JP4476228B2 - シミュレーション装置 - Google Patents

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Description

本発明はシミュレーション装置に関し、特に、マイクロコンピュータによって制御される電子機器をソフトウエアでシミュレーションすることができるシミュレーション装置に関する。更に詳しくは、電子機器に内蔵されたCPU(マイクロコンピュータの中枢部分)を備えたコントローラ上の制御ソフトウエアの動作を検証することができるシミュレーション装置に関する。
従来、マイクロコンピュータを使用して制御を行う電子機器、例えば、マイクロコンピュータを内蔵したECU(電子制御ユニット)によって制御される内燃機関(エンジン)や、マイクロコンピュータで制御される電気機器は、マイクロコンピュータの性能向上に応じた性能向上を図るため、年々改良が加えられている。そして、性能向上したマイクロコンピュータを組み込んだ電子機器では、安全性を確保するために動作確認試験を行う必要がある。
この動作確認試験は、性能向上したマイクロコンピュータを実際の電気機器に組み込んで行うことが望ましいが、自動車のエンジンのような大きなものでは、場所や騒音の制約もあって、なかなか実際の電子機器を使用した動作確認試験を行うことが困難であった。そこで、この動作確認試験はマイクロコンピュータを使用したシミュレーション装置を用いて行われることが多い。例えば、自動車のエンジン制御を行う場合の従来のシミュレーション装置は、仮想コントロールユニットと、仮想車両モデルとから構成される。
図1は、車両に搭載された実際のエンジン制御システムを、従来のシミュレーション装置で実現した場合の構成を対比して示すものである。図1における符号Nは実車両Vからの入力信号を示しており、1は電子制御式エンジンの制御システムにおけるECU(電子制御ユニット)を示しており、Sは実車両Vへの出力信号を示している。
この例の電子制御式エンジンにおける実車両Vからの入力信号Nとしては、デジタル入力信号であるスタータ信号、電気負荷信号、シフト位置信号やエアコン(空気調和装置)信号等、アナログ入力信号である水温センサや吸気温センサからの信号等、パルス入力信号であるエンジン回転数信号や車速信号等がある。これらの入力信号NはECU1に入力される。
また、ECU1からの実車両Vへの出力信号Sとしては、デジタル出力信号であるチェックエンジンランプ、メインリレーへの信号やエアコンディショナカット信号、パルス出力信号であるISC(アイドル回転数制御)信号、点火信号、噴射信号、アナログ出力であるシフト制御ソレノイド信号やVVT(可変バルブタイミング)のソレノイド信号等がある。これらの出力信号Sは実車両Vに入力される。一方、ECU1には、入力用周辺回路2、組込み用マイクロコンピュータ3、及び出力用周辺回路4が設けられている。
これに対して、従来のシミュレーション装置9は、CPUシミュレータ部91と外部モデル実行部95とから構成される。CPUシミュレータ部91には、制御ソフトウエア93を内蔵する仮想制御ユニット92と、内部タイマ94が設けられている。また、外部モデル実行部95には仮想車両モデル96と内部タイマ97が設けられている。CPUシミュレータ部91の仮想制御ユニット92と外部モデル実行部95の仮想車両モデル96とはバス99を通じてデータの送受信を行っており、仮想車両モデル96の入出力のデータ、例えば、エンジン回転数(rpm)は従来のシミュレーション装置9においてモニタできるようになっている。
また、従来のシミュレーション装置9の内部には、CPUシミュレータ部91の内部の値を計測したログファイル98が設けられている。更に、従来のシミュレーション装置9には、CPUシミュレータ部91と外部モデル実行部95にそれぞれ内部タイマ94,97が設けられており、CPUシミュレータ部91側と外部モデル実行部95側はそれぞれが内蔵する内部タイマ94,97を相互参照し、シミュレーションの状況に合わせて停止、再開させることによって時間同期をとっている。
図2は図1のECU1の内部の構成を詳細に示すものである。入力用周辺回路2には、車両から入力された信号を増幅する増幅器21や通信回路に対してプロトコル等の前処理を行う前処理回路22がある。組込み用マイクロコンピュータ3は、演算処理を行うCPUコア30とメモリ31、及び入出力(I/O)制御を行う周辺リソースが、1つのパッケージに収納されたものである。周辺リソースには、入力系のリソースと出力系のリソースとがあり、入力系のリソースには図1に示した入力用周辺回路2からの信号が入力され、出力系のリソースからの信号は図1に示した出力用周辺回路4に出力される。出力用周辺回路4には、後段の装置を駆動するためのドライバ回路41や通信回路36からの信号をアクチュエータ信号に変換する後処理回路42がある。
図2には、入力系のリソースとして、デジタル信号を扱う入力ポート25とラッチポート26、アナログ入力を扱うA/Dコンバータ27、通信を行う通信部28及びパルス入力を扱うキャプチャ29が示してあり、出力系のリソースとしては、デジタル出力を出力する出力ポート32、パルス出力を出力するPWM(パルス幅変調器)33とコンペア34、アナログ出力を出力するシリアル35、及び通信を行う通信回路36が示してある。これらの周辺リソースは内部バス37によってCPUコア30及びメモリ31に相互に接続されている。また、組込み用マイクロコンピュータ3の内部には、これらの周辺リソースに加えて、図示しない内部タイマや割り込みコントローラが設けられている。
図1も参照して、車両に搭載された実際のエンジン制御システムを、従来のシミュレーション装置9で実現した場合は、ECU1の入力用周辺回路2、組込み用マイクロコンピュータ3のキャプチャ29、及び出力用周辺回路4が、CPUシミュレータ部91の仮想制御ユニット92に対応する。また、組込み用マイクロコンピュータ3のメモリ31の中のターゲットソフトウエアが、仮想制御ユニット92の中にある制御ソフトウエア93に対応する。更に、実車両Vが外部モデル実行部95の仮想車両モデル96に対応する。
このようなシミュレーション装置に類似するもので、マイクロコンピュータを搭載した電子機器の開発に使用されるものが、例えば、特許文献1に開示されている。
ところが、特許文献1に開示のシミュレーション装置には、前述のようにマイコンシミュレータ(仮想制御ユニット)とハードウエアシミュレータ(仮想車両モデル)のみで構成されるために、外部からモニタできるデータは、仮想車両モデルの入出力のみであり、マイコンシミュレータ部(CPUシミュレータ)の内部の値はログファイルとして取り出されるだけであり、シミュレーションが終了した後でしか参照できないという問題点があった。
また、実際に実物のマイクロコンピュータの入出力信号をチェックする場合には、オシロスコープのような測定機で実際のECUの入出力波形を見ることができるが、従来のシミュレータでは入出力波形を見ることができなかった。
更に、CPUシミュレータ部、外部モデル実行部が独自の内部タイマを備えているために、シミュレーションの状況に合わせてそれぞれを停止、再開させることによって時間同期をとっているために、以下のような問題点があった。
(A)シミュレーションによる解析が十分に行えず、制御ソフトウエアの不具合を見逃してしまう可能性が高かった。
(B)シミュレーション装置の動作不良の場合に、動作不良の問題点を見つけるのに時間がかかった。
(C)仮想車両モデルでは、高精度の時間分割で演算が必要な部分と、必要がない部分とが混在しているが、モデル全体を同じ時間分割で演算するため、モデル内で一番高精度な部分に全体を合わせることになり、モデルの演算負荷が大きくなっていた。
(D)2つのブロックが独自の内部タイマを備えているため、双方の時間軸を合わせるのが難しい。
そこで、図3に示すような、電子機器のシミュレーション装置8が考えられる。図3にも、図1と同様に車両に搭載された実際のエンジン制御システムが、電子機器のシミュレーション装置8の構成に対比して示してある。図3のシミュレーション装置8には、電子機器を制御するマイクロコンピュータ相当部分をソフトウエアで実現したCPUシミュレータ部5と、電子機器に相当する部分をソフトウエアで実現した外部モデル実行部6と、両者間のディジタルデータの送受信の制御を行うシミュレーション制御・表示部7が設けられており、外部モデル実行部6の中に、電子機器に実際に入出力される信号に相当する仮想実信号をソフトウエアで実現するデバイスモデル61とモデル制御部63が設けられると共に、この仮想実信号を外部からモニタできる計測データ表示部73が設けられている。
CPUシミュレータ部5には、仮想制御ユニット50と内部タイマ55が設けられており、仮想制御ユニット50の中には、制御ソフトウエア(図には制御ソフトと記載)52とCPUモデル53を内蔵する仮想マイクロコンピュータ(図には仮想マイコンと記載)51と周辺回路モデル54がある。外部モデル実行部6には、デバイスモデル61とプラントモデル62を備えた仮想車両モデル60、モデル制御部63、及びモデル制御部63の管理の下に作られる設定情報ファイル78がある。
また、シミュレーション制御・表示部7には、シミュレーション制御部71、データ入力部72、計測データ表示部73、計測データファイル74、計測データ解析部75、及びシミュレーション制御部71の管理の下に作られる情報設定ファイル78がある。シミュレーション制御・表示部7の情報設定ファイル78の中には、プラントモデルとデバイスモデルの接続情報が格納され、この接続情報は転送されて外部モデル実行部6の情報設定ファイル78の中に格納される。
CPUシミュレータ部5のCPUモデル53は、この上で動作する制御ソフトウエアを備えた「仮想のマイクロコンピュータ」であり、周辺回路モデル54は「仮想の制御ユニット」を構成する。ここで、CPUモデル53と周辺回路モデル54は、ハードウエアの仕様を元にモデリングしたものである。
このようなシミュレーション装置8では、ハードウエアをそのままモデル化しているので、CPUシミュレータ部5と、外部モデル実行部間6の情報が電気信号相当のものであり、時刻情報は付加されていない。また、モデル制御部63が仮想マイコン51から一定の周期でコールされる時間同期で処理が行われている。
特許第3189793号(図1)
しかしながら、このようなシミュレーション装置8では、ハードウエアをそのままモデル化していることから、機種変更の度にCPUモデル53、周辺回路モデル54などの複雑なハードウエアを再度モデリングする必要があり、開発時間とコストがかかるという問題点があった。
そこで、本発明は、エンジン等の被制御装置を制御するマイクロコンピュータを内蔵したECU(電子制御ユニット)を模擬するシミュレーション装置において、機種変更の度にCPUモデル、周辺回路モデルなどの複雑なハードウエアをモデリングする必要がなく、システム構築に要するコスト、時間を削減できるシミュレーション装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成する本発明のシミュレーション装置は、マイクロコンピュータを含む制御装置によって被制御装置を制御する制御システムを模擬するシミュレーション装置であって、マイクロコンピュータをソフトウエアで模擬するものであり、被制御装置を制御するための制御プログラムの実行を行うマイコンコアをソフトウエアで模擬する仮想マイコンコア部と、マイコンコア周辺のハード的なリソースをソフトウエアで模擬する仮想マイコンリソース部と、を備える第1のシミュレータ部と、被制御装置のモデルに基づいて被制御装置をソフトウエアで模擬する第2のシミュレータ部と、第2のシミュレータ部からの情報に基づいて、第1のシミュレータ部に所定の処理を行わせるための割り込み信号を発生するシミュレーションエンジン部とを備え、シミュレーションエンジン部は、第2のシミュレータ部からの被制御装置の状態を示す情報と、イベントリストに記憶されたイベントの仕様とに基づいて、第1のシミュレータ部に対する割り込み信号を発生し、第1のシミュレータ部は、仮想マイコンコア部と仮想マイコンリソース部との間の情報の遣り取りを、仮想レジスタを介して行うものであり、シミュレーションエンジン部から割り込み信号が入力されると、当該割り込み信号に対応する制御プログラムにおけるアプリケーション処理を実行することを特徴とするシミュレーション装置である。
以上のように構成された本発明のシミュレーション装置によれば、機種変更の度にCPUモデル、周辺回路モデルなどの複雑なハードウエアをモデリングする必要がなく、システム構築に要するコスト、時間を削減できるという効果がある。
なお、本発明のシミュレーション装置は、電子制御式エンジンの制御に特に有効に適用できる。
本発明の実施の形態を説明する前に、従来のシミュレーション装置8の他の問題点について説明する。従来のシミュレーション装置8では、CPUシミュレータ部5と、外部モデル実行部6の間の情報が電気信号相当のものであり、また、時刻情報が付加されていないので、モデル制御部63が仮想マイクロコンピュータ51から一定の周期でコールされる時間同期で処理を行っていた。
このために、前述の問題点以外にも、以下のような問題点があった。
(1)CPUモデル53、周辺回路モデル54は詳細なハードウエアモデルであるため、シミュレーションの負荷が高くなり、演算速度が遅くなっていた。
(2)仮想マイコン51のクロックを基に一定の周期でシミュレーションが実行されているために、パラメータに変化がない場合でも無駄な演算が行われており、演算速度が遅くなっていた。
(3)CPUシミュレータ部5と外部モデル実行部6の間の情報伝達を、電気信号相当のデータで行っていたため、短い時間での入出力処理が必要であった。
(4)CPUシミュレータ部5と外部モデル実行部6の間の伝達データに時刻情報がなかったため、データに変化がない場合でも一定周期で入出力処理を行う必要があり、演算速度が遅くなっていた。
(5)収集したデータを解析するための有効な手段がないため、解析に時間がかかった。
(6)シミュレーション中、CPUシミュレータ部5、或いは外部モデル実行部6にデータを入力する手段がなく、予めモデルに組み込まれた動作でのシミュレーションしかできなかった。
(7)シミュレーション中、仮想車両モデル60に対して、外部から開始、停止、再開を操作する手段がなく、予め決められた動作でのシミュレーションしかできなかった。
このような問題点に対して、本発明では、マイクロコンピュータを内蔵したECU(電子制御ユニット)によって制御されるエンジンや、マイクロコンピュータで制御されるシミュレーション装置において、更に以下のような効果を達成することを目的としている。
(a)CPUモデル、周辺回路モデルは詳細なハードウエアモデルを作らずにシミュレーションの負荷を軽くして、演算速度を速くすることができる。
(b)イベント駆動によるシミュレーション実行を行なって演算速度を速くすることができる。
(c)収集したデータが簡単に解析できてデバッグ業務の効率を上げることができる。
(d)シミュレーション中、CPUシミュレータ部、或いは外部モデル実行部にデータを入力でき、任意のシミュレーションをさせることができる。
(e)シミュレーション中、仮想車両モデルに対して、外部から開始、停止、再開を操作することができる。
以下、添付図面を用いて前述の効果を達成する本発明の実施形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明するが、以下の実施例では、本発明を適用する電子制御機器として、電子制御式エンジンを説明する。
図4は、車両に搭載された実際のエンジン制御システムを、本発明のシミュレーション装置で実現した場合の構成に対比して示すものである。図4に示した車両に搭載された実際のエンジン制御システムの構成は図1と同じであり、同じ符合を付してある。従って、図4における符号Nは実車両Vからの入力信号であり、1は電子制御式エンジンの制御システムにおけるECU(電子制御ユニット)であり、Sは実車両Vへの出力信号である。
また、電子制御式エンジンにおける実車両Vからの入力信号Nは、デジタル入力信号であるスタータ信号、電気負荷信号、シフト位置信号やエアコン信号等、アナログ入力信号である水温センサや吸気温センサからの信号等、パルス入力信号であるエンジン回転数信号や車速信号等であり、これらの入力信号NはECU1に入力される。
ECU1からの実車両Vへの出力信号Sは、デジタル出力信号であるチェックエンジンランプ、メインリレーへの信号やエアコンディショナカット信号、パルス出力信号であるISC(アイドル回転数制御)信号、点火信号、噴射信号、アナログ出力であるシフト制御ソレノイド信号やVVT(可変バルブタイミング)のソレノイド信号等であり、これらの出力信号Sは実車両Vに入力される。ECU1には、入力用周辺回路2、組込み用マイクロコンピュータ3、及び出力用周辺回路4が設けられている。ECU1の内部構成は図2で説明したので、ここではその説明を省略する。
本発明のシミュレーション装置18は、CPUを備えたコントローラ上の制御ソフトウエアの動作を検証するためのシミュレーション装置である。本発明によって実現されるシミュレーション装置18は、CPUを備えたコントローラと、制御対象となる機構、回路などを含んだ制御システム全体をシミュレートするものであり、大きく分けてCPUシミュレータ部15と外部モデル実行部16、シミュレーションエンジン部70、及びシミュレーション制御・表示部7の4つの部分から構成される。
CPUシミュレータ部15には、仮想マイコンコア部10(前述のようにマイコンはマイクロコンピュータの略)、仮想マイコンリソース部20、及び内部タイマ55が設けられている。また、仮想マイコンコア部10の中には、実機環境と同一のインタフェースを持つI/Oドライバ11と制御ソフト12(前述のようにソフトはソフトウエアの略)がある。更に、仮想マイコンリソース部20には、フリーランタイマ(図には単にタイマと記載)、キャプチャ、コンペア等の、図2で説明したようなリソース23がある。仮想マイコンコア部10と仮想マイコンリソース部20の中には後述する仮想レジスタがあり、両者はデータの交換を行うことができる。I/Oドライバ11で得られた入出力情報は、仮想マイコンリソース部20のリソース23に伝えられる。
また、外部モデル実行部16には、図3に示したデバイスモデル61に代わるI/Fボードモデル43と、プラントモデル44、モデル制御部45、及びモデル制御部45の管理の下に作られる設定情報ファイル78がある。I/Fボードモデル43は、ECU内に設けられているマイコン以外のI/F部をモデル化したものであり、I/Fボード機能をシミュレートするものである。また、プラントモデル44は、ECU外に設けられている被制御装置(車両やエンジン等)をモデル化したものであり、制御対象となる外部機構等をシミュレートする。また、モデル制御部45はこれら2つのモデルを制御する。
シミュレーション制御・表示部7の構成は図3に示したものと同じであるので、同じ符合を付してある。シミュレーション制御・表示部7は、シミュレーション全体を制御するシミュレーション制御部71、シミュレーション環境にデータを入力するデータ入力部72、計測したシミュレーション結果を表示する計測データ表示部73、計測データファイル74、蓄積した計測データを詳細に解析する計測データ解析部75、及びシミュレーション制御部71の管理の下に作られる情報設定ファイル78がある。シミュレーション制御・表示部7の情報設定ファイル78の中には、後述するプラントモデルとI/Fボードモデルの接続情報が格納され、この接続情報は転送されて外部モデル実行部16の情報設定ファイル78の中に格納される。
シミュレーションエンジン部70は仮想マイコンコア部10と外部モデル実行部16とに接続しており、システムクロック76と、イベント演算部77とを備える。シミュレーションエンジン部70を通じてCPUシミュレータ部15のリソース23と外部モデル実行部16のI/Fボードモデル43とは物理値相当のデータの通信を行うことができ、このときのデータには時刻情報が含まれている。また、イベント演算部77は、制御ソフト12とモデル制御部45における演算の実行を制御する。なお、イベントとは、外部状態により変化する事象のことであり、ここでは、モデルの演算開始、停止、再開等を示す。
以上のように構成された本発明のシミュレーション装置18では、バスによって仮想マイコンコア部10、仮想マイコンリソース部20、イベント演算部77、モデル制御部45、I/Fボードモデル43、プラントモデル44、及びシミュレーション制御部71が相互に接続されており、これらの間でデータの送受信が行われる。
車両に搭載された実際のエンジン制御システムを、本発明のシミュレーション装置18で実現した場合は、以下のような対応関係がある。
(A)実車両Vは、外部モデル実行部16のI/Fボードモデル43とプラントモデル44に対応する。
(B)車両からの入力信号Nと車両への出力信号Sは、I/Oドライバ11とI/Fボードモデル43とを結ぶバスの中にある。
(C)ECU1の入力用周辺回路2及び出力用周辺回路4は、仮想マイコンコア部10と仮想マイコンリソース部20に対応する。
(D)組込み用マイクロコンピュータ3のメモリ31(図2)の中のターゲットソフトウエアは、仮想マイコンコア部10の中にある制御ソフト12に対応する。
ここで、図4に示した本発明のシミュレーション装置18における各部分の動作を、図5〜図9に示す具体的な実施例を用いて詳細に説明する。
(1)仮想マイコンコア部10と仮想マイコンリソース部20の間のデータの流れ
図5は、図4に示した本発明の電子機器のシミュレーション装置18における、仮想マイコンコア部10と仮想マイコンリソース部20の間のデータの流れを説明するものである。この図には、図4の仮想マイコンコア部10におけるI/Oドライバ11の入力情報の取得、制御ソフト12のアプリケーション処理、及びI/Oドライバ11の出力要求確定の処理の詳細を示すものである。
図4に示したイベント演算部77から割込みがイベントトリガとして仮想マイコンコア部10のI/Oドライバ11に入力されると、I/Oドライバ11は先ず仮想マイコンリソース部20から割込みフラグを取得して、これを割込みコントローラに入力する。割込みフラグを取得した後は、この割込みフラグのクリアを行ってから入力情報を一括取得する。これは、入力情報を取得してから割込みフラグを取得すると、割込みフラグの取得によって変化する入力情報があるかもしれないからである。
よって、本発明では割込みが確定した後にその時の最新情報を読むことで、確実に必要なタイミングの値を読む。即ち、割込みコントローラで割込み要因の確定をしておいてから、割込みハンドラの処理に移る直前で入力情報をI/Oドライバ前処理として一括取得する。一括取得する入力情報は、ポートレベル、キャプチャ値、受信データ、AD変換値等の入力データを含む。データを一括取得した後は、仮想レジスタ(RAM)13に入力情報を設定しておく。
このようにして、割込みフラグの取得と入力情報の一括取得が行われた後、割込みコントローラは割込みフラグを見てそれに付随するアプリケーション処理を起動する。アプリケーション処理は制御ソフト12の割込みハンドラから開始される。
アプリケーション処理にはアプリケーション層L1(図ではアプリ層)、2つのハードウエア依存層L2,L3(図ではハード依存層)、及びマイコン依存層L4があり、これらの層で必要な演算が実行される。この演算の中でI/O処理があり、入力情報を取るという命令がきた場合は、本発明では直接仮想マイコンリソース部20の仮想レジスタ14からデータをとる。マイコン依存層L4と仮想レジスタ14との間に描かれた破線、及びマイコン依存層L4と仮想レジスタ13との間に描かれた破線が、アプリケーション処理に相当する。仮想マイコンコア部10が仮想マイコンリソース部20から取得したデータは、仮想レジスタ13に一旦蓄積しておく。出力設定があった場合は出力設定を仮想レジスタ13に書き込むと同時に、実際に命令を出すように仮想マイコンリソース部20に出力する。
この場合、仮想レジスタ13に設定済(ポート入力情報は一括して先頭で取得済である)のものは、仮想レジスタ13からデータを読み取るだけである。即ち、色々な場合があり、データを仮想マイコンリソース部20の仮想レジスタ14から直接読み取る場合と、最初に一括して設定したデータを読み取るだけのものなどがある。また、図5に記載したマイコン依存層L4と仮想レジスタ13あるいは仮想レジスタ14とのデータの送受信は一例であり、このようなデータの送受信は何回行っても良い。
このようにして、アプリケーション処理が終了すると、I/Oドライバ11の後処理として、出力要求の一括設定と、仮想マイコンリソース部20への割込み許可要求が実行される。出力要求の一括設定では、仮想レジスタ13と仮想マイコンリソース部20に出力設定が行われ、仮想マイコンリソース部20への割込み許可要求が行われる。I/Oドライバ11の後処理では、得られたポートレベル、コンペア、PWM、送信データ、通信起動データ、A/D起動データ等の出力情報が仮想マイコンリソース部20に出力される。この後、I/Oドライバ11は次回の割込み(イベントトリガ)の発生待ちとなる。
(2)実行シーケンスの例
本発明のシミュレーション装置18は、図4で説明したように、シミュレーションエンジン部70にイベント演算部77が設けられている。また、図6に示すように、シミュレーションエンジン部70には、図4では図示しなかったイベントリスト79とシミュレーショングローバルタイマ(図ではGTM)80が設けられている。シミュレーションGTM80は、フリーランタイマである。なお、図6に示すイベントリスト79には、イベントとして、エンジン制御に関するイベントが例として記載されている。
イベントリスト79には、そのイベントが発生する時間と、発生するイベントの内容が格納されている。図6に示すイベントリスト79には、時間Tne1に発生するNE(回転数)割込、と時間Tt1に発生する1ms割込が示してある。イベント内容には、この他にも、車速割込、点火時期割込、燃料噴射割込等がある。図6にはシミュレーションエンジン部70の他に、イベント演算部77に関連する仮想マイコンコア部10、仮想マイコンリソース部20、及びI/Fボードモデル43を示してある。
この例ではイベント演算部77は、以下の処理を行う。なお、以下の(2-1)が図6の丸付き数字の1に対応し、以下(2-7)まで同様に対応する。
(2-1)イベントリスト79の最上位からイベントを取り出す。
(2-2)シミュレーションGTM及びフリーランタイマを時間Tne1に更新する。
(2-3)キャプチャレジスタにフリーランタイマの下位nビット(キャプチャレジスタ長)をセットする。
(2-4)該当する割り込みフラグのセットを行う。
(2-5)仮想マイコンコア部10の割込に相当する呼び出しを行う。
(2-6)処理完了を伝える。イベント演算部77で次回の割込発生時間を計算する。
(例)イベントがエンジン制御に関する場合、エンジン回転数が1000rpmの場合の次回のNE割込の時間Tne2は以下のように計算される。
1000rpm=1周期が約60ms=リングギヤの次の1歯までの時間が約5ms
よって、次回のNE割込の時間Tne2=Tne1+5ms
(2-7)イベントリスト79の最後に次回の割込予約を、時間Tne2、内容NE割込として追加する。
このように、仮想マイコンコア部10、仮想マイコンリソース部20、及びI/Fボードモデル部43は、シミュレーションエンジン部70のイベント演算部77がイベントリスト79からイベントを取り出してイベントトリガを出力した時に演算を行うので、従来の一定周期による演算に比べて高速に動作することが可能になる。
なお、(2-6)において計算した次回の割込予約の設定時間が長い場合(これは、例えばエンジン回転数が低い場合に発生する)には、1ms割込において(2-6)において計算した次回の割込予約の設定時間を再度計算し、その値が変わっている場合には、(2-6)において計算した次回の割込予約を取り消し、新たに計算した値を用いて次回の割込予約を再設定しても良い。
(3)実機のCPUの実行時間
本発明のシミュレーション装置18を使用して実機の処理時間を計測する場合、即ち、ターゲットソフトウエア上の処理時間を計測したい場合、ターゲットソフトウエア上の実行時間は、シミュレーション装置18の上の実行時間からの推測値を使用することができる。即ち、シミュレーション装置18の上で動かすOS等の制御用プログラミングを記載するのに使用されるプログラミング言語と、実機の上で動かすOS等の制御用プログラミングを記載するのに使用されるプログラミング言語とは異なるが、両者のイベントの実行時間は殆ど変わらないか、或いは比例関係にあるので、シミュレーション装置18の上で計測したイベントの実行時間から実機の上のイベントの処理時間を推定することが可能である。
(4)シミュレーション制御部の動作
本発明のシミュレーション装置18では、図4で説明したように、シミュレーション制御・表示部7にシミュレーション制御部71があり、外部モデル実行部6にモデル制御部45が設けられている。
シミュレーション制御部71は、グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)を備えており、図7に示すように、予め用意されているプラントモデル群66とI/Fボードモデル群67の中から任意のモデルを選択し、モデル実行周期を指定し、プラントモデルとI/Fボードモデル間のポート接続を設定し、CPUシミュレータ部15の内部の制御データ(仮想マイコンコア部10の中のRAM値)を取得するための情報(アドレス等)を設定し、計測すべきデータを指定する機能を有する。また、前述の設定情報を設定情報ファイル78に出力し、モデル制御部45に設けられた設定情報ファイル78に受け渡す機能を有する。
即ち、図7には、設定情報ファイル78は1つしか描かれていないが、この設定情報ファイル78は、図4に示すように、外部モデル実行部16とシミュレーション制御・表示部7のそれぞれに設けられるものである。更に、シミュレーション制御部71は、モデル制御部45に対して任意のタイミングでイベント情報を発行する機能も有する。
ここで、仮想車両モデル60としてのI/Fボードモデル43とプラントモデル44との間のポート接続の設定について説明する。本発明は、仮想車両モデル60をI/Fボードモデル43とプラントモデル44に分けたことに特徴がある。I/Fボードモデル43はI/Fボード機能をシミュレートするものあり、汎用的に作られていて、車両の車種が変わっても共通で使うことができる。よって、I/Fボードモデル43は基本的には固定にして1つ用意しておけば済むが、シミュレータに更に汎用性を持たせるために、複数種類のI/Fボードモデル43を用意しておいても良いものである。図7示す実施例では、I/Fボードモデル群67にI/FボードモデルAとI/FボードモデルBの2種類のI/Fボードモデル43が用意されている。
これに対して、プラントモデル44は車両の車種毎のデータ(物理値)を示すものであり、車両の車種が変われば変更する必要がある。そこで、プラントモデル44は数多く用意しておく方が良い。図7に示す実施例では、プラントモデル群66に多数のプラントモデル44(プラントモデルA,プラントモデルB…)が用意されている。
そして、シミュレーション制御部71には、I/Fボードモデル43とプラントモデル44の接続ポートの情報が格納されている。よって、シミュレーション制御部71はシミュレーション時に、図示のようにプラントモデル群66から1つのプラントモデル(例えば、プラントモデルB)を選択すると共に、I/Fボードモデル群67から1つのI/Fボードモデル(例えば、デバイスモデルA)を選択し、選択したI/Fボードモデル43とプラントモデル44の組み合わせの情報と、これらのポート接続情報とを、設定情報ファイル78に設定するのである。
モデル制御部45は、シミュレーション制御部71によって設定された、I/Fボードモデル43とプラントモデル44の組み合わせの情報、及びこれらのポート接続情報とを設定情報ファイル78から読込み、設定内容に応じて各モデルを制御すると共に、CPUシミュレータ部15の内部の制御データを含む指定されたデータを計測し、この計測データを順次シミュレーション制御部71に送付する機能を有する。また、シミュレーション制御部71から任意のタイミングで発行されるイベント情報を受け取り、受け取ったイベント情報にしたがってI/Fボードモデル43とプラントモデル44を制御する機能も有する。
(5)シミュレーション制御部から得られる計測データの表示方法
本発明のシミュレーション装置18では、図8に示すように、シミュレーションの結果得られたデータを、シミュレーション制御部71で処理し、計測データ表示部73で表示する。計測データ表示部73には得られた波形を時系列で表示する時系列データ表示部73Aと、データをメータ、バーグラフ、LED等のアニメーションや数値で表示するアニメーション・数値表示部73Bとがある。
(6)計測データの解析方法
本発明のシミュレーション装置18では、シミュレーションの結果得られたデータを、シミュレーション制御部71で処理し、図4に示した計測データファイル74に蓄積する。このようにして計測データファイル74に蓄積されたデータは、計測データ解析部75により解析することができる。
(7)シミュレーション環境へのデータ入力
更に、本発明のシミュレーション装置18では、図4に示したように、シミュレーション制御部71にデータ入力部72が接続されている。この結果、シミュレーション制御部71に対して外部から任意のタイミングでデータを入力できる。データの入力方法は、図示しないが、キーボードや、マウスポインタによるアニメーションの操作(スライダ、ボリューム等)によって行うことができる。
(8)シミュレーション実行の全体の流れ
図9は、本発明のシミュレーション装置によるシミュレーション実行の流れを、シミュレーション制御部71、モデル制御部45、プラントモデル44とI/Fボードモデル43を備えた仮想車両モデル60、CPUシミュレータ部15、及びイベント演算部77の間のデータのやりとりに基づいて説明する流れ図の前半部分を示すものであり、図10はこの流れ図の後半部分を示すものである。この流れ図は図4で説明したシミュレーション装置における各部の動作を示すものである。なお、図中の何も記載のないブロックは演算を示している。
(A) シミュレーションの準備(モデルアイドル状態まで)
(A-1) シミュレーション制御部71において、図7で説明したI/Fボードモデル群66とプラントモデル群67の中から、任意のI/Fボードモデル43とプラントモデル44の選択が行われる。
(A-2) 続いて、シミュレーション制御部71では選択されたI/Fボードモデル43とプラントモデル44の間のポート接続情報の設定が行われる。この設定情報は、設定情報としてシミュレーション制御・表示部7の設定情報ファイル78に格納されると共に、シミュレーション制御部71からモデル制御部45に入力され、外部モデル実行部16にある設定情報ファイル78にも格納される。
(A-3) モデル制御部45ではこの設定情報によってモデル制御部の初期化が行われ、初期化が完了すると初期化完了メッセージがシミュレーション制御部71に返送される。
(A-4) このようにして設定情報が外部モデル実行部16にある設定情報ファイル78に格納されると、CPUシミュレータ部15がこの設定情報ファイル78に格納された情報を読み、この情報に従って動作を開始する。
(A-5) 一方、CPUシミュレータ部15では、イベント演算部77で発生する割り込み(イベントトリガ)に従い、破線で示すタイミングで入力されたイベントトリガに応じてマイコン内部の演算(ブロックで示す部分)が実行される。即ち、イベント発生時のみCPUシミュレータ部15で演算が行われる。同様に、仮想車両モデル60のI/Fボードモデル43も、イベント演算部77で発生するイベントトリガに従い、破線で示すタイミングで入力されたイベントトリガに応じて演算(ブロックで示す部分)が実行される。即ち、イベント発生時のみI/Fボードモデル43で演算が行われる。
(A-6) また、CPUシミュレータ部15で演算されたデータは、白抜きの矢印で示すようにイベント演算部77からのイベントトリガによってI/Fボードモデル43に入力され、I/Fボードモデル43は入力されたデータに応じた演算を行い、I/Fボードモデル43で演算されたデータは、白抜きの矢印で示すようにI/Fボードモデル43からCPUシミュレータ部15に返される。
(B) シミュレーションの開始、実行
(B-1) 初期化完了通知を受けたシミュレーション制御部71は演算開始指示を作成し、これが演算開始イベントとしてモデル制御部45に送られ、モデル演算が開始される。
(B-2) モデル制御部45では、この演算開始イベントの入力によって演算開始指示が作成され、これが仮想車両モデル60のプラントモデル44に入力される。
(B-3) 一方、CPUシミュレータ部15の仮想マイコンコア部10上の制御ソフトウエア12の制御信号がI/Oドライバ11と仮想マイコンリソース部20を通じてI/Fボードモデル43に送られる。CPUシミュレータ部15からI/Fボードモデル43へのデータ入力は、白抜きの矢印で示されるように、I/Fボードモデル43へのイベント演算部77からのイベントトリガ入力時に同時に行われる。I/Fボードモデル43ではこのデータ入力に基づいて演算が行われる。演算が終わると、演算結果のデータが同じく白抜きの矢印で示すように、イベント演算部77からのイベントトリガによってCPUシミュレータ部15に送り返される。但し、実際には、I/Fボードモデル43による演算結果のデータは、一旦共有のバッファに書き込まれ、CPUシミュレータ15は、次のイベントトリガのタイミングの前の適切なタイミングでこのバッファに書き込まれたデータを取り込むのである。
(B-4) このようなCPUシミュレータ部15とI/Fボードモデル43の間のデータのやりとりはイベントトリガによって繰り返される。一方、イベントトリガによってポート接続情報がCPUシミュレータ部15からプラントモデル44に入力されると、プラントモデルデータが白抜きの矢印で示すようにプラントモデル44に伝えられ、プラントモデル44ではこのデータ入力に基づいてモデル演算が行われる。
(B-5) プラントモデル44における演算結果は、図10に示すように、ポート接続情報に従って白抜きの矢印で示すようにI/Fボードモデル43に送られ、仮想マイコンリソース部20とI/Oドライバ11を通じて制御ソフトウエア12にフィードバックされる。
なお、この場合も実際には、プラントモデル44による演算結果のデータは、一旦共有のバッファに書き込まれ、I/Fボードモデル43は次のイベントトリガのタイミングの前の破線で示す適切なタイミングでこのバッファに書き込まれたデータを取り込むのである。
(B-6) (B-3)から(B-5)の処理が繰り返し実行される。
(C) シミュレーション状態のモニタ及びデータ入力
(C-1) シミュレーション実行中のデータは、随時、モデル制御部45を通じてシミュレーション制御部71に送られ、計測データ表示部73によって表示される。
(C-2) また、シミュレーションの実行中は、データ入力部72からプラントモデル44に対して随時値の入力が可能である。
(D) シミュレーションデータの保存、解析
(D-1) シミュレーション実行中のデータは、随時モデル制御部45を通じてシミュレーション制御部71に送られ、計測データファイル74に格納され、演算データの保存が行われる。
(D-1) 計測データファイル74に格納されたデータは、計測データ解析部75によって、詳細に解析が可能である。
(E)外部からのデータ入力の処理
最後に、図4のシミュレーション制御・表示部7にあるデータ入力部72からデータが入力された場合の、本発明のシミュレーション装置によるシミュレーション実行の流れを図9を用いて説明する。
データ入力部72からのデータ入力は、任意のタイミングで行われる。例えば、データ入力部72からエンジン回転数を変更するためのスロットル開度データが入力された場合は、このデータはシミュレーション制御部71を通ってモデル制御部45に入力される。モデル制御部45と仮想車両モデル60の間にはデータを遣り取りするバッファ(図示せず)があり、スロットル開度データはこのバッファの所定の部分に書き込まれる。
プラントモデル44はCPUシミュレータ部15に駆動されて動いているので、プラントモデル44は、バッファにスロットル開度データが読み込まれて更新された次のタイミングでこのバッファからスロットル開度データを読み込む。そして、更新されたスロットル開度データで演算を実行する。以後の動作はI/Fボードモデル43からデータがプラントモデル44に入力された場合と同じであり、プラントモデル44は演算結果をデバイスモデル43に渡す。
なお、シミュレーションエンジン部70は、イベントトリガによる或るイベントの完了時に次回のイベントトリガの発生時間を計算して記憶し、この或るイベントの次回の割り込み信号の発生時間が所定時間、例えば1msより長い場合は、この所定時間(1ms)の経過後にこの或るイベントの次回の割り込み信号の発生時間を再計算し、再計算値が前の計算値と異なる場合は、再計算値をこの或るイベントの次回のイベントトリガの発生時間として記憶することが可能である。
また、シミュレーションエンジン部70は、前記割り込み信号による非時間同期イベントの完了時に、当該非時間同期イベントについての次回の割り込み信号の発生時間を計算して記憶すると共に、所定時間毎に記憶された非時間同期イベントの次回の割り込み信号の発生時間を再計算して記憶するが、再計算のタイミングはこれに限定されず、どのようなタイミングでも良い。例えば、他の非時間同期割り込みのタイミングや、一度計算を行った時点から所定時間が経過したタイミング等に行っても良い。
車両に搭載された実際のエンジン制御システムを、従来のシミュレーション装置で実現した場合の構成と対比して示す構成比較図である。 図1のECUの内部の構成の一例を詳細に示すブロック図である。 車両に搭載された実際のエンジン制御システムを、別のシミュレーション装置で実現した場合の従来の構成と対比して示す構成比較図である。 車両に搭載された実際のエンジン制御システムを、本発明のシミュレーション装置で実現した場合の構成と対比して示す構成比較図である。 図4に示した本発明の電子機器のシミュレーション装置における、仮想マイコンコア部と仮想マイコンリソース部の間のデータの流れを説明する説明図である。 図4のシミュレーションエンジン部、仮想マイコンリソース部、仮想マイコン部の内部構成、及びこれらの間のデータの流れを説明する説明図である。 図4のCPUシミュレータ部、外部モデル実行部、モデル制御部、及びシミュレーション制御部の間のデータの流れを説明する説明図である。 シミュレーション制御部から得られる計測データの表示方法を説明する説明図である。 本発明のシミュレーション装置によるシミュレーション実行の流れを、シミュレーション制御部、モデル制御部、仮想車両モデル、CPUシミュレータ部、及びイベント演算部の間のデータのやりとりに基づいて説明する流れ図の前半部分である。 本発明のシミュレーション装置によるシミュレーション実行の流れを、シミュレーション制御部、モデル制御部、仮想車両モデル、CPUシミュレータ部、及びイベント演算部の間のデータのやりとりに基づいて説明する流れ図の後半部分である。
符号の説明
1 ECU
2 入力用周辺回路
3 組込み用マイクロコンピュータ
4 出力用周辺回路
5 CPUシミュレータ部
6 外部モデル実行部
7 シミュレーション制御・表示部
8 本発明のシミュレーション装置
9 従来のシミュレーション装置
10 仮想マイコンコア部
11 I/Oドライバ
12 コントロールソフト
13、14 仮想レジスタ
15 CPUシミュレータ部
16 外部モデル実行部
17 シミュレーションエンジン部
18 本発明のシミュレーション装置
20 仮想マイコンリソース部
40 外部モデル実行部
43 I/Fボードモデル
44 プラントモデル
45 モデル制御部
60 仮称車両モデル
61 デバイスモデル
62 プラントモデル
63 モデル制御部
71 シミュレーション制御部
72 データ入力部
73 計測データ表示部
75 計測データ制御・表示部
N 車両からの入力信号
S 車両への出力信号
V 実車両

Claims (8)

  1. マイクロコンピュータを含む制御装置によって被制御装置を制御する制御システムを模擬するシミュレーション装置であって、
    前記マイクロコンピュータをソフトウエアで模擬するものであり、
    前記被制御装置を制御するための制御プログラムの実行を行うマイコンコアをソフトウエアで模擬する仮想マイコンコア部と、前記マイコンコア周辺のハード的なリソースをソフトウエアで模擬する仮想マイコンリソース部と、を備える第1のシミュレータ部と、
    前記被制御装置のモデルに基づいて前記被制御装置をソフトウエアで模擬する第2のシミュレータ部と、
    前記第2のシミュレータ部からの情報に基づいて、前記第1のシミュレータ部に所定の処理を行わせるための割り込み信号を発生するシミュレーションエンジン部とを備え、
    前記シミュレーションエンジン部は、前記第2のシミュレータ部からの被制御装置の状態を示す情報と、イベントリストに記憶されたイベントの仕様とに基づいて、前記第1のシミュレータ部に対する割り込み信号を発生し、
    前記第1のシミュレータ部は、前記仮想マイコンコア部と前記仮想マイコンリソース部との間の情報の遣り取りを、仮想レジスタを介して行うものであり、前記シミュレーションエンジン部から割り込み信号が入力されると、当該割り込み信号に対応する前記制御プログラムにおけるアプリケーション処理を実行することを特徴とするシミュレーション装置。
  2. 前記シミュレーションエンジン部は、前記割り込み信号による非時間同期イベントの完了時に、当該非時間同期イベントについての次回の割り込み信号の発生時間を計算して記憶すると共に、所定時間毎に前記記憶された非時間同期イベントの次回の割り込み信号の発生時間を再計算して記憶することを特徴とする請求項に記載のシミュレーション装置。
  3. 前記第1のシミュレータ部によって模擬される実機におけるイベントの実行時間は、前記第1のシミュレータ部を実行するマイクロコンピュータにおける同じイベントの実行時間から推定することを特徴とする請求項1又は2に記載のシミュレーション装置。
  4. 前記第1と第2のシミュレータ部の間で送受信されるデータの設定を行うと共に、前記第2のシミュレータ部にイベント情報を発行するシミュレーション制御部が、グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを備え、前記シミュレーション制御部は、シミュレーションに用いるモデルの設定を、前記グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを用いて行うことを可能としたことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の電子機器のシミュレーション装置。
  5. 前記シミュレーション制御部は、前記第1のシミュレータ部における内部制御データの中から、計測すべきデータを指定する機能を有することを特徴とする請求項に記載の電子機器のシミュレーション装置。
  6. 前記第2のシミュレータ部は、前記シミュレーション制御部によって指定された前記第1のシミュレータ部における内部制御データの計測を行うと共に、当該計測したデータを前記シミュレーション制御部に送付する機能を有することを特徴とする請求項に記載の電子機器のシミュレーション装置。
  7. 前記シミュレーション制御部は、前記第2のシミュレータ部に対して、任意のタイミングで前記イベント情報を発行する機能を備え、
    前記第2のシミュレータ部は、前記シミュレーション制御部から任意のタイミングで発行されるイベント情報を受け取り、このイベント情報に従ってモデルを制御する機能を備えることを特徴とする請求項に記載の電子機器のシミュレーション装置。
  8. 前記第1のシミュレータ部に内部タイマが設けられており、他のシミュレータ部はこの内部タイマのカウントする時間で動作することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の電子機器のシミュレーション装置。
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