JP4476208B2 - 軸系の縦振動制振装置 - Google Patents

軸系の縦振動制振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4476208B2
JP4476208B2 JP2005333971A JP2005333971A JP4476208B2 JP 4476208 B2 JP4476208 B2 JP 4476208B2 JP 2005333971 A JP2005333971 A JP 2005333971A JP 2005333971 A JP2005333971 A JP 2005333971A JP 4476208 B2 JP4476208 B2 JP 4476208B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
damper
longitudinal vibration
shaft
oil chambers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005333971A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007139081A (ja
Inventor
柳  和久
篤 湯下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2005333971A priority Critical patent/JP4476208B2/ja
Publication of JP2007139081A publication Critical patent/JP2007139081A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4476208B2 publication Critical patent/JP4476208B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Description

本発明は、大型ディーゼル機関におけるクランク軸の縦振動制振装置等に適用され、縦振動が生起される軸に固定されハウジング内に往復動自在に収納されたピストンにより該ハウジング内を2つの油室に区画してなる振動検出装置と、ダンパケース内に往復動自在に収納された重錘によりダンパケース内を2つのダンパ油室に区画し該重錘の両面とダンパケースの内面との間にダンパスプリングを架設してなる縦振動ダンパとを具えた軸系の縦振動制振装置に関する。
図9は、船舶用大型ディーゼル機関におけるクランク軸の縦振動制振装置の要部縦断面図である。図9において、101は縦振動が生起されるエンジン(ディーゼル機関)のクランク軸、102は該クランク軸101に固定されたピストンで、該ピストン102はハウジング105内に往復動自在に収納されるとともに該ピストン102により該ハウジング105内は2つの油室103及び104に区画される。106は前記油室103に接続される油路、107は前記油室104に接続される油路で、該油路106と油路107との接続部には該油路106、107間の通路面積を変化させる絞り弁110が設置されている。
そして、かかる縦振動制振装置においては、前記絞り弁110の開度を変化させることにより、前記クランク軸101の縦振動による前記油室103及び104の油圧変動に対する絞り弁110の粘性摩擦抵抗を変化させて、前記縦振動の制振機能を調整している。
また、特許文献1(特開平6−147259号公報)の特に図3には、縦振動が生起されるクランク軸に固定されたピストンをハウジング内に往復動自在に収納するとともに、該ピストンにより該ハウジング内を2つの油室に区画してなる振動検出装置と、ダンパケース内に往復動自在に収納された重錘により該ダンパケース内を2つのダンパ油室に区画するとともに、該重錘の両面とダンパケースの内面との間に該重錘の往復動により圧縮されるダンパスプリングを架設してなる縦振動ダンパとを具え、前記クランク軸の縦振動により発生する前記振動検出装置の2つの油室内の油圧変化を前記縦振動ダンパ内の2つのダンパ油室内に導入して前記重錘の両面に作用させ、該重錘の往復動による慣性力及びダンパスプリングのばね力によって前記クランク軸の縦振動を制振するように構成したクランク軸の縦振動制振装置が開示されている。
特開平6−147259号公報
図9に示されるクランク軸の縦振動制振装置にあっては、クランク軸101の縦振動に対する制振機能を上昇させる際には、前記絞り弁110の開度を絞って該絞り弁110の粘性摩擦抵抗を増加させるが、この場合は絞り弁110を通る油の流量を制限するため、流路抵抗が大きくなって、ピストン102とハウジング105内面間の摺動部における洩れが増加し、装置の縦振動制振効果が低下する。
一方、特許文献1(特開平6−147259号公報)の技術にあっては、図9に示される従来技術のような絞り弁を具えないため、前記のような問題は回避できるが、振動検出装置の2つの油室内の油圧変化を縦振動ダンパ内の2つのダンパ油室内に導入して重錘の両面に作用させ、該重錘の往復動による慣性力及びダンパスプリングのばね力によって前記クランク軸の縦振動を制振しているにとどまっているため、高振幅の振動に対しては十分な制振効果が得られ難い等の問題を抱えている。
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、ダンパケース内に往復動自在に収納された重錘及びダンパスプリングを具えた縦振動ダンパに作用する油の洩れを抑制して所要の縦振動制振効果を保持しつつ、高振幅を含む広範囲の振幅の縦振動に対しても十分な制振効果を発揮し得る軸系の縦振動制振装置を提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、縦振動が生起される軸に固定されたピストンをハウジング内に往復動自在に収納するとともに、該ピストンにより該ハウジング内を2つの油室に区画してなる振動検出装置と、ダンパケース内に往復動自在に収納された重錘により該ダンパケース内を2つのダンパ油室に区画するとともに、該重錘の両面とダンパケースの内面との間に該重錘の往復動により圧縮されるダンパスプリングを架設してなる縦振動ダンパとを具え、前記軸の縦振動により発生する前記振動検出装置の2つの油室内の油圧変化を前記縦振動ダンパ内の2つのダンパ油室内に導入して前記重錘の両面に作用させるようにした軸系の縦振動制振装置であって、前記重錘に前記2つのダンパ油室を連通する複数の連通路を形成して、前記振動検出装置の2つの油室からの油圧を前記重錘の両面に作用させて該重錘の往復動による慣性力及びダンパスプリングのばね力によって前記軸の縦振動を制振するとともに、
前記重錘の往復動により該連通路を通して往復移動する油の粘性摩擦抵抗によって前記軸の縦振動を制振するように構成し
前記連通路は、前記重錘の外周に円周方向に沿って刻設され該重錘の軸方向に捩れて形成された捩れ溝、及び該重錘の軸方向に対して傾斜して形成された傾斜孔のいずれか一方または双方からなることを特徴とする。
かかる発明によれば、ダンパケース内に往復動自在に収納された重錘にダンパケース内の2つのダンパ油室を連通する複数の連通路を形成し、前記振動検出装置の2つの油室からの油圧変動を重錘の両面に作用させて該重錘を往復動せしめるので、該重錘が前記油圧変動によりダンパケースの軸方向に並進振動することにより2つのダンパ油室内の油が連通路内を往復移動し、かかる往復移動による油の粘性摩擦抵抗によって前記軸の縦振動を制振することができて、前記軸の縦振動を制振することが可能となる。
従って、前記振動検出装置の2つの油室からの油圧変動を前記重錘の両面に作用させて該重錘の往復動による慣性力及びダンパスプリングのばね力によって前記軸の縦振動を制振する制振作用に加えて、かかる連通路内の油の往復移動に伴う油の粘性摩擦抵抗による軸の縦振動の制振作用が重畳されることにより、前記軸の縦振動の制振効果を向上させることができ、高振幅を含む広範囲の振幅の縦振動に対しても十分な制振効果を発揮し得る縦振動制振装置が得られる。
また、従来技術のような絞り弁が不要となるので、該絞り弁の設置に伴う振動検出装置の摺動部における洩れ及びこれに伴う縦振動制振効果の低下を回避できる。
また、前記連通路を構成する前記重錘の内部を貫通する連通孔、及び前記重錘の外周に円周方向に沿って刻設された連通溝の数及び通路断面積を変化させることにより、前記軸の縦振動の減衰特性を調整することが可能となり、多様な振動特性に適応可能な縦振動制振装置が得られる。
また本発明は、前記連通路を前記重錘の外周に円周方向に沿って刻設され該重錘の軸方向に捩れて形成された捩れ溝、及び該重錘の軸方向に対して傾斜して形成された傾斜孔のいずれか一方または双方で構成する。
このように構成すれば、振動検出装置の2つの油室からの油圧変動により前記ダンパ油室内の油が、捩れ溝あるいは傾斜孔で構成された連通路内を往復移動することによって前記重錘を回転させる回転力が発生して、該回転力による円周方向の粘性摩擦抵抗が発生し、前記連通路内の油の軸方向往復移動に伴う軸方向の粘性摩擦抵抗による振動減衰作用に、前記回転力による円周方向の粘性摩擦抵抗が重畳されて、前記軸の縦振動の制振効果をさらに向上させることができる。
また、前記重錘を回転させる回転力が発生して、該重錘が前記縦振動によって軸方向に往復動しながら前記回転力によって円周方向にも移動せしめられるので、該重錘の外周面とダンパケースの内周面とが局部的な当たりを生ずることなく均一に当たって、摺動抵抗を軽減できる。
またかかる発明において、前記重錘の両面とダンパケースの内面との間に架設されて該重錘の往復動により圧縮されるダンパスプリングを円錐状コイルばねで構成すれば、前記円錐状コイルばねの軸方向及び円周方向両方向の変形能によって、重錘の軸方向及び円周方向の往復移動を無理な力の作用を伴うことなく円滑に行なうことができる。
また本発明は、前記軸系の縦振動制振装置であって、前記重錘を前記ダンパケースの内面に摺動可能に嵌合される外側重錘と該外側重錘の内周側に配設された内側重錘とにより構成するとともに、該外側重錘の内周と内側重錘の外周とをゴム等の振動減衰能を有する弾性材料からなる弾性体で連結して、前記振動検出装置の2つの油室からの油圧を前記外側重錘及び内側重錘の両面に作用させ、該外側重錘及び内側重錘の往復動による慣性力及びダンパスプリングのばね力及び前記弾性体の弾性の3つの減衰力によって前記軸の縦振動を制振するように構成したことを特徴とする。
かかる発明に加えて、具体的には次のように構成するのが好ましい。
(1)前記外側重錘の外周に円周方向に沿って刻設され前記2つのダンパ油室を連通する複数の連通溝、及び内側重錘の内部を貫通して前記2つのダンパ油室を連通する複数の連通孔のいずれか一方または双方を具える。
(2)前記ダンパスプリングを、前記外側重錘の両面とダンパケースの内面との間、及び前記内側重錘の両面とダンパケースの内面との間のいずれか一方または双方に架設する。
かかる発明によれば、前記重錘をダンパケースの内面に摺動可能に嵌合される外側重錘と該外側重錘の内周側に配設された内側重錘とに分割し、該外側重錘と内側重錘とをゴム等の振動減衰能を有する弾性材料からなる弾性体で連結し、これに加えて外側重錘の両面とダンパケースの内面との間及び前記内側重錘の両面とダンパケースの内面との間のいずれか一方または双方にダンパスプリングを架設し、また外側重錘の外周に刻設され2つのダンパ油室を連通する複数の連通溝及び内側重錘の内部を貫通して2つのダンパ油室を連通する複数の連通孔のいずれか一方または双方を設けたので、半径方向に分割された外側重錘と内側重錘とをゴム等の振動減衰能を有する弾性材料からなる弾性体で結合することによって、重錘を弾性体で結合された外側重錘と内側重錘との1自由度系の振動系とすることができて、前記弾性体の変形能により振動減衰効果を向上できる。
これにより、前記重錘の往復動による慣性力及びダンパスプリングのばね力によって前記軸の縦振動を制振する制振作用、及び前記連通溝内あるい連通孔内の油の往復移動に伴う油の摩擦抵抗による軸の縦振動の制振作用に加えて、前記のような弾性体による制振作用が重畳されて前記軸の縦振動の制振効果がさらに向上する。
かかる発明において、好ましくは、前記外側重錘と内側重錘とを比重の異なる材料で構成する。
このように構成すれば、外側重錘及び内側重錘の比重を変えることにより、設置スペースを変えることなく、所望の制振効果が得られるように、外側重錘及び内側重錘の質量を容易に調整できる。
本発明によれば、振動検出装置の2つの油室からの油圧変動を重錘の両面に作用させて該重錘の往復動による慣性力及びダンパスプリングのばね力によって軸の縦振動を制振する制振作用に加えて、2つのダンパ油室を連通する連通路内の油の往復移動に伴う油の摩擦抵抗による軸の縦振動の制振作用が重畳されることにより、前記軸の縦振動の制振効果を向上させることができ、高振幅を含む広範囲の振幅の縦振動に対しても十分な制振効果を発揮し得る縦振動制振装置が得られる。
また、従来技術のような絞り弁が不要となるので、該絞り弁の設置に伴う振動検出装置の摺動部における洩れ及びこれに伴う縦振動制振効果の低下を回避できる。
また、前記連通路を構成する重錘の内部を貫通する連通孔及び重錘の外周に円周方向に沿って刻設された連通溝の数及び通路断面積を変化させることにより、軸の縦振動の減衰特性を調整することが可能となり、多様な振動特性に適応可能な縦振動制振装置が得られる。
さらには、半径方向に分割された外側重錘と内側重錘とをゴム等の振動減衰能を有する弾性材料からなる弾性体で結合することによって、重錘を弾性体で結合された外側重錘と内側重錘との1自由度系の振動系とすることができて、前記弾性体の変形能により振動減衰効果を向上できる。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は本発明の第1実施例に係るクランク軸の縦振動制振装置の全体構成を示す軸方向の概略断面図、図2は前記第1実施例における図1のA―A線に沿う断面図である。
図1〜2において、101は縦振動が生起されるエンジン(ディーゼル機関)のクランク軸である。200は振動検出装置で次のように構成されている。
102は前記クランク軸101に固定されたピストンで、該ピストン102はハウジング105内に往復摺動自在に収納されている。該ハウジング105内は該ピストン102により2つの油室103及び104に区画され、該2つの油室103,104及び後述する縦振動ダンパ100には振動減衰作用を行なうための油(作動油)が充填されている。101aはクランク軸心である。
100は縦振動ダンパで、次のように構成されている。
1はダンパケース、2は該ダンパケース1内に往復動自在に収納された重錘で、該ダンパケース1内は前記重錘2により2つのダンパ油室3,4に区画されている。一方側の前記ダンパ油室3入口の接続ダクト5は連絡管106を介して前記振動検出装置200の一方側の油室103に接続され、他方側の前記ダンパ油室4入口の接続ダクト6は連絡管107を介して前記振動検出装置200の他方側の油室104に接続されている。
前記重錘2の両面とダンパケース1の軸方向の内面との間には、該重錘2の往復動により圧縮されるコイルばね(ダンパスプリング)7a,7bが架設されている。
8は前記重錘2の内部を軸方向に貫通した複数個の連通孔で、該連通孔8は前記2つのダンパ油室3,4に開口されている。9は前記重錘2の外周に円周方向に沿って複数個刻設された連通溝で、該連通溝9は前記2つのダンパ油室3,4に開口されている。前記連通孔8及び連通溝9の数及び断面積は、該連通孔8あるいは連通溝9の粘性摩擦抵抗と重錘2の受圧面積とを勘案して設定する。
尚、この実施例のように前記連通孔8及び連通溝9を併設しても、該連通孔8あるいは連通溝9のいずれか一方を設けてもよい。1aは縦振動ダンパの軸心である。
かかる第1実施例において、前記クランク軸101の縦振動によって前記振動検出装置200のピストン102がハウジング105内を往復動することにより、油室103,104内に油圧変動が発生し、この油圧変動は連絡管106,107及び接続ダクト5,6を介して縦振動ダンパ100の2つのダンパ油室3,4に伝達される。
前記縦振動ダンパ100においては、前記ダンパ油室3,4内の油圧変動を前記重錘2の両面に作用させることによる該重錘2の往復動による慣性力と、前記コイルばね(ダンパスプリング)7a,7bのばね力とによって前記クランク軸101の縦振動を減衰せしめるとともに、前記重錘2が前記油圧変動によりダンパケース1の軸方向に並進振動することによって前記2つのダンパ油室3,4内の油が前記連通孔8及び連通溝9を内を往復移動することによる油の粘性摩擦抵抗によって前記クランク軸101の縦振動を減衰せしめる。
従って、かかる第1実施例によれば、前記振動検出装置200の2つの油室103,104からの油圧変動を前記重錘2の両面に作用させて該重錘2の往復動による慣性力及びコイルばね(ダンパスプリング)7a,7bのばね力によって前記クランク軸101の縦振動を制振する制振作用に加えて、前記連通孔8及び連通溝9内の油の往復移動に伴う油の粘性摩擦抵抗によるクランク軸101軸の縦振動の制振作用が重畳されることにより、前記クランク軸101軸の縦振動の制振効果を向上させることができる。
これにより、高振幅を含む広範囲の振幅の縦振動に対しても十分な制振効果を発揮し得る縦振動制振装置が得られる。
また、従来技術のような絞り弁が不要となるので、該絞り弁の設置に伴う振動検出装置200のピストン102とハウジング105内面間の摺動部における洩れ及びこれに伴う縦振動制振効果の低下を回避できる。
また、前記重錘2の内部を貫通する連通孔8、及び前記重錘2の外周に円周方向に沿って刻設された連通溝9の数及び通路断面積を変化させることにより、前記クランク軸101の縦振動の減衰特性を調整することが可能となり、多様な振動特性に適応可能な縦振動制振装置が得られる。
図3は本発明の第2実施例に係るクランク軸の縦振動制振装置における縦振動ダンパの概略断面図、図4は前記第2実施例における図3のB―B線に沿う断面図である。
この第2実施例においては、前記ダンパ油室3,4間を連通する連通路を、前記重錘2の外周に円周方向に沿って複数刻設され、該重錘2の軸方向に捩れて形成された捩れ溝11、及び該重錘2の軸方向に対して傾斜して形成された複数の傾斜孔110で構成している。
また、かかる第2実施例においては、前記重錘2の両面とダンパケース1の軸方向内面との間に架設されて該重錘2の往復動により圧縮されるダンパスプリングを円錐状コイルばね12a,12bで構成している。
その他の構成は図1〜2に示す第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第2実施例によれば、振動検出装置200の2つの油室103,104からの油圧変動により前記ダンパ油室3,4内の油が、捩れ溝11あるいは傾斜孔110で構成された連通路内を往復移動することによって、前記重錘2を回転させる回転力が発生して、該回転力による円周方向の粘性摩擦抵抗が発生する。
これにより、前記捩れ溝11及び傾斜孔110からなる連通路内の油の軸方向往復移動に伴う軸方向の粘性摩擦抵抗による振動減衰作用に、前記回転力による円周方向の粘性摩擦抵抗が重畳されて、前記クランク軸101の縦振動の制振効果を前記第1実施例よりもさらに向上させることができる。
また、前記のように重錘2を回転させる回転力が発生して、該重錘2が前記クランク軸101の縦振動によって軸方向に往復動しながら前記回転力によって円周方向にも移動せしめられるので、該重錘2の外周面とダンパケース1の内周面とが局部的な当たりを生ずることなく均一に当たることとなり、該重錘2の外周面とダンパケース1との摺動抵抗を軽減できる。
また、前記重錘2の両面とダンパケース1の内面との間に円錐状コイルばね12a,12bを架設したので、該円錐状コイルばね12a,12bの軸方向及び円周方向両方向の変形能によって、重錘2の軸方向及び円周方向の往復移動を無理な力の作用を伴うことなく円滑に行なうことができる。
図5は本発明の第3実施例に係るクランク軸の縦振動制振装置における縦振動ダンパの第1例を示す概略断面図、図6は図5、図7、図8のC―C線に沿う断面図である。また、図7は前記第3実施例における縦振動ダンパの第2例を示す図5対応図、図8は前記第3実施例における縦振動ダンパの第3例を示す図5対応図である。
この第3実施例においては、図5〜8に示すように、前記重錘(2)を前記ダンパケース1の内面に摺動可能に嵌合される円筒状の外側重錘21と該外側重錘21の内周側に配設された円柱状の内側重錘22とにより構成するとともに、該外側重錘21の内周と内側重錘22の外周とをゴム等の振動減衰能を有する弾性材料からなる弾性体23で連結している。
また、8は前記内側重錘22の内部を軸方向に貫通した複数個の連通孔で、該連通孔8は2つのダンパ油室3,4に開口されている。9は前記外側重錘21の外周に円周方向に沿って複数個刻設された連通溝で、該連通溝9は前記2つのダンパ油室3,4に開口されている。
前記連通孔8及び連通溝9をこの第3実施例のように併設しても、該連通孔8あるいは連通溝9のいずれか一方を設けてもよい。
そして、図5〜6に示される第3実施例の第1例では、前記コイルばね(ダンパスプリング)7a,7bを、前記内側重錘22の両面とダンパケース1の軸方向内面との間に架設している。
その他の構成は図1〜2に示す第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
図7に示される第3実施例の第2例では、コイルばね(ダンパスプリング)24a,24bを、前記外側重錘21の両面とダンパケース1の軸方向内面との間に架設している。
また図8に示される第3実施例の第3例では、前記コイルばね(ダンパスプリング)7a,7bを前記内側重錘22の両面とダンパケース1の軸方向内面との間に架設するとともに、前記外側重錘21の両面とダンパケース1の軸方向内面との間に前記コイルばね(ダンパスプリング)24a,24bを架設している。
図7、図8におけるその他の構成は図1〜2に示す第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
かかる第3実施例によれば、重錘をダンパケース1の内面に摺動可能に嵌合される外側重錘21と該外側重錘21の内周側に配設された内側重錘22とに半径方向に分割し、該外側重錘21と内側重錘22とをゴム等の振動減衰能を有する弾性材料からなる弾性体23で連結し、これに加えて内側重錘22の両面とダンパケース1の軸方向内面との間にコイルばね7a,7bを架設し(第1例)、外側重錘21の両面とダンパケース1の軸方向内面との間にコイルばね24a,24bを架設し(第2例)、内側重錘22の両面とダンパケース1の軸方向内面との間及び外側重錘21の両面とダンパケース1の軸方向内面との間の双方にコイルばね7a,7b及びコイルばね24a,24bを架設し(第3例)、さらには外側重錘21の外周に刻設され2つのダンパ油室3,4を連通する複数の連通溝9及び内側重錘22の内部を貫通して2つのダンパ油室3,4を連通する複数の連通孔8のいずれか一方または双方を設けたので、半径方向に分割された外側重錘21と内側重錘22とをゴム等の振動減衰能を有する弾性材料からなる弾性体23で結合することによって、重錘を弾性体で結合された外側重錘21と内側重錘22との1自由度系の振動系とすることができて、前記弾性体23の変形能により振動減衰効果を向上でき、前記外側重錘21及び内側重錘22の往復動による慣性力及び前記コイルばね(ダンパスプリング)7a,7bあるいはコイルばね24a,24bのばね力によって前記クランク軸101の縦振動を制振する制振作用、及び前記連通溝9内あるい連通孔8内の油の往復移動に伴う油の摩擦抵抗による軸の縦振動の制振作用に加えて、前記のような弾性体による制振作用が重畳されて前記クランク軸101の縦振動の制振効果がさらに向上する。
かかる第3実施例において、前記外側重錘21と内側重錘22とを比重の異なる材料で構成する。このように構成すれば、外側重錘21及び内側重錘22の比重を変えることにより、設置スペースを変えることなく、所望の制振効果が得られるように、外側重錘21及び内側重錘22の質量を容易に調整できる。
本発明によれば、ダンパケース内に往復動自在に収納された重錘及びダンパスプリングを具えた縦振動ダンパに作用する油の洩れを抑制して所要の縦振動制振効果を保持しつつ、高振幅を含む広範囲の振幅の縦振動に対しても十分な制振効果を発揮し得る軸系の縦振動制振装置を提供できる。
本発明の第1実施例に係るクランク軸の縦振動制振装置の全体構成を示す軸方向の概略断面図である。 前記第1実施例における図1のA―A線に沿う断面図である。 本発明の第2実施例に係るクランク軸の縦振動制振装置における縦振動ダンパの概略断面図である。 前記第2実施例における図3のB―B線に沿う断面図である。 本発明の第3実施例に係るクランク軸の縦振動制振装置における縦振動ダンパの第1例を示す概略断面図である。 図5、図7、図8のC―C線に沿う断面図である。 前記第3実施例における縦振動ダンパの第2例を示す図5対応図である。 前記第3実施例における縦振動ダンパの第3例を示す図5対応図である。 従来技術に係るクランク軸の縦振動制振装置の全体構成を示す軸方向の概略断面図である。
符号の説明
100 縦振動ダンパ
101 クランク軸
102 ピストン
103,104 油室
105 ハウジング
106,107 連絡管
200 振動検出装置
1 ダンパケース
2 重錘
3,4 ダンパ油室
3a 駆動側アクチュエータ
3b 戻し側アクチュエータ
4 掃気ポート
7a,7b コイルばね
8 連通孔
9 連通溝
11 捩れ溝
110 傾斜孔
12a,12b 円錐状コイルばね
21 外側重錘
22 内側重錘
23 弾性体
24a,24b コイルばね

Claims (6)

  1. 縦振動が生起される軸に固定されたピストンをハウジング内に往復動自在に収納するとともに、該ピストンにより該ハウジング内を2つの油室に区画してなる振動検出装置と、ダンパケース内に往復動自在に収納された重錘により該ダンパケース内を2つのダンパ油室に区画するとともに、該重錘の両面とダンパケースの内面との間に該重錘の往復動により圧縮されるダンパスプリングを架設してなる縦振動ダンパとを具え、前記軸の縦振動により発生する前記振動検出装置の2つの油室内の油圧変化を前記縦振動ダンパ内の2つのダンパ油室内に導入して前記重錘の両面に作用させるようにした軸系の縦振動制振装置であって、前記重錘に前記2つのダンパ油室を連通する複数の連通路を形成して、前記振動検出装置の2つの油室からの油圧を前記重錘の両面に作用させて該重錘の往復動による慣性力及びダンパスプリングのばね力によって前記軸の縦振動を制振するとともに、
    前記重錘の往復動により該連通路を通して往復移動する油の粘性摩擦抵抗によって前記軸の縦振動を制振するように構成し
    前記連通路は、前記重錘の外周に円周方向に沿って刻設され該重錘の軸方向に捩れて形成された捩れ溝、及び該重錘の軸方向に対して傾斜して形成された傾斜孔のいずれか一方または双方からなることを特徴とする軸系の縦振動制振装置。
  2. 前記重錘の両面とダンパケースの内面との間に架設されて該重錘の往復動により圧縮されるダンパスプリングを円錐状コイルばねで構成したことを特徴とする請求項記載の軸系の縦振動制振装置。
  3. 縦振動が生起される軸に固定されたピストンをハウジング内に往復動自在に収納するとともに、該ピストンにより該ハウジング内を2つの油室に区画してなる振動検出装置と、ダンパケース内に往復動自在に収納された重錘により該ダンパケース内を2つのダンパ油室に区画するとともに、該重錘の両面とダンパケースの内面との間に該重錘の往復動により圧縮されるダンパスプリングを架設してなる縦振動ダンパとを具え、前記軸の縦振動により発生する前記振動検出装置の2つの油室内の油圧変化を前記縦振動ダンパ内の2つのダンパ油室内に導入して前記重錘の両面に作用させるようにした軸系の縦振動制振装置であって、前記重錘を前記ダンパケースの内面に摺動可能に嵌合される外側重錘と該外側重錘の内周側に配設された内側重錘とにより構成するとともに、該外側重錘の内周と内側重錘の外周とをゴム等の振動減衰能を有する弾性材料からなる弾性体で連結して、
    前記振動検出装置の2つの油室からの油圧を前記外側重錘及び内側重錘の両面に作用させ、該外側重錘及び内側重錘の往復動による慣性力及びダンパスプリングのばね力及び前記弾性体の弾性の3つの減衰力によって前記軸の縦振動を制振するように構成したことを特徴とする軸系の縦振動制振装置。
  4. 前記外側重錘の外周に円周方向に沿って刻設され前記2つのダンパ油室を連通する複数の連通溝、及び内側重錘の内部を貫通して前記2つのダンパ油室を連通する複数の連通孔のいずれか一方または双方を具えたことを特徴とする請求項記載の軸系の縦振動制振装置。
  5. 前記ダンパスプリングを、前記外側重錘の両面とダンパケースの内面との間、及び前記内側重錘の両面とダンパケースの内面との間のいずれか一方または双方に架設したことを特徴とする請求項記載の軸系の縦振動制振装置。
  6. 前記外側重錘と内側重錘とを比重の異なる材料で構成したことを特徴とする請求項記載の軸系の縦振動制振装置。
JP2005333971A 2005-11-18 2005-11-18 軸系の縦振動制振装置 Active JP4476208B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005333971A JP4476208B2 (ja) 2005-11-18 2005-11-18 軸系の縦振動制振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005333971A JP4476208B2 (ja) 2005-11-18 2005-11-18 軸系の縦振動制振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007139081A JP2007139081A (ja) 2007-06-07
JP4476208B2 true JP4476208B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=38202207

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005333971A Active JP4476208B2 (ja) 2005-11-18 2005-11-18 軸系の縦振動制振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4476208B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022016318A1 (zh) * 2020-07-20 2022-01-27 宁波吉利罗佑发动机零部件有限公司 一种动力系统惯性力矩调节装置、控制装置、方法及系统

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5265847B2 (ja) * 2005-07-05 2013-08-14 カヤバ工業株式会社 移動絞り弁、流体圧状態保持システム、流体圧免震システム
JP4935752B2 (ja) * 2008-05-15 2012-05-23 日立工機株式会社 エンジン工具
EP2818401B1 (en) * 2013-06-24 2019-03-27 Hyundai Heavy Industries Co., Ltd. Axial vibration damper assembly and engine for ship including the same
CN106195099B (zh) * 2016-07-12 2019-01-11 嘉兴学院 一种汽车用减震装置
JP2021095867A (ja) * 2019-12-17 2021-06-24 株式会社日立産機システム 動吸振器、動吸振器を備えたリニア圧縮機及びレシプロ圧縮機、リニア圧縮機を備えたエアサスペンション装置
CN111176399B (zh) * 2020-02-05 2020-09-08 玉环市瑞江电脑有限公司 一种服务器减振自清灰机柜

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022016318A1 (zh) * 2020-07-20 2022-01-27 宁波吉利罗佑发动机零部件有限公司 一种动力系统惯性力矩调节装置、控制装置、方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007139081A (ja) 2007-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4476208B2 (ja) 軸系の縦振動制振装置
US8146457B2 (en) Disk pendulum vibration damper
JP4738487B2 (ja) 振動吸収アイソレータ
KR20130017502A (ko) 쇽업소버의 피스톤 어셈블리
KR102485332B1 (ko) 차량용 진동 감쇠 장치
KR101366107B1 (ko) 축진동 유압식 진동 댐퍼 겸용 유연 커플링
US20200003272A1 (en) Damper
JP4546860B2 (ja) 液圧緩衝器
US8393447B2 (en) Vibration damper with amplitude-selective damping force
KR101693985B1 (ko) 차량용 댐핑 장치
JP2020532457A (ja) ポンプピストンを有する液圧ユニットのためのポンプ機構
JP2003083395A (ja) 回転機械
JP2007315416A (ja) ビスカスラバーダンパー
US6508713B1 (en) Torsional vibration damper
JP7014905B2 (ja) ねじり振動減衰器またはねじり振動吸振器
JPH04362258A (ja) エンジン
JP2007057058A (ja) ショックアブソーバのフリクション付与機構
US20130217511A1 (en) Torsional vibration damper
KR20130098256A (ko) 이중 댐핑 플라이휠 및 이를 위한 댐핑 부재
JP6971895B2 (ja) 連結装置
JP2006177526A (ja) 流体封入式防振装置
KR101251492B1 (ko) 유체봉입형 엔진 마운트
KR101027893B1 (ko) 댐퍼플라이휠의 슬라이드가이드
KR100435752B1 (ko) 엔진의 크랭크축 토셔널 댐퍼풀리
JPS5930275Y2 (ja) エンジンウマンティング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100226

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100309

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3