JP4483609B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来から、排気ガス中のNOx(窒素酸化物)濃度やPM(微粒子物質)の量などのエミッション値が目標エミッション値(基本目標エミッション値)となるように制御する内燃機関の制御装置が知られている。一般的には、NOx(窒素酸化物)の排出量などを低減するために、内燃機関から排出された排気ガスの一部を吸気系に還流させる排気ガス再循環(EGR;Exhaust Gas Recirculation)制御装置が広く用いられている。
例えば、特許文献1及び特許文献2には、排気ガス中のNOx濃度が、運転状態によって定められた目標濃度となるように、EGR通路上に設けられたEGR弁の開度を制御する技術が記載されている。また、特許文献3には、内燃機関の出力と燃費とが悪化しない範囲で目標NOx濃度を設定する技術が記載されている。更に、特許文献4には、過渡状態における目標NOx濃度からのずれを燃料噴射時期以外のパラメータによって調整する技術が記載されている。
特開2001−152879号公報 特開平10−252573号公報 特開2002−371893号公報 特開2004−36557号公報
ところで、目標NOx濃度などの基本目標エミッション値は内燃機関の運転状態によって変更されるが、このように基本目標エミッション値が変更された場合には、基本目標エミッション値の変更に対する実エミッション値の応答遅れが生じる場合がある。上記した特許文献1乃至4に記載された技術においては、このような実エミッション値の応答遅れを考慮して制御を行っていなかったため、基本目標エミッション値を変更することによって、エミッションや燃費の悪化を招いてしまう場合があった。
そこで、本発明は、基本目標エミッション値を修正した修正目標エミッション値を用いることによって、基本目標エミッション値に対する実エミッション値の追従遅れによる影響を低減することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点では、内燃機関のエミッション値を制御する内燃機関の制御装置では、前記内燃機関の動作状態に基づいて、基本目標エミッション値を取得する基本目標エミッション値取得手段と、前記実エミッション値を取得する実エミッション値取得手段と、前記実エミッション値と前記基本目標エミッション値との偏差を算出する偏差算出手段と、前記偏差を積算したエミッション偏差積算値に基づいて、前記基本目標エミッション値を修正した修正目標エミッション値を算出する修正目標エミッション値算出手段と、を備え、前記修正目標エミッション値算出手段は、エミッション偏差反映ゲインを算出し、前記基本目標エミッション値から、前記エミッション偏差積算値に対して前記エミッション偏差反映ゲインを乗じた値を減算した値を、前記修正目標エミッション値とする。
上記の内燃機関の制御装置は、内燃機関における現在の実エミッション値が基本目標エミッション値になるように制御する装置である。実エミッション値取得手段は、内燃機関から排出されるNOx濃度やPMの量などのエミッション値を取得し、基本目標エミッション値取得手段は、実エミッション値を基本目標エミッション値に設定する際に用いる、目標NOx濃度や目標PM量などの基本目標エミッション値を取得する。偏差算出手段は、実エミッション値と基本目標エミッション値との偏差を算出し、修正目標エミッション値算出手段はこの偏差を積算(積分)したエミッション偏差積算値に基づいて、基本目標エミッション値を修正した修正目標エミッション値を算出する。これにより、内燃機関の制御装置は、基本目標エミッション値を変更しても、基本目標エミッション値を修正した修正目標エミッション値に基づいて制御することによって、基本目標エミッション値に対する実エミッション値の応答遅れによって生じる影響を低減することが可能となる。
ここで、基本目標エミッション値は、内燃機関の動作状態などに応じ、所定の演算又はマップなどに基づいて決定される目標値であり、実際の実エミッション値は考慮されていない値である。これに対し、修正目標エミッション値は、実エミッション値を考慮して、基本目標エミッション値を修正することにより得られるエミッション目標値である。
また、前記修正目標エミッション値算出手段は、エミッション偏差反映ゲインを算出し、前記基本目標エミッション値から、前記エミッション偏差積算値に対して前記エミッション偏差反映ゲインを乗じた値を減算した値を、前記修正目標エミッション値とする。この場合、修正目標エミッション値算出手段は、内燃機関の運転状態やエミッション偏差積算値の大きさなどに基づいて、エミッション偏差反映ゲインを算出する。例えば、修正目標エミッション値算出手段は、実エミッション値を即座に基本目標エミッション値に収束させたい場合には、エミッション偏差反映ゲインを大きな値に設定し、実エミッション値を緩やかに基本目標エミッション値に収束させたい場合には、エミッション偏差反映ゲインを小さな値に設定することができる。そして、修正目標エミッション値算出手段は、エミッション偏差積算値に対してエミッション偏差反映ゲインを乗算し、基本目標エミッション値からこの乗算した値を減算した値を修正目標エミッション値とする。このように、エミッション偏差反映ゲインを用いて修正目標エミッション値を設定することにより、実エミッション値を所望の時間で基本目標エミッション値に収束させることが可能となる。よって、実エミッション値と基本目標エミッション値とのずれを、短時間でより小さくすることも可能となる。
上記の内燃機関の制御装置の他の一態様では、前記修正目標エミッション値算出手段は、前記修正目標エミッション値が上限値及び下限値によって規定される所定範囲内に収まるように、当該修正目標エミッション値を算出する。
この態様では、修正目標エミッション値算出手段は、修正目標エミッション値が上限値及び下限値によって規定される所定範内に収まるように、修正目標エミッション値を算出する。このように、修正目標エミッション値に上限値及び下限値を設定しているのは、エミッション値を変化させるために操作される制御要素の制御速度には限界があるからである。更に、修正目標エミッション値がかなり大きな値や小さな値になってしまった場合には、ドライバビリティーの悪化や内燃機関の燃焼悪化などが生じてしまう場合があるからである。よって、修正目標エミッション値に上限値及び下限値を設けることにより、ドライバビリティーの悪化や燃焼悪化を抑制することが可能となる。
好適な実施例では、上記の内燃機関の制御装置は、前記内燃機関の吸気系に還流させるEGRガスの量を制御するEGR制御手段を更に備え、前記実エミッション値取得手段は、前記内燃機関から排出される排気ガス中のNOx濃度に基づいて、前記実エミッション値を取得し、前記EGR制御手段は、前記修正目標エミッション値に基づいて、前記EGRガスの量を制御することができる。
この場合、内燃機関の制御装置は、内燃機関の吸気系に還流させるEGRガスの量を制御するEGR制御手段を更に備えている。即ち、内燃機関の制御装置は、いわゆるEGR制御装置として機能する。例えば、EGR制御手段は、吸気通路上に設けられた吸気絞り弁の開度や、EGR通路上に設けられたEGR弁の開度などを制御する。更に、実エミッション値取得手段は、内燃機関から排出される排気ガス中のNOx濃度に基づいて、実エミッション値を取得することができる。修正目標エミッション値算出手段は、取得された実エミッション値と基本目標エミッション値との偏差を積算したエミッション偏差積算値に基づいて、基本目標エミッション値を修正した修正目標エミッション値を算出する。そして、EGR制御手段は、修正目標エミッション値算出手段が算出した修正目標エミッション値に基づいて、内燃機関に還流させるEGRガスの量を制御する。これにより、排気ガス中のNOx濃度を、所望の濃度に適切に設定することが可能となる。例えば、目標NOx濃度を変更したことによって、目標NOx濃度に対して排気ガス中の実際のNOx濃度の追従遅れが生じても、NOxが余分に排出されることを抑制することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[EGR制御装置の構成]
ここでは、本発明に係る内燃機関の制御装置の一実施形態として、EGR制御装置について説明する。図1は、EGR制御装置を搭載した車両の概略構成を示す模式図である。
車両は、主に、内燃機関1と、ECU(Engine Control Unit)2と、吸気通路3と、過給機4と、吸気絞り弁(スロットル弁)5と、排気通路7と、EGR通路8と、EGR弁9と、NOxセンサ10と、を備える。
内燃機関1は、燃焼室内の混合気を爆発させて動力を発生する装置である。内燃機関1は、例えば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどのエンジンとすることができる。
吸気通路3には、矢印20aで示すように吸気が供給される。吸気通路3中には過給機4が設けられており、過給機4は流入した吸気を圧縮する。また、吸気通路3には、吸気絞り弁5が設けられている。吸気絞り弁5は、内燃機関1に供給する吸気の流量を調整する。この吸気絞り弁5は、ECU2から供給される制御信号S1によって開度が制御される。
排気通路7は、内燃機関1から排出された排気ガスが流通する。この排気通路7中には、EGR通路8が接続されている。具体的には、EGR通路8は、一端が排気通路7に接続され、他の一端が吸気通路3に接続されている。EGR通路8には、矢印20bで示すように排気ガスの一部が流入し、流入した排気ガスは矢印20cで示すように吸気系に還流される。
EGR通路8上にはEGR弁9が設けられており、EGR弁9によって吸気系に還流される排気ガスの流量が調整される。即ち、EGR弁9の開度を制御することによって、EGRのガス量(EGRガス量)が調整される。このEGR弁9は、ECU2から供給される制御信号S2によって開度が制御される。
内燃機関1から排出された排気ガスは、過給機4へ流入し、過給機4内の図示しないタービンホイールを回転させる。その際、タービンホイールの回転トルクは、過給機4内の図示しないコンプレッサホイールへ伝達される。これにより、吸気は、過給機4を通過する際に圧縮される。
また、排気通路7上には、NOxセンサ10が設けられている。NOxセンサ10は、排気通路7を矢印20dで示すように流れる排気ガス中のNOx濃度を検出し、検出したNOx濃度に対応する信号S3をECU2に出力する。
ECU2は、図示しないCPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インタフェイスなどを含んで構成される。ECU2は、内燃機関1における現在の実エミッション値が基本目標エミッション値になるように制御を実行する。具体的には、ECU2は、運転状態に基づいて目標NOx濃度を算出し、内燃機関1から排出される排気ガス中のNOx濃度が目標NOx濃度となるように、EGR弁9の開度や吸気絞り弁5の開度などを制御する。ECU2は、詳細は後述するが、実エミッション値取得手段、基本目標エミッション値取得手段、偏差算出手段、修正目標エミッション値算出手段、及びEGR制御手段として機能する。
ここで、基本目標エミッション値を変更したときの実エミッション値の変化について、図2を用いて説明する。図2は、横軸に時間を示し、縦軸にエミッション値を示す。縦軸に示すエミッション値は、実際のエミッション値及び基本目標エミッション値を示しており、例えば、排気ガス中の実際のNOx濃度又は目標NOx濃度などに相当する。
破線22は、基本目標エミッション値に対応し、実線21は、実際のエミッション値である実エミッション値を示している。基本目標エミッション値は、内燃機関1の運転状態などに基づいてECU2によって決定され、車両の運転状態に応じて時間的に変化する。また、実エミッション値は、例えば、NOxセンサ10が検出したNOx濃度などに対応する。
破線22は、時刻t11において車両の運転状態が変化し、基本目標エミッション値が小さな値に変更されたことを示している。また、実線21より、時刻t11以前では、実際の実エミッション値は基本目標エミッション値に一致しているが、基本目標エミッション値を変更した時刻t11の後、実際の実エミッション値は基本目標エミッション値に一致していないことがわかる。更に、時刻t11から所定時間経過した時刻t12において、実エミッション値が基本目標エミッション値に一致していることがわかる。即ち、基本目標エミッション値を変更した場合、実エミッション値は基本目標エミッション値に対して追従遅れが生じている。言い換えると、実エミッション値は、基本目標エミッション値に対して応答遅れが生じている。これは、実エミッション値を変化させるために制御される制御要素(例えば、EGR弁9の開度)には、操作可能な速度(応答速度)に限界があるためである。
このように、実エミッション値が基本目標エミッション値に対して追従遅れを生じた場合には、NOxなどが余分に排出されてしまう。詳しくは、実エミッション値が基本目標エミッション値に一致した時点(時刻t12)で、領域A(図2中のハッチング領域)の面積に相当する量のNOxなどが余分に排出されていることになる。したがって、基本目標エミッション値に対する実エミッション値の追従遅れが生じることによって、例えばエミッションの悪化や燃費の悪化などが生じてしまう場合がある。なお、この領域Aの面積は、基本目標エミッション値に対する実エミッション値の偏差を積算(積分)した値に相当する。即ち、領域Aの面積は、後述するエミッション偏差積算値に相当する。
なお、基本目標エミッション値に対する実エミッション値の追従遅れは、基本目標エミッション値を小さな値に変更する際にのみ生じるのではなく、基本目標エミッション値を大きな値に変更する際にも同様に生じる。例えば、基本目標エミッション値をNOx濃度によって定めたときに、この基本目標エミッション値を大きな値に設定する場合には、基本目標エミッション値に対する実エミッション値の追従遅れが生じることによって、PMなどが余分に排出されてしまう。これは、内燃機関1から排出されるNOxとPMとの間には、NOxが増加するとPMが減少し、NOxが減少するとPMが増加するといった関係があるからである。
本実施形態では、ECU2は、このような基本目標エミッション値に対する実エミッション値の追従遅れによる影響が低減されるように、言い換えると、この追従遅れを補償するように、基本目標エミッション値を修正した修正目標エミッション値を後述する方法によって算出し、この修正目標エミッション値に基づいて制御を実行する。即ち、基本目標エミッション値は、内燃機関の動作状態などに応じ、所定の演算又はマップなどに基づいて決定される目標値であり、実際の実エミッション値は考慮されていない値である。これに対し、修正目標エミッション値は、実エミッション値を考慮して、基本目標エミッション値を修正することにより得られるエミッション目標値である。
[修正目標エミッション値の算出方法]
以下では、上記した修正目標エミッション値の算出方法について、詳細に説明する。なお、修正目標エミッション値の算出は、ECU2によって実行される。
まず、修正目標エミッション値を算出する際の基本的な手順について説明する。
ECU2は、現在の実エミッション値と基本目標エミッション値を取得し、基本目標エミッション値に対する実エミッション値の偏差を算出する。そして、ECU2は、この偏差を積算したエミッション偏差積算値を算出し、エミッション偏差積算値に基づいて基本目標エミッション値を修正した修正目標エミッション値を算出する。その後、ECU2は、実エミッション値が修正目標エミッション値となるように、EGR弁9の開度などを制御する。
このように、基本目標エミッション値を修正した修正目標エミッション値に基づいて制御することにより、基本目標エミッション値に対する実エミッション値の応答遅れによって生じる影響を低減することが可能となる。
次に、修正目標エミッション値の算出方法の具体例について、図3を用いて説明する。図3(a)は、横軸に時間を示し、縦軸にエミッション値を示している。図3(a)は、実線31が実エミッション値を示し、破線32が基本目標エミッション値を示し、一点鎖線33が修正目標エミッション値を示している。また、図3(b)は、横軸に時間を示し、縦軸にエミッション偏差積算値を示している。具体的には、実線34がエミッション偏差積算値を示している。
ECU2は、破線32で示すように、時刻t21において基本目標エミッション値を小さな値に変更している。基本目標エミッション値を変更したことにより、実線31で示すように、実エミッション値は基本目標エミッション値に追従しなくなり応答遅れが生じている。この場合、ECU2は、実エミッション値から基本目標エミッション値を減算した偏差を算出し、この偏差を積算したエミッション偏差積算値を算出する。これにより、図3(b)中の実線34で示すようなエミッション偏差積算値が得られる。
ECU2は、このように算出されたエミッション偏差積算値に基づいて、修正目標エミッション値を算出する。これにより、図3(a)中の一点鎖線33で示すような修正目標エミッション値が得られる。この場合、修正目標エミッション値は、基本目標エミッション値から、エミッション偏差積算値を減算した値となっている。よって、修正目標エミッション値は、概ね、エミッション偏差積算値を反転させた形状を有している。
このように設定した修正目標エミッション値に従って制御することにより、実線31で示すように、実エミッション値は通常よりも早く減少していき、時刻t22において基本目標エミッション値に達する。ここで、時刻t22において、実エミッション値は基本目標エミッション値に達しているが、実線34で示すように、エミッション偏差積算値は「0」になっていないことがわかる。そのため、エミッション偏差積算値に基づいて算出される修正目標エミッション値も、一点鎖線33で示すように、基本目標エミッション値に一致していない。よって、ECU2は、時刻t22以降も継続して、修正目標エミッション値に従った制御を実行する。
これにより、時刻t22以降、実エミッション値は基本目標エミッション値よりも小さな値を示すようになると共に、エミッション偏差積算値は減少し始める。そして、時刻t22から所定時間経過した時刻t23において、実エミッション値は基本目標エミッション値に一致し、エミッション偏差積算値は「0」になる。よって、修正目標エミッション値は、基本目標エミッション値に一致する。したがって、ECU2は、時刻t23以降、基本目標エミッション値に従った制御を実行する。なお、時刻t21から時刻t22までの期間において、基本目標エミッション値と実エミッション値との偏差から算出されるエミッション偏差積算値に相当する領域B1の面積と、時刻t22から時刻t23までの期間において、基本目標エミッション値と実エミッション値との偏差から算出されるエミッション偏差積算値に相当する領域B2の面積は概ね一致する。
このように修正目標エミッション値に基づいて制御を実行することにより、基本目標エミッション値に対する実エミッション値の追従遅れは生じるが、実エミッション値が基本目標エミッション値に達した時刻t23においてエミッション偏差積算値は「0」になるため、NOx増加分とNOx減少分を差し引きしてトータルのNOxの増加量は「0」となり、余分にNOxが排出されることが防止される。したがって、基本目標エミッション値を変更しても、基本目標エミッション値を修正した修正目標エミッション値に基づいて制御することにより、基本目標エミッション値に対する実エミッション値の応答遅れによって生じる影響を低減することが可能となる。
ここで、修正目標エミッション値を算出する際に用いるエミッション偏差反映ゲインについて説明する。
ECU2は、エミッション偏差積算値を算出した後、修正目標エミッション値を算出するために用いられるエミッション偏差反映ゲインを算出する。ECU2は、内燃機関1の運転状態やエミッション偏差積算値の大きさなどに基づいて、エミッション偏差反映ゲインを算出する。例えば、ECU2は、実エミッション値を即座に基本目標エミッション値に収束させたい場合には、エミッション偏差反映ゲインを大きな値に設定し、実エミッション値を緩やかに基本目標エミッション値に収束させたい場合には、エミッション偏差反映ゲインを小さな値に設定することができる。そして、ECU2は、エミッション偏差積算値に対してエミッション偏差反映ゲインを乗算し、基本目標エミッション値からこの乗算した値を減算した値を修正目標エミッション値とする。
エミッション偏差反映ゲインを変えた場合の修正目標エミッション値の具体例を図4に示す。図4は、横軸に時間を示し、縦軸にエミッション値を示している。また、破線41は基本目標エミッション値を示し、一点鎖線42、43は、修正目標エミッション値を示している。
一点鎖線42は、エミッション偏差反映ゲインを大きな値に設定した場合における修正目標エミッション値を示し、一点鎖線43は、エミッション偏差反映ゲインを小さな値に設定した場合における修正目標エミッション値を示している。一点鎖線42、43より、エミッション偏差反映ゲインをより大きくした方が、修正目標エミッション値の傾きが大きく(即ち、時間変化率が大きく)、基本目標エミッション値に一致するまでに要する時間が短いことがわかる。よって、一点鎖線43で示す修正目標エミッション値よりも一点鎖線42で示す修正目標エミッション値に従って制御した方が、実エミッション値が基本目標エミッション値に収束するまでに要する時間が短くなる。但し、実際にはエミッション偏差反映ゲインを大きくしすぎると、ドライバビリティーの悪化や内燃機関1の燃焼悪化が生じてしまう場合もあるので、それらの悪影響を考慮して適切な値が設定されることになる。
このように、エミッション偏差反映ゲインを用いて修正目標エミッション値を設定することにより、実エミッション値を所望の時間で基本目標エミッション値に収束させることが可能となる。言い換えると、実エミッション値と基本目標エミッション値とのずれを、短時間でより小さくすることが可能となる。なお、上記した所望の時間は、内燃機関1の運転状態などに基づいてECU2が設定することができる。
なお、基本目標エミッション値を大きな値に変更する場合にも、同様の算出方法によって修正目標エミッション値を算出することができる。この場合には、基本目標エミッション値の変更直後においては、基本目標エミッション値に対する実エミッション値の偏差は負の値になるため、エミッション偏差積算値も負の値となる。よって、修正目標エミッション値は、基本目標エミッション値と、エミッション偏差積算値(絶対値)にエミッション偏差反映ゲインを乗算した値とを加算した値となる。
なお、本発明では、エミッション偏差反映ゲインを、内燃機関1の運転状態などによって変更される変数に設定することに限定はされず、一定の値を有する定数などに設定してもよい。例えば、図3に示した例においては、エミッション偏差反映ゲインを「1」に設定しているため、修正目標エミッション値は、単純に、基本目標エミッション値からエミッション偏差積算値を減算した値となっている。
[修正目標エミッション値算出処理]
次に、上記した修正目標エミッション値を算出する際に行われる処理(修正目標エミッション値算出処理)について、図5及び図6に示すフローチャートを用いて説明する。なお、修正目標エミッション値算出処理は、ECU2が行う。また、この処理は所定の周期で繰り返し実行される。
図5に示すフローチャートは、修正目標エミッション値を算出するためのメインルーチンを示している。
まず、ステップS101では、ECU2は、アクセル開度や内燃機関1の回転数などの内燃機関1の運転状態を取得する。そして、処理はステップS102に進む。ステップS102では、ECU2は、取得した内燃機関1の運転状態に基づいて、基本目標エミッション値を算出する。具体的には、ECU2は、排気ガス中の目標NOx濃度などを算出する。そして、処理はステップS103に進む。
ステップS103では、ECU2は、実エミッション値を取得する。具体的には、ECU2は、NOxセンサが検出した排気ガス中のNOx濃度などを取得する。そして、処理はステップS104に進む。ステップS104では、ECU2は、基本目標エミッション値と実エミッション値との偏差を算出する。この場合、ECU2は、実エミッション値から基本目標エミッション値を減算して偏差を算出する。そして、処理はステップS105に進む。
ステップS105では、ECU2は、ステップS104で算出した偏差を積算して、エミッション偏差積算値を算出する。そして、処理はステップS106に進む。ステップS106では、ECU2は、エミッション偏差積算値に基づいて、修正目標エミッション値を算出する。そして、処理は当該フローを抜けて終了する。この後、ECU2は、実エミッション値が修正目標エミッション値となるように、EGR弁9の開度や燃料の噴射タイミングなどを制御する。
次に、図5中のステップS106における具体的な処理を、図6のフローチャートに基づいて説明する。図6に示すフローチャートは、修正目標エミッション値を算出する際に行われる具体的な処理を示している。
ステップS201では、ECU2は、修正目標エミッション値を算出するために用いられるエミッション偏差反映ゲインを算出する。例えば、ECU2は、内燃機関1の運転状態などに基づいてエミッション偏差反映ゲインを算出する。そして、処理はステップS202に進む。
ステップS202では、ECU2は、以下の式(1)に基づいて修正目標エミッション値を算出する。
修正目標エミッション値=基本目標エミッション値−
(エミッション偏差反映ゲイン×
エミッション偏差積算値) 式(1)
即ち、ECU2は、エミッション偏差積算値に対してエミッション偏差反映ゲインを乗算し、基本目標エミッション値からこの乗算した値を減算した値を修正目標エミッション値とする。この場合、ECU2は、実エミッション値を即座に基本目標エミッション値に収束させたい場合には、エミッション偏差反映ゲインを大きな値に設定し、実エミッション値を緩やかに基本目標エミッション値に収束させたい場合には、エミッション偏差反映ゲインを小さな値に設定することができる。以上の処理が終了すると、処理はステップS203に進む。
ステップS203では、ECU2は、修正目標エミッション値が所定範囲内にあるか否かを確認する。即ち、ECU2は、修正目標エミッション値が上限値を超えていないか、及び下限値を下回っていないかを確認している。このような判定を行うは、エミッション値を変化させるために操作される制御要素の制御速度には限界があり、修正目標エミッション値が上限値を超える値となってしまった場合や、修正目標エミッション値が下限値を下回る値となってしまった場合には、ドライバビリティーの悪化や内燃機関1の燃焼悪化が生じてしまう場合があるからである。例えば、ECU2は、修正目標エミッション値の上限値を基本目標エミッション値の「+10%」に設定し、下限値を基本目標エミッション値の「−10%」に設定することができる。なお、修正目標エミッション値が所定範囲内にない場合には、ECU2は、再度、修正目標エミッション値を算出することができる。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
このように、基本目標エミッション値を修正した修正目標エミッション値を算出し、算出された修正目標エミッション値に基づいて制御することにより、基本目標エミッション値に対する実エミッション値の応答遅れによって生じる影響を低減することが可能となる。
なお、本発明においては、エミッション値をNOx濃度によって定めて、EGRガス量を制御することに限定はされない。他の例では、ECU2は、NOx濃度の変わりに、CO(一酸化炭素)の量、HC(炭化水素)の量、及びPM(微粒子物質)の量のいずれかに基づいてエミッション値を定め、前述したように、基本目標エミッション値を修正した修正目標エミッション値に基づいて制御を実行することができる。具体的には、CO又はHCによってエミッション値を定めた場合には、ECU2は、EGRガス量や燃料の噴射タイミングなどを制御すればよい。また、PMによってエミッション値を定めた場合には、ECU2は、EGRガス量やA/F(空燃比)などを制御すればよい。
更に、他の例では、ECU2は、上記したNOx、CO、HC、及びPMのうち、少なくとも2以上の量を考慮に入れて制御を実行することができる。例えば、内燃機関1から排出されるNOx濃度とPMの量との間には、NOx濃度が増加するとPMの量が減少し、NOx濃度が減少するとPMの量が増加するといった関係があるため、排気ガス中のNOx濃度とPMの量が適切に低減されるように、PMの量を考慮に入れて目標NOx濃度を設定すると共に、NOx濃度を考慮に入れて目標のPMの量を設定することができる。
更に、上記では、NOxセンサ10が検出したNOx濃度に基づいて制御を行う例を示したが、NOxセンサ10によって検出されたNOx濃度を用いる代わりに、各種センサの出力値などに基づいて排気ガス中のNOx濃度を推定し、この推定した値に基づいて制御を行ってもよい。
本発明の実施形態に係るEGR制御装置が搭載された車両の概略構成を示す模式図である。 基本目標エミッション値に対する実エミッション値の応答遅れを具体的に示す図である。 本実施形態に係る修正目標エミッション値の算出方法の基本概念を説明するための図である。 エミッション偏差反映ゲインを変化させた場合の修正目標エミッション値の具体例を示す図である。 本実施形態に係る修正目標エミッション値算出処理を示すフローチャートである。 図5中のステップS106における処理を具体的に示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 ECU
3 吸気通路
4 過給機
5 吸気絞り弁
7 排気通路
8 EGR通路
9 EGR弁
10 NOxセンサ

Claims (3)

  1. 内燃機関のエミッション値を制御する内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の動作状態に基づいて、基本目標エミッション値を取得する基本目標エミッション値取得手段と、
    前記実エミッション値を取得する実エミッション値取得手段と、
    前記実エミッション値と前記基本目標エミッション値との偏差を算出する偏差算出手段と、
    前記偏差を積算したエミッション偏差積算値に基づいて、前記基本目標エミッション値を修正した修正目標エミッション値を算出する修正目標エミッション値算出手段と、を備え
    前記修正目標エミッション値算出手段は、エミッション偏差反映ゲインを算出し、前記基本目標エミッション値から、前記エミッション偏差積算値に対して前記エミッション偏差反映ゲインを乗じた値を減算した値を、前記修正目標エミッション値とすることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記修正目標エミッション値算出手段は、前記修正目標エミッション値が上限値及び下限値によって規定される所定範囲内に収まるように、当該修正目標エミッション値を算出することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記内燃機関の吸気系に還流させるEGRガスの量を制御するEGR制御手段を更に備え、
    前記実エミッション値取得手段は、前記内燃機関から排出される排気ガス中のNOx濃度に基づいて、前記実エミッション値を取得し、
    前記EGR制御手段は、前記修正目標エミッション値に基づいて、前記EGRガスの量を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
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