JP4475486B2 - Positive photosensitive lithographic printing plate and plate making method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なポジ型感光性平版印刷版に関する。更に詳しくは、650〜1300nmの波長域の光線、特に、半導体レーザーやYAGレーザー等を用いた直接製版に好適なポジ型感光性平版印刷版。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ画像処理技術の進歩に伴い、デジタル画像情報から、銀塩マスクフィルムへの出力を行わずに、レーザー光あるいはサーマルヘッド等により、直接レジスト画像を形成する感光または感熱ダイレクト製版システムが注目されている。特に、高出力の半導体レーザーやYAGレーザーを用いる、高解像度のレーザー感光ダイレクト製版システムは、小型化、製版作業時の環境光や版材コストの面から、その実現が強く望まれていた。
【0003】
レーザー感光ダイレクト製版用の印刷版のなかで、最近、赤外線レーザーを用い、主として化学変化以外変化によって露光部の現像液に対する溶解度を増大させることによりポジ画像を形成する方法が注目を集めており、例えば特開平10−268512号公報、特開平11−194504号公報、特開平11−223936号公報、特開平11−84657号公報、特開平11−174681号公報、WO97/39894、WO98/42507等に開示されている。
従来のポジ型感光性平版印刷版が、典型的にはo−キノンジアジド化合物の光分解により、即ち化学変化により現像液に対する溶解度を増大させ、これを画像形成に利用したのに対し、上記の各文献に記載されたポジ型感光性平版印刷版は、赤外吸収色素等の赤外光を吸収して熱に変換する物質とノボラック樹脂等のアルカリ可溶性樹脂とを主な感光層成分とし、赤外レーザー光露光で発生した熱によって、樹脂のコンフォメーション変化等の物理変化を起こして現像液に対する溶解度を増大させるものである。
【0004】
非化学変化による溶解性の増大を利用したポジ型感光性平版印刷版は、o−キノンジアジド化合物のような白色光に感光する物質を必要としないので、印刷版の取り扱いが白色灯下でも行える利点を有する。
しかしながら、このような印刷版は、化学変化を利用していないので、露光部と未露光部との溶解速度差が小さく、感度、現像ラチチュード(現像時に露光部が完全に除去される迄の時間と、現像時も未露光部の残膜率が十分に確保される時間の差)等の印刷版の基本性能、現像処理枚数を増やしたときの現像処理安定性等を全て満足させるのは困難であった。
【0005】
この問題に対し感光層の膜厚を薄くすることが考えられるが、熱変換型の感光層の場合、薄くしすぎると支持体への熱拡散が増えるため逆に感度が低下する問題があった。更に保存性、耐刷、耐薬品性に対しても経時変化や保存状態の影響を大きくうけていた。特に耐薬品性や耐刷性を向上させるために感光素材の中のバインダー成分の分子量等を変更するとアルカリ溶解性が悪くなり現像性に難を与えた。この様に常に該耐薬品性および保存性ならびに耐刷性は、感度や現像性といった性能に対して相反し、ポジ型感光性平板印刷版として要求される性能としては、満足いくものではなかった。
【0006】
又、例えば特開2000−105454には、ノボラック樹脂と光熱変換物質を含むポジ型感光性組成物に、界面活性剤を含有すること、好ましく、HLB8以上、特に好ましくはHLB10以上の非イオン性界面活性剤又はフッ素系界面活性剤を添加することにより、画線部の残膜率が向上することが記載され、HLB11.5以上の界面活性剤を使用した例が示されている。
【0007】
しかしながら、本発明者の検討によれば、感光性組成物に界面活性剤を含有するこの方法においても、現像ラチチュードが依然狭く、実用上は、現像処理における非画線部の除去と、画線部の高い残膜率を同時に実現するという点においては更に改善が必要であることが分かった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、現像ラチチュード、つまり感度とアルカリ現像後の未露光部の残膜率とが共に優れ、且つ現像液で多量の枚数を現像処理した場合にも処理安定性を損なわない感光性平版印刷版を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、感光層の現像ラチチュードを高めるためには、感光層中にHLBの低い界面活性剤を含有することが有効であり、一方、現像処理に対する安定性を良好にするにはHLBの高い界面活性剤を含有させることが有効であることを見いだし本発明に到達した。
【0010】
即ち、本発明の要旨は、支持体上に、(A)光熱変換物質、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)HLB10未満の界面活性剤、及び(D)HLB10以上の界面活性剤を含有するを含有するポジ型感光性組成物層を有する感光性平版印刷版に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に使用する感光性組成物層を設ける支持体としては、アルミニウム、亜鉛、鋼、銅等の金属板、並びにクロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄等がメッキ又は蒸着された金属板、紙、プラスチックフィルム及びガラス板、樹脂が塗布された紙、アルミニウム等の金属箔が張られた紙、親水化処理したプラスチックフィルム等のシート等が挙げられる。このうち好ましいのはアルミニウム板である。本発明の感光性平版印刷版の支持体としては、塩酸または硝酸溶液中での電解エッチングまたはブラシ研磨による砂目立て処理、硫酸溶媒中での陽極酸化処理および必要に応じて封孔処理等の表面処理が施されているアルミニウム板を用いることがより好ましい。
【0012】
支持体表面の粗面度に関しては、一般的に、表面粗さRaの値で示される。これは表面粗度計を用いて測定することができる。本発明において用いられる支持体としてはその平均粗さRaとして0.3〜1.0μmのアルミニウム板が好ましく、更に、0.4〜0.8μmのものがより好ましい。本支持体は必要に応じ、更に有機酸化合物による表面処理を施して用いることができる。
【0013】
本発明のポジ型感光性組成物に用いられる第1成分である(A)「光熱変換物質」について述べる。これら光熱変換物質としては、吸収した光を熱に変換し得る化合物であれば特に限定されないが、波長域650〜1300nmの近赤外線領域の一部又は全部に吸収帯を有する有機又は無機の顔料や染料、有機色素、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硼化物等が挙げられる中で、光吸収色素が特に有効である。これらの光吸収色素は、前記波長域の光を効率よく吸収する一方、紫外線領域の光は殆ど吸収しないか、吸収しても実質的に感応せず、白色灯に含まれるような弱い紫外線によっては感光性組成物を変成させる作用のない化合物である。
【0014】
これらの光吸収色素としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等を含む複素環等がポリメチン(−CH=)n で結合された、広義の所謂シアニン系色素が代表的なものとして挙げられ、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、狭義のシアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、オキサゾール系(所謂、オキサシアニン系)、アミノベンゼン系(所謂、ポリメチン系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系、アミニウム系、イモニウム系、フタロシアニン系、アントラキノン系等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、アミノベンゼン系、ピリリウム系、又はチアピリリウム系、アミニウム系、イモニウム系色素が好ましい。
【0015】
本発明においては、前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(Ia) 、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0016】
【化1】
【0017】
〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1及びR2は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該ペンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X-は対アニオンを示す。〕
ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1及びR2における置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1 における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0018】
又、インドール系、ベンゾチアゾール系色素及びベンゾオキサゾール系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0019】
【化2】
【0020】
〔式(II)中、Y1及びY2は各々独立して、ジアルキルメチレン基、硫黄原子又は酸素原子を示し、R3及びR4は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該ペンタ又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X-は対アニオンを示す。〕
ここで、式(II)中のR3及びR4における置換基としては、アルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0021】
又、アミノベンゼン系色素としては、特に、下記一般式(III) で表されるものが好ましい。
【0022】
【化3】
【0023】
〔式(III) 中、R5、R6、R7、及びR8は各々独立して、アルキル基を示し、R9及びR10は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を示し、L3は置換基を有していてもよいモノ、トリ、又はペンタメチン基を示し、該トリ又はペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。X-は対アニオンを示す。〕
ここで、式(III) 中のR9及びR10として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L3における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0024】
又、ピリリウム系、及びチアピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IVa) 、(IVb) 、又は(IVc) で表されるものが好ましい。
【0025】
【化4】
【0026】
〔式(IVa) 、(IVa) 、及び(IVc) 中、Y3及びY4は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R11、R12、R13、及びR14は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R11とR13、及びR12とR14が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L4は置換基を有していてもよいモノ、トリ、又はペンタメチン基を示し、該トリ又はペンタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。X-は対アニオンを示す。〕
ここで、式(IVa) 、(IVa) 、及び(IVc) のL4における置換基としては、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0027】
更に、アミニウム系、及びイモニウム系色素としては、N,N−ジアリールイミニウム塩骨格を少なくとも1個有するものが好ましく、特に、下記一般式(Va)、又は(Vb)で表されるものが好ましい。
【0028】
【化5】
【0029】
〔式(Va)、及び(Vb)中、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、及びR22は各々独立して、水素原子、アルキル基、又はフェニル基を示し、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。X-は対アニオンを示す。尚、式(Vb)中の電子結合(─)は他の電子結合との共鳴状態を示す。〕
ここで、式(Va)、及び(Vb)中のキノン環及びベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0030】
尚、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(III) 、(IVa〜c)、及び(Va 〜b)における対アニオンX-としては、例えば、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、及び、BF4 -等の無機硼酸等の無機酸アニオン、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸等の有機酸アニオンを挙げることができる。
【0031】
以上、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系色素、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系色素、前記一般式(III)で表されるアミノベンゼン系色素、前記一般式(IVa〜c)で表されるピリリウム系又はチアピリリウム系色素、及び前記一般式(Va 〜b)で表されるアミニウム系又はイモニウム系色素は、感度の点で有利である。
以下に好ましく用いられる光熱変換物質の具体例を示す。
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】
これらの熱変換物質の本発明のポジ型感光性組成物中における含有割合は、重量比で通常0.5〜30%、好ましくは1〜20%,更に好ましくは2〜10%、特に3〜10%である。特に、後述の界面活性剤との組み合わせにおいては、光熱変換物質の含有量を比較的高くすることが可能であり、その結果、感度、現像ラチチュードが特に改善される点で好ましい。
【0044】
次に、本発明のポジ型感光性組成物に用いられる第2成分である(B)「アルカリ可溶性樹脂」(以下、高分子または樹脂と称することがある)について説明する。該アルカリ可溶性樹脂は、基本的には、上記(A)成分の光熱変換物質との組み合せに於て、露光部と未露光部が主として化学変化以外の変化によって、アルカリ現像液に対する溶解性に差を生じうる高分子であり、当然該高分子自体が、主として化学変化以外の変化によって、アルカリ現像液に対する溶解性が変化する高分子化合物である場合を含む。このような高分子としては、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アクリル酸誘導体の共重合体等のアルカリ可溶性樹脂等が挙げられるが、これらのうちノボラック樹脂を含有するのが好ましい。
【0045】
ノボラック樹脂としては、フェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノール、ビスフェノール−A、トリスフェノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール等の芳香族炭化水素類の少なくとも1種を酸性触媒下、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類及び、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類から選ばれた少なくとも1種のアルデヒド類又はケトン類と重縮合させたものが挙げられる。
【0046】
ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの代わりに、それぞれパラホルムアルデヒド及びパラアルデヒドを使用してもよい。ノボラック樹脂のゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す)測定によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、GPC測定による重量平均分子量をMwと略す)は、好ましくは1,000以上、更に好ましくは1,500以上、また好ましくは15,000以下、更に好ましくは10,000以下のものが用いられる。
【0047】
ノボラック樹脂の芳香族炭化水素類としては、より好ましくは、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、及び3,5−キシレノール、レゾルシンから選ばれる少なくとも1種のフェノール類をホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどのアルデヒド類の中から選ばれる少なくとも1種と重縮合したノボラック樹脂が挙げられる。
【0048】
中でも、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシンの混合割合がモル比で40〜100:0〜50:0〜20:0〜20:0〜20のフェノール類または、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜60のフェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック樹脂が好ましい。アルデヒド類の中でも、特にホルムアルデヒドが好ましい。尚、後述する如く、本発明の感光性組成物は、更に溶解抑止剤を含んでいても良く、その場合、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシンの混合割合がモル比で70〜100:0〜30:0〜20:0〜20のフェノール類または、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で10〜100:0〜60:0〜40のフェノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラック樹脂が好ましい。
【0049】
ノボラック樹脂以外の樹脂としては、例えば特開2000−105454号公報に記載のアルカリ可溶性樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独でも混合して用いても良い。
上述の樹脂のうち、特に、ノボラック樹脂を含有するのが感度・現像ラチチュードの点で好ましい。ポジ型感光性組成物中におけるこれら樹脂の含有割合は重量比で好ましくは50%〜99%であり、より好ましくは60%〜99%、特に好ましくは70〜98%である。
【0050】
次に本発明に用いられる感光層中には、(C)「HLBが10未満の界面活性剤」(以下、親油性界面活性剤と称することがある)、及び(D)「HLBが10以上の界面活性剤」(以下、親水性界面活性剤と称することがある)を含有する必要がある。親油性界面活性剤としては好ましくは、HLBは9以下であり、更に好ましくは8.5以下であり、好ましくは3以上であり、更に好ましくは5以上である。また、親水性界面活性剤としては好ましくはHLBは11以上であり、更に好ましくは12以上であり、好ましくは18以下であり、更に好ましくは16以下である。
【0051】
本発明に用いられる感光層に親油性界面活性剤と親水性界面活性剤とを併用した場合に優れた効果を発揮する理由は必ずしも明確ではないが、以下のように推定している。
【0052】
印刷版を現像すると、現像液の処理劣化が進む。現像液の劣化のプロセスは以下のように推定している。ポジ型で有れば感光性組成物層の未露光部が現像液中に溶出するので現像枚数が増えるに従って感光性組成物の濃度が増大していく。現像液中の感光性組成物の濃度が高くなると、その分アルカリ現像液に対する印刷版上の感光性組成物層の親和性が大きくなり(現像性が高くなり)、未露光部の溶解性までも高くなるので、結果として膜べりを生ずるものと推定される。ここで、現像液中に親水性界面活性剤があると、現像液と印刷版上の感光性組成物層の親和性が押さえられて膜べりを減ずる(残膜率を向上させる)ことが出来るものと推定されるが、感光層中に、膜べり防止効果のある親水性界面活性剤を含有させておくと、溶けだした感光性組成物に比例して親水性界面活性剤も現像液に供給されるのである。従って、感光層の膜べり防止効果のある親水性界面活性剤を、感光層中に含有させることにより、印刷版の処理枚数の増加による現像液の劣化に対する処理安定性が向上するものと推定される。
【0053】
本発明に用いられる界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性等のいずれも可能であるが、特に好ましいものとしては非イオン性界面活性剤が挙げられ、エーテル型、エステル型、アミノエーテル型、エーテルエステル型、アルカノールアミド型のもの等が挙げられる。具体的にはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル誘導体、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、メトキシポリエチレングリコール、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレングリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。なかでも好ましいものとしては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
【0054】
より好ましいものはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルであり、特にポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルであるのが好ましい。上述の界面活性剤は同系であっても、例えばオキシエチレン繰り返し単位の繰り返し数が異なることによってHLBも異なってくるので、HLBが10未満のものと、HLBが10以上のものをそれぞれ選択して併用する。
【0055】
本発明のポジ型感光性組成物中におけるHLB10未満の界面活性剤の含有量は少な過ぎると現像ラチチュードが小さくなる傾向にあり、多過ぎてもまた現像ラチチュードが小さくなる傾向にあるため、含有量は好ましくは0.5%以上、更に好ましくは1%以上、特に好ましくは2%以上であり、また、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%以下、特に好ましくは8%以下である。
また、HLB10以上の界面活性剤の含有量は、少なすぎると十分な膜べり防止効果が得られず、多すぎると現像ラチチュードが小さくなる傾向にあるので、好ましくは0.2%以上、更に好ましくは0.3%以上、特に好ましくは0.5%以上であり、また、好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下、特に好ましくは8%以下である。
また、HLB10以上の界面活性剤の含有量は、少なすぎると十分な膜べり防止効果が得られず、多すぎると現像ラチチュードが小さくなる傾向にあるので、好ましくは0.05%以上、更に好ましくは0.1%以上、特に好ましくは0.15%以上であり、また、好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。
また、低HLB、すなわち親油性界面活性剤と高HLB、すなわち親水性界面活性剤の含有割合としては、好ましくは40:1〜1:10であり、更に好ましくは30:1〜1:5であり、特に好ましくは20:1〜1:1である。
【0056】
本発明の感光性組成物層中には、感光性組成物のアルカリ現像液に対する溶解性を減少させる性質を有する溶解抑止剤を含有することができる。本発明に用いられる溶解抑止剤としては、特開平10−268512号公報、特開平11−288089号公報等に記載のスルホン酸エステル、リン酸エステル、芳香族カルボン酸エステル、芳香族ジスルホン、カルボン酸無水物、芳香族ケトン、芳香族アルデヒド、芳香族アミンおよび芳香族エーテル化合物、トリアリールメタン骨格を有する化合物を挙げることができる。また、特開平11−190903号公報等に記載のラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有する酸発色性色素、ラクトン骨格、チオラクトン骨格、スルホラクトン骨格を有する塩基発色色素も挙げることができる。
【0057】
又、本発明の感光層中には、熱の作用によりアルカリ可溶性樹脂を架橋し得る作用を有する化合物(以下、熱架橋性化合物と略すことがある)を含有していても良い。熱架橋化合物を感光層中に含有させた場合には、露光後に後加熱処理を行うことによって、アルカリ可溶性樹脂を架橋することができ、その結果、耐薬品性、耐刷性を向上させることができる。かかる熱架橋性化合物としては、通常150℃〜300℃に加熱することによりアルカリ可溶性樹脂を架橋しうる化合物が挙げられる。
【0058】
熱架橋性化合物としては、熱架橋性を有する含窒素化合物が挙げられ、好ましくは、アミノ基を含有する化合物であり、より具体的には例えば、官能基としてメチロール基、それのアルコール縮合変性したアルコキシメチル基、その他、アセトキシメチル基等を少なくとも二個有するアミノ化合物が挙げられる。アミノ基を有する化合物の中でも、構造中に複素環構造、特に含窒素複素環構造を有するのが好ましく、メラミン骨格を有する化合物が好ましい。具体的は、例えば、かかる熱架橋性化合物としては、特開平11−202481号公報に記載の熱架橋性化合物等が挙げられる。
【0059】
なお、本発明の感光性組成物は、その性能を損なわない範囲で種々の添加剤、例えば染料、顔料、塗布性改良剤、現像改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤等を含有することも可能である。又、発色の原因がカチオンまたはアニオンの非極在化によるイオン性色素を含むことも可能であり、具体的にはシアニン色素、アズレニウム色素、スクアリウム色素、クロコニウム色素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、オキサジン色素、アジン色素、ピリリウム色素、チオピリウム色素、ピオローゲン色素、キサンテン色素、ローダシアニン色素、スチリル色素等が挙げられる。尚、かかるイオン性色素としては、光熱変換物質として使用されうる色素とは区別されるものであり吸収極大(λmax)が700nm以下にある色素である。これらのうち好ましいものはその構造中にトリフェニルメチル基を部分構造として有するトリフェニルメタン色素であり、具体的にはC.I.No.で表わすと、C.I.BasicViolt3、C.I.BasicBlue5、C.I.BasicGreen1、C.I.BasicBlue26、C.I.AcidBlue1、C.I.solventBlue2、C.I.BasicBlue7等が挙げられ、東京化成(株)製クリスタルバイオレット、住友化学(株)製PrimocyanineBxconc.、保土谷化学(株)製AizenDiamondGreenGH、AizenVictoriaBlueBH、AizenBrilliantAcidPureBlueVH、アイゼンビクトリアピアブルーBOH、BASF製VictoriaBlue4RBase等が挙げられる。
【0060】
本発明の感光性平版印刷版は、上記成分(A)の光熱変換物質、成分(B)のアルカリ可溶性樹脂及び成分(C)のHLBが10未満の界面活性剤、(D)のHLBが10以上の界面活性剤、更には、必要に応じて、溶解抑止剤、その他の添加剤を適当な溶媒に溶解し、支持体上に塗布・乾燥することにより得られる。溶媒としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与える溶媒であれば特に制限はないが、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどのプロピレングリコール系溶媒、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル系溶媒、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコールなどのアルコール系溶媒、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの高極性溶媒、あるいはこれらの混合溶媒、さらにはこれらに芳香族炭化水素を添加したものなどが挙げられる。溶媒の使用割合は、感光性組成物の総量に対して通常重量比として1〜20倍程度の範囲である。
【0061】
本発明に使用する感光性組成物を支持体表面に設ける際に用いる塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン塗布等を用いることが可能である。
感光層の膜厚は、1〜3μm、重量膜厚で13〜30mg/dm2が好ましく、更に好ましくは1〜2μm、16〜28mg/dm2が好ましい。
【0062】
上述の様にして得られたのポジ型感光性平版印刷版は、レーザー光によって画像露光した後、アルカリ現像液で現像してポジ画像を形成する。
ここで、ポジ型感光性平版印刷版を画像露光する光源としては、主として、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光源が挙げられるが、特に、光を吸収して発生した熱により画像形成させる場合には、波長域650〜1,300nmの範囲の近赤外レーザー光線を発生する光源が好ましく、例えば、ルビーレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、LED等の固体レーザーを挙げることができ、特に、小型で長寿命な半導体レーザーやYAGレーザーが好ましい。
【0063】
尚、レーザー光源は、通常、レンズにより集光された高強度の光線(ビーム)として感光性組成物層表面を走査するが、それに感応する本発明での感光性組成物層の感度特性(mJ/cm2)は受光するレーザービームの光強度(mJ/s・cm2)に依存することがある。ここで、レーザービームの光強度は、光パワーメーターにより測定したレーザービームの単位時間当たりのエネルギー量(mJ/s)を感光性組成物層表面におけるレーザービームの照射面積(cm2)で除することにより求めることができる。レーザービームの照射面積は、通常、レーザーピーク強度の1/e2強度を越える部分の面積で定義されるが、簡易的には相反則を示す感光性組成物を感光させて測定することもできる。
【0064】
本発明の感光性平版印刷版の露光にあたっては、光源の光強度として、2.0×106 mJ/s・cm2以上とすることが好ましく、1.0×107mJ/s・cm2以上とすることが特に好ましい。光強度が前記範囲であれば、本発明でのポジ型感光性組成物層の感度特性を向上させ得、走査露光時間を短くすることができ実用的に大きな利点となる。
【0065】
次に、本発明の感光性平版印刷版の現像に用いられる現像液としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物の0.1〜5重量%程度の水溶液からなるアルカリ現像液が用いられる。
【0066】
以上の中で、現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物、及び、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム等のアルカリ金属の珪酸塩を含有するアルカリ現像液が好ましい。
【0067】
又、現像液としては、そのアルカリ金属の珪酸塩が、二酸化珪素としての含有量で0.5〜10重量%であり、且つ、アルカリ金属のモル濃度(〔M〕)に対する二酸化珪素のモル濃度(〔SiO2 〕)の比(〔SiO2 〕/〔M〕)が0.1〜1.5であるのが好ましく、二酸化珪素としての含有量で1〜8重量%であり、且つ、アルカリ金属のモル濃度に対する二酸化珪素のモル濃度の比で0.3〜1であるのが特に好ましい。
【0068】
アルカリ金属の珪酸塩の二酸化珪素としての含有量が前記範囲未満、及び、アルカリ金属のモル濃度に対する二酸化珪素のモル濃度の比が前記範囲未満では、経時により、及び、現像処理数の増加に伴って、現像液中にアルカリ金属塩の析出が発生し易い傾向となり、一方、アルカリ金属の珪酸塩の二酸化珪素としての含有量が前記範囲超過、及び、アルカリ金属のモル濃度に対する二酸化珪素のモル濃度の比が前記範囲超過では、非画像部の溶解性が低下してその抜け性が不十分となる傾向となる。
尚、現像液のpHは、非画像部の抜け性の面から、12.0〜14.0であるのが好ましい。
【0069】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3、比較例1
アルミニウム板(厚さ0.24mm)を、5重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で60℃で1分間脱脂処理を行った後、0.5モル/リットルの濃度の塩酸水溶液中で、温度28℃、電流密度60A/dm2、処理時間40秒の条件で電解エッチング処理を行った。次いで水洗後、4重量%の水酸化ナトリウム水溶液中で60℃、12秒間のデスマット処理を施し、水洗後、20重量%硫酸溶液中で、温度20℃、電流密度3.5A/dm2、処理時間1分の条件で陽極酸化処理を行った。更に、80℃の熱水で20秒間熱水封孔処理を行い、水洗、乾燥して平版印刷版支持体用のアルミニウム板を作製した。表面粗度計(小坂研究所社製「SE−3DH」)によるこの板表面の平均粗さRa は0.6μmであった。
【0070】
得られたアルミニウム板支持体表面に、下記の組成を有する塗布液を、ホワラーを用いて塗布し、90℃で2分間乾燥させた後、55℃で16時間の後加熱処理を施すことにより、乾燥膜厚が2.1g/m2のポジ型感光性組成物の層を有するポジ型感光性平版印刷版を作製した。
【0071】
【表1】
【0072】
【化17】
【0073】
上記の各ポジ型感光性平版印刷版につき、波長830nmの半導体レーザーを光源とする露光装置(クレオ社製、「Trend Setter 3244T」)を用いて、113mJ/cm2の強度で露光し、次いで、下記組成の現像液(新液)で28℃にて現像した。
[現像液組成]
KOH 3.1重量部
Aケイ酸カリ 21重量部
アモーゲンK 0.3重量部
DLP−10 0.2重量部
A15 0.07重量部
脱塩水 76重量部
但し、アモーゲンK:ベタイン型両性界面活性剤(第一工業製薬社製「アモーゲンK」)、DLP−10:リン酸エステル化合物(日光ケミカルズ社製「NIKKOL DLP10」)、A15:オレイン酸高度硫酸化油(竹本油脂社製「パイオニンA15」)。
【0074】
(残膜率評価:未露光部の残膜率90%への到達時間:t1)
得られた各平版印刷版につき、画像部における現像前後の反射濃度を反射濃度計(マクベス社製「RD−514」)を用いて測定して、以下の式に基づいて画像部の残膜率を算出し、以下の基準で評価した。
残膜率(%)=〔(現像後の画像部の反射濃度−支持体表面の反射濃度)/(現像前の版面の反射濃度−支持体表面の反射濃度)〕×100
そして、未露光部の残膜率が90%になるまでの到達時間(現像時間)を算出した。
【0075】
(抜け性評価:露光部の残膜率3%への到達時間:t2)
上記の残膜率評価ど同様な方法で、露光部の残膜率が3%になるまでの到達時間を算出した。
(現像ラチチュード評価:現ラチ指数)
上記の残膜率評価(t1)と抜け性評価(t2)から、(t1−t2)/t1の値を現像ラチチュードの指数として求めた。この現像ラチチュード指数が、大きいほど現像ラチチュードが大きく優れていることを示している。
各評価結果を下記第1表に示すが、いずれの印刷版も、新しい現像液では、ほぼ同じ現像ラチチュードを有することがわかる。
【0076】
【表2】
但し、MYS−25:モノステアリン酸ポリエチレングリコール(日光ケミカルズ社製「MYS−25」;HLB=15.0)、MYS−10:モノステアリン酸ポリエチレングリコール(日光ケミカルズ社製「MYS−10」;HLB=11.0)。
【0077】
(ランニング適正評価)
次に、それぞれの版について、1.4m2/Lとなるように、下記組成の現像液にて現像処理を行い、それぞれの版についての疲労現像液を作製した。
得られた疲労現像液を用いて、それぞれの版を28℃にて現像した。
[現像液組成]
KOH 3.1重量部
Aケイ酸カリ 21重量部
アモーゲンK 0.3重量部
DLP−10 0.2重量部
A15 0.07重量部
脱塩水 76重量部
結果を第2表に示すが、第2表からわかる通り、親水性界面活性剤を配合しない印刷版(比較例1)は、疲労現像液で処理した場合に現像ラチチュードが狭くなるのに対し、親水性界面活性剤を配合した印刷版(実施例1〜3)では疲労現像液で処理した場合でも、新液で処理した場合の現像ラチチュードが比較的維持されている。
【0078】
【表3】
【0079】
【発明の効果】
本発明により、現像ラチチュードが大きく、且つ処理安定性に優れたポジ型感光性平版印刷版を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel positive photosensitive lithographic printing plate. More specifically, a positive photosensitive lithographic printing plate suitable for direct plate making using a light beam having a wavelength range of 650 to 1300 nm, particularly a semiconductor laser or a YAG laser.
[0002]
[Prior art]
With the advancement of computer image processing technology, attention has been focused on a photosensitive or thermal direct plate-making system that directly forms a resist image by laser light or a thermal head without outputting digital image information to a silver salt mask film. Yes. In particular, the realization of a high-resolution laser-sensitive direct plate making system using a high-power semiconductor laser or YAG laser has been strongly desired from the viewpoints of downsizing, environmental light during plate making operations, and plate material costs.
[0003]
Among the printing plates for laser-sensitive direct plate-making, recently, a method of forming a positive image by using an infrared laser and mainly increasing the solubility of the exposed portion in the developer by a change other than a chemical change has attracted attention. For example, in JP-A-10-268512, JP-A-11-194504, JP-A-11-223936, JP-A-11-84657, JP-A-11-174681, WO97 / 39894, WO98 / 42507, etc. It is disclosed.
Conventional positive photosensitive lithographic printing plates typically have increased solubility in a developer by photolysis of an o-quinonediazide compound, that is, by a chemical change, and this was used for image formation. The positive-type photosensitive lithographic printing plate described in the literature is mainly composed of a substance that absorbs infrared light such as an infrared-absorbing dye and converts it into heat and an alkali-soluble resin such as a novolak resin as a main photosensitive layer component. The heat generated by the external laser light exposure causes a physical change such as a conformational change of the resin to increase the solubility in the developer.
[0004]
Positive photosensitive lithographic printing plates that utilize increased solubility due to non-chemical changes do not require materials sensitive to white light, such as o-quinonediazide compounds, so the printing plate can be handled even under white light Have
However, since such a printing plate does not use a chemical change, the difference in dissolution rate between the exposed and unexposed areas is small, and the sensitivity, development latitude (time until the exposed area is completely removed during development) It is difficult to satisfy all of the basic performance of the printing plate, such as the difference in time during which the remaining film ratio of the unexposed area is sufficiently secured even during development, and the stability of development processing when the number of development processing is increased. Met.
[0005]
Although it is conceivable to reduce the film thickness of the photosensitive layer for this problem, in the case of a heat conversion type photosensitive layer, there is a problem that if the film is too thin, the thermal diffusion to the support increases and the sensitivity is lowered. . Furthermore, the storage stability, printing durability, and chemical resistance were greatly affected by changes over time and storage conditions. In particular, when the molecular weight of the binder component in the photosensitive material was changed in order to improve chemical resistance and printing durability, alkali solubility deteriorated and development performance was difficult. In this way, the chemical resistance, storage stability and printing durability are always contrary to the performance such as sensitivity and developability, and the performance required for the positive photosensitive lithographic printing plate is not satisfactory. .
[0006]
Further, for example, in JP-A-2000-105454, a positive photosensitive composition containing a novolak resin and a photothermal conversion substance contains a surfactant, preferably a nonionic interface of HLB 8 or more, particularly preferably HLB 10 or more. It is described that by adding an activator or a fluorosurfactant, the remaining film ratio of the image area is improved, and an example using a surfactant of HLB 11.5 or more is shown.
[0007]
However, according to the study of the present inventor, even in this method in which a surfactant is contained in the photosensitive composition, the development latitude is still narrow, and in practice, the removal of the non-image area and the image line in the development processing are performed. It has been found that further improvement is necessary in terms of realizing a high residual film ratio at the same time.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to develop the development latitude, that is, the sensitivity and the remaining film ratio of the unexposed portion after alkali development, and the photosensitivity that does not impair the processing stability even when a large number of sheets are developed with a developer. To provide a lithographic printing plate.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies, the present inventors have found that it is effective to contain a surfactant having a low HLB in the photosensitive layer in order to increase the development latitude of the photosensitive layer, and on the other hand, the stability to the development processing is good. In order to achieve this, it has been found that it is effective to contain a surfactant having a high HLB, and the present invention has been achieved.
[0010]
That is, the gist of the present invention includes (A) a photothermal conversion substance, (B) an alkali-soluble resin, (C) a surfactant lower than HLB10, and (D) a surfactant higher than HLB10 on the support. A photosensitive lithographic printing plate having a positive photosensitive composition layer containing
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As the support on which the photosensitive composition layer used in the present invention is provided, a metal plate such as aluminum, zinc, steel, copper, and a metal plate plated or vapor-deposited with chromium, zinc, copper, nickel, aluminum, iron, etc. Paper, plastic film and glass plate, paper coated with a resin, paper coated with a metal foil such as aluminum, and sheet such as a plastic film subjected to hydrophilic treatment. Of these, an aluminum plate is preferred. The support of the photosensitive lithographic printing plate of the present invention includes a surface such as graining treatment by electrolytic etching or brush polishing in hydrochloric acid or nitric acid solution, anodizing treatment in a sulfuric acid solvent, and if necessary, sealing treatment It is more preferable to use an aluminum plate that has been treated.
[0012]
The roughness of the support surface is generally indicated by the value of the surface roughness Ra. This can be measured using a surface roughness meter. The support used in the present invention is preferably an aluminum plate having an average roughness Ra of 0.3 to 1.0 μm, and more preferably 0.4 to 0.8 μm. If necessary, the support can be further subjected to a surface treatment with an organic acid compound.
[0013]
The first component (A) “photothermal conversion substance” used in the positive photosensitive composition of the present invention will be described. These photothermal conversion materials are not particularly limited as long as they are compounds capable of converting absorbed light into heat, but organic or inorganic pigments having an absorption band in a part or all of the near infrared region in the wavelength range of 650 to 1300 nm, Among the dyes, organic pigments, metals, metal oxides, metal carbides, metal borides and the like, light absorbing pigments are particularly effective. These light-absorbing dyes efficiently absorb light in the above-mentioned wavelength range, but hardly absorb light in the ultraviolet region, or are not substantially sensitive to absorption, and are weak by ultraviolet rays contained in white light. Is a compound having no action of modifying the photosensitive composition.
[0014]
Typical examples of these light-absorbing dyes include so-called cyanine dyes in a broad sense in which a heterocyclic ring containing a nitrogen atom, an oxygen atom, or a sulfur atom is bonded with polymethine (-CH =) n. Specifically, for example, quinoline (so-called cyanine), indole (so-called indocyanine), benzothiazole (so-called thiocyanine), oxazole (so-called oxacyanine), amino Examples include benzene (so-called polymethine), pyrylium, thiapyrylium, squarylium, croconium, azurenium, aminium, imonium, phthalocyanine, anthraquinone, among others, quinoline, indole, benzo Thiazole, aminobenzene, pyrylium, or thiapyrylium, aminium System, immonium-based dye is preferable.
[0015]
In the present invention, among the cyanine dyes, those represented by the following general formula (Ia), (Ib), or (Ic) are particularly preferable as the quinoline dyes.
[0016]
[Chemical 1]
[0017]
[In formulas (Ia), (Ib), and (Ic), R1And R2Each independently has an alkyl group which may have a substituent, an alkenyl group which may have a substituent, an alkynyl group which may have a substituent, or a substituent. Represents a good phenyl group, L1Represents a tri, penta, or heptamethine group which may have a substituent, and two substituents on the penta or heptamethine group are connected to each other to form a C5-C7 cycloalkene ring. In addition, the quinoline ring may have a substituent, and in this case, two adjacent substituents may be connected to each other to form a condensed benzene ring. X-Represents a counter anion. ]
Where R in the formulas (Ia), (Ib), and (Ic)1And R2Examples of the substituent in the group include an alkoxy group, a phenoxy group, a hydroxy group, and a phenyl group.1 Examples of the substituent in the group include an alkyl group, an amino group, and a halogen atom, and examples of the substituent in the quinoline ring include an alkyl group, an alkoxy group, a nitro group, and a halogen atom.
[0018]
As the indole, benzothiazole dyes and benzoxazole dyes, those represented by the following general formula (II) are particularly preferable.
[0019]
[Chemical 2]
[0020]
[In formula (II), Y1And Y2Each independently represents a dialkylmethylene group, a sulfur atom or an oxygen atom;ThreeAnd RFourEach independently has an alkyl group which may have a substituent, an alkenyl group which may have a substituent, an alkynyl group which may have a substituent, or a substituent. Represents a good phenyl group, L2Represents a tri, penta, or heptamethine group which may have a substituent, and two substituents on the penta or heptamethine group are connected to each other to form a C5-C7 cycloalkene ring. Alternatively, the condensed benzene ring may have a substituent, and in this case, two adjacent substituents may be connected to each other to form a condensed benzene ring. X-Represents a counter anion. ]
Here, R in the formula (II)ThreeAnd RFourExamples of the substituent in the group include an alkoxy group, a phenoxy group, a hydroxy group, and a phenyl group.2Examples of the substituent in the group include an alkyl group, an amino group, and a halogen atom, and examples of the substituent in the benzene ring include an alkyl group, an alkoxy group, a nitro group, and a halogen atom.
[0021]
As the aminobenzene dye, those represented by the following general formula (III) are particularly preferable.
[0022]
[Chemical Formula 3]
[0023]
[In formula (III), RFive, R6, R7And R8Each independently represents an alkyl group, R9And RTenEach independently represents an aryl group, a furyl group or a thienyl group which may have a substituent, and LThreeRepresents a mono-, tri-, or pentamethine group which may have a substituent, and two substituents on the tri- or pentamethine group are connected to each other to form a C5-C7 cycloalkene ring. In addition, the quinone ring and the benzene ring may have a substituent. X-Represents a counter anion. ]
Here, R in the formula (III)9And RTenSpecifically, a phenyl group, a 1-naphthyl group, a 2-naphthyl group, a 2-furyl group, a 3-furyl group, a 2-thienyl group, a 3-thienyl group, and the like can be mentioned. An alkyl group, an alkoxy group, a dialkylamino group, a hydroxy group, or a halogen atom;ThreeExamples of the substituent in the group include an alkyl group, an amino group, and a halogen atom, and examples of the substituent in the quinone ring and the benzene ring include an alkyl group, an alkoxy group, a nitro group, and a halogen atom.
[0024]
As the pyrylium-based and thiapyrylium-based dyes, those represented by the following general formula (IVa), (IVb), or (IVc) are particularly preferable.
[0025]
[Formula 4]
[0026]
[In formula (IVa), (IVa) and (IVc), YThreeAnd YFourEach independently represents an oxygen atom or a sulfur atom, and R11, R12, R13And R14Each independently represents a hydrogen atom or an alkyl group, or R11And R13And R12And R14May be linked to each other to form a cycloalkene ring having 5 or 6 carbon atoms.FourRepresents a mono-, tri-, or pentamethine group which may have a substituent, and two substituents on the tri- or pentamethine group are connected to each other to form a C5-C7 cycloalkene ring. Alternatively, the pyrylium ring and the thiapyrylium ring may have a substituent, and in this case, two adjacent substituents may be connected to each other to form a condensed benzene ring. X-Represents a counter anion. ]
Where L in formulas (IVa), (IVa), and (IVc)FourExamples of the substituent in the group include an alkyl group, an amino group, and a halogen atom, and examples of the substituent in the pyrylium ring and the thiapyrylium ring include an aryl group such as a phenyl group and a naphthyl group.
[0027]
Further, as the aminium-based and imonium-based dyes, those having at least one N, N-diaryliminium salt skeleton are preferable, and those represented by the following general formula (Va) or (Vb) are particularly preferable. .
[0028]
[Chemical formula 5]
[0029]
[In the formulas (Va) and (Vb), R15, R16, R17, R18, R19, R20, Rtwenty oneAnd Rtwenty twoEach independently represents a hydrogen atom, an alkyl group, or a phenyl group, and the quinone ring and the benzene ring may have a substituent. X-Represents a counter anion. In addition, the electronic bond (-) in Formula (Vb) shows the resonance state with another electronic bond. ]
Here, examples of the substituent in the quinone ring and the benzene ring in the formulas (Va) and (Vb) include an alkyl group, an alkoxy group, an acyl group, a nitro group, and a halogen atom.
[0030]
Incidentally, the counter anion X in the general formulas (Ia to c), (II), (III), (IVa to c), and (Va to b)-For example, Cl-, Br-, I-, ClOFour -, PF6 -And BFFour -Inorganic acid anions such as inorganic boric acid, benzenesulfonic acid, p-toluenesulfonic acid, naphthalenesulfonic acid, acetic acid, and methyl, ethyl, propyl, butyl, phenyl, methoxyphenyl, naphthyl, difluorophenyl, pentafluorophenyl, Examples thereof include organic acid anions such as organic boric acid having an organic group such as thienyl and pyrrolyl.
[0031]
The quinoline dyes represented by the general formulas (Ia to c), the indole or benzothiazole dyes represented by the general formula (II), and the aminobenzene dyes represented by the general formula (III) The pyrylium or thiapyrylium dyes represented by the general formulas (IVa to c) and the aminium or imonium dyes represented by the general formulas (Va to b) are advantageous in terms of sensitivity.
Specific examples of the photothermal conversion material preferably used are shown below.
[0032]
[Chemical 6]
[0033]
[Chemical 7]
[0034]
[Chemical 8]
[0035]
[Chemical 9]
[0036]
[Chemical Formula 10]
[0037]
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[0038]
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[0039]
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[0040]
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[0041]
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[0042]
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[0043]
The content ratio of these heat conversion substances in the positive photosensitive composition of the present invention is usually 0.5 to 30% by weight, preferably 1 to 20%, more preferably 2 to 10%, particularly 3 to 3. 10%. In particular, the combination with a surfactant described later is preferable because the content of the photothermal conversion substance can be made relatively high, and as a result, sensitivity and development latitude are particularly improved.
[0044]
Next, the second component (B) “alkali-soluble resin” (hereinafter sometimes referred to as polymer or resin) used in the positive photosensitive composition of the present invention will be described. The alkali-soluble resin basically has a difference in solubility in an alkali developer due to a change other than a chemical change in an exposed area and an unexposed area in combination with the photothermal conversion substance of the component (A). This includes a case where the polymer itself is a polymer compound whose solubility in an alkali developer is changed mainly by a change other than a chemical change. Examples of such a polymer include alkali-soluble resins such as novolak resins, resol resins, polyvinylphenol resins, and copolymers of acrylic acid derivatives. Among these, it is preferable to contain novolak resins.
[0045]
As the novolak resin, phenol, m-cresol, o-cresol, p-cresol, 2,5-xylenol, 3,5-xylenol, resorcin, pyrogallol, bisphenol, bisphenol-A, trisphenol, o-ethylphenol, m -At least one aromatic hydrocarbon such as ethylphenol, p-ethylphenol, propylphenol, n-butylphenol, t-butylphenol, 1-naphthol, 2-naphthol, etc. in the presence of an acidic catalyst, formaldehyde, acetaldehyde, propionaldehyde, A product obtained by polycondensation with aldehydes such as benzaldehyde and furfural, and at least one aldehyde selected from ketones such as acetone, methyl ethyl ketone, and methyl isobutyl ketone. It is below.
[0046]
Paraformaldehyde and paraaldehyde may be used in place of formaldehyde and acetaldehyde, respectively. The polystyrene-reduced weight average molecular weight (hereinafter, abbreviated as Mw by GPC measurement) of the novolak resin measured by gel permeation chromatography (hereinafter abbreviated as GPC) is preferably 1,000 or more, more preferably 1. , 500 or more, preferably 15,000 or less, more preferably 10,000 or less.
[0047]
More preferably, the aromatic hydrocarbon of the novolak resin is at least one selected from phenol, o-cresol, m-cresol, p-cresol, 2,5-xylenol, 3,5-xylenol, and resorcin. Examples thereof include novolak resins obtained by polycondensation of phenols with at least one selected from aldehydes such as formaldehyde, acetaldehyde and propionaldehyde.
[0048]
Among them, the mixing ratio of m-cresol: p-cresol: 2,5-xylenol: 3,5-xylenol: resorcin is 40-100: 0-50: 0-20: 0-20-20-20 in molar ratio. A novolak resin which is a polycondensate of phenols and aldehydes having a mixing ratio of phenols or phenol: m-cresol: p-cresol in a molar ratio of 1 to 100: 0 to 70: 0 to 60 is preferable. Of the aldehydes, formaldehyde is particularly preferable. As will be described later, the photosensitive composition of the present invention may further contain a dissolution inhibitor. In this case, m-cresol: p-cresol: 2,5-xylenol: 3,5-xylenol: resorcin The mixing ratio of 70 to 100: 0 to 30: 0 to 20: 0 to 20 in molar ratio or the mixing ratio of phenol: m-cresol: p-cresol in the molar ratio of 10 to 100: 0-60 : A novolak resin which is a polycondensate of 0 to 40 phenols and aldehydes is preferable.
[0049]
Examples of the resin other than the novolak resin include alkali-soluble resins described in JP-A No. 2000-105454. These resins may be used alone or in combination.
Among the above-mentioned resins, it is particularly preferable to contain a novolak resin in terms of sensitivity and development latitude. The content ratio of these resins in the positive photosensitive composition is preferably 50% to 99% by weight, more preferably 60% to 99%, and particularly preferably 70 to 98%.
[0050]
Next, in the photosensitive layer used in the present invention, (C) “surfactant having an HLB of less than 10” (hereinafter sometimes referred to as a lipophilic surfactant), and (D) “HLB of 10 or more. ”Surfactant” (hereinafter sometimes referred to as a hydrophilic surfactant). The lipophilic surfactant is preferably HLB of 9 or less, more preferably 8.5 or less, preferably 3 or more, and more preferably 5 or more. Moreover, as a hydrophilic surfactant, Preferably HLB is 11 or more, More preferably, it is 12 or more, Preferably it is 18 or less, More preferably, it is 16 or less.
[0051]
The reason why an excellent effect is exhibited when a lipophilic surfactant and a hydrophilic surfactant are used in combination in the photosensitive layer used in the present invention is not necessarily clear, but is estimated as follows.
[0052]
When the printing plate is developed, processing deterioration of the developer proceeds. The process of deterioration of the developer is estimated as follows. In the case of the positive type, the unexposed portion of the photosensitive composition layer is eluted in the developer, so that the concentration of the photosensitive composition increases as the number of development increases. As the concentration of the photosensitive composition in the developer increases, the affinity of the photosensitive composition layer on the printing plate to the alkali developer increases accordingly (developability increases), and the solubility of the unexposed area increases. Therefore, it is presumed that film slippage is caused as a result. Here, when there is a hydrophilic surfactant in the developer, the affinity between the developer and the photosensitive composition layer on the printing plate is suppressed, and film slippage can be reduced (the remaining film ratio can be improved). However, if a hydrophilic surfactant that prevents film slippage is contained in the photosensitive layer, the hydrophilic surfactant is also supplied to the developer in proportion to the dissolved photosensitive composition. It is done. Therefore, it is estimated that the processing stability against the deterioration of the developer due to the increase in the number of processing of the printing plate is improved by including a hydrophilic surfactant having an effect of preventing film slippage of the photosensitive layer in the photosensitive layer. The
[0053]
As the surfactant used in the present invention, any of anionic, cationic, nonionic, and the like can be used. Particularly preferable examples include nonionic surfactants, such as ether type, ester type, Examples include amino ether type, ether ester type, and alkanolamide type. Specifically, polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl allyl ether, polyoxyethylene derivative, oxyethylene / oxypropylene block copolymer, polyethylene glycol fatty acid ester, sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitol Fatty acid ester, glycerin fatty acid ester, polyoxyethylene fatty acid ester, polyoxyethylene alkylamine, alkyl alkanolamide, polyoxyethylene alkylamino ether, pentaerythritol fatty acid ester, polyethylene glycol, polyoxypropylene polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene Polyoxypropylene ether derivative, polyoxyp Pyreneglyceryl ether, methoxypolyethylene glycol, glycerol borate fatty acid ester, polyoxyethylene alkylamine, polyoxyethylene glycerol borate fatty acid ester, polyoxyethylene fatty acid alkanolamide, polyglycerin fatty acid ester, propylene glycol fatty acid ester, polyoxyethylene sorbit Examples include fatty acid esters, polyoxyethylene phytosterol, polyoxyethylene phytostanol, polyoxyethylene vegetable oil, polyoxyethylene lanolin, polyoxyethylene lanolin alcohol, polyoxyethylene beeswax derivatives, and polyoxyethylene alkylphenyl formaldehyde condensates. Among these, polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkylphenyl ether, polyoxyethylene / polyoxypropylene block polymer, polyoxyethylene sorbit fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, polyethylene glycol, polyoxyethylene are preferable. Examples include glycerin fatty acid ester, polyethylene glycol fatty acid ester, glycerin fatty acid ester, sorbitan fatty acid ester, pentaerythritol fatty acid ester, propylene glycol fatty acid ester, and polyglycerin fatty acid ester.
[0054]
More preferred are polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene sorbit fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, polyglycerin fatty acid ester, polyethylene glycol, polyethylene glycol fatty acid ester, especially polyoxyethylene sorbit fatty acid ester, polyethylene glycol fatty acid ester An ester is preferred. Even if the above-mentioned surfactants are of the same type, for example, the HLB differs depending on the number of repeating oxyethylene repeating units. Therefore, select those having an HLB of less than 10 and those having an HLB of 10 or more. Combined.
[0055]
If the content of the surfactant of less than HLB 10 in the positive photosensitive composition of the present invention is too small, the development latitude tends to be small, and if it is too large, the development latitude tends to be small. Is preferably at least 0.5%, more preferably at least 1%, particularly preferably at least 2%, preferably at most 20%, more preferably at most 10%, particularly preferably at most 8%.
Further, if the content of the surfactant of HLB 10 or more is too small, sufficient film slip prevention effect cannot be obtained, and if it is too large, the development latitude tends to be small, so it is preferably 0.2% or more, more preferably Is 0.3% or more, particularly preferably 0.5% or more, preferably 15% or less, more preferably 10% or less, and particularly preferably 8% or less.
Further, if the content of the surfactant of HLB 10 or more is too small, a sufficient film slip prevention effect cannot be obtained, and if it is too large, the development latitude tends to be small, so 0.05% or more is preferable. Is 0.1% or more, particularly preferably 0.15% or more, preferably 15% or less, more preferably 10% or less, and particularly preferably 5% or less.
The content ratio of low HLB, that is, lipophilic surfactant and high HLB, that is, hydrophilic surfactant is preferably 40: 1 to 1:10, more preferably 30: 1 to 1: 5. Yes, particularly preferably 20: 1 to 1: 1.
[0056]
The photosensitive composition layer of the present invention can contain a dissolution inhibitor having a property of reducing the solubility of the photosensitive composition in an alkaline developer. Examples of the dissolution inhibitor used in the present invention include sulfonate esters, phosphate esters, aromatic carboxylic acid esters, aromatic disulfones, and carboxylic acids described in JP-A-10-268512, JP-A-11-288089, and the like. Examples thereof include anhydrides, aromatic ketones, aromatic aldehydes, aromatic amines and aromatic ether compounds, and compounds having a triarylmethane skeleton. In addition, acid coloring dyes having a lactone skeleton, an N, N-diarylamide skeleton, a diarylmethylimino skeleton, a base coloring dye having a lactone skeleton, a thiolactone skeleton, and a sulfolactone skeleton described in JP-A-11-190903 Can be mentioned.
[0057]
Further, the photosensitive layer of the present invention may contain a compound having an action capable of crosslinking the alkali-soluble resin by the action of heat (hereinafter sometimes abbreviated as a heat-crosslinking compound). When a heat-crosslinking compound is contained in the photosensitive layer, the alkali-soluble resin can be cross-linked by performing post-heating treatment after exposure, and as a result, chemical resistance and printing durability can be improved. it can. Examples of such thermally crosslinkable compounds include compounds that can crosslink an alkali-soluble resin by heating to 150 ° C to 300 ° C.
[0058]
Examples of the thermally crosslinkable compound include a nitrogen-containing compound having thermal crosslinkability, preferably a compound containing an amino group, and more specifically, for example, a methylol group as a functional group and its alcohol condensation modified. Examples thereof include an amino compound having at least two alkoxymethyl groups and other acetoxymethyl groups. Among the compounds having an amino group, the structure preferably has a heterocyclic structure, particularly a nitrogen-containing heterocyclic structure, and a compound having a melamine skeleton is preferable. Specifically, for example, as the thermally crosslinkable compound, a thermally crosslinkable compound described in JP-A No. 11-202481 can be mentioned.
[0059]
The photosensitive composition of the present invention has various additives such as dyes, pigments, coatability improvers, development improvers, adhesion improvers, sensitivity improvers, and fat sensitizers as long as the performance is not impaired. Etc. can also be contained. In addition, the cause of color development can also include ionic dyes due to non-polarization of cations or anions. Specifically, cyanine dyes, azurenium dyes, squalium dyes, croconium dyes, diphenylmethane dyes, triphenylmethane dyes, Examples thereof include oxazine dyes, azine dyes, pyrylium dyes, thiopylium dyes, viologen dyes, xanthene dyes, rhodocyanine dyes, and styryl dyes. Such an ionic dye is distinguished from a dye that can be used as a photothermal conversion substance, and is a dye having an absorption maximum (λmax) of 700 nm or less. Among these, preferred is a triphenylmethane dye having a triphenylmethyl group as a partial structure in its structure. I. No. Is represented by C.I. I. BasicViolt3, C.I. I. BasicBlue 5, C.I. I. BasicGreen1, C.I. I. BasicBlue 26, C.I. I. AcidBlue1, C.I. I. solventBlue2, C.I. I. BasicBlue7 etc. are mentioned, Crystal violet by Tokyo Chemical Industry Co., Ltd., Primocyanine Bxconc. By Sumitomo Chemical Co., Ltd. Aizen DiamondGreenGH, AizenVictoriaBlueBH, AizenBrilliantAcidPureBlueVH, EisenVictoriaPiablueBOH, BASF VictoriaBlue4RBase manufactured by Hodogaya Chemical Co., Ltd.
[0060]
The photosensitive lithographic printing plate of the present invention comprises a photothermal conversion substance of component (A), an alkali-soluble resin of component (B) and a surfactant having an HLB of component (C) of less than 10, and an HLB of (D) of 10 It can be obtained by dissolving the above-described surfactant and, if necessary, a dissolution inhibitor and other additives in an appropriate solvent, and coating and drying on a support. The solvent is not particularly limited as long as it has sufficient solubility for the components used and gives good coating properties, but cellosolve solvents such as methyl cellosolve, ethyl cellosolve, methyl cellosolve acetate, ethyl cellosolve acetate, etc. Propylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monoethyl ether, propylene glycol monobutyl ether, propylene glycol monomethyl ether acetate, propylene glycol monoethyl ether acetate, propylene glycol monobutyl ether acetate, propylene glycol solvents such as dipropylene glycol dimethyl ether, butyl acetate, Amyl acetate, ethyl butyrate, butyl butyrate, diethyl oxalate, ethyl pyruvate, ethyl-2-hydroxy Ester solvents such as tyrate, ethyl acetoacetate, methyl lactate, ethyl lactate, methyl 3-methoxypropionate, alcohol solvents such as heptanol, hexanol, diacetone alcohol, furfuryl alcohol, ketones such as cyclohexanone, methyl amyl ketone Examples thereof include a solvent, a highly polar solvent such as dimethylformamide, dimethylacetamide, N-methylpyrrolidone, or a mixed solvent thereof, and those obtained by adding an aromatic hydrocarbon thereto. The ratio of the solvent used is usually in the range of about 1 to 20 times as a weight ratio with respect to the total amount of the photosensitive composition.
[0061]
As a coating method used when the photosensitive composition used in the present invention is provided on the support surface, conventionally known methods such as spin coating, wire bar coating, dip coating, air knife coating, roll coating, blade coating, Curtain coating or the like can be used.
The film thickness of the photosensitive layer is 1 to 3 μm, and the weight film thickness is 13 to 30 mg / dm.2Is more preferable, more preferably 1-2 μm, 16-28 mg / dm2Is preferred.
[0062]
The positive photosensitive lithographic printing plate obtained as described above is exposed to an image with a laser beam and then developed with an alkali developer to form a positive image.
Here, as a light source for image exposure of a positive photosensitive lithographic printing plate, laser light sources such as a HeNe laser, an argon ion laser, a YAG laser, a HeCd laser, a semiconductor laser, and a ruby laser can be cited. In the case of forming an image by heat generated by absorbing the light, a light source that generates a near-infrared laser beam in a wavelength range of 650 to 1,300 nm is preferable. For example, a ruby laser, a YAG laser, a semiconductor laser, an LED, etc. A solid-state laser can be mentioned, and a small-sized and long-life semiconductor laser or YAG laser is particularly preferable.
[0063]
The laser light source usually scans the surface of the photosensitive composition layer as a high-intensity light beam (beam) collected by a lens. The sensitivity characteristic (mJ) of the photosensitive composition layer according to the present invention is sensitive to the scanning. / Cm2) Is the light intensity (mJ / s · cm) of the received laser beam.2). Here, the light intensity of the laser beam is the amount of energy (mJ / s) per unit time of the laser beam measured by an optical power meter, and the irradiation area (cm2) Can be obtained by dividing by. The irradiation area of the laser beam is usually 1 / e of the laser peak intensity.2Although it is defined by the area of the portion exceeding the strength, it can also be measured by exposing a photosensitive composition showing a reciprocity law.
[0064]
In the exposure of the photosensitive lithographic printing plate of the present invention, the light intensity of the light source is 2.0 × 10.6 mJ / s · cm2It is preferable to make it more than 1.0 × 107mJ / s · cm2The above is particularly preferable. When the light intensity is in the above range, the sensitivity characteristic of the positive photosensitive composition layer in the present invention can be improved, and the scanning exposure time can be shortened, which is a great advantage in practice.
[0065]
Next, as a developer used for developing the photosensitive lithographic printing plate of the present invention, for example, sodium silicate, potassium silicate, lithium silicate, ammonium silicate, sodium metasilicate, potassium metasilicate, sodium hydroxide, potassium hydroxide , Lithium hydroxide, sodium carbonate, sodium bicarbonate, potassium carbonate, dibasic sodium phosphate, tribasic sodium phosphate, dibasic ammonium phosphate, tribasic ammonium phosphate, sodium borate, potassium borate, ammonium borate and other inorganic alkali salts, monomethyl Amine, dimethylamine, trimethylamine, monoethylamine, diethylamine, triethylamine, monoisopropylamine, diisopropylamine, monobutylamine, monoethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, monoisopropaline Ruamin, alkaline developing solution comprising an aqueous solution of about 0.1 to 5% by weight of an organic amine compound diisopropanolamine or the like is used.
[0066]
Among them, the developer contains alkali metal hydroxides such as sodium hydroxide, potassium hydroxide and lithium hydroxide, and alkali metal silicates such as sodium silicate, potassium silicate and lithium silicate. Alkali developers are preferred.
[0067]
Further, as the developer, the alkali metal silicate is 0.5 to 10% by weight as silicon dioxide, and the molar concentration of silicon dioxide relative to the molar concentration of alkali metal ([M]). The ratio ([SiO2] / [M]) of ([SiO2]) is preferably 0.1 to 1.5, the content as silicon dioxide is 1 to 8% by weight, and the alkali metal The ratio of the molar concentration of silicon dioxide to the molar concentration is particularly preferably 0.3 to 1.
[0068]
When the content of alkali metal silicate as silicon dioxide is less than the above range and the ratio of the molar concentration of silicon dioxide to the molar concentration of alkali metal is less than the above range, with time and with the increase in the number of development processes In addition, alkali metal salt tends to be precipitated in the developer, while the content of alkali metal silicate as silicon dioxide exceeds the above range, and the molar concentration of silicon dioxide with respect to the molar concentration of alkali metal. If the ratio exceeds the above range, the solubility of the non-image area tends to be lowered and the omission property tends to be insufficient.
Note that the pH of the developer is preferably 12.0 to 14.0 in terms of the non-image area removal property.
[0069]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited to the following examples unless it exceeds the gist.
Examples 1-3, Comparative Example 1
An aluminum plate (thickness 0.24 mm) was degreased at 60 ° C. for 1 minute in a 5 wt% sodium hydroxide aqueous solution, and then at a temperature of 28 ° C. in a hydrochloric acid aqueous solution having a concentration of 0.5 mol / liter. , Current density 60A / dm2The electrolytic etching treatment was performed under the condition of a treatment time of 40 seconds. Next, after washing with water, desmutting treatment was carried out in a 4% by weight aqueous sodium hydroxide solution at 60 ° C. for 12 seconds. After washing with water, in a 20% by weight sulfuric acid solution, the temperature was 20 ° C., and the current density was 3.5 A / dm.2The anodizing treatment was performed under the condition of a treatment time of 1 minute. Further, hot water sealing treatment was performed with hot water at 80 ° C. for 20 seconds, washed with water and dried to produce an aluminum plate for a lithographic printing plate support. The average roughness Ra of the plate surface by a surface roughness meter (“SE-3DH” manufactured by Kosaka Laboratory Ltd.) was 0.6 μm.
[0070]
By applying a coating solution having the following composition on the surface of the obtained aluminum plate support using a whirler, drying at 90 ° C. for 2 minutes, and then performing a post-heating treatment at 55 ° C. for 16 hours, Dry film thickness is 2.1 g / m2A positive photosensitive lithographic printing plate having a positive photosensitive composition layer was prepared.
[0071]
[Table 1]
[0072]
Embedded image
[0073]
Each positive photosensitive lithographic printing plate was 113 mJ / cm using an exposure apparatus (“Trend Setter 3244T” manufactured by Creo) using a semiconductor laser having a wavelength of 830 nm as a light source.2And then developed at 28 ° C. with a developer (new solution) having the following composition.
[Developer composition]
3.1 parts by weight of KOH
A Potassium silicate 21 parts by weight
Amorgen K 0.3 parts by weight
DLP-10 0.2 parts by weight
A15 0.07 part by weight
76 parts by weight of demineralized water
However, Amorgen K: Betaine-type amphoteric surfactant (“Amorgen K” manufactured by Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.), DLP-10: Phosphate ester compound (“NIKKOL DLP10” manufactured by Nikko Chemicals), A15: Advanced oleic acid sulfation Oil ("Pionine A15" manufactured by Takemoto Yushi Co.).
[0074]
(Residual film rate evaluation: time to reach 90% of remaining film rate in unexposed area: t1)
For each lithographic printing plate obtained, the reflection density before and after development in the image area was measured using a reflection densitometer (“RD-514” manufactured by Macbeth), and the remaining film ratio of the image area based on the following equation: Was calculated and evaluated according to the following criteria.
Residual film ratio (%) = [(reflection density of image area after development−reflection density of support surface) / (reflection density of plate surface before development−reflection density of support surface)] × 100
Then, the arrival time (development time) until the remaining film ratio of the unexposed portion reached 90% was calculated.
[0075]
(Evaluation of omission: time to reach 3% of remaining film in exposed area: t2)
The arrival time until the remaining film ratio of the exposed portion reached 3% was calculated by the same method as the above-described evaluation of the remaining film ratio.
(Development latitude evaluation: current lattice index)
The value of (t1−t2) / t1 was determined as an index of development latitude from the above-described evaluation of the remaining film ratio (t1) and the evaluation of slipping out property (t2). The larger the development latitude index, the greater the development latitude and the better.
Each evaluation result is shown in Table 1 below, and it is understood that all the printing plates have almost the same development latitude with the new developer.
[0076]
[Table 2]
However, MYS-25: Polyethylene glycol monostearate (“MYS-25” manufactured by Nikko Chemicals; HLB = 15.0), MYS-10: Polyethylene glycol monostearate (“MYS-10” manufactured by Nikko Chemicals; HLB) = 11.0).
[0077]
(Running evaluation)
Next, for each version, 1.4m2/ L was developed with a developer having the following composition to prepare a fatigue developer for each plate.
Each plate was developed at 28 ° C. using the obtained fatigue developer.
[Developer composition]
3.1 parts by weight of KOH
A Potassium silicate 21 parts by weight
Amorgen K 0.3 parts by weight
DLP-10 0.2 parts by weight
A15 0.07 part by weight
76 parts by weight of demineralized water
The results are shown in Table 2. As can be seen from Table 2, the printing plate not containing a hydrophilic surfactant (Comparative Example 1) has a narrow development latitude when treated with a fatigue developer, In the printing plates (Examples 1 to 3) containing a hydrophilic surfactant, even when treated with a fatigue developer, the development latitude when treated with a new solution is relatively maintained.
[0078]
[Table 3]
[0079]
【The invention's effect】
According to the present invention, a positive photosensitive lithographic printing plate having a large development latitude and excellent processing stability can be provided.
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