JP4481685B2 - 縦型汚泥減容装置 - Google Patents

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Description

本発明は汚泥減容装置に関し、より詳しくは大量の汚泥を小スペースにて効率良く連続的に減容化することが可能な定置型の縦型汚泥減容装置に関する。
道路側溝や湖沼に堆積した汚泥、或いは建設汚泥等の産業廃棄物として発生する汚泥の回収処理は、車両上に吸引機構と貯槽が搭載された汚泥回収車を回収現場に派遣し、吸引機構によって貯槽内に汚泥を吸引回収し、貯槽内が汚泥で満杯になると回収した汚泥を中間処理施設へと運搬し、中間処理施設にて脱水処理を行って規定値以下の含水率に下げた後に最終処分地へと運んで処理を行うのが一般的である。
本出願人は、このような汚泥回収処理において好適に使用可能な減容装置搭載汚泥吸引車を既に提案している(特許文献1参照)。
特開2001−32362号公報
この特許文献1に記載の汚泥吸引車は、車両に搭載した貯槽内にて汚泥に含まれる固形成分と液体成分とを分離し、汚泥を減容化することが可能である優れた装置であった。
しかしながら、この汚泥吸引車は、あくまでも汚泥発生現場において汚泥を減容化し、処理施設への運搬量を削減することを目的とするものであるため、多数の現場から大量に搬入される汚泥を効率良く連続的に処理することが求められる処理施設において汚泥を減容処理する装置としては適していなかった。
すなわち、この汚泥吸引車は、車両に横置きで搭載された貯槽内にて前後方向に移動板を動かして汚泥を固液分離する構造であるから、移動板による固液分離作用が重力による沈降分離の作用と協働しないため処理効率が悪く、大量の汚泥を連続的に減容化処理することが困難であった。
また、貯槽内に汚泥を回収した状態において、固体成分と液体成分を分離するためのフィルターが常時汚泥に接触した状態となるため、フィルターの目詰まりが起こり易く、しかも汚泥を貯留した状態ではフィルター等の部品のメンテナンスが困難であるため、処理中に発生した目詰まり等の不具合によって処理効率が大きく低下してしまう場合があった。
このような問題点を解決するための手段の一つとして、貯槽を立設状態、即ち縦置きに配置することが考えられる。
しかしながら、貯槽を縦置きにした場合、攪拌羽根を作動させたとしても、内部の汚泥が充分に攪拌されないままで底部へと沈降してしまう現象が生じ易く、凝集剤を貯槽内に投入した場合に、汚泥が凝集剤と充分に反応しないままで底部に沈殿してしまうという問題があった。
このような不都合を防止するための手段として、貯槽の底部近傍に攪拌羽根を設けることも考えられるが、底部近傍に攪拌羽根を設けると、凝集剤によってせっかく形成されたフロックが攪拌羽根の回転によって壊されてしまうという新たな問題が生じてしまう。
本発明は上記した従来技術の問題点を悉く解決すべくなされたものであって、発生現場から回収運搬されてきた大量の汚泥を連続的に効率良く減容化処理することが可能であるとともに、フィルターの目詰まりが起こりにくく、メンテナンス性にも優れ、長期間に亘って優れた処理能力を維持することが可能な汚泥減容装置を提供せんとするものである。
請求項1に係る発明は、汚泥を内部に取り入れて沈降分離させる貯槽と、該貯槽を立設状態に支持するための支持脚とからなり、前記貯槽の底部には傾斜面と該傾斜面の下端部と連続する水平面が形成され、該水平面の中心は貯槽の垂直方向中心軸に対して偏心しており、前記傾斜面には攪拌羽根が設けられ、該攪拌羽根は回転軸と該回転軸に対して傾斜して取り付けられた円板からなることを特徴とする縦型汚泥減容装置に関する。
請求項2に係る発明は、前記貯槽内には該貯槽内において移動可能な移動板が配設され、該移動板は液体成分のみが通過可能な液通過部を備えるとともに、前記貯槽の円筒状部分の横断内面に合致する外形を有し且つ該貯槽の上下方向に移動可能とされてなることを特徴とする請求項1記載の縦型汚泥減容装置に関する。
請求項3に係る発明は、前記移動板の下面には攪拌羽根が設けられてなることを特徴とする請求項2記載の縦型汚泥減容装置に関する。
請求項4に係る発明は、前記傾斜面の傾斜角度が40〜60°であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の縦型汚泥減容装置に関する。
請求項5に係る発明は、前記傾斜面に取り付けられた攪拌羽根の回転軸に対する円板の傾斜角度が10〜30°であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の縦型汚泥減容装置に関する。
請求項6に係る発明は、前記円板の外径と貯槽の円筒状部分の横断内面の径との比が1:2〜3であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の縦型汚泥減容装置に関する。
請求項1に係る発明によれば、貯槽の底部に、貯槽の垂直方向中心軸に対して偏心した水平面と傾斜面とを備え、この傾斜面に攪拌羽根が設けられているので、内部の汚泥が充分に攪拌されないままで底部へと沈降してしまう現象を防ぐことができ、凝集剤を貯槽内に投入した場合に、汚泥を凝集剤と充分に反応させることが可能となるとともに、凝集剤によって形成されたフロックが攪拌羽根の回転によって壊されてしまうことがない。また、攪拌羽根が回転軸と該回転軸に対して傾斜して取り付けられた円板からなることで、攪拌羽根の回転によるフロックの破壊をより確実に防ぐことができるとともに、貯槽内に上方向への螺旋状の対流を発生させることで汚泥と凝集剤とを充分に反応させることが可能となる。
請求項2に係る発明によれば、立設された貯槽内にて上下方向に移動板を動かして汚泥を固液分離することにより、移動板による固液分離作用と重力による沈降分離の作用を協働させることができ、効率良く貯槽内での固液分離を達成して大量の汚泥を連続的に短時間で減容化処理することが可能となり、汚泥中間処理施設に設置して使用するのに最適な汚泥減容装置となる。
請求項3乃至6に係る発明によれば、貯槽の内部構造が汚泥の攪拌と沈降分離のために最適化されるので、極めて効率良く貯槽内での固液分離を達成して大量の汚泥を連続的に短時間で減容化処理することが可能となる。
以下、本発明に係る縦型汚泥減容装置の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る汚泥減容装置の外観正面図、図2は本発明に係る汚泥減容装置の内部構造を示す側面図である。
本発明に係る汚泥減容装置(1)は、汚泥を内部に取り入れて沈降分離させるための貯槽(2)と、この貯槽(2)を立設状態に支持するための支持脚(3)とを備えている。また図示例では、貯槽(2)内に、該槽内において上下移動可能な移動板(4)が配設されている。本発明においては、図示の如く移動板(4)を設けることが好ましいが、移動板(4)を設けない構成とすることも可能である。
貯槽(2)は軸方向に長い略円筒状の容器であって、その軸方向が上下方向となり且つ下端部が地面から所定高さに位置するように、支持脚(3)によって地面上に立設されている。
貯槽(2)の底部には、傾斜面(2a)と、該傾斜面の下端部と連続する水平面(2b)が形成されており、該水平面(2b)の中心は貯槽(2)の垂直方向中心軸に対して偏心している。
尚、水平面(2b)はその全面が開放可能となっている。即ち、水平面(2b)には汚泥を排出する排出口(5)が設けられており、この排出口(5)が、シリンダ駆動によって上下に起伏する蓋(6)によって開閉可能に構成されている。
本発明において、貯槽(2)の傾斜面(2a)の傾斜角度(貯槽の垂直方向中心軸に対する傾斜角度)(図中αで示す)は特に限定されないが、好ましくは30〜75°の範囲、より好ましくは40〜60°の範囲とされる。
本発明において貯槽(2)の底部に傾斜面(2a)を設けるのは、この傾斜面(2a)に後述する攪拌羽根(19)を取り付けることにより、内部の汚泥が充分に攪拌されないままで底部へと沈降してしまう現象を防ぎ、汚泥と凝集剤とを充分に反応させることを可能とするとともに、凝集剤によって形成されたフロックが沈殿の際に攪拌羽根に当って壊れるのを防ぐためである。
従って、傾斜面(2a)の傾斜角度が小さすぎると、内部の汚泥が充分に攪拌されないままで底部へと沈降してしまう現象を防ぎ難くなり、逆に傾斜角度が大きすぎると、凝集剤によって形成されたフロックが沈殿の際に攪拌羽根に当って壊れるのを防ぎ難くなるため、傾斜角度は上記した適度な範囲に設定することが好ましい。
上記傾斜面(2a)には攪拌羽根(19)が設けられている。
図3は攪拌羽根(19)を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。
攪拌羽根(19)は、傾斜面(2a)に対して垂直に取り付けられてモータ(図示略)の駆動によって回転する回転軸(19a)と、該回転軸(19a)に対して傾斜して取り付けられた円板(19b)から構成される。
本発明において、攪拌羽根(19)の形状として、一般的なプロペラ羽根を使用せずに円板を使用するのは、プロペラ羽根では攪拌力は強いが、成長したフロックを回転する羽根が切って壊してしまう現象が顕著に生じるためである。また、回転軸(19a)に対して円板(19b)を傾斜させるのは、回転面が連続的に微妙に上下動することで、貯槽の下方から上方へと旋回しながら上昇する流れが小刻みに生じて複雑な流れとなり、槽内全体に満遍なく良好な攪拌が得られるためである。
攪拌羽根(19)について、回転軸(19a)に対する円板(19b)の傾斜角度は特に限定されないが、好ましくは10〜60°の範囲、より好ましくは10〜30°の範囲とされ、約20°とすることが最も好ましい。尚、本明細書でいう傾斜角度とは、回転軸(19a)に対して円板(19b)の面が直角をなす場合を基準面(即ち0°)とし、この基準面に対して円板(19b)の面がなす角度であり、図中にβで示している。
この傾斜角度を上記のような値に設定するのは、傾斜角度が大きすぎても小さすぎても、充分な攪拌力が得られなくなるためである。
また本発明においては、攪拌羽根(19)の円板(19)の外径と、貯槽(2)の円筒状部分の横断内面の径との比は、好ましくは1:2〜3とされ、より好ましくは1:2.2〜2.3とされる。具体的には、円板(19)の外径をφ700mm、貯槽(2)の円筒状部分の横断内面の径(水平方向の内径)をφ1600mmとする構成を例示することができる。
移動板(4)の下面(前面)には、モータ(図示略)によって回転する攪拌羽根(7)が取り付けられており、この攪拌羽根(7)の回転駆動によって貯槽(2)内に回収された汚泥と凝集剤とを攪拌して固液分離を促進することが可能となっている。
また、移動板(4)の上面(後面)は、貯槽(2)の上面に取り付けられた油圧シリンダ(8)のロッド先端に接続されており、油圧シリンダ(8)の駆動に伴うロッドの伸長によって、図4に示す如く貯槽(2)内を下方向に移動することが可能となっている。尚、移動板(4)は、貯槽(2)の底部に傾斜面が形成されていることによって傾斜面の上端位置までしか下降できず、貯槽の底部には常に汚泥貯留のための一定容量が確保されるようになっている。
図5は移動板(4)の構成を示す図であって、(a)は移動板(4)の縦断面図であり、右方に図5の右半分を拡大して示している。また、(b)は移動板(4)を図2の下方向から見た平面図である。尚、(a)の右図では図を見易くするために攪拌羽根(7)が省略されている。
移動板(4)は、図示の如く円板状の部材であって、その外形は貯槽(2)の横断内面と合致するようになっている。
移動板(4)には、貯槽(2)内に回収された汚泥の液体成分のみが通過可能な液通過部(9)が設けられている。
図示例においては、液通過部(9)は移動板(4)の中心線を挟んだ対称位置に2箇所設けられているが、その数や位置は特に限定されず、移動板の適宜箇所に1箇所或いは3箇所以上設けることも可能である。
液通過部(9)は、移動板(4)に設けられた貫通孔に円筒状部材(10)を装着し、この円筒状部材(10)内にフィルター(11)を取り付けることによって構成されており、フィルター(11)によって汚泥の固形成分が移動板(4)の貫通孔を通過することが防がれ、液体成分のみが貫通孔を通過し得るようになっている。
液通過部(9)には、該液通過部を通過した液体成分をそのまま貯槽(2)の外部へと排出する排出手段が設けられている。
この排出手段は、円筒状部材(10)の後端面(上端面)を塞ぐように取り付けた蓋(12)に貫通孔を形成し、この貫通孔にフィルター(11)を通過した液体成分を通過させるための管(13)を取り付け、この管(13)と貯槽(2)の上方部に設けられた排水口(14)とをホース等の接続管(図4中に一点鎖線で表示)により繋ぐことにより構成されている。
これによって、移動板(4)の下降に伴ってフィルター(11)を通過した汚泥中の液体成分は、管(13)に接続されたホース等の接続管を介して、排水口(14)から貯槽外部へとそのまま排出される。
尚、図示例においては、排水口(14)に接続された管の先端に排水透視管(31)が取り付けられており、この排水透視管(31)の部分において貯槽(2)から排出される排水を視認できるようになっている。
また、蓋(12)には、フィルター(11)に向けて高圧洗浄水を吹き付けるための逆洗ノズル(15)が取り付けられている。
この逆洗ノズル(15)は、貯槽外に配置されたポンプ等(図示せず)から送られてくる高圧の洗浄水をフィルター(11)の後方から吹き付けることによって、フィルター(11)の目詰まりを解消するために設けられている。
貯槽(2)の中間やや上方寄り位置には、現場から運搬されてきた汚泥を内部に取り入れるための取入口(16)が設けられており、取入口(16)の僅かに下方位置には、貯槽(2)内の汚泥の量を検知するための水位計等からなるレベルセンサー(30)が取り付けられている。
また、取入口(16)のやや上方位置には、貯槽(2)内部に凝集剤を供給するための凝集剤供給口(18)が設けられており、この凝集剤供給口(18)は貯槽(2)外部に設置された凝集剤供給手段と接続されている。
そして、貯槽(2)の上端部には開閉可能な蓋(17)が取り付けられている。
取入口(16)からの汚泥の取り入れ方法は、ポンプ等の圧送機構による圧送力を利用してもよいし、真空発生装置等の吸引機構による吸引力を利用した方法でもよく、特に限定されない。
図6は本発明に係る汚泥減容装置(1)において貯槽内に汚泥を取り入れるために使用可能な吸引機構の一例を示す図であり、図7は貯槽内に凝集剤を供給するために使用可能な凝集剤供給手段の一例を示す図である。
吸引機構(20)は、真空ポンプとして使用されるルーツブロワー(21)の吸入口側を第1のミストキャッチャー兼消音水槽(22)を介して吸引管(25)により貯槽(2)と連通連結し、出口側には吐出サイレンサー(23)を介して第2のミストキャッチャー兼消音水槽(24)を連通連結してなるものである。
そして、第1のミストキャッチャー兼消音水槽(22)と貯槽(2)とを繋ぐ吸引管(25)の中途部には外気に開放された2つの分岐通路が形成され、各分岐通路の開放端にはそれぞれ負荷調整弁(26)とバキュームブレーカー(27)が設けられている。そして、吸引管(25)を貯槽(2)に接続してルーツブロワー(21)を駆動することにより、吸引管(25)に吸引力を発生させて貯槽(2)内部を減圧状態とし、吸引管(40)から取入口(16)を介して貯槽(2)内へと汚泥を吸引することが可能となっている。
凝集剤供給手段(40)は、水タンク(42)と2つの凝集剤タンク(43)からなり、水タンク(42)にはヒーター(44)が、凝集剤タンク(43)には攪拌羽根(45)がそれぞれ備えられている。
水タンク(42)と凝集剤タンク(43)は、ポンプ(46)及び三方弁(47)を介して連通連結されており、ヒーター(44)によって温められた温水を凝集剤タンク(43)へと供給し、攪拌羽根(45)によって攪拌するように構成されている。このように温水を使用することによって、高い濃度の凝集剤を短時間で得ることができる。
凝集剤タンク(43)にて温水と攪拌混合された凝集剤は、凝集剤供給パイプ(48)を通って凝集剤供給口(18)から貯槽(2)内へと供給される。
尚、凝集剤を貯槽(2)内に供給する際には、吸引機構(20)により貯槽内を負圧とすればよいが、ポンプを用いた圧送供給としてもよい。
本発明において使用される凝集剤は、有機系凝集剤(高分子凝集剤)と無機系凝集剤のいずれであってもよい。
高分子凝集剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系の凝集剤がいずれも使用可能であり、アニオン系としてはポリアクリルアミド系、ポリアクリル酸ソーダ系、変性ポリアクリルアミド系、カチオン系としてはポリメタアクリル酸エステル系、ポリアクリル酸エステル系、ポリアミン系、ノニオン系としてはポリアクリルアミド系、変性ポリアクリルアミド系のものが挙げられる。具体的な製品としては、クリフロック(商品名、クリタ工業社製)、スーパーフロック、アコフロック(いずれも商品名、三井サイテック社製)等を例示することができる。
また、無機系凝集剤としては、鉄系、アルミニウム系などの金属系凝集剤、カルシウム系の粉体凝集剤(沈降剤)のいずれも使用可能であり、金属系凝集剤の製品の具体例としては、鉄系のものとしてポリテツ(商品名、日鉄鉱業社製)、アルミニウム系のものとしてポリ塩化アルミニウム(通称パック)、粉体凝集剤の製品の具体例としては、モスナイト(商品名)、スーパーナミット(商品名、ノアテック社製)を例示することができる。
本発明においては、貯槽内に回収された汚泥の性質に応じて、上記した凝集剤から1種又は2種以上を適宜選択して貯槽内に供給することができる。また、汚泥の種類によっては、凝集剤を供給しなくてもよい場合がある。
以下、本発明に係る汚泥減容装置の作用について説明する。
本発明に係る汚泥減容装置(1)は汚泥の中間処理施設等に設置され、現場にて回収されて運搬されてきた汚泥は、取入口(16)から貯槽(2)内部へと取り入れられる。この汚泥の取り入れは、前述した吸引機構による吸引力を利用してもよいし、ポンプによる圧送供給としてもよい。
尚、この汚泥取り入れの際には、移動板(4)は取入口(16)よりも上方に位置させておく。
次いで、凝集剤供給口(18)から貯槽(2)内へと凝集剤を供給する。この凝集剤の供給方法についても、前述した吸引機構による吸引力を利用してもよいし、ポンプによる圧送供給としてもよい。
このとき、汚泥のpH値によっては硫酸バンド等のpH調整剤を貯槽(2)内へと投入して汚泥を中性とする。尚、汚泥の種類によっては、凝集剤の供給を行わなくてもよい。
尚、凝集剤供給の際には、移動板(4)は凝集剤供給口(18)よりも上方に位置させておく。
凝集剤を供給した後、モータを駆動させて攪拌羽根(7)(19)を回転させる。これにより、凝集剤と汚泥の攪拌が十分に実施されてフロックが形成され、汚泥が液体と固体に分離される。
このとき、移動板(4)に取り付けられた攪拌羽根(7)だけでなく、貯槽(2)の底部傾斜面に設けられた攪拌羽根(19)も回転させることにより、充分に固液分離せずに沈降した汚泥をも確実に分離することが可能となる。
また、貯槽(2)の底部に、傾斜面(2a)と、貯槽の垂直方向中心軸に対して偏心した水平面(2b)とを備え、この傾斜面(2a)に攪拌羽根(19)が設けられているので、内部の汚泥が充分に攪拌されないままで底部へと沈降してしまう現象を防ぐことができる。そのため、汚泥と凝集剤とを充分に反応させることが可能となるとともに、凝集剤によって形成されたフロックが攪拌羽根(19)の回転によって壊されることがない。
また、攪拌羽根が回転軸と該回転軸に対して傾斜して取り付けられた円板からなることで、攪拌羽根の回転によるフロックの破壊をより確実に防ぐことができるとともに、回転面が連続的に微妙に上下動することで、貯槽の下方から上方へと旋回しながら上昇する複雑な流れが発生し、汚泥と凝集剤とを充分に反応させることが可能となる。
所要時間、攪拌羽根(7)(19)を回転させることによって凝集剤と汚泥とを充分に混合した後、所要時間静置し、汚泥フロックと排水分に重力分離させる。その後、移動板(4)を貯槽(2)の下部に向けて前進させることにより、汚泥を圧縮減容化する。この圧縮工程時における圧力は、例えば50〜70kg/cm程度とされる。
この圧縮工程では、圧縮された汚泥中に含まれる水分は液通過部(9)を通過し、移動板(4)の後方(貯槽の上部)へと移動して、排水口(14)から貯槽外部へと排出される。これによって、移動板(4)の前方(貯槽の下部)には汚泥中の固形分のみが蓄積していくこととなる。そして、排出された水分は、場内洗浄用やフィルター逆洗用の水等の用途に再利用することができる。
このように、立設された貯槽内にて上下方向に移動板を動かして汚泥を固液分離することにより、移動板による固液分離作用と重力による沈降分離の作用が協働し、貯槽内における固液分離を非常に効率良く達成することができる。また、泥泥から分離された水分が移動板の移動に伴って連続的に外部へと排出されることによって、処理効率がより一層高められる。
上記工程を所要回数繰り返すことによって、回収された汚泥に含まれる固形成分が移動板(4)の前方(貯槽の下部)に蓄積されるので、排水口(14)から水分が排出されなくなったことを確認後、貯槽(2)の底部を塞ぐ蓋(6)を開放して排出口(5)から濃縮された汚泥固形分を外部へと排出する。
このとき、排出口(5)が貯槽の底部に設けられているため、重力の作用で簡単に汚泥固形分を排出することができる。
排出された汚泥固形分は、少量の添加剤混入によって造粒固化等の次工程処理が可能となる。
上記した作業によって、フィルター(11)が目詰まりした場合、逆洗ノズルから高圧洗浄水をフィルター(11)の後方から吹き付けて目詰まりを解消すればよいが、本発明の装置では移動板(4)は常時汚泥に接触しているのではなく、基本的に汚泥の上方に位置しているため、フィルター(11)の目詰まりが非常に生じにくい。また、汚泥が貯留された状態でもフィルター等のメンテナンスを行うことが可能であるため、非常にメンテナンス性に優れている。
以下、本発明に係る縦型汚泥減容装置の実施例及び比較例を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。但し、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例)
図1乃至図7に示す構成を備えた本発明に係る縦型汚泥減容装置を用い、その貯槽(2)内に汚泥原槽から採取した3000kgの汚泥と、有機系高分子からなる凝集剤を投入して、攪拌羽根(7)(19)を回転させつつ、移動板(4)を貯槽(2)の下部に向けて前進させることにより、汚泥を圧縮減容化した。
貯槽(2)底部の傾斜面(2a)の傾斜角度は50°、攪拌羽根(19)の回転軸(19)に対する円板(19)の傾斜角度は20°、円板(19)の外径と貯槽(2)の円筒状部分の横断内面の径との比は1:2.23であった。
(比較例1)
実施例で用いた装置において、攪拌羽根(19)をプロペラ式のものとした以外は、実施例と同じ条件で汚泥を圧縮減容化した。
(比較例2)
実施例で用いた装置において、攪拌羽根(19)の回転軸(19)に対する円板(19)の傾斜角度を0°とした以外は、実施例と同じ条件で汚泥を圧縮減容化した。
(比較例3)
実施例で用いた装置において、貯槽(2)として、底部の水平面(2b)の中心が貯槽(2)の中心軸上にあるものを用いた以外は、実施例と同じ条件で汚泥を圧縮減容化した。
実施例及び比較例1〜3について、装置を20分間運転した後、5分間静置してから、貯槽の底に沈殿した汚泥フロックを取り出し、その重量を測定した。
結果を表1に示す。
Figure 0004481685
表1に示されるように、実施例の装置は比較例1〜3のいずれの装置と比べても、得られた汚泥フロックの重量が大きかった。この重量の差は汚泥フロック中に含まれる水分量に起因していた。すなわち、実施例で得られた汚泥フロックの含水率は、比較例で得られた汚泥フロックの含水率よりも低かった。
この結果は、実施例の装置によれば、比較例の装置に比べて同じ時間で固形成分を多く含む汚泥フロックを得ることができることが分かり、このことから本発明によれば短時間での汚泥減容化処理が可能であることが確認できた。
本発明は、道路側溝や湖沼に堆積した汚泥や建設汚泥等の産業廃棄物として発生する汚泥等を減容化するための装置として利用される。
本発明に係る汚泥減容装置の外観正面図である。 本発明に係る汚泥減容装置の内部構造を示す側面図である。 傾斜面に取り付けられる攪拌羽根を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面図である。 移動板を下降させた状態の内部構造を示す側面図である。 (a)は移動板の縦断面図であり、(b)は移動板を図2の下方向から見た平面図である。 本発明に係る汚泥減容装置において使用可能な吸引機構の一例を示す図である。 本発明に係る汚泥減容装置において使用可能な凝集剤供給手段の一例を示す図である。
符号の説明
1 汚泥減容装置
2 貯槽
2a 傾斜面
2b 水平面
3 支持脚
4 移動板
5 排出口
7 攪拌羽根(移動板取付)
9 液通過部
19 攪拌羽根(傾斜面取付)
19a 回転軸
19b 円板

Claims (6)

  1. 汚泥を内部に取り入れて沈降分離させる貯槽と、該貯槽を立設状態に支持するための支持脚とからなり、前記貯槽の底部には傾斜面と該傾斜面の下端部と連続する水平面が形成され、該水平面の中心は貯槽の垂直方向中心軸に対して偏心しており、前記傾斜面には攪拌羽根が設けられ、該攪拌羽根は回転軸と該回転軸に対して傾斜して取り付けられた円板からなることを特徴とする縦型汚泥減容装置。
  2. 前記貯槽内には該貯槽内において移動可能な移動板が配設され、該移動板は液体成分のみが通過可能な液通過部を備えるとともに、前記貯槽の円筒状部分の横断内面に合致する外形を有し且つ該貯槽の上下方向に移動可能とされてなることを特徴とする請求項1記載の縦型汚泥減容装置。
  3. 前記移動板の下面には攪拌羽根が設けられてなることを特徴とする請求項2記載の縦型汚泥減容装置。
  4. 前記傾斜面の傾斜角度が40〜60°であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の縦型汚泥減容装置。
  5. 前記傾斜面に取り付けられた攪拌羽根の回転軸に対する円板の傾斜角度が10〜30°であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の縦型汚泥減容装置。
  6. 前記円板の外径と貯槽の円筒状部分の横断内面の径との比が1:2〜3であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の縦型汚泥減容装置。
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