JP4474107B2 - 身体動揺測定装置の作動方法、身体動揺測定プログラムおよび身体動揺測定システム - Google Patents

身体動揺測定装置の作動方法、身体動揺測定プログラムおよび身体動揺測定システム Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、身体動揺測定方法、身体動揺測定プログラムおよび身体動揺測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、人口の高齢化に伴い、高齢者の転倒、骨折の発生例が増え続けている。ニュージーランドの調査では、65歳以上の高齢者の約30%以上が毎年少なくとも1回の転倒を発生し、このうち約20%が何らかの医療手当てを必要としている。平衡機能の低下が高齢者転倒の高発生率の原因となっており、平衡能力の同定は平衡機能低下の原因究明と予防対策の効果評価の重要な手段である。
【0003】
直立姿勢に現れる身体動揺を、重心位置が出力される重心動揺計を用いて記録し、直立検査を客観的、定量的に解析する重心動揺検査(Stabilometry)が一般的に実施されている。
【0004】
そこでまず、重心動揺計を用いた身体動揺検査について一例を挙げる。図19は臨床上よく使われる重心動揺計の一例を示している。被験者が開眼あるいは閉眼の状態で重心動揺計の上に両足で立つことにより、直立時の重心動揺が記録される(非特許文献1)。
【0005】
1994年に重心動揺検査の学会基準に準拠して保険診療の適用となり、検査項目は以下となる。すなわち、検査項目は、
▲1▼面積、軌跡長などの検査
▲2▼パワー・ベクトル検査、そして、
▲3▼刺激または付加を加えた検査
の3段階に分けられる。
【0006】
面積、軌跡長などの検査は、臨床上一番使われる項目である。これら基準値は、全国15施設で行った健常者の年齢別に、60秒と30秒の記録の統計結果によるものである。
【0007】
LNGは総軌道長、LNG/TIMEは単位軌道長、ENV.AREAは外周面積、REC.AREAは矩形面積、RMS.AREAは実効値面積、L/E.AREAは単位面積軌道長、DEV_OF_MXはX方向動揺中心変位、DEV_OF_MYはY方向動揺中心変位である。
【0008】
重心動揺面積は、一般的に、外周面積ENV.AREA、矩形面積REC.AREA、実効値面積RMS.AREAに分けられる。外周面積ENV.AREAは、重心動揺軌跡の最外周で囲まれた内側の面積で、平均能力の評価指標として使われている。
【0009】
実効値面積RMS.AREAは、ROOT MEAN SQUAREの略語で、各重心座標値(X方向とY方向)と重心動揺平均値(XmeanとYmean)の次式(1)の値を半径として計算された円の面積である。
【数1】
Figure 0004474107
【0010】
重心動揺の程度を軌道長で評価する指標として、総軌道長LNG、単位時間軌道長LNG/TIMEと単位面積軌道長L/E.AREAがある。面積と軌道長とは高い相関性を持ち、ここでは軌道長を主に使って人の直立能力を評価している。
【0011】
人の直立能力について、平沢がCSFS(Contact Surface f Foot Sole:接地足蹠面積)とEEG(Electrogravitiogram:重心図)を用いて、2歳から96歳までの正常男子2,517名、女子2,273名について、直立姿勢の安定保持能力を解析している(非特許文献2)。
【0012】
この解析結果を直立能力は発達期(0〜19歳)、充実期(20歳〜49歳)、衰退期(50歳以後)に分けたところ、20代の直立姿勢の安定保持能力は最も高いことがわかる。以上の結果は、重心動揺検査から得た結果とよく一致していることがわかる。
【0013】
重心動揺は左右方向の動揺と前後方向の動揺に分かれ、その割合は固体および検査結果により異なる。そこで、一被験者におけるLNG値と左右方向の動揺範囲とは、高い相関性を示すことがわかる。
【0014】
そこで、CCDカメラを用いた身体動揺検査についても一例を挙げる。本件発明者においても低強度運動が人体のバランス能力にどのような影響を及ぼすかについての研究がなされている。それは、CCDビデオカメラを用いて被験者の身体動揺を測定し、被験者の左右方向の揺れを分析する手法である(非特許文献3)。
【0015】
この場合には、低強度運動が脚直立時の身体左右同様にどのような影響を及ぼすかについて、測定結果を周波数分析し、運動後の視覚の作用が強く影響しているという結果が得られている。
【0016】
【非特許文献1】
時田喬著「重心動揺検査 その実際と解釈」アニマ株式会社、2000年8月改訂
【非特許文献2】
平沢彌一郎著「日本人の直立能力について」J.Anthrop.Soc.Nippon、1979年、第87巻第2号
【非特許文献3】
長崎幸雄、江依法、早川麻里子、古田善伯、小栗和雄、江川秀文、宮本敬、ミルボド・セイド・モハマド、加藤義弘、松岡敏男著「両足直立時の身体動揺における低強度運動の影響:CCDビデオカメラによる測定」教育医学、2002年3月、第47巻第4号、280−286頁
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
これまでの平衡能力の測定器である重心動揺計は、ほとんど直立時の重心偏移を利用して開発されている。重心動揺計を用いて身体動揺を測定する場合には、重心動揺計を平らな床に設定する必要があり、被験者の測定場所を任意に選ぶことは困難である。しかしながら、転倒の発生は複雑な地面と視覚に関連する平衡能力の低下の結果ともいわれており、地面条件の変化による平衡能力の測定は単に重心偏移を利用するだけでは不十分である。
【0018】
また、人の平衡能力は主に直立、歩き、および走るときに表現され、内耳、視覚および身体の固有感覚にかかわる総合的な能力と考えられる。また、平衡能力の同定は、歩く、走るときの動的平衡能力および両足(あるいは片足)直立時における静的平衡能力の測定に分けられる。特に、静的平衡能力は平衡能力の基本であり、高齢者の転倒、骨折等に深く関連している。
【0019】
静的平衡能力の同定は主に両足直立時における身体の安定性を指標として評価されている。すなわち、より安定した直立状態は、より優れた平衡能力を有すると考えられる。直立時身体の安定性については、これまで幾つかの物理量が使われている。このうち、重心動揺の範囲と速度がよく使われ、直立時の身体安定性の評価として重要な役割を果たしている。
【0020】
しかしながら、直立時身体の動揺角度および身体動揺の速度に関する詳細な報告はほとんどなく、これらの指標とこれまでの重心偏移の検査結果との関係も明らかにされていないのが現状である。
【0021】
本発明の目的は、任意の測定場所でも簡易なシステムにより、従前より利用されている重心動揺計と同様の身体動揺測定を実現することが可能な身体動揺測定方法、身体動揺測定プログラムおよび身体動揺測定システムを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、上記目的を達成するため、請求項1の発明に係る身体動揺測定装置の作動方法は、身体動揺測定装置の作動方法であって、被験者の身体に取り付けられた所定サイズの指標を連続撮影し、当該指標の画像データを入力する第1ステップと、前記第1ステップで入力された画像データに基づいて身体動揺角速度を算出する第2ステップと、前記第2ステップで算出された身体動揺角速度に基づいて身体動揺時間を算出する第3ステップと、前記第3ステップで算出された身体動揺時間をあらかじめ用意された標準身体動揺時間と比較して平衡能力を判定する第4ステップと、を含み、前記あらかじめ用意された標準身体動揺時間は、少なくとも年齢、身長、体重に応じたデータであることを特徴とするものである。
【0023】
この請求項1の発明によれば、前記第1ステップは、各被験者の身体に対して一定の高さに前記所定サイズの指標を取り付けた状態で実施されるようにしてもよい。
【0024】
この請求項1の発明によれば、前記第2ステップは、前記第1ステップで入力された画像データに基づいて前記所定サイズの指標の左右方向の平均移動角速度を示す前記身体動揺角速度を算出するようにしてもよい。
【0025】
この請求項1の発明によれば、前記第3ステップは、前記第2ステップで算出された身体動揺角速度に基づいて前記所定サイズの指標の左右方向の平均移動時間を示す前記身体動揺時間を算出するようにしてもよい。
【0027】
この請求項1の発明によれば、さらに、m,l,yをそれぞれ体重、身長、年齢と定義し、開眼時に、k=642、θ=19.86、a=0.847、閉眼時に、k=447、θ=16.83、a=0.548とした場合、
TST=k×√m×la÷(θ+(y÷21−1)2
の式により標準身体動揺時間を求める第5ステップを含むようにしてもよい。
【0028】
この請求項1の発明によれば、前記第3ステップは、前記身体動揺角速度の逆数により前記身体動揺時間を求めるようにしてもよい。
【0029】
この請求項1の発明によれば、前記第4ステップは、前記第3ステップで算出された身体動揺時間と前記あらかじめ用意された標準身体動揺時間との比率が一定値よりも小さい場合には、平衡能力ありという判定結果を得るようにしてもよい。
【0030】
また、請求項の発明に係る身体動揺測定プログラムは、コンピュータに身体動揺の測定を実行させるための身体動揺測定プログラムであって、前記コンピュータに、各被験者の身体に一定の高さに取り付けられた所定サイズの指標を連続撮影して得られる画像データを入力する第1ステップと、前記第1ステップで入力された画像データに基づいて身体動揺角速度を算出する第2ステップと、前記第2ステップで算出された身体動揺角速度に基づいて身体動揺時間を算出する第3ステップと、標準身体動揺時間をあらかじめ記憶しており、前記第3ステップで算出された身体動揺時間を前記あらかじめ記憶された標準身体動揺時間と比較して平衡能力を判定する第4ステップと、前記第4ステップの判定結果を表示する第5ステップと、を実行させ、前記あらかじめ記憶された標準身体動揺時間は、少なくとも年齢、身長、体重に応じたデータであることを特徴とするものである。
【0031】
この請求項の発明によれば、前記第2ステップは、前記第1ステップで入力された画像データに基づいて前記所定サイズの指標の左右方向の平均移動角速度を示す前記身体動揺角速度を算出するようにしてもよい。
【0032】
この請求項の発明によれば、前記第3ステップは、前記第2ステップで算出された身体動揺角速度に基づいて前記所定サイズの指標の左右方向の平均移動時間を示す前記身体動揺時間を算出するようにしてもよい。
【0034】
この請求項の発明によれば、さらに、m,l,yをそれぞれ体重、身長、年齢と定義し、開眼時に、k=642、θ=19.86、a=0.847、閉眼時に、k=447、θ=16.83、a=0.548とした場合、
TST=k×√m×la÷(θ+(y÷21−1)2
の式により標準身体動揺時間を求める第5ステップを含むようにしてもよい。
【0035】
この請求項の発明によれば、前記第3ステップは、前記身体動揺角速度の逆数により前記身体動揺時間を求めるようにしてもよい。
【0036】
この請求項の発明によれば、前記第4ステップは、前記第3ステップで算出された身体動揺時間と前記あらかじめ用意された標準身体動揺時間との比率が一定値よりも小さい場合には、平衡能力ありという判定結果を得るようにしてもよい。
【0037】
また、請求項1の発明に係る身体動揺測定システムは、身体動揺測定システムであって、被験者の少なくとも年齢、身長、体重に基づいて標準身体動揺時間を算出する第1算出手段と、各被験者の身体に一定の高さに取り付けられた所定サイズの指標を連続撮影して画像データを入力する画像入力手段と、前記画像入力手段で入力された画像データに基づいて身体動揺角速度を算出し、当該算出された身体動揺角速度に基づいて身体動揺時間を算出する第2算出手段と、前記第2算出手段で算出された身体動揺時間を前記第1算出手段で算出された標準身体動揺時間に比較して平衡能力を判定する判定手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0038】
この請求項1の発明によれば、さらに、前記判定手段の判定結果を表示する表示手段を備えるようにしてもよい。
【0039】
この請求項1の発明によれば、前記第2算出手段は、前記画像入力手段で入力された画像データに基づいて前記所定サイズの指標の左右方向の平均移動角速度を示す前記身体動揺角速度を算出するようにしてもよい。
【0040】
この請求項1の発明によれば、前記第2算出手段は、前記算出された身体動揺角速度に基づいて前記所定サイズの指標の左右方向の平均移動時間を示す前記身体動揺時間を算出するようにしてもよい。
【0041】
この請求項1の発明によれば、前記第1算出手段は、m,l,yをそれぞれ体重、身長、年齢と定義し、開眼時に、k=642、θ=19.86、a=0.847、閉眼時に、k=447、θ=16.83、a=0.548とした場合、
TST=k×√m×la÷(θ+(y÷21−1)2
の式により標準身体動揺時間を求めるようにしてもよい。
【0042】
この請求項1の発明によれば、前記第2算出手段は、前記身体動揺角速度の逆数により前記身体動揺時間を求めるようにしてもよい。
【0043】
この請求項1の発明によれば、前記判定手段は、前記第2算出手段で算出された身体動揺時間と前記第1算出手段で算出された標準身体動揺時間との比率が一定値よりも小さい場合には、平衡能力ありという判定結果を得るようにしてもよい。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る好適な実施の形態について詳述する。
【0045】
まず、本発明の原理について説明する。図1は本実施の形態において身体動揺測定に関する定義を説明する図である。
【0046】
人が両足で直立する際、身体が左右と前後の方向にある一定の範囲で移動する。この移動範囲は年齢,性別,体重および身長等の差により異なる。特に、腰関節運動の原因で移動範囲の同定が難しくなる。しかし、両足直立時の身体動揺範囲は小さく、身体全体を一つの剛体として見なすことが可能で、身体の動揺は地面と足裏との接触点を中心として発生したと考えられる。ここで、地面と足裏との接触点を中心として身体左右方向の動揺範囲を身体動揺角度(Trunk Sway Angle:TSA)と定義する(図1参照)。単位は、度(°)である。
【0047】
また、身体動揺速度は直立時の身体の安定性を表す重要な指標である。何故ならば、同じ身体動揺角度でも、身体動揺速度の低いほうがより安定的である。しかしながら、実際の測定中では、被験者の身長は異なり、測定ポイントの高度を標準化しなければ個体間の比較は不可能である。そこで、人の直立時の高さ1メートルのところでの平均移動速度 (左右方向) を身体動揺速度、高さ1メートルのところで平均1mm移動 (左右方向) に要する時間を身体動揺角速度(Trunk Sway Speed:TSS)と定義する(図1参照)。
【0048】
両足直立時、開眼と比べて閉眼時に動揺の大きくなる場合 (肉眼で判断) をRomberg陽性と称する。ここでは, 閉眼時の測定値と開眼時の測定値の割合 (閉眼時/開眼時) をRomberg係数と定義する。このRomberg係数は視覚による姿勢制御の役割を評価するために用いられる。
【0049】
高齢者転倒の発生は直立時の平衡能力と深く関連していることがよく知られている。しかし、個人の平衡能力を基に高齢者の転倒発生の危険性を評価する定量的な指標は依然として得られていないのが実情である。そこで、本件発明者は人の直立時の平衡能力と転倒発生の危険率との関係を調べて、直立時の平衡能力の測定による高齢者転倒発生の危険率の予測の有用性に着目する。
【0050】
安静直立時身体左右方向への揺れの身体動揺角速度TSSの逆数を身体動揺時間(Trunk Sway Time:TST)と定義する。TSTは1/TSSに相当する。このTSTの 単位ms/mmである。TSTは、下式(1)のとおりである。
【数2】
Figure 0004474107
ここで、m,lはそれぞれ被験者の体重、身長であり、Bは(y÷21−1)2 で表され、被験者の年齢(y)により決まるパラメータである。a,k,θは開眼時、閉眼時で異なり、被験者の身体動揺測定結果から得られる固定値である。
【0051】
上述した3つのパラメータa,k,θは、複数(例えば68人)の被験者をサンプルとした場合には、下式(2),(3)にから求めることができる。
【数3】
Figure 0004474107
【0052】
eo,keo,θeoは開眼時の値であり、aec,kec,θecは閉眼時の値である。上記式(2)および(3)により、開眼時のaeo,keo,θeoはそれぞれ642、19.86,0.847となる。また、閉眼時のaec,kec,θecはそれぞれ447、16.83、0.548となる。
【0053】
以上により、開眼時をTSTeo、閉眼時をTSTecとした場合、それぞれの式は下式(4)、(5)のとおりである。
【数4】
Figure 0004474107
【0054】
TSTにおいて、直接測定により得られた値はTSTr(開眼時)とし、また、被験者の身長、年齢および体重を変量としてシミュレーションを行なって得られた値をTSTsとする。
【0055】
開眼時を例に挙げると、TSTr/TSTeoは被験者の直立時における平衡能力を表す指標であり、これをRfとして定義する。過去15年間の被験者の転倒発生の回数、骨折の有無による転倒の危険率を定量的に評価したものをDfと定義する。このDf値が高いのは転倒発生の危険性も高いことを意味している。RfとDfとの関係Chi−square testで調べた結果、Rf≦1.12時のDf値はRf>1.12時のDf値より高いことが判明している。この結果により、安静直立時の平衡能力による高齢者の転倒発生危険性を予測するのは可能である。
【0056】
ここで、51名の健常高齢者に基づく実験結果について説明する。図2,図3,図4はそれぞれ格付け表形式で説明する図、Rfに基づくChi−square testの結果を示す図、Rcopに基づくChi−square testの結果を示す図である。図5,図6,図7,図8はそれぞれ被験者のTSTの実測とシミュレーション間の関係を示すグラフ、被験者のRfを示すグラフ、被験者のDfを示すグラフ、RfとDfの関係を示すグラフである。
【0057】
転倒の発生率とDfの関係について過去15年間調査した結果を述べる。転倒発生率の格付けを、例えば図2に示したように、倒れて骨折するケース(1回以上)はグレード5、骨折無しで倒れるケース(1回以上)はグレード4、昼間に歩行できないケースはグレード3、夜間に歩行できないケースはグレード2、風呂場で簡単にスリップするケースはグレード1とする。Dfは0〜1の範囲である。
【0058】
開眼時、51人の被験者のTSTrの平均値は、257.02+/−55.81ms/mmである。平均体重は、50.02+/−8.39kgで、平均身長は1.51+/−0.05mである。TSTeoは、下式(6)のとおりである。
【数5】
Figure 0004474107
【0059】
その結果、平均TSTeoの値は、図3に示したように、252.50+/−31.63ms/mmである。TSTeoの値は、TSTrの値にとても接近しており、TSTよりも大きくなったり、小さくなっている。
【0060】
つづいて、Rfについて述べる。TSTrとTSTeoの相違する分布から明らかなように、Rfは個々の静的安定評価に導かれるものである。被験者51人の平均Rf値は、図4に示したように、1.03+/−0.22である。Rfの範囲は、0.57〜1.50となる。
【0061】
つづいて、転倒発生率の調査について述べる。被験者51人のうち30名は転倒の経験をもち、10名は転倒によって骨折を経験している。転倒58.8%、転倒に基づく骨折19.6%という比率は非常に高いものである。Df値の結果は、図5に示したように、平均0.37+/−0.19である。
【0062】
つづいて、RfとDfの関係について述べる。0.53よりも大きいDf値をもつ被験者10人は、図6に示したように、Rf<1.12のラインよりも下の状態である。Rfが1.12以上かそれ以下の2つのグループを示すChi−square testは、図7に示したように、Df値とは顕著に異なっている。被験者51人中34人のRfが1.12よりも少なく、そのレートは66.7%である。
【0063】
つづいて、転倒とcop(Center of Pressure)実験について述べる。なお、COPよりも身体動揺のほうが静的安定性を評価するには適切であることはわかっている。身体動揺測定の間にCOP偏差を記録する。平均COP偏差速度(vCOP)として定義されるLNG値が使用される。LNG値は標準数学モデルとして有益でないので、年齢調整LNGが標準数学モデルとして使用される。
【0064】
身体動揺テストも同様に、Rcopとして定義される測定LNGにより分類される標準値とDfの関連を確認する研究が行われる。Chi−square testによれば、Df値とRcopの関係において、図8に示したように、Rcop<1.12とRcop≧1.12間の顕著な相違がないことがわかる。
【0065】
このようにして、次の結果が得られる。
1)身体動揺の利用による静的安定性の評価は改善される。
2)TSTr/TSTeoにより定義されるRf指標は、転倒の危険性を予測するのに適している。
3)骨折を経験している被験者51人のうち10人に関して、Rf値は1.12より少ないことがわかる。
4)以上の結果から、人口の66.7%を占める、Rf<1.12の高齢者が転倒することを暗示している。
【0066】
以上を踏まえて、実測のための身体動揺測定システムについて説明する。図9は本実施の形態における身体動揺測定システムの概要を説明する概略図、そして、図10は本実施の形態による測定方法を説明する図である。
【0067】
この身体動揺測定システムは、例えば図9に示したように、被験者を撮像するCCDビデオカメラ2、そのCCDビデオカメラ2に接続されたコンピュータ3等により構成される。被験者1の背中には、地面から所定の高さのところに指標4が貼付される。その指標4とCCDビデオカメラ2とは例えば1.5m離間させて撮像可能に配置される。指標4は、例えば図10に示したように、直径32mmの黒いマークである。この直径32mmは、後述するが、2値化後の画像処理において32画素に対応させるものである。
【0068】
被験者1には、両足閉足で直立させ、水平視線で1.5メートルのところに設定した標識を注視させる。被験者1の後方に設置したCCDビデオカメラ2で被験者1の背中に貼付した直径32mmの黒い指標4が、例えば連続35秒撮影される。この場合、例えば、解像度320×240、10フレーム/秒のスピードでの撮像により得られた2値画像データをAVI形式で圧縮せずに保存すると、35秒間のデータ量は51MB程度である。
【0069】
CCDビデオカメラ2においては、直径32mmの指標4のうち中心点を認識し、X方向とY方向の運動軌跡を取得することが行われる。この軌跡の追跡においては、カラー画像として取り込む必要が無いので、データ量を大幅に削減することができる。また、追跡するポイントは、指標4の中心画素CPでよく、画像処理も処理負担が減り、効率的に行うことができる。このように、指標4の運動軌跡については、指標4の中心画素CPの運動軌跡から十分に取得することができる。
【0070】
運動軌跡には、実座標が付与される。実座標のスカラー量は、指標4の直径と指標4の直径を占める画素数(32画素)との割合から得られ、最後は指標4の中心高度を利用してTSSとTST値とが計算される。
【0071】
以降は、前述したように、Rfを求めて閾値となる1.12との比較から、被験者の転倒可能性を判断することができる。
【0072】
以下、具体的に、身体動揺測定システムの主要な構成とその動作について説明する。まず、構成について説明する。図11は本実施の形態による身体動揺測定システムの一構成例を示すブロック図である。
【0073】
身体動揺測定システムの主要な構成に相当するコンピュータ3は、例えば図11に示したように、内部バス31に、インタフェース32、CPU33、ROM34、RAM35、ディスプレイ36、キーボード37A、マウス37B、ドライブ38、ハードディスク39を接続させ、アドレス信号、制御信号、データ等を伝送させ、本発明を実現する構成を備えている。
【0074】
図11において、インタフェース32は、CCDビデオカメラ2に接続され、このCCDビデオカメラ2から画像信号を入力する。CPU33は、ROM34に格納されたOSによりPC全体の制御を行うとともにハードディスク39に格納された各種のアプリケーションプログラムに基づいて処理を実行する機能を司る。
【0075】
ROM34は、OS等のようにPC全体の制御を行うためのプログラムを格納しており、これらをCPU33に供給する機能を有している。RAM35は、CPU33による各種プログラムの実行時にワークエリアとして利用されるメモリ機能を有している。
【0076】
ディスプレイ36は、CPU33の各種の処理に伴うメニュー、ステータス、表示遷移等を表示する機能を有している。キーボード37Aは、文字、コマンド等を入力する各種キーより構成される入力装置であり、マウス37Bは画面上のカーソルを移動させたり、各種メニューを選択する入力装置である。ドライブ39は、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、CD、DVD等の記録媒体に対してデータのリード/ライトを行う機能を有している。
【0077】
ハードディスク39は、プログラム39A、画像ファイル39B、測定結果ファイル39C等を記憶する機能を有している。プログラム39Aは、前述したドライブ38等からインストールされたプログラムを実行形式で記憶したものに相当する。画像ファイル39Bは、CCDビデオカメラ2から取り込んだ画像データをファイルとして保存するものである。測定結果ファイル39Cは、本実施の形態により得られた身体動揺測定結果をデータとして保存するものである。
【0078】
つづいて、動作について説明する。図12は上記身体動揺測定システムの動作例を説明するフローチャートである。すでに説明したように、被験者には、図9に示した如く、被験者1の背中に指標4が貼付けされ、CCDビデオカメラ2をコンピュータ3に接続して撮像環境が準備される。なお、転倒予測に関しては、開眼時の測定が好適である。
【0079】
まず被験者の身体条件がキーボード37A,マウス37B等により入力され、RAM35に格納される(ステップS41)。この身体条件とは、性別、年齢、身長、体重等である。そして、CCDビデオカメラ42により、被験者の画像入力が開始され、2値化データとして画像が取り込まれる(ステップS42)。画像データは、一旦RAM35に格納される。
【0080】
そして、取込んだ画像データに基づいて指標4の運動軌跡が算出され(ステップS43)、左右方向と前後方向の身体動揺角速度(TSS)が算出される(ステップS44)。ここで、画素数と指標サイズとの関係から、前後方向の動きを割り出すことで左右方向の動揺を正確に算出することが可能となる。さらに、左右方向の身体動揺角速度の逆数を求めることで、逆数身体動揺時間TSTrが算出される(ステップS45)。
【0081】
この後、ステップS41で入力した被験者の身体条件に基づいて標準TSTsがシミュレーションにより算出される(ステップS46)。そして、指標となるRfがTSTr/TSTsから算出されると(ステップS47)、そのRfと1.12との比較が行われる(ステップS48)。
【0082】
Rfが1.12よりも小さいときは(ステップS48のYESルート)、転倒発生危険性ありとして測定結果のファイル作成および表示が行われる(ステップS49)。この場合には、ユーザの操作によりハードディスク39に保存することが可能である。一方、Rfが1.12以上のときは(ステップS48のNOルート)、転倒発生危険性なしとして測定結果のファイル作成および表示が行われる(ステップS50)。この場合にも、ユーザの操作によりハードディスク39に保存することが可能である。
【0083】
以上説明したように、本実施の形態によれば、任意の測定場所でも簡易なシステムにより、従前より利用されている重心動揺計と同様の身体動揺測定を実現することが可能である。
【0084】
また、従来の重心動揺計と同様の測定結果を得るシステムとしてコスト面でも安価に実現できるというか効果が得られる。
【0085】
今日、人口の高齢化に伴い, 高齢者の転倒, 骨折の発生例が増え続けている。平衡機能の低下が高齢者転倒の高発生率の原因となっており、 平衡能力の同定は平衡機能低下の原因究明と予防対策の効果評価の重要な手段である。そこで、本実施の形態によれば、身体動揺曲線の作成、身体安定性の評価への応用が可能となる。
【0086】
これまでの平衡能力の測定器はほとんど直立時の重心偏移を利用して開発されてきたが、転倒の発生は複雑な地面と視覚に関連する平衡能力の低下の結果ともいわれている。そこで、地面条件の変化による平衡能力の測定は単に重心偏移を利用するだけでは不十分であることから、本実施の形態によれば、内耳と視覚および筋感覚の研究、脳研究、老年医学への応用が可能となる。
【0087】
また、現在、非侵襲的で簡便、かつ高精度の平衡能力測定法の確立が求められている。そこで、CCDビデオカメラを使用して人の平衡能力の評価法の開発を成功したことから、体育分野の研究にも応用が可能となる。
【0088】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更できることは勿論である。
【0089】
ここで、従前の重心動揺計と本発明の身体動揺測定手法との間での同定について簡単に説明する。図13は検査結果を表形式で説明する図、図14は図13の角指標で計算したRomberg係数を表形式で説明する図、図15は被験者のTSS値を説明する図、図16はTSSとLNG/TIMEの相関関係を説明するグラフ、図17はTSS検査結果を説明するグラフ、そして、図18はTSS値とLNG値との関係を説明するグラフである。
【0090】
被験者は健常な男女、各121名、年齢はそれぞれ39.1+/−23.6歳と、42.8+/−19.3歳である。最年少者は12歳、最年長者は82歳である。安静状態で15分間休んだ後、測定は、開眼(eye−open)と閉眼(eye−closed)を交互に繰り返し、10回の検査を実施した。重心動揺の結果は、単位時間軌道長(LNG/TIME)と外周面積(ENV.AREA)が身体動揺の結果との比較のために採用された。
【0091】
高齢者の測定例として、図13および図14には、62歳の女性の検査結果が示されている。閉眼によりTSS値は、3.69+/−0.44mm/sから5.98mm/sまで上昇していることがわかる。Romberg係数(開眼時/閉眼時)は、1.63+/−0.26であった。
【0092】
一人の被験者における重複検査結果の偏差が小さければ小さいほど実際の平衡能力が正確に反映されると考える。ここでは、標準偏差と平均値の割合を安定性係数(SD/mean)として計算した結果、開眼、閉眼時のSD/Mean値はそれぞれ12%と17.3%、Romberg係数の安定性係数は15.7%で、LNG/TIMEの結果とほぼ同じだった。
【0093】
LNG/TIMEの値を重心同様の速度と見なせば、身体動揺速度と関連していることが考えられる。この例では、LNG/TIMEの値はTSSの約3倍の大きさをもつことが判明した。図16に示したように、TSSとLNG/TIMEの関係は、関係式として、
y=ax+b,a=3.51,b=−1.02
で表され、高い相関関係(相関係数:0.926)があった。
【0094】
一方、TSA値とLNG/TIME値も高い相関性(相関係数:0.781)をもち、SD/Mean値はENV.AREA値と近いことがわかる。開眼時では25.1%、閉眼時では17.8%、Romberg係数では24.5%であった。TSS値、TSA値とENV.AREA値との相関係数は、それぞれ0.447と0.462で、ENV.AREA値とLNG/TIME値の相関係数0.652よりは小さかった。
【0095】
この例の結果から、閉眼によりTSS値の変化はLNG/TIME値より少ないが、重心動揺検査の結果とよく一致することが判明した。
【0096】
図17には、22人のTSS値の検査結果がグラフで示されている。男女とも閉眼によりTSS値(図15参照)が優位に増加していることがわかる(P<0.001)。女性のほうが大きな値であるが、統計的な有意差はなかった。標準偏差(SD)は男女とも大きく、被験者の年齢のばらつきが原因と見られた。これは、重心動揺検査の結果とよく一致していた。
【0097】
視覚の作用を代表するRomberg係数を求めた結果、男女間では有意差はなく、男性のほうが1.37+/−0.15で、女性は1.44+/−0.16であった。LNG/TIME値によって求めた結果より20%ほど小さかった。
【0098】
TSSが平衡能力の指標となるためには、被験者の間で比較することが重要である。図18には、開眼時のTSS値とLNG/TIME値が表されている。TSS値とLNG/TIME値は、線形関係をもつことが呈示された。相関係数は、0.652で、関数式は直線y=ax+b、a=2.91、b=2.45であった。TSS値が人の平衡能力を評価する十分な可能性をもつことが示唆された。
【0099】
本発明の身体動揺測定手法と重心動揺計の検査結果とを比較検討し、幾つかの指標を使って評価した結果、身体動揺角速度(TSS)が重心動揺検査の指標LNG/TIMEと高い相関関係をもち、平衡能力機能測定の指標としての可能性が十分あることが示唆された。本発明は、この身体動揺角速度(TSS)に基づく身体動揺測定手法となる。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、任意の測定場所でも簡易なシステムにより、従前より利用されている重心動揺計と同様の身体動揺測定を実現することが可能な身体動揺測定方法、身体動揺測定プログラムおよび身体動揺測定システムを提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態において身体動揺測定に関する定義を説明する図である。
【図2】格付け表形式で説明する図である。
【図3】Rfに基づくChi−square testの結果を示す図である。
【図4】Rcopに基づくChi−square testの結果を示す図である。
【図5】被験者のTSTの実測とシミュレーション間の関係を示すグラフである。
【図6】被験者のRfを示すグラフである。
【図7】被験者のDfを示すグラフである。
【図8】RfとDfの関係を示すグラフである。
【図9】本実施の形態における身体動揺測定システムの概要を説明する概略図である。
【図10】本実施の形態による測定方法を説明する図である。
【図11】本実施の形態による身体動揺測定システムの一構成例を示すブロック図である。
【図12】本実施の形態による動作例を説明するフローチャートである。
【図13】検査結果を表形式で説明する図である。
【図14】図13の角指標で計算したRomberg係数を表形式で説明する図である。
【図15】被験者のTSS値を説明する図である。
【図16】TSSとLNG/TIMEの相関関係を説明するグラフである。
【図17】TSS検査結果を説明するグラフである。
【図18】TSS値とLNG値との関係を説明するグラフである。
【図19】一般的な重心動揺計を説明する図である。
【符号の説明】
2 CCDビデオカメラ
3 コンピュータ
4 指標
32 インタフェース
33 CPU
34 ROM
35 RAM
36 ディスプレイ
37A キーボード
37B マウス
38 ドライブ
39 ハードディスク
39A プログラム
39B 画像ファイル
39C 測定結果ファイル

Claims (20)

  1. 身体動揺測定装置の作動方法であって、
    被験者の身体に取り付けられた所定サイズの指標を連続撮影し、当該指標の画像データを入力する第1ステップと、
    前記第1ステップで入力された画像データに基づいて身体動揺角速度を算出する第2ステップと、
    前記第2ステップで算出された身体動揺角速度に基づいて身体動揺時間を算出する第3ステップと、
    前記第3ステップで算出された身体動揺時間をあらかじめ用意された標準身体動揺時間と比較して平衡能力を判定する第4ステップと、
    を含み、前記あらかじめ用意された標準身体動揺時間は、少なくとも年齢、身長、体重に応じたデータであることを特徴とする身体動揺測定装置の作動方法。
  2. 前記第1ステップは、各被験者の身体に対して一定の高さに前記所定サイズの指標を取り付けた状態で実施されることを特徴とする請求項1に記載の身体動揺測定装置の作動方法。
  3. 前記第2ステップは、前記第1ステップで入力された画像データに基づいて前記所定サイズの指標の左右方向の平均移動角速度を示す前記身体動揺角速度を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の身体動揺測定装置の作動方法。
  4. 前記第3ステップは、前記第2ステップで算出された身体動揺角速度に基づいて前記所定サイズの指標の左右方向の平均移動時間を示す前記身体動揺時間を算出することを特徴とする請求項1、2または3に記載の身体動揺測定装置の作動方法。
  5. さらに、m,l,yをそれぞれ体重、身長、年齢と定義し、開眼時に、k=642、θ=19.86、a=0.847、閉眼時に、k=447、θ=16.83、a=0.548とした場合、
    TST=k×√m×l a ÷(θ+(y÷21−1) 2
    の式により標準身体動揺時間を求める第5ステップを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の身体動揺測定装置の作動方法。
  6. 前記第3ステップは、前記身体動揺角速度の逆数により前記身体動揺時間を求めることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の身体動揺測定装置の作動方法。
  7. 前記第ステップは、前記第3ステップで算出された身体動揺時間と前記あらかじめ用意された標準身体動揺時間との比率が一定値よりも小さい場合には、平衡能力ありという判定結果を得ることを特徴とする請求項1〜6にいずれか1つに記載の身体動揺測定装置の作動方法。
  8. コンピュータに身体動揺の測定を実行させるための身体動揺測定プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    各被験者の身体に一定の高さに取り付けられた所定サイズの指標を連続撮影して得られる画像データを入力する第1ステップと、
    前記第1ステップで入力された画像データに基づいて身体動揺角速度を算出する第2ステップと、
    前記第2ステップで算出された身体動揺角速度に基づいて身体動揺時間を算出する第3ステップと、
    標準身体動揺時間をあらかじめ記憶しており、前記第3ステップで算出された身体動揺時間を前記あらかじめ記憶された標準身体動揺時間と比較して平衡能力を判定する第4ステップと、
    前記第4ステップの判定結果を表示する第5ステップと、
    を実行させ、前記あらかじめ記憶された標準身体動揺時間は、少なくとも年齢、身長、体重に応じたデータであることを特徴とする身体動揺測定プログラム。
  9. 前記第2ステップは、前記第1ステップで入力された画像データに基づいて前記所定サイズの指標の左右方向の平均移動角速度を示す前記身体動揺角速度を算出することを特徴とする請求項8に記載の身体動揺測定プログラム。
  10. 前記第ステップは、前記第ステップで算出された身体動揺角速度に基づいて前記所定サイズの指標の左右方向の平均移動時間を示す前記身体動揺時間を算出することを特徴とする請求項8または9に記載の身体動揺測定プログラム。
  11. さらに、m,l,yをそれぞれ体重、身長、年齢と定義し、開眼時に、k=642、θ=19.86、a=0.847、閉眼時に、k=447、θ=16.83、a=0.548とした場合、
    TST=k×√m×l a ÷(θ+(y÷21−1) 2
    の式により標準身体動揺時間を求める第5ステップを含むことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1つに記載の身体動揺測定プログラム。
  12. 前記第3ステップは、前記身体動揺角速度の逆数により前記身体動揺時間を求めることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1つに記載の身体動揺測定プログラム。
  13. 前記第4ステップは、前記第3ステップで算出された身体動揺時間と前記あらかじめ用意された標準身体動揺時間との比率が一定値よりも小さい場合には、平衡能力ありという判定結果を得ることを特徴とする請求項〜12にいずれか1つに記載の身体動揺測定プログラム。
  14. 身体動揺測定システムであって、
    被験者の少なくとも年齢、身長、体重に基づいて標準身体動揺時間を算出する第1算出手段と、
    各被験者の身体に一定の高さに取り付けられた所定サイズの指標を連続撮影して画像データを入力する画像入力手段と、
    前記画像入力手段で入力された画像データに基づいて身体動揺角速度を算出し、当該算出された身体動揺角速度に基づいて身体動揺時間を算出する第2算出手段と、
    前記第2算出手段で算出された身体動揺時間を前記第1算出手段で算出された標準身体動揺時間に比較して平衡能力を判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする身体動揺測定システム。
  15. さらに、前記判定手段の判定結果を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項14に記載の身体動揺測定システム。
  16. 前記第2算出手段は、前記画像入力手段で入力された画像データに基づいて前記所定サイズの指標の左右方向の平均移動角速度を示す前記身体動揺角速度を算出することを特徴とする請求項15または16に記載の身体動揺測定システム。
  17. 前記第2算出手段は、前記算出された身体動揺角速度に基づいて前記所定サイズの指標の左右方向の平均移動時間を示す前記身体動揺時間を算出することを特徴とする請求項14〜16のいずれか1つに記載の身体動揺測定システム。
  18. 前記第算出手段は、m,l,yをそれぞれ体重、身長、年齢と定義し、開眼時に、k=642、θ=19.86、a=0.847、閉眼時に、k=447、θ=16.83、a=0.548とした場合、
    TST=k×√m×l a ÷(θ+(y÷21−1) 2
    の式により標準身体動揺時間を求めることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1つに記載の身体動揺測定システム。
  19. 前記第2算出手段は、前記身体動揺角速度の逆数により前記身体動揺時間を求めることを特徴とする請求項14〜18のいずれか1つに記載の身体動揺測定システム。
  20. 前記判定手段は、前記第2算出手段で算出された身体動揺時間と前記第1算出手段で算出された標準身体動揺時間との比率が一定値よりも小さい場合には、平衡能力ありという判定結果を得ることを特徴とする請求項1〜19にいずれか1つに記載の身体動揺測定システム。
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