。
(a)分子は、少なくとも1つのロータセグメント、および少なくとも1つのステータセグメントを有さなくてはならない。
(b)分子のある状況では、分子(ロータ(複数可)およびステータ(複数可))の大部分にわたって拡張するHOMOおよび/またはLUMO(π−状態および/または非結合性軌道)が脱局在化すべきであり、他方の状況では、ロータ(複数可)およびステータ(複数可)、および他のセグメントに関する軌道は、局在化している。
(c)ロータおよびステータ間の連結ユニットは、単結合、あるいは(1)非結合性電子(pまたは他の電子)、または(2)π−電子、あるいは(3)π−電子および非結合性電子(複数可)を有する少なくとも1つの電子であり得る。
(d)ロータ(複数可)およびステータ(複数可)の非結合性電子、またはπ−電子、あるいはπ−電子および非結合性電子(複数可)を、分子の立体配座に依存して局在化または脱局在化することができ、一方でロータは、電界により活性化されると回転する。
(e)分子の立体配座(複数可)は、電界依存性または双安定性であり得る。
(f)双安定性状態(複数可)は、水素結合、クーロン力、ファンデルワールス力、金属イオン錯体または双極子間安定化のような分子内力または分子間力により達成され得る。
(g)分子のバンドギャップは、分子の非結合性電子、またはπ−電子、あるいはπ−電子および非結合性電子の脱局在化の度合いに依存して変化するであろう。これは、光学特性(例えば、色および/または屈折率)を制御するであろう。
【0107】
以下は、このモデルの2つの例である(実施例1および2)。
本発明の新規バイモダル分子は、外部電界により切替えられ得る活性な光学装置である。好ましくは、着色料分子は、双安定性である。この概念は、大きな双極子モーメントを有し(実施例1および2を参照)、かつ固定(ステータ)434されている分子430の2つの他の部分を結合する回転中間セグメント(ロータ)432を設計することである。かけられる電界の影響下では、ロータ432のベクトル双極子モーメントは、外部電界の方向に平行に整列するように企図するであろう。しかしながら、分子430は、ステータ434に関して特定の配向でロータ443を安定化する、水素結合または双極子−双極子相互作用のような分子内力および/または分子間力、ならびに立体反発が存在するように設計される。したがって、ロータ432がその初期配向から外れて(unlatch)、ステータ434に関してロータ434が回転させるのに、大きな電界が必要である。
【0108】
特定の配向にいったん切替えられると、分子430は、異なる配向に切替えられるか、または再構成されるまでその配向を保つであろう。しかしながら、分子設計の重要な構成要素は、ロータ432が完全な180度の半サイクルで回転することを防ぐであろう立体反発または障害が存在することである。その代わりに、初期配向から典型的に10〜170°の光学的に有意な角度にてロータ432およびステータ434における嵩高い基の立体的相互作用により、回転は停止される。説明の目的で、この角度は、本出願では90°と示される。さらに、この切替え配向は、異なるセットの分子間および/または分子内水素結合あるいは双極子相互作用により安定化されてもよく、したがってかけられる電界を止めた後でも適所に留まっている(latch)。双安定性または多安定性着色料分子に関して、ステータから光学的に有意な回転により分離される2つの状態間にロータ432を留めるこの能力は重要である。
【0109】
多重項状態(2つよりも多い)に複数状態(例えば、複数の色)系を生じさせるように、幾つかの切替えステップを提供するように着色料分子を設計するための上記戦略を一般化してもよい。かかる分子は、減少または増加する電界とともに連続的に向きを変えるべき着色層、またはパルス化電界をかけることにより突然ある状態から別の状態に変更されるべき着色層の光学特性を可能にする。
【0110】
さらに、着色料分子は、速いが揮発性の切替えに関する活性化障壁がまったくないか、または低い場合を含むように設計されてもよい。この後者の状況では、双安定性である必要がなく、分子は、電荷により1つの状態に切替えられ、電界を除去するともとの状態に戻って緩まる(「バイモダル」)。実質的に、これらの形態のバイモダル着色料分子は、「自己消去」する。対照的に、双安定性着色料分子を用いる場合、電界を除去すると、着色料分子はその状態で留まった状態であり(不揮発性スイッチ)、この場合における活性化障壁の存在は、その以前の状態に分子を戻して切換えるために、反対の電界の適用を要する。
【0111】
ロータ432およびステータ434は、すべて同一平面である場合、その分子を「より強く共役されている」という。したがって、最高被占分子軌道(HOMO)および最低空分子軌道(LUMO)を介した、着色料分子の非結合性電子、またはπ−電子、あるいはπ−電子および非結合性電子は、分子430の大部分にわたって脱局在化される。このことを、分子に関する「レッドシフト状態」または「光学状態I」と称する。ロータ432がステータ434に関して約90°だけ共役から回転する場合には、分子430の共役は破壊され、HOMOおよびLUMOは、分子の小部分にわたって局在化され、それは「より弱く共役されている」と呼ばれる。これは、分子430の「ブルーシフト状態」または「光学状態II」である。したがって、着色料分子430は、2つの異なる光学状態間で可逆的に切替え可能である。
【0112】
理想的な場合には、ロータ432およびステータ434が完全に同一平面であると分子は十分に共役し、ロータ432がステータ434に関して90°の角度で回転すると分子は共役しないことを、当業者は理解できるであろう。しかしながら、熱変動により、これらの理想状態は、完全には実現されず、したがって分子は、前者の場合には「より強く共役されている」と、後者の場合には「より弱く共役されている」といわれる。さらに、「レッドシフト」および「ブルーシフト」という用語は、色相との関連を伝えることを意味するのではなくむしろ、HOMOおよびLUMO状態間のギャップのエネルギーシフトの電磁エネルギースペクトルにおける方向を伝えるものを意味する。
【0113】
実施例1および2は、分子を切替えるための2つの異なる配向を示す。以下の実施例1aは、このモデル1に関する第1の一般的な分子の例を表す。
【0114】
【化1】
Figure 0004489342
【0115】
式中、A-という文字は、アクセプター基を表す。それは、電子吸引性基である。それは、以下の水素、カルボン酸またはその誘導体、硫酸またはその誘導体、リン酸またはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ヘテロ原子(例えば、N、O、S、P、F、Cl、Br)または上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基(例えば、OH、SH、NH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちの1つであり得る。
【0116】
+という文字は、ドナー基を表す。それは、電子供与性基である。それは、以下の水素、アミン、OH、SH、エーテル、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素、あるいはヘテロ原子(例えば、B、Si、I、N、O、S、P)の少なくとも1つを有する官能基のうちの1つであり得る。ドナーは、分子上のアクセプター基よりも電気陰性が低いか、または電気陽性が高いという事実により、アクセプターと区別される。
【0117】
Con1およびCon2という文字は、1つの分子と別の分子間、または分子および固体基板(例えば、金属電極、無機または有機基板等)間の連結ユニットを表す。それらは、以下の水素(水素結合を利用する)、多価ヘテロ原子(すなわち、C、N、O、S、P等)またはこれらのヘテロ原子を含有する官能基(例えば、NH、PH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素うちの1つであり得る。
【0118】
SAおよびSBという文字は、ステータAおよびステータBを示すために本明細書中で使用される。それらは、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素であり得る。典型的に、これらの炭化水素ユニットは、平面状態(レッドシフト状態)に場合に分子の拡張共役に寄与する共役環を含有する。これらのステータユニットでは、それらは、ブリッジング基Gnおよび/またはスペーシング基Rnを含有してもよい。ブリッジング基(たとえば、アセチレン、エチレン、アミド、イミド、イミン、アゾ等)は、典型的にステータをロータに連結するか、または2つまたはそれ以上の共役環に連結して、所望の発色団を獲得するのに使用される。あるいは連結子は、単酸素原子を用いたエーテル架橋のような一原子架橋、またはロータおよびステータ間の直接的シグマ結合を含んでもよい。スペーシング基(例えば、フェニル、イソプロピルまたはt−ブチル等)は、適切な3次元スカフォード(scaffolding)を提供して、分子がぎっしり詰まるようにし、同時に各ロータのためにスペースを提供し、所望の移動範囲にわたって回転するために用いられる。
【0119】
以下の実施例1bは、モデル1の実際の分子の例である。実施例1bでは、ロータの回転軸は、分子の正味通電軸に対してほぼ直角であるのに対し、実施例2では、回転軸は、分子の配向軸に平行であるように設計される。これらの設計により、所望の結果に依存して、用いられるべき分子膜および電極の種々の幾何学が可能となる。
【0120】
【化2】
Figure 0004489342
【0121】
式中、A-という文字は、アクセプター基を表す。それは、電子吸引性基である。それは、以下の水素、カルボン酸またはその誘導体、硫酸またはその誘導体、リン酸またはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ヘテロ原子(例えば、N、O、S、P、F、Cl、Br)または上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基(例えば、OH、SH、NH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちの1つであり得る。
【0122】
+という文字は、ドナー基を表す。それは、電子供与性基である。それは、以下の水素、アミン、OH、SH、エーテル、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素、あるいはヘテロ原子(例えば、B、Si、I、N、O、S、P)の少なくとも1つを有する官能基のうちの1つであり得る。ドナーは、分子上のアクセプター基よりも電気陰性が低いか、または電気陽性が高いという事実により、アクセプターと区別される。
【0123】
Con1およびCon2という文字は、1つの分子と別の分子間、または分子および固体基板(例えば、金属電極、無機または有機基板等)間の連結ユニットを表す。それらは、以下の水素(水素結合を利用する)、多価ヘテロ原子(すなわち、C、N、O、S、P等)またはこれらのヘテロ原子を含有する官能基(例えば、NH、PH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素うちの1つであり得る。
【0124】
1、R2、R3という文字は、分子中に構築されたスペーシング基を表す。これらのスペーサーユニットの機能は、適切な3次元スカフォードを提供して、分子がぎっしり詰まるようにし、同時に各ロータに回転スペースを提供することである。それらは、以下の水素、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0125】
1、G2、G3、およびG4という文字は、ブリッジング基である。これらのブリッジング基の機能は、ステータおよびロータを連結するか、または2つまたはそれ以上の共役環を連結して、所望の発色団を獲得することである。それらは、以下のヘテロ原子(例えば、N、O、S、P等)または上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基(例えば、NHまたはNHNH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。あるいは、連結子は、酸素原子を用いたエーテル架橋のような単一原子架橋、またはロータおよびステータ間の直接的シグマ結合を含んでもよい。
【0126】
上記実施例1bでは、垂直点線は、他の分子または固体基板を表す。切替え電界の方向は、垂直点線に対して直角である。かかる配置は、電気切替えのために用いられ、光学切替えに関しては、結合部分を除去してもよく、分子は単に2つの電極間に配置すればよい。それらはまた、ある分子を別の分子に、または分子を有機もしくは無機固体基板に結合させるために単に使用され得る。
【0127】
図13aを参照すると、上記(実施例1b)に示した分子は、分子430全体の配向軸に対して直角に内部ロータ432を用いて設計されている。この場合、外部電界は、図示するように分子430の配向軸に沿ってかけられ、電極(垂直点線)は、紙面の平面に対して直角に、かつ分子430の配向軸に対して直角に向く。図の左から右に向かって電界をかけると、図の上部に図示したロータ432は図の右下に図示した位置に回転し、またその逆もあり得るであろう。この場合に、右下図に図示したロータ432は、分子の残部と同一平面でなく、したがって、これは分子のブルーシフト光学状態であるのに対して、図の上部に関して、ロータは、分子の残部と同一平面であり、したがって、これは分子のレッドシフト光学状態である。左下図に示す構造は、図の上部(同一平面、共役)および右下図(中央部が回転、非共役)間の回転の遷移状態を表す。
【0128】
実施例1bに示した分子は、色的に透明であるか、またはブルーシフトである。共役状態では、分子は着色しているか、またはレッドシフトである。
【0129】
実施例1bの分子に関して、分子の配向軸が分子を切替えるのに用いられる電極の平面に直角になるように、単一の単層分子膜を、例えばラングミュア・ブロジェットの技法または自己集合単層を用いて成長させる。電極は、上述のCollier et al.により記載される様式、または上記参照特許出願および発行された特許に記載の方法で堆積されてもよい。代わりの厚膜堆積技法としては、気相堆積、接触またはインクジェット印刷、またはスクリーン印刷が挙げられる。
【0130】
以下の実施例2aは、このモデル1に関する第2の一般的な分子の例を表す。
【0131】
【化3】
Figure 0004489342
【0132】
式中、A-という文字は、アクセプター基を表す。それは、電子吸引性基である。それは、以下の水素、カルボン酸またはその誘導体、硫酸またはその誘導体、リン酸またはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ヘテロ原子(例えば、N、O、S、P、F、Cl、Br)または上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基(例えば、OH、SH、NH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちの1つであり得る。
【0133】
+という文字は、ドナー基を表す。それは、電子供与性基である。それは、以下の水素、アミン、OH、SH、エーテル、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素、あるいはヘテロ原子(例えば、B、Si、I、N、O、S、P)の少なくとも1つを有する官能基のうちの1つであり得る。ドナーは、分子上のアクセプター基よりも電気陰性が低いか、または電気陽性が高いという事実により、アクセプターと区別される。
【0134】
Con1およびCon2という文字は、1つの分子と別の分子間、または分子および固体基板(例えば、金属電極、無機または有機基板等)間の連結ユニットを表す。それらは、以下の水素(水素結合を利用する)、多価ヘテロ原子(すなわち、C、N、O、S、P等)またはこれらのヘテロ原子を含有する官能基(例えば、NH、PH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素うちの1つであり得る。
【0135】
SAおよびSBという文字は、ステータAおよびステータBを示すために本明細書中で使用される。それらは、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素であり得る。典型的に、これらの炭化水素ユニットは、平面状態(レッドシフト状態)に場合に分子の拡張共役に寄与する共役環を含有する。これらのステータユニットでは、それらは、ブリッジング基Gnおよび/またはスペーシング基Rnを含有してもよい。ブリッジング基は、典型的にステータおよびロータに連結するか、または2つまたはそれ以上の共役環に連結して、所望の発色団を獲得するのに使用される。あるいは連結子は、単酸素原子を用いたエーテル架橋のような一原子架橋、またはロータおよびステータ間の直接的シグマ結合を含んでもよい。スペーシング基は、適切な3次元スカフォードを提供して、分子がぎっしり詰まるようにし、同時に各ロータのために回転スペースを提供する。
【0136】
以下の実施例2bは、モデル1の別の実際の分子の例である。
【0137】
【化4】
Figure 0004489342
【0138】
式中、A-という文字は、アクセプター基を表す。それは、電子吸引性基である。それは、以下の水素、カルボン酸またはその誘導体、硫酸またはその誘導体、リン酸またはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ヘテロ原子(例えば、N、O、S、P、F、Cl、Br)または上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基(例えば、OH、SH、NH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちの1つであり得る。
【0139】
+という文字は、ドナー基を表す。それは、電子供与性基である。それは、以下の水素、アミン、OH、SH、エーテル、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素、あるいはヘテロ原子(例えば、B、Si、I、N、O、S、P)の少なくとも1つを有する官能基のうちの1つであり得る。ドナーは、分子上のアクセプター基よりも電気陰性が低いか、または電気陽性が高いという事実により、アクセプターと区別される。
【0140】
Con1およびCon2という文字は、1つの分子と別の分子間、または分子および固体基板(例えば、金属電極、無機または有機基板等)間の連結ユニットを表す。それらは、以下の水素(水素結合を利用する)、多価ヘテロ原子(すなわち、C、N、O、S、P等)またはこれらのヘテロ原子を含有する官能基(例えば、NH、PH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素うちの1つであり得る。
【0141】
1、R2、およびR3という文字は、分子中に構築されたスペーシング基を表す。これらのスペーサーユニットの機能は、適切な3次元スカフォードを提供して、分子がぎっしり詰まるようにし、同時に各ロータに回転スペースを提供することである。それらは、以下の水素、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0142】
1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、およびG8という文字は、ブリッジング基である。これらのブリッジング基の機能は、ステータおよびロータを連結するか、または2つまたはそれ以上の共役環を連結して、所望の発色団を獲得することである。それらは、以下のヘテロ原子(例えば、C、N、O、S、P等)または上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基(例えば、NHまたはNHNH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。あるいは、連結子は、酸素原子を用いたエーテル架橋のような単一原子架橋、またはロータおよびステータ間の直接的シグマ結合を含んでもよい。
【0143】
1およびJ2という文字は、分子に構築されたチューニング基を表す。これらのチューニング基(例えば、OH、NHR、COOH、CN、ニトロ等)の機能は、適切な機能効果(例えば、誘導効果および共鳴効果)および/または立体効果を提供することである。機能効果は、分子のバンドギャップ(ΔEHOMO/LUMO)を調整して、分子の所望の電子特性ならびに光学特性を獲得することである。立体効果は、立体障害、分子間または分子内相互作用力(例えば、水素結合、クーロン相互作用、ファンデルワールス力)により分子の立体配座を調整すること、または分子の配向の双安定性または多安定性を提供することである。それらは、以下の水素、ヘテロ原子(例えば、N、O、S、P、B、F、Cl、Br、およびI)、上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0144】
上記(実施例2b)に示した分子は、分子全体の配向軸に対して平行に内部ロータを用いて設計されている。この場合、外部電界は、分子軸に垂直にかけられ、電極は、分子の長軸に対して平行に向き、上記モデル構造の平面に名目上は直角または平行であり得る。例えば、上記の上部分子に、磁力線が分子軸に対して直角であり、上方を指している電界をかけると、その図に示したロータを約90度回転させ、上記の低部分子の図に示すように縁が現れて、またその逆もあり得るだろう。この場合に、図の低部に示したロータは、分子の残部と同一平面でなく、したがって、これは分子のブルーシフト光学状態または光学状態IIであるのに対して、図の上部に関して、ロータは、分子の残部と同一平面であり、したがって、これは分子のレッドシフト光学状態または光学状態Iである。N、H、およびOという文字は、それらの通常の意味を保有する。
【0145】
図13aは、実施例1bおよび2bの分子に類似した分子を表すが、より簡潔に、中間ロータ部分432および2つの末端ステータ部分434を含む。実施例1bおよび2bに示すように、ロータ部分432は、双極子を有するロータを与える置換基を提供されるベンゼン環を含む。2つのステータ部分434は、それぞれアゾ結合を介してベンゼン環に共有結合され、ステータ部分の両方は芳香環を含む。
【0146】
図13bは、ロータ432およびステータ434すべてが同一平面である平面状態を示す概略図(透視図)である。平面状態では、分子430は、完全に共役しており、色を示し(第1の分光または光学状態)、比較的により高い誘電性である。環の共役は、分子430の平面のそれぞれ上方および下方のπ−軌道雲500a、500bにより説明される。
【0147】
また図13cは、ロータ432が、同一平面を保っているロータ434に関して90°回転した状態を示す概略図(透視図)である。回転状態では、分子430の共役は破壊されている。したがって、分子430は、透明であり(第2の分光または光学状態)、比較的より低い導電性である。
【0148】
実施例2bの分子に関して、分子軸が電極の平面に平行であるように、膜を構築する。これは、厚い複数単層である膜を含んでもよい。分子は、固体状態または液晶を形成し、そこで大きなステータ基は、分子間相互作用または支持体構造への直接結合による位置に固定されるが、ロータは、分子の格子内に移動するのに十分小さい。この型の構造は、電界制御ディスプレイを構築するのに使用することができ、または本明細書の最初のほうに記載した他の用途に使用することができる。
【0149】
[モデル(2a):バンドの局在化の増加または減少に付随する電荷分離または再結合を介した拡張共役の変化により生じる、電界によって引き起こされるバンドギャップ変化]
図14aは、このモデルの概略図であり、それはバンドの局在化の増加または減少に付随する電荷分離または再結合を介した拡張共役の変化により生じる、電界によって引き起こされるバンドギャップ変化を含む。図14aに示すように、分子630は、2つの部分632および634を含む。分子630は、π−脱局在化がより小さい、大きなバンドギャップ状態を示す。電界をかけると、分子630に電荷分離が生じ、より良好なπ−脱局在化を伴う小さなバンドギャップを生じる結果となる。電荷の再結合は、分子630をそのもとの状態に戻す。
【0150】
このモデルでは、以下の要件を満たさなければならない。
(a)分子は、中程度の誘電率εγを有さなくてはならず、外部電界により容易に分極することができ、εγは、2〜10の範囲であり、分極電界は、0.01〜10V/nmの範囲である。
(b)分子の少なくとも1つのセグメントは、分子全体もしくは分子の一部にわたって移動することができる、非結合性電子、またはπ−電子、あるいはπ−電子および非結合性電子を有さなくてはならない。
(c)分子は、対称または非対称であり得る。
(d)分子の誘導性双極子(複数可)は、少なくとも1つの方向に配向され得る。
(e)電荷は、電界によって引き起こされる分極中に、部分的にまたは完全に分離されるであろう。
(f)荷電分離または再結合の状態は、電界依存性または双安定性であり、共有結合形成、水素結合、電荷引力、クーロン力、金属錯体、またはルイス酸(塩基)錯体等のような分子間力または分子内力により安定化され得る。
(g)分子の電荷分離または再結合のプロセスは、σ−およびπ−結合の破壊または形成を含むことができるか、または含むはずがない。
(h)電界により活性化される電荷分離または再結合プロセス中に、分子のバンドギャップは、分子における非結合性電子、またはπ−電子、あるいはπ−電子および非結合性電子の脱局在化の度合いに依存して変化するであろう。したがって、分子の光学特性および電気特性の両方は、変化するであろう。
【0151】
結合破壊もしくは結合形成を含む電荷分離または再結合を介した電界によって引き起こされるバンドギャップ変化(色の変化)の一例を以下に示す(実施例3)。
【0152】
【化5】
Figure 0004489342
【0153】
式中、J1、J2、J3、J4およびJ5という文字は、分子に構築されたチューニング基を表す。これらのチューニング基(例えば、OH、NHR、COOH、CN、ニトロ等)の機能は、適切な機能効果(例えば、誘導効果および共鳴効果)および/または立体効果を提供することである。機能効果は、分子のバンドギャップ(ΔEHOMO/LUMO)を調整して、分子の所望の電子特性ならびに光学特性を獲得することである。立体効果は、立体障害、分子間または分子内相互作用力(例えば、水素結合、クーロン相互作用、ファンデルワールス力)により分子の立体配座を調整して、分子の配向の双安定性または多安定性を提供することである。それらは、以下の水素、ヘテロ原子(例えば、N、O、S、P、B、F、Cl、Br、およびI)、上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0154】
1いう文字は、ブリッジング基である。ブリッジング基の機能は、2つまたはそれ以上の共役環を連結して、所望の発色団を獲得することである。ブリッジング基は、以下のヘテロ原子(例えば、N、O、S、P等)または上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基(例えば、NH等)、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0155】
Wという文字は、電子吸引性基である。この基の機能は、この分子のマレイン酸無水物基の反応性を調整し、かけられる外部電界の影響下にて分子が円滑に電荷分離または再結合(結合破壊または形成等)を受けることができるようにすることである。電子吸引性基は、以下のカルボン酸またはその誘導体(例えば、エステルまたはアミド等)、ニトロ、ニトリル、ケトン、アルデヒド、スルホン、硫酸またはその誘導体、ヘテロ原子(例えば、F、Cl等)またはヘテロ原子(例えば、F、Cl、Br、N、O、S等)の少なくとも1つを有する官能基のいずれか1つであり得る。
【0156】
分子−金属錯体または分子−ルイス酸錯体の形成を含む電界によって引き起こされるバンドギャップ変化の例を以下に示す(実施例4)。
【0157】
【化6】
Figure 0004489342
【0158】
式中、J1、J2、J3、J4およびJ5という文字は、分子に構築されたチューニング基を表す。これらのチューニング基(例えば、OH、NHR、COOH、CN、ニトロ等)の機能は、適切な機能効果(例えば、誘導効果および共鳴効果)および/または立体効果を提供することである。機能効果は、分子のバンドギャップ(ΔEHOMO/LUMO)を調整して、分子の所望の電子特性ならびに光学特性を獲得することである。立体効果は、立体障害、分子間または分子内相互作用力(例えば、水素結合、クーロン相互作用、ファンデルワールス力)により分子の立体配座を調整して、分子の配向の双安定性または多安定性を提供することである。それらは、以下の水素、ヘテロ原子(例えば、N、O、S、P、B、F、Cl、Br、およびI)、上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0159】
1いう文字は、ブリッジング基である。ブリッジング基の機能は、2つまたはそれ以上の共役環を連結して、所望の発色団を獲得することである。ブリッジング基は、以下のヘテロ原子(例えば、N、O、S、P等)または上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基(例えば、NH等)、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0160】
+は、遷移金属を含む金属、またはそれらのハロゲン錯体、あるいはH+または他の型のルイス酸(複数可)を表す。
【0161】
[モデル(2b):電荷分離または再結合およびπ−結合破壊または形成を介した拡張共役の変化により生じる、電界によって引き起こされるバンドギャップ変化]
図14bは、このモデルの概略図であり、それは電荷分離または再結合およびπ−結合破壊または形成を介した拡張共役の変化により生じる、電界によって引き起こされるバンドギャップ変化を含む。図14bに示すように、分子630’は、2つの部分632’および634’を含む。分子630’は、より小さい大きなバンドギャップ状態を示す。電界をかけると、分子630’にてπ−結合の破壊が生じ、より大きなバンドギャップ状態を生じる結果となる。電界を逆転させると、2つの部分632’および634’間のπ−結合が再結合され、分子630’はそのもとの状態に戻る。
【0162】
このモデルで満たさなければならない要件は、モデル2(a)に関して列挙したのと同じである。
【0163】
電荷分離(σ結合破壊およびπ−結合形成)を介した拡張共役により生じる、電界によって引き起こされるバンドギャップ変化の一例を以下に示す(実施例5)。
【0164】
【化7】
Figure 0004489342
【0165】
式中、Qという文字は、本明細書中では、2つのフェニル環間の連結ユニットを示すために用いられる。それは、以下のS、O、NH、NR、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0166】
Con1およびCon2という文字は、1つの分子と別の分子間、または分子および固体基板(例えば、金属電極、無機または有機基板等)間の連結基を表す。それらは、以下の水素(水素結合を介して)、ヘテロ原子(すなわち、N、O、S、P等)または上記ヘテロ原子の少なくとも1つを有する官能基(例えば、NH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素うちのいずれか1つであり得る。
【0167】
1およびR2という文字は、分子中に構築されたスペーシング基を表す。これらのスペーサーユニットの機能は、適切な3次元スカフォードを提供して、分子がぎっしり詰まるようにし、同時に各ロータに回転スペースを提供することである。それらは、以下の水素、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0168】
1、J2、J3、およびJ4という文字は、分子に構築されたチューニング基を表す。これらのチューニング基(例えば、OH、NHR、COOH、CN、ニトロ等)の機能は、適切な機能効果(例えば、誘導効果および共鳴効果)および/または立体効果を提供することである。機能効果は、分子のバンドギャップ(ΔEHOMO/LUMO)を調整して、分子の所望の電子特性ならびに光学特性を獲得することである。立体効果は、立体障害、分子間または分子内相互作用力(例えば、水素結合、クーロン相互作用、ファンデルワールス力)により分子の立体配座を調整すること、または分子の配向の双安定性または多安定性を提供することである。それらはまた、適切な3次元スカフォードを提供して、分子がぎっしり詰まるようにし、同時に各ロータに回転スペースを提供するためのスペーシング基として用いられてもよい。それらは、以下の水素、ヘテロ原子(例えば、N、O、S、P、B、F、Cl、Br、およびI)、上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0169】
1いう文字は、ブリッジング基である。ブリッジング基の機能は、ステータおよびロータを連結するか、または2つまたはそれ以上の共役環を連結して、所望の発色団を獲得することである。ブリッジング基は、以下のヘテロ原子(例えば、N、O、S、P等)または上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基(例えば、NHまたはNHNH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0170】
Wという文字は、電子吸引性基である。この基の機能は、この分子のラクトン基の反応性を調整し、かけられる電界の影響下にて分子が円滑に電荷分離または再結合(結合破壊または形成等)を受けることができるようにすることである。電子吸引性基は、以下のカルボン酸またはその誘導体(例えば、エステルまたはアミド等)、ニトロ、ニトリル、ケトン、アルデヒド、スルホン、硫酸またはその誘導体、ヘテロ原子(例えば、F、Cl等)またはヘテロ原子(例えば、F、Cl、Br、N、OおよびS等)の少なくとも1つを有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0171】
一番上の分子構造は、一番下の分子構造よりも小さなバンドギャップ状態を有する。
【0172】
電荷再結合およびσ結合結合形成を介した拡張π−結合共役の破壊による電界によって引き起こされるバンドギャップ変化の別の例を以下に示す(実施例6)。
【0173】
【化8】
Figure 0004489342
【0174】
式中、Qという文字は、本明細書中では、2つのフェニル環間の連結ユニットを示すために用いられる。それは、以下のS、O、NH、NR、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0175】
Con1およびCon2という文字は、1つの分子と別の分子間、または分子および固体基板(例えば、金属電極、無機または有機基板等)間の連結基を表す。それらは、以下の水素、ヘテロ原子(すなわち、N、O、S、P等)または上記ヘテロ原子の少なくとも1つを有する官能基(例えば、NH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0176】
1およびR2という文字は、分子中に構築されたスペーシング基を表す。これらのスペーサーユニットの機能は、適切な3次元スカフォードを提供して、分子がぎっしり詰まるようにし、同時に各ロータに回転スペースを提供することである。それらは、以下の水素、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0177】
1、J2、J3、およびJ4という文字は、分子に構築されたチューニング基を表す。これらのチューニング基(例えば、OH、NHR、COOH、CN、ニトロ等)の機能は、適切な機能効果(例えば、誘導効果および共鳴効果)および/または立体効果を提供することである。機能効果は、分子のバンドギャップ(ΔEHOMO/LUMO)を調整して、分子の所望の電子特性ならびに光学特性を獲得することである。立体効果は、立体障害、分子間または分子内相互作用力(例えば、水素結合、クーロン相互作用、ファンデルワールス力)により分子の立体配座を調整して、分子の配向の双安定性または多安定性を提供することである。それらはまた、適切な3次元スカフォードを提供して、分子がぎっしり詰まるようにし、同時に各ロータに回転スペースを提供するためのスペーシング基として用いられてもよい。それらは、以下の水素、ヘテロ原子(例えば、N、O、S、P、B、F、Cl、Br、およびI)、上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0178】
1いう文字は、ブリッジング基である。ブリッジング基の機能は、ステータおよびロータを連結するか、または2つまたはそれ以上の共役環を連結して、所望の発色団を獲得することである。ブリッジング基は、以下のヘテロ原子(例えば、N、O、S、P等)または上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基(例えば、NHまたはNHNH等)、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0179】
Wという文字は、電子吸引性基である。この基の機能は、この分子のラクトン基の反応性を調整し、かけられる電界の影響下にて分子が円滑に電荷分離または再結合(結合破壊または形成等)を受けることができるようにすることである。電子吸引性基は、以下のカルボン酸またはその誘導体(例えば、エステルまたはアミド等)、ニトロ、ニトリル、ケトン、アルデヒド、スルホン、硫酸またはその誘導体、ヘテロ原子(例えば、F、Cl等)またはヘテロ原子(例えば、F、Cl、Br、N、O、S等)の少なくとも1つを有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素の少なくとも1つを有する官能基のいずれか1つであり得る。
【0180】
ここでもまた、一番上の分子構造は、一番下の分子構造よりも小さなバンドギャップ状態を有する。
【0181】
本発明は、インクまたは色素分子を変化させて、これまでに記載されているエレクトロクロミックまたは色素産生物質とは完全に異なる機構により外部電界を用いて切替え可能な活性装置にする。その概念は、ラクトンのC−O結合が、十分に不安定で、かけられる電界の影響下にて、結合破壊および形成を受け得る(上記実施例5および実施例6を参照)、修飾クリスタルバイオレットラクトン型分子を使用することである。
【0182】
正の電荷および負の電荷は、C−O結合破壊プロセス中に生成する。得られた電荷は、分離して、かけられる外部電界(分子の上部)または結合回転(分子の下部)に平行に反対方向に移動するであろう。分子の拡張双極子(上部および下部)を有する2つの芳香環は、完全に共役し、色(レッドシフト)が生じる(実施例5参照)。しかしながら、分子は、水素結合、クーロン、または双極子−双極子相互作用のような分子間力および/または子内力、ならびに立体反発を有するように、あるいは不変の外部電荷により、この特定配向の両方の電荷を安定化するように設計される。したがって、初期の配向から分子を外すには、大きな電界が必要である。特定配向にいったん切替えられると、分子は、それが消えるまでその配向を保つであろう。
【0183】
逆の電界がかけられると(実施例6)、両方の電荷は、逆の外部電界の方向にそれらを再編成する傾向がある。分子の上部の正の電荷は、非結合性電子、またはπ−電子、あるいはπ−電子および非結合性電子の脱局在化を介して分子の側面から分子の中央部(トリアリールメタン位置)に移動するであろう。同様に、負に荷電した分子の下部は、C−C結合回転を介して外部電界のほうに近づいて移動する傾向にあろう。分子設計の重要な構成要素は、分子の下部(負に荷電した領域)が完全な180°の半サイクルで回転することを防ぐであろう、CO2とJ3基およびJ4基間の立体および静電反発が存在することである。その代わりに、初期配向から典型的に90°の角度にある下部および上部における嵩高い基の立体的相互作用により、回転は停止される。さらに、この90°の配向は、C−O結合形成および電荷再結合により安定化される。このプロセス中、トリアリールメタン位置にて四面体炭素(アイソレーター)が形成される。分子の共役は破壊され、HOMOおよびLUMOは、もはや分子の上部全体にわたって脱局在化しない。これは、電子により占有される体積の大きさを縮小する効果を有し、HOMO−LUMOギャップを増加させる。ブルーシフトカラーまたは透明状態は、このプロセス中に生じるであろう。
【0184】
着色インクおよび色素分子に関して、まさに分子の片面および中心位置間での陽電荷移動の制限は、重要である。別の重要な要素は、ステータ(分子の上部)から光学的に有意な角度(名目上、10〜170°)により分離される2つの状態間のロータ(分子の下部)を切替える能力である。分子内電荷の分離が最大距離に達すると、分子の上部のほとんどの部分が完全に共役するようになる。したがって、分子のπ−電子またはπ−電子および非結合性電子は、最高被占分子軌道(HOMO)および最低空分子軌道(LUMO)により、上部のほとんどの領域にわたって脱局在化される。この効果は、箱(その箱が分子全体の大きさである場合)における量子力学的粒子に関する効果と同一である。すなわち、軌道が脱局在化されると、HOMOおよびLUMO間のギャップは、比較的小さい。この場合、分子のHOMO−LUMOギャップは、インクまたは色素の所望の色を得るように設計される。すべて平行な構造に関するHOMO−LUMOギャップは、分子の種々の芳香環上に様々な化学基(J1、J2、J3、J4およびW)を置換することにより調整することができる。ロータ(分子の下部)が、ロータおよびステータに結合した化学置換基(J1、J2、J3、J4およびW)の性質に依存してステータ(分子の上部)に関して10〜170°で回転する場合には、HOMO−LUMOギャップの増加は、すべて平面の構造の色に関してブルーシフトである色に対応するであろう。十分シフトすると、新たなHOMO−LUMOギャップが十分に大きいのであれば、分子が透明になる。したがって、分子は、2つの色の間を、またはある色から透明状態へ切替え可能である。
【0185】
実施例5および6は、外部からかけられる電界の影響下における代表的な切替え可能な分子の2つの異なる状態を示す。この特定型の分子に関して、十分に厚い分子膜は、分子の配向軸が分子を切替えるのに用いる電極の平面に対して直角であるように、例えば、ラングミュア−ブロジェット法、気相堆積、または電気化学的堆積を用いて成長させる。別の堆積技法は、基板上に厚膜被覆(例えば、リバースロール)またはスピン被覆され、続いて重合されるか(例えば、UV照射による)、または乾燥され、分子を配向させる電界にその被覆をさらす、モノマー/オリゴマーまたは溶媒系溶液として分子を懸濁することである。最上部の電極は、インジウム−酸化錫のような透明な導体であってもよく、膜は、分子軸が電極の平面に平行であるように成長させる。分子は、固体状態または液晶を形成し、そこで大きなステータ基は、分子間相互作用または支持体構造への直接結合による位置に固定されるが、ロータは、分子の格子内に移動するのに十分小さい。
【0186】
[モデル(3):分子の折畳みまたは延伸を介した電界によって引き起こされるバンドギャップ変化]
図15は、このモデルの概略図であり、それは分子の折畳みまたは延伸を介した拡張共役の変化により生じる電界によって引き起こされるバンドギャップ変化を含む。図15に示すように、分子730は、3つの部分732、734および736を含む。分子730は、分子の大きな領域による拡張共役に起因したより小さいバンドギャップ状態を示す。電界をかけると、中央の部分734に関する分子の折畳みに起因して、分子730にて共役の破壊が生じ、分子の大きな領域における非拡張共役に起因したより大きなバンドギャップ状態を生じる結果となる。逆に電界をかけると、分子730は広がり分子730はそのもとの状態に戻る。分子730の中央部734の延伸および弛緩は、同じ効果を有する。
【0187】
このモデルでは、以下の要件を満たさなければならない。
(a)分子は、少なくとも2つのセグメントを有さなくてはならない。
(b)幾つかのセグメント(部分)は、HOMO、LUMO、およびその近傍の軌道に関与する非結合性電子、またはπ−電子、あるいはπ−電子および非結合性電子を有するべきである。
(c)分子は、対称であるか、または片側にドナー基および別の側にアクセプター基を伴う非対称であり得る。
(d)分子の少なくとも1つのセグメントは、水素結合、ファンデルワールス力、クーロン引力もしくは金属錯体形成のような分子内力または分子間力により、折畳み状態または延伸状態の両方を安定化するのを助長するであろう幾つかの官能基を有する。
(e)分子の折畳み状態または延伸状態は、電界によりアドレス指定可能でなくてはならない。
(f)少なくとも1つの状態では(推定では完全に延伸した状態にて)、分子の非結合性電子、またはπ−電子、あるいはπ−電子および非結合性電子は、十分脱局在化され、分子のπ−電子およびp−電子は、他の状態(複数可)では局在化されるか、または部分的にのみ脱局在化されるであろう。
(g)分子のバンドギャップは、非結合性電子、またはπ−電子、あるいはπ−電子および非結合性分子の脱局在化の度合いに依存して変化する一方で、分子は、かけられた外部電界により折りたたまれるかまたは延伸され、この型の変化もまた同様に、分子の電気特性または光学特性に影響を及ぼすであろう。
(h)この特徴は、光学または電気スイッチ、ゲート、蓄積またはディスプレイ用途のために、これらの型の分子を適用させ得る。
【0188】
分子の折畳みまたは延伸を介した電界によって引き起こされるバンドギャップ変化の例を以下に示す(実施例7)。
【0189】
【化9】
Figure 0004489342
【0190】
式中、R1およびR2という文字は、分子中に構築されたスペーシング基を表す。それらは、以下の水素、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0191】
1、J2、J3、J4およびJ5という文字は、分子に構築されたチューニング基を表す。これらのチューニング基(例えば、OH、NHR、COOH、CN、ニトロ等)の機能は、適切な機能効果(例えば、誘導効果および共鳴効果)および/または立体効果を提供するために使用される。機能効果は、分子のバンドギャップ(ΔEHOMO/LUMO)を調整して、分子の所望の電子特性ならびに光学特性を獲得することである。立体効果は、立体障害、分子間または分子内相互作用力(例えば、水素結合、クーロン相互作用、ファンデルワールス力)により分子の立体配座を調整して、分子の配向の双安定性または多安定性を提供することである。それらはまた、スペーシング基として用いられてもよい。それらは、以下の水素、ヘテロ原子(例えば、N、O、S、P、B、F、Cl、Br、およびI)、上記へテロ原子の少なくとも1つを有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0192】
YおよびZという文字は、分子間または分子内水素結合を形成するであろう官能基である。それらは、以下のSH、OH、アミン、炭化水素、または置換炭化水素のいずれか1つであり得る。
【0193】
図の上部の分子は、分子の局在化した共役の様々な部分に起因したより大きなバンドギャップを有し、一方下部の分子は、分子の大きな領域により拡張共役に起因してより小さなバンドギャップを有する。
【0194】
【発明の効果】
上記したところから明らかなように、本発明によれば、書換え可能媒体に対し高解像度で高速かつ安価にプリントすることができるプリンティング技術を提供することができる。より詳細には、媒体着色料がマイクロカプセルベースタイプに比較して優れた特性および利点を有する、レーザプリンタで使用するための媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による書換え可能媒体プリンタと分子着色料プリント媒体との実施形態を略立面図で示す図である。
【図2】Aは、図1のプリンタとともに使用する、本発明による書換え可能媒体の略図であり、BはAの一部拡大図である。
【図3】Aは、本発明の一実施形態によって実施される黒領域の書込みを示す図であり、Bは、白領域の書込みを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によって実施される同時消去・書換えを示す。
【図5】本発明による書換え可能媒体プリンタの現像ローラおよび光導電体の実施形態を示す図である。
【図6】本発明による書換え可能媒体プリンタの書換え可能媒体検出の実施形態を示す図である。
【図7】本発明による書換え可能媒体プリンタのデュアルモードプリンタの実施形態を示す図である。
【図8】本発明による書換え可能媒体プリンタのトナー現像モードの実施形態を示す図である。
【図9】本発明による書換え可能媒体プリンタのトナー使用不能モードの実施形態を示す図である。
【図10】本発明による書換え可能媒体プリンタのデュアルモードプリンタの実施形態に対するバイアス制御設定を示す図である。
【図11】両面書換え可能媒体に対する、本発明による書換え可能媒体プリンタの代替実施形態である。
【図12】分子立体配座変化を介した電界によって引き起こされるバンドギャップ変化を示す図である。
【図13】図12に示すバンドギャップ変化の一実施の形態を示す図である。
【図14】バンドの局在化を増加又は減少させることにより付随する電荷分離又は再結合を介した拡張共役の変化により生じる、電界によって引き起こされるバンドギャップ変化を示す図である。
【図15】分子の折畳みまたは延伸を介した電界によって引き起こされるバンドギャップ変化を示す図である。
【符号の説明】
180 レーザプリンティングシステム
200 電子プリント媒体
201 コーティング層
202 基板
203 着色料分子
210 光導電体
230 消去ステーション
240 書込みステーション
260 トナー粒子
270 電極
280 光検出器
290 フューザ
300 プリンタ
320 現像ローラ
330 転写ローラ
430、630、730 分子
432 ロータ部分
434 ステータ部分
500 π−軌道雲

Claims (13)

  1. 分子のHOMO−LUMOギャップの変化が、電界によって引き起こされ、これによって分子の色が切り替わる分子着色料を有する書換え可能媒体と、
    前記分子着色料によるプリントイメージを書込みおよび消去するための電界を生成するレーザプリンタと
    を含んでなるハードコピーシステム。
  2. 前記レーザプリンタが、
    堆積される電圧電荷を蓄積する光導電体手段と、
    該光導電体手段上に堆積される該電荷を書込み可能に消去する書込み手段と、
    前記書換え可能媒体が前記光導電体手段上に書込まれた電荷を通過する時に、該光導電体手段から生成される電界により前記分子着色料のピクセル位置の分子状態が変化して該書換え可能媒体上にプリントイメージを生成するように、該書換え可能媒体をニップ接触領域において該光導電体手段の近くに保持する支持手段と
    をさらに含んでなる請求項1記載のハードコピーシステム。
  3. 前記光導電体手段と前記支持手段との間に前記電界が生成され、それによって前記分子状態の変化をもたらすように、前記支持手段にバイアスがかけられる請求項2記載のハードコピーシステム。
  4. 前記光導電体がそれぞれ帯電および放電される時に、前記書換え可能媒体に略等しい大きさであるが反対方向の電界を印加するように、前記支持手段および前記光導電体手段にバイアスがかけられる請求項2記載のハードコピーシステム。
  5. 前記分子着色料が、
    分子システムを含み、該システムがスイッチ可能なエレクトロクロミック分子を含有し、該分子の各々が少なくとも2つの光学的に識別可能な状態の間で選択的にスイッチ可能であって、この分子が、以下の式
    Figure 0004489342
    (式中、A は、電子吸引性基であって、水素、カルボン酸もしくはその誘導体、硫酸もしくはその誘導体、リン酸もしくはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちの1つであり、
    は、電子供与性基であって、水素、アミン、OH、SH、エーテル、炭化水素(飽和または不飽和)、置換炭化水素またはヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基のうちの1つであり、
    Con およびCon は、水素、多価ヘテロ原子、多価ヘテロ原子を含有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちの1つであり、
    SAおよびSBは、平面状態の場合に分子の拡張共役に寄与する複数の共役環と、アセチレン、エチレン、アミド、イミド、イミンまたはアゾのうちの1つのブリッジング基と、フェニル、イソプロピルまたはt−ブチルのうちの1つのスペーシング基とを有する炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素である)、
    Figure 0004489342
    (式中、A は、電子吸引性基であって、水素、カルボン酸もしくはその誘導体、硫酸もしくはその誘導体、リン酸もしくはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちの1つであり、
    は、電子供与性基であって、水素、アミン、OH、SH、エーテル、炭化水素(飽和または不飽和)、置換炭化水素またはヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基のうちの1つであり、
    Con およびCon は、水素、多価ヘテロ原子、多価ヘテロ原子を含有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちの1つであり、
    SAおよびSBは、平面状態の場合に分子の拡張共役に寄与する複数の共役環と、アセチレン、エチレン、アミド、イミド、イミンまたはアゾのうちの1つのブリッジング基と、フェニル、イソプロピルまたはt−ブチルのうちの1つのスペーシング基とを有する炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素である)、
    Figure 0004489342
    (式中、J 、J 、J 、J およびJ は、水素、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    は、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    Wは、電子吸引性基であり、カルボン酸もしくはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ケトン、アルデヒド、スルホン、硫酸もしくはその誘導体、ヘテロ原子、ヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基のいずれか1つである)、
    Figure 0004489342
    (式中、J 、J 、J 、J およびJ は、水素、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    は、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    は、遷移金属を含む金属もしくはそれらのハロゲン錯体、またはH もしくは他の型のルイス酸である)、
    Figure 0004489342
    (式中、Qは、S、O、NH、NR、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    Con およびCon は、水素、ヘテロ原子、ヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちのいずれか1つであり、
    およびR は、水素、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    、J 、J およびJ は、水素、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    は、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    Wは、電子吸引性基であり、カルボン酸もしくはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ケトン、アルデヒド、スルホン、硫酸もしくはその誘導体、ヘテロ原子、ヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つである)、
    Figure 0004489342
    (式中、Qは、S、O、NH、NR、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    Con およびCon は、水素、ヘテロ原子、ヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちのいずれか1つであり、
    およびR は、水素、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    、J 、J およびJ は、水素、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    は、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    Wは、電子吸引性基であり、カルボン酸もしくはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ケトン、アルデヒド、スルホン、硫酸もしくはその誘導体、ヘテロ原子、ヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つである)、
    Figure 0004489342
    (式中、R およびR は、水素、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    、J 、J 、J およびJ は、水素、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    YおよびZは、SH、OH、アミン、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つである)
    で表わされる分子のいずれか1つであり、前記システムが基板上に分布可能であって、それによって消去可能に書込み可能な表面を形成する請求項1記載のハードコピーシステム。
  6. 前記電界によって引き起こされるHOMO−LUMOギャップの変化が、(1)分子配座の変化または異性化と、(2)該HOMO−LUMOギャップを変化させるための化学結合の変化を介する拡張共役の変化と、(3)分子の折畳みまたは延伸とを含む群から選択されるメカニズムを介して発生する請求項1記載のハードコピーシステム。
  7. 普通紙にレーザプリントする手段と、
    前記書換え可能媒体の存在と普通紙の存在とを識別し、普通紙にプリンティングする動作モードと書換え可能媒体にプリンティングする動作モードとの間で切替えを行う媒体タイプ検出手段と、
    をさらに含んでなる請求項1記載のハードコピーシステム。
  8. 前記書換え可能媒体の2つの表面上に前記分子着色料が分散されている請求項1記載のハードコピーシステム。
  9. 前記レーザプリンタが、前記書換え可能媒体の前記表面の両方に同時に書込みするように適合されている請求項8記載のハードコピーシステム。
  10. 前記少なくとも2つの光学的に識別可能な状態が、透明の状態と高コントラストの色の状態とである請求項5記載のハードコピーシステム。
  11. プリンティングイメージを表す電荷分布を光導電体上に堆積することと、
    該光導電体上に堆積された前記電荷の堆積物を書込み可能に消去することと、
    書換え可能媒体をニップ接触領域を通して前記光導電体の近くに搬送し、前記書換え可能媒体が、分子のHOMO−LUMOギャップの変化が、電界によって引き起こされ、これによって分子の色が変化する分子着色料の少なくとも1つの層を有することにより、該書換え可能媒体が前記電荷が書込まれた光導電体を通過する時に、該光導電体によって生成される電界が前記分子着色料のピクセル位置の分子のHOMO−LUMOギャップの変化をもたらし、それによって前記書込み可能な消去に関連するプリントイメージを生成することと
    を含んでなるプリンティングプロセス。
  12. 前記分子着色料が分子システムであり、該システムがスイッチ可能なエレクトロクロミック分子を含有し、該分子の各々が少なくとも2つの光学的に識別可能な状態の間で選択的にスイッチ可能であって、この分子が、以下の式
    Figure 0004489342
    (式中、A は、電子吸引性基であって、水素、カルボン酸もしくはその誘導体、硫酸もしくはその誘導体、リン酸もしくはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちの1つであり、
    は、電子供与性基であって、水素、アミン、OH、SH、エーテル、炭化水素(飽和または不飽和)、置換炭化水素またはヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基のうちの1つであり、
    Con およびCon は、水素、多価ヘテロ原子、多価ヘテロ原子を含有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちの1つであり、
    SAおよびSBは、平面状態の場合に分子の拡張共役に寄与する複数の共役環と、アセチレン、エチレン、アミド、イミド、イミンまたはアゾのうちの1つのブリッジング基と、フェニル、イソプロピルまたはt−ブチルのうちの1つのスペーシング基とを有する炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素である)、
    Figure 0004489342
    (式中、A は、電子吸引性基であって、水素、カルボン酸もしくはその誘導体、硫酸もしくはその誘導体、リン酸もしくはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちの1つであり、
    は、電子供与性基であって、水素、アミン、OH、SH、エーテル、炭化水素(飽和または不飽和)、置換炭化水素またはヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基のうちの1つであり、
    Con およびCon は、水素、多価ヘテロ原子、多価ヘテロ原子を含有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちの1つであり、
    SAおよびSBは、平面状態の場合に分子の拡張共役に寄与する複数の共役環と、アセチレン、エチレン、アミド、イミド、イミンまたはアゾのうちの1つのブリッジング基と、フェニル、イソプロピルまたはt−ブチルのうちの1つのスペーシング基とを有する炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素である)、
    Figure 0004489342
    (式中、J 、J 、J 、J およびJ は、水素、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    は、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    Wは、電子吸引性基であり、カルボン酸もしくはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ケトン、アルデヒド、スルホン、硫酸もしくはその誘導体、ヘテロ原子、ヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基のいずれか1つである)、
    Figure 0004489342
    (式中、J 、J 、J 、J およびJ は、水素、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    は、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    は、遷移金属を含む金属もしくはそれらのハロゲン錯体、またはH もしくは他の型のルイス酸である)、
    Figure 0004489342
    (式中、Qは、S、O、NH、NR、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    Con およびCon は、水素、ヘテロ原子、ヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちのいずれか1つであり、
    およびR は、水素、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    、J 、J およびJ は、水素、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    は、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    Wは、電子吸引性基であり、カルボン酸もしくはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ケトン、アルデヒド、スルホン、硫酸もしくはその誘導体、ヘテロ原子、ヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つである)、
    Figure 0004489342
    (式中、Qは、S、O、NH、NR、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    Con およびCon は、水素、ヘテロ原子、ヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のうちのいずれか1つであり、
    およびR は、水素、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    、J 、J およびJ は、水素、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    は、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    Wは、電子吸引性基であり、カルボン酸もしくはその誘導体、ニトロ、ニトリル、ケトン、アルデヒド、スルホン、硫酸もしくはその誘導体、ヘテロ原子、ヘテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つである)、
    Figure 0004489342
    (式中、R およびR は、水素、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    、J 、J 、J およびJ は、水素、ヘテロ原子、へテロ原子を少なくとも1つ有する官能基、炭化水素(飽和または不飽和)または置換炭化水素のいずれか1つであり、
    YおよびZは、SH、OH、アミン、炭化水素または置換炭化水素のいずれか1つである)
    で表わされる分子のいずれか1つであり、前記システムが基板上で分布可能であって、それによって消去可能な書込み可能の表面を形成する請求項11記載のプロセス。
  13. 前記電界によって引き起こされるHOMO−LUMOギャップの変化が、(1)分子配座の変化または異性化と、(2)該HOMO−LUMOギャップを変化させるための化学結合の変化を介する拡張共役の変化と、(3)分子の折畳みまたは延伸とを含む群から選択されるメカニズムを介して発生する請求項12記載のプロセス。
JP2002313980A 2001-10-30 2002-10-29 書換え可能媒体を用いるレーザプリンティング Expired - Fee Related JP4489342B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/021446 2001-10-30
US10/021,446 US6670981B1 (en) 2001-10-30 2001-10-30 Laser printing with rewritable media

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003200610A JP2003200610A (ja) 2003-07-15
JP4489342B2 true JP4489342B2 (ja) 2010-06-23

Family

ID=21804277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002313980A Expired - Fee Related JP4489342B2 (ja) 2001-10-30 2002-10-29 書換え可能媒体を用いるレーザプリンティング

Country Status (3)

Country Link
US (1) US6670981B1 (ja)
EP (1) EP1308920B1 (ja)
JP (1) JP4489342B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7782408B2 (en) * 2003-07-07 2010-08-24 Hewlett-Packard Development Company, L.P. 3-D molecular assembly and its applications for molecular display and moletronics
US7403640B2 (en) * 2003-10-27 2008-07-22 Hewlett-Packard Development Company, L.P. System and method for employing an object-oriented motion detector to capture images
US20050289345A1 (en) * 2004-06-24 2005-12-29 Brady Worldwide, Inc. Method and system for providing a document which can be visually authenticated
US7321356B2 (en) * 2004-12-15 2008-01-22 Palo Alto Research Center Incorporated Time domain printing for electric paper
US8102362B2 (en) * 2005-02-01 2012-01-24 Industrial Technology Research Institute Indexing writehead for bistable media
US7789502B2 (en) * 2005-11-30 2010-09-07 Xerox Corporation Process and apparatus for ink jet ultraviolet transfuse
US20070189058A1 (en) * 2006-02-13 2007-08-16 Zhang-Lin Zhou Molecular system and method for reversibly switching the same between four states
US7812813B2 (en) * 2006-10-12 2010-10-12 International Business Machines Corporation ePaper stamp
US8120811B2 (en) 2007-11-21 2012-02-21 Quad/Graphics, Inc. System and method for adding data to a printed publication
EP2240831B1 (en) 2008-01-24 2015-03-25 Quad/Graphics, Inc. Printing using color changeable material
JP4539745B2 (ja) * 2008-03-25 2010-09-08 富士ゼロックス株式会社 光書込み装置
US8289352B2 (en) 2010-07-15 2012-10-16 HJ Laboratories, LLC Providing erasable printing with nanoparticles
KR101260013B1 (ko) * 2011-04-29 2013-05-06 인텔렉추얼디스커버리 주식회사 전자 종이용 데이터 기록 장치 및 이를 이용한 데이터 기록 방법

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5179065A (en) * 1989-04-28 1993-01-12 Sony Corporation Recording material with a display composition including a coloring pigment
US5141622A (en) * 1991-10-29 1992-08-25 The Mead Corporation Electrochromic printing medium
US5604027A (en) 1995-01-03 1997-02-18 Xerox Corporation Some uses of microencapsulation for electric paper
US6124851A (en) 1995-07-20 2000-09-26 E Ink Corporation Electronic book with multiple page displays
JPH09200522A (ja) * 1996-01-18 1997-07-31 Canon Inc 画像処理装置およびその方法
WO1998035271A1 (en) * 1997-02-06 1998-08-13 International Business Machines Corporation Molecule, layered medium and method for creating a pattern
US5866284A (en) * 1997-05-28 1999-02-02 Hewlett-Packard Company Print method and apparatus for re-writable medium
JP3675241B2 (ja) * 1999-07-21 2005-07-27 富士ゼロックス株式会社 画像表示媒体、画像形成方法、画像形成装置、及びイニシャライズ装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP1308920A3 (en) 2005-03-16
EP1308920B1 (en) 2011-10-19
JP2003200610A (ja) 2003-07-15
US6670981B1 (en) 2003-12-30
EP1308920A2 (en) 2003-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4416385B2 (ja) 電界によりアドレス指定可能な書換え可能媒体
US6045955A (en) Print method and apparatus for re-writable medium
US6850230B1 (en) Electronic writing and erasing pencil
JP4489342B2 (ja) 書換え可能媒体を用いるレーザプリンティング
US6805817B2 (en) Molecular devices activated by an electric field for electronic ink and other visual display
US6517618B2 (en) Photochromic electrophoretic ink display
US6549327B2 (en) Photochromic gyricon display
US6947205B2 (en) Bistable molecular mechanical devices activated by an electric field for electronic ink and other visual display applications
US20080100564A1 (en) Color display with polarization-type molecular switch
US6853478B2 (en) Color display with molecular light valve
JP2003287775A (ja) 書換え可能媒体を使用するシステム
US6763158B1 (en) Molecular mechanical devices with a band gap change activated by an electric field for optical switching applications
JP2005532599A (ja) 光スイッチング用途のための、中央部が回転する分子に基づく電界駆動型発色性材料
KR100913024B1 (ko) 전기장에 의해 활성화된 밴드 갭 변화를 갖는, 광학스위칭 용도의 분자 기계적 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070921

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20071221

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071227

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090220

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091130

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100309

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100331

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140409

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees