JP4486658B2 - Ni基焼結合金 - Google Patents

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本発明は、ガスタービン、ジェットエンジンなどの高温部品、特に動翼あるいは静翼に使用されるNi基焼結合金に関する。
ガスタービンやジェットエンジンなどの高温雰囲気中で利用されている動翼や静翼には、一般に鋳造合金及び鍛造合金を使用されている。しかし、これらの合金は、加工性や成形性が十分でない。これに対して、Ni基合金は、成形性の自由度に富むので、部品の製作や部分的補修を容易に実施することができる。更に、このNi基合金の特性を備えるNi基鋳造合金は高温強度に優れているため、動翼や静翼に多く利用されている。
又、このNi基鋳造合金や鍛造合金からなる高温下で利用される既存の部品については、高温強度に優れているとはいえ、長時間高温雰囲気中にさらされた状態となると、高温ガスに直接触れる部分などで熱疲労が現れて、運転中に損傷を受ける。このような損傷が、定期点検などおいて発見されると、この損傷部を局部的に修復するために、溶接やロー付けなどが行われる。
特公昭63−012133号公報 特表平04−500983号公報 特表平04−501538号公報 特公昭63−026161号公報
しかしながら、溶接による補修を行った場合、溶接割れのような欠陥が発生してしまう。又、ロー付けによる補修を行った場合、そのクリープ強度や熱疲労強度が不足するとともに、ロー材が補修される部品材料と異なるため、その補修部分との界面部分における結合強度が弱い。更に、ロー材の粘性が低いため、補修部分が大きい場合、ロー材が流れてしまうという問題がある。
このような問題を鑑みて、本発明は、融点の異なる2種のNi合金粉末を混合して加熱することでなる構成とすることにより、溶接を不要としてこれによる溶接欠陥の発生を回避するとともに、強度の不足を解消し得るNi基焼結合金を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のNi基焼結合金は、高温ガス雰囲気中で利用される高温部品に使用される、融点の異なる2種のNi合金粉末を混合、加熱してなるNi基焼結合金であり、前記2種のNi合金粉末として、焼結処理を行う際の加熱温度よりも高い融点を有する高融点Ni合金粉末及び焼結処理を行う際の加熱温度よりも低い融点を有する低融点Ni合金粉末を用い、前記高融点Ni合金粉末の組成が、Ni−10〜20Cr−0〜7Co−0〜2Mo−0〜9W−0〜3Ta−0.0〜0.3C−0.00〜0.03Bであり、前記低融点Ni合金粉末の組成が、Ni−3〜13Cr−14〜24Co−1.5〜7.5Mo−0.5〜11W−5〜9Ta−4〜9Ti−7.5〜11.5A1−0.00〜0.02C−0.5〜3.5Bであり、前記低融点Ni合金粉末の配合比が、前記高融点Ni合金粉末と前記低融点Ni合金粉末を混合したNi合金粉末全体の30〜60重量%であることを特徴とする。
又、本発明のNi基焼結合金は、上記構成のNi基焼結合金において、前記高融点Ni合金粉末の融点が、1300℃以上であり、前記低融点Ni合金粉末の融点が、1250℃以下であることが望ましい。
又、本発明のNi基焼結合金は、上記構成のNi基焼結合金において、前記高融点Ni合金粉末及び前記低融点Ni合金粉末が、1150〜1250℃、且つ2〜12時間の条件下で加熱されて焼結されることにより、生成されることが望ましい。
又、本発明のNi基焼結合金は、上記構成のNi基焼結合金において、前記高温部品がMGA1400CCで構成され、当該高温部品の補修部分に使用されることが望ましい。
本発明によれば、Ni基焼結合金を融点の異なる2種のNi合金粉末を混合した後、加熱して生成することにより、溶接を不要とすることができる。よって、溶接による溶接欠陥の発生を回避するとともに、強度の不足を解消し得るNi基焼結合金を提供できる。又、生成したNi基焼結合金の組成を、高温部品の母材の組成と略同等とすることができるので、母材とNi基焼結合金との界面がなじみやすくすることができ、補修後の結合強度の不足を解消することができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
<本発明の基本説明>
本発明は、融点の異なる2種のNi合金粉末、例えば高融点を有するNi合金粉末(以下、「高融点Ni合金粉末」と呼ぶ)と低融点を有するNi合金粉末(以下、「低融点Ni合金粉末」と呼ぶ)を混合、加熱するものであるが、低融点Ni合金粉末のみ、若しくは高融点Ni合金粉末の一部も溶融して反応させて液相焼結させるものである。図1(A),(B)に、高融点Ni合金粉末(H)と低融点Ni合金粉末(L)を混合し、加熱する様子を示す。このとき、加熱前は、図1(A)のように、Ni合金粉末(H)、(L)それぞれを混合して、高融点Ni合金粉末(H)間に低融点Ni合金粉末(L)が配置されるようにする。
そして、低融点Ni合金粉末(L)の融点より高く且つ高融点Ni合金粉末(H)の融点よりも低い温度で加熱することにより、低融点Ni合金粉末(L)が溶融し、溶融した低融点Ni合金粉末(L)が溶融Ni合金部1として、図1(B)のように、高融点Ni合金粉末(H)間の隙間の大部分を毛細管現象により埋めることになる。その結果、液相焼結による強度の強い合金が得られる。
このように、高融点Ni合金粉末と低融点Ni合金粉末とが混合されたNi合金粉末(この混合Ni合金粉末を、以下、「Ni基焼結合金粉末」と呼ぶ。)を焼結に用いる場合、低融点Ni合金粉末の配合比を、Ni基焼結合金粉末全体の30〜60重量%とする。これは、低融点Ni合金粉末の配合割合が30重量%未満であると十分に拡散されないので焼結が十分に進まず、又、60重量%を越えると高融点Ni合金粉末間の隙間に対して溶融Ni合金部1の占める部分が大きくなり液相部分が多くなるので十分な強度が得られないためである。
このNi基焼結合金粉末に含まれる高融点Ni合金粉末としては、少なくともNi,Crが含まれるとともに、Co,W,Taの少なくとも一つを組成として含むNi合金が使用される。又、低融点Ni合金粉末としては、少なくともNi,Cr,Co,W,Ti,Al,Bを組成として含むNi合金が使用される。
又、Ni基焼結合金粉末に含まれる各Ni合金粉末の合金成分の組成範囲は、その融点により調整されるとともに、所定の配合比で配合されて得たNi基焼結合金粉末を反応させた後、各合金成分の添加効果が発揮するように、又、σ相等の有害な脆化相が生じないように調整される。更に、このNi基焼結合金粉末に含まれる各Ni合金粉末の合金粉末の組成範囲は、Ni基焼結合金粉末を焼結した後の各合金の組成比が、母材に使用されるNi基合金に含まれる各合金の組成比に近くなるように、設定される。
そして、このようなNi基焼結合金粉末を加熱して焼結する際、その加熱温度は1150〜1250℃とするとともに、その加熱時間を2〜12時間とする。これは、加熱温度が1150℃未満では、低融点Ni合金粉末が十分に融解されないため、毛細管現象による液相が生ずることがなく、又、加熱温度が1250℃を越えると、母材の方が溶けやすくなるためである。尚、このような焼結のための加熱処理を行った後に、更に段階的な加熱処理を行うことが好ましい。具体的には、1120℃±10℃で2〜4時間加熱(以下、「焼結後の溶体化処理」と呼ぶ)し、更に850℃±10℃で16〜24時間加熱(以下、「焼結後の時効処理」と呼ぶ)する。
この段階的な加熱処理において、焼結後の溶体化処理は、上記焼結のための加熱処理における冷却課程で析出した母材中のγ’相(Ni3Al金属間化合物)を固溶させることを目的に実施するものである。このとき、γ’相の固溶や初期融解を発生させないために、その温度を1120℃とし、又、各合金成分の拡散を十分進めるために、処理時間を2〜4時間とした。又、焼結後の時効処理は、γ’相を均一に析出させるために行うものである。このとき、γ’相の析出状態を均一、微細とするために、その温度を850℃とし、又、合金組成に適した析出を行うために、その時間を16〜24時間とした。
このように、焼結のための加熱処理を行った後に、又は、焼結後の加熱処理を行った後に、Ni基焼結合金粉末により生成されたNi基焼結合金における気孔の面積率は、全体の0〜5%であることが好ましい。これは、このような焼結を行った際に気孔の発生を避け得ないが、5%を越える場合、Ni基焼結合金の強度及び延性に悪影響をきたすためである。
上記のようにNi基焼結合金粉末により生成されたNi基焼結合金は、例えば、バルク成形、コーティング、局所的肉盛に利用可能である。ここで、バルク成形は、翼材の形のNi基焼結合金粉末に圧をかけて成形した後、焼結するものである。又、コーティングは、高温酸化などの減肉部にNi基焼結合金粉末を低圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法などで吹き付けてコーティングした後、加熱して焼結するものである。又、局所的肉盛は、亀裂部分などの補修対象部にNi基焼結合金粉末を肉盛りした後、焼結するものである。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、以下に説明する。本実施形態において、母材として、IN738LCが用いられるものとする。IN738LCの組成は、Ni−15.7〜16.3Cr−8〜9Co−1.5〜2.0Mo−2.4〜2.8W−1.5〜2.0Ta−3.2〜3.7Ti−3.2〜3.7A1−1.5〜2.0Nb−0.09〜0.13C−0.007〜0.012B−0.03〜0.08Zrである。
本実施形態のNi基焼結合金粉末における高融点Ni合金粉末として、その融点が1300℃以上のものが使用される。この高融点Ni合金粉末の組成の一例として、Ni−16〜18Cr−0〜5Co−0.0〜3.5W−0.0〜1.0Ta−0.0〜1.0Ti−0.0〜1.0A1−0.15〜0.3C−0.01〜0.03B−0.0〜0.1Zrが挙げられる。このとき、Niに添加する各合金成分の効果は次のとおりである。
まず、Crは、合金に耐酸化性及び耐食性を付与する合金成分である。Coは、γ’相(Ni3Al)を形成することで高温強度改善に有効な合金成分であるAl及びTiに対して、高温におけるそれらの固溶限度を大きくし、結果として高温強度向上に寄与する。Wは、固溶強化の効果があり、高温強度の向上に寄与する。Taは、固溶強化とγ’相による析出強化により高温強度の向上に寄与する。
Ti及びAlはγ’相による析出強化により高温強度の向上に寄与する。Cは、炭化物を形成し、主として結晶粒界を強化して高温強度の向上に寄与する。B及びZrは、粒界の結合力を増加させ高温強度を向上する。
一方、本実施形態のNi基焼結合金粉末における低融点Ni合金粉末として、その融点が1120〜1200℃のものが使用される。そして、低融点Ni合金粉末の組成の一例として、Ni−8〜12Cr−16〜20Co−2.0〜3.5Mo−1.5〜2.5W−5〜9Ta−7.5〜10Ti−8.5〜10.5A1−1〜3Nb−0.5〜3.5B−0.00〜0.35Zrが挙げられる。
尚、各合金成分の添加効果は、高融点Ni合金粉末と同じである。又、高融点Ni合金粉末に含まれていないMoは、Wと同じく、固溶強化の効果があり、高温強度の向上に寄与する。又、Nbは、Tiと同様、Alとともにγ’相を形成して高温強度の向上に寄与する。更に、この低融点Ni合金粉末は、Co,Mo,Ta,Ti,Al,Bが、高融点を有するNi合金粉末より多く添加されている。これは、低融点Ni合金粉末の融点を低下させることが目的であり、特にBはその効果が大きい。しかしながら、Bは、焼結したときに、合金を脆くしてしまうため、その量を抑える必要がある。
このような合金組成となる高融点Ni合金粉末と低融点Ni合金粉末とが混合されて低融点Ni合金粉末の配合比が30〜60重量%になるNi基焼結合金粉末を用いて、上述のバルク成形やコーティングや局所的肉盛が成されるとき、1150〜1250℃の温度で、2〜12時間の間加熱することによって焼結を行う。この焼結用の加熱処理を終了し、母材及びNi基焼結合金の冷却を行う際、上述したように、1120℃±10℃での2〜4時間の加熱及び850℃±10℃での16〜24時間の加熱による段階的な加熱処理を行うようにしても構わない。
以下に、本実施形態におけるNi基焼結合金粉末を用いた焼結処理について説明する。尚、下記実施例で述べる各部材の数値等は一例を示すもので、本発明の権利範囲を特定するものではない。
(実施例1)
本実施例では、図2を参照して、バルク成形について説明する。まず、Ni基焼結合金粉末における2種のNi合金粉末を、以下のような組成の粉末とする。
低融点Ni合金粉末:Ni−10.7Cr−17.2Co−2.6Mo−2.0W−5.8Ta−8.6Ti−8.7A1−2.6Nb−1.2B−0.27Zr
高融Ni合金点粉末:Ni−17.1Cr−3.1W−0.19C
このような組成の低融点Ni合金粉末を45重量%、高融点Ni合金粉末を55重量%の配合割合で、ボールミルなどにおいて混合することによって、Ni基焼結合金粉末を構成する。このようなNi基焼結合金粉末を翼材の形に圧粉成形した後、1215℃、8時間の条件で加熱して焼結した。ひきつづき、強度上昇のため、溶体化処理及び時効処理に相当する、1120℃×2時間+850℃×24時間の段階的な熱処理を行い、図2に示すようなタービンの動翼11を成形した。
本実施例によれば、2種のNi基合金を混合加熱することにより動翼11を成形するため、低融点Ni合金粉末と高融点Ni合金粉末との間で上述した毛細管現象が起こり(図1参照)、強度が十分な動翼11を得ることができる。又、焼結のための加熱後、段階的な熱処理を行って、溶体化処理及び時効処理を行うことによって、母材中にγ’相が均一に析出し、動翼11の強度を一層高くすることができる。
尚、本実施例において、焼結の際に更に高温静水圧(HIP)処理を行うようにしても構わない。このとき、例えば、1200℃×1500kg/cm2×4時間の条件で、HIP処理を行う。そして、このHIP処理を併用することにより、焼結後に発生する気孔を低減あるいは消滅できるという効果が得られる。
(実施例2)
本実施例では、図3を参照して、コーティングについて説明する。ここで、図3(A)はコーティング前の動翼の概略図を示し、又、図3(B)はコーティング後の動翼の概略図を示す。又、本実施例におけるNi基焼結合金粉末に用いる低融点Ni合金粉末及び高融点Ni合金粉末として、実施例1におけるNi基焼結合金粉末と同一の組成のものが使用されるものとする。
まず、ボールミルにおいて、低融点Ni合金粉末(粒径75μm以下)を45重量%、高融点Ni合金粉末(粒径150μm以下)を55重量%の配合割合で混合して、Ni基焼結合金粉末を生成する。続いて、このNi基焼結合金粉末を、例えば低圧プラズマ溶射法で、図3(A)における動翼11の減肉部12に吹き飛ばしてコーティングし、1215℃、8時間の条件で加熱して焼結する。その後、実施例と同様、溶体化処理及び時効処理に相当する、1120℃×2時間+850℃×24時間の熱処理を行い、図3(B)に示すように減肉部12を強固にコーティングしたコーティング部13を形成する。このようにして、コーティング部13を有した動翼11を成形し、動翼11を修復する。
尚、本実施例において、実施例1と同様、焼結の際に、例えば、1200℃×1500kg/cm2×4時間の条件下でのHIP処理を併せて行うようにして、焼結後に発生する気孔を低減あるいは消滅させるようにしても構わない。
(実施例3)
本実施例では、図4を参照して、局所的肉盛について説明する。ここで、図4(A)は局所的肉盛前の動翼の概略図を示し、又、図4(B)は局所的肉盛後の動翼の概略図を示す。又、本実施例におけるNi基焼結合金粉末に用いる低融点Ni合金粉末及び高融点Ni合金粉末として、実施例1におけるNi基焼結合金粉末と同一の組成のものが使用されるものとする。
実施例3は、動翼11に補修対象として例えば亀裂部14が生じ、これを補修する場合を示す。同実施例3の場合、まず、図4(A)に示すように、亀裂部14の点線で示す亀裂周辺部15をグラインダー等で切削して除去する。次に、ボールミルにおいて、低融点Ni合金粉末を45重量%、高融点Ni合金粉末を55重量%の配合割合で混合して、Ni基焼結合金粉末を生成するとともに、更に、有機溶媒(例えばウォールコロモノイ社製の商品名:ミクロブレース#510)を用いて混練りし粘土状にする。
続いて、Ni基焼結合金粉末を含む粘土状の混合物を、除去された亀裂周辺部15として肉盛した後、実施例1と同条件で焼結及びその後の加熱処理を行うことにより、図4(B)に示すように亀裂部周辺部15に相当する肉盛部16を形成する。このようにして、亀裂部14を有する動翼11を成形し、動翼11の修復を行う。
尚、本実施例において、実施例1と同様、焼結の際に、例えば、1200℃×1500kg/cm2×4時間の条件下でのHIP処理を併せて行うようにして、焼結後に発生する気孔を低減あるいは消滅させるようにしても構わない。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、以下に説明する。本実施形態において、母材として、MGA1400が用いられるものとする。MGA1400の組成は、Ni−13.1〜15.0Cr−8.5〜10.5Co−1.0〜3.5Mo−3.5〜4.5W−3.0〜5.5Ta−2.2〜3.2Ti−3.5〜4.5A1−0.06〜0.12C−0.005〜0.025B−0.01〜0.05Zrである。
本実施形態のNi基焼結合金粉末における高融点Ni合金粉末として、その融点が1300℃以上のものが使用される。この高融点Ni合金粉末の組成の一例として、Ni−10〜20Cr−0〜7Co−0〜2Mo−0〜9W−0〜3Ta−0.0〜0.3C−0.00〜0.03Bが挙げられる。尚、Niに添加する各合金成分の効果は、第1の実施形態と同じである。
一方、本実施形態のNi基焼結合金粉末における低融点Ni合金粉末として、その融点が1250℃以下のもの(特に、1215℃以下のもの)が使用される。そして、低融点Ni合金粉末の組成の一例として、Ni−3〜13Cr−14〜24Co−1.5〜7.5Mo−0.5〜11W−5〜9Ta−4〜9Ti−7.5〜11.5A1−0.00〜0.02C−0.5〜3.5Bが挙げられる。尚、Niに添加する各合金成分の効果は、第1の実施形態と同じである。
このような合金組成となる高融点Ni合金粉末と低融点Ni合金粉末とが混合されて低融点Ni合金粉末の配合比が30〜60重量%になるNi基焼結合金粉末を用いて、上述のバルク成形やコーティングや局所的肉盛が成されるとき、1150〜1250℃の温度で、2〜12時間の間加熱することによって焼結を行う。この焼結用の加熱処理を終了し、母材及びNi基焼結合金の冷却を行う際、上述したように、1120℃±10℃での2〜4時間の加熱及び850℃±10℃での16〜24時間の加熱による段階的な加熱処理を行うようにしても構わない。
このように、母材MGA1400に対して、Ni基焼結合金粉末を用いて焼結したときに生成されるNi基焼結合金の組成の重量%を、図5に示す。図5(A)では、低融点Ni合金粉末の組成を、Ni−4.81Cr−22.05Co−5.29Mo−8.94W−7.93Ta−6.94Ti−9.47A1−0.02C−1.53Bとし、高融点Ni合金粉末の組成を、Ni−18.35Cr−1.62Ta−0.10C−0.017Bとする。このような低融点Ni合金粉末及び高融点Ni合金粉末より成るNi基焼結合金粉末を、1215℃×8時間の条件下で加熱して焼結処理を行う。
このとき、低融点Ni合金粉末を55重量%、50重量%、45重量%の配合比としたとき、形成されたNi基焼結合金の組成が、それぞれ、Ni−10.90Cr−12.13Co−2.91Mo−4.92W−5.09Ta−3.82Ti−5.21A1−0.06C−0.85B、Ni−11.58Cr−11.03Co−2.65Mo−4.47W−4.78Ta−3.47Ti−4.74A1−0.06C−0.77B、Ni−12.26Cr−9.92Co−2.38Mo−4.02W−4.46Ta−3.12Ti−4.26A1−0.07C−0.70Bとなる。
又、図5(B)では、低融点Ni合金粉末の組成を、Ni−11.71Cr−15.09Co−2.28Mo−1.90W−7.98Ta−5.72Ti−7.89A1−0.009C−1.96Bとし、高融点Ni合金粉末の組成を、Ni−13.21Cr−5.01Co−0.99Mo−7.50W−0.13Cとする。このような低融点Ni合金粉末及び高融点Ni合金粉末より成るNi基焼結合金粉末を、1215℃×8時間の条件下で加熱して焼結処理を行う。
このとき、低融点Ni合金粉末を55重量%、50重量%、45重量%の配合比としたとき、形成されたNi基焼結合金の組成が、それぞれ、Ni−12.39Cr−10.55Co−1.70Mo−4.42W−4.39Ta−3.15Ti−4.34A1−0.065C−1.08B、Ni−12.46Cr−10.05Co−1.64Mo−4.7W−3.99Ta−2.86Ti−3.95A1−0.072C−0.98B、Ni−12.54Cr−9.55Co−1.57Mo−4.98W−3.59Ta−2.57Ti−3.55A1−0.078C−0.88Bとなる。
このように、図5(A)、(B)に示されるような組成の低融点Ni合金粉末及び高融点Ni合金粉末を、上述の各配合比で配合することで構成するNi基焼結合金粉末を用いて、第1の実施形態の実施例1〜3と同一の方法で焼結することで、母材MGA1400の組成に近いNi基焼結合金を形成することができる。特に、第1の実施形態における実施例2のコーティング及び実施例3の局所的肉盛を行うことによって、形成したコーティング部13(図3)及び肉盛部16(図4)の組成比を動翼11の母材の組成比に近いものとすることができ、その結合強度を強めることができる。
本発明のNi基焼結合金に使用される、高融点を有するNi合金粉末と低融点を有するNi合金粉末を混合、加熱する場合の説明図。 第1の実施形態の実施例1に係るNi基焼結合金によるタービンの説明図。 第1の実施形態の実施例2に係るNi基焼結合金によるタービンの説明図。 第1の実施形態の実施例3に係るNi基焼結合金によるタービンの説明図。 第2の実施形態の低融点Ni合金粉末の配合比とNi基焼結合金の組成との関係を示す図。
符号の説明
1 溶融Ni合金部
11 動翼
12 減肉部
13 コーティング部
14 亀裂部
15 亀裂周辺部
16 肉盛部

Claims (4)

  1. 高温ガス雰囲気中で利用される高温部品に使用される、融点の異なる2種のNi合金粉末を混合、加熱してなるNi基焼結合金であり、
    前記2種のNi合金粉末として、焼結処理を行う際の加熱温度よりも高い融点を有する高融点Ni合金粉末及び焼結処理を行う際の加熱温度よりも低い融点を有する低融点Ni合金粉末を用い、
    前記高融点Ni合金粉末の組成が、Ni−10〜20Cr−0〜7Co−0〜2Mo−0〜9W−0〜3Ta−0.0〜0.3C−0.00〜0.03Bであり、
    前記低融点Ni合金粉末の組成が、Ni−3〜13Cr−14〜24Co−1.5〜7.5Mo−0.5〜11W−5〜9Ta−4〜9Ti−7.5〜11.5A1−0.00〜0.02C−0.5〜3.5Bであり、
    前記低融点Ni合金粉末の配合比が、前記高融点Ni合金粉末と前記低融点Ni合金粉末を混合したNi合金粉末全体の30〜60重量%であることを特徴とするNi基焼結合金。
  2. 前記高融点Ni合金粉末の融点が、1300℃以上であり、
    前記低融点Ni合金粉末の融点が、1250℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のNi基焼結合金。
  3. 前記高融点Ni合金粉末及び前記低融点Ni合金粉末が、1150〜1250℃、且つ2〜12時間の条件下で加熱されて焼結されることにより、生成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のNi基焼結合金。
  4. 前記高温部品がMGA1400CCで構成され、
    当該高温部品の補修部分に使用されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のNi基焼結合金。
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