JP4472974B2 - ペルチェ素子駆動回路,ペルチェ素子駆動方法および伝送光出力回路 - Google Patents
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Description
(i−1)ペルチェ素子
図19はペルチェ素子を用いた温度制御を説明するための図である。この図19に示すペルチェ素子59は、異なるエネルギー準位間における電子の遷移によって生じる発熱および吸熱の効果を用いてレーザーダイオード60を加熱又は冷却し、かつその加熱又は冷却を電流方向に応じて切り替え可能なものであって、レーザーダイオード60に接触する上部平板200と、電源91に接続された下部平板201と、N型半導体素子90aと、P型半導体素子90bとを有する。
また、冷却又は加熱の制御量は、パルス幅変調(パルス幅変調:Pulse Width Modulation)のデューティー比(Duty比)を用いて決定される。
図20はデューティー比を説明するための図である。デューティー比とは、この図20に示す周期的パルス列のパルス幅(時間)T1とパルス繰り返し周期(時間)T2との比(T1/T2)を意味する。例えば、デューティー比が50%とは、パルス幅T1が繰り返し周期T2の1/2であることを表す。換言すれば、繰り返し周期T2が、H(High)又はL(Low)を表す1ビットの時間幅に相当するとした場合、デューティー比とは1ビットの時間幅のうちのパルスが占有する時間幅の割合を表す。
次に、図21および図22を参照してレーザーダイオードモジュールおよびペルチェ素子駆動回路について説明する。
(ii−1)レーザーダイオードモジュールおよび発光モジュール(伝送光出力回路)
図21は光伝送装置における発光モジュールの要部を示す図である。この図21に示す発光モジュール150は、フレーム等の電気信号を、レーザーダイオードモジュール57内に設けられたレーザーダイオード60に入力し、そのフレームを光変調し、その変調した光伝送信号を出力する。また、レーザーダイオードモジュール57は、ペルチェ素子59と、レーザーダイオード60の温度を検出するサーミスタ58とを設けている。さらに、温度制御回路51は、ペルチェ素子駆動回路100から出力される2本の電流方向と、サーミスタ58が検出したレーザーダイオード60の温度(温度情報)とのそれぞれをモニタし、電流方向と温度とに基づいて、ペルチェ素子59に流す電流方向と適切な電流値とを決定し、決定した電流方向および電流値をペルチェ素子駆動回路100に入力する。これにより、レーザーダイオード60から出力される信号光の波長が適切に制御される。
図22は従来のペルチェ素子駆動回路のブロック図である。この図22に示すペルチェ素子駆動回路100は、ペルチェ素子(TEC)59の温度が正常な温度範囲から外れた場合、温度差を補正するための冷却電流又は加熱電流をペルチェ素子59に流し、これにより、ペルチェ素子59の温度を一定に保持するものである。このペルチェ素子駆動回路100がペルチェ素子59と入出力する2本の電流はモニタされ、電流方向信号TEC+,TEC−として温度制御回路51に入力されるようになっている。
さらに、ペルチェ素子駆動回路100内のフィルタ41,42はそれぞれペルチェ素子59に入力されるパルス状の電流からリニア状の電流に変換して平滑することで、レーザーダイオード60の温度を制御する。また、フィルタ41,42はそれぞれペルチェ素子59と温度制御回路51とのそれぞれのノイズを除去するようにもなっており、ノイズによるペルチェ素子59および温度制御回路51の誤動作を防止する。
(ii−3)駆動パルスのデューティー比を用いた温度制御
さらに、温度制御回路51は、TEC+,TEC−によるTEC電流の電流方向を検出し、かつサーミスタ58によるレーザーダイオード60の温度を検出し、これらの電流方向および温度に基づいて、デューティー比を算出し、算出したデューティー比のパルス幅変調信号を生成する。
(iii)従来の技術
従来から、ペルチェ素子駆動回路は多数提案されている。
また、電源回路又は駆動回路にコイル,コンデンサ等を用いる技術も知られている(例えば特許文献2参照)。特許文献2記載の交流駆動型プラズマディスプレイパネル用ドライバは、走査電極に対する充放電において消費する無駄な電力を回収し再利用するものである。具体的には、電力回収用の専用のコイルが設けられ、走査電極の電圧の立ち上がりおよび立ち下がりの各傾斜の緩急に関する技術が開示されている。
さらに、特許文献1〜3に記載された技術は、回路に設けられたフィルタのコイルが発生する誘導起電力を熱として消費されており、低消費電力化を実現するものではなく、また、回路の駆動効率を改善するものではない。
充放電回路は、さらに、誘導起電力を整流する複数の整流ダイオードをそなえて構成されてもよい(請求項3)。
(1)本発明のペルチェ素子駆動回路によれば、誘導起電力をダイオードで整流して例えばコンデンサ等の容量性素子を充電し、電源として再利用するので、低消費電力化が図れる。従って、コイルにて発生した誘導起電力が、回路に加えられることにより生じる発熱を防止し、駆動回路における熱消費を防止できる。従って、ペルチェ素子の駆動が確実になり、例えばレーザーダイオード等の光源素子の発光波長が安定化される。
(4)そして、本発明のペルチェ素子駆動回路によれば、ペルチェ素子駆動回路の電源の供給源が、2種類(定電圧オンボード電源および誘導起電力の整流により充電されたコンデンサ)設けられ、かつトランジスタ等のスイッチング素子が、これらの2種類の電源の供給源を個別に選択的に切り替え可能になる。特に、異常発生時において、ペルチェ素子駆動回路に対する電力供給を停止でき、ペルチェ素子およびペルチェ素子駆動回路のスイッチング素子の素子破壊を防止できる。
(A)本発明の第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態に係る光伝送装置における発光モジュール(伝送光出力回路)の要部を示す図である。この図1に示す発光モジュール10は、ユーザ70a等からのフレーム(又はパケット)を光変調しその変調した信号光(伝送光)を光伝送路(例えば光ファイバ)62bに出力するものであって、オンボード電源50a(独立電源),ノイズ除去フィルタ50b,温度制御回路51,ペルチェ素子駆動回路(本発明のペルチェ素子駆動回路)52,レーザーダイオードモジュール57,伝送信号生成回路61,レーザー出力制御回路64およびこれらの回路以外のもので各種機能を有する1又は複数の各種回路(各種回路群)50cをそなえて構成されている。また、発光モジュール10は、フレームを送受信するユーザ70aにパケット伝送路(フレーム伝送路)62aを介して接続され、また、高速大容量のデータを含む信号光を伝送する光通信ネットワーク70bと光伝送路62bを介して接続されている。
以下に述べるレーザーダイオード(光源素子)60は、所定波長の伝送光を出力するものであり、ペルチェ素子59は、駆動電流の方向に応じてレーザーダイオード60の温度を調節するものである。
(1−1)オンボード電源50aおよびノイズ除去フィルタ50b
オンボード電源50aは、ペルチェ素子59を駆動する駆動電流を出力するものであって、ペルチェ素子駆動回路52と、発光モジュール10において各種機能を実現するための各種回路50cとに対してエネルギーを供給する。
ノイズ除去フィルタ50bは、オンボード電源50aから出力された電圧のリップルノイズ(雑音電圧)を除去し、電力をペルチェ素子駆動回路52と、メモリバックアップ回路等の各種回路50cとに与えるものである。これらのオンボード電源50aとノイズ除去フィルタ50bとが協働することにより、定電圧電源として機能している。
レーザーダイオードモジュール57は、以下に述べるレーザーダイオード(光源素子)60と、そのレーザーダイオード60の温度を一定に保つためのペルチェ素子59とを一体化したものであって、ペルチェ素子59,サーミスタ58,レーザーダイオード60およびモニタフォトダイオード63をそなえて構成されている。
レーザー出力制御回路64は、モニタフォトダイオード63からの電気信号に基づいて、レーザーダイオード60の出力強度が適切な強度範囲内になるようにフィードバック制御するものである。レーザー出力制御回路64は、例えば、電気信号のレベルが小さい場合又は大きい場合は、レーザーダイオード60の出力レベルを上げる又は下げるように、レーザーバイアス値の情報をレーザーダイオード60に入力する。
(1−4)伝送信号生成回路61
伝送信号生成回路61は、レーザーダイオード60を駆動するための駆動信号を生成しレーザーダイオード60に駆動電流を入力するものである。これにより、ユーザ70a等からの複数のフレームやシステム仕様に定められた複数のフレームは、パケット伝送路62aを介して入力された後に多重(Multiplexing:MUX)され、多重された伝送信号がレーザーダイオードモジュール57にて光変調され光伝送路62bを介して光通信ネットワーク70bに出力される。
主メモリに記憶されたデータをコピーするメモリバックアップ回路等のほかに、アナログ回路およびディジタル回路等を構成する受動素子(抵抗器,コンデンサ又はキャパシタおよびコイル又はインダクタ等),能動素子(トランジスタ,FET等),IC(Integrated Circuit),LSI(Large Scale Integration),CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)等の各種回路および素子群である。
図2は本発明の第1実施形態に係るペルチェ素子駆動回路52のブロック図である。この図2に示すペルチェ素子駆動回路52は、駆動電流をペルチェ素子59に供給するものであって、スイッチング制御回路(充放電回路および充放電制御回路)1とH型ブリッジ回路(ブリッジ回路)40とをそなえて構成されている。具体的には、ペルチェ素子駆動回路52は、レーザーダイオード60の温度が、正常に動作するための温度範囲から外れた場合、その温度を補正するための冷却電流又は加熱電流をペルチェ素子59に流し、これにより、レーザーダイオード60の温度を一定に保持する。なお、この図2に示すもので上述したものと同一符号を有するものは上述したものと同一符号を有するものはそれらと同一のものを表す。FET1〜FET4はFET1〜FET4を表す。
H型ブリッジ回路40は、オンボード電源50a又は後述するスイッチング制御回路1からの駆動電流を平滑しその平滑電流を第1の方向又は第2の方向からペルチェ素子59に供給して駆動させるとともに、上記の第1の方向又は第2の方向に基づいて誘導起電力を発生するものであって、4個のスイッチング素子FET1〜FET4(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)と、フィルタ(平滑フィルタ)41,42と、抵抗器70とをそなえて構成されている。なお、オンボード電源50a又はスイッチング制御回路1の選択切り替えは制御回路(ドライブ回路)2によって制御される。FET1〜FET4の制御方法については後述する。
(4)FET1〜FET4
4個のFET1〜FET4は、いずれも、ペルチェ素子59を駆動するスイッチング素子(電圧制御によるスイッチング素子)であって、それぞれ、温度制御回路51の端子PA,PB,NAおよびNBに接続されている。また、FET1,FET4はいずれもN型半導体素子であり、FET2,FET3はいずれもP型半導体素子である。4カ所の各位置に、N型およびP型のうちのいずれかのものが選択されるかについては、TEC電流の電流方向に基づいて選択される。ここで、N型FETおよびP型FETは、いずれも、電子およびホールを有するバイポーラ型であって、電極に加えられる電圧の正負に応じて電子およびホールが相互に逆の電極に移動(これを分極という。)し、この分極により生成される電流通路の大きさがゲート電極(以下に述べる図23(a),図23(b)等参照)により制御されるようになっている。
(5−1)温度制御回路51の機能
温度制御回路51は、ペルチェ素子駆動回路52から出力される駆動電流のモニタ信号と、サーミスタ(温度検出素子)58が検出したレーザーダイオード60の温度情報(温度)とのそれぞれに基づいて、駆動電流の方向および電流値を、ペルチェ素子駆動回路52に入力するものである。モニタ信号として、ペルチェ素子駆動回路52の出力に接続されたモニタ用の2本の電流方向検出信号(後述するTEC−,TEC+)が用いられている。また、温度情報は、温度制御回路51にて、パルス幅変調信号のデューティー比についてH(High)とL(Low)との割合(%)が0%〜100%の範囲になるように設定される。これにより、ペルチェ素子59から出力される信号光の波長が適切に制御される。
そして、温度制御回路51は、端子PA,NAをともにオンするとともに端子PB,NBをともにオフする(以下、第1のスイッチング状態と称する。)。これにより、オンボード電源50aによって加えられる電源としての電圧VDDは、フィルタ41,ペルチェ素子59およびフィルタ42に加えられ、TEC電流は、H型ブリッジ回路40の動作電圧を調整するための抵抗器70を介して接地される。
すなわち、FET1,FET4のペアと、FET2,FET3のペアとが、温度制御回路51によって交互にオン又はオフされるのである。従って、ペルチェ素子59は、第1のスイッチング状態の場合、フィルタ41からフィルタ42に対する方向の電流によって駆動され、また、第2のスイッチング状態の場合、フィルタ42からフィルタ41に対する方向の電流によって駆動される。
(6)ペルチェ素子(TEC:Thermo Electronic Cooler)59
また、ペルチェ素子59は、駆動電流の方向に応じてレーザーダイオード60の温度を調節するものである。このペルチェ素子59は、レーザーダイオードモジュール57(図1参照)内にてレーザーダイオード60に物理的に接触するように設けられ、温度制御回路51からの制御信号によってレーザーダイオード60を冷却又は加熱し、レーザーダイオード60の温度を一定に保持する。これにより、レーザーダイオード60が出力する信号光の波長が安定化される。
パルス幅変調信号のデューティー比が50%の場合、TEC電流は、第1方向と第2方向とで等しくその平均電流値は0である。また、デューティー比が減少すると、ペルチェ素子59には、第1方向のTEC電流が流れる時間が相対的に多くなる。一方、デューティー比が増加すると、ペルチェ素子59には第2方向のTEC電流が流れる時間が相対的に多くなる。換言すれば、デューティー比の減少によって、第1方向のTEC電流の平均電流値が増加し、また、デューティー比の増加によって、第2方向のTEC電流の平均電流値が増加する。
フィルタ41,42は、いずれも、TEC電流を平滑する平滑機能とそのTEC電流に含まれるノイズを除去するノイズ除去機能とを有し、例えばコイル(誘導性素子)と平滑コンデンサとをそなえて構成されている。そして、平滑されたTEC電流は、例えば後述する図11(f)に示すようにパルス状の電流からリニア状の電流に変換され、これにより、レーザーダイオード60の温度が制御される。
以下、これらの平滑機能およびノイズ除去機能についてそれぞれTEC電流の電流方向の各場合を詳述する。
図2に示すスイッチング制御回路1は、整流ダイオードD1〜D4と、ツェナーダイオードZD1と、コンデンサ(電源2:容量性素子)5と、Tr1〜Tr3(Transistor:トランジスタ、Tr1〜Tr3と表示されたもの)と、電圧比較回路3と、過電圧検出回路4と、Tr制御回路(スイッチング素子制御回路)2とをそなえて構成されている。
ここで、整流ダイオードD1,D2は、それぞれ、フィルタ41のコイルにおいて発生した誘導起電力を整流するものである。整流ダイオードD1のアノード,カソードは、それぞれ、フィルタ41,Tr3に接続されており、また、整流ダイオードD2のアノードは接地され、カソードはフィルタ41に接続されている。これにより、VCC1の誘導起電力が正電圧の場合、その正の誘導起電力は整流ダイオードD1を介してTr3に加えられ、また、VCC1の誘導起電力が負電圧の場合、その負の誘導起電力は整流ダイオードD2を介して接地される。
ツェナーダイオードZD1は、誘導起電力が過電圧の場合は降伏動作するものであって、コンデンサ5に加えられる電圧を安定化させるための定電圧ダイオードである。そして、ツェナーダイオードZD1は、以下に述べるTr3がオンのときに加えられるフィルタ41の出力電圧VCC1が、誘導起電力等の降伏電圧よりも大きいときにその出力電圧VCC1を接地する。なお、ツェナーダイオードZD1は出力電圧VCC1が降伏電圧よりも小さいときは極めて大きい抵抗値を有するので逆流が防止される。
コンデンサ5は、H型ブリッジ回路40のフィルタ41,42からTr3を介して加えられる誘導起電力により充電される電源(電源2)として機能する。また、誘導起電力は、フィルタ41,42の各コイルにて駆動電流の方向が切り替えられるときに発生するものであって、例えば図7(e),図10(e)に示すように、急峻であり、電圧VDD以上の高い電圧値を有する。従って、この急峻かつ高い電圧値をもつ波形はノイズとして回路に影響する。コンデンサ5は、誘導起電力に起因するそのノイズを吸収するようになっており、ノイズを接地する電圧吸収機能をも有する。
さらに詳述すると、コイルの誘導起電力がコンデンサ5に吸収され、充放電が繰り返されるので、コンデンサ5に接続される配線パターン(ボードの配線パターン)には、電流が頻繁に流れる。ここで、レーザー出力制御回路64又は伝送信号の配線パターンの近くに、上記の配線パターンがあると、充電電流および放電電流に起因して配線パターンが漏話(クロストーク)し、光出力ジッタが増加する。従って、コンデンサ5は、光出力ジッタに直接影響を与えない回路(例えばレーザー出力制御回路64又は伝送信号生成回路61以外の回路)の近傍に実装することが望ましく、また、光出力ジッタに直接影響を与えない回路の近傍であれば、複数箇所に設けることもできる。
次に、Tr1〜Tr3は、いずれも、電流経路(例えば回路配線、回路パターン)をTr制御回路2によってオン/オフされるスイッチング素子(電流制御によるスイッチング素子)である。
Tr1は、オンボード電源50a側からの駆動電流をH型ブリッジ回路40に供給/非供給(供給又は非供給)するものであり、Tr2はコンデンサ5に蓄積されたエネルギーをH型ブリッジ回路40に供給/非供給するものである。
図23(c),図23(d)はそれぞれP型Tr,N型Trの端子を説明するための図である。この図23(c)に示すP型Trは、オン/オフのスイッチング電流が入力されるベースBと、ベースBのオン/オフに基づいて導通/非導通になるコレクタCと、電流が入力/出力されるエミッタEとの3電極を有する。また、図23(d)に示すN型TrもP型Trとほぼ同一に動作する。
さらに、Tr制御回路2は、Tr3を、上記の第1の方向又は第2の方向を表す方向状態と、コンデンサ5の蓄積量とのうちの一方に基づいて切り替え制御するようになっている。そして、Tr制御回路2は、Tr1とTr2との各オンオフ動作を相互に反転させることにより、Tr1とTr2とを切り替え制御する。
次に、電圧比較回路3は、オンボード電源50a側の電圧とコンデンサ5の電圧とを比較した比較結果を出力するものであって、例えばコンパレータ等が用いられる。また、過電圧検出回路4は、コンデンサ5の過電圧を検出しその検出結果をTr制御回路2に入力するものである。
(9−6)スイッチング制御回路1の変形例
また、スイッチング素子は、スイッチング制御回路1のTr1〜Tr3の代わりに、FETを用いることもできる。
なお、スイッチング制御回路は、FETおよびTrを混在させて構成することもできる。
(9−7)スイッチング制御回路1の概略的な動作説明
これにより、図2において、VCC1,VCC2に付加された整流ダイオードD1〜D4においてそれぞれフィルタ41,42のコイルが発生する誘導起電力が整流される。そして、ダイオードD1〜D4の各カソード側のTr3はTr制御回路2によってオンにされると、コンデンサ5は、コイルにて発生した誘導起電力を吸収して充電し、電荷を蓄積する。ここで、コンデンサ5と並列に付加されたツェナーダイオードZD1によりコンデンサ5の電圧が安定化される。要するに、コイルにて発生した誘導起電力は、Tr3のスイッチング制御によりコンデンサ5を充電し、ツェナーダイオードZD1により電圧が一定にされる。
また、このスイッチング制御回路1の規模は、レーザーダイオードモジュール57のボード上の実装面積よりも小さくできるので、消費電力を低減でき、かつ回路の発熱を抑制できる。さらに、ペルチェ素子駆動回路1および各種回路50cに対して、ノイズの発生によって、誤動作,電源異常および漏話等を回避でき、特に、漏話により生じる光伝送信号の光出力ジッタを低減できる。加えて、新規の実装開発をともなわずに、低消費電力化,回路の発熱抑制等の機能を実装できる。
以下、図3,図4(a)〜図4(e)および図5(a)〜図5(e)を参照してペルチェ素子駆動回路52が出力する電流方向信号TEC+,TEC−について詳述する。
図3は本発明の第1実施形態に係るH型ブリッジ回路40における電流方向を説明するための図であって、この図3に示すH型ブリッジ回路40は、ペルチェ素子(TEC)59を駆動する駆動回路として機能している。ここで、ペルチェ素子59は、電流方向信号TEC+,TEC−を出力し、温度制御回路51が、電流方向信号TEC+,TEC−に基づいてTEC電流の電流方向を切り替える。なお、図3に示すもので上述したものと同一符号を有するものはそれらと同一のものを表す。
次に、図4(a)〜図4(e)を参照してTEC電流が+側に増加する場合のTEC電流の波形の時間変化を説明し、また、図5(a)〜図5(e)を参照してTEC電流が−側に増加する場合のTEC電流の波形の時間変化を説明する。
図4(a)〜図4(d)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るTEC電流が+側に増加する場合におけるTEC電流を説明するためのタイムチャートである。これらの図4(a)〜図4(d)に示す制御パターンは、それぞれ、FET1〜FET4のパターン(FET1〜FET4の論理)であって、FET1〜FET4のオン又はオフを時間軸で表示したものである。ここで、図4(a)および図4(d)にそれぞれ示すFET1,FET4の組は、同一の制御パターンで動作し、また、図4(b)および図4(c)にそれぞれ示すFET2,FET3の組は、同一の制御パターンで動作する。なお、ペルチェ素子59を冷却する電流方向は+側(TEC+)と定義し、加熱する電流方向は−側(TEC−)と定義している(この電流方向は逆方向に定義することもできる)。
また、TEC電流の変化は、図4(a)〜図4(d)に示すように推移する。TEC電流の+側又は−側への方向は、温度制御回路51によって切り替えられ、その切り替えは、FET1〜FET4の各波形が、次に述べる3種類の制御用のスイッチングパターン(制御パターン)P1,P2およびP3に一致することにより行なわれる。具体的には、図4(a)〜図4(d)にそれぞれ示す制御パターンを所望の時刻において(縦方向に)参照する。
制御パターンP2は−側電流を流す場合のものであって、FET1オフ,FET2オン,FET3オン,FET4オフである。
制御パターンP3は電流方向切り替え時(FET短絡防止区間)のものであって、FET1オフ,FET2オフ,FET3オフ,FET4オフである。この電流方向切り替え時の制御パターンP3は、+側から−側へ電流を切り替えるときと、−側から+側へ電流を切り替えるときとの動作であって、FET1,FET3が同時オフ、FET2,FET4が同時オフである。これにより、FET1〜FET4のそれぞれについて短絡が防止される。
また、図4(e)は本発明の第1実施形態に係るTEC電流が+側に増加する場合のTEC電流の波形の時間変化を説明するための図である。この図4(e)に示すL1はTEC電流の波形を表し、L2はフィルタ41,42にて平滑された電流の波形を表す。ここで、温度制御回路51は、+側を増加させる場合、FET1〜FET4を用いたパルス幅変調制御によりTEC電流を制御する。そして、制御量が大きくなると、温度制御回路51は、デューティー比を小さくする。このデューティー比は1ビットの時間幅のうちのパルスが占有する時間幅の割合を表す。このため、温度制御回路51は、TEC電流が流れる時間幅を、時間経過に伴って狭くし、これにより、平均電流値を下げるように各FET1〜FET4を制御する。
次に、4個のFET1〜FET4を切り替え制御するTr制御回路2は、論理出力ステップにてH又はLの論理を検出する(論理検出ステップ)。
次に、温度制御回路51は、一定のスイッチング周波数(基本周波数)により制御パターンP1〜P3を切り替え、FET1〜FET4をスイッチングし、電流量を調整する。電流量調整方法の一例は、以下のD1〜D3の3種類の動作が用いられる。
D1(電流量調整):FET1〜FET4のスイッチング時のデューティー比を可変にする。
D3:TEC電流を減少させる場合のものであり、これにより、デューティー比が下降する。
そして、TEC電流の増減が調整され、ペルチェ素子59の温度を変化させることにより、レーザーダイオード60の温度が一定に保持され、安定した発光動作が可能になる。
図5(a)〜図5(d)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るTEC電流が−側に増加する場合におけるTEC電流を説明するためのタイムチャートである。そして、FET1,FET4の組とFET2,FET3の組とが同一の制御パターンで動作する。
(10−5)ペルチェ素子駆動回路52(図3)の基本動作
これにより、温度制御回路51がFET1〜FET4をスイッチングしている間は、フィルタ41,42がTEC電流を平滑し、平滑された電流がペルチェ素子59およびコイルに流れる。要するに、フィルタ41,42はいずれもTEC電流を平滑する。また、TEC電流をパルス状の電流波形からリニア状の電流波形に変換することにより、レーザーダイオード60温度のリニア制御が可能となる。さらに、リニア状の電流波形に変換することにより、消費電力が低減され、ペルチェ素子59およびスイッチング素子の各々の破壊が防止される。
このように、電流量調整方法D1〜D3は、電流方向信号TEC+,TEC−等の情報が温度制御回路51にフィードバックされ、温度制御回路51にてフィードバック演算が行なわれ、算出したデューティー比のパルス幅変調信号が生成出力される。また、温度制御回路51は、駆動パルス幅を変化させることにより、ペルチェ素子59の吸熱および発熱を制御する。
FET1〜FET4が、オン又はオフ動作する場合、フィルタ41,42のコイルにて誘導起電力が発生する。この誘導起電力は、以下に述べるコンデンサ充放電回路に充放電される。
図6は本発明の第1実施形態に係るコンデンサ充放電回路を説明するための図である。この図6に示すコンデンサ5(電源2)は、フィルタ41からの誘導起電力((i)と表
示したところ)と、フィルタ42からの誘導起電力((iii)と表示したところ)とのうちの一方の誘導起電力を加えられる。すなわち、フィルタ41,42が時間的に切り替えられることにより、2方向の駆動電流がコンデンサ5に流れるのである。また、フィルタ41,42と、FET3,FET4と、整流ダイオードD1〜D4と、Tr3と、ツェナーダイオードZD1とコンデンサ5とが協働することによって、H型ブリッジ回路40にて発生した誘導起電力の充電と、充電された蓄積エネルギーの放電とを行なうコンデンサ充放電回路として機能している。従って、コンデンサ充放電回路を別個に設けずにペルチェ素子駆動回路52に設けられた電源、回路および素子を用いて充電可能になっている。
本発明のペルチェ素子駆動方法は、駆動電流の方向に応じてレーザーダイオード60の温度を調節するペルチェ素子59を駆動するペルチェ素子駆動回路52におけるものである。
H型ブリッジ回路40にて発生した誘導起電力の充電と充電された蓄積エネルギーの放電とを行なうコンデンサ充放電回路が、駆動ステップにおける駆動によって発生するH型ブリッジ回路40の誘導起電力を充電する(充電ステップ)。
また、電源再利用ステップは、コンデンサ充放電回路が、オンボード電源50a側の電圧とコンデンサ5の電圧とを比較し(電圧比較ステップ)、電圧比較ステップにおける電圧比較結果に基づいて、駆動電流をH型ブリッジ回路40に供給する電源供給元を、オンボード電源50a又はコンデンサ5に切り替えるように電源切り替え制御を行なう(切り替えステップ)。
次に、TEC電流の方向が変化する2種類の場合における制御パターンについてそれぞれ詳述する。
図7(a)〜図7(d)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るFET1〜FET4の制御パターンを説明するための図である。TEC電流がTEC+からTEC−側に流れている状態から、TEC−からTEC+側に転流させる場合(−側増加から−側減少)の制御パターン(スイッチングパターン)について説明する。
制御パターン1:FET1オフ,FET2オン,FET3オン,FET4オフ
制御パターン2:FET1オフ,FET2オフ,FET3オフ,FET4オフ
制御パターン3:FET1オン,FET2オフ,FET3オフ,FET4オン
ここで、制御パターン2はFET1およびFET3と、FET2およびFET4とが同時にオンされて生じる素子破壊を防止するためのものであって、素子を保護するためのパルスパターンである。
図7(e)は本発明の第1実施形態に係るVCC1−接地間の電圧波形を示す図である。ここで、制御パターン1から制御パターン2に遷移する場合、図6に示すフィルタ41のコイルに流れるTEC電流が減少(ペルチェ素子59の駆動電流の−側の向きに減少)するので、FET3のオフにより、フィルタ41のコイルにて誘導起電力が発生する(「a」と付したところ)。この誘導起電力は、急峻かつ電圧VDD以上の高い電圧値を有し、この誘導起電力がVCC1−接地(SG)間に加えられる。そして、この誘導起電力は、整流ダイオードD1にて帰還電流として整流され、図6に示す(i)と付したところを介して
ノイズがコンデンサ5に吸収され、また、コンデンサ5は充電される。
(11−3)制御パターン1から制御パターン2に遷移する場合のVCC2
図7(f)は本発明の第1実施形態に係るVCC2−接地間の電圧波形を示す図である。ここで、制御パターン1から制御パターン2に遷移する場合、フィルタ42のコイルに流れる電流は減少(ペルチェ素子59の駆動電流の−側の向きに減少)するため、FET4のオフにより、フィルタ42のコイルにて誘導起電力が発生する(「b」と付したところ)。従って、VCC2−接地間に電圧VDD以下の誘導起電力が発生する。この誘導起電力は、整流ダイオードD4にて帰還電流として整流され、図6に示す(iii)と付したとこ
ろを介してノイズがフィルタ42のコンデンサ5に吸収される。
コンデンサ5の充電および放電のために、Tr制御回路2は、以下に示す3種類の制御パターン1〜3を用いてTr3を制御する。また、制御パターン3〜1の順に遷移する。
制御パターン3:FET1オン,FET2オフ,FET3オフ,FET4オン
制御パターン2:FET1オフ,FET2オフ,FET3オフ,FET4オフ
制御パターン1:FET1オフ,FET2オン,FET3オン,FET4オフ
また、温度制御回路51は、制御パターン1〜3の順に遷移させる。なお、制御パターン2はFET1およびFET3と、FET2およびFET4とが同時オンされることによる素子破壊を防止するための保護領域である。
制御パターン3から制御パターン2に遷移する場合、フィルタ41のコイルに流れる電流が減少(ペルチェ素子59の駆動電流+側の向きに減少)するため、FET1のオフにより、フィルタ41のコイルにて誘導起電力が発生する(「c」と付したところ)。従って、VCC1−接地間には電圧VDD以下の誘導起電力が発生し、この誘導起電力は、整流ダイオードD2にて帰還電流として整流され、図6に示す(ii)と付したところを介して
ノイズがフィルタ41のコンデンサに吸収される。
制御パターン3から制御パターン2に遷移する場合、フィルタ42のコイルに流れる電流が減少(ペルチェ素子59の駆動電流+側の向きに減少)するため、FET4のオフにより、フィルタ42のコイルにて誘導起電力が発生し(「b」と付したところ)、VCC2−接地間には電圧VDD以上の誘導起電力が発生し、この誘導起電力が整流ダイオードD3にて帰還電流として整流され、図6に示す(iii)と付したところを介してノイズがコンデンサ5に吸収される。これにより、回路の誤動作が防止される。
このように、コンデンサ充放電回路において、整流ダイオードD1〜D4が誘導起電力を整流するので、VCC1−接地間およびVCC2−接地間に発生するピーク(波高値)電圧が抑制される。
次に、電力供給用スイッチとしてのTr1,Tr2の制御方法と誘導起電力をコンデンサ5に充電する制御方法とについて説明する。
図8は本発明の第1実施形態に係るTr1,Tr2の切り替え制御を説明するための図である。この図8に示すTr1はオンボード電源50aからの電力を印加又は非印加に切り替え((i)と付したところ)、Tr2はコンデンサ5からの電力を印加又は非印加に切り替え((ii)と付したところ)、また、Tr3はH型ブリッジ回路40からの誘導起電力をコンデンサ5に印加又は非印加に切り替えるようになっている((iii)と付したところ)。
なお、図8に示すもので上述したものと同一符号を有するものはそれらと同一のものを表す。
Tr制御回路2は、Tr1をオン、Tr2をオフにし、電圧VDDに対してオンボード電源50aからの電力を供給する。従って、電力供給源が選択可能になる。また、Tr制御回路2は、Tr3を切り替えることにより、スイッチング素子FET1,FET2が同時にオフになるタイミングでコンデンサ5が充電される。
Tr制御回路2は、Tr1をオフ、Tr2をオンにし、電圧VDDに対してコンデンサ5からの電力を供給する。また、Tr3を切り替えることにより、スイッチング素子FET1,FET2が同時にオフになるタイミングでコンデンサ5が充電される。
(13)コンデンサ5の過電圧が検出された場合の動作
過電圧検出回路4がコンデンサ5の過電圧を検出すると、Tr制御回路2は、Tr1〜Tr3のスイッチング制御を行なう。
過電圧検出回路4がコンデンサ5の過電圧を検出していない場合は、Tr制御回路2は、通常状態と判定し、(12−1)又は(12−2)の状態における処理をする。
(13−2)過電圧が検出された場合
過電圧検出回路4がコンデンサ5の過電圧を検出した場合は、Tr制御回路2は、Tr1をオン、Tr2をオフにし、電圧VDDに対してオンボード電源50aからの電力を供給する。
ンサ5は、ツェナーダイオードZD1を介して放電する。
(14)異常発生時
また、過電圧検出以外の異常が生じた場合、その異常情報はTr制御回路2にフィードバックされ、Tr制御回路2は、Tr1〜Tr3のスイッチング制御を行なう。Tr制御回路2は、Tr1をオフ、Tr2をオフ、Tr3をそれぞれオフにし、電圧VDDに対する電力供給を停止し、また、コンデンサ5に対する充電を停止する。
このように、本発明のペルチェ素子駆動回路52は、電源(電圧VDD)に対する電力供給源を、定電圧のオンボード電源50aと、TEC電流の平滑用フィルタ41,42のコイルにて発生する誘導起電力を整流して充電させたコンデンサ5との間において、個別に切り替えできるTr1,Tr2を設けているので、異常発生時に、電力供給を電源1および電源2の両方から停止でき、フェールセーフに対応できる。
次に、図9を参照してTr3の制御方法について詳述する。
図9は本発明の第1実施形態に係るTr3の制御方法を説明するための図である。この図9に示すTr3は、FET1,FET2の各論理に基づいてオンオフ制御されるようになっている。なお、図9に示すもので上述したものと同一符号を有するものはそれらと同一のものを表す。
図10(a)〜図10(d)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るFET1〜FET4のTr3についての制御パターンを説明するための図である。
コンデンサ5の充電は、FET1〜FET4の全てがオフになる区間(全オフ区間又は全オフ時間区間)において行なわれる。この全オフ区間は、FET1およびFET3と、FET2およびFET4との同時オンによって生じるこれらのFET間の短絡を防止するために設けられた区間であり、この全オフ区間を利用してコンデンサ5の充電が制御される。Tr制御回路2は、FET1およびFET2が同時にオフになる時のみTr3をオンし、コイルによる誘導起電力を、整流ダイオードD1〜D4を用いて整流しコンデンサ5を充電する。このTr3の充電および放電のために、Tr制御回路2は、以下に示す3種類の制御パターン1〜3を用いて制御する。
制御パターン2:FET1およびFET2が両方オフ以外のときはTr3をオフ
制御パターン3:異常発生時:Tr3をオフ
また、図10(e)は本発明の第1実施形態に係るVCC1−接地間の電圧波形を示す図である。
同様に、FET1がオフのときに発生するフィルタ41のコイルの誘導起電力は、整流ダイオードD2にて整流され、図9に示す(ii)と付したところを介してフィルタ41
のコンデンサに充電される。
このように、整流ダイオードD1〜D4が誘導起電力を整流するので、VCC1−接地間に発生するピーク(波高値)電圧が抑制される。
図11(a)〜図11(f)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るTr3の制御タイミングを説明するためのタイムチャートである。ここで、図11(a)に示すFET1〜FET4の波形は、所定時間全てオフにされ、このオフの時間にTr3が制御されるようになっている。
また、図11(c)に示すVCC2−接地間電圧は、FET4のオフにより発生するフィルタ41のコイルの誘導起電力が加えられ、この誘導起電力は整流ダイオードD3にて整流されることにより、コンデンサ5が充電される。
これにより、コンデンサ5の電圧は、図11(e)に示すように、時間経過とともに充電量が増加する。また、TEC電流は、図11(f)に示す+側のピーク値および−側のピーク値の間にて変化し、さらに、フィルタ41,42にて平滑されたTEC電流の波形はパルス状のものから平滑されたものに変化する。
次に、図12(a)〜図12(e)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係るコンデンサ5とTr制御回路2との関係を説明するための図である。この図12(a)に示す時間軸は、初期充電区間a,充放電区間b,再充電区間cの3種類の区間a,bおよびcに分割されている。そして、各区間においてコンデンサ5の電圧は上昇および下降を繰り返すようになっている。
さらに、図12(d)に示す波形は、Tr3の電圧を表し、FET1,FET2の動作状態に応じてきめ細かく切り替えられている。このTr3の電圧は、充電区間および充放電区間に関わらず、常時制御されている。
これにより、図12(d)に示す電源の種別がオンボード電源50a(電源1)のときは、コンデンサ5は充電され、図12(a)に示すコンデンサ5の電圧は上昇する一方、コンデンサ5が電源(電源2)として選択されているときは、コンデンサ5の電圧は下降している。
(16−1)初期充電区間
初期充電区間として、Tr制御回路2は、Tr1をオン,Tr2をオフにスイッチングし、コンデンサ5の電圧が充電電圧になるまでオンボード電源50aより電圧VDDに電源を供給する。また、Tr3はTr1,Tr2の動作状態に応じてオン/オフ制御を行ない、コンデンサ5を充電する。
コンデンサ5の電圧が充電電圧まで上昇すると、充放電区間として、Tr制御回路2は、Tr1をオフ、Tr2をオンにスイッチングし、コンデンサ5の電圧が放電電圧になるまで、コンデンサ5より電圧VDDに電源を供給する。また、Tr3はFET1,FET2の状態によってオン/オフを制御し、コンデンサ5を充電する。この放電区間においてもペルチェ素子駆動回路52は動作しており、コイルの誘導起電力を吸収できるので、Tr3によるコンデンサ5の充電制御は続けられる。要するに、この区間は、充電と放電とが同時に行なわれる。
コンデンサ5の電圧が充電電圧まで降下してくると、再充電区間として、Tr制御回路2は、Tr1をオン、Tr2をオフにし、コンデンサ電圧が充電電圧になるまで、オンボード電源50aから、H型ブリッジ回路40に対して電源を供給する。また、Tr3はFET1,FET2の状態によりオン/オフ制御を行ない、コンデンサ5を充電する。
このように、本発明のペルチェ素子駆動回路52は、電源部分のVCC1,VCC2に、整流ダイオードD1〜D4とコンデンサ5とを設けることにより、TEC電流の平滑用フィルタ41,42のコイルにおいて発生する誘導起電力を整流ダイオードD1〜D4で整流し、また、整流ダイオードD1〜D4を介してコンデンサ5を充電する。
そして、このようにして、本発明のペルチェ素子駆動回路52によれば、低消費電力化と、回路における発熱の抑制と、誘導起電力およびノイズに起因する回路の誤動作と、電源異常および漏話等の回避と、伝送光のジッタの低減と、素子破壊の防止とが実現できる。
次に、本発明のペルチェ素子駆動回路52を用いて、ノイズ(コイルで発生する誘導起電力)を再利用する2種類の実現例について図13等を参照して説明する。
図13は本発明の第1実施形態に係る誘導起電力の再利用性を説明するための図であって、この図13に示すコンデンサ5に蓄積された電力は、電圧VDDから、FET1,FET4を介して接地される方向(LL1と付したところ)と、FET2,FET3を介して接地される方向(LL2と付したところ)との2方向からH型ブリッジ回路40に供給される。なお、図13に示すもので上述したものと同一符号を有するものはそれらと同一のものを表す。
F1:コンデンサ5(電源2)への充電時間
F2:コンデンサ5(電源2)の放電時間
F3:コンデンサ5(電源2)より電源供給できる割合(時間的にどのくらいの割合で電源2より電源供給しているか)
(17−1)コンデンサ5に対する充電および放電時間
各素子の条件の一例について説明する。
コンデンサ5の容量 = 1.0(F:ファラッド)
コンデンサ充電電圧 = 3.3(V:ボルト)。この電圧VDDは、典型値(TYP)に基づいて決定される。
コンデンサ5放電電圧 = 3.135(V)。この電圧は、電圧VDDの最小値(MIN)に設定される。
負荷最大電流(Hブリッジ回路電流)= 1.2(A:アンペア)。すなわち、この電流は、ピーク値Ipeakである。
負荷平均電流(Hブリッジ回路電流)= 0.6(A)。この電流はフィルタ41,42にて平滑される値である。
FETスイッチング周波数 = 500(kHz:キロヘルツ)。すなわち、このFETスイッチング周波数の周期は2(μsec)なので、この2(μsec)間に2回、誘導起電力が整流ダイオードD1〜D4により整流される。
なお、計算のし易さのため、ダイオード,トランジスタ又はFETの抵抗成分は考慮しない。また、コイルによる誘導起電力は、ノイズとして100%(理想)コンデンサ5に吸収できることとする。
図14(a)〜図14(e)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係る充放電制御例を説明するためのタイムチャートである。この図14(a)に示すコンデンサ電圧(縦軸)は、時間(横軸)において区切られた区間に応じて変化している。横軸に示すa,b,cと付した区間は、それぞれ、初期充電区間,放電区間,再充電区間を表す。以下、区間a〜cについて詳述する。
0(V)〜から3.3(V)になる間は、4.45(sec)間、Tr1をオン、Tr2をオフ、そして、Tr3をTr1,Tr2の状態で制御
放電(bと付したところ)
3.3(V)〜3.135(V)になる間は、0.28(sec)間、Tr1をオフ、Tr2をオンにし、Tr3をTr1,Tr2の状態で制御
再充電(cと付したところ)
3.135(V)〜3.3(V)になる間は、0.43(sec)間、Tr1をオン、Tr2をオフにし、Tr3をTr1,Tr2の状態で制御する。なお、ノイズ(コイルによる誘導起電力)吸収効率が悪くなると、(c)の充電時間は長くされる。
(17−3)充電および放電時間の計算例
(i)充電時
図15は本発明の第1実施形態に係るコンデンサ5の充放電特性を示す図である。
この図15に示すコンデンサ5の充電特性は、式(1)により表わされる。
ここで、Vはコンデンサ5の電圧、Eは定電圧源、expは指数関数(Exponential Function:eは自然対数の底を表す。)、tは充電時間およびCは静電容量をそれぞれ表す。
この誘導起電力は、定量的に扱うことが困難なので、式(1)を用いた計算は実用上できないことが多い。従って、ペルチェ素子59の駆動時において、コイルに蓄えられる蓄積エネルギーが、誘導起電力として発生し、コンデンサ5にエネルギーとして蓄えられるとすると、コイル蓄積エネルギーは、式(2)により表わされる。
このコイル蓄積エネルギーは、FETスイッチング周期(500kHz)の1周期に相当し、2回誘導起電力として発生するので、FETスイッチングの1周期のコイル蓄積エネルギーELは、式(3)により表わされる。
また、n(正の実数を表す。)周期において発生するコイル蓄積エネルギーELnは式(4)により表わされる。
ELn = nLI2(J) 式(4)
一方、コンデンサ5に蓄えられるコンデンサ蓄積エネルギーEcは、式(5)により表わされる。
従って、コンデンサ5の電圧をV1からV2にするために必要なエネルギーEcは、式(6)により表わされる。
Ec = (1/2 × CV2 2) − (1/2 × CV1 2)(J)
= 1/2 × C(V2 2 − V1 2)(J) 式(6)
従って、コイル蓄積エネルギーELnをコンデンサ蓄積エネルギーEcに変換する効率をη(%)とすると、式(4)を用いて、式(7)により表わされる。
従って、周期nは式(8)により表わされる。
n = [C(V2 2 − V1 2)]/[2LI2η× 10-2] 式(8)
コンデンサ5の電圧がV2になるまでの時間をT1,FETスイッチング周波数をfとすると、時間T1は式(9)により表わされる。
従って、コイルの蓄積エネルギーを誘導起電力として吸収し、コンデンサ5の電圧がV1からV2になるまでの時間(充電時間)T1は、式(10)により表わされる。
T1= [C(V2 2 − V1 2)]/[2LI2ηf× 10-2] (sec)
式(10)
この式(10)に各条件を入力すると、0Vから3.3Vに要する充電時間は4.45(sec)であり、また、3.135(V)から3.3(V)に要する充電時間は0.43(sec)となる。
また、図15に示すコンデンサ5の放電特性は式(11)により表わされる。
V = E × (exp[−t/CR]) 式(11)
ここで、V,Eはそれぞれ放電時のコンデンサ5の電圧、放電前のコンデンサ5の電圧を表す。
V4 = V3 × (exp[−T2/CR]) 式(12)
T2 = −CR×Loge (V4/V3) (sec) 式(13)
また、Rを負荷平均電流時の抵抗値とすると、式(14)により表わされ、また、V3からV4に放電するまでの時間T2は、式(15)により表わされる。
T2 = −C×(V3/負荷平均電流)×Loge(V4/V3) (sec) 式(15)
式(15)に各条件を入力すると、3.3(V)から3.135(V)に要する放電時間は0.28(sec)となる。また、コンデンサ5のみでペルチェ素子59を駆動している上記の区間(b)は初期充電区間(a)を除いて全体区間(b)+(c)の39.4%になる。
(18)素子の値を変更した場合
各素子の条件を変えて、下記条件にする。
コンデンサ充電電圧 = 3.3(V) この電圧VDDは典型値が設定される。
コンデンサ5放電電圧 = 3.135(V) この電圧VDDは(最小値)が設定される。
負荷抵抗(Hブリッジ回路抵抗) = 2.75(Ω)
負荷最大電流(Hブリッジ回路電流)= 1.2(A) この電流は、ピーク値Ipeakである。
コイルインダクタンス = 6.8(μH)
FETスイッチング周波数 = 500(kHz) 2(μsec)間に2回誘導起電力が整流ダイオードD1〜D4により整流される。
a.初期充電 0(V)〜3.3(V) :1.48(msec)
b.放電 3.3(V)〜3.135(V):0.028(msec)
c.再充電 3.135(V)〜3.3(V):0.145(msec)
コンデンサ5のみでペルチェ素子59を駆動している区間bは初期充電区間aを除いて全体(b)+(c)の16.2%になる。
さらに、充電させたコンデンサ5を電圧VDDとして再利用する場合と、ペルチェ素子駆動回路52以外の例えばメモリバックアップ回路等の電源等に利用する場合との両方について使用できる。
また、このように、TEC電流の平滑用フィルタ41,42のコイルにて発生する誘導起電力が、整流ダイオードD1〜D4によって整流され、誘導起電力によるノイズがコンデンサ5に吸収されることにより、ノイズによってペルチェ素子駆動回路52以外の各種回路50cの誤動作が防止され、この防止とともに、配線パターンによる漏話が低減し、光伝送信号の光出力ジッタが抑制される。
コンデンサ5に充電された電圧は、ペルチェ素子駆動回路52以外の回路の電源としても利用できる。
図16は本発明の第2実施形態に係るペルチェ素子駆動回路のブロック図である。この図16に示すペルチェ素子駆動回路52aに設けられたTr2のコレクタC側が、各種回路50cに接続され、コンデンサ5に蓄積された電力が、各種回路50cに供給されるようになっている。換言すれば、コンデンサ5は、駆動電流を供給する電源ラインと切り離された例えばボードに設けられた回路又はスイッチング素子に対して電源エネルギーを供給するようになっている。すなわち、図2に示すTr2が電源ラインに電力を供給するのに対して、図16に示すTr2は各種回路50cに電力を供給しているのである。
このような構成によって、ペルチェ素子59の駆動電流を平滑するフィルタ41,42の各コイルにおいて誘導起電力が発生すると、その誘導起電力は、整流ダイオードD1〜D4にて整流され、コンデンサ5を充電する。そして、コンデンサ5は、ペルチェ素子駆動回路52aのみならず、ペルチェ素子駆動回路52aと異なる回路に対しても電力を供給し、これにより、例えばメモリバックアップ回路の電源元として機能する。従って、電源を効率よく利用でき、低消費電力化が図れる。
また、ペルチェ素子駆動回路52aの変形例について説明する。
さらに、第2実施形態のペルチェ素子駆動回路52a,52bは、電源(電圧VDD)に対する電力供給源を、定電圧のオンボード電源50aと、TEC電流の平滑用フィルタ41,42のコイルにて発生する誘導起電力を整流して充電させたコンデンサ5との間において、個別切り替えが可能になるようなTr1,Tr2を設けて電力供給源を選択できる。
以下、本発明のペルチェ素子駆動回路52,52aおよび52b,ペルチェ素子駆動方法および発光モジュール(伝送光出力回路)10と、特許文献1〜3記載の技術との対比について説明する。
特許文献1記載の電子デバイスの駆動回路は、単に、ダイオードを用いてコイルの蓄積エネルギーを駆動回路の電源部に帰還させるものであり、電力を再利用するものではない。また、特許文献1には、電源部についての詳細が開示されておらず、電源部に帰還した後の動作が不明確である。
これに対して、本発明のペルチェ素子駆動回路52,52aおよび52bにおいて、フィルタ41,42のコイルによる誘導性エネルギーが、コンデンサ5に回収され、H型ブリッジ回路40等の駆動回路の電源のみならず、H型ブリッジ回路40等以外の各種回路50cの電源にも再利用されるようになっている。これにより、低消費電力化が図れる。
さらに、特許文献2記載の駆動回路は、無駄な電力をコンデンサに回収して再利用するものであって専用のコイルを設けている。
また、特許文献2記載の駆動回路は、回収した電力を、プラズマディスプレイの駆動回路のみにしか再利用できない。
特許文献2記載の駆動回路は、単に、電極放電時の電荷をコンデンサに回収し、この電荷は電極を充電するときに再利用されるものである。
しかしながら、特許文献2には、無駄な電力をコンデンサに回収し、再利用するためのスイッチング素子の制御方法は何ら記載されておらず、また、そのスイッチング素子の制御素子の制御方法に関する示唆も記載されていない。
これに対して、本発明のペルチェ素子駆動回路52,52aおよび52bに設けられたTr,FETの各スイッチング素子がオフのときに、コイルの誘導起電力がコンデンサ5に回収され、また、コンデンサ5の電圧が充電完了に相当する電圧に達したときに、再度、ペルチェ素子駆動回路52,52aおよび52bおよび各種回路50cの電源として再利用できる。
本発明は上述した実施態様およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
例えば、コンデンサ5を複数設け、複数のコンデンサに蓄積された電力を回路の用途等に応じて、分配するようにもできる。また、本充放電回路は、コンデンサを用いたコンデンサ充放電回路の代わりに、コンデンサ以外の他の容量性素子又は電荷蓄積素子を用いることができる。
(付記1) 駆動電流の方向に応じて光源素子の温度を調節するペルチェ素子を駆動するペルチェ素子駆動回路において、
該駆動電流を平滑した平滑電流を、第1の方向又は第2の方向から該ペルチェ素子に供給して駆動させるとともに、上記の第1の方向又は第2の方向に基づいて誘導起電力を発生するブリッジ回路と、
該ブリッジ回路にて発生した該誘導起電力の充電と、充電された蓄積エネルギーの放電とを行なう充放電回路と、
該光源素子の動作状態に基づいて該充放電回路の充電又は放電を制御する充放電制御回路とをそなえて構成されたことを特徴とする、ペルチェ素子駆動回路。
該充放電回路が、該フィルタの誘導性素子にて発生した該誘導起電力を再利用するための充電と該蓄積エネルギーの放電とを行なう容量性素子を設けて構成されたことを特徴とする、付記1記載のペルチェ素子駆動回路。
該ブリッジ回路にて発生した該誘導起電力を該容量性素子に充電するか又は該容量性素子を放電するかについてスイッチングするスイッチング素子と、
該スイッチング素子を、上記の第1の方向又は第2の方向を表す方向状態と、該容量性素子の蓄積量とのうちの一方に基づいて切り替え制御するスイッチング素子制御回路とをそなえたことを特徴とする、付記2記載のペルチェ素子駆動回路。
独立電源側からの該駆動電流を該ブリッジ回路に供給/非供給する第1スイッチング素子と、
該容量性素子に蓄積されたエネルギーを該ブリッジ回路に供給/非供給する第2スイッチング素子と、
該第1スイッチング素子と該第2スイッチング素子との各オンオフ動作を相互に反転させることにより、該第1スイッチング素子と該第2スイッチング素子とを切り替え制御するスイッチング素子制御回路とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記2又は付記3記載のペルチェ素子駆動回路。
該誘導起電力を整流する複数の整流ダイオードをそなえて構成されたことを特徴とする、付記1〜付記4のいずれか一に記載のペルチェ素子駆動回路。
(付記6) 該スイッチング素子制御回路が、
独立電源側からの該駆動電流を該ブリッジ回路に供給/非供給する第1スイッチング素子と、該容量性素子に蓄積されたエネルギーを該ブリッジ回路に供給/非供給する第2スイッチング素子と、該第1スイッチング素子および該第2スイッチング素子を切り替える第3スイッチング素子とをそれぞれ異常情報に基づいてそれぞれ個別に切り替えるように構成されたことを特徴とする、付記3又は付記4記載のペルチェ素子駆動回路。
該駆動電流を供給する電源ラインおよび該ペルチェ素子に第1経路を介して接続され、該駆動電流を該第1経路から該ペルチェ素子側に切り替える第1スイッチング素子と、
該電源ラインおよび該ペルチェ素子に第2経路を介して接続され、該駆動電流を該第2経路から該ペルチェ素子側に切り替える第2スイッチング素子と、
該第1スイッチング素子にて切り替えられた該駆動電流を平滑しその平滑電流を該ペルチェ素子の一端に供給するとともに、誘導起電力を発生する誘導性素子を含む第1のフィルタと、
該第2スイッチング素子にて切り替えられた該駆動電流を平滑しその平滑電流を該ペルチェ素子の他端に供給するとともに、誘導起電力を発生する誘導性素子を含む第2のフィルタと、
該第1のフィルタの誘導性素子又は該第2のフィルタの誘導性素子にて発生した該誘導起電力の充電と、充電された蓄積エネルギーの放電とを行なう容量性素子と、
該光源素子の動作状態に基づいて該容量性素子の充電又は放電を制御する充放電制御回路とをそなえて構成されたことを特徴とする、ペルチェ素子駆動回路。
該ペルチェ素子駆動回路のブリッジ回路が、該駆動電流によって、該ペルチェ素子を駆動する駆動ステップと、
該ブリッジ回路にて発生した該誘導起電力の充電と充電された蓄積エネルギーの放電とを行なう充放電回路が、該駆動ステップにおける該駆動によって発生する該ブリッジ回路の誘導起電力を充電する充電ステップと、
該充電ステップにて充電された該充放電回路が、外部切り替え制御信号に基づいて、蓄積したエネルギーを電源として該ブリッジ回路に対して放電する電源再利用ステップとをそなえたことを特徴とする、ペルチェ素子駆動方法。
該充放電回路が、独立電源側の電圧と該容量性素子の電圧とを比較する電圧比較ステップと、
該電圧比較ステップにおける電圧比較結果に基づいて、該駆動電流を該ブリッジ回路に供給する電源供給元を、該独立電源又は該容量性素子に切り替えるように電源切り替え制御を行なう切り替えステップとをそなえたことを特徴とする、付記8記載のペルチェ素子駆動方法。
該駆動電流を供給する電源ラインおよび該ペルチェ素子に2本の経路を介して接続され該駆動電流を第1の方向又は第2の方向から該ペルチェ素子に供給して駆動させる複数のスイッチング素子が、所望の論理を出力する論理出力ステップと、
該複数のスイッチング素子を切り替え制御するスイッチング素子制御回路が、該論理出力ステップにて該所望の論理を検出する論理検出ステップと、
誘導起電力の充電をスイッチングする第3のスイッチング素子が該論理検出ステップにて検出された所望の論理に基づいて該容量性素子を充電し、該複数のスイッチング素子が、該独立電源側の電圧と該容量性素子の電圧とを比較した比較結果に基づいて該駆動電流を該ブリッジ回路に供給する電源供給元を、該独立電源又は該容量性素子に切り替えるように電源切り替え制御を行なう切り替えステップとをそなえたことを特徴とする、付記8記載のペルチェ素子駆動方法。
独立電源側に接続された第1スイッチング素子が、該駆動電流を供給する電源ラインに該駆動電流を供給する第1ステップと、
容量性素子に蓄積されたエネルギーを該電源ラインに供給する第2スイッチング素子が、該容量性素子にエネルギーを蓄積する蓄積ステップと、
該蓄積ステップにて蓄積されたエネルギーに基づいて、該電源ラインに供給するエネルギー供給源を選択する供給源選択ステップとをそなえたことを特徴とする、ペルチェ素子駆動方法。
駆動電流の方向に応じて該光源素子の温度を調節するペルチェ素子と、
該光源素子の温度を検出する温度検出素子と、
該ペルチェ素子を駆動するペルチェ素子駆動回路と、
該ペルチェ素子駆動回路から出力される該駆動電流のモニタ信号と、該温度検出素子が検出した該光源素子の温度とのそれぞれに基づいて、該駆動電流の方向および電流値を、該ペルチェ素子駆動回路に入力する温度制御回路とをそなえ、
該ペルチェ素子駆動回路が、
該駆動電流を平滑した平滑電流を、第1の方向又は第2の方向から該ペルチェ素子に供給して駆動させるとともに、上記の第1の方向又は第2の方向に基づいて誘導起電力を発生するブリッジ回路と、
該ブリッジ回路にて発生した該誘導起電力の充電と、充電された蓄積エネルギーの放電とを行なう充放電回路と、
該光源素子の動作状態に基づいて該充放電回路の充電又は放電を制御する充放電制御回路とをそなえて構成されたことを特徴とする、伝送光出力回路。
さらに、誘導起電力がコンデンサに充電されるので、オンボード電源のほかに新規な電源を設けずに、ペルチェ素子を駆動できるので、ペルチェ素子駆動回路の価格を維持した状態で、高品質のペルチェ素子駆動回路を提供できる。
加えて、オンボード電源と、充電用のコンデンサとが、相互に個別切り替えできるので、異常発生時にペルチェ素子駆動回路に供給する電力を停止でき、ペルチェ素子およびスイッチング素子の破壊が防止でき、性能の向上および価格の低廉化が図れる。
Tr1〜Tr3 スイッチング素子
ZD1 ツェナーダイオード
D1〜D4 整流ダイオード
1,1a,1b,1c スイッチング制御回路
2 Tr制御回路(スイッチング素子制御回路)
2a FET制御回路(スイッチング素子制御回路)
3 電圧比較回路
4 過電圧検出回路
5 コンデンサ(容量性素子,電源2)
10 発光モジュール(伝送光出力回路)
40 H型ブリッジ回路
41,42 フィルタ
50a オンボード電源(独立電源,電源1)
50b ノイズ除去フィルタ
50c 各種回路群
51 温度制御回路
52,52a,52b ペルチェ素子駆動回路
53 レーザーダイオードモジュール
57 レーザーダイオードモジュール
58 サーミスタ
59 ペルチェ素子
60 レーザーダイオード(光源素子)
61 伝送信号生成回路
62a パケット伝送路
62b 光伝送路
63 モニタフォトダイオード
64 レーザー出力制御回路
70 抵抗器
70a ユーザ
70b 光通信ネットワーク
71 ダイオード
Claims (5)
- 駆動電流の方向に応じて光源素子の温度を調節するペルチェ素子を駆動するペルチェ素子駆動回路において、
該駆動電流を平滑した平滑電流を、少なくとも第1の方向又は第2の方向から該ペルチェ素子に供給して駆動させるとともに、上記の第1の方向又は第2の方向に基づいて誘導起電力を発生するブリッジ回路と、
該ブリッジ回路にて発生した該誘導起電力の充電と、充電された蓄積エネルギーの放電とを行なう充放電回路と、
該光源素子の動作状態に基づいて該充放電回路の充電又は放電を制御する充放電制御回路とをそなえて構成されたことを特徴とする、ペルチェ素子駆動回路。 - 該ブリッジ回路が、該駆動電流を平滑し該平滑電流を該ペルチェ素子に供給して駆動させるとともに、該誘導起電力を発生する誘導性素子を含むフィルタを設けるとともに、
該充放電回路が、該フィルタの誘導性素子にて発生した該誘導起電力を再利用するための充電と該蓄積エネルギーの放電とを行なう容量性素子を設けて構成されたことを特徴とする、請求項1記載のペルチェ素子駆動回路。 - 該充放電回路が、さらに、
該誘導起電力を整流する複数の整流ダイオードをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のペルチェ素子駆動回路。 - 駆動電流の方向に応じて光源素子の温度を調節するペルチェ素子を駆動するペルチェ素子駆動回路における、ペルチェ素子駆動方法において、
該駆動電流を平滑して平滑電流とする平滑化ステップと、
該ペルチェ素子駆動回路のブリッジ回路が、該平滑電流を少なくとも第1の方向又は第2の方向から該ペルチェ素子に供給して該ペルチェ素子を駆動する駆動ステップと、
上記の第1の方向又は第2の方向に基づいて誘導起電力を発生する該ブリッジ回路にて発生した該誘導起電力の充電と充電された蓄積エネルギーの放電とを行なう充放電回路が、該駆動ステップにおける該駆動によって発生する該ブリッジ回路の誘導起電力を充電する充電ステップと、
該充電ステップにて充電された該充放電回路が、該光源素子の動作状態に基づいて、蓄積したエネルギーを電源として該ブリッジ回路に対して放電する電源再利用ステップとをそなえたことを特徴とする、ペルチェ素子駆動方法。 - 駆動電流の方向に応じて光源素子の温度を調節するペルチェ素子と、
該光源素子の温度を検出する温度検出素子と、
該駆動電流を該ペルチェ素子に供給するペルチェ素子駆動回路と、
該ペルチェ素子駆動回路から出力される該駆動電流のモニタ信号と、該温度検出素子が検出した該光源素子の温度とのそれぞれに基づいて、該駆動電流の方向および電流値を、該ペルチェ素子駆動回路に入力する温度制御回路とをそなえ、
該ペルチェ素子駆動回路が、
該駆動電流を平滑した平滑電流を、少なくとも第1の方向又は第2の方向から該ペルチェ素子に供給して駆動させるとともに、上記の第1の方向又は第2の方向に基づいて誘導起電力を発生するブリッジ回路と、
該ブリッジ回路にて発生した該誘導起電力の充電と、充電された蓄積エネルギーの放電とを行なう充放電回路と、
該光源素子の動作状態に基づいて該充放電回路の充電又は放電を制御する充放電制御回路とをそなえて構成されたことを特徴とする、伝送光出力回路。
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