JP4477814B2 - フルカラー画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間転写体を備えたフルカラー電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術の電子写真によるフルカラー画像形成装置では、図2に示すように中間転写体である中間転写ドラム14を装置中央部に配置し、中間転写体の装着を、装置の上方にある開口部、もしくは装置側面で中間転写体の軸方向にある開口部から行っていた。
【0003】
図2に示す従来技術の画像形成装置は、着色粒子であるトナーを収納する現像器4を各色毎に複数個有しており、感光体1を帯電器2で帯電し、露光装置3で感光体1に静電潜像を作り、静電潜像に現像器4で各色のトナーを順次付着させてトナー像を作り、各色のトナー像を順次中間転写ドラム14に転写し重ね合わせ、収納容器8に収納されていた印刷媒体を給紙装置9で転写手段である転写ローラ15と中間転写ドラム14の間に印写媒体を供給してトナー像を転写し、定着器11でトナーを定着して印刷画像を得る。中間転写ドラム14に残留したトナーはクリーナ12で清掃され、次の印刷が行われる。
【0004】
また、特開2001−5251号公報には、現像器と感光体とが一体になった個別ユニットを円柱状に集合配置していて、中間転写体ユニットが感光体である感光ドラムに当接するようにプリンタ前面板より挿入しているフルカラー画像形成装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記図2に示した従来技術では、感光体と中間転写体のニップを確保するために感光体1をベルト形状とし、中間転写体をドラムとしているが、大きく重い中間転写ドラム14を、装着する時には定着器11にぶつからないように上方もしくは中間転写体の軸方向から移動して脱着していた。
【0006】
前記特開2001−5251号公報では、現像器と感光体とが一体になった個別ユニットを円柱状に集合配置していて、中間転写体ユニットは感光体である感光ドラムに当接するようにプリンタ前面板より挿入している。前記特開2001−5251号公報では感光体と中間転写体のニップを確保するために、中間転写体には弾性ローラを内包し弾性ローラを用いて中間転写ベルトを感光体ドラムに押しつけているが、感光体と中間転写体とのニップ距離が数mmと短く、安定した転写を確保することが難しく、画像品質を損なう場合があった。
【0007】
本発明の目的は、中間転写体の着脱が容易であり、感光体と中間転写体とのニップが十分とれていて、画像品質が高いフルカラー画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のフルカラー画像形成装置は、エンドレスベルト状の感光体と、該感光体に形成した静電潜像をトナー像にする黒、イエロー、マゼンタ、シアンの4色の現像器と、該4色のトナー像を重ね合わせてフルカラートナー像を形成する中間転写体と、前記フルカラートナー像を印写媒体に転写する転写手段とを具備したフルカラー画像形成装置において、前記中間転写体が、エンドレスベルト状の中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトを支持する異なる直径の支持ローラと、該支持ローラを保持する保持体とを備えた中間転写体ユニットであって、前記中間転写体ユニットが、該保持体から突き出した前記支持ローラの回転軸である複数の中間転写体ユニット支持体で支持され、画像形成装置本体のフレームが、前記中間転写体ユニットを前記転写手段側から前記感光体側に向けて前記フレームに装着するガイドと、前記保持体から突き出した前記中間転写体ユニット支持体を所定位置に固定する固定手段とを備えていて、前記中間転写ベルトが前記感光体に当接する側の前記支持ローラの半径が、前記中間転写ベルトが前記転写手段に対向した側の前記支持ローラの半径より大きく、前記中間転写体ユニット支持体を前記ガイドに沿わせて前記中間転写体ユニットを前記転写手段側から着脱する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。以下の図面で同じ符号は同じ構成要素を示す。
【0010】
(実施例1)
図1は本実施例のフルカラー画像形成装置の断面説明図である。図1の画像形成装置は、エンドレスベルト状の感光体1と、エンドレスベルト状の中間転写体である中間転写ベルト16とを備えており、黒,イエロー,マゼンタ,シアンの各色について1色ごとに感光体1にトナー像を作り、このトナー像を中間転写ベルト16に転写させ、複数色のトナー像を中間転写体に重ねてフルカラー画像を形成している。
【0011】
本実施例のフルカラー画像形成装置では、ベルト状の感光体1と中間転写ベルト16との間で第1転写を行い、中間転写ベルト16と転写手段である転写ローラ10との間に紙やOHPシートなどの印写媒体を移動させて第2転写を行う。本実施例のフルカラー画像形成装置では、感光体1と中間転写ベルト16との間のニップを多くして良好な第1転写を行うために、複数のシャフトに支えられたベルト状の感光体1に、中間転写ベルト16を押し込んでいる。
【0012】
図3に示すように本実施例では、中間転写体ユニット5が、第1のローラ6と第2のローラ7とに支えられた1周380mm程度の長さの中間転写ベルト16と、前記ローラ間を支えるユニットフレーム19と、図3には示していない1本もしくは複数本のテンションローラ41とを備えているので、A4サイズの印写媒体に容易にフルカラー画像を形成できる。
【0013】
前記第1のローラ6と第2のローラ7とは大きさが異なり、中間転写ベルト16が大きな曲率半径(φ104mm)の第1のローラ6に支持された部分で感光体1に当接し、第2のローラ7(φ30mm)で支持された中間転写ベルト16の部分が転写ローラ10に対向する。このように、感光体1に当接する側の支持ローラの直径が大きいので、感光体1と中間転写ベルト16との間のニップが多くなり良好な第1転写ができる。
【0014】
図3に示すように中間転写体ユニット5から第1のローラシャフト29(φ8mm)と第2のローラシャフト30(φ6mm)が両方のユニットフレーム19から突き出ていて、中間転写体ユニット5がユニットフレーム19の片側あたり少なくとも2点で支持されている。本実施例では第1のローラシャフト29の直径が、第2のローラシャフト30の直径より大きく剛性が高いので、感光体1に中間転写体ユニット5を強く押し当てることができる。
【0015】
図5に示すように、中間転写体ユニット5は、フルカラー画像形成装置の本体フレーム26の設けられたガイド入口27から感光体1の方向へ水平に伸びたガイド39に沿って、第1のローラシャフト29と第2のローラシャフト30とが矢印Bの方向に装着される。またフルカラー画像形成装置の本体のガイドの下方に設けた支点31を中心にして、固定レバー32を矢印Cに示すように下から上の方向に動かして中間転写体ユニット5を感光体1側へ押し込む。本実施例では、固定レバー32にカム機構を用いているので、中間転写体ユニット5を確実に押し込むことができる。なお、本実施例では、固定レバー32は本体フレーム26の両側に配置したが、必要に応じて、片側に配置しても良い。また、本体フレーム26は、プレス成型した金属であっても、ガラス繊維などの無機物質のフィラを配合した合成樹脂の成型品であっても良い。
【0016】
図5に示すように、ガイド39は、ガイド入口27の溝幅広く、第2のローラシャフト30が固定される位置Eより奥で第1のローラシャフト29が固定される部分Fまでの溝幅が狭い。第2のローラシャフト30は、図5に示すように第1のローラシャフト29より下方に位置して固定されている。本実施例では、第2のローラシャフト30がガイド39に接する位置Eを、第2のローラシャフト30の半径の1/3からシャフトの直径程度、第1のローラシャフトがガイド39に接する位置Fより下げた。このように第2のローラシャフト30の位置を下げることによって、比較的重量がある中間転写体ユニット5をガイドに沿って移動する際に上下させることなく、本体フレーム26にスムーズに着脱できる。
【0017】
図5に示すように、本実施例のフルカラー画像形成装置では、固定手段である固定レバー32によって、第2のローラシャフト30を固定し、第1のローラのシャフト29がフルカラー画像形成装置の本体フレーム26に水平に取り付けたガイド39の所定位置に固定されるので、前記第1転写のニップを安定にし、第1転写が良好に行えるので、ガタツキが低減でき、ジッタや濃度変動などの画像欠陥がなくなる。
【0018】
本実施例では、中間転写体ユニット5のユニットフレーム19両端にはU字形状に窪んだ切り欠きの整合部分20(半径8mm程度)があり、フルカラー画像形成装置の開口部に配置した転写ローラ10(φ20mm程度)を支持する軸受(φ16mm程度)を案内部材として、前記整合部分20で嵌合させて、転写ローラ10を中間転写体ユニット5の所定位置に当接させる。この整合部分20の切り欠き形状はU字形状でもV字形状でもL字形状でも良く、案内部材と嵌合できればよい。なお、整合部材と案内部材の形状が図3と逆であっても良い。
【0019】
本実施例では転写手段である転写ローラ10や中間転写体ユニット5の交換ができる着脱機構とするために、画像形成装置に、転写ローラ10が接触する中間転写ベルト16表面に対して垂直方向に開口部を設け、開口部を開くことができるようにする。中間転写体ユニット5を取り外す方向は図1の矢印A方向で、転写ローラ10などを配置している向きである。ここには紙などの印写媒体が通過し、配置してある構成部品が比較的小さいので、開口部を作りやすい。この開口部を覆う扉部分を開いて中間転写体ユニット5を、両側に設けた図示していないガイドに沿って着脱する。
【0020】
本実施例のフルカラー画像形成装置では転写ローラ10などの転写手段は開口部などに別個の部品としてに配置されているので、印刷媒体が移動するときにジャムが発生しても、転写ローラ10を中間転写体ユニット5から大きく離せるので容易に印刷媒体を取り出せる。本実施例では、中間転写体を中間転写体の固定位置から転写ローラ10のある方向へ着脱できるユニット構造としてあるので、中間転写体表面がゴミなどで傷ついた場合にも中間転写体ユニット全体として着脱,交換できる。
【0021】
前記図2の従来技術のフルカラー画像形成装置では、小型化するために、印写媒体を収納する収納容器8とトナーを定着する定着器11との間を短かくしていたが、本実施例では定着器11を中間転写体ユニット5のプロセス方向へシフトする事によって収納容器8と定着器11の間隔が確保でき、印写媒体が移動する経路に画像形成装置の開口部を備え、印写媒体の移動方向に対して垂直に中間転写体ユニット5を着脱する。本実施例では、収納容器8を画像形成装置の下部に配置し、印写媒体の給送手段の上方に定着器11を配置し、水平方向に中間転写体ユニット5を着脱できるようにしてあるので、重量が5〜6kg程度で比較的重い中間転写体ユニット5を容易に装置の外に取り出せる。
【0022】
(実施例2)
本実施例では、フルカラー画像形成装置の本体フレーム26に、中間転写体ユニット5の脱落を防止する別体のレール部材を設けた点が実施例1と異なり、その他は実施例1と同様である。本実施例では、中間転写体ユニット5を固定する固定手段として中間転写体ユニット5を支持する支持座が有り、支持座に至る本体フレーム26にレール部材を取り付けて中間転写体ユニット5がレール部材に沿って支持座にとりつくことができ、脱落による変形や傷,汚れを防止した。本実施例ではレール部材と支持座とを一体樹脂成型して部品点数を低減しても良い。
【0023】
(実施例3)
本実施例では、レール部材を本体フレーム28に形成した断面コの字状の溝にしたことが実施例2と相違し、その他は実施例2と同様である。この溝に、中間転写体ユニット5の第1のローラシャフト29や第2のローラシャフト30である支持軸、もしくはユニットフレームに固定した支持板を載せる。この支持軸や支持板は溝から外れ落ちない程度の長さがあって、中間転写体ユニット5固定位置で溝から脱落しない長さがあればよい。
【0024】
本実施例で中間転写体ユニット5に設けられた支持部位がローラシャフトではなく、丸棒形状,3角形や4角形や多角形の断面の柱形状,板形状,ブロック形状,円錐,多角錘,円錐台,多角錘台形状,半球状,半楕円体状などの突起部であっても良く、いずれの形状であってもスライドさせた中間転写体ユニット5の脱落が防止できればよい。
【0025】
本実施例の変形として、さらに中間転写体ユニット5の下部に平面部を設け、本体フレーム26にも対向する平面部を設けて中間転写体の脱落を防止するようにしても良い。
【0026】
(実施例4)
本実施例を図6を用いて説明する。本実施例は図6に示すように、中間転写体ユニット5を本体フレーム26に設けたガイド39に沿って装着した際に、第1のローラシャフト29と、第2のローラシャフト30とを支持する面を備えた固定板37と、固定部材である固定ネジ38とで本体フレーム26に矢印D方向から固定したこと以外は、実施例1から実施例3と同様である。なお、本実施例で、固定板37に代えて固定棒としてもよいことは言うまでもない。
【0027】
本実施例の固定板37は対向する板状部材と、該板状部材を連結する別の板状部材とからなる略コの字形状であって、対向する板状部材に第1のローラシャフト29と第2のローラシャフト30とを支持固定する穴部を備えている。本実施例によれば、外部から中間転写体ユニット5を容易に固定でき、また中間転写体ユニット5を正確な位置に固定してフルカラー画像形成時の色ずれを低減できる。
【0028】
(実施例5)
本実施例は図4に示すように中間転写体ユニット5が、中間転写ベルト16や第1のローラ6,第2のローラ7に加えて転写手段である転写ローラ10を備えているほかは、実施例1と同様である。中間転写ベルト16と転写ローラ10とはニップする状態にあり、印刷媒体が両者の間を通り抜ける。そのときに所定のニップを確保するため、転写ローラ10が中間転写体ユニット5に備えている図示しない押圧手段で中間転写ベルト16表面に対して垂直方向に押圧されている。この押圧手段は、装置本体側フレームに設置しても良い。本実施例によれば色ずれやスキューを低減できる上、転写に関わる部品のほとんどを一度に交換できる。
【0029】
以上の各実施例では、転写手段が転写ローラの場合で説明したが、転写手段をスコロトロン,コロトロン,ブラシなどの帯電器や、ベルト状の搬送体としても良い。中間転写体ユニットには、ベルトをクリーニングしたりするために前記以外に図1に示すようにベルトに当接するクリーナ12などの部品があっても良い。
【0030】
本発明は、紙やOHPなどの印写媒体を搬送するベルトもしくはドラムなどの転写搬送体を用いて感光体上のトナー像を転写搬送体上の印写媒体に直接転写することによって多色印刷画像を得ている画像形成装置や、複数の感光体を有しており中間転写体や転写搬送体に複数のトナー像を重ねて画像を形成するタンデム型画像形成装置に対しても適用できる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、転写手段の方向に中間転写体を着脱することにより、感光体と中間転写体のニップを大きくとることができるので、色ずれや色むらが少ない良好な画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のフルカラー画像形成装置の説明図である。
【図2】従来技術のフルカラー画像形成装置の説明図である。
【図3】実施例1の中間転写体ユニットの説明図である。
【図4】実施例5の中間転写体ユニットの説明図である。
【図5】実施例1の中間転写体ユニットの固定方法の説明図である。
【図6】実施例4の中間転写体ユニットの固定方法の説明図である。
【符号の説明】
1…感光体、2…帯電器、3…露光装置、4…現像器、5…中間転写体ユニット、6…第1のローラ、7…第2のローラ、8…収納容器、9…給紙装置、10…転写ローラ、11…定着器、12…クリーナ、13…開口部カバー、14…中間転写ドラム、15…転写ローラ、16…中間転写ベルト、19…ユニットフレーム、20…整合部分、26…本体フレーム、27…ガイド入口、29…第1のローラシャフト、30…第2のローラシャフト、31…固定レバー支点、32…固定レバー、37…固定板、38…固定ネジ、39…ガイド、41…テンションローラ。
Claims (3)
- エンドレスベルト状の感光体と、該感光体に形成した静電潜像をトナー像にする黒、イエロー、マゼンタ、シアンの4色の現像器と、該4色のトナー像を重ね合わせてフルカラートナー像を形成する中間転写体と、前記フルカラートナー像を印写媒体に転写する転写手段とを具備したフルカラー画像形成装置において、前記中間転写体が、エンドレスベルト状の中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトを支持する異なる直径の支持ローラと、該支持ローラを保持する保持体とを備えた中間転写体ユニットであって、前記中間転写体ユニットが、該保持体から突き出した前記支持ローラの回転軸である複数の中間転写体ユニット支持体で支持され、画像形成装置本体のフレームが、前記中間転写体ユニットを前記転写手段側から前記感光体側に向けて前記フレームに装着するガイドと、前記保持体から突き出した前記中間転写体ユニット支持体を所定位置に固定する固定手段とを備えていて、前記中間転写ベルトが前記感光体に当接する側の前記支持ローラの半径を、前記中間転写ベルトが前記転写手段に対向した側の前記支持ローラの半径より大きくするとともに、前記感光体に当接する側の前記支持ローラの回転軸である第1の回転軸の直径を、前記転写手段に対向した側の前記支持ローラの回転軸である第2の回転軸の直径より大きくすることで、前記感光体に当接する側の前記支持ローラにより前記エンドレスベルト状の感光体に前記中間転写ベルトを押し込んでニップを形成し、前記ガイドの溝幅は、ガイド入口で広く前記第2の回転軸が固定される位置の奥から前記第1の回転軸が固定される部分までの前記溝幅が狭く、前記第2の回転軸は第1の回転軸より下方に位置して固定され、前記中間転写体ユニット支持体を前記ガイドに沿わせて前記中間転写体ユニットを前記転写手段側から着脱することを特徴とするフルカラー画像形成装置。
- 請求項1に記載のフルカラー画像形成装置において、前記中間転写体ユニットが、前記中間転写ベルトに接している1個あるいは複数個のテンションローラを備えていることを特徴とするフルカラー画像形成装置。
- 請求項1に記載のフルカラー画像形成装置において、前記転写手段が転写ロールであって、前記中間転写体ユニットが、前記転写ロールを備えていることを特徴とするフルカラー画像形成装置。
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