JP4487304B2 - ベッドパッド - Google Patents

Description

本発明は、心拍、呼吸、体動状態、睡眠状態などを、対象者の身体にセンサを直接取り付けて拘束をすることなく、測定処理して、生体の状態をモニタリングする医療、介護用ベッドパッドに関するものである。
更に詳述すれば、測定感度が向上されたベッドパッドに関するものである。

ベッドパッドに関連する先行技術文献としては次のようなものがある。

渡辺嘉二郎、「エアマットレス型無拘束生体計測の実用化研究」，計測自動制御学会論文集、社団法人計測自動制御学会，平成１２年１１月３０日発行、Ｖｏｌ．３６Ｎｏ．１１，Ｐ８９８，Ｆｉｇ．１７。

図４は、従来より一般に使用されている従来例の使用説明図で、図５は図４の側面図、図６は従来より一般に使用されている従来例のシステム説明図、図７は図６の要部詳細説明図、図８は従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図、図９は図８の側面図、図１０は図４の動作説明図である。

図４，図５において、１は被験者である。２は布団，３は畳である。
ベッドパッド４は、布団２と畳３との間に配置される。
図６に示す如く、このようなベッドパットシステムは、ベッドパット４とベッドパット４の体動を検知するためのベッドパットセンサー１１と、ベッドパットセンサー１１からの空気振動を電気信号に変換し処理後，パソコンなどへ通知する処理装置１２と、処理装置１２の処理結果をＷｅｂブラウザ上でモニタするためのパソコン１３などから構成される。

人の心拍、呼吸、体動はすべて振動として捉えることができる。これらの振動は布団２やマットなどを介してベッドパット４に伝えられる。
ベッドパット４には空気振動受ける受振媒体として中空のシリコンのチューブ２１が、蛇行状に取り付けられており、処理装置１３にあるマイクロフォン素子１１へと導かれることで電気信号として取り出すことが可能となる。

ベッドパット４では心拍など微小な信号を確実に検知することが求められている。
従来使われているベッドパット４の構造では、図６〜図９に示す如く、保護用のビニールカバー２２の内側に、チューブ２１を通すビニールのガイドタブ２３を経路の要所要所に融着して、チューブ２１の偏りを防いでいる。

図１０に示す如く、この方式では構造は簡単であるが、チューブ２１が保護用カバー２２を介すのみで、直接、布団２に接するため、特に柔らかな構造の布団２では、振動減衰の影響により、十分な感度を得にくいという欠点があった。
これを回避するいくつかの方法が提案されており、典型的な例としてはエアーマット方式がある。

エアーマット方式では、シリコンチューブ方式が細いチューブ２１の中の空気を伝達の媒体として使っているのに対して、エアーマットにセンサが直接繋がるため、振動源に対して実効的な接触面積が増えることによる感度の向上が図れるが、形状が大きくなること、広く気密性を要求され、完全な気密は確保し難いため，常に空気の供給が必要など、扱いが複雑になるという欠点があった。

本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、チューブ方式の簡単な構造を維持しつつ、感度の向上と、布団やマットなどに対しても幅広い感度を維持し、製品の信頼性と使い勝手を向上出来るベッドパッドを提供することを目的とする。

このような課題を達成するために、本発明では、請求項１のベッドパッドにおいては、
パッド内に設けられ流体が封入されたチューブと、生体振動源の振動に基づく前記流体の振動を検出する振動検出手段とを具備するベッドパッドにおいて、前記チューブに一面側が接し他面側が前記生体振動源に面する複数の第１の受圧手段と、前記チューブに一面側が接し他面側が前記生体振動源と反対側に配置され前記第１の受圧手段と前記チューブを挟持する複数の第２の受圧手段と、を具備したことを特徴とする。

本発明の請求項２においては、請求項１記載のベッドパッドにおいて、
前記受圧手段は、板状体であることを特徴とする。

本発明の請求項３においては、請求項２記載のベッドパッドにおいて、
前記板状体は、多角形状であることを特徴とする。

本発明の請求項４においては、請求項２記載のベッドパッドにおいて、
前記板状体は、楕円形状であることを特徴とする。

本発明の請求項５においては、請求項１記載のベッドパッドにおいて、
前記受圧手段は、棒状体であることを特徴とする。

本発明の請求項６においては、請求項５記載のベッドパッドにおいて、
前記棒状体はスパイラル形状に形成されたことを特徴とする。

本発明の請求項７においては、請求項５記載のベッドパッドにおいて、
前記棒状体は蛇行形状に形成されたことを特徴とする。

本発明の請求項８においては、請求項１乃至請求項７の何れかに記載のベッドパッドにおいて、
前記受圧手段は、ポリプロピレン材からなることを特徴とする。

本発明の請求項９においては、請求項１乃至請求項７の何れかに記載のベッドパッドにおいて、
前記受圧手段は、硬質塩化ビニール材からなることを特徴とする。

本発明の請求項１によれば、次のような効果がある。
受圧手段を心拍、呼吸などの微小かつ周波数成分の低い振動を効率よく受けるための適当な大きさ、硬さ、形状とすることが出来るので、従来より大幅に感度を上げることが出来るベッドパッドが得られる。

布団、ウレタンマット、スプリングコイルマットなど通常使用される就寝用、医療／介護用など広い分野の、マットレスに対して安定した感度が得られるベッドパッドが得られる。
受圧手段は、特別な素材や加工を必要としないため、低価格に抑えることが可能となるベッドパッドが得られる。

構造が簡潔で、折りたたむことが可能なため、ハンドリングがしやすいベッドパッドが得られる。
空気と汎用プラスチックを素材としており安全性が確保しやすいベッドパッドが得られる。

本発明の請求項２，請求項３，請求項４によれば、次のような効果がある。
前記受圧手段は、板状体であるので、信号振動を面で受け止め易いベッドパッドが得られる。

本発明の請求項５，請求項６，請求項７によれば、次のような効果がある。
受圧手段は、棒状体であるので、信号振動の全体としての受圧形状を種々に容易に変更可能であり、状況に応じた、信号振動の受圧面が形成容易なベッドパッドが得られる。

本発明の請求項８、請求項９によれば、次のような効果がある。
前記受圧手段は、ポリプロピレン材あるいは硬質塩化ビニール材からなるので、耐食性が向上されかつ適切な弾性を有するのでサニタリ−用途に好適なベッドパッドが得られる。

以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図１は本発明の一実施例の要部構成説明図、図２は図１の側面図，図３は図１の動作説明図である。
図において、図８と同一記号の構成は同一機能を表す。
以下、図８と相違部分のみ説明する。

第１の受圧手段３１は、チューブ２１に一面側が接し、他面側が生体振動源１に面する
。
第２の受圧手段３２は、チューブ２１に一面側が接し、他面側が生体振動源１と反対側に配置されている。

この場合は、受圧手段３１，３２は、板状体であり、矩形状を成している。
なお、矩形状でなく，例えば、楕円形状でも良いことは勿論である。
また、受圧手段３１，３２は、例えば、棒状体であっても良く、その場合は、例えば、スパイラル形状あるいは蛇行形状に形成されると良い。
また、この場合は、チューブ２１は、第１の受圧手段３１と第２の受圧手段３２とで挟持されている。

そして、受圧手段３１，３２は、Ｓ／Ｎ比が向上出来るように、大きさや分割単位等を工夫して、所定の振動周波数に対応したフィルタ特性を有するように形成されている。
また、受圧手段３１，３２は、この場合は，ポリプロピレン材あるいは硬質塩化ビニール材からなる。

以上の構成において、図３に示す如く、被験者１の発する振動を受圧手段３１，３２全体で受ける為、伝達ロスを少なくすることが出来る。
また、受圧手段３１，３２を適切に分割する事で，対象とする振動周波数に対する感度を高めることが出来る。

この結果、
受圧手段３１，３２を心拍、呼吸などの微小かつ周波数成分の低い振動を効率よく受けるための適当な大きさ、硬さ、形状とすることが出来るので、従来より大幅に感度を上げることが出来るベッドパッド４０が得られる。

布団、ウレタンマット、スプリングコイルマットなど通常使用される就寝用、医療／介護用など広い分野の、マットレスに対して安定した感度が得られるベッドパッド４０が得られる。

受圧手段３１，３２は、特別な素材や加工を必要としないため、低価格に抑えることが可能となるベッドパッド４０が得られる。
構造が簡潔で、折りたたむことが可能なため、ハンドリングがしやすいベッドパッド４０が得られる。
空気と汎用プラスチックを素材としており安全性が確保しやすいベッドパッド４０が得られる。

チューブ２１に一面側が接し、他面側が生体振動源１と反対側に配置された第２の受圧手段３２が設けられたので、発散してしまう信号振動を受け止めて、更に感度の向上を確保出来るベッドパッド４０が得られる。

チューブ２１は、第１の受圧手段３１と第２の受圧手段３２とで挟持されたので、より信号振動を受け止めることが出来て、更に感度の向上を確保出来るベッドパッド４０が得られる。
ベッドパッド４０の裏表を誤用あるいは確認する必要がなく、取り扱い性が向上されたベッドパッド４０が得られる。

受圧手段３１，３２は、板状体であるので、信号振動を面で受け止め易いベッドパッド４０が得られる。

受圧手段３１，３２は、棒状体にすれば、信号振動の全体としての受圧形状を種々に容易に変更可能であり、状況に応じた、信号振動の受圧面が形成容易なベッドパッド４０が得られる。

受圧手段３１，３２は、所定の振動周波数に対応したフィルタ特性を有するので、Ｓ／Ｎ比が向上されたベッドパッドが得られる。

受圧手段３１，３２は、ポリプロピレン材あるいは硬質塩化ビニール材からなるので、耐食性が向上され、かつ適切な弾性を有するのでサニタリ−用途に好適なベッドパッドが得られる。

本発明の一実施例の要部構成説明図である。 図１の側面図である。 図１の動作説明図である。 従来より一般に使用されている従来例の使用説明図である。 図４の側面図である。 従来より一般に使用されている従来例のシステム説明図である。 図６の要部詳細説明図である。 本発明の他の実施例の要部構成説明図である。 図８の側面図である。 図４の動作説明図である。

符号の説明

１ 被験者
２ 布団
３ 畳
４ ベッドパッド
１１ ベッドパットセンサー
１２ 処理装置
１３ パソコン
２１ チューブ
２２ ビニールカバー
２３ ガイドタブ
３１ 第１の受圧手段
３２ 第２の受圧手段
４０ ベッドパッド

Claims (9)

1. パッド内に設けられ流体が封入されたチューブと、生体振動源の振動に基づく前記流体の振動を検出する振動検出手段とを具備するベッドパッドにおいて、
   前記チューブに一面側が接し他面側が前記生体振動源に面する複数の第１の受圧手段と、
   前記チューブに一面側が接し他面側が前記生体振動源と反対側に配置され前記第１の受圧手段と前記チューブを挟持する複数の第２の受圧手段と、
   を具備したことを特徴とするベッドパッド。
2. 前記受圧手段は、板状体であること
   を特徴とする請求項１記載のベッドパッド。
3. 前記板状体は、多角形状であること
   を特徴とする請求項２記載のベッドパッド。
4. 前記板状体は、楕円形状であること
   を特徴とする請求項２記載のベッドパッド。
5. 前記受圧手段は、棒状体であること
   を特徴とする請求項１記載のベッドパッド。
6. 前記棒状体はスパイラル形状に形成されたこと
   を特徴とする請求項５記載のベッドパッド。
7. 前記棒状体は蛇行形状に形成されたこと
   を特徴とする請求項５記載のベッドパッド。
8. 前記受圧手段は、ポリプロピレン材からなること
   を特徴とする請求項１乃至請求項７の何れかに記載のベッドパッド。
9. 前記受圧手段は、硬質塩化ビニール材からなること
   を特徴とする請求項１乃至請求項７の何れかに記載のベッドパッド。

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