JP4486176B2 - 真空バリアブルコンデンサの回転位置判別方法 - Google Patents

真空バリアブルコンデンサの回転位置判別方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置等で使用される高周波自動整合器内の真空バリアブルコンデンサの回転軸をステッピングモータで回転させるときの回転位置の判別方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体、液晶等を製造する装置として、高周波電力によって発生するプラズマを利用した装置がある。図1は、高周波電力によって発生するプラズマを利用した装置の機能説明図である。
図1において、高周波電源1は、高周波電力を発生させる電源であり、高周波電力の伝送線路である同軸ケーブル4と高周波自動整合器2とを介してプラズマ負荷装置3に高周波電力を供給する電源装置である。
プラズマ負荷装置3は、高周波電源1から供給される高周波電力によってプラズマを発生させて、エッチング、CVD等の用途に利用する装置である。
【0003】
高周波自動整合器2は、高周波電源1から供給された高周波電力をプラズマ負荷装置3に効率良く供給するために、高周波電力の伝送線路とプラズマ負荷装置3との間のインピーダンスを自動的に整合させる装置である。高周波電力の伝送線路とプラズマ負荷装置3との間のインピーダンスが整合していないと、プラズマ負荷装置3で反射波電力が発生するので、高周波電力を効率良くプラズマ負荷装置3に供給できない。
【0004】
インピーダンスを整合させるには、コンデンサ及びインダクタによってインピーダンスを変換する方法が一般的に知られている。通常は、プラズマ負荷装置3のインピーダンスが一定でないので、真空バリアブルコンデンサ5(以下、バリコン5という)、バリアブルインダクタ等の可変インピーダンス素子を使用してインピーダンスを整合させる。
【0005】
図1に示した高周波自動整合器2では、2個のバリコン及び2個のインダクタを用いてインピーダンスを変換している。
このような回路構成の場合、インピーダンスを変換させるためには、バリコンの静電容量を、プラズマ負荷装置3のインピーダンスにあわせて変化させればよい。
なお、高周波電源1の発振周波数によっては、固定コンデンサ、バリアブルインダクタ等を使用する回路構成もある。
【0006】
ここでバリコン5は、内部が真空になっていて、回転軸を回転させることによって静電容量が変化する構造になっている。図2は、バリコン5の回転軸の回転位置(以下、バリコン5の回転位置という)に対する静電容量の一例を示す回転位置・静電容量対応図である。そのために、バリコン5の回転軸とモータの回転軸とを連結すれば、モータの回転軸を回転させてバリコン5の静電容量を変化させることができる。
モータの種類は、DCモータ、サーボモータ等各種あるが、高周波自動整合器2にはステッピングモータ6が広く使用されている。
【0007】
そこで、カップリング7を用いてバリコン5の回転軸とステッピングモータ6の回転軸とを連結すれば、ステッピングモータ6の回転軸の回転に応じてバリコン5の回転軸が回転し、静電容量を変化させることができる。
ここで、インピーダンスが整合するときのバリコン5の回転位置が、予め求められている又は設定されているとすれば、この回転位置と現在の回転位置との差だけバリコン5の回転軸を回転させれば、インピーダンスを整合させることができる。
すなわち高周波自動整合器2は、ステッピングモータ6の回転軸の回転位置(以下、ステッピングモータ6の回転位置という)を検出すれば、バリコン5の回転位置が分かる。また、ステッピングモータ6の回転位置を制御することによってインピーダンスを整合させることができる。
【0008】
図3は、従来技術で用いていた多回転ポテンショメータ8及びギア9,10とから成る回転位置検出回路17を、バリコン5の回転位置が判別できるように取り付けたときの従来技術構成配置図である。
従来技術では、図3のように、多回転ポテンショメータ8及びギア9,10を用いてバリコン5の回転位置を検出していた。
バリコン5の回転軸は、カップリング7を用いて、ステッピングモータ6の回転軸と連結されていて、ステッピングモータ6の回転軸を回転させることによってバリコン5の回転軸が回転して静電容量が変化するようになっている。なお、カップリング7は絶縁材を使用して、バリコン5とステッピングモータ6とを絶縁している。
【0009】
絶縁材で作られた支持板11は、バリコン5と固定板12とを電気的に絶縁するとともに、バリコン5を固定板12に固定する。固定板12は、ステッピングモータ6と支持板11とを固定する。
【0010】
ステッピングモータ6の回転軸と多回転ポテンショメータ8の回転軸とに、それぞれギア9,10が取り付けられ、この2個のギア9,10の歯車がかみ合うように、ステッピングモータ6と多回転ポテンショメータ8とが配置されているので、ステッピングモータ6の回転軸が回転すると、2個のギア9,10を介して多回転ポテンショメータ8の回転軸が回転する構造になっている。
【0011】
多回転ポテンショメータ8は、回転軸が回転するに従い抵抗値が変化する素子である。そのために、ステッピングモータ6の回転軸の回転に応じて、多回転ポテンショメータ8の回転軸が回転して抵抗値が変化する。
すなわち、バリコン5の回転軸が回転すると、多回転ポテンショメータ8の抵抗値が変化する。
【0012】
図4は、ポテンショメータ8の抵抗値によって変化する電圧を検出するための電圧検出回路図である。
図4のA点は、多回転ポテンショメータ8の抵抗値によって変化する電圧の検出点であり、B点は、A点の検出電圧を増幅回路を用いて増幅した後の電圧検出点である。増幅回路は、例えば、OPアンプを使用した非反転増幅回路が使用できる。
図5は、バリコン5の回転位置に対する図4のA点及びB点の検出電圧の一例を示すバリコン回転位置・検出電圧対応図である。図5の点線は、A点の検出電圧であり、実線はB点の検出電圧である。
【0013】
以下に、図4のA点又はB点からバリコン5の回転位置を判別する従来技術の手順を図5を参照して説明する。
バリコン5の回転位置を判別するには、(1)A点の電圧をA/D変換してディジタル値に変換する方法と、(2)B点の電圧が基準電圧になるようにA点の電圧の大きさを増幅回路によって変換する方法とがある。
【0014】
(1)A点の電圧をA/D変換してディジタル値に変換する方法の場合は、バリコン5の回転位置を判別するために、A点の電圧とバリコン5の回転位置との相関関係のデータを高周波自動整合器2の制御回路に記憶する。
この場合、A点の電圧をA/D変換するために、図4の増幅回路の代わりにA/D変換器を接続する。
相関関係のデータを記憶していれば、次回にA点の電圧を検出したときに、A点の電圧に対するバリコン5の回転位置が判別できる。
【0015】
(2)B点の電圧が基準電圧になるようにA点の電圧の大きさを増幅回路によって変換する方法の場合は、図5の実線で示すように、B点の電圧が特定の基準電圧になるように、図4の増幅回路の出力電圧を調整すればよい。
例えば、バリコン5の回転位置が10回転のときの基準電圧を10[V]に決める場合に、バリコン5の回転位置が10回転のときのA点の検出電圧が5[V]であるときは、増幅回路の増幅率を2倍にして、B点の検出電圧を10[V]にすればよい。
このようにB点の電圧が特定の基準電圧になるようにしておけば、次回にB点の電圧を検出したときに、先に調整した基準電圧と比較することによって、バリコン5の回転位置を判別することができる。なお、図5に示すように、実線(B点の検出電圧)は比例しているので、B点の電圧は1点だけ調整しておけば、他の点は比例計算することができる。
例えば、次回に検出したB点の電圧が2[V]の場合、バリコン5の回転位置は2回転であると判別することができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
半導体製造装置等で使用される高周波自動整合器2は、小型化を要求されることが多い。
しかし、従来技術では、第1の問題点として、多回転ポテンショメータ8とギア9,10とから成る検出回路を用いてバリコン5の回転位置を検出しているために、検出回路の体積が大きくなってしまう欠点があった。
さらに、ギア9,10は以下の理由で小型化することができないので、検出回路も小型化することができなかった。
【0017】
▲1▼高周波自動整合器2は、高速にインピーダンスを整合させることが要求されるので、バリコン5の静電容量を高速に変化させる必要がある。よって、ステッピングモータ6の回転軸は高速で回転させる必要がある。
しかし、多回転ポテンショメータ8の回転軸を高速で回転させると、多回転ポテンショメータ8の回転軸、摺動接点等に負担がかかり、接触部分の摩耗による性能劣化、故障等の原因になる。そのために、回転軸、摺動接点等の負担を低減させるために、ギア比を大きくしてバリコン5の回転軸の回転数に対する多回転ポテンショメータ8の回転軸の回転数を減らして多回転ポテンショメータ8の負担を低減する必要がある。
すなわち、ステッピングモータ6に取り付けられているギア9の大きさよりも、多回転ポテンショメータ8に取り付けられているギア10を大きくする必要がある。
【0018】
▲2▼バリコン5の回転軸の回転角度は、多回転ポテンショメータ8の回転軸の回転角度に比べて大きいので、ギア比を大きくして多回転ポテンショメータ8の仕様に適合するように設計する必要がある。
【0019】
第2の問題点として、多回転ポテンショメータ8の回転軸を回転させて抵抗値を変化させているので、接触部分の摩耗による性能劣化が生じる。そのために、機械的な寿命が短いという欠点があった。
【0020】
第3の問題点として、バリコン5の回転位置を判別するには、前述したように、(1)図4のA点の電圧をA/D変換してディジタル値に変換する方法と、(2)図4のB点の電圧が基準電圧になるようにA点の電圧の大きさを増幅回路によって変換する方法とがあるが、次に示すように、バリコン5が異なるとデータ測定又は部品定数の調整を行う必要があり、作業工数が増えるという欠点があった。
【0021】
(1)図4のA点の電圧をA/D変換してディジタル値に変換する方法の場合は、多回転ポテンショメータ8の検出精度、ギア9,10の寸法精度等にばらつきがあるために、バリコン5の回転位置が同じであってもA点の検出電圧には、ばらつきが生じる。そのために、バリコン5が異なるごとに、A点の電圧とバリコン5の回転位置との相関関係のデータを測定する必要がある。
【0022】
(2)図4のB点の電圧が基準電圧になるようにA点の電圧の大きさを増幅回路によって変換する方法の場合は、図4に示す増幅回路が必要であり、適切な部品定数に調整する必要がある。例えば、OPアンプを使用した非反転増幅回路を増幅回路として使用した場合、抵抗値等の部品定数を調整する必要がある。
この場合でも、多回転ポテンショメータ8の検出精度、ギア9,10の寸法精度等にばらつきがあるために、バリコン5の回転位置が同じであってもA点及びB点の検出電圧にはばらつきが生じる。
そのために、バリコン5が異なるごとに、B点の検出電圧が基準電圧になるように、増幅回路の部品定数を調整する必要がある。
【0023】
本発明は、構成部品の体積を小さくする。また、非接触の手段によってバリコン5の回転位置を判別できるようにすることによって、高周波自動整合器2を小型化し、機械的な寿命を延ばし、個々のバリコン5に対するデータ測定又は回路の部品定数の調整を不要にすることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、真空バリアブルコンデンサの回転軸をステッピングモータで回転させるときの回転位置判別方法であって、
前記真空バリアブルコンデンサの回転軸の回転に応じてスリットを有するコードホイールを回転させるとともに、位相をずらした第1及び第2の検出信号を出力する非接触の手段であるフォトセンサ回路を用いて、前記コードホイールのスリットの有無を検出することによって、前記第1及び第2の検出信号を前記真空バリアブルコンデンサの回転軸の回転に応じてレベルが変化する第1及び第2のパルス信号とし、前記第1のパルス信号のレベルが変化するときに、前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号との関係から真空バリアブルコンデンサの回転位置の変化量を最大±1パルスの範囲でカウントし、
前記パルス信号のパルス数をカウントすることによって判別できる真空バリアブルコンデンサの回転位置の前回判別された回転位置に、前記変化量を加算することによって、現在の真空バリアブルコンデンサの回転位置を判別することを特徴とする真空バリアブルコンデンサの回転位置判別方法である。
【0025】
請求項2の発明は、請求項1に記載の前記第1のパルス信号がスリット有を示すレベルからスリット無を示すレベルに変化したときに、前記第2のパルス信号がスリット無を示すレベルのときは、真空バリアブルコンデンサの回転位置の変化量を+1パルスとし、
前記第1のパルス信号がスリット無を示すレベルからスリット有を示すレベルに変化したときに、前記第2のパルス信号がスリット無を示すレベルのときは、真空バリアブルコンデンサの回転位置の変化量を−1パルスとし、
前記第1のパルス信号がスリット有を示すレベルからスリット無を示すレベルに変化したときに、前記第2のパルス信号がスリット有を示すレベルのときは、真空バリアブルコンデンサの回転位置の変化量を±0パルスとし、
前記第1のパルス信号がスリット無を示すレベルからスリット有を示すレベルに変化したときに、前記第2のパルス信号がスリット有を示すレベルのときは、真空バリアブルコンデンサの回転位置の変化量を±0パルスとすることを特徴とする真空バリアブルコンデンサの回転位置判別方法である。
【0026】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の真空バリアブルコンデンサの回転軸が正回転した場合は、第1のパルス信号の方に比べて第2のパルス信号の方が、パルス信号の位相が進んでいることを特徴とする真空バリアブルコンデンサの回転位置判別方法である。
【0027】
【発明の実施の形態】
図6は、バリコン5の回転位置を判別するときの本発明の実施例を示すブロック図である。
【0028】
回転位置検出回路17は、後述するフォトセンサ回路13とコードホイール14とから成る検出回路であり、非接触の手段によってコードホイール14のスリットの有無を検出し、検出信号をパルス信号として出力する。
【0029】
3ビットカウンタ18は、3ビットのカウントデータを出力するパルスカウンタであり、2進数で000乃至111までの範囲でパルス数をカウントすることができる。すなわち、10進数で0乃至7までの範囲でパルス数をカウントすることができる。また、カウント値は、一定周期時間毎に制御回路19に出力される。
ここで、3ビットカウンタ18から制御回路19にカウント値を出力する周期時間は、ステッピングモータ6が最大速度で回転した時にフォトセンサ回路13から出力されるパルス信号の周期時間よりも短いようにする。このようにすれば、一定周期時間毎に出力されるカウント値の変化量は、最大±1パルスになる。
例えば、コードホイール14のスリットが200スリットあり、ステッピングモータ6が最大10回転/秒で回転する時、フォトセンサ回路13から出力されるパルス信号の周期時間は、500μ秒である。そのために、3ビットカウンタ18から制御回路19にカウント値を出力する周期時間を250μ秒にする。
【0030】
次に、3ビットカウンタ18のカウント値を10進数に換算して説明をする。
バリコン5の静電容量が大きくなるようにステッピングモータ6が回転した時を正回転とし、逆方向に回転した時を逆回転とすると、正回転した時は、回転位置検出回路17から1パルス入力される毎に、カウント値が、0→1→2→3→4→5→6→7→0→1→2・・・と変化し、逆回転した時は、回転位置検出回路17から1パルス入力される毎に、カウント値が、0→7→6→5→4→3→2→1→0→7→6・・・と変化する。
【0031】
目標回転位置設定回路20は、インピーダンスが整合する静電容量になるように、バリコン5の回転位置を設定する回路である(以下、設定された回転位置を、目標回転位置という)。なお、目標回転位置は予め求められているか又は設定されている。
【0032】
制御回路19は、次の機能を有する回路である。
▲1▼3ビットカウンタ18から入力されたカウント値によって、バリコン5の現在の回転位置(以下、現在回転位置という)を求める機能。
▲2▼目標回転位置設定回路20によって設定された目標回転位置と現在回転位置とを比較し、バリコン5の回転位置が目標回転位置になるように、目標回転位置と現在回転位置との差だけドライバ回路21に回転指令信号を出力する機能。
▲3▼任意の方向にステッピングモータ6の回転軸が回転するように、ドライバ回路21に回転指令信号を出力する機能。
【0033】
ドライバ回路21は、制御回路19から入力された回転指令信号に従いステッピングモータ6の回転軸を回転させる回路である。
【0034】
次に前述した図6のブロック図において、バリコン5の回転位置を判別する動作を説明する。
▲1▼まず、回転位置の基準点となる最小回転位置を判別するために、バリコン5を最小回転位置の方向に回転させる。バリコン5は、最小回転位置の方向に回転させると、最小回転位置で機械的に停止する。この時、制御回路19からドライバ回路21に回転指令信号を与えているにも関わらず、フォトセンサ回路13から出力される検出信号はHigh及びLowの変化をしなくなる。そのために、3ビットカウンタ18から出力されるカウント値も変化しなくなる。よって、バリコン5が停止していることがわかるので、基準点となるバリコン5の最小回転位置であると判別することができる。
同様の方法で、バリコン5を最大回転位置の方向に回転させていくと、最大回転位置を判別することができる。この最大回転位置を基準点にしてもよい。
最小回転位置又は最大回転位置になった時の回転位置を、制御回路19で基準点と認識するために、現在回転位置を0等の特定の数値に設定する。
【0035】
▲2▼制御回路19は、目標回転位置と現在回転位置とを比較し、その差だけステッピングモータ6を回転させるように、制御回路19からドライバ回路21に、回転指令信号を出力する。
【0036】
▲3▼ステッピングモータ6が回転すると、フォトセンサ回路13からパルス信号が出力されるので、3ビットカウンタ18のカウント値が変化する。このカウント値は、一定周期毎に制御回路19に入力される。なお、一定周期毎のカウント値の変化量は、最大±1パルスである。
【0037】
▲4▼制御回路19では、(新たに入力されたカウント値)−(前回入力されたカウント値)で計算される回転位置の変化量から、現在回転位置を演算する。なお、変化量が−7の時は、変化量を+1とし、変化量が+7の時は、変化量を−1とする。
回転位置の変化量が+1のときの現在回転位置は、(前回の現在回転位置+1)になる。
回転位置の変化量が−1のときの現在回転位置は、(前回の現在回転位置−1)になる。
【0038】
▲5▼上記▲2▼▲3▼▲4▼を繰り返すことによって、バリコン5を目標回転位置にすることができる。
なお、目標回転位置は、一定ではなく、目標回転位置設定回路20によって変更されることがある。例えば、プラズマ負荷装置3のインピーダンスが変化した場合には、インピーダンスを整合させるために、バリコン5の静電容量を変化させる必要がある。すなわち、バリコン5の目標回転位置を変化させる必要がある。
【0039】
▲6▼高周波自動整合器2の制御電源がOFFになった時等に、バリコン5の現在回転位置を保持する機能がないときには、前述の方法で再度、バリコン5の現在回転位置を判別すればよい。
【0040】
【実施例】
以下、図6を参照して図7乃至図11に記載した各機構及び回路の動作について説明する。
図7は、フォトセンサ回路13とコードホイール14とから成る回転位置検出回路17を、バリコン5の回転位置が検出できるように取り付けたときの本発明構成配置図である。
バリコン5の回転軸は、カップリング7を用いて、ステッピングモータ6の回転軸と連結して、ステッピングモータ6の回転軸を回転させることによってバリコン5の回転軸が回転して静電容量が変化するようになっている。なお、カップリング7は、絶縁材を使用して、バリコン5とステッピングモータ6とを絶縁している。
絶縁材で作られた支持板15は、バリコン5と固定板16とを電気的に絶縁するとともに、バリコン5を固定板16に固定する。固定板16は、ステッピングモータ6と支持板15とを固定する。
【0041】
コードホイール14は、ステッピングモータ6の回転軸に固定される。フォトセンサ回路13は、コードホイール14のスリットの有無を検出できるように、コードホイール14のスリット部の真下に設置する。
【0042】
図8は、コードホイール14の形状を説明するコードホイール形状説明図である。コードホイール14は、図8に示すように、同心円盤で円周に沿ってスリットがある形状をしていて、スリットがない部分では光を反射できる。
【0043】
フォトセンサ回路13は、発光部が発光する光の反射光を受光部で検出し、反射光のレベルに応じて、検出信号がHigh及びLowに変化する回路であり、後述するように位相をずらしたA相とB相との2つの検出信号を出力する。
フォトセンサ回路13は、例えば、HP社(ヒューレット・パッカード社)製のHEDR−8000が使用できる。
【0044】
図9は、フォトセンサ回路13の動作を説明するフォトセンサ回路動作説明図である。
図9(a)のように、コードホイール14のスリットがない部分がフォトセンサ回路13の真上に到達したときは、フォトセンサ回路13から発光された光が反射するので、検出信号がHighになり、図9(b)のようにコードホイール14のスリットがある部分がフォトセンサ回路13の真上に到達したときは、フォトセンサ回路13から発光された光が反射しないので、検出信号がLowになる。逆の論理のフォトセンサ回路13を用いてもよい。
【0045】
このようにすることによって、ステッピングモータ6の回転軸が回転すると、コードホイール14も回転するので、フォトセンサ回路13の検出信号は、High及びLowのパルス信号として出力される。
ステッピングモータ6の回転軸が回転していないときは、コードホイール14も回転しないので、フォトセンサ13の検出信号がHigh又はLowのままになる。
【0046】
以上のように、フォトセンサ回路13から出力される検出信号は、パルス信号として扱うことができるので、パルスの数をカウントすることによって、バリコン5の回転位置を判別することができる。
【0047】
3ビットカウンタ18は、フォトセンサ回路13から出力されるA相とB相との2つの検出信号から、2進数で000乃至111(10進数で0乃至7)の範囲でパルス数をカウントする回路である。
3ビットカウンタ18は、例えば、MACH社製のMACH210−12JCが使用できる。
【0048】
図10は、3ビットカウンタ18が、フォトセンサ回路13から出力される位相をずらしたA相とB相との2つの検出信号によって、パルス信号をカウントする動作を説明するカウント動作説明図であり、図10(a)は、フォトセンサ回路13から出力されるA相とB相との2つの検出信号を示すパルス信号図であり、図10(b)は、3ビットカウンタ18のカウント動作を説明するカウント動作図である。
【0049】
ステッピングモータ6の回転によって、コードホイール14が回転すると、図10(a)のように、フォトセンサ回路13から、位相をずらしたA相とB相との2つの検出信号が出力される。
ステッピングモータ6が正回転する場合は、A相の検出信号に比べて、B相の検出信号の方が、検出信号の位相が進んでいる。ステッピングモータ6が逆回転する場合は、B相の検出信号に比べて、A相の検出信号の方が、検出信号の位相が進んでいる。
【0050】
また、正回転から逆回転に回転方向が変化する場合は、A相の検出信号のレベルが変化する時(Low→High及びHigh→Low)、B相の検出レベルはHighになる。逆回転から正回転に回転方向が変化するときは、A相の検出信号のレベルが変化する時(Low→High及びHigh→Low)、B相の検出レベルはLowになる。
【0051】
3ビットカウンタ18は、図10(b)に示すように、A相とB相との2つの検出信号によって、パルス数をカウントしている。
例えば、ステッピングモータ6が正回転する場合は、A相のパルス信号が立ち上がる時に、B相がHighであるので、カウント数を+1する。また、A相のパルス信号が立ち下がる時は、B相がLowであるために、カウント数を変化させない。すなわち、A相のパルス信号が立ち上がる時と立ち下がる時との両方で、カウント数を+1する。
【0052】
ステッピングモータ6が正回転から逆回転に回転方向が変化する場合は、A相のパルス信号が立ち上がる時に、B相がHighであるので、カウント数を+1する。また、A相のパルス信号が立ち下がる時は、B相がHighであるので、カウント数を−1する。すなわち、A相のパルス信号が立ち上がる時と立ち下がる時との両方で、カウント数を変化させない。
【0053】
図10(b)で説明する動作から、以下の場合も前述と同様にしてパルス数をカウントすることができる。
ステッピングモータ6が逆回転する場合は、カウント数を−1する。また、ステッピングモータ6が正回転から逆回転に回転方向が変化する場合は、カウント数を変化させない。
【0054】
このように、3ビットカウンタ18は、A相とB相との2つの検出信号の関係から、パルス信号の変化量とコードホイール14の回転方向を判別することができる。なお、コードホイール14の回転方向を判別できるということは、ステッピングモータ6及びバリコン5の回転方向を判別できるということである。
【0055】
図11は、図6のブロック図の具体的な回路例を示す本発明の実施回路図である。ただし、図11は、バリコン5とコードホイール14とを除いた回路例である。
なお、制御回路19はソフトウェアによって制御するためにCPU22を用い、回路を簡略化するために、主部品であるCPU22のみを記載している。また、ドライバ回路21も、回路を簡略化するために、主部品であるモータドライバ23のみを記載している。
さらに、図11は、ステッピングモータ6を2個使用する回路例であるために、フォトセンサ回路13とモータドライバ23とは、ステッピングモータ6に対応して各2個使用している。
【0056】
CPU22のPORT4とPORT5とFRT1AとFRT1BとPORT6とPORT7とPORT8とFRT2AとFRT2Bとは、モータドライバ23を制御する信号の出力端子であり、ADC1とADC2とは目標回転位置設定回路20から送られる目標回転位置を示す信号の入力端子であり、PORT0とPORT1とPORT2とは、3ビットカウンタ18から送られるカウント値を示す信号の入力端子であり、PORT3は、3ビットカウンタ18を制御する信号の出力端子である。
CPU22は、例えば、日立製作所社製のHD6475368CP10が使用できる。このCPU22は、内部に演算部、制御部の他に記憶部がありソフトウェア及びバリコン5の回転位置等のデータを記憶する。
【0057】
モータドライバ23のM1とM2とM3とM4とM5とは、ステッピングモータ6の励磁モードを設定する信号の入力端子であり、CLKは、ステッピングモータ6の動作パルス数を指令する信号の入力端子であり、CWBは、ステッピングモータ6の動作方向を示す信号の入力端子であり、RESETは、リセット信号の入力端子であり、AとA(反転)とBとB(反転)とは、ステッピングモータ6の相励磁信号の入力端子であり、PGとSGとは、電源のGND端子であり、VREFは、リファレンス電圧の入力端子である。
ただし、M4とM5とは、本発明で使用する励磁モードには関係ないために、5Vに接続されている。
モータドライバ23は、例えば、三洋電機社製のSTK672−050が使用できる。
【0058】
3ビットカウンタ18のD0とD1とD2とは、カウント値を示す信号の出力端子であり、RCKは、2個あるフォトセンサ回路13の内どちらのフォトセンサ回路13からパルス信号を入力するかを決める選択信号の入力端子であり、A1とB1とは、パルス信号の入力端子である。
【0059】
フォトセンサ回路13のAとBとは、パルス信号の出力端子であり、5V入力は、5Vの入力端子である。
ステッピングモータ6はドライバ回路21からの制御信号を入力して動作する。
【0060】
図11のような回路によって、前述したバリコン5の回転位置を判別するハードウェアを構成することができる。また、CPU22を使用するので、前述した方法をプログラミングすることによって、バリコン5の回転位置を判別するための制御が可能となる。
【0061】
【発明の効果】
(1) 本発明では、フォトセンサ回路13とコードホイール14とを回転位置検出回路17として使用し、このフォトセンサ回路13は、多回転ポテンショメータ8に比べ小さなものであり、コードホイール14は、ステッピングモータ6の回転軸に取り付けるために、従来技術に比べて、構成部品の体積を小さくできる。
(2)非接触の手段によってバリコン5の回転位置を判別するので、検出回路の機械的な摩耗がなく寿命が延びる。
(3) 本発明では、フォトセンサ回路13から出力されるHigh及びLowのパルス信号によって、バリコン5の回転位置を判別している。このパルス信号は、バリコン5の回転位置に応じて定まったパルス数となるので、バリコン5が異なっても、従来技術で必要であったバリコン5の回転位置と出力信号との相関関係のデータの測定又は回路の部品定数の調整が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、高周波電力によって発生するプラズマを利用した装置の機能説明図である。
【図2】図2は、バリコン5の回転位置に対する静電容量の一例を示す回転位置・静電容量対応図である。
【図3】図3は、従来技術で用いていた多回転ポテンショメータ8及びギア9,10とから成る回転位置検出回路17を、バリコン5の回転位置が判別できるように取り付けたときの従来技術構成配置図である。
【図4】図4は、ポテンショメータ8の抵抗値によって変化する電圧を検出するための電圧検出回路図である。
【図5】図5は、バリコン5の回転位置に対する図4のA点及びB点の検出電圧の一例を示すバリコン回転位置・検出電圧対応図である。
【図6】図6は、バリコン5の回転位置を判別するときの本発明の実施例を示すブロック図である。
【図7】図7は、フォトセンサ回路13とコードホイール14とから成る回転位置検出回路17を、バリコン5の回転位置が検出できるように取り付けたときの本発明構成配置図である。
【図8】図8は、コードホイール14の形状を説明するコードホイール形状説明図である。
【図9】図9は、フォトセンサ回路13の動作を説明するフォトセンサ回路動作説明図である。
【図10】図10は、3ビットカウンタ18が、フォトセンサ回路13から出力される位相をずらしたA相とB相との2つの検出信号によって、パルス信号をカウントする動作を説明するカウント動作説明図である。
【図11】図11は、図6のブロック図の具体的な回路例を示す本発明の実施回路図である。
【符号の説明】
1 高周波電源
2 高周波自動整合器
3 プラズマ負荷装置
4 同軸ケーブル
5 真空バリアブルコンデンサ(バリコン)
6 ステッピングモータ
7 カップリング
8 多回転ポテンショメータ
9 ギア
10 ギア
11 支持板
12 固定板
13 フォトセンサ回路
14 コードホイール
15 支持板
16 固定板
17 回転位置検出回路
18 3ビットカウンタ
19 制御回路
20 目標回転位置設定回路
21 ドライバ回路
22 CPU
23 モータドライバ
A 電圧検出点
B 電圧検出点
V 電源電圧

Claims (3)

  1. 真空バリアブルコンデンサの回転軸をステッピングモータで回転させるときの回転位置判別方法であって、
    前記真空バリアブルコンデンサの回転軸の回転に応じてスリットを有するコードホイールを回転させるとともに、位相をずらした第1及び第2の検出信号を出力する非接触の手段であるフォトセンサ回路を用いて、前記コードホイールのスリットの有無を検出することによって、前記第1及び第2の検出信号を前記真空バリアブルコンデンサの回転軸の回転に応じてレベルが変化する第1及び第2のパルス信号とし、前記第1のパルス信号のレベルが変化するときに、前記第1のパルス信号と前記第2のパルス信号との関係から真空バリアブルコンデンサの回転位置の変化量を最大±1パルスの範囲でカウントし、
    前記パルス信号のパルス数をカウントすることによって判別できる真空バリアブルコンデンサの回転位置の前回判別された回転位置に、前記変化量を加算することによって、現在の真空バリアブルコンデンサの回転位置を判別することを特徴とする真空バリアブルコンデンサの回転位置判別方法。
  2. 前記第1のパルス信号がスリット有を示すレベルからスリット無を示すレベルに変化したときに、前記第2のパルス信号がスリット無を示すレベルのときは、真空バリアブルコンデンサの回転位置の変化量を+1パルスとし、
    前記第1のパルス信号がスリット無を示すレベルからスリット有を示すレベルに変化したときに、前記第2のパルス信号がスリット無を示すレベルのときは、真空バリアブルコンデンサの回転位置の変化量を−1パルスとし、
    前記第1のパルス信号がスリット有を示すレベルからスリット無を示すレベルに変化したときに、前記第2のパルス信号がスリット有を示すレベルのときは、真空バリアブルコンデンサの回転位置の変化量を±0パルスとし、
    前記第1のパルス信号がスリット無を示すレベルからスリット有を示すレベルに変化したときに、前記第2のパルス信号がスリット有を示すレベルのときは、真空バリアブルコンデンサの回転位置の変化量を±0パルスとすることを特徴とする請求項1に記載の真空バリアブルコンデンサの回転位置判別方法。
  3. 真空バリアブルコンデンサの回転軸が正回転した場合は、第1のパルス信号の方に比べて第2のパルス信号の方が、パルス信号の位相が進んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の真空バリアブルコンデンサの回転位置判別方法。
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