JP4477156B2 - オキシトシン受容体作用物質 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はオキシトシン受容体作用物質に関し、より詳細にはヒト子宮筋オキシトシン受容体に作用する内因性の新規生理活性物質に関する。
【0002】
【従来の技術】
オキシトシン(oxytocin)は強力な子宮収縮作用を有し、1950年代に構造決定された下垂体後葉ホルモンで、臨床上も分娩誘発、分娩誘導等に幅広く応用されている。しかしながら、陣痛発来を含めた陣痛のメカニズムとの関連、子宮筋の異常収縮を病態生理の一つとする流産、早産との関連についてはいまだ詳細な点については明らかにされていない。これらの陣痛発来機序を含めた妊娠維持機構の解明は、現代科学の大きな課題のひとつとなっている。
近年、流早産治療、陣痛制御を目的とした医薬品開発のための様々なオキシトシン拮抗物質(オキシトシン アンタゴニスト, Oxytocin Antagonist)が化学合成されているが、いずれも臨床応用されるには至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の点からして、オキシトシン受容体に作用する物質は、陣痛発来機序、妊娠維持機構、流早産の病態生理などを解明する端緒となり、また流早産治療、陣痛制御に関する医薬品又は診断薬、スクリーニング系の開発を可能とし、更に周産期におけるより安全な母児管理に貢献し、ひいては母児の死亡率、罹患率の低下に寄与することが期待される。しかし、現時点では、ヒト子宮筋オキシトシン受容体に作用し、生体内に存在する新規生理活性物質は報告されていない。
本発明者は、上記の課題を解決すべく、生体内に存在し、ヒト子宮筋オキシトシン受容体に作用する物質を鋭意探索した結果、ヒト胎盤中にヒト子宮筋オキシトシン受容体に作用する物質が存在することを見出し、当該物質を精製・単離することに成功して本発明を完成した。即ち、本発明は、ヒト子宮筋オキシトシン受容体に作用する新規な物質を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明の要旨は、以下の理化学的性質及び生理活性を有することを特徴とするオキシトシン受容体作用物質である。
▲1▼ヒト子宮筋オキシトシン受容体に作用する。
▲2▼マイクロボンダバック C18逆相カラムに吸着する。
▲3▼陽イオン交換カラムに吸着する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の物質はヒトの生体内に存在し、生体組織から精製・単離することができる。原料となる生体組織としては、本発明の物質を含有する組織であれば特に限定されないが、特に胎盤中に多く存在することから、胎盤が好適に使用される。原料となる生体組織は、変性などを防止する上で冷凍状態で保存するのが好ましい。
【0006】
上記の原料からの本発明の物質の精製・単離は、生体内物質の分離・精製に一般的に用いられる各種方法、例えば、抽出、遠心分離、透析、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、限外濾過、電気泳動などの方法を用いることにより行うことができる。特に好適には、生体組織から抽出後、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー及びHPLCから選ばれた少なくとも一種、好ましくはこれらを適宜組み合わせることにより行われる。
【0007】
好ましい分離・精製操作の一例を示すと、原料となるヒト胎盤組織は娩出後直ちに液体窒素で凍結したものを使用するのが好ましく、凍結組織を凍結乾燥後あるいは凍結状態のまま細片化する。当該細片を水中で加熱処理(例えば、90〜100℃程度で、10分間程度)した後、酸抽出(例えば、1N酢酸)を行う。得られた抽出物に最終濃度80%アセトンを加え大きな蛋白質を沈殿させ、上清画分を分離する。
かくして得られた画分は、逆相HPLC及びイオン交換クロマトグラフィーにて精製することにより本発明の物質を得ることができる。
【0008】
上記で得られた物質は、後記実施例に示されるように、オルニチン バソトシン アナログ(Ornithine Vasotocin Analogue、以下OVTAという)の125I放射性標識化物をリガンドとしてヒト子宮筋を用いたラジオレセプター アッセイ(Radioreceptor assay、以下RRAという)により、ヒト子宮筋オキシトシン受容体に作用することが認められた。
なお、上記のRRAについて概説すると、近年早産治療を目的として化学合成されている一連のオキシトシン拮抗物質の一つであるOVTAの125I標識化合物は、子宮筋オキシトシン受容体に高い特異性、選択性を有し比放射活性にも優れている。そこで、十分なインフォームド コンセント(informed consent)を得て帝王切開術施行時あるいは胎盤早期剥離、弛緩出血等の産科合併症で分娩後子宮摘出が必要となった症例よりヒト妊娠末期子宮筋組織を採取し粗膜分画を作成した。125I-OVTAを放射性リガンドとし、ヒト子宮筋粗膜分画を用いたRRAを活性の指標として用いた。
【0009】
前述の各種クロマトグラフィー及びRRAの結果を検討したところ、本発明の物質は、既知のヒト子宮筋オキシトシン受容体結合能を有する物質(オキシトシン受容体作動性物質)であるオキシトシン又はOVTA等とは異なる生理活性物質であることが判明した。
従って、本発明の物質は前記の理化学的性質及び生理活性で特徴付けられる新規な物質である。
なお、本発明の物質は、前記の理化学的性質及び生理活性で特徴付けられる限り、その由来及び製法は限定されるものではなく、如何なる由来及び製法(化学的方法、遺伝子工学的方法を含め)により得られたものでも本願発明に包含される。
【0010】
本発明の物質は、ヒト子宮筋オキシトシン受容体に作用する新規生理活性物質である。本発明の物質により、いまだ未解明な点の多いヒト陣痛発来・維持機構、流産・早産の病態生理、さらに妊娠維持機構の解明が可能となる。さらに妊娠中毒症、子癇、胎盤早期剥離、弛緩出血、子宮内胎児発育遅延、子宮内胎児死亡等、母児に重篤な帰結をもたらす多くの周産期合併症の病態が明らかになることが期待される。また、本発明の物質は、妊娠、分娩、産褥期の以下の如くの多くの病態における医薬品としての可能性が期待される。
【0011】
より具体的には、まず第一に、本発明の物質は、子宮筋収縮作用による陣痛促進剤あるいは陣痛誘発剤として用いられる可能性がある。妊娠、分娩中のさまざまな病態において陣痛を誘発する(分娩誘発)、あるいは増強(分娩誘導)する必要が生じ、子宮収縮剤は陣痛のコントロールによる母児の安全管理に必要不可欠である。従来の医薬品であるオキシトシン、プロスタグランディンと陣痛のメカニズムの関係は未解明の点が多い。これらの医薬品による子宮収縮は生理的な陣痛による子宮収縮とは異なる面をもち、調節性にも優れないため、過強陣痛による子宮破裂、胎児仮死等にはじまり、母体死亡、胎児死亡、新生児死亡にいたる重篤な副作用が出現する。陣痛促進剤による医療事故が頻発するため、平成4年以降陣痛促進剤の添付文書における使用上の注意が頻回に改訂されており、また「陣痛促進剤による被害者の会」が全国的にネットワークを作り、事故例のとりまとめを行うなど社会問題化している。従って、従来使用されている、オキシトシン、プロスタグランディン製剤に代わる、より調節性に優れた、より安全性の高い、より生理的かつ特異的な子宮収縮作用を備えた医薬品の開発が切望されている。
【0012】
本発明の物質は、ヒト子宮筋オキシトシン受容体に作用する新規生理活性物質であり、ヒト子宮筋収縮作用を有する可能性がある。本発明の物質は内因性の生理活性物質であるため、既存の陣痛促進剤に比べ、より安全で生理的且つ特異的な陣痛促進作用を備えた医薬品の開発が可能となる。すなわち、生理的な子宮収縮の範囲内で陣痛を増強させることにより、母児双方にとって、安全に、分娩を進行させることが可能となる。従来の医薬品で発現する、過強陣痛による子宮破裂、過強陣痛に伴う胎盤血流不全による胎児、新生児仮死、さらには、母体死亡、胎児新生児死亡等の重篤な副作用を回避できる。
また、本発明の物質の化学構造を修飾することにより獲得される物質は、既存の陣痛促進剤に比べ、上記と同様に、より安全で生理的かつ特異的な陣痛促進作用を備えた医薬品の開発を可能とするものである。
【0013】
一方、流産、早産にかかわる病態のメカニズムが明らかにされていない現在のところ、特異的で決定的な治療薬は無い。流産、早産は産婦人科領域で、最も多く治療を要する疾患のひとつである。新生児医療の進歩した現在でも、知能障害、発達障害等、多くの早産児の合併症が未解決のままであり、流早産の防止が周産期管理の最大の課題となっている。
現在臨床で主に用いられている塩酸リトドリン、硫酸マグネシウム、インドメサシンの3剤いずれにおいても、非特異的な子宮収縮抑制剤であり、同時に高頻度に出現する副作用が問題となる。なかでも、塩酸リトドリンはβ2アドレナリン受容体刺激作用を利用した非特異的な薬剤で、3剤のなかで最も多く使用されているが、同時に併せもつ、β1アドレナリン受容体刺激作用による、心悸亢進、頻脈などはほぼ必発である。また、肺水腫により母体死亡にいたる重篤な副作用の出現が問題となっている。さらにそのうえ、欧米の複数のmeta-analysisによると、早産抑制効果についても、48時間以上の妊娠延長効果を認めないと結論されている。硫酸マグネシウムは保険適用外であり、インドメサシンは胎児、新生児への重篤な副作用のため、日本では現在使用禁忌となっている。
従って、本発明の物質がヒト子宮筋弛緩作用を有する場合には、現在広く臨床の場で用いられている塩酸リトドリンなどに比べて、特異的にヒト子宮筋を弛緩させる、より安全かつ生理的な流早産防止薬として開発することが可能である。すなわち、特異的な子宮収縮抑制作用により、長期間にわたる流早産抑止が期待される。同時に、より強力な子宮収縮抑制作用により、従来よりさらに流早産の進行した状態での陣痛抑制が可能となり、早産、未熟児のさまざまな合併症の予防につながる。同時に、肺水腫等につながる母体への重篤な副作用は回避される。また、本発明の物質の化学構造を修飾することにより獲得される物質も同様に、より安全で生理的且つ特異的な作用を備えた流早産防止薬の開発を可能とするものである。
【0014】
次に、抗ウイルス、抗細菌作用を有する薬剤としての可能性としては、以下の如くである。
近年、流早産における子宮収縮又は陣痛発来と感染のメカニズムが密接に関連していることが明らかになってきている。本発明の物質により流早産、陣痛発来と感染のメカニズムとの関連がさらに解明されることが期待され、本発明の物質から導かれる薬剤が、感染防御機構に働く薬剤として開発される可能性が考えられる。また、本発明の物質の化学構造を修飾することにより獲得される物質が感染防御機構に働く医薬品の開発を可能とするものである。
【0015】
診断薬、スクリーニング系としての可能性としては、以下の如くである。
本発明の物質及びその化学構造を修飾することにより獲得される物質が、周産期における様々な病態の診断薬、あるいはスクリーニング系として開発されることが可能である。
まず第一に、本発明の物質及びその化学構造を修飾することにより得られる物質は、流早産予知、予後判定に関する診断薬、あるいはスクリーニング系として用いられる可能性をもつ。一方、分娩開始予知、あるいは分娩の進行状態の予測に関する診断薬、スクリーニング系として応用されることが可能である。さらには、微弱陣痛による遷延分娩、過強陣痛、弛緩出血のような子宮筋の収縮異常を病態とする異常分娩の予知をはじめとして、多岐にわたる周産期疾患の診断薬あるはスクリーニング系としての開発の可能性を持つ。
現時点で、このような診断薬、あるはスクリーニング系に有効なものは無い。
【0016】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例1(RRAの方法)
十分なインフォームド コンセントを得たうえで妊娠満期予定帝王切開術施行時、子宮壁上縁の子宮筋組織を採取した。子宮筋組織を少量のNaHCO3バッファ−(20mmol/l NaHCO3, 5mmol/l EDTA)中でクーパーで細切し、5倍量のNaHCO3バッファ−を加え氷中でホモジナイズした。600xg、4℃、10分間遠心し、ペレットを同様にホモジナイズし遠心した。上清画分を併せて100000xg、4℃、30分間遠心しペレットをトリスバッファ-(50mM Tris-HCl, 10mM MgSO4, pH7.4)中で懸濁し再度同条件で遠心し、ペレットをトリスバッファ-に懸濁し、ヒト子宮筋粗膜分画とした。一部はローリー法で蛋白定量を行った。
125I標識リガンドとして子宮筋オキシトシン受容体への特異性、選択性が高く比放射活性に優れる125I-OVTA(NEN)を用いた。反応はミリポア社製マルチスクリーン96穴プレートを用い、反応条件は1ウエル当たり反応液総量200μl、膜蛋白7μg、125I-OVTA 7000-8000 cpmとした。サンプルはHPLC各フラクションを乾固又は脱塩後アッセ−バッファ−(50mM Tris-HCl, 10mM MgSO4, 0.1%BSA, pH7.4)に溶解した。室温にて60分間インキュベートした後、減圧吸引しデュラポアメンブレン上でB/F分離を行った。図1に示す様に鋭敏な用量反応曲線が得られた(BO/T=16.7%)。
【0017】
実施例2
ヒト満期正常分娩にて娩出された胎盤組織を直ちに液体窒素にて凍結後、凍結乾燥した。乾燥組織を細かく粉砕し4倍量の水中で95℃、10分間加熱した。冷却後、1M酢酸溶液としてポリトロンでホモジナイズした。最終濃度80%のアセトンを加え分子量の大きなタンパク質を除去し、ロータリーエバポレーターで濃縮し凍結乾燥により粗末を得た。
粗末の一部を逆相HPLCで分離し、各フラクションについてRRAで活性を測定し、逆相HPLCのフラクションに対応させた活性を図2に示す。比較例として、合成オキシトシン及びOVTAを同条件で分離し同様に活性値を測定した。その結果を図2に併せて示した。
図2に示されるように、胎盤粗抽出物、合成オキシトシン及びOVTAは異なる物質であることが示唆された。
なお、分析・分離条件は以下のとおりである。
【0018】
(分析条件)
カラム:YMC−PACK ODS−AM (4.6mm×250mm, YMC)
検出波長:UV210nm
検出感度:2.0 AUFS
流速:1.0ml/分
A 溶媒:0.1% TFA
B 溶媒:100%アセトニトリル
【0019】
実施例3
正常経膣分娩(陣痛促進剤、子宮収縮剤未使用)で娩出された胎盤をただちに液体窒素にて凍結し−80℃で保存し以下の抽出に供した。
凍結した胎盤をハンマ−で粉砕し少量のドライアイスとともにワ−リングブレンダ−にて細切する。未細切の組織を除去し、100℃沸騰水中で10分間加熱する。氷中で冷却後、酢酸を添加(最終濃度IN)し、ポリトロンでホモジナイズした。アセトンを終濃度80%まで加え、濃縮後凍結乾燥し以下の精製に供した。
【0020】
実施例4
実施例3で得られた粗末(酢酸抽出上清500ml相当)を逆相HPLCにより分離し、各フラクションについてRRAで活性を測定した。なお、分析・分離条件は以下のとおりである。
(分析条件)
カラム:マイクロボンダパックC 18 (7.8mm×300mm, Waters)
検出波長:UV210nm
検出感度:2.56 AUFS
流速:2.0ml/分
A 溶媒:0.1% TFA
B 溶媒:100%アセトニトリル
各フラクションにおけるRRAでの相対活性値をクロマトグラム上に図示した結果を図3に示す。
【0021】
実施例5
実施例4での逆相HPLCによる分離で最大活性値を示したフラクション39を陽イオン交換HPLCにより分離し各フラクションについてRRAを行った。なお、分析・分離条件は以下のとおりである。
(分析条件)
カラム:TSK gel CM 2SW (4.6mm×250mm)
検出波長:UV280nm
検出感度:0.04 AUFS
流速:1.0ml/分
A 溶媒:10mM ギ酸アンモニウム/10%アセトニトリル
B 溶媒:1.0M ギ酸アンモニウム/10%アセトニトリル
各フラクションにおけるRRAでの相対活性値をクロマトグラム上に図示した結果を図4に示す。
【0022】
実施例6
実施例5のイオン交換クロマトグラフィーで最大活性を示したフラクション61及び62の1/4量を逆相HPLCにて分離し各フラクションについてRRAを行った。なお、分析・分離条件は以下のとおりである。
(分析条件)
カラム:YMC−PACK C8−AP (4.6mm×250mm, YMC)
検出波長:UV210nm
検出感度:0.64 AUFS
流速:1.0ml/分
A 溶媒:0.1% TFA
B 溶媒:70% アセトニトリル/0.085% TFA
各フラクションにおけるRRAでの相対活性値をクロマトグラム上に図示した結果を図5に示す。
【0023】
【発明の効果】
本発明の物質は、ヒト子宮筋オキシトシン受容体に作用する新規生理活性物質であり、いまだ未解明な点の多い妊娠維持、分娩発来機序、流早産の病態生理等の解明に有用である。さらに、生体成分であることから従来より用いられている医薬品に比べてより安全性が高く、特異的作用を有する診断及び治療効果を備えた医薬品の開発が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒト妊娠子宮筋を用い、125I-OVTAを放射性リガンドとするRRAの用量反応曲線である。
【図2】胎盤抽出物(a)、オキシトシン(b)及びOVTA(c)の逆相HPLCにおける分離及びRRAにおける活性を示す図である。
【図3】本発明の物質の逆相HPLCによる精製及びRRAでの活性を示す図である。
【図4】図3における最大活性画分の陽イオン交換HPLCによる精製及びRRAでの活性を示す図である。
【図5】図4における最大活性画分の逆相HPLCによる精製及びRRAでの活性を示す図である。
Claims (2)
- オキシトシン受容体作用物質のフラクションの製法であって、
ヒト満期正常分娩にて娩出された胎盤組織を、液体窒素にて凍結して粉砕し、95〜100℃の水中で10分間加熱し、酢酸を添加してホモジナイズし、アセトンを最終濃度80%まで加えて分子量の大きなタンパク質を除去し、濃縮して凍結乾燥した粗末を、
逆相HPLC(C18逆相カラム、A溶媒:0.1%TFA、B溶媒:100%アセトニトリル、分離条件:B溶媒0〜70%の濃度勾配)を行い、各フラクションについてヒト子宮筋RRA(ヒト子宮筋ラジオレセプターアッセイ)で活性を測定し、最大活性値を示すB溶媒39%を含むフラクションを分離し、
陽イオンクロマトグラフィーを行い、各フラクションについてヒト子宮筋RRAで活性を測定し、最大活性値を示すフラクションを得る、
オキシトシン受容体作用物質のフラクションの製法。 - 陽イオンクロマトグラフィーが、陽イオン交換HPLC(A溶媒:10mMギ酸アンモニウム/10%アセトニトリル、B溶媒:1.0Mギ酸アンモニウム/10%アセトニトリル、分離条件:B溶媒0〜100%の濃度勾配)によって行われる、請求項1に記載の製法。
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