JP4476214B2 - 空調装置及び環境試験装置 - Google Patents
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Description
環境試験の内容はまちまちであり、被試験物を低温環境に置く場合もあれば、高温環境に晒す場合もある。あるいは低温環境から高温環境に変化させたり、逆に高温環境から低温環境に変化させる場合もある。
そのため環境試験装置に装備される空調装置は、低温領域から高温領域に渡って広く温度調節できることが必要である。
この様な理由から環境試験装置に装備される空調装置は、低温環境を作るための冷凍機と高温環境を作るためのヒータが内蔵されている場合が多い。
そこで温度領域を極低温領域と、低温領域及び高温領域に分け、極低温領域については通常の冷凍機を使用し、低温領域については水を循環させて低温環境を維持するタイプの環境試験装置が知られている。
そして試験室を極低温領域に空調する場合には相変化する冷媒を循環させる熱交換器(蒸発装置)を使用して試験室の空気と熱交換を行う。また5°C程度から常温近傍までの低温領域に空調する場合には水を主体とする冷媒を循環させる熱交換器を使用して試験室の空気を冷却する。
循環水の凍結を防止するために、水に不凍液を配合する場合もあるが、極低温に温度調整する場合には凍結を防ぐことはできない。
そこで循環水が凍結する恐れがある場合には試験に先立って、熱交換器から水を抜いておくことが賢明である。
そのため循環水が凍結する恐れがある場合には、試験に先立って循環水のタンクと熱交換器とを接続する開閉弁や、供給水の開閉弁を閉じ、排水弁を開いて熱交換器等の中に溜まった水を排水する。
しかしながら、循環水のタンクと熱交換器を接続する開閉弁が、ごみ噛み等によって充分に閉じていなかったり、弁が傷んでいて水漏れがあると、試験中に熱交換器内に水が流れ込む。供給水の開閉弁に漏れがある場合も同様であり、試験中に熱交換器内に水が流れ込む。その結果、熱交換器内で水が凍結し、熱交換器に致命的な損傷を与える場合がある。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、温度領域を極低温領域と、低温領域及び高温領域に分け、低温領域については水を循環させて環境を維持するタイプの環境試験装置を改良するものであり、熱交換器内への水の侵入を完全に阻止することができ、熱交換器の破損を未然に防止することができる空調装置の開発を課題とするものである。
また併せて本発明は、熱交換器の破損を未然に防止することができる環境試験装置の開発を課題とするものである。
図1は、本発明の実施形態の環境試験装置の斜視図である。図2は、図1の環境試験装置に付属する空調装置の作動原理図である。図3は、図1の環境試験装置の動作を示すフローチャートである。
図1において、1は本発明の実施形態の環境試験装置を示す。環境試験装置は、公知のそれと同様に内部に恒温恒湿槽2を備え、当該恒温恒湿槽2を空調する空調装置3を備えている。
空調装置3は、一連の空気流路5を有し、当該空気流路5は、入り側ダクト6及び出側ダクト7によって恒温恒湿槽2と連通している。
ここで、ファン10、ヒータ11及び強冷用熱交換器13は、公知のそれと同一である。即ちファン10は、恒温恒湿槽2内の空気を取り込み、空気流路5を通過させて恒温恒湿槽2に戻す役割をするものである。ヒータ11は電気ヒータであり、恒温恒湿槽2内の温度を昇温したい場合に使用する。
冷凍回路19には、相変化する冷媒が循環し、冷媒は圧縮、凝縮、膨張、蒸発を繰り返して強冷用熱交換器13の温度を低下させる。強冷用熱交換器13の表面温度は、0°C(氷点)を下回る。
また入側冷媒配管21には供給側電磁弁(開閉弁)26が設けられ、出側冷媒配管22には戻り側電磁弁(開閉弁)25が設けられている。
給水配管27及び空気導入配管28は、循環配管24に枝管を設けて取り付けられている。また給水配管27には給水用電磁弁33が設けられ、空気導入配管28には空気供給用電磁弁32が設けられている。
また前記した冷凍回路19の一部が分岐されて別途膨張弁40と蒸発器41が取り付けられ、蒸発器41が水タンク20内に設置されている。
本実施形態の環境試験装置1は、恒温恒湿槽2内を低温環境にすることも高温環境にすることもできる。
即ち恒温恒湿槽2内を空調する場合には、ファン10を起動して恒温恒湿槽2内の空気を空調装置3内に取り込み、希望温度に合わせて熱交換器12,13やヒータ11を機能させる。
またこのとき、冷凍機(冷凍回路19)も合わせて起動し、蒸発器41によって水タンク20内の冷媒を冷却する。
即ち図3のフローチャートの様に、設定温度が5°C以下である場合は、ステップ2に移行して循環配管24の供給側電磁弁(開閉弁)26と戻り側電磁弁(開閉弁)25を閉じる。
そしてステップ3に移行して排水用電磁弁35を開く。その後、空気供給用電磁弁32を開く(ステップ4)。その結果、水冷媒用熱交換器12及び循環配管24に高圧の空気が充填され、内部の水が空気と置換される。即ち内部の水は全て排水用電磁弁35から排水される。
そしてステップ7に移行して空気供給用電磁弁32を閉じるが、循環配管24は開口部を持たないので、水冷媒用熱交換器12及び循環配管24は、高圧状態が維持される。
そのため水冷媒用熱交換器12内で水が凍結することはない。
本実施形態では、水冷媒用熱交換器12内の圧力が低下した場合は、ステップ8がNOとなり、ステップ11に移行して警報を発する。警報は、例えばサイレンや光りの点滅等による。
そして圧縮機15を停止し、試験を停止する。
なお、試験の途中で停止信号が入った場合は、ステップ10がYESとなり、圧縮機15を停止し、試験を停止する。
しかしながら、空調装置3の取り付け位置や、空気流路5内のレイアウト等によっては設定温度が5°Cを越える場合でも水冷媒用熱交換器12の一部や周辺配管が氷点下の温度に晒される場合もある。この様な場合には、設定温度が、5°C以上である場合に水冷媒用熱交換器12内等の水を排水しなければならない。
2 恒温恒湿槽
3 空調装置
5 空気流路
12 水冷媒用熱交換器
13 強冷用熱交換器
15 圧縮器
16 凝縮器
17 膨張弁
20 水タンク
21 入側冷媒配管
22 出側冷媒配管
24 循環配管
25 戻り側電磁弁(開閉弁)
26 供給側電磁弁(開閉弁)
31 圧力センサー
32 空気供給用電磁弁
33 給水用電磁弁
35 排水用電磁弁
Claims (6)
- 水を主体とする冷媒を循環させる水冷媒用熱交換器と、表面温度が氷点下の温度となる強冷用熱交換器を有する空調装置において、強冷用熱交換器によって熱交換を行う際に、前記水冷媒用熱交換器内の冷媒を気体と置換し、さらに前記水冷媒用熱交換器内の気体を、前記水冷媒用熱交換器内に前記冷媒を供給可能な給水源の圧力以上に維持することを特徴とする空調装置。
- 前記水冷媒用熱交換器内に連通する入側冷媒配管と出側冷媒配管を備え、前記入側冷媒配管及び出側冷媒配管には開閉弁が設けられ、さらに前記水冷媒用熱交換器内に連通し、前記水冷媒用熱交換器内に気体を導入する気体導入配管を備え、前記冷媒を気体に置換する場合には、気体導入配管を介して気体を導入することを特徴とする請求項1に記載の空調装置。
- 前記冷媒を気体に置換する場合には、水冷媒用熱交換器に加えて、水冷媒用熱交換器と連通する配管の一部又は全部についても内部の冷媒を気体と置換し、さらに前記配管内の気体を前記給水源の圧力以上に維持することを特徴とする請求項1又は2に記載の空調装置。
- 圧力監視手段を有し、当該圧力監視手段によって水冷媒用熱交換器内の気体の圧力を監視可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の空調装置。
- 水冷媒用熱交換器内の気体の圧力が低下した時にその事実を知らせる報知手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の空調装置。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の空調装置が搭載された環境試験装置。
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