JP4479890B2 - 土壌・地下水の浄化処理用浄化剤及びその製造法並びに土壌・地下水の浄化処理方法 - Google Patents

土壌・地下水の浄化処理用浄化剤及びその製造法並びに土壌・地下水の浄化処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、土壌又は地下水中に含まれるジクロロメタン、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン、1、1−ジクロロエチレン、シス−1、2−ジクロロエチレン、1、1、1−トリクロロエタン、1、1、2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及び1、3−ジクロロプロペン等の脂肪族有機ハロゲン化合物、ダイオキシン類、PCB等の芳香族有機ハロゲン化合物を効率よく、持続的に、しかも経済的に分解できる浄化剤を提供するものである。
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の脂肪族有機ハロゲン化合物は、半導体工場での洗浄用や金属加工金属の脱脂用として幅広く用いられている。
また、都市ごみや産業廃棄物を焼却するごみ焼却炉から発生する排ガスや飛灰、主灰中には、微量ではあるが人体に対して極めて強い毒性を持つ芳香族有機ハロゲン化合物であるダイオキシン類が含まれている。ダイオキシン類は、ジベンゾ−p−ジオキシン、ジベンゾフラン等の水素が塩素で置換された化合物の総称である。排ガスや飛灰はごみ焼却炉周辺に滞留し周辺地域の土壌中にダイオキシン類が残存することとなる。
更に、PCB(ポリ塩化ビフェニル)は化学的、熱的に安定であり、電気絶縁性にも優れており、トランス、コンデンサーの絶縁油、可塑剤、熱媒体として多用されていたが、有害であることから製造及び使用が禁止されている。しかしながら、過去において使用されていたPCBの有効な処理方法は確立されておらず、大部分が処理されずにそのまま保存されている。
脂肪族有機ハロゲン化合物及び芳香族有機ハロゲン化合物等の有機ハロゲン化合物類は難分解性である上に発癌性物質又は強い毒性を有する物質であるため、土壌・地下水の有機ハロゲン化合物類による汚染が深刻な環境問題になっている。
即ち、前記有機ハロゲン化合物類が排出された場合、有機ハロゲン化合物類は難分解性であるため、排出された土壌中に蓄積され有機ハロゲン化合物類で汚染された状態となり、また、地下水も有機ハロゲン化合物類によって汚染されることとなる。更に、地下水は汚染土壌以外の周辺地域についても広がるため、広範な領域で有機ハロゲン化合物類による汚染が問題となる。
有機ハロゲン化合物類によって汚染された土壌では土地の再利用・再開発を行うことができないため、有機ハロゲン化合物類によって汚染された土壌・地下水の浄化処理方法として様々な技術手段の提案がなされているが、有機ハロゲン化合物類は難分解性であり、しかも、多量の土壌・地下水が処理対象となるため、効率的、且つ、経済的な浄化技術は未だ十分に確立されていない。
有機ハロゲン化合物類によって汚染された土壌の浄化方法として、各種触媒を用いて浄化処理する方法、有機ハロゲン化合物類の揮発性を利用して吸引除去する方法、土壌を掘削して加熱処理によって無害化する熱分解法、微生物を利用する方法等が知られている。また、有機ハロゲン化合物類によって汚染された地下水の浄化方法として、汚染地下水を土壌外に抽出して無害化する方法、地下水を揚水することによって有機ハロゲン化合物類を除去する方法等が知られている。
有機ハロゲン化合物類で汚染された土壌・地下水の浄化方法として提案されている技術手段のうち、有機ハロゲン化合物類で汚染された土壌・地下水と鉄系粒子を用いた浄化剤とを混合接触させて無害化する技術手段が提案されている(特許文献1〜12)。
特開平11−235577号公報 特開2001−38341号公報 特開2001−198567号公報 特開2002−210452号公報 特開2002−317202号公報 米国特許第5857810号公報明細書 国際公開第01/008825号パンフレット 国際公開第03/013252号パンフレット 特開2003−230876号公報 特開2004−058051号公報 特開2004−082102号公報 特開2004−083086号公報
前出特許文献1には、0.1重量%以上の炭素を含有する鉄粉を土壌に添加・混合して土壌中の有機ハロゲン化合物を無害化する技術が開示されているが、鉄粉の比表面積及び粒度は記載されているものの粒子サイズが大きいため、有機ハロゲン化合物を十分に分解・低減できるとは言い難く、且つ、原位置浄化において、土壌への浸透性が十分とは言い難いものと推定される。
また、前出特許文献2には、平均粒子径1〜500μmの鉄粒子を含む水懸濁液からなる土壌浄化剤が開示されているが、粒子サイズが大きく、有機ハロゲン化合物を十分に分解することが困難であり、且つ、原位置浄化において、土壌への浸透性が十分とは言い難いものと推定される。鉄粒子以外に親水性バインダー、金属ハロゲン化物、無機炭酸塩の一種以上を含有しているが、親水性バインダーは鉄粒子を覆い空気中の酸素との接触を抑制するものであり、金属ハロゲン化物は鉄粒子における酸化して不働態化した部分を破壊する還元剤(錆び防止剤)として機能するものであり、無機炭酸塩は溶出Feの不溶化を目的として添加されているため、本願発明とは技術的手段が異なるものである。
また、前出特許文献3には、平均粒子径が10μm未満の球状鉄粒子を含有する水懸濁液を用いる技術が開示されているが、該球状鉄粒子を含有する水懸濁液はC、Si、P等の不純物を含有する銑鉄に酸素を吹き込み酸化精錬する製鋼用酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスに含まれるダストを集塵し、ガスを除去して得られる水懸濁液であり、得られた球状鉄粒子にはC、Si、P等の不純物が酸化物として含有されるものと推定され、有機ハロゲン化合物に対する高い浄化処理を有するとは言い難いものである。
また、前出特許文献4には、Sを含有する鉄粉を有機ハロゲン化合物で汚染された土壌・地下水の浄化処理に用いることが記載されているが、粒子サイズが大きく、有機ハロゲン化合物を十分に低減できるとは言い難い。また溶鋼を水アトマイズした鉄粉を用いており、溶鋼に由来する不純物が通常多く含有されるものと推定され、有機ハロゲン化合物に対する高い浄化処理を有するとは言い難いものである。
また、前出特許文献5には、マグネタイトを含有する鉄複合粒子粉末を有機ハロゲン化合物で汚染された土壌・地下水の浄化処理に用いることが記載されているが、Sを含有しておらず、有機ハロゲン化合物を十分に低減できるとは言い難い。
また、前出特許文献6には、金属鉄粒子を含む水懸濁液を使用した浄化工法が記載されているが、使用される金属鉄粒子の粒子径が5μm以下、好ましくは1〜2μmと粒子サイズが大きく、有機ハロゲン化合物を十分に分解することが困難であり、且つ原位置浄化において、土壌への浸透性が十分とは言い難いものと推定される。
また、前出特許文献7には、平均粒子径1〜200μmの鉄粒子を含む水懸濁液からなる土壌浄化剤が開示されているが、粒子サイズが大きく、有機ハロゲン化合物を十分に分解することが困難であり、且つ原位置浄化において、土壌への浸透性が十分とは言い難いと推定される。
鉄粒子以外に親水性バインダー、金属ハロゲン化物、無機炭酸塩の一種以上を含有しているが、親水性バインダーは鉄粒子を覆い空気中の酸素との接触を抑制するものであり、金属ハロゲン化物は鉄粒子における酸化して不働態化した部分を破壊する還元剤(錆び防止剤)として機能するものであり、無機炭酸塩は溶出Feの不溶化を目的として添加されているため、本願発明とは技術的手段が異なるものである。
また、該球状鉄粒子を含有する水懸濁液はC、Si、P等の不純物を含有する銑鉄に酸素を吹き込み酸化精錬する製鋼用酸素吹転炉から精錬中に発生する排ガスに含まれるダストを集塵し、ガスを除去して得られる水懸濁液であり、得られた球状鉄粒子にはC、Si、P等の不純物が酸化物として含有されるものと推定され、有機ハロゲン化合物に対する高い浄化処理を有するとは言い難いものである。
また、前出特許文献8には、水素化ほう素ナトリウムと塩化鉄から合成されるナノメタル粒子を含む水懸濁液からなる土壌浄化剤が開示されているが、原料に由来するほう素が粒子中に残りやすく、また溶出しやすい為、安全に使用できるとは言い難いものである。また、浄化性能を向上させる為、ナノメタル粒子表層にPdやPtといった貴金属を被着させる為、安価とは言い難い。
また、前出特許文献9〜12には、マグネタイトと鉄との複合体を有機ハロゲン化合物で汚染された土壌・地下水に用いて浄化処理を行うことが記載されているが、ポリアクリル酸ナトリウムを用いることは考慮されておらず、土壌の形態によっては浸透性が十分とは言い難いものであった。
そこで、本発明は、土壌・地下水中に含まれる有機ハロゲン化合物類を原位置で効率よく持続的に、且つ経済的に処理できる鉄複合粒子を用いた浄化方法を提供することを技術的課題とする。
前記技術的課題は以下の通りの本発明により達成できる。
即ち、本発明は、土壌・地下水の浄化処理に用いる浄化剤であって、該浄化剤はα−Feとマグネタイトとからなる鉄複合粒子及び添加剤を含有する水溶液であって、前記鉄複合粒子は平均粒子径が0.05〜0.50μmであってS含有量が3500〜7000ppmであってAl含有量が0.10〜1.50重量%であり、前記添加剤がポリアクリル酸ナトリウムであることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤である(本発明1)。
また、本発明は、土壌・地下水の浄化処理に用いる浄化剤であって、該浄化剤はα−Feとマグネタイトとからなる鉄複合粒子及び添加剤を含有する水溶液であって、前記鉄複合粒子は平均粒子径が0.05〜0.50μmであってS含有量が3500〜7000ppmであってAl含有量が0.10〜1.50重量%であり、前記添加剤がポリアクリル酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウム及び/又は硫酸ナトリウムとであることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤である(本発明)。
また、本発明は、本発明1又は2の浄化剤中の鉄複合粒子粉末のα−Feの(110)面の回折強度D110とマグネタイトの(311)面の回折強度D311との強度比(D110/(D311+D110))が0.30〜0.95であることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤である(本発明)。
また、本発明は、本発明1又はの浄化剤中の鉄複合粒子粉末の固形分濃度が10〜30重量%であって、且つ、ポリアクリル酸ナトリウムの固形分濃度が前記鉄複合粒子粉末に対して5〜50重量%であることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤である(本発明)。
また、本発明は、本発明2又は3の浄化剤中の鉄複合粒子粉末の固形分濃度が0.1〜200g/lであって、炭酸水素ナトリウム及び/又は硫酸ナトリウムの含有量が0.01〜1.0重量%であることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用希釈浄化剤である(本発明)。
また、本発明は、平均長軸径が0.05〜0.50μmであってAl含有量が0.06〜1.00重量%であり、S含有量が2200〜4500ppmであるゲータイト粒子粉末又は平均長軸径が0.05〜0.50μmであってAl含有量が0.07〜1.13重量%であり、S含有量が2400〜5000ppmのヘマタイト粒子粉末を、350〜600℃の温度範囲で加熱還元して鉄粒子粉末とし、冷却後、該鉄粒子粉末を気相中で表面酸化被膜を形成することなく水中に取り出し、水中で当該鉄粒子粉末の粒子表面に表面酸化被膜を形成し、ポリアクリル酸ナトリウムを前記鉄複合粒子粉末に対して5〜50重量%となるように調整したポリアクリル酸ナトリウム水溶液を添加し混合攪拌することを特徴とする本発明1又は本発明の土壌・地下水の浄化処理用浄化剤の製造法である(本発明)。
また、本発明は、本発明1乃至のいずれかの土壌・地下水浄化処理用浄化剤又は本発明の土壌・地下水浄化処理用希釈浄化剤を長期間保存して得られた浄化剤であって、該浄化剤中に粒子径が0.1〜5.0μmの粗大粒子を含み、かつ、該鉄複合粒子粉末全体のX線回折スペクトルにおいてα−Feの(110)面の回折強度D110とマグネタイトの(311)面の回折強度D311との強度比(D110/(D110+D311))が0.20〜0.80であることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤である(本発明)。
また、本発明は、本発明の土壌・地下水浄化処理用浄化剤において、前記浄化剤中の鉄複合粒子粉末は、飽和磁化値が70〜140Am/kgであり、α−Feの(110)面の結晶子サイズが200〜400Åであることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤である(本発明)。
また、本発明は、本発明7又は8の土壌・地下水浄化処理用浄化剤において、前記浄化剤中の鉄複合粒子粉末はFeの含有量が全粒子粉末に対して65〜80重量%であることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤である(本発明)。
また、本発明は、本発明1乃至のいずれかに記載の土壌・地下水浄化処理用浄化剤、本発明の土壌・地下水浄化処理用希釈浄化剤又は本発明7乃至9のいずれかにの土壌・地下水浄化処理用浄化剤と有機ハロゲン化合物類で汚染された土壌又は有機ハロゲン化合物類で汚染された地下水とを混合接触させることを特徴とする土壌・地下水の浄化処理方法である(本発明10)。

本発明に係る浄化剤は、有機ハロゲン化合物類を原位置で効率よく分解でき、殊に、土壌への浸透性を向上させることができるので、有機ハロゲン化合物によって汚染された土壌・地下水の原位置浄化剤として好適である。
本発明の構成を詳しく説明すれば、次の通りである。
まず、本発明に係る土壌・地下水浄化処理用浄化剤(以下、「浄化剤」という)について述べる。
本発明に係る浄化剤は、α−Fe及びマグネタイトからなる鉄複合粒子とポリアクリル酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び硫酸ナトリウムから選ばれる一種以上の添加剤とを含有する水溶液である。
本発明における鉄複合粒子粉末はα−Fe相とともに、Fe相を含有する。Feの含有量は該鉄複合粒子粉末のX線回折スペクトルにおいて、α−Feの(110)面の回折強度D110とFeの(311)面の回折強度D311との強度比(D110/(D311+D110))が0.30〜0.95が好ましい。製造直後の強度比が0.30未満の場合、α−Fe相の存在比率が低いため有機ハロゲン化合物類の浄化性能が十分ではなく、本発明の目的とする効果を容易に得ることが困難となる。強度比が0.95を超える場合には、α−Fe相の存在比率は十分であるが本発明で生成されたFe相の存在比率が低くなり、触媒活性の早期劣化、持続性の低下を招く為、本発明の目的とする効果が得られない。より好ましくは0.32〜0.95である。また、Feは浄化処理用鉄複合粒子粉末の粒子表面に存在することが好ましい。
本発明における鉄複合粒子粉末の平均粒子径は0.05〜0.50μmである。平均粒子径が0.05μm未満の場合にはα−Fe相が不安定であるため表面に厚い酸化被膜が形成され、α−Fe相の存在比率を高くすることが困難となり、本発明の目的とする効果を得ることが困難となる。0.50μmを越える場合にはα−Fe相の存在比率は高くできるが、本発明で得られるFe相の存在比率を本発明の目的とする効果が得られる程度に保持することが困難となる。より好ましくは0.05〜0.30μmである。
本発明における鉄複合粒子粉末のS含有量は3500〜7000ppmである。S含有量が3500ppm未満の場合には、有機ハロゲン化合物類の浄化性能が十分ではなく本発明の目的とする効果が得られない。7000ppmを越える場合には、有機ハロゲン化合物類の浄化性能はあるが、多量に含有しても効果が飽和し経済的ではない。好ましくは3800〜7000ppmであり、より好ましくは3800〜6500ppmである。
本発明における鉄複合粒子粉末のAl含有量は0.10〜1.50重量%である。Al含有量が0.10重量%未満の場合には、造粒物の体積収縮により硬い造粒物になり易い為、湿式粉砕を行う場合に労力を要する。1.50重量%を越える場合には、還元反応の進行が遅く、還元反応に長時間を要する。また結晶成長を十分に行うことができず、α−Fe相が不安定となり粒子表面に酸化皮膜が厚く形成されたり、また加熱還元時におけるFe相からα−Fe相への相変化が不十分のため、α−Fe相の存在比率を高くすることが困難となり、本発明の目的とする効果を得ることができない。好ましくは0.20〜1.20重量%である。
本発明における鉄複合粒子粉末の粒子形状は粒状が好ましい。本発明では紡錘状又は針状のゲータイト粒子粉末又はヘマタイト粒子をそのまま加熱還元処理するので、α−Fe相へ結晶変態する際、粒子形状が崩れ、等方的に成長する過程を経るので粒状形状となる。一方、球状では粒子サイズが同じであれば、BET比表面積が小さくなり触媒活性が低くなるため、球状粒子が存在しないことが好ましい。
本発明における鉄複合粒子粉末のα−Feの(110)面の結晶子サイズは200〜400Åが好ましい。200Å未満の場合にはα−Fe相の存在比率を高くすることが困難となり、本発明の目的とする効果を得ることが困難となる。400Åを越える場合には、α−Fe相の存在比率は高くできるが、本発明で生成したFe相の存在比率を本発明の目的とする効果が得られる程度に保持することが困難となる。より好ましくは200〜350Åである。
本発明における鉄複合粒子粉末のBET比表面積値は5〜60m/gが好ましい。5m/g未満の場合には、接触面積が小さくなり触媒活性が発現しにくい。60m/gを越える場合には、α−Fe相の存在比率を高くすることが困難となり、本発明の目的とする効果を得ることが困難となる。より好ましくは7〜55m/gである。
本発明における鉄複合粒子粉末の飽和磁化値は85〜155Am/kg(85〜155emu/g)が好ましい。製造直後の鉄複合粒子粉末の飽和磁化値が85Am/kg未満の場合には、α−Fe相の存在比率が低いものであり、本発明の目的とする効果を得ることが困難となる。155Am/kgを越える場合にはα−Fe相の存在比率は高くできるが、本発明で得られるFe相の存在比率を本発明の目的とする効果が得られる程度に保持することが困難となる。より好ましくは90〜155Am/kg(90〜155emu/g)である。
本発明における鉄複合粒子粉末のFeの含有量は全粒子粉末に対して75重量%以上が好ましい。製造直後のFeの含有量が75重量%未満の場合には触媒活性が低下するため、本発明の目的とする効果を容易に得ることが困難となる。より好ましくは75〜98重量%である。更により好ましくは75〜90重量%である。
本発明における鉄複合粒子粉末は、Pb、Cd、As、Hg、Sn、Sb、Ba、Zn、Cr、Nb、Co、Bi等のFe以外の金属元素は毒性のある金属であるため極力含有しないことが好ましい。殊に、高純度化及び触媒性能を考慮した場合、後述する方法で各金属の溶出量を測定した場合、鉄複合粒子粉末のカドミウムの溶出量が0.01mg/l以下、全シアンは溶出が検出されず、鉛の溶出量が0.01mg/l以下、クロム溶出量が0.05mg/l以下、砒素の溶出量が0.01mg/l以下、総水銀の溶出量が0.0005mg/l以下、セレンの溶出量が0.01mg/l以下、フッ素の溶出量が0.8mg/l以下、ホウ素の溶出量が1mg/l以下であることが好ましい。
また、本発明における鉄複合粒子粉末について、後述する方法で各金属の含有量を測定した場合、鉄複合粒子のカドミウムの含有量が0.01mg/l以下、全シアンは溶出が検出されず、鉛の含有量が0.01mg/l以下、クロム含有量が0.05mg/l以下、砒素の含有量が0.01mg/l以下、総水銀の含有量が0.0005mg/l以下、セレンの含有量が0.01mg/l以下、フッ素の含有量が0.8mg/l以下、ホウ素の含有量が1mg/l以下であることが好ましい。
なお、鉄複合粒子粉末は、造粒物の形態であってもよい。
本発明に係る浄化剤において、鉄複合粒子粉末の固形分濃度は、特に限定されるものではないが、工業的生産性を考慮すると、10〜30重量%が好ましい。30重量%を越える場合、浄化剤が増粘するため、撹拌時の機械的負荷が伝わりにくく、均一に混合することが難しいため、濃度の調整が困難となる。
本発明に係る浄化剤において、添加剤であるポリアクリル酸ナトリウムの含有量は、浄化剤中の鉄複合粒子粉末に対して5〜50重量%が好ましい。5重量%未満の場合には、浄化剤中のポリアクリル酸ナトリウムの含有率が低いため、土壌への浸透性の寄与が十分でなく、50重量%を越える場合には、浄化剤の粘度が高くなるため、工業生産性が低下し、且つ、注入時にも土壌への浸透性の低下に繋がるため、本発明の目的とする効果が得られない。
本発明におけるポリアクリル酸ナトリウムとしては、分子量2000〜10000が好ましく、より好ましくは2500〜8000である。ポリアクリル酸ナトリウムとしては、例えば、Noveon製 GOOD−RITE K−739(商品名)、(株)日本触媒製 アクアリックDL−100(商品名)であり、日本純薬(株)製 ジュリマーAC−10NP(商品名)、ジュリマーAC−103(商品名)等である。
本発明に係る浄化剤を構成する鉄複合粒子について、レーザー回折装置を用いて粒度分布を測定した場合、鉄複合粒子の二次粒子の粒度分布は単一ピークであることが好ましい。複数のピークを有する場合、汚染土壌中への浸透速度が均一でなく浄化に長時間を要し本発明の目的とする効果を得ることが困難となる。
本発明に係る浄化剤を構成する鉄複合粒子の二次粒子のメジアン径(D50:鉄複合粒子の全体積を100%として粒子径に対する累積割合を求めたときの累積割合が50%となる粒子径)は0.5〜5.0μmが好ましい。二次粒子のメジアン径(D50)はより微細であることが好適であるが、一次粒子が微粒子でありα−Feを含有するため、磁気凝集を起こし易く、また、0.5μm未満とすることは工業的には困難である。5.0μmを超える場合は、汚染土壌への浸透が遅くなり短時間で浄化し難く、本発明の目的とする効果を得ることが困難となる。より好ましくは0.5〜3.5μmである。
本発明に係る浄化剤中の鉄複合粒子の二次粒子のD90(鉄複合粒子の全体積を100%として粒子径に対する累積割合を求めたときの累積割合が90%となる粒子径)とD10(鉄複合粒子の全体積を100%として粒子径に対する累積割合を求めたときの累積割合が10%となる粒子径)との比D90/D10は1.0〜5.0が好ましい。分布幅はより小さいほど汚染土壌への浸透速度が均一化され浄化速度も均一化されるため好ましいが、工業的には1.0が限界である。5.0を超える場合は汚染土壌への浸透速度が不均一となり浄化性能に遅れが生じ浄化に長時間かかるため、本発明の目的とする効果を得ることが困難となる。より好ましくは1.0〜3.5である。
本発明に係る浄化剤中の鉄複合粒子の二次粒子の分布幅(D84−D16)(D84:鉄複合粒子の全体積を100%として粒子径に対する累積割合を求めたときの累積割合が84%となる粒子径、D16:鉄複合粒子の全体積を100%として粒子径に対する累積割合を求めたときの累積割合が16%となる粒子径)は0.5〜5.0μmが好ましい。分布幅はより小さいほど汚染土壌への浸透速度が均一化され浄化速度も均一化されるため好ましいが、工業的には0.5μmが限界である。5.0μmを超える場合は汚染土壌への浸透速度が不均一となり浄化性能に遅れが生じ浄化に長時間かかる為、本発明の目的とする効果が得られない。より好ましくは0.5〜3.5μmである。
本発明に係る浄化剤の比重は1.2〜1.4が好ましい。1.2未満では浄化剤の輸送、土壌等への添加量を考えると固形分が少なく経済的でなく、1.4を超える場合は本発明の一次粒子径、二次粒子径を考慮すると浄化剤が増粘し、工業的に製造するのは困難である。
次に、本発明に係る浄化剤の製造法について述べる。
本発明に係るポリアクリル酸ナトリウムを含有する浄化剤は、ゲータイト粒子粉末又はヘマタイト粒子粉末を加熱還元して鉄粒子粉末とし、冷却後、該鉄粒子粉末を気相中で表面酸化被膜を形成することなく水中に取り出し、次いで、水中で当該鉄粒子粉末の粒子表面に表面酸化被膜を形成し、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液を混合攪拌して得られる。
ゲータイト粒子粉末は、常法に従って、例えば、第一鉄塩を含有する水溶液と、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ又はアンモニアから選ばれる1種又は2種以上とを反応させて得られる鉄の水酸化物や炭酸鉄等の第一鉄含有沈殿物を含む懸濁液中に空気等の酸素含有ガスを通気することにより得ることができる。
なお、不純物含有量の少ない鉄複合粒子を得るためには、前記第一鉄塩を含有する水溶液として、重金属等の不純物を低減し、純度の高いものを使用することが好ましい。
第一鉄塩を含有する水溶液の不純物量を低減するためには、例えば、鋼板を硫酸で酸洗し、鋼板の表層に析出している不純物、防錆の油分等を溶解除去した後の不純物の少ない鋼板を溶解して得られた第一鉄塩水溶液を用いる方法がある。鉄以外の金属不純物の多い屑鉄やスクラップ鉄、耐蝕性を向上させる為に行なわれるめっき処理、リン酸塩処理及びクロム酸処理等を行った鋼板並びに防錆の油分を塗布した鋼板等の酸洗液を用いた場合には、鉄複合粒子粉末中に不純物が残存し、浄化する土壌・地下水に溶出する恐れがあり好ましくない。また、酸化チタン製造工程等から副生する硫酸第一鉄溶液に水酸化アルカリ等のアルカリを添加し、pH調整によりチタン、その他の不純物を水酸化物として不溶化して沈殿除去、限外ろ過除去等を行い使用する方法がある。不純物の少ない鋼板を硫酸溶解して使用するのが好ましく、引き続きpH調整による不純物除去を行うのが更に好ましい。何れの方法も工業的に問題が無く、経済的にも有利である。
ゲータイト粒子粉末の平均長軸径は0.05〜0.50μmであり、S含有量が2200〜4500ppmである。粒子形状は紡錘状又は針状のどちらでも良い。軸比は4〜30が好ましく、より好ましくは5〜25であり、BET比表面積は20〜200m/gが好ましく、より好ましくは25〜180m/gである。
本発明においては、前記ゲータイト粒子中にAlを含有させるか、又は、ゲータイト粒子にAl被覆することが重要である。Alを含有または被覆することによって造粒物の体積収縮を抑制することより造粒物の硬さを制御することができる。したがって湿式粉砕を行う場合の労力も小さくすることができる。また相対的に一次粒子の大きさを小さくすることができ、比表面積も相対的に大きくなり、性能が向上する。
ゲータイト粒子粉末のAl含有量又はAl被覆量は0.06〜1.00重量%が好ましい。
なお、ゲータイト粒子粉末は、常法に従って、造粒しておくことが好ましい。造粒することによって、固定層方式の還元炉を使用できるほか、鉄複合粒子とした場合でも還元条件によってはそのまま造粒物の形態を保つことが可能となり、カラム等に充填して使用する場合には好ましい。
得られたゲータイト粒子粉末は250〜350℃の温度範囲で加熱脱水したヘマタイト粒子粉末にすることが好ましい。
本発明におけるヘマタイト粒子粉末は、あらかじめS含有量が高いゲータイト粒子を用いるか、又は、S含有量が低いゲータイト粒子の場合には、ヘマタイト粒子粉末の水懸濁液に硫酸を添加することで、ヘマタイト粒子粉末のS含有量を制御する。
ヘマタイト粒子粉末の平均長軸径は0.05〜0.50μmであり、S含有量が2400〜5000ppmである。ヘマタイト粒子粉末のAl含有量又はAl被覆量は0.07〜1.13重量%が好ましい。
前記ゲータイト粒子粉末又は前記ヘマタイト粒子粉末を350〜600℃の温度範囲で加熱還元することによって鉄粒子(α−Fe)粉末とする。
加熱還元温度が350℃未満である場合には、還元反応の進行が遅く、還元反応に長時間を要する。また、BET比表面積を大きくすることができるが、結晶成長を十分に行うことができず、α−Fe相が不安定となり粒子表面に酸化被膜が厚く形成されたり、またFe相からα−Fe相への相変化が不十分のため、α−Fe相の存在比率を高くすることができない。600℃を超える場合には、還元反応が急激に進行して粒子及び粒子相互間の焼結が過度に促進され粒子径が大きくなり、BET比表面積も小さくなるため好ましくない。
なお、還元反応の昇温時の雰囲気は水素ガス、窒素ガス等が利用できるが、工業的には水素ガスが好ましい。
加熱還元後の鉄粒子粉末は冷却した後、該鉄粒子粉末を気相中で表面酸化被膜を形成することなく水中に取り出し、水中で当該鉄粒子粉末の粒子表面に表面酸化被膜を形成し、次いで、乾燥する。
冷却時の雰囲気は窒素又は水素のいずれでもよいが、最終的には窒素に切り替えることが好ましい。また、水中に取り出す時には100℃以下まで冷却されていることが好ましい。
乾燥雰囲気は、窒素、空気中、真空中等適宜選択できるが、温度は100℃以下が好ましい。
以上の加熱還元処理によって、粒子全体はα−Fe相からなる鉄粒子となり、水中に取り出すことによって、α−Feの触媒活性により水を分解し、水素と酸素に分離し、発生した酸素によりα−Feが酸化され、粒子表面にFeからなる酸化被膜が形成されるものと推定している。
本発明に係る浄化剤は、前記製造法において加熱還元後の鉄粒子粉末を冷却後、水中に取り出し、そのまま鉄複合粒子粉末を含有する水懸濁液からなる浄化剤とするものである。
本発明の浄化剤においては鉄複合粒子粉末の二次凝集体を粉砕して分散させておくことが好ましい。
加熱還元後の鉄粒子粉末を冷却後、水中に取り出し、水中で当該鉄粒子粉末の粒子表面に表面酸化被膜を形成した後、鉄複合粒子を湿式粉砕する。
鉄複合粒子の凝集状態、性質(高活性)、大きさ、粉砕装置の能力(製品の粒度、粉砕量)及び最終形態を考慮すると、粉砕は湿式粉砕することが好ましい。
本発明に用いる粉砕装置としては、メディアを用いる場合、転動ミル(ポットミル、チューブミル、コニカルミル)や振動ミル(ファイン・バイブレーションミル)等の容器駆動式、塔型(タワーミル)、攪拌槽型(アトライター)、流通管型(サンドグラインドミル)及びアニュラー型(アニュラーミル)等の媒体攪拌式を用いることができる。メディアを用いない場合、容器回転型(オングミル)、湿式高速回転型(コロイドミル、ホモミキサー、ラインミキサー)等のせん断・摩擦式を用いることができる。
一般的に粉砕は25mm以下の原料を粉状に砕く事で、大別して粗粉砕、細粉砕、微粉砕の工程に分けられる。粗粉砕は5mm〜20メッシュまでの粉砕で、細粉砕は200メッシュ以下の粒子が90%程度、微粉砕は325メッシュ以下の粒子が90%程度となるように粉砕することと一般的に言われており、さらに数ミクロンまで粉砕できる超微粉砕機もある。本発明においては、鉄複合粒子を粗粉砕、細粉砕及び微粉砕の3つの粉砕状態を経ることが好ましい。
粗粉砕にはバッフルを取り付けた攪拌槽内に挿入して攪拌する低速回転型、中速回転型、高速回転せん断型、高低速回転組み合わせ攪拌機等が使用できるが、本発明の鉄複合粒子の凝集体を考慮すると1000〜6000rpmの中速〜高速回転型攪拌機が好ましい。攪拌機の羽根形状はディスクタービン、ファンタービン、矢羽根タービン、プロペラ型等が挙げられるが、エッジ付きのディスクタービンが好ましく、例えば、特殊機化工業製のホモディスパーである。
細粉砕又は微粉砕には、バッチ式装置又は連続式装置が使用できるが、工業的には連続式が好ましい。メディアを用いる場合はボールミル、タワーミル、サンドグラインドミル、アトライター等が使用でき、メディアを用いない場合は、ホモミキサー、ラインミキサー等が使用できる。
細粉砕には、複数のスリットを外周に入れて軸固定面部にカッター歯を設けた回転子と固定子を多段式に組み合わせた装置を使用することができ、回転子の周速が30m/s以上のメディアレスであるラインミキサー等の連続せん断分散機、例えば、特殊機化工業製のホモミックラインミルが特に好ましい。
微粉砕(仕上げ粉砕)には、円筒形のベッセル内にφ1〜φ3のメディアを充填率70〜80%で挿入し、ベッセル中心部に設置された回転軸に複数個の円板を取り付けて回転させることにより、メディアに急速旋回作用が起こり、その中を処理物が下から上に通過するサンドグラインドミル等のメディア式分散機を使用することができ、例えば、アイメックス社製のサンドグラインダーが特に好ましい。
本発明の湿式粉砕においては、粒子のクラック生長を助け再結合を抑制するため、又は粒子が凝集して粒状となり粉砕され難くなったりボールやミルに付着して粉砕力が弱められたりすることを抑制するために、粉砕助剤を適宜添加しても良い。粉砕助剤には固体、液体があり固体としては、ステアリン酸塩類、コロイド状シリカ、コロイド状カーボン等、液体ではトリエタノールアミン、スルホン酸アルキル等が使用できる。
湿式粉砕時の懸濁液の濃度は鉄複合粒子が20〜40重量%が好ましい。20重量%未満の場合は、粉砕時にせん断等の応力が掛かり難く所定の粉砕粒度が得られないか長時間を要し、また粉砕に必要なメディアが著しく摩耗する為好ましくない。40重量%を超える場合には、水懸濁液が増粘し、機械的な負荷が大きく工業的に製造するのは困難である。
ポリアクリル酸ナトリウムは、水に溶解してポリアクリル酸ナトリウム溶液とした後、鉄複合粒子を含有する水懸濁液中に添加すればよい。
炭酸水素ナトリウム及び/又は硫酸ナトリウムを含有する浄化剤は、上述する製造法によって得られた浄化剤に、所定量の炭酸水素ナトリウム及び/又は硫酸ナトリウムを添加すればよい。
本発明に係る浄化剤は、長期間保存した場合、浄化剤中の鉄複合粒子の一部が粗大粒子が生成するが、有機ハロゲン化合物の浄化性能はほぼ維持されている。
即ち、本発明に係る保存後の浄化剤は、例えば、製造後約1ヶ月後では、粒子径0.1〜0.3μmの粗大粒子を含有することが好ましく、該鉄複合粒子粉末全体のX線回折スペクトルにおいてα−Feの(110)面の回折強度D110とマグネタイトの(311)面の回折強度D311との強度比(D110/(D110+D311))が0.50〜0.80が好ましく、BET比表面積は5.0〜60m/gが好ましく、浄化剤中に含有される鉄複合粒子粉末の飽和磁化値は100〜140Am/kgが好ましく、浄化剤中に含有される鉄複合粒子粉末のα−Feの(110)面の結晶子サイズは250〜400Åが好ましく、浄化剤中に含有される鉄複合粒子粉末のFe含有量は70〜80重量%が好ましい。
また、本発明に係る保存後の浄化剤は、製造後約3ヶ月後では、粒子径0.3〜0.6μmの粗大粒子を含有することが好ましく、前記強度比(D110/(D110+D311))が0.3〜0.5が好ましく、BET比表面積は5.0〜60m/gが好ましく、浄化剤中に含有される鉄複合粒子粉末の飽和磁化値は90〜100Am/kgが好ましく、浄化剤中に含有される鉄複合粒子粉末のα−Feの(110)面の結晶子サイズは250〜400Åが好ましく、Fe含有量は70〜80重量%が好ましい。
また、本発明に係る保存後の浄化剤は、製造後約6ヶ月後では、粒子径0.6〜1.0μmの粗大粒子を含有することが好ましく、前記強度比(D110/(D110+D311))が0.2〜0.3が好ましく、BET比表面積は5.0〜60m/gが好ましく、浄化剤中に含有される鉄複合粒子粉末の飽和磁化値は70〜90Am/kgが好ましく、浄化剤中に含有される鉄複合粒子粉末のα−Feの(110)面の結晶子サイズは250〜400Åが好ましく、Fe含有量は70〜80重量%が好ましい。
また、本発明に係る保存後の浄化剤は、製造後約12ヶ月後では、粒子径1.0〜5.0μmの粗大粒子を含有することが好ましく、前記強度比(D110/(D110+D311))が0.2〜0.3が好ましく、BET比表面積は5.0〜60m/gが好ましく、浄化剤中に含有される鉄複合粒子粉末の飽和磁化値は70〜90Am/kgが好ましく、浄化剤中に含有される鉄複合粒子粉末のα−Feの(110)面の結晶子サイズは200〜300Åが好ましく、Fe含有量は65〜70重量%が好ましい。
次に、本発明に係る浄化剤を用いた土壌・地下水の浄化処理方法ついて述べる。
本発明においては、土壌、地下水中の、ジクロロメタン、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン、1、1−ジクロロエチレン、シス−1、2−ジクロロエチレン、1、1、1−トリクロロエタン、1、1、2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及び1、3−ジクロロプロペン等の脂肪族有機ハロゲン化合物、ダイオキシン類、PCB等の芳香族有機ハロゲン化合物等の有機ハロゲン化合物を対象として浄化することができる。
有機ハロゲン化合物類で汚染された土壌・地下水の浄化処理は、一般的に、含有される汚染物質を直接地下で分解する原位置分解法と掘削又は抽出した土壌・地下水中の汚染物質を分解する原位置抽出法とがあり、本発明においてはいずれの方法でも行うことができる。
原位置分解法においては、本発明に係る浄化剤を高圧の空気、窒素等のガスあるいは水を媒体にしてそのまま浸透もしくはボーリング孔から地下に導入する方法が取られる。特に本発明に係る浄化剤は水懸濁液であるのでそのまま使用するか必要に応じて希釈すれば良い。
原位置抽出法においては、掘削した土壌と浄化剤とを、サンドミル、ヘンシェルミキサー、コンクリートミキサー、ナウターミキサー、一軸又は二軸式のニーダー型混合器等を用いて混合攪拌すれば良い。また、揚水した地下水においては浄化処理用鉄複合粒子粉末が充填されたカラム等に通水することができる。
本発明に係る希釈浄化剤は、浄化処理に用いる際に希釈浄化剤中の鉄複合粒子の固形分濃度が0.1〜200g/lとなるように調整することが好ましい。
また、本発明においては、希釈浄化剤中に0.01〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の炭酸水素ナトリウム及び/又は0.01〜1.0重量%、好ましくは0.04〜1.0重量%の硫酸ナトリウムを含有することが好ましい。炭酸水素ナトリウム及び/又は硫酸ナトリウムを含有することによって、希釈浄化剤の溶液性状を変えることが可能となり、土壌への浸透性向上へ寄与する。
浄化剤に対し、各種添加剤溶液を作製し、浄化剤と各種添加剤溶液とを混合することで希釈浄化剤を作製する。尚、炭酸水素ナトリウム及び/又は硫酸ナトリウムは浄化剤希釈後に添加を行うが、その場合、希釈溶液はイオン交換水でも良い。
本発明においては浄化剤の使用量は適宜選択すればよいが、汚染土壌を対象とする場合には、通常土壌1000gに対して0.1〜200g/lが好ましく、より好ましくは0.5〜100g/lである。0.1g/l未満の場合には、本発明の目的とする効果が充分得られない。200g/lを超える場合には、浄化効果は向上するが経済的ではない。また、汚染地下水を対象とする場合には、地下水1000gに対して0.1〜200g/l添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜100g/lである。
本発明に係る浄化剤を用いて有機ハロゲン化合物類を浄化した場合には、後述する評価法において、見掛けの反応速度定数を0.010h−1以上にすることができる。
本発明に係る浄化剤を用いて、土壌へ浸透させた場合には、後述する評価法において、浸透倍率を200%以上とすることができる。
<作用>
本発明において重要な点は、本発明に係る浄化剤を用いることによって、土壌・地下水の有機ハロゲン化合物類を効率よく、経済的に分解処理できるという点である。
本発明者は、土壌・地下水中の有機ハロゲン化合物類を効果的に分解できる理由は未だ明らかではないが、下記のように推定している。
即ち、本発明における鉄複合粒子は、α−Fe相(0価)とFe相とが特定の割合で存在するとともに、一部の硫黄が加熱還元工程を経て0価の状態で存在することによって、鉄複合粒子として高い還元作用を有することができ、有機ハロゲン化合物類の分解反応に寄与するものと推定している。
本発明においては、鉄複合粒子にAlを含有することによって、有機ハロゲン化合物類の分解性能を向上させることができた。この理由は未だ明らかではないが、Alを含有することによって、一次粒子をより微細化することができ、しかも、鉄複合粒子の凝集体の強度が従来に比較して小さくなるので、湿式粉砕に労力を要さず、同様に粉砕した場合より微細に粉砕することが可能となる。その結果、土壌中又は地下水中で容易に浸透・分散することができるので、鉄複合粒子が本来有する有機ハロゲン化合物類に対する分解活性を十分に発揮できたことによるものと本発明者は推定している。
以上のように、触媒活性効果が高いため、効率的に短期間で浄化処理を行うことが可能となり、特に高濃度の有機ハロゲン化合物類で汚染された土壌・地下水の浄化に好適である。
更に、本発明に係る浄化剤は、ポリアクリル酸ナトリウムを含有することによって、土中への浸透性が格段に向上するため、注入箇所を少なくすることが可能となり、作業効率が向上し、工事期間が短縮でき、経済的にも有利である。
また、本発明に係る浄化剤は、炭酸水素ナトリウム及び/又は硫酸ナトリウムを含有することによって、土中への浸透性が格段に向上するため、注入箇所を少なくすることが可能となり、作業効率が向上し、工事期間が短縮でき、経済的にも有利である。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
ゲータイト粒子粉末の平均長軸径及び軸比は透過型電子顕微鏡写真で測定した。ヘマタイト粒子及び鉄複合粒子の平均粒子径は走査型電子顕微鏡写真を用いて測定した。
鉄複合粒子粉末のFe量及びAl量は、「誘導結合プラズマ発光分光分析装置SPS4000」(セイコー電子工業(株)製)を使用して測定した。
各粒子粉末のS含有量は、「カーボン・サルファーアナライザー:EMIA−2200」(HORIBA製)を使用して測定した。
各粒子粉末の結晶相はX線回折によって10〜90°の範囲で測定して同定した。
鉄複合粒子のピーク強度比は、前記の通りX線回折の結果から、α−Feの(110)面の回折強度D110及びマグネタイトの(311)面の回折強度D311を測定し、D110/(D311+D110)として強度比を求めた。
鉄複合粒子のα−Feの(110)面の結晶子サイズは、X線回折法で測定される結晶粒子の大きさを、各粒子の結晶面のそれぞれに垂直な方向における結晶粒子の厚さを表したものであり、各結晶面についての回折ピーク曲線から、下記シェラーの式を用いて計算した値で示したものである。
結晶子サイズ=Kλ/βcosθ
但し、β=装置に起因する機械幅を補正した真の回折ピークの半値幅(ラジアン単位)。
K=シェラー定数(=0.9)。
λ=X線の波長(Cu Kα線 0.1542nm)。
θ=回折角(各結晶面の回折ピークに対応)。
各粒子粉末の比表面積は、「モノソーブMS−11」(カンタクロム(株)製)を使用し、BET法により測定した値で示した。
鉄複合粒子の飽和磁化値は、「振動試料磁力計VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を使用し、外部磁場795.8kA/m(10kOe)で測定した。
浄化剤中の鉄複合粒子の粒度分布は、レーザー散乱・回折方式「NIKKISO MICROTRAC HRA MODEL 9320−X100」(日機装社製)を用いて測定した。なお、分散溶媒をエタノールとし、分散剤をオルガノシランとし、分散を超音波分散機で1分間とした。
鉄複合粒子中に存在する鉄以外のカドミウム、鉛、クロム、砒素、総水銀、セレン、全シアン、フッ素及びホウ素の各溶出量は、平成3年 環境庁告示第46号 「土壌の汚染に係る環境基準について」に基づき測定した。
鉄複合粒子中に存在する鉄以外のカドミウム、鉛、クロム、砒素、総水銀、セレン、全シアン、フッ素及びホウ素の各含有量は、環境省告示第19号に基づき測定した。
<浸透性試験>
直径3cm、長さ50cmのガラスカラムに、予めイオン交換水をカラム長さの半分程度満たし、ケイ砂を少量ずつ落下させ、カラムを振動させながらケイ砂を充填し飽和土層を形成した。使用したケイ砂の粒度分布を図1に示す。なお、飽和土層の初期特性値は間隙率は41.3%、透水係数は2.43×10−3cm/sであった。
希釈浄化剤は、鉄複合粒子粉末として4gとなる浄化剤12.8mlと、ポリアクリル酸水溶液(ポリアクリル酸ナトリウムを0.67g含有)の水含有量と浄化剤中の水含有量とがあわせて500mlとなるようにイオン交換水を添加し調整した。
次に、前記希釈浄化剤500mlを前記飽和土層が形成されたガラスカラム上部に、注入圧力が一定となるように飽和土層表面から上部へ2cmの状態を保持しながら、重力注入による浸透試験を行った。ガラスカラムを目視観察して、全量注入後の浄化剤の浸透の程度を確認した。
なお、浸透完了後に目視観察をした後、浄化剤と砂の混合物を掻きだしたが、浄化剤の黒色がほぼ均一に分散しており、浄化剤の偏析は認められなかった。
<検量線の作製:有機ハロゲン化合物の定量>
有機ハロゲン化合物の濃度は下記手順に従ってあらかじめ検量線を作成し、得られた検量線に基づいて濃度を算出した。
トリクロロエチレン(TCE:CHCl):分子量131.39
試薬特級(99.5%)、密度(20℃)1.461〜1.469g/ml
トリクロロエチレンを0.05μl、0.1μl及び1.0μlの3水準とし、褐色バイアル瓶50ml(実容積68ml)にイオン交換水30mlを添加し、次いで、トリクロロエチレンを各水準量注入し、直ちにフッ素樹脂ライナー付きゴム栓で蓋をし、その上からアルミシールで強固に締め付ける。バイアル瓶を20℃、20分静置した後、ヘッドスペースのガスをシリンジで50μl分取し、「GC−MS−QP5050」(島津製製作所製)を用いてトリクロロエチレンを測定する。トリクロロエチレンは全く分解されないものとして、添加量とピーク面積との関係を求める。このときのカラムはキャピラリーカラム(DB−1:J&W Scientific社製、液相:ジメチルポリシロキサン)とし、キャリアガスにはHeガス(143l/min)を使用し、40℃、2分間保持した後、10℃/minの速度で250℃まで昇温してガスを分析する。
<有機ハロゲン化合物分解試験用試料調整(対象物:水)>
褐色バイアル瓶50ml(実容積68ml)に鉄複合粒子粉末として0.06gとなる量の浄化剤と、該浄化剤中の水含有量とあわせて30.0mlとなる量のイオン交換水とを注入し、次いで、トリクロロエチレン1.0μlを注入し、直ちにフッ素樹脂ライナー付きゴム栓で蓋をし、その上からアルミシールで強固に締め付ける。
褐色バイアル瓶50ml(実容積68ml)に鉄複合粒子粉末として0.06gとなる量の浄化剤と、該浄化剤中の水含有量及びポリアクリル酸ナトリウム水溶液(ポリアクリル酸ナトリウムを0.1g含有)の水含有量に対しイオン交換水を合計30.0mlの水含有量となるように注入し、次いで、トリクロロエチレン1.0μlを注入し、直ちにフッ素樹脂ライナー付きゴム栓で蓋をし、その上からアルミシールで強固に締め付ける。
<有機ハロゲン化合物分解試験用試料調整(対象物:土壌)>
あらかじめ湿った砂質土壌20g(目開き2mm篩い下)にトリクロロエチレン1.0μlを添加し、トリクロロエチレンで汚染された土壌を作製した。褐色バイアル瓶50ml(実容積68ml)に鉄複合粒子粉末として0.06gとなる量の浄化剤と該浄化剤中の水含有量とあわせて30.0mlとなる量のイオン交換水とを注入し、次いで、前記汚染土壌を注入し、直ちにフッ素樹脂ライナー付きゴム栓で蓋をし、その上からアルミシールで強固に締め付ける。
あらかじめ湿った砂質土壌20g(目開き2mm篩い下)にトリクロロエチレン1.0μlを添加し、トリクロロエチレンで汚染された土壌を作製した。褐色バイアル瓶50ml(実容積68ml)に鉄複合粒子粉末として0.06gとなる量の浄化剤と、該浄化剤中の水含有量及びポリアクリル酸ナトリウム水溶液(ポリアクリル酸ナトリウムを0.01g含有)の水含有量に対しイオン交換水を合計30.0mlの水含有量となるように注入し、次いで、前記汚染土壌を注入し、直ちにフッ素樹脂ライナー付きゴム栓で蓋をし、その上からアルミシールで強固に締め付ける。
<有機ハロゲン化合物の分解反応における評価方法(見掛けの反応速度定数の測定)>
前記バイアル瓶を24℃で静置する。前記バイアル瓶を20℃、20分静置した後、ヘッドスペースからシリンジで50μlのガスを分取し、トリクロロエチレン残存量を測定した。尚、ガスの分取は最大500時間まで、回分法によって所定時間におけるトリクロロエチレンの残存濃度を、前記「GC−MS−QP5050」(島津製作所社製)を用いて測定した。
得られた残存濃度から、下記式に基づいて見掛けの反応速度定数kobsを算出した。
ln(C/Co)=−k・t
Co:トリクロロエチレンの初期濃度
C:トリクロロエチレンの残存濃度
k:見掛けの反応速度定数(h−1
t:時間(h)
<浄化剤の製造>
ゲータイト粒子1
毎秒3.4cmの割合でNガスを流すことによって非酸化性雰囲気に保持された反応容器中に、1.16mol/lのNaCO水溶液704lを添加した後、Fe2+1.35mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液296lを添加、混合(NaCO量は、Feに対し2.0倍当量に該当する。)し、温度47℃においてFeCOを生成させた。
ここに得たFeCOを含む水溶液中に、引き続き、Nガスを毎秒3.4cmの割合で吹き込みながら、温度47℃で70分間保持した後、当該FeCOを含む水溶液中に、温度47℃において毎秒2.8cmの空気を5.0時間通気してゲータイト粒子を生成させた。なお、空気通気中におけるpHは8.5〜9.5であった。
ここに得たゲータイト粒子を含有する懸濁液に、Al3+0.3mol/lを含む硫酸Al水溶液20lを添加、十分撹拌した後フィルタープレスで水洗し、得られたプレスケーキを圧縮成型機を用いて孔径4mmの成型板で押し出し成型して120℃で乾燥してゲータイト粒子粉末の造粒物とした。
ここに得た造粒物を構成する含有するゲータイト粒子粉末は、平均長軸径0.30μm、軸比(長軸径/短軸径)12.5の紡錘状を呈した粒子であった。BET比表面積は85m/g、Al含有量は0.40重量%、S含有量は400ppmであった。
ヘマタイト1
前記造粒物を330℃で加熱しヘマタイト粒子とし乾式粉砕する。その後水に邂逅し70%硫酸を10ml/kgの割合で添加し攪拌する。その後、脱水しプレスケーキとし、圧縮成型機を用いて孔径3mmの成型板で押し出し成型して120℃で乾燥してヘマタイト粒子粉末の造粒物とした。
ここに得た造粒物を構成するヘマタイト粒子粉末は、平均長軸径0.24μm、軸比(長軸径/短軸径)10.7の紡錘形を呈した粒子であった。S含有量は3300ppmであった。
鉄複合粒子1
前記ゲータイト粒子粉末の造粒物100gを固定層還元装置に導入し、Hガスを通気させながら、450℃で180分間、完全にα−Feとなるまで還元した。次に、Nガスに切替え室温まで冷却させた後、イオン交換水300mlを直接還元炉に導入し、そのまま約20重量%の鉄粒子粉末を含有する水懸濁液として取り出した。
その水懸濁液をバッフルを取り付けたステンレスビーカーに移し、中速回転型攪拌機として動力0.2kWのT.Kホモディスパー2.5型(直径40mmφのエッジタービン翼、特殊機化工業(株)製)を挿入し、回転数3600rpmで30分間攪拌した。
次いで、連続せん断式分散機として、動力0.55kWのT.Kホモミックラインミル(PL−SL型、特殊機化工業(株)製)で、回転数4000rpmで分散処理した。
その後、メディア式分散機として、動力1.5kWの四筒式サンドグラインダー(4TSG−(1/8G)型、特殊機化工業(株)製)に、直径2mmのガラスビーズを0.25l充填し、回転数500rpmで分散処理し浄化剤とした。
得られた浄化剤の比重は1.25、固形分濃度は30重量%であり、レーザー回折・散乱法による浄化剤(水懸濁液)の粒度分布は単一ピークであり、メジアン径(D50)が1.90μm、D90/D10比が1.81、分布幅(D84−D16)が1.10μmであった。
得られた浄化剤中に含有する鉄複合粒子は、走査型電子顕微鏡(30000倍)で観察した結果、一次粒子の粒子形状は米粒状であって平均長軸径が0.09μmであって軸比が1.4であった。
次いで、濾過し、40℃で3時間、大気中で乾燥し、浄化処理用鉄複合粒子粉末を得た(浄化処理用鉄複合粒子粉末とする)。
ここに得た鉄複合粒子は、α−Feを主体としており、飽和磁化値135Am/kg(135emu/g)、BET比表面積27m/g、結晶子サイズ295Å、Fe含有量は83.0重量%、S含有量は4000ppmであった。X線回折の結果、α−FeとFeとが存在することが確認された。そのD110(α−Fe)とD311(Fe)との強度比D110/(D110+D311)は0.84であった。
<浄化処理用鉄複合粒子粉末の溶出試験結果>
前記評価法(環境庁告示第46号)によれば、得られた鉄複合粒子粉末の溶出試験結果は、カドミウムの溶出量が0.001mg/l未満、全シアンの溶出量が検出されない、鉛の溶出量が0.001mg/l未満、クロム溶出量が0.01mg/l未満、砒素の溶出量が0.001mg/l未満、総水銀の溶出量が0.0005mg/l未満、セレンの溶出量が0.001mg/l未満、フッ素の溶出量が0.5mg/l未満、ホウ素の溶出量が0.1mg/l未満であり、いずれも測定装置の検出限界を下回る値であり、全て前記環境基準の基準値を下回るものであった。
<浄化処理用鉄複合粒子粉末の含有量の試験結果>
前記評価法(環境省告示第19号)によれば、得られた鉄複合粒子粉末の含有量の試験結果は、カドミウムの含有量が0.001mg/l未満、全シアンの含有量が検出されない、鉛の含有量が0.001mg/l未満、クロムの含有量が0.01mg/l未満、砒素の含有量が0.001mg/l未満、総水銀の含有量が0.0005mg/l未満、セレンの含有量が0.001mg/l未満、フッ素の含有量が0.5mg/l未満、ホウ素の含有量が0.1mg/l未満であり、いずれも測定装置の検出限界を下回る値であり、全て前記環境基準の基準値を下回るものであった。
ゲータイト粒子2
Fe2+1.50mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液12.8lと0.44−NのNaOH水溶液30.2l(硫酸第一鉄水溶液中のFe2+に対し0.35当量に該当する。)とを混合し、pH6.7、温度38℃においてFe(OH)を含む硫酸第一鉄水溶液の生成を行なった。次いで、Fe(OH)を含む硫酸第一鉄水溶液に温度40℃において毎分130lの空気を3.0時間通気してゲータイト核粒子を生成させた。
前記ゲータイト核粒子を含む硫酸第一鉄水溶液(ゲータイト核粒子の存在量は生成ゲータイト粒子に対し35mol%に該当する。)に、5.4NのNaCO水溶液7.0l(残存硫酸第一鉄水溶液中のFe2+に対し1.5当量に該当する。)を加え、pH9.4、温度42℃において毎分130lの空気を4時間通気してゲータイト粒子粉末を生成させた。ここに得たゲータイト粒子を含有する懸濁液にAl3+0.3mol/lを含む硫酸Al水溶液を0.96lを添加、十分撹拌した後をフィルタープレスで水洗し、得られたプレスケーキを圧縮成型機を用いて孔径4mmの成型板で押し出し成型して120℃で乾燥してゲータイト粒子粉末の造粒物とした。
ここに得た造粒物を構成する含有するゲータイト粒子粉末は、平均長軸径0.33μm、軸比(長軸径/短軸径)25.0の針状を呈した粒子であった。BET比表面積は70m/g、Al含有量は0.42重量%、S含有量は4000ppmであった。
ゲータイト粒子の諸特性を表1に示す。
鉄複合粒子粉末2、3
ゲータイト粒子の種類、加熱脱水の温度、ヘマタイト粒子を含有する懸濁液への硫酸の添加の有無及び添加量、加熱還元の温度を種々変化させた以外は前記実施例1と同様にして浄化処理用鉄複合粒子粉末及び浄化剤を得た。
このときの製造条件を表2に、得られた浄化処理用鉄複合粒子粉末及び浄化剤の諸特性を表3に示す。
マグネタイト1、鉄粒子1〜5
マグネタイト1は、表2記載のヘマタイト4の造粒物100gを転動還元装置に導入し、Hガスを通気させながら、300℃で180分間、完全にFeとなるまで還元したものであり、α−Feを全く含まないマグネタイト粒子粉末である。
鉄粒子1は還元鉄粉、鉄粒子2は電解鉄粉である。また鉄粒子3、4はカルボニル鉄粉、鉄粒子5はスポンジ鉄粉である。
<浸透試験の結果>
実施例1〜20、比較例1〜15
希釈浄化剤中に含有される添加剤の種類及び量、鉄複合粒子粉末の種類及び量を種々変化させてサンドカラムによる浸透性試験を行った。評価は、浸透完了後のサンドカラムにおいて、カラム上表面から砂が浄化剤の黒色に着色した位置までを浸透距離とし、添加剤を添加していない希釈浄化剤を使用したときの浸透距離(比較例3)に対して、添加剤を添加したときの浸透距離を浸透倍率とした。
なお、実施例13で用いた浄化剤中に含有された鉄複合粒子粉末4は、鉄複合粒子粉末1を含有する浄化剤(固形分濃度30%)を開放系で6ヶ月保存したものである。そのときの浄化剤中の鉄複合粒子粉末の特性は、生成した粗大粒子の粒子径(走査型電子顕微鏡観察(倍率30000倍)にて確認できる鉄複合粒子の最大粒子の粒子径を測定したもの)が1.10μmであり、BET比表面積が21m/gであり、Fe含有量が71.2重量%であり、α−Feの(110)面の結晶子サイズD110が264Åであり、飽和磁化が87Am/kg(87emu/g)であり、X線回折スペクトルにおいてα−Feの(110)面の回折強度D110とマグネタイトの(311)面の回折強度D311との強度比(D110/(D311+D110))が0.24であった。
表4に示したポリアクリル酸ナトリウムのうち、「K−739」はGOOD−RITE K−739(Noveon製)であり、「DL−100」はアクアリックDL−100((株)日本触媒製)であり、「AC−10NP」はジュリマーAC−10NP(日本純薬(株)製)であり、「AC−103」はジュリマーAC−103(日本純薬(株)製)である。
無機塩は、炭酸水素ナトリウム(関東化学(株)製)、硫酸ナトリウム(関東化学(株)製)を使用した。
また、表4の「HECダイセル」(商品名 ダイセル化学工業(株)製:ヒドロキシエチルセルロース)、「プラクセルH5」(商品名 ダイセル化学工業(株)製:ポリカプロラクトン)、「サーフホープ」(商品名 三菱化学フーズ(株)製:ショ糖ステアリン酸エステル)、「プルラン」(商品名 (株)林原製:天然多糖類)はいずれも親水性ポリマーである。
比較例7〜11では、鉄粒子が粗大であるため、直ぐに沈降し、カラムの砂上部に残るため、土壌への浸透がほとんど認められなかった。
比較例13〜15では、添加剤が水に不溶なものもあり、カラムの砂上部に残り、土壌への浸透性に寄与が認められなかった。
評価結果を表4に示す。
<有機ハロゲン化合物の浄化処理結果(見掛けの反応速度定数)(対象物:水)>
実施例21〜38、比較例16〜26;
浄化剤の種類及び量、鉄複合粒子粉末の種類及び量を種々変化させ、見掛けの反応速度定数を測定した。
このときの処理条件及び測定結果を表5に示す。
なお、比較例20〜22では、トリクロロエチレンの分解が殆ど起こらないため、見掛けの反応速度定数を求めることができなかった。
<有機ハロゲン化合物の浄化処理結果(見掛けの反応速度定数)(対象物:土壌)>
浄化剤の種類及び量、鉄複合粒子粉末の種類及び量を種々変化させ、見掛けの反応速度定数を測定した。
このときの処理条件及び測定結果を表5に示す。
なお、比較例20〜22では、トリクロロエチレンの分解が殆ど起こらないため、見掛けの反応速度定数を求めることができなかった。
本発明に係る浄化処理用鉄複合粒子粉末は、有機ハロゲン化合物類を効率よく分解できるので、有機ハロゲン化合物によって汚染された土壌・地下水の浄化剤として好適である。
実施例で用いたケイ砂の粒度分布を示すグラフである。

Claims (10)

  1. 土壌・地下水の浄化処理に用いる浄化剤であって、該浄化剤はα−Feとマグネタイトとからなる鉄複合粒子及び添加剤を含有する水溶液であって、前記鉄複合粒子は平均粒子径が0.05〜0.50μmであってS含有量が3500〜7000ppmであってAl含有量が0.10〜1.50重量%であり、前記添加剤がポリアクリル酸ナトリウムであることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤。
  2. 土壌・地下水の浄化処理に用いる浄化剤であって、該浄化剤はα−Feとマグネタイトとからなる鉄複合粒子及び添加剤を含有する水溶液であって、前記鉄複合粒子は平均粒子径が0.05〜0.50μmであってS含有量が3500〜7000ppmであってAl含有量が0.10〜1.50重量%であり、前記添加剤がポリアクリル酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウム及び/又は硫酸ナトリウムとであることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤。
  3. 請求項1又は2に記載の浄化剤中の鉄複合粒子粉末のα−Feの(110)面の回折強度D110とマグネタイトの(311)面の回折強度D311との強度比(D110/(D311+D110))が0.30〜0.95であることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤。
  4. 請求項1又は2に記載の浄化剤中の鉄複合粒子粉末の固形分濃度が10〜30重量%であって、且つ、ポリアクリル酸ナトリウムの固形分濃度が前記鉄複合粒子粉末に対して5〜50重量%であることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤。
  5. 請求項2又は3に記載の浄化剤中の鉄複合粒子粉末の固形分濃度が0.1〜200g/lであって、炭酸水素ナトリウム及び/又は硫酸ナトリウムの含有量が0.01〜1.0重量%であることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用希釈浄化剤。
  6. 平均長軸径が0.05〜0.50μmであってAl含有量が0.06〜1.00重量%であり、S含有量が2200〜4500ppmであるゲータイト粒子粉末又は平均長軸径が0.05〜0.50μmであってAl含有量が0.07〜1.13重量%であり、S含有量が2400〜5000ppmのヘマタイト粒子粉末を、350〜600℃の温度範囲で加熱還元して鉄粒子粉末とし、冷却後、該鉄粒子粉末を気相中で表面酸化被膜を形成することなく水中に取り出し、水中で当該鉄粒子粉末の粒子表面に表面酸化被膜を形成し、ポリアクリル酸ナトリウムを前記鉄複合粒子粉末に対して5〜50重量%となるように調整したポリアクリル酸ナトリウム水溶液を添加し混合攪拌することを特徴とする請求項1又は請求項記載の土壌・地下水の浄化処理用浄化剤の製造法。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載の土壌・地下水浄化処理用浄化剤又は請求項記載の土壌・地下水浄化処理用希釈浄化剤を長期間保存して得られた浄化剤であって、該浄化剤中に粒子径が0.1〜5.0μmの粗大粒子を含み、かつ、該鉄複合粒子粉末全体のX線回折スペクトルにおいてα−Feの(110)面の回折強度D110とマグネタイトの(311)面の回折強度D311との強度比(D110/(D110+D311))が0.20〜0.80であることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤。
  8. 請求項記載の土壌・地下水浄化処理用浄化剤において、前記浄化剤中の鉄複合粒子粉末は、飽和磁化値が70〜140Am/kgであり、α−Feの(110)面の結晶子サイズが200〜400Åであることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤。
  9. 請求項7又は8記載の土壌・地下水浄化処理用浄化剤において、前記浄化剤中の鉄複合粒子粉末はFeの含有量が全粒子粉末に対して65〜80重量%であることを特徴とする土壌・地下水浄化処理用浄化剤。
  10. 請求項1乃至のいずれかに記載の土壌・地下水浄化処理用浄化剤、請求項記載の土壌・地下水浄化処理用希釈浄化剤又は請求項7乃至9のいずれかに記載の土壌・地下水浄化処理用浄化剤と有機ハロゲン化合物類で汚染された土壌又は有機ハロゲン化合物類で汚染された地下水とを混合接触させることを特徴とする土壌・地下水の浄化処理方法。

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