JP4470564B2 - 断熱性包装フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷蔵庫等に用いる真空断熱パネルの外装等に使用される断熱性包装フィルムの製造方法に関する。
近年、省エネルギー化の一環として、断熱材の高性能化が図られている。その一例として冷蔵庫等に用いられている断熱材のうち内部を減圧した断熱材(真空断熱パネルと呼ばれる)がある。この断熱材の一例として、その断面図を図10に示す。片面にシーラント層を形成した断熱性フィルム30のシーラント層を内面に設け、断熱コア材料を収容する収容材として、断熱性コア材料31を充填し、真空包装することにより真空断熱パネルCを得る。この断熱性コア材料は、硬質ウレタンフォーム等の合成樹脂発泡体、シリカやパーライト等の粉末を一定の形状に成形した成形体、ケイ酸カルシウム成形体等が使用される。
このうち、断熱性フィルム30に要求される特性として、空気・水分等の透過が小さく、熱伝達率が小さいことがあげられる。そのため、従来は、図11のような構造の断熱性包装フィルムを用いていた。この従来の断熱性フィルムDは、アルミニウム膜42を蒸着したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム41からなるガスバリア層に、例えば、高密度ポリエチレンからなる熱融着層43を接着剤44を用いて貼り合わせたものであり、このガスバリア層で気体の断熱材内部への透過を防止することにより、断熱性の劣化を防止するものであった。しかも、アルミニウム膜42の膜厚が約0.5μmと薄いため、アルミニウム膜42を伝わってのヒートリークも小さく高い断熱性能を有していた。
このような従来の断熱性フィルムでは、アルミニウム膜42を蒸着したPETフィルム41のPET面の赤外線の反射特性を測定すると、波長2〜30μmにおける反射率が約10%と極めて低い。これは、アルミニウム膜42の表面粗度が大きいため、赤外線がアルミニウム膜42の表面で乱反射することに起因する。したがって、従来の断熱性フィルムに赤外線があたった場合、赤外線がアルミニウム膜42の表面で乱反射している間に、PETフィルム41の温度が赤外線のエネルギーによって上昇し、その熱がアルミニウム膜42を伝わってヒートリークし、断熱性を損なうものであった。
そこで、アルミニウム蒸着膜を用いるのではなく、図12のように、PETフィルム41に接着剤44を用いて、PETフィルムに接触する面を研磨によって表面光沢率が70%以上の光沢面としたアルミニウム箔45を接着させたものが提案されている。しかし、この断熱性フィルムのPET面の赤外線の反射特性を測定すると、波長6〜10μmの領域を中心として、数ヵ所の波長領域において反射率が10%以下と極めて低い値を示した。これは、PETフィルムが赤外線を吸収してしまったものと考えられる。すなわち、この断熱性フィルムEにおいては、PETフィルム41による赤外線の吸収のために、アルミニウム箔45の表面光沢率を上げた効果が充分に発揮されていない。
そこで、上記の問題点を解決するために、断熱性フィルムの表面に設ける保護層として用いるプラスチックフィルムによる赤外線の吸収をできるだけ小さくし、赤外線による輻射熱吸収度を最少限に抑えると同時にガスバリア性も保持することを目的で、保護層として赤外線透過物質を用い、赤外線反射層として金属箔を用い、熱融着層と前記保護層と前記赤外線反射層とを接着剤にて接着した、前記3層にガスバリア層も一体化させたものが提案されている。
しかしながら、上記の断熱フィルムにおいても、保護層として赤外線透過物質を用い、赤外線反射層として金属箔を用いたとしても、保護層と金属箔とを積層させる接着剤として通常一般に用いられるウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、エーテル系接着剤は赤外線を吸収するために、これらの接着剤からなる接着剤層で赤外線を吸収して断熱効果が低下するという問題が依然としてある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、アルミニウム箔等の金属箔からなる赤外線反射層と、赤外線透過性プラスチックフィルムからなる保護層とを互いに接着させる接着剤層および保護層での赤外線による輻射伝熱や赤外線の吸収を最小限に抑えるによる断熱性の劣化を防止する、断熱効果およびバリア性に優れる断熱性包装フィルムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、すなわち、
請求項1に係る発明は、
片面にシーラント層を設けた基材のもう一方の面上に、少なくとも金属箔からなる遠赤外線反射層と、赤外線透過性プラスチックフィルムからなる保護層とを順次積層した断熱性包装フィルムであって、前記遠赤外線反射層と保護層とを互いに接着させる接着剤層がパターン状に形成されていることを特徴とする断熱性包装フィルムの製造方法であって、接着剤の塗工方法によって接着剤層がパターン状に形成することを特徴とする断熱性包装フィルムの製造方法である。
請求項2に係る発明は、
前記パターン状接着剤層の面積が、基材の5〜80%であることを特徴とする請求項1記載の断熱性包装フィルムである。
請求項3に係る発明は、
前記パターン状接着剤層の厚さが、0.1〜6μmの範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の断熱性包装フィルムである。
請求項4に係る発明は、
前記金属箔は表面光沢率が70%以上のアルミニウム箔であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の断熱性包装フィルムである。
請求項5に係る発明は、
前記アルミニウム箔は厚みが、10μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の断熱性包装フィルムである。
請求項6に係る発明は、
前記基材とアルミニウム箔、および基材とシーラント層とを互いに接着させる接着剤層がベタ状に全面形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の断熱性包装フィルムである。
<作用>
本発明は上記した構成により、保護層に赤外線透過性のプラスチックフィルムを用い、赤外線反射層に金属箔を用いて、しかも保護層と赤外線反射層とを互いに接着させる接着剤層がパターン状に形成されて、その接着剤層の厚さが0.1〜6μmの範囲で、パターン状接着剤層の面積が基材の5〜80%とすることで、接着剤層での赤外線の吸収が低減されて高い赤外線反射率を得られる。また、金属箔としてアルミニウム箔を用い、特に表面光沢率が70%以上で、適度な厚みのアルミニウム箔であれば、高い赤外線反射率を得
られる。また、金属箔としてアルミニウム箔が高度のガスバリア層として機能することにより真空断熱パネルの外装材として使用したとき、気体の透過を防ぐことができる。
以上のように、保護層として赤外線透過性プラスチックフィルムを用いることにより、断熱性包装フィルム表面より入射する赤外線は、その大部分が保護層を透過して赤外線反射層表面に到達し、アルミニウム箔表面で反射した後、再び保護層および接着剤層を透過してフィルム面より外部に放射されるため、赤外線反射特性が向上する。したがって、輻射伝熱や赤外線の吸収による断熱性の劣化を防止することが可能となる。また、赤外線反射層として表面光沢率の高いアルミニウム箔を用いれば、アルミニウム箔表面での高い赤外線反射率を得ることができるため、結局赤外線波長帯ほぼ全域にわたって高い赤外線反射率を得ることが可能となり、より一層断熱性が向上する。
また、本発明の断熱性包装フィルムを冷蔵庫等に用いる真空断熱パネルの外装材として用いることにより、断熱性保持力の高い、高ガスバリア性を有する真空断熱パネルをの提供が可能となる。
以下、本発明の断熱性包装フィルムの好ましい一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の断熱性包装フィルムの構成の一例を示す断面図である。図1に示すように、本発明の一例としての断熱性包装フィルムAは、片面にシーラント層13を第3の着剤層16を介して設けた基材12のもう一方の面上に、第2の接着剤層15を介してアルミニウム箔等の金属箔からなる赤外線反射層11を積層し、その金属箔からなる赤外線反射層11上に、さらに、第1の接着剤層14を介して赤外線透過性プラスチックフィルムからなる保護層10とを順次積層した断熱性包装フィルムであって、前記赤外線反射層11と保護層10とを互いに接着させる接着剤層14がパターン状に形成されており、基材12とシーラント層13および基材12と金属箔からなる赤外線反射層11とを互いに接着させる第3の接着剤層16および第2の接着剤層15は、ベタ状(全面)に形成されている。
本発明で用いられる基材12は、プラスチック材料であり、たとえば、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルフイルムやポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、エチレン-プロピレン共重合体フイルム等のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン66フイルム、ナイロン6フイルム、メタキシリデンジアミン共重合ポリアミドフイルム等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フイルム、ポリフェニレンフイルム、ポリスルフォンフイルム、ポリフェニレンスルフィッドフイルム等が挙げられる。これらは、機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、延伸されたものでも未延伸のものでも構わない。特に,耐熱性等の観点から二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましく用いられる。また、この基材に、周知の種々の添加剤や安定剤等を添加することもできる。例えば、帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが挙げられる。また、この基材に他の各層を積層する場合の密着性を良くするために、基材の積層面側を前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などのいずれかの処理を施しても良い。
基材12の厚さは、特に制限を受けるものではなく、また、包装材料としての適性を考慮して単体フィルム以外に異なる性質のフィルムを積層したフィルムを使用できる。なお
、他の各層を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmとすることが好ましい。
本発明における赤外線反射層11として用いられる金属箔として、アルミニウム箔が好ましく用いられる。アルミニウム箔は緻密な構造を持つため、高いガスバリア性により、真空断熱パネルの真空度を長期にわたり保持させることを可能とするものである。また、高い赤外線反射特性を示すことから、輻射伝熱による熱伝導の防止用として従来から良く用いられているものである。
アルミニウム箔は、厚さ7μm〜100μmまで様々な厚みの箔が一般に生産されている。このアルミニウム箔は、厚みが薄いほどピンホールができやすく、ピンホールレスのアルミニウム箔は厚みが15μm以上のものである。しかし、厚みが厚くなるとアルミニウムを伝わってのヒートリークが大きくなるため、フィルム厚は熱伝導率の大きさと真空度の経時変化を見比べて決定する必要がある。また、フィルム厚が20μmを越えるとアルミニウム箔の剛性が大きくなり、熱融着時にラミネートフィルムがスプリングバックし融着強度が小さくなったり、ラミネートフィルムにシワができて真空保持性が劣化する原因となったりするので、アルミニウム箔の厚みは20μm以下が望ましい。
本発明で用いられる保護層10を構成する保護フィルムとしては、赤外線透過性のプラスチックフィルムであれば特に限定されない。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、高密度ポリエチレンフィルム、メチルペンテンポリマーフィルム等が使用することができる。特に、メチルペンテンポリマーフィルムが好ましい。
保護フィルムからなる保護層10の厚さは、用いる素材にもよるが、3〜30μmの範囲が好ましい。3μm未満では、積層の際に貼り合わせ難く、また、30μmよりも厚いと赤外線による熱線吸収度が大きくなり、さらには経済的な面からも好ましくない。
本発明で用いられるシーラント層13としては、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、環状ポリオレフィン、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレンもしくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、フッ素樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することができる。なお、本発明において、上記のような樹脂を使用して熱可塑性樹脂層の2層を形成する際に、同種の樹脂、あるいは、異種の樹脂を組み合わせて形成することができ、具体的には、例えば、同種のポリエチレン系樹脂を使用して形成してもよく、また、異種のポリエチレン系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体、または、ポリエチレン系樹脂とエチレン−メタクリル酸共重合体とを使用して形成することもできる。
本発明の断熱性包装フィルムを構成する各基材を積層する第1、2、3の接着剤層14、15、16に用いられる接着剤としては、ラミネ−ト用接着剤によるラミネ−ト用接着剤層を介して積層するドライラミネ−ション法等で行うことができる。上記において、ラミネ−ト用接着剤としては、例えば、1液、あるいは、2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエ−テル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のラミネ−ト用接着剤を使用することができる。なお、本発明においては、上記の
ラミネ−ト用接着剤には、例えば、シランカップリング剤等の接着促進剤を任意に添加することができる。
本発明において、上記の接着剤を用いてアルミニウム箔等の金属箔からなる赤外線反射層11と保護層10とを互いに接着させる第1の接着剤層14がパターン状に形成することを特徴とするものであり、パターン状に形成する方法としては、上記の接着剤を使用してグラビア塗工機、あるいはアニロックスローラーを介してゴム版による塗工機、またはロータリースクリーンを使用する塗工機等を用いた公知の塗工方法によりパターン状に第1の接着剤層14を形成するパターン状の第1の接着剤層14の場合は、その接着剤層14の厚さが、0.1〜6μmの範囲が望ましい。
パターン形状としては、特に限定されず、例えば、図2〜図7に示すような単位形状を例示することができる。1種の単位パターンのみだけでなく2種以上の単位パターンを組み合わせても有効である。
パターンの面積としては、基材に対して5〜80%の範囲の中で要求される接着強度や使用する接着剤の種類に応じて適宜選択される。
また、基材12とシーラント層13および基材12と金属箔からなる赤外線反射層11とを互いに接着させる第3の接着剤層16および第2の接着剤層15は、ベタ状(全面)に形成してよい。
上記のラミネ−ト用接着剤を用いてベタ状(全面)に形成する方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、リバ−スロ−ルコ−ト法、フォンテン法、トランスファ−ロ−ルコ−ト法、その他等の方法で塗布することができ、その塗布量としては、0.1〜10g/m2(乾燥状態)位、より好ましくは、1〜5g/m2(乾燥状態)位が望ましい。
上記で得られる本発明の断熱性包装フィルムを真空断熱パネルの外装材として使用した真空断熱パネルの一例を説明する。
図8に示すように、片面にシーラント層を形成した本発明の断熱性包装フィルムAのシーラント層を内面に設け、断熱コア材料を収容する収容材として、断熱性コア材料bを充填し真空包装することにより真空断熱パネルBを得る。この断熱性コア材料は、合成樹脂発泡体、シリカやパーライト等の粉末を一定の形状に成形した成形体、ケイ酸カルシウム成形体等が使用される。
外装材料としての断熱性包装フィルムの厚みは、真空維持性能や機械的強度、加圧圧縮時の変形性などを考慮して設定され、通常は50〜150μm程度のものが好ましい。外装材料としての断熱性包装フィルムは、予め袋状あるいは容器状など、真空断熱性コア材料として合成樹脂発泡体を収容し易い形態に加工されたものであってもよいし、平坦なシート状のままで用意され、合成樹脂発泡体を収容する際に、合成樹脂発泡体を包んで使用するようにしてもよい。
真空断熱性コア材料として合成樹脂発泡体の内部空間を真空化し易く、断熱性に優れた連続気泡の発泡体が好ましい。内部空間を真空にしても気泡が崩れない形状維持性を有しているものが好ましい。具体的には、連続気泡の硬質ポリウレタン発泡体が好ましい材料となる。合成樹脂発泡体の密度は40〜100kg/m3程度が好ましく、平均気泡径は100μm程度以下のものが好ましい。合成樹脂発泡体は、予めブロック状あるいは板状に発泡成形されたものを、外装材料としての断熱性包装フィルムに収容可能な寸法形状に
裁断して使用することができる。
合成樹脂発泡体の形状は、真空断熱材として一般的な矩形状のもののほか、用途に合わせて、円板状その他の異形状、部分的に凹凸のある形状などでもよい。合成樹脂発泡体の寸法は、15〜70mm程度のものが好ましい。合成樹脂発泡体の厚みは、最終的に必要とされる真空断熱材における合成樹脂発泡体の厚みに対して、加圧圧縮による目減り分を考慮した厚みに設定しておく。
外装材料としての断熱性包装フィルムへの合成樹脂発泡体の収容、内部空間の脱気による真空化、および、可撓性収容材の密封は、通常の真空断熱材の製造技術と同様に行われる。具体的には、合成樹脂発泡体を真空吸引口となる部分を除いて外装材料としての断熱性包装フィルムで覆い、真空吸引口から外装材料としての断熱性包装フィルムの内部空間の空気を排出する。外装材料としての断熱性包装フィルムの内部空間を脱気すると、外装材料としての断熱性包装フィルムが合成樹脂発泡体の外形に密着するまで内部空間が狭くなったあと、合成樹脂発泡体に外装材料としての断熱性包装フィルムが密着した状態で合成樹脂発泡体の内部の空気が排出されて真空状態になる。所定の真空度が達成されれば、真空吸引口を封鎖して、外装材料としての断熱性包装フィルムを密封する。
内部空間の真空度は、要求される断熱性能によっても異なるが、通常0.1〜1.0Torrに設定される。外装材料としての断熱性包装フィルムの密封は、外装材料としての断熱性包装フィルムに設けたシーラント層の熱融着による接着などが採用される。
合成樹脂発泡体が収容された外装材料としての断熱性包装フィルムを加圧して加圧圧縮する。加圧装置は、通常のプレス装置が使用できる。加圧装置には、外装材料としての断熱性包装フィルムの形状に対応する加圧型を備えておくことができる。加圧圧力は、5kg/cm2程度が好ましい。加圧と同時に加熱することもできる。加圧によって、外装材料としての断熱性包装フィルムに収容された合成樹脂発泡体は、主に厚み方向に圧縮される。合成樹脂発泡体が永久変形を起こすまで圧縮する必要がある。外装材料としての断熱性包装フィルムの内部空間は、実質的に空気が存在しない真空状態なので、密封されていても、合成樹脂発泡体の変形に合わせて容易に圧縮される。
以下、本発明の実施例につて説明する。
<フィルム材料>
・ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[東洋紡績株式会社製「E5200」]
・アルミニウム箔(AL)フィルム[昭和電工株式会社製]
・ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム[帝人デュポンフィルムテフレックス社製]
・未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム[東洋紡績株式会社製「P1146」]
<接着剤>
・ポリウレタン系ドライラミネート接着剤(三井武田ケミカル社製「A310」および「A10」をA310/A10=10/1混合したもの)
上記のフィルム材料および接着剤を用いて、下記に示す構成の本発明の断熱性包装フィルムを作成した。なお、第1の接着剤層は、図3に示すパターン形状を適用し、接着剤の塗布厚みは3μmで、基材に対する接着剤着肉面積比率を20%とした。また、第2、3の接着剤層はベタ状に全面に形成した。
保護層(PET12)/第1接着剤層(パターン)/赤外線反射層(AL20)/第2
接着剤層(ベタ)/基材(PEN12)/第3接着剤層(ベタ)/シーラント層(CPP60)[上記の()内基材の数値は、基材の厚さ(μm)を表す。]
なお、
実施例1において、第1の接着剤層の形状パターンを図4に示した形状パターンを適用し、基材に対する接着剤着肉面積比率を45%とした以外は実施例1と同様にして本発明の断熱性包装フィルムを作成した。
本発明の実施例1および2と性能を比較するために、第1の接着剤層をベタ塗布して、基材に対する接着剤着肉面積比率を100%とした以外は実施例1と同様にして断熱性包装フィルムを作成した。
本発明の実施例1および2と性能を比較するために、接着剤の塗布厚み1μmで、第1接着剤層をベタ塗布して、基材に対する接着剤着肉面積比率を100%とした以外は実施例1と同様にして断熱性包装フィルムを作成した。
上記で得られた断熱性包装フィルムについて下記に示す方法に基づいて赤外線反射率および保護層と赤外線反射層とをお互いに接着する接着剤層間のラミネート強度を測定した。その結果を表1に示す。
<赤外線反射率の測定法>
赤外測定装置(日本電子製JIR−5500型FT−IR)を使用して下記の手順で赤外線反射率を測定した。赤外測定装置の概略を図9に示す。(a)は上面図、(b)は側面図である。
1)試料20を試料ステージ21(加熱部)にセットし、試料表面およびステージ表面に温度センサー24,23を付けて、試料表面が150±1℃になるように温度調節する。
2)温度が安定してから、初めに標準黒体について放射測定を行い、次いで試料の放射測定を行う。
3)標準黒体検量線から試料の放射率、積分放射率、放射輝度を求める。
測定条件は、下記に示す。
・赤外放射ユニット:日本電子製IR−IRR200
・標準黒体温度:40℃、160℃
・分解能:16cm―1
・スキャン:200回
・測定波長領域:2.5〜25μm
・試料アパーチャー:10mmφ
<ラミネート強度の測定法>
第1のパターン状接着剤層部分を15mm巾にカットし、引張り速度300mm/minの条件で第1の接着剤層のラミネート強度を測定した。ラミネート強度の値は、最大値と最小値の平均値で表した。
次に、上記で得られた断熱性包装フィルムを外装材として用いて、真空断熱コア材(グラスウール製)を収納・密封して、サイズ300×150×150cmの真空断熱パネルを作成し、パネルの外側の温度を100℃に保持し、1時間後のパネルの断熱材内外温度差、および下記に示すゲルボテスター試験による破損(フィルムめくれ)の有無を評価した。その結果を表1に示す。
<ゲルボフレックステスター試験法>
ASTM F392―93(1999)に準拠して、テスター産業株式会社製ゲルボフレックステスターを使用して20℃×60%RH雰囲気下において500回の条件で試験後、ポンホールや第1の接着剤層の剥離を目視観察した。剥離が観察された場合を「フィルムのめくれ」と表現した。
Figure 0004470564
表1には、各実施例についての赤外放射率、断熱材内温度差、ラミネート強度、フィルムめくれ発生袋数、および総合評価を記してある。
表1から、実施例1、2で得られた本発明の断熱性包装フィルムは、本発明の比較例としての実施例3、4で得られた断熱性包装フィルムとしての断熱効果が優れており、このことは、保護層に赤外線透過性のプラスチックフィルムを用い、赤外線反射層に金属箔を用いて、しかも保護層と赤外線反射層とを互いに接着させる接着剤層がパターン状に形成されて、その接着剤層の厚さが0.1〜6μmの範囲で、パターン状接着剤層の面積が基材の5〜80%とすることで、接着剤層での赤外線の吸収が低減されて高い赤外線放射率が得られたものである。また、総合評価の結果、実施例1、2で得られた本発明の断熱性包装フィルムは、真空断熱パネル等の外装材として十分実用性のあるものであることが確認された。
本発明の断熱性包装フィルムの構成の一例を示す断面図である。 本発明の断熱性包装フィルムを構成する保護層と赤外反射層とを互いに接着する接着剤層の一実施例としてのパターン形状である。 本発明の断熱性包装フィルムを構成する保護層と赤外反射層とを互いに接着する接着剤層の一実施例としてのパターン形状である。 本発明の断熱性包装フィルムを構成する保護層と赤外反射層とを互いに接着する接着剤層の一実施例としてのパターン形状である。 本発明の断熱性包装フィルムを構成する保護層と赤外反射層とを互いに接着する接着剤層の一実施例としてのパターン形状である。 本発明の断熱性包装フィルムを構成する保護層と赤外反射層とを互いに接着する接着剤層の一実施例としてのパターン形状である。 本発明の断熱性包装フィルムを構成する保護層と赤外反射層とを互いに接着する接着剤層の一実施例としてのパターン形状である。 本発明の断熱性包装フィルムを外装材とする真空断熱パネルの一例を示す断面図である。 断熱性包装フィルムの赤外線放射率を測定する赤外線測定装置を説明する説明図である。(a)は、上面図である。(b)は、側面図である。 従来の真空断熱パネルの一例を示す断面図である。 従来の真空断熱パネルの外装材に使用される断熱性ラミネートフィルムの一例を示す断面図である。 従来の真空断熱パネルの外装材に使用される断熱性ラミネートフィルムの他の例を示す断面図である。
符号の説明
10・・・保護層
11、45・・・金属箔層(アルミニウム箔層)
12・・・基材層
13、43・・・シーラント層
14・・・第1の接着剤層
15・・・第2の接着剤層
16・・・第3の接着剤層
20・・・試料
21・・・加熱ステージ
22・・・試料固定具およびネジ
23・・・加熱ステージ用温度センサー
24・・・試料表面用温度センサー
30・・・外装材(断熱性フィルム)
31・・・コア材
41・・・ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)層
42・・・アルミニウム蒸着膜
44・・・接着剤層
A・・・断熱性包装フィルム
B、C・・・真空断熱パネル
D、E・・・断熱性ラミネートフィルム

Claims (6)

  1. 片面にシーラント層を設けた基材のもう一方の面上に、少なくとも金属箔からなる遠赤外線反射層と、赤外線透過性プラスチックフィルムからなる保護層とを順次積層した断熱性包装フィルムであって、前記遠赤外線反射層と保護層とを互いに接着させる接着剤層がパターン状に形成されていることを特徴とする断熱性包装フィルムの製造方法であって、接着剤の塗工方法によって接着剤層がパターン状に形成することを特徴とする断熱性包装フィルムの製造方法
  2. 前記パターン状接着剤層の面積が、基材の5〜80%であることを特徴とする請求項1記載の断熱性包装フィルムの製造方法
  3. 前記パターン状接着剤層の厚さが、0.1〜6μmの範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の断熱性包装フィルムの製造方法
  4. 前記金属箔は表面光沢率が70%以上のアルミニウム箔であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の断熱性包装フィルムの製造方法
  5. 前記アルミニウム箔は厚みが、10μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の断熱性包装フィルムの製造方法
  6. 前記基材とアルミニウム箔、および基材とシーラント層とを互いに接着させる接着剤層がベタ状に全面形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の断熱性包装フィルムの製造方法
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