JP4487074B2 - 耳温測定による分娩監視装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動物の分娩開始時期を、動物から離れた場所で待機する者へ通知する分娩監視装置に関するものである。
家畜の分娩の際には飼育者や獣医師が立ち会ったり、妊婦の分娩の際には医師や助産師が立ち会ったりして、胎児を安全に娩出する態勢がとられる。
人工授精させることが多い牛、馬、豚、羊等の家畜、又は妊婦の大凡の分娩日を予測できるが、正確な分娩日時を予測できない。そこで分娩予測日前から分娩開始を見守る必要がある。とりわけ家畜の場合、分娩予測日の数日前から、分娩開始を監視しなければならない。このような家畜の傍らに絶えず付き添うのは事実上不可能である。
そこで分娩を遠隔監視する装置が用いられる。このような装置として、例えば特許文献1に、ビデオカメラとモニターによる遠隔監視の分娩兆候検出装置が開示されている。飼育者等がこの装置で監視し続けなければならないため、非効率的である。
特許文献2に、分娩予定日の数日前に家畜の膣へ挿入された送信機が陣痛の進行に伴い体外へ放出されたときにその状態変化を検知して飼育者に通報するという分娩監視装置が、開示されている。通信機を膣へ挿入する際に殺菌消毒しなければならないのは面倒である。さらに、通信機が家畜母体や胎子を傷つけたり、通信機へ通じるリード線から病原菌が膣内感染したりする危険や、分娩時期以前に通信機が膣から抜け落ちて誤報する恐れがある。
本発明者は、分娩開始直時にその外陰部が開くことを見出した。そこで、向かい合う外陰部の一方に取り付けられる電磁誘導発振器と、もう一方に取り付けられる電磁誘導受信器との間隔距離が、平時の両外陰部の状態で誘導起電の可能な距離、分娩予兆時の両外陰部の開き状態で誘導起電の不能な距離に調整された分娩監視装置について、特許出願している(特願2005−023787)。
本発明者は、さらに分娩の数時間〜数10時間前に動物母体の体温が低下することを見出し、これを利用して分娩開始を監視することについて鋭意検討した。
特開2002−153162号公報 特開2003−310647号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、動物の分娩予兆や分娩直前を、動物から離れた場所で待機する者へ正確かつ確実に通報でき、しかも分娩前後の動物母体や胎子の安全を確保できる簡便な分娩監視装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載の分娩監視装置は、分娩を監視すべき動物母体の耳温を測定する温度センサと、該温度センサが検知した該耳温から分娩以前の平時での該耳温の変動域を超えた温度低下を弁別する回路とを有し、該弁別回路から出される該温度低下による分娩予兆信号を通知する通信装置及び/又は警報装置を備え、該動物母体の向かい合う外陰部の一方に取り付けられる電磁誘導発振器と、もう一方に取り付けられる電磁誘導受信器とを有し、該発振器と該受信器との間隔距離が、平時の両外陰部の状態で誘導起電の可能な距離、分娩直前時の両外陰部の開き状態で誘導起電の不能な距離に調整されており、該誘導起電の不能を検知する回路から出される分娩直前信号、および該分娩予兆信号の両信号が該通信装置及び/又は警報装置に繋がっていることを特徴とする。
請求項2に記載の分娩監視装置は、請求項1に記載のもので、該電磁誘導発振器が電磁誘導の発振コイルであり、該電磁誘導受信器が該発振コイルから発振された発振電磁波を検知する受信コイルであることを特徴とする。
請求項3に記載の分娩監視装置は、請求項1に記載されたもので、該通信装置が、無線通信装置であることを特徴とする。
請求項4に記載の分娩監視装置は、請求項1に記載されたもので、該弁別回路が、該耳温を定時に、定時間間隔毎に、又はリアルタイムに測定させるタイマーへ接続されていることを特徴とする。
請求項5に記載の分娩監視装置は、請求項1に記載されたもので、該弁別回路が、少なくとも0.3℃の該温度低下を検知することを特徴とする。
請求項6に記載の分娩監視装置は、請求項1に記載されたもので、該温度センサが、サーミスタ、赤外線センサ、熱電対又は測温抵抗体であることを特徴とする。
請求項7に記載の分娩監視方法は、分娩を監視すべき動物母体の耳温を測定する温度センサと、該温度センサが検知した該耳温から分娩以前の平時での該耳温の変動域を超えた温度低下を弁別する回路とを有し、該弁別回路から出される該温度低下による分娩予兆信号を通知する通信装置及び/又は警報装置を備え、該動物母体の向かい合う外陰部の一方に取り付けられる電磁誘導発振器と、もう一方に取り付けられる電磁誘導受信器とを有し、該発振器と該受信器との間隔距離が、平時の両外陰部の状態で誘導起電の可能な距離、分娩直前時の両外陰部の開き状態で誘導起電の不能な距離に調整されており、該誘導起電の不能を検知する回路から出される分娩直前信号、および該分娩予兆信号の両信号が該通信装置及び/又は警報装置に繋がっている分娩監視装置を使用する分娩監視方法であって、該動物母体の耳に該温度センサを取り付けると共に、該動物母体の向かい合う該外陰部に該間隔距離で該発振器と該受信器とを取り付けておき、該温度センサで分娩を監視すべき動物母体の耳温を測定し、該弁別回路が分娩以前の平時での該耳温の変動域を超える温度低下を検知したら、該通信装置及び/又は警報装置で該分娩予兆信号を通知し、その後に、該誘導起電の不能を検知する回路が該送信器と該受信器との該誘導起電の不能を検知したら、該通信装置及び/又は警報装置で該分娩直前信号を通知することを特徴とする。
請求項8に記載の分娩監視方法は、請求項7に記載のもので、該間隔距離が1〜12cmであることを特徴とする。
請求項9に記載の分娩監視方法は、請求項7に記載されたもので、該耳温が、鼓膜温であることを特徴とする。
本発明の分娩監視装置は、分娩を監視すべき動物母体に小さな温度センサや発振器・受信器を取り付けるものであるから、母体や胎子を傷つけず、動物に拘束や苦痛を与えない。しかも温度センサや発振器・受信器を殺菌消毒する必要がないから簡便であり、獣医師等の資格がなくてもこの装置を取り付けできる。
この分娩監視装置は、飼育者等が遠隔地で待機したり仮眠したりしている場合でも、耳温の低下を検知した時に、分娩開始時期が数〜数10時間後に迫っているという分娩予兆を予告通報するトリガーとなる。またこの装置は、外陰部が開き始めた時に、分娩直前を警告通報するトリガーとなる。
耳温特に鼓膜温は外気の変動に影響され難いので、この装置を用いた分娩監視方法によれば、耳温が低下したときに、正確かつ確実に分娩予兆を通報することができる。またこの予兆の通報の後に、外陰部が開いたときに、分娩直前であるという通報をすることができる。耳温低下が小さくそれが弁別されなかったために分娩予兆の通報が無かった場合でも、分娩直前の通報により、分娩を見逃す恐れがなくなる。この通報により、飼育者等が分娩直前の動物母体へ駆け付けて、その分娩に立会い、適切な介助を行って、産まれてくる新生子と母体との生命を救う適切な処置をすることができる。さらに、異常分娩の場合には、速やかに獣医師等の治療を受けることを可能にする。
この装置を用いた分娩監視方法は、巡回やビデオによる監視作業の必要がなく、飼育者らの労働時間軽減を図ることができ、家畜生産等のコスト削減に資することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施形態に限定されるものではない。
図1に、本発明を適用する分娩監視装置を用い、耳温測定による分娩監視方法を実施する一例を示す。
この分娩監視装置1は、動物母体9の外耳5に挿入される赤外線センサである温度センサ3と、それへ接続されて動物母体9に取り付けられる回路ボックス10と、それに無線で繋がり動物母体9から離れた場所例えば畜舎に隣接する管理棟に設置される通信装置20とからなる。
回路ボックス10は、図2のブロック回路図のとおり、電源17とタイマー11と伸縮可能なリード線4を介して温度センサ3とへ繋がる検温回路12、温度弁別回路13、フィルタ14、送信回路15が、その順で接続されて内蔵されたものである。送信回路15は、回路ボックス10の外面に印刷された送信アンテナ16に接続されている。
温度センサ3は、金属酸化物や半導体であるサーミスタからなる熱型赤外線センサであり、温度に応じてそれの電気抵抗が変化することを利用して耳温を測定するというものである。タイマー11は、所定の時間毎に検温回路12を動作させるタイムスイッチである。検温回路12は、温度センサ3のサーミスタ電気抵抗の出力をアナログ−デジタル変換するA−D変換器である。温度弁別回路13は、アナログ−デジタル変換されて得られた耳温の値を順次記憶するメモリと、そこに順次記憶されている分娩兆候より前の平時例えば前日同時刻での耳温および先程検知した最新の耳温の両値を読み出す読出器と、その平時での耳温の値から最新の耳温の値を減ずる演算する減算回路と、得られた減算結果値および設定した閾値の大小を比較するデジタル比較器と、その比較により温度低下が閾値を超えたときに信号電流を流すスイッチング素子とからなる。フィルタ14は、温度低下が1日の変動域の範囲内であって一時的な場合に、その信号電流を除去するフィルタ回路である。
通信装置20は、送信アンテナ16からの信号を受信し、分娩開始が迫っていることを音声や画像で予告したり、ネットワークに乗せたりするためのものである。この通信装置20は、図2のブロック回路図のとおり、受信アンテナ21に繋がる受信回路22、それに繋がるネットワーク接続回路23と警報音回路24及びスピーカー25とを内蔵している。ネットワーク接続回路23はインターネットや携帯電話に接続するための信号制御回路である。
この分娩監視装置1は、図1に示すように、分娩が間近でそれを監視すべき動物母体9例えば雌牛に使用される。
妊娠日が明らかな動物母体では分娩予測日の数日前に、又は妊娠日が確認できない動物母体では、経験的に外見上あるいは行動的に分娩が間近と予想される分娩兆候時、例えば外陰部が腫脹したり乳汁が乳頭から滲んだり食欲が減退したりした時に、この分娩監視装置1を取り付ける。例えば動物母体9が雌牛・雌馬であれば、分娩予測日から半日以上前、好ましくは1〜7日前に分娩監視装置1を取り付ける。
先ず、リード線4の先端の温度センサ3を、動物母体9の外耳5に挿入する。温度センサ3を、外耳5と中耳7との間にある鼓膜6近傍に設置する。温度センサ3が動いたり抜け落ちたりしないように、スポンジのような耳栓で温度センサ3を留める。耳から導出し途中がカールコードのように伸縮可能なリード線4に余裕を持たせつつ、回路ボックス10が収められたバッグ2を、動物母体9の背にベルトで固定して取り付ける。
タイマー11の指示に応じ所定の時間毎例えば1時間毎に、温度センサ3のサーミスタ電気抵抗値を測定し、それの出力を検温回路12でアナログ−デジタル変換することにより、耳温である鼓膜温を検知する。
鼓膜温は、一般に妊娠前よりも分娩の数日前の方が高く、また朝方よりも夕方の方が若干高く、摂食や気温等に応じ多少の変動域を有するが、分娩の数〜2日前の平時での鼓膜温の1日毎の変動パターンは、略同じである。鼓膜温は、動物種や個体によって多少異なるが、動物9が雌牛であれば、図3に示すようにその鼓膜温が、分娩の12〜36時間前、概ね24時間前から分娩迄の間、この平時の鼓膜温の変動域よりも、0.3〜1℃程度、平均0.5℃程度低下する。なお雌馬であれば、平均1℃程度低下する。
検温回路12で鼓膜温が検知されると、温度弁別回路13が次のように動作する。先ず、この鼓膜温が、メモリに順次記憶される。そこに記憶されている先程検知した当日の最新の耳温と分娩以前の平時例えば前日同時刻での耳温の両値を読出器で読み出す。そして、その前日の耳温の値から当日の耳温の値を減算回路により減ずる演算をする。得られた減算結果値と、雌牛の分娩予兆の温度低下の平均値0.5℃に予め設定した閾値との大小をデジタル比較器により比較する。その比較により、閾値を超過、即ち0.5℃よりも温度低下しているときに、スイッチング素子が、信号電流を流す。このようにして温度弁別回路13が、温度低下を弁別する。
所定の時間例えば1分間経過すると、タイマー11から次の指示が出て、同様に鼓膜温が検知され、温度低下していれば信号電流が流れ、この一連の動作が繰返される。温度低下がなお継続していれば、タイマー11による所定の時間と同じ周期で信号電流が流れる。このとき、フィルタ14が、この信号電流を通過させる。それを受けた送信回路15が、信号電流を変調して送信アンテナ16から電波信号を発信する。一方、鼓膜温の1日の変動パターンの変動域の範囲幅内であるために、タイマーによる所定の時間が経過しても信号電流が再び流れないという一時的なものとなった場合、信号電流が流れる周期が、その所定の時間よりも長い周期となる。このとき、フィルタ14が、この信号電流の通過を阻止する。送信回路15は、電波信号を発信しない。
送信アンテナ16から発信された電波信号は、受信アンテナ21を経て受信回路22で受信され、警報音回路24によりスピーカー25から分娩予兆を知らせる音声、例えば5秒間隔のチャイム音で通知される。又はそのことを、ネットワーク接続回路23を通じてインターネットや携帯電話で、飼育者等に通信されて通知される。このような通知により、飼育者等は、鼓膜温が低下したから数時間〜数10時間後に分娩が開始するはずであることを知ることができる。
なお、タイマー11の指示に応じ鼓膜温を、朝夕の定時に測定してもよく、数分〜数時間程度の一定時間間隔毎に、又はリアルタイムに測定してもよい。温度センサ3で、耳温として鼓膜近傍の温度の一例である鼓膜温を測定した例を示したが、耳温のほか膣温度、または、外気温に影響を受けないように保温カバーを被せて皮膚温度を測定してもよい。また、温度センサ3が中継器として回路ボックス10の回路に有線で繋がった例を示したが、温度センサ3が無線機を介して回路ボックス10の回路に繋がっていてもよく、温度センサ3と回路ボックス10と通信装置20とが一体化していてもよい。回路ボックス10を収めたバッグ2は首輪に取り付けられていてもよい。
本発明の別な実施の形態は、分娩予兆の通報の後に、動物母体9の外陰部へ、図4に示すように発振器37と受信器38とを装着しておいて分娩開始を監視し、分娩開始の直前にそれを通報するというものである。
この発振器37、受信器38は、ブロック回路図を示す図4のとおり、回路ボックス30内の回路に繋がっている。これが、図2と同様な通信装置20に、無線で繋がっている。
発振器37は電磁誘導のための発振コイルであり、鎖線の37aが電磁波の発振域である。受信器38は発振器37から発振された発振電磁波を検知して交流を生ずる受信コイルであり、鎖線の38aが電磁波の受信域である。発振コイル37には、電源35に繋がるローカル発振回路31、クロックパルス発生回路33に繋がる変調回路32、及び増幅回路34が接続されている。受信器38には、電源35に繋がる増幅回路40、設定回路41、フィルタ42、及び送信回路43を経て送信アンテナ44が接続されている。送信アンテナ44は回路ボックス30の外面に印刷されている。フィルタ42は、排尿などによる一時的な信号電流を除去するフィルタ回路である。
分娩監視装置1により分娩開始が迫っていると予告された動物母体9の腰背部へ、図5に示すように、回路ボックス30を接着剤で貼り付ける。回路ボックス30に伸縮コード36で繋がる発振器37は一方の外陰部47に接着され、伸縮コード39で繋がる受信器38はもう一方の外陰部48に発振器37と対向するように接着される。
このとき発振器37と受信器38とは、その間隔距離が各出力電力及び受信感度との関連で以下のように調整されて、距離センサとして機能する。図5のように分娩開始前の平時における両外陰部47と48とが閉じた状態で、電磁波の発振域37aと電磁波の受信域38a(図4参照)とが重なり合うように発振器37と受信器38との距離を調整する。このとき発振器37から発振された発振電磁波を受信器38が検知できる。また、分娩直前時の両外陰部47と48の開いた状態(不図示)で、発振電磁波を受信器38が検知する感度が明瞭に落ちて、電磁波の発振域37aと電磁波の受信域38aとが離れるように発振器37と受信器38との距離を調整する。このとき、発振器37からの発振電磁波を受信器38が検知できなくなる。
その距離は動物によって異なる。多くの動物の胎子は、分娩時、前肢、頭部、胴体部、後肢の順で母体から出るが、頭部は、その中でも最も径が大きく、産道を通るのに時間がかかる。そこで分娩予兆時の両外陰部の開き状態を、胎子の頭部の径よりも小さい数値、すなわち前肢が出始めるタイミングの両外陰部の距離を、発振器37と受信器38との間の距離に設定する。多くの動物の新生子の頭部の大きさを測定した平均的測定値から、その距離は、牛や馬のような大動物で12cm前後、豚や緬羊や山羊のような中動物で5〜7cm前後、兎やラットやミンクのような小動物で1〜2cm、また犬や猫のようなペットは大小様々であるが概ね3〜5cm程度が適当である。
電源35から電力供給を受けてローカル発振回路31が発振し、クロックパルス発生回路33から発生するパルス信号にしたがって、定時間おきに変調回路32から交流変調信号が出され、増幅回路34にて増幅され、発振コイル37から電磁波を発振する。
分娩開始前の平時においては、両外陰部47と48とが閉じて発振器37と受信器38との間隔距離が近くなっているので、受信器38で電磁波を受け起電流が流れ、増幅回路40にて増幅される。設定回路41でこの起電流が閾値以上であると判別されると、分娩が開始していないという信号が送信回路43を経て送信アンテナ44から送信される。排尿や虫の飛来等で一時的に受信器38の起電流が弱まり、あるいは停止するときには、フィルタ42にてそのような異常動作信号を除去する。
分娩直前には、両外陰部47と48とが開いて発振器37と受信器38との間隔距離が離れ、電磁波の受信域38aが電磁波の発振域37aから離れるので受信器38の起電流が停止する。設定回路41にて起電流が閾値以下であると判別されると、分娩が開始されたという信号電波が送信回路43を経て送信アンテナ44から送信される。
電波信号は、前記と同様に図2に示す通信装置20により受信される。電波信号が受信回路22で受信されると、スピーカー25から分娩直前を警告する音声例えば1秒間隔のチャイム音で通知される。又はそのことを、ネットワーク接続回路23を通じてインターネットや携帯電話で、飼育者等に通信されて通知される。このような通知により、飼育者等は、分娩が迫ってきた動物母体9のところへ駆け付けることができる。
なお、温度センサによる分娩予兆の通報の後に発振器37・受信器38を装着した例を示したが、温度センサと同時期にそれらを装着されていてもよい。
以下に、分娩監視装置1を動物に装着する例を示す。図2の回路構成からなる分娩監視装置1を用いて、飼育中の妊娠後期の雌牛の分娩を監視する。
人工授精日から280日目にあたる分娩予測日の1週間程度前に、図1に示すように分娩監視装置1を雌牛に装着する。毎日、朝夕各1回ずつ鼓膜温を測定する。その温度変化を図3に示す。図3に示すとおり、朝方の鼓膜温は分娩7日前に約38.9℃であったがその日以後分娩2日前まで約0.2℃上昇していた。一方夕方の鼓膜温は分娩7〜2日前に約39.5℃であった。分娩1日前に、朝夕いずれの鼓膜温も、0.3〜0.5℃低下していた。
この夕方の0.5℃の鼓膜温低下が、1日の温度変動パターンの変動域を有意に超えていたと温度弁別回路13が検知し、送信回路15により電波信号を発信し、それを通信装置20で受信したとき、スピーカー25から分娩の36〜12時間前であるという予告音声が牧場管理棟で流れる。
それを聞いた飼育者は、この雌牛のところへ行き図4の回路構成からなる発振器37及び受信器38を有する回路ボックス30を装着する。なお、発振器37、及び受信器38を、磁性コア(2mm×10mm、厚さ2mm)に巻いたコイルとし、発振器コイル37と受信器コイル38との距離を、雌牛の場合に最も適切であると想定された12cmに調整しておく。飼育者が牧場管理へ帰り待機していると、スピーカー25から分娩開始の警告音声が流れる。直ちにこの雌牛のところへ駆け付ける。丁度、新生子の前肢が母体から出始める良いタイミングで適切な分娩介助を行うことができる。しかも時間的な無駄がない。
本発明の分娩監視装置は、大動物(牛、馬等)や中動物(豚、緬羊、山羊等)や小動物(兎、ラット、ミンク等)のような家畜、動物園等で飼育される展示動物、及びペットのような各種動物の分娩監視、人間の分娩監視に利用することができる。また、これら哺乳類の出産だけではなく、鳥類の産卵の監視に利用することができる。
本発明を適用する耳温測定による分娩監視装置を用いた分娩監視方法の一態様を示す図である。
本発明を適用する分娩監視装置の一実施態様を示すブロック図である。
本発明を適用する分娩監視方法において測定された耳温の経時変化を示す図である。
本発明を適用する別な分娩監視方法に用いられるもので発振器と受信器とを有する回路のブロック図である。
本発明を適用する分娩監視方法に用いられるもので発振器と受信器とを有する回路ボックスを雌牛に装着した分娩開始前の状態を示す図である。
符号の説明
1は分娩監視装置、2はバッグ、3は温度センサ、4はリード線、5は外耳、6は鼓膜、7は中耳、9は分娩を監視すべき動物母体、10は回路ボックス、11はタイマー、12は検温回路、13は温度弁別回路、14はフィルタ、15は送信回路、16は送信アンテナ、17は電源、20は通信装置、21は受信アンテナ、22は受信回路、23はネットワーク接続回路、24は警報音回路、25はスピーカー、30は回路ボックス、31はローカル発振回路、32は変調回路、33はクロックパルス発生回路、34は増幅回路、35は電源、36は伸縮コード、37は発振器、37aは電磁波の発振域、38は受信器、38aは電磁波の受信域、39は伸縮コード、40は増幅回路、41は設定回路、42はフィルタ、43は送信回路、44は送信アンテナ、47・48は外陰部である。

Claims (9)

  1. 分娩を監視すべき動物母体の耳温を測定する温度センサと、該温度センサが検知した該耳温から分娩以前の平時での該耳温の変動域を超えた温度低下を弁別する回路とを有し、該弁別回路から出される該温度低下による分娩予兆信号を通知する通信装置及び/又は警報装置を備え
    該動物母体の向かい合う外陰部の一方に取り付けられる電磁誘導発振器と、もう一方に取り付けられる電磁誘導受信器とを有し、該発振器と該受信器との間隔距離が、平時の両外陰部の状態で誘導起電の可能な距離、分娩直前時の両外陰部の開き状態で誘導起電の不能な距離に調整されており、該誘導起電の不能を検知する回路から出される分娩直前信号、および該分娩予兆信号の両信号が該通信装置及び/又は警報装置に繋がっていることを特徴とする分娩監視装置。
  2. 電磁誘導発振器が電磁誘導の発振コイルであり、該電磁誘導受信器が該発振コイルから発振された発振電磁波を検知する受信コイルであることを特徴とする請求項1に記載の分娩監視装置。
  3. 該通信装置が、無線通信装置であることを特徴とする請求項1に記載の分娩監視装置。
  4. 該弁別回路が、該耳温を定時に、定時間間隔毎に、又はリアルタイムに測定させるタイマーへ接続されていることを特徴とする請求項1に記載の分娩監視装置。
  5. 該弁別回路が、少なくとも0.3℃の該温度低下を検知することを特徴とする請求項1に記載の分娩監視装置。
  6. 該温度センサが、サーミスタ、赤外線センサ、熱電対又は測温抵抗体であることを特徴とする請求項1に記載の分娩監視装置。
  7. 分娩を監視すべき動物母体の耳温を測定する温度センサと、該温度センサが検知した該耳温から分娩以前の平時での該耳温の変動域を超えた温度低下を弁別する回路とを有し、該弁別回路から出される該温度低下による分娩予兆信号を通知する通信装置及び/又は警報装置を備え、
    該動物母体の向かい合う外陰部の一方に取り付けられる電磁誘導発振器と、もう一方に取り付けられる電磁誘導受信器とを有し、該発振器と該受信器との間隔距離が、平時の両外陰部の状態で誘導起電の可能な距離、分娩直前時の両外陰部の開き状態で誘導起電の不能な距離に調整されており、該誘導起電の不能を検知する回路から出される分娩直前信号、および該分娩予兆信号の両信号が該通信装置及び/又は警報装置に繋がっている分娩監視装置を使用する分娩監視方法であって、
    該動物母体の耳に該温度センサを取り付けると共に、該動物母体の向かい合う該外陰部に該間隔距離で該発振器と該受信器とを取り付けておき、
    該温度センサで分娩を監視すべき動物母体の耳温を測定し、該弁別回路が分娩以前の平時での該耳温の変動域を超える温度低下を検知したら、該通信装置及び/又は警報装置で該分娩予兆信号を通知し、
    その後に、該誘導起電の不能を検知する回路が該送信器と該受信器との該誘導起電の不能を検知したら、該通信装置及び/又は警報装置で該分娩直前信号を通知することを特徴とする分娩監視方法。
  8. 該間隔距離が1〜12cmであることを特徴とする請求項7に記載の分娩監視方法。
  9. 該耳温が、鼓膜温であることを特徴とする請求項7に記載の分娩監視方法。
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