JP4012966B2 - 心拍数、呼吸数又は体動を計測するシステム及びそれを搭載した枕 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被験者の心拍数、呼吸数又は体動を計測するシステム及びそれを搭載した枕に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、病院等において、医療用のポリグラフィーといわれる測定器によって、人の脳波とともに、心拍数、脈拍数、呼吸数、体動、体温が測定されている。
心拍数や呼吸数は、日常の健康状態を管理するために、家庭等においてできるだけ手軽に測定できることが好ましい。
ところが前記医療用の測定器は、高価で使用方法も難しいため、家庭で使用しにくい。また、各種センサを体に直接取り付けるため、違和感を感じることがあるし、睡眠時には測定できない。
【0003】
そこで、従来、寝具に圧電素子で構成される圧力センサを配置し、この圧力センサによって寝床上の人体の体動を検出することにより、心拍数・呼吸数を測定する睡眠状態判定装置が知られている。
また、エアマットの内部空気圧力を、エアチューブを通して、差圧センサで検出して、被験者の睡眠状態をモニタする就寝モニタ装置が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平4-109961号公報
【特許文献2】
特開2000-214号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記圧力センサを用いた睡眠状態判定装置は、圧電素子が接触するのは胸部、腰部又は下肢部であるため、心拍数・呼吸数を測定するには感度が不足する。
前記エアマットを用いた就寝モニタ装置は、空気の圧力変化を検出するが、空気は圧力により体積が変わるため、体の動きに基づく圧力変化が差圧センサまで正確に伝わらず、圧力検出感度が悪くなる。
【0006】
そこで、就寝中などにおいて、体の動きが圧力変化として高感度かつ低ノイズで測定できる心拍数、呼吸数又は体動の計測システムが求められている。
本発明は、心拍数、呼吸数又は体動を簡単かつ正確に測定することができ、そして被験者に違和感や拘束感を与えることがなく、睡眠を妨げることもない、心拍数、呼吸数又は体動を計測するシステム及びそれを搭載した枕を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、水などの液体が、空気よりも、圧力による体積変化が少ないことを利用して、高感度、低雑音で被験者の心拍数又は呼吸数を計測できることを見出した。また、液体をチューブ(管のことをいう。以下同じ)に封入し、枕に設置することにより、心拍数や呼吸数や体動を高い感度で測定できることを証明した。
【0009】
本発明の心拍数又は呼吸数を計測するシステムは、1本の直径が6mm以上40mm以下であり、その長さが100mm以上500mm以下であり、大気圧との差圧が0kPa以上10kPa以下となるように液体が封入されたチューブと、当該チューブを、心拍数、呼吸数又は体動を測定しようとする被験者の頭頂部から頸部までの範囲の一部又は全部に接触させたときに、当該チューブ内の液体の圧力変化を測定する圧力測定手段とを備える。
【0010】
心拍は脳内に送られる血液の量が変化するために、頭部の重量が微妙に変化し、それによりチューブの圧力に変化が現れる。呼吸は胸部の動きに合わせて、肩を軸として頭部も動くためにチューブの圧力に変化が現れる。このチューブを枕に設置することにより、頭部の重量変化や動きを検出することができ、他の部位の影響が少なくなり、ノイズの少ない高感度の測定ができる。
前記チューブの材質は特に限定されないが、圧力変化の計測感度を上げるためには、伸縮が少なく、可撓性を有する材質であることが好ましい。また、使用時の圧力に耐え、破れたり割れたりしない強度、耐久性、耐候性を持つ材質であることが好ましい。さらに被験者にとって、頭部を接触させたときに痛くなく、違和感を感じない程度の硬さであることが好ましい。
【0011】
チューブの1本の直径は6mm以上40mm以下であることが好ましい。チューブの直径は、基本的に小さいほど検出感度が上がるが、6mm未満では頭部に接触する面積が小さすぎて正確に測定できない。40mmよりも大きくなると、チューブが変形し、圧力変化が液体内部で分散されるために測定感度が悪くなる。
チューブの長さは、100mm以上500mm以下であることが好ましい。基本的にはチューブの長さが短いほど感度がよいが、100mm未満では、載せた頭の安定感が悪くなり、寝返りを打った場合には、頭がチューブから離れることがありその場合測定できない。500mmを超えると、チューブが変形しやすくなり、圧力変化が液体内部で分散されるために測定感度が悪くなる。
【0012】
チューブに封入する液体の圧力は、大気圧との差圧で0kPa以上10kPa以下が好ましい。基本的には液体圧は、大気圧との差圧が低いほど感度がよい。10kPaよりも高くなると、心拍数や呼吸数による圧力変化が現れにくくなる。また、液体圧が高いほど硬くなるために、長時間寝ていると、チューブに接触している部位が痛くなる。
また、チューブ内に空気等の気体や、異物が混入すると、測定感度が悪くなるためにこれらを除去しなければならない。
【0013】
頭部や頸部を接触させたときにチューブに加わる圧力は、大気圧との差圧で5kPa以上40kPa以下であることが好ましい。基本的にチューブに加わる圧力が高いほど測定感度はよくなる。5kPa未満では心拍や呼吸による圧力変化が現れにくくなる。40kPaよりも高くなると頭とチューブの接触圧が高いために、長時間寝ていると接触している部分が痛くなる。
前記チューブの本数は、1本でも複数本でもよい。本数が少なければ圧力センサの個数が減り、装置構成が簡単になる。本数が多ければ、被験者が寝返りを打ってもいずれかのチューブと頭が接触できる確率が高くなるので、測定を確実にするためには好ましい。
【0014】
チューブが被験者の頭部に接触する範囲は、被験者による頭の大きさや形など個人差を考慮して、寝転がったときの頭頂部から3cm〜18cmの範囲が好ましい。頭頂部に近いほど、心拍や呼吸による圧力変化が感度よく測定できる。しかし、頭頂部から3cm未満の部分ではチューブに加わる圧力を高くすることが難しいため、感度が悪くなる。頭頂部から18cmよりも下の部分では、圧力変化が測定できない。
【0015】
特に、頭頂部から3cm〜8cmの、頭の上の範囲、又は頭頂部から13cm〜18cmの、頸部近くの範囲が好ましい。
複数本のチューブを用いて構成する場合は、チューブどうしの間隔が3cm以上15cm以下であることが好ましい。3cmよりも狭くすると、チューブどうしが接触しやすくなる。チューブどうしが接触すると、圧力測定にノイズが発生する。15cmよりも広くすると、頭がチューブの間に入ってチューブと接触しにくくなる。
【0016】
特に2本のチューブを用いて構成する場合は、頭頂部からから3cm〜8cmの間に1本を設置し、頭頂部からから13cm〜18cmの間にもう1本を設置すると頭の安定感が得られ最も好ましい。
枕の中の材質は特に限定しないが、蕎麦ガラ、合成樹脂製パイプ片、合成樹脂製ビーズなどの粒状物を詰めたものが液体圧の変化を吸収しにくく、感度よく測定することができる。ウレタンの発泡体や綿のような柔らかく体積変化の大きなものは、チューブの底面に合成樹脂や金属製の板を貼り付けることにより測定感度を高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の心拍数又は呼吸数を計測するシステムを示す平面図である。
この測定システムは、水が封入されたチューブ1を、枕9の上に設置している。なお、チューブ1に封入しているのは水であるが、水以外にも、シリコンオイルなどのような液体を封入してもよい。
【0018】
チューブ1は、合成樹脂製のシートを材料として使用し、このシートを、シーラーによって熱融着し、所定の直径と長さをもつチューブ1に加工したものである。
チューブ1の一端に、バルブ8を取り付けている。チューブ1の他端には、チューブ1内の水の圧力を測定するための圧力センサ4を取り付けている。圧力センサ4は、心拍や呼吸に基づく圧力の変化分を測定するものである。
【0019】
圧力センサ4の構造は限定されないが、例えばチューブ1に接続される金属製円筒容器の底面にダイヤフラムを取り付けた構造のものでもよい。このダイヤフラムに、ダイヤフラムの変形を電気信号に変換する歪ゲージを取り付けて、その検知信号を出力するようにする。
圧力センサ4の検知信号は、増幅器5に供給され、ここで電圧増幅されるとともに増幅器5内部のハイパスフィルタを通されて、体動に基づく圧力の変化分のみが取り出される。増幅器5の電圧増幅率は、非常に微小な圧力変化を測定するため、2倍から10倍に設定するとよい。ハイパスフィルタを通す理由は、チューブ1に封入された水の静水圧や、頭をチューブ1に接触させたときに加わる静水圧を差し引いて、0ボルトを中心として、心拍と呼吸による水圧の変化のみを表示し記録したいためである。ハイパスフィルタの遮断周波数は、例えば0.3Hzに設定する。
【0020】
図2は、増幅器5の具体的な回路図である。この回路図によれば、圧力センサ4の検知信号が増幅器5の入力端子に印加されている。入力端子に印加された電圧は、10kΩの抵抗を通して演算増幅器51に入力される。演算増幅器51の出力は、100kΩの可変抵抗器を通して演算増幅器51の入力側にフィードバックされており、これにより、2倍から10倍の可変増幅率で検知信号の反転増幅を行うことができる。
【0021】
演算増幅器51により増幅された信号は、コンデンサCと抵抗Rからなる微分回路を通過する。この微分回路がハイパスフィルタとして機能する。前記微分回路の時定数は、コンデンサCの容量10μFと抵抗Rの抵抗値300kΩの積である3秒に設定されている。このため、微分回路から0.3Hz以上の周波数成分のみ出力される。
増幅器5から取り出された検知信号は、A/D変換器6でデジタル信号に変換されて、所定の入出力インターフェイスを通してコンピュータ7に入力される。
【0022】
前記増幅器5からA/D変換器6を経てコンピュータ7の内部に至る経路に、圧力検知信号を、その中に含まれる心拍数の信号又は呼吸数の信号に分離するために、遮断スロープの鋭いフィルタを設けることが望ましい。例えば、心拍数の信号を分離するには、0.8〜5Hzのバンドパスフィルタを通せば心拍数のみによる圧力変化を取り出すことができ、呼吸数の信号に分離するには、0.8Hzのローパスフィルタを通せば呼吸数のみによる圧力変化を取り出すことができる。これらのフィルタは、前記増幅器5からA/D変換器6までのアナログ部分に設置する場合は、電子回路で実現することができ、A/D変換器6からコンピュータ7までのデジタル部分に設置する場合は、ディジタルフィルタで実現することができる。
【0023】
コンピュータ7に入力された圧力検知信号は、計算ソフトを用いて、コンピュータ7付属の表示器の上にグラフ化して表示させてもよく、プリンタを使って紙のチャートに記録させてもよい。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。例えば、本発明の心拍数、呼吸数又は体動を計測する測定システムは、チューブ自体をマットの上に直接設置して枕とすることもできる。そして被験者が仰向きに寝ている場合だけでなく、横向きに寝ている場合でも、測定可能である。また、被験者の寝返りなど被験者の体動があった場合には、測定波形が大きく乱れるために、これを利用して体動の回数も測定することができる。その他、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
【0024】
【実施例】
図3は、この測定システムを用いて心拍数又は呼吸数を測定する状態を側面視した図である。図1の測定システムは1本のチューブ1を示していたが、この図3では、チューブ1,2を2本示している。しかし,以下の実施例で説明するように,1本のチューブ1のみで測定する場合もあり、このときは,図3の上側のチューブ2を取り外して測定する。2本のチューブ1,2で測定する時だけ,図3に示すとおり,上下2本のチューブ1,2で測定する。
【0025】
2本のチューブ1,2は、枕9の上に設置されているが、被験者の頭部の重みのため枕9が沈んで2本のチューブ1,2が隠れたように示されている。被験者の頭頂部を原点にして、頸部までの範囲をメモリ5,10,15cmで示している。
この測定システムにおいて、枕9には、ストローを短く切断したような合成樹脂のパイプを多数封入したものを用いた。パイプの断面直径は4mm,長さは5mmである。封入量は850g,枕9のサイズは、5cm×30cmである。
【0026】
チューブ1,2は、ナイロン製の厚み0.1mmのシートから作成した。JIS−K6251に従った方法で測定した場合の100%モジュラスは41.84MPa、強度は46.20MPa、110%の伸びであった。このシートを、シーラーによって熱融着し、所定の直径と長さをもつチューブ1,2に加工した。
圧力センサ4には、株式会社キーエンス製のセンサヘッドAP−12と、同社製アンプユニットAP−81Aとを使用した。増幅器5の回路構成は、前に図2に示したものと基本的に同じであり、ハイパスフィルタも含まれている。ハイパスフィルタの遮断周波数は0.3Hz、増幅率は3倍に設定した。
【0027】
なお、前記チューブ1と圧力センサ4のセンサヘッドとの間を、さらに、ナイロン製の内径2.4mm、外径4mm、長さ10cmのカテーテルでつないだ。
また、チューブ1内の水の圧力と大気圧との差圧(静止圧)を測定するための差圧計をバルブ8の先に取り付けた。この差圧計としては、長野計器株式会社製のデジタル差圧計GC50を用いて測定した。
前記アンプユニットAP−81Aの出力信号は、株式会社キーエンス製のデータ収集システムNR−2000によって収集し、ここでA/D変換をした。サンプリング周波数は、100Hzとした。変換後のデータは、パーソナルコンピュータ7に取り込み、株式会社ラインストーンが販売しているデータ解析ソフトウェア“ORIGIN”を用いて、測定結果をデータ処理し、ディスプレイに表示させた。この処理において、心拍数と呼吸数とを分離するために、データ解析ソフトウェア上で、呼吸数を分離するために遮断周波数0.8Hzのローパスフィルタを設定し、心拍数を分離するために通過帯域幅0.8Hz〜5Hzのバンドパスフィルタを設定した。
【0028】
以下、この測定システムを用いて、30代の男性を被験者として、心拍数及び呼吸数を測定したの結果を説明する。なお、医療用測定器で別途測定した結果、この被験者の心拍数は60beats/min、呼吸数は18beats/minであった。
<実施例1〜3、比較例1,2>
チューブの本数を1本、チューブの設置位置を頭頂部から3cm、チューブの長さを300mm、水封入時の大気圧との差圧を2kPa、頭部を枕9に載せたときの大気圧との差圧を20kPaとして、チューブの直径を6mm,25mm,40mm,50mmと変えて、心拍数と呼吸数とを測定した。
【0029】
【表1】
【0030】
表1に示すように、チューブの直径が6mm〜40mmの実施例1〜3では、いずれも心拍数と呼吸数を正確に測定できた。寝心地も良好であった。
チューブの直径が3mmの比較例1では、表7に示すように、測定感度が低く、心拍数が多めに現れていて測定精度も低下している。
チューブの直径が50mmの比較例2では、表7に示すように、心拍数が測定できなかった。図4は、比較例2における、圧力センサ4の出力信号波形(a)、通過帯域幅0.8Hz〜5Hzのバイドパスフィルタ処理後の信号波形(b)、及び遮断周波数0.8Hzのローパスフィルタ処理後の信号波形(c)を示すグラフであり、それぞれ横軸に時間(秒)、縦軸に電圧(mV)をとっている。信号波形(b)を見ると、周期性は認められない。信号波形(c)には、“*”印で示したように、ピーク時点が認められるので、この時点間の差に基づいて、呼吸数を測定することができる。
【0031】
<実施例4〜6、比較例3,4>
チューブの本数を1本、チューブの設置位置を頭頂部から3cm、チューブの直径を25mm、水封入時の大気圧との差圧を2kPa、頭部を枕9に載せたときの大気圧との差圧を20kPaとして、チューブの長さを50mm,100mm,300mm,500mm,600mmと変えて、心拍数と呼吸数とを測定した。
【0032】
【表2】
【0033】
表2に示すように、チューブの長さが100mm〜500mmの実施例4〜6では心拍数と呼吸数を正常に測定できた。寝心地も良好であった。図5は、実施例6における、圧力センサ4の出力信号波形(a)、通過帯域幅0.8Hz〜5Hzのバイドパスフィルタ処理後の信号波形(b)、及び遮断周波数0.8Hzのローパスフィルタ処理後の信号波形(c)を示すグラフであり、それぞれ横軸に時間(秒)、縦軸に電圧(mV)をとっている。信号波形(b)を見ると、“*”印で示したように、ピーク時点が認められるので、この時点間の差に基づいて、心拍数を測定することができる。信号波形(c)にも、“*”印で示したように、波形のピーク時点が認められるので、この時点間の差に基づいて、呼吸数を測定することができる。
【0034】
チューブの長さが50mmの比較例3では、表7に示すように、心拍数、呼吸数ともに測定できなかった。また寝心地も悪かった。
チューブの長さが600mmの比較例4では、表7に示すように、呼吸数が測定できなかった。
<実施例7〜10、比較例5>
チューブの本数を1本、チューブの設置位置を頭頂部から3cm、チューブの直径を25mm、チューブの長さを300mm、頭部を枕9に載せたときの大気圧との差圧を20kPaとして、水封入時の大気圧との差圧を0,2,5,10,20kPaと変えて、心拍数と呼吸数とを測定した。
【0035】
【表3】
【0036】
水封入時の大気圧との差圧が0〜10kPaの場合は、表3の実施例7〜10に示すように、いずれも心拍数と呼吸数を正常に測定できた。寝心地も良好であった。図6は、実施例8における、圧力センサ4の出力信号波形(a)、通過帯域幅0.8Hz〜5Hzのバイドパスフィルタ処理後の信号波形(b)、及び遮断周波数0.8Hzのローパスフィルタ処理後の信号波形(c)を示すグラフであり、それぞれ横軸に時間(秒)、縦軸に電圧(mV)をとっている。信号波形(b)を見ると、“*”印で示したように、ピーク時点が認められるので、この時点間の差に基づいて、心拍数を測定することができる。信号波形(c)にも、“*”印で示したように、波形のピーク時点が認められるので、この時点間の差に基づいて、呼吸数を測定することができる。
【0037】
水封入時の大気圧との差圧が20kPaの場合は、表7の比較例5に示すように、呼吸数が測定できなかった。また寝心地も悪かった。
<実施例11〜14>
チューブの本数を1本、チューブの設置位置を頭頂部から3cm、チューブの直径を25mm、チューブの長さを300mm、水封入時の大気圧との差圧を2kPa、頭部を枕9に載せたときチューブに加わる圧力を5,20,40,50kPaと調節して、心拍数と呼吸数とを測定した。頭部を枕9に載せたときの圧力の調節方法は、チューブの底面に合成樹脂の板を貼ることによって行った。例えば板の厚さを厚くして枕9本体部分よりも板が突出する部分の高さを上げるほど、頭部との接触圧が上がり、水圧を上げることができる。
【0038】
【表4】
【0039】
表4の実施例11〜14に示すように、いずれも心拍数と呼吸数を正常に測定できた。実施例11〜13では寝心地は良好であったが、実施例14では寝心地が悪かった。
<実施例15>
チューブの位置を頭頂部から18cmにしたこと以外は、実施例8と同じ条件にして、心拍数と呼吸数とを測定した。
【0040】
【表5】
【0041】
表5に示すように、心拍数と呼吸数を正常に測定できた。寝心地も良好であった。
<実施例16〜18>
チューブの本数を2本とし、チューブ1の設置位置を頭頂部から18cm、チューブの直径を25mm、チューブの長さを300mm、水封入時の大気圧との差圧を2kPa、頭部を枕9に載せたときチューブ1,2に加わる圧力を20kPaにし、チューブ間距離を頭頂部から3cm,10cm,15cmに設定して、チューブ1,2にそれぞれ設けた圧力センサ4により、心拍数と呼吸数とを測定した。チューブ間距離を変えた結果、チューブ2の設置位置は、頭頂部からそれぞれ14cm,7cm,2cmとなる。
【0042】
【表6】
【0043】
表6の実施例16〜18に示すように、いずれの圧力センサ4でも心拍数と呼吸数を正常に測定でき、寝心地も良好であった。
<比較例1〜5>
【0044】
【表7】
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、液体を封入したチューブを枕として、あるいは枕の上に設置し、心拍数、呼吸数又は体動を測定しようとする被験者の頭から首にかかる部位に接触させることにより、心拍数、呼吸数又は体動を簡単かつ正確に測定することができる。そして被験者に違和感や拘束感を与えることがなく、睡眠を妨げることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の心拍数又は呼吸数を計測するシステムを示す平面図である。
【図2】増幅器5の具体的な回路図である。
【図3】この測定システムを用いて心拍数又は呼吸数を測定する状態を側面視した図である。
【図4】比較例2における、圧力センサ4の出力信号波形(a)、通過帯域幅0.8Hz〜5Hzのバイドパスフィルタ処理後の信号波形(b)、及び遮断周波数0.8Hzのローパスフィルタ処理後の信号波形(c)を示すグラフである。
【図5】実施例6における、圧力センサ4の出力信号波形(a)、通過帯域幅0.8Hz〜5Hzのバイドパスフィルタ処理後の信号波形(b)、及び遮断周波数0.8Hzのローパスフィルタ処理後の信号波形(c)を示すグラフである。
【図6】実施例8における、圧力センサ4の出力信号波形(a)、通過帯域幅0.8Hz〜5Hzのバイドパスフィルタ処理後の信号波形(b)、及び遮断周波数0.8Hzのローパスフィルタ処理後の信号波形(c)を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2チューブ
4 圧力センサ
5 増幅器
6 A/D変換器
7 コンピュータ
8 バルブ
9 枕
Claims (6)
- 被験者の心拍数又は呼吸数を測定するシステムであって、
1本の直径が6mm以上40mm以下であり、その長さが100mm以上500mm以下であり、大気圧との差圧が0kPa以上10kPa以下となるように液体が封入されたチューブと、
当該チューブを、心拍数又は呼吸数を測定しようとする被験者の頭頂部から頸部までの範囲の一部又は全部に接触させたときに、当該チューブ内の液体の圧力変化を測定する圧力測定手段とを備えることを特徴とする心拍数又は呼吸数を計測するシステム。 - 前記圧力測定手段は、心拍数の信号と呼吸数の信号とを分離するために、フィルタを備えている請求項1記載の心拍数又は呼吸数を計測するシステム。
- 前記フィルタは、心拍数の信号を分離するためのバンドパスフィルタである請求項2記載の心拍数又は呼吸数を計測するシステム。
- 前記フィルタは、呼吸数の信号に分離するためのローパスフィルタである請求項2記載の心拍数又は呼吸数を計測するシステム。
- 被験者の体動をさらに測定することができる請求項1〜請求項4のいずれかに記載の心拍数又は呼吸数を計測するシステム。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の心拍数又は呼吸数を計測するシステムを搭載した枕。
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2003
- 2003-05-30 JP JP2003155365A patent/JP4012966B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2004351110A (ja) | 2004-12-16 |
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