JP4467673B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体の生体情報(医用診断情報)をその被検体の画像データから得る、いわゆる生体計測を行うことができる超音波診断装置に係り、とくに、生体情報を得る範囲を指定するためにROI(関心領域)を画像上に設定することを必須とする超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検体の医用画像を得るモダリティの1つとして、超音波診断装置が長年に渡り多用されている。とくに近年では、被検体の断層像の輝度画像や血流画像など種々の形態の超音波画像が豊富に得られており、この超音波画像を用いて画像診断を行うときに、その画像情報の定量計測に対する重要性が増してきている。この計測項目には例えば、生体の血流情報、画像信号強度(輝度)、面積、容積など、種々のものがある。
【0003】
被検体の機能評価を行うには、それら計測項目の時間変化を観測することが多い。そのような場合、画像全体を計測対象とすることは殆どなく、画像上の関心のある特定領域を指示して、この特定領域の生体情報の時間変化を観測・計測している。この特定領域を指示するには、通常、画像上にROI(region of interest:関心領域)が用いられる。このROIは、所望の面積を呈する閉曲線で指定されるが、一般的には操作の簡便さの観点から所望サイズの円や楕円を代替的に用いることが多い。
【0004】
このようにして求めた時間変化曲線はモニタに表示され、装置に持たせた解析機能を用いて特徴量を計測するのが普通である。特徴量としては計測項目に応じて種々の量が演算される。例えば、特開平7−059781号公報に記載されているように、計測項目が輝度の時間変化曲線(Time Intensity Curve)である場合、特徴量は、その曲線ピークまでの時間、最大輝度、最大傾きなどである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の超音波診断装置にあっては、ROIの設定に関して以下のような種々の問題があった。
【0006】
まず、画像上に設定したROI内に目的とする成分以外の不要な成分(領域)が含まれていると、当然のことながら正確な生体計測を行うことはできない。例えば、造影剤が投与された組織血流の輝度情報(平均輝度、輝度分布など)を計測する場合、求めたいのはパフュージョンの情報である。しかし、ROIで囲んだ閉領域の内部に細動脈などの血流が含まれてしまうと、かかる血流からの信号成分がパフュージョン情報に入り込んでしまい、組織のみのパフュージョン情報を正確に得ることができなくなる。
【0007】
この目的外の不要成分(領域)の入り込みを阻止するには、目的成分(領域)のみを手動トレースによる複雑な形状のROIで囲む手法も想定されるが、手動トレースは操作上の手間が掛かり、またその操作に熟練を要する。そもそも、目的成分と不要成分との境界を画面上で見分けることさえ困難なことも多い。したがって、境界が不明瞭な場合、操作の手間などはいよいよ増大し、診断能率の低下を余儀なくされる一方で、計測結果の信頼性にも疑問が残る。
【0008】
一方、生体計測の中には計測項目の時間変化曲線を解析する必要があるものもあるが、そのような計測の場合、時間変化曲線の値が最大になる時間(時間軸上の位置)を指定する必要があることが殆どである。しかし、曲線が複雑に変化して最大位置が判然としなかったり、最大位置の候補がいくつも在ったりすると、その最大値を特定することは非常な困難を伴う。グラフ曲線を参照しながら、何度も計測を繰り返さなければならないなどの事態も生じる。また、このような事態に至ると、患者の精神的、体力的負担やオペレータの操作上の労力も大きくなるとともに、計測の信頼性も揺らいでしまう。
【0009】
本発明は、上述した従来のROI使用法の問題に鑑みてなされたもので、簡便な操作を維持して、不要な成分(領域)を確実に排除したROIを設定することができる超音波診断装置を提供することを、第1の目的とする。
【0010】
また本発明は、画像上にROIを設定することで計測した所望量の時間変化曲線の形状が複雑であっても、その最大値を容易に且つ高精度に指定でき、その時間変化曲線の解析が必要な生体計測を確実に行うことができる超音波診断装置を提供することを、第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の一つの態様に係る超音波診断装置は、被検体を超音波ビームで走査することにより画像データを収集する画像収集手段と、前記画像データを表示する表示手段と、オペレータの操作に基づいて前記表示手段に表示された画像上に第1のROI(関心領域)を設定する第1のROI設定手段と、前記第1のROI内で予め設定された所定の条件を満たす領域を第2のROIとして設定する第2のROI設定手段と、前記第1のROI内であり、かつ、前記第2のROI外の領域に含まれる画素のデータに基づき生体計測処理を行って計測値を求める計測手段と、を備え、前記計測手段は、前記第1のROI内であり、かつ、前記第2のROI外の領域に含まれる画素のデータに基づいて所望量の時間変化波形のデータを計測する計測手段と、前記所望量の時間変化波形を微分した時間変化波形を演算する微分波形演算手段と、前記微分された時間変化波形から前記所望量の時間変化波形の変曲点または最大傾きを呈する時間位置を特定する特定手段と、を備えたことを特徴とする。例えば、前記第1のROI内であり、かつ、前記第2のROI外の領域は、前記画像上の血管を殆ど含まない領域であり、前記第1のROI内であり、かつ、前記第2のROI内の領域は、前記血管を含む領域である。
【0016】
前記血管を含む領域を計測対象から除外することで、ROI内に含まれる不要信号(成分)を除去することができ、生体計測の表示グラフ上で時間位置を精度良く且つ簡便に指定できる。
【0018】
好適には、前記表示手段は、前記所望量の時間変化波形と前記微分された時間変化波形とを同一モニタの画面上に表示する手段である。
【0019】
また、前記表示手段は、前記所望量の時間変化波形と前記微分された時間変化波形とをその時間軸の整合をとって表示する手段であり、前記特定手段は、前記所望量の時間変化波形と前記微分された時間変化波形の両方のカーソルバーを前記時間位置に応じて連動して移動させる手段であることも好適な構成例である。
【0020】
さらに、前記特定手段は、前記所望量の時間変化波形の最大値を呈する時間位置を特定する手段であり、前記微分波形演算手段は、前記所望量の時間変化波形の1次微分の時間変化波形を演算する手段であってもよい。
【0021】
さらにまた、前記特定手段は、前記所望量の時間変化波形の最大傾きを呈する時間位置を特定する手段であり、前記微分波形演算手段は、前記所望量の時間変化波形の1次微分および2次微分の時間変化波形を演算する手段であってもよい。この場合、所望量の時間変化波形は、一例として、前記被検体に超音波造影剤を注入して計測される輝度値の時間変化波形である。
【0022】
さらに、好適な構成例として、前記計測手段は、前記時間位置の情報に関連する特徴量を含む、前記所望量の時間変化波形の特徴量を演算する特徴量演算手段を備える例が挙げられる。
【0023】
これにより、所望量の時間変化曲線に加え、その微分曲線が演算・表示されるので、最初に得た所望量の時間変化曲線においてその最大値や最大傾きを呈する時間位置を正確に且つ自動的に特定できる。この結果、種々の生体計測をより簡単に且つ精度良く行うことができる。この計測項目としては、血流情報、超音波反射強度(輝度)、面積、容積など、種々のものがある。また、微分曲線によって、臨床上、有用な新たなデータを提供することもできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0028】
<第1の実施形態>
第1の実施形態に係る超音波診断装置を図1〜4に基づき説明する。
【0030】
図1に示す超音波診断装置は、超音波信号と電気信号の間で双方向に信号変換可能な超音波プローブ1と、この超音波プローブ1に接続された送信系回路2および受信系回路3、この受信系回路3の出力側に装備された画像データおよび生体計測情報の処理・演算系回路4、この処理・演算系回路4の出力側に装備された表示系回路5、および装置全体の演算および処理の動作を制御する制御系回路6とを備える。
【0031】
超音波プローブ1(以下、単に「プローブ」という)は、その先端に配置されたアレイ型圧電振動子を備える。アレイ型振動子は複数の圧電素子を並列に配置し、その配置方向を走査方向としたもので、複数の圧電素子それぞれが送受信の各チャンネルを形成する。
【0032】
送信系回路2は、図示していないが、基準レートパルスを発生するパルス発生器と、このパルス発生器から出力された基準レートパルスをチャンネル毎に遅延して駆動パルスを発生させる送信回路とを備える。送信回路から出力されたチャンネル毎の駆動パルスは、プローブ1の複数の振動子のそれぞれに供給される。駆動パルスの送信遅延時間は各チャンネル毎に制御され、レート周波数毎に繰返し供給される。駆動パルスの供給に応答して各振動子から超音波パルスが出射される。この超音波パルスは被検体内を伝搬しながら、制御された送信遅延時間に因り送信ビームを形成し、音響インピーダンスの異なる境界面でその一部を反射してエコー信号を形成する。戻ってきたエコー信号の一部または全部は1つまたは複数の振動子で受信され、対応する電気信号に変換される。
【0033】
受信系回路3は、図示していないが、プローブ1の各振動子に接続されたチャンネル毎のプリアンプと、このプリアンプのそれぞれに接続された遅延時間変更可能な遅延回路と、その遅延回路の遅延出力を加算する加算器とを備える。このため、プローブ1により受信されたエコー信号は、その対応する電気量のアナログ信号が受信系回路3に取り込まれ、チャンネル毎に増幅された後、受信フォーカスのために遅延制御され、加算される。これにより、受信遅延時間の制御に応じて決まるフォーカス点を有する受信ビームが演算上で形成され、所望の指向性が得られる。
【0034】
受信系回路3の出力端は、処理・演算系回路4内のBモード処理回路11、CFMモード処理回路12、およびPWDモード処理回路13に並列に接続されている。これらの処理回路11〜13は処理・演算系回路4の一部の構成要素を成す。処理・演算系回路4は、かかる画像データの取得モード別の処理回路11〜13の出力側に装備したデジタルスキャンコンバータ(DSC)16、イメージメモリユニット17、演算計測器18、およびROI発生器19を備える。
【0035】
この内、Bモード処理回路11はBモードの白黒の断層像データの作成を担うもので、図示していないが、対数増幅器、包絡線検波器、およびA/D変換器を備えている。このため、受信系回路3で整相加算されたエコー信号は対数増幅器で対数的に圧縮増幅され、その増幅信号の包絡線が包絡線検波器で検波され、さらにA/D変換器でデジタル信号に変換されてBモード画像データとして出力される。
【0036】
CFMモード処理器12は、カラーフローマッピング(CFM:カラードプラ断層法の一種)のモードを担うユニットで、2次元的に血流情報の検出を行う従来周知の回路で構成される。このCFMモード処理器12は具体的には、図示してはいないが、直交位相検波器、A/D変換器、MTIフィルタ、および自己相関器を備えるとともに、この自己相関出力に基づく演算を行う平均速度演算器、分散演算器、パワー演算器を備える。受信エコー信号から直交位相検波器によりドプラ信号が検出され、そのドプラ信号はA/D変換器によりデジタルデータに変換された後、MTIフィルタのフレームメモリに一次的に記憶される。
【0037】
CFMモードでは、血流情報を得るために、同一断面が複数回、超音波スキャンされるから、そのフレームメモリにはビームスキャン方向、超音波ビーム方向、スキャン回数方向の3つの次元を有するドプラデータが格納される。MTIフィルタには、フレームメモリの読出し側にハイパスフィルタを備えている。このため、3つの次元を有する画像データの内、各ピクセル位置に対応したスキャン回数方向の複数個のドプラデータ列それぞれに対して組織エコーのドプラ成分を除去して血流エコーのドプラ成分が良好に抽出される。
【0038】
ハイパスフィルタリングされたドプラデータ列は自己演算器でそのデータ列の平均ドプラ周波数が解析される。この平均ドプラ周波数に基づき、平均速度演算器でスキャン断面の各サンプル点の血流平均速度を、分散演算器で血流速度分布の分散値を、さらにパワー演算器で血流からのエコー信号のパワー値をそれぞれ演算している。これらの演算情報はカラードプラ情報として出力される。
【0039】
さらに、PWDモード処理回路13はパルスドプラ(PWD)法に基づいてドプラスペクトラムデータを生成する機能を担う。具体的には、直交位相検波器、サンプルホールド回路、帯域フィルタ、A/D変換器、FFTなどを備える。これにより、スキャン断面上に設定されたサンプリング位置のドプラスペクトラムが演算され、そのスペクトラム情報が画像データとして出力される。サンプリング位置は、制御系回路6からROI位置情報として与えられる。
【0040】
この画像診断装置を兼ねる超音波診断装置では、その動作モードとして、Bモード、CFMモード、および/またはPWDモードの通常の超音波画像表示を行わせる「通常表示モード」、および、超音波スキャンに拠る画像データを一次的に記憶し、この記憶した画像データを元にして生体情報を計測する「計測モード」が用意されている。
【0041】
DSC16はフレームメモリ16aを備えており、このフレームメモリ16aへの書込みおよび読出しを制御することでスキャン方式を変更するようになっている。
【0042】
イメージメモリユニット17は、複数フレーム分の画像データを1次的に記憶可能なメモリを備えており、後述する制御系回路6からの制御信号に呼応してその画像データの書込みおよび読出しをできるようになっている。
【0043】
演算計測器18は例えば専用のプロセッサを有して構成される。この演算計測器18は、イメージメモリユニット17から読み出した画像データ、並びに、制御系回路6から供給される計測制御信号およびROI設定信号を受ける。この演算計測器18は、計測制御信号から生体計測の種別を判断し、その種別の計測を1フレーム毎又は複数フレーム毎に行う。この計測対象は、指定されたROI範囲内の、後述する所望の分割領域の画像データである。この計測データは後述するフレーム合成器に送られる。
【0044】
ここで言う「計測」とは、血流速度情報、生体内組織の形態を表す超音波散乱強度(輝度)情報に基づく種々の生体の診断情報(生体情報)の計測を指す。生体情報としては例えば、距離、面積、容積、速度、血流量、輝度値などがある。計測の種類によっては、それらの生体情報を時間変化曲線として計測するものがある。代表的な時間変化曲線としては、輝度値の時間変化曲線(TIC)や、画像上のある位置での速度の時間変化曲線(PWD法)である。
【0045】
さらにROI設定器19には、オペレータから制御系回路6を通してROI設定信号が供給される。この供給に応答して、ROI設定器19は、表示画像上に設定したいROIのグラフィックデータをROI設定信号に応じて発生する。このグラフィックデータは後述するフレーム合成器に送られる。
【0046】
一方、表示系回路5はフレーム合成器31および表示ユニット32を備える。フレーム合成器31は、ROI発生器19から送られてくるROIのグラフィックデータと演算計測器18から送られてくる計測データ(グラフィックデータ)とを画面上の各指定位置に表示可能なフレームデータに変換する。さらに、このフレーム合成器31は、そのフレームデータとDSC16から供給される画像データとをピクセル毎に合成し、画像データにグラフィックデータが重畳した画像データを形成する。この画像データは表示ユニット32に送られ、カラー処理され、さらにアナログデータに変換されて、同ユニット内のカラーモニタに表示される。
【0047】
最後に、制御系回路6の構成を説明する。制御系回路6は、装置全体の制御/処理の中枢としてのCPU(コントローラ)41、および、検査者が必要な情報を与えるコンソール42を備える。CPU41はコンソール42(操作者)とインターラクフィブに通信を行い、必要な情報を集める。この情報には、送受信に関わる遅延制御に関する指令信号のほか、画像上に設定するROIの設定信号、生体計測の種別を表す信号などが含まれる。このCPU41により実行される計測制御に関する処理の一例を図2に示す。
【0048】
コンソール42はここでは、キーボードKY、マウスMU、メモリスタートボタンMR、および計測開始ボタンMSなどを備える。キーボードKYやマウスMUは主に、ROIの形状や大きさ、生体計測情報の種別などを入力に使われる。はイメージメモリユニット17への画像データの書込み指示用に、および計測開始ボタンMSは演算計測器18への生体計測開始の指示用にそれぞれ設置されている。
【0049】
続いて、この超音波診断装置の動作を説明する。CPU41は図2に概略的に記載の処理を実行する。
【0050】
まず、CPU41は図2の処理を開始すると、まず、動作モードを検査者の操作情報から判断する(図2のステップS1)。この判断の結果、動作モードが 「通常表示モード」である場合、本超音波診断装置は通常の超音波イメージング装置として動作する。操作者はコンソール42の例えばキーボードKYから「通常表示モード」であって、所望のスキャンモードを指令することで、この通常表示モードの動作になる。この指令に応答し、CPU41は各ユニットに制御信号を送り、例えばBモードまたはCFMモードで動作させる。
【0051】
具体的には、CPU41からの遅延時間制御に基づいて、送信系回路2はプローブ1を駆動し、超音波ビームによる例えば電子セクタスキャンを実行させる。このスキャンにより得られた被検体内部からのエコー信号は再びプローブ1を介して電気量の信号として受信系回路3に入力する。エコー信号は受信系回路3でCPU41からの遅延時間制御により受信フォーカスが掛けられた後、各モードの処理回路11〜13に送られる。
【0052】
前述した各処理回路の構成およびその機能により、Bモード処理回路11では前述した構成および機能により超音波散乱強度のBモード断層像データが生成される。CFMモード処理回路12ではスキャン断面の血流の2次元分布像データが生成される。
【0053】
これらの画像データはDSC16に供給される。検査者はCPU41を介して観測したいスキャンモードをDSC16に指令している。これにより、DSC16はスキャンモードを認識し、そのモードの画像データのスキャン方式を超音波方式から標準TV方式に変更すると共に、スキャンモードに合わせた画像合成を行う。この画像は表示ユニット32のモニタで表示される。この結果、Bモード単独の画像、またはBモード断層像を背景像とした血流分布像が表示される。
【0054】
一方、図2の処理に戻って、そのステップS1での判断が動作モード=「計測モード」となる場合、本実施形態の超音波診断装置が動作することになる。
【0055】
この計測モードに入ると、CPU41は、その時点で表示されている画像をフリーズする指令をDSC16に送る(ステップS2)。この結果、DSC16はかかる指令を受けた時点でメモリ16aに記憶していた画像データを出力し続けるので、表示ユニット32のモニタに表示される画像がフリーズされる。したがって、検査者が表示画面を見ながら手動でROI(関心領域)を設定するときの、作業が容易化される。場合によっては、このフリーズ処理を省略することもできる。
【0056】
CPU41は続いて、コンソール42からの検査者の操作信号を読み込み、操作信号に対応したROI設定信号をROI設定器19および演算計測器18に送る(ステップS3)。表示ユニット32のモニタの画面上にROIが設定される(図3(a)参照)。検査者は、このROIを適宜に移動させながら所望の計測部位を決めるので、ステップS3の処理は、その設定完了を示す確定信号がコンソール42を通じて受けとるまで続けられる(ステップS4)。これにより、表示ユニット32のモニタの画面上に所望の位置、大きさ、および形状のROIが例えば図3(a)に示す如く設定される。同時に、このROIの位置、大きさ、および形状の情報は演算計測器18にも生体計測のために送られている。
【0057】
ここで使用するROIは、手動設定であることを考慮して、円形、三角形、四角形、または楕円程度の、形状が比較的簡単なものである。このROI形状はコンソール42に予め設定し記憶させておくことで、その操作はより容易になる。これにより、生体計測を行う領域指定の簡素化が依然として維持される。
【0058】
CPU41はさらに、その時点でイメージメモリユニット17のメモリ回路に格納されている画像データを、そのユニット1bから演算計測器18の読み出す指令をイメージングメモリユニット17および演算計測器18に送る(ステップS5)。これにより、イメージングメモリユニット17から演算計測器18の内部メモリに画像データが転送される。
【0059】
CPU41はさらに、設定したROIの分割処理を演算計測器18に指令する(ステップS6)。この分割処理は本発明の特徴の一つを成すものである。いま、CFMモードによって得た断層画像上に、図3(a)のように円形のROIが設定されており、このROI内に実質部と血管とのように、医学的に異なる性質の領域が混在しているとする(図3(b)参照)。この状態で、生体計測の1つとして、超音波造影剤が注入された実質部領域の輝度値の時間変化を計測する場合、ROI全体を計測対象としたのでは細動脈のような血管が計測対象に入ってしまう。この血管からのエコー信号値は実質部のそれとは大幅に異なるので、精度の高い時間変化曲線のデータを得ることはできない。
【0060】
そこで、この実施形態では上述のように、ROIを実質部と血管部との2つの領域に分割する処理を行う。この分割処理は一例として、画素値の2値化処理で行う。画素値の所望のしきい値を設定し、ROIを構成する各画素の値をこのしきい値で弁別する。例えば、造影剤注入の場合には、しきい値よりも小さい画素値の画素は実質部の領域に、しきい値以上の画素値の画素は血管部の領域にそれぞれ弁別する。この弁別をROI内の全部の画素について行うことで、図3(c)に示す如く、ROI内の領域を血管部領域Aおよび実質部領域Bに分割できる。血管部領域Aは、細動脈のような血管に沿ったモザイク状の領域として分割され、残りが実質部領域Bになる。
【0061】
なお、このROI分割処理は上述した2値化処理に限定されるものでなく、種々の変形処理を行ってもよい。例えば、血管部の輪郭を抽出し、その内部を血管部領域とするとともに、残りの領域を実質部領域としてもよい。さらに、CFMモードの血流分布像データを用い、血流の有無によって領域分割してもよい。また、血流分布像をマスク像として用い、このマスク像の領域を血管部領域、それ以外の領域を実質部領域に設定してもよい。
【0062】
このようにROIの分割処理が終わると、CPU41は演算計測器18に対して所望の分割領域に対する生体計測を指令し(ステップS7)、その計測結果をフレーム合成器31に出力するように指令する(ステップS8)。例えば、所望の分割領域は図3(c)における実質部領域Bであり、生体計測は実質部領域Bの輝度値の時間変化曲線(TIC)である。演算計測部18は、ROI内で分割された実質部領域Bのみに対して輝度値の時間変化曲線のデータを計測する。
【0063】
以上の計測に関わる処理は計測終了の指令があるまで、あるいは一定時間の間継続される。
【0064】
このため、時間(フレーム)の経過に伴って、実質部領域Bにおける輝度値の時間変化曲線が図4に示す如くモニタに表示される。
【0065】
以上のように、本実施形態によれば、ROIを分割して得た所望領域(上述の場合は実質部領域)のみについて生体計測を行うことができる。この所望領域には不要な成分(上述の場合は血管部からのエコー信号)が入っていない、または殆ど入っていないため、生体計測の結果は、所望の成分(実質部)からのエコー信号のみを反映したものであり、信頼性の高い計測を提供できる。したがって、例えば、この計測結果を正常部位の参照用として使用するときに、その信頼性は確かなものになる。肝臓内の癌化した部位についての計測結果と、そのようにして得た参照結果を比較することで、癌化程度の判断の精度が向上する。
【0066】
この参照部位は通常、組織上の部位に定め、しかも、なるべく癌化部位に近い位置に設定したいのが常である。そのような場合に参照部位として設定するROI内にどうしても細動脈などの血管が入ってしまうことを避けられないことが頻発する。とくに、ROIの設定の手間を簡略化するために簡単の形状のROIを使用する場合、かかる傾向は顕著になる。しかし、本実施形態によれば、そのようなときにも、ROIの形状は簡単でありながら、ROIを分割した小領域ROIの設定により、そのような血管部を除いた部位のみを計測対象にすることができる。したがって、計測結果を格段に向上させることができる。
【0067】
なお、上述した実施形態にあっては、ROIを分割してできた複数の小領域の内の所望の小領域1つについて生体計測することを説明した。これについては、必要があれば、全部の小領域に対して、または選択した複数個の小領域に対して個別に生体計測を行って、診断情報の豊富化を図るようにしてもよい。本発明は、1つのROIを分割して得た複数の小領域の少なくとも1つについて領域毎に生体計測を独立して行うことを要旨とする。
【0068】
また、上述した実施形態は、ROI設定部位を参照部位として使用することを前提として、実質部と血管部とに弁別する手法を掲げたが、本発明のROI分割の対象はこれに限定されるものではない。例えば、図5(a)に示すように、設定したROI内に腫瘍を含む場合にも適用できる。この場合には、同図(b)に示す如く、例えば画素の2値化処理により、腫瘍領域Aと非腫瘍領域Bとに分割し、各領域毎に所望の計測を一度に並行して行うことができる。この両領域を並行して計測する場合に得られる、2つの輝度値の時間変化曲線A,Bの様子を図6に模式的に示す。両領域の計測結果が別々に表示されて、比較する上で非常に都合が良い。
【0069】
さらに、本発明の要旨に含まれるROI分割の変形例を図7および図8に基づき説明する。
【0070】
図7に示す変形例は、肝臓の画像上にて、腫瘍とほぼ同一深さで、その近傍に設定される参照部位としてのROIの分割処理を示す。この処理は、図2のステップS6にて、検査者からのインターラクティブな指令を入力するCPU41の制御の元、演算計測器18により実行される。ベースROIとして円形ROIを使用し、これを肝臓実質部上の所望位置に置く。この円形ROIに血管BDが含まれる場合、検査者はコンソール42から楕円状ROI:ROIshadを指令する。CPU41はこの指令に応答して楕円状ROI:ROIshadを円形ROI上に重ねて置く。この楕円状ROIは血管BDを覆い隠すように、その位置およびサイズが調整される。この円形ROIおよび楕円ROIの情報は演算計測器18にも送られているから、演算計測器18はそれらのROIの最終的な位置、サイズの情報を認識できる。したがって、それらのROIが重なっていない部分が血管以外の実質部を表す参照領域となる。この変形例によれば、簡単な形状のROIを2種類用いてそれらの位置およびサイズを調整し、それらの論理和に対応した領域を演算するだけでよい。ベースとなる円形ROI内の論理和に対応した部分が前述した参照用の分割領域となり、簡単な演算で済むという利点がある。
【0071】
図8に示す変形例は、図7の例と同様の趣旨であるが、ベースとなる円形ROIに重ねる楕円状ROIがROIshad−1およびROIshad−2の2つであることを特徴とする。この2つの楕円状ROIを使って、より精細に血管BD1、BD2を覆い隠すことができる。
【0072】
この血管を覆い隠すROIの形状は、楕円状に代えて、長尺状など、ほかの形状であってもよい。また、その数も1または2個に限定されず、3個以上のROIを用いてもよい。さらに、ベースROIの形状の円形に限定されず、角形など、ほかの形状のものを採用することも可能である。
【0073】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る超音波診断装置を図9〜10に基づき説明する。
【0074】
この超音波診断装置は、PWDモードにおけるドプラスペクトラム計測に、本発明に係る特徴を有する。この特徴を達成するため、CPU41からの制御指令に基づいて、装置各部は図9に概略示す処理を行う。
【0075】
CPU41は、操作情報に基づいて動作モードを判断する(ステップS11)。動作モードがドプラスペクトラム計測ならば、ステップS12以降の処理に入る。CPU41は前述と同様に、表示画像をフリーズし(ステップS12)、一例としてのBモード断層像上の所望位置にその位置を示すROIを設定する(ステップS13,S14および図10(a)参照)。
【0076】
このサンプル点を示すROIが設定されると、CPU41はそのROI位置の速度データの計測指令をPWDモード処理回路13に送るとともに、その表示指令を各部に送る(ステップS15)。これにより、指定ROI位置の血流などの対象体の運動に係る速度データがPWD法により計測されるとともに、図10 (b)に示す如く表示される。この速度データはDCS16を介してイメージメモリユニット17にも格納される。
【0077】
そこで、CPU41はその速度データの解析処理の指令を演算計測器18に送る(ステップS16)。この解析処理には、以下に説明するように本発明に関わる速度の時間変化曲線の微分処理が含まれる。
【0078】
この解析指令に応答して、演算計測器18はステップS16a〜S16fに概略示す処理を順に実行する。まず、イメージメモリユニット17から速度データを読み出す(ステップS16a)、次いで、速度データvの1階微分処理を実行する(ステップS16b)。この微分データv′は、対象体の運動角速度のデータに相当する。この微分データv′は図10(c)に示す如く、同一画面上で速度データvの変化曲線の下方に表示される(ステップS16c)。この表示の際、速度データvの時間変化曲線とその微分データv′の時間変化曲線のグラフは共に横軸時間軸の時相を整合させて表示される。
【0079】
さらに微分データv′の時間変化曲線が速度=零の横軸を横切る時間位置を特定し、この時間位置を速度データvの最大値の位置として認識する(ステップS16d)。次いで、両データv、v′に時間変化曲線に共通のバーカーソル(計測マーカ)の位置を、速度データvの最大値となる時間位置まで自動的に移動させる(ステップS16e)。この移動処理は、最大値の認識結果を一度、CPU41に送り返し、CPU41がその位置を改めてROI発生器19に指令することで行われる。
【0080】
このように表示が済むと、演算計測器18は、自動的に位置制御されるバーカーソル(計測マーカ)の位置から速度の時間変化曲線(ドプラスペクトラム)の最大値や曲線の最大傾きなど、各種の特徴量を演算し、それらを画像と合わせて表示する(ステップS16f)。
【0081】
このドプラスペクトラム計測は、さらに別のサンプル位置が指定されると、これについても上述と同様に行われる(ステップS17)。
【0082】
従来では、表示されたドプラスペクトラム(速度波形データ)が最大値をとる時間位置を手動でバーカーソルを移動して指定する必要があったが、この場合に、表示波形の形状に拠っては最大値が明瞭でない場合があった。このようなときに、本実施形態によれば、速度波形の1次微分を自動的に演算するので、速度波形が最大値をとる時間位置を容易に且つ正確に検出することができる。しかも、バーカーソルを移動させて、その時間位置、つまり最大値位置を自動的に指示するので、最大値位置の指定操作が格段に効率化される。
【0083】
同時に、1次微分した加速度データに対応する時間変化波形を速度の時間変化波形と同一の画面に表示するようにしたため、従来から得ていた速度情報に加え、この加速度の時間変化波形を新たな臨床情報として提供することもできる。
【0084】
なお、上述した微分演算はn次(n≧1)まで行ってもよい。
【0085】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る超音波診断装置を図11〜12に基づき説明する。
【0086】
この超音波診断装置は、被検体に造影剤を注入しながら行う輝度値の時間変化曲線(TIC)の計測に、本発明に係る特徴を有する。この特徴を達成するため、CPU41からの制御指令に基づき、装置各部は、第2の実施形態で説明した図9に示すと同様の処理を行う。
【0087】
CPU41は、操作情報に基づいて動作モードを判断し、TIC計測ならば、表示画像のフリーズ、ROI設定に入る。このROI設定のとき、第1の実施形態のときと同様に、例えば円形ROIを使用し、そのROI領域を不要な成分が含まれない小領域と不要成分が含まれる小領域に分割し、前者の小領域を正式なROIとして使用することが望ましい(図2のステップS6参照)。
【0088】
この後、CPU41は、設定したROI位置の所定時間の経過に伴う輝度値の変化データをBモード処理回路11を介して収集させ、表示させる。この輝度値の時間変化曲線の例を図11(a)に示す。
【0089】
さらにCPU41は、収集した輝度値の時間変化データの処理を演算計測器18に指令する。この指令に呼応して、演算計測器18はイメージメモリユニット17から輝度値の時間変化データを読み出し、その1次微分および2次微分、またはその1次微分のみのデータを演算し、表示する(図11(b),(c)、または(b)参照)。次いで、演算計測器18は、それらの1次微分および2次微分の両曲線の内、1次微分曲線が最大値をとり且つ2微分曲線が零となる位置、すなわち輝度値の時間変化曲線が最大傾きを呈する時間位置、または、1次微分曲線が最大値をとる時間位置を特定する。次いで、各表示曲線において、この演算した時間位置に合わせてバーカーソルBCを移動させる。これにより、図11(a)〜(c)、または、同図(a)〜(b)においてバーカーソルBCが連動して移動する。次いで、検査者の手動操作に応答して演算計測器18が動作し、輝度値変化曲線の最大傾きに関連した特徴量およびその他の特徴量を演算して表示する(図12参照)。
【0090】
以上のように、造影剤の患部(ROI位置)への流入状態を定量化するのにTIC計測を好適に使用できる。具体的には、TIC曲線での流入の傾きは血流量(造影剤)に相関することが知られており、TIC曲線の最大傾きが重要なファクタになる。この最大傾きの特定は、殆どの場合、曲線の最大値を特定するよりも困難である。
【0091】
しかし、この実施形態によれば、TIC曲線の微分曲線を求めることで最大傾きを自動的に特定し、その特定位置に自動的にバーカーソルを移動させている。このため、最大傾きを簡単に且つ正確に求めることができる。これに要する操作も自動化されるので、操作能率にも優れている。TIC波形が複雑で、微分次数も1次微分で足らなければ、2次微分まで演算してより正確に最大傾きを特定できる。一般に、n次微分(n≧1)を演算して最大傾きを特定してよい。
【0092】
また、TIC曲線とその他の曲線との間で、時間軸の時間値が整合し且つバーカーソルが連動するので、曲線間の相互関連を容易に視認することもできる。
【0093】
さらに、TIC曲線の微分曲線は、TIC計測結果とは異なる物理情報を提供できるので、造影剤流入に関して提供できる診断情報も一層、豊富化される。
【0094】
なお、上述した第3の実施形態は、TIC曲線から手動で種々の特徴量を計測する例を示したが、これらの特徴量を自動的に演算させる場合にも有用である。すなわち、自動的に特徴量を演算する場合、ノイズや体動に因り、求めたい最大傾値の位置とは違う位置が検出されることがある。しかし、このように微分曲線が表示されていると、曲線間の対比観察により、自動計測が正確に行われたかどうかを明瞭に判断できるし、また手動で修正(再計測)することもでき、利便性に優れている。
【0095】
またなお、上述した第3の実施形態において、TIC曲線が最大値をとる時間位置を第2の実施形態と同様に、微分曲線を演算して特定することもできる。
【0096】
なお、上述した各実施形態の超音波診断装置の機能は、他のモダリティに組み込んでもよく、また一度、収集した画像データを再処理する専用の装置として実施してもよい。
【0097】
本発明は上述した各実施形態またはその変形例のみに基づく技術思想に限定されるものではなく、当業者ならば、特許請求の範囲に記載の本発明の要旨を逸脱しない範囲において、さらに種々に形態に変形でき、それらの変形形態も本発明の範囲に含まれるものである。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る超音波診断装置によれば、画面上に設定したROIを分割して不要成分が含まない小領域を求め、この小領域に対して生体計測を実施するので、ROI形状を簡単なものにして、簡便な操作を維持する一方で、不要な成分(領域)を確実に排除したROIを設定して、より精度の高い生体計測を行うことができる。
【0099】
また、本発明に係る超音波診断装置によれば、生体計測に関する所望量の時間変化波形を微分し、その微分波形を用いて所望量の時間変化波形の最大値や最大傾きを呈する時間位置を特定するようにしたため、画像上にROIを設定することで計測した所望量の時間変化曲線の形状が複雑であっても、その最大値を容易に且つ高精度に指定でき、その時間変化曲線の解析が必要な生体計測を確実に且つ精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像診断装置を機能的に搭載した超音波診断装置のブロック図。
【図2】第1の実施形態においてCPUにより指令される、ROI分割処理を中心としたフローチャート。
【図3】ROI分割処理を説明する図。
【図4】ROIを分割して得た小領域での生体計測の曲線の例を示す図。
【図5】ROI分割処理の別の例を示す図。
【図6】図5の処理例に係る生体計測の曲線の例を示す図。
【図7】ROI分割処理のさらに別の例を示す図。
【図8】ROI分割処理のさらに別の例を示す図。
【図9】第2の実施形態においてCPUおよび演算計測器を中心として処理される、微分演算を用いたPWD曲線の最大値の時間位置を特定する処理を含むフローチャート。
【図10】微分曲線の表示を含む画面の例を示す図。
【図11】第3の実施形態においてCPUおよび演算計測器を中心として処理される、微分演算を用いたTIC曲線の最大傾きの時間位置を特定するときの微分曲線の表示例を示す図。
【図12】TIC曲線から求める特徴量の例を説明する図。
【符号の説明】
1 超音波プローブ
2 送信系回路
3 受信系回路
4 処理・演算系回路
5 表示系回路
6 制御系回路
11〜13 処理回路
16 DSC
17 イメージメモリユニット
18 演算計測器
19 ROI発生器
32 表示ユニット
41 CPU
42 コンソール
Claims (8)
- 被検体を超音波ビームで走査することにより画像データを収集する画像収集手段と、
前記画像データを表示する表示手段と、
オペレータの操作に基づいて前記表示手段に表示された画像上に第1のROI(関心領域)を設定する第1のROI設定手段と、
前記第1のROI内で予め設定された所定の条件を満たす領域を第2のROIとして設定する第2のROI設定手段と、
前記第1のROI内であり、かつ、前記第2のROI外の領域に含まれる画素のデータに基づき生体計測処理を行って計測値を求める計測手段と、を備え、
前記計測手段は、
前記第1のROI内であり、かつ、前記第2のROI外の領域に含まれる画素のデータに基づいて所望量の時間変化波形のデータを計測する計測手段と、
前記所望量の時間変化波形を微分した時間変化波形を演算する微分波形演算手段と、
前記微分された時間変化波形から前記所望量の時間変化波形の変曲点または最大傾きを呈する時間位置を特定する特定手段と、
を備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の発明において、
前記第1のROI内であり、かつ、前記第2のROI外の領域は、前記画像上の血管を殆ど含まない領域であり、前記第1のROI内であり、かつ、前記第2のROI内の領域は、前記血管を含む領域であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の発明において、
前記表示手段は、前記所望量の時間変化波形と前記微分された時間変化波形とを同一モニタの画面上に表示する手段であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の発明において、
前記表示手段は、前記所望量の時間変化波形と前記微分された時間変化波形とをその時間軸の整合をとって表示する手段であり、前記特定手段は、前記所望量の時間変化波形と前記微分された時間変化波形の両方のカーソルバーを前記時間位置に応じて連動して移動させる手段であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の発明において、
前記特定手段は、前記所望量の時間変化波形の最大値を呈する時間位置を特定する手段であり、前記微分波形演算手段は、前記所望量の時間変化波形の1次微分の時間変化波形を演算する手段であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の発明において、
前記特定手段は、前記所望量の時間変化波形の最大傾きを呈する時間位置を特定する手段であり、前記微分波形演算手段は、前記所望量の時間変化波形の1次微分および2次微分の時間変化波形を演算する手段であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項6記載の発明において、
前記所望量の時間変化波形は、前記被検体に超音波造影剤を注入して計測される輝度値の時間変化波形であることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1記載の発明において、
前記計測手段は、前記時間位置の情報に関連する特徴量を含む、前記所望量の時間変化波形の特徴量を演算する特徴量演算手段を備えたことを特徴とする超音波診断装置。
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