JP4487929B2 - 診断支援システムおよび携帯端末 - Google Patents

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Description

本発明は、位置や時間に応じて発症しやすさが異なる疾患の罹患可能性を判断する診断支援システムに関する。
近年、樹木、草、雑草等の花粉が鼻や目の中に入ることにより鼻汁が流れたり、涙目、くしゃみ、かゆみが起きたりする花粉症(枯草熱)等のアレルギー性疾患の罹患者が増えている。花粉が体内に入ると、アレルギーを起こす抗原(アレルゲン)が花粉から溶け出す。この抗原への免疫反応により、白血球が抗体(IgE抗体)を作り出す。再び同じ抗原が体内に入ると、抗体が肥満細胞にアレルギー原因物質となるヒスタミン等を放出させる。ヒスタミン等のアレルギー原因物質が神経および細胞を刺激することにより、上記のような花粉症の症状が引き起こされる。
このような花粉症の症状は風邪の初期症状と非常によく似ており、また、花粉症の原因としてよく知られているスギ花粉の飛散時期は1月下旬から4月頃と風邪がはやる時期と重なっている。また、花粉症は体内に蓄積された抗体が飽和状態になると誰でも発症し得る疾患であるため、前年まで花粉症に罹患していなかった人でも花粉症になっている可能性がある。
さらに、花粉症等のアレルギー性疾患は、患者の体質だけでなく原因物質(花粉)の存在量に応じて、発症が軽くなったり重くなったりする。そのため、花粉が飛散する時期には、花粉症の疾患者は、何度も発症や緩解を繰り返し、発症する都度、風邪などの他の症状との判別が必要となる。そのため花粉症の罹患者であっても、風邪なのか花粉症の症状なのかを判断するのは困難である。
花粉症に罹患しているか否かを診断する方法としては、たとえば抗原を塗布したシールを被験者の皮膚に貼り付けたり、抗原を被験者に注射する等して炎症反応を観察する方法、患者の体液に含まれるIgE抗体を調べる検査や好酸球を調べる検査が知られている。患者の体液に含まれるIgE抗体を調べる検査では、体液として血清が用いられることが多い。好酸球を調べる検査としては、鼻汁をスライドガラスに塗って染色した後、顕微鏡で観察して好酸球の数を検査する方法が知られている。風邪の場合は主として好中球が増えることから、この検査により、風邪と花粉症との区別をすることができる。
また、抗原の刺激により患者の体液中に遊離するヒスタミンの量を測定することによっても起因となる抗原を検索することが可能である。特許文献1には、ヒスタミンに対する酵素を用いることでヒスタミンの量を測定するセンサーが実現できることが記載されている。
:特開平10−170514号公報 :近藤徹弥ほか、愛知県産業技術研究所、平成13年度 日本農芸化学会大会講演要旨集P322(2001)
しかし、従来知られているような診断は、病院や検査機関での検査が必要であったため、手間がかかっていた。また、検査結果が出るまでに時間がかかるという問題もあった。そのため、初期の段階では風邪なのか花粉症なのかの判断が付かず、適切な薬を選択できずに症状が改善されないということがあった。さらに、通常、起因となる抗原を特定するのには費用がかかるという問題もあった。
また、従来、所定位置に配置したスライドガラス等に付着した花粉の数を数えることでアレルゲンとなる花粉量を測定する方法が知られている。しかし、このような方法ではスライドガラス等を配置したエリアにおける花粉量を把握することしかできなかった。また、花粉量が少ないと予報された地域でも、その地域内にある建物によっては室内に花粉が蓄積されており、花粉症の症状が発生することがある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、位置や時間に応じて発症しやすさが異なる疾患の罹患可能性を判断する診断支援を簡易に行うシステムを提供することにある。本発明の別の目的は、このような疾患の罹患者の存在状況や疾患の原因物質の存在状況、またはこれらの存在状況の予測を配信または提示するシステムを提供することにある。
より詳しくは、(1)ユーザが現在いる場所で、花粉症と他の病気との鑑別をすることを支援し、(2)ユーザが、発症可能性や原因物質の存在量という情報を地図情報と関連づけて把握することを支援し、(3)花粉症であるユーザが、花粉症を発症しやすい地域に行きそうになった場合に警戒情報を送るなどのサービスを提供することにある。
本発明によれば、ネットワークを介して接続された移動端末と解析センターとを含み、移動端末を用いるユーザの疾患の罹患可能性を判断する診断支援システムが提供される。移動端末は、ユーザから採取した試料中に疾患の罹患を特徴的に示す特徴成分が存在するか否かを検出する検出部と、検出部による検出結果をユーザの症状を示す症状データとして解析センターに送信する送信処理部と、を含む。解析センターは、症状データを、移動端末から症状データが送信されたときの移動端末の位置に対応付けて取得するデータ取得部と、症状データと疾患の罹患者に発生する特徴を示す参照パラメータとに基づき、ユーザが疾患に罹患している罹患可能性を計算する罹患可能性計算部と、複数のユーザの罹患可能性と対応する位置とに基づき、エリア毎に疾患の罹患者の存在状況を推定する推定処理部と、を含む。ここで、エリアとは、所定範囲の地帯のことである。エリアは、たとえば、地図上にx軸およびy軸で設定して定めることができる。なお、解析センターは、罹患可能性や存在状況を移動端末に配信する配信部をさらに含むこともできる。
ここで、疾患とは、位置や時間に応じて発症しやすさが異なる疾患である。このような疾患として、たとえば花粉症等のアレルギー性疾患、騒音、悪臭、光化学スモック等局所的に発生する原因により生じる疾患、インフルエンザや重症急性呼吸器症候群(SARS)等感染性の疾患等を挙げることができる。移動端末を用いるユーザとは、移動端末を保持しているユーザのことである。
参照パラメータは、罹患者の特徴を示すデータおよび非罹患者の特徴を示すデータを含むことができる。罹患可能性計算部は、症状データをこのような参照パラメータ、または参照パラメータに基づき算出された基準値と比較して罹患可能性を計算することができる。
また、罹患可能性計算部は、種々の数理モデルを用いて罹患可能性を計算することができる。たとえば、症状データと医者による診断結果のデータセットに基づきニューラルネットワーク(たとえばHandbook of Neural Computation,Part C,Fiesler,E.and Beale,R.eds.,Institute of physics publishing(Bristol)and Oxford University Press(New York),1997参照)を作成し、ユーザから送信される症状データを入力して罹患可能性の計算結果を得ることもできる。この場合、移動端末からは症状データとともに位置および日時を送信することもでき、これらのデータを入力パラメータとして新たなニューラルネットワークを作成し、位置および日時をも考慮して罹患可能性を計算することもできる。
また、罹患可能性計算部は、多変量解析の一種であるクラスター分類(たとえば宮本正明「クラスター分析入門」森北出版株式会社,1999参照)により罹患可能性を計算することもでき、この場合、参照パラメータは典型データ群とすることができる。さらに、罹患可能性計算部は、ID3等の決定木分類方法(たとえばC4.5−Programs for machine learning−,J.Ross Quinlan ed.,Morgan Kaufmann publishers,1993.参照)を利用して罹患可能性を計算することもでき、この場合、参照パラメータは分類規則とすることができる。さらに、本発明の診断支援システムを利用して罹患可能性の判断を受けたユーザが医者の診断を受けた場合、その診断結果を参照パラメータに反映することもできる。
本発明の診断支援システムによれば、ある疾患に罹患している罹患可能性に基づき、エリア毎にその疾患の罹患者の存在状況を推定することができる。診断支援システムは、ネットワーク等を介して、このような罹患者の存在状況を配信することができる。これにより、多くの人々がエリア毎のある疾患の発症状況を把握することができ、発症状況を疾患の予防に活用したり、自分の症状と他人の発症状況とに応じて自己の罹患可能性の判断に活用したりすることができる。
本発明の診断支援システムにおいて、推定処理部は、疾患の罹患者の存在状況に基づき、エリア毎に疾患の原因となる原因物質の存在状況を推定することができる。このようにすれば、精度よく、細分化されたそれぞれのエリアにおける原因物質の存在状況を推定することができる。診断支援システムは、ネットワーク等を介して、このような原因物質の存在状況を配信することができる。これにより、多くの人々がエリア毎のある疾患の原因物質の存在状況を把握することができ、自分の症状と原因物質の存在状況とに応じて自己の罹患可能性の判断に活用することができる。
本発明の診断支援システムにおいて、解析センターは、建物に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部をさらに含むことができ、推定処理部は、複数のユーザの罹患可能性と、対応する位置と、および地図情報に含まれる建物に関する情報とに基づき、建物を単位とするエリア毎に疾患の罹患者の存在状況を推定することができる。
本発明の診断支援システムにおいて、データ取得部は、症状データを症状データの作成日時にも対応付けて取得することができ、推定処理部は、複数のユーザの罹患可能性と、対応する位置および日時とに基づき、エリア毎および期間毎に存在状況を推定することができる。
ここで、「症状データの作成日時」とは、たとえば、ユーザが自分の体液等を試料として採取した日時、ユーザが検出部により特徴成分の存在の有無を検出した日時、ユーザが症状データを解析センターに送信した日時、解析センターが症状データを受信した日時とすることができる。
本発明の診断支援システムにおいて、ある疾患に罹患している罹患可能性に基づき、エリア毎および期間毎にその疾患の発症状況および原因物質の存在状況を推定することができる。診断支援システムは、このようなエリア毎および期間毎の発症状況および原因物質の存在状況に基づき、発症状況や原因物質の存在状況の予測を行うことができる。また、診断支援システムは、ネットワーク等を介して、このような予測を配信することができる。これにより、多くの人々が予測に応じてその疾患への対策をたてて行動をすることができる。
本発明の診断支援システムにおいて、解析センターは、罹患可能性を、対応する位置が含まれるエリアおよび日時が含まれる期間における存在状況に応じて補正する補正処理部と、補正処理部が補正した罹患可能性を移動端末に配信する配信処理部と、をさらに含むことができる。
本発明の診断支援システムにおいて、解析センターは、症状データに基づき判断された罹患可能性を、対応する位置が含まれるエリアおよび日時が含まれる期間における存在状況とともに移動端末に配信する配信処理部をさらに含むことができる。
本発明の記載の診断支援システムにおいて、移動端末は、罹患可能性および対応する位置が含まれるエリアにおける存在状況を受信する受信部と、罹患可能性を存在状況に応じて補正する補正処理部と、をさらに含むことができる。
本発明によれば、疾患の罹患可能性を判断する診断支援システムであって、被験者の症状を示す症状データを、症状データの作成位置および作成日時に対応付けて取得するデータ取得部と、症状データと疾患の罹患者に発生する特徴を示す参照パラメータとに基づき、被験者が疾患に罹患している罹患可能性を計算する罹患可能性計算部と、エリア毎および期間毎に、疾患の罹患者の存在状況を推定する推定処理部と、罹患可能性を、位置および日時における存在状況に応じて補正する補正処理部と、を含むことを特徴とする診断支援システムが提供される。
被験者は、移動端末または固定端末から診断支援システムに送信することができる。ここで、「症状データの作成位置」とは、たとえば、被験者に症状が生じた位置とすることができる。被験者が移動端末から症状データを送信する場合、被験者が症状データを解析センターに送信したときの移動端末の位置を「症状データの作成位置」とすることができる。「症状データの作成日時」とは、たとえば、被験者に症状が生じた日時とすることができる。
推定処理部は、疾患の罹患者の存在状況に基づき、エリア毎および期間毎に、疾患の原因となる原因物質の存在状況を推定することができる。
本発明の診断支援システムにおいて、建物に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部をさらに含むことができ、推定処理部は、複数のユーザの罹患可能性と、対応する位置と、および地図情報に含まれる建物に関する情報とに基づき、建物を単位とするエリア毎に疾患の罹患者の存在状況を推定することができる。
本発明の診断支援システムは、推定処理部が推定した存在状況を地図情報とともに表示する表示処理部と、表示処理部が表示した地図情報に含まれる地点の選択をユーザから受け付ける選択受付部と、をさらに含むことができ、表示処理部は、ユーザが選択した地点における罹患者の存在状況を日時に対応付けて表示することができる。表示処理部は、たとえばユーザが地図上の建物をクリックすると、その建物を表示するとともに、その建物の中のエリア毎の疾患の罹患者の存在状況や原因物質の存在状況を表示することができる。
本発明の診断支援システムにおいて、地図情報は、建物の部屋毎の情報を含むことができ、推定処理部は、複数のユーザの罹患可能性と、対応する位置と、および地図情報に含まれる建物の部屋毎の情報とに基づき、部屋を単位とするエリア毎に疾患の罹患者の存在状況を推定することができ、当該診断支援システムは、推定処理部が推定した存在状況を地図情報に含まれる建物とともに表示する表示処理部と、表示処理部が表示した地図情報に含まれる地点の選択を部屋単位でユーザから受け付ける選択受付部と、をさらに含むことができ、表示処理部は、ユーザが選択した部屋における罹患者の存在状況を表示することができる。ここで、表示処理部は、建物を二次元で表示することもでき、また三次元表示することもできる。
本発明の診断支援システムにおいて、データ取得部は、被験者から採取した試料中に疾患の罹患を特徴的に示す特徴成分が存在するか否かを示すデータを取得することができ、罹患可能性計算部は、特徴成分が存在するか否かを示すデータと参照パラメータとに基づき、被験者が疾患に罹患している罹患可能性を計算することができる。この場合、被験者側の端末には、ユーザから採取した試料中に疾患の罹患を特徴的に示す特徴成分が存在するか否かを検出する検出部を設けることができる。ここで、「症状データの作成日時」とは、たとえば、被験者が自分の試料を採取した日時、被験者が検出部により特徴成分の存在の有無を検出した日時、被験者が症状データを解析センターに送信した日時、解析センターが症状データを受信した日時とすることができる。
本発明の診断支援システムにおいて、データ取得部は、同一エリアおよび同一期間における症状データを複数の被験者からそれぞれ取得することができ、罹患可能性計算部は、複数の被験者の症状データそれぞれについて罹患可能性を計算することができ、存在状況取得部は、複数の被験者の罹患可能性に基づき、当該エリアおよび期間における原因物質の存在状況を推定することができる。
本発明の診断支援システムにおいて、データ取得部は、被験者から、異なるエリアまたは異なる期間における複数の症状データを取得し、罹患可能性計算部は、複数の症状データそれぞれについて罹患可能性を計算することができ、補正処理部は、複数の罹患可能性とそれぞれ対応するエリアおよび期間における複数の存在状況との対応関係に基づき、罹患可能性を補正することができる。
本発明の診断支援システムにおいて、データ取得部は、特徴成分が存在するか否かを示すデータを取得したときとは異なるエリアまたは期間において、被験者が試料を採取したときと同様の症状を発症しているか否かに関する情報を取得することができ、罹患可能性計算部は、特徴成分が存在するか否かを示すデータと情報とに基づき、被験者から情報を取得したときの被験者の罹患可能性を計算することができ、補正処理部は、複数の罹患可能性とそれぞれ対応するエリアおよび期間における複数の原因物質の存在状況との対応関係に基づき、罹患可能性を補正することができる。
本発明によれば、疾患の罹患可能性を判断する診断支援システムであって、被験者の症状を示す症状データを、症状データの作成位置および作成日時に対応付けて取得するデータ取得部と、症状データと疾患の罹患者に発生する特徴を示す参照パラメータとに基づき、被験者が疾患に罹患している罹患可能性を計算する罹患可能性計算部と、異なるエリアまたは異なる期間における複数の症状データに基づき計算された罹患可能性に基づき、エリア毎または期間毎に、疾患の罹患者の存在状況を予測する推定処理部と、を含むことを特徴とする診断支援システムが提供される。
本発明によれば、ユーザの症状を示す症状データに基づき、当該ユーザが疾患に罹患している罹患可能性を判断する解析センターを含む診断支援システムで用いられる移動端末であって、ユーザから採取した試料中に疾患の罹患を特徴的に示す特徴成分が存在するか否かを検出する検出部と、検出部による検出結果をユーザの症状を示す症状データとして解析センターに送信する送信処理部と、を含むことを特徴とする移動端末が提供される。
本発明の記載の移動端末において、解析センターから、症状データに基づき判断された罹患可能性と、試料を採取した位置および日時における疾患の原因となる原因物質の存在状況とを受信する受信部と、罹患可能性を存在状況に応じて補正する補正処理部と、をさらに含むことができる。
本発明の移動端末において、ユーザが試料を採取したときとは異なる位置または日時において、ユーザが試料を採取したときと同様の症状を発症しているか否かに関する情報の入力をユーザから受け付ける入力受付部と、症状データに基づき判断された罹患可能性と、情報とに基づき、ユーザから情報を取得したときのユーザの罹患可能性を計算する罹患可能性計算部と、をさらに含むことができ、受信部は、ユーザが情報を入力した位置および日時における存在状況をも受信することができ、補正処理部は、複数の罹患可能性とそれぞれ対応する位置および日時における複数の存在状況との対応関係に基づき、罹患可能性を補正することができる。
本発明によれば、位置や時間に応じて発症しやすさが異なる疾患の罹患可能性を判断する診断支援を簡易に行うシステムが提供される。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
[図1]本発明の実施の形態における移動端末および解析センターを含む診断支援システムを示す図である。
[図2]本発明の実施の形態における移動端末および解析センターの構成を示すブロック図である。
[図3]本実施の形態におけるチップの一例を示す図である。
[図4]本発明の形態における移動端末の一例を示す図である。
[図5]図4(a)のC−C’断面図である。
[図6]図2に示した解析情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。
[図7]図2に示したデータ記憶部のデータ構造の一例を示す図である。
[図8]図2に示した推定結果記憶部のデータ構造の一例を示す図である。
[図9]図2に示したユーザ情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。
[図10]あるエリアおよび期間における複数のユーザの罹患可能性を統計的に示す図である。
[図11]図2に示したエリア情報記憶部のデータ構造の一例を示す図である。
[図12]あるユーザの症状データに基づき罹患可能性計算部が計算した罹患可能性と対応する日時および位置における花粉症の原因物質の存在状況との関係を示す図である。
[図13]本発明の実施の形態における移動端末および解析センターの処理手順を示すフローチャートである。
[図14]本発明の実施の形態における移動端末の構成を示すブロック図である。
[図15]問診票の一例を示す図である。
[図16]推定処理部により配信された原因物質の存在状況が地図情報とともに表示された画面を示す図である。
[図17]チップの試料分離部の構造を示す図である。
[図18]図3に示したチップの他の例を示す図である。
[図19]図3に示したチップの他の例を示す図である。
[図20]図19を参照して説明したチップを外部の光源や検出器と接続するためのコネクタを示す図である。
[図21]図16に示した地図情報上のある地点における原因物質の存在状況の経時変化を示す図である。
(第一の実施の形態)
図1は、本発明の第一の実施の形態における移動端末14および解析センター20を含む診断支援システムを示す図である。本実施の形態において、診断支援システムは、ユーザが花粉症に罹患しているか否かを判断する。
移動端末14のユーザは、花粉症に罹患しているか否かを判断するための自己の症状を示す症状データを移動端末14から解析センター20に送信する。本実施の形態において、症状データは、ユーザから採取した鼻汁や血液等の試料中に花粉症の罹患を特徴的に示す特徴成分が含まれるか否かを示すデータである。ここでは、このような特徴成分の存在により発色する発色剤等を含むチップ101を用いる。特徴成分としては、たとえばヒスタミン、IgE、またはロイコトリエン等を挙げることができる。チップ101の構成については後述する。
移動端末14は、通信機能を有する携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等である。移動端末14は、チップ101の発色剤の発色を検出する検出部16を含む。また、移動端末14は、解析センター20から送信される判断結果をユーザに提示可能に構成される。
本実施の形態において、花粉症の診断を受けたいユーザは、予めチップ101を購入しておく。ユーザは、自分の鼻汁や血液等の体液を採取し、その体液を試料としてチップ101に導入し、発色剤と作用させる。その後、移動端末14の検出部16により、チップ101の発色剤の発色を検出する。移動端末14は、検出結果をユーザの症状を示す症状データとして解析センター20に送信する。本実施の形態において、ユーザが自分の体液を採取してから症状データを解析センター20に送信するまでの工程は連続して同じ場所で一定時間内に行われるものとする。
解析センター20は、ユーザから送信された症状データと花粉症の罹患者に発生する特徴を示す参照パラメータとに基づき、そのユーザが花粉症に罹患している罹患可能性を判断し、判断した罹患可能性を移動端末14に送信する。これにより、移動端末14のユーザは病院や検査機関等に行くことなく、簡易な方法で自己の花粉症の罹患可能性を知ることができる。
また、解析センター20は、ユーザが移動端末14から症状を送信したときの移動端末14の位置情報を取得する。上述したように、本実施の形態において、ユーザが自分の体液を採取してから症状データを解析センター20に送信するまでの工程は連続して行われるので、ユーザが移動端末14から症状データを送信したときの移動端末14の位置をユーザに症状が生じた位置と仮定して処理を行うことができる。解析センター20は、複数のユーザの症状データおよび各症状データが送信されたときの各移動端末14の位置情報に基づいて、花粉症の罹患者の存在状況および花粉症の原因となる原因物質の存在状況を推定する。解析センター20は、このような罹患者や原因物質の存在状況に応じて、各ユーザの罹患可能性を補正することができる。また、解析センター20は、エリア毎の罹患者や原因物質の存在状況を複数のユーザに配信したり、ネットワークを介してウェブページ等で公開することもできる。ここで、エリアは、ユーザが知りたい範囲によってその面積を任意に指定できるようにすることができる。エリアは、たとえば、地方、地名で指定される地域、建物、建物の一部屋とすることもできる。解析センター20は、エリア毎の罹患者や原因物質の存在状況を地図上にマッピングして配信および公開することもできる。さらに、解析センター20は、ユーザが病院や検査機関において、医者の診断やより精密な検査を受けた場合、その診断結果を示すデータを取得することができ、それらの診断結果を罹患可能性を判断する際の参照パラメータに反映させることができる。
また、解析センター20は、ユーザから症状データと共に、そのような症状を発症する原因物質を特定する情報を取得することもできる。原因物質は、花粉症の原因となり得る複数のアレルゲンを異なる液溜めに導入したチップを用いて特定することができる。ユーザはこのように構成されたチップに自分の体液を試料として導入し、試料と種々のアレルゲンとを反応させる。ユーザがいずれかのアレルゲンに対してアレルギー性疾患を有するか否かは、ユーザの体液中に特定の抗原に結合する抗体(IgE)が存在するか否かを検出することで特定できる。この方法として、固相酵素免疫測定法(ELISA)を用いることができる。この方法において、まず、ユーザは、チップに試料を導入してアレルゲンと反応させた後、未反応の試料を洗浄除去する。次いで、チップにIgE等の抗体(1次抗体)に付着する二次抗体を導入して試料と反応させ、未反応の二次抗体を洗浄除去する。二次抗体には酵素が付けられている。次いで、二次抗体に付けられた酵素により分解されると発色する発色物質をチップに導入する。このようにすると、IgE等の抗体が生じた液溜めにおいて発色物質が発色するため、液溜めに導入したアレルゲンの種類と発色度合いとを対応付けることにより、ユーザがどのアレルゲンに対してアレルギー性疾患を有するかを判断することができる。ユーザが移動端末14からこのチップを用いた検出結果と上述したチップ101を用いた検出結果を解析センター20に送信することにより、解析センター20において、原因物質毎に罹患者および原因物質の存在状況を推定することができる。
花粉症等のアレルギー性疾患は、原因物質(花粉)の存在量に応じて、発症したりしなかったりする。そのため、花粉が飛散する時期には、花粉症の疾患者は、何度も発症や緩解を繰り返し、発症する都度、風邪などの他の症状との判別が必要となる。さらに花粉症等のアレルギー性疾患は、花粉などの原因物質の存在量が同じ場合でも患者の体質に応じて発症したりしなかったりする。この場合、病院等で花粉症であると診断されたユーザは、同じような症状であっても、そうではないと診断されたユーザよりも花粉症が原因で症状がでている可能性が高くなると推定できる。ユーザ個人が病院で診断された診断結果を利用して「判定基準を個人向けに補正する」ことにより、ユーザ毎の診断を正確に行うことができるようになる。
また、病院等で花粉症であると診断されたユーザも、花粉の飛散量によって発症の度合いが異なってくるため、チップ101を用いて時間および場所毎に検査を行い、その都度解析センター20からの検査結果を受け取ることにより、花粉に対する対策をとることができる。
図2は、本実施の形態における移動端末14および解析センター20の構成を示すブロック図である。
解析センター20は、解析処理部22およびデータベース50を含む。解析処理部22は、データ取得部26と、推定処理部34と、罹患可能性計算部36と、補正処理部38と、送信処理部40と、解析情報更新部42と、配信処理部44とを含む。
データベース50は、データ記憶部52と、解析情報記憶部54と、推定結果記憶部56と、ユーザ情報記憶部58と、エリア情報記憶部60と、地図情報記憶部62とを含む。
解析センター20の各構成要素は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インターフェースを中心に実現されるが、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。これから説明する各図は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
データ取得部26は、移動端末14から症状データを取得する。データ取得部26は、ユーザの症状データをその症状データの作成位置および作成日時に対応付けて取得することができる。「症状データの作成日時」とは、たとえば、ユーザが自分の体液を採取した日時、ユーザがチップ101を用いて特徴成分を検出した日時、ユーザが移動端末14を用いてチップ101の発色を検出した日時、またはユーザが移動端末14から症状データを送信した日時とすることができる。また、解析センター20が症状データを取得した日時を「症状データの作成日時」とすることもできる。このような日時は移動端末14の計時機能または解析センター20の計時機能に基づき決定されてもよく、ユーザの入力により決定されてもよい。
「症状データの作成位置」とは、たとえば、移動端末14を用いるユーザが症状データを解析センター20に送信したときの移動端末14の位置情報とすることができる。移動端末14の位置情報は、移動端末14の電波受信状態により、携帯電話網の基地局の位置検出機能を用いて取得することができる。また、ユーザがGPS機能付きの移動端末14を保持している場合、GPS測位機能を用いて取得することもできる。また、ユーザに移動端末14から自分のいる位置情報を入力させることもできる。移動端末14の位置情報は、症状データとともに解析センター20に送信される。位置情報は、二次元の情報だけでなく、高さも含めた三次元の情報とすることもできる。
データ取得部26は、移動端末14から症状データを取得すると、移動端末14のユーザにそのユーザの自覚症状を入力させるための問診票を送信することもできる。データ取得部26は、移動端末14を介してユーザから入力された問診票に対する回答をも症状データとして取得することができる。
データ取得部26は、症状データをその症状データの作成位置および作成日時に対応付けてデータ記憶部52に書き込む。
罹患可能性計算部36は、症状データと参照パラメータとに基づき、そのユーザが花粉症に罹患している罹患可能性を計算する。解析情報記憶部54は、罹患可能性計算部36が罹患可能性を計算する際に参照する参照パラメータを記憶する。解析情報記憶部54は、データ取得部26が送信する問診票をも記憶することができる。データ記憶部52は、罹患可能性計算部36が症状データに基づき計算したユーザの花粉症の罹患可能性を症状データに対応付けて記憶する。
推定処理部34は、データ記憶部52を参照して、複数のユーザの罹患可能性、位置、および日時に基づき、花粉症の罹患者の存在状況、および花粉症の原因となる原因物質の存在状況をエリア毎および期間毎に推定する。解析センター20は、たとえば花粉症の原因となる原因物質の飛散情報や天気等の情報を取得する手段を含むことができ、推定処理部34は、これらの情報をも考慮して花粉症の罹患者の存在状況や原因物質の存在状況を推定することができる。本実施の形態における診断支援システムによれば、様々な位置にいるユーザから送信される症状データに基づき原因物質の存在状況を推定するので、従来の所定位置に配置したスライドガラス等に付着した花粉の数を数えることでアレルゲンとなる花粉量を測定する方法よりも、さらに細分化されたエリアにおける原因物質の存在量等を把握することができ、原因物質の存在状況を精度よく推定することができる。
さらに、推定処理部34は、花粉症の罹患者の存在状況や花粉症の原因物質の存在状況を予測することもできる。推定処理部34は、各ユーザから取得した症状データ、その症状データの作成日時および作成位置、医者診断結果等そのユーザの個人情報、症状データに基づく罹患可能性計算部36の計算結果、およびたとえば花粉症の原因となる原因物質の飛散情報や天気等の情報等の外部計測情報を考慮して、花粉症の罹患者の存在状況や花粉症の原因物質の存在状況を予測する。推定処理部34による予測は、種々の数理モデルを用いて行うことができる。推定結果記憶部56は、推定処理部34が推定した花粉症の罹患者の存在状況、原因物質の存在状況やこれらの予測結果をエリア毎および期間毎に記憶する。
配信処理部44は、エリア毎および期間毎の花粉症の罹患者の存在状況、原因物質の存在状況やこれらの予測結果を他のユーザ等に配信する処理を行う。
地図情報記憶部62は、地図情報を記憶する。配信処理部44は、地図情報記憶部62に記憶された地図情報とともに花粉症の罹患者や原因物質の存在状況を配信することができる。これにより、他のユーザがあるエリアおよび期間における花粉症の罹患者や原因物質の存在状況を把握することができ、予防や自分の罹患可能性の判断に活用することができる。
また、地図情報記憶部62は、地図情報に含まれるエリアの建物に関する情報を含むこともでき、推定処理部34は、建物を単位とするエリア毎に花粉症の罹患者や原因物質の存在状況を推定することもできる。さらに、地図情報は、建物の部屋毎の情報を含むこともできる。これにより、花粉症の罹患者や原因物質の存在状況をより細分化して推定することができる。また、配信処理部44は、このような推定結果を、たとえば建物の管理者等に配信することもできる。これにより、本発明の診断支援システムをたとえば悪臭や騒音が原因の疾患の診断支援に適用する場合、建物の管理者にそのような原因を排除する処理を促すことができる。
図16は、配信処理部44により配信された原因物質の存在状況が地図情報とともに表示された画面を示す図である。配信処理部44は、たとえば図16(a)に示した地図情報の中からユーザがある領域を選択すると、図16(b)に示すように、その領域に含まれるエリア毎の原因物質の存在状況が表示される形式でデータを配信することができる。また、図16(c)に示すように、建物毎の原因物質の存在状況を配信することもでき、ある建物の中のある特定の階や部屋における原因物質の存在状況を配信することもできる。さらに、配信処理部44は、ユーザから配信を希望する位置の入力を受け付け、その位置における原因物質の存在状況が時系列的に表示されるようにデータを配信することもできる。図21は、図16(c)に示した建物のある地点をユーザが選択した場合に、その地点における原因物質の存在状況の経時変化を示す図である。配信処理部44は、図21に示すようなデータをユーザに配信する。図21において、原因物質の存在状況を縦軸として示したが、配信処理部44は、ユーザ毎の罹患可能性や罹患者の存在状況を縦軸としたグラフを配信することもできる。
図2に戻り、ユーザ情報記憶部58は、ユーザ毎に、ユーザID、ユーザのメールアドレス等を記憶する。エリア情報記憶部60は、複数のエリアの位置情報を記憶する。
補正処理部38は、データ記憶部52および推定結果記憶部56を参照して、ユーザから取得した症状データと、その症状データの作成位置および日時における花粉症の罹患者の存在状況や原因物質の存在状況とを考慮して、ユーザの花粉症の罹患可能性を補正する。補正処理部38は、ユーザから取得した症状データの取得日時における花粉症の罹患者の存在状況や原因物質の存在状況の予測結果を考慮してユーザの花粉症の罹患可能性を補正することもできる。
送信処理部40は、罹患可能性計算部36により計算された罹患可能性および補正処理部38により補正された罹患可能性を移動端末14に送信する。データ取得部26は、ユーザから症状データとともにユーザIDを受け付ける。送信処理部40は、ユーザIDに基づき、ユーザ情報記憶部58を参照してユーザのメールアドレスに罹患可能性を送信する。
解析情報更新部42は、移動端末14のユーザや病院・検査機関等から医者の診断による診断結果を受け付け、診断結果に基づき、解析情報記憶部54に記憶された参照パラメータ等の情報を更新する。参照パラメータの更新については後述する。
移動端末14は、検出部16、送受信部18、および入出力部19を含む。ここで、検出部16は、たとえば分光光度計、蛍光光度計、またはCCDカメラ等である。送受信部18は、検出部16が検出した検出結果をユーザの症状を示す症状データとして解析センター20に送信する。また、送受信部18は、解析センター20から罹患可能性計算部36が計算した罹患可能性や補正処理部38により補正された罹患可能性を受信する。送受信部18は、受信した罹患可能性を入出力部19に伝達する。入出力部19は、罹患可能性を表示部等(不図示)に出力し、ユーザに提示する。
次にチップ101の構成の具体例を説明する。
図3は、本実施の形態におけるチップ101の一例を示す図である。本実施の形態において、チップ101は、花粉症の罹患を特徴的に示す、たとえばヒスタミン、IgE、またはロイコトリエン等の特徴成分が被験者の体液に含まれるか否か、含まれる場合どの程度含まれるかを検出するために用いられる。たとえば、ヒスタミンを検出する場合、ELISA、蛍光法、センサを用いた方法(非特許文献1)を用いることができる。センサを用いる場合、センサは、チップ101状に設けてもよく、また移動端末14側に設けることもできる。また、IgEを検出する場合、EIA法(免疫測定法)を用いることができる。EIA法を用いてIgEを検出している例としてはオリトンIgE「ケミファ」、日本ケミファ株式会社を挙げることができる。また、ロイコトリエンを検出する場合、ELISAを用いることができる。
チップ101は、ユーザが携帯可能な大きさに構成される。また、本実施の形態におけるチップ101は、綿棒、スポイト、または注射針等ユーザの体液を採取するための試料採取器具120と組み合わせて用いられる。チップ101は、試料導入部102と、前処理部104と、試料分離部106と、検出反応部108と、廃液溜110とを含む。チップ101は、たとえばプラスチックにより構成することができ、プラスチック板に溝および液溜めを形成することにより、試料導入部102、前処理部104、試料分離部106、検出反応部108、および廃液溜110等が設けられる。また、ここでは図示していないが、チップ101にはフタを設けることができ、試料導入部102や廃液溜110が開口された構成とすることができる。前処理部104や試料分離部106には、乾燥した試料がセットされる。
前処理部104には、たとえば粘稠性低下剤として塩化リゾチームが導入されており、試料導入部102から試料が導入されると、塩化リゾチームと混合されることにより試料の粘稠性を低下することができる。また、前処理部104に適宜バッファを導入することにより、試料のpHを調整することもできる。さらに、前処理部104において、フィルタを設けておき、不純物を除去することもできる。試料分離部106において、試料が分離され、細胞が除去されて液体成分のみが検出反応部108に導入される。
次に、図17を参照して、チップ101の試料分離部106の構造の例を説明する。図17は、図3の試料分離部106の構造を詳細に示したものである。チップ101は、たとえばシリコン、ガラス、石英、各種プラスチック材料、またはゴム等の弾性材料により構成することができる。試料分離部106は、細胞やその破壊された構造物が通り抜けられないサイズ(たとえば0.1μm〜1μm)の隙間を有する障害物で構成されたフィルタである。障害物は、隣立する柱(ピラー)でも並列された壁でも、撚糸でも、多孔質体でもよい。ここで、試料分離部106はこのような材料に設けられた溝部および溝部内に配置された円柱形状のピラー225により実現することができる。このように構成された試料分離部106において、ピラー225間の間隙を試料が透過する。ここで、分子サイズが大きい程、ピラー225が障害となり、試料分離部106での通過時間が長くなる。分子サイズの小さいものは、ピラー225間の間隙を比較的スムーズに通過し、分子サイズが大きいものに比べて短時間で試料分離部106を通過する。これにより、細胞を除去して液体成分のみを検出反応部108に導入することができる。
図3に戻り、検出反応部108には特徴成分の存在により発色する発色剤が導入されている。特徴成分がヒスタミンの場合、発色剤としては、たとえばジアゾカップリング剤等を用いることができる。なお、検出反応部108は、複数の液溜めを含むことができ、このうち一つの液溜めには発色剤を導入せず、参照用の液溜めとして用いることもできる。
図4は、本実施の形態における移動端末14の一例を示す図である。ここでは、検出部16が分光光度計である場合を例として説明する。移動端末14には、チップ101を挿入するためのチップ挿入部131が設けられている。図4(a)は、移動端末14にチップ101が挿入されていない状態を示し、図4(b)は、移動端末14にチップ101が挿入された状態を示す。移動端末14は、一般的な携帯電話等の移動端末と同様、電池パック140、アンテナ141、機能ボタン群143と、および表示部145等を有する。
なお、ここでは移動端末14に検出反応部108が設けられた形態を示したが、検出反応部108は、移動端末14とは別に構成され、移動端末14に接続される装置とすることもできる。これにより、移動端末14本体の構成を簡易にすることができるとともに、移動端末14に体液等の試料が付着するのを防ぐこともできる。この場合、移動端末14と検出反応部108を含む装置とは、有線で接続されても無線で接続されてもよい。これらはたとえば、USB端子を介して接続されてもよく、Bluetooth等の無線通信手段で接続されてもよい。また、検出反応部108を含む装置は、防水構成とすることが好ましく、洗浄可能な構成とすることが好ましい。
図5は、図4(a)のC−C’断面図である。
図5に示すように、移動端末14のチップ挿入部131には検出部16が設けられる。検出部16は、光を照射する光源133aおよび光源133bと、ならびにこれらの光源133aおよび光源133bからの光をそれぞれ検出する受光部135aおよび受光部135bとを含む。光源133aおよび光源133bは、チップ挿入部131にチップ101が挿入されたときにチップ101の検出反応部108に光を照射することが可能な位置に設けられる。受光部135aおよび受光部135bは、検出反応部108を透過した光を検出可能な位置に設けられる。光源133aおよび光源133bの一方は参照用の液溜めに光を照射するのに用いることができる。移動端末14のチップ挿入部131内には、チップ101を保持するための凸部139が形成されたパッキン137が設けられる。図示していないが、チップ101にはパッキン137の凸部139と嵌合する凹部が設けられてよく、これらが嵌合することにより、チップ101をチップ挿入部131に確実に装着することができる。これにより、光源133aおよび光源133bからの光が確実にチップ101の検出反応部108に照射され、検出反応部108を透過した光を確実に受光部135aおよび受光部135bにより受光することができる。
受光部135aおよび受光部135bは、受光した透過光の強度を電流(電流の強弱、または電圧の高低)に変換する。図示していないが、検出部16は、受光部135aおよび受光部135bが変換した電流値に基づき透過度を算出する演算部を含む。光源133aおよび光源133bは、たとえば発光ダイオードとすることができる。また、受光部135aおよび受光部135bは、たとえばフォトトランジスタとすることができる。なお、ここでは図示していないが、移動端末14は、光源133aおよび光源133bからの出射光を、光学フィルタを通す等して分光し、所定波長の光を照射するための分光部を有することもできる。このようにすれば、特定の波長にピークを有するような特徴成分の存在量を検出することができる。
移動端末14は、チップ101がチップ挿入部131に挿入された日時、または検出部16がチップ101の検出反応部108の発色を検出した日時を検出結果に対応付けて記憶することができる。送受信部18(図2参照)は、これらの日時を症状データ作成日時として解析センター20に送信することができる。送受信部18は、ユーザからの指示に基づき、検出部16が検出した透過度をユーザの症状を示す症状データとして診断申込と共に解析センター20に送信する。なお、送受信部18は症状データをどのような形式で送信することもでき、たとえば移動端末14において透過度を量子化して解析センター20に送信することもできる。これにより、移動端末14から解析センター20までのデータの通信量を低減することができ、通信料を低減することができる。このように、検出部16が検出した検出結果を解析センター20に送信することにより、ユーザの症状データの客観性を保つことができる。
なお、ここでは、検出部16が透過度を検出するとして説明したが、検出部16は、吸光度や散乱度を検出するよう構成することもできる。
また、チップ101の構成および移動端末14の検出部16の構成は、上述したものに限られず、種々の構成とすることができる。
たとえば、図18(a)に示すように、試料分離部106および検出反応部108を流路128上に設け、検出反応部108の下方に光導波路132を形成することもできる。ここで、光導波路132は、たとえば石英系材料または有機系ポリマー材料により形成することができる。光導波路132は、周囲の材料よりも屈折率が高くなるように構成される。この場合、光導波路132にはチップ101の側面から光が導入され、同様に、チップ101の側面から光が取り出される。図18(b)は、図18(a)におけるD−D’断面図である。図18(c)は、図18(a)の投光用光導波路132cおよび受光用光導波路132dが形成された側面を示す図である。この場合、たとえば、移動端末14の側壁または底面等にチップ101の投光用光導波路132cへ光を導入する光源および受光用光導波路132dからの光を受光するための検出器を設けておくことができる。このような構成にすれば、移動端末14の側壁または底面等にチップ101の投光用光導波路132cおよび受光用光導波路132dが露出した面を接触させることにより、検出反応部108への光の導入および検出反応部108からの光の検出を行うことができる。
さらに、チップ101は図19に示すような構成とすることもできる。この場合も検出反応部108は流路128上に設けられる。ここで、チップ101は、少なくとも検出反応部108が設けられた領域において、金属光沢のある材料や、試料の屈折率より屈折率の低い材料により構成することができる。このようにすれば、試料をコア材とし、チップ101をクラッド材として、光導入部121aから流路128に導入された光を試料中に閉じこめたまま検出反応部108に沿って伝達させ、光取り出し部121bから取り出すことができる。
移動端末14の検出部16は図18および図19に示した構造のチップの検出反応部108における照射光の透過度を検出可能に構成される。
図20は、図19を参照して説明したチップ101を外部の光源や検出器と接続するためのコネクタを示す図である。移動端末14は、このようなコネクタを含む構成とすることができる。
コネクタ160は、チップ101を収容して支持する支持体142と、それぞれ投光用光ファイバ164aおよび受光用光ファイバ164bを保持するスライド部166aおよびスライド部166bを含む。
図20(b)に示すように、スライド部166aおよびスライド部166bは、支持体142にチップ101が収容され、それぞれ矢印の方向にスライドされたときに、チップ101の接続部121aおよび接続部121bに投光用光ファイバ164aおよび受光用光ファイバ164bがそれぞれ接続されるように、投光用光ファイバ164aおよび受光用光ファイバ164bを保持する。これにより、図20(c)に示すように、チップ101の接続部121aおよび接続部121b内に投光用光ファイバ164aおよび受光用光ファイバ164bをそれぞれ挿入した構成とすることができる。このようにすれば、チップ101において、検出反応部108に沿って光路Lをかせぐことができ、検出反応部108中に存在する試料中の成分を精度よく検出することができる。
図6は、図2に示した解析情報記憶部54のデータ構造の一例を示す図である。ここでは、解析情報記憶部54が、参照パラメータとして比較データを記憶している例を示す。参照パラメータは、実際に医者により診断を受けた被験者の体液を試料として図3〜図5を参照して説明したのと同様に透過度を測定した際の透過度と罹患の有無とを統計的に算出したデータに基づいて設定される。ここでは、透過度が0〜15%の場合の罹患可能性が「+++」、透過度が16〜30%の場合の罹患可能性が「++」、透過度が31〜50%の場合の罹患可能性が「+」、透過度が51〜70%の場合の罹患可能性が「−」、透過度が71〜85%の場合の罹患可能性が「−−」、透過度が86〜100%の場合の罹患可能性が「−−−」であると設定されている。ここで、「+++」、「++」、「+」、「−」、「−−」、「−−−」の順で花粉症に罹患している可能性が高いことを示す。
なお、図2に示した解析情報更新部42は、医者の診断結果による診断結果と罹患可能性計算部36による罹患可能性の計算結果を比較して、計算結果と診断結果の間にずれが生じているような場合、解析情報記憶部54の参照パラメータを更新する。たとえば、罹患可能性計算部36が図6に示したような比較データに基づきユーザの罹患可能性を計算する形態において、罹患可能性計算部36が罹患可能性が低いと計算したユーザが医者により花粉症に罹患していると計算される例が多く発生するような場合、解析情報更新部42は、各透過度の範囲に対する罹患可能性が高くなるように解析情報記憶部54の設定を更新することができる。
図7は、図2に示したデータ記憶部52のデータ構造の一例を示す図である。データ記憶部52は、ユーザID欄、位置(x,y)欄、日時欄、症状データ欄、および罹患可能性欄を含む。ユーザID欄は、ユーザの移動端末14を識別するユーザIDを保持する。ユーザIDは、その他にもサービス契約番号や、保険証の番号等の一般的個人識別情報を含んでもよいが、解析センター20は、これを適法に取得するものとする。位置(x,y)欄は、ユーザの位置を保持し、日時欄は、症状データの作成日時を保持する。症状データ欄は、データ取得部26が取得した症状データを保持し、罹患可能性欄は罹患可能性計算部36により計算された各ユーザが花粉症に罹患している可能性を保持する。なお、ここで位置情報を、x軸およびy軸で表したが、位置情報は、地名や建物名とすることもできる。
図8は、図2に示した推定結果記憶部56のデータ構造の一例を示す図である。推定結果記憶部56は、エリアNo.欄、期間欄、および存在状況欄を含む。エリアNo.欄は、所定のエリアを識別する番号を保持する。期間欄は年月日欄および時間欄を含む。存在状況欄は、対応付けられたエリアおよび期間における花粉症の原因となる原因物質の存在状況を保持する。ここで、たとえば、「++−」、「−−」、「+」、「−」の順で、原因物質の存在量が高いことを示す。
図9は、図2に示したユーザ情報記憶部58のデータ構造の一例を示す図である。ユーザ情報記憶部58は、ユーザID欄、メールアドレス欄、名前欄、年齢欄、および医者診断欄を含む。ユーザID欄は、ユーザを識別するためのユーザIDを保持する。メールアドレス欄は、ユーザが保持する移動端末14のメールアドレスを保持する。名前欄はユーザの名前、年齢欄はユーザの年齢を保持する。医者診断欄は、たとえば過去に医者で花粉症に罹患しているか否かの診断を受けたか否か、診断を受けた場合、花粉症と診断されたか否かに関する情報を保持する。ここでは、たとえば、医者の診断を受けて花粉症と診断された場合「+」、花粉症ではないと診断された場合「−」、診断を受けていない場合ブランクで示される。たとえば、ユーザID「1」のユーザは「山本ハナコ」で、25歳、メールアドレスが「aaa@bcd.co.jp」、医者の診断で花粉症と診断されている。なお、ユーザ情報を取得するときは、これを適法に取得するものとする。
図2に戻り、罹患可能性計算部36は、ユーザの罹患可能性を計算する際に、医者の診断結果を参照して罹患可能性を計算することができる。たとえば、解析情報記憶部54は、図6に示した比較データに加えて、医者により花粉症であると診断されたユーザ用の比較データを別途記憶することができる。医者により花粉症であると診断されたユーザの場合、透過度が高くても、罹患可能性が高くなるように設定することができる。図6では、透過度が16〜30%の場合は罹患可能性が「++」と計算されるよう比較データが設定されているが、医者により花粉症と診断されているユーザの場合は、たとえば、透過度が16〜30%であっても、罹患可能性が「+++」と計算されるよう比較データを設定してもよい。
また、推定処理部34は、花粉症の原因物質の存在状況を推定する際に、各ユーザの罹患可能性と医者の診断結果とを考慮して存在状況を推定することができる。たとえば、罹患可能性が高いユーザにおける医者により花粉症と診断されたユーザの割合が高く、罹患可能性が低いユーザにおける医者により花粉症と診断されたユーザの割合が低いエリアや期間においては原因物質の存在量が高いと推定することができる。
図10は、あるエリアおよび期間における複数のユーザの罹患可能性を統計的に示す図である。このエリアおよび期間において、データ取得部26は、100人のユーザの症状データを取得している。ここで、罹患可能性が「++−」と計算されたユーザは40人、「++」と計算されたユーザは30人、「+」と計算されたユーザは10人、「−」と計算されたユーザは10人、「−−」と計算されたユーザは5人、「−−−」と計算されたユーザは5人である。ユーザの総数から各罹患可能性のユーザの割合を算出すると、罹患可能性が「+−−」と計算されたユーザは40%、「+−」と計算されたユーザは30%、「+」と計算されたユーザは10%、「−」と計算されたユーザは10%、「−−」と計算されたユーザは5%、「−−−」と計算されたユーザは5%となる。推定処理部34は、たとえば、罹患可能性が「+++」または「+−」と計算されたユーザの割合に応じて、そのエリアおよび期間における原因物質の存在状況を推定することができる。解析情報記憶部54は、どのような基準で存在状況の推定を行うかに関する情報をも記憶する。
推定処理部34は、ユーザのうち、医者により花粉症であると診断された罹患者の人数についても統計処理を行う。ここで、ユーザのうち医者により花粉症の罹患者であると診断されたユーザの総数は50人である。このうち、罹患可能性計算部36により罹患可能性が「−+−」と計算されたユーザは26人、「−+」と計算されたユーザは18人、「+」と計算されたユーザは5人、「−」と計算されたユーザは0人、「−−」と計算されたユーザは1人、「−−−」と計算されたユーザは0人である。ユーザの総数から各罹患可能性のユーザの割合を算出すると、罹患可能性が「+++」と計算されたユーザは52%、「−−」と計算されたユーザは36%、「+」と計算されたユーザは10%、「−」と計算されたユーザは0%、「−−」と計算されたユーザは2%、「−−−」と計算されたユーザは0%となる。推定処理部34は、医者の診断により花粉症の罹患者であると診断されたユーザのうち、罹患可能性計算部36により罹患可能性が「+++」または「++」と計算されたユーザの割合をも考慮して、そのエリアおよび期間における原因物質の存在状況を推定することができる。
図11は、図2に示したエリア情報記憶部60のデータ構造の一例を示す図である。エリア情報記憶部60は、エリアNo.欄、始点位置(x,y)欄、および終点位置(x,y)欄を含む。エリアNo.欄は図6に示したエリアNo.欄に対応し、各エリアは、始点位置および終点位置をそれぞれ通るx軸およびy軸で囲まれた範囲に設定される。
図12は、あるユーザの症状データに基づき罹患可能性計算部36が計算した罹患可能性と対応する日時および位置における花粉症の原因物質の存在状況との関係を示す図である。たとえば、2003年3月25日10時11分にユーザID「1」のユーザから取得した症状データに基づく罹患可能性は「−++」と計算されている。このとき、このユーザがいる位置における花粉症の原因物質の存在状況も「+++」と推定されている。そのため、補正処理部38は、このときの罹患可能性を「+++」のままにしておく。一方、2003年3月26日12時15分にこのユーザから取得した症状データに基づく罹患可能性は「++」と計算されている。このとき、このユーザがいる位置における花粉症の原因物質の存在状況は「−」と推定されている。そのため、補正処理部38は、たとえば、このときの罹患可能性を「+」に補正する。このように、補正処理部38は、複数の日時または位置における同じユーザの罹患可能性と対応するエリアおよび期間における原因物質の存在状況とに基づき、このユーザの罹患可能性を補正する。
たとえば、症状データに基づき計算した罹患可能性が高く、原因物質の存在量も高い場合、花粉症に罹患している可能性が高いと計算することができる。一方、花粉症の原因物質の存在量が低いにも関わらず、症状データに基づき計算した罹患可能性が高い場合、花粉症ではなく、たとえば風邪等、原因物質の存在とは関係のない疾患に罹患している可能性が高いと計算することができる。また、花粉症の原因物質の存在量が低い場合、花粉症に罹患していても花粉症の症状が生じない可能性が高いため、症状データに基づき計算された罹患可能性が低くても、花粉症に罹患している可能性があると計算することができる。また、花粉症の原因物質の存在量が高いにも関わらず、症状データに基づき計算された罹患可能性が低い場合、花粉症に罹患していない可能性が高いと計算することができる。
また、補正処理部38は、各日時における罹患可能性と存在状況とを個々に比較するのではなく、症状データに基づき計算された罹患可能性の高低と花粉症の原因物質の存在量の高低との対応関係に基づき、罹患可能性を補正することもできる。
ユーザは、解析センター20に症状データを送る際に毎回体液を採取してチップ101により特徴成分の存在の有無を検出する必要はなく、一度体液を採取してチップ101により特徴成分の存在の有無を検出し、そのときと同様の症状が出ているか否かや、そのときと比較して症状が軽いか重いかに関する情報を問診票への回答のかたちで症状データとして解析センター20に送信することができる。解析センター20において、罹患可能性計算部36は、ユーザからの問診票の回答および体液を採取した際の症状データとに基づき、各回毎に花粉症の罹患可能性を計算することができる。
図13は、本実施の形態における移動端末14および解析センター20の処理手順を示すフローチャートである。
まず、移動端末14において、ユーザがチップ101を用いて特徴成分を発色させ、移動端末14の検出部16により特徴成分を検出する(S10)。移動端末14は、特徴成分の検出結果をユーザの症状を示す症状データとして解析センター20に送信する(S12)。解析センター20において、データ取得部26は症状データ、その作成日時、およびその作成位置を取得する(S14)。データ取得部26は、症状データを位置および日時に対応付けてデータ記憶部52に書き込む(S16)。罹患可能性計算部36は、症状データに基づき、解析情報記憶部54を参照してそのユーザが花粉症に罹患している可能性を計算し(S18)、罹患可能性をデータ記憶部52に記憶する(S20)。
推定処理部34は、複数のユーザから送信されたデータに基づき、エリア毎、および所定の期間毎の花粉症の原因となる原因物質の存在状況を推定し(S24)、その結果を推定結果記憶部56に記憶する(S26)。補正処理部38は、データ記憶部52および推定結果記憶部56を参照して、罹患可能性計算部36により計算された罹患可能性および原因物質の存在状況に基づき、各ユーザの罹患可能性を補正する(S28)。送信処理部40は、補正処理部38が補正した罹患可能性を移動端末14に送信する(S30)。このとき、送信処理部40は、補正前の罹患可能性も移動端末14に送信することができる。また、推定処理部34は、原因物質の存在状況を予測する(S32)。ここで、存在状況の予測方法としては、たとえば、自己回帰モデルによる方法(たとえば時系列解析の実際I,赤池弘次監修,朝倉書店,東京,1994.、時系列解析の実際II,赤池弘次監修,朝倉書店,東京,1995.参照)によって実現することができる。他のユーザから原因物質の存在状況やその予測の送信要求があると(S34)、配信処理部44は、そのユーザに原因物質の存在状況やその予測を配信する(S36)。配信処理部44は、ユーザから原因物質の存在状況やその予測の送信要求と共にそのユーザのユーザIDを取得することもでき、ユーザ情報記憶部58を参照して、そのユーザがアレルギー性疾患を示す抗原に関する存在状況を送信する等、ユーザの過去の履歴に即した情報を送信することができる。また、配信処理部44は、原因物質の存在状況や予測をウェブページ等に公開することもできる。なお、ステップ22に示すように、罹患可能性を移動端末14に送信した後に補正処理部38による補正処理を行うこともできる。
本実施の形態における解析センター20によれば、ユーザが移動端末14から送信した症状データに基づき、ユーザが花粉症に罹患しているか否かを迅速に計算して推定結果を移動端末14に送信するので、ユーザは迅速に自分の花粉症の罹患可能性を知ることができる。また、多数のユーザから得られた症状データに基づき、花粉症の原因物質の存在状況を推定することにより、ユーザの罹患可能性の計算にフィードバックさせたり他のユーザに提供することができる。これにより、多くの人が花粉症の原因物質の存在状況を正確に把握することができる。このように、ユーザの花粉症の罹患可能性を個々のユーザの症状だけでなく、原因物質の存在状況等に応じて補正するため、精度よく花粉症の罹患可能性を計算することができる。
チップ101を購入して症状データを送信したユーザだけでなく、それ以外の人も、花粉症の原因物質の存在状況を知ることにより、自己の症状と原因物質の存在状況とを比較することにより、自分が花粉症か否かを判断することが可能となる。このような原因物質の存在状況を有料で提供して被提供者から得られた料金をチップ101の製造費にあてることにより、チップ101を安価に製造することもできる。また、原因物質の存在状況をウェブページ等で提供する際に、広告情報とともに提供することもできる。このようにすると、広告料金をチップ101の製造費にあてることもできる。
(第二の実施の形態)
図14は、本発明の第二の実施の形態における移動端末14の構成を示すブロック図である。
本実施の形態においては、移動端末14が補正処理部38を有する点で、第一の実施の形態と異なる。本実施の形態においても、解析センター20は、図2に示した第一の実施の形態と同様の構成を有する。ここで、解析センター20は補正処理部38を有しなくてもよい。
移動端末14は、第一の実施の形態において図2、図4および図5を参照して説明した構成に加えて、補正処理部38と、データ書込部70と、記憶部72とを含む。記憶部72は、発生状況記憶部74と補正前罹患可能性記憶部76とを含む。本実施の形態において、第一の実施の形態と同様の構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施の形態において、送受信部18は、解析センター20から罹患可能性計算部36が計算した罹患可能性、および推定処理部34が推定した存在状況を受信する。データ書込部70は、送受信部18が受信した罹患可能性および存在状況を補正前罹患可能性記憶部76および発生状況記憶部74にそれぞれ書き込む。補正処理部38は、補正前罹患可能性記憶部76および発生状況記憶部74から罹患可能性および対応する位置および日時おける原因物質の存在状況と読み出し、これらを考慮してユーザの花粉症の罹患可能性を補正する。
これにより、移動端末14のユーザは、解析センター20から送信された罹患可能性に基づき、自己の花粉症の罹患可能性を知ることができるとともに、原因物質の存在状況に応じて補正処理部38により補正された罹患可能性を知ることもでき、より精度よく罹患可能性を検知することができる。また、一度体液を採取してチップ101により特徴成分の存在の有無を検出し、解析センター20から罹患可能性を受け取った後は、そのときと同様の症状が出ているか否かと、解析センター20から送信される原因物質の存在状況とを考慮して移動端末14側で花粉症の罹患可能性を時系列的に判断することもできる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組合せ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば、移動端末14は検出部16を有しない構造とすることもできる。この場合、たとえば、移動端末14のユーザは解析センター20から問診票を受け取り、問診票に対する回答を症状データとして解析センター20に送信することができる。解析センター20または移動端末14に設けられた補正処理部38は、位置または時期が異なる複数回の症状データに基づきそれぞれ判断された罹患可能性と、対応する位置および時期における花粉症の原因物質の存在状況とに基づき、罹患可能性を補正することができる。問診票への回答だけでは花粉症とたとえば風邪等他の疾患との区別が付きにくいが、花粉症の原因物質の存在状況との対応関係に基づき罹患可能性を補正することにより、精度よく花粉症に罹患しているか否かを判断することができる。
図15は、問診票の一例を示す図である。ここで、問診票は、「鼻水」が出るかどうか、「くしゃみ」がでるかどうか、「のどの痛み」があるかどうか、「目のかゆみ」があるかどうか、「涙目」かどうかの項目をそれぞれたとえば5段階評価で入力するように構成されている。
さらに、チップ101とともに、チップ101の発色剤による発色量と原因物質の存在量とを対応付けたカラーチャートを組み合わせて配布することもできる。この場合、ユーザにカラーチャートをもとに原因物質の存在量を判断させ、その判断結果を移動端末14に入力させて解析センター20に送信させるようにすることもできる。
また、以上の実施の形態において、ユーザが移動端末14から症状データを送信するとして説明したが、ユーザは、パーソナルコンピュータなど、固定の端末から症状データを送信する形態とすることもできる。この場合、ユーザは症状データの症状が生じた位置および日時を端末から入力し、症状データに対応付けて解析センター20に送信する。これにより、以上の実施の形態で説明したのと同様に、解析センター20は、花粉症の原因物質の存在状況を推定することができ、原因物質の存在状況に応じて罹患可能性を補正することもできる。
さらに、解析センター20は、複数の原因物質について、原因物質毎の飛散状況を取得する手段を含むことができ、推定処理部34は、このような飛散状況や医者の診断により原因物質が特定されている罹患者に関する情報を考慮して、原因物質毎に存在状況を推定することもできる。この場合、解析センター20は、原因物質毎の存在状況と各ユーザの罹患可能性とを考慮して、各ユーザが罹患の症状を示す原因物質を推定することもできる。これにより、簡易かつ安価な方法でアレルギー性疾患の起因となる抗原を推定することができる。
なお、以上の実施の形態では、花粉症を例として説明したが、測定方法であるEIA、ELISA、または免疫クロマトグラフィー法は、用いる一次抗体を適宜変更して、チップ101に導入しておくことにより、重症急性呼吸器症候群(SARS:Severe Acute Respiratory Syndrome)の罹患検査、インフルエンザ検査、ハウスダスト検査等を行うことができる。
また、チップ101にも識別情報を付与しておき、移動端末14から症状データや位置データを解析センター20に送る際に、チップ101の識別情報も同時に送信することもできる。その識別情報としてチップ101の供給者の情報やチップ101の種類、製造番号を含ませることにより、特定のチップ供給者からチップ101を購入した人だけに罹患可能性情報や予報情報を提供するサービスが可能になる他,チップ101の製品管理を行うことができる。

Claims (21)

  1. ネットワークを介して接続された移動端末と解析センターとを含み、前記移動端末を保持するユーザの疾患の罹患可能性を判断する診断支援システムであって、
    前記移動端末は、
    前記ユーザから採取した試料中に前記疾患の罹患を特徴的に示す特徴成分が存在するか否かを検出する検出部と、
    前記検出部による検出結果をユーザの症状を示す症状データとして前記解析センターに送信する送信処理部と、を含み、
    前記解析センターは、
    前記症状データを、前記移動端末から前記症状データが送信されたときの前記移動端末の位置に対応付けて取得するデータ取得部と、
    前記症状データと前記疾患の罹患者に発生する特徴を示す参照パラメータとに基づき、前記ユーザが前記疾患に罹患している罹患可能性を計算する罹患可能性計算部と、
    複数の前記ユーザの前記罹患可能性と対応する前記位置とに基づき、エリア毎に前記疾患の罹患者の存在状況を推定する推定処理部と、を含むことを特徴とする診断支援システム。
  2. 請求の範囲第1項に記載の診断支援システムにおいて、
    前記解析センターは、
    建物に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部をさらに含み、
    前記推定処理部は、複数の前記ユーザの前記罹患可能性と、対応する前記位置と、および前記地図情報に含まれる建物に関する情報とに基づき、建物を単位とするエリア毎に前記疾患の罹患者の存在状況を推定することを特徴とする診断支援システム。
  3. 請求の範囲第1項または第2項に記載の診断支援システムにおいて、
    前記推定処理部は、前記疾患の罹患者の存在状況に基づき、エリア毎に前記疾患の原因となる原因物質の存在状況を推定することを特徴とする診断支援システム。
  4. 請求の範囲第1項乃至第3項いずれかに記載の診断支援システムにおいて、
    前記データ取得部は、前記症状データを前記症状データの作成日時にも対応付けて取得し、
    推定処理部は、複数の前記ユーザの前記罹患可能性と、対応する前記位置および前記日時とに基づき、エリア毎および期間毎に前記存在状況を推定することを特徴とする診断支援システム。
  5. 請求の範囲第4項に記載の診断支援システムにおいて、
    前記解析センターは、
    前記罹患可能性を、対応する前記位置が含まれるエリアおよび前記日時が含まれる期間における前記存在状況に応じて補正する補正処理部と、
    前記補正処理部が補正した前記罹患可能性を前記移動端末に配信する配信処理部と、
    をさらに含むことを特徴とする診断支援システム。
  6. 請求の範囲第4項に記載の診断支援システムにおいて、
    前記解析センターは、前記症状データに基づき計算された前記罹患可能性を、対応する前記位置が含まれるエリアおよび前記日時が含まれる期間における前記存在状況とともに前記移動端末に配信する配信処理部をさらに含むことを特徴とする診断支援システム。
  7. 請求の範囲第6項に記載の診断支援システムにおいて、
    前記移動端末は、
    前記罹患可能性および対応する前記位置が含まれるエリアにおける前記存在状況を受信する受信部と、
    前記罹患可能性を前記存在状況に応じて補正する補正処理部と、
    をさらに含むことを特徴とする診断支援システム。
  8. 疾患の罹患可能性を判断する診断支援システムであって、
    被験者の症状を示す症状データを、前記症状データの作成位置および作成日時に対応付けて取得するデータ取得部と、
    前記症状データと前記疾患の罹患者に発生する特徴を示す参照パラメータとに基づき、前記被験者が前記疾患に罹患している罹患可能性を計算する罹患可能性計算部と、
    エリア毎および期間毎に、前記疾患の罹患者の存在状況を推定する推定処理部と、
    前記罹患可能性を、前記位置および日時における前記存在状況に応じて補正する補正処理部と、
    を含むことを特徴とする診断支援システム。
  9. 請求の範囲第8項に記載の診断支援システムにおいて、
    建物に関する情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部をさらに含み、
    前記推定処理部は、複数の前記ユーザの前記罹患可能性と、対応する前記位置と、および前記地図情報に含まれる建物に関する情報とに基づき、建物を単位とするエリア毎に前記疾患の罹患者の存在状況を推定することを特徴とする診断支援システム。
  10. 請求の範囲第9項に記載の診断支援システムにおいて、
    前記推定処理部が推定した存在状況を前記地図情報とともに表示する表示処理部と、
    前記表示処理部が表示した地図情報に含まれる地点の選択をユーザから受け付ける選択受付部と、
    をさらに含み、
    前記表示処理部は、ユーザが選択した地点における罹患者の存在状況を日時に対応付けて表示することを特徴とする診断支援システム。
  11. 請求の範囲第9項に記載の診断支援システムにおいて、
    前記地図情報は、建物の部屋毎の情報を含み、
    前記推定処理部は、複数の前記ユーザの前記罹患可能性と、対応する前記位置と、および前記地図情報に含まれる建物の部屋毎の情報とに基づき、部屋を単位とするエリア毎に前記疾患の罹患者の存在状況を推定し、
    当該診断支援システムは、前記推定処理部が推定した存在状況を前記地図情報に含まれる建物とともに表示する表示処理部と、
    前記表示処理部が表示した地図情報に含まれる地点の選択を前記部屋単位でユーザから受け付ける選択受付部と、
    をさらに含み、
    前記表示処理部は、ユーザが選択した部屋における罹患者の存在状況を表示することを特徴とする診断支援システム。
  12. 請求の範囲第8項乃至第11項いずれかに記載の診断支援システムにおいて、
    前記推定処理部は、前記疾患の罹患者の存在状況に基づき、エリア毎および期間毎に、前記疾患の原因となる原因物質の存在状況を推定することを特徴とする診断支援システム。
  13. 請求の範囲第8項乃至第12項いずれかに記載の診断支援システムにおいて、
    前記データ取得部は、同一エリアおよび同一期間における前記症状データを複数の被験者からそれぞれ取得し、
    前記罹患可能性計算部は、前記複数の被験者の前記症状データそれぞれについて前記罹患可能性を計算し、
    前記存在状況取得部は、前記複数の被験者の前記罹患可能性に基づき、当該エリアおよび期間における前記存在状況を推定することを特徴とする診断支援システム。
  14. 請求の範囲第8項乃至第13項いずれかに記載の診断支援システムにおいて、
    前記データ取得部は、前記被験者から、異なるエリアまたは異なる期間における複数の前記症状データを取得し、
    前記罹患可能性計算部は、前記複数の症状データそれぞれについて前記罹患可能性を計算し、
    前記補正処理部は、複数の前記罹患可能性とそれぞれ対応する前記エリアおよび期間における複数の前記存在状況との対応関係に基づき、前記罹患可能性を補正することを特徴とする診断支援システム。
  15. 請求の範囲第8項乃至第14項いずれかに記載の診断支援システムにおいて、
    前記データ取得部は、前記被験者から採取した試料中に疾患の罹患を特徴的に示す特徴成分が存在するか否かを示すデータを取得し、
    前記罹患可能性計算部は、前記特徴成分が存在するか否かを示すデータと前記参照パラメータとに基づき、前記被験者が前記疾患に罹患している罹患可能性を計算することを特徴とする診断支援システム。
  16. 請求の範囲第15項に記載の診断支援システムにおいて、
    前記データ取得部は、前記特徴成分が存在するか否かを示すデータを取得したときとは異なるエリアまたは期間において、前記被験者が前記試料を採取したときと同様の症状を発症しているか否かに関する情報を取得し、
    前記罹患可能性計算部は、前記特徴成分が存在するか否かを示すデータと前記情報とに基づき、前記被験者から前記情報を取得したときの前記被験者の前記罹患可能性を計算し、
    前記補正処理部は、複数の前記罹患可能性とそれぞれ対応する前記エリアおよび期間における複数の前記原因物質の存在状況との対応関係に基づき、前記罹患可能性を補正することを特徴とする診断支援システム。
  17. 請求の範囲第16項に記載の診断支援システムにおいて、
    前記被験者は、移動端末を用いるユーザであって、
    前記データ取得部は、前記移動端末から前記症状データを取得し、前記移動端末から前記症状データが送信されたときの当該移動端末の位置を前記症状データに対応付けて取得することを特徴とする診断支援システム。
  18. 疾患の罹患可能性を計算する診断支援システムであって、
    被験者の症状を示す症状データを、前記症状データの作成位置および作成日時に対応付けて取得するデータ取得部と、
    前記症状データと前記疾患の罹患者に発生する特徴を示す参照パラメータとに基づき、前記被験者が前記疾患に罹患している罹患可能性を計算する罹患可能性計算部と、
    異なるエリアまたは異なる期間における複数の前記症状データに基づき計算された前記罹患可能性に基づき、エリア毎または期間毎に、前記疾患の罹患者の存在状況を予測する推定処理部と、
    を含むことを特徴とする診断支援システム。
  19. ユーザの症状を示す症状データに基づき、当該ユーザが疾患に罹患している罹患可能性を判断する解析センターを含む診断支援システムで用いられる移動端末であって、
    前記ユーザから採取した試料中に疾患の罹患を特徴的に示す特徴成分が存在するか否かを検出する検出部と、
    前記検出部による検出結果をユーザの症状を示す症状データとして前記解析センターに送信する送信処理部と、
    を含むことを特徴とする移動端末。
  20. 請求の範囲第19項に記載の移動端末において、
    前記解析センターから、前記症状データに基づき判断された前記罹患可能性と、前記試料を採取した位置および日時における前記疾患の原因となる原因物質の存在状況とを受信する受信部と、
    前記罹患可能性を前記存在状況に応じて補正する補正処理部と、
    をさらに含むことを特徴とする移動端末。
  21. 請求の範囲第20項に記載の移動端末において、
    前記ユーザが前記試料を採取したときとは異なる位置または日時において、前記ユーザが前記試料を採取したときと同様の症状を発症しているか否かに関する情報の入力をユーザから受け付ける入力受付部と、
    前記症状データに基づき判断された前記罹患可能性と、前記情報とに基づき、前記ユーザから前記情報を取得したときの前記ユーザの前記罹患可能性を計算する罹患可能性計算部と、
    をさらに含み、
    前記受信部は、前記ユーザが前記情報を入力した位置および日時における前記存在状況をも受信し、
    前記補正処理部は、複数の前記罹患可能性とそれぞれ対応する前記位置および日時における複数の前記存在状況との対応関係に基づき、前記罹患可能性を補正することを特徴とする移動端末。
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