JP4470037B2 - アキシャルギャップ回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ、ジェネレータ等の回転電機に関し、特に円盤状の回転子と固定子を軸線方向に対向させたアキシャルギャップ回転電機に関する。
円盤型の回転子に対して、回転子の軸線方向の端面に空隙を挟んで固定子を対向させて配置したいわゆるアキシャルギャップモータは従来から知られている。このモータは、軸線方向で対向した回転子と固定子の表面間で作用する磁力により回転駆動力を得るものである。アキシャルギャップモータは、在来の円筒状の回転子とその周面を取巻く環状の固定子とで構成されるいわゆるラジアルタイプのモータに対して、軸線方向の厚みを小さくできるという長所がある。
従来知られているアキシャルギャップモータの回転子としては、固定子と対向する端面に磁性体部材により凹凸を形成したリラクタンス型、又は固定子の回転駆動磁極に対応したN極及びS極を有する永久磁石型、若しくは導体棒を半径方向に配列した誘導体型がある(特許技術文献1、段落0022参照)。そして、この特許文献1に開示のモータでは、1つの回転子とそれを挟む一対の固定子で薄型のモータを構成すべく、回転子の片面に突極を配置し、他方の面に永久磁石を回転子軸方向に着磁面(磁極)を向けて配置し、突極を有する面でリラクタンストルクを発生させ、永久磁石を有する面で永久磁石トルクを発生させる構成が採られている。
特開平10−80113号公報
ところで、出願人は、回転子の1つの面に鉄心と永久磁石を周方向に交互に配置し、永久磁石は、その着磁面を回転子周方向に向けて配置する構成を創案した。これによると、回転子の1つの面でリラクタンストルクと永久磁石トルクを発生可能とすることができる。したがって、この構成によると、前記特許文献1に記載の構成(以下、従来例という)に比べ、1つの回転子面で発生できるトルクを大きくすることができ、従来例のアキシャルギャップモータより高トルク化が可能となる。
しかしながら、前記のように永久磁石の着磁面を回転子周方向に向けた構成では、永久磁石による磁路は、永久磁石に隣接する鉄心を通ることになる。その結果、回転子の外周側と比べて内周側では磁路の幅が狭くなり、外周と内周で磁路が不均一となる。このように、磁路が内周で狭く、外周で広いと、永久磁石から生じる磁束ベクトルは周方向でなく、外周を向くようになる。そして、磁束ベクトルに回転子半径方向成分が生じると、その成分は、回転子を回転させる駆動力に寄与しないので、永久磁石の磁力を充分にトルクに反映できないことになる。
更に、永久磁石の着磁面を回転子周方向に向けた構成では、鉄心部での内周側の磁路が狭いので、内周側では、磁束密度が大きくなり過ぎてしまい、鉄心の材料である電磁鋼板の特性により磁気飽和を引き起こす。このように磁気飽和が発生すると、磁石の量(体積)に対する磁束量が低下することとなって、永久磁石の有効活用ができなくなり、重量の増加やコストアップなどの問題が発生する。
なお、前記従来例では、永久磁石は着磁面が回転子軸方向を向いており、着磁面の一方には磁路を形成するバックヨークがあるため、上記のような問題は生じないが、永久磁石の磁極が回転軸方向を向いているため、出願人の創案に係る前記構成ほどの高トルクを出力することはできない。
本発明は、前記のように永久磁石の着磁面を回転子周方向に向けることで、高トルクを出力可能なアキシャルギャップ回転電機において、回転子の鉄心における磁束密度を回転子径方向にほぼ一定にすると共に、鉄心の磁気飽和を防ぐことで、永久磁石の大きさに対するトルク出力を向上させることを主たる目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、回転子(1)と固定子(2)とが軸線方向において空隙を挟んで対向させられ、前記回転子に永久磁石(11)及び鉄心(12)が配置され、永久磁石トルク及びリラクタンストルクを発生可能としたアキシャルギャップ回転電機において、前記永久磁石が、着磁面(11a,11b)が回転子の周方向に向くように配置され、前記鉄心が、回転子の周方向において前記永久磁石と交互に配置され、前記回転子の径方向外側における磁束(Φ)の量が、回転子の径方向内側における磁束の量より多く設定されることを主要な特徴とする。
前記の構成において、前記回転子の径方向外側における磁束(Φ)の量が、回転子の径方向内側における磁束の量より多く設定される構成は、回転子の径方向における前記永久磁石の単位長さ当たりの断面積(S)を、回転子の内周側より外周側で大きくすることによって実現される。
また、前記の構成において、前記回転子の径方向外側における磁束(Φ)の量が、回転子の径方向内側における磁束の量より多く設定される構成は、回転子の径方向位置ごとの前記永久磁石の起磁力(F)を、回転子の内周側より外周側で大きくすることによっても実現される。
さらに、前記の構成において、前記回転子の径方向外側における磁束(Φ)の量が、回転子の径方向内側における磁束の量より多く設定される構成は、前記回転子の径方向位置ごとの前記永久磁石の着磁面における磁束密度(B)を、回転子の内径側より外径側で大きくすることによっても実現される。
前記のように、磁束の量の調整を断面積によって行う場合、前記回転子の軸線方向における前記永久磁石の厚さが、回転子の外径側に対して内径側で薄くされる構成とされる。その場合、前記永久磁石は矩形断面を有し、回転子の周方向における前記永久磁石の幅が一定にされる構成とすることができる。
また、前記のように、磁束の量の調整を起磁力によって行う場合、回転子の周方向における前記永久磁石の幅が、回転子の外径側に対して内径側で小さくされる構成とされる。
そして、前記のように、磁束の量の調整を着磁量で行う場合、回転子の径方向における前記永久磁石の着磁量が、回転子の外径側に対して内径側で少なくされる構成とされる。
したがって、いずれの場合においても、前記回転子の鉄心における磁束密度を、回転子の径方向にほぼ一定にすることが望ましい。
本発明のアキシャルギャップ回転電機によれば、前記回転子の径方向外側における磁束(Φ)の量を、回転子の径方向内側における磁束の量より多く設定することによって、回転子の径方向において回転子の鉄心における磁束密度をほぼ一定にすることができるだけでなく、コアの磁気飽和を防ぐことができる。したがって、永久磁石の大きさに対するトルク出力を向上させることができる。
本発明において、回転子の鉄心における磁束密度を、回転子径方向にほぼ一定とすることが望ましい。この設定が有効である理由を次に説明する。
図1は回転子を固定子と対峙する面から見た部分平面図である。図示するように、鉄心12における、図中の細かい点で塗りつぶした部分A,Aの面積は、外径側ほど大きくなる。着磁面を周方向に向けて配置し、かつ磁石と鉄心を周方向に交互に配置した回転子では、永久磁石から発生した磁束は鉄心12を通ることになる。ここで、鉄心は概ね扇型形状となるので、符号Aで示す部分(径方向外側)の、径方向微小長さdWにおける周方向長さ(磁路幅)Wは、符号Aで示す部分(径方向内側)の径方向微小長さdWにおける周方向長さ(磁路幅)Wより大きいことになる。
鉄心中の磁束密度は、磁路幅に反比例するので、永久磁石11の着磁面(11a、11b)における磁束密度が半径方向によらずに一定で、永久磁石11の回転子軸線方向(紙面に垂直な方向)の厚さも一定ならば、鉄心における磁束密度は符号Aで示す部分(回転子半径方向外側)より符号Aで示す部分(回転子半径方向内側)の方が大きくなる。
このように鉄心の周方向の磁路幅(鉄心の周方向長さ)がその半径位置によって変化すれば、磁束密度は半径方向に粗密を生じ、実際には磁束密度は粗の方へシフトする。すなわち、永久磁石11から発生する磁束密度ベクトルは、半径方向の成分を生じることとなる。この磁束密度の半径方向成分は回転子を回転させる力に寄与しないので、その分の磁力は無駄となる。そこで、前記のように半径方向微小長さdWにおける鉄心内での磁束密度を半径方向によらず一定とする設定が有効となる。
本願発明は、径方向外側における磁束の量を径方向内側における磁束の量より大きく設定した永久磁石を回転子に備えることを特徴とする。鉄心における磁束密度は永久磁石が発生する磁束の量に比例するので、回転子外側では、回転子内側より長い磁路幅による磁束密度の減少を、永久磁石が発生する磁束の量を多くすることで相殺する。これにより鉄心内の磁束密度を半径方向にほぼ一定にすることができ、すなわち永久磁石11から発生する磁束ベクトルを全て周方向を向くようにすることができ、永久磁石11の磁力を効率よくトルクとして利用できることになる。
ここで、回転子外側で永久磁石が発生する磁束の量を多く設定するには、例えば、(a)永久磁石の軸方向厚さを内径側より外径側で厚くする、(b)永久磁石の周方向幅を内径側より外径側で大きくする、(c)永久磁石の着磁量を内径側より外径側で多くする、(d)永久磁石の起磁力を内径側より外径側で大きくする、ことにより達成できる。
さらに、回転子の永久磁石が径方向に一様な磁束を発生する場合、径方向外側では鉄心の磁路幅が大きいので鉄心内で磁気飽和を起こさなくとも、回転子径方向内側では、磁路幅が小さいので磁気飽和を起こす可能性がある。これに対して本発明では、回転子鉄心内の磁束密度を径方向に一定にすることができる。すなわち鉄心内で磁気飽和を生じさせることがない。従って本発明によれば、回転子鉄心内で磁気飽和を生じさせることがないので、永久磁石の磁力を有効に回転駆動力に利用することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。図2〜図4は実施例1を示す。この実施例は、回転子1の径方向外側における磁束の量を、径方向内側における磁束の量より多くする構成を、永久磁石(以下実施例の説明において磁石という)11の回転子径方向単位長さ(前記dW)当たりの断面積(S)を内周側より外周側で大きくすることにより実現したものである。より具体的には、この例における磁石11は、回転子1の軸線方向(紙面奥方向)にみた厚さを、回転子外径側に対して内径側で薄くした構成とされている。
図2は回転子を固定子と対峙する面側からみた模式平面図、図3は図2のA−A’模式断面図、図4は図2のB−B’及びC−C’模式断面図である。図2に示すように、この例における回転子1には、磁石11と鉄心12が配置されている。磁石11は、着磁面11a,11bを回転子周方向に向け、かつ、図4に示すように、同極、すなわちN極同士とS極同士を互いに向かい合わせにして配置され、鉄心12は、磁石11と回転子周方向に交互に配置されている。磁石11は、回転子周方向の幅が一定な矩形断面の棒状とされている。
図3に示すように、各磁石11は、着磁面の面積を内周側より外周側で大きくすべく、外径側に対して内径側の厚さ(回転子軸線方向長さ)が薄くされている。すなわち、磁石11は、最外径側(図において左側)の厚さを鉄心12の厚さと同等とし、外径側から内径側に行くにしたがって表面11cが鉄心12の表面12aから離れて、背面12bと面一な背面11dに近付く方向に傾斜することで、厚さが薄くされている。なお、リラクタンストルクを確保するために、回転子鉄心12の厚さは、内外径ともに同じとする。
この実施例の構成によると、磁路幅をW、磁石厚さをdとすると、鉄心12の固定子に対峙する面における、回転子半径方向微小長さdWの範囲での鉄心12の磁束密度Bは、磁石着磁面11a,11bでの磁束密度をkとして
B=k(d・dW/W・dW)
の関係にある。ここでd・dWは磁石11の半径方向微小長さdWと回転子厚さ方向長さdの積で面積を表す。したがってk・d・dWはその面積の着磁面が発生する磁束の量を表す。その磁束量が、鉄心12の回転子面の半径方向微小長さdW、周方向の磁路幅Wを通過するので,磁束密度Bは上式となる。
いま、図4に示すように、外径側の磁路幅をW、磁石厚さをdとすると、外径側鉄心の磁束密度は
=k(d/W
となり、内径側の磁路幅をW、磁石厚さをdとすると、鉄心における内径側の磁束密度は
=k(d/W
となる。したがって、これら磁束密度の比B/B=(d/d)・(W/W) であり、磁路幅の比(W/W)<1であるから、内径側と外径側の磁束密度が同等となるためには、磁石厚さの比(d/d)>1でなければならない。したがって、この実施例では、内径側の磁石厚さを外径側に比べて小さくしている。
この構造では、磁路幅Wはその半径に比例するので、磁石11の回転子軸方向の厚さdを半径に比例して大きくなるようにすれば、この磁石厚さの比は、内径側で、鉄心部での磁気飽和が起きなくなる程度に、内径側の磁束を減らすことに利用される。そして、更にこの磁石厚さの比を所定の値に設定することで、内径側と外径側の磁束密度を同等にし、磁束ベクトルを全て周方向に向けることができる。
次の図5及び図6は、磁路幅と鉄心部における磁束密度の関係をグラフ化して示す。図5は、磁石の磁束密度を一定とした場合を示し、この場合、磁石としては、本来回転子の内径側においても鉄心に図に1点鎖線で示すようなリニアな磁束密度を生じさせることができるはずであるが、内径側において磁路幅が狭まることで、磁気飽和を起こし、鉄心内径側の磁束密度が頭打ちとなってしまう。
これに対して、図6は、磁石の磁束密度を内径側で低下させた場合を示し、この場合、磁石の磁束密度の減少と磁路幅の減少が相殺されるように磁石の磁束密度の低減量を定めると、鉄心に一定の磁束密度を生じさせることができ、これにより鉄心内径側の磁気飽和を防ぐことができ、更に磁束ベクトルを全て周方向に向けることができる。
前記実施例1による磁束量の低減方法は、磁束低減量と磁石体積低減量がほぼ比例関係にあることから、磁束の低減をそのまま磁石体積の低減に反映させることができ、後掲の他の実施例の方法に比べて、回転電機の軽量化、コストダウン効果が大きい。
次に示す図7は、実施例1の構成をより具体化して、ダブルロータ形のアキシャルギャップモータとした場合の構成を断面図で示す。図示するように、回転電機を構成する回転子1と固定子2はケース3内に収容されている。ケース3は回転子1と固定子2を収容する筐体部分31と、筐体部分31の開放端部を覆う蓋部分32から構成されている。
回転子1は、その磁石11と図示しない鉄心を非磁性材料からなる一対の支持部材13を介して回転子軸10にスプライン係合により回り止め支持されている。一対の支持部材13の内径側で回転子軸10の外周に嵌るハブ部の間には、スペーサ14が配置され、それによりそれぞれの支持部材に支持されて対向する磁石11と鉄心間の距離が支持部材13を介して設定されている。回転子軸10は、その一端側を筐体部分31の縦壁の孔部にベアリング33を介して支持され、他端側を蓋体32の縦壁の孔部にベアリング34を介して回転自在に支持されている。
固定子2は、この例では、固定子鉄心21の周りにコイル22を巻付けた扇形セグメント状のものを、非磁性の支持部材20に周方向に並べて固定して、全体として環状に構成したものとされている。固定子2は、支持部材20の外周を筐体部分31の段差部にボルト止め固定することで、支持部材20を介してケース3に固定されている。
この構造における回転子1の磁石11と鉄心の回転子周方向の配置関係は先述のとおりである。そして、図にみるように、各磁石11は、それらの回転子軸線方向の厚さを、回転子半径方向に次第に減ずる形状とされている。なお、この例では、先に原理的に説明した実施例とは異なり、磁石11の形状に関して、回転子1が固定子2と対峙する空隙側を空隙と平行な面として、背面側を傾斜させた構成が採られているが、先の作用の説明から明らかなように、効果は同等である。
このより具体化した構造における特有の効果として、前記のように各磁石11の背面側を傾斜させた形状としていることから、磁石11の支持部において、支持部材13は内径側ほど軸線方向に厚さを増す形状となるため、支持部材13の剛性の確保が容易となり、それにより空隙の維持が容易となる利点が得られる点が挙げられる。
次に図8及び図9を参照して示す実施例2は、回転子1の径方向外側における磁束の量を、径方向内側における磁束の量より多くした構成を、磁石11の回転子径方向ごとの起磁力(F)を回転子内周側より外周側で大きくすることによって実現したものである。より具体的には、この例における磁石11は、回転子1の周方向にみた幅を、回転子外径側に対して内径側で小さくした構成とされている。
図8は回転子を固定子と対峙する面側からみた模式平面図、図9は図8のD−D’及びE−E’模式断面図である。この例における基本的構成は、全て先の第1実施例と同様であるので、対応する部材に同様の参照符号を付して説明に代え、以下相違点のみ説明する。図8に示すように、この例における磁石11は、回転子軸線方向の厚さが一定な矩形断面の扇形とされている。
図9に示すように、各磁石11は、その回転子径方向の起磁力(F)を回転子内周側より外周側で大きくすべく、回転子1の周方向にみた幅lを、回転子外径側に対して内径側で小さくした構成とされている。すなわち、個々の磁石11は、径方向の厚さを鉄心12の厚さと同等とし、外径側から内径側に行くにしたがって着磁面11a,11bが近付く方向に傾斜することで、幅が狭くされている。この場合も、リラクタンストルクを確保するために、回転子鉄心12の厚さは、内外径側ともに同じとする。
この実施例の場合、磁石11の材質や着磁量が外径側と内径側で同じであるので、磁石保磁力も外径側と内径側で同じとなる。ここで、磁石11の起磁力F〔A〕は、保磁力Hc[kA/m〕と着磁面間の厚さl〔mm〕の積となる。すなわち、
F=Hc・l
この実施例のように磁石11を回転子外径側の幅(前記着磁面間の厚さ)lに対して内径側の幅(同じく着磁面間の厚さ)lを狭くした場合は、上式において、外径側に対して内径側のlを小さくしたことになり、したがって、外径側に対して内径側の起磁力Fを小さくしたことになる。
一般に磁束Φ〔Wb〕は、起磁力F〔A〕と磁気抵抗Rm〔A/Wb〕によって次のように表すことができる。
Φ=F/Rm
したがって、外径側に対して内径側の磁石の幅を狭くした場合は、内径側の起磁力Fを小さくしたことになり、これは、外径側に対して内径側の磁束Φを小さくしたことになる。
この実施例2の場合も実施例1の場合と同様に、外径側に対して内径側の磁束Φを小さくすることで、磁路幅Wの狭い内径側も磁束密度が上がらず、外径側に対しても均一な鉄心部磁束密度とすることができる。
この実施例2の構造においても、鉄心部の磁束密度は磁石起磁力にほぼ比例するので、磁石の幅を調整することによって、磁石の起磁力を調整し、それによって外径側と内径側の鉄心部の磁束密度を同等にすることができる。
次に図10を参照して示す実施例3は、回転子1の径方向外側における磁束の量を、径方向内側における磁束の量より多くした構成を、磁石の磁束の量を、該磁石の着磁面における回転子径方向の磁束密度(B)を内径側より外径側で大きくすることによって実現したものである。より具体的には、この例における磁石11は、回転子径方向の着磁量を、外径側に対して内径側で少なくした構成とされている。
図10は回転電機を先の実施例1の模式平面図(図2)におけるB−B’及びC−C’断面と同様の部分で切った(本例において、これらの断面をF−F’及びG−G’で表す)模式断面図である。この例における基本的構成も、全て先の実施例1と同様であるので、対応する部材に同様の参照符号を付して説明に代え、以下相違点のみ説明する。図10に示すように、この例における磁石11は、回転子軸線方向の厚さと、回転子周方向の幅が一定な矩形断面の棒状とされている。
この例における各磁石11は、その着磁面における回転子径方向の磁束密度(B)を内径側より外径側で大きくすべく、回転子径方向位置ごとの着磁量を、外径側に対して内径側で少なくした(図において、ハッチングの間隔で着磁量の大小を表す)構成とされている。すなわち、磁石11は、径方向の厚さを鉄心12の厚さと同等とし、外径側から内径側に至る幅も一定とし、部分ごとの着磁量だけが変更されている。この場合も、リラクタンストルクを確保するために、回転子鉄心12の厚さは、内外径側ともに同じとする。
この実施例の場合、外径側に対して内径側の着磁量を少なくするということは、外径側に対して内径側の残留磁束密度Br〔T〕を少なくするということである。このように残留磁束密度Brが少ないと、磁気回路を閉じた状態での磁石の磁束密度をB〔T〕、磁石断面積をS〔M〕とすると、磁束Φ〔Wb〕は、
Φ=B・S
という関係を持つ。この例では、磁石の外径側に対して内径側が磁束密度Bが小さいので、外径側に対して内径側は磁束Φが小さくなる。
この実施例3においても実施例1の場合と同様に、外径側に対して内径側の磁束Φを小さくしたことで、磁路幅Wの狭い内径側も磁束密度が上がらず、外径側に対しても均一な鉄心部磁束密度とすることができる。
また、この実施例3の構造においても、鉄心部の磁束密度は磁石起磁力にほぼ比例するので、磁石の着磁量を調整することによって、磁石の起磁力を調整し、それによって外径側と内径側の鉄心部の磁束密度を同等にすることができる。
本発明は、あらゆる用途のモータ、ジェネレータあるいはモータジェネレータに適用可能であるが、特に回転電機の軸線方向寸法が厳しく制約させる用途、例えば電機自動車においてホイールに内蔵されるホイルモータや、エンジン横置式のハイブリッド車用駆動装置におけるエンジンと同軸上又は平行軸上に配置されるモータ又はジェネレータに用いて特に有効なものである。
本発明のアキシャルギャップ回転電機の回転子の構成を模式化して示す部分平面図である。 実施例1の構成を模式化して示す平面図である。 図2のA−A’断面図である。 図2のB−B’及びC−C’断面を展開し上下に並べて示す展開断面図である。 永久磁石の磁束の量を一定とした場合の磁路幅と磁束密度の関係を示すグラフである。 永久磁石の磁束の量を回転子内径側で減少させた場合の磁路幅と磁束密度の関係を示すグラフである。 実施例1の構成をダブルロータ形アキシャルモータとして更に具体化した構造を示す断面図である。 実施例2の構成を模式化して示す平面図である。 図8のD−D’及びE−E’断面を展開し上下に並べて示す展開断面図である。 実施例3のアキシャルギャップ回転電機の外径側と内径側の周方向断面を展開し、上下に並べて示す展開断面図である。
符号の説明
1 回転子
2 固定子
11 永久磁石
11a,11b 着磁面
12 鉄心

Claims (8)

  1. 回転子(1)と固定子(2)軸線方向において空隙を挟んで対向させられ、前記回転子に永久磁石(11)及び鉄心(12)が配置され、永久磁石トルク及びリラクタンストルクを発生可能としたアキシャルギャップ回転電機において、
    前記永久磁石、着磁面(11a,11b)回転子周方向に向くように配置され
    前記鉄心回転子の周方向において前記永久磁石と交互に配置され
    前記回転子の径方向外側における磁束(Φ)の量、回転子の径方向内側における磁束の量より多く設定されることを特徴とするアキシャルギャップ回転電機。
  2. 前記回転子径方向における前記永久磁石の単位長さ当たりの断面積(S)を、回転子の内周側より外周側で大きくすることによって、前記回転子の径方向外側における磁束の量回転子の径方向内側における磁束の量より多く設定される請求項1記載のアキシャルギャップ回転電機。
  3. 前記回転子径方向位置ごとの前記永久磁石の起磁力(F)を、回転子内周側より外周側で大きくすることによって、前記回転子の径方向外側における磁束の量回転子の径方向内側における磁束の量より多く設定される請求項1記載のアキシャルギャップ回転電機。
  4. 前記回転子の径方向位置ごとの前記永久磁石の着磁面における磁束密度(B)を、回転子の内径側より外径側で大きくすることによって、前記回転子の径方向外側における磁束の量回転子の径方向内側における磁束の量より多く設定される請求項1記載のアキシャルギャップ回転電機。
  5. 記回転子の軸線方向における前記永久磁石の厚さが、回転子外径側より内径側で薄くされる請求項1又は2記載のアキシャルギャップ回転電機。
  6. 前記永久磁石は矩形断面を有し、
    回転子の周方向における前記永久磁石の幅が一定にされる請求項1、2又は5に記載のアキシャルギャップ回転電機。
  7. 転子の周方向における前記永久磁石の幅が、回転子外径側より内径側で小さくされる請求項1又は3記載のアキシャルギャップ回転電機。
  8. 転子の径方向における前記永久磁石の着磁量が、回転子の外径側より内径側で少なくされる請求項1又は4記載のアキシャルギャップ回転電機。
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