JP4473570B2 - 生体内での微生物の生残性を向上させる方法及び生残性が向上した微生物 - Google Patents

生体内での微生物の生残性を向上させる方法及び生残性が向上した微生物 Download PDF

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Description

本発明は微生物のhrcA遺伝子を破壊することにより、ヒト及び動物の生体内での微生物の生残性を向上させる方法に関する。
また、微生物のhrcA遺伝子を破壊することにより、ヒト及び動物の消化管内での微生物の胃酸及び/または胆汁酸耐性を向上させる方法に関する。
更に、本発明は、hrcA遺伝子を破壊することにより、ヒト及び動物の生体内での生残性が向上した微生物に関する。また、hrcA遺伝子を破壊することにより、胃酸及び/または胆汁酸等のストレスに対して耐性が向上した微生物に関する。
また、本発明の微生物は、胃酸及び/または胆汁酸耐性が向上していることにより、腸管への到達率が上がり、生きている微生物が有する宿主への整腸作用等の有益な保健効果を有し、いわゆるプロバイオティクス機能が向上した微生物を含有する飲食品及び飼料を提供することができる。
近年、プロバイオティクス菌を用いたヨーグルトやタブレット、ペットフード、家畜用飼料等が注目されている。プロバイオティクス菌とは、宿主の腸内菌叢のバランスを改善することにより宿主にとって有益な作用をもたらす生きた微生物のことであり、ヒトに用いられる微生物としては、Lactobacillus acidophilus、 Lb.casei、Lb.gasseri等のラクトバチルス属、Enterococcus faecium、Ec. faecalis 等のエンテロコッカス属、Bifidobacterium longum、Bif. breve等のビフィドバクテリウム属等の細菌が利用されている。また、これらの乳酸産生菌以外でも、Clostridium butyricum 等が使用されている。
動物に対して用いるプロバイオティクス菌としては、畜産領域において利用が拡大しており、 Lb. acidophilus、 Lb. salivarius、 Lb. plantarum、 Ec. faecium、Ec. faecalis、Bif. thermophilum、Bif. pseudolongum 等の乳酸菌が利用されている。また、乳酸菌以外でも、Clostridium butyricum、Bacillus subtilis、B. coagulans、酵母が生菌剤として使用されている(例えば、非特許文献1参照。)。
ヒトの膣内にも多くの乳酸桿菌が常在しており、Lactobacillus acidophilus、 Lb. paracasei、Lb. rhamnosus等の検出が報告されている。また、膣内の菌叢は糞便中の菌叢に影響を受け、糞便から膣へ菌が移行することを示唆する報告もある。更に健康人の膣内に乳酸桿菌等の共生細菌がいることと、泌尿器感染症の患者の膣内にはこれらの微生物がいないということの間には強い相関関係があると言われている。そこで、プロバイオティクス菌の投与による泌尿器疾患の防止が試みられており、乳酸桿菌の経口投与及び膣内投与による、細菌性膣症や尿路感染症等の症状の軽減や再発の予防効果についてすでに報告されている。
これらのプロバイオティクス菌がその機能を発揮するためには、腸内等へ生きて到達することが重要である。しかし摂取された菌が腸内に到達するまでには、胃液や腸液がその生残性に影響を及ぼす。また、これらの菌は主に腸内細菌であり、製品中で酸素や低pH等にさらされることで、生菌数が減少する。
ヒトの空腹時における胃の内容は、胃酸によってpH 1.0〜2.0に保たれており殺菌作用がある。動物においても種によって異なるが、胃(後部)のpHがウサギで1.9、サルで2.8といった報告もあり、一般にpHは低い。このような状態でプロバイオティクス菌を摂取した場合は、短時間のうちに死滅してしまうと予想される。しかし、実際の食生活を考えると食事によって胃内容のpHは上昇すると考えられ、例えば醗酵乳のpHは一般的に4.0〜4.5であることから、ヒトが空腹時に醗酵乳を摂取した場合には、胃内容のpHは3.0〜4.0程度まで上昇すると考えられる。しかし低いpHにより摂取した菌体が死滅してしまうため、十分な効果を得るためには多量の菌体を摂取しなければならないといった問題がある。
そこで、プロバイオティクス菌を含む食品において、プロバイオティクス菌の生残性を高めるための様々な技術が、これまでに数多く報告されている。 例えば、醗酵乳製品中のプロバイオティクス菌の生残性を高める方法として、パーオキシダーゼを添加して保存中の酸度上昇を抑制する方法(例えば、特許文献1参照。)、カテキン類及び/またはトコフェロール類を添加する方法(例えば、特許文献2参照。)、ビフィズス菌と共生関係を持つ乳酸菌を添加する方法(例えば、特許文献3参照。)、着色フィルムにより遮光性を高める方法(例えば、特許文献4参照。)等がある。また、摂取後の生体内での生残性を高める方法については、乳酸菌を腸溶性カプセルに封入することで胃酸の影響を抑えて腸内に到達させる方法(例えば、特許文献5参照。)があるが、微生物そのものの耐性機構を利用した技術は報告されていない。
さて、微生物にとって環境の変化に対応できる能力は、生存のために必須であり、この根幹をなす機構はストレスタンパク質の生産であると考えられている。ここでストレスタンパク質とは、外界からのストレス、例えば低pH、酸素、高温、飢餓、塩、有機酸等の刺激により誘導合成されるタンパク質の総称であり、各々の機構は異なるが、微生物体内の安定化に寄与していると考えられている。 また、分子シャペロンと呼ばれる一連のタンパク質(DnaK、GroEL、GroES、DnaJ等)もストレスタンパク質の一種であり、ストレス時に菌体内において、タンパク質の変性を抑制する働きや、変性したタンパク質の修復機能があるとされている。
ストレスタンパク質の制御には、大腸菌等ではσ32因子が関与しているとされており、σ32因子が各種分子シャペロン遺伝子の5’上流に存在する共通プロモーター配列に結合し、一斉にその転写を増加させると考えられている。σ32因子自体の制御は、そのmRNAの二次構造が熱により変化して翻訳が開始されることにより増加し、分子シャペロンにより分解を受けることで減少する(例えば、非特許文献2参照。)。 このσ因子またはストレスタンパク質そのものを高発現することで、ストレスに対する耐性を付与した微生物による物質生産に関する報告がなされている。しかし、この方法は、培地中にアミノ酸等の醗酵生産物を蓄積させる製造法において、微生物自体が培地中に産生する高濃度のアミノ酸等の醗酵生産物による産生抑制ストレスに対し、ストレスタンパク質の発現量を増強し、醗酵生産物の生産性を改善するものであり、有益な微生物を摂取した後の生体内での生残性を高める方法ではない。
一方、バチルス・スブティリス(例えば、非特許文献3参照。)、ストレプトコッカス・ミュータンス(例えば、非特許文献4参照。)、ラクトバチルス・サケ(例えば、非特許文献5参照。)等の菌種においては、分子シャペロンの制御に、その遺伝子の5’上流に存在する共通CIRCE配列とhrcAタンパク質が関与していることが近年明らかとなっている。hrcAは各種分子シャペロン遺伝子の5’上流に存在するCIRCE配列に結合し、その下流に位置する遺伝子の発現を抑制する働きがあり、上述した株においてはその遺伝子がDnaK、GrpE遺伝子とオペロンを形成している。上流にCIRCE配列を持ち、hrcAで制御されているものとしては、DnaKオペロン、GroELSオペロン等が知られている。しかし、これまでに、プロバイオティクス菌の機能とストレスタンパク質とを関連付けた研究は行われていない。
特開平10−262550号公報 特開平8−322464号公報 特開平5−23107号公報 特開2002−65154号公報 特開平11−199494号公報 再公表96/26289号公報 乳酸菌研究集談会編、「乳酸菌の科学と技術」、学会出版センター、1996年、 p336-340 香川靖雄外1名、「蛋白質 核酸 酵素」、1994年、第39巻、第5号、p.808-817 アクセル モック(Axel Mogk)外5名、「EMBO ジャーナル(The EMBO Journal)」 1997年、第16巻、第15号、p.4579-4590 ガヤツリ シー.ジャヤラマン(Gayatri C. Jayaraman)外2名、「モレキュラー マイクロバイオロジー( Mol. Microbiol.)」、1997年、第25巻、第2号、p.329-341 グドラン シュミット(Gudrun Schmidt)外2名、「システマティック アンド アプライド マイクロバイオロジー(Sys. Appl. Microbiol)」、1999年、第22巻、p.321-328
本発明は、消化管内でプロバイオティクス菌が受けると予想されるストレスと菌の耐性機構に着目し、それらの耐性を菌に付与することで生体内での生残性を向上させる方法を見出すことを課題とする。また、プロバイオティクスとしての機能が向上した微生物の作製を課題とする。
更に、胃酸及び/または胆汁酸等の消化液耐性が弱かったためにプロバイオティクスとしての効果をこれまで期待されていなかった微生物についても、消化液耐性を付与してその汎用性を広げることを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、各種分子シャペロン遺伝子の5’上流に存在するCIRCE配列に結合し、その下流に位置する遺伝子の発現を抑制する働きがあり、ストレスタンパク質の発現を抑制している、hrcAの遺伝子を破壊した微生物を作成し、この菌株においてプロバイオティクスとして必要とされる胃酸耐性や胆汁酸耐性等の機能が向上していることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、微生物のhrcA遺伝子を破壊することにより、該微生物のヒト及び動物の生体内での生残性を向上させる方法を提供することにある。
また、本発明は、微生物のhrcA遺伝子を破壊することにより、該微生物のヒト及び動物の消化管内での胃酸及び/または胆汁酸耐性を向上させる方法を提供することにある。
更に、本発明は、hrcA遺伝子を破壊することにより、ヒト及び動物の生体内での生残性が向上した微生物を提供することにある。
また、本発明は、hrcA遺伝子を破壊することにより、ヒト及び動物の消化管内での胃酸及び/または胆汁酸耐性が向上した微生物を提供することにある。
更にまた、本発明は、hrcA遺伝子を破壊することにより、ヒト及び動物の生体内、特に、ヒト及び動物の消化管内での胃酸及び/または胆汁酸耐性が向上した食用または飼料に供されるラクトバチルス属、ビフィドバクテリウム属、エンテロコッカス属、ラクトコッカス属、ストレプトコッカス属及びクロストリジウム属の微生物を提供することにある。
更にまた、本発明は、hrcA遺伝子を破壊することにより、ヒト及び動物の生体内、特に、ヒト及び動物の消化管内での胃酸及び/または胆汁酸耐性が向上したラクトバチルス・アシドフィルスまたはラクトバチルス・ガセリを提供することにある。
更にまた、本発明は、hrcA遺伝子を破壊することにより、ヒト及び動物の生体内、特に、ヒト及び動物の消化管内での胃酸及び/または胆汁酸耐性が向上したラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062hrcA遺伝子破壊株(FERM P−19224またはFERM P−19337)またはラクトバチルス・ガセリSBT2055hrcA遺伝子破壊株を提供することにある。
更にまた、本発明は、hrcA遺伝子を破壊することにより、ヒト及び動物の生体内、特に、ヒト及び動物の消化管内での胃酸及び/または胆汁酸耐性が向上した微生物を含有することを特徴とする飲食品または飼料を提供することにある。
本発明による、ヒト及び動物の生体内での微生物の生残性を向上させる方法、中でも、ヒト及び動物の消化管内での微生物の胃酸及び/または胆汁酸耐性を向上させる方法によって得られた微生物は胆汁酸や胃酸等に対する耐性が向上し、それを添加した飲食品・飼料・錠剤等をヒトまたは動物が摂取した際に体内での生残率が高く、より多くの菌体が腸内へ生きて到達することができる。その結果、微生物が有する宿主への整腸作用等の保健効果を高めることができる。
更には、本発明による、ヒト及び動物の生体内での微生物の生残性を向上させる方法は、消化管だけでなく他の体内の器官内への生きたままの到達や生残性を向上することができる。
本発明の微生物としては、宿主の腸内等の菌叢バランスを改善することにより宿主にとって有益な作用をもたらすラクトバチルス属細菌、ビフィドバクテリウム属細菌、エンテロコッカス属細菌、ラクトコッカス属細菌、ストレプトコッカス属細菌、クロストリジウム属細菌が挙げられる。
具体的にはLactobacillus acidophilus、Lb. gasseri、Lb. casei、Lb. salivarius、Lb. plantarum、Lb. johnsonii、Lb. reuteri、Lb. rhamnosus、Lb. fermentum、Lb. murinus 等のラクトバチルス属細菌、Bifidobacterium longum、Bif. bifidum、Bif. breve、Bif. animalis、Bif. thermophilum、Bif. pseudolongum等のビフィドバクテリウム属細菌、Enterococcus faecium、Ec. faecalis 等のエンテロコッカス属細菌、Clostridium butyricum等のクロストリジウム属細菌が挙げられる。
また、胃酸及び/または胆汁酸等の消化液耐性がもともと弱いと考えられるStreptococcus diacetylactis、Sc.cremoris、 Sc.thermophilus等のストレプトコッカス属細菌、Lactococcus lactis等のラクトコッカス属細菌やLb.delbrueckii subsp.bulgaricus等のラクトバチルス属細菌といったいわゆる酪農乳酸菌も挙げられる。
その中でも、ラクトバチルス属細菌が好ましく、特に、ラクトバチルス・アシドフィルス及びラクトバチルス・ガセリに属する乳酸菌が好ましい。ラクトバチルス・アシドフィルス及びラクトバチルス・ガセリはアシドフィルス複合菌種を構成する6菌種の一つで、ヒト腸管から頻繁に分離されるアシドフィルス複合菌種である。
次に、hrcA遺伝子を破壊する方法を記す。従来から微生物の育種に用いられてきた方法として、自然育種による方法、変異剤添加、紫外線照射、放射線照射等により突然変異を誘発させる方法等が挙げられるが、hrcA遺伝子の破壊にもこれらの方法を使用することが可能であると考えられる。また、Insertion Sequence (IS)、トランスポゾン(Tn)等によるランダムな突然変異による方法、 またはシングル及びダブルクロスオーバー法による部位特異的な遺伝子破壊法等も可能である。以上の中でも、部位特異的な遺伝子破壊法が効率良く安全である。特に、ダブルクロスオーバー法により遺伝子破壊を行った株は安定であり、食品等の最終産物には望ましくない抗生物質耐性やベクター部分が切除できる点が優れている。
hrcA遺伝子のシングル及びダブルクロスオーバーによる破壊を行うためには、目的とする菌株のhrcA内部または周辺の遺伝子を取得する必要がある。hrcA遺伝子については、Lb. acidophilus、 Lb. sakei、Lb. sanfrancisco、Lactococcus lactis、 B. subtilis、 Clostridium acetobutylicum やStreptococcus mutans 等でその配列が決定されており、これらの配列の一部からプライマーを作成し、染色体DNAを鋳型としてPCR(ポリメラーゼ・チェーン・リアクション)を行い、hrcA周辺配列を単離する。シングルクロスオーバーの場合はhrcA内部配列を含む断片、ダブルクロスオーバーの場合はhrcAの上流及び下流配列をそれぞれ含む2つの断片(内部配列を欠損)を増幅する。
PCR法により得られた断片を、温度感受性レプリコンを含むシャトルベクターに組み込み、目的の菌株に導入して形質転換を行う。温度感受性ベクターは低温では複製できるが高温では複製できないといった特徴があり、例えば乳酸菌に対して使用可能であり、広い宿主域を持つpG+hostベクター等が適当である。もちろん、それぞれの宿主に有効なプラスミドを作製して使用することも可能である。
遺伝子導入の方法としては、一般的な接合伝達法や形質転換法等が挙げられるが、特に、エレクトロポレーション法が適当である。
まず、低温条件下にて形質転換体を取得し、この菌株を高温条件下、選択圧をかけて培養すると、プラスミドは複製されずに、染色体上のhrcA遺伝子内部に相同組換えにより組み込まれる。シングルクロスオーバーにより取得されたhrcA破壊株について、更に形質を安定させるためダブルクロスオーバーを行うことも有効な方法である。具体的には、低温条件下、選択圧をかけずに培養することでプラスミドを脱落させ、プラスミド由来のhrcA’遺伝子(内部配列欠損)と野生株のhrcA遺伝子を入れ替えることで、外来遺伝子を含まないhrcA破壊株を取得することができる。
本発明の微生物は、菌体及び/または培養物をそのままの状態で利用することができ、また乾燥させて粉末状態にしても利用可能である。なお、これらの乾燥は、凍結乾燥で行うことが菌体等を変質・死滅させることなく乾燥することができるため好ましい。
本発明の微生物は、飲食品や飼料の製造工程中に原材料として添加することもできる。
更に、本発明の微生物は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、流動性促進剤、滑沢剤等を使用して、糖衣錠やタブレット等の錠剤、顆粒剤、液剤、カプセル等の形態に製剤化して利用可能である。
更にまた、本発明の微生物は、紅茶、緑茶、果汁飲料、野菜飲料、乳製品、食肉製品、水産練製品、デザート類、ドレッシング類、健康食品類、麺類等の様々な飲食品に利用可能である。
更にまた、本発明の微生物のうち、乳酸菌は、醗酵乳やチーズ等の醗酵乳製品のスターター菌種として利用することができる。これらの乳酸菌を利用して乳酸醗酵させて調製したものや、醗酵ミックスにこれらの粉末等を添加することもできる。また、寒天やゼラチン等で固めたもの、醗酵後固まったカードを攪拌して液状にしたもの、更にアイスクリームと同様に凍結したものを含む。
更にまた、本発明の微生物は、牛、豚、鶏等の家畜用飼料に利用することができる。また、サイレージの醗酵を促進させるためのスターターとして利用することも可能である。
本発明の微生物は、乾燥菌体重量として通常飲食品中に0.01〜20(w/w)%、好ましくは0.1〜2(w/w)%添加すると良い。
以下に、実施例及び試験例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。しかし、本発明はこの記載内容に限定されるものではない。
(ラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062hrcA遺伝子破壊株の取得
(hrcA遺伝子の取得と導入プラスミドの構築))
プロバイオティクス菌として整腸作用等の生理効果が報告されているラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062(FERM P−10730)株の染色体から、hrcA遺伝子周辺配列をPCR法により増幅した。PCRに用いたプライマーは、すでに決定しているラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062(FERM P−10730)株のシーケンス情報を元に作製した。このラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062(FERM P−10730)株のシーケンス情報は、本発明の出願人がシーケンスを行い決定したものである(Gene Bank Accession no. AB059359)。すなわち、以下に示すプライマーを合成して用いた(配列表参照)。
<hrcA上流配列>
5’側:5’-GATCTCCTATGAAGAACTGCTC-3’(配列番号1)
3’側:5’-CACTGTCTTGGATCCAACTGGTTCA-3’(配列番号2)
<hrcA下流配列>
5’側:5’-CAACTGGATCCACCTTTTCATAGGGTAAAC-3’(配列番号3)
3’側:5’-AAATCATTTGGTAAGCTTGATCCTAATTT-3’(配列番号4)
すなわち、hrcA上流配列の5’側と3’側及びhrcA下流配列の5’側と3’側の配列からプライマーを合成した。これらのプライマーを用いたPCRの増幅断片を制限酵素処理(HindIII及びBamH I)したのち、エリスロマイシン耐性遺伝子を含むpG+host6ベクターのマルチクローニングサイトに上流−下流の順に挿入した。こうして、内部配列が欠落したhrcA遺伝子(hrcA’遺伝子)を含むプラスミドpG+host6::hrcA’が得られ、これを大腸菌に導入し、大量調製、精製を行った。
(プラスミドの導入と染色体への挿入(シングルクロスオーバー))
上記のようにして作成したプラスミドをWalkerらの方法(D.C.Walker,K.Aoyama and T.R.Klaenhammer, FEMS Microbiol.Lett. 138, 233-237(1996))に従い、電気パルス法を用いてラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062(FERM P−10730)株に導入した。次に、導入したプラスミドを染色体へ挿入するため、プラスミド導入株をエリスロマイシン(シグマ社製)20mg/mlを含んだMRS培地(ディフコ社製)中、43℃で培養することにより相同組換えを誘発し、染色体上のhrcA遺伝子内部にプラスミドを挿入した。挿入株を選別するためエリスロマイシンを含んだ培地にて43℃で培養を継続し、染色体上に抗生物質耐性が付与されたhrcA遺伝子破壊株(シングルクロスオーバー)を取得した。本発明において得たラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062hrcA遺伝子破壊株(シングルクロスオーバー)は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに受託番号FERM P−19224として寄託している。
(挿入遺伝子の脱落とhrcA遺伝子破壊株の取得(ダブルクロスオーバー))
更にこのhrcA遺伝子破壊株について、形質を安定させるために低温(28℃)条件下、エリスロマイシンを含まないMRS培地で培養することによりプラスミドを脱落させ、プラスミド由来のhrcA’遺伝子と野生株のhrcA遺伝子を入れ替えることで、hrcA遺伝子破壊株(ダブルクロスオーバー)を取得した。本発明において得たラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062hrcA遺伝子破壊株(ダブルクロスオーバー)は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに受託番号FERM P−19337として寄託している。
試験例1
(胃酸耐性試験)
実施例1で得られたhrcA遺伝子破壊株(シングルクロスオーバー)(以下、sΔhrcA株ということもある。)について、胃酸耐性試験を行った。対照として、ラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062(FERM P−10730)野生株についても同様の試験を行った。
(方法)
鈴木らの方法(腸内細菌学雑誌,11,11-17(1997))を参考にして人工胃液試験を行った。ペプシン(和光純薬工業社製)0.4%を含む12.6%脱脂乳培地を塩酸でpH3.0及び2.5に調整したものを人工胃液混合物とし、これにMRS培地で培養後、洗浄した菌体を3%接種して、pH2.5のものは3時間、pH3.0のものは6時間、37℃で振とうした。振とう後の懸濁液をMRS寒天培地に塗布し、37℃で3日間、アネロパック(三菱ガス化学社製)を用いて嫌気培養を行った。培養後、生菌数を測定した。
(試験結果)
結果を表1及び図1に示した。sΔhrcA株は、野生株に比べてpH3.0・6時間処理後で約4倍、pH2.5・3時間処理後で約6倍と高い生残率を示した。
よって、hrcA遺伝子を破壊することにより、胃酸に対する耐性が向上することが明らかとなった。よって、ヒトまたは動物がこの菌体を摂取した際の腸内への到達率が高まると考えられる。
試験例2
(胆汁酸耐性試験)
実施例1で得られたsΔhrcA株について、胆汁酸耐性試験を行った。対照として、ラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062(FERM P−10730)野生株についても同様の試験を行った。
(方法)
ウシ胆汁末(OXOID社製)を3%含むPBS(-)緩衝液(日水製薬社製)に、MRS培地で培養後、洗浄した各菌株を1%接種し、37℃で3時間及び6時間処理した。処理後の懸濁液をMRS寒天培地に塗布し、37℃で3日間、アネロパック(三菱ガス化学社製)を用いて嫌気培養を行い、培養後、生菌数測定を行った。
(試験結果)
結果を表2、図2に示した。sΔhrcA株は、野生株と比較して、3時間処理後では約100倍、6時間処理後では約160倍の高い生残率を示した。
以上の結果から、ラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062(FERM P−10730)株において、hrcA遺伝子を破壊することで胆汁酸に対する耐性も向上し、ヒトまたは動物がこの菌体を摂取した際の腸内への到達率が高まると考えられる。
試験例3
(hrcA遺伝子破壊株を用いた醗酵乳の製造と人工消化試験)
プロバイオティクス菌をヒトが摂取する際の一つの形態として、栄養的にも優れている醗酵乳の形態が考えられる。そこで、sΔhrcA株を用いて醗酵乳を調製した。更に、ヒトが摂取した場合のsΔhrcA株の消化液耐性について調べるため、鈴木らの方法(腸内細菌学雑誌,11,11-17(1997))に従い、人工消化試験を行った。
(人工胃液試験方法)
殺菌した醗酵乳ベース(無脂乳固形分9.5%、脂肪3.2%)にL. delbrueckii subsp.bulgaricus ATCC11842株、S. thermophilusATCC19258株を各1%接種し、更にMRS培地で培養後、洗浄したラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062(FERM P−10730)野生株、またはsΔhrcA株を3%接種し、38℃で3時間醗酵させ、醗酵乳を調製した。調製した醗酵乳、市販牛乳、及び4%ペプシン溶液(和光純薬工業社製)を50:49:1の割合で混合し、塩酸を用いてpHを2.5に調整し、人工胃液混合物を調製した。調製後、37℃で振とう保存し、経時的に生菌数を測定した。なお、生菌数は変法LBS寒天培地(LBS Agar(BBL社製) 84 g、LAB-LEMCO POWDER(OXOID社製) 8 g、酢酸ナトリウム・三水塩 7.5 g、及び水1Lを、115℃15分間滅菌後、酢酸1.8mlを添加して調製する) に塗抹し、37℃で3日間、アネロパック(三菱ガス化学社製)を用いて嫌気培養を行った。培養後、生菌数測定を行った。
(人工腸液試験方法)
牛乳97.6 g、脱脂粉乳1.5 g 、酵母エキス(アサヒビール社製)0.5 g 及びウシ胆汁末(OXOID社製)0.4 gを混合溶解し、95℃で30分間加熱殺菌し、人工腸液基礎培地を調製した。人工腸液基礎培地、25%パンクレアチン(「パンクレアチンF」:天野エンザイム社製)溶液、及び人工胃液試験方法で使用したものと同じpH2.5で1時間処理後の人工胃液混合物(醗酵乳:市販牛乳:4%ペプシン溶液=50:49:1)を、96:1:3の割合で混合し、人工腸液混合物を調製した。この人工腸液混合物を37℃で嫌気的に保持し、経時的に生菌数を測定した。生菌数測定用培地は、人工胃液試験と同様の変法LBS寒天培地を使用し、人工胃液試験と同様の培養条件にて試験を行った。
(試験結果)
人工胃液試験の結果を表3、図3に、人工腸液試験の結果を図4に示した。人工胃液試験は、sΔhrcA株は野生株と比較して、3時間処理後では約28倍、6時間処理後では約13倍の生残率を示した。一方、人工腸液試験では、sΔhrcA株と野生株の両株とも減少することなく、菌数を維持していた。
以上の結果より、醗酵乳中でもhrcA遺伝子破壊株の消化液耐性が高まることが明らかであり、ヒトまたは動物が本発明の微生物を摂取した場合に、腸内への到達率は高まるといえる。
実施例1で得られたsΔhrcA(FERM P−19224)株を10%還元脱脂乳培地(121℃、10分加熱)で37℃、16時間にて培養し、この培養物を凍結乾燥して粉末化した。
実施例1で得られたsΔhrcA(FERM P−19224)株をヨーグルトミックス(生乳に脱脂粉乳を2%添加し、100℃、10分間加熱した)に接種し、紙カップに充填後、41℃で6時間培養し、醗酵乳を調製した。
乳脂肪分を2.8%に調整した生乳を75℃15秒間殺菌後、30℃に冷却し、これに塩化カルシウム0.01%、チーズ用スターターCHN-11 Frozen DVS(クリスチャン・ハンセン社製)5g/100L、及び実施例1で得られたsΔhrcA(FERM P−19224)株の脱脂乳培養物1%を添加した。1時間静置した後、レンネットSTANDARD PLUS 900(クリスチャン・ハンセン社製)を0.005%添加して攪拌し、25分程度静置してカードを凝固させた。カードナイフでカッティングを行い、ゆっくり攪拌しつつ、38℃まで徐々に加温した。pHが6.1になるまで攪拌したのち、乳清を除き、2.0%の食塩を加えてよく混ぜ合わせ、木綿布を敷いた型に詰めて、1時間予備圧搾を行った。更に反転して、圧搾を2時間行い、完成したチーズを10℃の冷蔵庫で冷却・保存した。
実施例1で得られたsΔhrcA(FERM P−19224)株をMRS液体培地(ディフコ社製)5Lに接種後、37℃、18時間静置培養を行った。培養終了後、遠心分離を行い、培養液の1/50量の濃縮菌体を得た。次いで、この濃縮菌体を脱脂粉乳10%、グルタミン酸ソーダ1%を含む分散媒と同量混合し、pH7.0に調整後、凍結乾燥を行った。得られた凍結乾燥物を60メッシュのふるいを通し、凍結乾燥菌末を得た。
10%脱脂乳溶液を90℃で30分間殺菌した後、ホモジナイズし、冷却した。これにスターターとして、実施例1で得られたsΔhrcA(FERM P−19224)株の純培養物を3.5%加え、38℃で16時間醗酵させた。別に、蔗糖15%のほかに適量の酸味料、香料、色素を含有する糖液を調合してホモジナイズし、75℃で25分間殺菌後、5℃に冷却し、糖液とした。このようにして得た糖液70部に対して酸乳30部の割合で混合して酸乳飲料を得た。
ビタミンC40 g 、ビタミンCとクエン酸の等量混合物40 g、グラニュー糖45 g、コーンスターチと乳糖の等量混合物60 gに、実施例1で得られたsΔhrcA(FERM P−19224)株の脱脂乳培養物の凍結乾燥物を40 g加えて混合した。混合物を袋に詰め、1袋1.5 g のスティック状栄養健康食品を150袋製造した。
収穫したアルファルファ材料草を軽く乾燥し、マウントカッターで15〜25mmに切断し、実施例1で得られたsΔhrcA(FERM P−19224)株の純培養物を材料草1 gあたり105 cfuとなるように接種した。ポリサイロを30℃で10日間貯蔵して、サイレージを調製した。
実施例1で得られたsΔhrcA(FERM P−19224)株を50 g、ラクトース140g、シュガーエステル8 g、カルボキシメチルセルロース2 gを混合し、圧縮錠剤器(y-5010-Q、富士薬品機械社製)により圧縮(条件1〜4ton)して、1錠1 gの錠剤200個を製造した。
試験例4
(胃酸耐性試験)
実施例1で得られたhrcA遺伝子破壊株(ダブルクロスオーバー)(以下、dΔhrcA株ということもある。)について、胃酸耐性試験を行った。対照として、ラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062(FERM P−10730)野生株についても同様の試験を行った。
(方法)
鈴木らの方法(腸内細菌学雑誌,11,11-17(1997))を参考にして人工胃液試験を行った。ペプシン(和光純薬工業社製)0.4%を含むPBS緩衝液を塩酸でpH3.2に調整したものを人工胃液混合物とし、これにMRS培地で培養後、洗浄した菌体を3%接種して、3又は6時間、37℃で振とうした。振とう後の懸濁液をMRS寒天培地に塗布し、37℃で3日間、アネロパック(三菱ガス化学社製)を用いて嫌気培養を行った。培養後、生菌数を測定した。
(試験結果)
結果を表4及び図5に示した。dΔhrcA株は、野生株に比べて3時間処理後では約17倍、6時間処理後では約190倍の高い生残率を示した。
よって、hrcA遺伝子を破壊することにより胃酸に対する耐性が向上することが明らかとなった。よって、ヒトまたは動物がこの菌体を摂取した際の腸内への到達率が高まると考えられる。
試験例5
(胆汁酸耐性試験)
実施例1で得られたdΔhrcA株について、胆汁酸耐性試験を行った。対照として、ラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062(FERM P−10730)野生株についても同様の試験を行った。
(方法)
ウシ胆汁末(OXOID社製)を6%含むPBS(-)緩衝液(日水製薬社製)に、MRS培地で培養後、洗浄した各菌株を1%接種し、37℃で3時間及び6時間処理した。処理後の懸濁液をMRS寒天培地に塗布し、37℃で3日間、アネロパック(三菱ガス化学社製)を用いて嫌気培養を行い、培養後、生菌数測定を行った。
(試験結果)
結果を表5、図6に示した。dΔhrcA株は、野生株と比較して、3時間処理後では約158倍、6時間処理後では約46倍の高い生残率を示した。
以上の結果から、ラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062(FERM P−10730)株において、hrcA遺伝子を破壊することで胆汁酸に対する耐性も向上し、ヒトまたは動物がこの菌体を摂取した際の腸内への到達率が高まると考えられる。
試験例6
(hrcA遺伝子破壊株を用いた醗酵乳の製造と人工消化試験)
プロバイオティクス菌をヒトが摂取する際の一つの形態として、栄養的にも優れている醗酵乳の形態が考えられる。そこで、dΔhrcA株を用いて醗酵乳を調製した。更に、ヒトが摂取した場合のdΔhrcA株の消化液耐性について調べるため、鈴木らの方法(腸内細菌学雑誌,11,11-17(1997))に従い、人工消化試験を行った。
(人工胃液試験方法)
殺菌した醗酵乳ベース(無脂乳固形分9.5%、脂肪3.2%)にL. delbrueckii subsp.bulgaricus ATCC11842株、S. thermophilusATCC19258株を各1%接種し、更にMRS培地で培養後、洗浄したラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062(FERM P−10730)野生株、またはdΔhrcA株を3%接種し、38℃で3時間醗酵させ、醗酵乳を調製した。調製した醗酵乳、市販牛乳、及び4%ペプシン溶液(和光純薬工業社製)を50:49:1の割合で混合し、塩酸を用いてpHを2.5に調整し、人工胃液混合物を調製した。調製後、37℃で振とう保存し、経時的に生菌数を測定した。なお、生菌数は変法LBS寒天培地(LBS Agar(BBL社製) 84 g、LAB-LEMCO POWDER(OXOID社製) 8 g、酢酸ナトリウム・三水塩 7.5 g、及び水1Lを、115℃15分間滅菌後、酢酸1.8mlを添加して調製する) に塗抹し、37℃で3日間、アネロパック(三菱ガス化学社製)を用いて嫌気培養を行った。培養後、生菌数測定を行った。
(人工腸液試験方法)
牛乳97.6 g、脱脂粉乳1.5 g 、酵母エキス(アサヒビール社製)0.5 g 及びウシ胆汁末(OXOID社製)0.4 gを混合溶解し、95℃で30分間加熱殺菌し、人工腸液基礎培地を調製した。人工腸液基礎培地、25%パンクレアチン(「パンクレアチンF」:天野エンザイム社製)溶液、及び人工胃液試験方法で使用したものと同じpH2.5で1時間処理後の人工胃液混合物(醗酵乳:市販牛乳:4%ペプシン溶液=50:49:1)を、96:1:3の割合で混合し、人工腸液混合物を調製した。この人工腸液混合物を37℃で嫌気的に保持し、経時的に生菌数を測定した。生菌数測定培地は、人工胃液試験と同様の変法LBS寒天培地を使用し、人工胃液試験と同様の培養条件にて試験を行った。
(試験結果)
人工胃液試験の結果を表6、図7に、人工腸液試験の結果を図8に示した。人工胃液試験では、dΔhrcA株は野生株と比較して、3時間処理後では約45倍、6時間処理後では約16倍の生残率を示した。一方、人工腸液試験では、dΔhrcA株と野生株の両株とも減少することなく、菌数を維持していた。
以上の結果より、醗酵乳中でもhrcA遺伝子破壊株(ダブルクロスオーバー)の消化液耐性が高まることが明らかであり、ヒトまたは動物が本発明の微生物を摂取した場合に、腸内への到達率は高まるといえる。
実施例1で得られたdΔhrcA(FERM P−19337)株を10%還元脱脂乳培地(120℃、10分加熱)で37℃、16時間にて培養し、この培養物を凍結乾燥して粉末化した。
実施例1で得られたdΔhrcA(FERM P−19337)株をヨーグルトミックス(生乳に脱脂粉乳を2%添加し、100℃、10分間加熱した)に接種し、紙カップに充填後、42℃で6時間培養し、醗酵乳を調製した。
乳脂肪分を3.0%に調整した生乳を75℃、20分間殺菌後、30℃に冷却し、これに塩化カルシウム0.01%、チーズ用スターターCHN-11 Frozen DVS(クリスチャン・ハンセン社製)5g/100L、及び実施例1で得られたdΔhrcA(FERM P−19337)株の脱脂乳培養物1%を添加した。1時間静置した後、レンネットSTANDARD PLUS 900(クリスチャン・ハンセン社製)を0.005%添加して攪拌し、25分程度静置してカードを凝固させた。カードナイフでカッティングを行い、ゆっくり攪拌しつつ、38℃まで徐々に加温した。pHが6.0になるまで攪拌したのち、乳清を除き、2.0%の食塩を加えてよく混ぜ合わせ、木綿布を敷いた型に詰めて、1時間予備圧搾を行った。更に反転して、圧搾を2時間行い、完成したチーズを10℃の冷蔵庫で冷却・保存した。
実施例1で得られたdΔhrcA(FERM P−19337)株をMRS液体培地(ディフコ社製)5Lに接種後、36℃、19時間静置培養を行った。培養終了後、遠心分離を行い、培養液の1/50量の濃縮菌体を得た。次いで、この濃縮菌体を脱脂粉乳10%、グルタミン酸ソーダ1%を含む分散媒と同量混合し、pH7.0に調整後、凍結乾燥を行った。得られた凍結乾燥物を60メッシュのふるいを通し、凍結乾燥菌末を得た。
10%脱脂乳溶液を90℃で28分間殺菌した後、ホモジナイズし、冷却した。これにスターターとして実施例1で得られたdΔhrcA(FERM P−19337)株の純培養物を3.5%加え、38℃で18時間醗酵し、酸乳とした。別に、蔗糖15%のほかに適量の酸味料、香料、色素を含有する糖液を調合してホモジナイズし、75℃で28分間殺菌後、5℃に冷却し、糖液とした。このようにして得た糖液70部に対して酸乳30部の割合で混合して酸乳飲料を得た。
ビタミンC40 g 、ビタミンCとクエン酸の等量混合物40 g、グラニュー糖45 g、コーンスターチと乳糖の等量混合物60 gに、実施例1で得られたdΔhrcA(FERM P−19337)株の脱脂乳培養物の凍結乾燥物を40 g加えて混合した。混合物を袋に詰め、1袋1.5 g のスティック状栄養健康食品を150袋製造した。
収穫したアルファルファ材料草を軽く乾燥し、マウントカッターで15〜25mmに切断し、実施例1で得られたdΔhrcA(FERM P−19337)株の純培養物を材料草1 gあたり105 cfuとなるように接種した。ポリサイロを30℃で10日間貯蔵して、サイレージを調製した。
実施例1で得られたdΔhrcA(FERM P−19337)株を50 g、ラクトース140 g、シュガーエステル8 g、カルボキシメチルセルロース2 gを混合し、圧縮錠剤器(y-5010-Q、富士薬品機械社製)により圧縮(条件1〜4ton)して、1錠1gの錠剤200個を製造した。
(ラクトバチルス・ガセリSBT2055hrcA遺伝子破壊株の取得
(hrcA遺伝子の取得と導入プラスミドの構築))
プロバイオティクス菌として整腸作用等の生理効果が報告されているラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM P−15535)の染色体から、hrcA遺伝子周辺配列をPCR法により増幅した。PCRに用いたプライマーは、現在解析が進められていて、その大部分がすでに一般公開されているラクトバチルス・ガセリのシーケンス情報(NCBI Microbial Genomes Annotation Projectによる)を元に作製した。すなわち、以下に示すプライマーを合成して用いた(配列表参照)。
<hrcA上流配列>
5’側:5’-GGAGACCCTAATCAGGAAGATGGG-3’(配列番号5)
3’側:5’-GCACTTGAAAGCTTGACAGGCAGTTAATTC -3’(配列番号6)
<hrcA下流配列>
5’側:5’-GATGCTATTTCAAGCTTGATTGGTTTTAATCC-3’(配列番号7)
3’側:5’-GGCAACTACAGAAGGAGTTGTACG-3’(配列番号8)
すなわち、hrcA上流配列の5’側と3’側及びhrcA下流配列の5’側と3’側の配列からプライマーを合成した。これらのプライマーを用いたPCRの増幅断片を制限酵素(HindIII)処理したのち、エリスロマイシン耐性遺伝子を含むpG+host6ベクターのマルチクローニングサイトに上流−下流の順に挿入した。こうして、内部配列が欠落したhrcA遺伝子(hrcA’遺伝子)を含むプラスミドpG+host6::hrcA’が得られ、これを大腸菌に導入し、大量調製、精製を行った。
(プラスミドの導入と染色体への挿入(シングルクロスオーバー))
上記のようにして作成したプラスミドを実施例1で行った方法と同様にして、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM P−15535)株に導入した。次に実施例1で行った方法と同様にして相同組換えを誘発し、染色体上に抗生物質耐性が付与されたhrcA遺伝子破壊株(シングルクロスオーバー)を取得した。
(挿入遺伝子の脱落とhrcA遺伝子破壊株の取得(ダブルクロスオーバー))
更にこのhrcA遺伝子破壊株について、形質を安定させるために実施例1で行った方法と同様にしてプラスミドを脱落させ、プラスミド由来のhrcA’遺伝子と野生株のhrcA遺伝子を入れ替えることで、hrcA遺伝子破壊株(ダブルクロスオーバー)を取得した。本発明において得たラクトバチルス・ガセリSBT2055hrcA遺伝子破壊株(ダブルクロスオーバー)は、ラクトバチルス・ガセリSBT10842と命名して、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに寄託したところ、バイオセーフティーレベル2に該当するとして受託拒否となっているが、受託拒否証明を得ている。本微生物株は本出願人の研究所に保管されており、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターの管理と同様に、出願時に第三者に分譲する用意があったし、引き続き分譲する用意がある。
試験例7
(胃酸耐性試験)
実施例18で得られたラクトバチルス・ガセリSBT2055hrcA遺伝子破壊株(ダブルクロスオーバー)(以下、dΔhrcA株ということもある。)について、胃酸耐性試験を行った。対照として、ラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM P−15535)野生株についても同様の試験を行った。
(方法)
鈴木らの方法(腸内細菌学雑誌,11,11-17(1997))を参考にして人工胃液試験を行った。ペプシン(和光純薬工業社製)0.4%を含む12.6%脱脂乳培地を塩酸でpH2.5に調整したものを人工胃液混合物とし、これにMRS培地で培養後、洗浄した菌体を3%接種して、37℃で6時間振とうした。振とう後の懸濁液をMRS寒天培地に塗布し、37℃で3日間、アネロパック(三菱ガス化学社製)を用いて嫌気培養を行った。培養後、生菌数を測定した。
(試験結果)
結果を表7及び図9に示した。dΔhrcA株は、野生株に比べて6時間処理後で約10倍の高い生残率を示した。
よって、hrcA遺伝子を破壊することにより、胃酸に対する耐性が向上することが明らかとなった。よって、ヒトまたは動物がこの菌体を摂取した際の腸内への到達率が高まると考えられる。
実施例18で得られたラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM P−15535)dΔhrcA株をヨーグルトミックス(生乳に脱脂粉乳を2%添加し、100℃、10分間加熱した)に接種し、紙カップに充填後、42℃で6時間培養し、醗酵乳を調製した。
乳脂肪分を3.0%に調整した生乳を75℃20分間殺菌後、30℃に冷却し、これに塩化カルシウム0.01%、チーズ用スターターCHN-11 Frozen DVS(クリスチャン・ハンセン社製)5g/100L、及び実施例18で得られたラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM P−15535)dΔhrcA株の脱脂乳培養物1%を添加した。1時間静置した後、レンネットSTANDARD PLUS 900(クリスチャン・ハンセン社製)を0.005%添加して攪拌し、25分程度静置してカードを凝固させた。カードナイフでカッティングを行い、ゆっくり攪拌しつつ、38℃まで徐々に加温した。pHが6.0になるまで攪拌したのち、乳清を除き、2.0%の食塩を加えてよく混ぜ合わせ、木綿布を敷いた型に詰めて、1時間予備圧搾を行った。更に反転して、圧搾を2時間行い、完成したチーズを10℃の冷蔵庫で冷却・保存した。
実施例18で得られたラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM P−15535)dΔhrcA株をMRS液体培地(ディフコ社製)5Lに接種後、36℃、19時間静置培養を行った。培養終了後、遠心分離を行い、培養液の1/50量の濃縮菌体を得た。次いで、この濃縮菌体を脱脂粉乳10%、グルタミン酸ソーダ1%を含む分散媒と同量混合し、pH7.0に調整後、凍結乾燥を行った。得られた凍結乾燥物を60メッシュのふるいに通し、凍結乾燥菌末を得た。
10%脱脂乳溶液を90℃で28分間殺菌した後、ホモジナイズし、冷却した。これにスターターとして、実施例18で得られたラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM P−15535)dΔhrcA株の純培養物を3.5%加え、36℃で18時間醗酵し、酸乳とした。別に、蔗糖15%のほかに適量の酸味料、香料、色素を含有する糖液を調合してホモジナイズし、75℃で28分間殺菌後、5℃に冷却し、糖液とした。このようにして得た糖液70部に対して酸乳30部の割合で混合して酸乳飲料を得た。
実施例18で得られたラクトバチルス・ガセリSBT2055(FERM P−15535)dΔhrcA株を50 g、ラクトース140 g、シュガーエステル8 g、カルボキシメチルセルロース2 gを混合し、圧縮錠剤器(y-5010-Q、富士薬品機械社製)により圧縮(条件1〜4ton)して、錠剤200個を製造した。
ラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062hrcA遺伝子破壊株(sΔhrcA株)の人工胃液処理後の生残率を示す。 ラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062hrcA遺伝子破壊株(sΔhrcA株)の3%胆汁酸緩衝液処理後の生残率を示す。 ラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062hrcA遺伝子破壊株(sΔhrcA株)を接種した醗酵乳の人工胃液混合物中での生残率を示す。 ラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062hrcA遺伝子破壊株(sΔhrcA株)を接種した醗酵乳の人工腸液混合物中での生残率を示す。 ラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062hrcA遺伝子破壊株(dΔhrcA株)の人工胃液処理後の生残率を示す。 ラクトバチルス・アシドフィルス SBT2062hrcA遺伝子破壊株(dΔhrcA株)の6%胆汁酸緩衝液処理後の生残率を示す。 ラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062hrcA遺伝子破壊株(dΔhrcA株)を接種した醗酵乳の人工胃液混合物中での生残率を示す。 ラクトバチルス・アシドフィルス SBT2062hrcA遺伝子破壊株(dΔhrcA株)を接種した醗酵乳の人工腸液混合物中での生残率を示す。 ラクトバチルス・ガセリ SBT2055hrcA遺伝子破壊株(dΔhrcA株)の人工胃液処理後の生残率を示す。

Claims (6)

  1. 微生物のhrcA遺伝子を破壊することにより、ヒト及び動物の消化管内での微生物の生残性を向上させる方法であって、当該微生物が以下のいずれかである方法;
    Lactobacillus acidophilus、Lb.gasseri、Lb.casei、Lb.salivarius、Lb.plantarum、Lb.johnsonii、Lb.reuteri、Lb.rhamnosus、Lb.fermentum、Lb.murinus、Bifidobacterium longum、Bif.bifidum、Bif.breve、Bif.animalis、Bif.thermophilum、Bif.pseudolongum、Enterococcus faecium、Ec.faecalis、Clostridium butyricum、Streptococcus diacetylactis、Sc.cremoris、Sc.thermophilus、Lactococcus lactis、Lb.delbrueckii subsp.bulgaricus。
  2. 微生物のhrcA遺伝子を破壊することにより、ヒト及び動物の消化管内での微生物の胃酸及び/または胆汁酸耐性を向上させる方法であって、当該微生物が以下のいずれかである方法;
    Lactobacillus acidophilus、Lb.gasseri、Lb.casei、Lb.salivarius、Lb.plantarum、Lb.johnsonii、Lb.reuteri、Lb.rhamnosus、Lb.fermentum、Lb.murinus、Bifidobacterium longum、Bif.bifidum、Bif.breve、Bif.animalis、Bif.thermophilum、Bif.pseudolongum、Enterococcus faecium、Ec.faecalis、Clostridium butyricum、Streptococcus diacetylactis、Sc.cremoris、Sc.thermophilus、Lactococcus lactis、Lb.delbrueckii subsp.bulgaricus。
  3. hrcA遺伝子を破壊することにより、ヒト及び動物の消化管内での生残性が向上した、以下のいずれかの微生物;
    Lactobacillus acidophilus 、Lb.gasseri、Lb.casei、Lb.salivarius、Lb.plantarum、Lb.johnsonii、Lb.reuteri、Lb.rhamnosus、Lb.fermentum、Lb.murinus、Bifidobacterium
    longum、Bif.bifidum、Bif.breve、Bif.animalis、Bif.thermophilum、Bif.pseudolongum、Enterococcus faecium、Ec.faecalis、Clostridium butyricum、Streptococcus diacetylactis、Sc.cremoris、Sc.thermophilus、Lactococcus lactis、Lb.delbrueckii subsp
    .bulgaricus。
  4. hrcA遺伝子を破壊することにより、ヒト及び動物の消化管内での胃酸及び/または胆汁酸耐性が向上した以下のいずれかの微生物;
    Lactobacillus acidophilus 、Lb.gasseri、Lb.casei、Lb.salivarius、Lb.plantarum、Lb.johnsonii、Lb.reuteri、Lb.rhamnosus、Lb.fermentum、Lb.murinus、Bifidobacterium
    longum、Bif.bifidum、Bif.breve、Bif.animalis、Bif.thermophilum、Bif.pseudolongum、Enterococcus faecium、Ec.faecalis、Clostridium butyricum、Streptococcus diacetylactis、Sc.cremoris、Sc.thermophilus、Lactococcus lactis、Lb.delbrueckii subsp.bulgaricus。
  5. 微生物がラクトバチルス・アシドフィルスSBT2062hrcA遺伝子破壊株(FERMP−19224 又は FERM P−19337)又はラクトバチルス・ガセリSBT2055hrcA遺伝子破壊株である請求項3又は4に記載の微生物。
  6. 請求項3乃至5のいずれかの微生物を含有することを特徴とする飲食品または飼料。
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