JP4466868B2 - 排ガス検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関(以下、エンジンと称する)の排気通路に設けられた排ガス検出手段の出力を補償する排ガス検出装置に関するものである。
エンジンの排気通路にはLAFS(リニア空燃比センサ)、O2センサ、NOxセンサ、HCセンサなどの排ガス検出手段が設けられ、その検出情報を燃料噴射制御などの各種制御に利用しているが、この種の排ガス検出手段はエンジンの排圧変化の影響を受けて出力に誤差を生じる問題がある。例えばLAFSは、試験管状のジルコニア素子の内外面に多孔質の白金電極を被覆し、内部に大気を導入する一方で外面を排気ガスに曝し、電圧印加によりジルコニア素子中で酸素イオンの移動が起こって排気ガス中の酸素濃度(即ち、排気空燃比)に比例した電流を生じる原理を利用しており、素子の多孔質拡散層における排気ガス中の酸素の拡散が排圧に依存するため、出力が変動してしまう。
その対策として、排圧変化による影響を補償するための出力補正処理が実施されている。当該出力補正処理に利用する排圧情報は排気通路に圧力センサを設けて直接検出することもできるが、エンジンの吸入空気量が排圧と相関することに着目して、圧力センサを追加することなく既存のエアフローセンサ(AFS)の出力から排圧を推定する手法が採られる場合がある(例えば、特許文献1参照)。
このAFS出力を利用した排ガス検出手段の出力補正処理の概要を述べると、まず、AFS出力から所定のマップに従って標準大気圧時の排圧を算出した上で、大気圧センサにより検出された現在の大気圧と標準大気圧との差に基づき標準大気圧時の排圧を補正して、現在の大気圧に対応する排圧を導き出す。一方、予め実施した試験に基づき排ガス検出手段の出力に対する補正係数が排圧毎にマップとして設定されており、当該マップに従って上記AFS出力から求めた排圧に対応する補正係数を求め、この補正係数により排ガス検出手段の出力を補正している。
特開平9−014023号公報
しかしながら、上記したAFS出力と排圧との相関関係はエンジンの排気抵抗が一定であることを前提として成立するものであり、例えば排気浄化の促進を目的として排気通路に設けた排気絞り弁により排ガス流量が制限された場合、或いは排気通路に設けたDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)にPM(パティキュレートマター)が堆積した場合などには、排気抵抗の変化に起因してAFS出力と排圧とが相関しなくなる。よって、このようなときにはAFS出力から現実に則したエンジンの排圧を正確に推定できなくなり、結果として排圧に基づく排ガス検出手段の出力補正が不適切になり、ひいては補正後の排ガス検出手段の出力が適用される制御も不適切に実行されてしまうという問題があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、排圧を検出する圧力センサを要することなく現実に則した正確なエンジンの排圧を推定でき、もって推定した排圧に基づいて排ガス検出手段の出力を的確に補正することができる排ガス検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内燃機関の排気通路に設けられた排ガス検出手段と、内燃機関の吸気通路に設けられて吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、内燃機関の吸気弁の開弁に伴って吸気圧検出手段により検出される吸気圧が変動したときに、吸気圧の振幅に基づいて内燃機関の排圧を推定する排圧推定手段と、排圧推定手段により推定された排圧に基づき排ガス検出手段の出力を補正する出力補正手段とを備えたものである。
従って、内燃機関の吸気弁が開弁すると吸気の吹き返しにより吸気脈動が生じて吸気圧が変動することから、排圧と吸気圧の振幅との間には相関関係が成立し、吸気圧検出手段により検出された吸気圧の振幅に基づいて排圧推定手段により内燃機関の排圧が推定され、推定された排圧に基づき出力補正手段により排ガス検出手段の出力が補正される。そして、何らかの要因で内燃機関の排圧が変化したときには、それに応じて一定の相関関係を保ったまま吸気脈動の発生状況も変化するため、吸気圧の振幅に基づいて現実に則した正確な内燃機関の排圧が推定され、推定した排圧に基づいて排ガス検出手段の出力が的確に補正される。
求項の発明は、請求項1において、排圧推定手段が、内燃機関の吸気弁の開弁直後に設定された検出期間内における吸気圧の振幅に基づいて排圧を推定するものである。
従って、吸気の吹き返しは吸気弁の開弁直後に生じることから、開弁直後に設定された検出期間内では吸気脈動が最も顕著に発生することになり、吸気圧の振幅に基づいて適切に排圧を推定可能となる。
請求項の発明は、請求項1において、排圧推定手段が、内燃機関の運転状態に応じて吸気圧の振幅に基づく排圧の推定特性を変更するものである。
従って、排圧には内燃機関の運転状態、例えば内燃機関の回転速度、体積効率、吸排気弁のオーバラップ量などの影響を受けるが、これらの要因に応じて排圧の推定特性が変更されるため、内燃機関の運転状態に関わらず適切な排圧の推定処理を実行可能となる。
請求項の発明は、請求項1において、排ガス検出手段が、内燃機関の排気空燃比を検出する空燃比検出手段であり、出力補正手段が、排気空燃比に応じて排圧に基づく空燃比検出手段の出力に対する補正特性を変更するものである。
従って、排圧に起因して空燃比検出手段の出力に発生する誤差は排気空燃比によって相違するが、排気空燃比に応じて出力に対する補正特性が変更されることから、排気空燃比に関わらず空燃比検出手段の出力に対する適切な補正処理が可能となる。
請求項の発明は、請求項において、出力補正手段が、排気空燃比が理論空燃比のときを境界として排圧に基づく空燃比検出手段の出力に対する補正方向を逆転させるものである。
従って、排圧に起因して空燃比検出手段の出力に発生する誤差の発生方向は、排気空燃比が理論空燃比のときを境界として反転するが、それに応じて空燃比検出手段の出力に対する補正方向も逆転されるため、排気空燃比に関わらず空燃比検出手段の出力に対する適切な補正処理が可能となる。
請求項の発明は、請求項1乃至において、内燃機関の排気通路に排ガス流量を制限する排気絞り手段が備えたものである。
従って、有害成分の低減などを目的として排気絞り手段により内燃機関の排ガス流量が制限された場合であっても、これにより上昇した排圧を正確に推定可能なため、このような排圧制御が実行されている運転状態でも排ガス検出手段の出力を的確に補正可能となる。
以上説明したように請求項1、2の発明の排ガス検出装置によれば、排圧を検出する圧力センサを要することなく、排圧と相関する吸気圧の振幅に基づいて現実に則した正確な内燃機関の排圧を推定でき、もって推定した排圧に基づいて排ガス検出手段の出力を的確に補正することができる。
請求項の発明の排ガス検出装置によれば、請求項1に加えて、内燃機関の運転状態に影響されることなく一層適切な排圧、ひいては適切な排ガス検出手段の出力補正を実現することができる。
請求項及びの発明の排ガス検出装置によれば、請求項1に加えて、排気空燃比に影響されることなく常に適切な空燃比検出手段の出力の補正処理を実現することができる。
請求項の発明の排ガス検出装置によれば、請求項1乃至に加えて、排気絞り手段による排圧制御の実行中においても排ガス検出手段の出力を的確に補正でき、もって、排圧制御による有害成分の低減などの効果を最大限に得ることができる。
以下、本発明を具体化した排ガス検出装置の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の排ガス検出装置を示す全体構成図であり、本実施形態の排ガス検出装置は筒内噴射型直列4気筒ガソリンエンジン1を対象として構成されている。エンジン1にはDOHC4弁式の動弁機構が採用されており、図示しないクランク軸によりシリンダヘッド2上に設けられた吸気カムシャフト3及び排気カムシャフト4が回転駆動され、これらのカムシャフト3,4により吸気弁5及び排気弁6が所定のタイミングで開閉される。
シリンダヘッド2には各気筒毎に点火プラグ7と共に電磁式の燃料噴射弁8が取り付けられ、図示しない燃料ポンプから供給された高圧燃料が燃料噴射弁8の開閉に応じて燃焼室9内に直接噴射される。シリンダヘッド2には両カムシャフト3,4間を抜けるようにして略直立方向に吸気ポート10が形成され、吸気弁5の開弁に伴って吸入空気がエアクリーナ11からスロットル弁12、サージタンク13、吸気マニホールド14、吸気ポート10を経て燃焼室9内に導入される。燃焼後の排ガスは排気弁6の開弁に伴って燃焼室9から排気ポート15に排出され、更に排気通路16及び床下触媒17を経て大気中に排出される。
床下触媒17は上流側の吸蔵型NOx触媒18と下流側の三元触媒19とから構成されている。NOx触媒18は、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd),ロジウム(Rh)などの貴金属と、バリウム(Ba)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)などのアルカリ金属、アルカリ土類金属のNOxトラップ剤とを含み、排気空燃比がリーンのときに排ガス中のNOxを硝酸塩X−NO3として吸蔵する一方、排気空燃比がリッチのときに吸蔵しているNOxを放出して窒素(N)などに還元浄化する機能を有する。三元触媒19は、白金(Pt)、ロジウム(Rh)などの貴金属を含み、排気空燃比が理論空燃比近傍のときに排ガス中の有害物質を浄化する機能を有する。
排気通路16の床下触媒17の下流側位置には、図示しないアクチュエータにより開閉駆動されるバタフライ式の排気絞り弁21(排気絞り手段)が介装されている。排気絞り弁21の開度に応じて排ガス流量が制限されて排圧が上昇し、これによりエンジン1の排気ポート10で排ガスが逆流して再燃焼する現象、あるいは排気通路16での排ガスの滞留時間の延長化により排ガス中の未燃燃料成分と酸素との反応が促進される現象などが生起されて、これらの作用により有害成分の低減が図られる。
また、排気通路16の床下触媒17の上流側位置にはLAFS(リニア空燃比センサの略称であり、本発明の排ガス検出手段及び空燃比検出手段)22が設けられ、このLAFS22はエンジン1の排気空燃比に応じて出力を変化させる。
一方、#1気筒の吸気マニホールド14には吸気圧センサ23(吸気圧検出手段)が設けられ、この吸気圧センサ23により#1気筒の吸気マニホールド10内の吸気圧Pbが検出される。
シリンダヘッド2には可変動弁機構24が設けられ、この可変動弁機構24は油圧によりクランクシャフトに対する吸気カムシャフト3及び排気カムシャフト4の位相を進角または遅角することにより、吸気弁5及び排気弁6の開閉タイミングを調整し得る。
車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップなどの記憶に供される記憶装置(ROM,RAMなど)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタなどを備えたECU(エンジン制御ユニット)31が設置されており、エンジン1の総合的な制御を行う。ECU31の入力側には、エンジン1の回転速度Neを検出する回転速度センサ32、アクセル開度θaccを検出するアクセルセンサ33、LAFS22、吸気圧センサ23などの各種センサ類が接続され、ECU31の出力側には、上記点火プラグ7を駆動するイグナイタ34、燃料噴射弁8、排気絞り弁21、可変動弁機構24などの各種デバイス類が接続されている。
ECU31は各センサからの検出情報に基づいて点火時期や燃料噴射量などを決定し、決定した制御量に基づいてイグナイタ34や燃料噴射弁8などを駆動制御してエンジン1を運転する。
燃料噴射制御については、噴射時期を吸気行程に設定した吸気行程噴射モードと噴射時期を圧縮行程に設定した圧縮行程噴射モードとをエンジン1の運転領域に応じて切換えており、具体的にはスロットル開度θthと機関回転速度Neとに基づいて機関負荷と対応する目標平均有効圧Peを求め、この目標平均有効圧Peと機関回転速度Neとから予め設定されたマップに従って実行すべき燃料噴射モードを決定すると共に、決定した燃料噴射モードにおいて目標平均有効圧Pe及び機関回転速度Neから求めた目標空燃比に基づいて燃料噴射量を決定して燃料噴射制御を実行する。
圧縮行程噴射モードは比較的低回転低負荷域で実行され、吸気ポート10から流入した吸入空気により生起された逆タンブル流を利用して点火プラグ7の周囲に理論空燃比近傍の混合気を確保した上で、全体として極めてリーンな空燃比(例えば、40程度)で着火する層状燃焼を行う。このときECU31はLAFS22の出力に基づいてエンジン1の排気空燃比を目標空燃比にフィードバックする。一方、吸気行程噴射モードは比較的高回転高負荷域で実行され、LAFS22の出力に基づいて排気空燃比を理論空燃比にフィードバックするストイキオF/B制御、排気空燃比をリッチ側の目標空燃比にフィードバックするリッチF/B制御、或いはオープンループでリッチ側の空燃比に制御するO/L制御を実行して、吸気行程で噴射した燃料噴霧を吸入空気と十分に混合して燃焼させる均一燃焼を行う。
また、ECU31はアクセル開度θacc及びエンジン回転速度Neに基づいて吸排気のカムシャフト3,4の目標進角量を決定し、この目標進角量に基づいて可変動弁機構30を駆動制御してエンジン1の運転状態に応じた適切なバルブタイミングを実現する。
一方、上記のようにLAFS22の出力は燃料噴射制御などのエンジン制御に適用されるが、ECU31は排気絞り弁21により調整されるエンジン1の排圧に応じてLAFS22の出力を補正する処理を実行しており、以下に当該出力補正処理について説明する。
図2はECU31が実行する出力補正ルーチンを示すフローチャートであり、ECU31はエンジン1の運転中に当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。
ステップS2では、可変動弁機構30のバルブタイミング制御により現在の吸排気弁5,6の開弁期間がオーバラップしているか否かを判定する。以下に述べるように本実施形態では、吸気弁5の開弁直後に吸気が吹き返したときの吸気圧Pbの変動(吸気脈動)を利用して排圧を推定するが、吸排気弁5,6の開弁期間がオーバラップしていないときには吸気の吹き返しが発生せずに排圧を推定不能であることから、まず、ステップS2でエンジン1が排圧を推定可能な運転状態にあるか否かを判定しているのである。
ステップS2の判定がNo(否定)のときには一旦ルーチンを終了し、判定がYes(肯定)のときには以降でLAFS22の出力Vlafsの補正処理を実行する。なお、このように吸排気弁5,6の開弁期間のオーバラップを待つ代わりに、可変動弁機構30により強制的に吸排気弁5,6をオーバラップさせてもよい。また、可変動弁機構30を備えない固定バルブタイミングのエンジンでは、ステップS2の処理を実行することなく無条件でLAFS22の出力Vlafsの補正処理を開始してもよい。
次いで、ECU31はステップS4に移行してカウンタnを1に設定し、続くステップS6でエンジン回転速度Ne、エンジン1の体積効率Ev、吸排気弁5,6のオーバラップ量VOLを求める。その後、ステップS8で予め設定された吸気圧Pbの検出期間Tにあるか否かを判定する。
図3は吸気圧Pbの検出状況を示すタイムチャートであり、本実施形態では各気筒の圧縮上死点前(BTDC)75〜5°CA間でオンされるSGT信号を基準として、#1気筒のBTDC5°CA(SGT信号の立下がり)から後続の#3気筒のBTDC75°CA(SGT信号の立上がり)までの110°CAの期間が検出期間Tとして設定されている。結果として当該検出期間Tは#1気筒の吸気弁5の開弁に前後するタイミングで開始されて、その後110°CA間に亘って継続される。
このような検出期間Tの設定は、図3から明らかなように#1気筒の吸気弁5の開弁に伴って吸気マニホールド14内の吸気脈動が最も顕著に発生する期間と対応する(より具体的には、後述する吸気脈動の最大値Pmax及び最小値Pminを含む)ように配慮したものである。なお、検出期間Tの設定はこれに限らず、エンジン1の仕様に応じて任意に変更可能であり、或いはその時点のエンジン1の運転状態、例えばエンジン回転速度Ne、体積効率Ev、オーバラップ量VOLなどに応じて変更するようにしてもよい。
ECU31は吸気圧Pbの検出期間TでないとしてステップS8でNoの判定を下したときにはルーチンを終了する。また、ステップS8の判定がYesのときにはステップS10に移行して吸気圧センサ23の出力に基づいて検出期間T中における吸気圧Pbの最大値Pmax及び最小値Pminを算出し、ステップS12で最大値Pmaxから最小値Pminを減算して差圧ΔP0を求める。続くステップS14では差圧ΔP0にエンジン回転速度Ne、エンジン1の体積効率Ev、吸排気弁のオーバラップ量VOLに関する各補正係数(後述する)を乗算して補正後差圧ΔPを算出し、ステップS16で所定のマップに従って補正後差圧ΔPから今回の瞬時排圧EP(n)を算出する。さらにステップS18で算出した瞬時排圧EP(n)を前回の総瞬時排圧TEP(n-1)に加算して今回の総瞬時排圧TEP(n)とした後に、ステップS20でカウンタnが予め検出回数として設定された所定回数N(例えば10回)に達したか否かを判定する。
判定がNoのときにはステップS22に移行してカウンタをインクリメントした後にステップS6に戻って上記と同様の処理を繰り返し、ステップS20の判定がYesになると、ステップS24で総瞬時排圧TEP(n)を所定回数Nで除算して、瞬時排圧EP(n)の平均値として排圧EPを求める(排圧推定手段)。その後、ステップS26で排圧EPから補正係数(後述する)を算出し、求めた補正係数をステップS28でLAFS22の出力Vlafsに乗算して補正した後にルーチンを終了する(出力補正手段)。そして、補正後のLAFS22の出力Vlafsが燃料噴射制御などの各種制御に適用される。
次に、上記ステップS14,16での差圧ΔP0から瞬時排圧EP(n)を算出する処理、及びステップS26,28での排圧EPに基づいてLAFS22の出力Vlafsを補正する処理について詳述する。
まず、差圧ΔP0から瞬時排圧EP(n)を算出する処理について述べる。
図4は差圧ΔP0に対するエンジン1の排圧EPの影響の試験結果を示す図であり、例えば排圧EPの変化は上記排気絞り弁21を閉側に制御することにより実施される。この図に示すように、エンジン回転速度Neや体積効率Evによって特性は異なるものの、全体的な特性として排圧EPの増加に略比例して差圧ΔP0が増加することがわかる。吸気弁5の開弁後に吸気脈動が生じる要因は、排気弁6の閉弁以前に吸気弁5が開弁することでエンジン1の吸気系と排気系とが瞬間的に連通し、排圧EPの影響が筒内に及んで吸気の吹き返しを発生させることにある。従って、吸気脈動の大きさ、換言すれば吸気圧Pbの最大値Pmaxと最小値Pminとの差圧ΔP0は、元々の発生要因である排圧EPと相関関係が成立しており、その相関関係に従って図4の試験結果が得られたものと推測される。
また、差圧ΔP0は、排圧EPのみならずエンジン回転速度Ne、エンジン1の体積効率Ev、吸排気弁のオーバラップ量VOLの影響も受ける。図5は差圧ΔP0に対するエンジン回転速度Neの影響の試験結果を示す図であり、排圧EPや体積効率Evによって特性は異なるものの、全体的な特性としてエンジン回転速度Neの増加に略比例して差圧ΔP0が増加することがわかる。また、図6は差圧ΔP0に対するエンジン1の体積効率Evの影響の試験結果を示す図であり、排圧EPやエンジン回転速度Neによって特性は異なるものの、全体的な特性として体積効率Evの増加に略比例して差圧ΔP0が増加(一部では略一定)することがわかる。
なお、オーバラップ量VOLに関する試験結果は図示していないが、上記のように吸排気弁5,6のオーバラップにより吸気の吹き返しが発生することからも推測できるように、オーバラップ量VOLに関しても他のパラメータ(EP,Ne,Ev)と同様に差圧ΔP0との間に所定の相関関係が成立する。
以上の試験結果を踏まえて、図5,6などの特性に基づきエンジン回転速度Ne、体積効率Ev、オーバラップ量VOLに応じて補正係数を求めるための所定のマップが設定されて、ステップS14ではこれらのマップから求めた補正係数を差圧ΔP0に乗算することで補正後差圧ΔPが算出され、さらに図4の特性に基づき補正後差圧ΔPから瞬時排圧EP(n)を算出するための所定のマップが設定されて、ステップS16ではこのマップに従って補正後差圧ΔPから今回の瞬時排圧EP(n)が算出される。
次に、排圧EPに基づいてLAFS22の出力Vlafsを補正する処理について述べる。
図7はLAFS22の出力特性に対する排圧EPの影響の試験結果を示す図、図8は排圧EPとLAFS22の出力Vlafsの変動量との関係の試験結果を示す図である。図7に示すようにLAFS22の出力Vlafsは理論空燃比(λ=1)のときを0として排気空燃比のリッチ側とリーン側とで反転するが、このときの出力特性は排圧EPの変動の影響を受けて変化する。この現象は「背景技術」で述べたように、多孔質拡散層における排気ガス中の酸素の拡散がLAFS22の出力Vlafsに対して外乱として作用するためである。結果として図8に示すように排圧EPに応じてLAFS22の出力Vlafsが変動し、この変動量が誤差としてLAFS22の出力Vlafsに含まれることになる。
ここで、図8に示すように排圧EPに応じたLAFS22の出力Vlafsの変動量は排気空燃比によって相違すると共に、図7の出力特性から明らかなように排気空燃比が理論空燃比であるときには出力Vlafsの変動量が0であり、この理論空燃比を境界としてリッチ側とリーン側とで排圧EPの変化に対するLAFS22の出力Vlafsの変動方向が逆転している。
これらの試験結果を踏まえて、排気空燃比が理論空燃比のときを1.0とした上で、リッチ側とリーン側とで排圧EPの変化に対する出力Vlafsの補正方向を逆転させ、且つ、排気空燃比に応じた補正量となるような補正係数を求めるためのマップが設定され、ステップS26ではマップから補正係数が求められ、その補正係数がステップS28でLAFS22の出力Vlafsに乗算される。
以上のように本実施形態の排ガス検出装置では、エンジン1の排圧EPと相関する吸気マニホールド14の吸気脈動に基づいて排圧EPを算出し、この排圧EPからLAFS22の出力Vlafsを補正するための補正係数を算出している。従って、排気絞り弁21の排圧制御によりエンジン1の排圧EPが変化したときには、それに応じて一定の相関関係を保ったまま吸気脈動の発生状況も変化するため、吸気脈動に基づいて現実に則した正確なエンジン1の排圧EPを推定でき、もって推定した排圧EPから求めた適切な補正係数によりLAFS22の出力Vlafsを補正できる。
図9は排圧制御による排圧EPの変動に対する排気空燃比の変動状況を示すタイムチャートであり、このタイムチャートでは排気空燃比を一定に保持した状態で排気絞り弁21により排圧EPが上昇された場合を想定している。破線で示す実排圧に対して本実施形態によれば実線のように近似する排圧EPが推定され、この排圧EPに基づいてLAFS22の出力Vlafsが補正されることにより、破線で示す補正無しの場合に比較して遥かに変動が少ない、換言すれば排圧変化による影響を受けない排気空燃比を検出できることがわかる。このようにLAFS22の出力Vlafsに対する適切な補正処理により高精度の排気空燃比の検出を実現できるため、ひいては燃料噴射制御などのエンジン1の各種制御を的確に実行して、出力特性及び排ガス特性向上などの種々のメリットを実現することができる。
また、吸気脈動に基づく差圧ΔP0に対してエンジン回転速度Ne、体積効率Ev、オーバラップ量VOLが影響することを考慮して、これらのパラメータを反映した補正後の補正後差圧ΔPに基づき排圧EPを推定しているため、エンジン1の運転状態に関わらず一層適切な排圧EP、ひいては適切なLAFS22の出力Vlafsの補正処理を実現することができる。
また、排圧EPに応じたLAFS22の出力Vlafsの変動量が排気空燃比によって相違すること、及び理論空燃比を境界として出力Vlafsの変動方向が逆転することを考慮した上で、LAFS22の出力Vlafsの補正に適用する補正係数を設定しているため、燃料噴射制御に応じてエンジン1の排気空燃比が変動しても、この排気空燃比の変動に影響されることなく常に適切なLAFS22の出力Vlafsの補正処理を実現することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では筒内噴射型直列4気筒ガソリンエンジン1に適用して、排気通路16に備えられた排気絞り弁21による排圧変動に起因するLAFS22の出力誤差を補償したが、エンジン1の種別、排圧変動の要因、補償対象となる排ガス検出手段の種別などはこれに限ることはない。例えば排気通路にPM捕集用のDPFを備えたディーゼルエンジンに適用して、DPFにPMが堆積して排圧上昇したときのLAFSの出力誤差を想定し、推定した排圧EPに基づいてLAFSの出力を補正したり、或いはLAFSに代えてO2センサ、NOxセンサ、HCセンサなどの出力補正に適用したりしてもよい。
また、上記実施形態では、吸気圧Pbの最大値Pmaxと最小値Pminとの差圧ΔP0に基づいて排圧EPを推定したが、吸気弁5の開弁後の吸気脈動と相関するパラメータであればこれに限ることはなく、例えば検出期間T内の吸気圧Pbの平均値を求めて、この平均値と最大値Pmaxとの差圧、或いは平均値と最小値Pminとの差圧から排圧EPを推定してもよい。また、検出期間Tの直前の吸気圧Pb或いは検出期間Tの直後の吸気圧Pbを求めて、これらの吸気圧Pbと最大値Pmaxと差圧、或いはこれらの吸気圧Pbと最小値Pminと差圧から排圧EPを推定してもよい。
また、上記実施形態では、#1気筒の吸気脈動に基づいて排圧EPを推定したが、他の気筒の吸気脈動から推定してもよいし、複数気筒或いは全気筒の吸気脈動から求めた差圧ΔP0に基づいて排圧EPを推定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、吸気圧Pbの最大値Pmax及び最小値Pminから瞬時排圧EP(n)を算出し、N回分の瞬時排圧EP(n)の平均値として排圧EPを求めたが、その手法はこれに限ることはなく、例えば図10に示すように、検出期間Tの直後に設定された更新タイミング毎に吸気圧Pbの最大値Pmaxと最小値Pminとをピークホールド値及びボトムホールド値として順次更新し、所定回数更新後にピークホールド値及びボトムホールド値の差圧ΔP0から排圧EPを推定するようにしてもよい。
実施形態の排ガス検出装置を示す全体構成図である。 ECUが実行する出力補正ルーチンを示すフローチャートである。 吸気圧の検出状況を示すタイムチャートである。 差圧に対するエンジンの排圧の影響の試験結果を示す図である。 差圧に対するエンジン回転速度の影響の試験結果を示す図である。 差圧に対するエンジンの体積効率の影響の試験結果を示す図である。 LAFSの出力特性に対する排圧の影響の試験結果を示す図である。 排圧とLAFSの出力の変動量との関係の試験結果を示す図である。 排圧制御による排圧の変動に対するセンサ出力の補正状況を示すタイムチャートである。 排圧の推定手順の別例を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
21 排気絞り弁(排気絞り手段)
22 LAFS(排ガス検出手段、空燃比検出手段)
23 吸気圧センサ(吸気圧検出手段)
31 ECU(排圧推定手段、出力補正手段)

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた排ガス検出手段と、
    上記内燃機関の吸気通路に設けられて吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、
    上記内燃機関の吸気弁の開弁に伴って上記吸気圧検出手段により検出される吸気圧が変動したときに、吸気圧の振幅に基づいて上記内燃機関の排圧を推定する排圧推定手段と、
    上記排圧推定手段により推定された排圧に基づき上記排ガス検出手段の出力を補正する出力補正手段と
    を備えたことを特徴とする排ガス検出装置。
  2. 上記排圧推定手段は、上記内燃機関の吸気弁の開弁直後に設定された検出期間内における吸気圧の振幅に基づいて排圧を推定することを特徴とする請求項1記載の排ガス検出装置。
  3. 上記排圧推定手段は、上記内燃機関の運転状態に応じて上記吸気圧の振幅に基づく排圧の推定特性を変更することを特徴とする請求項1記載の排ガス検出装置。
  4. 上記排ガス検出手段は、上記内燃機関の排気空燃比を検出する空燃比検出手段であり、
    上記出力補正手段は、上記排気空燃比に応じて上記排圧に基づく上記空燃比検出手段の出力に対する補正特性を変更することを特徴とする請求項1記載の排ガス検出装置。
  5. 上記出力補正手段は、上記排気空燃比が理論空燃比のときを境界として上記排圧に基づく上記空燃比検出手段の出力に対する補正方向を逆転させることを特徴とする請求項記載の排ガス検出装置。
  6. 上記内燃機関の排気通路に排ガス流量を制限する排気絞り手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の排ガス検出装置。
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