以下、本発明の一実施の形態に係るディスク再生装置について、図1から図26に基づいて説明する。図1は、本発明のディスク再生装置10の構成を示す分解斜視図である。このディスク再生装置10は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等のディスク11(図2、図3他参照)を再生するものである。
ディスク11には、直径が8cmの小径ディスク11a(図2(b)他参照)と、直径が12cmの大径ディスク11b(図2(a)他参照)とがある。これら小径ディスク11aと、大径ディスク11bの中心部分には、共に孔部11cが空いている(図15参照)。この孔部11cに対して、後述する環状凸部37aが差し込まれる。
なお、以下の説明では、小径ディスク11aと大径ディスク11bとをまとめてディスク11ともいう場合がある。また、ディスク再生装置10で再生されるディスク11(記録媒体)は、CDやDVD(Digital Versatile Disc)には限られず、CD−RやDVD−R、DVD−RW等の他の円盤状体を有する記録媒体でも良い。
また、以下の説明では、上側(上方側)とは、ディスク11が水平状態となる向きにディスク再生装置10を配置したときに、後述するターンテーブル37からクランパ34に向かう方向を指す(図4参照)。また、下側(下方側)とは、同じく、クランパ34からターンテーブル37に向かう方向(メインシャーシ18の底面18a側(図24参照))を指す。さらに、奥側とは、ディスク11がディスク再生装置10の内部に搬入される際の該ディスク11の進行方向の側を指し、手前側とは、搬入される際の当該進行方向の逆側(ディスク差込口19側)を指す。
同様に、下向きとは、ディスク11が水平状態となる向きにディスク再生装置10を配置したときに、クランパ34からターンテーブル37に向かう方向を指す。また、上向きとは、これと逆の方向を指す。
ディスク再生装置10は、図1に示すように、アウターシャーシ部材12と、フロントシャーシ部材13と、ディスクガイド部材14と、フローティング部材15と、ローラレバー部材16と、メカ基板17とを有している。フローティング部材15は、メインシャーシ18を備えている。このメインシャーシ18に、ディスクガイド部材14、ローラレバー部材16、メカ基板17、および後述するクランプレバー30等の各種部材が取り付けられる。
また、アウターシャーシ部材12は、その側壁20a,20bでダンパ21及びバネ22を介してフローティング部材15を支持している。本実施の形態では、フローティング部材15の4隅の近傍に、夫々1つずつ、計4つのダンパ21及びバネ22が設けられている。ダンパ21には、差込穴21aが設けられていて、フローティング部材15の支持軸23が差し込まれる。支持軸23は、フローティング部材15側に存するピン状部材であり、フローティング部材15から側方に向かって突出している。かかるダンパ21の弾性変形が、該バネ22の弾性力に抗する抵抗となる。
また、バネ22は、その一端側がアウターシャーシ部材12のバネ係止部24に掛け止めされると共に、その他端側は、フローティング部材15のバネ係止部25に掛け止めされる。それにより、フローティング部材15は、アウターシャーシ部材12に対してフローティング状態で支持可能となる。なお、後述するように、フローティング状態を切り替える機構(ロックアーム160、リアロックアーム190等)によって、アウターシャーシ部材12に対するフローティング部材15のフローティング状態、および固定状態が切替可能となっている。
また、図1に示すように、アウターシャーシ部材12の開放側面には、例えばネジ26a等によってフロントシャーシ部材13が取り付けられる。フロントシャーシ部材13は、アウターシャーシ部材12との間で、ディスク差込口19を形成する部分である。すなわち、このフロントシャーシ部材13の取付部位が、ディスク再生装置10における前面側となり、ここに形成されるディスク差込口19からディスク11の差し込みを行える。
フローティング部材15には、手前側(ディスク差込口19側)の上方を覆うように、例えばネジ26b等の固定手段によってディスクガイド部材14が取り付けられる。ディスクガイド部材14は、ディスクガイド手段としての機能を有していて、大径ディスク11bおよび小径ディスク11aのディスク再生装置10の内部への搬入をガイドする。
ここで、図2に示すように、ディスクガイド部材14は、小径ディスク11aと大径ディスク11bの搬入を切り分けることを可能としている。すなわち、大径ディスク11bの搬入の場合には、図2(a)に示すように、ディスクガイド部材14の側面側に存在する大径ディスクガイド部27によって、搬入の先端部分(ディスク再生装置10の奥側)が小径ディスク11a搬入の場合よりも、下方側に位置する。
また、小径ディスク11a搬入の場合には、図2(b)に示すように、大径ディスク11bの搬入の場合と比較すると、ディスクガイド部材14の中央側に存在する小径ディスクガイド部28によって、小径ディスク11aの搬入の先端部分が、上方側に位置する。すなわち、図2に示すように、各ディスク11a,11bが水平であった場合の該ディスク11a,11bの上面の延長線を延長線Lとすると、この延長線Lに対する大径ディスク11bの先端部での上面との距離g1が、小径ディスク11aの先端部での上面との距離g2に比べ大きくなっている。
なお、図1および図2に示すように、ディスクガイド部材14は、ディスク11の搬入の中央部よりも、側方部が、断面形状が長くなっている。図2では、夫々ディスク11の搬入方向に沿った、大径ディスクガイド部27の側断面図(図2(a))、および小径ディスクガイド部28の側断面図(図2(b))を示している。図2(a)は、ディスクガイド部材14の両側方部分の断面図で、図2(b)は、ディスクガイド部材14の略中央の断面図である。
また、ディスクガイド部材14の取り付けに先立って、フローティング部材15には、ローラレバー部材16が取り付けられる。ローラレバー部材16は、図1に示すように、フローティング部材15のうち、手前側に取り付けられる。このローラレバー部材16は、後述するように、回転軸140(図16参照)を中心として回動する。それにより、ディスク11に当接する搬送状態とディスク11から離れるチャッキング状態とが切り替え可能である。
また、フローティング部材15の下面側には、例えばネジ26c等により、メカ基板17が取り付けられる。メカ基板17は、例えばスピンドルモータ38(図25参照)といった、フローティング部材15に存在するメカ的な機構を支持している。
フローティング部材15には、図3に示すような、クランプレバー組立体(以下、クランプレバー30と呼ぶ。)が、回動支点31及び一対の回動軸32(図4参照)を介して回動自在に支持されている。回動支点31は、クランプレバー30の両側部分に位置し、孔部分(不図示)を有している。この孔部分に、フローティング部材15側に存在する回動軸32が挿通される。それによって、クランプレバー30がフローティング部材15に対して回動自在となっている。
クランプレバー30には、板バネ33が取り付けられている。板バネ33は、図3に示すように、クランプレバー30が取り付けられている一端側と反対側の他端側が突出ピン33aとなっていて、この突出ピン33aが、後述するカム部材83に形成されたカム溝86を摺動する。この摺動により、クランプレバー30は回動支点31を中心として、図3の紙面と垂直方向(法線方向)に回動することが可能である。なお、この突出ピン33aと、カム部材83とによって、カム機構が構成されている。
また、図4に示すように、クランプレバー30には、ディスク11をターンテーブル37に対して圧接させるためのクランパ34が設けられている。クランパ34は、取付金具35によって回転自在、かつ傾斜自在に支持されている(図4参照)。このクランパ34は、図5に示すように、ディスク11の上面に当接する鍔部34aを有すると共に、該鍔部34aの内方には、後述するターンテーブル37の環状凸部37aを嵌め込むための環状凹部34bが設けられている。環状凹部34bは、本実施の形態では、環状凸部37aの断面形状に対応して、その断面が略三角形状の窪みとなっている。
なお、クランパ34のうち、環状凹部34bよりも中心寄りの中央部は、ディスク11の孔部11cに入り込むように、鍔部34aの下面よりも、図5において下方に突出している。この中央部のうち、径方向の中心側には、中心凹部34cが設けられている。中心凹部34cは、ターンテーブル37の中心凸部37bが嵌合される部分である。
また、図5に示すように、ディスク11を載置可能なターンテーブル37は、スピンドルモータ38の回転軸(不図示)に取り付けられている。そして、ディスク11の圧接状態で、ターンテーブル37がスピンドルモータ38によって回転駆動されると、ディスク11及びこのディスク11を圧接しているクランパ34が回転駆動され、該ディスク11の再生が行える状態となる。このターンテーブル37には、径方向の中心側に、図5において上方側に向かって突出する、環状凸部37aが設けられている。環状凸部37aは、上述した環状凹部34bに嵌め込まれる部分である。
この環状凸部37aの内径側には、図5において上方側に向かって突出する、中心凸部37bが設けられている。中心凸部37bは、上述した中心凹部34cに嵌め込まれる部分である。なお、ディスク11のチャッキングに際しては、鍔部34aとターンテーブル37の上面との間でディスク11を挟持した状態で、環状凹部34bおよび中心凹部34cに、夫々環状凸部37aおよび中心凸部37bが嵌め込まれる。それにより、クランパ34が傾かずに、その姿勢が安定する。
また、ターンテーブル37のうち、環状凸部37aよりも外径側には、ディスク載置部37cが位置している。ディスク載置部37cは、ディスク11の下面を受け止める部分である。また、ディスク載置部37cの上面には、滑り止め部としてのフリクションシート39が貼設されている。フリクションシート39は、ディスク11のスリップ防止を目的とするために、例えばゴム部材といった、摩擦係数が大きな材質から構成されている。
図3に示すように、クランプレバー30には、その中央部分に、ディスク11の挿入方向に倣って湾曲孔36が形成されている。湾曲孔36はクランプレバー30を上下方向に貫通している。それにより、後述するクランプ爪50(図6参照)を、ターンテーブル37側に突出させることが可能である。ここで、クランプ爪50は、後述するように、トリガアーム40の回転軸40aを中心として揺動するものである。かかる揺動に対応させて、湾曲孔36は、その平面形状が略円弧形状となるように形成されている。
なお、本実施の形態では、湾曲孔36は、ディスク再生装置10の幅方向のうち、略中央部分を貫く中心線L(図3参照)にほぼ沿うように形成されている。
図3に示すように、クランプレバー30には、回転軸40aを中心として揺動可能に、回動部材としてのトリガアーム40が取り付けられている。トリガアーム40は、回転軸40aを境にして、図3中左側が第1の揺動部41、図3中右側(トリガスライダ61側)が第2の揺動部42とに分けられる。
また、トリガアーム40は、本実施の形態では、その平面形状が長尺の湾曲形状を為している。また、このトリガアーム40に対して、回転軸40aは、後述するトリガスライダ61側(図6、図9参照)に偏心して取り付けられている。すなわち、第1の揺動部41側が、第2の揺動部42側よりも長くなるように設けられている。それによって、第1の揺動部41側は、後述する大径ディスク11bおよび小径ディスク11aの搬入に対応して揺動し、さらに第2の揺動部42は、トリガスライダ61側でのスライドを引き起こすために適切な範囲の揺動を行う。
第1の揺動部41のうち、回転軸40a側であって、かつ奥側には、下方に向かってディスク係合部43が設けられている(図3、図5及び図6参照)。ディスク係合部43は、大径ディスク11bの外周縁部(先端側)の保持に対応する部分であり、そのため後述するクランプ爪50よりも下方側に突出して設けられている。また、図7に示すように、ディスク係合部43には、ディスク保持部44が設けられている。ディスク保持部44は、その上面側で大径ディスク11bの外周縁部(先端側)の下面側を保持する。それによって、大径ディスク11bは、ディスク差込口19から搬入され、ディスク再生装置10の内部に向かって進行しても、該大径ディスク11bの傾斜が一定範囲内に抑えられる。
なお、図4(a)に示すように、大径ディスク11bは、搬入に際しては、フリクションシート39に対して所定の隙間を有しながら、ターンテーブル37に対して傾斜している。しかしながら、搬送ローラ145およびクランパ34が降下して大径ディスク11bの調芯が実行されると、図4(b)および図5に示すように、大径ディスク11bとターンテーブル37とは、略水平を為す状態となる。また、図7に示すように、本実施の形態では、ディスク保持部44は、ディスク係合部43に対して所定の高さ位置に設けられている。この高さ位置は、大径ディスク11bが調芯されるに際して、該大径ディスク11bが、フリクションシート39に接触せず略水平を保つ位置となっている。また、ディスク係合部43と、ディスク保持部44とによって、先端保持手段が構成される。
また、ディスク保持部44は、ディスク係合部43から、中心線Lに向かって突出している。そして、図7(a)に示す状態においては、ディスク係合部43よりも、僅かにディスク差込口19側に向かって突出している。それにより、ディスク保持部44の軸線Pの軸線方向は、図7(a)において、大径ディスク11bの中心に向かう状態となる。これと共に、大径ディスク11bの搬入により、所定だけ大径ディスク11bが回動させられた場合には、該軸線Pの軸線方向は、大径ディスク11bの中心に向かわずに、所定の角度を為す状態となる。それによって、ディスク保持部44は、大径ディスク11bの下面に当接している状態から、非当接の状態となるまでの移動距離が少なくなる。
しかしながら、ディスク保持部44は、図7に示すものには限られず、後述するように、チャッキング時に大径ディスク11bの下面から良好に離間するものであれば、どのような構成であっても良い。その一例としては、ディスク保持部44を、中心線L側に突出させずに、ディスク差込口19側に突出させるように構成しても良い。
また、第1の揺動部41のうち、その突出端部側には、小径側先端保持手段としてのクランプ爪50が設けられている。クランプ爪50は、トリガアーム40の下面側(メカ基板17側)に向かって突出する突出部45に取り付けられている(図7、図8参照)。突出部45は、小径ディスク11aの外周縁部を、後述する係止壁53で係止するのに良好な分だけ突出している。
このクランプ爪50は、図6〜図8に示すように、爪本体部51と、ディスク受け部52とを有している。このうち、爪本体部51は、ディスク受け部52よりも厚肉の部分であり、その一端側で突出部45と連結されている。なお、爪本体部51と突出部45とは、本実施の形態では固定的となっている。しかしながら、爪本体部51は突出部45を中心として回動するように構成しても良い。
また、ディスク受け部52は、爪本体部51よりも薄肉の部分であり、小径ディスク11aの下面側に当接して該小径ディスク11aの下面側を受け止める部分である。ディスク受け部52の下面側は、爪本体部51の下面と面一に設けられている。また、ディスク受け部52の上面側は、爪本体部51よりも低くなる(メカ基板17側に位置する)ように設けられている。このディスク受け部52と爪本体部51との間には、段差が存在していて、この段差を構成する壁面が、小径ディスク11aの外周縁部に当接する係止壁53となっている。なお、係止壁53は、次に述べるディスク当接部54の側壁である。
爪本体部51には、ディスク当接部54が設けられている。ディスク当接部54は、爪本体部51のうち、ディスク受け部52側(手前側であるディスク差込口19側)に突出している部分である。ディスク当接部54は、先細り形状となるようにディスク受け部52側へ突出している。また、ディスク当接部54の先端部分の平面形状は、尖状ではなく曲線状となっている。それにより、係止壁53が小径ディスク11aの外周縁部に当接し易い構成となっている。すなわち、トリガアーム40が回動した場合でも、係止壁53が小径ディスク11aの外周縁部に良好に当接可能となっている。
また、爪本体部51の上面には、トリガ側バネ係止部55が設けられている。トリガ側バネ係止部55は、戻しバネ57(図3参照)の一端側を掛け止めする部分である。また、湾曲孔36のうち、その手前側であって、図3中右側の側縁部分からは、クランパ側バネ係止部56が突出している。このクランパ側バネ係止部56に戻しバネ57の他端側を掛け止めすることにより、トリガアーム40には、図3において反時計回りの付勢力が与えられる。
なお、図3に示すように、クランプレバー30の上面のうち、湾曲孔36に近接する部位には、位置決め突起58が上方に向かい突出している。この位置決め突起58には、トリガアーム40の手前側の側縁が衝突する構成である。それにより、ディスク11の搬入前における、トリガアーム40の初期位置が定められる。
図6に示すように、トリガアーム40のうち第2の揺動部42には、回転軸40aと先端突起48との間の位置であって、該先端突起48寄りの位置にスライダ用突起46が設けられている。スライダ用突起46は、後述するトリガスライダ61の係合部67に係合する部分である。かかる係合のために、スライダ用突起46は、トリガスライダ61の係合部67と良好に係合する突出長さを有している。また、係合部67への係合に対応させて、その突出端部から所定の長さだけ、手前側からディスク再生装置10の奥側に向かって切り欠かれた切欠部47をその先端側に有している。
また、図6、図7および図9に示すように、第2の揺動部42のうち、その突出端部側には、先端突起48が設けられている。先端突起48は、後述するカム部材83の係合ピン89と係合する部分である。先端突起48は、トリガアーム40の他の部分よりも下方側に位置し、かつ側壁20a(図1参照)に向かって突出している。
また、図6、および図9〜図11に示すように、ディスク再生装置10の内部には、スライド部材としてのローディングスライダ部材60が設けられる。ローディングスライダ部材60は、トリガスライダ61と、ローディングスライダ70とから構成されている。これらトリガスライダ61と、ローディングスライダ70とが重ねられて、ローディングスライダ部材60が構成されている。
さらに、トリガスライダ61とローディングスライダ70の間には、連動バネ90が設けられている(図6、図9参照)。連動バネ90の一端側は、トリガスライダ61の第1のバネ受け部62に掛け止めされ、その他端側は、ローディングスライダ70の第2のバネ受け部74に掛け止めされる。この連動バネ90の存在により、両スライダ61,70は互いに付勢力を与えながら連動し、また初期の互いの相対位置が定められる。
また、ローディングスライダ70側の第2のバネ受け部74は、後述する突出用孔65に位置している(図6、図9及び図10参照)。第2のバネ受け部74は、突出用孔65から上方に向かって突出している。なお、第2のバネ受け部74が突出用孔65から突出することにより、該トリガスライダ61とローディングスライダ70との間の相対的な移動距離を規制することもできる。また、第1のバネ受部62は、後述するラックギヤ68の付け根近傍に設けられている。
トリガスライダ61は、図6、および図9〜図11に示すように、樋溝状のスライドガイド部63と、このスライドガイド部63からディスク再生装置10の内方側に向かう延出部64と、を有している。なお、ディスク再生装置10の内部においては、スライドガイド部63は、ローディングスライダ70の側辺部に覆い被さるように設けられる。また、延出部64は、その外観が略三角形状であり、側壁20a側に向かって延伸している。延出部64の中央部分には、突出用孔65が設けられている。突出用孔65は、奥側が矩形であると共に、手前側にくるほど幅狭となる尖形(略三角形状)となっている。
また、延出部64の奥側には、当接片66(図10、図11参照)が設けられている。当接片66は、延出部64をコ字状に切り欠くと共に、該延出部64に対して垂直となるように折れ曲がっている。この当接片66は、後述するローディングスライダ70の当接部75に当接するものであり、そのため下方側を向くように折り曲げられている。
また、延出部64の最も側壁20a側には、外観が矩形状の係合部67が設けられている。係合部67は、スライダ用突起46が係合する部分である。かかる係合を良好とするために、係合部67は、延出部64の他の部分よりも隆起するように上方に折り曲げられている。それによって、スライダ用突起46の切欠部47が係合部67に係合した場合でも、該スライダ用突起46の先端部分が、ローディングスライダ70と干渉しない構成となっている。
また、トリガスライダ61のうち、手前側かつ側壁20a側には、延出部64に連なるようにラックギヤ68が設けられている。ラックギヤ68は、後述するピニオンギヤ125(図10参照)と噛合するものである。また、図14に示すように、ラックギヤ68、ピニオンギヤ125、ならびに複数の従動ギヤからなるギヤ輪列122によって、スライド用駆動伝達手段が構成される。なお、ピニオンギヤ125との接離を良好とするために、ラックギヤ68の先端部分には、トリガスライダ61の他の部分が連なっていない。
また、トリガスライダ61に重ねられるローディングスライダ70は、図6、および図9〜図11に示すように、トリガスライダ61よりも幅広となるように設けられている。また、ローディングスライダ70は、ディスク再生装置10の中央側が、スライドガイド部63で覆われる側辺部71となっている。
ローディングスライダ70のうち、側辺部71の手前側には、スイッチ当接部72が設けられている。スイッチ当接部72は、次に述べるプレート部73が側辺部71側に向かって切り欠かれて形成されている。スイッチ当接部72は、メカ基板17に取り付けられている、終了検出スイッチ91(図9参照)に衝突する部分である。終了検出スイッチ91がスイッチ当接部72により押されると、後述するローディングモータ120(図9参照)が作動停止となる。すなわち、終了検出スイッチ91は、ローディングスライダ70のスライド終了位置(ローディング終了位置)を検出し、該ローディングモータ120の作動を停止させる。
なお、スイッチ当接部72が終了検出スイッチ91を押し込んで、ローディングモータ120が作動停止となるとき、ディスク受け部52が小径ディスク11aの下面に接触している状態が解除され、該ディスク受け部52が小径ディスク11aの外径側に逃げた状態となるように構成されている。
また、図6、図9〜図11に示すように、ローディングスライダ70は、側辺部71から側壁20a側に向かうプレート部73を有している。プレート部73には、上述したように、第2のバネ受け部74が形成されている。第2のバネ受け部74は、プレート部73のうち、側辺部71側かつ奥側に位置していて、当接片66が後述する当接部75に当接した場合でも、突出用孔65から良好に突出するように設けられている。また、プレート部73のうち、後端側(ディスク11の差し込みの奥側)の側縁は、当接片66が当接する当接部75となっている。すなわち、当接部75に当接片66が当接することで、ローディングスライダ70がトリガスライダ61によって手前側に押し込まれる。
プレート部73には、長孔状の打ち抜き部76が形成されている。打ち抜き部76のうち手前側は、長孔部77となっている。また、打ち抜き部76のうち長孔部77よりも手前側から奥側は、幅広な拡幅孔部78となっている。拡幅孔部78には、後述するピニオンギヤ125が位置可能である。すなわち、ピニオンギヤ125は、下方から上方に向かうように拡幅孔部78に差し込まれ、ラックギヤ68と噛み合うことが可能である。
また、打ち抜き部76のうち、拡幅孔部78に連なる奥側には、カム溝部79が設けられている。カム溝部79は、後述するドライブアーム100のピン107が差し込まれる。カム溝部79は、図6、図10および図11に示すように、拡幅孔部78から奥側に向かうにつれて、拡幅孔部78よりも側壁20a側に向かうように形成されている。
なお、図10および図11に示すように、カム溝部79のうち、拡幅孔部78側の基端部79aは、ディスク11の差し込み方向に平行となっている。また、基端部79aに連なって、側壁20a側に徐々に近づいていくテーパ部79bが設けられている。さらに、テーパ部79bに連なって、ディスク11の差し込み方向に平行な先端部79cが設けられている。
また、図6、図9〜図11に示すように、プレート部73よりも側壁20a側には、カム用延伸部80が設けられている。カム用延伸部80の付け根部分は、プレート部73よりも下方に向かって折り曲げられた下底部81となっている。下底部81は、上述の係合部67およびスライダ用突起46が位置する部分であり、該スライダ用突起46の先端部が干渉しないように、ローディングスライダ70の他の部分より下降している。
また、下底部81から上昇するように、該下底部81に連なってカム取付部82が設けられている。カム取付部82は、例えばネジ等(不図示)を介して、図9および図12に示すカム部材83を取り付ける部分である。カム部材83は、カム取付部82への取り付けのための係止部84を有している。また、係止部84から上方に向かうように、カム本体部85が設けられている。カム本体部85には、図12に示すように、カム溝86が設けられている。カム溝86は、上述の突出ピン33aが差し込まれる部分である。そのため、カム溝86は、ディスク再生装置10の手前側が開放された溝となっている。
カム溝86は、図12に示すように、ディスク11の差し込みの手前側が高く、該差し込みの奥側に向かうにつれて下降するように形成されている。なお、カム溝86は、傾斜角度の大きな急傾斜部86aと、傾斜角度の緩やかな緩傾斜部86bと、メカ基板17の面と略並行を為すと共に、高さ位置が最も低い平行部86cとから構成されている。
かかるカム溝86のうち、手前側の急傾斜部86aの近傍には、カム溝86の下面中、最も高い位置となる頂点86dが設けられている。この頂点86dよりも手前側には、ローディングスライダ70がスライドする前のディスク搬入時において、突出ピン33aを安定的に受け止めるピン受部87が存在している。
ここで、カム溝86内を突出ピン33aが摺動すると、クランプレバー30が下方に降下する。すると、ディスク11がクランパ34によって圧接され、ディスク11の調芯が為され、次にディスク11のチャッキングが為される。この調芯が為されるときに、搬送ローラ145の駆動が停止されるように構成するのが、好ましい。
また、図9に示すように、カム部材83には、奥側に向かって後方突出部88が設けられている。後方突出部88の先端部分には、上方に向かうように係合ピン89が設けられている。係合ピン89は、上述した先端突起48が係合する部分である。この係合状態は、図1に示すように、先端突起48が係合ピン89よりも手前側に位置するように係合している。すなわち、ラックギヤ68とピニオンギヤ125との噛み合いによって、ローディングスライダ70が手前側にスライドした場合に、トリガアーム40を図3や図9において時計回りに回動させる状態で、係合ピン89および先端突起48が係合している。
なお、図9に示すように、カム溝86は、カム本体部85を貫通していなく、側壁20a側からは見えない状態となっている。本実施の形態では、このカム本体部85の側壁20a側には、適宜凹凸が形成されている。
また、メインシャーシ18には、図9、図13等に示すような長尺状のドライブアーム100が取り付けられる。ドライブアーム100は、その一端側から他端側に向かうに従って、段階的に高さが変化するように設けられている。すなわち、ドライブアーム100には、一端側から他端側に向けて、回動一端部101、中央プレート部102、ピン形成部103、および回動他端部104が設けられている。
このうち、中央プレート部102には、その中心部分に軸孔105aが形成されている。軸孔105aには、メインシャーシ18に取り付けられる回転軸(不図示)が挿通される。それによって、ドライブアーム100は、該メインシャーシ18に対して、回転軸を中心に回転自在となる。また、中央プレート部102のうち、奥側および手前側には、夫々逃がし孔106a,106bが形成されている。逃がし孔106a,106bは、後述する回転軸126,127を挿通させて、該回転軸126,127がドライブアーム100と干渉しないようにさせるための部分である。
なお、本実施の形態では、ローディングモータ120に近接した位置となる、手前側の逃がし孔106bの方が逃がし孔106aに比べ、側壁20a側に寄るように形成されている。また、回転軸を良好に逃がすために、逃がし孔106a,106bの平面形状は、軸孔105aから一定半径だけ離間した円弧形状となっている。
また、中央プレート部102よりも奥側のピン形成部103は、該中央プレート部102よりも高く設けられていて、該ドライブアーム100の上方に配置されるローディングスライダ70に近接している。ピン形成部103には、上方に向かってピン107が形成されている。ピン107は、上述のカム溝部79に差し込まれる。そのため、ローディングスライダ70がスライドすると、カム溝部79の溝形状にピン位置が規制されることで、ドライブアーム100が回転軸105を中心として揺動する。
また、ピン形成部103よりも奥側の回動他端部104は、上述のピン形成部103よりも高さ位置が低くなるように設けられている。回動他端部104には、その上面から上方に向かい連結ピン108が形成されている。連結ピン108は、後述する差込孔192(図14他参照)に差し込まれ、リアロックアーム190の回転中心となっている。
中央プレート部102よりも手前側には、回動一端部101が形成されている。回動一端部101は、ドライブアーム100のうちで、高さ位置が最も低くなるように設けられている。また、回動一端部101には、最も手前側に突出するピン係合部109が設けられている。ピン係合部109は、ローラレバー部材16の回動用ピン147(図16他参照)に係合する部分である。なお、ドライブアーム100(ピン係合部109)と、回動用ピン147とによって、第2のカム機構が構成されている。
図13に示すように、ピン係合部109のうち、回動用ピン147に係合する部分が、突出側の外周壁面である係合縁部109aである。この係合縁部109aは、回動用ピン147との間の係合を良好にするために、その平面形状が略円弧形状を為している。また、係合縁部109aは、側壁20a側からディスク再生装置10の中央部に向かうにつれて、奥側に向かうような円弧形状に形成されている。
また、回動一端部101には、ディスク再生装置10の中央部に向かって舌片部110が突出している。舌片部110は、ドライブアーム100のうち、最もディスク再生装置10の中央部寄りに突出している部分である。また、舌片部110の上面からは、上方に向かいスライダ用ピン111が形成されている。スライダ用ピン111は、後述するロックスライダ151の貫通溝152に差し込まれる(図17参照)。そして、ドライブアーム100が回動した場合には、スライダ用ピン111の回動によって、ロックスライダ151がディスク再生装置10の幅方向にスライドする。
なお、回動一端部101には、軸孔105aを中心とする円弧形状を為す円弧溝112が形成されている。円弧溝112には、メインシャーシ18から突出する不図示のピンが差し込まれる。それによって、ドライブアーム100の一端側における回動が安定的となる。
また、図1に示すメインシャーシ18には、図9および図14に示すようなローディングモータ120が取り付けられている。ローディングモータ120の回転軸120aには、ウオームギヤ121が取り付けられていて、ここからローディングスライダ70側、およびローラレバー部材16側に、夫々駆動力が分配される。このうち、図14に示すように、ローディングスライダ70側へ駆動力を伝達させるために、ウオームギヤ121には、従動ギヤ123が噛み合っている。
図14に示すように、この従動ギヤ123を含んで、複数の従動ギヤからなるギヤ輪列122が設けられていて、このギヤ輪列122のうち従動ギヤ124と同軸のピニオンギヤ125(図10、図11参照)に駆動力が伝達される。ピニオンギヤ125は、上述の拡幅孔部78を通過して上方に突出していて、ラックギヤ68との噛み合いが可能な位置に設けられている。ピニオンギヤ125は、ローディングスライダ70が奥側に位置するときは空転し、ローディングスライダ70が手前側に位置するときはラックギヤ68と噛み合って、該ローディングスライダ70をさらに手前側に引き込む駆動力を与える。
なお、図14に示すように、従動ギヤ123は回転軸127に、ピニオンギヤ125および同軸の従動ギヤ124は回転軸126に取り付けられている。回転軸126,127は、上述の逃がし孔106a,106bに位置している。また、従動ギヤ123の駆動力は、第2の従動ギヤ122aに伝達されるが、この第2の従動ギヤ122aおよび、従動ギヤ124と噛み合う第3の従動ギヤ(図示省略)は、ドライブアーム100の回転中心ともなる回転軸(不図示)に取り付けられている。
また、図9および図15に示すように、ウオームギヤ121の上部側には、小ウオームホイール128が位置していて、以下ギヤ輪列129(従動ギヤ130、従動ギヤ131)を介して駆動力がローラレバー部材16側に伝達される。このうち従動ギヤ131は、後述するローラシャフト143と同軸のローラギヤ132と噛み合っている。それにより、ローディングモータ120の駆動力がローラシャフト143に伝達される。
図1に示すように、フローティング部材15のうち手前側には、ローラレバー部材16が設けられている。ローラレバー部材16は、回転軸140(図16参照)を介して、回動自在に支持されている。ローラレバー部材16には、図9および図15に示すように、搬送ローラ145を回転自在に支持するためのローラ支持体141が設けられている。ローラ支持体141は、例えば樹脂等で一体成形されている部材であり、その手前側は、ディスク11の差し込みに対応させて、開放した形状となっている。なお、ローラレバー部材16、ローディングモータ120、ウオームホイール128、ギヤ輪列129、ローラギヤ132によって、ディスク搬送機構が構成される。また、従動ギヤ131とローラギヤ132とによって、駆動力伝達切替機構が構成される。
また、ローラ支持体141のうち、ディスク再生装置10の幅方向の両端側には、ローラシャフト143を回転自在に軸支する側方支持部142が一対形成されている。この一対の側方支持部142により、ローラシャフト143は回転自在に支持されている。
また、ローラシャフト143は、側方支持部142のうち、ディスク再生装置10の奥側に取り付けられている。そのため、回転軸140を中心としてローラレバー部材16が回動すると、ローラシャフト143(搬送ローラ145)が、上下方向に移動する。また、ローラシャフト143の図9および図15中右側の端部には、側方支持部142よりも側壁20a側に突出するように、上述のローラギヤ132が取り付けられている。
ローラシャフト143には、ローラカバー144がその外周を覆うように取り付けられている。ローラカバー144は、例えばゴムや樹脂等のように、ディスク11の下面に接触しても損傷を生じさせない柔らかめの材質であって、ディスク11の下面に当接した場合に摩擦力を良好に与える材質から構成されている。それにより、これらローラシャフト143とローラカバー144とで、ローラ体としての搬送ローラ145を構成している。
また、ローラ支持体141のうち、手前側かつ下方側であり、図9および図15においてディスク再生装置10の中央よりも右側には、突出部146が設けられている。突出部146は、図16に示すように、ローラ支持体141よりも下方に向かって突出していると共に、その底面が、該ローラ支持体141の底面に対して所定角度傾斜している。
また、突出部146の下面からは、その手前側において、下方に向かう回動用ピン147が設けられている。回動用ピン147は、図16に示すように、突出部146の底面に対して略垂直を為すように設けられている。回動用ピン147は、上述したドライブアーム100のピン係合部109に係合する部材である。すなわち、回動用ピン147は、ドライブアーム100が回動してピン係合部109が回動用ピン147を押すことで、回転軸140を中心としてローラ支持体141を回動させる部材である。
なお、回動用ピン147とピン係合部109とが係合し、ローラレバー部材16を回動させることにより、従動ギヤ131とローラギヤ132とが接離する。かかる接離は、小径ディスク11aの搬入においては、該小径ディスク11aの孔部11cの中心と、ターンテーブル37の中心とが略一致する状態で、環状凸部37aが孔部11cに差し込まれたときに、両ギヤ131,132の噛み合いが解かれるように構成されている。
なお、突出部146には、該回動用ピン147よりも手前側の部位に、防御部材148が設けられている。それによって、回動用ピン147が外部から付勢されるのを防止している。また、ローラレバー部材16は、回動用ピン147を奥側に向かうように付勢力を与える、すなわち図16で反時計方向に回転させようとする不図示のバネに接続されている。それによって、後述するディスク11の排出の場合には、回動用ピン147を奥側の初期位置に位置させるよう、作動させることが可能となる。
また、図14に示すように、ローラレバー部材16よりも下方側には、フロント側メカロック機構150が設けられている。フロント側メカロック機構150は、図14および図17〜図20に示すように、プレート状部材からなるロックスライダ151を有している。ロックスライダ151は、上述のスライダ用ピン111が挿通する貫通溝152を有している。貫通溝152は、ロックスライダ151のうち、奥側に位置していると共に、図20において右側(図14および図17において左側)に位置している。なお、この貫通溝152は、ディスク11の差し込み方向が長手となっている。
また、ロックスライダ151のうち、手前側には、一対のT字状溝153a,153bが形成されている。T字状溝153a,153bは、その平面形状がT字状を為している。このT字状溝153a,153bは、横溝部154と縦溝部155とから構成されていて、これら横溝部154と縦溝部155とがT字状に交差している。このうち横溝部154は、ディスク再生装置10の幅方向を長手としていると共に、縦溝部155は、ディスク11の差し込み方向を長手としている。
しかしながら、ドライブアーム100側のT字状溝153(以下、第1のT字状溝153aとする。)は、縦溝部155が横溝部154よりも手前側に位置する構成である。また、ドライブアーム100から離間する側のT字状溝153(以下、第2のT字状溝153bとする。)は、縦溝部155が横溝部154よりも奥側に位置する構成である。
また、ロックスライダ151には、奥側に一対のスライドガイド孔156が形成されている。スライドガイド孔156は、ロックスライダ151のディスク再生装置10の幅方向に向かうスライドを良好にガイドする孔である。そのため、一対のスライドガイド孔156は、ディスク再生装置10の幅方向を長手としている。また、スライドガイド孔156には、メインシャーシ18から突出する一対のガイドピン157が挿入される。
図14、図17〜図20に示すように、ロックスライダ151に重ねられて、一対のロックアーム160が設けられている。ロックアーム160は、夫々平板部161を有していて、該平板部161の上面からリング状突起162(図17〜図20参照)が突出している。リング状突起162は、フローティング部材15の凹部に嵌合する部分である。それにより、リング状突起162を中心としてロックアーム160が回転可能となる。
なお、以下の説明においては、ドライブアーム100側に位置するロックアーム160を第1のロックアーム160a、ドライブアーム100から離間する側に位置するロックアーム160を第2のロックアーム160bと呼ぶ。また、第1および第2のロックアーム160a,160bを総称する場合には、単にロックアーム160と呼ぶ。
また、平板部161には、手前側に向かう腕部163が連なっている(図14、図17〜図19参照)。腕部163には、その先端側かつ互いに対向しない側方部分に、夫々挟持部材164が取り付けられている。挟持部材164は、図21に示すように、ディスク差込口19(図20参照)よりも下方に位置する固定板バネ170a,170bに挟持される。ここで、固定板バネ170a,170bは、ディスク再生装置10の上下方向で対向するように、一対設けられている。なお、上方に位置するものを固定板バネ170a、下方に位置するものを固定板バネ170bとする。
また、対向している両固定板バネ170a,170bの両端側は、互いに近接するように折り曲げられている。なお、これら固定板バネ170a,170bが近接対向している部位は、挟持部材164を挟持するためのインサート部171となっている。
図14、図17〜図19に示すように、ロックアーム160の下面には、縦溝部155に差し込まれるピン部材165a,165bが、メインシャーシ18に向かうように設けられている。かかるピン部材165a,165bのうち、第1のロックアーム160aのピン部材165aは、第1のT字状溝153aの縦溝部155が横溝部154よりも手前側に存在するため、リング状突起162よりも手前側に位置している。また、第2のロックアーム160bのピン部材165bは、第2のT字状溝153bの縦溝部155が、横溝部154よりも奥側に存在するため、リング状突起162よりも奥側に位置している。
かかる配置のピン部材165a,165bが、縦溝部155に差し込まれることで、ロックスライダ151がディスク再生装置10の幅方向にスライドした場合に、一対の挟持部材164は、互いに近接または離間する、開閉動作を行う。また、この開閉動作のうち、一対のロックアーム160a,160bが開いている状態では、挟持部材164がインサート部171に挟まれた、フローティング部材15のフローティングロック状態(非フローティング状態)となっている。また、一対のロックアーム160a,160bが閉じている状態では、挟持部材164がインサート部171から外れて、フローティング部材15の手前側がフローティング状態となる。
また、ディスク差込口19の下方には、図22に示すような、ディスク径検出機構180が設けられている。ディスク径検出機構180は、図15および図22に示すような一対の検出スライダ181a,181bを具備している。検出スライダ181a,181bは、共に付勢バネ182(図22参照)の一端側に掛け止めされている。2つの付勢バネ182の各他端側は、係止部15a(図22参照)に掛け止めされている。それにより、一対の検出スライダ181a,181bには、係止部15aに向かう付勢力、すなわち互いに当接する向きに付勢力が与えられている。
なお、以下の説明では、一対の検出スライダ181a,181bのうち、図22の右側に位置するものを第1の検出スライダ181a、図22の左側に位置するものを第2の検出スライダ181bと呼ぶこととする。また、上述の一対の検出スライダ181a,181bが、互いに当接する部分は、図22に示すように、手前側に位置している幅狭の突合せ部183a,183bである。
また、第1の検出スライダ181aのうち、第2の検出スライダ181b側には、奥側に向かって、平面形状が略コ字状を為すスイッチ当接片184aが延出している。スイッチ当接片184aは、第1の検出スライダ181aの長手と平行な方向を長手とし、かつ第2の検出スライダ181b側に向かって延伸している。かかるスイッチ当接片184aのうち、奥側の側面は、検出スイッチ188B,188Dが当接する当接部185aである。また、第1の検出スライダ181aのうち、側壁20a側の他端部には、ディスク11の外周縁部に係合するディスク係合片186aが、上方に向かって設けられている。
また、第2の検出スライダ181bにも、奥側にスイッチ当接片184bが設けられている。なお、スイッチ当接片184bは、第2の検出スライダ181bの長片部187に密接状態で設けられている。また、スイッチ当接片184bの一端は、第2の検出スライダ181bの第1の検出スライダ181a側の一端と略同一部位から、第2の検出スライダ181bの他端側に向かっているが、その長さは、長片部187よりも短い。
また、スイッチ当接片184bは、スイッチ当接片184aよりも奥側には突出していなく、コ字状を為すスイッチ当接片184aの内部に位置可能となっている。なお、スイッチ当接片184bも、その奥側の側面が、検出スイッチ188A,188Cが当接する当接部185bとなっている。また、第2の検出スライダ181bにも、ディスク11の外周縁部に係合するディスク係合片186bが、側壁20b側の他端部で上方に向かって設けられている。
かかる検出スライダ181a,181bよりも奥側には、4つの検出スイッチ188A,188B,188C,188Dが配置されている。これらの検出スイッチ188A〜188Dの並びのうち、その中央側に検出スイッチ188A,188Bが配置されていて、その外側に検出スイッチ188C,188Dが配置されている。
これらのうち、検出スイッチ188A,188Bは、主として大径ディスク11bおよび小径ディスク11aが挿入された場合に、当接部185a,185bの当接により押し込まれ、オン作動するものである。また、検出スイッチ188C,188Dは、主として大径ディスク11bが挿入された場合(図22(b)参照)に、当接部185a,185bの当接により押し込まれ、オン作動するものである。
しかしながら、図22(c)に示すように、小径ディスク11aが中央からではなく、片側に寄った状態で挿入された場合には、当接部185a,185bのスライドによって、検出スイッチ188A,188C、または検出スイッチ188B,188Dのみをオン作動させる場合も生じる。この場合には、後述するように、このままディスク再生装置10の内部に小径ディスク11aを搬入しても、良好にクランプできない。そのため、一旦小径ディスク11aを吐き出すような動作を、搬送ローラ145が行う。
なお、かかる吐き出しの動作は、検出スイッチ188A,188Cのみがオンとなり、他の検出スイッチ188B,188Dがオンとならない場合や、検出スイッチ188B,188Dのみがオンとなり、他の検出スイッチ188A,188Cがオンとならない場合を検出することに基づいて、後述する制御部205でのローディングモータ120に対する制御指令によって為される。
図14、図23に示すように、回動他端部104には、リアロックアーム190が連結されている。リアロックアーム190の長手から外れて突出する突出部位191には、差込孔192が形成されていて、この差込孔192に上述の連結ピン108が差し込まれる。それにより、リアロックアーム190がドライブアーム100と連結される。また、ドライブアーム100が回動した場合に、この回動に伴ってリアロックアーム190がスライドする。また、リアロックアーム190は、その長手が、ドライブアーム100の長手に対して略垂直を為す状態で、ディスク再生装置10の内部に配置されている。
リアロックアーム190のうち、突出部位191から離間する他端部193には、図23、図24に示すようなロックピン194が設けられている。ロックピン194は、リアロックアーム190の上方に向かって突出するピン部材であり、該ロックピン194の上端は、図24に示すような、アウターシャーシ部材12の下面に取り付けられている舌片195に当接可能となっている。
また、図24に示すように、ロックピン194の下面側の部位(リアロックアーム190の下面側の部位)は、メインシャーシ18の底面18aと近接または接触して設けられている。そのため、ロックピン194の上端が、舌片195に当接している状態では、このロックピン194がメインシャーシ18と舌片195との間でつっかえる。それによって、フローティング部材15は、その奥側において、フローティング状態とはならず、フローティングロック状態となる。
また、ドライブアーム100が図23において時計回りに回動し、リアロックアーム190が図23中右側に向かってスライドした場合には、ロックピン194の上端は、舌片195との間の当接状態が解除される。それによって、フローティング部材15は上下方向に動くことが可能な、フローティング状態となる。なお、本実施の形態では、舌片195は、図23および図24に示すように、適宜折り曲げられた板バネ状部材である。そして、ロックピン194の上端が舌片195に当接した場合には、該舌片195は、ロックピン194を下方に押し付ける付勢力を与える。
また、ディスク再生装置10には、その他、図25に示すような、各種部材の取付固定および固定用の補強板金200、ディスク11の下面にレーザ光を投受光させるためのピックアップユニット201、およびピックアップユニット201を摺動自在に支持するトラバースユニット202が設けられている。他には、光ピックアップユニット駆動のためのスレッドモータ203を有するスレッドモータユニット204が設けられている。
この他に、ディスク再生装置10には、終了検出スイッチ91、検出スイッチ188A〜188Dおよび各モータ38,120,203に接続されている制御部205(図26参照)が設けられている。制御部205は、終了検出スイッチ91、検出スイッチ188A〜188Dで検出した結果(スイッチのオン/オフ信号)に基づいて、各モータ38,120,203の駆動を制御する。
以上のような構成を有するディスク再生装置10の作用について、以下に説明する。まず、最初に大径ディスク11bが、ディスク再生装置10の内部に搬入される場合について説明する。
ディスク差込口19から大径ディスク11bを差し込むと、ディスク係合片186a,186bに、大径ディスク11bの外周縁部がぶつかる(図22(b)参照)。この状態で大径ディスク11bをさらに差し込むと、第1の検出スライダ181aおよび第2の検出スライダ181bは、互いに離間する向きに、スライドされる。すると、まず検出スイッチ188Aまたは検出スイッチ188Bの少なくとも一方がオン作動され、大径ディスク11bまたは小径ディスク11aのいずれかが、差し込まれたことを検知する。
この検知に基づいて、制御部205は、ローディングモータ120を作動させる。すると、ローディングモータ120の駆動力が搬送ローラ145に伝達され、該搬送ローラ145に先端が接触した大径ディスク11bは、ディスク再生装置10の内部に引き込まれる。そして、大径ディスク11bが引き込まれるにつれて、第1の検出スライダ181aおよび第2の検出スライダ181bは、さらにスライドし、検出スイッチ188A,188Bの残りの一方および検出スイッチ188C,188Dをもオン作動させる。
また、大径ディスク11bは、図2(a)に示す大径ディスクガイド部27によって、小径ディスク11aが搬入される場合よりも下向きに搬入される。そのため、大径ディスク11bは、クランプ爪50と干渉しない状態で、ディスク再生装置10の内部に搬入される。この搬入により、大径ディスク11bの搬入の先端側は、図5に示すディスク係合部43に衝突する。この衝突に際しては、大径ディスク11bの下面が、ディスク保持部44によって保持される。
また、大径ディスク11bが、最初にディスク係合部43に衝突する段階では、大径ディスク11bの下面が、ディスク保持部44に対して幾分浮いているか、または軽く接触している。しかしながら、大径ディスク11bが引き込まれてディスク係合部43が押されると、トリガアーム40は、図6において時計回りに回動させられる。また、搬送ローラ145が、後述するように大径ディスク11bから離間する方向に回動させられる。それにより、搬送ローラ145とディスクガイド部材14との間の挟持が解かれ、該搬送ローラ145との接触部分から遠い大径ディスク11bの先端部分が下方に移動しようとするが、その際に、該先端部分がディスク保持部44によって保持される。
なお、大径ディスク11bのディスク再生装置10の内部への搬入は、後述するように、ピン係合部109が回動用ピン147に係合し、ローラレバー部材16を回動させることで従動ギヤ131とローラギヤ132との噛み合いが解かれるまで継続される。そして、搬入の最終位置では、孔部11c(大径ディスク11b)の中心と、ターンテーブル37の中心とが略一致した状態となっている。
トリガアーム40が回動すると、図6および図11に示すように、トリガスライダ61もスライドさせられる。すなわち、トリガアーム40の回動によって、スライダ用突起46が係合部67に衝突し(図11(a)参照)、続いてトリガスライダ61が手前側に押される。トリガスライダ61がスライドすると、当接片66が当接部75に衝突し、それによってローディングスライダ70が手前側に押し込まれる(図9(b)参照)。
ここで、図11(b)に示すように、当接片66の当接部75への衝突に前後して、トリガスライダ61の手前側へのスライドによって、ラックギヤ68も手前側に移動し、ラックギヤ68がピニオンギヤ125と噛み合う。ここで、大径ディスク11bの搬入のため、ローディングモータ120が回転駆動している場合、ピニオンギヤ125は図10、図11および図14の各図において時計回りに回転する。そのため、ラックギヤ68とピニオンギヤ125が噛み合うと、トリガスライダ61およびローディングスライダ70は、ローディングモータ120の駆動によって、手前側にスライドさせられる。
また、ローディングスライダ70が手前側に向かってスライドすると、図12に示すように、突出ピン33aがカム溝86に沿って摺動する。この場合、突出ピン33aはピン受部87(図12(a)参照)から頂点86dを通り過ぎ、カム溝86の急傾斜部86aへと移動し(図12(b)参照)、さらに緩傾斜部86b、および平行部86cへ(図12(c)参照)と順次移動する。それにより、突出ピン33aは、メインシャーシ18側へと移動し、高さ位置が下げられる。
突出ピン33aが上述のようにカム溝86を移動すると、それに伴なって、クランプレバー30が、回動軸32を支点として回動する。すると、クランパ34が下方に向かって移動する。それによって、大径ディスク11bがターンテーブル37側に向かって押し下げられ、該大径ディスク11bの調芯動作が実行される。なお、この調芯動作は、後述するローラレバー部材16の回動と同時か、またはローラレバー部材16の回動開始後に、回動するように設けられている。このため、大径ディスク11bの搬入が停止している状態で、大径ディスク11bの調芯が実行される。
大径ディスク11bの調芯に際しては、クランパ34の降下により、環状凸部37aの傾斜している外周面に、孔部11cの縁部が押し付けられる。それにより、孔部11cは、外周面に沿って滑り、大径ディスク11bが、その搬送方向に沿って移動する。このようにして、大径ディスク11bの調芯動作が進行・終了する。
ここで、図5に示すように、調芯動作が終了する直前の状態においては、搬送ローラ145の降下により、大径ディスク11bは、ターンテーブル37に対して傾斜している状態から略平行となる状態に移行する。この略平行状態においても、大径ディスク11bとフリクションシート39との間に、隙間hが存在している。そのため、大径ディスク11bとフリクションシート39とは接触しない。なお、かかる調芯動作に続いて、大径ディスク11bのチャッキングが実行され、大径ディスク11bは、クランパ34とフリクションシート39(ディスク載置部37c)との間で、クランプされた状態となる。
また、ローディングスライダ70がスライドすると、図13に示すように、ピン107がカム溝部79の内部を、手前側から奥側に向かって移動する。すなわち、ピン107は、基端部79aに位置する状態(図13(a))からテーパ部79bへと移動し(図13(b))、さらに先端部79cへと移動する(図13(c))。カム溝部79の内部をピン107が移動すると、該ピン107は、ディスク再生装置10の内部を幅方向の側壁20aに向かって移動する。このピン107の移動に伴なって、回転軸105を中心としてドライブアーム100が回動させられる。
ここで、ドライブアーム100の回動と回動用ピン147の係合の様子を、図13に基づいて説明する。ドライブアーム100の回動前は、図13(a)に示すように、係合縁部109aが回動用ピン147に係合していない。このとき、ピン107は、基端部79aに位置している。しかしながら、ローディングスライダ70のスライドにより、ピン107がテーパ部79bに位置すると、図13(b)に示すように、該ピン107が側壁20a側に移動する。この移動に際して、ドライブアーム100が回転軸105を中心に回動させられる。なお、ドライブアーム100の回動は、図13において反時計回り方向となる。さらにローディングスライダ70がスライドし、ピン107が先端部79cに位置すると、図13(c)に示すように、ドライブアーム100がさらに回動させられる。
ドライブアーム100の回動により、ピン係合部109の係合縁部109aが、回動用ピン147に対して係合する状態となる。かかる係合が為されると、回動用ピン147は、手前側に移動させられる。この場合、回動用ピン147を有するローラレバー部材16は、回転軸140を中心として、図16において時計回り方向に回転させられる。
ここで、上述したように、ローラレバー部材16の回動前の状態においては、大径ディスク11bの搬入のために、搬送ローラ145が回転している。すなわち、ローラシャフト143と同軸のローラギヤ132が、従動ギヤ131と噛み合っている。しかしながら、図16(a)〜(c)に示すようにローラレバー部材16が順次回転させられて、搬送ローラ145が所定だけ下方に押し下げられた場合には、ローラギヤ132と従動ギヤ131との間の噛み合いが解かれ、搬送ローラ145の回転駆動が停止させられる。
なお、上述したように、搬送ローラ145の回転駆動が停止させられた場合には、大径ディスク11bの中心は、ターンテーブル37の中心と略一致した状態となっている。また、搬送ローラ145の回転駆動が停止しても、ラックギヤ68とピニオンギヤ125とは噛み合っているので、ローディングスライダ70およびトリガスライダ61はスライドを継続する。それにより、係合ピン89が先端突起48を手前側に押し、このためトリガアーム40は回転を継続する。それによって、大径ディスク11bの外周縁部から、トリガアーム40のディスク係合部43が離れる。
また、ローラレバー部材16が回動すると、搬送ローラ145の高さ位置が下がる。それによって、搬送ローラ145の上部に接触している大径ディスク11bの高さ位置も下がり、大径ディスク11bのチャッキングに適した高さ位置となる。
また、ドライブアーム100が回動すると、ローラレバー部材16の回動の他に、図14および図23に示すように、ロックスライダ151およびリアロックアーム190がスライドする。このうち、ロックスライダ151は、ドライブアーム100の図14における反時計回りの回動によって、図14および図18中右側にスライドする。
すなわち、ドライブアーム100が図14において時計回り(手前かつ上側から見た場合は時計回り)に回動すると、スライダ用ピン111が図14中右側(手前から見た場合は左側)に向かって回動する。このスライダ用ピン111は、貫通溝152に挿通しているので、回動によって、貫通溝152の側壁を押す。それによって、ロックスライダ151は、図14中右側に向かってスライドする(図17(b)参照)。そして、ロックスライダ151の図14中の右側へのスライドによって、一対のロックアーム160a,160bが開いた状態(互いに離間している状態;図17(a)参照)から、閉じた状態(互いに近接している状態;図17(b)参照)へと移行する。
なお、ロックスライダ151の図14中右側へのスライドによって、第1のロックアーム160aが開いている状態から閉じる状態へ順次移行する様子は、図18(a)〜(c)に示される。また、第2のロックアーム160bが開いている状態から閉じる状態へ順次移行する様子は、図19(a)〜(c)に示される。
ここで、上述したように、ロックアーム160a,160bが開いている状態では、挟持部材164は、図21(a)に示すように、インサート部171に挟持される。この挟持状態では、フローティング部材15が、フローティングロック状態となっている。しかしながら、ロックアーム160a,160bが回動して、閉じている状態へと移行した場合には、図21(b)に示すように、挟持部材164はインサート部171での挟持状態が解除されて、フローティング状態となる。かかるフローティング状態においては、フローティング部材15が、アウターシャーシ部材12に対してバネ22やダンパ21によって、弾性的に支持されて、外部衝撃を吸収可能となる。
また、ドライブアーム100が図23において時計回り(図14において反時計回り)に回動すると、差込孔192と連結ピン108とで連結されているリアロックアーム190が、図23および図24中右側に向かってスライドする。ドライブアーム100が、かかるスライドを行うと、ロックピン194の上端は、舌片195への当接状態が解除される。当接状態が解除されると、バネ22の付勢力等によって、フローティング部材15は持ち上げられた弾性支持状態となる。それによって、フローティング部材15に対して外部衝撃が加えられても、該衝撃を吸収可能となる。
すなわち、ローディングスライダ70がスライドすると、クランプレバー30が下方に向かって押し下げられて、クランパ34がターンテーブル37に大径ディスク11bをチャッキングする状態となる。また、ドライブアーム100が回動すると、搬送ローラ145が下方に向かって移動する。また、ドライブアーム100の回動により、ロックアーム160およびリアロックアーム190のフローティングロック状態が解除される。それによって、以後は、この大径ディスク11bを良好に再生することが可能となる。
なお、ローディングスライダ70が所定だけスライドすると、スイッチ当接部72が終了検出スイッチ91を押す。それによって、ローディングモータ120は、その作動が停止され、ローディングスライダ70のスライドが停止させられる。それにより、他のドライブアーム100や、ロックアーム160、リアロックアーム190、クランプレバー30等の他の部材の動きも停止させられる。
また、大径ディスク11bをディスク再生装置10の内部から外部に向かって排出する場合には、各機構は上述とは逆の動作を実行する。すなわち、上述の場合とは逆向きにローディングモータ120が作動すると、該ローディングモータ120の駆動力は、ピニオンギヤ125およびラックギヤ68に伝達される。このラックギヤ68への駆動力の伝達により、トリガスライダ61は、今度は奥側に向かって駆動させられる。
すると、トリガスライダ61の奥側への引き込みによって、該トリガスライダ61と連動バネ90を介して連結されているローディングスライダ70も奥側へ引き込まれる。この引き込みによって、ドライブアーム100も先程とは逆に回動する。そして、ピン係合部109が奥側に移動するにつれて、ローラレバー部材16が不図示のバネによって回動され、ローラギヤ132と従動ギヤ131とが噛み合う状態となる。かかる噛み合いと共に、回動用ピン147がディスク再生装置10の奥側の初期位置に戻るよう、移動する。
また、ローディングスライダ70のディスク再生装置10の奥側へ向けたスライドにより、該ローディングスライダ70とピン107を介して連動するドライブアーム100が、図23において反時計回りに回動させられる。このドライブアーム100の回動に伴なって、ロックスライダ151が図14、図17〜図19中左側に向かってスライドする。それによって、ロックアーム160a,160bが閉じている状態から開いている状態へと移行し、ロックアーム160a,160bの挟持部材164がインサート部171に挟み込まれる(図21(a)参照)。
それによって、フローティング部材15は、手前側において、フローティング状態からフローティングロック状態へと切り替えられる。同様に、リアロックアーム190も、図23、図24中左側に向かってスライドし、ロックピン194の上端が舌片195に当接する(図24(a)参照)。それによって、フローティング部材15は、奥側においても、フローティング状態からフローティングロック状態へと切り替えられる。
ローディングスライダ70が奥側にスライドすると、このスライドに伴なって、カム溝86の内部を突出ピン33aが平行部86cから急傾斜部86aに向けて移動する(図12参照)。それによって、クランプレバー30は、大径ディスク11bから離間するように回動し、ディスク11のチャッキングが解除される。この解除においては、上述のローラレバー部材16の回動によって、大径ディスク11bが持ち上げられる。
また、トリガスライダ61が奥側にスライドすると、それに伴なってトリガアーム40が図3において反時計回りに回動する。この場合、トリガアーム40には、戻しバネ57が連結されているので、該戻しバネ57の付勢力によって、先端突起48と係合ピン89との係合で戻りが規制されつつ、トリガアーム40は反時計回りに回動させられる。すなわち、大径ディスク11bの排出に伴なって、該大径ディスク11bの外周縁部に対してディスク係合部43で係止しているトリガアーム40も、反時計回りに回動する。以上のようにして大径ディスク11bの搬入および排出が為される。
次に、小径ディスク11aをディスク差込口19から搬入する場合について説明する。なお、この小径ディスク11aに関して、上述の大径ディスク11bの搬入の際の各部の動作と同一部分についての説明は省略する。
まず、小径ディスク11aをディスク差込口19(図20参照)から差し込む。この場合も、上述の大径ディスク11bの搬入の場合と同様に、小径ディスク11aがディスク再生装置10の内部に搬入される。しかしながら、小径ディスク11aの外径(直径)は、大径ディスク11bの外径よりも小さいため、図22に示す第1の検出スライダ181aおよび第2の検出スライダ181bが動作しても、検出スイッチ188A〜188Dの全てを同時にオン作動させることはできない。すなわち、検出スイッチ188Cまたは検出スイッチ188Dの少なくとも一方が、オン作動されないままの状態となる。なお、通常は、検出スイッチ188Aと検出スイッチ188Bがオン作動され、他の検出スイッチ188C,188Dはオン作動されない。
ここで、小径ディスク11aが搬入される場合には、検出スイッチ188Aと検出スイッチ188Cのみをオン作動させる場合(図22(c)参照)、または検出スイッチ188Bと検出スイッチ188Dのみをオン作動させる場合も存在する。すなわち、小径ディスク11aが、図22における右側または左側のいずれか一方に偏った状態で搬入される場合も存在する。
しかしながら、小径ディスク11aに上述のような偏りが生じた状態で搬入されると、小径ディスク11aを適切に保持することができなくなってしまう。すなわち、小径ディスク11aが十分に搬入されて、搬送ローラ145から該小径ディスク11aが離間しようとする場合でも、該小径ディスク11aの外周縁部を、クランプ爪50に適切に衝突させることができなくなってしまい、ディスク再生装置10の内部に小径ディスク11aが落下する、といった不具合が生じる。
このため、上述のように、検出スイッチ188Aと検出スイッチ188Cのみをオン作動させる場合、または検出スイッチ188Bと検出スイッチ188Dのみをオン作動させる場合には、制御信号を受信した制御部205(図26参照)は、小径ディスク11aの搬入をやめ、ローディングモータ120を逆回転させて該小径ディスク11aを排出させる。そして、少なくとも検出スイッチ188Aと検出スイッチ188Bの両方がオン作動させられた場合のみに、搬送ローラ145の搬入のための駆動を継続させ、小径ディスク11aをディスク再生装置10の内部に搬入させる。
なお、この検出スイッチ188C,188Dの位置は、ディスクガイド部材14の大径ディスクガイド部27と対応する位置に設けられている。
ここで、小径ディスク11aの搬入の先端部分は、小径ディスクガイド部28によって、大径ディスク11bの搬入の場合よりも、上方側に向かってガイドされる(図2(b)参照)。それによって、搬入が進行すると、この小径ディスク11aの先端部分が、係止壁53に衝突する(図6および図8参照)。また、小径ディスク11aの先端部分の下面側は、ディスク受け部52によって受け止められる状態となる。すなわち、小径ディスク11aの先端部分が、クランプ爪50によって保持された状態となる。
この保持状態を継続したままで、小径ディスク11aがさらに搬入されると、該小径ディスク11aの先端によって係止壁53が押し込まれ、トリガアーム40が回動し、スライダ用突起46がトリガスライダ61の係合部67に係合する(図6,図9および図11参照)。そして、スライダ用突起46がトリガスライダ61を手前側にスライドさせる。また、当接片66が、当接部75に当接し、該ローディングスライダ70を手前側にスライドさせる。このスライドにより、図12に示すように、カム溝86の内部を突出ピン33aが摺動する。それにより、クランプレバー30が降下する。ここで、クランプレバー30が降下すると、クランパ34が小径ディスク11aの上面に接触する。この接触は、小径ディスク11aの孔部11cに、環状凸部37aが差し込まれるタイミングで行われ、調芯が実行される。
しかしながら、孔部11cに環状凸部37aが差し込まれるタイミングは、孔部11c(小径ディスク11a)の中心と、ターンテーブル37の中心とが略一致した状態でなくても良く、種々変更可能である。
また、クランパ34が回動して小径ディスク11aに接触する場合、回動支点31からのクランプ爪50までの距離と、回動支点31からクランパ34までの距離の相違により、クランプ爪50側の下降距離の方が、クランパ34の下降距離よりも小さい。しかも、クランパ34によって、小径ディスク11aをクランプしたときに、クランプ爪50のディスク受け部52の上面は、小径ディスク11aの下面より上方となるように設けられている。このため、小径ディスク11aがクランプされたとき、小径ディスク11aはディスク受け部52に乗っている状態で、かつ先端側が少しだけ持ち上げられて撓む。
しかしながら、クランプレバー30の回動角度はさほど大きくなく、ディスク受け部52の上面とクランプされたときの小径ディスク11aの下面との垂直方向の距離差は僅かである。このため、小径ディスク11aの撓みは、該小径ディスク11aを損傷させるものでもなく、またクランプ爪50が外径側に移動し小径ディスク11aがディスク受け部52から外れた場合に、小径ディスク11aを大きく振動させるものでもない。
また、クランパ34の小径ディスク11aへの接触、および小径ディスク11aのターンテーブル37への接触とほぼ同時に、搬送ローラ145の回転が停止される。すなわち、図16に示すように、ピン係合部109の回動用ピン147への係合により、ローラレバー部材16が回動する。そして、小径ディスク11aの高さ位置が、ローラレバー部材16の回動により下げられ、小径ディスク11aはターンテーブル37に近接していく。
また、ローラレバー部材16の回動により、従動ギヤ131とローラギヤ132との噛み合いが、上述の接触のタイミングとほぼ同時に解かれる(図16(b),(c)参照)。そのため、孔部11c(小径ディスク11a)の中心と、ターンテーブル37の中心とが略一致した場合、搬送ローラ145はこれ以上回転駆動しなくなり、該小径ディスク11aのディスク再生装置10の内部への搬入が停止される。
しかしながら、搬送ローラ145の回転駆動が停止されても、トリガスライダ61のスライドによって、ラックギヤ68とピニオンギヤ125とが噛み合っている。しかも、従動ギヤ131とローラギヤ132との噛み合いが解かれた当初は、まだ終了検出スイッチ91をスイッチ当接部72が押し込んでいない。そのため、ローディングモータ120は作動を継続し、トリガスライダ61およびローディングスライダ70は手前側にスライドする。かかるスライドにより、係合ピン89が先端突起48を手前側に押し、それによってトリガアーム40は図6において時計回りの回動を継続する。
なお、搬送ローラ145の回転駆動が停止された場合でも、トリガスライダ61がスライドすることで、図13に示すように、ピン係合部109と回動用ピン147とが係合し、ドライブアーム100はさらに回動される。そのため、さらにローラレバー部材16が回動し、小径ディスク11aがターンテーブル37に載置された後に、搬送ローラ145は、小径ディスク11aの下面から離間する状態となる(図16(c)参照)。
ここで、環状凸部37aが孔部11cに差し込まれた当初は、ディスク受け部52が小径ディスク11aの先端側の下面を受け止めている。しかも、クランプレバー30が回動してクランパ34が小径ディスク11aの上面に接触すると、小径ディスク11aは少しだけ撓んだ状態で、クランプ爪50によって保持されている。しかしながら、トリガアーム40の回動は上述のように継続されているため、ディスク受け部52はすぐに小径ディスク11aの下面から外れ、該小径ディスク11aの外径側に逃げていく。
そして、図3(b)に示すように、ターンテーブル37へ小径ディスク11aをチャッキングした場合に、ディスク受け部52が小径ディスク11aに干渉しない位置までトリガアーム40は回動する。そして、図9に示すように、スイッチ当接部72が終了検出スイッチ91を押し込み、小径ディスク11aの搬入動作が終了する。
なお、小径ディスク11aをディスク再生装置10の内部から外部に向けて排出する排出動作は、上述の大径ディスク11bの排出動作と同様となっている。
このような構成のディスク再生装置10によれば、ディスク保持部44によって、大径ディスク11bの搬入の先端部分が保持される。それにより、クランパ34および搬送ローラ145の降下の際、大径ディスク11bの先端部分が、フリクションシート39に接触しようとするのを防ぐことができる。そのため、大径ディスク11bの下面とフリクションシート39との間に大きな摩擦が生じるのを防ぐことができ、大径ディスク11bの調芯を円滑に行うことが可能となる。
また、ディスク係合部43に設けられるディスク保持部44は、構成が複雑でないため、コストの増加を抑えることができ、しかも、ディスク保持部44によって、大径ディスク11bを安定的に調芯することができる。そして、大径ディスク11bの調芯が安定的に行えるので、該大径ディスク11bのその後のクランプも安定的かつ確実に行うことができる。また、ディスク保持部44は、クランプ爪50よりも下方に向かって突出している。そのため、大径ディスク11bの搬入に際して、クランプ爪50が大径ディスク11bの先端側と干渉することがなく、ディスク保持部44にて大径ディスク11bを良好に保持させることが可能となる。
さらに、ディスクガイド部材14によって、大径ディスク11bは、小径ディスク11aの搬入の場合よりも、下方に向かって進行させられる。それにより、大径ディスク11bの先端部分がクランプ爪50と干渉することなく、ディスク係合部43に大径ディスク11bの先端部分を衝突させることができる。また、ディスクガイド部材14は、フリクションシート39に大径ディスク11bの下面が接触するのを防ぐ状態で、大径ディスク11bの搬入をガイドすることができる。
さらに、大径ディスク11bの先端部分を保持する先端保持手段は、ディスク係合部43と、ディスク保持部44と、を具備している。そのため、ディスク係合部43にて、大径ディスク11bの先端部分を衝突させると共に、ディスク保持部44にて、大径ディスク11bの下面側を良好に受け止めることができる。このため、大径ディスク11bの搬入に伴なって、トリガアーム40を良好に回動させることができると共に、搬送ローラ145が降下した場合に、大径ディスク11bの先端部分を即座に受け止めることができる。また、ディスク保持部44の高さ位置を、該大径ディスク11bの下面側を保持する高さ位置としている。このため、ディスク保持部44が大径ディスク11bの先端部分と衝突せず、良好に大径ディスク11bを保持することが可能となる。
また、ディスク保持部44は、軸線Pの軸線方向に向かって突出していて、この軸線Pは、トリガアーム40の回動前の状態において、大径ディスク11bのチャッキングの中心部分に向かっている。このため、トリガアーム40が回動すれば、軸線Pが大径ディスク11bのチャッキングの中心部分を向かなくなる。それにより、該トリガアーム40の回動に際して、ディスク保持部44が大径ディスク11bの下面からトリガアーム40の回動に従って徐々に外れてゆき、トリガアーム40が奥側に完全に回動する直前で、完全に外れるため、大径ディスク11bのチャッキングに際して、ディスク保持部44が邪魔になるのを抑えることができる。
さらに、クランプレバー30の回動によって、クランパ34が大径ディスク11bに接近する場合には、搬送ローラ145がドライブアーム100の回動によって回動させられる。それにより、大径ディスク11bの調芯とチャッキングとを、確実に実行することができる。特に、ドライブアーム100のピン係合部109の形状を、適宜に設定するだけで、搬送ローラ145の回動のタイミングを、的確な状態に設定できるため、搬送ローラ145の駆動停止、および降下のタイミングを的確に設定し、調芯およびチャッキングを良好に実行することができる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、先端保持手段として、トリガアーム40にディスク係合部43およびディスク保持部44を設け、そのうちディスク保持部44によって大径ディスク11bの下面を保持する構成について説明している。しかしながら、先端保持手段は、これらには限られない。例えば、トリガアーム40とは別個のスライド又は回動する部材を設け、かかる部材に先端保持手段を設けるように構成しても良い。また、大径ディスク11bの下面のみを受け止める部材を、先端保持手段としても良い。
また、上述の実施の形態では、大径ディスク11bの調芯に際して、搬送ローラ145が回動する構成について説明している。しかしながら、大径ディスク11bの調芯に際しては、搬送ローラ145が回動しない構成を採用しても良い。その場合には、大径ディスク11bは、上述の実施の形態の場合よりも、より上方側に向かって搬入される。また、上述の実施の形態においては、ディスク搬送機構としては、回転軸140を中心として回転するローラレバー部材16(搬送ローラ145)を用いた場合について説明している。しかしながら、ローラレバー部材16(搬送ローラ145)は、かかる構成には限られず、レール等の昇降ガイドによって搬送ローラ145が上下動し、ディスク11から離れるもの等、種々のものが適用可能である。
さらに上述の実施の形態では、ディスクガイド手段として、ディスクガイド部材14を用いる場合について説明している。しかしながら、ディスクガイド手段はこれには限られず、ディスク径の検知結果に基づいてガイド板を上下させるもの等、種々のものが適用可能である。また、回動部材としては、アーム状のトリガアーム40以外に、例えば円盤状部材等、種々のものを適用可能である。
また、スライド用駆動伝達手段としては、ラックギヤ68とピニオンギヤ125との噛み合い以外に、例えば回転式のカム機構を利用して、駆動の伝達および非伝達を切り替えるようにしても良い。また、カム機構としてのカム部材83は、別途ローラレバー部材16の回動をもさせるスライダに設けるようにして、第2のカム機構としてのドライブアーム100、回動用ピン147等と一体化を図るようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、大径ディスク11bの先端部分を、先端保持手段で保持させて、フリクションシート39に大径ディスク11bの下面が接触しないようにしている。しかしながら、小径側先端保持手段としてのクランプ爪50によって、小径ディスク11aの調芯に際して、その下面が、フリクションシート39へ接触するのを防ぐように構成するのが好ましい。また、かかるクランプ爪50を、先端保持手段として用いるようにしても良い。さらに、小径側先端保持手段としては、クランプ爪50以外に、例えば小径ディスク11aの下面のみを受け止める、例えば下方から延伸する突出部材を利用するものであっても良い。
さらに、チャッキングの直前に、ディスク保持部44が大径ディスク11bの先端部分から退避するように、トリガアーム40が回動されるのが望ましい。しかしながら、大径ディスク11bの撓みがさほど生じない場合には、大径ディスク11bに対するチャッキングが終了した後に、ディスク保持部44が大径ディスク11bの先端部分から退避するように、構成しても良い。