本発明の実施の形態に係る地点名称生成装置は、地図上の所定の地点に関する名称を生成する地点名称生成装置であって、ユーザの位置を検出する位置情報検出手段と、前記位置情報検出手段で検出された前記位置を移動履歴として蓄積する移動履歴蓄積手段と、所定の地点と前記地点の第1名称とが対応付けて蓄積されている地図情報蓄積手段と、所定の地点の指定を受け付ける地点指定手段と、前記地点指定手段で受け付けられた前記指定地点を含む前記移動履歴に基づいて前記指定地点の前記第1名称を修飾するための修飾語を決定し、決定した前記修飾語および前記第1名称を用いて、前記指定地点の第2名称を生成する地点名称生成手段とを備えることを特徴とする。
これによって、指定された地点の名称をユーザにとって分かりやすい名称(第2名称)で生成することができる。そして、この名称(第2名称)を用いることで、ユーザにとって情報把握を容易にさせることができる。
ここで、前記位置情報検出手段は、さらに、検出した前記位置を通過した時刻を検出し、前記移動履歴蓄積手段は、さらに、前記位置とともに、前記時刻を前記移動履歴として蓄積し、前記地点名称生成手段は、前記移動履歴に基づいて時刻に関する修飾語を前記修飾語として決定してもよい。
また、前記地点名称生成手段は、前記指定地点を通過した時刻の特徴を表す語を前記修飾語として決定してもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記移動履歴から前記指定地点を通過した時刻を抽出し、抽出した時刻の時間帯を算出する時刻算出手段と、前記時刻算出手段で抽出された前記時刻の時間周期、および頻度を算出する時間周期算出手段と、時間帯、頻度、および時間周期それぞれに関する複数の前記修飾語を蓄積している修飾語蓄積手段とを備え、前記地点名称生成手段は、算出された前記時間帯、前記頻度、前記時間周期の少なくとも1つに対応した修飾語を前記修飾語蓄積手段に蓄積されている複数の前記修飾語の中から選択することにより、前記修飾語を決定してもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、算出された前記時間帯、前記頻度、前記時間周期の重みを算出する修飾語重要度算出手段と、前記地点名称生成手段で生成される前記第2名称の文字数、または前記第2名称の音声読み上げ時間が所定の閾値以内か否かを判定する名称適正判定手段を備え、前記地点名称生成手段は、前記重みの高い順に修飾語を用い、かつ前記名称適正判定手段で前記所定の閾値以内であると判定されるように前記第2名称を生成してもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記移動履歴から前記指定地点を通過した時刻を抽出する時刻算出手段を備え、前記時刻とは現在時刻に最も近い前回の時刻であり、前記地点名称生成手段は、前記時刻算出手段で算出された前記時刻を前記修飾語として決定してもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記移動履歴蓄積手段に蓄積された前記位置から、主要地点を算出する主要地点算出手段と、前記主要地点と前記指定地点との位置関係を算出する位置関係算出手段と、位置関係に関する複数の前記修飾語を蓄積した修飾語蓄積手段とを備え、前記地点名称生成手段は、算出された前記位置関係に対応した修飾語を前記修飾語蓄積手段に蓄積されている複数の前記修飾語の中から選択し、選択した前記修飾語および前記主要地点の名称を用いて前記地点の第2名称を生成してもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記移動履歴蓄積手段に蓄積された地点を通過した頻度を算出する地点頻度算出手段と、前記移動履歴蓄積手段に蓄積された地点の滞在時間を算出する地点滞在時間算出手段と、前記頻度および前記滞在時間に基づいて主要地点を算出する主要地点算出手段とを備えてもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記移動履歴を前記主要地点間の一移動として分割する履歴分割手段と、前記履歴分割手段で分割された前記主要地点間の一移動のうち経由した経由地点を算出する経由地点算出手段と、前記指定地点が前記経由地点か否かの判定をする経由地点判定手段とを備え、前記地点名称生成手段は、前記経由地点判定手段により前記指定地点が前記経由地点であると判定された場合、前記指定地点の第2名称を前記主要地点を目的地とする経路名称を用いて生成してもよい。
また、前記地点名称生成手段は、前記主要地点との位置関係と、前記経由地点の名称が供に存在する場合、経由地点の名称を優先して生成してもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記経由地点の前記主要地点間における相対位置を算出する経由地点相対位置算出手段を備え、前記地点名称生成手段は、前記経由地点判定手段により前記指定地点が前記経由地点であると判定された場合、前記指定地点の第2名称を前記相対位置関係に対応する修飾語を用いて生成してもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記地点指定手段で受け付けられた指定地点の名称が重複するか否かを判定する名称重複判定手段を備え、前記地点名称生成手段は、前記名称重複判定手段で名称が重複すると判定された場合に、互いに異なる修飾語を用いて第2名称を生成してもよい。
また、前記地点名称生成手段は、さらに前記地点指定手段で受け付けられた指定地点のカテゴリが、コンビニまたはガソリンスタンド、レストランであってもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記地点名称生成手段で生成される前記第2名称の文字数、または前記第2名称の音声読み上げ時間が所定の閾値以内か否かを判定する名称適正判定手段を備え、前記地点名称生成手段は、前記名称適正判定手段で前記所定の閾値以内でないと判定された場合、前記第2名称を短く生成してもよい。
また、前記地点名称生成手段は、さらに、前記第2名称の文字数、または前記第2名称の音声読み上げ時間が異なる複数の第2名称を生成し、前記名称適正判定手段は、前記位置情報検出手段で検出された位置に応じて、複数の第2名称の中から1つの第2名称を選択してもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、生成された前記地点の第2名称を蓄積する地点名称蓄積手段を備えてもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記地点名称蓄積手段に蓄積された前記地点の第2名称を音声で出力する音声出力手段を備えてもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記地点名称蓄積手段に蓄積された前記地点の第2名称を音声認識のキーワードとして音声を認識する音声認識手段を備えてもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記ユーザの移動経路を算出する経路演算手段を備え、前記地点指定手段は、前記経路演算手段で演算された経路上の交差点名を受け付け、前記地点名称生成手段は、前記交差点の第2名称を生成してもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記位置情報検出手段で検出されたユーザの位置と、前記経路演算手段で算出された前記ユーザの移動経路とからユーザの誤走行を判定する誤走行判定手段を備え、前記地点指定手段は、前記誤走行判定手段で誤走行と判定された経路上の交差点名を受け付け、前記地点名称生成手段は、前記交差点の第2名称を生成してもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記地点名称生成手段で生成された前記交差点の第2名称とともに、前記誤走行判定手段で判定された誤走行の情報を地図に付帯させて表示する表示手段を備えてもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記地点名称生成手段で生成された前記交差点の名称を表示する表示手段と、前記表示手段に前記交差点の第2名称が表示された履歴を蓄積する表示情報蓄積手段と、前記交差点の第2名称が表示された履歴が所定の閾値以内か否かを判定し、前記所定の閾値以内であると判定した場合に、使用する名称として前記第2名称を選択する名称適正判定手段とを備えてもよい。
また、前記表示情報蓄積手段は、さらに前記表示手段に前記交差点の第2名称が表示された際の前記交差点への進入方向に関する情報を蓄積し、前記名称適正判定手段は、さらに前記表示情報蓄積手段に蓄積された前記進入方向ごとに前記所定の閾値以内か否かを判定し、前記所定の閾値以内であると判定した場合に、使用する名称として前記第2名称を選択してもよい。
また、前記地点名称生成装置は、さらに、前記位置情報検出手段で検出されるユーザの位置をもとに前記地点までの距離を検出する距離検出手段と、前記距離検出手段で検出された前記距離が所定の閾値以内か否かを判定し、前記所定の閾値以内であると判定した場合に、使用する名称として前記第2名称を選択する名称適正判定手段とを備えてもよい。
なお、本発明は、このような地点名称生成装置として実現することができるだけでなく、このような地点名称生成装置が備える特徴的な手段をステップとする地点名称生成方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
以下、本発明の各実施の形態に係る名称生成装置について、図面を参照しながら説明を行う。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る地点名称生成装置の構成を示すブロック図である。以下、まず各構成要素について説明し、後に本発明の動作フローを説明する。
地点名称生成装置は、地図上の所定の地点の名称を生成するための装置であり、図1に示すように位置情報検出部101、移動履歴蓄積部102、地点指定部103、地図情報蓄積部104、地点名称生成部105、地点名称蓄積部106、時刻算出部107、周期算出部108、修飾語蓄積部109、および表示部110を備えている。
位置情報検出部101はユーザの位置を検出する手段である。例えばカーナビの場合、ユーザの現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)が備えられ、約1秒
間隔など所定の間隔で緯度経度情報が検出される。本実施の形態において位置情報検出部101はGPS等で構成されるものとし、所定の間隔でユーザの移動とともに位置情報として緯度経度情報を検出する。
図2は例えばユーザの移動と移動に伴って検出される位置情報を示したものである。「自宅」を出発して「緑4交差点」、「緑3交差点」、「緑2交差点」、「緑1交差点」を通過し、「コンビニルーソン」へ到着した移動を黒い太線で示している。また移動に伴って所定の間隔で検出された位置情報を白い丸印で示している。
図3は位置情報検出部101で検出された位置情報を示したものである。GPSの場合、衛星から緯度経度情報と日時等の情報が取得できるため、本位置情報検出部101においてもこれらを検出することとする。図3において日時「2005年9月20日7時45分」、東経「135度13分10秒」、北緯「34度24分15秒」等、位置情報と日時が検出されている。
移動履歴蓄積部102は、位置情報検出部101で検出された位置情報をユーザの移動履歴として蓄積する手段である。なお、本実施の形態において位置情報は緯度経度情報で検出を行ったが、履歴として蓄積するのは緯度経度情報をもとに変換された交差点やランドマーク等のIDの系列で蓄積することとする。GPSで検出された緯度経度情報は多少の誤差を含み、また同じ経路を走行しても必ずしも同じ値が検出されるとは限らないため、検索やマッチングの容易のためにノードの系列へ変換して蓄積することとする。ノードへの変換は地図情報蓄積部104に蓄積された地図情報を用いることとする。なお、このノードへの変換は移動履歴蓄積部102において地図情報を参照して行うものとするが、別途変換手段を設けることとしてもよい。図2、図3を用いて説明する。
図2は前述でも示すようにユーザの移動を示したものである。また図2にはユーザの通過交差点等にIDが付与されている。例えば「緑4交差点」には「C21」、「緑3交差点」には「C22」と付与されている。一般的に地図情報には経路情報として交差点や所定のポイントをノード、それらノードとノードを結ぶリンクといった経路のネットワーク構造で蓄積され、各ノードに固有のIDが付与されている。そこで本実施の形態では検出された緯度経度情報とこれらノードのマッチングを行い、移動履歴としてはこれらノードIDの系列で蓄積することとする。
図3は前述でも示すように検出された緯度経度情報である。さらに地図情報をもとに例えば日時「2005年9月20日7時45分」、東経「135度13分10秒」、北緯「34度24分15秒」は自宅を示すノード「N100」へと変換することとする。また同様に日時「2005年9月20日7時50分」、東経「135度13分34秒」、北緯「34度23分14秒」は「緑4交差点」であるノード「C21」へ変換する。また同様に日時「2005年9月20日8時05分」、東経「135度28分41秒」、北緯「35度19分30秒」は「コンビニルーソン」であるノード「N51」へ変換する。
図4は移動履歴蓄積部102へ蓄積された移動履歴を示したものである。本実施の形態ではエンジンをスタートさせた出発から、エンジンをストップさせた目的地までの一連の移動を一移動として蓄積する。例えば移動履歴ID「001」には日付「2005年9月20日(水)」、出発地「N100(自宅)」、経路「C21(緑4)」、「C21(緑4)」、「C22(緑3)」、「C23(緑2)」、「C24(緑1)」、そして目的地として「コンビニルーソン」のID「N52(ルーソン)」として蓄積されている。さら
に本実施の形態では各ノードが検出された時刻が付帯されて蓄積されている。この時刻は、出発地の場合は出発した時刻、目的地の場合は到達した時刻、通過経路の場合は通過した時刻ということになる。例えば移動履歴ID「001」の場合、「N100(自宅)」を「7時45分」に出発し、「C21(緑4)」交差点を「7時50分」に通過し、最終的にコンビニである「N52(ルーソン)」へ「8時05分」に到着した移動を示している。このように移動履歴はユーザの移動の履歴を蓄積する。
地点指定部103は所定の地点の指定を受け付ける手段である。例えば本実施の形態ではユーザが所定の地点を指定することとする。図5は表示部110を示したものであり、例えばカーナビの表示画面とする。ユーザの現在位置とコンビニ「ルーソン」へ到着した地図を画面に表示している。また表示画面はタッチパネル方式とし、ユーザが画面に触れることで操作が行えるものとする。例えば今、ユーザが地図上のある地点「ルーソン」をタッチして、以後、検索などに利用できるよう「ランドマーク登録」を行おうとしているとする。地点指定部103はこれらの操作によって選択された地点「ルーソン」を受け付ける。
時刻算出部107は、地点指定部103で指定された地点へ過去到着した時刻等を、履歴をもとに算出する手段である。例えば地点指定部103で指定された地点のIDを地図情報を基に判定する。そして判定されたIDに該当する情報を移動履歴から抽出し、抽出された情報から到着した時刻を算出する。以下、図を用いて説明する。
図5において、ユーザによってタッチされた画面上のポイントを中心として所定の半径内に含まれる施設を指定された地点とし、当該地点に該当する履歴を抽出する。図5の場合、点線の円で示すように、コンビニ「ルーソン」(IDとしては「N52」)が指定された地点とし、「N52(ルーソン)」に該当する履歴を抽出する。図07は、移動履歴に蓄積された移動履歴から目的地として「N52(ルーソン)」へ到着地した履歴を抽出したものである。例えば移動履歴ID「001」、「007」等、履歴に蓄積された過去ユーザが「ルーソン」へ到着した履歴が抽出されている。時刻算出部107はこれら抽出された「ルーソン」へ到着した履歴から到着時刻を算出する。
一般的にユーザがある地点へ訪れる場合、訪れる時間帯が決まっていたり、あるいは曜日や周期が決まっていたり等、ユーザならではのパターンが存在する場合が多い。例えば本実施の形態のユーザの場合、コンビニ「ルーソン」は会社へ通勤する途中へ経由するコンビニであり、朝訪れることが多い。そこで時刻算出部107は、抽出された当該地点の到着時刻をもとにこのパターン等を算出する。
図7は移動履歴からパターンの抽出を説明するための図である。図7は横軸に時刻を示しており、「ルーソン」へ到着した各履歴を横軸の時刻に対応させてマッピングしたものである。例えば時刻は6時から12時を「朝」のクラス、12時から18時を「昼」のクラス、18時から24時を「夜」のクラスとしてクラス分けしている。図6に示す「ルーソン」への到着した履歴における移動履歴ID「001」は、到着時刻「8時05分」であるため「朝」のクラスにカウントされる。同様に、移動履歴ID「007」は到着時刻「8時10分」、移動履歴ID「011」は到着時刻「7時40分」、移動履歴ID「023」は到着時刻「8時10分」とあるため、「朝」のクラスへカウントされることとなる。一方、移動履歴ID「020」は到着時刻「19時10分」であるため、「夜」のクラスへカウントされる。このように図7は各移動履歴の到着時刻をクラスに分けた場合を示したものである。本例の場合、同じ合計「朝」のクラスへ4回、「夜」のクラスへ1回到着している。そして例えば最も頻度が高いクラスをユーザの特徴と考えると、本例のユーザは「ルーソン」へ朝行くということが分かる。
このように同じ場所「ルーソン」であってもユーザによっては訪れる時刻にユーザ独自の傾向があり、本例のユーザの場合、朝行くルーソンということになる。
さらにユーザが地点へ訪れる傾向は時間帯のみならず、頻度や周期にもユーザ独自の傾向が存在することが多い。なお、頻度とは単にその地点へ訪れる絶対的な回数のみならず、週に何回行くか、あるいは月に何回行くか等、相対的な回数でもよい。また周期とは何日間隔、何ヶ月間隔等、ユーザがその地点へ訪れる時間間隔を言うものとする。履歴よりこれら周期等を算出する。
周期算出部108は、移動履歴よりユーザが到着する頻度や周期等を算出する手段である。図8は移動履歴から周期や頻度等の特徴を抽出する説明図である。図7に加え縦軸に曜日が記されている。さらに月曜日から金曜日を「平日」クラス、土曜日と日曜日を「休日」クラスとしている。例えば図5に示す履歴における移動履歴ID「001」は、到着時刻「8時05分」であるため「朝」、かつ、日付が「2005年9月20日(水)」であるため「水曜日」に位置づけられる。同様に移動履歴ID「007」は日付が「2005年9月21日(木)」であるため「木曜日」に位置づけられる。このように図8は移動履歴をもとに時刻と、さらにその曜日等をマッピングした結果である。図8より本例のユーザの場合、最頻度の多いクラスは「平日」であって「朝」のクラスということになる。このように同じ地点であっても、その地点へ訪れる時刻や周期等はユーザによって異なる傾向があり、時刻算出部107および周期算出部108はこれら傾向を移動履歴より算出する。
修飾語蓄積部109は算出された傾向(本実施の形態では例えば、時間、頻度、周期をいう)に対応する修飾語が蓄積された手段である。また地点名称生成部105は上記算出された傾向に対応する修飾語を用いて地点の名称(第2名称)を生成する手段である。以下、図を用いて具体例を説明する。
図9は修飾語蓄積部109に蓄積された修飾語の一例を示すものである。例えば前述の周期算出部108で算出された周期に関する修飾語(周期的修飾語とする)として「平日クラス」の場合、名称の生成に使用する修飾語として「平日」と蓄積されている。対して「休日クラス」の場合は修飾語として「休日」と蓄積されている。一方、時刻算出部107によって算出された時刻に関する修飾語(時刻的修飾語とする)として「朝クラス」の場合、名称の生成に使用する修飾語として「朝」と蓄積されている。対して「昼クラス」の場合は修飾語として「昼」、「夜クラス」の場合は修飾語として「夜」と、各特徴における異なる修飾語が対応して蓄積されている。また、本実施の形態では頻度に関する修飾語(頻度修飾語とする)が蓄積されている。例えば該当する地点へ到着した履歴全体の頻度のうち、各クラスに該当する頻度の割合を求め、閾値以上の場合は頻度修飾語「よく」を用いることとする。最後に地点に関する修飾語(地点的修飾語とする)として、指定された当該地点が出発地の場合、修飾語として「出発する」、到着地の場合「行く」、通過地点の場合、「通る」等の修飾語が蓄積されている。さらにこれら修飾語を結ぶ「の」や「に」等の助詞が雛形として蓄積されている。
地点名称生成部105は、履歴より得られた特徴をもとに前記修飾語を用いて名称(第2名称)を生成する。本例の場合、指定された地点「ルーソン」に関する履歴から、「朝クラス」の「平日クラス」に該当すると算出されている(図7、図8)。そこでこれらのクラスに対応する修飾語「朝」と「平日」を選択する。さらに本例の場合、「ルーソン」に到着した履歴全体の頻度が5回に対して、当該「朝」と「平日」に該当する頻度は4回であり、全体の80%(4÷5)が当該クラスに該当する。例えば閾値を50%とすると、80%は閾値以上であるため、頻度的修飾語「よく」を用いることとする。ユーザの訪れる半分以上が当該クラスであるため、「よく」という修飾語を用いることでユーザの感覚に則した名称を生成できる。また指定された地点「ルーソン」は到着地であるため、到着地に該当する修飾語「行く」を用いることとする。これら選択された修飾語を用い、さらにこれらを接続する助詞「の」、「に」等の雛形を用いて最終的に「ルーソン」(第1名称)から名称(第2名称)として「平日の朝によく行くルーソン」を生成する。
図10は生成された名称を用いる一例として、ランドマーク検索を行う際を示した図である。まずカーナビ画面右側にはユーザの現在位置とその周辺地図が表示されている。一方、画面左側にユーザが登録したランドマークを検索するメニューが表示されている。さらに画面左側にはランドマークとして登録された地点がリスト表示され、ユーザは「目的地設定」、「情報表示」等の操作が行えるようになっている。ここで図5に示す登録されたコンビニ「ルーソン」が、前述に示す手法を用いて「平日の朝によく行くルーソン」という名称で登録されていることが分かる。
従来、登録された地点やランドマークの名称は、指定された店の名前等をそのまま登録するのが一般的であった。しかしながら単に店の名称のみでは必ずしもユーザにとって分かりやすいものとは限らない。特に例えば同じ名称の店が複数存在し、さらに様々な場所に存在するようなコンビニ等の場合、単にその名称のみを登録したのでは、後に検索等を行った場合、どこのコンビニか容易に把握することは困難である。
しかし本実施の形態で示すように蓄積されたユーザの移動履歴をもとに名称を生成すると、その名称はユーザの行動を反映させた名称であるため、ユーザにとってはその地点を容易に思いつくこととなる。例えばコンビニ「ルーソン」は数多く存在するが、本例のように「平日の朝によく行くルーソン」と言えば、それはユーザにとってはそれがどこの「ルーソン」であるか容易に察することが可能となる。
本実施の形態の動作フローを図11、図12、図13のフローチャートを用いて説明する。まず位置情報検出部101は、ユーザの位置情報を検出する(図11、ステップS101)。位置情報はGPS等で検出される緯度経度情報とする。そして検出された位置情報を移動履歴蓄積部102に蓄積する(ステップS102)。なお、本実施の形態では地点検索やマッチング容易のため、地図情報をもとに緯度経度情報を交差点やランドマーク等のIDの系列へと変換して蓄積することとする。
例えば図2において白い丸印は検出された位置情報であり、図3に示す緯度経度情報で検出される。そして図4に示すように例えば、ランドマークや交差点のIDの系列として移動履歴蓄積部102へ蓄積する。
一方、地点指定部103は、所定の地点を選択する(ステップS103)。そして指定された地点と一致する移動履歴を参照し(ステップS104)、指定された地点と一致する地点を検索する(ステップS105)。指定された地点の履歴が存在する場合はステップS106へ、存在しない場合は終了する。
本実施の形態の場合、図5に示すようにコンビニ「ルーソン」が指定されている。したがって図4に示す移動履歴より、ルーソンに該当する履歴を検索する。図6が検索されたルーソンに該当する移動履歴である。
指定された地点の履歴が存在する場合(ステップS105のYes)、時刻算出部107は、指定された地点の到着時刻を、履歴をもとに算出する(ステップS106)。まず、指定地点に該当する履歴を参照し(図12、ステップS201)、その通過時刻(目的地の場合は通過時刻が到着時刻となる)によって場合分けを行う(ステップS202)。到着時刻が6時から12時までの間の場合は、「朝」のクラスにカウントする(ステップS203)。到着時刻が12時から18時までの間の場合は、「昼」のクラスにカウントし(ステップS204)、到着時刻が18時から24時までの間の場合は、「夜」のクラスにカウントすることとなる(ステップS205)。そして該当する履歴の全てをいずれかのクラスへカウントするため、指定された地点を含む履歴の数だけ場合分けの処理を繰り返す(ステップS201〜S205)。全ての履歴に対して場合分けの処理を行った場合、時刻算出部107は最後に最も頻度の高いクラスを時刻の特徴とする(ステップS206)。
本例の場合、指定されたルーソンに該当する履歴は図6に示すように5つであったとする。例えば移動履歴ID「001」はルーソンへの到着時刻が8時05分であり、上記フローにおいて6時から12時に該当するため「朝」のクラスとなる。同様に残りの履歴に対してもクラス分けを行ったところ、図7に示すようにクラス分けが行われ、4回と最も頻度の高い「朝」がルーソンの時刻的な特徴ということになる(ステップS206)。
次に周期算出部108は、指定された地点の到着周期を算出する(図11、ステップS107)。まず、指定地点に該当する履歴の曜日を参照し(ステップ図13、S301)、その到着した曜日によって場合分けを行う(ステップS302)。本実施の形態では土曜日または日曜日を休日、それ以外を平日のクラスと2つのクラスに分けることとする。到着した曜日が土曜日または日曜日の場合(ステップS302のYes)、「休日」のクラスにカウントし(ステップS303)、土曜日または日曜日以外の場合(ステップS302のNo)、「平日」のクラスにカウントする(ステップS304)。指定された地点を含む履歴の数だけ場合分けの処理を繰り返す(ステップS301〜S304)。全ての履歴に対して場合分けの処理を行った場合、周期算出部108最後に最も頻度の高いクラスを周期の特徴とする(ステップS305)。
図6に示す移動履歴より、例えば移動履歴ID「001」はルーソンへ到着した曜日が水曜日であり、上記フローにおいて「平日」のクラスとなる。同様に残りの履歴に対してもクラス分けを行ったところ、図8に示すようにクラス分けが行われ、4回と最も頻度の高い「平日」がルーソンの時刻的な特徴ということになる(ステップS305)。
さらに本実施の形態では、周期算出部108は、頻度的な特徴も算出することとする。具体的には時刻算出部107および周期算出部108で算出されたユーザの特徴の、履歴全体に対する割合を算出する(図11、ステップS108)。図6に示すように「ルーソン」に到着した履歴全体の頻度が5回に対して、当該クラスである「朝」と「平日」に該当する頻度は4回であり、全体の80%(4÷5)が当該クラスに該当することとなる。
次に地点名称生成部105は、修飾語蓄積部109に蓄積された修飾を参照し(ステップS109)、地点名称を生成する(ステップS110)。すなわち、地点名称生成部105は、前述のフローで算出された時刻等の特徴を用いて地点の名称を生成する。そして、地点名称生成部105は、生成し名称を地点名称蓄積部106へ蓄積する(ステップS111)。
図9は修飾語蓄積部109に蓄積された修飾語の一例であり、前述のフローで算出された特徴を用い、特徴に対応する修飾語を組み合わせて名称を生成する。例えば本例の場合、「平日」、「朝」等のクラスが算出されており、対応する修飾語が選択される。さらにステップS108において算出された割合が80%であり、閾値(例えば50%とする)以上の場合は「よく」という修飾語を用いることとする。さらに指定された「ルーソン」は到着地であるため「行く」という用語を用いる。最終的に「ルーソン」(第1名称)は「平日の朝によく行くルーソン」という名称(第2名称)で地点名称蓄積部106へと蓄積される。
図10は生成された名称を用いる一例として、ランドマーク検索を行う際を示した図である。画面左側にはランドマークとして登録された地点がリスト表示され、登録されたコンビニ「ルーソン」が、前述に示す手法を用いて「平日の朝によく行くルーソン」という名称で登録されている。
なお、本実施の形態において名称の生成は、各クラスに該当する修飾語を組み合わせたもので説明を行ってきたがこれに限ったものではない。例えば時刻的修飾語である「朝」と、頻度的修飾語である「よく」を組み合わせて「毎朝」という修飾語を用いることとしてもよい。例えば、修飾語蓄積部109に各修飾語を組み合わせてより短い修飾語を対応させた規則を蓄積しておくことで可能である。また、時刻的修飾語を用いず、周期的修飾語のみを用いて名称を生成することとしてもよい。例えば図10において飲食店である「吉田屋」は「よく行く吉田屋」となっている。これは例えば本例のユーザが時刻的、あるいは曜日的な面では特徴はないが、訪れる頻度が高いため「よく」のみを用いてこのような名称が生成されている。本実施の形態においては、「平日の朝によく行くルーソン」のように、時刻のクラスと曜日に関するクラスの両方を用いて「ルーソン」の修飾語を決定した。このように2つの属性のラベルを利用すると、「ルーソン」の内容がより具体的になる一方、画面に表示する場合には、長い名称となり、表示場所を占有してしまうことになる。そこで、移動履歴蓄積部102において、「ルーソン」に到着している日時が、図8に示すような場合には、曜日のクラスだけで「ルーソン」を表現することも可能である。具体的には、時刻の属性に関しては、「朝」または「夜」というラベルで表現しなければならない。一方、曜日の属性においては「平日」というラベルで表現することが可能である。そこで、もし、画面に表示するとき「平日の朝によく行くルーソン」の13文字では、画面の表示が困難な場合には、「平日に行くルーソン」という表現にすることで、9文字で表現することが可能になる。このように、修飾語を用いて画面に表示する際、例えば、10文字以内で地点を表現しなければならないときには、「平日に行くルーソン」という表現にすることで、簡潔に表現することが可能になる。また上記に示すように、「よく朝」の3文字を「毎朝」の2文字で表現すること等が可能となる。
ユーザがある地点へ訪れるパターンはユーザによって異なり、またそのパターンは多種に渡ることが多い。これら多種のパターンに柔軟に対応すべく、算出された特徴を組み合わせて最適な修飾語を用いて名称を生成することとしてもよい。
また、本実施の形態において地点名称生成部105での名称の生成は、例えば時刻算出部107、周期算出部108等の構成要素を設け、移動履歴より特徴を算出し、特徴に対応する修飾語を修飾語蓄積部109に蓄積された修飾語から組み合わせて名称の生成を行った。しかしながら名称の生成はこれに限ったものではない。例えば指定された地点へもっとも最近訪れた日時を修飾語として名称を生成することとしてもよい。
図14は移動履歴蓄積部102に蓄積されたユーザの移動履歴である。今、地点指定部103でコンビニ「ルーソン」が指定されたとする。ここで移動履歴を参照し、「ルーソン」に訪れた最近の履歴を算出する。例えば図14の場合、移動履歴ID「023」の「2005年9月26日(火)」がもっとも近いとする。そこで「ルーソン」の名称を例えば図15(a)に示すように「26日火曜日に行ったルーソン」と、最近訪れた日時を修飾語として名称を生成することとしてもよい。例えば、地点名称生成部105において、指定された地点へ訪れた最も近い日時を抽出し、当該日時を修飾語として用いることで名称生成が可能である。単に「ルーソン」等、地点の名称のみではその地点がいったいどこのことか容易に把握できないことがあるが、このように履歴をもとに最近訪れた日時とともに名称を提供することで、その日時はユーザの実体験を反映させた名称であるため、容易に頭に浮かぶことが可能となり、さらには操作や情報把握の支援にも繋がる。また日時を修飾語とするのではなく、現在の日時との差分を求め、例えば図15(b)に示すように「先週火曜日に行ったルーソン」、あるいは例えば図15(c)に示すように「5日前に行ったルーソン」等、よりユーザが把握しやすい名称とすることとしてもよい。なお、「26日」、「先週火曜日」、「5日前」は、すべて同じ日を表現している。どれを使うべきかを制御することでさらにユーザに応じた提供が可能となる。例えば、画面にその月のカレンダーが表示されている場合には、「25日」という表現で、もしユーザが理解できなかった場合には、画面に表示されているカレンダーを確認することで容易に曜日を確認することが可能になる。また、画面に10月のカレンダーが表示されており、現在の日時が2日であった場合には、9月26日のことであっても、何曜日であったかを画面に表示されているカレンダーで確認することができない。そのときは、「5日前」や「先週火曜日」等の修飾語を利用することで、カレンダーがなくても理解できる形式で表現する。例えば、地点名称生成部105において画面の表示様態を認識して日付で修飾するか、あるいは訪れた日時からの間隔で修飾するかを判定して名称生成することで実現可能である。
また、特にスキー場や観光施設等の場合、最近訪問した日時が比較的遠くなる傾向があるが、図10に示すように「半年前行った白海ホテル」等、過去訪れた日時を用いて修飾することでその地点をより鮮明に思い出すことが可能となり、情報把握の向上に繋がる。
つまり本発明を実施するために必要な構成要素は、図1に限ったものではなく、例えば図16に示す構成要素で行うことが可能である。図16は本実施の形態の変形例に係る地点名称生成装置の構成を示すブロック図である。この地点名称生成装置は、図16に示すように位置情報検出部101、移動履歴蓄積部102、地点指定部103、地図情報蓄積部104、地点名称生成部105、および地点名称蓄積部106を備えている。なお、各構成要素の詳細な説明は前述の通りであり、地点指定部103で指定された地点を地図情報蓄積部104をもとに特定し、移動履歴蓄積部102から該当する履歴を抽出する。そして上記に示すように地点名称生成部105において、例えばもっとも最近の日時を抽出して現在との差分を求めるなどして名称を生成し、生成された名称を地点名称蓄積部106へと蓄積することで本発明が実現可能となる。
また、本実施の形態における周期算出部108では例えば曜日によって「平日」、「休日」のクラスに分けて名称を生成したが、周期的な特徴はこれに限ったものではない。例えば前回との日時の間隔周期を算出し、この周期に基づいて名称を生成することとしてもよい。以下、図を用いて具体例を説明する。
図17は指定された地点であるガソリンスタンド「メッソ」に該当する履歴を抽出したものである。例えば移動履歴ID「031」は日時「2005年9月20日(水)」にメッソへ訪れていることを示している。また後に移動履歴ID「067」で日時「2005年10月21日(金)」にメッソへ訪れていることを示している。この間の月日の間隔を算出すると、間隔は31日となっている。さらに移動履歴ID「091」には日時「2005年11月28日(月)」にメッソへ訪れており、移動履歴ID「067」の10月21日とは月日の間隔が35日となっている。さらに移動履歴ID「121」とは25日の間隔がある。
このようにある地点へ訪れる場合、時刻や曜日ではなくおよそ1ヶ月等、月日の間隔に依存する場所もある。そこで例えば周期算出部108でこれらの月日の間隔を算出し、算出された周期を用いて名称を生成することとしてもよい。例えば図18に示すように、「一週間」、「二週間」、「一ヶ月」、「二ヶ月」、「半年」、「一年」等のクラス分けを行い、該当するクラスの修飾語を用いて名称を生成する。なお、訪れる周期は必ずしも一定とは限らず、所定の誤差を含む場合がある。例えば本例に示すユーザの場合、ガソリンスタンド「メッソ」へはおよそ1ヶ月周期で訪れるが、その周期は必ずしも30日とは限らない。そこで所定の許容範囲を設けてクラス分けを行うこととしてもよい。例えば20日から40日は一ヶ月の周期としてクラス分けを行う。図17に示す履歴の場合、周期が31日、35日、25日となっており、図18に示すように「一ヶ月」のクラスに該当する履歴が3回存在することとなる。そこで修飾語蓄積部109に蓄積された「一ヶ月」のクラスに該当する修飾語を用いて名称を生成する。
図19は修飾語蓄積部109に蓄積された周期的修飾語の一例である。例えば「一週間」のクラスに該当する場合、修飾語として「毎週」等、各クラスに応じて修飾語が蓄積されている。本例の場合、メッソは「一ヶ月」クラスが3回と多くあるため、修飾語「毎月」を用いて名称「毎月行くメッソ」を生成する。例えばガソリンスタンド等は同じ名称が複数存在するため、単に名称を入力したのでは希望のガソリンスタンドがすぐにヒットするとも限らない。ユーザにとってはあるガソリンスタンドの会員になっていたり、少しでも安い料金を求めて周期的に訪れる場合もある。そこで図10に示すように「毎月行くメッソ」等、ユーザの行動を反映した名称を生成することで、より容易に情報を提供することが可能となる。
図20は、周期算出部108で行われる上記動作のフローを示したものである。図11におけるステップS107までの動作は同様であり、周期算出部108で本フローを加えることによって実現することができる。
まず選択されたメッソ(指定地点)に該当する履歴の日時を参照する(ステップS401)。そして次の履歴を参照して日時の差分を算出する(ステップS402)。算出された日時の差分によって場合分けを行う(ステップS403)。差分が例えば5日から9日の場合、「一週間」のクラスにカウントし(ステップS404)、10日から19日の場合、「二週間」のクラスにカウントし(ステップS405)、20日から40日の場合、「一ヶ月」のクラスにカウントする(ステップS406)。同様に例えば半年、1年のクラスへカウントすることとしてもよい。そして、指定された地点を含む履歴の数だけ場合分けの処理を繰り返す(ステップS401〜S406)。すべての履歴に対して周期を算出した場合、もっとも頻度の高いクラスを周期の特徴として算出する(ステップS409)。本例のメッソ場合、図17、および図18に示すように「一ヶ月」のクラスへ3回カウントされ、「一ヶ月」がメッソの周期の特徴となる。
また、本実施の形態では指定された各地点のみの履歴を参照し、日付や時刻によって名称を生成したがこれに限ったものではない。ユーザによって把握しやすいように地点の名称をする効果は、ある地点単独の履歴より特徴を算出して名称をするのみならず、他の地点の特徴を考慮することで、ユーザにとってより把握しやすくなる場合もある。例えばコンビニなど同じ名称の地点が複数存在する場合や、名称に店舗名や支店名が加わっただけの類似する名称を有する地点が存在する。これらによりユーザにとって分かりやすい名称を生成するために、異なる店舗の特徴を考慮して名称を生成することとしてもよい。
図21は本実施の形態の変形例に係る地点名称生成装置の構成を示すブロック図である。図1に示す本実施の形態における地点名称生成装置の構成に加え、類似名称抽出部120、名称重複判定部121を備えている。類似名称抽出部120は、地点名称蓄積部106に蓄積されている生成された名称から、地点指定部103で指定された地点の名称と類似する名称を抽出する手段である。一方、周期算出部108等で算出された時間的特徴をもとに名称を生成するのだが、名称重複判定部121において名称の重複を判定し、異なる名称を生成して蓄積することとなる。以下、図を用いて具体例を説明する。
例えば地点指定部103においてコンビニ「ルーソン」が指定され、一方、地点名称蓄積部106に蓄積された名称の中からすでに生成された「ルーソン」を抽出する。ここでは区別するために既に蓄積されている「ルーソン」を「ルーソンA」、あらたに指定された「ルーソン」を「ルーソンB」とする。図22は図8等と同様、「ルーソン」に該当する履歴を時刻や周期のクラスへクラス分けを行った図である。コンビニのような地点の場合、同じ名称や名称に店舗名が加わっただけの類似する名称の地点は多く存在する。これらを単に「ルーソン」と名称のみで表したのでは検索等の場合、両者の区別がつかないこととなる。そこで両地点の特徴を算出し、さらに両者の違いが分かるように名称を生成することで、ユーザにとってはより容易に把握することが可能となる。例えば「ルーソンA」は平日に4回到着しており、「平日行くルーソン」ということになる。一方、「ルーソンB」は平日に3回、休日に2回となっている。ここで「ルーソンB」も「平日行くルーソン」とすると両者の区別がつきにくいものとなってしまう。そこで名称重複判定部121において重複すると判定された場合、「ルーソンB」は「ルーソンA」とは異なる特徴である「休日」クラスを用いることとし、「休日行くルーソン」とする。「ルーソンB」は平日にも休日にも訪れるルーソンではあるが、「ルーソンA」へは平日のみ訪れるため、「平日行くルーソン」といえば、本ユーザにとっては「ルーソンA」を直感的に思い浮かべる場合が多く、これと区別するため「ルーソンB」へはもう一つの特徴である「休日」を用いるのである。
図23は両者の特徴を考慮して名称を生成した各ルーソンを検索する際の表示画面の一例である。「ルーソンA」は「平日行くルーソン」2301、「ルーソンB」は「休日行くルーソン」2302という名称で生成されている。このように単に指定された地点単独の特徴を用いて名称を生成するのではなく、同一や類似する名称の地点の特徴を考慮して名称を生成することで、ユーザの行動に応じて、両者をより明確に区別した名称を生成することが可能となる。
さらに、類似の名称に限ったものではなく、同一の修飾語を用いる名称が複数存在する場合、異なる名称として生成することとしてもよい。
図24は、図22と同様、指定された地点「ルーソンB」と、地点名称蓄積部106に蓄積された名称を抽出したものである。なお、ここでは類似名称抽出部120において「ルーソンB」と類似の名称を抽出するのではなく、「ルーソンB」と同じ時間的特徴である平日の朝のクラスと、休日のクラスの修飾語を有する施設を抽出している。ここでは平日の朝のクラスに「ファミリーK」と「つばめ銀行」が抽出されている。また、休日のクラスには該当する施設が存在しないことを示している。名称重複判定部121において平日の朝クラスでは重複を生じるため、重複のない休日のクラスを用いて名称「休日行くルーソン」として生成することとなる。「毎朝行くつばめ銀行」、「毎朝行くファミリーK」と、「毎朝行く」という修飾語を用いる名称が複数存在する場合、同様に「毎朝行くルーソン」と名称を生成しても、ユーザにとっては必ずしも把握を容易にするとは限らない。そこでこのように特徴に重複が生じ、異なる特徴を用いることができる場合、その異なる特徴を用いて名称を生成することとしてもよい。
また、本実施の形態においては、「ルーソン」というその店舗の正式な名称を修飾することで、名称の生成を行った。しかしながら、ユーザによっては、「ルーソン」と表現すべき場合もあるし、その地点のカテゴリである「コンビニ」という名称で表現すべき場合もある。特に、年に一度の旅行等で訪問した旅館等の名称はユーザが記憶していない可能性がある。そこで、車載端末において、普段表示されている名称を利用して、店舗の正式な名称で表現するか、あるいはカテゴリや上位概念の名称で表現するかを判断してもよい。例えば、コンビニに関しては、表示している地図においても、「ルーソン」や「ファミリーマーケット」等の店舗の名前で表現されている場合には、その名称を修飾することで、名称を生成する。一方、地図上で「旅館」や「スーパー」、「ホテル」等のカテゴリ等で表現されている場合には、そのカテゴリを用いて名称を生成してもよい。
また、本実施の形態において生成された地点の名称は、例えばカーナビの画面等である表示部110において検索の時などに利用されたが、これに限ったものではなく、音声で名称を出力する場合に用いることとしてもよい。図25は図1に示す本システムの構成図であって、表示部110にかえて音声出力部111を有している。上記に示す手法によって生成され、地点名称蓄積部106に蓄積された名称を音声出力する際に用いることが可能となっている。例えばカーナビ等の場合、地点の名称をユーザに提供するのは画面における文字のみとは限らない。特に運転中の場合、画面による表示では運転タスクを妨げる恐れもあり、ユーザの運転の負担を抑制するために音声で行う方が好ましいこともある。
一方、音声で名称を提供する場合、例えば「ルーソン」と単にその地点の名称を提供したのでは必ずしもその地点をユーザが把握できるとは限らない。また、名称を音声読みする場合、例えば「松田(マツダ)交差点」と「町田(マチダ)交差点」のように、ユーザにとって相紛らわしい名称や、聞き取りにくい名称も多く存在する。しかし本実施の形態で示すようにユーザの移動履歴に基づいて例えば「いつも平日の朝に行くルーソン」と提供することで、ユーザはどこのルーソンか容易に思いつくことができ、運転タスクに集中しつつ、情報を把握することができるという、格別の効果を有する。また、「日曜の朝通る町田(マチダ)交差点」と提供することで「松田(マツダ)交差点」ではなく、「町田(マチダ)交差点」のことである等、ユーザの混乱を避けることも可能となる。例えば前述の類似名称抽出部120、および名称重複判定部121等において、音声読みした場合の類似性を判断することでこれらを実現することが可能となる。一方、互いに相紛らわしい名称ではあるが、地点を通過した履歴が多く存在する場合、ユーザはその地点を熟知していると推定し、名称の修飾を抑制する等の制御も可能である。このように本発明は表示のみならず音声出力によって名称を提供することとしてもよい。さらに生成された名称の長さや、把握の容易さを考慮して名称を生成することとしてもよい。例えば音声で名称を出力する場合、長い修飾語は好ましいとは限らない。例えば運転中に「ルーソン」に関する情報を提供する場合、「いつも平日の朝に行くルーソン」より「毎朝行くルーソン」等、よりコンパクトな名称で、かつユーザがその場所を容易に思いつくことのできる名称で提供する方がなお望ましい。また画面に表示する場合であってもカーナビ等の場合、画面の制限もありため修飾語によってなるべく短い名称で生成するのが好ましいこともある。一方、その地点を修飾する修飾語はユーザの特徴によっては増え、結果名称が長くなることもある。そこで同じ地点の名称であっても例えば長く詳細な名称と、比較的短い名称の2通りの名称を生成し、状況に応じていずれの名称を利用するか制御することとしてもよい。以下、具体例を用いて説明する。
図26は地点名称蓄積部106に蓄積された地点の名称に関する情報を示したものである。図26(a)は、例えばあるコンビニ「ルーソン」に関する特徴として時刻修飾語「朝」、周期的修飾語「平日」、そして頻度的修飾語「いつも」が選択されたことを示している。そして本実施の形態で示す手法を用いて「ルーソン」の名称として「いつも平日の朝に行くルーソン」が生成され、蓄積されている。この名称は履歴をもとにユーザの行動を反映した名称となるため、ユーザにとってどこのルーソンであるか容易に把握できる名称ではあるが、一方その特徴である時刻、周期、頻度のすべてを用いて生成しているため「いつも平日の朝に行くルーソン」の14文字と、比較的長い名称となってしまっている。例えば本名称を音声で出力する場合、あるいは画面に表示する際、状況によっては必ずしも把握が容易になるとは限らず、比較的短い名称の方が好ましい場合もある。
そこで、ここでは各特長に重みを付与し、重みを用いて比較的短い名称も生成することとする。例えば各クラスの頻度を重みとすると、本例の場合「朝」クラスに4回、「平日」クラスに3回、頻度は6回となっており、その値が重みとなっている。そして重みを用いて短い名称を生成する。例えば上位2つを用いて名称を生成することとする。本例の場合、重みが4の「朝」と、重みが6の「いつも」が用いられることとなる。さらに前述に示すように「いつも」と「朝」で「毎朝」という修飾語を用いることとし、本例の場合、ルーソンの短い名称として「毎朝行くルーソン」という名称が生成されることとなる。
各特徴はいずれもユーザの移動履歴をもとに算出されたものであり、この特徴を用いることでユーザは容易に把握することが可能となるが、さらにその中でユーザがより容易にその地点を容易に思いつくキーワードを選択し、短い名称を生成して提供することで例えば運転中など、過度の負担をかけることなくより適格に情報を提供することが可能となる。
さらにこの重みは各クラスの頻度に限ったものではない。例えば図26(b)には、ある地点「富士スキーホテル」に関する情報が蓄積されている。この「富士スキーホテル」は例えば過去一度しか行ったことがないため、時刻的な特徴や周期的な特徴は重みが1と特徴がなく、したがって各修飾語も選択されてはいない。しかし「富士スキーホテル」へは5時間もかけて行ったという特徴が蓄積されている。例えば距離に比例する重みを付与することとし、ここでは重み10となっている。そこで「富士スキーホテル」の名称として「5時間かかった富士スキーホテル」という名称を生成している。このように長時間かけて行った旅行や観光などは、頻度が少ないため地点の名称を言われたのでは容易に思い出すことはできないが、例えば「5時間かかった富士スキーホテル」等、履歴に基づく特徴で名称を生成することでユーザや容易にそのときの記憶を思い起こすことができる。また前述に示す訪れた日時を修飾語をすることとしてもよい。単に「富士スキーホテル」と言われたのでは思い出すことができないが、「2005年1月20日に行った富士スキーホテル」と言われれば容易に思い出すことができ、また前述に示すように現在日時との差分を求めて「半年前に行った富士スキーホテル」と短いバージョンの名称を生成することとしてもよい。そしてこれら名称を蓄積しておき、状況によって使い分けることとしてもよい。
長いバージョンの名称と短いバージョンの名称の使い分けの一例として、例えばユーザが走行中か否かという応用例が挙げられる。例えば、ユーザが走行中であったり、あるいは交差点の右左折中である場合、短いバージョンの名称で情報を提供するのが好ましい場合もある。そこで、例えば現在の走行状態を検出し、名称の適正を判断し、短いバージョンの名称と長いバージョンの名称を使い分けることとしてもよい。
図27は本実施の形態におけるシステム構成図である。図1等に示す構成要素に加え、名称適正判定部112が加わっている。この名称適正判定部112は、位置情報検出部101で検出されるユーザの移動を検出し、例えば走行中か否かを判定し、走行中の場合は短い名称等、名称の適正を判断して音声出力部111へ出力している。このように走行の状況によって名称を適宜判定することで、詳細な名称で提供する場合と、短い名称で適格に提供する場合等ユーザのニーズに応じた情報提供を可能とする。
さらに、地図情報を参照して、交差点の右左折中や狭い経路を走行中等、運転により集中しなければならない場合等を判定して名称の適正を判定することとしてもよい。
また、本実施の形態において生成された地点名称は、表示部110に文字等で表示したり、あるいは音声出力部111によって音声で提供する際に用いることが可能であることを示したが、これに限ったものではない。例えば、生成された地点名称を例えば音声認識の検索キーワードにすることも可能である。例えば音声認識を用いて「ルーソン」と言って検索を行った場合、多くのルーソンが検索されてしまい、ユーザは再び自分の欲しているルーソンをあらためて選択する必要があり、さらに多くのルーソンからユーザの求めるルーソンを選ぶのは大変煩雑な作業となる。特にカーナビ等の場合、ユーザビリティの観点や運転タスクの面からも、操作は簡易であるのが望ましい。そこで本発明で示す生成された名称を例えば音声認識の検索キーワードとして用いることでユーザはより容易に自分の欲する地点を検索することが可能となる。例えば「毎朝行くルーソン」として生成されたルーソンの名称は、ユーザが毎朝行っていたという過去の行動に基づいて生成されているため、ユーザも自分の行動に即した名称で検索をすることで、ユーザが求める地点を一意に検索することが可能となる。
(実施の形態2)
上記実施の形態1では、ユーザの移動履歴をもとに特に時刻的な特徴を算出し、地点の名称の生成について説明を行った。単に地点の名称を提供されたのでは、必ずしもその地点がどこかを把握することはできず、履歴に蓄積されたユーザの行動を反映した名称を生成することでより容易に地点を把握させることが可能となることを示した。一方、ユーザが地点を把握する場合、その特徴は時刻的な特徴に限ったものではない。例えばユーザがよく把握している地点をもとにその地点との相対関係を示すことで、ユーザはより容易に把握することができる場合もある。単に近くの施設を基準とするのではなく、移動履歴を基にユーザがよく熟知している施設を基準にその地点を示すことでより把握が容易になる。例えば単に指定された地点に近い施設等を基準に説明されても、その基準となる施設も知らない場合、結局施設の場所が分からないことが多いが、一方、自分の移動履歴をもとに抽出された基準となる施設を基に指定された地点の名称をユーザに提供することで把握が容易になる。例えばあるコンビニ「ルーソン」と言われてもどこか分からないが、例えばユーザが熟知している「会社」を基準に「会社近くのルーソン」と言われれば、そのユーザにとっては容易に頭に浮かぶルーソンという場合もある。そこで本実施の形態では、移動履歴をもとにユーザにとっての主要な地点を抽出し、主要な地点をもとに地点の名称を生成する手法について説明する。
図28は、本実施の形態に係る地点名称生成装置の構成を示すブロック図である。上記実施の形態1と同様の構成要素には同じ符号を付与する。以下、まず各構成要素について説明し、後に本発明の動作フローを説明する。
本実施の形態の地点名称生成装置は、地図上の所定の地点の名称を生成するための装置であり、図28に示すように位置情報検出部101、移動履歴蓄積部102、地点指定部103、地図情報蓄積部104、地点名称生成部105、地点名称蓄積部106、修飾語蓄積部109、表示部110、主要地点算出部113、相対位置関係算出部114、地点頻度算出部115、および地点滞在時間算出部116を備えている。
位置情報検出部101はユーザの位置を検出する手段であり、所定の間隔でユーザの移動とともに位置情報として緯度経度情報を検出する。
図29はユーザの移動と移動に伴って検出される位置情報を示したものである。「自宅」を出発して「緑4交差点」、「緑3交差点」、「緑2交差点」、「緑1交差点」、「華町会社前」を通過し、「華町会社」へ到着した移動を黒い太線で示している。また移動に伴って所定の間隔で検出された位置情報を白い丸印で示している。
移動履歴蓄積部102は、位置情報検出部101で検出された位置情報をユーザの移動履歴として蓄積する手段である。図30は移動履歴蓄積部102へ蓄積された緯度履歴を示したものである。例えば移動履歴ID「101」には日付「2005年10月20日(水)」に出発地「N100(自宅)」、経路「C21(緑4)」、「C21(緑4)」、「C22(緑3)」、「C23(緑2)」、「C24(緑1)」、「C25(華町会社前)」と通過し、そして目的地として「N51(華町会社)」へ到着した履歴が蓄積されている。
地点頻度算出部115は、移動履歴蓄積部102に蓄積された移動履歴より、各地点への通過頻度、または到着頻度を算出する手段である。本実施の形態においてユーザの移動はランドマークや交差点のノードの系列で蓄積されている。そこで例えばこのノード単位ごとに頻度を算出する。例えば図30に示す「C21(緑4交差点)」などの交差点などは、履歴に1つ存在する場合、それは1回通過したことを意味し、また「N51(華町会社)」等の目的地の場合、履歴に1つあるとそれは1回到着したことを意味する。そこで履歴として蓄積されたノードをカウントすることで各地点の通過または到着頻度を算出することができる。
地点滞在時間算出部116は、各地点の滞在時間を算出する手段である。例えば各目的地の滞在時間は以下のようにして算出することができる。本実施の形態ではエンジンスタートからストップまでを1つの系列として蓄積している。例えば図30に示す移動履歴ID[001]は、「自宅」でエンジンをスタートさせて「会社」でエンジンをストップさせた履歴である。また次に会社を出る際エンジンをスタートさせるため移動履歴ID「002」は「会社」が出発地となっている。したがってこの到着時刻と出発時刻の差分を算出することで今回「会社」へ滞在した時間「18時45分−8時20分=10時間25分」と算出することができる。さらに滞在時間を総和して地点頻度算出部115で算出された頻度で割ることで各地点の平均滞在時間を算出することもできる。
主要地点算出部113は、地点頻度算出部115および地点滞在時間算出部116で算出された頻度や滞在時間をもとにユーザがよく知っているような主要地点を算出する。以下、図31を用いて説明する。
図31は本例のユーザの各地点の滞在頻度と平均滞在時間を示したものである。例えば「自宅(N100)」は滞在頻度320回、平均滞在時間16時間20分と算出されている。また「華町会社(N51)」は滞在頻度189回、平均滞在時間12時間20分と算出されている。このように普段のユーザの移動を履歴として蓄積し、履歴より地点の滞在頻度や滞在時間を算出すると、ユーザがよく訪れ、長時間滞在するような地点を得ることができる。そこで例えば閾値(例えば頻度3回以上、平均滞在時間2時間以上等)を設け、閾値以上の地点を、ユーザが知っている主要地点として算出する。図31では「自宅」や「会社」、スポーツジム「エクサイズ」が主要地点として算出されている。
地点指定部103は所定の地点を指定する手段である。図32はカーナビ等の表示部110を示したものである。今、ユーザがコンビニ「ルーソン」へ到着した地図を画面に表示している。そしてユーザが地図上のある地点「ルーソン」をタッチして、以後、検索などに利用できるよう「ランドマーク登録」を行おうとしているとする。地点指定部103はこれらの操作によって選択された地点「ルーソン」が入力となる。
相対位置関係算出部114は、地点指定部103で指定された地点と、主要地点算出部113で算出された主要地点との相対位置関係を算出する手段である。また修飾語蓄積部109は相対位置関係に対応した修飾語を蓄積する手段であり、地点名称生成部105において算出された相対位置関係を用いて名称を生成し、地点名称蓄積部106へと蓄積する。以下、図33を用いて具体例を説明する。
図33(a)は相対位置関係に対応する修飾語(以下、位置的修飾語とする)を示したものである。例えば主要地点に対して「半径500m以内」に存在する場合、位置的修飾語「近くにある」が蓄積されている。同様に主要地点に対して「北1km以内」に存在する場合、位置的修飾語「北にある」、「南1km以内」に存在する場合、位置的修飾語「南にある」、「東1km以内」に存在する場合、位置的修飾語「東にある」、「西1km以内」に存在する場合、位置的修飾語「西にある」等、各相対位置関係に対応して位置的修飾語が蓄積されている。
例えば本例の場合、図33(b)に示すように指定された「ルーソン」と前述の主要地点算出部113で算出された「華町会社」との位置関係は、「半径500m以内」にあることが分かる。そこで位置的修飾語「近くにある」を用いて「ルーソン」の名称は「会社の近くにあるルーソン」として生成されることとなる。
図34は上記手法を用いて生成された地点名称を使用する一例である。カーナビの画面等の表示部110に「ランドマーク検索」のメニュー画面が表示されている。従来、ランドマークの登録等の際、その地点を示す名称として単にその施設の名称等を用いるものがあった。例えば図32に示すように「ルーソン」が指定された場合、このルーソンを示す名称としては「ルーソン」とその店の名前をそのまま用いて登録を行っていた。しかし後の検索を行う場合や地点の情報を提供する際、単に名称のみでは必ずしもその地点を把握することができるとは限らない。特にコンビニ等、複数同じ名称が存在する場合、どこのルーソンかユーザは分からないこととなってしまう。そこで本実施の形態で示すように「会社近くのルーソン」とユーザがよく熟知している主要な地点との位置関係を用いて名称を生成することで、ユーザは容易に位置を把握することが可能となる。また、図34には同様の手法を用いて生成された「自宅近くにある郵便局」、「華駅の北にある四菱銀行」等が示されている。単に名称のみ表示したのでは必ずしもその地点を把握することができないが、このようにユーザの履歴に基づき、ユーザがよく熟知する地点を基準に地点の名称を生成することで、ユーザはその地点を容易に思い浮かべることができる。また主要地点も単に目印となるようなランドマークではなく、ユーザの移動傾向を反映し、履歴に基づいて主要地点を抽出しているため、さらにその効果は増す。特にカーナビ等の場合、運転タスクを妨げるのは好ましくなく、本手法を用いることで情報把握を容易にし、操作の負担を軽減することも可能である。
本実施の形態の動作フローを図35、図36、図37のフローチャートを用いて説明する。まず位置情報検出部101においてユーザの位置情報を検出する(図35、ステップS501)。そして検出された位置情報を移動履歴蓄積部102に蓄積する(ステップS502)。
次に主要地点算出部113は、主要地点の算出を行う(ステップS503)。主要地点の算出は地点頻度算出部115および地点滞在時間算出部116で算出される頻度や滞在時間をもとに行う。
まず移動履歴の目的地IDおよび到着時刻を参照する(図36、ステップS601)。そして次の移動履歴の出発地の出発時刻を参照する(ステップS602)。そして当該IDの滞在時間を算出する(ステップS603)。例えば図30に示す移動履歴の場合、移動履歴ID「001」の目的地である「華町会社(N51)」の到着時刻8時20分と、次の移動履歴ID「002」の出発時刻18時45分より、滞在時間10時間25分(18時45分−8時20分)が算出される。
次に当該IDの頻度を1インクリメントし(ステップS604)、滞在時間を加算する(ステップS605)。すべての履歴を参照したか否かを判定し(ステップS606)、参照した場合は(ステップS606のYes)ステップS608へ、していない場合は(ステップS606のNo)、ステップS601へループし、各IDの頻度と滞在時間の算出を繰り返す。
すべてのIDの頻度と滞在時間の算出が終了したら(ステップS606のYes)、各IDの頻度と滞在時間を参照し(ステップS608)、滞在時間を頻度で割ることで(ステップS609)、当該IDの平均滞在時間が算出される(ステップS610)。例えば図31に示すように「華町会社(N51)の頻度「189回」、平均滞在時間「12時間20分」等が算出されることとなる。
そこで次に頻度と平均滞在時間は閾値以上か否かの判定を行い(ステップS611)、閾値以上の場合(ステップS611のYes)主要地点とする(ステップS612)。閾値未満の場合(ステップS611のNo)はステップS613へ進む。すべてのIDについて参照したか否かを判定し(ステップS613)、参照していない場合(ステップS613のNo)、次のIDを参照し(ステップS614)、すべてのIDについて判定を行った場合(ステップS613のYes)終了する。例えば閾値を頻度3回以上、滞在時間2時間以上等とすると、図31に示すように「自宅」、「華町会社」、「エクサイズ」等が主要地点として算出されることとなる。
一方、地点指定部103は、所定の地点を選択する(図35、ステップS504)。そして相対位置関係算出部114は、指定地点と主要地点との相対関係を算出する(ステップS505)。まず、指定された地点と例えば最も近い主要地点の位置関係を参照する(図37、ステップS701)。そしてその位置関係によって場合分けを行う(ステップS702)。例えば、位置が半径500m以内の場合、「近く」のクラスとする(ステップS703)。または位置が北1km以内の場合「北」のクラスとする(ステップS704)。または位置が南1km以内の場合「南」のクラスとする(ステップS705)。同様に条件に応じて場合訳を行い(省略する)、一方、位置がいずれにも該当しない場合、該当関係なしとする(ステップS706)。本実施の形態の場合、図32に示すようにコンビニ「ルーソン」が指定されており、図33に示すように最も近い「華町会社」との関係は、位置が半径200m以内であるため、「近い」のクラス該当することとなる(ステップS703)。
次に該当する関係が存在するか否かの判定を行い(図35、ステップS506)、存在する場合(ステップS506のYes)、修飾語蓄積部109に蓄積された修飾語の情報を参照し(ステップS507)地点名称生成部105で地点の名称を生成し(ステップS508)、地点名称蓄積部106へと蓄積する(ステップS509)。一方、関係が存在しない場合は(ステップS506のNo)終了する。本例の場合、図33に示すように指定された地点「ルーソン」と「華町会社」は半径500m以内の関係にあるため、「近い」のクラスに該当し、修飾語「近くにある」を用いて地点の名称を生成する。図33に示すように「会社の近くにあるルーソン」という名称が生成されている。
図34は上記フローに基づいて生成された地点名称を使用する一例である。カーナビの画面等の表示部110に「ランドマーク検索」のメニュー画面が表示されている。従来、ランドマーク等地点の名称は単にその施設の名称等を用いるものであったが、本実施の形態で示すように「会社近くのルーソン」、「自宅近くにある郵便局」、「華駅の北にある四菱銀行」等、とユーザがよく熟知している主要な地点との位置関係を用いて名称を生成することで、ユーザは容易に位置を把握することが可能となる。このようにユーザの履歴に基づき、ユーザがよく熟知する地点を基準に地点の名称を生成することで、ユーザはその地点を容易に思い浮かべることができる。特にカーナビ等の場合、運転タスクを妨げるのは好ましくなく、本手法を用いることで情報把握を容易にし、操作の負担を軽減することも可能である。
なお、本実施の形態では移動履歴をもとに地点頻度算出部115で算出された通過や到着の頻度および地点滞在時間算出部116において算出された地点の滞在時間を用いて主要地点の算出を行ったがこれに限ったものではない。例えば移動履歴蓄積部102に蓄積された履歴をもとに目的地を主要地点とし、本実施の形態で示すように主要地点との相対位置関係を算出して名称を生成することとしてもよい。例えばユーザが目的地として到着した場合、その後その地点は知っていると考えることができるからである。したがって本実施の形態は図38に示す構成要素で実現可能である。図38は本実施の形態の変形例に係る地点名称生成装置の構成を示すブロック図である。この地点名称生成装置は、位置情報検出部101、移動履歴蓄積部102、地点指定部103、地図情報蓄積部104、主要地点算出部113、相対位置関係算出部114、修飾語蓄積部109、地点名称生成部105、および地点名称蓄積部106を備えている。
また、本実施の形態において主要地点は目的地を例に説明を行ったがこれに限ったものではない。例えば移動履歴に蓄積された交差点などの経由地点等を主要地点として名称を生成することとしてもよい。例えば履歴に多く存在するような交差点はユーザがよく通過するため知っていると考えることができ、この交差点をもとに指定された地点を説明することで、ユーザはより容易に地点を把握することができる。また交差点のみならず、国道何号線等、道路の名称等を用いて名称を生成することとしてもよい。以下、図を用いて具体例を説明する。
図39は移動履歴に蓄積されたユーザの移動を黒い太線地図上に示したものである。例えば移動履歴ID「201」として自宅を出発し、緑4交差点、緑2交差点、緑1交差点と通過し、華町会社へ到着する履歴が示されている。また移動履歴ID「202」として自宅を出発し、緑4交差点、緑2交差点、緑1交差点を直進する履歴が蓄積されている。さらに移動履歴ID「203」として自宅を出発し、緑4交差点、緑2交差点、そして華1交差点を経由する履歴も蓄積されているとする。ここで、図39に示す緑1交差点、緑2交差点、華1交差点を結ぶ斜線で示す経路は「国道10号線」であり、このユーザは普段よく国道10号線を利用していることとし、上記履歴もすべてこの国道10号線を通過している。このように履歴に多く存在する地点や道路はユーザがよく精通していると考えることができ、精通している国道の名称等をもとに指定された地点の名称を生成することとしてもよい。
例えば履歴に蓄積されたノードの組を参照し、該当する道路の通過頻度を算出する。例えば図39の場合「緑1交差点(C24)」と「緑2交差点(C23)」の組がある場合、国道10号線を通過したこととなる。あるいは、「緑2交差点(C23)」と「華1交差点(C28)」の組があれば国道10号線を通過したこととなる。このように道路の利用頻度を算出し主要地点として算出する。なお、単にノードの組を用いるのみならず、その間の距離や経過時間等を考慮することとしてもよい。例えば図39の場合、「緑2交差点(C23)」と「緑1交差点(C24)」の距離は8kmとなっており、距離に比例する重み等を用いて主要地点である道路名を算出することとしてもよい。
図40は主要地点として算出された「国道10号線」を用いた名称の生成を説明する図である。例えば図39に示すレストラン「サンゼリア(N104)」が選択され、この「サンゼリア」の名称を生成することとする。図40には修飾語蓄積部109に蓄積された位置的修飾語が蓄積されている。図33で示す修飾語に加え、例えば条件「経路沿い100m以内」に対応する修飾語として「沿いにある」が蓄積されている。例えば主要地点として「国道10号線」が算出され、「サンゼリア」は国道10号線沿い100m以内に位置するため、「国道10号線沿いにあるサンゼリア」という名称が生成されることになる。このように地点の名称は目的地等の地点のみならず、履歴をもとに主要な道路等を算出し、道路を基準に名称を生成することとしてもよい。単に「サンゼリア」と言われてもどこのことか分からないが、本例の場合、ユーザは国道10号線をよく利用しており、この国道10号を基準として位置関係を算出して名称を生成することで、ユーザは容易に思いつくことができる。
また、本手法の名称生成において主要地点としての交差点算出は、通過頻度のみならず、交差点での右左折の有無を考慮したり、あるいは通過に要した時間を考慮するものであってもよい。例えば、交差点における右左折の有無から、ユーザにとって頻出の分岐点を算出することができる。そしてこの分岐点は本発明の効果を発揮するよい一例である。例えばよく分岐する交差点等は、ユーザが普段いろいろな場所へ向かう際によく基点とする交差点である場合が多く、その交差点の名称等、ユーザはよく知っている可能性が高い。つまり普段、直進しかせず、素通りするような交差点は、わざわざ名称を覚えている場合も少ないが、一方、少なくともユーザが右左折する交差点は、その交差点の名称や周囲の施設等が記憶に残っており、その記憶を頼りに右左折を行っている場合も多い。したがって当該交差点等を基準にあらたなランドマークを説明することでより容易に頭に描くことが可能となる。例えば図39の場合、緑2交差点は分岐することが多い交差点となる。そして緑2交差点を主要地点とし、緑2交差点との位置関係によって「緑2交差点の近くにあるサンゼリア」等の名称を生成することとしてもよい。分岐点は履歴を用いることで算出することが可能である。例えば本例の場合、移動履歴はノードの時系列で蓄積しているため、「緑2交差点(C23)」を通過し「緑1交差点(C24)」を通った移動履歴ID「201」、「202」に対し、移動履歴ID「203」は「緑2交差点(C23)」を通過し「華1交差点(C28)」を通過しており、つまり「緑2交差点」は本ユーザの場合2方向に分岐することがあるということが分かる。このようにして分岐することが多い交差点を主要地点として算出し、名称を生成することでよりユーザが把握しやすい名称を生成することが可能となる。
あるいは通過に要した時間を考慮するものであってもよい。本例では図30にも示すように各交差点の通過時刻も蓄積している。そこで差分をとることでその箇所で要した時間を算出することができる。さらに算出された時間と地図情報等に蓄積された経路の通過コストを比較することで、コスト通り通過したのか、それとも渋滞につかまっていた等の判断も可能である。そして普段よく渋滞によくはまるような交差点や、通過に長い時間を要するような交差点は、単に素通りする交差点と比較して、ユーザもよく熟知している可能性が高い。そこでこのような交差点を主要地点とし、名称を生成することとしてもよい。
さらに、その主要地点が選択された基準等を示すことでより把握が容易な名称を生成することもできる。例えば図40に示す「国道10号線沿いにあるサンゼリア」を、「よく通る国道10号線沿いにあるサンゼリア」等、各主要地点が選択された理由を示すことも可能である。また「緑2交差点近くにあるサンゼリア」を、「よく分岐する緑2交差点近くにあるサンゼリア」、あるいは「よく渋滞につかまる緑2交差点近くにあるサンゼリア」等の応用も可能である。上記に示すように「緑2交差点」や「国道10号線」等の主要地点の算出はユーザの移動履歴をもとに算出しているが、必ずしもユーザがその地点を知っているとも限らない。そこでその主要地点が選択された基準等を示すことで地点を瞬時に思い浮かべることが可能となる場合もある。
ただし、この場合、生成される名称は比較的長いものとなる傾向が高いため、前記実施の形態で示すように短い名称も作成し、状況によって使い分けるのが望ましい。例えば、経路案内や、情報提供には主要地点と指定された地点の短い名称を用い、例えばユーザがより詳細な説明を求める場合に長い名称を用いる等、状況によって使い分けることで本手法の効果はより発揮されることとなる。あるいは、例えば初めてその地点の名称を提供する場合は「よく分岐する緑2交差点近くにあるサンゼリア」等の長い名称のバージョンで提供し、次回からは短い「緑2交差点近くにあるサンゼリア」や、単に「サンゼリア」等の短い名称のバージョンで提供することとしてもよい。
また、主要地点が交差点の場合、「西にある」等の方角ではなく、「左折したところにある」等、その交差点からの行き方を説明する修飾語を用いて名称を生成することとしてもよい。以下、図41、図42を用いて説明する。
図41に示す地図にはユーザの現在位置と、ヘディングアップ表示(自分が向かっている方向を常に上表示する)のカーナビ画面、「緑2交差点」、「緑1交差点」、および指定された地点「ロイヤルバーガー」が示されている。例えば「緑1交差点」が主要地点として算出されており、「緑1交差点」との位置関係から、「ロイヤルバーガー」は「緑1交差点の西にあるロイヤルバーガー」という名称で生成されることとなる。一方「ロイヤルバーガー」を示す名称としてはこれに限らず、例えば現在位置からロイヤルバーガーへ向かうとした場合、本例の場合、「緑1交差点」を左折することになる。したがってユーザの現在位置をもとに「緑1交差点を左折したところにあるロイヤルバーガー」という名称を生成することとしてもよい。特に普段ヘディングアップ表示を行っているユーザは「西にある」等、絶対的な方角を言われても必ずしもその地点を思い描くことができるとは限らない。そこで例えば現在位置から指定地点へ向かう場合の方向を右左折等の修飾語を用いて説明することとしてもよい。図42は、ユーザが会社から帰宅する場合の例である。この場合、「ロイヤルバーガー」は例えば「緑1交差点を直進したところにあるロイヤルバーガー」として生成されることとなる。東西南北等の絶対的な方角で「ロイヤルバーガー」を表す場合、本例ではいずれも「緑1交差点の西にあるロイヤルバーガー」ということになるが、一方、この絶対的な方角では容易に思い描くことができないユーザもいるため、例えば本例のように「緑1交差点を左折したところにある…」や「緑1交差点を直進したところにある…」等、現在位置をもとに向かう方角を修飾語として名称を生成することとしてもよい。
また、本発明における名称の生成は、上記実施の形態1で示す時刻情報等を用いての生成と、本実施の形態2で示す主要地点との相対位置関係を用いての生成等、同じ地点でも複数の方法で名称を生成することができる。さらにこれらを融合、あるいは使い分けることも可能であり、ユーザの地点の把握はさらに容易となり、本手法の効果を向上させる。
例えば同じ「ルーソン」であってもユーザの移動履歴をもとに時刻情報と主要地点との位置関係を用いて「会社の近くにあるいつも朝行くルーソン」と生成することも可能である。一方、両特徴を用いる場合、比較的名称が長くなってしまう。そこで「会社近くの毎朝行くルーソン」と短いバージョンで名称を生成することで、両特徴を反映させ、かつ把握が容易な名称を生成することも可能である。
一方、両特徴を用いる場合は、本実施の形態2で示す主要地点との位置関係を前に、前記実施の形態1で示す時刻的特長を後半に持ってくるのが望ましい。例えばこれを逆にした場合「毎朝行く会社近くのルーソン」となり、時刻的修飾語「毎朝行く」が「会社」にかかるのか、「ルーソン」にかかるのか分からなくなってしまうからである。
また、両者を用いるのではなく、いずれかを選択して使い分けることとしてもよい。例えば自宅近くやユーザの行動範囲内であって移動履歴が十分にある地域では、ユーザはその地域に対して土地勘が十分あると考えられるため、主要地点との位置関係で指定地点を提供することで、ユーザの頭にその地点を容易に思い描くことが可能となる。
一方、普段ヘディングアップ表示をしているユーザや、経路設定を比較的よくするユーザや、普段限られた道しか走らない比較的地理の空間把握が苦手と考えられるユーザに対しては、主要地点からの位置ではなく、ユーザ自身が過去行った時刻情報等をもとに説明することで容易に頭に思い浮かべることが可能となる。
(実施の形態3)
上記実施の形態では、移動履歴より主要地点を算出し、指定された地点と主要地点との位置関係を用いて名称を生成した。移動履歴より算出された主要地点はユーザがよく知っている可能性が高く、単に名称のみでは分からない地点であっても、この主要地点をもとに指定地点の位置を説明することでユーザはその地点を頭に思い浮かべることができ、より容易に把握することができる。さらに本実施の形態では指定された地点が主要地点間の経由地であるか否かを判定し、経由地である場合の名称の生成手法について説明する。例えばある指定された地点、例えばレストラン「リーガルホスト」が主要地点の自宅と会社の経路上の場合「通勤経路上のリーガルホスト」と名称を生成することで、単に「リーガルホスト」ではどこのことか分からない場合でもユーザは瞬時にその場所を把握することができる。以下、図を用いて詳細を説明する。
図43は本実施の形態に係る地点名称生成装置の構成を示すブロック図である。上記実施の形態2と同様の構成要素には同じ符号を付与する。以下、まず各構成要素について説明し、後に本発明の動作フローを説明する。
本実施の形態の地点名称生成装置は、地図上の所定の地点の名称を生成するための装置であり、図43に示すように位置情報検出部101、移動履歴蓄積部102、地点指定部103、地図情報蓄積部104、地点名称生成部105、地点名称蓄積部106、修飾語蓄積部109、表示部110、主要地点算出部113、地点頻度算出部115、地点滞在時間算出部116、一移動分割部117、および経由地判定部118を備えている。
位置情報検出部101、移動履歴蓄積部102は前記の形態2と同様、ユーザの位置を検出する手段であり、所定の間隔でユーザの移動とともに位置情報として緯度経度情報を検出する。そして移動履歴蓄積部102へと蓄積する。
また地点頻度算出部115、地点滞在時間算出部116および主要地点算出部113も前記実施の形態2と同様の構成要素であり、蓄積された移動履歴より頻度および滞在時間等を算出し、主要地点算出部113は、主要地点を算出する。
一移動分割部117は、算出された主要地点をもとに蓄積された移動履歴を主要地点単位で一移動に分割し、当該一移動から経由地を算出する手段である。
そして経由地判定部118は、地点指定部103で指定された地点が経由地か否かを判定する手段であり、経由地である場合、修飾語蓄積部109に蓄積された経由地に対応する修飾語を用いて地点名称生成部105で地点名称を生成する。そして生成された地点の名称を地点名称蓄積部106へと蓄積し、例えば表示部110へと表示して用いる。以下、具体例を用いて説明する。
図44に示す地図には、移動履歴蓄積部102に蓄積されたユーザの移動を黒い太線で示している。具体的には移動履歴ID「301」は「自宅」を出発し、「緑4交差点」、「緑3交差点」、「緑2交差点」を経由してレストラン「リーガルホスト」へ到着した履歴である。また移動履歴ID「302」はふたたび「リーガルホスト」から出発して「緑1交差点」、「華町会社前」を通過して「華町会社」へ到着した移動を示している。そして移動履歴ID「303」は「華町会社」を出発して「華町会社前」、「緑1交差点」、「緑2交差点」、「緑3交差点」、「緑4交差点」を通過して自宅へ帰る移動を示している。図45はこれら移動を表で示したものである。
図46は上記実施の形態2で示したように主要地点算出部113で算出された主要地点を示したものである。例えば地点頻度算出部115で算出された頻度や、地点滞在時間算出部116で算出された平均滞在時間をもとに「自宅」、「華町会社」等が主要地点と算出されている。そしてユーザは普段、この主要地点間の移動を行うのが一般的である。そしてその主要地点間の移動の際に、ときにはコンビニやレストラン等の寄り道を行うこともある。
例えば図44の場合、ユーザは主要地点である「自宅」、「華町会社」間の移動を行っている。一方で「自宅」と「華町会社」の移動の間にレストラン「リーガルホスト」へ寄ることがあることも示している。このようにユーザは普段、主要地点間の移動とその間の経由地との移動であるのが一般的である。
そこで本実施の形態では、主要地点算出部113で算出された主要地点間の移動(主要経路と定義する)を一移動としてとらえ、その間に寄り道等したところを経由地点として算出する。具体的には一移動分割部117は、各移動履歴の出発地、目的地を参照し、主要地点であるか否かの判断を行い、主要地点間の移動を一移動として分割する。そしてその一移動の中で経由した地点を経由地点として算出する。例えば図44、図45に示す例において、移動履歴ID「301」の出発地と目的地を参照し、主要地点か否かの判断を行う。この場合、出発地が主要地点である「自宅」であり、目的地「リーガルホスト」は主要地地点でないため、次の履歴である移動履歴ID「302」と合成して一移動とする。すると移動履歴ID「302」の目的地は主要地点「華町会社」であるため、主要地点間「自宅」と「会社」(主要経路)の経由地点として「リーガルホスト」が算出されることとなる。
図47(a)は算出された主要経路と経由地を示したものである。例えば主要経路「自宅⇒(⇒で示す)華町会社」の経由地点「リーガルホスト」が算出されている。ここで「リーガルホスト」が選択された場合、上記関係に対応する修飾語を用いて名称を生成する。例えば、図47(b)に示すように主要経路「自宅⇒華町会社」より修飾語「華町会社へ行く」が選択され、その経由地点であるため、修飾語「沿いにある」が選択され、結果「華町会社へ行く道沿いにあるリーガルホスト」と名称が生成されることとなる。
図48は生成された名称の利用例である。カーナビ画面にランドマーク検索として「華町会社へ行く道沿いにあるリーガルホスト」等の名称が示されている。なお、生成される名称はこれに限ったものではなく、例えば「会社へ行く道沿いにある」と名称を短くしたり、あるいは「通勤経路上にある…」等の名称を生成することとしてもよい。
ユーザは普段、主要地点間の移動を行っており「会社へ行く道…」、「テニス場へ向かう経路上…」、「英会話教室へ行く道…」等、その主要地点の経路を用いて名称を生成することで、指定された地点をより容易に把握することが可能となる。
本実施の形態の動作フローを図49、図50のフローチャートを用いて説明する。本実施の形態においてステップ701からステップ703までの動作は、前記実施の形態2と同様である。まず位置情報検出部101は、ユーザの位置情報を検出し(図49、ステップS701)。検出された位置情報を移動履歴蓄積部102に蓄積する(ステップS702)。
次に主要地点算出部113は、主要地点の算出を行う(ステップS703)。この主要地点検出の動作フローも図35に示す実施の形態2と同様である。したがってここでは省略する。
次に一移動分割部117は、移動履歴を主要地点間の一移動に分割して経由地を算出する(ステップS704)。
まず移動履歴の出発地を参照し(図50、ステップS801)、主要地点か否かの判定を行う(ステップS802)。主要地点の場合(ステップS802のYes)、主要経路の出発地とする(ステップS803)。主要地点ではない場合は(ステップS802のNo)、ステップS809へ進む。例えば図45に示す移動履歴の場合、移動履歴ID「301」の出発地は主要地点であるため(ステップS802のYes)、主要経路の出発地とする。
主要経路の出発地としたら(ステップS803)、次に目的地を参照する(ステップS804)。そして参照した目的地が主要地点か否かを判定し(ステップS805)、主要地点でない場合(ステップS805のNo)、その主要経路の経由地点とする(ステップS804)。例えば図45に示す移動履歴の場合、移動履歴ID「301」の目的地「リーガルホスト」は主要地点ではないため(ステップS805のNo)、この主要経路の経由地点とする。一方、主要地点である場合(ステップS805のYes)、主要経路の目的地とする(ステップS808)。そしてすべての移動履歴を参照したか否かの判定を行い(ステップS809)、参照していない場合(ステップS809のNo)、ステップS801へと戻り、参照した場合(ステップS809のYes)終了する。
主要経路の経由地とされた場合(ステップS806)、次の移動履歴を参照し(ステップS807)、ステップS804へと戻る。図45の場合次の移動履歴である移動履歴ID「302」を参照し、動作を繰り返すこととなる。そして移動履歴ID「302」の目的地は主要地点「華町会社」であるため(ステップS805のYes)、主要経路の目的地とし(ステップS808)、つまり、主要経路「自宅」と「華町会社」間の経由地として「リーガルホスト」が算出されることとなる。
すべての移動履歴を参照したか判断し、まだすべての移動履歴を判定していない場合(ステップS809のNo)、ステップS801へ戻り動作を繰り返す。一方すべての移動履歴を判定した場合(ステップS809のYes)終了する。
次に地点指定部103は、地点を指定し(図49、ステップS705)、経由地判定部118は、指定された地点が経由地か否かを判定する(ステップS706)。経由地の場合ステップS707へ、経由地でない場合は終了する。
そして修飾語蓄積部109に蓄積された修飾語を参照し(ステップS707)、地点名称生成部105は、地点の名称を生成する(ステップS708)。最後に生成された名称を地点名称蓄積部106に蓄積し(ステップS709)、終了する。
なお、上記実施の形態2では主要地点との相対位置関係に基づいて指定地点の名称を生成したが、例えば本実施の形態で示す主要経路を用いて名称を制御することも可能である。以下、図51を用いて説明を行う。
図51に示す地図には主要地点「自宅」と「華町会社」との間の主要経路が黒い太線で示されている。一方、主要地点として「宗方テニス場」が算出されているとする。ここで「リーガルホスト」が地点指定部103で指定され、この「リーガルホスト」の名称を生成することとする。ここで「リーガルホスト」は「宗方テニス場」を中心とした半径500m以内にあるとする。すると前記実施の形態2における手法より、修飾語「近くにある」が選択され、「宗方テニス場の近くにあるリーガルホスト」と生成することができる。しかし、本ユーザは「宗方テニス場」への行き来の際、「リーガルホスト」へ寄ったことはなく、あくまで「華町会社」との通勤経路上の行き来の際に立ち寄るのみであったとする。この場合、確かに地理的には「宗方テニス場」の「近くにある」ことにはなるが、一方ユーザは「宗方テニス場」への行き来でこの「リーガルホスト」へ寄ったことがないため、「宗方テニス場の近くにあるリーガルホスト」といっても頭に描くことができるとは限らない。この場合、多少「自宅」や「華町会社」との距離は遠くても、「会社に行く経路沿いにあるリーガルホスト」等の名称で生成する方が、ユーザにとっては容易に把握できることとなる。そこで、例えば前記実施の形態2で示す相対位置に基づく名称と、本実施の形態でしめす主要経路と経由地点との関係に基づく名称が生成できる場合は、主要経路と経由地点との関係に基づく名称が優先適用されることとしてもよい。よりユーザが容易に頭に描くことが可能な名称が生成できるからである。
また、主要経路の距離を算出し、指定された地点の主要経路上の位置関係を算出して名称を生成することとしてもよい。以下、図52を用いて説明する。図52は、図51等と同様、主要地点である「自宅」、「華町会社」およびその間の主要経路である通勤経路を黒い太線で示したものである。例えばまずこの経路全体の距離を算出する。図52では全体で10kmと算出されている。一方、指定地点の位置関係を算出する。例えば「ルーソンA」は会社から2kmのところに位置している。つまり自宅からは8kmのところに位置することとなる。一方、「ルーソンB」は自宅から2kmのところに位置している。つまり会社からは8kmのところに位置することとなる。この場合、「ルーソンA」は会社に比較的近いため、「会社を出てすぐのルーソンA」、一方「ルーソンB」は自宅に比較的近いため、「自宅を出てすぐのルーソンB」等、経路全体に対する位置関係によって名称を生成することとしてもよい。
(実施の形態4)
上記実施の形態において、地点指定部103で指定される地点は指定されるランドマーク等であり、さらに生成された名称の利用としてはランドマーク検索を例に説明を行ってきた。従来ユーザによって登録されたランドマーク名称は、単にその名称を用いるのみであり、その名称のみでは必ずしも把握することができず、前記実施の形態で示すように移動履歴をもとにユーザが把握しやすい名称で生成することで、その利便性を示した。一方、本発明における名称の生成はランドマーク等に限ったものではない。例えば渋滞情報等ユーザに情報を提供する際に、その基準となる地点をユーザがより把握しやすい名称で生成することとしてもよい。以下、図を用いて詳細を説明する。
図53は本実施の形態に係る地点名称生成装置の構成を示すブロック図である。なお、上記実施の形態で示す構成要素には同様の符号を付与し、詳細な説明は省略する。
本実施の形態における地点名称生成装置は、地図上の所定の地点の名称を生成するための装置であり、図53に示すように位置情報検出部101、移動履歴蓄積部102、主要地点算出部113、経路演算部119、地点指定部103、相対位置関係算出部114、地図情報蓄積部104、修飾語蓄積部109、地点名称生成部105、地点名称蓄積部106、および表示部110を備えている。
まず、位置情報検出部101は上記実施の形態と同様、ユーザの現在位置を検出する手段であり、経路演算部119は現在位置から指定された目的地までの経路を、地図情報を用いて演算する手段である。
例えば図54に示すようにユーザが現在位置から目的地として映画館「ワーグナー」を指定し、黒い太線で示す経路が演算されたとする。一般的にカーナビ等に備えられた経路演算部は地図情報の道路ネットワークを用い、交差点等のノードのコストを参照し、コスト最少になるように経路を演算する。ここでは黒い太線で示す「緑1交差点」、「京阪1交差点」、「京阪2交差点」等を経由する経路が得られたとする。さらに今、「緑1交差点」で渋滞が発生し、この渋滞情報を提供するとする。従来、渋滞情報を示すために、例えば交差点の名称を示し、「緑1交差点手前2km渋滞」等の提供を行っていた。しかし、ユーザはいちいち交差点名称のすべてを覚えていることは稀であり、単に交差点の名称を提供されたのでは、その地点を把握することは困難であった。そこで本実施の形態では、例えば渋滞情報を、交差点名を用いて提供する際、その地点をより容易に把握できるような名称生成手法について説明をする。
移動履歴蓄積部102は前記実施の形態で示すよう、位置情報検出部101で検出される位置情報を移動履歴蓄積部102へと蓄積する。そして蓄積された移動履歴より主要地点算出部113は、主要地点を算出する。一方、地点指定部103は所定の地点を指定するが、本実施の形態では、経路演算部119によって演算された経路であって、例えば交差点をその入力とすることとする。
図54に示すように「緑1交差点」手前が渋滞している。そこで、この「緑1交差点」の名称を主要地点算出部113で算出された地点を用いて名称を生成する。例えば前記実施の形態で示すように「華町会社」が主要地点として算出されている。そこで修飾語蓄積部109に蓄積された修飾語を用い、「会社の近くにある緑1交差点」という名称を生成する。
図55は上記手法によって生成された交差点の名称を用いて渋滞情報を提供する一例を示したものである。カーナビの表示画面左側に渋滞情報として「会社近くの緑1交差点」、「2km渋滞」と渋滞情報が示されている。従来、VICS等で提供される渋滞情報は各地点や各交差点の渋滞情報を文字情報や画像情報を用いて提供していた。そして提供されるカーナビは、その情報を単に示すのみであり、表示された地点が必ずしもユーザが把握できるとは限らず、把握が大変困難なものであった。しかし本実施の形態で示すように、ユーザの移動履歴をもとにユーザの行動特性を反映させた名称、例えば主要地点をもとに交差点の名称を生成し、提供することで、ユーザは瞬時にその地点を把握することが可能となる。特に交差点はあらゆる箇所に存在し、その名称ひとつひとつをユーザが必ずしも把握しているとは限らない。このように交差点をユーザが熟知している地点を基準にして提供することでたとえその交差点名を知らなくてもユーザはその地点を頭に描くことができ、情報把握を容易にし、運転の負荷を軽減することもできる。
なお、交差点名称を生成する場合、ユーザが熟知している交差点ではなく、名称を比較的把握していない交差点である方がその効果を発揮する。例えば通過頻度が高い交差点は、ユーザは既に名称を知っている場合もある。あるいは普段、渋滞でつかまるため通過時間が長い交差点はその名称を既に知っている場合もある。そこで、例えば通過回数の比較的少ない交差点や、あるいは通過時間を蓄積しておき、通過時間が比較的短い交差点の場合、名称を生成することとしてもよい。
さらに交差点名称のみならず、例えばVICS情報等で得られる地点の名称を前記実施の形態2で示す、算出された主要地点等で生成することとしてもよい。
図56は、例えばVICS情報として得られる交通情報である。画面左側に交通情報として「桜市方面」、「梅方面」、「松市方面」など、各地点が矢印で示されている。さらに渋滞がある場合、この矢印上に赤色等で示されるのが一般的である。一方、この「桜市」等の地点の名称は、単にその市名などをそのまま用いるのみであり、必ずしもユーザがその地点を把握しているとは限らない。そこで、例えばこの場合、市を指定地点として入力し、本発明で示す例えば主要地点等で名称を生成することで、例えば図57に示すようにユーザが熟知している主要地点によってその方角等を把握することが可能となる。
また、カーナビ等で地点を登録する場合、指定された地点とその周辺の所定の半径内を一つの地点とし、例えばその所定範囲内に含まれる施設名をその地点の名称として登録するのが一般的であった。したがって、あらたに指定された地点が所定範囲外の場合、これらは別々の地点として判断されてしまうこととなる。そこで指定された地点を一つのグループ化して名称を生成し、蓄積することとしてもよい。以下、図を用いて具体例を説明する。
図58は例えばタッチパネルのカーナビの画面を示したものである。今ユーザによってタッチパネル等である地点が指定されたとする。この地点は「ジャスカ」の駐車場であるとするが、一般的にカーナビではこの指定された地点を中心とした所定の半径内に含まれる施設を抽出しランドマークとして登録する。この場合、「ジャスカ」が抽出されランドマークとして登録されることとなる。さらに本発明に示すユーザの行動特徴を反映させ、例えば「日曜に行くジャスカ」として名称が生成される。一方、図58に示すように、あらたに別の駐車場を指定した場合、所定半径内に含まれないため、これらは別の施設として登録されてしまう。近年、巨大総合施設の登場により、駐車場は広範囲に渡るため、単に予め設けられた所定半径等を用いたのでは、これらランドマークは別のものとして登録されてしまうこととなる。そこで例えば地図情報蓄積部104に蓄積された地図情報をもとにこれらランドマークをグループ化し、この地点のグループを「日曜に行くジャスカ」として蓄積しておくこととしてもよい。あるいは、複数の到着地点が隣接する場合はグループ化することとしてもよい。このような巨大複合施設は、駐車場が広範囲に渡り、ユーザは日によって駐車する場所が異なるため、履歴としても複数の駐車地点(到着地点)が存在することとなる。このような場合は複合施設と判断し、グループ化することとしてもよい。地図情報にはまだ反映されていない場合であってもユーザの行動から柔軟にこれら複合施設名称の登録に対応することが可能となる。なお、到着地点が隣接する場合であっても、到着する日が同日の場合はグループ化しないのが望ましい。理由を以下、図59を用いて説明する。
図59において複合施設「ジャスカ」とその周辺に駐車場が存在している。ユーザは日によって駐車する場所が異なるため、これら駐車場に到着した履歴が複数存在することとなる。しかしこのような駐車場へ到着するのは日を別にするのが一般的である。つまり、同日にわざわざ別の駐車場へ駐車することはないのが一般的である。
一方、下段に示す地図には「メッソ」、「ルーソン」、「自宅」等、異なる施設が隣接しており、ユーザはこれら施設へ到着した履歴が蓄積されている。しかし、「ジャスカ」と異なり、これらは異なる施設であるため、グループ化するのは望ましくない。一方、これら異なる施設へはたとえ隣接していても同日に駐車することもある。そこで、履歴をもとに、同日に駐車したことがある施設は隣接していても別の施設と判断し、グループ化をしないこととすることで、より適切に施設のグループ化を行うことが可能となる。
(実施形態5)
前記実施の形態において、交差点や経路の名称を移動履歴をもとに生成し、情報提供することとしてもよいことも示した(図55等)。一般的に渋滞に関する情報は経路や交差点をもとに提供されることが多い。例えば「緑1交差点2km渋滞」等、所定の交差点や経路と、渋滞の程度を画像や音声でユーザに提供する。しかしながらその経路や交差点名称をユーザが把握していないことも多い。ユーザが実際に到着する目的地については、自身が向かう最終の目的地であるため、その場所や名称を比較的知っていると考えられる場合もあるが、一方、経路の道路名や交差点名称はユーザにとっては単に通過するだけのものであり、特に運転に集中する必要がある場合やカーナビを利用している場合等、名称や位置を把握していないことも多い。また交差点等の場合、目的地とは異なり、たとえ過去に通過したことがあっても、その進入方向によってはまったく別の地点として認知される傾向があり、単に交差点の名称を言われてもいったいどこのことか分からない場合もある。さらに交差点等は最終到着地点である目的地とは異なり、直進や右左折等、そこを所定の速度で通過することとなるため、情報提供の観点からより正確に、より適したタイミングで伝える必要も生じる。
一方、交差点等の場合、履歴より得られる位置や時間的概念による修飾語のみならず、そこで過去迷ったことがある、あるいは事故に遭いそうになった等、よりユーザがその地点を把握するのに重要な要素を履歴より抽出し、名称を生成することもできる。そこで本実施の形態はこのような交差点や経路を、移動履歴をともに生成することでユーザがより理解しやすいような情報提供を可能とする。以下、図を用いて本実施の形態のシステム構成、及び動作フローを説明する。
図60は本実施の形態に係る地点名称生成装置の構成を示すブロック図である。前記実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付与している。
本実施の形態における地点名称生成装置は、地図上の所定の地点の名称を生成するための装置であり、図60に示すように位置情報検出部101、移動履歴蓄積部102、経路演算部119、誤走行判定部122、地点指定部103、地図情報蓄積部104、修飾語蓄積部109、地点名称生成部105、地点名称蓄積部106、および表示部110を備えている。
前記実施の形態と同様に位置情報検出部101はユーザの現在位置を検出する手段であり、経路演算部119は現在位置から指定された目的地までの経路を探索する手段である。図61には、ユーザが現在位置から目的地として映画館「すし次郎」を指定し、黒い太線で示す経路が演算されている。また前記実施の形態と同様、移動履歴蓄積部102は、地図情報蓄積部104に蓄積された地図情報をもとに、位置情報検出部101によって検出された緯度経度情報を目的地や交差点等のノードの系列へと変換し、この系列を移動履歴として蓄積する。
図62は実際のユーザの走行を示す図である。ユーザの走行に伴い検出された位置情報を白い丸印で示している。具体的には、本例のユーザは自宅を出発し、緑3交差点を右折し、緑2交差点を直進し、裏5交差点でUターンして再び緑2交差点へ戻り、今度は右折して最終的に「すし次郎」へ到着した移動を示している。
図63は蓄積された移動履歴を示す図である。移動履歴ID「011」として図62に示す走行がノードの系列として蓄積されている。具体的には日時「2005年9月20日(水)」に「自宅」を出発し「緑4(交差点)」、「緑3」、「緑2」、「裏5」、「緑2」、「緑1」を経由し、「すし次郎」へ到着した履歴が蓄積されている。
誤走行判定部122は、経路演算部119で演算された経路に対して、移動履歴蓄積部102に蓄積された実際に走行した移動履歴をもとに誤走行を判定する手段である。一般的にユーザは、右左折等しなければならない交差点に対し誤って直進等をしてしまい、後にUターンなどをして再び当該交差点へ戻る行動をとることがある。誤走行判定部122は、このような行動をもとに、誤ってしまった交差点を判定する手段である。図63において、本来緑2交差点を左折しなければならないが、ユーザは誤って直進してしまい、後に「裏5交差点」で左折してUターンし再び「緑2交差点」へ戻っている。このような場合、移動履歴としては図63に示すように「緑2交差点」が複数回(2回)出現することとなる。そこで、誤走行判定部122は、この「緑2交差点」を誤って走行してしまった交差点として判定する。
なお、近年カーナビには推奨経路を外れるとその地点から再度経路を探索する機能(リルート機能)を有するものがある。このリルートがなされた地点を誤走行した地点として判定することとしても良い。図64はリルートの一例を示す図である。本例においてユーザは「緑2交差点」を誤って直進したとする。ここでリルートがなされ「裏5交差点」、「裏6交差点」、「華町会社前」を経由して「すし次郎」へ到達するルートが最探索されており、黒い太線で示している。一方ユーザは当該ルートを走行している。そこでリルートがなされた「緑2交差点」を誤走行した地点として判定する。さらには、最初に探索された経路の経路コストと、リルートされた経路の経路コストを比較して実際に誤走行したのか、あえてその道を通行したのかの判定をすることとしてもよい。図62に示すようにUターンをして同じ交差点を再び通過する場合は誤って走行した可能性が高いが、図64のような走行の場合、ユーザは誤ったのではなく、あえてその経路を通行したとも考えられる。そこで経路コストを比較し、所定の閾値以上の遠回りをしている場合は誤走行と判定することとしても良い。
地点指定部103は前記実施の形態同様、所定の地点を指定する手段であり、指定された地点に対して修飾語蓄積部109に蓄積された修飾語を付与し、地点名称生成部105において地点の名称を生成する。そして生成された地点名称を地点名称蓄積部106へと蓄積し、表示部110で表示をする。本例では、誤走行と判定された地点をその入力として地点名称を生成する。以下、図を用いて具体例を説明する。
図65は地点名称の生成を説明する図である。修飾語蓄積部109には、図40(b)等と同様、地点の条件に対して使用する名称が蓄積されている。本実施の形態では例えば条件「誤走行クラス」に対して使用する名称「以前迷ったことがある」が蓄積されている。地点指定部103に図63に示すように「緑2交差点」が指定された地点として入力され、地点名称生成部105において「以前迷ったことがある緑2交差点」として名称が生成され、これを地点名称蓄積部106へと蓄積する。
図66は表示の一例を示す図である。緑2交差点に関する交通情報として「以前迷ったことがある緑2交差点」、「事故発生」と表示されている。なお、どのように迷ったかを同時に提供することとしてもよい。さらにこの「どのように迷ったか」の情報は文字や音声で提供すると比較的長くなってしまうことも多いため、地図や写真等、視覚的に提供するのが望ましい。図66の画面右側には地図上に実際ユーザが走行した移動履歴を表示し、どのように迷ったかを示している。一般的に渋滞に関する情報は経路や交差点をもとに提供されることが多いが、経路の道路名や交差点名称は目的地と異なり、ユーザにとっては単に通過するだけのものであり、特に運転に集中する必要がある場合やカーナビを利用している場合等、名称や位置を把握していないことも多い。しかしながら本実施の形態に示すように、以前誤って走行した交差点等、ユーザの過去の経験をもとにより分かりやすい名称で提供することで情報提供によるドライバーの負荷を軽減し、より快適に走行を促す格別の効果を発揮することができる。
以下、図67を用いて本実施の形態の動作フローを説明する。まず位置情報検出部101は、ユーザの位置情報を検出する(ステップS901)。そして検出された位置情報を移動履歴蓄積部102に蓄積する(ステップS902)。
次に誤走行判定部122は、誤走行の判定を行う(ステップS903〜S904)。具体的には移動履歴を参照し(ステップS903)、重複して出現する地点が存在するか否かを判定する(ステップS904)。存在する場合(ステップS904のYes)はステップS905へと進み、存在しない場合は終了する(ステップS904のNo)。
次に地点指定部103は地点を指定し(ステップS905)、修飾語蓄積部109に蓄積された修飾語を参照し(ステップS906)、地点名称生成部105は地点の名称を生成する(ステップS907)。最後に生成された名称を地点名称蓄積部106に蓄積し(ステップS908)、終了する。
なお、生成された名称で情報を提供した否かの履歴を蓄積し、後に名称を修正することとしてもよい。図68はこの場合の地点名称生成装置の構成を示すブロック図である。この地点名称生成装置は、図60の構成要素に加え、新たに表示情報蓄積部123と、前記実施の形態で示した名称適正判定部112を備えている。
表示情報蓄積部123は生成された名称で表示されたか否かの情報を蓄積する手段である。図69は表示情報蓄積部123に蓄積された情報を示した図である。上記実施の形態に示すように、地点名称生成部105において地点名称「以前迷ったことがある緑2交差点」が生成され、図66に示すようにユーザに提供されたとする。表示情報蓄積部123はこの表示されたか否かの履歴、例えば回数を蓄積する。図69に示す例では提供された回数として1回がカウントされている。
名称適正判定部112は前記実施の形態と同様、生成された名称で提供するか否かの判定を行う手段である。本例では表示情報蓄積部123に蓄積された「提供された回数」を参照し、所定の閾値(例えば1回とする)以上提供されている場合、生成された名称ではなく、その地点のみの名称で提供することとする。図70は表示の一例を示す図である。図66とは異なり、「緑2交差点」と、交差点の名称のみで情報が提供されていることが分かる。
本発明では、指定された地点の名称をユーザがより理解しやすいように移動履歴をもとに名称を生成することを特徴とする。特に目的地の場合、コンビニ「ルーソン」や「四菱銀行」、ガソリンスタンド「メッソ」等、異なる地点であるにもかかわらず名称が重複することが多く、区別するために履歴をもとに名称を生成することでユーザの理解を助け、過度の情報負荷を与えることなく快適に走行を促すことができる。一方、交差点の場合、ユーザが理解しにくい理由は、名称が重複するからではなく、そこを通過するにすぎないため名称を知らない等の理由によることが多い。そのため、履歴をもとに名称を生成することで理解を助けることにはなるが、一方、過去に所定の回数生成された名称で提供された場合、既にその交差点を覚えているものと判定し、そのままの名称で提供することとしてもよい。特に交差点の場合、情報提供は経路案内など走行中に行われることが多く、過度の情報提供は好ましくない。名称適正判定部112において所定の回数(ここでは1回)行われたのであれば地点の名称のみで提供することとし、スムーズな走行を促すことが可能となる。
なお、交差点への進入の向き等を考慮して名称の生成を制御することとしてもよい。最終的な目的地と異なり、交差点の場合は通過した向きによってその印象が大きく異なる場合も多い。例えばある交差点を過去通過したことがある場合であっても、その交差点への進入の方向が逆の場合や、別の経路から進入するような場合、同じ交差点であってもユーザにとってはまったく違う印象を受け、情報を詳細に提供する方が好ましい場合もある。特に交差点は所定のスピードで走行しながら通過することとなるため、よりユーザに分かりやすく適切に情報提供するのが望ましい。そこで例えば上記表示情報蓄積部123において、単に情報を提供したか否かの情報のみならず、その際のユーザの走行経路に関する情報を蓄積し、情報提供の制御を行うこととしてもよい。
図71はこの場合の地点名称生成装置の構成を示すブロック図である。この地点名称生成装置の構成要素については図68と同様であり、ここでは位置情報検出部101で検出された現在の走行に関する情報が、表示情報蓄積部123へと入力され蓄積されることとなる。図72は表示情報蓄積部123に蓄積された情報の一例である。図69に示す情報に加え、さらに「提供した際の移動経路」に関する情報が蓄積されている。例えば「以前迷ったことがある緑2交差点」について、本名称で提供された際「緑3交差点」を経由し「緑2交差点」へ進入した場合、つまり図61に示す移動方向で提供された回数が1回ある旨が示されている。同様に例えば帰宅の経路として「緑1交差点」を経由し「緑2交差点」へ進入した場合も1回、さらに「裏5交差点」を経由し「緑2交差点」へ進入した場合も1回ある旨が示されている。一方、「裏6交差点」を経由し「緑2交差点」へ進入したことは1度もない旨が示されている。名称適正判定部112はこの情報をもとにして、「提供した際の移動経路」ごとに提供した回数を判定し、例えば所定の回数(ここでは1回)以上ある場合は以後、その移動経路ではその名称のみで情報を提供し、所定の回数未満(つまり0回)の場合は生成された名称で情報を提供することとしてもよい。具体的には例えば図73に示すように「裏6交差点」から「緑2交差点」へ向かう場合、この向きでの移動は過去にないため「以前迷ったことがある緑2交差点」として情報を提供することとなる。例え過去通過したことがある交差点であっても、その向きが違うためまったく別の地点としての印象を受け、迷ってしまう恐れを解消することができる。
なお、交差点までの距離関係によって制御することとしてもよい。前記実施の形態において、現在位置に基づいて短い名称と長い名称を使い分ける例について示した(図27)。特に交差点に関する情報提供の場合、走行負荷を考慮し、長い名称と短い名称を使い分ける必要も生じる。さらに当該地点までの距離によって使い分けるのが好ましい場合もある。例えば渋滞情報や経路に関する情報を提供する際、その位置まで遠い場合、名称のみを提供されても一体何処のことかわからず、一方、走行をしばらく続け、その地点まで近づいた場合にはある程度ユーザの記憶も思い出し、名称のみで提供されてもどこのことかよく分かるという場合もある。そこで地点までの距離に応じて生成された名称を使い分けることとしてもよい。以下、図を用いて説明する。
図74はこの場合の地点名称生成装置の構成を示すブロック図である。この地点名称生成装置は、図27に示す構成要素に加え距離検出部124を備えている。距離検出部124は位置情報検出部101で検出された現在位置と、経路演算部119で演算された現在走行の経路をもとに、情報提供を行う地点までの距離関係を検出する手段である。そして名称適正判定部112は、検出された距離をもとに名称を使い分ける。
図75は距離に応じて名称を使い分ける例を示す図である。図75においてユーザは「スポーツジムエクサイズ」を出発し「映画館ワーグナー」へ向かっているとする。一方、緑1交差点に渋滞情報が発生し、その旨を通知することとする。緑1交差点は前記実施の形態2等に示すように、例えばユーザの会社である「華町会社」の近くにあり、名称として「華町会社近くにある緑1交差点」と生成されているとする。距離検出部124において現在位置から緑1交差点の距離が3000メートルと検出されている。名称適正判定部112は例えば所定の閾値(例えば1000メートル)以上距離があるか否かを判定し、閾値以上の場合、生成された名称で情報提供し、一方、閾値未満の場合、その地点の名称のみで情報を提供することとする。図75においてはその距離3000メートルと閾値以上であるため、華町会社近くにある緑1交差点」として情報が提供される。一方、図76ではその距離900メートルと閾値未満のため、「緑1交差点」として情報が提供されることとなる。
一般的にユーザは、情報提供される地点までの距離がある場合、一体どこのことか分からない場合もあるが、走行が進むにつれ、当該地点が近くなると、近辺の状況からそのエリアを思い出し、地点のみで情報提供されても思い出すことができることもある。そこでこのように現在位置と当該地点までの距離をもとに名称生成を制御することとしてもよい。