JP4470076B2 - リブ付ヘルメットの保護具用保持クリップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工場や建築現場等で使用される防塵用のゴーグルや防災・耐熱用のフェイスシールド等の保護具をリブ付ヘルメットから外れ落ちないように止めておくための保持クリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、工場や建築現場等で使用される防塵用のゴーグルや防災・耐熱用のフェイスシールド等の保護具は、作業者が通常着用している防災ヘルメットに着脱自在として取り付けられている。すなわち、このような保護具は、通常は作業者が着用している防災ヘルメットから外されており、塗装作業や溶接作業等の特定の作業をするときのみ防災ヘルメットと併用される。そして、このような保護具を防災ヘルメットと併用する場合には、防災ヘルメットからその保護具が外れ落ちないように、保持クリップによって防災ヘルメットに取り付けている。
【0003】
ところで、作業者が着用している防災ヘルメットには、通常「MP型」と称されるものが存在するが、近年ヘルメットの強度性を高めるため、ヘルメットの下周端を折り返してリブを形成したリブ付ヘルメットが広く用いられている。
【0004】
「MP型」と称されるヘルメットでは、ヘルメットの下周端が折り返されていないため、この部分は出っ張ることなく前記保護具をこのヘルメットから外れ落ちないようにしておくための保持クリップは、金属板を単に折り曲げた挟持部によってヘルメットの下周端に安定して取り付けられた状態を維持することができる。
【0005】
ところが、リブ付ヘルメットでは、ヘルメットの下周端が折り返されているため、この部分が出っ張り、前記保護具の保持クリップは、金属板を単に折り曲げた挟持部だけではヘルメットの下周端を堅固に挟持することができず、挟持部に締付け用ネジを取り付け、このネジを締め付けることにより、ヘルメットの下周端に安定して取り付けられた状態を維持することができるようにしている。
【0006】
また、リブ付ヘルメットの保護具用保持クリップとしては、金属板を単に折り曲げるのではなく、例えば特許第2741151号公報に示された図9のようなうな、基部21の下端を水平方向に折り曲げて張出部22とし、さらにこの張出部22の突端から基部21の内面側に略半円状に折り曲げて湾曲部23とした保持部24を形成したものとし、ヘルメットの下周端を折り返して形成したリブの外周に添わせて取り付けるようにしたものが存在する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ヘルメットの保護具用保持クリップでは、リブ付ヘルメットの下周端に安定して取り付けられた状態を維持するには、挟持部に締付け用ネジを取り付けなければならず、このネジを締め付ける操作が面倒であるという課題を有していた。
【0008】
また、上記リブ付ヘルメットの保護具用保持クリップでは、基部21の下端に形成した保持部24を、ヘルメットの下周端を折り返して形成したリブの外周に添わせているだけであるので、このリブによるヘルメットの下周端からの出っ張り幅が標準のものより小さかったり大きかったりすると保持力にばらつきが生じ、リブ付ヘルメットの下周端に安定して取り付けられた状態を維持することができないという課題を有していた。
【0009】
そこで、この発明は、上記従来の課題を解決するものであり、リブ付ヘルメットの保護具用保持クリップにおいて、ネジを締め付けるというような面倒な操作をしないでも、またリブによるヘルメットの下周端からの出っ張り幅が標準のものより小さかったり大きかったりしても、ヘルメットの下周端に安定して取り付けられた状態を維持することができる保護具用保持クリップを提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そのため、この発明のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップは、ヘルメットHの下周端を折り返して形成されたリブLを挟むように断面略U字状に折り曲げた挟持部1を形成し、この挟持部1の内側端1aに、前記リブLの内壁とヘルメットHの外壁Haにより形成されたリブ溝Laに嵌まる屈曲部2を形成し、さらにヘルメットHの外壁Haをその先端部で押圧すると共に、ヘルメットHの外壁Haとの間に空間部Sを形成するようにした係止部4を形成した一枚の弾性板からなるものとしている。
そして、この発明のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップは、前記挟持部1を前記リブLに押し当てると共に、前記屈曲部2を前記リブ溝Laに押し込むことにより、前記挟持部1が前記リブLを挟み、前記屈曲部2が前記リブ溝Laに嵌まり、さらに前記係止部4の先端部が前記外壁Haを押圧した状態で、前記弾性板がヘルメットHに取り付けられるようにしている。
【0011】
さらに、この発明のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップは、前記係止部4に装着孔6を設けたものとしている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1、2は、この発明のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップCの第一の実施の形態を示し、図3、4は、この発明のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップCの第二の実施の形態を示している。何れの実施の形態においても、この発明のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップは、一枚の弾性板からなり、図2、4に示すように、ヘルメットHの下周端に形成されたリブLを挟むように断面略U字状に折り曲げた挟持部1を形成し、この挟持部1の内側端1aに、前記リブLの内壁とヘルメットHの外壁Haにより形成されたリブ溝Laに嵌まる屈曲部2を形成し、さらにこの屈曲部2に移行部3を介して、ヘルメットHの外壁Haをその先端部で押圧すると共に、ヘルメットHの外壁Haとの間に空間部Sを形成するようにした係止部4を一体として形成したものとしている。
【0014】
弾性板としては、通常、薄鋼板が使用されるが、合成樹脂板としてもよい。そして、挟持部1の外側端1bには、補強用のリブ5を設けることができ、係止部4の先端には湾曲部4aを設けたものとしている。
【0015】
さらに、この発明のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップの第二の実施の形態においては、前記係止部4に装着孔6を設けたものとしている。
【0016】
以上のように構成されるこの発明の保護具用保持クリップは、挟持部1または係止部4を指で摘まみ、挟持部1をヘルメットHの両側部近辺のリブLに押し当てると共に、屈曲部2をヘルメットHのリブ溝Laに押し込むだけで、前記図2、4に示したように、挟持部1がヘルメットHのリブLを挟み、屈曲部2がヘルメットHのリブ溝Laに嵌まり、さらに係止部4の先端部がヘルメットHの外壁Haを押圧した状態でヘルメットHに取り付けられるので、ヘルメットHの下周端に安定して取り付けられた状態を維持することができる。なお、リブLによるヘルメットの下周端からの出っ張り幅Wが標準のものより小さかったり大きかったりしても、前記係止部4の先端部はヘルメットHの外壁Haを押圧した状態となっているので、この発明の保護具用保持クリップは、ヘルメットHの下周端に安定して取り付けられた状態を維持することができる。
【0017】
そして、このような状態でこの発明の保護具用保持クリップが取り付けられたヘルメットHには、次のようにしてゴーグルGが取り付けられたり、フェイスシールドFが取り付けられる。
【0018】
ゴーグルGは、図5、6に示したように、その装着バンド11をヘルメットHの下周部に装着すると共に、保護具用保持クリップCの空間部Sに挿入し、係止部4の湾曲部4aの内側に引っ掛けておくことにより、ヘルメットHに取り付けておけば、ヘルメットHを着用しての作業中にゴーグルGが外れ落ちることがない。
【0019】
フェイスシールドFは、図7、8に示したように、保護具用保持クリップCの装着孔6にフェイスシールドFの上端取付枠12の止めネジ13をねじ込むことにより、ヘルメットHに取り付けておけば、ヘルメットHを着用しての作業中にフェイスシールドFが外れ落ちることがない。
【0020】
【発明の効果】
この発明のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップは、以上に述べたように構成されているので、ネジを締め付けるというような面倒な操作をしないでも、またリブによるヘルメットの下周端からの出っ張り幅が標準のものより小さかったり大きかったりしても、ヘルメットの下周端に安定して取り付けられた状態を維持することができるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップの第一の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す保護具用保持クリップをリブ付ヘルメットに取り付けた状態を示す断面図である。
【図3】この発明のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップの第二の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】図3に示す保護具用保持クリップをリブ付ヘルメットに取り付けた状態を示す断面図である。
【図5】図1に示す保護具用保持クリップを取り付けたリブ付ヘルメットにゴーグルを装着した状態を示す斜視図である。
【図6】図5示す保護具用保持クリップの湾曲部の内側とゴーグルの装着バンドとの引っ掛かり具合を示す断面図である。
【図7】図3に示す保護具用保持クリップを取り付けたリブ付ヘルメットにフェイスシールドを装着した状態を示す斜視図である。
【図8】図7示す保護具用保持クリップの係止部とフェイスシールドの上端取付枠とのネジ止め具合を示す断面図である。
【図9】従来のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 挟持部
1a 内側端
2 屈曲部
4 係止部
6 装着孔
H ヘルメット
Ha 外壁
L リブ
La リブ溝
S 空間部

Claims (3)

  1. ヘルメット(H)の下周端を折り返して形成されたリブ(L)を挟むように断面略U字状に折り曲げた挟持部(1)を形成し、この挟持部(1)の内側端(1a)に、前記リブ(L)の内壁とヘルメット(H)の外壁(Ha)により形成されたリブ溝(La)に嵌まる屈曲部(2)を形成し、さらにヘルメット(H)の外壁(Ha)をその先端部で押圧すると共に、ヘルメット(H)の外壁(Ha)との間に空間部(S)を形成するようにした係止部(4)を形成した一枚の弾性板からなることを特徴とするリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップ。
  2. 前記挟持部(1)を前記リブ(L)に押し当てると共に、前記屈曲部(2)を前記リブ溝(La)に押し込むことにより、前記挟持部(1)が前記リブ(L)を挟み、前記屈曲部(2)が前記リブ溝(La)に嵌まり、さらに前記係止部(4)の先端部が前記外壁(Ha)を押圧した状態で、前記弾性板がヘルメット(H)に取り付けられるようにしたことを特徴とする請求項1記載のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップ。
  3. 前記係止部(4)に装着孔(6)を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のリブ付ヘルメットの保護具用保持クリップ。
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