JP4483185B2 - the film - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明はポリオレフィン系樹脂組成物を用いてなるフィルムに関するものである。更に詳しくは、フィルム表面の防曇性及び/又は帯電防止性が水洗等により劣化せず、その持続性に優れたフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
農業用作物の促成栽培などを目的に、ハウス栽培やトンネル栽培が行われている。ハウス材やトンネル材に用いられるフィルムは、塩化ビニルやポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィンが用いられているが、焼却時に有害ガスが発生するといわれている塩化ビニル系フィルムに対し、ポリエチレン系フィルムやエチレン・酢酸ビニル共重合体系フィルムが盛んに使用されるようになってきている。
【0003】
ハウス材やトンネル材に使用されるフィルムには、フィルム内面に付着した水分を水滴状に凝集させず、栽培作物に落下させることなく流下させるという、所謂防曇性が要求されるが、ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンは水をはじき易いため、フィルム内面に付着した水分が水滴状となり、防曇性に劣る。そのため、各種改善方法が提案されている。
【0004】
ポリオレフィン系フィルムの防曇性を改善する方法としては、以下の2タイプに大別される。
【0005】
まず第1に、ポリオレフィン樹脂に防曇剤と呼ばれる界面活性剤を練りこみ、フィルム成形後ポリオレフィンフィルム表面に界面活性剤が滲出し、防曇性を発現するものであり、練りこみ型と呼ばれているものである。界面活性剤として脂肪酸エステル系が頻繁に使用されている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、通常のフィルム製造装置によりフィルム化することが可能であり、コスト面で優れている。
【0006】
第2の方法として、ポリオレフィン系樹脂をフィルム化した後、液状の界面活性剤、或いはシリカやアルミナ等のゾルをバインダーを介しコーティングまたは噴霧し、防曇性を発現させるものであり、塗布型と呼ばれているものである(例えば、特許文献2参照)。この方法は、一般的に防曇性の持続性に優れている。
【0007】
また、ポリオレフィン樹脂はその構造上帯電しやすい性質を有しており、埃などの付着や印刷不良等様々な問題が発生する。その改良のため、様々な方法が提案されているが、大きく3タイプに大別される。
【0008】
まず第1に、ポリオレフィン樹脂に低分子型帯電防止剤と呼ばれる界面活性剤を練り込み、フィルム成形後ポリオレフィンフィルム表面に界面活性剤が滲出し、防曇性を発現するものであり、練りこみ型と呼ばれているものである。界面活性剤として脂肪酸エステル系が頻繁に使用されている(例えば、特許文献3参照)。この方法は、通常のフィルム製造装置によりフィルム化することが可能であり、コスト面で優れている。
【0009】
第2の方法として、ポリオレフィン系樹脂をフィルム化した後、液状の界面活性剤をコーティングまたは噴霧し、帯電防止性を発現させるものであり、塗布型と呼ばれているものである。
【0010】
第3の方法としては、ポリオレフィン樹脂に高分子型帯電防止剤を練り込み、その相構造を制御することにより、帯電防止性能を発現させるものである(例えば、特許文献4参照)。
【0011】
しかしながら、防曇性を改良する第1の方法によれば、滲出した界面活性剤はハウス内面の付着水分により流出し、防曇性が持続しないといった問題があり、これらの改善のため多量の界面活性剤をポリオレフィン樹脂に配合しなければならず、結局のところフィルム費用は高いものになる。
【0012】
また防曇性を改良する第2の方法では、コーティング設備などの費用が高いといった問題がある。
【0013】
帯電防止性を改良する第1の方法によれば、フィルム表面に滲出した界面活性剤の揮発、削れ、流出などにより帯電防止効果が持続しないといった問題がある。
【0014】
また帯電防止性を改良する第2の方法では、コーティング設備などの費用が高いといった問題がある。
【0015】
さらに帯電防止性を改良する第3の方法では、高分子型帯電防止剤の添加量が多く、また高分子型帯電防止剤は高価であり、コスト面で不利である。
【0016】
【特許文献1】
特開平2−209940号公報(3頁)
【特許文献2】
特開平7−266518号公報(3−5頁)
【特許文献3】
特開平9−87421号公報
【特許文献4】
特開平1−163234号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、ハウス材、トンネル材等農業用フィルム及び食品等の包装材料等に要求される、防曇性及び/又は帯電防止性に優れ、かつ、その持続性にも優れたフィルムを提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリオレフィン樹脂、特定のエポキシ化合物、及び特定の脂肪酸エステル型界面活性剤とからなる組成物を用いてなるフィルムであって、かつその表面の少なくとも片面が酸化されているフィルムが、防曇性及び/又は帯電防止性の持続性に優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0018】
すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹脂90〜99.99重量%、エポキシ基に由来するオキシラン酸素量が1重量%以上であるエポキシ化合物0.005〜5重量%、及び一分子中に水酸基を2個以上有し、分子量が100〜10000である脂肪酸エステル型界面活性剤0.005〜5重量%からなる組成物を用いてなるフィルムであって、そのフィルム表面の少なくとも片面が酸化されていることを特徴とするフィルムに関するものである。
【0019】
また、本発明は、上記酸化を行う際の酸化方法がコロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理、プラズマ処理から選ばれるいずれかであることを特徴とするフィルムに関するものである。
【0020】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0021】
本発明の防曇性や帯電防止性に優れたフィルムを構成するポリオレフィン樹脂は、一般的にポリオレフィン系樹脂と称されているものでよく、このようなポリオレフィン樹脂とは、エチレン、プロピレン、1−ブテンなど炭素数2〜12のα−オレフィンの単独重合体もしくは共重合体を示す。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらポリオレフィン樹脂は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
【0022】
これらの中で、低密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体が、コスト、フィルム強度等の点で、ハウス材、トンネル材、包装材料等として好適である。
【0023】
本発明にて用いられるポリオレフィン樹脂は、防曇性や帯電防止性に優れたフィルムを成形する際の成形性に優れることから、JIS K6922−1(1998年)によるメルトマスフローレート(以下、MFRと記す)が0.1〜100g/10minの範囲にあることが好ましい。
【0024】
本発明にて用いられるポリオレフィン樹脂とは、一般に市販されているポリオレフィン樹脂でよく、そのようなポリオレフィン樹脂の重合方法は、特に限定するものではなく、高圧法低密度ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体等の場合、例えば高圧法によるラジカル重合法を挙げることができ、エチレン・1−ブテン共重合体やエチレン・1−へキセン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、ポリ1−ブテン等の場合、チーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒を用いた気相法、溶液法、高圧法等の重合法を挙げることができる。
【0025】
本発明の防曇性や帯電防止性に優れたフィルムを構成するエポキシ化合物とは、エポキシ基に由来するオキシラン酸素量が1重量%以上であるものである。該エポキシ化合物は、防曇性や帯電防止性を持続させるために添加されるものである。その原理は必ずしも明確になっているわけではないが、フィルム表面において、該界面活性剤及びポリオレフィンの酸化により生成する官能基と反応することにより防曇性や帯電防止性が持続するものと考えられる。
【0026】
オキシラン酸素量の測定方法は、村井孝一編著、「可塑剤−その理論と応用」幸書房出版、1973年3月1日発行、664頁等に記載されている方法が例示される。オキシラン酸素が1重量%未満である場合、該エポキシ化合物とポリオレフィンの表面酸化基、界面活性剤との反応性が低く、防曇性や帯電防止性の持続性を発現することができず、好ましくない。
【0027】
このようなエポキシ化合物は、例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ化植物油、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化ポリイソプレンなどのエポキシ化ゴム、グリシジルメタクリレート等グリシジルエステルの単独重合体、グリシジルメタクリレート等グリシジルエステルとスチレン、アクリル酸、アクリル酸エステル等不飽和二重結合を有するモノマーとの共重合体、フタル酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、等が挙げられる。これらは一種もしくは二種以上の混合物として使用してもよい。
【0028】
上記構造を有するエポキシ化合物は、市販のものを使用することができる。例えば、エポキシ化大豆油として旭電化工業製「アデカサイザーO−130P」、日本油脂製「ニューサイザー510R」、花王製「カポックスS−6」等、エポキシ化アマニ油として旭電化工業製「アデカサイザーO−180A」、日本油脂製「ニューサイザー512」等、エポキシ化ポリブタジエンとしてダイセル化学工業製「エポリードRB3600」、旭電化工業製「BF−1000」等、その他日本油脂製「ブレンマーCP」「ファルパック」シリーズ等が挙げられる。
【0029】
上記エポキシ化合物のうち、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて、以下に示す条件下で測定し、単分散ポリスチレンでユニバーサルな検量線を測定し、直鎖のポリエチレンの分子量として計算した重量平均分子量(以下、Mwと記す。)が2000〜40000を示すものが安定した防曇性や帯電防止性を発現させることができ、好ましい。
【0030】
機種:東ソー HLC−8120GPC、SC8020
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1ml/min
温度:40℃
測定濃度:1mg/ml
注入量:100μl
カラム:東ソー製 TSKgel GMH HR−H 2本
また本発明のフィルムを構成するエポキシ化合物は、その融解開始温度が30〜150℃であることが防曇性や帯電防止性、及びそれらの持続性を安定的に発現できるため特に好ましい。
【0031】
本発明のフィルムを構成する脂肪酸エステル型界面活性剤とは、一分子中に水酸基を2個以上有し、分子量が100〜10000であるものである。一分子中に水酸基を2個以上有しない場合、防曇性や帯電防止性に劣り、またエポキシ化合物との反応性が低く、防曇性や帯電防止性の持続性が劣る。
【0032】
本発明のフィルムを構成する脂肪酸エステル型界面活性剤の分子量は、100〜10000であるものである。分子量が100未満の場合は、押出成形時に脂肪酸エステル型界面活性剤の揮発が激しく作業環境を悪化させ、一方分子量が10000を超える場合は、脂肪酸エステル型界面活性剤がフィルム表面へ滲出し難くなり、防曇性や帯電防止性が劣る。
本発明の防曇性や帯電防止性に優れたフィルムを構成する上記構造を有する脂肪酸エステル型界面活性剤としては、多価アルコールと脂肪酸のエステルであり、ステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド等のモノグリセリン脂肪酸エステル類;ステアリン酸ジグリセライド、オレイン酸ジグリセライド等のジグリセリン脂肪酸エステル類;ポリグリセリン脂肪酸エステル類;ソルビトール類;N,Nージヒドロキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシプロピレンステアリルアミン等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンステアリルアマイド、ポリオキシプロピレンステアリルアマイド等のアルキルアマイド類、等が例示される。これらは一種もしくは二種以上の混合物として使用してもよい。
【0033】
本発明にて用いられるポリオレフィン樹脂、エポキシ化合物、脂肪酸エステル型界面活性剤の配合割合は、ポリオレフイン樹脂が95〜99.99重量%、エポキシ化合物0.005〜5重量%、及び脂肪酸エステル型界面活性剤0.005〜5重量%である。
【0034】
エポキシ化合物の配合割合が0.005重量%未満の場合、防曇性や帯電防止性の持続性が劣り、5重量%を超える場合、該化合物がフィルム表面を覆い防曇性や帯電防止性が発現しないため好ましくない。
【0035】
また脂肪酸エステル型界面活性剤の配合割合が0.005重量%未満の場合、防曇性や帯電防止性が発現せず、5重量%を超える場合、フィルムの透明性が悪化するため好ましくない。
【0036】
エポキシ化合物と脂肪酸エステル型界面活性剤の配合割合は、1:1〜1:100であることが防曇性や帯電防止性、及びそれらの持続性が良好であり、特に好ましい。
【0037】
また、本発明のフィルムは、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、中和剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、スリップ剤等、通常ポリオレフインに使用される添加剤、農業用ハウス材やトンネル材に使用される保温剤、防霧剤などを添加したものでもかまわない。
保温剤としては、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト等が例示され、防霧剤としては、フッ素化多価アルコール類やフッ素化ポリエステルオリゴマー等のフッ素系化合物等が例示される。
【0038】
また本発明のフィルムは、エポキシ基の硬化反応を促進する添加剤を含んでいてもよい。例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族アミン、脂肪族ポリアミン、ジアミノフェニルスルフォンm−キシレンジアミン等の芳香族アミン、ピリジン、ベンジルメチルアミン、トリエタノールアミン等の第三級アミン、メルカプタン系硬化剤、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタノール酸、テトラヒドロ無水フタノール酸、無水ハイミック酸、無水イタコン酸等の酸無水物、フマル酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンニ酸等のジカルボン酸等が挙げられる。これらは一種もしくは二種以上の混合物として使用してもよい。
【0039】
本発明のフィルムは、フィルム表面の防曇性及び/又は帯電防止性を持続させるためにその表面の少なくとも片面が酸化されているものであり、該酸化によりそのような硬化が発現する。その原理は明確になっていないが、ポリオレフィンフィルム表面の酸化により形成したカルボキシル基と脂肪酸エステル型界面活性剤とがエポキシ化合物と反応し、防曇性及び/又は帯電防止性が持続するものと考えられる。
【0040】
フィルム表面を酸化する際の酸化処理方法としては、クロム酸処理、硫酸処理、空気酸化、オゾン処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等が挙げられ、ポリオレフイン樹脂表面に酸化物を効果的に形成させるためオゾン処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理が好ましい。
【0041】
オゾン処理は、本発明のフィルムを構成するポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム状に溶融押出し、該フィルムの少なくとも一面にオゾン含有ガスを吹き付けることにより行われる。オゾン処理量としては、溶融樹脂フィルム単位面積に対し、0.1〜50mg/m2であることが防曇性及び/又は帯電防止性が持続性に優れ好ましい。
【0042】
コロナ放電処理は、プラスチックフィルムやシート表面の連続処理技術として広く使用されているものであり、コロナ放電処理機により発生したコロナ雰囲気にフィルムを通過させることにより行われる。コロナ放電密度として、1〜100W・分/m2であることが防曇性及び/又は帯電防止性が持続性に優れ好ましい。
【0043】
フレーム処理は、天然ガスやプロパン等を燃焼させたときに生じる火炎にフィルム表面を接することで処理が行われる。
【0044】
プラズマ処理は、アルゴン、ヘリウム、ネオン、水素、酸素、空気等の単体又は混合気体をプラズマジェットで電子的に励起せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励起不活性ガスをフィルム表面に吹き付けることにより行われる。
【0045】
酸化処理量としては、酸化処理されたフィルム表面のJIS K6768(1998年)で測定される濡れ指数が330〜700μN/cmであることが、防曇性の持続性に優れるため好ましい。
【0046】
本発明のフィルムは、インフレーション成形機、Tダイキャスト成形機、カレンダー成形機、プレス成形機等を用いて得ることが可能である。インフレーション成形やTダイキャスト成形においては共押出法により、またこれら成形法により得られた防曇性フィルムを、サンドウィッチラミネート法、ドライラミネート法、サーマルラミネート法等の貼り合わせにより、多層フィルムとすることも可能である。
【0047】
本発明のフィルムの厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、柔軟性に優れ、破損などの問題が小さいことから、1μm〜1mmの厚みであることが好ましい。
【0048】
本発明の防曇性や帯電防止性に優れたフィルムは、ハウス材やトンネル材等の農業用フィルム、粉末食品包装、粉末や顆粒状の医薬品包装、青果等の包装、プリン、ゼリー、茶碗蒸等容器の蓋材、ラップ等、防曇性や帯電防止性の要求される用途に使用することができる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0050】
以下に、物性、加工性の測定方法と評価方法を示す。
(イ)メルトフローレート
JIS K7210(1998年)の試験条件4に準拠。
(ロ)防曇性
気温5℃に保たれた室内に水温40℃の水槽を設置し、実施例により得られたフィルムの酸化処理面が水槽の内面になるように、水槽上部をフィルムで覆った。フィルム表面に水滴が付着しなければ防曇性が良好であり、付着した場合は防曇性が不良である。また、フィルム表面に水滴が発生するまでの日数を防曇性の持続性とした。
(ハ)帯電防止性
表面固有抵抗値測定機としてアドヴァンテスト社製TR8601とTR−42を用い、23℃,50%RHの環境下で、加電圧500kVにおける1分後のフィルム表面の固有抵抗値を測定した。また帯電防止性の持続性については、防曇性評価において水槽上で7日間経過したフィルムの表面固有抵抗値を測定することにより求めた。帯電防止性は、表面固有抵抗値が10×1014未満であるものを良好とした。
【0051】
実施例1
ポリオレフイン樹脂(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213、MFR=8g/10分、以下、LDPEと記す。)99.6重量%、エポキシ化合物(日本油脂(株)製 商品名ファルパック200S、オキシラン酸素量=11.2重量%、重量平均分子量=8000、融解開始温度=50℃、以下、Aと記す場合がある)を0.1重量%、脂肪酸エステル型界面活性剤(理研ビタミン(株)製 商品名リケマールS−71−D、ジグリセリンモノステアレート、以下aと記す場合がある)を0.3重量%になるよう配合し、単軸押出機にて溶融混練しペレットを得た。
【0052】
得られたペレットを25mmΦのスクリューを有するフィルム成形機の押出機へ供給し、200℃の温度でTダイより押出し、厚さ30μmのフィルムを得た後、フィルム表面を濡れ指数が450μN/cmとなるようコロナ放電処理を施し、目的のフィルムを得た。
【0053】
得られたフィルムを20時間40℃に保温されたオーブン中に保管した後、防曇性、及び帯電防止性を評価し、その評価結果を表1に示した。
【0054】
実施例2
ポリオレフイン樹脂として、LDPEを99.68重量%、エポキシ化合物Aを0.02重量%、脂肪酸エステル型界面活性剤aを0.3重量%とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
【0055】
実施例3
ポリオレフイン樹脂として、LDPEを99.2重量%、エポキシ化合物Aを0.1重量%、脂肪酸エステル型界面活性剤aを0.7重量%とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
【0056】
実施例4
エポキシ化合物Aの代わりに、エポキシ化大豆油(旭電化工業(株)製 商品名アデカサイザーO−130P、オキシラン酸素量=7%、重量平均分子量=1300、融解開始温度=20℃以下、以下、Bと記す場合がある)を0.01重量%、LDPE99.69重量%とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
【0057】
実施例5
脂肪酸エステル型界面活性剤aの代わりに、アルキルジエタノールアミン(ライオン(株)製 商品名アーモスタッド310、以下bと記す場合がある)を0.3重量%とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
【0058】
実施例6
ポリオレフィン樹脂として、LDPEの代わりにエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製 商品名ウルトラセン515、MFR=2.5g/10分、酢酸ビニル含有量=6重量%、以下EVAと記す場合がある)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
【0059】
実施例7
ポリオレフィン樹脂として、LDPEの代わりにエチレン・1−ヘキセン共重合体(東ソー(株)製 商品名ニポロン−Z 7P04A、MFR=2g/10分、以下LLDPEと記す場合がある)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示した。
【0060】
比較例1
ポリオレフイン樹脂として、LDPEを100重量%、エポキシ化合物Aを0重量%、脂肪酸エステル型界面活性剤aを0重量%とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示したが、防曇性、帯電防止性が発現しなかった。
【0061】
比較例2
ポリオレフイン樹脂として、LDPEを99.9重量%、エポキシ化合物Aを0.1重量%、脂肪酸エステル型界面活性剤aを0重量%とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示したが、防曇性、帯電防止性が発現しなかった。
【0062】
比較例3
ポリオレフイン樹脂として、LDPEを99.7重量%、エポキシ化合物Aを0重量%、脂肪酸エステル型界面活性剤aを0.3重量%とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示したが、防曇性、帯電防止性が発現しなかった。
【0063】
比較例4
フィルム表面にコロナ放電処理を施さないこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た(濡れ指数=300μN/cm)。得られたフィルムの評価結果を表2に示したが、防曇性、帯電防止性の持続性が得られなかった。
【0064】
比較例5
脂肪酸エステル型界面活性剤aの代わりに、ステアリルアルコール(花王(株)製 商品名カルコール8098、以下cと記す場合がある)を0.3重量%とした以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示したが、防曇性、帯電防止性が発現しなかった。
【0065】
【表1】

Figure 0004483185
【表2】
Figure 0004483185
【発明の効果】
本発明の防曇性や帯電防止性に優れたフィルムは、ハウス材やトンネル材等の農業用フィルム、粉末食品包装、粉末や顆粒状の医薬品包装、青果等の包装、プリン、ゼリー、茶碗蒸等容器の蓋材、ラップ等、防曇性や帯電防止性の要求される用途に使用することができる。[0001]
[Technical field to which the invention belongs]
The present invention relates to a film formed using a polyolefin resin composition. More specifically, the present invention relates to a film excellent in sustainability in which the antifogging property and / or antistatic property of the film surface is not deteriorated by washing with water or the like.
[0002]
[Prior art]
House cultivation and tunnel cultivation are carried out for the purpose of forcing cultivation of agricultural crops. Films used for house materials and tunnel materials use polyolefins such as vinyl chloride, polyethylene, and ethylene / vinyl acetate copolymers, but for vinyl chloride films that are said to generate harmful gases during incineration, Polyethylene films and ethylene / vinyl acetate copolymer films have been actively used.
[0003]
Films used for house materials and tunnel materials are required to have a so-called anti-fogging property in which water adhering to the inner surface of the film does not agglomerate in the form of water droplets and does not fall on cultivated crops. Since polyolefins such as ethylene / vinyl acetate copolymer are easy to repel water, the water adhering to the inner surface of the film is in the form of water droplets, resulting in poor antifogging properties. Therefore, various improvement methods have been proposed.
[0004]
The methods for improving the antifogging property of the polyolefin film are roughly classified into the following two types.
[0005]
First, a surfactant called an antifogging agent is kneaded into a polyolefin resin, and the surfactant exudes to the surface of the polyolefin film after film formation, thereby exhibiting antifogging properties. This is called a kneading type. It is what. Fatty acid esters are frequently used as surfactants (see, for example, Patent Document 1). This method can be formed into a film by an ordinary film production apparatus, and is excellent in cost.
[0006]
As a second method, after forming a polyolefin resin into a film, a liquid surfactant or a sol such as silica or alumina is coated or sprayed via a binder to develop antifogging properties. (See, for example, Patent Document 2). This method is generally excellent in antifogging durability.
[0007]
In addition, the polyolefin resin has a property of being easily charged due to its structure, and causes various problems such as adhesion of dust and defective printing. Various methods have been proposed for the improvement, but they are roughly divided into three types.
[0008]
First of all, a surfactant called a low molecular weight antistatic agent is kneaded into a polyolefin resin, and after the film is formed, the surfactant exudes to the surface of the polyolefin film to express antifogging properties. It is what is called. Fatty acid esters are frequently used as surfactants (see, for example, Patent Document 3). This method can be formed into a film by an ordinary film production apparatus, and is excellent in cost.
[0009]
As a second method, after forming a polyolefin-based resin into a film, a liquid surfactant is coated or sprayed to develop antistatic properties, which is called a coating type.
[0010]
As a third method, an antistatic property is expressed by kneading a polymer type antistatic agent into a polyolefin resin and controlling its phase structure (see, for example, Patent Document 4).
[0011]
However, according to the first method for improving the antifogging property, there is a problem that the exuded surfactant flows out due to the moisture adhering to the inner surface of the house, and the antifogging property is not maintained. The activator must be blended into the polyolefin resin, which ultimately results in high film costs.
[0012]
In addition, the second method for improving antifogging has a problem that the cost of the coating equipment is high.
[0013]
According to the first method for improving the antistatic property, there is a problem that the antistatic effect is not sustained due to volatilization, shaving, outflow or the like of the surfactant exuded on the film surface.
[0014]
Further, the second method for improving the antistatic property has a problem that the cost of the coating equipment is high.
[0015]
Further, in the third method for improving the antistatic property, the amount of the polymer antistatic agent added is large, and the polymer antistatic agent is expensive and disadvantageous in terms of cost.
[0016]
[Patent Document 1]
JP-A-2-209940 (page 3)
[Patent Document 2]
JP-A-7-266518 (page 3-5)
[Patent Document 3]
JP 9-87421 A [Patent Document 4]
JP-A-1-163234 [Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above situation, and is excellent in antifogging properties and / or antistatic properties required for agricultural films such as house materials and tunnel materials and packaging materials such as foods. And the film which was excellent also in the sustainability is provided.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
As a result of earnest studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors have obtained a film comprising a composition comprising a polyolefin resin, a specific epoxy compound, and a specific fatty acid ester type surfactant, and the film It has been found that a film in which at least one surface of the surface is oxidized has excellent anti-fogging properties and / or antistatic properties, and the present invention has been completed.
[0018]
That is, the present invention relates to 90 to 99.99% by weight of a polyolefin resin, 0.005 to 5% by weight of an epoxy compound having an oxirane oxygen amount derived from an epoxy group of 1% by weight or more, and 2 hydroxyl groups in one molecule. A film comprising a composition comprising 0.005 to 5% by weight of a fatty acid ester surfactant having a molecular weight of 100 to 10,000, and at least one surface of the film surface is oxidized. It is related with the film characterized by these.
[0019]
The present invention also relates to a film characterized in that the oxidation method in performing the oxidation is any one selected from corona discharge treatment, ozone treatment, flame treatment, and plasma treatment.
[0020]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0021]
The polyolefin resin constituting the film excellent in antifogging property and antistatic property of the present invention may be generally called a polyolefin resin, and such a polyolefin resin may be ethylene, propylene, 1- The homopolymer or copolymer of C2-C12 alpha olefins, such as butene, is shown. For example, low density polyethylene, high density polyethylene, ethylene / 1-butene copolymer, ethylene / 1-hexene copolymer, ethylene / 1-octene copolymer, ethylene-4-methyl-1-pentene copolymer , Ethylene-vinyl acetate copolymer, ethylene-acrylic acid copolymer, ethylene-methacrylic acid copolymer, ethylene-acrylic acid ester copolymer, ethylene-based polymer such as ethylene-methacrylic acid ester copolymer, polypropylene , Propylene / ethylene copolymer, propylene / 1-butene copolymer, poly-1-butene, poly-1-hexene, poly-4-methyl-1-pentene, and the like. You may use in the combination of a seed | species or more.
[0022]
Among these, low density polyethylene, ethylene / 1-butene copolymer, ethylene / 1-hexene copolymer, ethylene / 1-octene copolymer, ethylene-4-methyl-1-pentene copolymer, An ethylene / vinyl acetate copolymer is suitable as a house material, a tunnel material, a packaging material, and the like in terms of cost, film strength, and the like.
[0023]
Since the polyolefin resin used in the present invention is excellent in moldability when a film having excellent antifogging properties and antistatic properties is formed, a melt mass flow rate (hereinafter referred to as MFR) according to JIS K6922-1 (1998). Is preferably in the range of 0.1 to 100 g / 10 min.
[0024]
The polyolefin resin used in the present invention may be a commercially available polyolefin resin, and the polymerization method of such a polyolefin resin is not particularly limited, and high pressure method low density polyethylene or ethylene / vinyl acetate copolymer is not limited. In the case of a polymer or the like, for example, a radical polymerization method by a high pressure method can be mentioned, and ethylene / 1-butene copolymer, ethylene / 1-hexene copolymer, polypropylene, propylene / ethylene copolymer, poly-1-butene. In the case of the above, polymerization methods such as a gas phase method, a solution method, and a high pressure method using a Ziegler-Natta catalyst or a metallocene catalyst can be mentioned.
[0025]
The epoxy compound constituting the film excellent in antifogging property and antistatic property of the present invention is one having an oxirane oxygen amount derived from an epoxy group of 1% by weight or more. The epoxy compound is added in order to maintain antifogging properties and antistatic properties. Although the principle is not necessarily clear, it is thought that antifogging and antistatic properties are maintained by reacting with the surfactant and a functional group generated by oxidation of polyolefin on the film surface. .
[0026]
The method for measuring the amount of oxirane oxygen is exemplified by the method described in Koichi Murai, “Plasticizers: Theory and Application”, Koshobo Publishing, published March 1, 1973, page 664. When the oxirane oxygen is less than 1% by weight, the reactivity between the epoxy compound and the surface oxidizing group of the polyolefin and the surfactant is low, and the durability of antifogging property and antistatic property cannot be expressed. Absent.
[0027]
Such epoxy compounds include, for example, epoxidized vegetable oils such as epoxidized soybean oil and epoxidized linseed oil, epoxidized rubbers such as epoxidized polybutadiene and epoxidized polyisoprene, homopolymers of glycidyl esters such as glycidyl methacrylate, glycidyl methacrylate, etc. Copolymer of glycidyl ester and monomer having unsaturated double bond such as styrene, acrylic acid, acrylic ester, phthalic acid diglycidyl ester, ethylene glycol diglycidyl ether, polyethylene glycol diglycidyl ether, bisphenol A-epichlorohydride Phosphorus type epoxy resin etc. are mentioned. You may use these as a 1 type, or 2 or more types of mixture.
[0028]
A commercially available epoxy compound having the above structure can be used. For example, “Adeka Sizer O-130P” manufactured by Asahi Denka Kogyo as epoxidized soybean oil, “New Sizer 510R” manufactured by Nippon Oil & Fats, “Capox S-6” manufactured by Kao, etc. “Adeka Sizer” manufactured by Asahi Denka Kogyo as epoxidized linseed oil "O-180A", Nippon Oil &Fats'"New Sizer 512", etc., Epoxy Polybutadiene "Epollide RB3600" by Asahi Denka Kogyo "BF-1000", etc. "Series and the like.
[0029]
Among the above epoxy compounds, the weight average molecular weight (hereinafter referred to as Mw) measured by gel permeation chromatography was measured under the conditions shown below, a universal calibration curve was measured with monodisperse polystyrene, and calculated as the molecular weight of linear polyethylene. ) Is preferably 2000 to 40000 because stable antifogging properties and antistatic properties can be expressed.
[0030]
Model: Tosoh HLC-8120GPC, SC8020
Solvent: tetrahydrofuran flow rate: 1 ml / min
Temperature: 40 ° C
Measurement concentration: 1 mg / ml
Injection volume: 100 μl
Column: Two TSKgel GMH HR-H manufactured by Tosoh Co., Ltd. The epoxy compound constituting the film of the present invention has an antifogging property, antistatic property, and sustainability when its melting start temperature is 30 to 150 ° C. This is particularly preferable because it can be stably expressed.
[0031]
The fatty acid ester type surfactant constituting the film of the present invention is one having two or more hydroxyl groups in one molecule and a molecular weight of 100 to 10,000. When two or more hydroxyl groups are not contained in one molecule, the antifogging property and antistatic property are inferior, the reactivity with the epoxy compound is low, and the durability of the antifogging property and antistatic property is inferior.
[0032]
The molecular weight of the fatty acid ester type surfactant constituting the film of the present invention is 100 to 10,000. When the molecular weight is less than 100, the fatty acid ester type surfactant is volatilized at the time of extrusion, and the working environment is deteriorated. On the other hand, when the molecular weight exceeds 10,000, the fatty acid ester type surfactant is difficult to exude to the film surface. , Antifogging and antistatic properties are inferior.
The fatty acid ester type surfactant having the above-described structure constituting the film excellent in antifogging property and antistatic property of the present invention is an ester of polyhydric alcohol and fatty acid, and monoesters such as stearic acid monoglyceride and oleic acid monoglyceride. Glycerin fatty acid esters; diglycerin fatty acid esters such as stearic acid diglyceride and oleic acid diglyceride; polyglycerin fatty acid esters; sorbitols; N, N-dihydroxyethylene stearylamine, polyoxyethylene stearylamine, polyoxypropylene stearylamine, etc. And alkylamines such as polyoxyethylene stearyl amide and polyoxypropylene stearyl amide, and the like. You may use these as a 1 type, or 2 or more types of mixture.
[0033]
The blending ratio of the polyolefin resin, epoxy compound and fatty acid ester type surfactant used in the present invention is 95 to 99.99% by weight of polyolefin resin, 0.005 to 5% by weight of epoxy compound, and fatty acid ester type surfactant. 0.005 to 5% by weight of the agent.
[0034]
When the compounding ratio of the epoxy compound is less than 0.005% by weight, the durability of the antifogging property and antistatic property is inferior. Since it does not express, it is not preferable.
[0035]
Further, when the blending ratio of the fatty acid ester type surfactant is less than 0.005% by weight, the antifogging property and the antistatic property are not exhibited, and when it exceeds 5% by weight, the transparency of the film is deteriorated.
[0036]
The blending ratio of the epoxy compound and the fatty acid ester type surfactant is particularly preferably 1: 1 to 1: 100 because the antifogging property, antistatic property, and sustainability thereof are good.
[0037]
In addition, the film of the present invention may be used as an antioxidant, a lubricant, a neutralizing agent, an antiblocking agent, a surfactant, a slipping agent, etc., additives usually used in polyolefins, agricultural house materials and tunnel materials as necessary. It may be added with a heat insulating agent, an antifogging agent, etc.
Examples of the heat retention agent include silica, alumina, magnesium oxide, magnesium hydroxide, calcium hydroxide, and hydrotalcite. Examples of the antifogging agent include fluorine compounds such as fluorinated polyhydric alcohols and fluorinated polyester oligomers. Etc. are exemplified.
[0038]
Moreover, the film of this invention may contain the additive which accelerates | stimulates the hardening reaction of an epoxy group. For example, aliphatic amines such as ethylenediamine, diethylenetriamine, triethylenetetramine, tetraethylenepentamine, aromatic polyamines, aromatic amines such as diaminophenylsulfone m-xylenediamine, tertiary amines such as pyridine, benzylmethylamine, and triethanolamine Class amines, mercaptan-based curing agents, phthalic anhydride, maleic anhydride, trimellitic anhydride, hexahydrophthalanol anhydride, tetrahydrophthalanol anhydride, hymic anhydride, itaconic anhydride and other acid anhydrides, fumaric acid, phthalic acid, Mention may be made of dicarboxylic acids such as maleic acid, trimellitic acid, adipic acid, sebacic acid and dodecanoic acid. You may use these as a 1 type, or 2 or more types of mixture.
[0039]
The film of the present invention is one in which at least one surface of the film is oxidized in order to maintain the antifogging property and / or antistatic property of the film surface, and such curing is manifested by the oxidation. Although the principle is not clear, it is thought that the carboxyl group formed by oxidation of the polyolefin film surface and the fatty acid ester type surfactant react with the epoxy compound, and the antifogging property and / or antistatic property are maintained. It is done.
[0040]
Oxidation treatment methods for oxidizing the film surface include chromic acid treatment, sulfuric acid treatment, air oxidation, ozone treatment, corona discharge treatment, flame treatment, plasma treatment, etc., and oxides are effectively applied to the polyolefin resin surface. Ozone treatment, corona discharge treatment, flame treatment, and plasma treatment are preferable for the formation.
[0041]
The ozone treatment is performed by melt-extruding the polyolefin resin composition constituting the film of the present invention into a film shape and spraying an ozone-containing gas on at least one surface of the film. The amount of ozone treatment is preferably 0.1 to 50 mg / m 2 with respect to the unit area of the molten resin film because the antifogging property and / or antistatic property is excellent in sustainability.
[0042]
Corona discharge treatment is widely used as a continuous treatment technique for plastic film and sheet surfaces, and is performed by passing the film through a corona atmosphere generated by a corona discharge treatment machine. The corona discharge density is preferably 1 to 100 W · min / m 2 because the antifogging property and / or antistatic property is excellent in sustainability.
[0043]
The flame treatment is performed by bringing the film surface into contact with a flame generated when natural gas, propane, or the like is burned.
[0044]
Plasma treatment is an excited inert gas that is electrically neutral after removing charged particles by electronically exciting a single or mixed gas such as argon, helium, neon, hydrogen, oxygen, and air with a plasma jet. Is sprayed onto the film surface.
[0045]
As the amount of oxidation treatment, it is preferable that the wetting index measured by JIS K6768 (1998) on the surface of the oxidized film is 330 to 700 μN / cm because the antifogging durability is excellent.
[0046]
The film of the present invention can be obtained by using an inflation molding machine, a T die cast molding machine, a calendar molding machine, a press molding machine, or the like. In inflation molding and T-die casting, anti-fogging film obtained by co-extrusion method and these molding methods should be made into a multilayer film by laminating sandwich lamination method, dry lamination method, thermal lamination method, etc. Is also possible.
[0047]
The thickness of the film of the present invention is not particularly limited as long as the object of the present invention is achieved, and is preferably 1 μm to 1 mm in thickness because of excellent flexibility and small problems such as breakage.
[0048]
Films excellent in antifogging and antistatic properties of the present invention include agricultural films such as house materials and tunnel materials, powdered food packaging, powder and granular pharmaceutical packaging, fruit and vegetable packaging, pudding, jelly, tea fumigation, etc. It can be used for applications that require anti-fogging properties and antistatic properties, such as container lids and wraps.
[0049]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited to these Examples.
[0050]
The measurement methods and evaluation methods for physical properties and workability are shown below.
(I) Melt flow rate Compliant with test condition 4 of JIS K7210 (1998).
(B) Antifogging property A water tank with a water temperature of 40 ° C. is installed in a room maintained at a temperature of 5 ° C., and the upper part of the water tank is covered with the film so that the oxidized surface of the film obtained in the example becomes the inner surface of the water tank It was. If water droplets do not adhere to the film surface, the antifogging property is good, and if attached, the antifogging property is poor. Further, the number of days until water droplets are generated on the film surface was defined as the antifogging durability.
(C) Antistatic surface specific resistance value: TR8601 and TR-42 manufactured by Advantest Co., Ltd. are used, and the specific resistance value of the film surface after 1 minute at an applied voltage of 500 kV in an environment of 23 ° C. and 50% RH. Was measured. Further, the sustainability of the antistatic property was determined by measuring the surface specific resistance value of a film that had passed for 7 days in a water tank in the antifogging evaluation. As the antistatic property, those having a surface resistivity of less than 10 × 10 14 were considered good.
[0051]
Example 1
Polyolefin resin (trade name Petrocene 213 manufactured by Tosoh Corporation, MFR = 8 g / 10 min, hereinafter referred to as LDPE) 99.6% by weight, epoxy compound (trade name Falpack 200S, manufactured by Nippon Oil & Fats Co., Ltd., oxirane oxygen Amount = 11.2 wt%, weight average molecular weight = 8000, melting start temperature = 50 ° C, hereinafter referred to as A) is 0.1 wt%, fatty acid ester type surfactant (manufactured by Riken Vitamin Co., Ltd.) The product name Riquemar S-71-D, diglycerin monostearate, which may be referred to as “a” hereinafter) was compounded to 0.3 wt%, and melt-kneaded with a single screw extruder to obtain pellets.
[0052]
The obtained pellets were supplied to an extruder of a film forming machine having a screw of 25 mmΦ, and extruded from a T die at a temperature of 200 ° C. to obtain a film having a thickness of 30 μm, and then the wetting index of the film surface was 450 μN / cm. Corona discharge treatment was applied to obtain the desired film.
[0053]
After the obtained film was stored in an oven kept at 40 ° C. for 20 hours, antifogging properties and antistatic properties were evaluated, and the evaluation results are shown in Table 1.
[0054]
Example 2
A film was obtained in the same manner as in Example 1 except that LDPE was 99.68% by weight, epoxy compound A was 0.02% by weight, and fatty acid ester type surfactant a was 0.3% by weight as the polyolefin resin. . The evaluation results of the obtained film are shown in Table 1.
[0055]
Example 3
A film was obtained in the same manner as in Example 1 except that the polyolefin resin was 99.2% by weight of LDPE, 0.1% by weight of epoxy compound A, and 0.7% by weight of fatty acid ester surfactant a. . The evaluation results of the obtained film are shown in Table 1.
[0056]
Example 4
Instead of the epoxy compound A, epoxidized soybean oil (Asahi Denka Kogyo Co., Ltd., trade name Adeka Sizer O-130P, oxirane oxygen content = 7%, weight average molecular weight = 1300, melting start temperature = 20 ° C. or less, A film was obtained in the same manner as in Example 1 except that 0.01% by weight and LDPE 99.69% by weight were sometimes obtained. The evaluation results of the obtained film are shown in Table 1.
[0057]
Example 5
Instead of the fatty acid ester type surfactant a, alkyldiethanolamine (product name Armostad 310 manufactured by Lion Co., Ltd., hereinafter sometimes referred to as b) was changed to 0.3% by weight in the same manner as in Example 1. A film was obtained. The evaluation results of the obtained film are shown in Table 1.
[0058]
Example 6
As polyolefin resin, instead of LDPE, ethylene-vinyl acetate copolymer (trade name Ultrasen 515, manufactured by Tosoh Corporation), MFR = 2.5 g / 10 min, vinyl acetate content = 6 wt%, hereinafter referred to as EVA A film was obtained in the same manner as in Example 1, except that The evaluation results of the obtained film are shown in Table 1.
[0059]
Example 7
Implemented except that an ethylene / 1-hexene copolymer (trade name Nipolon-Z 7P04A manufactured by Tosoh Corporation, MFR = 2 g / 10 minutes, hereinafter sometimes referred to as LLDPE) was used as the polyolefin resin instead of LDPE. A film was obtained in the same manner as in Example 1. The evaluation results of the obtained film are shown in Table 1.
[0060]
Comparative Example 1
A film was obtained in the same manner as in Example 1 except that as the polyolefin resin, LDPE was 100% by weight, epoxy compound A was 0% by weight, and fatty acid ester type surfactant a was 0% by weight. The evaluation results of the obtained film are shown in Table 2, but no antifogging property or antistatic property was exhibited.
[0061]
Comparative Example 2
A film was obtained in the same manner as in Example 1 except that 99.9% by weight of LDPE, 0.1% by weight of epoxy compound A, and 0% by weight of fatty acid ester surfactant a were used as the polyolefin resin. The evaluation results of the obtained film are shown in Table 2, but no antifogging property or antistatic property was exhibited.
[0062]
Comparative Example 3
A film was obtained in the same manner as in Example 1 except that LDPE was 99.7% by weight, epoxy compound A was 0% by weight, and fatty acid ester type surfactant a was 0.3% by weight as the polyolefin resin. The evaluation results of the obtained film are shown in Table 2, but no antifogging property or antistatic property was exhibited.
[0063]
Comparative Example 4
A film was obtained in the same manner as in Example 1 except that the film surface was not subjected to corona discharge treatment (wetting index = 300 μN / cm). The evaluation results of the obtained film are shown in Table 2. However, the durability of antifogging property and antistatic property was not obtained.
[0064]
Comparative Example 5
A film in the same manner as in Example 1 except that stearyl alcohol (trade name Calcoal 8098 manufactured by Kao Corporation, which may be referred to as “c” in some cases) is 0.3 wt% instead of the fatty acid ester type surfactant a. Got. The evaluation results of the obtained film are shown in Table 2, but no antifogging property or antistatic property was exhibited.
[0065]
[Table 1]
Figure 0004483185
[Table 2]
Figure 0004483185
【The invention's effect】
Films excellent in antifogging and antistatic properties of the present invention include agricultural films such as house materials and tunnel materials, powdered food packaging, powder and granular pharmaceutical packaging, fruit and vegetable packaging, pudding, jelly, tea fumigation, etc. It can be used for applications that require anti-fogging properties and antistatic properties, such as container lids and wraps.

Claims (4)

ポリオレフィン系樹脂90〜99.99重量%、エポキシ基に由来するオキシラン酸素量が1重量%以上であるエポキシ化油0.005〜5重量%、及び一分子中に水酸基を2個以上有し、分子量が100〜10000である脂肪酸エステル型界面活性剤0.005〜5重量%からなる組成物を用いてなるフィルムであって、そのフィルム表面の少なくとも片面が酸化されていることを特徴とするフィルム。90 to 99.99% by weight of a polyolefin-based resin, 0.005 to 5% by weight of an epoxidized oil having an oxirane oxygen amount derived from an epoxy group of 1% by weight or more, and two or more hydroxyl groups in one molecule, A film comprising a composition comprising 0.005 to 5% by weight of a fatty acid ester type surfactant having a molecular weight of 100 to 10,000, wherein at least one surface of the film surface is oxidized . ポリオレフィン系樹脂90〜99.99重量%、エポキシ基に由来するオキシラン酸素量が1重量%以上である、グリシジルエステルの単独重合体又はグリシジルエステルと不飽和二重結合を有するモノマーとの共重合体0.005〜5重量%、及び一分子中に水酸基を2個以上有し、分子量が100〜10000である脂肪酸エステル型界面活性剤0.005〜5重量%からなる組成物を用いてなるフィルムであって、そのフィルム表面の少なくとも片面が酸化されていることを特徴とするフィルム。A glycidyl ester homopolymer or a copolymer of a glycidyl ester and a monomer having an unsaturated double bond, having a polyolefin resin of 90 to 99.99% by weight and an oxirane oxygen amount derived from an epoxy group of 1% by weight or more A film comprising 0.005 to 5% by weight and a composition comprising 0.005 to 5% by weight of a fatty acid ester type surfactant having two or more hydroxyl groups in one molecule and a molecular weight of 100 to 10,000 And at least one surface of the film surface is oxidized. 請求項1又は2に記載の酸化が、コロナ放電処理、オゾン処理、フレーム処理、プラズマ処理から選ばれるいずれかの酸化方法であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム。A film according oxidation according to claim 1 or 2, corona discharge treatment, ozone treatment, flame treatment, to claim 1 or 2, characterized in that it is one of oxidation process selected from plasma treatment. グリシジルエステルの単独重合体又はグリシジルエステルと不飽和二重結合を有するモノマーとの共重合が、重量平均分子量2000〜40000であることを特徴とする請求項2又は3に記載のフィルム。The film according to claim 2 or 3, wherein the homopolymer of glycidyl ester or the copolymerization of a glycidyl ester and a monomer having an unsaturated double bond has a weight average molecular weight of 2,000 to 40,000.
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