JP4488298B2 - 移載機 - Google Patents

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本発明は、容器を把持する把持装置を用いた移載機に関する。
従来、例えば、ビールを充填した容器であるビール樽の流通のため、このビール樽をコンベヤからパレットに移載する作業工程、あるいはビール樽をパレットからコンベヤに移載する作業工程があり、これらの作業工程にビール樽を把持する把持装置を備えた移載機が用いられている。
ビール樽は、上面中央に口栓が設けられた樽本体を有し、この樽本体の上側周囲からビール樽を持ち運ぶための複数の取手孔を有する環状の取手部が突出形成され、この取手部の上側周縁部に円弧状の折曲部が内周側に折り曲げられている。
そして、把持装置は、中心位置検知センサによってビール樽の口栓の位置を検知することによりビール樽に対してセンタリングし、円周上に配置した複数のフックをビール樽の取手部の内側に進入させ、これら複数のフックを外側へ向けて揺動させてビール樽の折曲部に内周側から引っ掛けて把持している。移載機では、ビール樽を把持した把持装置を上昇させてパレット上に移動させ、把持装置による把持を解除してビール樽をパレット上に移載している(例えば、特許文献1参照)。
また、ビール樽の口栓を複数のフックで把持する把持装置もある。この場合、複数のフックで把持する把持装置の中心位置とビール樽の口栓の中心位置とをセンタリングするために、ビール樽の水平方向の位置を外形基準で位置決めしている。
特開平6−126678号公報(第2−4頁、図1−4)
しかしながら、ビール樽の口栓に対してセンタリングした複数のフックを取手部の折曲部に内周側から引っ掛けて把持する把持装置では、取手部に変形が生じていた場合、一部のフックが取手部の折曲部に引っ掛からず、ビール樽を正常に把持できない把持不良が発生する問題がある。
また、ビール樽の口栓を複数のフックで把持する把持装置では、複数のフックで把持する把持装置の中心位置とビール樽の口栓の中心位置とをセンタリングするために、ビール樽の水平方向の位置を外形基準で位置決めしているため、ビール樽に変形が生じていると、ビール樽を精度よくセンタリングできず、ビール樽を正常に把持できない把持不良が発生する問題がある。さらに、ビール樽の口栓の高さについては、ビール樽の変形のほか、樽本体にビールを充填して冷却したときの温度に応じて口栓の高さにばらつきが生じ、この点でもビール樽を正常に把持できない把持不良が発生する問題がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、容器が変形していても確実に把持できる把持装置を用いた移載機を提供することを目的とする。
求項記載の移載機は、容器の側面に当接して押さえる側面押え部と、この側面押え部に対向され、前記容器の上側周縁部で内周側に折り曲げられている折曲部に係脱可能とするフックと、このフックを前記容器の折曲部に係合させて前記側面押え部との間で把持する把持位置と前記容器の折曲部から離反する把持解除位置との間で移動させる駆動部と、前記フックを前記側面押え部に対向する対向位置とこの対向位置より上方に揺動する退避位置との間で揺動可能に支持する支持部と、この支持部で揺動可能に支持された前記フックを対向位置へ向けて付勢する付勢手段と、この付勢手段による付勢に抗して上方の退避位置に揺動した前記フックを検出する検出部とを備えた把持装置と、この把持装置が取り付けられ、前記側面押え部と前記フックとの間の中間位置を前記容器の上側周縁部の位置に対応させ、容器の上方から前記側面押え部を容器の上側周縁部の外側に進入させるとともに前記フックを容器の上側周縁部の内側に進入させる下降位置に向けて前記把持装置を下降させ、下降位置に前記把持装置が下降するまでに前記検出部が前記フックを検出したら前記把持装置の下降を停止させる移載機本体とを具備しているものである。
そして、側面押え部が容器の側面に当接して押さえ、フックが容器の折曲部に係合し、これら側面押え部とフックとの間で容器を把持するため、容器が変形していても確実に把持可能とする。さらに、例えば、容器の上下の向きが違っていたり、容器が大きく変形している場合に、フックを容器の上方から把持可能とする位置に移動させる過程でフックが容器に当接すると、フックが付勢手段による付勢に抗して上方に揺動して逃げ、そのフックの揺動を検出部で検出し、把持装置の下降を停止するため、把持装置や容器の破損を防止可能とする。
請求項1記載の移載機によれば、把持装置により、側面押え部が容器の側面に当接して押さえ、フックが容器の折曲部に係合し、これら側面押え部とフックとの間で容器を把持するため、容器が変形していても確実に把持できる。さらに、例えば、容器の上下の向きが違っていたり、容器が大きく変形している場合に、フックを容器の上方から把持可能とする位置に移動させる過程でフックが容器に当接すると、フックが付勢手段による付勢に抗して上方に揺動して逃げ、そのフックの揺動を検出部で検出し、把持装置の下降を停止させるため、把持装置や容器の破損を防止できる
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図7に把持装置を取り付けた移載機の側面図を示す。この移載機11は、荷積み装置や荷降し装置などに用いられる荷役用のロボットで、移載機本体12およびこの移載機本体12に取り付けられた把持装置13を有している。
移載機本体12は、本体部15を有し、この本体部15が床面に設置された台座部15aに対して旋回可能に配設されている。本体部15には複数のアームを有するアーム機構16が配設され、このアーム機構16の先端には鉛直方向に軸方向を有して水平方向に回転する旋回軸17を有する把持装置取付部18が配設され、この把持装置取付部18の旋回軸17の下部に把持装置13が取り付けられている。アーム機構16は、アーム機構16の動きにかかわらず、把持装置取付部18を介して把持装置13が常に一定の水平姿勢を保つように構成している。
移載機11の近傍には、移載物である容器21を載せたパレットPを移載機11で荷取りする荷取り位置に搬送するコンベヤ22が設置され、移載機11では把持装置13でパレットP上の容器21を把持して容器21を搬送する図示しないコンベヤなどに移載する。
容器21は、例えば、内容物としてビールを入れたビール樽であって、図1には、内容量10Lのビール樽10Lと25Lのビール樽25Lとを示す。把持装置13は、これら複数種類の容器21を把持可能とする兼用タイプに構成されている。
各容器21は、円筒形の樽本体である容器本体23、この容器本体23の上面中央に形成された図示しない口部を閉塞する口栓24、および容器本体23の周面上部から上方へ突出された環状の取手部25を有し、この取手部25には互いに対向する複数の取手孔26が形成され、取手部25の上側周縁部に内周側にカールして折り曲げられた折曲部27が全周にわたって形成されている。容器本体23の周面には複数の突出部28が突出形成されている。
次に、図1ないし図4に把持装置を示す。図1は把持装置の側面図、図2は把持装置の一部を省略した平面図、図3は把持装置の一部を省略した左側面図、図4は把持装置の一部を省略した右側面図である。
把持装置13は、移載機本体12に取り付けられる横長のベース31を有している。このベース31は、両側のフレーム32とこれらフレーム32の上面にわたって取り付けられて連結する上面プレート33を有し、この上面プレート33上には緩衝機構34を介して取付プレート35が取り付けられ、この取付プレート35の中心が移載機本体12の旋回軸17に取り付けられている。そして、把持装置13の中心36は旋回軸17と同軸に構成されている。
また、ベース31の長手方向の一端側下面には、両側のフレーム32にわたって支持プレート37が取り付けられ、この支持プレート37の下面には容器21を把持する容器把持ユニット38が配設されている。この容器把持ユニット38は、容器21の一側面に当接して押さえる側面押え部39を備えている。この側面押え部39には、上下方向の寸法が長く、容器21に対向する正面側が窪むように一対のプレート部40が配置された断面略V字形の押えプレート41を有し、この押えプレート41の上端が支持プレート37に取り付けられているとともに、押えプレート41の各プレート部40の背面が支持プレート37に取り付けられた両側の支えプレート42によって支えられている。
押えプレート41の各プレート部40の容器21に対向する正面には、容器21の上側周縁部である取手部25の外側面に当接して押さえる接触部材43がそれぞれ取り付けられている。これら接触部材43が容器21の上側周縁部である取手部25の外側面に接触するときに、各プレート部40の下部側が容器21の側面から突出する突出部28に接触するように構成されている。したがって、側面押え部39は、容器21の側面における周方向の2箇所でかつ容器21の上側周縁部である取手部25および突出部28を含む上下方向の複数箇所に当接するように構成されている。
押えプレート41の各プレート部40の各接触部材43の上方位置には容器21の上面位置を規制するストッパ44が突設されている。さらに、これらストッパ44より上側位置で押えプレート41の両プレート部40にわたって開口部45が形成されている。
押えプレート41の開口部45に臨んで両側の支えプレート42間には駆動部としてのシリンダ47が配置され、このシリンダ47の作動によって軸方向に進退移動するロッド48の先端に、側面押え部39の正面側に対向し容器21の折曲部27に内周側から係脱可能とするフック49が取り付けられている。そして、シリンダ47の作動により、フック49を容器21の折曲部27に係合させて側面押え部39との間で把持する把持位置と、容器21の折曲部27から離反する把持解除位置との間で移動させる。
フック49は、容器21に当接する側面押え部39の周方向の2箇所の当接箇所の間でその容器21の折曲部27に係合可能とし、図5に示すように、容器21の折曲部27に内周面に係合する係合面部50、この係合面部50の下部に略L字形に形成されて容器21の折曲部27の下側に係合するフック部51を有している。これら、係合面部50の係合面およびフック部51の先端は容器21の周方向の湾曲に対応して円弧状に形成されている。
シリンダ47は支持部53によって支持され、この支持部53により、フック49を側面押え部39の正面側に対向する対向位置とこの対向位置より上方に揺動する退避位置との間で揺動可能に支持している。支持部53は、両側の支えプレート42に支持された支軸54によって揺動可能に軸支された断面略コ字形の揺動体55を有し、この揺動体55と支えプレート42の下部側に取り付けられた取付部56との間にフック49を対向位置へ向けて付勢する付勢手段としてのスプリング57が張設されている。フック49の対向位置ではそれ以上の下降を規制する図示しないストッパが設けられている。スプリング56による付勢に抗して上方に揺動したフック49を検出する例えば光電管や接触式スイッチなどの検出部58が設けられている。
また、ベース31には、パレットPを把持するパレット把持ユニット61が配設されている。このパレット把持ユニット61は、ベース31の長手方向の両端部で両側のフレーム32の下側にそれぞれ回動可能に配置された連動軸62を有し、各連動軸62の両端にアーム63が取り付けられている。両側のフレーム32の側部に沿って同軸に連結された一対のシリンダ64,65がそれぞれ配置され、各一方のシリンダ64のロッド66が各フレーム32に連結され、各他方のシリンダ65のロッド67がレバー68を介して各連動軸62に連結されている。各アーム63の先端にはパレットPの側面に形成された溝部に差し込まれてパレットPを引っ掛ける引掛部69が設けられている。
そして、このパレット把持ユニット61では、パレットPを把持する場合、図1に示すように、両シリンダ64,65を収縮させて両端のアーム63の先端間の幅を広げた状態で、両端のアーム63の先端をパレットPの両側に配置した後、一方のシリンダ64を伸長させて両端のアーム63でパレットPを把持する。また、パレット把持ユニット61を使用しないときには、一方のシリンダ64の伸長に加えて、他方のシリンダ65を伸長させることにより、両端のアーム63をベース31の下側に接近した位置に収納し、容器把持ユニット38による容器21の把持動作に支障がないようにできる。
次に、移載機11による容器21の移載動作について説明する。
図7に示すように、コンベヤ22によって容器21を載せたパレットPを移載機11で荷取りする荷取り位置に搬送して停止させる。このとき、容器21はパレットP上の所定位置に予め位置決めされ、また、容器21の種類の情報が移載機11に入力されている。
移載機本体12により、把持装置13を容器21の上方に移動させた後、容器21の種類に応じた下降位置まで下降させる。このとき、図6に示すように、側面押え部39とフック49との間の中間位置が容器21の上側周縁部の位置に対応するようにして、容器21の上方から側面押え部39を容器21の上側周縁部の外側に進入させるとともにフック49を容器21の上側周縁部の内側に進入させる。これにより、容器21の位置ずれや容器21の変形を吸収できる。
このとき、仮に、容器21の上下が逆になっていたり、容器21が大きく変形していて、フック49の先端が容器21上に当接した場合には、スプリング56による付勢に抗してフック49が上方に揺動して逃げ、そのフック49の揺動を検出部58で検出することにより、移載機本体12による把持装置13の下降を停止するため、把持装置13や容器21の破損を防止できる。
そして、把持装置13を容器21の種類に応じた下降位置まで下降させれば、図1に示すように、側面押え部39が容器21の上側周縁部の外側に位置するとともにフック49が容器21の上側周縁部の内側に位置する。
シリンダ47の作動によりフック49を側面押え部39に接近する方向に移動させ、フック49が容器21の上側周縁部の内側つまり折曲部27の内側に当接し、容器21を側面押え部39に押し寄せ、側面押え部39とフック49との間で容器21を把持する。この把持状態では、フック49の先端のフック部51が折曲部27の下側に進入して引っ掛かり、また、側面押え部39が容器21の側面における周方向の2箇所でかつ容器21の上側周縁部である取手部25および突出部28を含む上下方向の複数箇所に当接するため、容器21の側面を安定した状態で押えることができ、さらに、フック49が側面押え部39の周方向の2箇所の当接箇所の間で容器21の折曲部27に係合するため、容器21の把持状態を安定させることができる。
そして、把持装置13で容器21を把持した後、移載機本体12により、把持装置13とともに容器21をパレットPから上昇させ、容器21を搬送するコンベヤの上方に移動させ、容器21を下降させてコンベヤ上に移載する。
容器21をコンベヤ上に移載したら、シリンダ47の作動によりフック49を側面押え部39から離反する方向に移動させ、側面押え部39とフック49との間での容器21の把持を解除する。その後、移載機本体12により、把持装置13を上昇させ、コンベヤ22でパレットPに載って荷取り位置に次に搬送されてくる次の容器21の移載動作に移る。
このように、把持装置13では、側面押え部39が容器21の側面に当接して押さえ、フック49が容器21の折曲部27に係合し、これら側面押え部39とフック49との間で容器21を把持するため、容器21が変形していても確実に把持できる。
また、把持装置13はパレット把持ユニット61を備えているため、容器21を取り出した空のパレットPをパレット搬出部などの別の場所に移載することもできる。
なお、容器としては、ビール樽に限らず、上側周縁部の内側に折曲部を有する形状であれば、ケース、缶および箱などにも同様に適用できる。
また、移載機には、移載機本体としてロボットを示したが、ロボットに限らず、把持装置を移動させる水平方向のX軸およびY軸、上下方向のZ軸を有するとともにZ軸周りに回転可能とするパレタイザなどの機械にも同様に適用できる。
また、把持装置のフックを移動させる駆動部は、シリンダに限らず、モータなどを用いてもよく、フックを対向位置に付勢する付勢手段は、スプリングに限らず、ゴムやダンパーなどを用いてもよい。
本発明の一実施の形態を示す把持装置の側面図である。 同上把持装置の一部を省略した平面図である。 同上把持装置の一部を省略した左側面図である。 同上把持装置の一部を省略した右側面図である。 同上把持装置のフックを示し、(a)はフックの平面図、(b)はフックの側面図である。 同上把持装置の側面押え部およびフックと容器との関係を示す平面図である。 同上把持装置を用いた移載機の側面図である。
11 移載機
12 移載機本体
13 把持装置
21 容器
27 折曲部
39 側面押え部
47 駆動部としてのシリンダ
49 フック
53 支持部
57 付勢手段
58 検出部

Claims (1)

  1. 容器の側面に当接して押さえる側面押え部と、この側面押え部に対向され、前記容器の上側周縁部で内周側に折り曲げられている折曲部に係脱可能とするフックと、このフックを前記容器の折曲部に係合させて前記側面押え部との間で把持する把持位置と前記容器の折曲部から離反する把持解除位置との間で移動させる駆動部と、前記フックを前記側面押え部に対向する対向位置とこの対向位置より上方に揺動する退避位置との間で揺動可能に支持する支持部と、この支持部で揺動可能に支持された前記フックを対向位置へ向けて付勢する付勢手段と、この付勢手段による付勢に抗して上方の退避位置に揺動した前記フックを検出する検出部とを備えた把持装置と、
    この把持装置が取り付けられ、前記側面押え部と前記フックとの間の中間位置を前記容器の上側周縁部の位置に対応させ、容器の上方から前記側面押え部を容器の上側周縁部の外側に進入させるとともに前記フックを容器の上側周縁部の内側に進入させる下降位置に向けて前記把持装置を下降させ、下降位置に前記把持装置が下降するまでに前記検出部が前記フックを検出したら前記把持装置の下降を停止させる移載機本体と
    を具備していることを特徴とする移載機。
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