JP4487445B2

JP4487445B2 - 鉛蓄電池

Info

Publication number: JP4487445B2
Application number: JP2001165699A
Authority: JP
Inventors: 幸生川本
Original assignee: GS Yuasa Corp
Current assignee: GS Yuasa Corp
Priority date: 2001-05-31
Filing date: 2001-05-31
Publication date: 2010-06-23
Anticipated expiration: 2021-05-31
Also published as: JP2002358937A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛蓄電池に関するものであって、特に二輪車に搭載する鉛蓄電池に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図３および図４は、従来の鉛蓄電池１における蓋の構造を説明するための図である。蓋は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂製で、通常射出成型品である。図３、図４の両方共に中蓋２の上部に上蓋３が配置され、該上蓋３の周縁部分を中蓋２に設けたリブ状突起と溶着もしくは接着することによって、上蓋３を中蓋２に接合する。
【０００３】
図３に示したように、中蓋２の前面略中央には、２つの略直方体の凸部４によって挟まれた凹部５を形成する。該凹部５の後部に凸部を形成し、前記凹部の３方を凸部で囲んだ構造としている。
【０００４】
前記凹部形成は、電池内の極板群上方のデッドスペースを小さくし、電池内で発生するガスの滞留量を低減すると共に、該凹部５を電池の端子と機器側のリードを接続固定するためのボルトセット等の付属品を収納するスペースとして使用する。
【０００５】
本発明が主な対象としている２輪車用鉛蓄電池の場合、電池の略中央の周囲に、２輪車に備えられている電池固定用の一本のベルト６（図では一点鎖線で示した）を巻き締めすることによって、電池をその載置台に固定する。
【０００６】
前記図３に示した例では、前記凹部５の前面および上面が開口している。このような蓋の構造を有する電池をベルト６によって固定する場合、ベルト６が前記凹部５の凹みにかかる。この場合、ベルトを内面から支えるものが無いため、ベルトの中央に撓みが生じて締めに緩みが発生する。そのために、一旦電池を固定した後に緩みが生じる虞があった。
【０００７】
一方、前記図４に示した例では、前記凹部５の上面を中蓋５に設けた（中蓋と一体に射出成形した）壁１２で閉塞している。この場合、凹部５に固定用ベルトがかかっても、前記壁１２がベルト６を内側から支えるために、前記図３に示した従来例と比べて、ベルトの締めに緩みが発生する虞が小さい。
【０００８】
しかし、図４に示す凹部５の上面に壁１２を設けた中蓋２の構造は、複雑である。その結果、該中蓋を射出成形で製造しようとすると、成形金型が高価になる。また、１回の射出成形で得られる個数が少ないので、生産性が劣る欠点があった。
【０００９】
さらに、本発明が主な対象としている２輪車用電池の場合、電池を制約されたスペースに収納するために、電池を横向けに倒した状態で搭載する場合がある。また、降雨時のように、電池に水がかかるのを避けられない場合がある。図４に示した電池を、図の前面が上に来るように搭載した場合、前記凹部５は上を向く。この場合、水の排出口が無いために、電池に水がかかると前記凹部５に水が溜まり、電池内で発生したガスを外部空間に排出するのを妨げる虞があった。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来電池の欠点に鑑みて成されたものであり、載置箇所に一旦固定したした後の緩みが無く、安価であって、かつ水がかかった場合にも蓋に設けた凹部に水が溜まる虞のない鉛蓄電池を提供するものである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る鉛蓄電池においては、中蓋とその外面に接合した上蓋を備え、前記中蓋の前部に設けた左右２個の凸部と前記中蓋の後部に設けた凸部によって囲まれ、上面および前面が開口した凹部空間を設けたものであって、前記上蓋に前記左右２個の凸部の間を橋掛けさせる平板状突出部を設け、該平板状突出部によって前記凹部空間の上面を覆い、かつ前記凹部空間の背面壁と中蓋後部の凸部の上面とが交差する線上にかかる貫通孔を前記平板状突出部に設けたことを特徴としている。
【００１３】
図１は、本発明に係る鉛蓄電池１を斜め上から見た図である。前記のように、本発明に係る鉛蓄電池の蓋は合成樹脂製である。その材質は特に限定されないが、例えばポリプロピレン（ＰＰ）が好適である。図で２は、ＰＰ製の成形体から成る中蓋である。図で中蓋２の前面側に略直方体の２つの凸部４を配置し、その間に凹部５を配置する。該凹部５の前面および上面は開口している。該凹部空間は、前記の如く電池と機器側のリードを接続固定するためのボルトセット等の備品を収納するのに利用する。
【００１４】
図１に示した中蓋２の上面にＰＰ製平板状の上蓋３を配置し、その周縁部分を中蓋２の周縁部分に設けたリブ状突起と接合する。
【００１５】
図１に示したように上蓋３には突出部７を設け、該突出部７の両端を前記中蓋に設けた２つの略直方体状凸部４の上面に配置し、上蓋の突出部７を前記２個の凸部４の間に橋掛けすると同時に凹部５の上面を覆う。前記凸部４の当接面を溶着等によって接合してもよい。
【００１６】
図のように、電池固定用ベルト６は、突出部７の外面に当接して電池周囲を捲回する。前記のように、突出部７を２個の凸部４の間に橋掛けすることによって、ベルト６によって電池の外周面を締め付けた時に、突出部７に押圧が加わっても、突出部７は容易に屈曲することがなく、内側からベルト６を支える。従って、固定用ベルト６に緩みが生じる虞が極めて小さい。
【００１７】
電池の高さと奥行き、幅寸法は一般的に異なる。電池寸法を電池収納スペースに適合させるため時によって、電池を横倒しに搭載する場合がある。例えば前記凹部５が上に向く状態で電池を搭載した場合、この状態で電池に雨水等の水がかかると、凹部に水が溜まる虞がある。
【００１８】
図２は、図１に示した本発明に係る鉛蓄電池を中央部分でカットした図で、その蓋の部分の構造を説明するための説明図である。本発明では、図２に示したように、上蓋３の、中蓋２に設けた凹部５の背面壁８と凸部上面９が交差する線１０にかかり、前記凹部５の空間を外部と連通させるための貫通孔１１を設ける。また、必要に応じて、ベルト６に、前記貫通孔１１と重なるような小孔を設けてもよい。
【００１９】
本発明電池の場合、前記のように電池を横向けに倒した状態のところに水がかかっても、前記貫通孔１１を通って水が排出されるので、凹部５空間内に水が溜まることがない。
【００２０】
【発明の効果】
以上、詳述した如く、本発明によれば、コストが低く、電池設置箇所に一旦固定した後において緩みが生じない鉛蓄電池を提供することができ、水がかかっても、中蓋と上蓋に囲まれた凹部空間に水が溜まる虞のない鉛蓄電池を提供することができる。
【００２１】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る鉛蓄電池を斜め上から見た図である。
【図２】本発明に係る鉛蓄電池を、中蓋に設けた凹部に掛かる面でカットした時の蓋の断面構造を説明するための図である。
【図３】従来の鉛蓄電池を斜め上から見た図である。
【図４】従来の鉛蓄電池を斜め上から見た図である。
【符号の説明】
２中蓋
３上蓋
４略直方体状凸部
５凹部
７平板状突出部
１１貫通孔

Claims

中蓋とその外面に接合した上蓋を備え、前記中蓋の前部に設けた左右２個の凸部と前記中蓋の後部に設けた凸部によって囲まれ、上面および前面が開口した凹部空間を設けた鉛蓄電池において、前記上蓋に前記左右２個の凸部の間を橋掛けさせる平板状突出部を設け、該平板状突出部によって前記凹部空間の上面を覆い、かつ前記凹部空間の背面壁と中蓋後部の凸部の上面とが交差する線上にかかる貫通孔を前記平板状突出部に設けたことを特徴とする鉛蓄電池。