本発明は、通信ネットワークの任意の測定拠点において管理サーバと通信可能に配置され、対向する通信品質測定装置との間で通信品質測定をおこなうための通信品質測定用パケットを送受信した結果に基づき、該対向する通信品質測定装置の間の通信品質を測定する通信品質測定システム、該通信品質測定装置、該管理サーバおよび通信品質管理方法に関する。
従来、IP(Internet Protocol)ネットワークの管理は、データ系のトラフィックに主眼が置かれていた。しかし、近年、VoIP(Voice over Internet Protocol)や映像配信などの新たなIPサービスの登場により、また、コンピュータウイルスやDoS(Denial of Service)攻撃などの不正なトラフィックの増加などにより、ネットワークを流れるトラフィック量やその特性、さらにはIPネットワークに求められる要求条件が大きく変化しつつある。
そのため、ネットワークの通信障害要因が多様化し、また通信障害の影響範囲や影響度もサービスによって様々に異なり、通信障害への速やかな対応はますます困難になってきている。このようなIPネットワークの問題点に対処し、大規模ネットワークの性能劣化や通信障害箇所を特定するため、高速かつ詳細にネットワークの品質測定および品質管理をおこなう技術が重要となっている。
かかる技術の従来例として、例えば、ネットワーク品質評価装置と、ネットワーク品質評価装置において抽出されたパケット情報に基づいて通信品質管理をおこなうプローブマネージャとの間で送受信される情報量を低減して、通信品質管理によるネットワークのトラフィックへの影響を最小限に留める従来技術が提案されている。
しかしながら、上記に代表される従来技術では、以下の問題点がある。すなわち、コア網からアクセス網へとIPサービスの提供範囲が拡張する方向にあるため、IPサービスごとの品質測定および品質管理、かつエンド・トゥー・エンド(End to End)レベルに限りなく近いレベルでの品質管理が要求されてきている。具体的には、多種多様なアクセス機器、宅内機器を通してのネットワーク品質管理、サービス品質管理の必要性が高まってきている。
そのため、品質管理エージェントを実装した通信品質測定装置、アクセス機器、宅内機器を、広範囲のエリアに数多く設置する必要がある。しかし、品質管理対象となるネットワーク内に通信品質測定装置を大量に配置することは、コスト的に現実的ではなく、ネットワーク内の限られた測定拠点でのみ管理を行うこととなり、通信障害の詳細な発生箇所を特定することは容易ではなかった。
開示の通信品質測定システム、通信品質測定装置、管理サーバおよび通信品質管理方法は、上記問題点(課題)を解消するためになされたものであって、低コストでネットワーク内のあらゆる測定拠点で通信品質測定をおこなって通信障害の詳細な発生箇所を迅速かつ的確に特定可能とすることを目的とする。
上述した問題を解決し、目的を達成するため、通信品質測定システム、通信品質測定装置、管理サーバおよび通信品質管理方法の一観点によれば、通信ネットワークの任意の測定拠点に配置された対向する通信品質測定装置との間の通信品質測定をおこなうための通信品質測定用パケットを送受信した結果に基づき、該通信品質測定装置間の通信品質を管理する通信品質測定システムであって、前記通信品質測定用パケットのシグナル制御をおこなうシグナル制御部を有する管理サーバを有し、前記通信品質測定装置は、前記シグナル制御部によるシグナル制御結果に基づいてシグナルの通信品質を測定するシグナル通信品質測定部と、前記通信品質測定用パケットのペイロード制御をおこなうペイロード制御部と、前記ペイロード制御部によるペイロード制御結果に基づいてペイロード通信品質を測定するペイロード通信品質測定部とを有することを要件とする。
また、上記において、前記通信品質測定装置は、前記シグナル制御部から受信した前記シグナルを前記対向する通信品質測定装置へと中継し、該対向する通信品質測定装置から受信した該シグナルの応答結果を該シグナル制御部へと中継するシグナル中継部をさらに有することを要件とする。
また、上記において、前記管理サーバは、複数の通信品質測定の手順を予め定める通信品質測定シナリオおよび/またはプロトコルスタックを生成する通信品質測定シナリオ生成処理部と、前記通信品質測定シナリオ生成処理部によって生成された前記通信品質測定シナリオまたは前記プロトコルスタックを前記対向する通信品質測定装置それぞれに対して、通信品質測定に先立って送信する通信品質測定シナリオ送信部とをさらに有し、前記通信品質測定装置は、前記管理サーバから受信した前記通信品質測定シナリオまたは前記プロトコルスタックに従って、予め定められた間隔をおいて通信品質測定を順次実行する通信品質測定シナリオ実行部と、前記通信品質測定シナリオ実行部によって前記通信品質測定シナリオに従っておこなわれた前記通信品質測定の結果を前記管理サーバへ通知するシナリオ実行結果通知部とをさらに有することを要件とする。
また、通信ネットワークの任意の測定拠点において管理サーバと通信可能に配置され、対向する通信品質測定装置との間で通信品質測定をおこなうための通信品質測定用パケットを送受信した結果に基づき、該対向する通信品質測定装置の間の通信品質を測定する通信品質測定装置の一観点によれば、前記通信品質測定用パケットのシグナル制御をおこなう前記管理サーバのシグナル制御部によるシグナル制御結果に基づいてシグナルの通信品質を測定するシグナル通信品質測定部と、前記通信品質測定用パケットのペイロード制御をおこなうペイロード制御部と、前記ペイロード制御部によるペイロード制御結果に基づいてペイロード通信品質を測定するペイロード通信品質測定部とを有することを要件とする。
また、上記通信品質測定装置において、前記管理サーバに記憶されている複数の通信品質測定の手順が予め定められている通信品質測定シナリオおよび/またはプロトコルスタックを該管理サーバから受信すると、該通信品質測定シナリオおよび/または該プロトコルスタックに従って、予め定められた間隔をおいて通信品質測定を順次実行する通信品質測定シナリオ実行部と、前記通信品質測定シナリオ実行部によって前記通信品質測定シナリオに従っておこなわれた前記通信品質測定の結果を前記管理サーバへ通知するシナリオ実行結果通知部とをさらに有することを要件とする。
また、通信ネットワークの任意の測定拠点に配置され、対向する通信品質測定装置との間で通信品質測定をおこなうための通信品質測定用パケットを送受信した結果に基づき、該対向する通信品質測定装置との間の通信品質を測定する通信品質測定装置を管理する管理サーバの一観点によれば、前記通信品質測定用パケットのシグナル制御をおこなうシグナル制御部を有し、前記通信品質測定装置に、前記シグナル制御部によるシグナル制御結果に基づいてシグナルの通信品質を測定させるとともに、前記通信品質測定用パケットのペイロード制御をおこなわせ、ペイロード制御結果に基づいてペイロード通信品質を測定させることを要件とする。
また、上記において、複数の通信品質測定の手順を予め定める通信品質測定シナリオおよび/またはプロトコルスタックを生成する通信品質測定シナリオ生成処理部と、前記通信品質測定シナリオ生成処理部によって生成された前記通信品質測定シナリオまたは前記プロトコルスタックを前記対向する通信品質測定装置それぞれに対して、通信品質測定に先立って送信する通信品質測定シナリオ送信部とをさらに有することを要件とする。
また、通信ネットワークの任意の測定拠点に配置された対向する通信品質測定装置との間の通信品質測定をおこなうための通信品質測定用パケットを送受信した結果に基づき、該通信品質測定装置間の通信品質を、通信品質測定装置および管理サーバが管理する通信品質管理方法の一観点によれば、前記管理サーバにおいて、前記通信品質測定用パケットのシグナル制御をおこない、前記通信品質測定装置からの通信品質測定開始通知に応じて、シグナルを該通信品質測定装置に対して送信するシグナル制御ステップを含み、前記通信品質測定装置において、前記シグナル制御ステップによるシグナル制御結果に基づいてシグナルの通信品質を測定するシグナル通信品質測定ステップと、前記通信品質測定開始通知を前記管理サーバに対して送信する通信品質測定開始通知送信ステップと、前記通信品質測定用パケットのペイロード制御をおこなうペイロード制御ステップと、前記ペイロード制御ステップによるペイロード制御結果に基づいてペイロード通信品質を測定するペイロード通信品質測定ステップと、前記シグナル制御ステップから受信した前記シグナルを前記対向する通信品質測定装置へと中継し、該対向する通信品質測定装置から受信した該シグナルの応答結果を該シグナル制御部へと中継するシグナル中継ステップとを含むことを要件とする。
開示の通信品質測定システム、通信品質測定装置、管理サーバおよび通信品質管理方法によれば、管理サーバにてシグナル制御およびシグナル制御結果に基づくシグナルの通信品質の測定をおこない、通信品質測定装置にてペイロード制御およびペイロード制御結果に基づくペイロードの通信品質の測定をおこなうので、負荷分散をおこない、特に、通信品質測定装置の負荷を軽減して安価な構成とすることが可能になるという効果を奏する。
また、開示の通信品質測定システム、通信品質測定装置および管理サーバによれば、シグナル制御部は、通信品質測定開始通知送信部からの通信品質測定開始通知に応じて、シグナルを通信品質測定装置に対して送信するので、シグナル制御という負荷が大きい処理を管理サーバが代替しておこなうことによって負荷分散をおこない、通信品質測定装置の負荷を軽減して安価かつコンパクトな構成とすることが可能になるという効果を奏する。また、通信品質測定装置は、最新のプロトコルスタックや試験プログラムの配布を受けずとも、通信品質測定を行うことが可能になるという効果を奏する。
また、開示の通信品質測定システム、通信品質測定装置および管理サーバによれば、通信品質測定装置は、シグナル制御部から受信したシグナルを対向する通信品質測定装置へと中継し、該対向する通信品質測定装置から受信した該シグナルの応答結果を該シグナル制御部へと中継するので、シグナル制御という負荷が大きい処理に関して、シグナルの中継のみをおこなうことによって、通信品質測定装置の負荷を軽減して安価かつコンパクトな構成とすることが可能になるという効果を奏する。また、通信品質測定装置は、最新のプロトコルスタックや試験プログラムの配布を受けずとも、通信品質測定を行うことが可能になるという効果を奏する。
また、開示の通信品質測定システム、通信品質測定装置および管理サーバによれば、管理サーバが、すべての管理対象の通信品質測定装置に対して、複数の通信品質測定の手順が予め定められている通信品質測定シナリオおよび/またはプロトコルスタックを、通信品質測定に先立って送信するので、複雑なパターンの通信品質測定を、受信した通信品質測定シナリオおよび/またはプロトコルスタックによって自動的に実行させることが可能になるという効果を奏する。
また、開示の通信品質測定装置によれば、通信品質測定機能をコンパクトにすることができるので、通信可能なあらゆる電子機器にエージェントにて容易に埋め込むことが可能になるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照し、本発明の通信品質測定システム、通信品質測定装置、管理サーバおよび通信品質管理方法にかかる実施例を詳細に説明する。なお、以下の実施例1、実施例2および実施例3では、通信品質測定装置をプローブと呼ぶ。ネットワークの通信品質の測定は、実施例1、実施例2および実施例3において、従来技術と同様に、IP(Internet Protocol)ネットワーク内に配置された送信側プローブから対向する受信側プローブへと、試験用パケットを送信することによっておこなう。
ネットワークの通信品質測定は、試験用パケットの送受信に使用するプロトコルスタックを制御するシグナルの通信品質測定と、ユーザデータが格納されているペイロードの通信品質測定との2つの観点で行われる。従来は、試験用パケットを送受信するプローブ内で試験実行のためのすべての通信品質測定にかかる処理をおこなっていた。すなわち、プローブ内でプロトコルスタックの実行、シグナルの解析をおこなうとともに、ペイロードを含む試験用パケットの送受信、試験用パケットの送受信結果の解析および測定結果の管理までおこなっていた。
しかし、シグナルの通信品質測定は、ペイロードの通信品質測定に比べ、非常に処理負荷が大きい。このため、シグナルの通信品質測定をおこなうためには、プローブが高い処理能力を有する必要があった。このため、プローブが高価となり、また、プローブの構成も複雑とせざるを得なかった。
一般に、IPネットワーク内の通信品質をきめ細かく管理するためには、IPネットワーク内に多数のプローブを設置する必要がある。しかし、プローブが高価であり、構成も複雑であると、IPネットワーク内において、プローブの設置箇所に自ずと制限が生じる。このため、IPネットワーク内の通信品質をきめ細かく管理することが困難であった。実施例1、実施例2および実施例3は、この問題を解決するためになされた。
最初に、実施例1を説明する。先ず、実施例1にかかる通信品質測定システムの構成の概要および特徴について説明する。図1は、実施例1にかかる通信品質測定システムの構成の概要を示す図である。なお、図1および図2では、1台の管理サーバ100A1によってプローブ200A1、プローブ200B1、プローブの機能を実現するエージェントA1が実装されるHGW(Home Gate Way、以下同様)400A1およびエージェントB1が実装されるHGW400B2が管理される構成であることを前提とする。しかし、プローブ200A1、プローブ200B1、HGW400A1のエージェントA1およびHGW400B1のエージェントB1は、それぞれ異なる管理サーバ100A1によって管理されていてもよい。
先ず、図1を参照すると、実施例にかかる通信品質測定システムS1では、管理サーバ100A1を新たに配置している。管理サーバ100A1は、従来、対向するプローブまたはエージェントでおこなわれていたプロトコルスタックの実行およびシグナル解析を代替して実行し、プローブおよびエージェントでは、試験用パケットの送受信、試験用パケットの送受信結果の解析および測定結果の管理をおこなう。
なお、HGW400A1には、端末装置500Aと、有線通話端末装置600Aとが接続されている。また、HGW400B1には、端末装置500Bと、有線通話端末装置600Bとが接続されている。HGW400A1、端末装置500A、有線通話端末装置600A、および、HGW400B1、端末装置500B、有線通話端末装置600Bは、それぞれ対向するエンドユーザの端末群を構成する。
シグナルの実行例として、プローブ200A1およびプローブ200B1間の通信品質測定について説明する。まず、(1)プローブ200A1から管理サーバ100A1へ、試験実行要求が送信される。(2)管理サーバ100A1は、プローブ200A1から試験実行要求を受信すると、プローブ200A1に対してシグナルを送信する。(3)プローブ200A1は、ルータ300Aを介して、対向するプローブ200B1に対して、管理サーバ100A1から受信したシグナルを実行する。
(4)ルータ300Bを介してシグナルを受信したプローブ200B1は、管理サーバ100A1に対して、受信したシグナルを送信する。(5)管理サーバ100A1は、受信したシグナルを解析し、応答シグナルをプローブ200B1へ送信する。(6)プローブ200B1は、管理サーバ100A1から受信したシグナルを、ルータ300Bを介して、対向するプローブ200A1へと送信する。
このようにして、従来プローブ内でおこなわれていた処理のうち、プロトコルスタックの実行およびシグナル解析については管理サーバ100A1でおこなうこととし、プローブ200A1およびプローブ200B1は、通信品質測定用パケットの中継およびペイロードの通信品質測定をおこなうのみとなる。このため、プローブは、高度な処理能力を必要とせず、従来に比べ簡易な構成とすることができる。
また、プローブは、既存の通信装置に、コンパクトな構成のエージェントとして組み込むことによって実装可能でもある。エージェントがおこなう通信品質測定処理は、処理負荷が軽いため、この処理を既存の通信装置の制御装置におこなわせたとしても、この制御装置の処理負荷にはほとんど影響ない。
以上のことから、プローブまたは通信品質測定のためのエージェントを、ネットワークのあらゆる多数の測定拠点に配置することができるため、ネットワークの通信障害(通信遅延、ノイズ混入による通信品質の低下など)を早期に検出し、かつ通信障害発生箇所を迅速、的確に特定することが可能になる。
次に、実施例1にかかる通信品質測定システムの構成を説明する。図2は、実施例1にかかる通信品質測定システムの構成を示すブロック図である。実施例1にかかる通信品質測定システムS1は、ネットワークN1を介して接続される管理サーバ100A1と、管理サーバ100A1配下のプローブ200A1、・・・、200Ax(x≧1)と、ネットワークN2を介して接続される管理サーバ100B1と、管理サーバ100B1配下のプローブ200B1、・・・、200By(y≧1)とによって構成される。
なお、管理サーバ100A1および管理サーバ100B1、プローブ200A1、・・・、200Axおよびプローブ200B1、・・・、200Byは、それぞれ同一の構成である。また、ネットワークN1およびネットワークN2は接続されており、一つのネットワークを構成している。
管理サーバ100A1は、制御部101と、ネットワークN1に接続するためのインターフェース部102とを有する。制御部101は、管理サーバ100A1の全体制御をつかさどる制御装置であり、実施例1に関連する構成として、シグナル送受信部101aと、シグナル品質測定制御部101bとを有する。
シグナル送受信部101aは、シグナル品質測定制御部101bから受け渡されたプロトコルスタック実行にともなうシグナルを、インターフェース部102を介して、通信品質測定開始通知を送信してきた配下のプローブ(以下、「送信側プローブ」と呼ぶ)へと送信する。また、シグナル送受信部101aは、送信側プローブから、対向するプローブ(以下、「受信側プローブ」と呼ぶ)からの応答シグナルを受信して、シグナル品質測定制御部101bへと受け渡す。
また、シグナル送受信部101aは、シグナル品質測定制御部101bから受け渡されたプロトコルスタック実行にともなうシグナルへの応答シグナルを、インターフェース部102を介して、受信側プローブへと送信する。また、シグナル送受信部101aは、シグナル品質測定制御部101bから受け渡された通信品質測定用パケット受信に対する通信品質測定用パケット受信応答を、インターフェース部102を介して、受信側プローブへと送信する。
シグナル品質測定制御部101bは、プロトコルスタックを実行し、プロトコルスタックの実行に関連するシグナルを制御する制御部である。具体的には、送信側プローブから通信品質測定開始通知を受信すると、プロトコルスタック実行開始にともなう「インバイト(INVITE)シグナル」をシグナル送受信部101aへと受け渡す。
また、シグナル品質測定制御部101bは、シグナル送受信部101aから、「インバイトシグナル」のシグナル送受信結果である「200OK」シグナルを受け渡されると、通信品質測定開始通知を、シグナル送受信部101aを介して、送信側プローブへと送信する。
また、シグナル品質測定制御部101bは、受信側プローブから受信した「インバイトシグナル」を、シグナル送受信部101aへと受け渡す。また、シグナル品質測定制御部101bは、シグナル送受信部101aから「インバイトシグナル」を受け渡されたならば、「インバイトシグナル」のシグナル送受信結果である「200OK」シグナルをシグナル送受信部101aへと受け渡す。
また、シグナル品質測定制御部101bは、送信側プローブから通信品質測定開始通知を受信すると、プロトコルスタック実行終了にともなう「バイ(BYE)シグナル」をシグナル送受信部101aへと受け渡す。また、シグナル品質測定制御部101bは、シグナル送受信部101aから、「バイシグナル」のシグナル送受信結果である「200OK」シグナルを受け渡される。
また、シグナル品質測定制御部101bは、受信側プローブから通信品質測定用パケット受信通知を受け渡されると、通信品質測定用パケット受信通知の応答結果である「通信品質測定用パケット受信応答通知」を、受信側プローブへと送信する。また、シグナル品質測定制御部101bは、シグナル送受信部101aから「バイシグナル」を受け渡されると、シグナル送受信結果である「200OK」シグナルを、シグナル送受信部101aへと受け渡す。
プローブ200A1は、制御部201と、ネットワークN1に接続するためのインターフェース部202とを有する。制御部201は、プローブ200A1の全体制御をつかさどる制御装置であり、実施例1に関連する構成として、通信品質測定用パケット送受信部201aと、シグナル中継処理部201bと、ペイロード品質測定制御部201cと、通信品質測定結果処理部201dとを有する。
通信品質測定用パケット送受信部201aは、ペイロード品質測定制御部201cから受け渡された通信品質測定用パケットを、インターフェース部202を介して、受信側プローブへと送信する。また、通信品質測定用パケット送受信部201aは、受信側プローブからの通信品質測定用パケットを受信して、ペイロード品質測定制御部201cへと受け渡す。
送信側プローブのシグナル中継処理部201bは、自装置の上位装置である管理サーバ100A1から受信したインバイトシグナルまたはバイシグナルを、受信側プローブへと送信する。また、送信側プローブのシグナル中継処理部201bは、受信側プローブから受信したシグナル応答結果である「200OK」シグナルを、通信品質測定結果処理部201dによる処理を経て、管理サーバ100A1へと送信する。
また、受信側プローブのシグナル中継処理部201bは、送信側プローブから受信したインバイトシグナルまたはバイシグナルを、自装置の上位装置である管理サーバ100B1へと送信する。また、受信側プローブのシグナル中継処理部201bは、管理サーバ100B1からのシグナル応答結果である「200OK」シグナルを、送信側プローブへと送信する。
送信側プローブのペイロード品質測定制御部201cは、自装置の上位装置である管理サーバ100A1に対して、通信品質測定開始通知を送信する。また、送信側プローブのペイロード品質測定制御部201cは、管理サーバ100A1から通信品質測定開始通知を受信すると、通信品質測定用パケットを、通信品質測定用パケット送受信部201aを介して、受信側プローブへと送信する。
また、送信側プローブのペイロード品質測定制御部201cは、受信側プローブから受信した通信品質測定用パケットを通信品質測定用パケット送受信部201aから受け渡されると、通信品質測定結果処理部201dによる処理を経て、自装置の上位装置である管理サーバ100A1に対して通信品質測定完了通知を送信する。
受信側プローブのペイロード品質測定制御部201cは、送信側プローブから受信した通信品質測定用パケットを通信品質測定用パケット送受信部201aから受け渡されると、自装置の上位装置である管理サーバ100B1に対して、通信品質測定用パケット受信通知を送信する。
また、受信側プローブのペイロード品質測定制御部201cは、自装置の上位装置である管理サーバ100B1から、通信品質測定用パケット受信通知に対する通信品質測定用パケット受信応答通知を受信すると、送信側プローブに対して、通信品質測定用パケットを、通信品質測定用パケット送受信部201aを介して送信する。
通信品質測定結果処理部201dは、自装置が送信側プローブである場合に、シグナル中継処理部201bが、受信側プローブから送信されてきたシグナル応答結果である「200OK」シグナルを受信すると、シグナル応答結果に基づいて、シグナルの品質測定結果を処理する。
また、通信品質測定結果処理部201dは、自装置が送信側プローブである場合に、受信側プローブから送信されてきた通信品質測定用パケットを受信すると、通信品質測定用パケットのペイロードの品質測定結果を処理する。
次に、実施例1の通信品質測定試験処理について説明する。図3は、実施例1の通信品質測定試験処理を示すシーケンス図である。ここでの通信品質測定試験は、一例として、音声試験である。なお、同図では、管理サーバ100A1の配下のプローブ200A1を送信側プローブとし、管理サーバ100B1の配下のプローブ200B1を受信側プローブとし、プローブ200A1とプローブ200B1が対向するプローブであることを前提とする。
先ず、プローブ200A1のペイロード品質測定制御部201cは、管理サーバ100A1のシグナル品質測定制御部101bに対して、通信品質測定開始通知を送信する(ステップS101)。
続いて、管理サーバ100A1のシグナル品質測定制御部101bは、通信品質測定開始通知を受信すると、管理サーバ100A1のシグナル送受信部101aに対して、「INVITE」シグナルを受け渡す(ステップS102)。
続いて、管理サーバ100A1のシグナル送受信部101aは、「INVITE」シグナルを受け渡されると、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bに対して、「INVITE」シグナルを送信する(ステップS103)。
続いて、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bは、「INVITE」シグナルを受信すると、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bに対して、「INVITE」シグナルを送信する(ステップS104)。
続いて、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bは、「INVITE」シグナルを受信すると、管理サーバ100B1のシグナル送受信部101aに対して、「INVITE」シグナルを送信する(ステップS105)。
続いて、管理サーバ100B1のシグナル送受信部101aは、「INVITE」シグナルを受信すると、管理サーバ100B1のシグナル品質測定制御部101bに対して、「INVITE」シグナルを受け渡す(ステップS106)。
続いて、管理サーバ100B1のシグナル品質測定制御部101bは、「INVITE」シグナルを受け渡されると、管理サーバ100B1のシグナル送受信部101aに対して、「INVITE」シグナルの応答結果である「200OK」シグナルを受け渡す(ステップS107)。
続いて、管理サーバ100B1のシグナル送受信部101aは、「200OK」シグナルを受け渡されると、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bに対して、「200OK」シグナルを送信する(ステップS108)。
続いて、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bは、「200OK」シグナルを受信すると、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bに対して、「200OK」シグナルを送信する(ステップS109)。
続いて、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bは、「200OK」シグナルを受信すると、この受信結果を、プローブ200A1の通信品質測定結果処理部201dに受け渡す。プローブ200A1の通信品質測定結果処理部201dは、この受信結果に基づいて、シグナル品質測定結果を処理する(ステップS110)。
続いて、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bは、管理サーバ100A1のシグナル送受信部101aに対して、「200OK」シグナルを送信する(ステップS111)。
続いて、管理サーバ100A1のシグナル送受信部101aは、管理サーバ100A1のシグナル品質測定制御部101bに対して、「200OK」シグナルを受け渡す(ステップS112)。
続いて、管理サーバ100A1のシグナル品質測定制御部101bは、「200OK」シグナルを受信すると、プローブ200A1のペイロード品質測定制御部201cに対して、通信品質測定開始通知を送信する(ステップS113)。
続いて、プローブ200A1のペイロード品質測定制御部201cは、通信品質測定開始通知を受信すると、プローブ200A1の通信品質測定用パケット送受信部201aに対して、通信品質測定用パケットを受け渡す(ステップS114)。
続いて、プローブ200A1の通信品質測定用パケット送受信部201aは、受け渡された通信品質測定用パケットを、プローブ200B1の通信品質測定用パケット送受信部201aに対して送信する(ステップS115)。
続いて、プローブ200B1の通信品質測定用パケット送受信部201aは、受信した通信品質測定用パケットを、プローブ200B1のペイロード品質測定制御部201cへと受け渡す(ステップS116)。
続いて、プローブ200B1のペイロード品質測定制御部201cは、通信品質測定用パケットを受信すると、管理サーバ100B1のシグナル品質測定制御部101bに対して、通信品質測定用パケット受信通知を送信する(ステップS117)。
続いて、管理サーバ100B1のシグナル品質測定制御部101bは、受信した通信品質測定用パケット受信通知の応答結果である通信品質測定用パケット受信応答通知を、プローブ200B1のペイロード品質測定制御部201cに対して送信する(ステップS118)。
続いて、プローブ200B1のペイロード品質測定制御部201cは、通信品質測定用パケット受信応答通知を受信すると、通信品質測定用パケットを、プローブ200B1の通信品質測定用パケット送受信部201aに受け渡す(ステップS119)。
続いて、プローブ200B1の通信品質測定用パケット送受信部201aは、受け渡された通信品質測定用パケットを、プローブ200A1の通信品質測定用パケット送受信部201aに対して送信する(ステップS120)。
続いて、プローブ200A1の通信品質測定用パケット送受信部201aは、受信した通信品質測定用パケットを、プローブ200A1のペイロード品質測定制御部201cへと受け渡す(ステップS121)。
続いて、プローブ200A1のペイロード品質測定制御部201cは、通信品質測定用パケットを受け渡されると、この通信品質測定用パケットの受信結果を、プローブ200A1の通信品質測定結果処理部201dに受け渡す。プローブ200A1の通信品質測定結果処理部201dは、この受信結果に基づいて、ペイロード品質測定結果を処理する(ステップS122)。
続いて、プローブ200A1のペイロード品質測定制御部201cは、管理サーバ100A1のシグナル品質測定制御部101bに対して、通信品質測定完了通知を送信する(ステップS123)。
続いて、管理サーバ100A1のシグナル送受信部101aは、通信品質測定完了通知を受信すると、管理サーバ100A1のシグナル送受信部101aに対して、「BYE」シグナルを受け渡す(ステップS124)。
続いて、管理サーバ100A1のシグナル品質測定制御部101bは、受け渡された「BYE」シグナルを、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bに対して送信する(ステップS125)。
続いて、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bは、受信した「BYE」シグナルを、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bに対して送信する(ステップS126)。
続いて、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bは、受信した「BYE」シグナルを、管理サーバ100B1のシグナル送受信部101aに対して送信する(ステップS127)。
続いて、管理サーバ100B1のシグナル送受信部101aは、受信した「BYE」シグナルを、管理サーバ100B1のシグナル品質測定制御部101bに対して受け渡す(ステップS128)。
続いて、管理サーバ100B1のシグナル品質測定制御部101bは、「BYE」シグナルを受け渡されると、「BYE」シグナルの応答結果である「200OK」シグナルを、管理サーバ100B1のシグナル送受信部101aに対して受け渡す(ステップS129)。
続いて、管理サーバ100B1のシグナル送受信部101aは、受け渡された「200OK」シグナルを、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bに対して送信する(ステップS130)。
続いて、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bは、「200OK」シグナルを受信すると、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bに対して、「200OK」シグナルを送信する(ステップS131)。
続いて、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bは、「200OK」シグナルを受信すると、この受信結果を、プローブ200A1の通信品質測定結果処理部201dに受け渡す。プローブ200A1の通信品質測定結果処理部201dは、この受信結果に基づいて、シグナル品質測定結果を処理する(ステップS132)。
続いて、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bは、管理サーバ100A1のシグナル送受信部101aに対して、「200OK」シグナルを送信する(ステップS133)。
最期に、管理サーバ100A1のシグナル送受信部101aは、管理サーバ100A1のシグナル品質測定制御部101bに対して、「200OK」シグナルを受け渡す(ステップS134)。
上記実施例1によれば、処理負荷の高いプロトコルスタックの実行にともなうシグナル制御を管理サーバにおこなわせ、プローブまたは通信品質測定のためのエージェントは、処理負荷の低い通信品質測定用パケットの実行にともなうペイロード制御のみをおこなうので、負荷分散を図り、プローブまたは通信品質測定のためのエージェントを、ネットワークの多数のあらゆる測定拠点に配置することが可能になるので、迅速かつ的確に通信障害発生箇所を特定することが可能になる。
次に、実施例2を説明する。先ず、実施例2にかかる通信品質測定システムの構成の概要について説明する。図4は、実施例2にかかる通信品質測定システムS2の構成の概要を示す図である。なお、図4に示す通信品質測定システムS2、管理サーバ100A2、プローブ200A2、通信品質測定のためのエージェントA2が実装されたHGW400A2、プローブ200B2、通信品質測定のためのエージェントB2が実装されたHGW400B2、エージェントA2およびエージェントB2は、基本的に、実施例1に示したものと同一である。実施例2では、実施例1との差異についてのみ説明し、同一の構成、機能および処理については、説明を省略する。
先ず、図4を参照すると、実施例2にかかる通信品質測定システムS2では、管理サーバ100A2は、プロトコルスタック(例えば、SIP(Session Initiation Protocol)(VoIP(Voice over Internet Protocol)用)、SIP(TVoIP(Television Voice over Internet Protocol)用)、コンテンツ配信(CDS(Contents Delivery Service)など))と、通信品質測定シナリオファイル(例えば、シナリオパターン(1)、シナリオパターン(2)、通信障害切り分けシナリオ、シナリオパターン(3)(連続試験用)など)とを記憶している。プロトコルスタックおよび通信品質測定シナリオファイルは、必要に応じて、追加して記憶させることが可能である。
管理サーバ100A2は、対向するプローブ200A2およびプローブ200B2でおこなう通信品質測定に先立って、プローブ200A2およびプローブ200B2に対して、記憶している上記プロトコルスタックおよび通信品質測定シナリオファイルを、試験目的に応じて適宜組み合わせて、通信品質測定実行シナリオファイルを生成する。そして、プローブ200A2、プローブ200B2、エージェントA2およびエージェントB2のうち、対向するプローブまたはエージェントに対して、同一の通信品質測定実行シナリオファイルの配信をおこなう。
プローブ200A2およびプローブ200B2は、受信した通信品質測定実行シナリオファイルに従って、通信品質測定をおこなう。この場合も、管理サーバ100A2が、プロトコルスタックの実行およびシグナル解析をおこない、プローブ200A2およびプローブ200B2が、通信品質測定用パケットの中継およびペイロードの通信品質測定をおこなう。
次に、実施例2にかかる通信品質測定システムS2の構成を説明する。図5は、実施例2にかかる通信品質測定システムの構成を示すブロック図である。実施例2にかかる通信品質測定システムS2は、ネットワークN1を介して接続される管理サーバ100A2と、管理サーバ100A2配下のプローブ200A1、・・・、200Ax(x≧1)と、ネットワークN2を介して接続される管理サーバ100B2と、管理サーバ100B2配下のプローブ200B1、・・・、200By(y≧1)とによって構成される。
なお、管理サーバ100A2および管理サーバ100B2、プローブ200A1、・・・、200Axおよびプローブ200B1、・・・、200Byは、それぞれ同一の構成である。また、ネットワークN1およびネットワークN2は接続されており、一つのネットワークを構成している。
実施例2にかかる管理サーバ100A2および管理サーバ100B2は、同一の構成である。これらが実施例1にかかる管理サーバ100A1および管理サーバ100B1と異なる点は、制御部101が通信品質測定実行シナリオファイル生成処理部101cをさらに有し、シナリオファイル記憶部103を有する。また、管理サーバ100A2および管理サーバ100B2の通信品質測定実行シナリオファイル生成処理部101cが、シナリオファイル記憶部103に記憶されるプロトコルスタックおよび/または通信品質測定シナリオファイルから通信品質測定実行シナリオファイルを生成し、シグナル送受信部101aを介して配下のプローブに対して配信する機能を有する点である。
実施例2にかかるプローブ200A1、・・・、Ax、プローブ200B1、・・・、200Byは、同一の構成である。これらが実施例1にかかるプローブ200A1、・・・、Ax、プローブ200B1、・・・、200Byと異なる点は、シグナル中継処理部201bが、自装置の上位装置である管理サーバ100A2または管理サーバ100B2から配信された通信品質測定実行シナリオファイルを一時記憶し、この通信品質測定実行シナリオファイルに定められた手順に従って、対向するプローブのシグナル中継処理部201b間で、連続的に通信品質測定をおこなう点である。
次に、実施例2の通信品質測定試験処理について説明する。図6は、実施例2の通信品質測定試験処理を示すシーケンス図である。ここでの通信品質測定試験は、一例として、音声試験である。なお、同図では、管理サーバ100A2の配下のプローブ200A1を送信側プローブとし、管理サーバ100B2の配下のプローブ200B1を受信側プローブとし、プローブ200A1とプローブ200B1が対向するプローブであることを前提とする。
先ず、プローブ200A1のペイロード品質測定制御部201cは、管理サーバ100A2のシグナル品質測定制御部101bに対して、通信品質測定開始通知を送信する(ステップS201)。
続いて、管理サーバ100A2のシグナル品質測定制御部101bは、通信品質測定開始通知を受信すると、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bに対して、SIP(Session Initiation Protocol)を実行するシナリオファイルを送信する(ステップS202)。同様に、管理サーバ100B2のシグナル品質測定制御部101bも、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bに対して、SIP接続を実行する、ステップS202で送信されたものと同一のシナリオファイルを送信する(ステップS203)。
続いて、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bは、受信したシナリオファイルに定められた手順に従って、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bへの「INVITE」シグナルの送信(ステップS204)、および、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bから、この「INVITE」シグナルの応答結果である「200OK」シグナルの受信(ステップS205)をおこなう。このステップS204およびステップS205の処理が、プロトコルスタックのシナリオ実行である。
続いて、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bは、管理サーバ100A2のシグナル品質測定制御部101bに対して、SIP接続実行のシナリオ実行結果を送信する(ステップS206)。また、同様に、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bは、管理サーバ100B2のシグナル品質測定制御部101bに対して、SIP接続実行の結果であるシナリオ実行結果を送信する(ステップS207)。
続いて、管理サーバ100A2のシグナル品質測定制御部101bは、シナリオ実行結果を受信すると、プローブ200A1のペイロード品質測定制御部201cに対して、シナリオファイル(通信品質測定用パケット関連シナリオ)を送信する(ステップS208)。同様に、管理サーバ100B2のシグナル品質測定制御部101bは、シナリオ実行結果を受信すると、プローブ200B1のペイロード品質測定制御部201cに対して、ステップS208で送信されたものと同一のシナリオファイル(通信品質測定用パケット関連シナリオ)を送信する(ステップS209)。
続いて、プローブ200A1のペイロード品質測定制御部201cは、受信したシナリオファイルに定められた手順に従って、プローブ200A1の通信品質測定用パケット送受信部201aに対して、通信品質測定用パケットを受け渡す(ステップS210)。
続いて、プローブ200A1の通信品質測定用パケット送受信部201aは、受け渡された通信品質測定用パケットを、プローブ200B1の通信品質測定用パケット送受信部201aに対して送信する(ステップS211)。
続いて、プローブ200B1の通信品質測定用パケット送受信部201aは、受信した通信品質測定用パケットを、プローブ200B1のペイロード品質測定制御部201cに受け渡す(ステップS212)。
続いて、プローブ200B1のペイロード品質測定制御部201cは、受信した通信品質測定用パケットに応答して、通信品質測定用パケットを、プローブ200B1の通信品質測定用パケット送受信部201aに受け渡す(ステップS213)。
続いて、プローブ200B1の通信品質測定用パケット送受信部201aは、受け渡された通信品質測定用パケットを、プローブ200A1の通信品質測定用パケット送受信部201aへ送信する(ステップS214)。
続いて、プローブ200A1の通信品質測定用パケット送受信部201aは、受信した通信品質測定用パケットを、プローブ200A1のペイロード品質測定制御部201cに受け渡す(ステップS215)。以上のステップS210〜ステップS215の処理が、通信品質測定用パケットのシナリオ実行である。
続いて、プローブ200A1のペイロード品質測定制御部201cは、通信品質測定用パケットのシナリオ実行結果を、管理サーバ100A2のシグナル品質測定制御部101bに送信する(ステップS216)。同様に、プローブ200B1のペイロード品質測定制御部201cは、通信品質測定用パケットのシナリオ実行結果を、管理サーバ100B2のシグナル品質測定制御部101bに送信する(ステップS217)。
続いて、管理サーバ100A2のシグナル品質測定制御部101bは、通信品質測定開始通知を受信すると、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bに対して、SIP解除を実行するシナリオファイルを送信する(ステップS218)。同様に、管理サーバ100B2のシグナル品質測定制御部101bも、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bに対して、SIP接続解除を実行する、ステップS218で送信されたものと同一のシナリオファイルを送信する(ステップS219)。
続いて、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bは、受信したシナリオファイルに定められた手順に従って、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bへの「BYE」シグナルの送信(ステップS220)、および、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bから、この「BYE」シグナルの応答結果である「200OK」シグナルの受信(ステップS221)をおこなう。このステップS220およびステップS221の処理が、プロトコルスタックのシナリオ実行である。
最後に、プローブ200A1のシグナル中継処理部201bは、管理サーバ100A2のシグナル品質測定制御部101bに対して、SIP接続解除実行のシナリオ実行結果を送信する(ステップS222)。また、同様に、プローブ200B1のシグナル中継処理部201bは、管理サーバ100B2のシグナル品質測定制御部101bに対して、SIP接続解除実行の結果であるシナリオ実行結果を送信する(ステップS223)。
次に、管理サーバ100A2内で管理される通信品質測定シナリオについて説明する。通信品質測定シナリオには、プロトコルスタック実行関連シナリオ、通信品質測定用パケット実行関連シナリオの2種類がある。通信品質測定シナリオの実行時は、管理サーバ100A2内でシナリオの組み立てを行う。SIP接続による音声品質の場合は、プロトコルスタック実行用シナリオ(SIP接続)、通信品質測定用パケット送信シナリオ、プロトコルスタック実行用シナリオ(SIP接続解除)の通信品質測定シナリオが組み立てられ、送信側プローブからの通知により、送信側プローブおよび受信側プローブへと順次配布される。
なお、プロトコルスタック実行関連シナリオは、図7に示すように、プロトコルスタック実行関連項目として、送信側プローブまたは受信側プローブ(送信側プローブであるか、受信側プローブであるかの識別情報)、送信先情報(対向プローブ情報)(プローブ名、プローブのIPアドレス)、送信メッセージ情報1(送信メッセージ内容)、送信メッセージ情報1に対する応答メッセージ情報1(応答受信メッセージ内容)、送信メッセージ情報2(送信メッセージ内容)、送信メッセージ情報2に対する応答メッセージ情報2(応答受信メッセージ内容)、最後の応答メッセージ情報である応答メッセージ情報(最終)(応答受信メッセージ内容)などを含む。
プロトコル実行関連シナリオの実行時には、自装置が送信側プローブである場合には、送信メッセージ内容をシナリオより読み込み、メッセージを対向プローブへ送信する。また、対向プローブからの応答メッセージの内容に応じて、次に送信すべきメッセージを順次実行し、最終の応答メッセージを受信した時点で完了と判定して、管理サーバへ通知する。また受信側プローブでは、シナリオファイルに記載されている送信メッセージを受信した場合、次の応答メッセージを送信し、最終の応答メッセージを送信した後、完了通知を管理サーバへ通知する。
また、通信品質測定用パケット実行関連シナリオは、図8に示すように、通信品質測定用パケット実行関連項目として、送信先情報(対向プローブ情報)(プローブ名、プローブのIPアドレス)、送信側プローブまたは受信側プローブ(送信側プローブであるか、受信側プローブであるかの識別情報)、通信品質測定用パケット送信数、通信品質測定用パケット送信サイズ、コーディック種別、通信品質測定用パケット送信間隔などを含む。
通信品質測定用パケット実行関連シナリオの実行時には、自装置が送信側プローブである場合には、通信品質測定用パケット実行関連シナリオに記載されている、シナリオの設定項目の種別、通信品質測定用パケット送信サイズ、通信品質測定用パケット送信間隔、通信品質測定用パケット送信回数にて、対向プローブへ、通信品質測定用パケットを送信する。通信品質測定用パケットのシナリオ実行が完了した時点で、管理サーバへ完了通知を送信する。受信側プローブでは、送信側プローブより受信した通信品質測定用パケットの応答を順次送信側プローブへ送信し、実行回数分応答を通知した段階で管理サーバに対して完了通知を送信する。
通信品質測定用パケット実行関連シナリオによれば、通信品質測定用パケットは、シナリオでの送信回数指定により、連続にパケットの送信が可能である。また、SIP接続、通信品質測定用パケット送信、SIP接続解除の一連の通信品質測定用パケット実行関連シナリオも、管理サーバ100A2で組み立てを行うことが可能である。
上記実施例2によれば、通信障害の発生箇所を特定するために複数のプロトコルスタックおよび/または通信品質測定シナリオを含む複雑な通信品質測定手順を要する場合であっても、通信品質測定手順を通信品質測定実行シナリオとして一まとめにして、一括してプローブまたは通信品質測定のためのエージェントへ送信し、通信品質測定をおこなわせることが可能になるので、通信品質測定項目の漏れを防ぎ、迅速かつ的確に通信障害の発生箇所を特定することが可能になる。また、通信品質測定実行シナリオを利用すると、プローブまたはエージェントのシグナル中継処理部201b間のみで通信品質測定実行シナリオに従って通信品質測定をおこなうこととなるので、リアルタイム性を必要とするプロトコルの通信品質測定をおこなう場合に、通信品質測定を容易かつ確実ならしめることができる。
また、従来は、新たなプロトコルスタック実行関連項目または通信品質測定用パケット実行関連項目を追加したい場合に、ネットワーク上に配置された多数のプローブに対して更新プログラムの配布が必要であった。しかし、実施例2によると、管理サーバ内にプロトコルスタック実行関連項目または通信品質測定用パケット実行関連項目を追加するのみでよい。このため、プロトコルスタック実行関連シナリオおよび通信品質測定用パケット実行関連シナリオの保守性、拡張性が高まる。
次に、実施例3を説明する。実施例3は、通信品質測定システムにおける通信障害発生時の通信障害切り分け実行をおこなう実施例である。図9は、実施例3にかかる通信品質測定システムにおける通信障害発生時の通信障害切り分け実行の概要を示す図である。なお、図9に示す通信品質測定システムS3、管理サーバ100A3、プローブ200A3、HGW400A3、プローブ200B3、HGW400B3、エージェントA3およびエージェントB3は、基本的に、実施例1および実施例2に示したものと同一である。実施例3では、実施例1および実施例2との差異についてのみ説明し、同一の構成、機能および処理については、説明を省略する。
図9を参照すると、対向するプローブ間で通信障害が発生した場合に、(11)先ず、管理サーバ100A3よりエージェントA3に対してシナリオが配布される。(12)次に、エージェントA3およびエージェントB3の間で、シナリオに従って通信品質測定をおこなう。
(13)このとき、エージェントA3およびエージェントB3の間で、通信障害(通信遅延等)を検出したため、管理サーバ100A3からエージェントA3に対して、通信障害発生箇所特定のためのシナリオが配布される。(14)シナリオに従って、エージェントA3およびプローブ200A3間、および、エージェントB3およびプローブ200B3間で、通信品質測定をおこなう。
さらに、それらのエージェントおよびプローブ間(もしくはプローブ間)に設置されているプローブまたはエージェントに対して同様のシナリオを配布し実行することにより、通信障害の発生箇所の推定範囲を徐々に狭めていくことによって通信障害の発生箇所が特定可能である。この通信障害の発生箇所を特定するためのシナリオファイルの生成を、管理サーバ100A3でおこなうことが可能である。
次に、実施例3の障害発生時の通信障害切り分け処理について説明する。図10は、実施例3の障害発生時の通信障害切り分け処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、管理サーバ100A3からエージェントA3へ、通信品質測定シナリオ(エージェントA3およびエージェントB3間の通信品質測定シナリオ)が送信される(ステップS301)。
続いて、エージェントA3からエージェントB3に対して、通信品質測定シナリオが実行され、通信品質測定がおこなわれる(ステップS302)。続いて、管理サーバ100A3によって、エージェントA3およびエージェントB3間において通信障害が検出されたか否かを判定する(ステップS303)。エージェントA3およびエージェントB3間において通信障害が検出されたと判定された場合に(ステップS303肯定)、ステップS304へ移り、エージェントA3およびエージェントB3間において通信障害が検出されたと判定されなかった場合に(ステップS303否定)、通信障害発生時の通信障害切り分け処理は終了する。
ステップS304では、管理サーバ100A3は、通信障害発生箇所特定のための通信品質測定シナリオを、エージェントA3に送信する。続いて、エージェントA3は、プローブ200A3、プローブ200B3に対して通信品質測定シナリオを実行する(ステップS305)。続いて、エージェントA3は、通信品質測定シナリオの実行結果より、通信障害発生箇所を特定する(ステップS306)。
上記実施例3によれば、あるプローブまたはエージェント間で通信障害の発生を検知したならば、通信障害の内容に応じた通信障害発生箇所の特定のための通信品質測定実行シナリオを生成し、通信障害の発生が検知されたプローブまたはエージェント間に存在する他のプローブまたはエージェントに対して通信品質測定実行シナリオを配布して、通信品質測定をおこなわせるので、徐々に通信障害発生箇所と推定される範囲を狭めて、最終的に的確に通信障害発生箇所を特定することが可能になる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で、更に種々の異なる実施例で実施されてもよいものである。また、実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。
また、上記実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記実施例で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)(またはMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)などのマイクロ・コンピュータ)および当該CPU(またはMPU、MCUなどのマイクロ・コンピュータ)にて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されてもよい。
特に、プローブ200A1、・・・、200Ax、200B1、・・・、200Byは、プロトコルスタック制御をおこなわないため、処理負荷が軽い。よって、プローブの機能をエージェントプログラムとして既存の通信装置に実装して実現することとしても、既存の通信装置の制御装置の処理能力を圧迫することはない。このため、ネットワーク内のあらゆる多数の拠点に、安価かつ容易に通信品質測定装置を配置することが可能になる。
以上の実施例1〜実施例3を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)通信ネットワークの任意の測定拠点に配置された対向する通信品質測定装置との間の通信品質測定をおこなうための通信品質測定用パケットを送受信した結果に基づき、該通信品質測定装置間の通信品質を管理する通信品質測定システムであって、
前記通信品質測定用パケットのシグナル制御をおこなうシグナル制御部と、前記シグナル制御部によるシグナル制御結果に基づいてシグナルの通信品質を測定するシグナル通信品質測定部とを有する管理サーバを有し、
前記通信品質測定装置は、前記通信品質測定用パケットのペイロード制御をおこなうペイロード制御部と、前記ペイロード制御部によるペイロード制御結果に基づいてペイロード通信品質を測定するペイロード通信品質測定部とを有することを特徴とする通信品質測定システム。
(付記2)前記通信品質測定装置は、通信品質測定開始通知を前記管理サーバに対して送信する通信品質測定開始通知送信部をさらに有し、
前記シグナル制御部は、前記通信品質測定開始通知送信部からの前記通信品質測定開始通知に応じて、シグナルを前記通信品質測定装置に対して送信することを特徴とする付記1に記載の通信品質測定システム。
(付記3)前記通信品質測定装置は、前記シグナル制御部から受信した前記シグナルを前記対向する通信品質測定装置へと中継し、該対向する通信品質測定装置から受信した該シグナルの応答結果を該シグナル制御部へと中継するシグナル中継部をさらに有することを特徴とする付記2に記載の通信品質測定システム。
(付記4)前記管理サーバは、複数の通信品質測定の手順を予め定める通信品質測定シナリオおよび/またはプロトコルスタックを生成する通信品質測定シナリオ生成処理部と、
前記通信品質測定シナリオ生成処理部によって生成された前記通信品質測定シナリオまたは前記プロトコルスタックを前記対向する通信品質測定装置それぞれに対して、通信品質測定に先立って送信する通信品質測定シナリオ送信部とをさらに有し、
前記通信品質測定装置は、
前記管理サーバから受信した前記通信品質測定シナリオまたは前記プロトコルスタックに従って、予め定められた間隔をおいて通信品質測定を順次実行する通信品質測定シナリオ実行部と、
前記通信品質測定シナリオ実行部によって前記通信品質測定シナリオに従っておこなわれた前記通信品質測定の結果を前記管理サーバへ通知するシナリオ実行結果通知部と
をさらに有することを特徴とする付記1、2または3に記載の通信品質測定システム。
(付記5)通信ネットワークの任意の測定拠点において管理サーバと通信可能に配置され、対向する通信品質測定装置との間で通信品質測定をおこなうための通信品質測定用パケットを送受信した結果に基づき、該対向する通信品質測定装置の間の通信品質を測定する通信品質測定装置であって、
前記通信品質測定用パケットのペイロード制御をおこなうペイロード制御部と、
前記ペイロード制御部よるペイロード制御結果に基づいてペイロード通信品質を測定するペイロード通信品質測定部と
を有することを特徴とする通信品質測定装置。
(付記6)通信品質測定開始通知を前記管理サーバに対して送信する通信品質測定開始通知送信部と、
前記通信品質測定開始通知送信部からの前記通信品質測定開始通知に応じて前記管理サーバから送信されてくるシグナルを受信するシグナル受信部と
を有することを特徴とする付記5に記載の通信品質測定装置。
(付記7)前記管理サーバから受信した前記シグナルを前記対向する通信品質測定装置へと中継し、該対向する通信品質測定装置から受信した該シグナルの応答結果を該シグナル制御部へと中継するシグナル中継部をさらに有することを特徴とする付記6に記載の通信品質測定装置。
(付記8)前記管理サーバに記憶されている複数の通信品質測定の手順が予め定められている通信品質測定シナリオおよび/またはプロトコルスタックを該管理サーバから受信すると、該通信品質測定シナリオおよび/または該プロトコルスタックに従って、予め定められた間隔をおいて通信品質測定を順次実行する通信品質測定シナリオ実行部と、
前記通信品質測定シナリオ実行部によって前記通信品質測定シナリオに従っておこなわれた前記通信品質測定の結果を前記管理サーバへ通知するシナリオ実行結果通知部と
をさらに有することを特徴とする付記5、6または7に記載の通信品質測定装置。
(付記9)通信ネットワークの任意の測定拠点において管理サーバと通信可能に配置される通信装置に実装されるエージェントであり、該エージェントが実装されている対向する通信装置または通信品質測定装置との間で通信品質測定をおこなうための通信品質測定用パケットを送受信した結果に基づき、該対向する通信装置または該通信品質測定装置の間の通信品質を測定する処理を前記通信装置の制御装置に実行させる通信品質測定エージェントであって、
前記通信品質測定用パケットのペイロード制御をおこなうペイロード制御手順と、
前記ペイロード制御手順プよるペイロード制御結果に基づいてペイロード通信品質を測定するペイロード通信品質測定手順と
を前記制御装置に実行させることを特徴とする通信品質測定エージェント。
(付記10)通信ネットワークの任意の測定拠点に配置され、対向する通信品質測定装置との間で通信品質測定をおこなうための通信品質測定用パケットを送受信した結果に基づき、該対向する通信品質測定装置との間の通信品質を測定する通信品質測定装置を管理する管理サーバであって、
前記通信品質測定用パケットのシグナル制御をおこなうシグナル制御部と、前記シグナル制御部によるシグナル制御結果に基づいてシグナルの通信品質を測定するシグナル通信品質測定部とを有することを特徴とする管理サーバ。
(付記11)前記シグナル制御部は、前記通信品質測定装置からの通信品質測定開始通知に応じて、シグナルを該通信品質測定装置に対して送信することを特徴とする付記10に記載の管理サーバ。
(付記12)複数の通信品質測定の手順を予め定める通信品質測定シナリオおよび/またはプロトコルスタックを生成する通信品質測定シナリオ生成処理部と、
前記通信品質測定シナリオ生成処理部によって生成された前記通信品質測定シナリオまたは前記プロトコルスタックを前記対向する通信品質測定装置それぞれに対して、通信品質測定に先立って送信する通信品質測定シナリオ送信部と
をさらに有することを特徴とする付記10または11に記載の管理サーバ。
(付記13)通信ネットワークの任意の測定拠点に配置された対向する通信品質測定装置との間の通信品質測定をおこなうための通信品質測定用パケットを送受信した結果に基づき、該通信品質測定装置間の通信品質を、通信品質測定装置および管理サーバが管理する通信品質管理方法であって、
前記管理サーバにおいて、
前記通信品質測定用パケットのシグナル制御をおこない、前記通信品質測定装置からの通信品質測定開始通知に応じて、シグナルを該通信品質測定装置に対して送信するシグナル制御ステップと、
前記シグナル制御ステップによるシグナル制御結果に基づいてシグナルの通信品質を測定するシグナル通信品質測定ステップと
を含み、
前記通信品質測定装置において、
前記通信品質測定開始通知を前記管理サーバに対して送信する通信品質測定開始通知送信ステップと、
前記通信品質測定用パケットのペイロード制御をおこなうペイロード制御ステップと、
前記ペイロード制御ステップによるペイロード制御結果に基づいてペイロード通信品質を測定するペイロード通信品質測定ステップと、
前記シグナル制御ステップから受信した前記シグナルを前記対向する通信品質測定装置へと中継し、該対向する通信品質測定装置から受信した該シグナルの応答結果を該シグナル制御部へと中継するシグナル中継ステップと
を含むことを特徴とする通信品質管理方法。
本発明は、低コストでネットワーク内のあらゆる測定拠点で管理をおこない、通信障害の詳細な発生箇所を特定可能としたい場合に有用である。
実施例にかかる通信品質測定システムの構成の概要を示す図である。
実施例1にかかる通信品質測定システムの構成を示すブロック図である。
実施例1の通信品質測定試験処理を示すシーケンス図である。
実施例2にかかる通信品質測定システムの構成の概要を示す図である。
実施例2にかかる通信品質測定システムの構成を示すブロック図である。
実施例2の通信品質測定試験処理を示すシーケンス図である。
プロトコルスタック実行関連シナリオの例を示す図である。
通信品質測定用パケット実行関連シナリオの例を示す図である。
実施例3にかかる通信品質測定システムにおける通信障害発生時の通信障害切り分け実行の概要を示す図である。
実施例3の障害発生時の通信障害切り分け処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
N1、N2 ネットワーク
S1、S2、S3 通信品質測定システム
A1、B1、A2、B2、A3、B3 エージェント
100A1、100B1、100A2、100B2、100A3 管理サーバ
101 制御部
101a シグナル送受信部
101b シグナル品質測定制御部
101c 通信品質測定実行シナリオファイル生成処理部
102 インターフェース部
103 シナリオファイル記憶部
200A1、200B1、200A2、200B2、200A3、200B3 プローブ
201 制御部
201a 通信品質測定用パケット送受信部
201b シグナル中継処理部
201c ペイロード品質測定制御部
201d 通信品質測定結果処理部
202 インターフェース部
300A、300B ルータ
400A1、400B1、400A2、400B2、400A3、400B3 HGW
500A、500B 端末装置
600A、600B 有線通話端末装置