JP4468344B2 - 重合性化合物の中間体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、平面表示パネルやこれに用いられるバックライト用の有機発光素子(OLED)に用いられる高分子系発光材料の前駆体である重合性化合物の中間体に関するものである。
有機発光素子は、1987年にコダック社のC.W.Tangらにより高輝度の発光が示されて(非特許文献1参照。)以来、材料開発、素子構造の改良が急速に進み、最近になってカーオーディオや携帯電話用のディスプレイなどから実用化が始まった。この有機EL(エレクトロルミネッッセンス)の用途を更に拡大するために、発光効率向上、耐久性向上のための材料開発、フルカラー表示の開発などが現在活発に行われている。特に、中型パネルや大型パネル、あるいは照明用途への展開を考える上では発光効率の向上による更なる高輝度化と、大面積化に適した量産方法の確立が必要である。
先ず、発光効率に関しては、現在の発光材料で利用されているのは励起一重項状態からの発光、すなわち蛍光であり、非特許文献2によれば、電気的励起における励起一重項状態と励起三重項状態の励起子の生成比が1:3であることから、有機ELにおける発光の内部量子効率は25%が上限である。
これに対し、M.A.Baldoらは励起三重項状態から燐光発光するイリジウム錯体を用いることにより外部量子効率7.5%を得、これは外部取り出し効率を20%と仮定すると内部量子効率37.5%に相当し、蛍光色素を利用した場合の上限値である25%という値を上回ることが可能なことを示した(非特許文献3、特許文献1参照。)。
次に、パネルの量産方法に関しては、従来から真空蒸着法が用いられてきた。しかし、この方法は真空設備を必要とする点、大面積になるほど有機薄膜を均一の厚さに成膜することが困難になる点などの問題点を有しており、必ずしも大面積パネルの量産に適した方法とは言えない。
これに対し、大面積化が容易な方法として高分子系発光材料を用いた製造方法、すなわちインクジェット法や印刷法が開発されている。特に、印刷法は連続して長尺の成膜が行え、大面積化と量産性に優れている。
上記のように、発光効率が高くかつ大面積の有機発光素子を得るためには、燐光発光性の高分子材料が必要となる。このような燐光発光性の高分子材料としては、ルテニウム錯体を高分子の主鎖または側鎖に組み込んだものがある(非特許文献4参照。)。しかし、これらはイオン性化合物であるため、電圧を印加した場合に電極での酸化還元反応による電気化学発光が起こる。これは応答速度が分オーダーと極めて遅く、通常のディスプレイパネルとしては使用できない。
また、厳密な意味では高分子材料とは言えないが、ポリ(N−ビニルカルバゾール)に燐光発光性の低分子化合物であるイリジウム錯体を混合したものがある(非特許文献5参照。)。しかし、これは均質な高分子材料に較べて熱安定性が劣り、相分離や偏析を起こす可能性がある。
「アプライド フィジカル レター(Applied Physical Letter)」,1987年,第51巻,p.913 「月刊ディスプレイ「有機ELディスプレイ」」,1998年,10月号別冊,p.58 「アプライドフィジカル レター(Applied Physical Letter)」,1999年,第75巻,p.4 「ポリマー プレプリンツ(PolymerPreprints)」,1999年,第40巻,第2号,p.1212 「ポリマー プレプリンツ(Polymer Preprints)」,2000年,第41巻,第1号,p.770 国際公開第00/70655号
上記のように、発光効率が高くかつ大面積の有機発光素子を量産するために必要とされる実用的な高分子系の燐光発光性材料は未だ存在しない。そこで、本発明は上記のような従来技術の問題点を解決し、高発光効率で大面積化が可能であり、かつ量産可能な有機発光素子を得るための高分子系発光材料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく種々検討した結果、イリジウム錯体部分を有する重合性化合物を得ることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[40]で示される新規化合物である重合性化合物とこれら重合性化合物の合成に必要な新規化合物である中間体、及びこれら重合性化合物の製造方法を提供する。
[1]式(1)で示される重合性化合物。

〔式中、Xは重合性官能基を有する置換基を表す。R1〜R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子またはヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基を表す。R4〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基またはヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基を表す。〕
[2]前記式(1)におけるXの重合性官能基が炭素−炭素二重結合を有する基であることを特徴とする[1]に記載の重合性化合物。
[3]式(2)で示される重合性化合物。

〔式中、Xは重合性官能基を有する置換基を表す。〕
[4]重合性官能基がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基である[1]または[3]に記載の重合性化合物。
[5]前記式(1)または(2)におけるXがメタクリロイルオキシ基である[1]または[3]に記載の重合性化合物。
[6]式(3)で示される重合性化合物。
[7]前記式(1)または(2)におけるXがメタクリロイルオキシメチル基である[1]または[3]に記載の重合性化合物。
[8]式(4)で示される重合性化合物。
[9]前記式(1)または(2)におけるXがメタクリロイルオキシエチルカルバモイルオキシメチル基である[1]または[3]に記載の重合性化合物。
[10]式(5)で示される重合性化合物。
[11]前記式(1)または(2)におけるXがメタクリロイルオキシエチルオキシカルボニル基である[1]または[3]に記載の重合性化合物。
[12]式(6)で示される重合性化合物。
[13]重合性官能基がスチリル基である[1]または[3]に記載の重合性化合物。
[14]前記式(1)または(2)におけるXがビニルベンジルオキシ基である[1]または[3]に記載の重合性化合物。
[15]式(7)で示される重合性化合物。
[16]式(8)で示される重合性化合物。
[17]式(9)で示される重合性化合物。

〔式中、nは0〜20の整数を表す。〕
[18]式(10)で示される重合性化合物。
[19]式(11)で示されるイリジウム二核錯体と式(12)で示されるピコリン酸誘導体を反応させた後、その反応生成物中と、重合性官能基および式(12)に由来する反応性置換基Yと反応して結合しうる官能基を有する化合物とを反応させることを特徴とする単核イリジウム錯体部分を含む重合性化合物の製造方法。

〔式中、R4〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基またはヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基を表す。〕

〔式中、Yは反応性置換基を表し、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子またはヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基を表す。〕
[20]前記式(12)におけるYが活性水素を有する基である[19]に記載の単核イリジウム錯体部分を含む重合性化合物の製造方法。
[21]前記式(12)におけるYがヒドロキシル基またはヒドロキシメチル基である[19]に記載の単核イリジウム錯体部分を含む重合性化合物の製造方法。
[22]重合性官能基を有する化合物が重合性官能基を有する酸塩化物である[21]に記載の単核イリジウム錯体部分を含む重合性化合物の製造方法。
[23]重合性官能基を有する化合物が重合性官能基を有するアルキルハライド化合物である[21]に記載の単核イリジウム錯体部分を含む重合性化合物の製造方法。
[24]重合性官能基を有する化合物が重合性官能基を有するイソシアネート化合物である[20]または[21]に記載の単核イリジウム錯体部分を含む重合性化合物の製造方法。
[25]前記式(12)におけるYがカルボキシル基である[19]に記載の単核イリジウム錯体部分を含む重合性化合物の製造方法。
[26]重合性官能基を有する化合物が重合性官能基を有する水酸基を有する化合物である[25]に記載の単核イリジウム錯体部分を含む重合性化合物の製造方法。
[27]式(11)で示されるイリジウム二核錯体と式(13)で示されるピコリン酸誘導体を反応させることを特徴とする単核イリジウム錯体部分を含む重合性化合物の製造方法。

〔式中、R4〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基またはヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基を表す。〕

〔式中、Xは重合性官能基を有する置換基を表し、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子またはヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基を表す。〕
[28]前記式(13)におけるXがメタクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシメチル基、メタクリロイルオキシエチルカルバモイルオキシメチル基、メタクリロイルオキシエチルオキシカルボニル基、ビニルベンジルオキシ基から選ばれたいずれか一つである[27]に記載の単核イリジウム錯体部分を含む単官能の重合性化合物の製造方法。
[29]式(14)で示される化合物。

〔式中、Yは反応性置換基を表す。R1〜R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子またはヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基を表す。R4〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基またはヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基を表す。〕
[30]前記式(14)におけるYが水酸基である[29]に記載の化合物。
[31]式(15)で示される化合物。
[32]式(16)で示される化合物。
[33]式(17)で示される化合物。
[34][1]〜[18]のいずれか一つに記載の重合性化合物を含む組成物。
[35][1]〜[18]のいずれか一つに記載の重合性化合物の重合体。
[36][34]に記載の重合性組成物を重合してなる重合体。
[37][1]〜[18]のいずれか一つに記載の重合性化合物を含むことを特徴とする発光材料。
[38][1]〜[18]のいずれか一つに記載の重合性化合物を重合してなる発光材料。
[39][34]に記載の組成物を重合してなる発光材料。
[40][37]〜[39]のいずれか一つに記載の発光材料を用いた有機発光素子。
本発明の新規な重合性化合物はイリジウム錯体部分を含む新規な重合体を与え、これを有機発光素子の発光材料として使用することにより高効率で発光し、かつ大面積化が可能で量産に適した有機発光素子を提供することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。本発明により式(1)

〔式中、Xは重合性官能基を有する置換基を表す。R1〜R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子またはヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基を表す。R4〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基またはヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基を表す。〕で表される重合性化合物が提供される。
式(1)においてXで表される重合性官能基を有する置換基としては、重合性官能基として炭素−炭素二重結合を有する置換基が好ましく、ビニル基、アルケニルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシエチルカルバメート基等のウレタン(メタ)アクリロイルオキシ基、スチリル基及びその誘導体、ビニルアミド基及びその誘導体などを有する置換基を挙げることができる。これらの重合性官能基の中で、その重合性という観点から、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基、ウレタン(メタ)アクリロイルオキシ基、スチリル基が好ましい。また、これらの置換基が結合する位置は、ピコリン酸配位子の3位、4位、5位、6位のいずれでもよい。
本発明における「ヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基」とは、本発明の主旨を損なわない限り制限はないが、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アリル基、アリルオキシ基、アラルキル基もしくはアラルキルオキシ基またはそれらのハロゲン置換体などが挙げられる。
式(1)の化合物におけるR1、R2、R3としては水素原子、ハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、アミル、ヘキシル等のアルキル基、またメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソブトキシ、ターシャリーブトキシ等のアルコキシ基、アラルキル基、更にはアセトキシ基、プロポキシカルボニル基などのエステル基等の有機基を挙げることができる。また、これらの置換基は、更にハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
式(1)におけるR4〜R19としては水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、スルホン酸メチル等のスルホン酸エステル基、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、アミル、ヘキシル等のアルキル基、またメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソブトキシ、ターシャリーブトキシ等のアルコキシ基、アラルキル基、更にはアセトキシ基、プロポキシカルボニル基などのエステル基等の有機基を挙げることができる。また、これらの有機基は、更にハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基等の置換基を有していてもよい。これらの中では水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
次に、本発明による重合性化合物の合成方法の例を以下に挙げるが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
本発明の重合性化合物の第1の合成方法は式(11)で示されるイリジウムの二核錯体と式(12)で示されるピコリン酸誘導体を反応させることにより反応性置換基を有する単核のイリジウム錯体を中間体として得、この中間体の反応性置換基と重合性置換基を有する化合物を反応させることにより単核イリジウム錯体部分を含む重合性化合物を得る方法である。

〔式中、R4〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基またはヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基を表す。〕

〔式中、Yは反応性置換基を表す。R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子ハロゲン原子、またはヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基を表す。〕
式(11)のイリジウムの二核錯体は公知の方法(S. Lamansky et al., Inorganic Chemistry, 40, 1704 (2001))により合成することができる。式(11)のR4〜R19としては水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、スルホン酸メチル等のスルホン酸エステル基、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、アミル、ヘキシル等のアルキル基、またメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソブトキシ、ターシャリーブトキシ等のアルコキシ基、アラルキル基、更にはアセトキシ基、プロポキシカルボニル基などのエステル基等の有機基を挙げることができる。また、これらの有機基は、更にハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基等の置換基を有していてもよい。これらの中では水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
式(12)のYは反応性置換基であり、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基等の活性水素を含む基やカルボキシル基などを例示することができるが、何らこれに限定されるものではない。また、この反応性置換基は保護基で保護されていてもよい。この場合は保護基により保護されたままで反応を行って単核イリジウム錯体を得た後、脱保護により反応性置換基を有する単核イリジウム錯体を中間体として得る。その後、この中間体の反応性置換基と重合性官能基を有する化合物と反応させることにより、単核イリジウム錯体部分を含む重合性化合物を得る。尚、これら反応性置換基の官能基としては前述の重合性置換基は除かれる。
式(12)の化合物におけるR1、R2、R3としては水素原子、ハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、アミル、ヘキシル等のアルキル基、またメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソブトキシ、ターシャリーブトキシ等のアルコキシ基、アラルキル基、更にはアセトキシ基、プロポキシカルボニル基などのエステル基等の有機基を挙げることができる。また、これらの置換基は、更にハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。これらの中では水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
式(11)のイリジウム二核錯体と反応性置換基を有する式(12)で示される化合物との反応で得られる反応性置換基を有する単核イリジウム錯体(中間体)と反応させる重合性官能基を有する化合物は重合性の基以外に式(12)の反応性置換基Yと反応する基を有する官能基を有している必要がある。そのような官能基としては、反応性置換基Yがヒドロキシメチル基、ヒドロキシル基の場合はイソシアナト基やカルボキシル基を、Yがメルカプト基、アミノ基の場合はイソシアナト基や酸塩化物(R−COCl)基が挙げられる。また、式(11)のR4〜R19は上記の単核イリジウム錯体と反応させる重合性官能基を有する化合物と反応しない基を選択しておく必要がある。
上記中間体と反応させる重合性官能基を有する化合物における重合性官能基としては、炭素−炭素二重結合を有する基が好ましく、ビニル基、アルケニルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシエチルカルバメート基等のウレタン(メタ)アクリロイルオキシ基、スチリル基及びその誘導体、ビニルアミド基及びその誘導体などを挙げることができる。これらの重合性官能基の中で、その重合性という観点から、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基、ウレタン(メタ)アクリロイルオキシ基、スチリル基が好ましい。
本発明による重合性化合物の第2の合成方法は上記式(11)で示されるイリジウムの二核錯体と式(13)で示されるピコリン酸誘導体を反応させることにより直接、単核イリジウム錯体部分を含む重合性化合物を得る方法である。

〔式中、Xは重合性官能基を有する置換基を表す。R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基またはヘテロ原子を有してもよい炭素数1〜20の有機基を表す。〕
式(13)においてXで表される重合性官能基を有する置換基としては、重合性官能基として炭素−炭素二重結合を有する置換基が好ましく、ビニル基、アクケニルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシエチルカルバメート基等のウレタン(メタ)アクリロイルオキシ基、スチリル基及びその誘導体、ビニルアミド基及びその誘導体などを有する置換基を挙げることができる。これらの重合性官能基の中で、その重合性という観点から、アクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基、ウレタン(メタ)アクリロイルオキシ基、スチリル基が好ましい。また、これらの置換基が結合する位置は、ピコリン酸配位子の3位、4位、5位、6位のいずれでもよい。
式(13)の化合物におけるR1、R2、R3としては水素原子、ハロゲン原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、アミル、ヘキシル等のアルキル基、またメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソブトキシ、ターシャリーブトキシ等のアルコキシ基、アラルキル基、更にはアセトキシ基、プロポキシカルボニル基などのエステル基等の有機基を挙げることができる。また、これらの置換基は、更にハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
本発明による重合性化合物は2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、ベンゾイルパーオキサイド等の熱重合開始剤やベンゾフェノン等の紫外線重合開始剤を用いることにより容易に重合を行うことができ、イリジウム錯体部分を含む重合体を提供することができる。重合体は、本発明による重合性化合物のうち1種類によるホモ重合体、また、本発明の重合性化合物のうち2種類以上による共重合体、更には本発明の重合性化合物のうちの1種類以上と本発明の重合性化合物以外の重合性化合物の1種類以上との共重合体のいずれであってもよい。ここで、本発明の重合性化合物以外の重合性化合物としてはビニルカルバゾールなどのホール(正孔)輸送性化合物、重合性官能基を有するオキサジアゾール誘導体あるいはトリアゾール誘導体などの電子輸送性化合物、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン及びその誘導体などのキャリア輸送性を有さない化合物を例示することができるが、何らこれらに限定されるものではない。
図1は本発明の有機発光素子構成の一例を示す断面図であり、透明基板上に設けた陽極と陰極の間にホール輸送層、発光層、電子輸送層を順次設けたものである。また、本発明の有機発光素子構成は図1の例のみに限定されず、陽極と陰極の間に順次、1)ホール輸送層/発光層、2)発光層/電子輸送層、のいずれかを設けたものでもよく、更には3)ホール輸送材料、発光材料、電子輸送材料を含む層、4)ホール輸送材料、発光材料を含む層、5)発光材料、電子輸送材料を含む層、6)発光材料の単独層、のいずれかの層を一層設けるだけでもよい。また、図1に示した発光層は1層であるが、2つ以上の層が積層されていてもよい。
本発明の重合性化合物を有機発光素子の発光層として形成する場合、本発明の重合性化合物を下層上に塗布後、重合してもよく、あらかじめ重合された重合物を塗布(コーティング)してもよい。塗布の場合、適切な溶媒に溶解したものを塗布し、その後、溶媒を乾燥することもできる。
本発明の有機発光素子の発光層は発光材料として本発明の重合性化合物および/またはその重合物を含む層であるが、他の発光物質、ホール輸送物質、電子輸送物質などが含まれていてもよい。
本発明に係る有機発光素子では発光層の両側または片側にホール輸送層、電子輸送層を形成させることにより、さらに発光効率及び/または耐久性の改善を達成できる。
ホール輸送層を形成するホール輸送材料としてはTPD(N,N’−ジメチル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’ジアミン)、α−NPD(4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル)、m−MTDATA(4、4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)などのトリフェニルアミン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)などの既知のホール輸送材料が使用できるが、特にこれらに限定されることはない。これらのホール輸送材料は単独でも用いられるが、異なるホール輸送材料と混合または積層して用いてもよい。ホール輸送層の厚さは、ホール輸送層の導電率にもよるので一概に限定はできないが、10nm〜10μmが好ましく、10nm〜1μmが更に好ましい。
電子輸送層を形成する電子輸送材料としては、Alq3(トリスアルミニウムキノリノール)などのキノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体などの既知の電子輸送材料が使用できるが、特にこれらに限定されることはない。これらの電子輸送材料は単独でも用いられるが、異なる電子輸送材料と混合または積層して用いてもよい。電子輸送層の厚さは、電子輸送層の導電率にもよるので一概に限定はできないが、10nm〜10μmが好ましく、10nm〜1μmが更に好ましい。
上記の各層に用いられる発光材料、ホール輸送材料および電子輸送材料はそれぞれ単独で各層を形成するほかに、高分子材料をバインダとして各層を形成することもできる。これに使用される高分子材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイドなどを例示できるが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の各層に用いられる発光材料、ホール輸送材料および電子輸送材料の成膜方法は、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、コーティング法、溶液塗布法などを用いることが可能で、これらに特に限定されることはないが、低分子化合物に場合は主として抵抗加熱蒸着および電子ビーム蒸着が用いられ、高分子材料の場合は主にコーティング法が用いられることが多い。
本発明に係る有機発光素子の陽極材料としては、ITO(酸化インジウムスズ)、酸化錫、酸化亜鉛、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性高分子などの既知の透明導電材料が使用できるが、特にこれらに限定されることはない。この透明導電材料による電極の表面抵抗は1〜50Ω/□(オーム/スクエアー)であることが好ましい。これらの陽極材料の成膜方法としては、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、化学反応法、コーティング法などを用いることができるが、これらに特に限定されることはない。陽極の厚さは50〜300nmが好ましい。
また、陽極とホール輸送層または陽極に隣接して積層される有機層の間に、ホール注入に対する注入障壁を緩和する目的でバッファ層が挿入されていてもよい。これには銅フタロシアニンなどの既知の材料が用いられるが、特にこれに限定されることはない。
本発明に係る有機発光素子の陰極材料としては、Al、MgAg合金、Caなどのアルカリ金属、AlCaなどのAlとアルカリ金属の合金などの既知の陰極材料が使用できるが、特にこれらに限定されることはない。これらの陰極材料の成膜方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを用いることができるが、これらに特に限定されることはない。陰極の厚さは10nm〜1μmが好ましく、50〜500nmが更に好ましい。
また、陰極と、電子輸送層または陰極に隣接して積層される有機層との間に、電子注入効率を向上させる目的で、厚さ0.1〜10nmの絶縁層が挿入されていてもよい。この絶縁層としては、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、アルミナなどの既知の陰極材料が使用できるが、特にこれらに限定されることはない。
また、発光層の陰極側に隣接して、ホールが発光層を通過することを抑え、発光層内で電子と効率よく再結合させる目的で、ホール・ブロック層が設けられていてもよい。これにはトリアゾール誘導体やオキサジアゾール誘導体などの既知の材料が用いられるが、特にこれに限定されることはない。
本発明に係る有機発光素子の基板としては、発光材料の発光波長に対して透明な絶縁性基板が使用でき、ガラスのほか、PET(ポリエチレンテレフタレート)やポリカーボネートを始めとする透明プラスチックなどの既知の材料が使用できるが、特にこれらに限定されることはない。
本発明の有機発光素子は、既知の方法でマトリックス方式またはセグメント方式による画素を構成することができ、また、画素を形成せずにバックライトとして用いることもできる。
以下に本発明について代表的な例を示し、更に具体的に説明する。尚、これらは説明のための単なる例示であって、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
<測定装置等>1)1H−NMR日本電子(JEOL)製
JNM EX270270Mz 溶媒:重クロロホルムまたは重ジメチルスルホシキド2)元素分析装置RECO社製 CHNS−932型3)GPC測定(分子量測定)
カラム:Shodex KF−G+KF804L+KF802+KF801溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
温度 :40℃検出器:RI(Shodex RI−71)
4)ICP元素分析島津製作所製 ICPS 8000
(実施例1)重合性化合物:イリジウム(III)ビス(2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナート)(3−メタクリロイロキシピコリナート)(以下、Ir(2,4−F−ppy)2(3−MA−pic)と略す。)の合成スキーム(1A)に示すように、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジンを合成した。即ち、アルゴン気流下において2−ブロモピリジン8.69g(55.0mmol)を脱水テトラヒドロフラン200mlに溶解して−78℃まで冷却し、1.6M n−ブチルリチウムのヘキサン溶液38.7ml(61.9mmol)を30分かけて滴下した。滴下後、さらに塩化亜鉛7.5g(55.0mmol)を脱水テトラヒドロフラン(THF)50mlに溶解した溶液を30分かけて滴下した。滴下後、0℃までゆっくりと昇温し、1−ブロモ−2,4−ジフルオロベンゼン9.65g(55.0mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
2.31g(2.0mmol)を加え、還流下に6時間攪拌した後、反応液に飽和食塩水200mlを加えジエチルエーテルで抽出した。抽出液を乾燥後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル;クロロホルム:ヘキサン=1:1(体積比))で精製することにより、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジンを無色透明のオイルとして得た。収量6.00g。収率63%。同定は1H−NMRとCHN元素分析で行った。1H−NMR(270
MHz, CDCl3), ppm: 8.71(d, 1H, J = 4.6 Hz), 8.00(td, 1H, J =8.9, 6.5
Hz), 7.8 - 7.7(m, 2H), 7.3 - 7.2(over wrapped with CHCl3, 1H),7.1 -
6.8(m, 2H). Anal. Found: C 68.98, H 3.80, N 7.31. Calcd: C 69.11,H 3.69, N
7.33.
次いで、スキーム(1B)に示すように、イリジウムの2核錯体、ビス(μ-クロロ)テトラキス(2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン)ジイリジウム(III)(以下、[Ir(2,4−F−ppy)2Cl]2と略す。)を合成した。即ち、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン0.96g(5.0mmol)とヘキサクロロイリジウム(III)酸ナトリウムn水和物(和光純薬工業製)1.00gを2−エトキシエタノール:水=3:1の混合溶媒40mlに溶解し、30分間アルゴンガスを吹き込んだ後、還流下に5時間攪拌した。生じた沈殿をろ取し、エタノールと少量のアセトンで洗浄し、真空下で5時間乾燥することにより、[Ir(2,4−F−ppy)2Cl]2
を黄色粉末として得た。収量0.79g。収率86%。同定は1H−NMRとCHN元素分析で行った。1H−NMR(270
MHz, CDCl3), ppm: 9.12(d, 4H, J = 5.7 Hz), 8.31(d, 4H, J = 8.6 Hz),
7.83(dd, 4H, J = 7.6, 7.6 Hz), 6.82(dd, 4H, J = 7.3,7.3 Hz),
6.34(ddd, 4H, J = 11.6, 10.0, 2.4 Hz), 5.29(dd, 4H, J = 9.5, 2.4 Hz). Anal.
Found: C 43.69, H 3.53, N 3.54. Calcd: C 43.88, H 3.45, N3.56.
次いで、スキーム(1C)に示すように、イリジウム(III)ビス(2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナート)(3−ヒドロキシピコリナート)(以下、Ir(2,4−F−ppy)2(3−OH−pic)と略す。)を合成した。即ち、[Ir(2,4−F−ppy)2Cl]2 121.6mg(0.1mmol)、3−ヒドロキシピコリン酸41.7mg(0.3mmol)、炭酸ナトリウム106.0mg(1.0mmol)にアルゴン気流下において脱水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)10mlを加え、80℃で2時間攪拌した。反応液に50mlの水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。その溶液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:クロロホルム=3:97(体積比))で精製した。さらにそれをヘキサン/クロロホルムより再結晶することにより黄色の結晶としてIr(2,4−F−ppy)2(3−OH−pic)
101.0mgを得た。収率71%。同定は1H−NMRとCHN元素分析で行った。1H−NMR(270 MHz,
DMSO-d6), ppm: 13.6(br, 1H), 8.50(d, 1H, J = 5.9 Hz), 8.25(d, 2H, J
= 11.1 Hz), 8.1- 8.0(m, 2H), 7.69(d, 1H, J = 5.7 Hz), 7.62(d, 1H, J = 8.1 Hz),
7.53(d,1H, J = 4.6 Hz), 7.50(d, 1H, J = 5.7 Hz), 7.36(t, 1H, J = 4.5 Hz),
7.24(d, 1H, J = 5.1 Hz), 6.9 - 6.7(m, 2H), 5.66(dd, 1H, J = 8.6, 2.4 Hz),
5.48(dd, 1H, J = 8.6, 2.4 Hz). Anal. Found: C 47.29, H 2.33, N 5.86. Calcd:C
47.32, H 2.27, N 5.91.
次いで、スキーム(1D)に示すように、Ir(2,4−F−ppy)2(3−MA−pic)を合成した。即ち、Ir(2,4−F−ppy)2(3−OH−pic)
71.1mg(0.10mmol)と2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.2mgをアルゴン気流下に脱水ジクロロメタン10mlに溶解し、トリエチルアミン101.2mg(1.0mmol)とメタクリル酸クロライド52.3mg(0.50mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液に水50mlを加え、クロロホルムで抽出した。その溶液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:クロロホルム=1:24(体積比))で精製した。さらにそれをヘキサン/クロロホルムより再結晶することにより黄色の結晶としてIr(2,4−F−ppy)2(3−MA−pic) 63.1mgを得た。収率81%。同定は1H−NMRとCHN元素分析で行った。
1H−NMR(270 MHz, DMSO-d6),
ppm: 8.51(d, 1H, J = 5.4 Hz), 8.3 - 8.2(m, 2H), 8.1 - 7.9(m, 3H), 7.8 - 7.6(m,
3H), 7.52(dd, 1H, J = 6.6, 6.6 Hz), 7.35(dd, 1H, J = 6.6, 6.6 Hz), 6.9 -
6.7(m,2H), 6.26(s, 1H), 5.88(s 1H), 5.68(dd, 1H, J = 8.4, 2.4 Hz), 5.44(dd, 1H,
J = 8.4, 2.4 Hz), 2.00(s, 3H). Anal. Found: C 49.33, H 2.60, N 5.41.Calcd: C
49.36, H 2.59, N 5.40.
(実施例2)重合性化合物:イリジウム(III)ビス(2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナート)(5−メタクリロイロキシメチルピコリナート)(以下、Ir(2,4−F−ppy)2(5−CH2MA−pic)と略す。)の合成スキーム(2A)に示すように、イリジウム(III)ビス(2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナート)(5−(ヒドロキシメチル)ピコリナート)(以下、Ir(2,4−F−ppy)2(5−CH2OH−pic)と略す。)を合成した。即ち、[Ir(2,4−F−ppy)2Cl]2 121.6mg(0.1mmol)、5−ヒドロキシメチルピコリン酸45.9mg(0.3mmol)、炭酸ナトリウム106.0mg(1.0mmol)にアルゴン気流下において脱水N,N−ジメチルホルムアミド10mlを加え、80℃で2時間攪拌した。反応液に50mlの水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。その溶液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:クロロホルム=1:19(体積比))で精製した。さらにそれをヘキサン/クロロホルムより再結晶することにより黄色の結晶としてIr(2,4−F−ppy)2(5−CH2OH−pic)
108.7mgを得た。収率75%。同定は1H−NMRとCHN元素分析で行った。1H−NMR(270 MHz,
DMSO-d6), ppm: 8.54(d, 1H, J = 4.6), 8.3 - 8.2(m, 2H), 8.1 - 8.0(m,
4H), 7.70(s, 1H), 7.61(d, 1H, J = 4.9), 7.49(dd, 1H, J = 6.6, .6.6), 7.32(dd,
1H,J = 6.6, .6.6), 6.9 - 6.7(m, 2H), 5.71(dd, 1H, J = 8.9, 2.4), 5.46(dd, 1H, J
= 8.5, 2.3), 5.42(t, 1H, J = 4.6), 4.49(d, 2H, J = 4.6). Anal. Found: C 48.05,
H 2.54, N 5.86. Calcd: C 48.06, H 2.50, N 5.80.
次いで、スキーム(2B)に示すように、Ir(2,4−F−ppy)2(5−CH2MA−pic)を合成した。即ち、Ir(2,4−F−ppy)2(5−CH2OH−pic) 72.5mg(0.1mmol)と2,6−ジ−tert−4−メチルフェノール0.2mgをアルゴン気流下に脱水ジクロロメタン10mlに溶解し、トリエチルアミン101.2mg(1.0mmol)とメタクリル酸クロライド52.3mg(0.5mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液に水50mlを加え、クロロホルムで抽出した。その溶液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:クロロホルム=3:97(体積比))で精製した。さらにそれをヘキサン/クロロホルムより再結晶することにより黄色の結晶としてIr(2,4−F−ppy)2(5−CH2MA−pic) 70.6mgを得た。収率89%。同定は1H−NMRとCHN元素分析で行った。1H−NMR(270 MHz, DMSO-d6), ppm:8.53(d, 1H, J = 5.1), 8.28(d, 1H,
J = 8.4), 8.22(d, 1H, J = 8.6), 8.1 -8.0(m, 4H), 7.70(s, 1H), 7.66(d, 1H, J =
4.9), 7.48(dd, 1H, J = 6.5, .6.5), 7.31(dd, 1H, J = 6.5, .6.5), 6.9 - 6.7(m,
2H), 5.84(s, 1H), 5.7 - 5.6(m, 2H), 5.47(dd, 1H, J = 8.8, 2.6), 5.24(d, 2H, J =
2.7), 1.78(s, 3H). Anal. Found: C 49.92, H 2.87, N 5.28. Calcd: C 50.00, H
2.80, N 5.30.
(実施例3)重合性化合物:イリジウム(III)ビス(2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナート)(5−(2−(メタクリロイルオキシ)エチルカルバモイルオキシメチル)ピコリナート)(以下、Ir(2,4−F−ppy)2(5−CH2MOI−pic)と略す。)の合成スキーム(3A)に示すように、Ir(2,4−F−ppy)2(5−CH2MOI−pic)を合成した。即ち、実施例2における中間体であるIr(2,4−F−ppy)2(5−CH2OH−pic) 72.5mg(0.1mmol)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)0.2mg、ジブチル錫(IV)ジラウレート(DBTL)1.3mgを脱水テトラヒドロフラン10mlに溶解し、さらに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工製、商品名「カレンズMOI」)31.0mg(0.2mmol)を加えて50℃で1時間攪拌した。反応液に水50mlを加え、クロロホルムで抽出した。その溶液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:クロロホルム=3:97(体積比))で精製した。さらにそれをヘキサン/クロロホルムより再結晶することにより黄色の結晶としてIr(2,4−F−ppy)2(5−CH2MOI−pic)
76.4mgを得た。収率87%。同定は1H−NMRとCHN元素分析で行った。1H−NMR(270 MHz,
DMSO-d6), ppm: 8.53(d, 1H, J = 5.1 Hz), 8.32(dd, 2H, J = 8.0, 1.8
Hz), 8.25(d, 1H, J = 8.9 Hz), 8.22(d, 1H, J = 9.2 Hz), 8.1 - 8.0(m, 3H),
7.60(d, 1H, J = 4.6 Hz), 7.51(dd, 1H, J = 6.5, 6.5 Hz), 7.35(dd, 1H, J = 6.5,
6.5 Hz), 6.9 - 6.7(m, 2H), 6.10(s, 1H), 5.87(s, 1H), 5.71(dd, 1H, J = 8.4, 2.2
Hz), 5.46(dd, 1H, J = 8.8, 2.6 Hz), 4.90(s, 2H), 4.23(t, 2H, J = 1.9 Hz),
3.47(m, 2H), 1.90(s, 3H). Anal. Found: C 50.59,H 3.35, N 6.32. Calcd: C 50.62,
H 3.33, N 6.38.
(実施例4)重合性化合物:イリジウム(III)ビス(2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナート)(5−(2−(メタクリロイルオキシ)エトキシカルボニル)ピコリナート)(以下、Ir(2,4−F−ppy)2(5−COHEMA−pic)と略す。)の合成スキーム(4A)に示すように、イリジウム(III)ビス(2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナート)(5−カルボキシピコリナート)(以下、Ir(2,4−F−ppy)2(5−COOH−pic)と略す。)を合成した。即ち、[Ir(2,4−F−ppy)2Cl]2 243.2mg(0.2mmol)、2,5−ピリジンジカルボン酸100.3mg(0.6mmol)、炭酸ナトリウム212.0mg(2.0mmol)にアルゴン気流下において脱水N,N−ジメチルホルムアミド10mlを加え、80℃で2時間攪拌した。反応液に1N塩酸50mlを加え生成物を沈殿させ、ろ取した。これを少量のクロロホルムに溶解し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:クロロホルム=1:4)で精製した。さらにそれをヘキサン/エタノールより再沈殿することにより黄色粉末としてIr(2,4−F−ppy)2(5−COOH−pic)
204.0mgを得た。収率69%。同定は1H−NMRとCHN元素分析で行った。1H−NMR(270 MHz,
DMSO-d6), ppm: 10.7(s, 1H), 8.53(d, 1H, J = 5.1 Hz), 8.37(dd, 2H, J
= 8.0, 1.8 Hz), 8.28(d, 1H, J = 8.9 Hz),8.25(d, 1H, J = 9.2 Hz), 8.1 - 8.0(m,
3H), 7.59(d, 1H, J = 4.6 Hz), 7.47(dd, 1H, J = 6.5, 6.5 Hz), 7.32(dd, 1H, J =
6.5, 6.5 Hz), 6.9 - 6.7(m, 2H), 5.70(dd, 1H, J = 8.4, 2.2 Hz), 5.48(dd, 1H, J =
8.8, 2.6 Hz). Anal.Found: C 47.10, H 2.28, N 5.66. Calcd: C 47.15, H 2.18, N
5.69.
次いで、スキーム(4B)に示すように、Ir(2,4−F−ppy)2(5−COHEMA−pic)を合成した。即ち、アルゴン気流下においてIr(2,4−F−ppy)2(5−COOH−pic) 73.9mg(0.1mmol)、トリフェニルホスフィン(PPh3)52.5mg(0.2mmol)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート19.5mg(0.15mmol)を脱水THF5mlに溶解し、−20℃でジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)の40%トルエン溶液65.3mg(0.15mmol)を滴下した。そのまま室温まで昇温し2時間攪拌した。反応後、溶媒を留去して蒸発乾固した後、少量のクロロホルムに溶解しカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:クロロホルム=1:19(体積比))で精製した。さらにそれをヘキサン/クロロホルムより再結晶することにより黄色結晶としてIr(2,4−F−ppy)2(5−COHEMA−pic)
61.5mgを得た。収率72%。同定は1H−NMRとCHN元素分析で行った。1H−NMR(270 MHz,
DMSO-d6), ppm:8.54(d, 1H, J = 5.1 Hz), 8.37(dd, 2H, J = 8.0, 1.8
Hz), 8.31(d, 1H, J =8.9 Hz), 8.27(d, 1H, J = 9.2 Hz), 8.1 - 8.0(m, 3H), 7.57(d,
1H, J = 4.6Hz), 7.46(dd, 1H, J = 6.5, 6.5 Hz), 7.32(dd, 1H, J = 6.5, 6.5 Hz),
6.9 -6.7(m, 2H), 6.10(s, 1H), 5.87(s, 1H), 5.71(dd, 1H, J = 8.4, 2.2 Hz),
5.51(dd, 1H, J = 8.8, 2.6 Hz), 4.64(t, 2H, J = 2.0 Hz), 4.55(t, 2H, J = 2.0 Hz),
1.93(s, 3H). Anal. Found: C 49.38, H 2.88, N 4.95. Calcd: C 49.41, H 2.84, N
4.94.
(実施例5)重合性化合物:イリジウム(III)ビス(2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナート)(3−(4−ビニルフェニル)メトキシピコリナート)(以下、Ir(2,4−F−ppy)2(3−ST−pic)と略す。)の合成スキーム(5A)に示すように、Ir(2,4−F−ppy)2(3−ST−pic)を合成した。即ち、実施例1における中間体であるIr(2,4−F−ppy)2(3−OH−pic) 35.5mg(0.05mmol)、炭酸カリウム69.1mg(0.5mmol)、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.1mgにアルゴン気流下において脱水N,N−ジメチルホルムアミド5mlを加え、さらに4−ビニルベンジルクロライド30.5mg(0.2mmol)を加え、80℃で4時間攪拌した。反応液に水50mlを加えて生成物を沈殿させてろ取し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:クロロホルム=3:97(体積比))で精製した。さらにそれをヘキサン/クロロホルムより再結晶することにより黄色の結晶としてIr(2,4−F−ppy)2(3−ST−pic)
24.0mgを得た。収率58%。同定は1H−NMRとCHN元素分析で行った。1H−NMR(270 MHz,
DMSO-d6), ppm: 8.59(d, 1H, J = 5.1 Hz), 8.3 - 8.2(m, 2H), 8.1 -
8.0(m, 2H), 7.9(d, 1H, J = 8.6 Hz), 7.67(d, 1H, J = 5.1 Hz), 7.6 - 7.3(m, 7H),
6.9 - 6.7(m, 3H), 5.85(d,1H, J = 17.8 Hz), 5.67(dd, 1H, J = 8.9, 2.4 Hz),
5.45(dd, 1H, J = 8.9, 2.4 Hz), 5.29(s, 2H), 5.27(d, 1H, J = 11.1 Hz). Anal.
Found: C 53.71, H 2.90, N 5.03. Calcd: C 53.75, H 2.93, N 5.08.
(実施例6)重合性化合物:イリジウム(III)ビス(2−フェニルピリジナート)(3−メタクリロイロキシピコリナート)(以下、Ir(ppy)2(3−MA−pic)と略す。)の合成スキーム(6A)に示すように、イリジウム(III)ビス(2−フェニルピリジナート)(3−ヒドロキシピコリナート)(以下、Ir(ppy)2(3−OH−pic)と略す。)を合成した。即ち、常法に従い合成したビス(μ-クロロ)テトラキス(2−フェニルピリジン)ジイリジウム(III)(以下、[Ir(ppy)2Cl]2と略す。)
107.2mg(0.1mmol)、3−ヒドロキシピコリン酸41.7mg(0.3mmol)、炭酸ナトリウム106.0mg(1.0mmol)にアルゴン気流下において脱水N,N−ジメチルホルムアミド10mlを加え、80℃で2時間攪拌した。反応液に50mlの水を加えた後、クロロホルムで抽出した。その溶液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:クロロホルム=1:19(体積比))で精製した。さらにそれをヘキサン/クロロホルムより再結晶することにより黄色の結晶としてIr(ppy)2(3−OH−pic)
106.0mgを得た。収率83%。同定は1H−NMRとCHN元素分析で行った。1H−NMR(270 MHz,
DMSO-d6), ppm: 8.46(d, 1H, J = 4.9 Hz), 8.23(d,1H, J = 8.1 Hz),
8.20(d, 1H, J = 8.6 Hz), 8.0 - 7.9(m, 2H), 7.80(m, 2H), 7.60(dd, 1H, J = 5.9,
5.9 Hz), 7.55(d, 1H, J = 1.4 Hz), 7.47(dd, 1H, J= 8.5, 5.0 Hz), 7.40(dd, 1H, J
= 5.9, 5.9 Hz), 7.26(dd, 1H, J = 5.9, 5.9 Hz), 7.16(dd, 1H, J = 4.9, 1.4 Hz),
6.90(dd, 1H, J = 7.6, 7.6 Hz), 6.87(dd, 1H, J = 7.6, 7.6 Hz), 6.8 - 6.7(m, 2H),
6.20(d, 1H, J = 7.6 Hz), 6.05(d, 1H, J = 7.6 Hz). Anal. Found: C 52.62, H 3.21,
N 6.57. Calcd: C 52.65, H 3.16, N 6.58.
次いで、スキーム(6B)に示すように、Ir(ppy)2(3−MA−pic)を合成した。即ち、Ir(ppy)2(3−OH−pic)
31.9mg(0.05mmol)と2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.1mgをアルゴン気流下に脱水ジクロロメタン5mlに溶解し、トリエチルアミン50.6mg(0.5mmol)とメタクリル酸クロライド26.1mg(0.25mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液に水50mlを加え、クロロホルムで抽出した。その溶液を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール:クロロホルム=1:19(体積比))で精製した。さらにそれをヘキサン/クロロホルムより再結晶することにより黄色の結晶としてIr(ppy)2(3−MA−pic) 23.0mgを得た。収率65%。同定は1H−NMRとCHN元素分析で行った。1H−NMR(270MHz, DMSO-d6),
ppm: 8.50(d, 1H, J = 5.7 Hz), 8.23(d, 1H, J = 4.9 Hz), 8.21(d, 1H, J = 5.7 Hz),
8.0 - 7.9(m, 3H), 7.81(t, 2H, J = 8.9 Hz), 7.7 -7.5(m, 3H), 7.42(dd, 1H, J =
6.6, 6.6 Hz), 7.25(dd, 1H, J = 6.3, 6.3 Hz), 6.91(dd, 1H, J = 7.6, 7.6 Hz),
6.86(dd, 1H, J = 7.6, 7.6 Hz), 6.25(s,1H), 6.22(d, 1H, J = 7.8 Hz), 6.01(d, 1H,
J = 7.3 Hz), 5.87(s, 1H), 2.01(s, 3H). Anal. Found: C 54.29, H 3.51, N 5.94.
Calcd: C 54.38, H 3.42,N 5.95.
(実施例7)重合性化合物:イリジウム(III)ビス[2−(2,4−ジフロロフェニル)ピリジナート](3−ブテニルオキシピコリナート)(以下、Ir(2,4−F−ppy)2(3−Bu−pic)と略す)の合成スキーム(7A)に示すように、イリジウム(III)ビス[2−(2,4−ジフロロフェニル)ピリジナート](3−ブテニルオキシピコリナート)(以下、Ir(2,4−F−ppy)2(3−Bu−pic)と略す)を合成した。即ち、[Ir(2,4−F−ppy)2Cl]2 1.22g(1.0mmol)、3−ヒドロキシピコリン酸0.42g(3.0mmol)、炭酸ナトリウム1.06g(10mmol)を脱水N,N−ジメチルフォルムアミド50mlに加え、75℃で2時間加熱反応させた。反応液を水にあけ、酢酸エチル100mlで抽出した。抽出液を亡硝水溶液で洗い、無水硫酸マグネシウムで脱水後濾過し、エバポレーターで溶媒を除去することにより、イリジウム(III)ビス[2−(2,4−ジフロロフェニル)ピリジナート](3−ヒドロキシピコリナート)(以下、Ir(2,4−F−ppy)2(3−OH−pic)と略す)粗成物を得た。これをクロロホルム20mlに溶解しヘキサン50mlを徐々に加えて晶析させることにより、Ir(2,4−F−ppy)2(3−OH−pic)
1.28gを得た。収率90%。
次いで、Ir(2,4−F−ppy)2(3−OH−pic) 0.71g(1.0mmol)、炭酸カリウム1.38g(10mmol)、3−ブテニルブロマイド0.54g(4.0mmol)を脱水N,N−ジメチルフォルムアミド20mlに加え、75℃で2時間加熱反応させた。反応液を濾過後、濾さいをクロロホルム30mlで洗浄し、濾液と洗浄液を合わせ2回水洗した。水洗した有機層を無水硫酸マグネシウムで脱水後濾過し、エバポレーターにかけて得られた粗成物をシリカゲルのカラムクロマトにかけて精製した。更にそれをヘキサン/クロロホルムより再結晶することにより、黄色の結晶としてIr(2,4−F−ppy)2(3−Bu−pic)
0.54gを得た。収率70%。同定は1H−NMRとCHN元素分析で行った。1H−NMR(260MHz、CDCl3)、ppm:
8.80(d、1H、),8.25(m、2H),7.78(t、2H),7.45(m、3H),7.30(d、1H),7.21(t、1H),6.98(t、1H),6.42(m、2H),5.97(m、1H、−CH=),5.80(1H、d),5.50(1H、d),5.16(t、2H、=CH2),4.13(t、2H、−OCH2−),2.70(q、2H、−CH2−).
元素分析 C32224IrN33、 Anal.found:C
50.35,H 3.08,N 5.61. Calcd:C 50.26,H 2.90,N 5.50.
(実施例8)N−ビニルカルバゾール−Ir(2,4−F−ppy)2(3−MA−pic)共重合体(以下、VCz−co−Ir(2,4−F−ppy)2(3−MA−pic)と略す。)の合成発光機能を有する単位としてIr(2,4−F−ppy)2(3−MA−pic、ホール輸送機能を有する単位としてN−ビニルカルバゾールを含有する発光材料として上記共重合体を合成した。N−ビニルカルバゾール
966mg(5.0mmol)、Ir(2,4−F−ppy)2(3−MA−pic) 38.9mg(0.05mmol)、AIBN
8.2mg(0.05mmol)を脱水トルエン25mlに溶解させ、さらに1時間アルゴンを吹き込んだ。この溶液を80℃まで昇温し、重合反応を開始させ、そのまま8時間攪拌した。冷却後、反応液をメタノール
250ml中に滴下して重合物を沈殿させ、濾過により回収した。さらに、回収した重合物をクロロホルム25mlに溶解させ、この溶液をメタノール 250ml中に滴下して再沈殿させることにより精製した後、60℃で12時間真空乾燥させることにより目的物であるVCz−co−Ir(2,4−F−ppy)2(3−MA−pic)
673mgを得た。回収率、GPC測定結果、ICP元素分析によるIr錯体含有量を表1に示す。
(実施例9〜14)Ir(2,4−F−ppy)2(3−MA−pic)に替えて、それぞれ実施例2〜7で作製した重合性化合物を用いること以外は実施例8と同様にして共重合体を合成した。回収率、GPC測定結果、ICP元素分析によるIr錯体含有量を表1に示す。
(実施例15〜21)有機発光素子の作製、評価25mm角のガラス基板の一方の面に、陽極となる幅4mmの2本のITO電極がストライプ状に形成されたITO(酸化インジウム錫)付き基板(ニッポ電機、Nippo Electric Co., LTD.)を用いて有機発光素子を作製した。はじめに、上記ITO付き基板のITO(陽極)上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸(バイエル社製、商品名「バイトロンP」)をスピンコート法により、回転数3500rpm、塗布時間40秒の条件で塗布した後、真空乾燥器で減圧下、60℃で2時間乾燥を行い、陽極バッファ層を形成した。得られた陽極バッファ層の膜厚は約50nmであった。次に、発光材料、電子輸送材料を含む層を形成するための塗布溶液を調製した。表2に示す発光材料を21.0mg、電子輸送材料として2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert―ブチルフェニ
ル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)(東京化成工業製)9.0mgをクロロホルム(和光純薬工業製、特級)2970mgに溶解し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過して塗布溶液とした。次に、陽極バッファ層上に、調製した塗布溶液をスピンコート法により、回転数3000rpm、塗布時間30秒の条件で塗布し、室温(25℃)にて30分間乾燥することにより、発光材料、電子輸送材料を含む層を形成した。得られた発光材料、電子輸送材料を含む層の膜厚は約100nmであった。次に発光材料、電子輸送材料を含む層を形成した基板を蒸着装置内に載置し、銀、マグネシウムを重量比1:10の割合で共蒸着し、ストライプ状に配列された幅3mmの2本の陰極を陽極の延在方向に対して直交するように形成した。得られた陰極の膜厚は約50nmであった。最後に、アルゴン雰囲気中において、陽極と陰極とにリード線(配線)を取り付けて、縦4mm×横3mmの有機発光素子を4個作製した。(株)アドバンテスト社製
プログラマブル直流電圧/電流源 TR6143を用いて上記有機EL素子に電圧を印加し発光させ、その発光輝度を(株)トプコン社製 輝度計 BM−8を用いて測定した。その結果、発光開始電圧、20Vでの初期輝度は表2の如くなった(各発光材料を用いた素子4個の平均)。


本発明の有機発光素子の断面図の例である。
符号の説明
1 ガラス基板
2 陽極
3 ホール輸送層
4 発光層
5 電子輸送層
6 陰極

Claims (1)

  1. 式(17)で示される化合物。
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