JP4484706B2 - 流体スプレー装置 - Google Patents

Description

本発明は、流体スプレー装置に関し、さらに具体的に言えば、２ドーズ型、すなわち投与される２ドーズ分の量の流体を貯蔵する鼻用のスプレー装置に関する。

２ドーズ型のスプレー装置は、特に製薬の分野において、数々の用途のため開発されている。特に、そうした装置は鼻用スプレーの分野で使用されている。そうした装置は一般的に、容器を有し、当該容器には２ドーズ分の量の流体が貯蔵されており、各ドーズはそれぞれの鼻孔へ適用されることを目的としている。
流体の性質によっては、特に医薬の場合、流体の充填および保管の条件は極めて制約的なものとなりうる。医薬品の分野では、流体（すなわち、液体または粉末）の多くは、無菌区域で充填しなければならず、また、低温室内で保管しなければならない。一般的に、既存のスプレー装置は、装置が完全に組み立てられた後に流体を充填するため、問題となる装置に特別に適合された充填機が必要となり、当然のことながら、この機械は無菌区域に置かなければならない。充填後は、装置全体を冷温室内で保管しなければならない。無菌区域の表面積あたりおよび低温室の容積あたりにかかる極めて高いコストを考慮すれば、特別な充填機の使用は、コストの面で問題となり、同じことは低温室内での保管にも当てはまる。鼻用スプレー装置の容積はしばしばかなり大きいためである。

本発明は、上記の問題が生じない流体スプレー装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、充填中に必要となる無菌区域の表面積と保管中に必要となる低温室の容積とを最小限にする流体スプレー装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、製造および組み立てが簡単かつ低コストであって、確実に動作する流体スプレー装置を提供することを目的とする。

そこで、本発明は、流体スプレー装置であって、スプレー開口部が設けられた本体と、スプレーされる流体を貯蔵している容器と、容器に貯蔵された１ドーズ分または複数ドーズ分の流体をスプレーするスプレー手段と、前記スプレー手段を駆動するための駆動手段とを有し、前記容器は、スプレー装置の初回駆動時前の時点では密封された形で閉じられており、本体は、装置の駆動中に前記容器を開けるよう作られた容器開け手段を有し、特徴となるのは、前記容器が、前記本体とは別になった密封ユニットを形成しており、前記容器は、前記本体に組み入れられる前に流体を充填され密封状態で閉じられており、前記本体が、容器を収容する受け止め手段と、前記充填された容器を前記本体に横方向から組み入れ、その中に固定することを可能にする側面アクセス手段とを有することである、という前記装置を提供する。

また、効果的な構成として、前記側面アクセス手段は、前記本体の側面壁に設けられた窓を有することとする。
また、効果的な構成として、前記側面アクセス手段は、径方向に見て対向する形で２つの窓を有することとする。
また、効果的な構成として、容器を収容する前記受け止め手段は、容器を前記本体にスナップ留めするためのスナップ留め手段を有することとする。

また、効果的な構成として、前記容器は、中空のチューブによって形成され、前記チューブに配置された第１および第２のプラグによって密封された状態で閉じられており、流体は前記第１のプラグと第２のプラグとの間に配置されていることとする。
また、効果的な構成として、スプレー手段は、軸方向に移動が可能なロッドを有し、当該ロッドは、前記容器の第１のプラグと協働することとする。

また、効果的な構成として、前記駆動手段は、側面駆動部品を有し、当該側面駆動部品は、前記スプレー手段の移動方向とは異なる方向に移動できることとする。
また、効果的な構成として、前記容器開け手段は、容器の第２のプラグに穴を開ける穴開け手段を有することとする。
また、効果的な構成として、スプレー手段、駆動手段、そして容器開け手段は、組み立てられてユニットを形成し、容器は、充填されプラグで閉じられた後に前記ユニットに組み入れられることとする。

また、効果的な構成として、前記側面アクセス手段は、取り外し可能なカバーを有することとする。
また、効果的な構成として、容器は、２ドーズ分の量の流体を貯蔵し、前記スプレー手段および／あるいは前記駆動手段はドーズ小分け手段を有し、それによって装置が駆動されるたびに１ドーズ分の流体がスプレーされることとする。

本発明に関する他の特徴および効果については、添付図面を参照しながら、非限定的な例として示す以下の詳細な説明を読めば、さらに明らかになるだろう。
図１は、本発明の流体スプレー装置に合わせて作られた容器２０を示す。容器は、装置の他の部分とは別になった密封ユニットを形成しており、当該密封ユニットは、効果的な構成として、中空のチューブ２１によって構成されており、当該中空のチューブの両方の端部には第１の密封プラグ２２と第２の密封プラグ２３とがそれぞれ差し込まれている。この型の容器は、ガラスまたは他の何らかの適当な素材で作ればよく、プラグ２２、２３は、弾性素材または充填後に中身を容器２０の内部に密封するのに適した他の何らかの素材で作ればよい。この型の容器は、特に２ドーズ分の量の流体のみを貯蔵する場合には、サイズが極めて小さいため、容器の充填に必要となる無菌区域の表面積と充填後に前記容器を保管するのに必要となる冷温室の容積とを制限する。

図２は、スプレー装置の概略図であり、この装置の中に図１の容器をはめ込むことができる。装置は、スプレー開口部１５が設けられた本体１０を有する。本体１０は、容器２０を開けるための開け手段１１を有し、当該開け手段は、たとえばニードルなどの穴開け手段によって形成することができる。好ましい構成として、ニードル１１は、本体１０に対して静止しており、スプレー開口部１５と対向する形または接続された形で配置されている。ニードルは、装置が駆動されている間に、容器２０の第２のプラグ２３に穴を開けるよう設計されている。スプレー装置は、スプレー手段３０と前記スプレー手段を駆動するための駆動手段４０とをさらに有する。最適な治療効果を提供するために流体を細かくスプレーしなければならない鼻用スプレー装置では特に、スプレーは重要な側面である。効果的な構成として、スプレー手段３０は、ロッドまたはロッドに近い部品を有しており、当該ロッドまたはロッドに近い部品は、軸方向に移動することができ、容器２０の第１のプラグ２２と協働して前記プラグを容器２０の内部でピストンとして軸方向に移動させる。公知の方法では、第１のプラグ２２が容器の内部で移動すると、前記容器の内部の圧力が高くなるため、第２のプラグ２３はニードル１１の方へ移動され、最終的にはプラグ２３を前記ニードルが貫通して容器２０の中身がスプレー開口部１５に達することとなる。好ましい構成として、駆動手段４０は、側面駆動部品、すなわち、スプレー手段３０の移動方向とは異なる方向に移動される部品を有する。たとえば、側面駆動部品４０を、本体１０に設置され、スプレー手段３０と協働して駆動中に前記スプレー手段を移動させるピボットタブの形で作ることができる。当然のことながら、異なったスプレーと駆動手段とを考えることもできるだろう。２ドーズ型装置の場合には、効果的な構成として、容器の中身を２ドーズ分の量に分けるためにドーズ小分け手段が設けられている。ドーズ小分け手段は、本発明に直接関連しておらず、また、それら手段はいかなる様態であってもよいので、以下にこれ以上詳細を説明しないこととする。

本発明において、本体１０は容器を収容するための受け止め手段１３と側面アクセス手段１４とを有する。側面アクセス手段１４は、容器２０を横方向から本体１０の中に入れることを可能にするものであり、これによって、装置の使用直前に本体の内部に容器を組み入れることができる。容器は、本体、スプレー手段、駆動手段、そして容器開け手段によって形成される完成ユニットの内部に組み入れられる。効果的な構成として、側面アクセス手段は、本体１０の側面壁に作られた少なくとも１つの窓１４を有する。図に示す本体１０は、径方向に見て対向する形で２つの側面窓１４を有する。容器を収容するための受け止め手段１３は、スナップ留め手段の形とすることができるが、それ以外でも容器２０が本体１０の内部にしっかりと収容されることを可能にするのに適した手段であれば、いかなる様態で作ってもよい。当然のことながら、補助の固定手段または受け手段（図示せず）を設け、容器が本体にさらにしっかりと固定されるようにしてもよい。取り外し可能な蓋（図示せず）を側面窓１４用に設けることもでき、この蓋はいかなる形でも、望む通りに作ればよい。

容器は横方向から本体に入れられるので、結果として、容器を別個に作り、充填し、密封状態で栓をし、その後スプレー装置の他の部分とは別に保管する、ということが可能になる。スプレー装置の他の部分についても、そのものは、非無菌区域で組み立て、冷温室以外の場所で保管することができる。容器は、装置が使用される直前に本体１０の内部に組み入れることができ、容器の中身は装置の初回使用時まで密封プラグ２２、２３によって保護された状態を保つ。容器を横方向から入れるという点は、スプレー手段を軸方向に移動する形で側面駆動を用いることを可能とし、容器がない状態で装置全体を組み立てることを可能とする、という効果を示す。装置の組み立ては簡易化され、装置そのものも簡易化される。具体的には、前記容器を本体の内部に軸方向に組み入れる場合に、一般的に容器を前もって組み立てるのに必要となる部品が不要となる。したがって、本発明によれば、より低コストで、確実に動作し、充填および保管の工程において相当の省力が可能となる、という流体スプレー装置を作ることができる。

ここまで、本発明に関して、特定の実施の形態に関連付けて説明してきたが、当然のことながら、当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を逸脱しない形でいかなる変形を施すこともできるだろう。

本発明の効果的な実施の形態を構成する流体スプレー装置の流体容器を示す概略断面図である。 本発明の効果的な実施の形態を構成する流体スプレー装置の概略断面図であり、この装置の中に図１の容器をはめ込むことができる。 図２と同様の図であり、容器の内部に固定された容器を示す図である。 図３と同様の図であり、装置の駆動後の図である。 本発明の効果的な実施の形態を構成する流体スプレー装置の概略斜視図であり、装置と容器とを別個に示す図である。

Claims (10)

1. 流体スプレー装置であって、
   スプレー開口部（１５）が設けられた本体（１０）と、スプレーされる流体を貯蔵している容器（２０）と、容器（２０）に貯蔵された１ドーズ分または複数ドーズ分の流体をスプレーするスプレー手段（３０）と、前記スプレー手段（３０）を駆動するための駆動手段（４０）とを有し、
   前記駆動手段（４０）は、スプレー手段３０の移動方向とは異なる方向に移動することが可能な側面駆動部品を有し、
   前記容器（２０）が、前記本体（１０）とは別になった密封ユニットを形成しており、前記容器（２０）は、前記本体（１０）に組み入れられる前に流体を充填され密封状態で閉じられており、
   前記本体（１０）が、
   前記充填され密封状態で閉じられた容器（２０）を収容する受け止め手段（１３）と、
   前記充填され密封状態で閉じられた容器（２０）を前記本体（１０）に横方向から組み入れ、その中に固定することを可能にする側面アクセス手段（１４）と、
   を有し、
   前記容器（２０）は、前記本体（１０）に組み入れられてから、スプレー装置が初回駆動されるまでの間、密封された形で閉じられており、
   前記本体（１０）は、自装置の駆動中に前記容器（２０）を開けるよう作られた容器開け手段（１１）を有する
   ことを特徴とする流体スプレー装置。
2. 前記側面アクセス手段は、前記本体（１０）の側面壁に設けられた窓（１４）を有すること、
   を特徴とする請求項１に記載の流体スプレー装置。
3. 前記側面アクセス手段は、径方向に見て対向する形で２つの窓（１４）を有すること、
   を特徴とする請求項２に記載の流体スプレー装置。
4. 前記容器（２０）を収容する前記受け止め手段（１３）は、前記容器（２０）を前記本体（１０）にスナップ留めするためのスナップ留め手段を有すること、
   を特徴とする請求項１乃至３に記載の流体スプレー装置。
5. 前記容器（２０）は、中空のチューブ（２１）によって形成され、前記チューブ（２１）に配置された第１および第２のプラグ（２２、２３）によって密封された状態で閉じられており、流体は前記第１のプラグ（２２）と第２のプラグ（２３）との間に配置されていること、
   を特徴とする請求項１乃至４に記載の流体スプレー装置。
6. 前記スプレー手段（３０）は、軸方向に移動が可能なロッド（３１）を有し、当該ロッドは、前記容器（２０）の第１のプラグ（２２）と協働すること、
   を特徴とする請求項５に記載の流体スプレー装置。
7. 前記容器開け手段（１１）は、前記容器（２０）の第２のプラグ（２３）に穴を開ける穴開け手段を有すること、
   を特徴とする請求項５または６に記載の流体スプレー装置。
8. 前記本体（１０）、前記スプレー手段（３０）、前記駆動手段（４０）、そして前記容器開け手段（１１）は、組み立てられてユニットを形成し、前記容器（２０）は、充填されプラグで閉じられた後に前記ユニットに組み入れられること、
   を特徴とする請求項１乃至７に記載の装置。
9. 前記側面アクセス手段（１４）は、取り外し可能なカバーを有すること、
   を特徴とする請求項１乃至８に記載の流体スプレー装置。
10. 前記容器（２０）は、２ドーズ分の量の流体を貯蔵し、前記スプレー手段（３０）および／あるいは前記駆動手段（４０）はドーズ小分け手段を有し、それによって装置が駆動されるたびに１ドーズ分の流体がスプレーされること、
    を特徴とする請求項１乃至９に記載の流体スプレー装置。

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