JP4466719B2 - 固体撮像装置及びその駆動方法、並びにカメラ - Google Patents

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Description

本発明は、例えばマトリクス状に画素が配置された撮像素子を有して成る固体撮像装置及びその駆動方法、並びに光学系と固体撮像装置を備えたカメラに係わる。
固体撮像装置として、各単位画素がMOSトランジスタを有して構成され、光電変換により画素に蓄積された信号電荷を読み出して、これを電圧に変換して出力する、いわゆるMOS型、或いはCMOS型の撮像素子を有して成る固体撮像装置がある。
これらMOS型或いはCMOS型の撮像素子は、例えば画素の選択を行うスイッチング素子や、信号電荷を読み出すスイッチング素子にMOSトランジスタが用いられている。
また、水平走査回路や垂直走査回路にMOSトランジスタ或いはCMOSトランジスタが用いられ、スイッチング素子と一連の構成で製造を行うことができる利点を有している。
従来の単位画素が行列状に2次配列された、いわゆるX−Yアドレス型のMOS型或いはCMOS型の撮像素子においては、電子シャッタを行うために、信号電荷の読み出しが行われない水平ブランキング期間に、1行分の画素から不要な信号電荷を信号線にリセット(排出)していた。
図11は、従来のCMOS型の撮像素子を有する固体撮像装置の概略構成を示す図である。この固体撮像装置50は、光電変換を行うフォトダイオード51と画素を選択する垂直選択スイッチ52とによって構成された単位画素60をマトリックス状に複数配列して成る撮像領域と、各行毎に垂直選択スイッチ52の制御電極が共通に接続された垂直選択線54に垂直走査パルスφVnを出力する垂直走査回路53と、各列毎に垂直選択スイッチ52の主電極が共通に接続された垂直信号線55と、垂直信号線55と水平信号線58に接続された水平スイッチ56と、水平スイッチ56の制御電極に接続された水平走査回路57と、水平信号線58に接続されたアンプ59により構成されて成る。
この固体撮像装置50の基本動作としては、まずフォトダイオード51で光電変換された信号電荷を垂直走査回路53により制御された垂直選択スイッチ52を通し垂直信号線55に読み出す。垂直信号線55に読み出された信号電荷は、水平映像期間HA 中に、水平走査回路57により制御された水平スイッチ56を通して、順次水平信号線58に出てこれに接続されたアンプ59により信号電圧に変換され出力される。
この従来の固体撮像装置50において、電子シャッタ動作を行おうとすると、不要な信号電荷を排出するためには、やはり垂直信号線55を使うことになるため、信号が出力されない水平ブランキング期間HBLK に、不要な信号電荷の排出をすることになる。
このとき、図12に示すようなタイミングで、ある水平走査期間TH 中の水平ブランキング期間HBLK にm+k行目の垂直選択線54の垂直走査パルスφVm+kが立ち上がり、その行のフォトダイオード51から信号電荷が排出される。一方、同じ水平走査期間TH の水平映像期間HA にm行目の垂直走査パルスφVmが立ち上がり、フォトダイオード51から垂直信号線55に信号電荷が読み出され、固体撮像装置50から信号が出力される。
ところで、電子シャッタのシャッタスピード、即ち画素の蓄積時間に相当する時間は、信号電荷の排出時点から信号電荷の読み出し時点までで決まるため、水平走査期間をTH 、水平ブランキング期間をHBLK 、水平画素数をNとすれば、水平走査パルスφH1で出力される水平方向の一端の画素の蓄積時間がk×THに、水平走査パルスφHNで出力される水平方向の他端の画素の蓄積時間がk×TH +(TH −HBLK )になり、この結果水平方向の右と左で蓄積時間が異なってしまう。即ち、水平走査パルスφHmで出力される画素の蓄積時間はそれが出力されるタイミングに比例して蓄積時間が変わってくる。
このように、従来の固体撮像装置において電子シャッタ動作を行う場合は、不要電荷の排出を各行毎に同時に行い、信号電荷の読み出しは走査に準じて順次行うことになり、各行の中で蓄積時間がk×TH からk×TH +(TH −HBLK )まで異なってしまう。これは、シャッタスピードが速く設定されているkの値が小さい固体撮像装置の場合に特に影響が大きくなる。
このように、従来の固体撮像装置の場合、ある水平ブランキング期間HBLK にリセットが行われた画素行に関して、水平走査において最初に読み出される画素と最後に読み出される画素では、画素の蓄積時間が異なり、おおよそ水平走査期間分だけ蓄積時間に差が生じてしまう。
画素の蓄積時間即ちシャッタ速度が充分長い場合には、上述の蓄積時間の差は無視できるが、シャッタ速度が水平走査期間とさして変わらないほど早くなると、その蓄積時間の差がライン方向(行方向)のシェーディングとなって現れてしまっていた。
上述した問題の解決のために、本発明においては、電子シャッタ動作を行ったときの各画素の蓄積時間が一定で速いシャッタスピードを設定することが可能な固体撮像装置及びその駆動方法、並びにカメラを提供するものである。
本発明の固体撮像装置は、X−Yアドレス型でMOS或いはCMOS型の固体撮像装置であって、同じ1画素期間に、1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタとを、それぞれ行う手段を有し、この手段を構成する走査回路から出力される読み出し走査パルス及び電子シャッタ走査パルスが、夫々1画素毎に1つのパルスが立ち、夫々の1つのパルスに関して、読み出し走査パルスと電子シャッタ走査パルスの位相が重ならないタイミングで出力されるものである。
本発明の固体撮像装置の駆動方法は、X−Yアドレス型でMOS或いはCMOS型の固体撮像装置の駆動方法であって、同じ1画素期間に、1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタとを、それぞれ行い、走査回路から、読み出し走査パルス及び電子シャッタ走査パルスを、夫々1画素毎に1つのパルスを立ち上げ、夫々の1つのパルスに関して、読み出し走査パルスと電子シャッタ走査パルスの位相が重ならないタイミングで出力する
本発明のカメラは、光学系と、同じ1画素期間に、1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタとを、それぞれ行う手段を有し、この手段を構成する走査回路から出力される読み出し走査パルス及び電子シャッタ走査パルスが、夫々1画素毎に1つのパルスが立ち、夫々の1つのパルスに関して、読み出し走査パルスと電子シャッタ走査パルスの位相が重ならないタイミングで出力されるX−Yアドレス型でMOS或いはCMOS型の固体撮像装置とを備えたものである。
上述の本発明の固体撮像装置によれば、同じ1画素期間に、1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタとを、それぞれ行う手段を有することにより、不要電荷の排出即ちリセットから読み出しを行うまでの時間即ち信号電荷の蓄積時間を一定である固体撮像装置を構成することができる。
上述の本発明の固体撮像装置の駆動方法によれば、同じ1画素期間に、1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタとを、それぞれ行うことにより、信号電荷の蓄積時間を一定にすることができる。
上述の本発明のカメラによれば、光学系と、同じ1画素期間に、1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタとを、それぞれ行う手段を有する固体撮像装置とを備えたことにより、各画素の蓄積時間が一定であるカメラを構成することができる。
上述の本発明によれば、同じ1画素期間に、1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタとが、それぞれ行われることにより、画素毎の蓄積時間を一定になるように電子シャッタ動作を設定することが可能となり、速いシャッタスピードでもシェーディングを防止して明暗の差が生じない良好な画像を得ることができる。
また、本発明により、画素に電子シャッタの機能を追加しなくても電子シャッタを実現できるので、画素の小型化を妨げないで電子シャッタを行うことができる固体撮像装置を構成することができる。従って本発明により、画素を小型化して画素数の増加や装置全体の小型化を図った固体撮像装置及びカメラを構成することができる。
本発明は、X−Yアドレス型でMOS或いはCMOS型の固体撮像装置であって、同じ1画素期間に、1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタとを、それぞれ行う手段を有し、この手段を構成する走査回路から出力される読み出し走査パルス及び電子シャッタ走査パルスが、夫々1画素毎に1つのパルスが立ち、夫々の1つのパルスに関して、読み出し走査パルスと電子シャッタ走査パルスの位相が重ならないタイミングで出力される固体撮像装置である。
本発明は、X−Yアドレス型でMOS或いはCMOS型の固体撮像装置の駆動方法であって、同じ1画素期間に、1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタとを、それぞれ行い、走査回路から、読み出し走査パルス及び電子シャッタ走査パルスを、夫々1画素毎に1つのパルスを立ち上げ、夫々の1つのパルスに関して、読み出し走査パルスと電子シャッタ走査パルスの位相が重ならないタイミングで出力する固体撮像装置の駆動方法である。
本発明は、光学系と、同じ1画素期間に、1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタとを、それぞれ行う手段を有し、この手段を構成する走査回路から出力される読み出し走査パルス及び電子シャッタ走査パルスが、夫々1画素毎に1つのパルスが立ち、夫々の1つのパルスに関して、読み出し走査パルスと電子シャッタ走査パルスの位相が重ならないタイミングで出力されるX−Yアドレス型でMOS或いはCMOS型の固体撮像装置とを備えたカメラである。
図1は本発明の一実施の形態となる固体撮像装置の構成を示す。この固体撮像装置20は、光電変換を行うフォトダイオード1と画素を選択する垂直選択スイッチ(例えばMOSトランジスタ)2と読み出し制御スイッチ(例えばMOSトランジスタ)10とによって構成された単位画素17をマトリクス状に複数配列して成る撮像領域と、各行毎に読み出し制御スイッチ10の制御電極が共通に接続された垂直選択線4に垂直走査パルスφV〔φV1,・・・φVm,・・・φVm+k,・・・〕を出力する垂直走査回路3と、各列毎に垂直選択スイッチ2の主電極が共通に接続された垂直信号線5と、各列毎に読み出し制御スイッチ10の主電極に接続された水平読み出し走査線11と、垂直信号線5と水平信号線8に主電極が接続された水平スイッチ(例えばMOSトランジスタ)6と、水平スイッチ6の制御電極と水平読み出し走査線11に接続された水平走査回路7と、水平信号線8に接続されたアンプ9により構成されて成る。
各単位画素17では、垂直選択スイッチ2の一方の主電極がフォトダイオード1に接続され、その他方の主電極が垂直信号線5に接続される。また、読み出し制御スイッチ10の一方の主電極が垂直選択スイッチ2の制御電極に接続され、その他方の主電極が水平読み出し走査線11に接続され、その制御電極が垂直選択線4に接続される。水平走査回路7から各水平スイッチ6の制御電極に水平走査パルスφH〔φH1,・・・φHn,φHn+1,・・・〕が供給されると共に、各水平読み出し走査線11に水平読み出し走査パルスφHR 〔φHR 1,・・・φHR n,φHR n+1,・・・〕が供給される。
この固体撮像装置20の基本動作は次のようになる。垂直走査回路3から垂直走査パルスφVnが、水平走査回路7から水平読み出しパルスφHmがそれぞれ印加され、これらのパルスφVn,φHmを受けた読み出し制御スイッチ10が、これらのパルスφVn,φHmの積のパルスを作り、この積のパルスで垂直選択スイッチ2を制御して、フォトダイオード1で光電変換された信号電荷を垂直信号線5に読み出す。この信号電荷は、水平映像期間中に、水平走査回路7からの水平走査パルスφHmにより制御された水平スイッチ6を通して水平信号線8に出て、これに接続されたアンプ9により信号電圧に変換され出力される。
この固体撮像装置20における、電子シャッタ動作を行うときのタイミングチャートを図2及び図3に示す。
図2は垂直選択線5の垂直走査パルスφVを示したタイミングチャートで、電子シャッタ動作のために同一の水平走査期間に、m行目とm+k行目の垂直走査パルスφVmとφVm+kが立ち上がり、電子シャッタのシャッタスピードが水平走査期間をTH とするなら、k×TH になることを示している。尚、図2中交差する斜線で示した部分は、多数のオンオフパルスを含んでいることを示す。
図3はフォトダイオード1から不要な信号電荷を排出するタイミングと信号電荷を読み出すタイミングが分かるように、垂直走査パルスφVと水平走査パルスφH及び水平読み出し走査パルスφHR を詳しく示したタイミングチャートである。
今、m行目の読み出しが行われる水平走査期間中で、n列目の画素の信号が出力されるときの1画素期間Pについて、その1画素期間Pの前半PA にm行目の垂直走査パルス(読み出し走査パルス)φVm(パルスR1 参照)が立ち上がり、それと同期してn列目の水平読み出し走査パルスφHR n(パルスQ1 参照)が立ち上がり、m行目n列目の画素の信号電荷が垂直信号線5に読み出される。
このとき、水平走査パルスφHnが立ち上がっているので、垂直信号線5に読み出された信号電荷は水平スイッチ6を通して水平信号線8の端に接続されたアンプ9で電圧に増幅され、固体撮像装置20から映像信号として出力される。
一方、同じn列目の画素の信号が出力されるときの1画素期間Pの後半PB では、垂直走査パルス(電子シャッタ走査パルス)φVm+k(パルスR2 参照)が立ち上がり、この垂直走査パルスφVm+kと同期して水平読み出し走査パルスφHR n(電子シャッタに使われるパルスQ2 参照)が立ち上がり、m+k行目n列目の画素の不要電荷が垂直信号線5に排出される。この不要電荷は水平信号線8を通じてアンプ9で吸収される。
このように、垂直走査パルスφVに関して、信号電荷を読み出すための読み出し走査パルスφVmの位相と、不要電荷を排出するための電子シャッタ走査パルスφVm+kの位相とをずらすことにより、画素から読み出す信号電荷には何ら悪影響を及ぼさずに不要電荷の排出を行うことができる。
また、画素の蓄積時間は、k×TH に1画素期間Pの1/2の時間を加えた時間となり、全ての画素で一定の蓄積時間とすることができる。
従って、蓄積時間のばらつきに起因する画像の明暗の差を生じないで電子シャッタを実現することができる。
電子シャッタを動作する場合は、上述のように駆動を行うが、電子シャッタを行わない通常の動作に切り替えるためには、垂直走査パルスφVの電子シャッタ走査パルスφVm+k(パルスR2 参照)を立ち上げないようにすればよい。
また、図3のタイミングチャートでは、水平読み出し走査パルスφHR nと水平走査パルスφHnとが別々のタイミングで作られていたが、駆動を単純化するために、読み出し走査パルスφHR nを水平走査パルスφHnと同じタイミングとしても良い。
図1に示した固体撮像装置20において、図3とは異なる動作タイミングのタイミングチャートを図4に示す。この図4の場合は、1画素期間P中に信号電荷の読み出し前のレベル即ちノイズ信号Nと信号を読み出すレベル即ちノイズ信号Nと正味の信号が加算された画素信号Sの両方の信号N,Sを固体撮像装置20から出力する場合に適用する動作タイミングである。
この動作タイミングでは、1画素期間Pを1/4ずつ4つの期間P1,P2,P3,P4に区分する。
まず、最初の1/4の期間P1にノイズ信号Nを出力するために、垂直走査パルスφVを立てずに水平走査パルスφHnを立てる。この時点ではフォトダイオード1からの信号電荷が読み出されていないので、垂直信号線5と水平信号線8に存在するノイズ信号Nがアンプ9から出力される。
次の第2の1/4の期間P2には、垂直走査パルスφVmに読み出し走査パルスR1 が立ち上がり、それに同期して水平読み出し走査パルスφHR n(読み出しに使われるパルスQ1 参照)が立ち上がり、これらのパルスφVm,φHR nを受けたm行目n列目の読み出し制御スイッチ10が、これに接続された垂直選択スイッチ2を導通状態にし、フォトダイオード1で光電変換した信号電荷が垂直信号線5に読み出される。
次の第3の1/4の期間P3には、先の読み出し走査パルスR1 と水平読み出し走査パルスφHR n(パルスQ1 参照)が立ち下がり、各スイッチ2,10がノイズ信号Nが出力された状態と同じになり、この期間P3に読み出された信号電荷が水平信号線8に接続されたアンプ9で電圧に増幅され、ノイズ信号Nと正味の信号が加算された画素信号Sとして出力される。これらノイズ信号Nと画素信号Sの差が正味の映像信号になる。
そして、第4の1/4の期間P4には、垂直走査パルスφVm+kに電子シャッタ走査パルスR2 が立ち上がり、それに合わせて水平読み出し走査パルスφHR n(電子シャッタに使われるパルスQ2 参照)が立ち上がり、m+k行目n列目の読み出し制御スイッチ10がこれに接続された垂直選択スイッチ2を導通状態にし、m+k行目n列目のフォトダイオード1から不要電荷が垂直信号線5に排出され、画素の蓄積時間を制御する。
このように、1画素期間P中に電子シャッタのための期間P4を設け、垂直走査パルスに読み出し走査パルスR1 とは位相が異なり、電子シャッタのための期間に合わせた電子シャッタ走査パルスR2 を立てることで、電子シャッタを実現することができる。
また、画素の蓄積時間は、前述の図3のタイミングチャートと同様に、k×TH に1画素期間Pの1/2の時間(P1+P2)を加えた時間となり、全ての画素で一定の蓄積時間とすることができる。
上述の実施の形態の固体撮像装置20によれば、1画素期間中にm行の読み出しとm+k行のリセットを同時に行うことにより、各画素の蓄積時間を一定にすることができるので、前述のシェーディングを防止することができる。さらに、画素に電子シャッタの機能を追加しなくても電子シャッタを実現できるので、画素の小型化を妨げない。
次に、本発明の他の実施の形態の固体撮像装置を図5に示す。この固体撮像装置30は、フォトダイオード1と垂直選択スイッチ(例えばMOSトランジスタ)2と読み出し制御スイッチ(例えばMOSトランジスタ)10で構成された単位画素17をマトリックス状に複数配列して成る撮像領域と、各行毎に読み出し制御スイッチ10の制御電極が共通に接続された垂直選択線4に垂直走査パルスφV〔φV1,・・・φVm,・・・φVm+k,・・・〕を出力する垂直走査回路3と、各列毎に垂直選択スイッチ2の主電極が共通に接続された垂直信号線5と、各列毎に読み出し制御スイッチ10の主電極に接続された水平読み出し走査線11と、撮像領域の外に配置され垂直信号線5に接続された、反転増幅器12と検出キャパシタ13とリセットスイッチ14で構成された電荷検出回路15と、電荷検出回路15からの信号を選択して水平信号線に出力する水平スイッチ(例えばMOSトランジスタ)6と、水平スイッチ6を制御する水平走査回路7と、信号を出力する水平信号線8により構成されている。
各単位画素17は、前述と同様に、垂直選択スイッチ2の一方の主電極がフォトダイオード1に接続され、その他方の主電極が垂直信号線5に接続される。また、読み出し制御スイッチ10の一方の主電極が垂直選択スイッチ2の制御電極に接続され、その他方の主電極が水平読み出し走査線11に接続される。電荷検出回路15では、その反転増幅器(例えば差動増幅器等を用いた演算増幅器)12の反転入力端子に垂直信号線5が接続され、その非反転入力端子に図示しないが所定のバイアス電圧が与えられ、反転増幅器12の出力端子が水平スイッチ6の一方の主電極に接続される。そして、この反転増幅器12に並列に、すなわち反転増幅器12の反転入力端子と出力端子間に検出キャパシタ13が接続され、この検出キャパシタ13に検出キャパシタ13をリセットするリセットスイッチ14が並列接続される。さらに、各電荷検出回路15のリセットスイッチ14の制御電極が、夫々1つ前の列の垂直信号線に接続される。
そして、水平走査回路7からの水平走査パルスφH〔φH1,・・・φHn−1,φHn,・・・〕が各対応する列の水平スイッチ6の制御電極に供給されると共に、水平読み出し走査パルスφHR 〔φHR 1,・・・φHR n−1,φHR n,・・・〕が各対応する列の水平読み出し走査線11と次の列の水平読み出し走査線11に接続された電荷検出回路におけるリセットスイッチ14の制御電極に同時に供給されるようになされている。
図6は、この図5の固体撮像装置30のタイミングチャートを示す。このタイミングチャートに従って基本動作の説明をする。この動作タイミングでは、1画素期間Pを4つの期間P1,P2,P3,P4に分割して動作を行っている。
まず、m行n列目のフォトダイオード1から信号電荷を読み出す前に、1つ前のn−1列目の1画素期間Pの第4の期間P4で立ち上がる水平走査読み出しパルスφHR n−1(リセットパルスに使われるQ3 参照)により、n列目の電荷検出回路15と垂直信号線5をリセットしておく。
次に、読み出されるm行n列目のフォトダイオード1に対応した1画素期間Pの最初の期間P1に、読み出しを行う垂直選択スイッチ2を導通せずにフォトダイオード1から信号電荷を読み出す前の状態の信号(ノイズ信号N)を電荷検出回路15で電圧に変換する。このノイズ信号Nは、水平走査パルスφHnにより制御された水平スイッチ6を通して水平信号線8からこの最初期間P1に出力される。
次に、1画素期間Pの第2の期間P2では、垂直走査パルスφVmの読み出し走査パルスR1 と水平読み出し走査パルスφHR n(読み出しに使われるパルスQ1 参照)が立ち上がり、それらのパルスを受けたm行n列目の読み出し制御スイッチ10が、これに接続された垂直選択スイッチ2を導通状態にし、フォトダイオード1で光電変換した信号電荷が垂直信号線5に読み出される。
次に、1画素期間Pの第3の期間P3では、先の読み出し走査パルスφVm(パルスR1 参照)と水平読み出し走査パルスφHR n(パルスQ1 参照)が立ち下がり、垂直選択スイッチがノイズ信号Nを読み出していた状態と同じになり、電荷検出回路15にノイズ信号N+正味の映像信号としての画素信号Sが得られる。このとき、画素信号Sは水平走査パルスφHnにより制御された水平スイッチ6を通して水平信号線8から1画素期間中の第3の期間P3に出力される。
このようにして出力されたノイズ信号Nと画素信号Sとを、相関二重サンプリング等の方法により、画素信号Sとノイズ信号Nとの差分を取れば、ノイズの除去された正味の映像信号が得られる。
上述の相関二重サンプリングは、アンプ9の後段、即ち水平信号線8の出力端側に、例えば相関二重サンプリング回路(以下CDS(Correlated Double Sampling)回路と称する;図10参照)を設け、単位画素の各々から水平信号線8を経由して順次供給されるノイズ信号Nと画素信号Sとの差分をとることによって行うことができる。
図10に、CDS回路の回路構成の一例を示す。このCDS回路31は、入力端子32に一端が接続されたクランプキャパシタ33と、このクランプキャパシタ33の他端に一方の主電極が接続されたクランプMOSトランジスタ34と、クランプキャパシタ33の他端に一方の主電極が接続されたサンプルホールドMOSトランジスタ35と、このサンプルホールドMOSトランジスタ35の他方の主電極と接地部との間に接続されたサンプルホールドキャパシタ36と、サンプルホールドMOSトランジスタ35の他方の主電極と出力端子38との間に接続されたバッファアンプ37とから構成されている。
このCDS回路31において、クランプMOSトランジスタ34の他方の主電極にはクランプ電圧Vclが、そのゲート電極にはクランプパルスφCLがそれぞれ印加される。また、サンプルホールドMOSトランジスタ34のゲート電極には、サンプルホールドパルスφSHが印加される。
上述の構成のCDS回路31を用いることにより、順次供給されるノイズ信号と画素信号を使って相関二重サンプリングを行うことにより、画素信号成分に含まれるノイズ成分を除去し正味の映像信号を得ることができる。
一方、上述の固体撮像装置30の電子シャッタ動作は、1画素期間P中の第4の期間P4において、m+k行目の垂直走査パルスφVm+kに電子シャッタ走査パルスR2 が立ち上がり、それと同時に水平読み出し走査パルスφHR n+1(電子シャッタに使われるパルスQ2 参照)が立ち上がり、m行n列目のフォトダイオード1の信号電荷の読み出しをしている間に、m+k行n+1列目のフォトダイオード1の不要電荷をn+1列目の垂直信号線5に排出する。
このとき、同時にそのn+1列目に接続された電荷検出回路15は第4の期間P4で立ち上がったn列目の水平読み出し走査パルスφHR n(パルスQ3 参照)によりリセットが掛かり、m+k行n+1列目のフォトダイオード1の不要電荷もリセットされる。
このように、垂直走査パルスφVの読み出し走査パルスR1 と電子シャッタ走査パルスR2 の位相と、水平読み出し走査パルスφHR の読み出しに使われるパルスQ1 と電子シャッタに使われるパルスQ2 の位相とを、それぞれ上述のように対応させて設定することにより、m行n列目のフォトダイオード1から信号が出力されている一方で、m+k行n+1列目のフォトダイオード1の不要電荷が排出され、画素の蓄積時間が制限されることにより電子シャッタ動作が行われる。
このように電子シャッタ動作を行って、上述の実施の形態の固体撮像装置30においても、前述の実施の形態の固体撮像装置20と同様に、各画素の蓄積時間を一定にすることができるので、前述のシェーディングを防止することができる。さらに、この場合も画素に電子シャッタの機能を追加しなくても電子シャッタを実現できるので、画素の小型化を妨げない。
上述の図5に示した実施の形態の固体撮像装置30においては、電荷検出回路15のリセットスイッチ14のリセットを前の列の水平読み出し走査パルスφHR nによって行っていたが、読み出し走査パルスφHR nとは別のリセットスイッチ14のリセット専用のパルスを印加して行うこともできる。その場合の固体撮像装置の構成を図7に示す。
図7に示す固体撮像装置40は、電荷検出回路15のリセットスイッチ14のリセットを行うリセットパルスφHRST 〔φHRST 1,・・・φHRST n,・・・〕を印加する導線41を各列に対応して設けている。そして、このリセットパルスφHRST は、同じ列に読み出しを行う1画素期間P、即ち水平走査パルスφHnが印加される1画素期間Pの1つ前の1画素期間Pに立ち上がり、リセットスイッチ14のリセットを行う。その他の構成は、図5に示した固体撮像装置30と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
この固体撮像装置40の動作タイミングのタイミングチャートを図8に示す。この動作タイミングでは、1画素期間Pを3つの期間P1,P2,P3に分割して動作を行っている。
まず、m行n列目のフォトダイオード1から信号電荷を読み出す前に、1つ前のn−1列目の1画素期間Pの終わりの期間P3で立ち上がるn列目のリセットパルスφHRST nにより、n列目の電荷検出回路15と垂直信号線5をリセットしておく。
次に、読み出されるm行n列目のフォトダイオード1に対応した1画素期間Pの最初の期間P1に、読み出しを行う垂直選択スイッチ2を導通せずにフォトダイオード1から信号電荷を読み出す前の状態の信号(ノイズ信号N)を電荷検出回路15で電圧に変換する。このノイズ信号Nは、水平走査パルスφHnにより制御された水平スイッチ6を通して水平信号線8からこの最初期間P1に出力される。
次に、1画素期間Pの中間の期間P2では、垂直走査パルスφVmの読み出し走査パルスR1 と水平読み出し走査パルスφHR n(読み出しに使われるパルスQ1 参照)が立ち上がり、それらのパルスを受けたm行n列目の読み出し制御スイッチ10が、これに接続された垂直選択スイッチ2を導通状態にし、フォトダイオード1で光電変換した信号電荷が垂直信号線5に読み出される。
次に、1画素期間Pの終わりの期間P3では、先の読み出し走査パルスφVm(パルスR1 参照)と水平読み出し走査パルスφHR n(パルスQ1 参照)が立ち下がり、垂直選択スイッチがノイズ信号Nを読み出していた状態と同じになり、電荷検出回路15にノイズ信号N+正味の映像信号としての画素信号Sが得られる。このとき、画素信号Sは水平走査パルスφHnにより制御された水平スイッチ6を通して水平信号線8から1画素期間中の終わりの期間P3に出力される。
このようにして出力されたノイズ信号Nと画素信号Sとを、相関二重サンプリング等の方法により、画素信号Sとノイズ信号Nとの差分を取れば、ノイズの除去された正味の映像信号が得られる。
一方、上述の固体撮像装置40の電子シャッタ動作は、1画素期間P中の終わりの期間P3において、m+k行目の垂直走査パルスφVm+kに電子シャッタ走査パルスR2 が立ち上がり、それと同時に水平読み出し走査パルスφHR n+1(電子シャッタに使われるパルスQ2 参照)が立ち上がり、m行n列目のフォトダイオード1の信号電荷の読み出しをしている間に、m+k行n+1列目のフォトダイオード1の不要電荷をn+1列目の垂直信号線5に排出する。
このとき、同時にそのn+1列目に接続された電荷検出回路15は終わりの期間P3で立ち上がったn+1列目のリセットパルスφHRST n+1によりリセットが掛かり、m+k行n+1列目のフォトダイオード1の不要電荷もリセットされる。
このように、垂直走査パルスφVの読み出し走査パルスR1 と電子シャッタ走査パルスR2 の位相と、水平読み出し走査パルスφHR の読み出しに使われるパルスQ1 と電子シャッタに使われるパルスQ2 の位相とを、それぞれ上述のように対応させて設定することにより、m行n列目のフォトダイオード1から信号が出力されている一方で、m+k行n+1列目のフォトダイオード1の不要電荷が排出され、画素の蓄積時間が制限されることにより電子シャッタ動作が行われる。
尚、1画素期間Pの終わりの期間P3では、同じn+1列の水平読み出し走査パルスφHR n+1とリセットパルスφHRST n+1が、共に立ち上がっている。ただし、水平読み出し走査パルスφHR n+1は1画素期間Pが終了する前にオフになるのに対して、リセットパルスφHRST n+1は1画素期間Pの終了までオンの状態であり、位相をずらしてある。
信号電荷がいわゆるダイナミックレンジを越えて飽和したときには、垂直信号線の信号電荷が充分にリセットされない場合があり得る。上述のように、リセットパルスφHRST によって電荷検出回路15のリセットを行うことにより、前の列の読み出し時に使われていない線を用いてリセットが行われ、信号電荷の飽和が抑制されるため、信号電荷のリセットを充分に行うことができる。
また、上述の実施の形態の固体撮像装置40においても、前述の実施の形態の固体撮像装置20と同様に、各画素の蓄積時間を一定にすることができるので、前述のシェーディングを防止することができる。さらに、この場合も画素に電子シャッタの機能を追加しなくても電子シャッタを実現できるので、画素の小型化を妨げない。
尚、上述の各実施の形態の固体撮像装置20,30,40においては、画素をフォトダイオード1、垂直選択スイッチ2、読み出し制御スイッチ10から成る構成としたが、その他の画素構成の場合についても、同様に画素の蓄積時間を一定にした電子シャッタ動作を行うことができる。
次に、上述の構成の固体撮像装置及びその駆動方法を用いた本発明に係るカメラの概略構成図を図9に示す。
図9において、被写体からの入射光は、レンズ21を含む光学系によって固体撮像素子22の撮像面上に結像される。固体撮像素子22としては、図1、図5又は図7に示した構成の固体撮像装置20,30,40に用いられる固体撮像素子と同様の構成の固体撮像素子が用いられる。
この固体撮像素子22は、駆動系23によって、前述した駆動方法を基に駆動される。即ち、1画素期間P中に1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタ動作が同時に行われる。そして、固体撮像素子22の出力信号は、信号処理系24で種々の信号処理が施されて映像信号となる。
上述の構成のカメラにおいては、固体撮像素子22から電子シャッタ動作時の画素毎の蓄積時間を一定とされた信号が直接出力される。この出力信号を、従来と同じ構成の信号処理系24に入力することで、速いシャッタスピードでもシェーディングを抑制して明暗の差が生じない良好な画像を得ることができ、かつ従来システムとの整合性も高いカメラを実現することができる。
本発明の固体撮像装置及びその駆動方法、並びにカメラは、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
本発明に係る固体撮像装置の回路の概略構成図である。 図1の固体撮像装置における垂直走査パルスのタイミングチャートである。 図1の固体撮像装置における動作タイミングのタイミングチャートである。 図1の固体撮像装置における他の動作タイミングのタイミングチャートである。 本発明に係る他の固体撮像装置の回路の概略構成図である。 図5の固体撮像装置における動作タイミングのタイミングチャートである。 本発明に係るさらに他の固体撮像装置の回路の概略構成図である。 図7の固体撮像装置における動作タイミングのタイミングチャートである。 本発明に係るカメラの概略構成図である。 CDS回路の構成の一例を示す回路図である。 従来のMOS型の固体撮像装置の回路の概略構成図である。 図11の固体撮像装置における動作タイミングのタイミングチャートである。
符号の説明
1 フォトダイオード、2 垂直選択スイッチ、3 垂直走査回路、4 垂直選択線、5 垂直信号線、6 水平スイッチ、7 水平走査回路、8 水平信号線、9 アンプ、10 読み出し制御スイッチ、11 水平読み出し走査線、12 反転増幅器、13 検出キャパシタ、14 リセットスイッチ、15 電荷検出回路、17 単位画素、20,30,40 固体撮像装置、21 レンズ、22 固体撮像素子、23 駆動処理系、24 信号処理系、31 CDS回路、32 入力端子、33 クランプキャパシタ、34 クランプMOSトランジスタ、35 サンプルホールドMOSトランジスタ、36 サンプルホールドキャパシタ、37 バッファアンプ、38 出力端子、41 導線、50 固体撮像装置、51 フォトダイオード、52 垂直選択スイッチ、53 垂直走査回路、54 垂直選択線、55 垂直信号線、56 水平スイッチ、57 水平走査回路、58 水平信号線、59 アンプ、60 単位画素、TH 水平走査期間、P 1画素期間、HA 水平映像期間、HBLK 水平ブランキング期間

Claims (3)

  1. X−Yアドレス型でMOS或いはCMOS型の固体撮像装置であって、
    同じ1画素期間中に、1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタとを、それぞれ行う手段を有し、
    前記手段を構成する走査回路から出力される読み出し走査パルス及び電子シャッタ走査パルスが、夫々1画素毎に1つのパルスが立ち、前記夫々の1つのパルスに関して、前記読み出し走査パルスと前記電子シャッタ走査パルスの位相が重ならないタイミングで出力される
    固体撮像装置。
  2. X−Yアドレス型でMOS或いはCMOS型の固体撮像装置の駆動方法であって、
    同じ1画素期間中に、1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタとを、それぞれ行い、
    走査回路から、読み出し走査パルス及び電子シャッタ走査パルスを、夫々1画素毎に1つのパルスを立ち上げ、前記夫々の1つのパルスに関して、前記読み出し走査パルスと前記電子シャッタ走査パルスの位相が重ならないタイミングで出力する
    固体撮像装置の駆動方法。
  3. 光学系と、
    同じ1画素期間中に、1の行の読み出しと、他の行の電子シャッタとを、それぞれ行う手段を有し、前記手段を構成する走査回路から出力される読み出し走査パルス及び電子シャッタ走査パルスが、夫々1画素毎に1つのパルスが立ち、前記夫々の1つのパルスに関して、前記読み出し走査パルスと前記電子シャッタ走査パルスの位相が重ならないタイミングで出力されるX−Yアドレス型でMOS或いはCMOS型の固体撮像装置とを備えた
    カメラ。
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