JP4483505B2 - ガスタービン設備とその制御装置,ガスタービン設備の制御方法及びタービン冷却部の冷却方法 - Google Patents
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Description
(分岐流路の導入部)、タービン翼内部に形成された冷媒流路と接続された分岐流路の端点(タービン側)を分岐流路出口と定義する。
94を備える。そして、加湿装置11から排出された湿り空気45によって再生熱交換器6とタービン3への液滴の流入を防止するために、加湿装置11には液滴除去装置95が設置されている。加湿系統901は、空気44に適切な量の水分を分配する水分分配器
911,噴射孔921,充填物931を備える。そして、液滴状の水分は、水分分配器
911を経由して噴射孔921から充填物931および加湿装置11の内部に供給される。なお、加湿系統902も加湿系統901と同様の構造をしており、水分分配器912と噴射孔922、及び充填物932を有する。水分分配器911,912に供給される水は、冷却器10が排出した加熱水64と、給水加熱器7が排出する加熱水66を使用する。また、充填物931の材料として、多孔質材を使用することが望ましい。そして、第1段静翼111の内部に形成された冷媒流路に冷却空気を供給するように、分岐流路81を接続している。本実施例では、分岐流路81の出口を第1段静翼111としているが、他の翼であっても構わない。例えば第1段動翼112,第2段静翼113,第2段動翼114のいずれとしても良い。なお、本実施例のタービン段数は4段であるが、図2では第3段以降は割愛した。
932の高さを調節することで、主流空気と充填物中の水分との接触面積を変更することが可能である。したがって、各加湿系統を通過後の空気の相対湿度を変更することができる。即ち、図2に示すように加湿系統を2段設置し、各加湿系統内の充填物931および932の高さを調節すれば、加湿装置11が分岐流路81に流入する冷却空気の相対湿度を任意に設定し、加湿装置11の出口における相対湿度を約95%とすることが可能である。本実施例のように第1段静翼111を冷却する場合、加湿装置11は、最も効率よく第1段静翼111を冷却可能な相対湿度90%の冷却空気を分岐させ、かつ、加湿装置
11の出口における湿り空気の相対湿度を約95%に保つことが可能である。したがって、加湿系統901と902との間から分岐された分岐流路81を設置することで、所望の相対湿度の冷却空気が分岐流路81で得られるとともに、空気44(主流空気)が全ての加湿系統を通過して相対湿度約95%の湿り空気を得ることが可能である。
901,902,903の順に通過し、湿り空気45となって再生熱交換器6へと流入する。そして、分岐流路811中の冷却空気の相対湿度は充填物931の高さによって制御可能である。同様に、分岐流路812中の冷却空気の相対湿度は充填物932の高さによって制御可能であり、加湿装置11の出口における湿り空気の相対湿度は充填物933によって制御することができる。したがって、本実施例では、分岐流路812の相対湿度を、第1段静翼111を最も効率よく冷却可能な相対湿度の90%に、かつ、分岐流路811の相対湿度を、第2段静翼113を最も効率よく冷却可能な相対湿度の60%に、さらに、加湿装置11が排出する湿り空気45の相対湿度を95%にする。このように、複数の分岐流路同士で冷却空気の相対湿度を異ならしめると同時に、冷却空気と湿り空気の相対湿度を異ならしめることが可能である。
16が、給水加熱器7に冷却水65を供給する。なお、加湿装置11に供給された水分は全て加湿装置内で蒸発するように、水分量を調整する。
11の出口での相対湿度を約95%に保つことが可能となる。また、分岐流路81に流入する冷却空気量は主に流路入口および出口における静圧差,分岐流路81内の流路断面積と圧力損失によって決定される。そのため、必要な冷却空気量を確保するためにはこれらの要因を考慮に入れた上で分岐流路81の形状を定めることで、前述の条件を満たす冷却空気を供給することが可能である。
812中の壁面に付着する。そして、壁面に付着した液滴は重力によって低所に流下する。したがって、タービン冷却部へ液滴が流入することを抑制し、ガスタービン設備の信頼性を向上させることができる。なお、流路を構成する配管が周囲の大気空気にさらされて配管内に液滴を生成するため、液滴が下部の水分排出装置に流れる程度の地面に対する傾斜を分岐流路81の流路811及び812に設けることが望ましい。
81を増やし、各冷却部に湿り空気を供給することも可能である。本実施例の分岐流路は加湿装置11を改造せずに、分岐流路における液滴を除去することができるため、拡張性に優れている。具体的には、湿分空気をタービン冷却に用いるシステムにおいて、効率向上のためにタービン入口温度を上昇させ、新たに冷却を必要とするタービン冷却部が増加した場合、冷却空気の分岐流路を容易に設置することができる。そのため、簡単な構成でガスタービン設備の信頼性を向上させることができる。
81の導入部が、加湿装置11が湿り空気を排出する排出口と再生熱交換器6に湿り空気を供給する供給口との間に設置された場合、分岐流路81中で湿り空気の凝縮が発生し、液滴が生成される。そこで、図8において、冷却空気の主流と同方向に移動した液滴は、多孔質材814で吸収される。そのため、液滴が冷却を必要とするタービン冷却部への流入をほぼ確実に抑制することができ、実施例5よりさらに高い信頼性を得ることができる。なお、多孔質材は、分岐流路81の出口側(タービン冷却部側)に設けることが望ましい。このように配置することで、多孔質材からタービン冷却部までの距離を短くし、液滴がタービン冷却部へ流入することを最小限に抑えることができる。
811と流路812の低所を繋ぐ個所に水分排出装置813を備える。さらに、流路815の分岐流路出口に多孔質材814が設置されている。このとき、分岐流路中81に発生した液滴の大部分は、遠心力によって流路811もしくは流路812の壁面に付着し、重力によって水分排出装置813の元へ集められ、系外へ排出される。また、壁面に付着せずに流路815に流入した液滴、もしくは流路815で凝縮した液滴は多孔質材814によって吸収される。このように、実施例5と6の分岐流路構造を組み合わせることで、高い液滴除去の効果が得られる。また、発生した液滴の大部分はドレインの水分排出装置813の元へ集められて排出されるので、図6に比べ多孔質材814が吸収する液滴量は少ない。そのため、多孔質材814を構成する材料の交換周期を長くして、メンテナンス性を向上させることが可能である。なお、前述した分岐流路を1本用いるだけで液滴の除去が達成されるため、従来技術と比べて冷却系統が簡素化されている。したがって、本実施例の構成においても、ガスタービン設備の信頼性向上を簡単な構成で達成可能である。
94…排水孔、111…第1段静翼、112…第1段動翼、113…第2段静翼、114…第2段動翼、811,812…流路、813…水分排出装置、814…多孔質材、841…相対湿度計、901〜903…加湿系統、911,912…水分分配器、921,922…噴射孔、931〜933…充填物。
Claims (15)
- 圧縮機で圧縮された空気に湿分を加え湿り空気とする加湿装置と、燃焼器で生成される燃焼ガスにより駆動されるタービンと、該加湿装置からの湿り空気を該タービンから排出された排気ガスと熱交換させ該燃焼器に供給する再生熱交換器とを備えたガスタービン設備であって、
前記加湿装置から加湿途中の空気を抽気し、前記抽気した空気を前記タービンの冷却部へ冷却空気として供給する系統を備えることを特徴とするガスタービン設備。 - 請求項1記載のガスタービン設備であって、
空気を加湿する加湿系統を前記加湿装置内に複数備えたことを特徴とするガスタービン設備。 - 圧縮機で圧縮された空気に湿分を加え湿り空気とする加湿装置と、燃焼器で生成される燃焼ガスにより駆動されるタービンと、該加湿装置からの湿り空気を該タービンから排出された排気ガスと熱交換させ該燃焼器に供給する再生熱交換器とを備えたガスタービン設備であって、
前記タービンの冷却部へ冷却空気を導くよう、前記加湿装置の主流空気が流れる方向に対して異ならしめた複数箇所から相対湿度の異なる空気を抽気させ、
前記加湿装置から抽気された相対湿度の異なる空気を所望の相対湿度で冷却するタービン冷却部へそれぞれ供給する系統を備えることを特徴とするガスタービン設備。 - 請求項3記載のガスタービン設備であって、
前記複数の分岐流路内の冷却空気の相対湿度をそれぞれ異ならしめることを特徴とするガスタービン設備。 - 請求項3記載のガスタービン設備であって、
前記タービンの下流側翼より上流側翼に相対湿度が高い湿分空気を供給するよう分岐流路を構成することを特徴とするガスタービン設備。 - 空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮した空気に湿分を加え湿り空気を生成する加湿装置と、湿り空気と燃料とを混合燃焼させる燃焼器と、該燃焼器で生成される燃焼ガスにより駆動されるタービンと、該加湿装置による湿り空気を該タービンから排出された排気ガスと熱交換させ該燃焼器に供給する再生熱交換器を備えたガスタービン設備であって、
前記加湿装置の内部に、適切な量の水分に分配する水分分配器によって流量調整された水を噴射孔から供給する加湿系統を複数備え、
前記タービンの静翼若しくは動翼内部に形成された冷媒流路に冷却空気を供給するように前記加湿装置から加湿途中の空気を抽気して前記冷媒流路に供給する系統を有し、
前記冷媒流路に供給される冷却空気の相対湿度と前記加湿装置が前記再生熱交換器へ排出する湿り空気の相対湿度とを異ならしめることを特徴とするガスタービン設備。 - 空気を圧縮する圧縮機と、該圧縮機で圧縮した空気に湿分を加え湿り空気を生成する加湿装置と、湿り空気と燃料とを混合燃焼させる燃焼器と、該燃焼器で生成される燃焼ガスにより駆動されるタービンと、該加湿装置による湿り空気を該タービンから排出された排気ガスと熱交換させ該燃焼器に供給する再生熱交換器を備えたガスタービン設備であって、
前記加湿装置から加湿途中の空気を抽気して冷却を必要とする前記タービン冷却部に前記冷却空気を供給する系統を備え、
該系統が、高所から低所へ冷却空気を流す流路と、低所から高所へ冷却空気を流す流路を有し、かつ両流路の低所を繋ぐ個所に水分を流路外へ排出する水分排出装置を備えたことを特徴とするガスタービン設備。 - 請求項7記載のガスタービン設備であって、
前記分岐流路の出口に多孔質材を設けたことを特徴とするガスタービン設備。 - 請求項7記載のガスタービン設備であって、
前記分岐流路に流量を制御する流量制御弁を設け、該流量制御弁の開度を制御する流量制御装置を備えることを特徴とするガスタービン設備。 - 請求項7記載のガスタービン設備であって、
前記分岐流路に流量を制御する流量制御弁を設け、冷却空気の相対湿度に基づいて該流量制御弁の開度を制御する流量制御装置を備えたことを特徴とするガスタービン設備。 - 加湿装置によって加湿された空気と燃料とを混合燃焼させて生成した燃焼ガスによりタービンを駆動し、前記加湿装置から加湿途中の空気を抽気し、前記抽気した空気を前記タービンの冷却部へ冷却空気として供給する系統を備え、前記タービンの冷却部を冷却する前記加湿された空気の供給量を、前記加湿された空気中に凝縮した液滴の除去前に制御するガスタービン設備の制御装置であって、
前記タービンの負荷に基づき流量制御手段が制御する流量を演算する手段と、
該流量に基づく制御量を前記流量制御手段に送信する手段を有することを特徴とするガスタービン設備の制御装置。 - 加湿装置によって加湿された空気と燃料とを混合燃焼させて生成した燃焼ガスによりタービンを駆動し、前記加湿装置から加湿途中の空気を抽気し、前記抽気した空気を前記タービンの冷却部へ冷却空気として供給する系統を備え、該タービンの冷却部を冷却する前記加湿された空気の供給量を、前記加湿された空気中に凝縮した液滴の除去前に制御するガスタービン設備の制御方法であって、
前記タービンの負荷に基づき流量制御手段が制御する流量を演算し、
該流量に基づく制御量を前記流量制御手段に送信することを特徴とするガスタービン設備の制御方法。 - 圧縮機で圧縮された空気に湿分を加え湿り空気とする加湿装置と、燃焼器で生成される燃焼ガスにより駆動されるタービンと、該加湿装置からの湿り空気を該タービンから排出された排気ガスと熱交換させ該燃焼器に供給する再生熱交換器とを備えたタービン冷却部の冷却方法であって、
前記加湿装置によって生成される湿り空気より低い相対湿度の冷却空気を前記加湿装置から抽気し、抽気した冷却空気を前記タービンの冷却部へ導くことを特徴とするタービン冷却部の冷却方法。 - 圧縮機で圧縮された空気に湿分を順次加え湿り空気とする直列に接続された複数の加湿装置と、燃焼器で生成される燃焼ガスにより駆動されるタービンと、該加湿装置からの湿り空気を該タービンから排出された排気ガスと熱交換させ該燃焼器に供給する再生熱交換器とを備えたガスタービン設備であって、
前記加湿装置又は前記複数の加湿装置同士を繋ぐ流路から加湿途中の空気を抽気し、前記タービンの冷却部へ冷却空気を導く系統を備えることを特徴とするガスタービン設備。 - 圧縮機で圧縮された空気に湿分を加え湿り空気とする第1の加湿装置と、燃焼器で生成される燃焼ガスにより駆動されるタービンと、該第1の加湿装置からの湿り空気を該タービンから排出された排気ガスと熱交換させ該燃焼器に供給する再生熱交換器とを備えたガスタービン設備であって、
前記第1の加湿装置より上流側の空気流路で分岐された分岐流路に第2の加湿装置を設け、
該第2の加湿装置から前記タービンの冷却部へ冷却空気を導くことを特徴とするガスタービン設備。
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