JP4482885B2 - 大豆胚芽蛋白組成物 - Google Patents

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本発明はアレルギー症状を生じず、栄養阻害成分が低減化され、かつ栄養価が高く風味の良好な大豆胚芽蛋白組成物の供給に関する。
古来より日本では豆腐、豆乳、油揚げ、煮豆、納豆、きな粉、味噌、しょうゆなど、さまざまな調理を施して大豆を食する習慣があり、近年では種々の機能性成分が注目され、健康維持に役立つ食品として注目されている。大豆から油分を除去した大豆蛋白(脱脂大豆)はタンパク質を40〜50%程度含み、植物蛋白としては比較的アミノ酸バランスが優れている点から畑の肉とも呼ばれ、食品、飼料用途に広く利用されている。また近年では大豆中に含まれるイソフラボン、レシチン、ビタミンEといった機能性成分が注目され、これら有用成分は各種疾病予防などを目的としてサプリメントとして利用されている。しかしながら一方で、大豆にはタンパク質分解酵素の活性を阻害するトリプシンインヒビター、アレルギーを引き起こすアレルゲンとして抗原性蛋白質、ミネラルの吸収を阻害するフィチン酸等も含んでいる。栄養機能食品としての大豆の有効利用は、有用成分の高度利用と、栄養阻害成分の低減という大きな2本の柱の上に成り立つといえる。
大豆は子葉、皮、胚芽部より成り、その構成比率は重量にしてそれぞれ92、6、2%程度である。大豆胚芽の一般成分に関しては、蛋白質含量が約39%、油分含量が約10%と低く、丸大豆や脱脂大豆とはその組成が大きく異なる。また近年大豆の機能性成分に関しては調査・研究が急速に進んでいる。そのうち、胚芽部には高濃度のイソフラボン、サポニン、植物ステロールといったフィトケミカルが含まれる。胚芽におけるイソフラボンの濃度は大豆全粒中濃度の5倍程度である。イソフラボンは、大豆、葛、レッドクローバーに存在することが知られ、そのホルモン様作用に関しては1940年代にクローバーの一種(Trifolium spp.)が多く生えている牧草地で、草を食べた羊が不妊症になった原因物質として採り挙げられたことが最初の発見である。胚芽に局在する大豆の苦味や渋みの成分であるサポニンも動物の成長に対しては阻害要因物質となる。また大豆胚芽の蛋白質は丸大豆と比較して貯蔵蛋白質が少なく、様々な疾病予防に有用な機能性の蛋白質やペプチドが高比率で含まれる部位でもあるが、蛋白質含量が低いが故に通常の大豆や脱脂大豆と比較した場合その栄養価は低く、食品、飼料用途には向かないため、大豆の栄養価値を高めるために、あえて分離して除去されてきた成分であり、その有効利用が望まれている。
以上に加えて大豆胚芽には、大豆と同様の抗栄養素や抗原性を示す成分も多量に存在している。例えばアトピー性皮膚炎に関しては、大豆蛋白質に対する感受性の高い患者からの血清を用いてその研究が行われ、抗原特異的IgE、およびそれを誘導する抗原性蛋白質がその原因である。この抗原性蛋白質は大豆胚芽の蛋白質中にも見られる。また動物向けの飼料に関しては、例えば牛においてはアレルギーや消化阻害を引き起こす抗体産生の要因は大豆製品であることが指摘されてきた。アレルギーにおける大豆の主要抗原性蛋白質はグリシニン、β−コングリシニンといった貯蔵蛋白質であるとされ、1980年代になると、アルコール処理、エクストルーダー処理など抗原性を低減化するための研究が精力的になされてきた。また大豆の蛋白質はアミノ酸組成が優れてはいるものの、これに含まれるレクチン、尿素を遊離のアンモニアに分解してしまうウレアーゼ、蛋白質の吸収を阻害するトリプシンインヒビターなどは家畜の栄養阻害を招くほか、抗原性蛋白質は幼齢期の動物に与えた場合には下痢の発症、飼料効率の低下を招く。この内ウレアーゼに関しては、製油産業における搾油工程などによって酵素活性を失活させることが可能であるが、トリプシンインヒビターや、レクチン活性、抗原性蛋白質の低減化は容易ではない。
大石らは、脱脂大豆の経口摂取により抗血清を得、イムノブロットによりアレルゲン蛋白質を検出したのと同時に、これを用いた競合ELISA法により大豆の抗原性を定量的に解析している(非特許文献1)。大豆の抗原性を除去する方法としては、溶剤処理などにより蛋白質成分を除去する、あるいは抗原性蛋白質を変性させる方法、エクストルーダーを用いる方法、酵素分解法などの技術が利用されている。これらの処理の中で最も効果的な手段である2軸エクストルーダー機を用いる方法は、その磨砕、圧縮、混練、剪断作用により、通常のアルコール抽出法、蒸煮装置を用いる方法、1軸型のエクストルーダーを用いる方法などよりも高度な処理が可能な連続式の加工方法として知られている。2軸エクストルーダー処理により、脱脂大豆の抗原性を約100ユニット(U)以下と高度に低減化する方法が開示されており(特許文献1)、この抗原性が低減化された脱脂大豆は動物に対して脱脂大豆に比べて高い栄養価を示す。なお比較として丸大豆は40,000U、脱脂大豆は10,000U、濃縮大豆蛋白は300U の抗原性を持つ。しかしながら、以上の様に大豆蛋白を加工するのに最も適している2軸エクストルーダーでさえ、大豆胚芽部を処理した場合には、通常の脱脂大豆とその性状が大きく異なることから抗原性を高度に低減することは難しい。動物に投与して良い成長を得るためには500U以下、好ましくは100U以下、さらに好ましくは40U以下とすることが望まれている。
また、大豆胚芽そのものの飼料用途への利用に関しては、特許文献2において家禽用飼料として卵重を早期に大きくする、あるいは夏季の卵重低下を予防することを目的として用いられているが、大豆胚芽の栄養阻害成分の除去はなされておらず蛋白質含量も低い。
特許2654889号公報 特開2001−128622 J. Am. Oil Chem. Soc., 71, 1391-1396(1994)
上述のように大豆胚芽は脱脂大豆と比較して栄養価が低く、栄養阻害物質が豊富に含まれることに起因してアレルギー、生育阻害などを引き起こし、風味も悪いため、食品および飼料用途への利用に向いていない。本発明の目的は、高栄養価かつ低アレルギー性で、風味の良好な大豆胚芽蛋白組成物を提供しようとするものである。
本発明の大豆胚芽蛋白組成物は、大豆から胚芽部分を物理的に分離した大豆胚芽から、溶剤処理により栄養阻害成分を除去し、さらに熱処理を加える工程を組み合わせることにより蛋白質の含量を高めながらも、これに起因するアレルゲンの含量を低減させ、かつ風味を向上させたことを特徴とする。
本発明は、これまで除去されてきた大豆胚芽を有効に利用するために、栄養阻害成分及びアレルゲン蛋白質を溶剤による抽出と熱処理によって低減することにより、高栄養価かつ低アレルゲン性で、風味の良好な大豆胚芽蛋白組成物を提供するものであり、食品あるいは飼料原料として優れた効果を持つ。
原料となる大豆胚芽は搾油による脱脂胚芽でも未脱脂胚芽でも良く、大豆の胚芽部を30%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上含むものが用いられる。大豆からの大豆胚芽の分離はいかなる方法でも構わないが、例えば大豆を破砕して半割れ状態とし、篩でふるうことにより大豆胚芽を得る方法がある。大豆胚芽の栄養阻害成分を除去する溶剤としては、水およびあらゆる有機溶剤の使用が可能であるが、0℃〜100℃での使用が好ましい。含水のアルコールであることが望ましい。また熱処理は50〜300℃の熱を1〜180分間与えることが必要であり、熱処理が50℃および/または1分未満では蛋白質の変性が不十分であり、300℃および/または180分を超えると焦げが発生することによりアミノ酸が減少するため望ましくない。
本発明における溶剤処理と熱処理の組み合わせは、いずれか一方の処理を先に行ってもよく、また両処理を同時に行ってもよい。両処理の間に粉砕、分離等の他の処理工程が含まれてもよい。
本発明処理によって得られる大豆胚芽蛋白組成物は、以下に示す如き利点を有する。
第1に、本処理により得られた大豆胚芽蛋白組成物は、蛋白質を50%以上含む。大豆胚芽の蛋白質は、リジン、メチオニンなどの植物に不足する必須アミノ酸を脱脂大豆や濃縮大豆蛋白以上に豊富に含み、かつ総蛋白質中に存在する比率も高く、消化され易くなっていることにより筋力増強に役立つ。さらに大豆胚芽の蛋白質は、疾病予防に有効な機能性の蛋白質やペプチドを多く含む。
第2に、本処理により得られた大豆胚芽蛋白組成物の灰分含量は、丸大豆および大豆から得られた蛋白濃縮物や胚芽自体の灰分含量より少ないため、塩分を制限されている人でも食べられるほか、動物に与えた際にも飼料の高ミネラル濃度に起因する下痢を抑制することができる。
第3に、本処理により得られた大豆胚芽蛋白組成物は、カルシウムなどの有用なミネラルの吸収を阻害するフィチン酸が低減されているほか、難消化性のオリゴ糖が少ないことにより下痢の発症を抑制する。
第4に、本処理により得られた大豆胚芽蛋白組成物は、イソフラボンが0.5%以下、サポニンが1%以下であり、これらの微量成分を過剰摂取する危険もなくそれに起因する副作用を回避できるとともに、苦味が低減され、風味が向上して食べやすく、飼料としても摂餌量が減ることがない。
第5に、本処理により得られた大豆胚芽蛋白組成物はトリプシンインヒビター活性、レクチン活性が非常に少ない。これは、トリプシンインヒビター、レクチンといった蛋白質の吸収を阻害する成分は熱や溶剤処理にも安定であり、搾油処理を経た脱脂大豆や濃縮大豆蛋白にも多く残存する成分であり、さらに子葉部のコンタミネーションなどにより残存するこれらの活性も本処理により脱脂大豆よりも大幅に低減されるためである。
第6に、本発明の大豆胚芽蛋白組成物は低抗原性で、抗原性が500U未満に低減されていることを特徴とする。
本処理により得られた大豆胚芽蛋白組成物の抗原性は、ELISA法により評価を行った。すなわち標準抗原溶液を10mMリン酸緩衝液で100倍に希釈、マイクロタイタープレートに常法により固定化し、このプレートに各希釈液の標準溶液、または被検物質からリン酸緩衝液で抽出したサンプル溶液と子牛抗血清を加え、抗原抗体反応を行わせた。その後0.05%のTween80を含む10mM PBSで洗浄し、2次抗体としてパーオキシダーゼ標識抗子牛抗体(DAKO社Code P-159)を加え、反応を行った。これを先程と同じ洗浄液で洗浄し、0.008% H2O2を含む8mM o−フェニレンジアミンを加えて発色させ、約30分後4N H2SO4 100mlで反応を停止し、マイクロプレートリーダーにより492nmの吸収を測定した。この測定での標準抗原溶液の抗原値を10,000Uとし、抗原物質の含有量を示す単位とした。標準抗原溶液のlog希釈倍率と吸光度logit変換値をX、Y軸にとり、標準直線を求めた。本処理により得られた大豆胚芽蛋白組成物から、標準抗原溶液を処理したのと同様の方法で試料調整を行い、抗原性を先の標準直線より計算した。なお吸光度logit変換値は次式によって求められる。
logit = ln[(ABS/cont.ABS)/(1−ABS/cont.ABS)]
但し、ABSは各希釈度の標準抗原溶液添加時の吸光度
cont.ABSは10mMリン酸緩衝液添加時の吸光度
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の趣旨はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
大豆を機械的に割砕し、篩にかけて大豆の胚芽が70%以上含有されるように分離して大豆胚芽を得た。これに70%含水エタノールを加え、70℃、30分間撹拌した後、ろ過してその残渣を回収した。この残渣を減圧下で100℃、40分間の熱処理をし、目的とする大豆胚芽蛋白組成物を得た。本処理によって得られた大豆胚芽蛋白組成物は香ばしく、風味が良好で焦げは生じておらず、食品として適していた。
脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、濃縮大豆蛋白、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽、および本例で得られた大豆胚芽蛋白組成物の分析、ならびに動物試験を行った。動物試験には、試験物質を蛋白のうち20%含む飼料(飼料1)と、同65%含む飼料(飼料2)を作成した。配合割合は表1に示したとおりで、全ての試験物質の区で蛋白質の含量が等しくなるように動物質性飼料原料の内容を調整した。試験には、2週令の仔牛に飼料1を1週間、次いで飼料2を3週間与えたときの下痢発症の有無を調査した。分析結果および動物試験の結果を表2に示す。なお表2におけるトリプシンインヒビター活性は、N -α- benzoyl-dl- arginie- p - nitroanilide hydrochloride を基質としたトリプシン活性に対する阻害能を測定して値を算出した。レクチン活性は、1gの検体(脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、濃縮大豆蛋白、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽、実施例1で得られた組成物、および後述の実施例2〜3で得られた組成物の粉体)から5mlのリン酸緩衝液で抽出した溶液を希釈していき、赤血球凝集活性を示す最低濃度の希釈倍率をユニット(U)として示した。
実施例1で得られた組成物は、脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽に比べ蛋白質含量が高かった。リジン、メチオニン比率は、脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、濃縮大豆蛋白、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽に比べ同等以上であった。また、大豆オリゴ糖、サポニン、イソフラボン含量、およびトリプシンインビビター活性、レクチン活性、抗原性は、脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、濃縮大豆蛋白、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽に比べいずれも低く、下痢発症性は有していない。灰分含量は、脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、濃縮大豆蛋白より低く、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽とは同程度であった。さらに実施例1で得られた組成物は、脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、濃縮大豆蛋白、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽よりも苦味が低減され、風味、消化率が良く、仔牛の発育も優れていた。
Figure 0004482885
Figure 0004482885
〔実施例2〕
実施例1と同様の方法にて大豆胚芽を得た後に、常法により脱脂して脱脂大豆胚芽を得た。これに70%含水エタノールを加えて30分間撹拌した後、ろ過してその残渣を回収した。この残渣を減圧下で70℃、10分間の熱処理をし、目的とする大豆胚芽蛋白組成物を得た。本処理によって得られた大豆胚芽蛋白組成物は香ばしく、風味が良好で、焦げは生じておらず食品として適していた。実施例1と同様に実施例2の組成物の分析結果および動物試験の結果を表2に示す。
実施例2で得られた組成物は、脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽に比べ蛋白質含量が高かった。リジン、メチオニン比率は、脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、濃縮大豆蛋白、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽に比べ高く、疾病予防に有効な機能性蛋白質やペプチドを多く含んでいた。また、大豆オリゴ糖、サポニン、イソフラボン含量、およびトリプシンインビビター活性、レクチン活性、抗原性は脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、濃縮大豆蛋白、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽に比べいずれも低く、下痢発症性は有していない。灰分含量は、脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、濃縮大豆蛋白より低いが、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽とは同程度であった。さらに実施例2で得られた組成物は、脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、濃縮大豆蛋白、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽よりも苦味が低減され、風味、消化率が良く、仔牛の発育も優れていた。
〔実施例3〕
実施例2と同様の方法にて脱脂大豆胚芽を得た。これに70%含水エタノールを加えて70℃、30分間撹拌した後、ろ過してその残渣を回収した。この残渣を減圧下で100℃、40分間の熱処理をし、目的とする大豆胚芽蛋白組成物を得た。本処理によって得られた大豆胚芽蛋白組成物は香ばしく、風味が良好で、焦げは生じておらず食品として適していた。実施例1と同様にその分析結果および動物試験の結果を表2に示す。
実施例3で得られた組成物は、脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽に比べ蛋白質含量が高かった。リジン、メチオニン比率は、脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、濃縮大豆蛋白、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽に比べ高かった。また、大豆オリゴ糖、サポニン、イソフラボン含量、およびトリプシンインビビター活性、レクチン活性、抗原性はいずれも低く、下痢発症性は有していない。灰分含量は、脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、濃縮大豆蛋白より低いが大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽とは同程度であった。さらに実施例3で得られた組成物は、脱脂大豆、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆、濃縮大豆蛋白、大豆胚芽、2軸エクストルーダー処理脱脂大豆胚芽よりも苦味が低減され、風味、消化率が良く、仔牛の発育も優れていた。

Claims (5)

  1. 大豆の胚芽部を30%以上含む大豆胚芽を含水アルコールによる溶剤処理および熱処理を組み合わせた工程で処理して得られる、レクチン活性が8U以下、抗原性が80U以下に低減された蛋白質が50%以上であり、イソフラボンが0.5%以下、サポニンが1%以下である大豆胚芽蛋白組成物。
  2. 熱処理が50〜300℃、1〜180分間であることを特徴とする請求項1記載の大豆胚芽蛋白質組成物。
  3. 脱脂大豆と比較して大豆由来のリジン、メチオニンの含量が多く、灰分、オリゴ糖の含量が少なく、かつトリプシンインヒビターの活性が低い請求項1または2に記載の大豆胚芽蛋白組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の大豆胚芽蛋白組成物を含有する低抗原性食品。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の大豆胚芽蛋白組成物を含有する低抗原性飼料。
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