JP4478824B2 - エンジン - Google Patents

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01DNON-POSITIVE DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, e.g. STEAM TURBINES
    • F01D1/00Non-positive-displacement machines or engines, e.g. steam turbines
    • F01D1/34Non-positive-displacement machines or engines, e.g. steam turbines characterised by non-bladed rotor, e.g. with drilled holes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02CGAS-TURBINE PLANTS; AIR INTAKES FOR JET-PROPULSION PLANTS; CONTROLLING FUEL SUPPLY IN AIR-BREATHING JET-PROPULSION PLANTS
    • F02C5/00Gas-turbine plants characterised by the working fluid being generated by intermittent combustion

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明はエンジンに関する。特には、本願発明は純粋に、あるいは主として回転部材を採用した内燃機関(エンジン)または外燃機関(エンジン)に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
今日使用されているほとんどの内燃エンジンはレシプロ式ピストンを利用している。しかし、レシプロ式部材の存在はエンジンの最大速度に制限を加えている。さらに、レシプロ式部材が発生させる物理力を対抗する必要性によって使用部材は必然的に重厚で重量を伴うものとなっている。この理由によって、回転部材を主力とするエンジンの研究が行われてきた。今日まで、最も実用性があるロータリピストンエンジンは「ワンケル型」エンジンである。これはドイツ人発明家に因んで命名された。しかし、このエンジンは単純構造であるもののいくつかの理由によって商業的には必ずしも成功していない。この理由の最も大きなものはシール(密閉)性の問題に関わるものであり、さらには低速回転時の低トルクと、燃料効率の悪さと、比較的に高い環境への悪影響である。加えて、このエンジンはシール問題を回避しようとすればメンテナンスが面倒となり、操作速度を限定することが必要となる。また、ワンケルエンジンのピストン(少なくとも一般的なもの)は純粋な回転運動ではない運動を行う。これには振動運動する部材が使用されており、エンジン振動の原因となっている。
【0003】
ガスタービン式エンジンも知られている。このようなエンジンの場合には、膨張する燃焼ガスがロータのブレードに衝突し、ロータにトルクを与える。ガスタービンの利点は、そのロータが純粋に回転運動し、振動を最小限に抑えながら高速で作動することである。しかし、このようなエンジンは比較的に狭いエンジン速度範囲でのみ効率良く作動することができ、高速運動が必要な自動車等のエンジンには不向きである。
【0004】
従って、本願発明の目的は、ほぼ純粋に回転部材のみで構成され、従来のエンジンの弱点を克服し、あるいは少なくとも改善させるエンジンの提供である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明はロータと固定子(ステータ)とを含んだ燃焼構造体を含んでいる。燃焼室(チャンバ)はステータ内に提供され、流体(燃料)受領室(チャンバ)はロータ内に提供されている。燃焼ガスは燃焼チャンバ内で膨張して受領チャンバ内に送られ、燃焼ガスからの運動モーメントがロータに伝達される。
【0006】
このようなエンジンは最低数の部材で提供が可能であり、振動運動する部材は存在しない。
【0007】
このようなエンジンは典型的には複数のロータ膨張チャンバを備えており、燃焼ガスが連続的に噴入されるであろう。一般的には、これらロータ膨張チャンバは異なる容積で提供される。特に、これらロータ膨張チャンバは典型的には徐々に増大する容積で提供される。一方、燃焼チャンバはロータ膨張チャンバのいくつかよりも大きな容積で提供されるのが有利である。
【0008】
好適実施態様においては、ステータは複数のステータ膨張チャンバを有しており、その内部にロータのチャンバからガスが膨張して噴入される。典型的には、ロータ膨張チャンバは徐々に増加する容積で提供される。
【0009】
好適実施例においては、ロータはインレットトランスファチャンバを有しており、ロータの回転中に燃焼ガスを通過させて燃焼チャンバに送る。
【0010】
本願発明の1実施態様によるエンジンには燃焼チャンバにスパーク点火装置が提供され、受領した燃焼性流体を点火させる。典型的にはこの点火装置はスパークプラグを含んでいる。
【0011】
本願発明の1実施態様によるエンジンにおいては、ロータとステータの一方または両方を自己潤滑特性を備えた材料で提供することができる。例えば、それらの一方を回転楕円形のグラファイト鉄材料で提供することができる。
【0012】
本願発明の1実施態様のエンジンはオイルミストインジェクタを備えることもでき、ロータとステータとの間の空間にオイルミストを噴入させる。典型的には、このようなオイルミストは燃焼チャンバの手前のポジションにて噴入される。
【0013】
本願発明の1実施態様によるエンジンは潤滑ブラシを備えており、ステータとロータとの間にグラファイトのごとき潤滑材料を提供する。
【0014】
本願発明のエンジンの実施態様群の一部では、ロータはディスク形状で提供され、ディスクの周囲で開いているチャンバが提供されている。このような形態の実施態様においては、エンジンは好適にはギャップコントロールシステムを備えており、エンジンの作動中にロータとステータとの分離を制御する。このようなギャップコントロールシステムはロータに対してステータをロータの中心から放射状に移動させることができる。
【0015】
このような実施例においては、ロータはロータ注型体を含んだロータ構造体を含むことができる。そのロータ注型体は提供されているボイド(繰抜部:void)内に向かって開いた周辺開口部を備えたディスクとして提供が可能である。ロータ構造体はさらにエンドプレートを含むことができる。これらエンドプレートはボイドを軸方向に閉鎖するようにロータ注型体に固定されている。いくつかのこのようなロータ注型体をエンドプレート間で組み合わせてさらに大きな燃焼能力を備えた燃焼構造体を提供し、便利なモジュール形式の構造とすることができる。
【0016】
そのような実施例において、隣接ロータ注型体間にスペーサを配置し、燃焼構造体、特にはロータ注型体から放熱させることができる。このスペーサは典型的にはロータ注型体の冷却流体ダクトと整合した貫通路を含んでいる。
【0017】
ステータ構造体も同様にステータ注型体を含んだステータ構造体を含むことができる。ステータ注型体はロータ構造体を部分的に包囲する形状で提供することができ、形成されたボイドに向かって開いた開口部を備えている。ステータ構造体はステータ注型体に固定されたエンドプレートをさらに含んで、それらボイドを軸方向に閉鎖することもできる。いくつかのそのようなステータ注型体をエンドプレート間で組み合わせ、さらに大きな容量を備えた燃焼構造体を提供することができる。
【0018】
そのような実施態様においては、隣接ステータ注型体間にスペーサを配置し、燃焼構造体、特にはステータ注型体から放熱させることができる。そのようなスペーサに穴を形成し、様々なステータ注型体の燃焼チャンバを軸方向でリンクさせることができる。燃焼混合体をそれぞれの燃焼チャンバに導入することもできる。
【0019】
オプションとしてのロータ若しくはステータスペーサ、またはロータとステータスペーサの双方に翼部を提供し、放熱させることができる。
【0020】
別タイプのエンジン実施態様においては、ロータは周囲に向かって開いたチャンバを備えた錐台形状で提供される。このような実施態様では、ステータは典型的にはロータを部分的に包囲する。このような実施態様ではエンジン作動中のロータとステータとの間の分離を制御するギャップコントロールシステムを有することができる。このギャップコントロールシステムはロータに対してステータを軸方向に移動させることができる。
【0021】
ギャップコントロールシステムを含んだ実施態様においては、ギャップコントロールシステムは非接触型センサーを含むことができる。このようなセンサーは静電センサー、誘電センサーまたは両方の組み合わせで作動するものでよい。
【0022】
別実施態様においては、ステータはディスク形状であり、燃焼チャンバはロータとステータの平坦面間に提供されている。このような実施態様においては、ギャップコントロール装置は典型的にはロータに対してステータを軸方向に移動させる。
【0023】
これらの実施態様ではロータ若しくはステータ、またはロータとステータの双方は注型体とエンドプレートを含むことができる。
【0024】
本願発明の1実施態様によるエンジンはさらにコンプレッサを含んでおり、燃焼空気を燃焼構造体に供給する。このコンプレッサはロータで作動させることができる。便利には、このコンプレッサとロータとを共通シャフトに連結させるか、あるいは共軸シャフトに連結させる。好適には、インタークーラをコンプレッサと燃焼構造体との間に提供し、燃焼空気から放熱させてエンジンの効率を高める。
【0025】
スパーク点火式実施態様においては、コンプレッサは燃焼空気を4バールから7バールの範囲の圧力で送風する。燃焼空気チャージ冷却が利用されている場合には(例えばインタークーラの形態)、この圧力を6バールから12バールに増加させることもできる。圧縮点火式実施態様においては、この圧力は典型的には9バールから15バールの範囲である。燃焼空気チャージ冷却が利用されている場合には(例えばインタークーラの形態)、この圧力を20から30バールにまで高めることもできる。
【0026】
実施態様によっては、燃料は燃焼構造体の外側で燃焼空気流内に噴入される。あるいは、燃料を燃焼構造体内のチャンバ内に噴入させることもできる。
【0027】
燃料と空気に加えて水を空気と燃料と共に燃焼チャンバに送ることもできる。このような実施態様においては水は燃焼中に蒸気に変化して膨張して蒸発し、受領チャンバ内に噴入され、少なくともその一部の運動モーメントをロータに伝える。
【0028】
別の特徴では、本願発明はロータとステータとを含んだ燃焼エンジンを提供する。このステータは第1セットの燃焼チャンバを備え、そのロータは第2セットの燃焼チャンバを備えている。このアレンジは、エンジン作動中にロータがステータに対して相対的に回転し、作用流体が第1セットと第2セットの燃焼チャンバ間を連続的に移動され、ロータを回転させるように提供されている。
【0029】
この構造を利用したエンジンには特定の目的に沿って最良化された形状とサイズの燃焼チャンバを提供することができる。さらに、ロータは典型的にはそのモーションが純粋に回転モーションであり、振動モーション成分が介在しないようにアレンジされる。
【0030】
この種のエンジンの成功にとって重要なものは装置の高温部分に採用される新規な熱力学サイクルである。このエンジンは単コンプレッサセクションあるいは多ステージ分離型コンプレッサセクションを有し、通常は空気である作用流体の圧縮を達成させることができる。
【0031】
本願発明の別な特徴によれば、ロータとステータとを含んだ燃焼エンジンが提供される。このステータは第1セットの燃焼チャンバを備え、このロータは第2セットの燃焼チャンバを備えている。この構造ではエンジン作動中にロータがステータに対して相対回転し、作用流体が第1セットと第2セットの燃焼チャンバ間で連続的に移動されてロータを回転させる。
【0032】
有利には燃焼チャンバの1種または複数種は、本明細書において以降“マザー”チャンバ、“メイド”チャンバ及び“ドータ”チャンバと呼称するタイプのものを含んで提供される。
【0033】
有利にはロータ若しくはステータ、またはロータとステータの双方は容積が徐々に増加する1セットのドータチャンバを含んでいる。
【0034】
それらの少なくとも一部のチャンバは好適にはレトルト形状である。
【0035】
作用流体は好適には本明細書で以降“協調ガス変動”と呼称するプロセスによってチャンバ間を移動される。
【0036】
有利にはこのエンジンはコンプレッサを含んでおり、燃料と空気の燃焼混合気体を燃焼チャンバに供給する。
【0037】
本願発明のさらに別な特徴によれば、ロータとステータとを含んだ燃焼エンジンが提供される。このエンジンはロータを回転させるためにカデンス反復膨張プロセス(cadence-recursive expansion process)を利用する。このカデンス反復膨張プロセスの詳細は後述する。
【0038】
本願発明の1実施態様によるエンジンは性能に対する信頼度が高くなるように設計されており、その高速作動と特殊デザインの特徴によってシール問題を回避することができる。このエンジンは環境汚染問題や低トルクの問題にも効率良く対処できる。また、非常に単純構造であり、最も単純な実施態様においては(少なくとも理論的には)1体の回転部分を有するだけである。さらに、本願発明の1実施態様によるエンジンは軽量であるが非常に強力なパワー出力レベルを提供する。よって、今日における最も効率が高いガスタービンエンジンと同程度の重量-パワー比を提供する。本願発明の実施態様のエンジンの出力は典型的にはシャフトパワーであり、ガスタービン装置のようなスラスト力ではない。従って、あらゆる道路用運搬装置からあらゆる空中/海中装置、例えば、ヘリコプタやVTOL飛行機にわたる幅広い範囲で主力駆動装置としての適用に好適である。さらに、静的なパワー発生装置、コジェネレーション装置及び水上装置としての利用も見込まれる。回転作用と独自の熱力学サイクルとの組み合わせによって燃料効率が高い。また、その非常に単純な構造のおかげで製造コストが低いであろう。
【0039】
本明細書を通じて、本願発明の説明のためにレシプロ型エンジンデザインとの比較が提供されている。
【0040】
【実施例】
添付の図面を用いて本願発明の1実施例を詳細に解説する。
一般的形態
図1には本願発明の1実施例によるエンジンが示されている。このエンジンは図1の右から左に進行するガス流路を備えている。燃焼空気はインレットダクト100からエンジンに入り、コンプレッサ110に入る。そこから、燃焼空気はインタークーラ112に進み、ダクト114を通って燃焼構造体116に入る。排気ガスは燃焼構造体116(“高温部分”と呼称)を離れ、排気ガスタービン118に進み、外気に排出される。冷却空気流もインタークーラ112と燃焼構造体116を通過し、タービン118に入る。これらエンジン部材はシャフト122の周囲に提供されている。シャフト122はエンジン軸A周囲を回転するようにベアリングに支持されている。ファン120はシャフトに取り付けられている。この実施例においては、インタークーラ112と燃焼構造体116の間に搭載されており、エンジン内に冷却空気を通過させる。便宜上、インレットダクト100をエンジンの“インレットエンド”側に提供されているものとし、タービン118をエンジンの“アウトレットエンド”側に提供されているものとする。
【0041】
これらエンジン部材の構造と機能とを以下で詳細に説明する。
空気吸入と圧縮
燃焼空気は燃焼チャンバの外側で圧縮される。これは典型的なピストン式内燃エンジンとは異なる。従来のピストン式内燃エンジンでは圧縮は燃焼チャンバ内でピストンによって行われる。この実施例においては、多ステージ遠心式コンプレッサ110が圧縮を実行する。
【0042】
このコンプレッサは第1ロータ124と第2ロータ126を含んでいる。それぞれのロータはシャフト122に固定されて共回転する。1つのロータは図2aと図2bに示されている。それぞれのロータは略環状バックプレート128を備えている。このバックプレートはシャフト122に固定されたボス132に搭載されており、バックプレートはエンジン軸Aとは垂直に延びている。
【0043】
複数の翼板130、130’がパックプレート128からエンジンのインレットエンドに向かって延び出ている。この実施例では全部で32枚の翼板が存在する。翼板として長翼板130と短翼板130’とが交互に提供されている。図2bは複数の翼板のアレンジを示している。このアレンジはロータの周囲で等間隔にて反復される。長翼板130はバックプレート128のボス近辺から縁部にまで延びており、短翼板130’はバックプレートの半径の3/4付近からバックプレートの縁部にまで延びている。各翼板130、130’は湾曲して提供されており、シャフトが通常エンジン運転の方向に回転しているときには翼板130、130’の外端が内端の背後に位置するようにアレンジされている。
【0044】
これら翼板の正確な湾曲度及び総数は、特定のエンジンでの意図する典型的な作動速度にて最大効率を得るように選択されるロータ124と126において最良の効率を提供するように決定される。このような最良化を達成させる方法はコンプレッサデザインの専門家であれば承知している技術である。
【0045】
コンプレッサ110の各ステージはハウジングをさらに含んでいる。このハウジング内にはロータ124、126が収容されている。インレットエンドにてハウジングは環状外壁134を備えている。この外壁はシャフト122を包囲する中央アパーチャを有している。このアパーチャは第1ロータ124の翼板の内端のほぼ直径のサイズである。このアパーチャはインレットダクト100を構成する。外壁134はロータ124のバックプレート128と平行に提供されており、翼板130、130’からは離れている。
【0046】
このハウジングはさらに2つのロータ124、126の間で延びる環状隔壁136を含んでいる。この隔壁の中央アパーチャはシャフト122を包囲する。
【0047】
ハウジングの内壁138はハウジングのアウトレットエンドに提供されている。内壁はシャフト122に密接して包囲し、液密シールが内壁138とシャフト122との間で提供されている。
【0048】
外壁134と隔壁136は湾曲壁部分140によって縁部で相互接続されている。湾曲壁部分の内面は凹状である。これは“渦形態”として知られている。隔壁136と内壁138も同様に相互接続されている。
【0049】
シャフト122が回転すると、ロータ124、126も共に回転する。第1ロータ124の翼板は空気を放射状外側方向に送り出し、インレットダクト100を介して空気を吸入する。第1ロータから駆逐された空気は湾曲壁部分に衝突し、第1ロータのバックプレートと隔壁136との間で放射状内側方向に送られる。そこから空気は中間壁のアパーチャを通って吸入され、第2ロータ126によって再び放射状外側方向に送り出される。
【0050】
このようにコンプレッサ100はこの実施例においては2ステージ放射状コンプレッサであり、この実施例では出力圧力は約9.2バールである。
【0051】
別実施例ではコンプレッサに別の設計要素が適用できる。周知のように、コンプレッサ110が創出すべき空気流量は、燃料が燃焼構造体内で消費される速度による。この要求を満たすため、コンプレッサハウジングは複数のモジュールで構成させることができる。各モジュールはそれぞれロータを含んでいる。よって、必要に応じて追加モジュールが提供でき、燃焼構造体116での燃料の燃焼のために充分な空気量を提供することができる。
【0052】
エンジンが一部パワーまたは低パワー出力状態で作動しているとき、完全燃焼のために必要な空気量は全開パワー時よりも少ない。このことは一部パワー時の非効率性につながる。このときにはコンプレッサ100は充分な燃焼空気を提供するために必要である以上にパワーを消費している。従って、望まれるコンプレッサの改良点は、一部パワー状態時での(流体力学ドラッグ現象を減少させるため)コンプレッサに出入りする空気量を規制することである。
【0053】
例えば、図1aにおいてコンプレッサの渦体の1例が略図的に示されている。この渦体は、いくつか(本例では4つ)の同様な区画部を有している。それら区画部は放射壁部170によって相互接続されており、ロータ124の回転方向にエンジン軸Aから放射状に半径が増大している。それぞれの放射壁部にはコンプレッサハウジング内で圧縮された空気のアウトレットダクト174が提供されている。この実施例では1つのダクト174は常に開いて圧縮空気を供給しており、他のアウトレットダクト174はそれぞれ関連バルブ176を備えており、対応するダクト174内での空気流を選択的に制御する。バルブ176は個々に作動させることも、いくつかを相互接続して共同で作動させることもできる。
【0054】
図3a、図3b及び図4に関連して解説する。コンプレッサロータの翼板のいくつかへの空気アクセス通路を妨害して空気の進入を妨げる実施例が示されている。この実施例ではハウジング1140はエンジン軸Aに対して垂直な平面に存在する環状リング1112を搭載している。この環状リングはインレットダクト1140を囲み、翼板1130の内端に近接するような直径を有している。複数の閉鎖フラップ1110がリング1112に取り付けられている。各フラップ1110は薄板状であり、エンジン軸Aを中心とする円弧形状に沿って湾曲している。その端部の1つに近接して、フラップ1110はリング1112に固定されており、エンジン軸Aと平行で、長翼板1130の端部を搭載している円形部に隣接して提供された軸周囲を回転することができる。その回転移動の1端でフラップ1110はその円形部からフラップ1110の端領域にまで延びており、隣接フラップ1110間で翼板1130への空気通路を実質的に閉鎖する。その回転運動の他方の端でフラップ1110は円形部から内側に延び出し、空気通路を開く。1好適実施例においては、フラップはリング1112の周囲の約3/4を連続的に延びる。
【0055】
フラップ1110の動きは図4にて明瞭に示す機構によって制御されている。各フラップはリング1112を通って延びる栓体を有しており、クランクレバー1114はリング1112の反対側に隣接して栓体に取り付けられている。ソレノイドアクチュエータ1116はリンクロッド1120を介してクランクレバー1114に接続されている。電力をソレノイドアクチュエータ1116に供給してリンクロッド1120を直線的に作動させることができる。この直線的な動きで関連フラップ1110の限定された回動が提供される。リンクロッド1120をフラップ1110が全開するポジションにまで移動するようにスプリングが提供されている。これは安全装置であり、アクチュエータ1116への電力供給が停止したときにもエンジンは作動を継続するであろう。
【0056】
多彩なアクチュエータ1116がコントロールユニットによって制御され、燃焼構造体116の燃焼空気需要度の変化に応じて開閉する。燃焼空気の吸引を制御する1方法を以下で解説する。
【0057】
このアレンジは第1ロータ124への空気流の制御にさらに適している。なぜなら、隔壁のアパーチャ部よりもインレットダクト100の方にさらに大きなスペースが存在するからである。
冷却空気流
ファン120がシャフト122と共に回転するように搭載されている。ファン120は空気流がエンジンを通って軸方向に流れ、エンジンの様々な部材を冷却するように作用する。特に、冷却空気はインタークーラ112と燃焼構造体116を通過するようにアレンジされている。
【0058】
燃焼構造体116を出ると冷却空気流はルーバ構造体150を通過する。このルーバ構造体150は複数のルーバ状通路を含んでおり、それぞれは冷却空気流の方向でV形状の断面となるようにテーパ加工されている。これで冷却空気流を、反対方向よりも空気抵抗が少なく提供される望む方向に規制することができる。このアレンジで燃焼排気ガスからの圧力による冷却空気のバックフラッシュのリスクが減少する。
冷却燃焼チャージ
エンジンへの強制導入によってチャージ温度が過剰に上昇することがある。その結果、容積に対する効率が低下し、スパーク点火式エンジンの異常爆発が発生しやすくなる。この理由でインタークーラ112が提供されており、燃焼空気を冷却している。
【0059】
本実施例においてはこのインタークーラ112は円環体ユニットであり、燃焼空気が内部を通過する。このインタークーラは金属注型体である。内部的にインタークーラ112は複数の翼512を有しており、その間を燃焼空気が通過する。翼512は燃焼空気から放熱させる。さらにインタークーラ112の外側にも翼510が形成されており、その間を冷却空気流が流れる。これら外部翼510はインタークーラの金属から熱を奪い去る。
燃焼構造体の構造
燃焼構造体116内で燃料は燃焼され、シャフト122にトルクを与える。この実施例ではトルクはシャフト122に回転式に固定されたロータ構造体210で発生する。トルクの発生プロセスには、図7にて一般的に示すロータ210と複数のステータ構造体310との間に提供された燃焼チャンバ内での燃料の燃焼を含んでいる。これら部材は後述する。
【0060】
図7から図9に示すロータ構造体210は短シリンダの周囲形状を有している。この構造体210はエンジン軸A周囲を中心とする筒状外面212を有しており、それぞれ円形で軸Aに垂直な離れた平行面を有している。このロータはシャフト122に本実施例においてはスプラインで固定され、エンジン軸Aの周囲をシャフトと共に回転する。図7に示すように、このような動き(エンジン作動中)は時計回りである。ロータ構造体210は軸Aに対して回転対称である。本実施例では、ロータ210は軸周囲を180°回転すると実質的な変化は見られない。
【0061】
ロータ構造体210は一体型金属ロータ注型体220(図8)を含んでいる。このロータ注型体は図9に示すように2体の略ディスク形状エンドプレート222の間で挟持されており、ロータ構造体を完成させている。(図9は線C-Cの左側のエンドプレート222の片方のみを示している。このエンドプレートは軸Aに対して回転対称である)。この実施例ではロータ注型体とエンドプレートはステンレス鋼で提供されている。ステンレス鋼の使用は腐蝕に対して抵抗性と引っ張り強度とに優れた材料であり、特に硫黄と硫黄化合物に対して防腐蝕作用に優れている。このような腐蝕抵抗性はエンジンにとって重要である。
【0062】
ロータ注型体220には多数のボイドが形成されている。各ボイドはロータ注型体220の軸方向に延びている。ボイドのいくつかはロータ内に延びており、ロータ210の筒状外面にそれぞれのアパーチャ216を介して開いている。各アパーチャ216は軸に平行に延びており、平行面214に接近してはいるが到達していない。よって、その2つの軸方向エンドに隣接してロータ注型体の周囲を囲む金属バンド260を残している。周囲的には、各アパーチャ216は内部のボイドと同程度に延びている。エンドプレート222はボイドのいくつかの軸方向エンドを閉鎖し、それらの外側開口部はロータ注型体220の筒状外面212を通るものだけとなる。他のボイドの軸方向エンドに隣接してエンドプレートが切り開かれ、ボイドの軸方向エンドを開いた状態にする。多彩なボイドの形態と機能とは詳細に後述する。
【0063】
周囲金属バンドの存在はロータ注型体の最も高温な箇所から熱を奪い、物理的振動からロータチャンバ壁を保護し、さらに振動を減衰させる。高融点ワックス等の適当な減衰物質を利用してさらに振動を減衰させることもできる。この提供は、例えば、ロータ周辺の精工仕上げ作業中に行うことができる。
【0064】
意図する機能により決定される種々な形状とサイズにてボイドは提供される。ロータの回転対称形状であるそれぞれの半体で、複数の膨張チャンバ232と主チャンバ234は全てが筒状外面212のみに開口部を有している。さらに、冷却流体ダクト236が提供されている。それらは軸方向エンドの両方に開口しているが、筒状外面212に対しては開口していない。冷却流体ダクト236のそれぞれに隣接してエンドプレート222は冷却流体アパーチャ238を有している。(本実施例においては、そのような冷却流体アパーチャ238の1つは複数の流体ダクト236を包囲することができる)。排気チャンバ240も存在する。その近辺でエンドプレート222は排気アパーチャ242を有している。
【0065】
インレットトランスファチャンバ230も周囲で延びる長形トラフペアとして形成されている。それぞれはロータ注型体220の筒状外面212と軸方向で対面する平行面との交部にて形成されている。それぞれのトラフに隣接してエンドプレート222はインレット凹部244を有している。インレット凹部244はトラフと同程度延びているが、エンドプレート222を通っては部分的にのみ軸方向に延びている。
【0066】
各主チャンバ234、各膨張チャンバ232及び排気チャンバ240は“レトルト形状”を有している。すなわち、ロータ注型体220の外面212には比較的に狭い開口部を有しており、細いネック部分を通過して球根状の内部に至る。そのネック部分は湾曲しており、外面212の接線から鋭角でロータ注型体220の回転方向に延びている。この形状の目的はその球根断面部分の値によって熱損失を制限するためである。その口を通じて現存ガスを加速し、調和変動するガスの推力の影響を改善する。この形状はさらにスムーズなガス流とガス回転を提供する。
【0067】
ロータが回転すると、遭遇する最初のチャンバはインレットトランスファチャンバ230である。ある間隔(タイミングギャップと呼称)後に遭遇する次のチャンバは主チャンバ234(メイドチャンバとも呼称)である。次には膨張チャンバ232(本実施例では12体)である。連続する各膨張チャンバ232は徐々に大きくなっている。主チャンバ234は最初のいくつかの膨張チャンバ232よりも大きい。
【0068】
スパーク点火式エンジンでは、燃焼チャンバ316は増強ガス変動を提供するために主チャンバよりも大きいであろう。主チャンバは燃焼チャンバの容積の15%から35%の容積を有するであろう(例えば30%)。ディーゼル式サイクルの場合には、このチャンバは、燃料噴入燃焼プロセスでガスを未燃焼状態で取り除くほどには拡大されていない。
【0069】
図1と図7に示すように、ステータは2体の実質的に同一であるステータ構造体310を、エンジンシャシー(図示せず)に搭載されたギャップコントロールシステムに取り付けている。ステータ構造体はエンジン軸Aの周囲に回転対称的に提供されており、一方のステータ構造体が他方のステータ構造体に対して軸周囲で180°回転した状態となっている。シャシーへのステータの搭載とギャップコントロールシステムの詳細は後述する。
【0070】
ステータ構造体310は、本願発明の1実施例によるエンジンに設置されたとき、エンジン軸Aを囲むように湾曲して延びる。ステータ注型体320の1内面312はロータ軸を中心とする円周の一部である箇所に提供される。このステータ注型体320はロータ軸に対して直角に提供された対面する平行側面をも有している。エンドプート322はそこに提供されている。複数のボイドがステータ注型体320内に形成されている。それぞれのボイドは一方の側面から他方の側面にまで注型体内を延びている。それらボイドの両端はエンドプレート322でシールされている。ボイドは内面312を通過する開口部にまで延びており、レトルト形状である。ステータ内ではボイドのネック部は湾曲しており、内面の接線から鋭角でロータ210の回転方向とは逆の方向に延びている。ステータ注型体320にはさらに複数の翼334が提供されている。これら翼は注型体を冷却させる役割を果たす。
【0071】
ロータ210の回転方向で、ステータ310の最初のチャンバはクーラント噴射チャンバ314と呼称される。このレトルト形状チャンバは燃焼プロセスとは直接的な結びつきはない。オプションでオイルミスト若しくは水滴、またはオイルミストと水滴の双方が混合された冷却空気がクーラント噴射チャンバ314に噴入され、空気とオイルの混合物がロータ注型体320に衝突する。これでロータは直後の燃焼過程の準備を整える。
【0072】
ロータの回転方向でクーラント噴射チャンバの後には燃焼チャンバ316が続く。この実施例では燃焼チャンバ316はレトルト形状である。タップ付穴318が燃焼チャンバ内にステータ注型体を貫通して形成されている。スパークプラグ(図示せず)がタップ付穴318に挿入され、その電極は燃焼チャンバ316内に延び出る。
【0073】
燃焼チャンバ316に続いてインレット通路324がステータ注型体320に形成される。このインレット通路324は筒状ボイドであり、ステータ注型体320を通って軸方向に延びている。インレット通路の両端部は各エンドプレート322でトランスファ凹部326と連通している。燃焼混合物は一方または両方のエンドプレート322の通路を通ってトランスファ凹部326に入ることができる。前者のアレンジではインレット通路は一方のエンドプレート322から他方のエンドプレートのトランスファ凹部326にまで燃焼手段を連通させている。
【0074】
燃焼チャンバ316の次には複数(この実施例では12)のレトルト形状膨張チャンバ332が存在する。これら膨張チャンバ332の容積はロータ210の回転方向に徐々に増加する。
燃焼構造体の操作
図12aから図12eと図13には図1のエンジンの燃焼プロセスが図示されている。(このプロセスはロータの対極に提供されている両方のステータ構造体で同時的に実行されている。)
まず、インレット通路324は燃焼空気と燃料の圧縮混合物で満たされる。このチャンバは実質的にシールされる。なぜなら、エンドプレート322のトランスファ凹部326はロータ構造体210のエンドプレート222に接するからである。
【0075】
ロータ構造体210はインレット凹部244がトランスファ凹部326(図12a)の放射状内側方向のポジションに到達するまで回転する。燃焼混合物はインレット凹部244を通過して燃焼チャンバ316に入る(図13参照)。
【0076】
スパークプラグにエネルギーを与え、燃焼チャンバ316(図12b)内で燃焼を引き起こさせることができる。
【0077】
次に主チャンバ324は燃焼チャンバ316と整合状態となり、ガスを急速に膨張させて燃焼チャンバ316から主チャンバ234へと噴入させる。膨張ガスは主チャンバ234の壁に衝突すると減速し、そのモーメントの一部はロータへと伝達される。この伝達時に、力がロータに適用され、エンジン軸Aの周囲にカップリングされる。従って、トルクはシャフト122に伝達される。燃焼チャンバからのガスの膨張は後続の膨張チャンバ232が燃焼チャンバ316を通過するときに繰り返され、燃焼チャンバ内の圧力は連続的に減少される。本発明では、上記主チャンバ324と膨張チャンバ232とが、膨張ガス流体の受領チャンバである。
【0078】
同時的に、主チャンバ234は第1ステータ膨張チャンバ332を通過し、一定量のガスが主チャンバ234からその中に噴入される。これでロータには小さな衝突エネルギーがさらに付与される。このプロセスは後続の膨張チャンバに対して反復され、主チャンバ234の圧力は連続的に減少する。
【0079】
ガスは2形態で排気される。ロータ内のガスはチャンバがステータを越えて移動すると自由に逃避でき、ガスはステータチャンバからロータ排気チャンバ240へと抜けることができる。
【0080】
別形態では比較的に多量の水がクーラント噴射チャンバ314内に噴入される。この水はロータチャンバ232、234内で蒸気に変換され、ロータ構造体210を蒸気発生器としている。この蒸気は燃焼を湿潤させることなく燃焼ガスと共にロータチャンバ232、234からステータチャンバ332へと膨張して進入し、ロータ210への偶力の適用の助けをする。この形態でエンジンは内蒸気タービンとして効果的に作動する。これは他とは異なるエンジンの形態である。
【0081】
もしロータ内にインレットトランスファチャンバ以外に、例えば10体のチャンバが存在すれば、10回の推力がガス伝達機構によってロータに付与される。もしステータチャンバの数がロータと同じであれば、チャンバの数は2倍であっても別々の起動力の数は調和する。ロータと10体のステータチャンバはロータに100回の分離した起動力を提供する。ガスは種々なチャンバ間で前後に変動する。これらはカデンス反復プロセスの調和ガス変動であると考えられる。機械的リンクシステムを介するのではなくロータ構造体に作用する直接的偶力と組み合わされて、その回転速度と共にエンジンにそのパワーと高効率を与える。
【0082】
エンジンの働きに重要な要素は、ロータにチャンバが存在する事実だけではなく、ステータにも同様なチャンバが存在する事実である。それぞれの膨張チャンバはロータに対して追加的な起動力を与え、この実施例では169(13の2乗)の別々の起動力がロータに提供される。この膨張プロセスはカデンス反復プロセスでの調和ガス変動と呼称することができる。機械的リンクシステムを介するのではなくロータ構造体に作用する直接的偶力と組み合わされて、その回転速度と共にエンジンにそのパワーと高効率を与える。
燃料噴入/気化
燃料噴入または気化はいくつかの箇所で可能である。例えば、コンプレッサ110への入力部100、コンプレッサ110内、トランスファパイプまたはチャンバ114内のコンプレッサ出力部、燃焼チャンバ316内への直接的噴入または気化、または前述のようにインレットトランスファチャンバを介した燃料噴入または気化を行うことができる。燃料噴入または燃料気化はこれらの1箇所以上で行うことができる。多数のコンプレッサ及び燃焼構造体形態が可能であるが、噴入または気化の形態は前述した基本的な選択肢に従う。
排気
燃焼構造体116からの排気ガスはテーパ加工した環状ベンチュリ管144を介して排出される。ベンチュリ管144のアウトレットで排気ガスは冷却空気流と組み合わされる。組み合わされたガス流は排気ガスタービン118内に導入される。高パワー作動時に排気ガス流は充分な容積と速度となり、タービン118を作動させ、エンジンの出力パワーへの貢献を行う。タービン118も燃焼構造体116からの排気ガスを排気させ、冷却空気流を維持するように貢献する。
【0083】
ベンチュリ管の出口の152には排気ガス流に向かってテーパしている複数の通路が存在する。それぞれの通路は排気ガス流の方向にV形状断面でテーパしている。これで排気ガスを望む方向に通流させ、反対方向の流れを妨害している。このアレンジで冷却空気からの圧力を原因とする排気ガスの燃焼構造体内へのバックフラッシュのリスクが減少する。
【0084】
エンジンからの排気ガスの頻度は通常エンジンの場合よりも高い。最大毎秒N回転であって、各ロータとステータ内にn体のチャンバを水平対向状態で2体の同形シリンダを配置したエンジンでは、基礎周波数(頻度)は2N Hzであり、主要調和成分は2nN Hzである。音圧波は図14aに示すように排気パイプ内に一連のヘルムホルツ共振器を配置することで減少させることができる。最も単純な形態ではヘルムホルツ共振器はサイドチャンバ1310(例えば略球状体)であり、その中に排気ガスを排気パイプ1312から送り込むことができる。
【0085】
別実施例においては、図14bで示すように、異なるサイズの1以上の調整可能な共振器が利用可能である。各共振器1410はシリンダ1412を含んでおり、その中に排気ガスが排気パイプ1414から膨張して進入する。これらシリンダはそれぞれピストンで閉じられている。それらピストンは共振器1410の容積(及び音響共振周波数)を変更するように移動する。これら調整可能共振器1410は大きいものが基礎周波数を吸収し、小さいものが主要高調波を吸収するようにデザインされている。エンジンが稼動中に各共振器の調整ピストン1416は移動する。共振器のそれぞれのポジションはサーボ機構1420によってエンジン速度とカップリングされている。共振器1410の容積はエンジン速度の増加に伴って減少する。
スパーク点火式エンジンの不点火検出
図15(1実施例)に示すように、小型センサーコイル1510と1512は、例えば前述のように、エンジンのスパークプラグ1518にエネルギー供給する点火リード1514、1516の周囲に巻き付けられている。これらコイル1510、1512は抵抗Rで定義されるゲイン(利得)をアンプ1520の両側入力部に供給する。基準電圧Vは他方の入力部にエネルギーを供給し、トリガーしきい値をセットする。プラグ1518が通常に作動しているとき、両コイル1510と1512には同じ誘導電流が流れ、アンプ1520の出力の電圧はほぼゼロとなる。プラグ1518が不点火であると、アンプ1520の出力は正または負のパルスを発生させる。そのようなパルスは警報の発生に利用できる。もしダイオードDがフィードバック通路に使用されていれば、アンプ1520は自動ラッチし、不点火の発生を継続的に知らせるであろう。
潤滑
ロータ-ステータの潤滑はオイルの噴入、空気-オイルミストスプレーあるいは固体グラファイトの噴射で行うことができる。あるいは、図16で示すように潤滑ブラシ1610を使用することができる。潤滑ブラシ1610はグラファイトバー1612のごとき潤滑材料を含んでいる。スプリング1614がこのブラシをロータ210の表面に押し付けて保持する。ブラシは燃焼チャンバ316の直前にてステータに取り付けられる。その箇所は最大効率ポジションである。
ロータ/ステータギャップコントロール
本願発明の1実施例によるエンジンは通常のピストンエンジンよりもずっと速い最大30000rpm程度の速度で作動する。このことに起因する1つの問題は、ロータ速度が増加するとロータ径が熱膨張し、求心弾性変形することである。しかし、ロータ/ステータギャップの単純な増加では充分に対処できない。なぜなら、単純な増大では種々なチャンバからのガス漏れが発生するからである。
【0086】
従って、ロータとステータとのギャップ分離を正確に制御するために本願発明の実施例にはコントロールシステムが利用できよう。このプロセスを力学ギャップコントロールと呼称する。これらアレンジの目的はチップとリングの不確実なシール処理の必要性を(利用も可能ではあるが)排除することである。このようなシールは提供される場合には典型的にはロータ又はステータチャンバの頬部とロータの肩部周囲に設置される。軸形態では寸法変更の必要はなく、ギャップコントロールのみが必要である。しかし、そのようなステータチャンバとロータチャンバは製造が困難であり、スラストベアリングあるいは何らかのスラストバランス手段が必要である。どちらのデザインにおいても、ロータの高速とギャップ微調整との組み合わせにより理想的にはシール処理が不要となる。まず、ガスの逃避時間は回転速度の上昇で減少し、次にギャップは狭くて漏洩量が減少するからである。
【0087】
主要な目的はロータ/ステータギャップを全てのエンジン速度で一定に保つことである。これはコントロールシステムで達成される。このコントロールシステムは、a)ギャップの寸法を接触手段によって直接的に測定するか、または近接検出またはレーザビーム等の他のセンサー技術で間接的に測定し、b)ロータ速度と共に部材温度(ロータおよびステータ)からギャップの測定値を推定し、あるいは、c)それら両方の組み合わせによってギャップの大きさを知らせる。
【0088】
この実施例においては、ギャップはステータ構造体をエンジン軸方向に移動させるか、あるいはそこから離れる方向に移動させることで制御される。この移動はコントロールシステムによって制御される。このことを達成させるため、それぞれのステータは対応するカムシャフトによりその前端と後端で運搬される。このカムシャフトの回転によってエンジン軸Aの方向と、そこから離れる方向にステータ構造体を動かす。カムシャフトは二重反転するようにアレンジされており、ステータ構造体310に加える力を可能な限りバランスさせる。
【0089】
この実施例(一般的に“膨張顎”形態)では、ステータ内面312の半径は、冷えて静止しているロータ210の外面212よりも大きい。このことは図17に図示されている。図18に図示するように、これら半径はエンジンが最大速度及び最大温度近辺で回転しているときには等しくなるように設計されている。ロータ310の速度が増加し、その温度が上昇するとステータポジションは制御されたサーボモータと機械式駆動システム(図示せず)によって外側方向に移動するように調整されており、燃焼部316の開口部で一定のギャップ距離を保たせる。ギャップ距離のいくらかの妥協が最後のステータ膨張チャンバ332で発生する。そこではギャップは最高速度及び最高温度近辺に到達するまで広すぎることになる。(別実施例においては、この影響はさらに多くの顎部を提供すること、ステータをさらに多くの部分に分割することのいずれか一方、または双方を提供することで減少される。)あるいは、追加シールストリップ体1710を最後のチャンバ332のステータ頬部に追加してもよい。この力学顎システムの利点はチャンバデザインや製造が複雑にはならず、ロータがトランスポート領域を拡大せずにガストランスファの目的に使用できることである。よって、最良のギャップ寸法は最大エンジン速度近辺で発生するが、エンジンデザインはコンパクトでシンプルなままである。この顎駆動機構は、顎部の動きが2つの燃焼チャンバと整合するようにオフセットされている(図17と図18のX-Y線)。
“テーパ”実施例の詳細
別実施例においては、ロータ/ステータギャップはロータを図19と図20に示すように錐台形状とすることで制御される。
【0090】
テーパ実施例においては、ロータとステータは両方とも同程度にテーパされている。ロータが求心力によって膨張し、ロータとステータが熱によって膨張すると、ロータポジションはステータポジションとの関係で調整される。図19は膨張前のこの実施例の形態であり、図20は膨張後のこの実施例の形態である。図示のように、ロータ1910のシャフト122に沿った動きはロータ1910とステータ1912との間の空隙を変更させる。ロータ1910の動きはシャフト122の溝付き部分に搭載されることで提供される。ロータ構造体1910の1軸端部はスラストベアリング1914と接触しており、それは、自身がシャフト122と共心的に設置されているカラー体1918に搭載されている。カラー体1918の外面1916には外側ネジ溝が提供されている。それは、ステータ1912に対して固定状態にある支持部材1926に形成された内側ネジ付きアパーチャと螺合している。カラー部1918はロータ1910と共に軸方向に動くようにアレンジされているが、ロータ1910とは相対的に回転することができる。カラー部1918はさらに放射状に突き出たギア部1920を有している。サーボモータ1922はギアトレイン1924を介して作用し、カラー部を回転移動させる。それは、ネジ付き外面1916の作用を介してカラー部1918の軸方向移動を引き起こす。これで、ロータとステータとの間のギャップの大きさが変わる。図1の実施例と較べると、別のポート値が採用されない限り、大きな寸法のインレットトランスファチャンバとポート領域が必要となろう。しかし、最良のギャップコントロールは速度範囲にわたって提供が可能である。
“軸”実施例の詳細
図21には別実施例の燃焼及び膨張チャンバ2110が示されている。これらは環状ロータ2112とステータ2114の対面部に定義されている。シャフト122のロータの軸方向移動は上述のものに類似した構造体2116の手段によって達成が可能である。
【0091】
膨張顎デザインはテーパデザインのものよりもさらに妥協の産物ではあるが、単純構造のインレットトランスファチャンバと主チャンバチャージデザインは好都合であり、ロータをこの目的に使用することができる。この顎デザインの詳細は後述する。
ギャップコントロールシステム
第1ギャップコントロールシステムは図22に示されている。このシステムではセンサーSがギャップ寸法を検出し、そのギャップに見合う出力信号を発生させる。これは必要なギャップ寸法に対してセットされたポイントの電圧基準値Rを有したアンプAに送られる。このアンプは、サーボモータMを駆動させるセットポイントと実際のギャップとの間に相違が存在するときに出力を発生させ、そのギャップ寸法が必要レベルに復帰するまで機械的リンクLを駆動する。これは閉鎖ループ系である。もし2つの検出器がロータに採用されていれば、出力電圧はマイクロプロセッサ等の適当な電子回路に供給され、偏心及び揺動を検出する。
【0092】
図23に示すシステムにおいてはギャップ寸法の直接的な測定は行われない。その代わりに、ギャップの値は、ロータ速度、ロータ及びステータ温度が関与する電子索引表Tから得られる。サーボモータMはリンクLを介して正しいギャップセッティングを提供するように駆動される。これは開いたループ系である。
【0093】
図24に示されるシステムにおいては、センサーが張力計であることによりループは閉じている。この張力計はステータのトルクを測定するものである。このロータ-ステータデザインは、ロータとステータの肩部での表面のように非重要表面を相互作用させ、ドラッグ力が発生する。これで有限量のロータスローダウンによる追加偶力が検出される。これはロータの出力シャフトに設置された張力計からトルク出力を引き出すことで見つけられる。ドラッグ力スローダウン現象がロータとステータとの間に発生しなければ、2つの負荷セル(load cell)の出力は等しいであろう。ギャップが狭まるとドラッグ力が増加し、ステータの負荷セルの出力が増加するであろう。これは図22に関して説明したようにアンプとその関連システム要素によって作動され、ドラッグ力をセットポイントレベルにまで戻す。これでギャップはコントロールされる。
ベアリングモニター
もし複数のセンサーS1とS2が図25に示すようにロータに採用されたなら、ベアリング揺動と偏心度は検出できる。これは追加アンプA1によってそれあ2つのセンサーS1とS2の出力差を検出することで実行される。アンプA1からの出力はさらに別なアンプA2に供給される。これは、偏差がセットポイントレベルを越えると出力を提供するセットポイント基準値を備えたものである。これは許容範囲を超えるベアリングの磨耗状態を表示するのに使用される。
ベアリングと不点火モニター及び噴入並びに点火タイミング
図26には、例えば図1の実施例での使用に適した非接触式ギャップコントロールシステムが示されている。これには特殊タイプのセンサーが使用されている。これはステータ310に搭載され、高周波オシレータOに接続された絶縁プレート2610を含んでいる。このギャップはこのプレートとロータとの間の静電容量変化を決定することで測定できる。このような静電容量変化はオシレータOの周波数を変更させる。これは本願発明の実施例での使用に適した近似検出器の基本である。オシレータOの出力は、ダイオードポンプのごとき適当な周波数-電圧(F-V)変換器に供給される。続いてこの出力電圧はアンプステージAに供給される。操作には、ギャップが閉鎖され、プレートと地表との間の静電容量が増加すると、オシレータ周波数は降下し、F-V変換器の出力は低下する。この出力は以下のステージに利用される。
【0094】
ロータ表面の設計変形部が検出されるように配置されると、この特殊タイプのセンサーは有効である。そのような変形部とはインレットトランスファチャンバであることもあるが、特別に構成されたロータの凹部またはチャンバ開口部である場合もある。このタイプのセンサーを使用すると、追加回路がロータの回転ポジションを検出することもできる。すなわち、力学的ギャップコントロール、ベアリングによる点火と燃料噴射のタイミング及び不点火モニターを全て1つのセンサーで提供することができることになる。
【0095】
このことを達成するのに必要な追加回路は図27に示されている。F-V変換器はオシレータから出力された周波数調整波によって作動し、回路ポイントaにて電圧出力を提供する。それは回路ポイントbでスパイク現象を発生させる。これらスパイクはロータの周期的な凹部に対応する。これらスパイクは回路ポイントcでギャップコントロールアンプA1に適用される前に抵抗器R1/キャパシタC1ネットワークによって一体化される。これらスパイクの間隔はロータ回転の周期時間tである。これらスパイクは回路ポイントdで抵抗器R2/インダクタL1ネットワークによってさらに区別され、回路ポイントeにてダイオードD1によって整流される。回路ポイントeでの出力は点火コントロール回路Iと燃料噴射コントロール回路Jの起動に利用される。ポイントb、d及びeでのおよその電圧波は図27の3つの挿入図の上方トレースとして示されている。
【0096】
例えばベアリング磨耗によってロータが揺動するようなら、オシレータでの周波数調整はさらなる要素を有している。これでポイントbにて導入される追加的電圧変動要因を提供する。それぞれの回路ポイントb、d及びeで現われる電圧への影響は、図27の3つの挿入図のそれぞれの下方トレースとして示されている。
【0097】
ギャップコントロールシステムによって、揺動を吸収するようにギャップが拡張される。トレースポイントb1で示されるランプ(ramp)電圧dVは、アンプA1の供給に使用されるものよりも小さな時間定数の集積(integration)の追加ステージで導かれる。これは回路ポイントf(トレースf1として表示)にて、スパイクが大きく低減された状態の鋸歯状出力を有している。揺動が存在しない状態によってこの回路からの出力は小さくなる。ランプ電圧dVはラッチフィードバックダイオードD2の基準アンプA2によって検出が可能ある。ランプ電圧dVのレベルが基準電圧Rよりも大きいときには高いラッチとなる。このアンプ出力は過剰なベアリング磨耗を表示する。この低基準ポイントを有した追加ラッチアンプA3がオプションで提供され、同様に不点火振動を検出する。
【0098】
このギャップセンサーは、レスポンスを線状化し、センサーの感度を高めるようにインダクタピット内にインダクタを含ませることで性能改善が可能である。(インダクタまたはキャパシタのみの使用では逆平方根法に従ったレスポンスが発生する。)
コンプレッサ形態
多ステージコンプレッサ2810が図28に図示されている。このようなコンプレッサを図1の実施例に利用することができる。コンプレッサ2810との使用に適したインペラ2910が図29と図30に図示されている。このインペラ2910は同一インペラ注型体がコンプレッサの全ステージで使用できるようにデザインされている。最大サイズのものが全インペラのベースであり、図30の破線で示すように必要な形状に機械加工される。同様に、コンプレッサ2810は図31に示すような、必要な深さに加工された同形ユニット3110(破線)から構成され、ボルトで固定されてインペラ2910を収容する多様な渦状チャンバを形成しているハウジングを含むことができる。コンプレッサ2810のディフューザバッフル3110が図32に示されている。これも最大ユニットをベースとしており、適当な渦状体にフィットするように加工される(図32aの破線)。この構成法の利点はそれが非常にフレキシブルでコストパーフォンスに優れていることである。このコンプレッサ2810は3つの注型体のみからモジュール式に構築されており、異なるステージ圧縮比や必要とされる数のステージ用にデザインできる。
【0099】
もしインペラと渦状注型体がステンレス鋼やニッケル鋼(インペラ)のような温度抵抗性材料で製造されていれば、そのコンプレッサーデザインはプレ式ターボチャージャまたはポスト式ターボチャージャあるいはターボアシスタントユニット用にも使用が可能である。これでデザインの適用範囲が広がる。
【0100】
このエンジンのロータとステータのデザインは、ロータが駆動されれば非効率的なコンプレッサとしても使用できる。
冷却
ロータ及びステータ温度は図33に示すセンサーs1とs2で測定される。これらセンサーからの信号は差動アンプA1に供給される。その出力はサーボモータm1を駆動し、第1スリット(入り)ディスクd1を動かす。この第1スリットディスクd1は第2スリットディスクd2に重ねて提供されている。これでステータとロータ間の空気流が方向変化され、それらの温度差は最小限となる。別のアンプA2はセンサーの一方s1及び基準電圧Rとに接続することもできる。第2アンプA2は第2サーボモータm2を駆動し、ディスd1とd2とに重なる第3スリットディスクd3を動かす。これで全体的な空気流が制御され、ロータとステータの温度が制御される。
シールバー
シールバーが、例えば膨張顎形態で提供されている場合には、バーはロータチャンバを越える部分に合うように下方部を切取り加工することができる。これらバーはロータ肩部に載置され、ロータの中央チャンバセクションのようには高温に曝されない。これらバーを自己潤滑特性を備えた鋳鉄で製造することもできる。エンドシールリングを設置することができるが、デザインの複雑性を増加させる。可能なガス逃避の大部分はチャンバーの長手方向で発生する。
エンジン形態
ロータ構造体とステータ構造体の多数の組み合わせと形態が可能である。以下においてそれら一部を対応する図面の番号と共に掲載する。
内燃エンジン形態:
1.同心ステータとロータ。図34aと図34b。
2.軸ステータとロータ。図35aと図35b。
3.ステータ内のマザー(燃焼)チャンバ。図36aと図36b。
4.ロータ内のマザーチャンバ。図37aと図37b。
5.ロータ及びステータ内の非オポーズ型(unopposed)チャンバ。図38aと図38b。
6.ロータ及びステータ内のオポーズ型チャンバ。図39。
7.同心フォーマット用の膨張顎分割型ステータ。図39。
8.同心フォーマット用のテーパステータとロータ。図40。
9.軸フォーマット用のスライド式ロータまたはステータ。図41。
10.同心フォーマット用の補正ロータボブ(bob)ウェイト。図42。
11.ロータのみ、またはロータとステータの排気形態。図43aと図43b。
12.ガス冷却または流体冷却ロータ及びステータ、またはそれらの組み合わせ。図44aと図44b。
【0101】
外部エンジン形態
多数の可能なエンジンの外部形態が存在する。最も単純なものと、いくつかのバリエーションは前述した。さらに重要な外部形態を以下で説明する。これらの形態を解説するために特別な用語が開発された。コンプレッションステージ間での内部ステージ冷却は、例示数を制限するために除外した。しかし、それは複数のコンプレッサ間の接続部分で、あるいは多ステージコンプレッサセット内のステージ間で自由に適用できる。必要な圧縮比を達成するため、コンプレッサは通常は多ステージ型である。求心式と軸式コンプレッサの両方が使用できる。
【0102】
文法
i) 作用流体は左から右の流れる。タービン膨張によりそのセクエンス(sequence)が決定される。
【0103】
ii) コンプレッサはCで表され、タービンはTで表されている。
【0104】
iii) コンプレッサとタービンのセクエンスは別記されている。
【0105】
iv) コンプレッサ-タービンセットには同一別記が付されている。
【0106】
v) カスケード式コンプレッサはタービンと同様に同一ドットプロダクト(dot product)が付されている。
【0107】
vi) パワー出力タービンは太字である。(以下、太字部分は▲▼で囲む。)
【0108】
vii) 隔離タービンには+サインが付され、二重フィードタービン(dual feed turbine)で括弧されている。
【0109】
viii) 同一シャフトの補助タービンはイタリック体である。(以下、イタリック体部分は△▽で囲む。)
【0110】
ix) スイッチはIで表示されている。
【0111】
外部形態:
1.{C,▲T▼}シングルスプールコンプレッサタービンセット。タービンから出力。図45。
2.{C1.C2,▲T1▼.T2}シングルスプールコンプレッサタービンセット。ポスト型圧縮ターボチャージ。図46。
3.{C2.C1,▲T1▼.T2}シングルスプールコンプレッサタービンセット。プレ型圧縮ターボチャージ。図47。
4.{C3.C1.C2,▲T1▼.T2.T3}シングルスプールコンプレッサタービンセット。プレ型及びポスト型圧縮ターボチャージ。図48。
5.{C1,(T1+▲T2▼)}コンプレッサタービンセット。隔離された主出力タービン。図49。
6.{C1.C3,(T1+▲T2▼).T3}コンプレッサタービンセットと隔離された主出力タービン。ポスト型圧縮ターボチャージ。図50。
7.{C3.C1,(T1+▲T2▼).T3}コンプレッサタービンセットと隔離された主出力タービン。プレ型圧縮ターボチャージ。図51。
8.{C4.C1.C3,(T1+▲T2▼).T3.T4}コンプレッサタービンセットと隔離された主出力タービン。プレ型及びポスト型圧縮ターボチャージ。図52。
9.{C1,▲T1▼.△T2▽}シングルスプールコンプレッサタービンセット。ポスト型膨張タービン補助。図53.
10.{C1,▲T1▼.△T2▽|C2,(T2+▲T1▼)}シングルスプールコンプレッサタービンセット。ポスト型膨張タービン補助。隔離された主出力タービンへの切り換え。図54。
11.{C1,▲T1▼.T3|C1.C2,▲T1▼,T2,T3}コンプレッサタービンセット。切り換えられたポスト型圧縮ターボチャージにより供給されたポスト型膨張タービン補助。図55。
12.{C3.C1.C2,▲T1▼.T2.T3.△T4▽}コンプレッサタービンセット。ポスト型膨張タービン補助及びプレ型並びにポスト型ターボチャージ。図56。
外燃エンジン
本願発明のさらなる実施例において、燃料の燃焼はユニットの外部で行われる。本願発明は、蒸気機関または予備加熱高温ガスエンジンのごとき外燃ユニットに適用できる。図57に示すように、このエンジンデザインはコンプレッサステージが採用されていないことを除いて基本的には同じである。蒸気または高温ガスはボイラーB(または生産者ユニットP)で熱せられる。さらに、作用温度は低いので、デザインに対する規制は多くの場合にさほど厳しいものではない。特に、シール問題と熱膨張対処に関して緩やかである。作用流体としての蒸気の場合には、水は濃縮器Cの使用で回収される。
エンジンデザイン変更
内部形態(12の基本的フォーマット)、ギャップコントロール方式(3の基本的フォーマット)及び外部形態(12の基本的フォーマット)間には400以上の単純な基本的デザイン変更が可能である。
ディーゼル型バージョン
エンジンのディーゼル型サイクルバージョンは、高い圧力比が採用され、メイドチャンバが存在しない、あるいはせいぜい小型のメイドチャンバが採用されているだけである理由により異なるものである。もしメイドチャンバが存在したり大き過ぎると、作用流体(燃焼ガス)の一部は無駄になる。ディーゼルサイクルはパワーストロークを通じて燃料の供給を必要とする。よって、燃焼プロセスの初期段階でガスを燃焼チャンバから早く取り除き過ぎないことが重要である。燃料噴射は燃焼チャンバに直接的に行うことも、軽パワーディーゼルのように予備燃焼チャンバ内に噴射することもできる。しかし全ての場合に、本願発明のエンジンと均等なディーゼルエンジンサイクルは高速、高パワー及び高効率サイクルに変換される。特に、もし水平に対面した形態が採用された場合に実用性が高い。これは、通常のレシプロ式ディーゼルエンジンで発生するノッキングの大部分を排除することができる。
全体的なエンジン外観と補助冷却
図7に示すものと類似したエンジンデザインは図58aから図58fにかけて示されている。ロータ構造体rとステータ構造体sを横断するエンジンの断面は14個のロータチャンバと14個のステータチャンバを示している。これはロータ及びステータパワー排気ポートを含んでいる。それぞれはこの水平対面形態のシリンダのそれぞれに対応している。それぞれのシリンダは196の別々のパワー衝撃をパワーストローク中に提供する。カーボンブラシによる潤滑はcbにて提供される。シールバーはsbにてステータの最後のチャンバに提供されている。ステータ構造体は膨張顎デザインに対応した形状の2つの半体で提供されている。図1において、4ステージの求心コンプレッサユニット110を備えた完成エンジンの断面が示されている。このエンジンは空冷オットー型ユニットである。空気はロータ冷却流体ダクト236を通過し、ステータ構造体310に取り付けられたステータ冷却翼334を通過する。最大エンジン出力時等の必要なときに、例えば空気取り入れ口100またはその下流で空気流内に細かい水スプレーを噴射して追加冷却が提供される。
【0112】
タービン補助ユニット118が同じシャフトに提供されている。それはロータ排気ポートを介してステータ排気によりパワーを供給されている。これは排気ガスの速度を増加させてインペラ速度とマッチさせるベンチュリ管144で供給される。もし燃料バーナがこの形態に含まれると、燃料ガスタービン効果が提供されることになる。ターボ補助インペラはコンプレッサのものと同じ鋳型から鋳造されるので、コンプレッサを通る空気通路セクエンスはもっと論理的であると考えられるかも知れないものとは逆になる。しかし、プレ型及びポスト型ターボチャージャを含んでいれば予備パイプがこれらユニットへの供給用に提供されているので問題とならない。
【0113】
追加的なプレ型及びポスト型ターボチャージャをこの形態にフィットさせることができる。このユニットは{C1.▲T1▼.△T2▽}ターボ補助タイプである。もしプレ型及びポスト型ターボチャージが加えられれば、それは“主”から“ポスト”、“ポスト”から“プレ”、“プレ”から“補助”へのタービン膨張セクエンスである{C3.C1.C2,▲T1▼.T2.T3.△T4▽}形態となる。
ステータには2つの排気が存在し、もしロータがステータの排気を行うようにデザインされていればロータには2つの排気が存在する可能性がある。後者の場合には、排気はターボチャージャに対して独立的に作動する。新排気形態、例えば{C3.C1.C2,▲T1▼.t2.T2.T3}または{C3.C1.C2,▲T1▼.t2.t3.T2}のごとき形態が可能である。小文字はロータ排気を意味する。前者の例の場合、補助タービンのみがロータ排気で駆動される。後者の例の場合、ポスト型とプレ型チャージはロータ排気で駆動され、補助タービンのみはステータ排気で駆動される。{C12.C1.i.C22,▲T1▼.t2.T12.T22}は最初の形態と同じであるが、各ステータ排気が別々にターボチャージャを駆動し、共通ロータ排気が補助タービンを駆動させることを定義している。この特定方法は必要なかぎりの排気に対して有効である。
【0114】
ターボ補助は追加的な“自由”排気パワーを提供し、多ステージコンプレッサを駆動することは重要である。ターボプレ型チャージは、排気とは無関係に空気-エンジン用として追加的な機能を発揮させる。ターボポスト型チャージは追加レベルの圧縮を、これも排気とは無関係に提供する。これは特に有効である。なぜなら、コンプレッサを小型化することができ、主エンジンよりも高速で回転させることができるからである。後者の2つはエンジン速度範囲でさらに均等な圧縮特性を提供する。内部冷却も様々な圧縮ステージでエンジンに追加することができ、対容積効率を高める。図7に図示するユニットの定義は2つのインターステージクーラに対して{C12.i.C22,▲T1▼.△t2▽.T12.T22}となる。
膨張チャンバのデザインに関する考察
チャンバ形状、“キュプレット形状”、キュプレットチューニング“、アパーチャチューニング”、“パッキング”及び“ベントリクル”
図59にはロータ膨張チャンバの断面形状が図示されている。これらは旧式レトルト形状であり、細いネック部分5910が球根体5912に取り付けられている。ネック部5910の目的はガス流出速度を加速させ、ロータ210に最大衝撃レベルを付与することである。球根体5910の形状は対象の表面積に対して最大容積を提供することで熱の損失を最少に抑えるためである。
【0115】
このエネルギートランスファ機構は、ガス/流体がステータチャンバからロータチャンバに移動しているときに“ガスを方向付け”するものである。これはロータからステータへのガス/流体移動時のニュートン反応を利用するものである。
【0116】
図59には、流体を受領するチャンバに入るガスが球根状キャビティ5912内で旋回することを示している。すなわち、ガスエネルギーの一部がガス旋回中に残留することを意味している。キュープレットとして知られる形状部6010をチャンバのガスに面したエッジ部に含ませることでこの残留エネルギーを追加衝撃力として移動させることが可能である。図60参照。キュープレット6010はこのガス流を分断し、衝突するガスの速度エネルギーのほとんどを引き出して利用させる。それらのデザインは矢尻の半分と類似している。それぞれのキュープレットは進入ガスの進行を妨害するカップ部分と、退出ガスをさほどの抵抗なく逃避させるランプ部分とを含んでいる。
【0117】
この速度エネルギーの引き出しの結果、次のチャンバがドナーチャンバであるとき、その排出速度は減少する。それで、引き続く運動エネルギーは衝撃パワーと同様に減少し、ガスは長時間にわたって搬送される。よって、キュープレット6010はカデンス反復膨張の初期段階で特に利用性が高く、進入及び退出ガス速度を遅くして、早い段階のチャンバが利用される“露出時間”に合わせる。この技術はキュープレットチューニングと呼ばれる。
【0118】
膨張セクエンスにおいて最初の方のチャンバに対して異なるアパーチャ幅(特に、幅を減らす方向)を使用し、後の方のチャンバに広い幅のアパーチャを使用することで、アパーチャ時間をガス速度とマッチさせることができる。ガスはチャンバを充填し、または“露出”期間を通してチャンバを空にする。この目的は最大エンジン速度にまで、確実にチャンバ完全充填及び完全排出を実施させることである。
【0119】
キュープレットとアパーチャチューニングとの間の一般的な効果はエンジンパワーバンドの拡張である。低エンジン速度と低パワーレベルで、ガス速度は遅い傾向にある。このアパーチャチューニング効果はキュープレットの役割がさほどではないときに支配的となる。高エンジン速度と高パワーレベルで、ガスエネルギーとガス速度は高くなる。これらの条件下でキュープレット6010はガス流に対してさらに妨害的になり、速度を減少させる。これらの部材は図7に図示されている。
【0120】
レトルト形状であることにより、及びチャンバ232は特にロータ内で密に提供されなければならないという事実により、ネック5910は通常はチャンバ本体の片側に提供されている。ロータ210において、ロータ湾曲との兼合いでのチャンバ配列は、理想的なS断面形状フォーマットから逸脱した中間数のチャンバの提供となる。さらに、ロータ210は空冷チャンバ236またはベントリクルを含む。これらベントリクルはロータチャンバの下側周囲に提供されている。図7参照。
チャンバ寸法
チャンバアパーチャ幅は最初のいくつかのチャンバでは小さい。これはマザー(燃焼)及び主チャンバを除外する。なぜなら、それらは相対的に大きいからである。ガスの一定速度を得るにはアパーチャ幅はチャンバ容積と釣り合っていなければならない。しかし、実際のデザインの限定要因によってこの理想を実現することは困難である。
【0121】
膨張プロセスのコンピュータモデルでは、主チャンバ234がオットー型サイクルのマザー燃焼チャンバ316の約30%であるだけではなく、その後のステータとロータチャンバが指数的に増加する容積を有しなければならないことを示している。主チャンバに続く最初の膨張チャンバ232は燃焼チャンバ316の2%から5%でなければならない。さらに、パワー出力を最大とするためには、チャンバ長は、通常は長さと容積との固定比に従うべきである。
【0122】
チャンバの形状には関係なく、チャンバの長さはチャンバ内でどれだけの熱エネルギーが消失するかを決定する。チャンバ容積(すなわち直径)に対する長さの比は一定であるべきである。すなわち、チャンバ長は容積と共に増加すべきである。このことを“チャンバ長適応”と呼称する。これでロータ/ステータデザインには別の複雑性が加わり、製造を複雑にする。さらに、小型チャンバはロータ/ステータ周囲長のさら多くの部分を必要とする。なぜなら、チャンバ直径は、燃焼チャンバ316によってセットされる一定長が使用されている場合よりも大きくなるからである。“チャンバ長適応”の採用はそれほど簡単なことではない。これらの理由で図7に示すデザインには含まれていない。
【0123】
さらに詳細な図58aから図58fが提供されている。これは共心水平対面フォーマットであり、2セットのステータとロータチャンバ及びステータ内のマザーチャンバが含まれている。このステータは膨張顎形態である。ロータとステータ構造体の両方が排気する。このタイプのデザインはマザーチャンバあたり、1回転につき2回のパワーストロークを提供する。これは単筒4ストロークレシプロ式エンジンの2回転1パワーストロークとは好対照である。このことは、このデザインが理論的にはパワー出力レベル4nを有することを意味する。nはロータリデザインとレシプロデザインとの間の最大回転での速度である。
【0124】
この膨張顎形態はインレットトランスファチャンバアレンジを単純化する。図58aから図58fにかけて、パワーストロークは作動中であることが示されている。図58aでは燃料ガス混合物はマザーチャンバ内に移動されている。図58bでは点火されている。図58cでは最初のいくつかのチャンバは係合状態であり、パワーストロークが開始する。図58dで最初のロータチャンバが排気している。これはパワー排気である。図58eでは最初のステータチャンバが排気している。これもパワー排気である。図58fでロータ排気とステータ排気の両方はカップリングされており、サイクルは反復可能状態である。
燃焼チャンバチョーキング
本願発明の1実施例のエンジンが燃焼構造体から理論的に得られる最大パワーの発生を必要としないなら、その効率はいわゆる燃焼チャンバチョーキングによって改善が可能である。このことはスリーブをステータ注鋳体320内の燃焼チャンバ316内に挿入することで達成される。スリーブは一般的にC形状であり、一般的に燃焼チャンバ316のものと同じ断面の外面を有している。複数個の穴が必要に応じてスリーブに形成されており、スパークプラグ若しくはインジェクター、またはスパークプラグとインジェクターの双方、あるいは他の装置をチャンバ内に挿入させる。
【0125】
スリーブの効果は燃焼チャンバの容積を減少させることであるが、その構成と機能には変更を加えない。これで最大パワーの損失と燃費における利得との間に実質的で直接的な相殺関係が誕生する。
コンプレッサ内の流規制
実施例によってはコンプレッサの一部を選択的に閉鎖することができる。そうすることの1つの利点はコンプレッサ内の空気流のサージングを防止することである。
【0126】
遠心型コンプレッサは典型的に、ロータ速度が増加すると最大圧力値にまで上昇し、その後に、ロータ速度が上昇し続けると降下する圧力出力を提供することが知られている。さらに、低速にて、コンプレッサは入力シャフトに対して周期的に変動する負荷を提供し、入力シャフトの速度に周期的変動を引き起こすことがある。これは“サージング”として知られる。圧力の変動とサージングの発生は、もし空気が様々なコンプレッサステージで提供されるならば制御することによって最低化できることが発見されている。一般的に、このような空気の制御は、多ステージコンプレッサのそれぞれのステージまたはいくつかの部分のそれぞれが可能な限り安定した出力を搬送し、可能な限り効率的に作動させるためである。
【0127】
図61には図1a、図3a、図3b及び図4に示す改良を採用した実施例を表す略図が提供されている。インレットダクト100には図3a、図3b及び図4に示す空気コントロールフラップ1110が提供されている。これらは最初のコンプレッサロータ124に対するインレットバルブIV1とIV2として作動すると考えられる。低速にて全てのフラップ1110は閉鎖され、空気はフラップを持たないリング1112を通じてロ0タ124に流入する。よって、少量の空気はロータ124の小部分によって効率的に取扱われる。速度が増加するとさらなるフラップ1110が、全部のロータ124が作動状態となるまで開く(さらなるバルブを効果的に開く)。同様に、低速での第2ロータからの出力は、出力バルブOC1、OV2とOV3が閉鎖した状態で渦体の一部から取り出される。速度が増加するに連れて、これらバルブは徐々に開き、第2ロータ126が使用される程度を増加させる。
【0128】
別実施例が図62に掲載されている。このアレンジでは3体の類似した単ステージまたは多ステージコンプレッサC1.1、C1.2、C3が並列に接続されている。これらコンプレッサの2つの出力は、空気を選択的にコンプレッサから流れさせ、妨害させるバルブV1、V2によって制御される。低速と小空気量で両バルブV1とV2は閉鎖され、空気流は1つのコンプレッサC1のみで扱われる。空気流が増加すると、バルブV1とV2は交互に開き、コンプレッサC1、C2、C3間で空気流を共有する。
【0129】
これら両アレンジは他の可能性の中で、それぞれのコンプレッサにほぼ理想的に空気流を通過させ、あるいは各ロータセクションに空気流を通過させるようにセットできる。
数学的デザイン式
カデンス反復膨張は段階的な断熱ディフェレンシャルプロセスに従う。これは次の式で定義される。
Figure 0004478824
【0130】
V……ステータ容積
R……ロータ容積
γ……比熱率
m……ステップカウント
Pn……ステータチャンバ数
熱力学サイクル:
熱力学サイクルは、オットー型サイクルにはグラフ1のPV図で、ディーゼル型サイクルにはグラフ2で表されている。この新サイクルの相違はホットエンドカデンス復帰膨張プロセスに存在する。
カデンス復帰膨張圧力プロフィール:
表1において、典型的な膨張圧力プロフィールが示されている。またロータとステータ部分に対する関連グラフが図3aと図3bに示されている。
【0131】
チャンバ最良化式:
“レトルト”形状チャンバにおける出力パワーは次の式で定義される。
Figure 0004478824
【0132】
K……比例定数
L……チャンバ長
(γ/γ-1)……チャンバの断熱面積
これでグラフ4の曲線が得られる。
【0133】
レトルトノズルデザイン式:
Figure 0004478824
【0134】
V……ガスまたは流体速度
P……差圧作用
A1……ノズル入口での面積
A2……ノズル出口での面積
ρ……ガスまたは流体の密度
エンジンパワー式:
Figure 0004478824
【0135】
I……単チャンバに作用する衝撃(推力)=作用ガスまたは流体の入角
V……移動したガスまたは流体の体積(チャンバ容積)
P……ガス/流体の移動開始時の差圧
K……ノルズ入口面積とノズル出口面積との比
D……ガスまたは流体の密度
d……ガスまたは流体が移動する減速距離
A……ノズル入口面積
Figure 0004478824
【0136】
It……全衝撃度/秒
S……パワーストローク数/回転
rpm……回転数/秒
n……チャンバ相互作用数(通常はn1.n2、n1はロータチャンバ数でありn2はステータチャンバ数)
不等な圧縮率及び膨張率:
通常のレシプロ式エンジンとは異なり、このエンジンの圧縮率と膨張率は異なる。なぜなら圧縮と膨張は独立的に、レシプロエンジンの場合と同様に異なるシリンダ内で行われるからである。すなわち、さらに高い圧縮率がエンジンのさらに高い効率を意味するだけでなく、高い膨張率の場合も同様である。もし圧縮率と膨張率とがマッチすれば、エンジンは“単位率(unit ratio)”と呼ばれる。もし膨張率が圧縮率よりも大きければ、エンジンは“オーバ率”と呼ばれ、少なければ“アンダー率”と呼ばれる。
【0137】
予備点火の通常規制が圧縮率に適用される。現実的なエンジンサイズに関与するものと、(ターボチャージが望まれる場合に)排気ガスが多様なプレ型、ポスト型または補助ターボチャージのために使用されるか否かによるものとの場合を除き、膨張率には理論的な制限がない。その場合にはエンジンは単位率または少々オーバ率となる(例えば、1.2から2.0)。
【0138】
WR=ER/CR
WR……作用率
ER……膨張率
CR……圧縮率
効率エンジンのデザイン法則:
1.圧縮率は可能な限り高いこと。限界はオットー式サイクルの予備点火開始前である。(オットー式は典型的には9:1から12:1、ディーゼル式は22:1から35:1)
2.膨張率はエンジンサイズとターボチャージI補助の排気負荷に即して可能な限り高くあるべきである。これは圧縮率に対して表され、作用率と呼ばれる(典型的には1.2から2.0)
3.エンジン作動温度は材料強度で可能な最高温度とする(典型的には200℃から400℃)。
【0139】
4.点火あるいはマザーチャンバ及び他のチャンバはレトルト形状とし、ガス速度をエンジン回転速度とマッチさせて高いノズル率とする(典型的には2.0:1から4.0:1)。
【0140】
5.点火(マザー)チャンバと他のチャンバは熱のロスを考慮して可能な限り長いものとする(典型的にはチャンバ容積100mlに対して10cm)。
【0141】
6.第1ロータチャンバ(メイド)は直後のチャンバよりも大きいこと(典型的には、オットー型サイクルの場合にはマザーチャンバ容積の15%から35%であり、ディーゼル型サイクルの場合には5%から10%)。
【0142】
7.チャンバ総数は、エンジンサイズと熱損失量を最少とすることを考え、“n2”効果を最大とするように可能な限り大きくする(典型的には20から40)。
【0143】
8.ロータとステータの最初のチャンバのフレーム長は可能な限り短くする(典型的には、メイド深度はオットー型サイクルの場合にはマザーチャンバの40%であり、ディーゼル型サイクルの場合には20%)。
【0144】
9.メイドチャンバを除いてロータチャンバとステータチャンバは指数的に容積を増加させる(開始容積は典型的にはマザーチャンバ容積の2%から5%)。
10.チャンバのアパーチャ幅はチャンバ容積と共に増大させる(一定ガス速度条件)。
11.膨張チャンバにはガス面でキューピュレットを提供する。特に始めの方の膨張チャンバとロータチャンバ。
12.エンジン回転数をロータ材料の張力が許す範囲で炎速度にマッチするように可能な限り大きくする(最大rpmは典型的には20,000から50,000)。
13.チャンバノズルの入角を可能な限り0に近づける(典型的には10°から20°)。
14.ステータとロータとのギャップ寸法をエンジン潤滑と安定性とを考慮しつつ可能な限り小さくする(典型的には、0.005mmから0.03mm)。
性能表:
典型的なデザイン性能表は表2に提供されている。この表は本願の図1と図7のオットー型エンジン形態に関係する。このエンジン出力タービンはシングルモジュールコアに対して1.2リットル容量のものである。前述のデザインのほぼ全ての規則はこのエンジンに適用されている。
【0145】
特に重要なポイントは次のようなものである。
【0146】
1.エンジンの高回転数30,000rpm(規則12)
2.高最大固有シャフト出力1.0メガワット(1340BHP)
2.4リットル容量のダブルコアモジュールではこの倍
3.ターボが利用されているときの最大可能エンジン出力1.4メガワット 2.4リットル容量のダブルコアモジュールではこの倍
4.設計機械効率改善率約34%(規則13)
5.圧縮率(非ターボ型)9.12:1(規則1)
6.膨張率12:1、オーバ率1.32(規則2)
7.高パワー-重量比47.8KW/Kg(29BHP/ポンド)
8.作用温度200℃(規則3)
9.テークアップ率とティックオーバー率それぞれ2,000rpmと5,000rpm
10.チャンバ数(パワー排気含む)28(規則6)
【0147】
【表1】
Figure 0004478824
【0148】
【表2】
Figure 0004478824
【0149】
【表3】
グラフ1
Figure 0004478824
【0150】
【表4】
グラフ2
Figure 0004478824
【0151】
【表5】
グラフ3a
Figure 0004478824
【0152】
【表6】
グラフ3b
Figure 0004478824
【0153】
【表7】
グラフ4
Figure 0004478824

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本願発明の1実施例による一般的なスパーク点火式エンジンの断面図である。
【図1a】図1aは図1のエンジンのコンプレッサの概略的な軸方向断面図である。
【図2a】図2aは図1の実施例のコンプレッサロータの側断面図である。
【図2b】図2bは図1の実施例のコンプレッサロータの横断面図である。
【図3a】図3aは改良式コンプレッサロータケーシング構造体の前面図である。
【図3b】図3bは改良式コンプレッサロータケーシング構造体の一部断面側面図である。
【図4】図4は図3aと図3bのロータケーシング構造体の1部品の斜視図である。
【図5】図5は図1のエンジンの一部であるインタークーラの軸方向断面図である。
【図6】図6は図1のエンジンの一部であるインタークーラの横断面図である。
【図7】図7は図1のエンジンの燃焼構造体のロータとステータの一部断面図であり、それらの関係を示している。
【図8】図8は図1のロータ構造体のロータ注型体の斜視図である。
【図8a】図8aは図1のロータ構造体のロータ注型体の軸面図である。
【図9】図9は図8のロータ注型体のエンドプレートを示している。
【図10】図10は図1のエンジンのステータ注型体の斜視図である。
【図10a】図10aは図1のエンジンのステータ注型体の軸面図である。
【図11】図11は図10のステータ注型体のエンドプレートである。
【図12a】図12aは燃焼サイクル中の図2のロータとステータの概略断面図であり、図7のA-A’線に沿った断面図である。
【図12b】図12bは燃焼サイクル中の図2のロータとステータの概略断面図である。
【図12c】図12cは燃焼サイクル中の図2のロータとステータの概略断面図である。
【図12d】図12dは燃焼サイクル中の図2のロータとステータの概略断面図である。
【図12e】図12eは燃焼サイクル中の図2のロータとステータの概略断面図である。
【図13】図13は図12aのA-A線に沿った断面図である。
【図14a】図14aは図1のエンジンでの使用に適した第1排気形態である。
【図14b】図14bは図1のエンジンでの使用に適した別例の排気形態である。
【図15】図15は図1のエンジンでの使用に適したエンジン不点火検出システムの概略回路図である。
【図16】図16は図1のエンジンでの使用に適した潤滑ブラシを示している。
【図17】図17は図1のエンジンのステータとロータの相対的な動きを概略的に示している。
【図18】図18は図1のエンジンのステータとロータの相対的な動きを概略的に示している。
【図19】図19は本願発明の別実施例の断面図である。
【図20】図20は本願発明の別実施例の断面図である。
【図21】図21は本願発明のさらに別な実施例の断面図である。
【図22】図22は制御状態でロータ/ステータギャップを維持するための別アレンジである。
【図23】図23は制御状態でロータ/ステータギャップを維持するための別アレンジである。
【図24】図24は制御状態でロータ/ステータギャップを維持するための別アレンジである。
【図25】図25は制御状態でロータ/ステータギャップを維持し、ベアリング状態をモニターするためのアレンジを示している。
【図26】図26はセンサーとして静電プレートを利用した非接触型ギャップコントロールシステムを示している。
【図27】図27は噴入と点火のタイミング調整装置を備え、組み合わされたギャップコントロール、ベアリング及び不点火モニターシステムにて使用する追加回路の概略図である。
【図28】図28は、例えば図1のエンジンでの使用に適したコンプレッサの詳細を断面図で示している。
【図29】図29は図28のコンプレッサでの使用に適したインペラーを示している。
【図30】図30は図29のA-A’線に沿った断面図である。
【図31】図31は図28のコンプレッサの一部であるハウジングを示している。
【図32】図32は図28のコンプレッサのデフューザリングの側面図を示している。
【図32a】図32aは図28のコンプレッサのデフューザリングの断面図を示している。
【図33】図33は本願発明の1実施例によるエンジンの部品の温度の測定及び制御のためのシステムの概略図である。
【図34a】図34aは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の軸方向断面図である。
【図34b】図34bは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の横断面図である。
【図35a】図35aは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の軸方向断面図である。
【図35b】図35bは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の横断面図である。
【図36a】図36aは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の軸方向断面図である。
【図36b】図36bは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の横断面図である。
【図37a】図37aは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の軸方向断面図である。
【図37b】図37bは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の横面図である。
【図38a】図38aは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の軸方向断面図である。
【図38b】図38bは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の横断面図である。
【図39a】図39aは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の軸方向断面図である。
【図39b】図39bは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の横断面図である。
【図40a】図40aは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の軸方向断面図である。
【図40b】図40bは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の横断面図である。
【図41a】図41aは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の軸方向断面図である。
【図41b】図41bは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の横断面図である。
【図42a】図42aは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の軸方向断面図である。
【図42b】図42bは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の横断面図である。
【図43a】図43aは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の軸方向断面図である。
【図43b】図43bは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の横面図である。
【図44a】図44aは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の軸方向断面図である。
【図44b】図44bは本願発明の実施例による様々なエンジンの多様な形態の横断面図である。
【図45】図45は本願発明の別実施例による様々なエンジンの多様な外部形態の概略図である。
【図46】図46は本願発明の別実施例による様々なエンジンの多様な外部形態の概略図である。
【図47】図47は本願発明の別実施例による様々なエンジンの多様な外部形態の概略図である。
【図48】図48は本願発明の別実施例による様々なエンジンの多様な外部形態の概略図である。
【図49】図49は本願発明の別実施例による様々なエンジンの多様な外部形態の概略図である。
【図50】図50は本願発明の別実施例による様々なエンジンの多様な外部形態の概略図である。
【図51】図51は本願発明の別実施例による様々なエンジンの多様な外部形態の概略図である。
【図52】図52は本願発明の別実施例による様々なエンジンの多様な外部形態の概略図である。
【図53】図53は本願発明の別実施例による様々なエンジンの多様な外部形態の概略図である。
【図54】図54は本願発明の別実施例による様々なエンジンの多様な外部形態の概略図である。
【図55】図55は本願発明の別実施例による様々なエンジンの多様な外部形態の概略図である。
【図56】図56は本願発明の別実施例による様々なエンジンの多様な外部形態の概略図である。
【図57】図57は本願発明の別実施例による様々なエンジンの多様な外部形態の概略図である。
【図58a】図58aは本願発明の1実施例によるエンジンの一部の概略断面図である。
【図58b】図58bは本願発明の1実施例によるエンジンの一部の概略断面図である。
【図58c】図58cは本願発明の1実施例によるエンジンの一部の概略断面図である。
【図58d】図58dは本願発明の1実施例によるエンジンの一部の概略断面図である。
【図58e】図58eは本願発明の1実施例によるエンジンの一部の概略断面図である。
【図58f】図58fは本願発明の1実施例によるエンジンの一部の概略断面図である。
【図59】図59は本願発明の1実施例によるエンジンの膨張チャンバの詳細なデザインを示している。
【図60】図60は本願発明の1実施例によるエンジンの膨張チャンバの詳細なデザインを示している。
【図61】図61はインレットコントロルバルブとアウトレットコントローるバルブとを備えたコンプレッサの概略図である。
【図62】図62はアウトレットコントロールバルブを備えた複数の(オプションとしてモジュール式)装置を含んだコンプレッサの概略図である。

Claims (43)

  1. 燃焼構造体を含んだエンジンであって、
    ロータとステータとが含まれており、
    燃焼チャンバは該ステータ内に提供されており、
    主チャンバと膨張チャンバとから成る流体受領チャンバは該ロータ内に提供されており、
    燃焼ガスは該燃焼チャンバから該流体受領チャンバ内に膨張して噴入することができ、その際に該燃焼ガスから運動モーメントが該ロータに付与される構造であり、
    該ロータは容積が徐々に増加する一連のロータ膨張チャンバを有しており、それら膨張チャンバ内へ燃焼ガスが順番に膨張して噴入し、
    前記ステータは容積が徐々に増加する一連のステータ膨張チャンバを有しており、それらステータチャンバ内へ前記ロータの前記膨張チャンバからガスが順番に膨張して噴入しており、
    前記燃料は燃焼構造体内部でチャンバに噴入されることを特徴とするエンジン。
  2. 流体受領チャンバはロータ膨張チャンバのいくつかよりも大きな容積を有していることを特徴とする請求項1記載のエンジン。
  3. ロータはインレットトランスファチャンバを有しており、ロータの回転途中に燃焼ガスが該トランスファチャンバを通過して燃焼チャンバ内に進入することを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン。
  4. 燃焼チャンバと連関してスパーク点火装置が提供されており、該燃焼チャンバが受領した燃焼流体に点火させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエンジン。
  5. 点火装置はスパークプラグを含んでいることを特徴とする請求項4記載のエンジン。
  6. ロータとステータの一方または両方は自己潤滑特性を備えた材料で提供されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のエンジン。
  7. ロータまたはステータはグラファイト鉄製の回転楕円体または球体で提供されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のエンジン。
  8. ロータとステータとの間の空隙内にオイルミストを噴入させるオイルミストインジェクタを有していることを特徴とする請求項6記載のエンジン。
  9. オイルミストは燃焼チャンバの手前で噴入されることを特徴とする請求項8記載のエンジン。
  10. 潤滑ブラシを有しており、ステータとロータとの間に潤滑物質を提供することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のエンジン。
  11. 潤滑物質はグラファイトであることを特徴とする請求項10記載のエンジン。
  12. ロータはディスク形状であり、該ディスクはその周縁部で開いている複数のチャンバを有していることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のエンジン。
  13. ロータはロータ注型体を含んだロータ構造体を含んでいることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のエンジン。
  14. ロータ注型体はディスク形状であり、該ディスク内に形成された複数のボイドに対して開いている周縁開口部を有していることを特徴とする請求項12記載のエンジン。
  15. ロータ構造体はロータ注型体に固定された複数のエンドプレートをさらに含んでおり、それらボイドを軸方向で閉鎖していることを特徴とする請求高14記載のエンジン。
  16. エンドプレート間で組み合わされた複数のロータ注型体を含んでおり、増大した燃焼能力の燃焼構造体を提供していることを特徴とする請求項13から15のいずれかに記載のエンジン。
  17. 互に隣接するロータ注型体間にスペーサを配置して、当該ロータ注型体から放熱させていることを特徴とする請求項16記載のエンジン。
  18. スペーサはロータ注型体の冷却流体ダクトと整合する貫通通路を含んでいることを特徴とする請求項17記載のエンジン。
  19. ステータはステータ注型体を含んだステータ構造体を含んでいることを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載のエンジン。
  20. ステータ注型体はロータ構造体を部分的に包囲するように形状化されており、該ステータ注型体内に形成されているボイドに対する開口部を有していることを特長とする請求項19記載のエンジン。
  21. ステータ構造体はステータ注型体に固定された複数のエンドプレートをさらに含んでおり、それらボイドを軸方向で閉鎖していることを特徴とする請求項20記載のエンジン。
  22. 複数のステータ注型体をエンドプレート間で組み合わせ、増大した燃焼能力を提供することができることを特徴とする請求項21記載のエンジン。
  23. 互いに隣接するステータ注型体間にスペーサが配置され、当該ステータ注型体から放熱させていることを特徴とする請求項22記載のエンジン。
  24. スペーサには複数の穴部が設けられており、ステータ注型体の燃焼チャンバを軸方向にリンクしていることを特徴とする請求項23記載のエンジン。
  25. ギャップコントロールシステムを有しており、エンジンの作動中にロータとステータとの間の分離状態を制御することを特徴とする請求項1から24のいずれかに記載のエンジン。
  26. ギャップコントロールシステムはステータをロータの中心から放射状に移動させることを特徴とする請求項25記載のエンジン。
  27. ロータは錐台体の形状であり、該錐台体はその周縁で開いている複数のチャンバを有していることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のエンジン。
  28. ステータはロータを部分的に包囲していることを特徴とする請求項27記載のエンジン。
  29. ギャップコントロールシステムを有しており、エンジンの作動中にロータとステータとの間の分離状態を制御することを特徴とする請求項27または28に記載のエンジン。
  30. ギャップコントロールシステムはステータをロータの中心から放射状に移動させることを特徴とする請求項29記載のエンジン。
  31. ギャップコントロールシステムは非接触型センサーを含んでいることを特徴とする請求項25、26、2930のいずれかに記載のエンジン。
  32. センサーは静電容量センサー、誘導センサーまたはそれらの組み合わせによるセンサーであることを特徴とする請求項31記載のエンジン。
  33. ロータとステータは両方ともディスク形状であり、燃焼チャンバは該ロータと該ステータの平坦面間に提供されていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のエンジン。
  34. コンプレッサをさらに含んでおり、燃焼構造体に燃焼空気を供給することを特徴とする請求項1から33のいずれかに記載のエンジン。
  35. コンプレッサはロータで駆動されることを特徴とする請求項34記載のエンジン。
  36. コンプレッサとロータとは共通シャフトまたは相互接続された共軸シャフトに搭載されていることを特徴とする請求項35記載のエンジン。
  37. スパーク点火型エンジンにおいてはコンプレッサは4バールから7バールの範囲の圧力で燃焼空気を搬送し、圧縮点火型エンジンにおいてはコンプレッサは9バールから15バールの範囲の圧力で燃焼空気を搬送することを特徴とする請求項34から36のいずれかに記載のエンジン。
  38. コンプレッサと燃焼構造体との間にはインタークーラが提供されており、燃焼空気から放熱させることを特徴とする請求項34から37のいずれかに記載のエンジン。
  39. スパーク点火型エンジンにおいてはコンプレッサは6バールから12バールの範囲の圧力で燃焼空気を搬送し、圧縮点火型エンジンにおいてはコンプレッサは20バールから30バールの範囲の圧力で燃焼空気を搬送することを特徴とする請求項33記載のエンジン。
  40. 燃料は燃焼構造体の外部で燃焼空気流内に噴入されることを特徴とする請求項1から39のいずれかに記載のエンジン。
  41. 燃焼チャンバ内に水が空気と燃料と共に導入されることを特徴とする請求項1から40のいずれかに記載のエンジン。
  42. 燃焼中に水は気化して流体受領チャンバ内に噴入し、少なくともその一部の運動モーメントをロータに提供することを特徴とする請求項41記載のエンジン。
  43. ステータ若しくはロータ、またはステータとロータの双方はエンドプレート間に注型体を含んでいることを特徴とする請求項1から42のいずれかに記載のエンジン。
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