JP4464098B2 - エレクトロポレーションのための方法 - Google Patents

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Description

本発明は生体への侵襲性が低いエレクトロポレーションのための方法及び装置に関するものである。
近年、疾患の治療、予防または診断の目的で、核酸(DNA、RNAなど)、蛋白質及び種々の薬物を含む様々な物質を生体内で細胞に直接導入する方法が開発されてきた。そのなかでも遺伝子の導入には、一般にウイルスベクターによる方法、リポソーム法、リポフェクション法、マイクロインジェクション法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法等が用いられる。しかし、標的細胞の性質、部位などによりこのような方法では物質の導入が困難な場合が多く、例えば、眼球の奥に位置する網膜の神経節細胞もその一つである。
眼科疾患の中でも網膜に異常を来す疾患は、その多くが難治性であり、最終的には網膜神経節細胞の障害・変性を起こし、非可逆的な網膜神経節細胞死を招くことから、臨床上深刻な問題となっている。そのような疾患として、緑内障、視神経炎、糖尿病性網膜症、虚血、外傷、網膜色素変性症が挙げられる。網膜と視神経は中枢神経系であり、障害を受けた網膜神経節細胞は変性あるいは細胞死に至り、視神経線維の再生は不可能である。特に、網膜神経節細胞は脳に直結する3次ニューロンであるため、角膜や視細胞などの機能が正常であっても、網膜神経節細胞の障害は直接的に視力低下や失明につながり、視機能において極めて重要な細胞である。従って、治療に際しては、障害を受けた細胞を死滅させないこと、好ましくは再生させることが重要である。既に、視神経切断や圧迫モデルを用いた網膜神経節細胞死に関する研究ではカスペース阻害剤等の抗アポトーシス剤、ニューロトロフィン、その他の神経栄養因子などの神経保護因子が障害を受けた網膜神経節細胞(retinal ganglion cell (RGC))の生存と再生に効果を有することが示唆されている。
そこで、障害を受けた網膜神経節細胞の死滅を防止するための治療戦略として、抗アポトーシス剤や神経保護因子等をコードする遺伝子や、そのような保護機能を有する薬物を細胞内に導入する方法が考えられる。上記のように様々な遺伝子導入法が知られているが、網膜神経節細胞に用いうる方法として、ウィルスベクターを用いる方法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法が挙げられる。このうち、ウィルスを用いた方法としては、AV(Adeno virus)、AAV(Adeno-associated virus)、レンチウイルス、HIV-2など様々なベクターの使用が報告されており、網膜神経節細胞に対する遺伝子導入において一定の効果を上げている。しかし同時に、ブドウ膜炎などの副作用が報告されており、また、ウイルスの使用に伴う危険性も無視できない。リポフェクション法によれば大きなDNA分子でも網膜神経節細胞に導入することは可能であるが、標的細胞の選択性に乏しく、また発現が短く、ウィルスに比べて効果が劣ることが知られている。
一方、エレクトロポレーション(電気穿孔法)は、皮膚や細胞膜などの生体膜に瞬時に高電圧を負荷することにより生体膜に短時間小孔を生じさせ、それが修復される前に細胞内へ目的の物質(例えば核酸)を導入する方法であり、電荷を有することを条件として、原則的に任意の物質を細胞内に送達することができることから、適用可能な物質の範囲が広くかつウイルスベクターが必須でないという利点がある。しかし、エレクトロポレーションには専用の装置が必要であり、皮膚や粘膜等(特許文献1)を除き、体内の適当な位置に電極を配置することが困難な場合が多いために適用範囲が制限されるという問題点がある。従来、眼球へのインビボエレクトロポーション法によるDNAまたはDNAのベクター導入法としては、角膜を対象とする方法が既知である(特許文献2、非特許文献1等)。これら文献記載の方法により、角膜に電極を接触させるエレクトロポレーションによって角膜内皮細胞(特許文献2)または角膜上皮細胞(corneal endothelium)(非特許文献1)にDNAまたはDNAのベクターが導入された。しかし、角膜は再生力のある組織として知られており、角膜への遺伝子導入による治療の必要性は低い。また、これらの方法では、網膜組織に遺伝子を導入することができず、難治性でかつ罹患数の多い網膜疾患の治療には適用できない。
網膜神経節細胞への遺伝子導入技術に関しては、非特許文献2に、ピンセット型の一対の電極で眼球を挟み込むようにして行うエレクトロポレーションにより外来遺伝子を網膜神経節細胞に有効に導入することに成功した事が報告されている。しかし、この方法では眼球を露出するという外科的な処置が必要であり、生体への侵襲という点で臨床適用には最適と言えなかった。
第2798459号 特開平第11-206372号公報 Oshima Y et al., Targeted gene transfer to corneal endothelium in vivo by electric pulse, Gene Ther (1998) 5, p1347-54 Dezawa M et al., Gene transfer into retinal ganglin cells by in vivo electroporation: a new approach, Micron (2003) 33, p1-6
本発明は安全かつ有効に、標的細胞内にエレクトロポレーションにより遺伝子等の目的物質を導入するための方法を提供することを目的とするものである。
特に本発明は安全かつ有効に、網膜神経節細胞内にインビボエレクトロポレーションによって遺伝子等を導入する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、コンタクト型電極を使用してエレクトロポーションを行うことにより、侵襲を最小限にして標的細胞に目的の物質を導入することができることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、生体内の標的細胞に核酸、蛋白及び薬物からなる群から選択される物質を導入する方法であって、
1)導入すべき物質を標的細胞近傍に投与する工程、及び
2)該標的細胞へのエレクトロポレーションが可能な位置に配置された、生体外のコンタクト型電極と生体内または生体外の他の電極との間にDCパルスを印加する工程、
を含むことを特徴とする方法を提供するものである。
また本発明は、エレクトロポレーションにより生体内の標的細胞に物質を導入するための装置であって、生体外に配置するためのコンタクト型電極、生体内または生体外に配置するための他の電極、及びこれらの電極間にDCパルスを印加してエレクトロポーションを発生させるための矩形波印加手段とを備えていることを特徴とする装置をも提供する。
好ましくは、本発明方法を、オン時間とオフ時間を有する矩形波DCパルスを、連続的にまたは間欠的に印加することにより行う。即ち、一定のオン(時間)とオフ(時間)からなる周期を有するDCパルスを発生させ、該パルスを連続的に印加するか、休止期間を挟んで間欠的に印可することが好ましい。
DCパルスのオン時間の電界強度は1〜1000V/cm、好ましくは、1〜50V/cm、より好ましくは4〜24V/cm、最も好ましくは6V/cmである。
また、前記オン時間は、通常、1〜1000msec、好ましくは1〜500msec、より好ましくは1〜200msec、最も好ましくは100msecである。
本発明方法では侵襲性を最小限にし、高い導入効果を達成するために、前記の周期を有するパルスを、1〜40回、好ましくは1〜20回、最も好ましくは10回、連続的に、または間欠的に印可する(例えば、10回連続して印加するか、5回連続して印加し、間隔をあけて再度5回連続して印加する)。間欠的に印加する場合、通常、数分程度、好ましくは5分程度の間隔をあけ、連続的パルスを2〜数回、好ましくは2回印加する。
本発明方法の具体例として、(i)周期が1秒(オン、オフ時間の和が1秒)の矩形波を数回、例えば5回連続してパルスし、5分間の間隔をあけて、同様にパルスする、または(ii) 周期が1秒(オン、オフ時間の和が1秒)の矩形波を数回(例えば10回)連続してパルスする方法が挙げられる。
本発明方法を実施するためのエレクトロポレーション用装置は、コンタクト型電極と他の電極を有することを特徴とする。コンタクト型電極(接触型電極)は身体の外側に配置され、他の電極は身体の外側または内部に配置される。そのような電極は当該技術分野で既知の形態であってよく、目的に応じて適宜選択される。例えば、他の電極としては、針電極、ブレード電極、バリ・チップ電極、ループ電極、マイクロチップ電極など、任意のものを用いることができる。これらのうち、針電極が好ましい。
本発明のエレクトロポレーション用装置の一例は図1〜3に模式的に示されている。図1は装置全体の模式図、図2は各電極の側面図、図3はコンタクト型電極の拡大した側面図及び平面図である。図1において、1は導電性材料で形成されたコンタクト型電極、2は他の電極(針電極)であり、これらは配線3を介して本体に電気的に連結されている。なお、本体には、電極1、2にDCパルスを印加するための矩形波印加手段4が内臓されている。該印加手段4は1μsec〜1000msecのパルス幅、1〜1000Vの電圧で、一定期間内に任意の回数で矩形波のDCパルスを発生させることができ、また、該パルスの連続的または間欠的な印加を設定可能なものであることが望ましい。さらに、装置本体にはインピーダンス測定手段5を備えることが好ましく、該インピーダンス測定手段5により、DCパルス印加前後における電極1、2間のインピーダンスを測定することによって、細胞の損傷程度を検知し、インピーダンスを適切にすることで、矩形波印加手段4の印加条件を最適化し得る。なお、電極1、2のいずれが陰極または陽極であるかは、導入すべき物質のイオン性によって異なり、当業者が適宜選択しうることである。
図1に記載の装置におけるコンタクト型電極1と針電極2の詳細を図2に示す。図2において、コンタクト電極1は、第1電極7を支持するコンタクト型電極支持体6と、持ち手8、配線3との連結部位である接続端子9からなる。また、針電極2は、第2電極10を支持する持ち手11と、配線3との連結部位である接続端子12からなる。
図3に示すように、コンタクト型電極1では、コンタクト型電極支持体6にリング状の第1電極7が支持されている。
図1に例示の本発明装置では、コンタクト電極1は角膜表面に適用するのに好ましいコンタクトレンズ形に形成されているが、このような形状に限定されず、適用される組織、臓器によっては平面等、任意な形状をとることができる。また、第2電極10も、針電極以外の形状をとり得ることは上記の通りである。
また、簡便には、既知のエレクトロポレーション装置(例えば、Electro Square Porator(T820; BTX ELECTRONIC GENETICS))における電極部を、本発明の範囲内で、適宜、コンタクト型電極と針電極に置換えることによっても本発明の装置を形成しうる。
本発明方法の実施方法を図1に記載の装置を参照して説明すると、まず、投与すべき物質の懸濁液を標的細胞の近傍に投与し、標的細胞へのエレクトロポレーション可能な位置であって、体外の適当な位置にコンタクト型電極1を、体外または体内の適当な位置に針電極2を配置する。次いで、インビトロのエレクトロポレーション法と同様に、本体装置を作動してこれらの電極1、2にDC矩形波を印加すればよい。
投与量は、標的細胞、導入の目的(治療、予防、診断など)、導入される物質の種類により異なるが、例えばDNA等の核酸である場合、通常は1000mg以下、好ましくは2.25mg以下、より好ましくは5〜80μg、最も好ましくは20μgである。投与すべき物質を生理食塩水または適当な緩衝液に懸濁または溶解して、標的細胞の近傍に注入する。
エレクトロポレーションのパラメーター(周期(オン時間+オフ時間)、オン時間の長さ(波形)、オン時間の電界強度、物質の投与量など)は目的、標的細胞、導入すべき物質の種類等により上記の範囲から適宜選択されるが、必ずしもこれらに限定されず、状況に応じて当業者が任意に決定することができる。
標的細胞が網膜神経節細胞である場合、例えば、添付の図4に記載のパラメーターI〜IVが好ましく、そのうちパラメーターIIがより好ましい。
本発明方法で導入することができる物質には、インビトロでのエレクトロポレーションで細胞内に導入できる全ての物質が含まれる。即ち、本発明方法によれば、核酸(例えばDNA、RNAなど)、蛋白質、薬物等の任意の物質を細胞に導入することができる。そのような物質は目的に応じて当業者が適宜選択することができる。また、導入すべき物質が電荷を持たない場合は、適当な電荷を有する分子(例えばそれ自体は不活性なポリアミノ酸やポリヌクレオチドなど)に連結する、あるいはミクロスフェア等の担体に包含させる等の当該技術分野既知の方法で処理したのち、本発明方法に適用すればよい。
本発明方法が適用される標的細胞は特に限定されず、核酸や薬物を直接導入することによりその予防、治療または診断が可能な全ての疾患に関連した組織や器官の細胞が含まれる。例えば本発明方法は、従来のエレクトロポレーション法では侵襲性の点で臨床適用が困難であった眼科領域の疾患等の治療、特に網膜やブドウ膜の疾患等の治療、とりわけ網膜の疾患による網膜神経節細胞の死滅の防止、阻止に有用である。そのような疾患としては、緑内障、視神経炎、糖尿病性網膜症、虚血、外傷、網膜色素変性症などが挙げられる。
なお、標的細胞が網膜神経節細胞、グリア性細胞(アストロサイト、ミューラ細胞を含む)、血管内皮細胞、視細胞、または色素上皮細胞である場合、導入すべき候補物質として、神経賦活化作用、細胞活性化作用、神経保護作用、抗アポトーシス作用及び血管制御作用を有する遺伝子、タンパク質及び薬物が挙げられるが、これらに限定されない。
以下の各実施例で用いる実験動物、ベクター、エレクトロポレーション装置は以下の通りである。
1.実験動物
8週齢の成体ラット雄(Wistar、250−300g)を3匹/1ケージで収容し、自由に食べ物と水を与え、室温管理下の元で飼育した。動物は屠殺する前に深麻酔下においた。
2.DNAの調製
発現ベクター(pEGFP):ヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター下にGFP(green fluorescent protein, 緑色蛍光蛋白質)遺伝子を組み込んだ発現ベクターであり、Clontech Laboratoriesから市販されているものを、供給者の指示に従って使用した。
GDNFプラスミド(pCI-Neo−GDNF):GDNF(Glia cell line-derived neurotrophic factor, グリア細胞由来神経栄養因子)(Genbank L15305)の全長をpCI-neo vector(Promega)のmultiple cloning site中のBamHI-Hind IIIに挿入することにより構築した。
3.エレクトロポレーション装置
図1に記載の本発明装置を使用した。図中、1はコンタクト型電極、2は針電極、3は配線である。本体にはDC印加手段4とインピーダンス測定装置5が配備されている。なお、該エレクトロポレーション装置の本体は市販のElectro Square Poratorと同一であり基本的には該装置に添付の指示書に従い使用した。
4.統計学的解析
数値は平均値±標準偏差で求めた。データはANOVAとBonferroni手法を用いて比較した。P値は0.05以下で有意とし、0.01以下で非常に高い有意とした。
実施例1 GFP遺伝子の網膜神経節細胞への導入
眼球や種々の細胞、特に網膜神経節細胞に障害を起こさず、かつ効率よく細胞内への物質導入を達成するための条件、即ち、細胞障害が充分に低く、かつ標的である網膜神経節細胞に対して最も高い導入効果が認められる低電圧で且つ複数の電気刺激を発射するための条件を決定するために、電界強度(電圧)、電気パルスの波形(オン時間)の長さ、刺激のパターン(間欠、連続)、硝子体内に注入するDNA量からなる条件を組み合わせた9通りのパラメーター(パラメーターI〜IX、図4参照)を用いて、GFP遺伝子を網膜神経節細胞に導入し、その発現を調べた。
(1)パラメーターI〜IX(図4)
以下の条件を組み合わせたパラメーターI〜IXを設定した。
1)電界強度(6、12、24 V/cm)
2)波形の長さ(50、100msec)
3)刺激パターン(1秒間に一回の矩形波パルスの5回連続印可を、5分の間隔をあけて2回行う(合計10回)パターンまたは1秒間に一回の矩形波パルスの10回連続印加を行う)
4)硝子体内に注入するDNAプラスミドの量(5、 20、80 μg)
以下の実施例では、便宜上、パラメーターI、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IXをそれぞれ「P-1、P-2、P-3、P-4、P-5、P-6、P-7、P-8、P−9」と表記する。
(2)遺伝子導入
各パラメーターに対応するP-1〜P-9各群に8週齢Winster系雄性ラット(250−300g)を5匹づつ割り当てた。ペントバルビタール40 mg/kg(体重)麻酔下、TE溶液(10mM Tris-HCl (pH 7.5); 1 mM EDTA)に溶かしたGFPプラスミド(pEGFP)を散瞳後に角膜輪部より後方0.5mmより30ゲージ針を用いて硝子体内に注入した。注入5分後、図5に示すように、エレクトロポレーション装置のコンタクト型電極(contact lens type electrode)(陰極)を左眼角膜上、針電極(needle type electrode)(陽極)を前頭部正中(針先が両眼球を結ぶ線上に来るまで)皮下に刺入、設置した。(図5のa, b, c参照)。その後、各パラメーターP-1〜P-9(図4)の条件下で、矩形波パルスを印加した。
(3)GFP‐陽性細胞の観察
エレクトロポレーションの一週間後に、ラットを、エーテルによる深麻酔下にてPLP(過ヨウ素酸−リジン−パラホルムアルデヒド)固定による還流固定に供した。次いで、全網膜(Whole mount retina)を共焦点レーザー顕微鏡(Radians 2000, Bio-Rad)にて観察した(図6a)。
図6a(scale bar=20μm)は全網膜中のGFPをエレクトロポレーションにより導入された網膜神経節細胞を示している。GFP陽性細胞(緑色)は図面では白く表されており、該細胞が丸い細胞体と豊富な細胞質を有することがわかる。このことより、これらの細胞が網膜神経節細胞であることが確認できる。また、核をTO-PRO-3により染色し顕微鏡下で観察することにより、GFPの大部分が網膜神経節細胞に発現していることを確認した(データ示さず)。
(4)遺伝子導入効率の産出
全網膜標本より無作為に8領域を選び、単位面積(mm2)あたりのGFP陽性細胞数を計測した。さらに各領域から無作為に抽出した6個のGFP陽性細胞のGFP強度をLaserSharp 2000(Bio-Rad)で計測した。また、網膜全体に対するGFP陽性細胞の占める割合を、MetaMorph digital image analyzing software(Universal Imaging Co.)を用いて計測した。
遺伝子導入効率を単位面積(mm2)あたりのGFP陽性細胞数、平均GFP強度、及びGFP陽性領域の網膜全体に対する割合の乗算で求めた。その結果、遺伝子導入効率はP-2の場合に最高であり、P-7の場合に最低であることが判った(図4参照)。
(5)網膜神経節細胞の逆行性標識
網膜神経節細胞の逆行性標識はVidal-Sans et al.(Exp Neurol 1988; 102: 92-101)の報告に従って施行した。ペントバルビタール(40mg/kg)腹腔内投与による麻酔下にてN, N−ジメチルホルムアミドに溶かした疎水性の蛍光性トレーサー、diI(1,1'-dioctadecyl-3,3,3',3'-tetramethylindocarbocyamine percholorate、Molecular Probes)を左右の両上丘に注入した。diI逆行性標識の後、ラットを前述のように還流固定し、全網膜を共焦点レーザー顕微鏡にて観察した。結果を図6bに示す。
図6b(scale bar=20μm)はdiI逆行性標識後に共焦点レーザー顕微鏡下で観察した結果であり、diI逆行性標識網膜神経節細胞中に検出されたGFP発現細胞を示している。灰色を呈しているのはdiIで標識された網膜神経節細胞であり、そのうちGFPを発現している細胞は白色で表されている。
(6)GFP陽性率の算出
網膜神経節細胞中の真のGFP陽性率を計測するために、4匹の動物をdiI逆行性標識した後、上記で遺伝子導入効率が最高であった図4のP-2条件下でGFP遺伝子のエレクトロポレーションを行った。エレクトロポレーションの7日後に、視神経乳頭からそれぞれ1、2、3mmの位置につき、4領域合計12領域にて、全網膜を共焦点レーザー顕微鏡下で観察し、GFP陽性率(diIで標識されたすべての網膜神経節細胞に対するGFP陽性細胞の占める割合)を計測した。GFP陽性率は、24.4±4.7%であった。
(7)コントロール実験
コントロール(対照)実験は、図4のP-2を基本として以下の3条件を用いて行った。
DNA注入(−)ELP(+)群:DNA注入無しでエレクトロポレーション有り
DNA注入(+)ELP(−)群:DNA注入有りででエレクトロポレーション無し
DNA注入(−)ELP(−)群:DNA注入、エレクトロポレーション共に無し
それぞれについて、前述の方法と同様に処理し、7日目に全網膜解析を行った。これらコントロール実験では、GFP陽性細胞は検出されなかった。
(8)GFP強度の経時的変化
GFP強度の経時的変化をみるために、P−2条件下、上記と同様にしてGFP遺伝子を導入し、エレクトロポレーション後、1、3、5週にて無作為に抽出した20から30個のGFP陽性細胞のGFP強度を計測した。コントロールとして正常網膜を用いた。
図7はGFP強度の経時的変化を表しており、1及び3週間後に、コントロールと比較して有意な差が有ることが明らかである(p<0.01)。
また、図7からGFP強度と発現の長さの関係を分析すると、GFP発現は1週間後に最大になり、発現が3週間維持されたことが分る。第1及び第3週のGFP強度はコントロール群に比較して有意に高い(p<0.01)。しかしながら、強度は5週目から徐々に低下しコントロールとの間に有意差がないことが分る(p=2.01)。
(9)エレクトロポレーションによる眼球の障害の評価
上記Iで試験したパラメーターのうち、無処置(正常)群の網膜、最高の導入効率を示したP−2群の網膜、及び低い導入効率を示したP−6群の網膜を用いて眼球障害を評価した。
1)HE(ヘマトキシリン−エオシン)染色
P−2またはP−6の条件下、各群4匹のラットに既述の方法でGFP遺伝子を導入した。上記と同様に、エレクトロポレーションの7日後に動物を還流固定した。無処置の僚眼(正常眼)をコントロールとした。角膜と網膜の凍結切片(12 μm 厚)をHE(ヘマトキシリン−エオシン)染色し光学顕微鏡下で観察した。
2)TUNEL染色
上記1)と同様に、P−2とP-6を用い、各群4匹のラットの網膜神経節細胞にGFPを導入し、7日後に還流固定した。角膜と網膜を取り出し、TUNEL染色を行った。TUNEL(TdT- mediated dUTP- biotin nick end labeling)法によれば、アポトーシスによりDNAが断片化している核を特異的に標識することができる。無処置の僚眼(正常眼)をコントロールとして用い、TUNELはin situ apoptosis detection kit(Roche社)を用い、供給者の指示に従って行った。各サンプルからの凍結切片(12 μm 厚)をTO-PRO-3(Molecular Probe)染色し、全ての核を染めた。次いで、切片を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。
また、TUNEL染色陽性のコントロールとしてDNaseで処理した切片を用いた。核染色であるTO-PRO-3を計数することにより、1切片あたりの細胞数/mm2を求めた。無処置(正常)網膜、P−2、P-6により処理した網膜におけるTUNEL陽性細胞率(%)を、全TO-PRO-3陽性細胞中のTUNEL陽性細胞数の割合として計算した。その結果を表1に示す
Figure 0004464098
表1は、無処置の眼球ではTUNEL陽性細胞は検出されず、障害が起きていないことを示している。組織障害がないことはHE染色によっても確かめられた。これに対してP-2及びP-6群については以下の点が明らかである。
角膜上皮細胞に関しては、TO-PRO-3染色で検出された切片1mm2あたりの細胞数は3群で統計学的に有意差がない(p>0.05)が、TUNEL染色に基けば、P-2群の場合8.6±1.9%の細胞が陽性であるのに対しP-6群の場合9.8±1.9%の細胞が陽性である(第4欄)。
角膜内皮細胞に関しては、TO-PRO-3染色では3群に有意差がない(p>0.05)が、TUNEL染色では差がある。即ち、P−2群には陽性細胞が存在しないのに対してP−6群では4.1±3.8%の細胞が陽性である(第4欄)。HE染色の結果、角膜において細胞及び組織学的な損傷は、P-2、P-6群ともに認められなかった。
神経節細胞層におけるTO-PRO-3染色では、無処置群、P−2群、P−6群及びTUNEL陽性対照群の間で有意差がない(p>0.05)。TUNEL染色による観察では、P−6群の7.1±2.6%が陽性であるのに対し、P−2群では1.1±2.4%が陽性であった。また、陽性対照群では88.2±6.8%の細胞が陽性であった。HE染色の結果、P-2及びP-6群において、構造上の障害は認められず、10個の網膜層は無傷のままであった。
また、水晶体の白濁は、P-6群では5眼中1眼で認められたのに対し、P-2群では全く認められなかった(データ示さず)。
以上の結果より、本発明のエレクトロポレーション法を施行された処置群では、無処置群に比べ、角膜及び神経節細胞層での有意な細胞数の減少は認められず、細胞障害もほとんど起こっていないことがわかる。TUNEL法で分析した場合、P-2、P-6両群の角膜上皮細胞、及びP-6群の角膜内細胞においてDNA断片化が起こっていることが認められた。一般に角膜上皮細胞は損傷されても再生可能であるが、ヒト角膜内皮細胞は再生不可能であると言われており、P-2群で角膜内皮細胞のDNA断片化が起こっていないことは意義深い。また、神経節細胞では、P-2、p-6ともにDNAの断片化は認められるものの僅かであり、特にP-2群では極めて僅かである。このように、表1の結果は本発明の方法が安全であることを示している。本方法によれば、網膜神経節細胞に最少の組織障害で目的の遺伝子を効率的に導入することができ、特にP-2の条件が最適であることが明らかになった。
実施例2 GDNFのラット網膜神経節細胞への導入
本実施例では、本発明のエレクトロポレーション法による成体ラットの障害された網膜神経節細胞の救済を試みた。
GDNFは網膜神経節細胞の発生、分化、生存において重要な因子として知られている。このGDNF遺伝子を視神経切断モデルに、実施例1で確認したP-2の条件下で導入し網膜神経節細胞の生存率を評価した。GDNF遺伝子の網膜神経節細胞への導入と発現は、免疫組織化学分析とWestern blot法にて確認し、更に視神経切断後6週までの生存網膜神経節細胞数で調べた。カスペース3、9は細胞死に関連している事が報告されており(Kermer Pら、J Neurosci 1998; 18: 4656-62他)、これらの発現を、RT-PCRを用いて検索することで細胞死を評価した。
(1)視神経切断モデルにおけるGDNF遺伝子導入
DiIによる網膜神経節細胞の逆行性標識とGDNF遺伝子のエレクトロポレーションを左眼に対して同日に行った。逆行性標識とエレクトロポレーションは実施例1に記載の方法と同様にして行った。なお遺伝子導入にはGDNFプラスミド(pCI-Neo−GDNF)を用いた。
1週間後、ペントバルビタール(40mg/kg)による麻酔下にて左視神経を露出し、眼窩内で眼球後方2mmの位置で網膜血流を遮断しないように、視神経を切断した。全網膜は視神経切断後2、4、6週後に眼球を摘出し、共焦点レーザー顕微鏡にて観察した。各週につき、5匹の動物を用いた。各全網膜の視神経乳頭からそれぞれ1、2、3mmの位置につき、4領域計12領域で写真をとり、diI標識細胞数を計測した。細胞は明確な細胞体をもっていて突起を伸ばしているもののみを計測した。無処置(正常)網膜において逆行性標識された網膜神経節細胞数を100%とし、他の実験群での生存率を測定した。結果を図8(各群の各時点についてn=5)に示す(scale bar=50μm)。図中、aは無処置(正常)群、bはGDNF導入群の視神経切断後2週間、cはコントロール(GDNF非導入)群の視神経切断2週間後のDiI-標識網膜神経節細胞を示している。これらの図において、diI標識網膜神経節細胞は灰色の点で表されている。単位面積あたり平均のdiI標識網膜神経節細胞数を計数した結果を表2に示す。
Figure 0004464098
表2に示すように、無処置群の網膜に比較してGDNFを導入しないコントロール群の場合は細胞が急速に減少している。これに対して、GDNF導入網膜においては、2、4週目のdiI-標識網膜神経節細胞残存数は、コントロール群よりも有意に高い(**p<0.01)ことが分る。しかし、6週目では有意差がない(p=0.4)。
上記から、GDNFの導入により細胞の死滅が抑制されることが明らかになった。
(2)免疫組織化学分析
網膜神経節細胞へのGDNF遺伝子の導入を確認するために、免疫組織学的検討を行った。エレクトロポレーションの7日後、動物を前述のとおり還流固定した。網膜の凍結切片(12 μm 厚)をウサギGDNF1次抗体(1:100 Santa Cruz Biotechnology Inc. )で4℃にて一晩中反応させ、その後FITC結合抗ウサギ抗体で室温にて2時間反応させた。核染色はTO-PRO-3を用い、観察は共焦点レーザー顕微鏡を用いて行った。その結果、無処置の神経節細胞層では弱いGDNF陽性シグナルしか認められないのに対し、エレクトロポレーション後の神経節細胞層には多くの陽性細胞が存在することが確認された(データは示さず)。
(3)ウエスタンブロット分析
GDNF導入網膜と僚眼の正常網膜はエレクトロポレーション7日後に取り出した。検体を溶解(lysis)buffer(0.5% SDS、10% グリセロール、26%β-メルカプトエタノール、200 mMエチレンジアミン四酢酸 (EDTA)、100 mM フェニルメチルスルホニル フルオリド (PMSF)及び1 M N-エチルマレイミド(NEM)を含有する0.5 M TrisHCl, pH 7.4)中で超音波により破砕し、10% SDS-ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動し、ニトロセルロース膜上に吸収させた。検出は色素産生性ウエスタンブロット免疫検出キット(WesternBreeze)を用いて行った。即ち、キットに添付の指示書に従い、蛋白を一次抗体 goat-anti-GDNF抗体と2時間室温にて反応させた後、anti-goat IgG-結合二次抗体と室温で2時間反応させた。さらにアルカリフォスファターゼ反応によって可視化した。結果を図9に示す。GDNFは無処置網膜(正常)及び処置網膜(GDNF導入)の両方で、20.1kDaに検出されているが、無処置網膜での発現に比較して、処置網膜での発現はかなり強い。この結果は、pCI-Neo-GDNFプラスミドのエレクトロポレーション後に網膜神経節細胞でのGDNF発現がアップレギュレーションされたことを示している。
(4)RT-PCR
無処置(正常)網膜、GDNFを導入した後視神経を切断した網膜、GDNFを導入せずに視神経を切断した網膜を準備し、RT-PCRに用いた。各条件に4匹の動物を割り当てた。GDNFエレクトロポレーションの7日後に、視神経切断を施行し、その9時間後に屠殺した。各サンプルはSV RNA lysis buffer(Promega)中で超音波にて破砕した。全RNAはtotal RNA isolation kit (Promega)を用いて単離した。種々のmRNAの相対的な発現を分析するために、広範に発現しているβ−アクチンmRNAからのシグナルに基づいてcDNAの量を標準化した(total RNA量の調整)。PCRは以下のforward及びreverseプライマーを用い、基本的なTaqポリメラーゼ(Sigma)を用いた手順を使って実施した。
カスペース3(caspase 3)
sense: 5'-AAGAAACAGATCCCGTGTAT-3'(配列番号1)
antisense: 5'-GACCTGGAACATCGGATTTGA (配列番号2)
カスペース9(caspase 9)
sense: 5'-GCTGGACGCAGTGTCAAG-3'(配列番号3)
antisense: 5'-ACAGCCAGGAATCTGCTTATA-3'(配列番号4)
βアクチン(beta-actin)
sense:5'-GTGACGAGGCCCAGAGCAAGAG-3'(配列番号5)
antisense 5'-AGGGGCCGGACTCATCGTACTC-3'(配列番号6)
PCR反応のプログラムは以下の通りである。
94℃、4分のインキュベーションを1回;94℃、1分の熱変性;54-68℃で30秒のアニーリング、72℃で45秒の伸長を1サイクルとして32サイクル。
分離したPCR産物をUV illuminatorを用いて画像処理した(図10)。図10において、(A)は無処置(正常)の網膜であり、(B)はコントロール(GDNF非導入)であって視神経切断9時間後、(C)はGDNF導入網膜であって視神経切断9時間後のカスペース3及び9によるRT-PCRの結果である。
無処置(正常)網膜において、カスペース3及びカスペース9はごく僅か(A)であるが、視神経切断後9時間後には増加した(B)。しかし、GDNF導入群の場合は、カスペース3及びカスペース9の発現はダウンレギュレートされている(C)。
網膜神経節細胞の細胞死(アポトーシス)に関連することが知られているカスペース3及び9の発現がGDNF導入群で減少していることは、本発明方法によりGDNFが網膜神経節細胞に導入され、細胞死を阻止したことを示している。
本発明のコンタクト型電極と他の電極を用いるインビボエレクトロポレーションのための方法により、安全にしかも有効に標的細胞に目的の物質を導入することができる。従って、本発明方法によれば、広く核酸、蛋白質、薬物などを標的細胞に導入し、疾患の治療、予防または診断のための新しい方法の開発が可能である。特に、網膜神経節細胞に手術操作を必要としない簡便な方法で、組織を障害することなく、核酸(外来遺伝子)や薬物等を導入することができるので、難治性疾患である網膜色素変性症や緑内障などで惹起される網膜神経節細胞死を抑制することにより、これらの疾患の治療及び予防法を提供することが初めて可能となる。
エレクトロポレーション用装置の模式図である。 図1に記載のコンタクト型電極1及び針電極2の側面図である。 コンタクト型電極1の拡大した側面図及び平面図である 本発明方法のためのパラメーターの説明図である。 本発明のエレクトロポレーション用装置の使用例を示す写真の模写図である。 GFP遺伝子導入後一週間後のラットの全網膜のGFP陽性細胞を共焦点レーザー顕微鏡で観察した写真の模写図である。 パラメーターII(P-2)条件下でラットの網膜神経節細胞に導入されたGFPの強度の経時的変化を示すグラフである。 diI標識した、無処置(a)の、またはGDNFを導入または導入しない(それぞれb、c)視神経切断モデルにおける網膜神経節細胞の数をdiI標識と共焦点レーザー顕微鏡で観察した結果を示すグラフ(上)と写真の模写図である。 ウエスタンブロット法により、GDNF導入網膜と僚眼の正常網膜におけるGDNFの発現を分析した結果を示す写真の模写図である。 視神経切断モデルを用いた、GDNF導入によるカスペース3及び9発現への影響を調べるためのRT-PCRの結果を示す写真の模写図である。
符号の説明
1 コンタクト型電極
2 針電極
3 配線
4 矩形波印加手段
5 インピーダンス測定手段
7 第1電極
10 第2電極

Claims (1)

  1. エレクトロポレーションにより生体内の網膜神経節細胞DNAを導入するための装置であって、生体外に配置するためのコンタクト型電極、生体内または生体外に配置するための針電極、及びこれらの電極間にDCパルスを印加してエレクトロポーションを発生させるための矩形波印加手段とを備えていることを特徴とする装置であって、導入されるDNA量が20μgであり、DCパルスが、オンおよびオフ時間の和が1秒間であるオン、オフからなる周期を有する矩形波を5回連続してパルスした後、5分間の間隔をあけて、再びオンおよびオフ時間の和が1秒間であるオン、オフからなる周期を有する矩形波を5回連続してパルスするものであり、DCパルスのオン時間の電界強度が6V/cmであり、前記オン時間が100msecであるものであり、該装置が、導入すべきDNAが硝子体内または網膜下腔に投与され、コンタクト型電極が角膜の表面に、針電極が前頭部正中に配置されるよう用いられることを特徴とする装置。
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