JP4469965B2 - 偽造防止印刷物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣、パスポート、有価証券、カード、印紙類、証明書、入場券等の貴重印刷物の偽造物に対する真偽判別が容易なメタメリックペア印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のカラーコピーやカラースキャナー等による複製技術の進歩に伴い、各種の貴重印刷物が簡単に複製又は偽造される傾向が強い。その対策として真偽を識別する方法が従来から試みられている。メタメリックペア印刷物(特公昭61−37636号公報、特開平10−264496号公報参照。)は真偽を識別できる印刷物として有効である。
【0003】
メタメリックペア印刷物は、分光反射スペクトルは類似しているが、特定波長域における分光反射率が異なる2種類のインキ(メタメリックペアインキ)で印刷して成る印刷物である。この印刷物は、白色光下で観察すると、肉眼では2種類のインキは同一の色に見えるが、この印刷物上に特定の分光透過率特性を有するフィルタ(以下、本明細書では「判別フィルタ」という。)を重ねることによって、上記特定波長域での2種類のインキの分光反射率特性が異なることにより、異色のインキと認識され、これにより印刷物の真偽判別を可能として偽造防止を図ることができるインキとして使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来のメタメリックペア印刷物では、簡易的にその真偽判別を行う場合、判別フィルタがなければ真偽判別できないという問題点があった。本発明は、このような従来のメタメリックペア印刷物の有する問題点を解決することを目的とするものであり、偽造防止印刷物を利用する流通分野において、判別フィルタ等の器具、その他の装置を利用することなく、真偽判別の可能な偽造防止印刷物を実現することを課題とする。
【0005】
本発明では、メタメリックペアインキの印刷されるべき基材として、
1)温度変化、液体付与などの作用を加えると分光反射率特性が変化する用紙を使用することにより、
2)通常一般的に使用される用紙と分光透過率特性を変化させる用紙を上下2層に組み合わせで形成したものを使用することにより、
3)あるいは通常一般的に使用される用紙の裏面に特定波長の光を通す分光透過率特性を有するインキで印刷したものを利用することにより、
判別フィルタを利用することなく、手軽に真偽判別を実施できる偽造防止印刷物を実現することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、基材と、該基材上に印刷された複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部を有する偽造防止印刷物であって、上記基材は、その分光反射率を変化させることのできる材料から構成し、上記複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部は、夫々が互いに、基材の分光反射率を変化させる前の状態では同じ色であるが、上記基材の分光反射率を変化させた後の異なった分光反射スペクトルの反射光により互いに異なって見え、真偽判別が可能であることを特徴とする偽造防止印刷物を提供する。
【0007】
さらに、本発明は、上記課題を解決するために、基材と、該基材上に印刷された複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部を有する偽造防止印刷物であって、上記基材は、温度を変化させるとその分光反射率を変化させることのできる材料から構成し、上記複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部は、夫々が互いに常温時には同じ色であるが、上記基材を温度変化させると上記異なった分光反射スペクトルの反射光により互いに異なって見え、真偽判別が可能であることを特徴とする偽造防止印刷物を提供する。
【0008】
さらに、本発明は、上記課題を解決するために、基材と、該基材上に印刷された複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部を有する偽造防止印刷物であって、上記基材は、液体付与させるとその分光反射率を変化させることのできる材料から構成し、上記複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部は、夫々が互いに基材乾燥時には同じ色であるが、上記基材を液体付与させると上記異なった分光反射スペクトルの反射光により互いに異なって見え、真偽判別が可能であることを特徴とする偽造防止印刷物を提供する。
【0009】
さらに、本発明は、上記課題を解決するために、基材と、該基材上に印刷された複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部を有する偽造防止印刷物であって、上記基材は、表面側の一般的な用紙と、裏面側の上記一般的な用紙とは異なった分光透過スペクトルを有する用紙とから表裏一体に構成し、上記複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部は、表面側から反射光で観察すると夫々が互いに同じ色であるが、上記裏面側の光源からの透過光を通して表面側から観察すると、上記異なった分光透過スペクトルの透過光により互いに異なって見え、真偽判別が可能であることを特徴とする偽造防止印刷物を提供する。
【0010】
さらに、本発明は、上記課題を解決するために、基材と、該基材上に印刷された複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部を有する偽造防止印刷物であって、上記基材は、裏面側に、特定の波長を通す分光透過率特性を有するインキで印刷された用紙から成り、上記複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部は、表面側から反射光で観察すると夫々が互いに同じ色であるが、上記裏面側の光源からの透過光を通して表面側から観察すると、上記特定波長の透過光により互いに異なって見え、真偽判別が可能であることを特徴とする偽造防止印刷物を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る偽造防止印刷物を実施例に基づいて図面を参照して説明する。図1は本発明に係る偽造防止印刷物の実施例1及び実施例2を従来例と対比して説明する図である。図1(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の上図それぞれは、基材に対するメタメリックペアインキが印刷された断面を示し、図1(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の下図それぞれは、印刷物表面を肉眼で観察した時に見える状態を示す図である。
【0012】
図1(a)は、従来例を示し、メタメリックペアインキを用いた印刷物1の構成であり、基材2は通常の用紙(通常の一般的な分光反射率特性を有する用紙。本明細書では「一般的な用紙」ともいう。)を用い、基材2上に2種類のメタメリックペアインキA、Bにより印刷部3、4を並べて印刷して成る構成である。そして、図1(b)のように、印刷物1上に判別フィルタ(分光フィルタ)5を載置すれば、この分光フィルタで分光された領域の波長においてメタメリックペアインキA、Bは分光反射され、印刷部3は異なった色に見え、印刷部4は見えなくなる、あるいは印刷部3、4がそれぞれ異なった色に変化したりする。
【0013】
(実施例1)
図1(c)は、本発明に係る偽造防止印刷物の実施例1の印刷物6の構成を示しており、偽造防止印刷物6は、基材7上に、従来例と同様の2種類のメタメリックペアインキA、Bにより、印刷部8、9が並べてオフセット印刷されている。この基材7は、体温(約35℃)以上で基材常温時とは異なった分光反射スペクトルを持つサーモクロミック紙又はサーモクロミックフィルムである。
【0014】
2種類のメタメリックペアインキA、Bは、前述のとおり特定波長域における分光反射率は互いに異なるが、通常の白色光下における反射率は同じである。図2は、本発明の実施例1の基材の常温時における、メタメリックペアインキA、Bの分光反射スペクトルと、サーモクロミック紙の分光反射スペクトルを示している。
【0015】
図2において、基材常温時の白色光下で、メタメリックペアインキA、Bともに反射光の波長が500〜600nm近辺にあり、同色の褐色を呈して見える。この限りでは、実施例1においても、メタメリックペアインキA、B、即ち印刷部8、9は、互いに色の相違は生じない。
【0016】
図3は、本発明の実施例1の基材の昇温時における、メタメリックペアインキA、Bの分光反射スペクトルと、サーモクロミック紙の分光反射スペクトルを示している。サーモクロミック紙を体温(約35℃)以上で昇温すると、サーモクロミック紙の分光反射率スペクトルが変化し、400〜550nm近辺において、サーモクロミック紙の分光反射率は上昇する。一方、この領域内の500〜550nmの領域では、メタメリックペアインキAの分光反射率は、メタメリックペアインキBの分光反射率より高い。
【0017】
これにより、メタメリックペアインキAによる印刷部8は、常温時に肉眼で観察すると褐色を呈していたものが、昇温時はこの500〜550nmの領域の波長が強調されて黄色っぽく変化する。一方、メタメリックペアインキBによる印刷部9は、図1(d)に示すように、この500〜550nmの領域の波長の光の反射率、メタメリックペアインキAに比較すると低いから、特にその反射光が強調されることなく変わらないため、印刷部9は変化しない。
【0018】
よって、実施例1の偽造防止印刷物では、図1(c)のように、常温時は同色であった印刷部8、9は、特に判別フィルタを用いることなく、サーモクロミック紙(基材)に手で触れると、図1(d)に示すように、互いに異なり区別できる、即ちメタメリックペア効果が生じる。これにより、流通現場等で、特に読み取り装置等を利用することなく簡単に真偽判別が可能である。
【0019】
実施例1で利用するサーモクロミック紙は、例えば、市販のサーモクロミック繊維と広葉樹漂白クラフトパルプ(以下、LBKPという)を混合して作製した。両紙料の配合割合はサーモクロミック繊維20%(重量基準%。以下の%も重量基準である。)、LBKP80%とした。なお、実施例1では基材を昇温した場合について説明したが、基材を降温した場合も同様の効果が得られる。
【0020】
(実施例2)
図1(e)は、本発明に係る偽造防止印刷物の実施例2の印刷物10の構成を示しており、偽造防止印刷物10は、基材11上に、従来例及び実施例1と同様の2種類のメタメリックペアインキA、Bにより、印刷部12、13が並べてオフセット印刷されている。この基材11は、水分を付与することで基材乾燥時とは異なった分光反射スペクトルを持つ水発色性シート(特許第2773842号公報)又は変色性積層体(特開平11−198271号公報、特開平11−198272号公報)等である。
【0021】
2種類のメタメリックペアインキA、Bは、実施例1と同様である。図4は、本発明の実施例2の基材乾燥時における、メタメリックペアインキA、Bの分光反射スペクトルと、水発色性シートの分光反射スペクトルを示している。
【0022】
図4において、基材乾燥時の白色光下で、メタメリックペアインキA、Bともに反射光の波長が500〜600nm近辺にあり、同色の褐色を呈して見える。この限りでは、実施例2においても、メタメリックペアインキA、B、即ち印刷部12、13は、互いに色の相違は生じない。
【0023】
図5は、本発明の実施例2の基材湿潤時における、メタメリックペアインキA、Bの分光反射スペクトルと、水発色性シートの分光反射スペクトルを示している。水発色性シートを湿潤すると、水発色性シートの分光反射率スペクトルが変化し、500〜700nm近辺において、水発色性シートの分光反射率は低下する。この領域内においてメタメリックペアインキA、Bの分光反射率はそれぞれ、510nm、580nmが高い。
【0024】
これにより、メタメリックペアインキAによる印刷部12は、乾燥時に肉眼で観察すると褐色を呈していたものが、湿潤時は510nmの波長が相対的に強調されて黄色っぽく変化する。一方、メタメリックペアインキBによる印刷部13は、乾燥時に肉眼で観察すると褐色を呈していたものが、湿潤時は580nmの波長が相対的に強調されて焦げ茶色っぽく変化する。
【0025】
よって、実施例2の偽造防止印刷物では、図1(e)のように、乾燥時は同色であった印刷部12、13は、特に判別フィルタを用いることなく、水発色性シートに水分を付与すると、図1(f)に示すように、互いに異なり区別できる。即ちメタメリックペア効果が生じる。これにより、流通現場等で、特に読み取り装置等を利用することなく簡単に真偽判別が可能である。なお、実施例2では基材に水分を付与した場合について説明したが、基材にアルコール類、油類等を付与した場合も同様の効果が得られる。
【0026】
(実施例3)
図6は、本発明に係る偽造防止印刷物の実施例3を示す図である。この実施例3の偽造防止印刷物14では、実施例1、2と同様の2種類のメタメリックペアインキA、Bを基材15上にオフセット印刷して印刷部16、17が付与されて構成されている。この実施例3で利用される基材15は、通常の用紙(通常の白色光ではインキA、Bが異色とならない分光反射及び透過スペクトルを有する用紙)18を印刷表面側に、特定の波長を通す分光透過率特性を有する用紙19を裏面側になるように、上下2層抄き合わせて構成されるものである。
【0027】
このような実施例3の偽造防止印刷物14では、図6(a)に示されるように印刷部16、17を、上方から肉眼で観察した場合、印刷表面側の用紙18は通常の用紙であるから、メタメリックペアインキA、Bが同色で反射され、印刷部16、17は同色に見え区別がつかない。
【0028】
ところが、図6(b)に示されるように、偽造防止印刷物14の背面側から光源20により自然光を照射すると、特定の波長を透過させる分光透過率特性を有する裏面側の用紙19により分光され、この分光透過光Lにより2種類のメタメリックペアインキA、B、即ち印刷部16、17は上方から肉眼で観察した場合、互いに異なった色で観察される。
【0029】
実施例3では、さらに基材15について具体的に説明する。特に処理を施さない通常の用紙であるLBKP紙料と、通常の用紙とは異なった所定の領域の波長の光を透過する分光透過率特性を持つ染料で染めたLBKP紙料を、多層すきシートマシンを用いて、坪量90g/mになるようにしてシート状の基材15を作製する。両紙料のすき合せ割合は、特に処理を施さない通常の用紙であるLBKP紙料を坪量60g/m、通常の用紙とは異なった所定の領域の波長の光を透過する分光透過率特性を持つ染料で染めたLBKP紙料を坪量30g/mとし、前者紙料が基材15表面になるように作製した。
【0030】
(実施例4)
実施例3は、通常の用紙と特定の波長を通す分光透過率特性を有する用紙を上下2層抄き合わせて構成した用紙を用いる。しかしながら、このような2層抄き合わせの用紙を用いなくても、通常の用紙の裏面側に特定の波長を通す分光透過率特性を有するインキで印刷しても、実施例3同様の作用効果が生じる。
【0031】
即ち、実施例4に係る偽造防止印刷物は、通常の用紙の表面側に複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部を形成し、裏面側に特定の波長を通す分光透過率特性を有するインキで印刷して成るものである。この偽造防止印刷物の複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部は、表面側から反射光で観察すると夫々が互いに同じ色であるが、裏面側の光源からの透過光を通して表面側から観察すると、上記特定波長の透過光により互いに異なって見え、これにより、真偽判別が可能である。
【0032】
なお、実施例1〜4では、夫々この発明の特徴を生かして肉眼による観察の場合について説明したが、これらのインキA、Bの分光反射スペクトル、分光透過スペクトルの相違を利用して機械読取り装置による読取りも可能である。
【0033】
以上、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載の技術的思想の範囲であれば、その他いろいろの実施例があることはいうまでもない。
【0034】
【発明の効果】
従来の方法でメタメリックペア印刷物の真偽判別を簡易的に行うには、判別フィルタがなければ真偽判別できなっかたために、常時、判別フィルタを用意しておかなければならない制約があった。しかし、本発明によれば、温度変化させることにより分光反射率特性の変わる用紙上に直にメタメリックペアインキで印刷することにより、この用紙を温度変化させてその特定の波長の反射光により観察することにより、判別フィルタを用いることなくきわめて簡単に真偽判別が可能となる。
【0035】
同様に、液体付与させることにより分光反射率特性の変わる用紙上に直にメタメリックペアインキで印刷することにより、この用紙を液体付与させてその特定の波長の反射光により観察することにより、判別フィルタを用いることなくきわめて簡単に真偽判別が可能となる。
【0036】
同様に、通常の用紙と特定の波長の光のみを透過させる分光透過率特性を有する用紙を上下2層に組み合わせ通常の用紙の上にメタメリックペアインキによる印刷を行っているから、この印刷物の裏面側から透過光により特定波長の光を透過させて印刷物の表面側から観察すると真偽判別が可能となる。
【0037】
同様に、裏面側に特定の波長を通す分光透過率特性を有するインキで印刷された用紙の上に、複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部を有するから、この印刷物の裏面側から透過光により特定波長の光を透過させて印刷物の表面側から観察すると真偽判別が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偽造防止印刷物の実施例1及び実施例2を説明する図である。
【図2】常温時におけるメタメリックペアインキ及びサーモクロミック紙の分光反射スペクトルを示す図である。
【図3】昇温時におけるメタメリックペアインキ及びサーモクロミック紙の分光反射スペクトルを示す図である。
【図4】乾燥時におけるメタメリックペアインキ及び水発色シートの分光反射スペクトルを示す図である。
【図5】湿潤時におけるメタメリックペアインキ及び水発色シートの分光反射スペクトルを示す図である。
【図6】本発明に係る偽造防止印刷物の実施例3を説明する図である。
【符号の説明】
1 従来例の偽造防止印刷物
2、7、11、15、18、19 基材
3、4、8、9、12、13、16、17 印刷部
5 分光フィルタ
6、10、14 偽造防止印刷物
20 光源
A、B メタメリックペアインキ
L 分光透過光

Claims (4)

  1. 基材と、該基材上に印刷された複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部を有する偽造防止印刷物であって、
    上記基材は、温度を変化させるとその分光反射率を変化させることのできる材料から構成し、
    上記複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部は、夫々が互いに基材の分光反射率を変化させる前の状態では同じ色であるが、上記基材の温度を変化させると前記基材の色相が変化し、異なった分光反射スペクトルの反射光により互いに異なった色相として見え、真偽判別が可能であることを特徴とする偽造防止印刷物。
  2. 基材と、該基材上に印刷された複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部を有する偽造防止印刷物であって、
    上記基材は、液体を付与するとその分光反射率を変化させることのできる材料から構成し、
    上記複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部は、夫々が互いに基材乾燥時には同じ色であるが、上記基材に液体を付与すると前記基材の色相が変化し、異なった分光反射スペクトルの反射光により互いに異なった色相として見え、真偽判別が可能であることを特徴とする偽造防止印刷物。
  3. 基材と、該基材上に印刷された複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部を有する偽造防止印刷物であって、
    上記基材は、表面側の一般的な用紙と、裏面側の上記一般的な用紙とは異なった分光透過スペクトルにより異なった色相を有する用紙とを多層すき合わせによって表裏一体に構成し、
    上記複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部は、表面側から反射光で観察すると夫々が互いに同じ色であるが、上記裏面側の光源からの透過光を通して表面側から観察すると、裏面を構成する表面と異なった色相を有する用紙の色相との減法混色により互いに異なった色相として見え、真偽判別が可能であることを特徴とする偽造防止印刷物。
  4. 基材と、該基材上に印刷された複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部を有する偽造防止印刷物であって、
    上記基材は、裏面側に、上記基材とは異なった色相を有し、かつ、特定の波長を通す分光透過率特性を有するインキで印刷された用紙から成り、
    上記複数種類のメタメリックペアインキによる印刷部は、表面側から反射光で観察すると夫々が互いに同じ色であるが、上記裏面側の光源からの透過光を通して表面側から観察すると、裏面を構成する表面の色相と異なった色相を有する用紙の色相との減法混色により互いに異なった色相として見え、真偽判別が可能であることを特徴とする偽造防止印刷物。
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