JP4473018B2 - 無線タグ読取システム - Google Patents

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Description

本発明は、流通物を収容した収容箱に設けられた無線タグから無線タグに記憶された情報を読取る無線タグ読取システムに関する。
流通物は配達元において、複数の流通物を収容箱に収容され、その収容箱は輸送者により配達元から配達先へ輸送される。このような物流システムにおいて、収容箱及び収容箱内の流通物に無線タグを貼付け、配達元や配達先等において、例えば、質問器とホスト・コンピュータからなる無線タグ読取装置によって、無線タグから所定の情報を読取り収容箱及び収容箱内の流通物の管理を行うことが提案されている。
なお、非接触方式でデータを送信するアンテナに接続されたICチップを有する非接触式IC包装用具であって、前記アンテナが物品を包装する包装用基材に配線して設けられ、ICチップがその包装用基材の一部にアンテナと接続された状態で添付されてなるものにより、包装された物品の包装が一時的に不正に開けられた場合でも、簡単に包装が開けられたことを確認することができるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−193264号公報
上述のような物流システムにおいて配達元から配達先へ収容箱を輸送する際に、その輸送途中において、何らかの原因により収容箱が開いてしまい収容している流通物が紛失したり、又は本来収容していないはずの流通物が混入することを防止する必要がある。
特許文献1に記載されたものでは、不正に開けられたか否かを確認することができるが、収容している流通物が紛失し、又は本来収容していないはずの流通物が混入することを防止することはできない。
そこで、輸送途中において収容箱が開かないように施錠することが考えられる。しかしながら、施錠した鍵を開錠するための番号などの情報をどのように配達元から配達先へ知らせるかが問題となる。収容箱にその情報を記載した書類等を添付するのでは施錠する意味が希薄になり、収容箱を輸送する輸送者が引受元から配達先に知らせるのでは、輸送者による不正を防止することができなくなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、流通物を収容した収容箱を配達元から配達先へ輸送する際のセキュリティーの強化を図ることができる無線タグ読取システムを提供することにある。
本発明は、流通物を収容する収容箱を配達元から配達先へ輸送する際に例えば、開閉手段である箱蓋をダイヤル式錠である施錠手段により施錠し、配達先において、この収容箱に設けられた無線タグから収容箱の配達先情報を読取り、読取った配達先情報に基づいて配達先が正しいと判断される場合に、その無線タグから施錠手段の開錠情報を取得し、その取得した開錠情報を表示するものである。
本発明によると、流通物を収容した収容箱を配達元から配達先へ輸送する際のセキュリティーの強化を図ることができる無線タグ読取システムを提供できる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は収容手段である収容箱1の外観を示す斜視図であり、図2は収容箱1の縦断面を示す図である。収容箱1は、収容箱1の開口部を覆う開閉手段である箱蓋2を有している。また、収容箱1の外周面上の一面には、後述する例えばRFID(ラジオ・フリークエンシー・アイデンティフィケーション)タグである無線タグ3が貼付けられている。
収容箱1は、開けられることを防止するためにダイヤル式錠4により箱蓋2を施錠している。このダイヤル式錠4は、開閉を行うためのハンドル部5及び「0」から「9」の数字をそれぞれ設定する3つのダイヤル6を設けている。ハンドル部5を開側(例えば図中左側)に位置させ、3つのダイヤル6を用いて開錠情報である所定番号を設定した後、ハンドル部5を閉側(例えば、図中右側)に回動させる。そして、3つダイヤル6を任意に変更することによりダイヤル式錠4は施錠するようになっている。なお、開錠は、設定した番号に3つのダイヤル6を合わせた後、ハンドル部5を開側に回動させることにより開錠する。なお、この実施の形態では、ダイヤル式錠4としたがこれに限るものではなく、例えば、電子錠のような鍵を用いても良い。要は、物理的に施錠を解除するのではなく、開錠するための開錠情報に基づいて施錠が解除できるものであれば良い(施錠手段)。
収容箱1内は、例えば郵便物である流通物7を、収容箱1毎に設定される配達先よりもさらに詳細な宛先等に応じて区分けする区分板1aを複数有している。収容箱1は、この区分板1aにより流通物7を区分して収容している。なお、流通物7に識別番号を有する無線タグをそれぞれ貼付け、その識別番号に基づいて収容箱1内に収容された流通物7の管理が行われるが、本発明と直接関係ないため、流通物7に貼付けられている無線タグとこの管理に関連する説明については省略する。
図3は、配達先において無線タグ3に記憶された情報を無線タグ読取装置8で読取る無線タグ読取システム100を説明するための図である。無線タグ読取装置8は、収容箱1に貼付けられた無線タグ3から情報を読取るアンテナ部9を有する質問器10とその質問器10の上位装置であるホスト・コンピュータ11とからなる。また、質問器10とホスト・コンピュータ11とは通信ケーブル等を用いて接続している。配達先において、無線タグ3に記憶された情報を読取る場合はオペレータにより収容箱1は図中矢印で示すように載置台12に載置される。このとき、予め定められた位置に収容箱1を載置するように載置台12上にマーク12aを記している。この載置台12内に、質問器10のアンテナ部9を配設している。アンテナ部9は、ループ形状のアンテナを有するアンテナA1からA6を有し、このアンテナA1からA6を重ならないように並べて配置している。なお、アンテナA1は載置台12のマーク12aと対応する位置に配置している。
図3は、質問器10及びホスト・コンピュータ11の要部構成と、無線タグ3の構成を示すブロック図である。
質問器10は、アンテナ部9、質問器本体13からなる。質問器本体13は、ホスト・コンピュータ11とのインタフェース部13、CPU,ROM,RAM等で構成される制御部14、無線タグ3への送信情報を変調する変調部15、変調電波を増幅してアンテナ部9から放射させる出力部16、電波を放射するアンテナ部9の各アンテナA1からA6を制御部14の制御の下に切換えるアンテナ切換部17、アンテナ部9で受信した電波を増幅する増幅部18及び増幅された受信電波を復調する復調部19等で構成している。なお、制御部14は、質問器10が設置されている収容箱1の管理を行うための設置場所を示すための設置場所情報を記憶している。
無線タグ3の構成は、ループコイル等からなるタグアンテナ20と、タグアンテナ20で受信した変調電波の整流と安定化を行うことにより各部に電源を供給する電源生成部21、上記変調電波を復調して制御部22へ送出する復調部23、制御部22から送出された情報を変調してタグアンテナ20に送出する変調部24、復調部23で復調された情報が、票札情報を読取るための票札情報読取りコマンド、配達先情報を読取るための第1の読取りコマンド、開錠情報を読取るための第2の読取りコマンドであるとき、その読取りコマンドに応じて記憶部25の所定のデータ領域に記憶した情報を読み出し変調部24へ送出する制御部22及び記憶部25等からなるLSIチップ3aとで構成している。
記憶部25は、電気的に書込可能な例えばPROM等で構成しており、所定のデータ領域に固有の識別番号を記憶しており、また、それぞれ異なるデータ領域に収容箱1の票札であることを示す票札情報、配達先の情報を示す配達先情報、ダイヤル式錠4を開錠するための3桁の数字を示す開錠情報を記憶している。
かかる構成により、質問器10は、読取りコマンドを電波に変調してアンテナA1から発信する。一方、無線タグ3は、タグアンテナ20で電波を受信すると、電源生成部21から各部に電源が供給されて制御部22が作用し、読取りコマンドに応じて記憶部25の所定のデータ領域に記憶された情報が読取られる。そして、記憶部25から読取られた情報が変調部24で無線送信に適した形態に変調された後、タグアンテナ20から電波として発信される。この電波を質問器10がアンテナA1介して受信することにより、無線タグ3の記憶部25に記憶された情報を読取ることができる。
次に、ホスト・コンピュータ11の構成について説明する。ホスト・コンピュータ11は、制御部本体としてのCPU26、各種情報や制御プログラムを記憶したROM27、ワークエリアなどとして使用されるRAM28、質問器10と接続するインタフェース部29、キーボード等からなりオペレータが例えば、無線タグ3の読取り開始を指示するためのスイッチが設けられた操作部30、オペレータに必要な情報を表示するための表示部31、図示しないサーバを有するネットワークと接続するためのインタフェース部32等が設けられている。
続いて、載置台12に載置された収容箱1の無線タグ3を読取るときに、質問器10の制御部14が実行する処理について図5を参照して説明する。ホスト・コンピュータ11から読取開始の指示を受付けると、この処理を開始する。
制御部14は、アンテナ部9のアンテナA1から票札情報読取りコマンドを発信し(ST1)、票札情報読取りコマンドに応答した応答電波を受信したか否かを判断する(ST2)。この判断で応答電波を受信していないと判断するとステップST1へ戻り票札情報読取コマンドの発信を続け、応答電波を受信したと判断すると(ST2でYES,票札情報読取手段)、アンテナ部9のアンテナA1から配達先情報を読取るための第1の読取りコマンドを発信し(ST3)、第1の読取りコマンドに応答した応答電波を受信したか否かを判断する(ST4)。この判断で応答電波を受信していないと判断するとステップST3へ戻り第1の読取コマンドの発信を続け、応答電波を受信したと判断すると、応答電波が示す配達先情報と記憶している設置場所情報とを比較することにより、配達先として正しいか否かを判断する(ST5)。この判断で配達先として正しくないと判断すると、配達先として正しくないことを示す情報をホスト・コンピュータ11に送信し(ST6)、処理を終了する。
ステップST5の判断で配達先として正しいと判断すると、制御部14は、アンテナ部9のアンテナA1から開錠情報を読取るための第2の読取りコマンドを発信し(ST7)、第2の読取りコマンドに応答した応答電波を受信したか否かを判断する(ST8)。この判断で応答電波を受信していないと判断するとステップST5へ戻り第2の読取コマンドの発信を続け、応答電波を受信したと判断すると、その応答電波を変調して開錠情報として記憶し(ST9)、処理を終了する。
次に、載置台12に載置された収容箱1の無線タグ3を読取るときに、ホスト・コンピュータ11のCPU26が実行する処理について図6を参照して説明する。CPU26は、操作部30の読取開始のスイッチの入力を検出すると、この処理を開始する。
CPU26は、質問器10に無線タグ3の読取開始を指示する(ST11)。そして、配達先として正しくないことを示す情報を質問器10から受信したか否かを判断する(ST12)。この情報を受信したと判断すると、表示部31を制御し配達先が間違っていることを表示する(ST13)。前記情報を受信していないと判断した場合は、質問器10の制御部14を監視し、制御部14に開錠情報が記憶されたか否かを判断する(ST14)。開錠情報が記憶されていないと判断すると、ステップST12の処理へ戻る。すなわち、前記情報を受信したと判断するか、開錠情報が記憶されたと判断するまでステップST13,ST14の処理を繰返す。
ステップST14で開錠情報が記憶されたと判断すると、CPU26は、質問器10の制御部14へ指示を出し、開錠情報を送信させ、開錠情報を取得する(ST15,開錠情報取得手段)。CPU26は開錠情報を取得すると、表示部31を制御して、開錠情報を表示する(ST16,表示手段)。
次に、このように構成された無線タグ読取システム100における作用について説明する。
流通物7を引受けた配達元において、オペレータは、流通物7を収容箱1に収容した後、箱蓋2を閉じ、ダイヤル式錠4のダイヤル6を開錠情報として所望の数字に設定した後ハンドル部5を閉側へ回動し、ダイヤル6をランダムに動かし施錠する。そして、オペレータは従来よりある無線タグ書込装置を使用し、無線タグ3の記憶部25の異なる所定データ領域に票札情報、配達先情報及び開錠情報を記憶させた後、その無線タグ3を収容箱1の外周面に貼付ける。この収容箱1は、輸送者により配達元から配達先へと輸送される。
収容箱1の配達先において、オペレータは、収容箱1を載置台12のマーク12aに合わせて載置した後、ホスト・コンピュータ11の操作部30の読取開始のスイッチを入力する。このスイッチの入力により、読取開始の指示を受付けた質問器10が動作し、無線タグ3から情報を読取る。そして、収容箱1の配達先として正しくなければ配達先として間違っていることがホスト・コンピュータ11の表示部31に表示され、収容箱1の配達先として正しければ開錠情報がホスト・コンピュータ11の表示部31に表示される。これにより、オペレータは、収容箱1の配達先として正しくなければ、配達先として間違っていることが確認できる。また、開錠情報が表示された場合にオペレータは、ダイヤル式錠4のダイヤル6を開錠情報の表示にあわせて設定し、ハンドル部5を開側へ回動させてダイヤル式錠4を開錠する。このようにダイヤル式錠4を開錠することにより、オペレータは収容箱1の箱蓋2を開くことができ、収容箱1に収容された流通物7を取出せるようになる。
したがって、この実施の形態の無線タグ読取システム100によると、流通物7を収容した収容箱1を配達元から配達先へ輸送する際に、輸送途中では収容箱1の箱蓋2を開くことができないので、収容している流通物7が紛失し、又は本来収容していないはずの流通物7が混入することを防止し、セキュリティーの強化を図ることができる。
また、収容箱1を開錠するための開錠情報を表示部31に表示する前に配達先として正しいか否かを判断し、配達先として正しい場合にのみ開錠情報を表示部31に表示するため、誤った配達先に収容箱1が配達されてしまった場合には、その配達先においては、箱蓋2を開くとができないため、さらにセキュリティーの強化を図ることができる。
なお、この実施の形態では収容箱1に設けられた無線タグ3の記憶部25に票札情報、配達先情報及び開錠情報を記憶し、無線タグ読取装置8が無線通信を行い各情報を取得する構成としているが、これに限るものではない。例えば次のような構成としても良い。先ず、配達元において、無線タグ3の票札情報(これに代えて、固有の識別番号を用いても良い。)に対応させて配達先情報及び開錠情報をホスト・コンピュータ11を用いてネットワーク上のサーバに記憶させる。そして、配達先において、ホスト・コンピュータ11は無線タグ3から票札情報を読取った場合に、その票札情報と設置場所情報をサーバへ送信する。サーバは、受信した票札情報及び設置場所情報がと予め記憶している票札情報及び設置場所情報と完全一致すると判断した場合に、設置場所情報で特定されるホスト・コンピュータ11へ票札情報と対応している開錠情報を送信する。そして、ホスト・コンピュータ11は、サーバから送信された開錠情報を取得した後、その取得した開錠情報を表示部31に表示する。このように構成しても、同様な効果を奏することができる。
また、この実施の形態では、収容箱1は箱蓋2を有し、その箱蓋2の開閉を行うことにより流通物7を収容し又は流通物7を取出す場合で説明しているが、収容箱1に引出しを設け、引出しを引出すことにより流通物7を収容し又は流通物7を取出すようにしても良い。
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
本発明の実施の形態における収容箱の外観を示す図。 同実施の形態における収容箱の縦断面を示す図。 同実施の形態における無線タグ読取システムを説明するための図。 同実施の形態における質問器及びホスト・コンピュータの要部構成と、無線タグの構成を示すブロック図。 同実施の形態における質問器の無線タグを読取る処理を示す図。 同実施の形態におけるホスト・コンピュータの実行する処理を示す図。
符号の説明
1…収容箱,2…箱蓋,3…無線タグ,4…ダイヤル式錠,7…流通物,8…無線タグ読取装置,9…アンテナ部,10…質問器,11…ホスト・コンピュータ,12…載置台,14…制御部,25…記憶部,26…CPU,27…ROM,28…RAM,100…無線タグ読取システム

Claims (1)

  1. 配達元から配達先へ流通物を輸送する際に流通物を収容する収容手段と、
    前記収容手段に流通物を収容し、前記収容手段から前記流通物を取出すための開閉手段と、
    前記開閉手段を施錠する施錠手段と、
    前記収容手段の配達先を示す配達先情報及び前記施錠した施錠手段を開錠する開錠情報を少なくとも記憶する前記収容手段に設けられた無線タグと、
    前記収容手段の配達先において、前記無線タグから前記配達先情報を読取る配達先情報読取手段と、
    前記配達先情報読取手段で読取った配達先情報に基づいて当該配達先が前記収容手段の配達先として正しいか否かを判断する配達先判断手段と、
    前記配達先判断手段によって当該配達先が前記収容手段の配達先として正しいと判断された場合に、前記無線タグから前記開錠情報を取得する開錠情報取得手段と、
    前記開錠情報取得手段で取得した開錠情報を表示する表示手段とを具備したことを特徴とする無線タグ読取システム。
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