JP6840775B2 - 周産期罹病および/または死亡を減少させるための方法 - Google Patents

周産期罹病および/または死亡を減少させるための方法 Download PDF

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Description

本発明は全般的には、新生児学およびより具体的には母体炎症が関与する周産期/新生児罹病および/または死亡の予防に関する。
小児死亡の最大リスクは、出生から生後1カ月にわたる新生児期に起こる。5歳未満の小児死亡の約60パーセントおよび乳児死亡(出生から生後12か月)の3分の2近くが新生児期に起こっており(Rutstein,2000)、全新生児死亡の約3分の2が生後1週間の間に起こっている。最新の推定では、年間の新生児死亡の犠牲者は4百万人にのぼる(Save the Children,2001)。
正常な胎児発生および成長は、一般的には、無菌の羊膜腔(または少なくとも病原性微生物が不在の羊膜腔)で起こり、微生物への最初の曝露は出生時に起こる。しかし、周産期罹病および死亡は、羊膜腔の微生物侵入および付随する炎症がある母体で起こることが多い。胎児の微生物攻撃は、羊水内感染がある妊娠のおよそ10%で起こる。ヒト胎児は、妊娠中期に炎症反応(細胞性および液性)を展開可能であり、これは、インターロイキン インターロイキン−1ベータ(IL−1β)および腫瘍壊死因子アルファ(TNF−アルファ)などの炎症促進性サイトカインの分泌につながる。これらのサイトカインは、微生物産物に反応して子宮内組織によっても産生される。妊娠期間の終期に起こる全身性および胎盤性の母体感染(例えば尿路感染、絨毛羊膜炎)は、周産期炎症の引き金として認識されている。このような母体感染は、主に細菌性微生物により起こり、エスケリキア・コリ(Escherichia coli)は最も一般的なものの1つであると考えられているが、殆どの例において、感染原因は、無症状性で、炎症性成分によってのみ現れる。
母体の感染/炎症は、早産児および正期産児の両方において周産期脳損傷に対する大きな独立したリスク因子の1つであり、これにより胎児死亡のリスクも上昇する(Grether,J.K.およびK.B.Nelson.1997.JAMA 278:207−211;Wu,Y.W.およびJ.M.Colford,Jr.2000.JAMA 284:1417−1424;Shalak,L.F.,2002.Pediatrics 110:673−680)。胎児炎症性全身反応は、子宮内で微生物に曝露された胎児の一部で起こり、付随して、陣痛ならびに多臓器関与が瞬く間に起こる。このような炎症の組織学的なマーカーの1つである臍帯炎を伴う新生児出生は、周産期臓器障害、神経学的ハンディキャップ、脳性まひ(Nelson,K.B.およびChang,T,Curr.Opin.Neurol.21:129−135)、呼吸促拍、消化器機能不全、視覚および聴覚ハンディキャップに対するリスクが上昇し、これらに対しては、利用可能な効果的な予防または治療介入があまりなく;さらに、抗生物質は、B群連鎖球菌感染の予防を除き、有害な周産期転帰の改善において有効であることが示されていない(Kenyonら、2001.Lancet 357(9261):979−88)。出生前感染/炎症は、後に起こる疾患および状態に対する感受性促進にも関与し、子孫において、統合失調症および自閉症など、いくつかの重度の神経精神疾病の発症をプログラムする不健全な胎児インプリントを与えると思われる(Meyer,Uら、J.Neurosci.26:4752−4762;Smith,S.E.ら、J.Neurosci.27:10695−10702)。産科および新生児ケアの改善は、母体炎症/感染に付随する周産期神経学的ハンディキャップの発生率低下の希望には達していない。同様に、現在使用されている子宮収縮抑制薬は、新生児死亡などの新生児転帰を改善することは示されていない。
Rutstein,2000 Save the Children,2001 Grether,J.K.およびK.B.Nelson.1997.JAMA 278:207−211 Wu,Y.W.およびJ.M.Colford,Jr.2000.JAMA 284:1417−1424 Shalak,L.F.,2002.Pediatrics 110:673−680 Nelson,K.B.およびChang,T,Curr.Opin.Neurol.21:129−135 Kenyonら、2001.Lancet 357(9261):979−88 Meyer,Uら、J.Neurosci.26:4752−4762 Smith,S.E.ら、J.Neurosci.27:10695−10702
したがって、母体感染および/または炎症が関与する新生児死亡および罹病を減少させるための新規アプローチの開発が必要とされている。
本記載は、いくつかの書類を指し、その内容は、それらの全体において参照により本明細書中に組み込まれる。
本発明は、次の項目1〜64を提供する:
1.出生前胎児炎症により引き起こされる周産期または新生児罹患および死亡の予防またはそのリスク軽減での使用のための、式Iの化合物または薬学的に許容可能なその塩:
(式中、
はHまたはC−C12アルキルまたはアシル基であり;
はOHまたはNRであり、式中、RおよびRはそれぞれ独立にHまたはC−Cアルキルである。)
であって、出生前胎児炎症に罹患している妊婦に投与するためのものである、式Iの化合物または薬学的に許容可能なその塩。
2.RがHである、項目1に記載の使用のための化合物。
3.RがOHである、項目1または2に記載の使用のための化合物。
4.RがNHである、項目1または2に記載の使用のための化合物。
5.項目1〜4の何れか1項に記載の使用のための化合物であって、式Iaの化合物または薬学的に許容可能なその塩:
が使用される、化合物。
6.項目5に記載の使用のための化合物であって、次の化合物または薬学的に許容可能なその塩:
が使用される、化合物。
7.項目6に記載の使用のための化合物であって、次の化合物または薬学的に許容可能なその塩:
が使用される、化合物。
8.項目1〜7の何れか1項に記載の使用のための化合物であって、前記出生前胎児炎症が妊娠中の子宮内炎症を含む、化合物。
9.項目1〜8の何れか1項に記載の使用のための化合物であって、前記周産期または新生児罹病が、臓器の障害または損傷を含む、化合物。
10.項目9に記載の使用のための化合物であって、前記臓器が、肺、脳および/または腸である、化合物。
11.項目10に記載の使用のための化合物であって、前記臓器が、肺、脳および腸である、化合物。
12.項目1〜11の何れか1項に記載の使用のための化合物であって、前記周産期または新生児罹病が、神経または神経発達障害を含む、化合物。
13.項目12に記載の使用のための化合物であって、前記神経発達障害が、脳性まひ、精神遅滞または自閉症である、化合物。
14.項目1〜13の何れか1項に記載の使用のための化合物であって、前記新生児死亡が生後1週間以内の死亡である、化合物。
15.項目1〜14の何れか1項に記載の使用のための化合物であって、前記妊婦が感染に罹患している、化合物。
16.項目15に記載の使用のための化合物であって、前記感染が子宮胎盤感染である、化合物。
17.項目15または16に記載の使用のための化合物であって、前記感染が尿路感染または羊水内感染である、化合物。
18.項目15〜17の何れか1項に記載の使用のための化合物であって、前記感染が細菌感染である、化合物。
19.項目18に記載の使用のための化合物であって、前記細菌感染がグラム陰性細菌感染である、化合物。
20.項目19に記載の使用のための化合物であって、前記グラム陰性細菌感染がエスケリキア・コリ(Escherichia coli)感染である、化合物。
21.項目1〜20の何れか1項に記載の使用のための化合物であって、注射、経口投与または胎児投与用である、化合物。
22.出生前胎児炎症により引き起こされる周産期または新生児罹病および死亡を予防するかまたはそのリスクを軽減するための方法であって、有効量の式Iの化合物または薬学的に許容可能なその塩:
(式中、
は、H、C−C12アルキル基またはC−Cアシル基であり;
は、ORまたはNRであり、式中、RおよびRはそれぞれ独立にHまたはC−Cアルキルである。)
を出生前胎児炎症に罹患しているヒト妊婦に投与することを含む、方法。
23.RがHである、項目22に記載の方法。
24.RがOHである、項目22または23に記載の方法。
25.RがNHである、項目22または23に記載の方法。
26.項目22〜25の何れか1項に記載の方法であって、有効量の式Iaの化合物または薬学的に許容可能なその塩:
を投与することを含む、方法。
27.項目26に記載の方法であって、有効量の次の化合物または薬学的に許容可能なその塩:
を投与することを含む、方法。
28.項目26に記載の方法であって、有効量の次の化合物または薬学的に許容可能なその塩:
を投与することを含む、方法。
29.項目22〜28の何れか1項に記載の方法であって、前記出生前胎児炎症が妊娠中の子宮内炎症を含む、方法。
30.項目22〜29の何れか1項に記載の方法であって、前記周産期または新生児罹病が臓器の障害または損傷を含む、方法。
31.項目30に記載の方法であって、前記臓器が、肺、脳および/または腸である、方法。
32.項目31に記載の方法であって、前記臓器が、肺、脳および腸である、方法。
33.項目22〜32の何れか1項に記載の方法であって、前記周産期または新生児罹病が神経または神経発達障害を含む、方法。
34.項目33に記載の方法であって、前記神経または神経発達障害が脳性まひ、精神遅滞または自閉症である、方法。
35.項目22〜34の何れか1項に記載の方法であって、前記新生児死亡が生後1週間以内の死亡である、方法。
36.項目22〜35の何れか1項に記載の方法であって、前記妊婦が感染に罹患している、方法。
37.項目36に記載の方法であって、前記感染が子宮胎盤感染である、方法。
38.項目36または37に記載の方法であって、前記感染が尿路感染または羊水内感染である、方法。
39.項目36〜38の何れか1項に記載の方法であって、前記感染が細菌感染である、方法。
40.項目39に記載の方法であって、前記細菌感染がグラム陰性細菌感染である、方法。
41.項目40に記載の方法であって、前記グラム陰性細菌感染がエスケリキア・コリ(Escherichia coli)感染である、方法。
42.項目22〜41の何れか1項に記載の方法であって、前記化合物が、注射、経口投与または胎児投与用である、方法。
43.出生前胎児炎症により引き起こされる周産期または新生児罹病および死亡を予防するかまたはそのリスクを軽減するための、式Iの化合物または薬学的に許容可能なその塩:
(式中、
はHまたはC−C12アルキルまたはアシル基であり;
はOHまたはNRであり、式中、RおよびRはそれぞれ独立にHまたはC−Cアルキルである。)の使用であって、
前記化合物または薬学的に許容可能なその塩が、出生前胎児炎症に罹患している妊婦に対する投与用である、使用。
44.出生前胎児炎症により引き起こされる周産期または新生児罹病および死亡を予防するかまたはそのリスクを軽減するための、式Iの化合物または薬学的に許容可能なその塩:
(式中、
はHまたはC−C12アルキルまたはアシル基であり;
はORまたはNRであり、式中、RおよびRはそれぞれ独立にHまたはC−Cアルキルである。)の使用であって、
前記式Iの化合物または薬学的に許容可能なその塩が、出生前胎児炎症に罹患している妊婦に対する投与用である、使用。
45.RがHである、項目43または44に記載の使用。
46.RがOHである、項目43〜45の何れか1項に記載の使用。
47.RがNHである、項目43〜45の何れか1項に記載の使用。
48.項目43〜47の何れか1項に記載の使用であって、式Iaの化合物または薬学的に許容可能なその塩
が使用される、使用。
49.項目48に記載の使用であって、次の化合物または薬学的に許容可能なその塩:
が使用される、使用。
50.項目48に記載の使用であって、次の化合物または薬学的に許容可能なその塩:
が使用される、使用。
51.項目43〜50の何れか1項に記載の使用であって、前記出生前胎児炎症が妊娠中の子宮内炎症を含む、使用。
52.項目43〜51の何れか1項に記載の使用であって、前記周産期または新生児罹病が臓器の障害または損傷を含む、使用。
53.項目52に記載の使用であって、前記臓器が、肺、脳および/または腸である、使用。
54.項目53に記載の使用であって、前記臓器が、肺、脳および腸である、使用。
55.項目43〜54の何れか1項に記載の使用であって、前記周産期または新生児罹病が神経または神経発達障害を含む、使用。
56.項目55に記載の使用であって、前記神経発達障害が、脳性まひ、精神遅滞または自閉症である、使用。
57.項目43〜56の何れか1項に記載の使用であって、前記新生児死亡が生後1週間以内の死亡である、使用。
58.項目43〜57の何れか1項に記載の使用であって、前記妊婦が感染に罹患している、使用。
59.項目58に記載の使用であって、前記感染が子宮胎盤感染である、使用。
60.項目58または59に記載の使用であって、前記感染が尿路感染または羊水内感染である、使用。
61.項目58〜60の何れか1項に記載の使用であって、前記感染が細菌感染である、使用。
62.項目61に記載の使用であって、前記細菌感染がグラム陰性細菌感染である、使用。
63.項目62に記載の使用であって、前記グラム陰性細菌感染がエスケリキア・コリ(Escherichia coli)感染である、使用。
64.項目43〜63の何れか1項に記載の使用であって、前記化合物が、注射、経口投与または胎児投与用である、使用。
添付の図面を参照して単なる例として与えられるその具体的な実施形態の次の非限定的な記載を読めば、本発明の他の目的、長所および特性がより明らかになろう。添付の図面において、次のとおりである。
図1Aは、本明細書中に記載の実施例1〜5で使用される動物モデルを示す。タイミングをはかって妊娠させたCD−1マウスを妊娠16.5日(G16.5)に1μgのIL−1βに曝露した。IL−1βでの刺激の30分前に化合物1(Cmpd1)、Kineretまたはビヒクルを頸部皮膚に皮下注射し、期間(G19〜G19.5)までマウス分娩を毎時間評価した。 図1Bは、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretと一緒に投与したIL−1β処置における、出生時の新生児生存のパーセンテージを示す。一元ANOVAはIL−1β+Vehと比較した。***p<0.001。対照(n=9)、偽処置(n=7)、IL−1β(n=26)、IL−1β+化合物1(n=22)、IL−1β+Kin(n=11)。 図1Cは、子宮内IL−1βに対する24時間曝露後の雌親の帝王切開を示す。 図2A〜2Dは、ELISAにより評価した場合の、IL−1β注射およびビヒクル、化合物1またはKineretでの処置の24時間後に回収した羊水(AF)中の炎症促進性介在物質IL−1β(図2A)、IL−6(図2B)、IL−8(図2C)およびPGF2α(図2D)のレベルを示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。**p<0.01、***p<0.001。STATS:n=4;各群2匹の動物からの4個の胎嚢。 図2A〜2Dは、ELISAにより評価した場合の、IL−1β注射およびビヒクル、化合物1またはKineretでの処置の24時間後に回収した羊水(AF)中の炎症促進性介在物質IL−1β(図2A)、IL−6(図2B)、IL−8(図2C)およびPGF2α(図2D)のレベルを示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。**p<0.01、***p<0.001。STATS:n=4;各群2匹の動物からの4個の胎嚢。 図2A〜2Dは、ELISAにより評価した場合の、IL−1β注射およびビヒクル、化合物1またはKineretでの処置の24時間後に回収した羊水(AF)中の炎症促進性介在物質IL−1β(図2A)、IL−6(図2B)、IL−8(図2C)およびPGF2α(図2D)のレベルを示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。**p<0.01、***p<0.001。STATS:n=4;各群2匹の動物からの4個の胎嚢。 図2A〜2Dは、ELISAにより評価した場合の、IL−1β注射およびビヒクル、化合物1またはKineretでの処置の24時間後に回収した羊水(AF)中の炎症促進性介在物質IL−1β(図2A)、IL−6(図2B)、IL−8(図2C)およびPGF2α(図2D)のレベルを示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。**p<0.01、***p<0.001。STATS:n=4;各群2匹の動物からの4個の胎嚢。 図3A〜3Dは、ELISAにより評価した場合の、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretを投与したIL−1β処置雌親からの新生児の肺における、炎症促進性介在物質IL−1β(図3A)、IL−6(図3B)、IL−8(図3C)およびPGF2α(図3D)のレベルを示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。p<0.05、**p<0.01。各群n=4匹の子。 図3A〜3Dは、ELISAにより評価した場合の、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretを投与したIL−1β処置雌親からの新生児の肺における、炎症促進性介在物質IL−1β(図3A)、IL−6(図3B)、IL−8(図3C)およびPGF2α(図3D)のレベルを示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。p<0.05、**p<0.01。各群n=4匹の子。 図3A〜3Dは、ELISAにより評価した場合の、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretを投与したIL−1β処置雌親からの新生児の肺における、炎症促進性介在物質IL−1β(図3A)、IL−6(図3B)、IL−8(図3C)およびPGF2α(図3D)のレベルを示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。p<0.05、**p<0.01。各群n=4匹の子。 図3A〜3Dは、ELISAにより評価した場合の、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretを投与したIL−1β処置雌親からの新生児の肺における、炎症促進性介在物質IL−1β(図3A)、IL−6(図3B)、IL−8(図3C)およびPGF2α(図3D)のレベルを示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。p<0.05、**p<0.01。各群n=4匹の子。 図4Aは、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretとともに投与したIL−1β処置雌親からの子における肺胞数(1mmあたり)を示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。p<0.05、***p<0.001。偽処置(n=6匹の子)、IL−1β(n=3匹の子)、IL−1β+化合物1(n=6匹の子)、IL−1β+Kin(n=8匹の子)。 図4Bは、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretを投与したIL−1β処置雌親からの子の肺の代表的な組織学的分析を示す。 図5A〜5Dは、ELISAにより評価した場合の、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretとともに投与したIL−1β処置雌親からの新生児の腸における炎症促進性介在物質IL−1β(図5A)、IL−6(図5B)、IL−8(図5C)およびPGF2α(図5D)のレベルを示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。p<0.05。各群n=4匹の子。 図5A〜5Dは、ELISAにより評価した場合の、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretとともに投与したIL−1β処置雌親からの新生児の腸における炎症促進性介在物質IL−1β(図5A)、IL−6(図5B)、IL−8(図5C)およびPGF2α(図5D)のレベルを示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。p<0.05。各群n=4匹の子。 図5A〜5Dは、ELISAにより評価した場合の、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretとともに投与したIL−1β処置雌親からの新生児の腸における炎症促進性介在物質IL−1β(図5A)、IL−6(図5B)、IL−8(図5C)およびPGF2α(図5D)のレベルを示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。p<0.05。各群n=4匹の子。 図5A〜5Dは、ELISAにより評価した場合の、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretとともに投与したIL−1β処置雌親からの新生児の腸における炎症促進性介在物質IL−1β(図5A)、IL−6(図5B)、IL−8(図5C)およびPGF2α(図5D)のレベルを示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。p<0.05。各群n=4匹の子。 図6A〜6Dは、偽処置(図6A)および、ビヒクル(図6B)、化合物1(図6C)またはKineret(図6D)とともに投与したIL−1β処置雌親からの新生児の回腸の代表的な組織学的分析を示す。矢印は陰窩を示す。スケール、1000μM。 図6A〜6Dは、偽処置(図6A)および、ビヒクル(図6B)、化合物1(図6C)またはKineret(図6D)とともに投与したIL−1β処置雌親からの新生児の回腸の代表的な組織学的分析を示す。矢印は陰窩を示す。スケール、1000μM。 図6A〜6Dは、偽処置(図6A)および、ビヒクル(図6B)、化合物1(図6C)またはKineret(図6D)とともに投与したIL−1β処置雌親からの新生児の回腸の代表的な組織学的分析を示す。矢印は陰窩を示す。スケール、1000μM。 図6A〜6Dは、偽処置(図6A)および、ビヒクル(図6B)、化合物1(図6C)またはKineret(図6D)とともに投与したIL−1β処置雌親からの新生児の回腸の代表的な組織学的分析を示す。矢印は陰窩を示す。スケール、1000μM。 図7Aおよび7Bは、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretとともに投与したIL−1β処置雌親からの新生児の結腸における常在性リンパ節の数およびサイズをそれぞれ示す。偽処置(n=6匹の子)、IL−1β(n=3匹の子)、IL−1β+化合物1(n=6匹の子)、IL−1β+Kin(n=8匹の子)。 図7Aおよび7Bは、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretとともに投与したIL−1β処置雌親からの新生児の結腸における常在性リンパ節の数およびサイズをそれぞれ示す。偽処置(n=6匹の子)、IL−1β(n=3匹の子)、IL−1β+化合物1(n=6匹の子)、IL−1β+Kin(n=8匹の子)。 図7Cは、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretとともに投与したIL−1β処置雌親からの子の結腸の代表的な組織学的分析を示す。スケール、250μM。 図8A〜8Dは、ELISAにより評価した場合の、偽処置および、ビヒクル、化合物1またはKineretとともに投与したIL−1β処置雌親からの新生児の胎児脳組織における炎症促進性介在物質IL−1β(図8A)、IL−6(図8B)、IL−8(図8C)およびPGF2α(図8D)のレベルを示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。各群のn=4匹の子。 図9は、偽処置および、インドメタシン、(indo)、ビヒクル、化合物1またはKineretとともに投与したIL−1β処置雌親からの子におけるPT15での行動解析(オープンフィールド試験)の結果を示す。一元ANOVAは、IL−1β+Vehと比較した。p<0.05。偽処置(n=8匹の子)、IL−1β(n=8匹の子)、IL−1β+化合物1(n=8匹の子)、IL−1β+Kin(n=5匹の子)、IL−1β+indo(n=8匹の子)。 図10A〜10Dは、マウスにおいて、母体LPS投与後の胎児脳における炎症促進性サイトカインの誘導が、化合物2(cmpd2)により抑制されることを示す。C57Bl/6マウスを同じ遺伝子型の雄と交配させ、化合物2ありまたはなしでLPSを投与し、胎児頭部を回収した。qPCRにより各組織においてIl1a(図10A)、Il1b(図10B)、Il6(図10C)およびTnf(図10D)mRNAの相対的発現を調べ、Actbに対して正規化した。データは、n=6匹雌親/群で2つの移植部位からプールされる組織における、平均±SEM相対的遺伝子発現として示す。クルスカル−ウォリスおよびマン・ホイットニーU−検定によってLPSおよび化合物2の効果を分析した。a、bは、群間の有意差を示す、p<0.05。 図11A〜11Dは、妊娠期間の長さ、周産期生存および子の出生時体重における、子宮内での化合物2への曝露の効果を示す。妊娠16.5日(gd)に、妊娠雌にi.p.でLPSまたはPBS対照の何れかを与え、次いで化合物2またはPBSビヒクルをi.p.で12時間間隔でgd16.5、17.0、17.5および18.0に与えた。出産のタイミング(図11A);生存可能な子の数/出産時の子の数(図11B);1週間まで生存した子の割合(図11C)および12〜24時間での出生体重(図11D)を記録した(全て平均±SEM)。各群中の処置雌親の数を括弧内に示し(群あたりn=10、出生時n=48〜57重み付き/群)、データはANOVAおよび事後シダックt検定により解析した;P<0.05。 図12Aおよび12Bは、出生子での成長軌跡における子宮内での化合物2への曝露の効果を示す。妊娠雌にLPSまたはPBS対照の何れかをgd16.5にi.p.で与え、次いでgd16.5、17.0、17.5および18.0に12時間間隔で化合物2またはPBSビヒクルをi.p.で与えた。LPSおよび/または化合物2を与えられた母親の雄(図12A)および雌(図12B)子孫の成長軌跡は、各群において雄n=20匹および雌n=20匹出生子の推定限界平均±SEMとして示す;P<0.05)。混合モデル線形反復測定ANOVAおよび事後シダック検定によってデータを分析した。
本発明を記載する文脈における「a」および「an」および「the」という用語および同様の指示対象の使用(特に次の特許請求の範囲の文脈において)は、本明細書中で別段の指示がない限り、または文脈により明らかに否定されない限り、単数および複数の両方を包含するものと解釈すべきである。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」および「含有する(containing)」という用語は、別段の記載がない限り、制約のない用語として解釈されたい(すなわち、「含むが限定されない。」を意味する。)。別段の定めがない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の熟練者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書中の値の範囲の引用は、本明細書中で別段の断りがない限り、単に、範囲内に入る各個別の値を個々に指す省略法であるものとし、各個別の値は、それが本明細書中で個々に引用されるかのように、本明細書に組み込まれる。範囲内の値の全てのサブセットも、それらが本明細書中で個々に引用されるかのように、本明細書に組み込まれる。
本明細書中で提供されるあらゆる例または代表的な語(「など(such as)」、「例えば」)の使用は、単に本発明をより詳しく示すためのものであり、別段の主張がない限り、本発明の範囲に対する限定を提起するものではない。
本明細書中で、「約」という用語は、その通常の意味を有する。「約」という用語は、値が、値を決定するために使用されている装置または方法に対する固有のエラーの変動を含むかまたは引用される値に近い値、例えば引用値(または値の範囲)の10%または5%以内を包含することを示すために使用される。
本明細書中で、「アルキル」という用語は、当技術分野でのその通常の意味を有する。別段の指摘がない限り、これらの基の炭化水素鎖は直鎖状または分岐状であり得ることに注意されたい。「アシル」という用語は、式RCO−(式中、Rは、単結合でCO基に連結されるアルキル基を指す。)の基を指す。
本明細書中に記載の研究において、本発明者らは、出生前胎児炎症/感染のマウスモデルにおいて、式Iのインターロイキン−1受容体(IL−1R)アンタゴニスト(本明細書中で記載のような化合物1または2)の妊婦への投与が、炎症により引き起こされる周産期/新生児転帰の改善に関与し、すなわち周産期/新生児罹病および/または死亡を予防または軽減することを示した。特に、妊娠期間中のIL−1Rアンタゴニストの投与の結果、新生児におけるある種の臓器(肺、脳および腸)に対する炎症介在性損傷が軽減され、対照ビヒクル処置動物と比較して周産期/新生児死亡が減少した。また、化合物1は、新生児死亡、炎症および新生児臓器における炎症介在性損傷の軽減で、組み換えヒトインターロイキン−1受容体アンタゴニスト(Kineret(登録商標))よりも、顕著に有効であった。
したがって、第一の態様において、本発明は、周産期/新生児転帰を改善するための、例えば(例えば子宮内炎症または子宮粘膜の炎症などの出生前胎児炎症と関連する)周産期/新生児罹病および/または死亡を減少させるための方法であって、必要とするヒト妊婦に有効量の式Iの化合物または薬学的に許容可能なその塩を投与することを含む方法を提供する:
(式中、
はHまたはC−C12アルキルまたはアシル基、例えばC−Cアルキルもしくはアシル基またはC−Cアルキルもしくはアシル基であり;
はORまたはNRであり、式中、RおよびRはそれぞれ独立にHまたはC−Cアルキルである。)。
一実施形態において、アルキルは直鎖状アルキルである。
「周産期/新生児罹病」という用語は、本明細書中で使用される場合、妊娠中の胎児および/または出生から4週間の間の新生児において作用する、悪影響または処置の結果として起こる、胎児または新生児における障害または状態を指す。
「出生前」とは、本明細書中で使用される場合、受胎と出生との間の期間を指す。
「周産期」とは、本明細書中で使用される場合、「出産前後」に存在する期間を指し、例えば、およそ妊娠満22週(154日)から出産後およそ満7日の期間である。産後期間は、小児の出生直後に始まり、約6週間まで続く。「新生児」は、出生から、数秒、数分、数時間、数日内または数週間までである乳児である生まれたばかりの子として定義される。医療状況において、生まれたばかりの子または新生児は、出生1カ月以内の乳児を指す(例えば約1、2、3または4週齢)。「生まれたばかりの子」という用語は、未熟乳児、過熟乳児および正期産の生まれたばかりの子を含む。一実施形態において、生まれたばかりの子は、過熟乳児または正期産の生まれたばかりの子である。
別の態様において、本発明は、新生児転帰を改善するための、例えば(例えば子宮内炎症または子宮粘膜の炎症などの出生前胎児炎症と関連する)新生児罹病および/または死亡を軽減するための方法であって、必要とする新生児、例えば出生前胎児炎症が起こった母親の新生児に有効量の式Iの化合物または薬学的に許容可能なその塩を投与することを含む方法を提供する。
一実施形態において、周産期/新生児罹病は、肺、脳および/または腸への損傷を含む臓器障害、呼吸器障害(仮死、気管支肺異形成症、肺炎)、免疫系障害、胃腸障害(例えば壊死性腸炎)、全身性および肺高血圧、早期発症型の新生児敗血症、敗血症性ショックおよび/または神経または発達上の問題/ハンディキャップを含む。新生児における神経および/または発達上の問題の結果、短期、中期および/または長期神経状態、合併症または続発症、例えば脳性まひ、認知スキル障害、行動および精神的問題(例えば精神遅滞および自閉症)が起こり得る。したがって、「周産期/新生児罹病の軽減」または「周産期/新生児罹病のリスク軽減」という用語は、胎児または新生児の直接的な損傷、傷害および障害だけでなく、小児期/成人期中に後に起こり得るその長期合併症/続発症を軽減すること(またはこのような障害/合併症を発症するリスクを軽減すること)を含む。
一実施形態において、上述の方法は、新生児罹病および/または死亡を減少させるためである。
別の態様において、本発明は、ヒト新生児において新生児臓器障害、新生児神経発達障害および/または新生児死亡を予防するかまたはそのリスクを軽減するための方法であって、必要とするヒト妊婦に有効量の式Iの化合物または薬学的に許容可能なその塩を投与することを含む方法を提供する。
一実施形態において、上述の方法は、新生児臓器障害を予防するかまたは軽減するためである。別の実施形態において、上述の方法は、新生児脳損傷を予防または軽減し、神経発達または精神障害に罹患するリスクを軽減するためである。
別の態様において、本発明は、ヒト新生児の新生児死亡を予防するかまたはそのリスクを軽減するための方法であって、必要とするヒト妊婦に有効量の式Iの化合物または薬学的に許容可能なその塩を投与することを含む方法を提供する。
本明細書中で使用される場合、「予防する」という用語は、統計見本における、未処置対照試料と比較した場合の、処置試料における、障害または状態の発生の減少、未処置対照試料と比較した場合の、発症の遅延および/または障害もしくは状態の1つ以上の症状の重症度の低下を指す。
一実施形態において、処置を必要とするヒト妊婦は、出生前胎児炎症、例えば(胎児炎症反応症候群(FIRS)、尿路感染、羊水炎症、子宮内および/または子宮胎盤周産期炎症、すなわち病態生理学的IL−1(IL−1β)合成/分泌を伴う炎症)を呈するか、または呈するリスクもしくは疑いがある。
一実施形態において、ヒト妊婦は、炎症および病態生理学的IL−1(IL−1β)合成/分泌を促進する感染病原体、例えば細菌、ウイルスおよび他の微生物、例えば酵母、真菌など、ならびに寄生虫、例えば原生動物および蠕虫など(例えば、カンジダ感染、トキソプラズマ症など)に感染している。感染は、本明細書中で使用される場合、微生物の不均衡、例えば炎症を引き起こす「常在」微生物の病態生理学的レベル(または通常はより低いレベルで存在する生物の過剰増殖)も包含する。
さらなる実施形態において、ヒト妊婦は、羊水内感染/炎症(絨毛羊膜炎)または感染を呈するか、または呈するリスクもしくは疑いがある。絨毛羊膜炎は、膜破裂の場合、多微生物性細菌感染を上行させることによって引き起こされることが多いが、かなりの割合の女性の下部生殖管で見出される、ウレアプラズマ種(例えばウレアプラズマ・ウレアリチクム(Ureaplasma urealyticum)およびマイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)などの性器マイコプラズマでの感染の場合は膜が完全でも起こり得る。羊水内感染/炎症がある女性での他の一般的な分離株としては、嫌気性菌、例えばガルドネレラ・バジナリス(Gardnerella vaginalis)およびバクテロイデスが挙げられ、B群連鎖球菌を含む好気性菌およびエスケリキア・コリ(Escherichia coli)を含むグラム陰性桿菌が挙げられる。一実施形態において、ヒト妊婦はグラム陰性細菌感染に罹患している。
羊水内感染/炎症の臨床徴候/症状としては、例えば、母体発熱、母体頻拍(例えば>100BPM)および胎児頻拍(例えば>160BPM)、子宮底圧痛、膣感染および羊水に対する悪臭が挙げられる(例えば、TitaおよびAndrews,2010.Clin Perinatol 37(2):339−354を参照)。微生物増殖、グラム染色、グルコースレベル、インターロイキン−6レベル、マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)の存在、白血球細胞数および白血球エステラーゼなどの羊水における臨床検査は、羊水内感染/炎症の診断に有用であり得る。母体の臨床検査パラメーター、例えば母体の白血球増加(WBC>12,000/mmまたは>15,000/mmとして様々に定義される。)ならびに高レベルのC−反応性タンパク質(CRP)、リポ多糖類結合タンパク質(LBP)、可溶性細胞間接着分子1(sICAM1)およびインターロイキン6などである。胎盤の炎症は、磁気共鳴画像法(MRI)に基づく方法(Girardi G.,J Reprod Immunol.2015 Jul 2.pii:S0165−0378(15)00094−7)によっても検出され得る。
一実施形態において、処置を必要とするヒト妊婦は、FIRSを呈するか、または呈するリスクもしくは疑いがある。FIRSは、全身性炎症、胎児免疫系の活性化、臍帯炎および臍帯血中の炎症促進性サイトカインレベル(例えばIL−6)の上昇を特徴とする。
別の実施形態において、ヒト妊婦は、炎症関連妊娠合併症の病歴または炎症関連妊娠合併症に罹患する傾向がある。
一実施形態において、上述の方法は、処置を必要とするヒト妊婦、すなわち出生前胎児炎症、例えば、子宮内出生前炎症または子宮粘膜の炎症を呈するか、または呈するリスクもしくは疑いがあるヒト妊婦を同定することをさらに含む。
一実施形態において、式Iの化合物の投与は予防的に、すなわち、炎症の発生/発症前に開始される(予防的処置)。別の実施形態において、式Iの化合物の投与は、炎症の発生/発症後に開始される(治療的処置)。
式Iの化合物は、インターロイキン−1受容体(IL−1R)のアンタゴニストである。これらの化合物の合成および特徴は、米国特許第8,618,054号明細書に記載されている。これらの化合物は、当技術分野で周知の手動および自動化固相手順によって容易に合成され得る。適切な合成は、例えば「t−Boc」または「Fmoc」手順、セグメント縮合(segment condensation)または当技術分野で公知の他の方法(例えば、Behrendt R,J Pept Sci.2016 Jan;22(1):4−27;HansenおよびOddo,Method of Mol Biol.2015;1348:33−50;Amblardら、Molecular Biotechnology July 2006,Volume 33,Issue 3,pp239−254;W.D.Lubell,J.W.Blankenship,G.FridkinおよびR.Kaul(2005)“Peptide.”Science of Synthesis 21.11,Chemistry of Amides.Thieme,Stuttgart,713−809を参照)を利用することによって行われ得る。これらの化合物は、化合物2に対する下記の実施例4で開示される方法および条件を用いて合成され得る。
下記に記載の化合物1および2または薬学的に許容可能なその塩など、式Iによる化合物はまた、Elim Biopharmaceuticals(登録商標)、GenScript(登録商標)、Sigma−Aldrich(登録商標)など、カスタム化学合成サービス業者からも購入し得る。
式Iの化合物は、いくつかの不斉炭素原子を有し、したがって、光学的に純粋なエナンチオマーの形態で、ラセミ体として、およびそれらの混合物として、存在し得る。光学的に活性のある形態の合成は、当技術分野で周知の有機化学の標準的技術によって、例えば再結晶化技術によるラセミ形態の分割によって、キラル合成によって、酵素での分割によって、生体内変換によって、またはクロマトグラフ分離によって、行われ得る。
一実施形態において、本化合物または薬学的に許容可能なその塩は、式Iaの化合物または薬学的に許容可能なその塩:
である。
一実施形態において、RはHである。別の実施形態において、RはOHまたはNHである。
さらなる実施形態において、本化合物または薬学的に許容可能なその塩は、化合物1(cmpd1)または薬学的に許容可能なその塩:
である。
別の実施形態において、本化合物または薬学的に許容可能なその塩は、化合物2(cmpd2)または薬学的に許容可能なその塩:
である。
本発明内で、式Iの化合物は、互変異性の現象を示し得ることおよび、本明細書内の式の描画は、可能性のある互変異性形態のうち1つのみを示し得ることを理解されたい。本発明が、あらゆる互変異性形態の使用を包含し、式の描画内で利用される何らかの1つの互変異性形態にのみ限定されないことを理解されたい。ある一定の化合物が、多型性を示し得ること、および本発明が全てのこのような形態の使用を包含することも理解されたい。
また、実施形態において、上述の化合物は薬学的に許容可能な塩の形態である。本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容可能な塩」という用語は、親化合物の生物学的活性を保持する、および生物学的に、あるいはその他の意味で望ましくないものでない化合物の塩を指す。このような塩は、類似体の最終的な単離および精製中にインシトゥで調製され得るか、または遊離塩基官能基を適切な酸と反応させることによって個別に調製され得る。上述の化合物は、それと同様のアミノおよび/またはカルボキシル基の存在の理由で酸および/または塩基塩を形成可能である。
薬学的に許容可能な酸付加塩は、無機および有機酸から調製され得る。代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファスルホン酸塩、デカン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イソチオネート(isothionate))、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、オクタン酸塩、シュウ酸塩、パルミトエート(palmitoate)、ペクチネート、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩が挙げられるが限定されない。無機酸由来の塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。有機酸由来の塩としては、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、ギ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。薬学的に許容可能な酸付加塩を形成させるために使用され得る酸の例としては、例えば無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸など、および有機酸、例えば、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸などが挙げられる。
薬学的に許容可能な金属陽イオンの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩などの適切な塩基と、またはアンモニアもしくは有機一級、二級もしくは三級アミンと、カルボン酸含有部分を反応させることによって、塩基付加塩も調製し得る。薬学的に許容可能な塩としては、とりわけ、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウム塩などに基づく陽イオンおよびアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウムおよびエチルアンモニウムを含む、無毒性の四級アンモニアおよびアミン陽イオンが挙げられるが限定されない。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ピペラジンなどが挙げられる。有機塩基由来の塩としては、一級、二級および三級アミンの塩が挙げられるが限定されない。一実施形態において、上述の化合物は、ギ酸塩、塩酸(HCl)塩またはナトリウム(Na)塩の形態である。
実施形態において、本明細書中で定義される化合物または薬学的に許容可能なその塩は、1つ以上の薬学的に許容可能な担体および/または賦形剤も含む医薬組成物中に含まれる。このような組成物は、医薬の技術分野で周知のように調製され得る。追加の活性化合物も本組成物中に組み込まれ得る。担体/賦形剤は、例えば、静脈内、非経口、皮下、筋肉内、頭蓋内、眼窩内、眼、脳室内、関節内、脊髄内、クモ膜下腔内、子宮内、硬膜外、大槽内、腹腔内、鼻腔内、直腸、膣または肺(例えばエアロゾル)投与に適切であり得る(Remington:The Science and Practice of Pharmacy by Alfonso R.Gennaro,2003,21th edition,Mack Publishing Companyを参照)。本明細書中で定義される化合物または薬学的に許容可能なその塩は、溶液、錠剤、カプセル、ゲル/ゼラチン、クリーム、ローション、座薬、シロップ、乳液または懸濁液の形態で処方される医薬組成物中に含まれる。
一実施形態において、担体/賦形剤は、皮内または皮下投与に適切である。一実施形態において、担体/賦形剤は、経口投与に適切である。一実施形態において、担体/賦形剤は、膣投与に適切である。治療用製剤は、1つ以上の任意の薬学的に許容可能な担体、賦形剤および/または安定化剤と所望の純度を有する活性成分を混合することによって、当技術分野で公知の標準的な方法を使用して調製される。
「賦形剤」は、本明細書中で使用される場合、当技術分野におけるその通常の意味を有し、それ自身活性成分(薬物)ではない何らかの成分である。賦形剤としては、例えば結合剤、潤滑剤、希釈剤、充填剤、増粘剤、崩壊剤、可塑剤、コーティング、障壁層処方物、潤滑剤、安定化剤、放出遅延剤および他の構成成分が挙げられる。「薬学的に許容可能な賦形剤」は、本明細書中で使用される場合、活性成分の生物学的活性の有効性を妨げず、対象にとって無毒性、すなわち賦形剤のタイプであり、および/または対象にとって有毒でない量での使用のためである何らかの賦形剤を指す。賦形剤は、当技術分野で周知であり、本システムは、これらの点において限定されない。当業者が認識するように、単一の賦形剤は、同時に2つを超える機能を満たし得、例えば結合剤および増粘剤の両方として作用し得る。当業者がまた認識するように、これらの用語は必ずしも相互に排他的ではない。
有用な希釈剤、例えば充填剤としては、例えばリン酸二カルシウム、二リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、塩化ナトリウム、デンプン、粉砂糖、コロイド状二酸化ケイ素、酸化チタン、アルミナ、タルク、コロイド状シリカ、微結晶セルロース、ケイ化微結晶セルロースおよびそれらの組み合わせが挙げられるが限定されない。的確なサイズおよび重量の錠剤を作製するために最小薬物用量を伴う錠剤に嵩を付加し得る充填剤としては、クロスカルメロースナトリウムNF/EP(例えばAc−Di−Sol);無水ラクトースNF/EP(例えばPharmatose(商標)DCL 21);および/またはポビドンUSP/EPが挙げられる。
結合剤物質としては、例えばデンプン類(コーンスターチおよびアルファ化デンプンを含む。)、ゼラチン、糖類(スクロース、グルコース、デキストロースおよびラクトースを含む。)、ポリエチレングリコール、ポビドン、ワックスおよび天然および合成ゴム、例えば、アカシアアルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン(PVP)、セルロース性ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、コロイド状二酸化ケイ素NF/EP(例えば、Cab−O−Sil(商標)M5P)、ケイ化微結晶セルロース(SMCC)、例えば、ケイ化微結晶セルロースNF/EP(例えば、Prosolv(商標)SMCC90)および二酸化ケイ素、それらの混合物など)、ビーガムおよびそれらの組み合わせが挙げられるが限定されない。
有用な潤滑剤としては、例えばキャノーラ油、パルミトステアリン酸グリセリン、硬化植物油(I型)、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸フマル酸ナトリウム(sodium stearate fumarate)、ステアリン酸、タルクおよびステアリン酸亜鉛、グリセリルベハペート(glyceryl behapate)、ラウリル硫酸マグネシウム、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム/酢酸ナトリウム(混合物)、DL−ロイシン、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、それらの混合物などが挙げられる。
増量剤としては、例えば:微結晶セルロース、例えば、結合剤特性も有する、AVICEL(登録商標)(FMC Corp.)またはEMCOCEL(登録商標)(Mendell Inc.);リン酸二カルシウム、例えばEMCOMPRESS(登録商標)(Mendell Inc.);硫酸カルシウム、例えばCOMPACTROL(登録商標)(Mendell Inc.);およびデンプン類、例えばStarch 1500;およびポリエチレングリコールs(CARBOWAX(登録商標))が挙げられる。
崩壊剤または溶解促進剤としては、デンプン類、粘土、セルロース、アルギン酸、ゴム、架橋ポリマー、コロイド状二酸化ケイ素、オスモゲン(osmogen)、それらの混合物など、例えば架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(AC−DI−SOL(登録商標))、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(EXPLOTAB(登録商標)、PRIMO JEL(登録商標))架橋ポリビニルポリピロリドン(PLASONE−XL(登録商標))、塩化ナトリウム、スクロース、ラクトースおよびマンニトールが挙げられる。
固形経口剤型のコアおよび/またはコーティングにおいて使用可能な抗接着剤および流動促進剤としては、とりわけ、タルク、デンプン類(例えばコーンスターチ)、セルロース、二酸化ケイ素、ラウリル硫酸ナトリウム、コロイド状二酸化シリカおよびステアリン酸金属塩が挙げられ得る。
シリカ流動調整剤の例としては、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウムアルミニウムおよびグアーガムが挙げられる。
適切な界面活性剤としては、薬学的に許容可能な非イオン性、イオン性および陰イオン性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウムである。必要に応じて、投与しようとする医薬組成物は、少量の無毒性の補助物質、例えば湿潤または乳化剤、pH−緩衝剤など、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、酢酸ナトリウムトリエタノールアミン、オレイン酸トリエタノールアミンなども含有し得る。必要に応じて、香味剤、着色剤および/または甘味剤も添加し得る。
安定化剤の例としては、アカシア、アルブミン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、ベントナイト、リン酸二カルシウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイド状二酸化ケイ素、シクロデキストリン、モノステアリン酸グリセリン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、三ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、プロピレングリコール、プロピレングリコールアルギネート、アルギン酸ナトリウム、カルナウバろう、キサンタンガム、デンプン、ステアリン酸塩、ステアリン酸、ステアリックモノグリセリドおよびステアリルアルコールが挙げられる。
増粘剤の例は、例えばタルクUSP/EP、天然ゴム、例えばグアーガムまたはアラビアゴムなど、またはセルロース誘導体、例えば微結晶セルロースNF/EP(例えばAvicel(商標)PH102)、メチルセルロース、エチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースなどであり得る。有用な増粘剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、様々な粘度グレードで利用可能であるアジュバントである。
可塑剤の例としては、アセチル化モノグリセリド;これらは、食品添加物として使用され得;食品包装、医薬品、化粧品および小児用玩具で使用されるクエン酸アルキル;クエン酸トリエチル(TEC);TECより沸点が高く揮発度が低いクエン酸アセチルトリエチル(ATEC);クエン酸トリブチル(TBC);PVCおよび塩化ビニルコポリマーと適合性があるアセチルクエン酸トリブチル(ATBC);ガムおよび制御放出薬品に対しても使用されるクエン酸トリオクチル(TOC);PVCと適合性があり、制御放出薬品に対しても使用されるクエン酸トリヘキシル(THC);PVCと適合性があるクエン酸アセチルトリヘキシル(ATHC);PVCと適合性があるクエン酸ブチリルトリヘキシル(BTHC、クエン酸トリヘキシルo−ブチリル);PVCと適合性があるクエン酸トリメチル(TMC);アルキルスルホン酸フェニルエステル、ポリエチレングリコール(PEG)またはそれらの何らかの組み合わせが挙げられる。
浸透促進剤の例としては、スルホキシド(ジメチルスルホキシド、DMSOなど)、アゾン(例えばラウロカプラム)、ピロリドン(例えば2−ピロリドン、2P)、アルコールおよびアルカノール(エタノールまたはデカノール)、グリコール(例えばプロピレングリコールおよびポリエチレングリコール)、界面活性剤およびテルペン類が挙げられる。
経口投与に適切な処方物としては、(a)液体溶液、例えば希釈剤、例えば水、生理食塩水またはPEG400中で懸濁される有効量の活性物質/組成物など;(b)それぞれが液体、固体、顆粒またはゼラチンとして所定量の活性成分を含有する、カプセル、サシェまたは錠剤;(c)適切な液体中の懸濁液;および(d)適切なエマルションが挙げられ得る。錠剤形態は、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、微結晶セルロース、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸および他の賦形剤、着色剤、充填剤、結合剤、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤、香味剤、色素、崩壊剤および医薬適合性担体のうち1つ以上を含み得る。ロゼンジ形態は、香味料、例えば、スクロース中に活性成分を含み得、トローチ剤は、活性成分に加えて当技術分野で公知の担体を含有する、不活性基剤、例えばゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアエマルション、ゲル、などの中に活性成分(本明細書中で定義されるような化合物)を含む。
非経口投与のための処方物は、例えば賦形剤、滅菌水または生理食塩水、ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコールなど、植物由来の油または水素添加ナフタレンを含有し得る。化合物の放出を調節するために、生体適合性、生体分解性のラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマーまたはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーを使用し得る。本明細書中に記載の化合物/組成物のための他の潜在的に有用な非経口送達系としては、エチレン酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み型点滴システムおよびリポソームが挙げられる。吸入のための処方物は、賦形剤(例えばラクトース)を含有し得るか、または例えば、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココール酸塩およびデオキシコール酸塩を含有する水溶液であり得るか、または点鼻薬の形態での、またはゲルとしての投与用の油性溶液であり得る。
座薬の場合、化合物(例えば粉末形態)は一般的には硬化脂肪など座薬基剤中に分散される。座薬基剤は、油性または脂肪性基剤であり得る。使用し得る従来からの座薬基剤としては、テオブロマ油、ハードファット、脂肪酸のグリセリド、グリセロール−ゼラチン基剤およびそれらの混合物が挙げられる。適切なハードファット基剤としては、脂肪酸のエステル化により得られるモノ、ジおよびトリグリセリドのエステル化混合物が挙げられるが限定されない(European Pharmacopoeia,3rd edition 1997,Deutscher Apotheker Verlag Stuttgart.p.1022;The United States Pharmacopoeia,USP 23,NF18)。このようなハードファットは、例えば商品名Witepsol(登録商標)(例えばWitepsol(登録商標)H12およびH15)として市販されている。他の適切な座薬基剤としては、カカオバター、ラウリン油、牛脂、ハードファットおよび前述のものの何れかの何らかの組み合わせが挙げられるが限定されない。
本化合物または医薬組成物の何れかの適切な量を妊婦に投与し得る。投与量は、投与方式を含む多くの要因に依存する。ある一定の疾患または状態の予防、処置または重症度軽減に対して、本化合物/組成物の適切な投与量は、処置しようとする疾患または状態のタイプ、疾患または状態の重症度および経過、本化合物/組成物が、予防目的で投与されるかまたは治療目的のために投与されるか、以前の治療、患者の臨床履歴および本化合物/組成物に対する反応および担当医師の裁量に依存する。本化合物/組成物は、1回でまたは一連の処置にわたり患者に適切に投与される。好ましくは、インビトロで、次いでヒトにおいて試験する前に有用な動物モデルで、用量反応曲線を決定することが望ましい。本発明は、同じものを含む化合物および組成物に対する投与量を提供する。例えば、疾患のタイプおよび重症度に依存して、1日あたり、1kg体重あたり約1μg/kg〜1000mg(mg/kg)である。さらに、有効用量は、0.5mg/kg、1mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg/25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、60mg/kg、70mg/kg、75mg/kg、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、125mg/kg、150mg/kg、175mg/kg、200mg/kgであり得、25mg/kgの増加量により1000mg/kgまで上昇させ得るか、または前述の値の何れか2つの間の範囲であり得る。典型的な1日投与量は、上述の要因に依存して、約1μg/kg〜100mg/kg以上の範囲であり得る。数日以上にわたる反復投与の場合、状態に依存して、疾患症状の所望の抑制が起こるまで処置が持続される。しかし、他の投与計画が有用であり得る。この治療の進捗は従来技術およびアッセイにより容易に監視される。実際の用量は、各患者に特有の臨床因子に基づいて担当医師によって慎重に選択され、用量設定されねばならないので、これらは単なる指針である。最適1日用量は、当技術分野で公知の方法によって決定され、患者の年齢および他の臨床的に関連のある要因などの要因により影響される。さらに、患者は他の疾患または状態に対する投薬を受け得る。
一実施形態において、本化合物または組成物は、妊娠第20週から投与される。実施形態において、本化合物または組成物は、妊娠第20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40週から投与される。一実施形態において、本化合物または組成物は、妊娠第37週の前に投与される。一実施形態において、本化合物または組成物は、妊娠約第20〜22週で開始して投与される。一実施形態において、本化合物または組成物は、妊娠約第23〜25週で開始して投与される。一実施形態において、本化合物または組成物は、妊娠約第26〜28週で開始して投与される。一実施形態において、本化合物または組成物は、妊娠約第29〜31週で開始して投与される。一実施形態において、本化合物または組成物は、妊娠約第32〜34週で開始して投与される。一実施形態において、本化合物または組成物は、妊娠約第35〜37週で開始して投与される。
一実施形態において、上述の処置は、複数の(すなわち混合物)活性/治療剤の使用/投与を含み、このうち1つは上述の式IまたはIaの化合物である。本発明の方法で使用される予防/治療剤および/または組成物の組み合わせは、何れかの従来の剤型で投与または同時投与され得る(例えば継続的に、同時に、異なる時間で)。本発明の文脈での同時投与は、臨床転帰改善を達成するための一連の協調的な処置における複数の治療剤の投与を指す。このような同時投与は、同一に広がるものでもあり得、すなわち、重なる時間中に起こる。例えば、第1の薬剤は、第2の活性薬剤が投与される前、それと同時、その前後またはその後に、患者に投与され得る。本薬剤は、一実施形態において、1つの組成物中で合わせられ得/処方され得、したがって同時に投与され得る。一実施形態において、1つ以上の活性薬剤は、問題となる障害を予防または処置するために、および/または関連状態を予防または処置するために、同時に使用される1つ以上の薬剤と組み合わせて使用/投与される。式IまたはIaの化合物は、例えばβ−アドレナリン作動性受容体アゴニストまたはβ−模倣物などの子宮収縮抑制薬、例えばテルブタリン(Brethine(登録商標)、Bricanyl(登録商標)、Brethaire(登録商標)またはTerbulin(登録商標))、リトドリン(Yutopar(登録商標))、フェノテロール(Berotec N(登録商標))、サルブタモール/アルブテロール(Ventolin(登録商標))など、Ca2+ブロッカー、例えばニフェジピン(Procardia(登録商標)、Adalat(登録商標))など、オキシトシン受容体アンタゴニスト、例えばアトシバン(Tractocile(登録商標)、Antocin(登録商標)、Aatosiban(登録商標))など、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)/プロスタグランジン阻害剤、例えばインドメタシン(Indocid(登録商標))、ケトロラクおよびスリンダク(Clinoril(登録商標))、プロゲスチン、抗プロスタグランジン、ナイトレート(ニトログリセリン)など、ならびにミオシン軽鎖阻害剤、例えば硫酸マグネシウムなどと同時投与され得る。
本化合物は、何らかの経路、例えば静脈内、非経口、皮下、筋肉内、頭蓋内、眼窩内、眼、脳室内、関節内、脊髄内、クモ膜下腔内、硬膜外、大槽内、腹腔内、子宮内、直腸、膣、鼻腔内または肺(例えばエアロゾル)投与により投与され得る(Remington:The Science and Practice of Pharmacy by Alfonso R.Gennaro,2003,21th edition,Mack Publishing Company参照)。妊婦への投与は、子宮内での胎児または妊娠組織への直接的な化合物送達も包含する。一実施形態において、本化合物は皮下投与され、すなわち皮下投与用である。別の実施形態において、本化合物は、経口投与され、すなわち経口投与用である。別の実施形態において、本化合物は、直腸または膣投与され、すなわち直腸または膣投与用である。別の実施形態において、本化合物は子宮内投与され、すなわち子宮内投与用である。別の実施形態において、本化合物は胎児または妊娠組織に子宮内投与され、すなわち胎児投与または妊娠組織への投与用である。
別の実施形態において、本明細書中で定義される方法および使用は、新生児への、例えば分娩過程中、出産直後および/または出生後期の本化合物の投与/使用をさらに含む。分娩前またはその最中の損傷の結果が特に早産児およびNICU環境の事象で増幅されるようになり得る場合、これらの薬物が出産後に有用であることが予想される。
本化合物は、何らかの頻度でまたは何らかの投与計画に従い、例えば1週間に1回、1週間に2回、2日ごと、1日1回、1日2回など、投与され得る。
本発明を行うための方式
本発明を次の非限定例によりさらに詳細に示す。
実施例1:化合物1は周産期胎児炎症モデルにおいて子の生存を向上させる。
A.材料および方法
化合物:化合物1は、Elim Biopharmaceuticals(Hayward,CA)から購入し、Kineret(登録商標)は、Swedish Orphan Biovitrum AB(Sobi)(Stockholm,Sweden)から購入した。
子宮内IL−1β−誘発性周産期炎症モデル。タイミングをはかって妊娠させた妊娠16.5日のCD−1マウスにイソフルランマスクを用いて途切れることなく麻酔した。腹腔領域から体毛を除去した後、下部腹壁で外科用ハサミを用いて1.5cmの高さ(tall)の正中切開を行った。次いで右子宮角の下部を露出させ、羊膜腔に入らないように注意しながら、1μgのIL−1βを2つの胎膜の間に注射した。腹筋層を縫合し、クリップで皮膚を閉じた。IL−1βでの刺激の30分前に、100μLの化合物1(1mg/Kg/12時間)、Kineret(登録商標)(4mg/Kg/12時間)またはビヒクル(滅菌水)を頸部に皮下注射した(標的組織に薬物を分布させるため)。期間(G19〜G19.5)までマウスの分娩を毎時間評価した。分娩直後に、新生児生存を評価した。出産前(手術から24時間後)に一部の妊娠マウスを屠殺し、1)帝王切開を行い、胎児を撮影する;2)羊水を回収する;および3)胎盤を回収する、の何れかを行った。IL−1β注射部位と近いことを確実にするために、子宮の頸部末端に近い胎嚢からの組織および体液のみを回収した。組織および体液を液体窒素中で瞬間凍結し、続くRNA精製またはELISAによるタンパク質定量のために−80℃で維持した。
B.結果
妊娠期間中の炎症は、期待に反する新生児転帰と関連がある。炎症の脅威(1μgのIL−1β i.u.投与により誘発)に曝された妊娠の設定で化合物1の新生児および発達成果の改善能力を試験し、関節リウマチおよび新生児発症多臓器炎症疾患(NOMID)などの自己免疫/炎症性障害の処置に対してFDAにより承認されているKineret(登録商標)(アナキンラ)、ヒトインターロイキン−1受容体アンタゴニスト(IL−1Ra)の組み換え型とこれを比較した。図1Bで示されるように、化合物1は、(ビヒクルと比較して)IL−1処置雌親からの子における新生児生存を顕著に向上させたが、Kineret(登録商標)は向上させなかった。子宮内IL−1β曝露から24時間後の雌親の帝王切開は、1)IL−1βでの処置が一部の胎児の成長停止を誘発し(図1C、上パネル)、2)化合物1がこの有害作用を防いだ(図1C、下パネル)ことを示す。
実施例2:化合物1は、羊水(AF)中でのIL−1β誘発性炎症促進介在物質の蓄積を防ぐ。
A.材料および方法
マウスELISAアッセイ。製造者の説明書に従い、IL−1βまたはIL−6に対するマウスQuantikine(商標)ELISAキット(R&D systems(登録商標);#MLB00C、M6000B)、IL−8およびPGF2αに対するもの(MyBioSource(登録商標);#MBS261967、#MBS264160)を使用してELISAアッセイを行った。簡潔に述べると、50μLの羊水、組み換えマウスIL−1β、IL−6、IL−8またはPGF2α陽性対照または組み換えマウスIL−1β、IL−6、IL−8またはPGF2α標準物質の漸減濃度試料の何れかを、モノクローナル抗マウスIL−1β抗体で予め被覆した96ウェルプレートに入れ、周囲温度で2時間温置した。ウェルを5回洗浄し、マウスIL−1βに特異的な酵素連結マウスポリクローナル抗体とともに2時間温置した。さらなる洗浄段階後、基質溶液を添加した。30分後に酵素反応を停止させ、570nmに対する波長補正セットを用いて、450nmでプレートの読み取りを行った。
B.結果
子宮で誘発された炎症が胎児環境に影響を及ぼし得るか否かを評価した。各群に対してIL−1β注射から24時間後に回収した羊水(AF)におけるELISAを行った。IL−1β処置雌親で、それらの受胎産物のAF中で炎症促進性介在物質、IL−1β、IL−6、IL−8およびPGF2αのレベルが上昇したことが分かり(図2A−2D)、母体の炎症が胎児炎症を推進した証拠が提供される。化合物1の母体投与によって、ビヒクルと比較して、胎盤における全ての炎症促進性介在物質レベルが顕著に低下し、一方でKineretはIL−8レベルにおいてのみ顕著な効果があった(化合物1と比較してその程度は小さかった。)。胎児炎症における化合物1のこの顕著な抗炎症性効果は、図1Bで示されるこの化合物の有益な新生児転帰と一致する。
実施例3:化合物1の母体投与は、サイトカインを減少させ、新生児臓器における炎症による損傷を軽減する。
A.材料および方法
マウスELISAアッセイ。製造者の説明書に従い、IL−1βまたはIL−6に対するマウス Quantikine(商標)ELISAキット(R&D systems(登録商標);#MLB00C、M6000B)、IL−8およびPGF2αに対するもの(MyBioSource(登録商標);#MBS261967、#MBS264160)、を使用してELISAアッセイを行った。簡潔に述べると、プロテアーゼを含有するRIPA緩衝液中で、出生時に回収した組織(肺、腸および脳)をホモジナイズし、50μLの肺、腸または脳試料、組み換えマウスIL−1β、IL−6、IL−8またはPGF2α陽性対照または組み換えマウスIL−1β、IL−6、IL−8またはPGF2α標準物質の漸減濃度試料の何れかを、モノクローナル抗マウスIL−1β抗体で予め被覆した96−ウェルプレートに入れ、周囲温度で2時間温置した。ウェルを5回洗浄し、マウスIL−1βに特異的な酵素連結マウスポリクローナル抗体とともに2時間温置した。さらなる洗浄段階後、基質溶液を添加した。30分後に酵素反応を停止させ、570nmに対する波長補正セットを用いて、450nmでプレートの読み取りを行った。
組織学。過期(PT)15日のマウスの腸(回腸から直腸まで)および肺を回収し、>48時間、10%ホルマリン中で固定し、パラフィンで被覆した。試料をミクロトームで切り(厚さ=5μM)、薄板に載せた。ヘマトキシリン−フロキシン−サフラン(HPS)を使用して腸を染色し、一方で肺はH&Eを使用して染色した。スライドスキャナー(Axioscan(登録商標))で画像を撮影した。群の評価が分からないようにして、Zen2ソフトウェアを用いて画像の定量を行った。
行動試験(自発的オープンフィールド活動)。各動物(PND15およびPND28)を穏やかにオープンフィールドの中央に置き、10分間にわたり、邪魔せずに自由に探索させた後、動物を取り出し、次の動物の試験前にアリーナを70%エタノールで掃除し、乾燥させた。移動した総距離(cm)として自発運動活性に対して指標を付した。評価者に対して群が分からないようにした。全ての動きを監視し、Smartソフトウェアを使用して定量した。
B.結果
未熟性により影響を受けることが知られている特定の組織、すなわち肺、腸および脳における炎症を評価した。IL−1β処置雌親からの新生児は、偽処置と比較して、肺において全炎症促進性サイトカインの顕著なレベル上昇があり、一方で化合物1の母体の投与の結果、試験した全サイトカインレベルが顕著に低下した(図3A〜3D)。その一方、Kineret(登録商標)は、肺IL−1βレベルの顕著な低下でのみ有効であった(図3A)。
曝露された胎児の発達における妊娠期間の炎症の影響を調べた。過期(post−term)(PT)15日に、IL−1β処置雌親からの子を屠殺し、未熟性/妊娠期間の炎症により影響を受けることが知られている主要な臓器(肺、腸および脳)の組織分析を行った。肺の場合、ImageJを使用して、肺胞の数を盲検で数えた。IL−1β処置雌親からの子は、対照(偽処置)と比較して1mmあたりの肺胞の数が顕著に減少し、化合物1での処置によって肺胞数が完全に回復し(図4A)、一方でKineret(登録商標)での処置では、肺胞数の回復は部分的でしかなかった。化合物1で処置した雌親からの子における1mmあたりの肺胞数は、Kineret(登録商標)で処置した雌親からの子よりも顕著に多かった。図4Bから、化合物1での処置が、IL−1βにより引き起こされる肺構造への損傷を防ぐことおよびKineret(登録商標)での処置後に観察される効果はより穏やかなものであったことが示される。
肺で得られた結果と一致して、IL−1β処置雌親からの新生児において、偽処置と比較してそれらの腸でIL−1βおよびIL−8が顕著に増加し、化合物1の母体投与によりこの影響が改善したが、Kineret(登録商標)では改善しなかった(図5A−5D)。対照と比較した場合の化合物1の存在下での腸IL−6のレベル低下に対する明らかな傾向もあり、これはKineret(登録商標)では観察されなかった。
組織分析によって、回腸に対する、および結腸における潜在的な損傷を評価した。回腸において、ビヒクルを投与したIL−1β処置雌親からの子では、その腸陰窩において一貫した萎縮があり(図6B)、これは化合物1(図6C)またはKineret(登録商標)(図6D)の投与後には観察されなかった。結腸において、1cmあたりの常在性リンパ節数およびそれらのサイズを測定した。リンパ節は自然免疫の一部であり、結腸の免疫監視機構において重要な役割を果たすので、常在性リンパ節数およびサイズは、腸の免疫完全性/健康のマーカーである。IL−1β処置雌親からの子では、そのリンパ節の数が顕著に減少し、サイズが顕著に縮小しており、それが化合物1の投与により防がれることが分かった(図7Aおよび7B)。Kineret(登録商標)の投与は、ビヒクルと比較すると、リンパ節サイズの顕著な向上につながったが(図7A)、リンパ節数は統計学的に有意なレベルでは増加しなかった(図7B)。
図8A−8Cで示される結果から、偽処置と比較して、IL−1β処置雌親からの新生児では、それらの脳におけるIL−1β、IL−6およびIL−8の顕著な上昇があり、化合物1の母体投与によってこの影響が緩和された。一方で、Kineret(登録商標)は脳でのIL−1βおよびIL−6のレベルの顕著な低下については無効であり(図8A−8B)、IL−8レベルにおける効果は、顕著ではあるが、化合物1で得られたものよりも弱かった(図8C)。
IL−1β処置雌親における脳での炎症が、行動/自発運動障害につながるか否かおよびこのような障害が化合物1によって軽減され得るかまたは防がれ得るか否かを評価するために、行動試験を行った。図9で示されるように、偽処置と比較して、IL−1β処置雌親からの子ではその行動/自発運動活性に顕著な差があり(すなわち、移動距離が延長し、これは不安症の指標であり得る。)、化合物1の投与は行動/自発運動活動の正常化つながったが、Kineret(登録商標)またはインドメタシン(一般的に使用される子宮収縮抑制薬)ではつながらなかった(すなわち偽処置と同様の移動距離)。
実施例4:化合物2の母体投与は、胎児脳における炎症誘発性サイトカイン遺伝子発現を防ぐ。
A.材料および方法
化合物:次のように化合物2を合成し、精製した。
丸底フラスコ中で、5gのWangレジン(OH負荷:1.0mmol/g、75〜100メッシュ)を懸濁し、30分間にわたり75mLの9:1v/v乾燥ジクロロメタン/ジメチルホルムアミド(DCM/DMF)中で穏やかに混合した。最小量の乾燥DMF中で溶解させた、2.34gのFmoc−D−Ala−OH(7.5mmol、1.5equiv.)および1.15gのヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)(7.5mmol、1.5equiv.)の混合物をレジンに添加した。次いで、1.2mLのジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(7.5mmol、1.5equiv.)、91mgの4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.75mmol、0.15equiv.)および100mLのDCMを引き続いてレジン混合物に添加した。マグネチック撹拌機上で反応混合物を撹拌バーとしての金属ペーパークリップとともに一晩混合した。レジンをろ過し、DMF、MeOHおよび次にDCMで3回洗浄した。レジン上の未反応ヒドロキシル基を室温でさらに2時間、5mLの無水酢酸(50mmol、10equiv.)および8.6mLのエチルジイソプロピルアミン(50mmol、10equiv.)でブロックした。レジンの置換を分光光度計で測定し(290nm)、0.8mmol/gの最終置換となった。
自動振盪器上で標準的な固相化学条件下で合成を行った(Lubell,W.D.ら;Science of Synthesis 21.11,Chemistry of Amides.,Thieme:Stuttgart,Germany,2005;pp713−809)。カップリング試薬としての(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)(HBTU)(1.5equiv)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(3equiv)を使用してDMF中でFmoc−保護Fmoc−D−Arg(Pbf)−OH、Fmoc−D−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−D−Thr(tBu)−OH、Fmoc−D−Val−OH、Fmoc−D−Glu(tBu)−OHおよびFmoc−D−Leu−OH(1.5equiv)のカップリングを4〜8時間行った。DMF中の20%ピペリジンで15分間、レジンを2回処理することによって、Fmoc基除去を行った。各カップリングおよびFmoc−基除去段階後にDMF(3x10mL)、MeOH(3x10mL)、THF(3x10mL)およびDCM(3x10mL)で連続的にレジンを洗浄した。レジン結合化合物2を脱保護し、室温で2時間、トリフルオロ酢酸/水/トリエチルシラン(TFA/HO/TES)(95:2.5:2.5、v/v/v、30mL/gのペプチドレジン)の新鮮調製溶液を使用して、支持体から切り離した。レジンをろ過し、TFAですすいだ。粗製油状物質が持続するまでろ液およびすすぎ液を濃縮し、ここから、冷エーテル(10〜15mL)の添加によって沈殿物を得た。エーテル除去後、粗製非保護化合物2を乾燥させ、アセトニトリル水溶液(10%v/v)中で溶解させ、凍結乾燥して白色固形物を得て、純度を評価するためにこれをHPLCによって分析した。
オートサンプラーおよび注入器を含有するGilson(商標)LC322ポンプを備えた、ESIイオン源、シングル四重極質量検出および陽性モードイオン化付きのAgilent(商標)Technologies 1100 Series LCMS機器上で化合物2の分析および特性評価を行った。0.5mL/分の流速および210nmおよび254nmでのUV検出でHO中の0.1%FAおよびMeOH中の0.1%FAからなる二成分溶媒系を使用して、Synergi(登録商標)RP−Polarカラム(4μm、80Å、150mm x 4.60mm I.D.;Phenomenex(商標),Torrance,USA)上でLCMS分析を行った。粗製化合物2の分析のために、移動相の直線的勾配[20分間にわたり、水(0.1%FA)中0〜30%メタノール(0.1%FA)]を使用した。(4μm、80Å、150mm x 21.2mm I.D.;Phenomenex(商標),Torrance,USA)および最適化溶出勾配(0%溶媒Bで0〜5分、0〜20%溶媒Bで5〜20分、20〜25%溶媒Bで20〜50分、25〜60%溶媒Bで50〜60分、続いてカラム洗浄し、再生;溶媒A:HO+0.1%FA;溶媒B:MeOH+0.1%FA)を使用して、化合物2試料の分取RP−HPLC精製を行った。純粋な分画を合わせ、凍結乾燥して、化合物2の白色粉末を得た。
動物および処置。子宮内での感染を模倣する炎症刺激後の胎児脳でのLPS誘発性サイトカイン発現における化合物2の効果を分析するために、妊娠雌C57Bl/6雌マウス(C57Bl/6雄と交配)に、gd16.5で、1100時間にて、i.p.で200μl PBS中の0.5μgリポ多糖類(LPS;サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium);Sigma−Aldrich(登録商標),St.Louis,MO,USA)を、またはPBS対照を注射した。gd16.5でのLPS注射から5分以内に、化合物2(PBS中1mg/kg)またはビヒクル対照(PBS+0.1%BSA)をマウスにすぐに投与し、次いで4時間後に屠殺した。処置群ごとの雌親のそれぞれからの2匹の胎児から胎児頭部を切断することによって、脳組織を回収した。
炎症性マーカーの発現。Trizol(登録商標)(Ambion(登録商標)RNA,Carlsbad CA)中のセラミックビーズ(Mo Bio)を使用して組織をホモジナイズすることによって、メッセンジャーRNA(mRNA)を抽出した。製造者の説明書に従い、Ambion DNA−free(商標)キットを使用して、RNAをDNAse処理した。製造者の説明書に従い、Superscript(登録商標)III(Invitrogen(登録商標),Carlsbad,CA)を使用して、2μg抽出RNAから第1鎖cDNAを逆転写した。Primer Express(登録商標)ソフトウェア(Applied Biosystems(登録商標),Foster City,CA)を使用して、公開されているcDNA配列に特異的なプライマー対を設計して、Il1a、Il1b、Il6およびTnfa mRNAを定量した。10μLのSYBR Green、7μLのHO、1μLの各フォワードおよびリバースプライマーおよび1μLのcDNA鋳型または水(陰性/非鋳型対照)を含有する20μLの最終体積中でPCR反応を行った。PCR条件は、Rotorgene(登録商標)6000(Corbett Life Sciences(登録商標),Sydney,Australia)を使用し、95℃で10分、続いて95℃で20秒および60℃で45秒を40サイクルであった。データをβ−アクチンmRNA発現に対して正規化し、式mRNAレベル=Log−(CtBactin−Cttarget遺伝子)を使用してΔΔCTとして表した。Windows(登録商標)、バージョン20.0ソフトウェア(SPSS Inc,Chicago,IL)用のSPSSを使用して統計学的分析を行った。データが正規分布しなかったので、シャピロ−ウィルク検定を使用し、次いでクルスカル−ウォリスおよびマン・ホイットニーU−検定によって解析して、正規性についてデータを検定した。群間の差異は、p<0.05の場合に有意とみなした。
B.結果
母体の感染誘発性炎症を模倣するために、グラム陰性細菌の外膜で見られ、(特にトール様受容体4(TLR4)への結合を通じて)動物において強い免疫反応および炎症を誘発するLPSの投与を使用した。LPS処置マウスからの胎児頭部において、Il1a(図10A)、Il1b(図10B)、Il6(図10C)およびTNF(図10D)の発現が、雌親へのLPSの投与によって有意に上昇した(p<0.05、図9A−D)。全ての4種類の遺伝子の誘導は、雌親に化合物2ならびにLPSが与えられた場合に顕著に抑制され、LPS単独と比較して40〜60%発現が低下し(p<0.05)、Il1a、Il1bおよびIl6については、PBS対象と比較して変化はなかった(全てp<0.05)。化合物2単独では、PBS対照と比較して、Il1a、Il1bおよびIl6の発現は顕著に変化しなかった。
実施例5:化合物2の母体投与は、正常な出生後成長軌跡および成体期での身体形態計測と一致する。
A.材料および方法
動物および処置。子宮内での感染を模倣する炎症性刺激後の周産期転帰における化合物2の効果を分析するために、妊娠雌C57Bl/6雌マウス(C57Bl/6雄と交配)に対して、gd16.5に、1100時間にて、i.p.で200μL PBS中の0.5μgリポ多糖類(LPS;サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium);Sigma−Aldrich,St.Louis,MO,USA)またはPBS対照を注射した。gd16.5でLPS注射から5分以内に、化合物2(PBS中1mg/kg)またはビヒクル対照(PBS+0.1%BSA)をマウスにすぐに投与し、それに加えてgd17.0、17.5および18.0に12時間間隔でさらに3当量の用量を投与した。分娩時間までビデオ記録を介してマウスを監視した。妊娠の長さおよび周産期生存(出生時に生存している子の数および1週間までの子の%生存率)を記録した。出生から12〜24時間後に子の体重を測定した。
B.結果
化合物2なしでLPSを与えられた妊娠マウスでは、妊娠期間が顕著に短くなり(図11A)、出産した生存児の数はより少なく(図11B)、生後1週間での新生児死亡率の顕著な上昇が観察された(図11C)。化合物2での処置によって、LPS誘発性早産児、周産期死亡および生後1週間における死亡が完全に反転した(図11A−C)。LPSの非存在下での化合物2単独での処置によって、周産期転帰は変化しなかった。出生から12〜24時間後での新生児の体重において、LPS処置ありまたはなしで、化合物2の顕著な効果はなかった。
実施例6:化合物2の母体投与は、正常な出生後成長軌跡および成体期での身体形態計測を妨害しない。
A.材料および方法
動物および処置。成体期に対する出生児発達における化合物2の効果を分析するために、子を離乳させ、性別によって1〜4匹の兄弟の群で収容した場合、実施例5に記載の実験で分娩された子の体重を21日に測定した。4週で再び全ての子孫の体重を測定し、次いで20週齢まで2週間ごとに測定した。20週に頸椎脱臼によって子孫を屠殺し、体重測定し、全身組成分析のために検視解剖した。次の組織を摘出し、個々に重量測定した;脳、心臓、肺(左右)、腎臓(左右)、肝臓、副腎(左右)、胸腺、脾臓、精巣(雄、左右)、精嚢(雄)、精巣上体(雄)、卵巣(雌、左右)、子宮(雌)、四頭筋(左右)、三頭筋(左右)、二頭筋(左右)、腓腹筋(左右)、後腹膜脂肪、腎周囲脂肪、精巣上体脂肪(雄、左右)および子宮付近の脂肪(雌)。各マウスに対して、両側組織および臓器の重量を合計した。総筋肉重量は、四頭筋、三頭筋および二頭筋および腓腹筋の重量を合計することによって計算した。総脂肪重量は、後腹膜脂肪,腎臓周囲脂肪および精巣上体脂肪(雄に対して)または子宮付近の脂肪(雌に対して)の重量を合計することによって計算し、筋肉/脂肪比を決定した。総脂肪量を総体重から差し引いて、総除脂肪重量を計算した。
B.結果
子宮内でLPSに曝露された雌親の雄雌両方の出生児は、PBSを注射した雌親の対照出生児とは区別できない成長軌跡を示した。成長軌跡は、同時LPS曝露ありまたはなしで、雌親への化合物2の投与により影響を受けなかった(図12Aおよび12B)。LPSなしで化合物2が与えられた場合に見られるがLPSとの同時投与では見られない成熟した雄出生児での脾臓重量増加を除き、身体組成に対する、子宮内での化合物2曝露の影響はなかった(表IおよびII)。LPSに曝露された雌親の雄出生児における胸腺重量の低下は、同時に化合物2を投与することによって反転させられた(表I)。
データは全て、推定限界平均±SEMとして示し、混合モデル線形反復測定ANOVAおよび事後シダック検定として分析し、産子数を共変数とした。処置および対照群との間の差異は、p<0.05の時に有意とみなした。
データは全て、推定限界平均±SEMとして示し、混合モデル線形反復測定ANOVAおよび事後シダック検定として分析し、産子数を共変数とした。処置および対照群との間の差異は、p<0.05の時に有意とみなした。
特許請求の範囲は、実施例で示される好ましい実施形態により限定されるべきものではないが、全体として本記載と一致する最も広い解釈が与えられるべきである。

Claims (21)

  1. 出生前胎児炎症により引き起こされる周産期または新生児罹病を予防するかまたはそのリスクを軽減するための医薬品の製造のための、式Iの化合物または薬学的に許容可能なその塩:
    (式中、
    はHまたはC−C12アルキルまたはアシル基であり;
    はORまたはNRであり、式中、RおよびRはそれぞれ独立にHまたはC−Cアルキルである。)の使用であって、前記医薬品が、出生前胎児炎症に罹患しているヒト妊婦に対する投与用であり、前記周産期または新生児罹病が、肺、脳および/または腸の障害または損傷を含む、使用。
  2. がHである、請求項1に記載の使用。
  3. がOHである、請求項1または2に記載の使用。
  4. がNHである、請求項1または2に記載の使用。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の使用であって、式Iaの化合物または薬学的に許容可能なその塩:
    が使用される、使用。
  6. 請求項5に記載の使用であって、次の化合物または薬学的に許容可能なその塩:
    が使用される、使用。
  7. 請求項5に記載の使用であって、次の化合物または薬学的に許容可能なその塩:
    が使用される、使用。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の使用であって、前記出生前胎児炎症が妊娠中の子宮内炎症を含む、使用。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載の使用であって、前記周産期または新生児罹病が肺に対する障害または損傷を含む、使用。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の使用であって、前記周産期または新生児罹病がに対する障害または損傷を含む、使用。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の使用であって、前記周産期または新生児罹病が腸に対する障害または損傷を含む、使用。
  12. 請求項1から1のいずれか一項に記載の使用であって、前記周産期または新生児罹病が腸に対する障害または損傷を含む、使用。
  13. 請求項1〜1の何れか1項に記載の使用であって、前記周産期または新生児罹病が神経または神経発達障害を含む、使用。
  14. 請求項1に記載の使用であって、前記神経発達障害が、脳性まひ、精神遅滞または自閉症である、使用。
  15. 請求項1〜14の何れか1項に記載の使用であって、前記ヒト妊婦が感染に罹患している、使用。
  16. 請求項15に記載の使用であって、前記感染が子宮胎盤感染である、使用。
  17. 請求項15または16に記載の使用であって、前記感染が尿路感染または羊膜内感染である、使用。
  18. 請求項15〜17の何れか1項に記載の使用であって、前記感染が細菌感染である、使用。
  19. 請求項18に記載の使用であって、前記細菌感染がグラム陰性細菌感染である、使用。
  20. 請求項19に記載の使用であって、前記グラム陰性細菌感染がエスケリキア・コリ(Escherichia coli)感染である、使用。
  21. 請求項1〜20の何れか1項に記載の使用であって、前記化合物が、注射、経口投与または胎児投与用である、使用。
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