JP4463495B2 - 携帯端末装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、2つの筐体を回動可能に連結して構成された携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、2つの筐体を連結手段により開閉可能に連結した携帯端末装置としては、例えば、特許文献1に示す携帯電話機のように、2つの筐体を重ね合わせて配置することができ、両筐体の重ね合わせ方向に沿う基準軸線を中心として互いに回動可能となっているものがある。
両筐体を重ね合わせた状態において、一方の筐体により覆い隠される他方の筐体の表面には、複数の押圧可能な操作キーからなる操作部が設けられている。また、この表面と略同じ方向に向く前記一方の筐体の表面には、表示部が設けられており、この表示部は、2つの筐体の開閉状態にかかわらず、常に外方に露出している。
このような構成の携帯端末装置を鞄や衣服のポケットに収容して携行する際には、2つの筐体を互いに重ね合わせて閉じた状態とする。この状態においては、携帯端末装置の占有容積を最小限に抑えることを考慮して、2つの筐体が互いに隙間無く当接している。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−288860号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の携帯端末装置においては、2つの筐体を互いに閉じた状態で2つの筐体が互いに当接しているため、2つの筐体を基準軸線を中心に互いに開閉する際に、2つの筐体が互いに擦れ合い、前記他方の筐体に設けられた操作部が前記一方の筐体により傷つけられるという問題があった。
また、2つの筐体が基準軸線を中心に互いに回動可能に連結されているため、例えば、鞄やポケットに収容されているとき、筐体の側面方向から外力が加わると、ユーザーの意図に反して2つの筐体が互いに開く場合があり、この状態においてさらに外力が加えられると連結手段周辺に応力が発生して破損する虞があった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、2つの筐体を互いに開閉する際に2つの筐体が擦れ合うことを抑制して操作部の保護を図ると共に、携行の際に不意に2つの筐体が相互に開くことを防止できる携帯端末装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
発明は、厚さ方向に重ね合わせ可能な2つの筐体と、該2つの筐体を厚さ方向に延びる第1の基準軸線を中心として回動可能とし、かつ前記一方の筐体を前記他方の筐体に対して前記第1の基準軸線に直交する第2の基準軸線回りに揺動可能に連結する連結手段とを備える携帯端末装置であって、前記連結手段が、前記2つの筐体の各一端部側同士を連結し、前記2つの筐体を相互に重ね合わせた閉状態において対向する一方の筐体の対向面に凹部を、他方の筐体の対向面に前記凹部に挿入される突起部を、前記2つの筐体の各他端部側の各々に設け、前記連結手段は、前記2つの筐体の各他端部を相互に近接させる方向に付勢する付勢手段と、前記2つの筐体を相互に重ね合わせた閉状態から前記第1の基準軸線を中心に回動して開く動作に連動して、前記付勢手段の付勢力に抗して各筐体の他端部を厚さ方向に相互に離間させ、かつ、前記2つの筐体を相互に開いた状態から前記第1の基準軸線を中心に回動して閉じる動作に連動して、各筐体の他端部を厚さ方向に相互に近接させるガイド手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
この発明に係る携帯端末装置によれば、2つの筐体を相互に重ね合わせて閉じた状態においては、突起部が凹部に挿入されて2つの筐体が相互に係合するため、2つの筐体の相対的な回動を抑止して、2つの筐体を互いに閉じた状態に保持できる。したがって、この状態において、2つの筐体を相互に基準軸線回りに回動させる外力が作用したとしても2つの筐体の相対位置が簡単にズレることがなく、2つの筐体を相対的に正確な位置に保持できる。
【0008】
また、2つの筐体を相互に閉じた状態においては、付勢手段により一方の筐体に形成された凹部に、他方の筐体の他端部に設けられた突起部が近接するように付勢されているため、突起部を確実に凹部に挿入させておくことができる。また、2つの筐体を閉じた状態から相互に180°回動させて開く際には、ガイド手段により2つの筐体の他端部がその厚さ方向に離間するため、突起部が、一方の筐体の対向面を擦って傷つけることを防止できる。
【0009】
また、本発明は、前記2つの筐体の相対的な回動方向における前記凹部の側壁部を、前記凹部の底壁面から対向面に向けて漸次広がる傾斜面としたことを特徴とする。
この発明に係る携帯端末装置によれば、2つの筐体を閉じた状態から相互に回動させて開く際に、突起部を凹部からスムーズに脱出させることができると共に、2つの筐体を閉じる際に、突起部が傾斜面によって凹部内に導かれ、閉じた状態における2つの筐体の位置決めを容易に行うことができる。
【0010】
また、本発明は、前記2つの筐体を重ね合わせた閉状態において対向する一方の筐体の対向面に操作部を設けると共に、他方の筐体の対向面と反対側の外面に表示部を設けたことを特徴とする。
この発明に係る携帯端末装置によれば、2つの筐体を相互に閉じた状態において、外方に露出する表示部を視認する際に、2つの筐体が不意に相互に回動しないため、携帯端末装置の良好な使用環境を確保できる。
【0011】
また、本発明は、前記凹部の底壁面に開口する貫通孔を備え、前記一方の筐体内に、前記貫通孔に対向してマイクロフォン又はスピーカーを備えることを特徴とする。
この発明に係る携帯端末装置によれば、2つの筐体を相互に閉じた状態においては、突起部が凹部に挿入されるため、凹部の底壁面に形成された貫通孔が突起部により閉塞されることになる。したがって、この状態においては、塵、埃、液体等の異物が貫通孔から筐体内部に侵入することを阻止できる。
【0012】
また、本発明は、前記突起部が弾性体からなることを特徴とする。
この発明に係る携帯端末装置によれば、2つの筐体を相互に閉じた状態から第1の基準軸線を中心に回動させた際には、弾性体からなる突起部が弾性変形して凹部から脱出できるため、2つの筐体を相互に閉じた状態から開くことができる。また、2つの筐体を相互に回動させて開閉する際に、他方の筐体に設けられた突起部が一方の筐体の対向面に当接していても、この対向面を擦って傷つけることがない。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1から図5は本発明に係る第1の実施形態を示しており、ここで説明する実施の形態は、この発明を携帯電話機に適用した場合のものである。この実施の形態に係る携帯電話機(携帯端末装置)1は、図1,2に示すように、第1の筐体2と、この第1の筐体2の厚さ方向に重ね合わせ可能な第2の筐体3と、これら2つの筐体2,3を、その厚さ方向に延びる第1の軸線(第1の基準軸線)L1を中心に回動可能に連結する連結手段5とを備えている。なお、連結手段5は、2つの筐体2,3の各端部(一端部)2c,3c(以下、基端部2c,3cと呼ぶ。)同士を連結するように配されている。また、2つの筐体2,3を相互に重ね合わせた状態において、対向する各筐体2,3の対向面2a,3dは、いずれも略矩形状に形成されている。
【0014】
第1の筐体2の厚み方向に略直交する第2の筐体3との対向面2aには、通話キー、終話キー等の各種の押圧可能な操作キーからなる操作部7が設けられており、この操作部7は、第1、第2の筐体2,3を互いに重ね合わせて閉じた状態において、第2の筐体3により覆い隠されるようになっている。また、対向面2aのうち、基端部2cの反対側に位置する第1の筐体2の先端部(他端部)2bには、マイクロフォン部9が設けられると共に、厚み方向に窪んだ凹部10が形成されている。
【0015】
第1の筐体2の対向面2aと略同じ方向に向く第2の筐体3の外面3aには、各種の情報を表示する表示部11が設けられており、この表示部11は、2つの筐体2,3の開閉状態にかかわらず、外方に露出している。また、この外面3aのうち、基端部3cの反対側に位置する第2の筐体3の先端部(他端部)3bにはスピーカー部13が設けられている。
さらに、図3(a)に示すように、この先端部3bには、外面3aの反対側に位置する第2の筐体3の対向面3dから突出する突起部15が貼り付けられている。この突起部15は、ゴム等の弾性体から形成されており、2つの筐体2,3を互いに重ね合わせて閉じた状態において、第1の筐体2に形成された凹部10に挿入されるようになっている。
図3(b)に示すように、凹部10の側壁面10aは、2つの筐体2,3の回動方向(AB方向)に沿って凹部10の底壁面10bから第1の筐体2の対向面2aに向けて漸次広がる傾斜面となっている。また、突起部15の先端部15aは、先端に向けてAB方向の幅が徐々に狭くなるように先細り状に形成されている。これら凹部10及び突起部15により、2つの筐体2,3を相互に係合させて閉じた状態に保持する係合手段20が構成されている。
【0016】
連結手段5は、図4に示すように、第1の筐体2の対向面2aから突出して設けられる略円筒状の筒状部材21と、この筒状部材21に対して第1の軸線L1を中心に回動自在に取り付けられる連結部23とを備えている。
筒状部材21の軸方向下端部は、第1の筐体2の内部に固定されたフレーム25に移動不能に取り付けられている。また、筒状部材21の軸方向上端部は、連結部23と共に第2の筐体3の対向面3dから内部に挿入されている。
【0017】
連結部23は、図5に示すように、筒状部材21に第1の軸線L1を中心に回転自在に取り付けられる略円筒状の第1の回転部25と、この第1の回転部25の上端部25a側に形成され、第1の軸線L1に直交する平面を有する平板部27と、この平板部27の上面27a側に設けられ、第1の軸線L1に直交する第2の軸線(第2の基準軸線)L2回りに2つの筐体2,3を相互に近接させる方向に付勢する一対の付勢手段30とを備えている。
第1の回転部25は、筒状部材21の内径とほぼ同様の外径寸法を有しており、その上端部25aが、筒状部材21の上端部21aから突出するように保持されている。また、平板部27は、この第1の回転部25と一体的に形成されており、筒状部材21、第1の回転部25及び平板部27により軸線L1方向に貫通する貫通孔28が形成されている。この貫通孔28により2つの筐体2,3の内部空間が相互に連通されることになる。
【0018】
一対の付勢手段30は、第1の軸線L1を挟んだ対称な位置に配されている。各付勢手段30は、平板部27の上面27aに固定され、第2の軸線L2方向に配された円柱状軸部31aを有するコ字状の軸体31と、第2の軸線L2回りに回転自在に円柱状軸部31aに取り付けられた第2の回転部33と、円柱状軸部31aに巻回され、平板部27に対して第2の回転部33を第2の軸線L2回りの一方向(C方向)に付勢する捩りバネ35とを備えている。
第2の回転部33は、図4に示すように、第2の軸線L2が基端部2c,3cから先端部2b,3bに向かう2つの筐体2,3の長手方向に直交するように、第2の筐体3の内部に固定されたフレーム37に対して移動不能に取り付けられている。
付勢手段30をこのように構成することにより、第2の筐体3が、捩りバネ35の付勢力により第1の筐体2に対して第2の軸線L2を中心にC方向に回動するように付勢される。したがって、2つの筐体2,3を相互に重ね合わせて閉じた状態においては、この付勢力によって2つの筐体2,3の先端部2b,3bが相互に近接し、突起部15を確実に凹部10に挿入させることができる。
【0019】
また、この連結手段5には、2つの筐体2,3を第1の軸線L1を中心に相互に回動して開閉する動作に連動して、2つの筐体2,3を第2の軸線L2を中心に相互に揺動させるガイド手段40が設けられている。
すなわち、ガイド手段40は、筒状部材21の上端部側の端面21bと、第2の筐体3の内部に固定された棒状部材41とから構成されている。棒状部材41は、捩りバネ35の付勢力により筒状部材21の端面21bに当接できるようになっており、この端面21bは2つの筐体2,3の長手方向に傾斜している。
このため、2つの筐体2,3を第1の軸線L1を中心に相互に回動して開く際には、第2の筐体3が、第1の筐体2に対して捩りバネ35の付勢力に抗する方向(D方向)に揺動して、2つの筐体2,3の先端部2b,3bが相互に離間することになる。また、2つの筐体2,3を第1の軸線L1を中心に相互に回動して閉じる際には、第2の筐体3が、第1の筐体2に対して捩りバネ35の付勢方向(C方向)に揺動して、2つの筐体2,3の先端部2b,3bが相互に近接することになる。
【0020】
ただし、2つの筐体2,3を相互に重ね合わせて閉じた状態においては、棒状部材41が端面21bに当接しないようになっている。すなわち、図5に示すように、2つの筐体2,3を閉じた状態において棒状部材41が位置する端面21bの部分には、端面21bから第1の軸線L1方向に窪んだ凹部43が形成されており、2つの筐体2,3を互いに閉じた状態において、棒状部材41がこの凹部43に入り込むようになっている。そして、棒状部材41がこの凹部43に入り込んだ状態においては、棒状部材41が端面21bに当接しない状態となり、捩りバネ35の付勢力により2つの筐体2,3の先端部2b,3bが相互に押さえつけるようになっている。
【0021】
以上のように構成された携帯電話機1の使用方法について説明する。
この携帯電話機1を鞄や衣服のポケットに収容して携行する場合には、図2に示すように、2つの筐体2,3を互いに重ね合わせて閉じた状態とする。この状態においては、図3に示すように、付勢手段30の付勢力により2つの筐体2,3の先端部2b,3bが相互に近接し、突出部15が凹部10内に挿入されている。このため、2つの筐体2,3が相互に係合することになり、2つの筐体2,3を相互に第1の軸線L1を中心に回動させる外力が作用しても、2つの筐体2,3の相対位置が簡単にズレることがなく、2つの筐体2,3を相対的に正確な位置に保持できる。
そして、この状態から、携帯電話機1を使用する場合には、図1に示すように、第2の筐体3を第1の筐体2に対して第1の軸線L1を中心に180°回動させて、2つの筐体2,3を相互に開く。
【0022】
この際には、先細り状に形成された突起部15の先端部15aが傾斜面となっている凹部10の側壁面10aに沿って移動することになる。また、この際には、ガイド手段40により2つの筐体2,3の先端部2b,3bが第2の軸線L2を中心に互いに離間する方向に漸次移動し、第1の筐体2の対向面2aと突起部15との間に微小な隙間が生じるため、突起部15が第1の筐体2の対向面2aを擦ることがない。
この状態において、例えば通話を行う場合には、操作部7を操作し、マイクロフォン部9およびスピーカー部13を通じて通話を開始する。また、例えばメールを受信した場合には、操作部7を操作して表示部11において受信したメールの内容を表示させる。
【0023】
上記のように、この携帯電話機1によれば、各筐体2,3に凹部10及び突起部15をそれぞれ設け、且つ連結手段5に付勢手段30を設けることにより、2つの筐体2,3を互いに閉じた状態に維持し、2つの筐体2,3を相対的に正確な位置に保持することができる。したがって、2つの筐体2,3を互いに閉じて携帯電話機1を携行している際に、2つの筐体2,3が不意に開くことを防止することができる。
また、2つの筐体2,3を相互に閉じた状態において、外方に露出する表示部を視認する際に、2つの筐体2,3が不意に回動することがないため、携帯電話機1の良好な使用環境を確保できる。
【0024】
さらに、2つの筐体2,3を相互に回動させて開く際には、ガイド手段40によって2つの筐体2,3の先端部2b,3bが第2の軸線L2を中心に互いに離間する方向に漸次移動するため、第1の筐体2の対向面2a及びこの対向面2aに設けられた操作部7が、第2の筐体3に設けられた突起部15により傷つけられることを防止できる。
また、2つの筐体2,3を閉じた状態から相互に回動させて開く際には、先細り状に形成された突起部15の先端部15aが凹部10の側壁面10aに沿って移動するため、突起部15を凹部10からスムーズに脱出させることができる。
【0025】
次に、図6は、この発明に係る第2の実施形態を示している。この実施形態は、図1から図5に示す携帯電話機1と基本的構成が同一であるが、係合手段20の構成が異なっているため、この係合手段20の構成について説明し、図1から図5の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
【0026】
係合手段20は、図6に示すように、第1の筐体2の対向面2aの先端部側に設けられたマイクロフォン部9を利用して構成されている。
すなわち、マイクロフォン部9は、第1の筐体2の対向面2aから内方に窪んだ凹部51と、この凹部51の底壁面51bに形成された貫通孔53と、第1の筐体2の内部に設けられ、貫通孔53と対向する位置に固定されたマイクロフォン55とを備えている。マイクロフォン55は、外方から貫通孔53を介して到達する音響を電気信号に変換するものであり、第1の筐体2の内部に配された回路基板57に固定されている。なお、凹部51は、外方からの音響を効率よく集音するために、その底壁面51bから第1の筐体2の対向面2aに向けて漸次広がる傾斜面を有している。
【0027】
第2の筐体3の対向面3dには、2つの筐体2,3を互いに閉じた状態において、マイクロフォン部9の凹部51に挿入される突起部59が貼り付けられている。この突起部59は、第1の実施形態の突起部15と同様にゴム等の弾性体から形成されており、その先端部59aが先細り状に形成されている。これらマイクロフォン部9の凹部51及びこの凹部51に挿入可能な突起部59により係合手段20が構成されている。
【0028】
上記のように、この携帯電話機1によれば、第1の実施形態と同様の効果を奏すると共に、突起部59によりマイクロフォン部9の貫通孔53を閉塞することができる。したがって、2つの筐体2,3を互いに閉じた状態で携帯電話機1を携行している際に、貫通孔53から第1の筐体2の内部に塵、埃、液体等の異物の侵入を阻止でき、マイクロフォン55の損傷を防止できる。
【0029】
なお、上記の第2の実施形態においては、係合手段20は、マイクロフォン部9を凹部51に利用して構成されるとしたが、例えば、スピーカー部を利用して構成するとしても良い。この場合には、マイクロフォン55の代わりに電気信号を音響に変換するスピーカーを凹部の貫通孔に対向して配置すればよい。また、例えば、通話の着信、電子メールの受信、アラーム等の情報を発光により報知するための発光部を利用して係合手段20を構成するとしても良い。この場合には、マイクロフォン55の代わりに発光ダイオードからなる発光素子を凹部の貫通孔に対向して配置すればよい。
これらスピーカー部や発光部を利用して係合手段20を構成した場合にも、マイクロフォン部9の場合と同様にして、2つの筐体2,3を相互に閉じた状態において、スピーカーや発光素子の損傷を防止できる。
【0030】
また、上記の第1及び第2の実施形態においては、突起部15,59を第2の筐体3の対向面3dに貼り付けるとしたが、これに限ることはなく、突起部15,59が対向面3dから容易に外れなければよい。したがって、例えば、図7に示すように、突起部15,59の基端側に鉤状に形成された係合部61,62を形成し、突起部15,59を取り付ける第2の筐体3の対向面3dに形成された貫通孔63,64に係合部61,62を係合させるとしても良い。
さらに、連結手段5にガイド手段40を設けるとしたが、特に設けなくても構わない。この構成の場合には、2つの筐体2,3を閉じた状態から回動させて開く際にも、付勢手段20により2つの筐体2,3の先端部2b,3bが互いに近接する方向に付勢されて、突起部15,59が第1の筐体2の対向面2aに当接することになる。しかしながら、突起部15,59は弾性変形可能なゴム等の弾性体から形成されているため、第1の筐体2の対向面2a及び対向面2aに設けられた操作部7を擦って傷つけることを防止できる。
【0031】
また、操作部7を第1の筐体2の対向面2aに設け、表示部11を第2の筐体3の外面3aに設けるとしたが、これに限ることはなく、例えば、表示部11を第1の筐体2の対向面2aに設け、操作部7を第2の筐体3の外面3aに設けるとしても良い。この構成の場合には、2つの筐体2,3を相互に閉じた状態において、操作部7を操作する際に、2つの筐体2,3が不意に相互に回動しないため、携帯電話機1の良好な操作性を確保できる。また、2つの筐体を相互に回動させて開閉する際に、突起部15,59が表示部11を傷つけることもない。
【0032】
また、携帯電話機1に限ることはなく、PDAやノートパソコンのように、2つの筐体を連結手段により互いに回動可能、かつ開閉自在に連結した携帯端末装置であればよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、各筐体に突起部及び凹部をそれぞれ設けることにより、2つの筐体を互いに閉じた状態に維持し、2つの筐体を相対的に正確な位置に保持することができる。したがって、2つの筐体を互いに閉じて携帯端末装置を携行している際に、2つの筐体が不意に開き、さらに加わる外力による携帯端末装置の破損を防止することができる。
【0034】
請求項2に係る発明によれば、2つの筐体の先端部を近接させる付勢手段により、確実に突起部を凹部に挿入させて2つの筐体を互いに閉じた状態に保持できる。また、2つの筐体を相互に回動させて開く際に、一方の筐体の対向面が、他方の筐体に設けられた突起部により傷つけられることを防止できる。
【0035】
請求項3に係る発明によれば、2つの筐体を閉じた状態から相互に回動させて開く際に、突起部を凹部からスムーズに脱出させることができる。
【0036】
請求項4に係る発明によれば、2つの筐体を相互に閉じた状態において、外方に露出する表示部を視認する、又は、外方に露出する操作部を操作する際に、2つの筐体が不意に回動することがないため、携帯端末装置の良好な使用環境を確保できる。
【0037】
請求項5に係る発明によれば、貫通孔から筐体内部への異物の侵入を阻止できるため、マイクロフォンやスピーカーの損傷を防止できる。
【0038】
請求項6に係る発明によれば、突起部を弾性変形可能なゴム等の弾性体から形成することにより、2つの筐体を相互に回動させて開閉する際に、一方の筐体の対向面に他方の筐体の突起部が当接していても、この対向面を擦って傷つけることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施形態に係る携帯端末装置の一例である携帯電話機を構成する第1、第2の筐体を相互に開いた状態を示す概略平面図である。
【図2】 図1の携帯電話機において、第1、第2の筐体を相互に閉じた状態を示す概略平面図である。
【図3】 図1の携帯電話機において、第1、第2の筐体を相互に閉じた状態を示しており、(a)は、概略正面図であり、(b)は、(a)の要部を示す拡大正面図である。
【図4】 図1の携帯電話機において、係合手段および連結手段を示す断面図である。
【図5】 図1の携帯電話機において、連結手段を示す拡大斜視図である。
【図6】 この発明の第2の実施形態に係る携帯電話機の係合手段を示す拡大断面図である。
【図7】 この発明の他の実施形態に係る携帯電話機の係合手段を示す拡大断面斜視図である。
【符号の説明】
1 携帯電話機(携帯端末装置)
2 第1の筐体
2a 対向面
2b 先端部(他端部)
2c 基端部(一端部)
3 第2の筐体
3a 外面
3b 先端部(他端部)
3c 基端部(一端部)
3d 対向面
5 連結手段
7 操作部
10,51 凹部
10a 側壁面(傾斜面)
10b,51b 底壁面
11 表示部
15,59 突起部
30 付勢手段
40 ガイド手段
53 貫通孔
55 マイクロフォン
L1 第1の軸線(第1の基準軸線)
L1 第2の軸線(第2の基準軸線)

Claims (5)

  1. 厚さ方向に重ね合わせ可能な2つの筐体と、該2つの筐体を厚さ方向に延びる第1の基準軸線を中心として回動可能とし、かつ前記一方の筐体を前記他方の筐体に対して前記第1の基準軸線に直交する第2の基準軸線回りに揺動可能に連結する連結手段とを備える携帯端末装置であって、
    前記連結手段が、前記2つの筐体の各一端部側同士を連結し、
    前記2つの筐体を相互に重ね合わせた閉状態において対向する一方の筐体の対向面に凹部を、他方の筐体の対向面に前記凹部に挿入される突起部を、前記2つの筐体の各他端部側の各々に設け、
    前記連結手段は、
    前記2つの筐体の各他端部を相互に近接させる方向に付勢する付勢手段と、
    前記2つの筐体を相互に重ね合わせた閉状態から前記第1の基準軸線を中心に回動して開く動作に連動して、前記付勢手段の付勢力に抗して各筐体の他端部を厚さ方向に相互に離間させ、かつ、前記2つの筐体を相互に開いた状態から前記第1の基準軸線を中心に回動して閉じる動作に連動して、各筐体の他端部を厚さ方向に相互に近接させるガイド手段と、
    を備えることを特徴とする携帯端末装置。
  2. 前記2つの筐体の相対的な回動方向における前記凹部の側壁部が、前記凹部の底壁面から対向面に向けて漸次広がる傾斜面であることを特徴とする請求項に記載の携帯端末装置。
  3. 前記2つの筐体を重ね合わせた閉状態において対向する一方の筐体の対向面に操作部を備えると共に、他方の筐体の対向面と反対側の外面に表示部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の携帯端末装置。
  4. 前記凹部の底壁面に開口する貫通孔を備え、前記一方の筐体内に、前記貫通孔に対向してマイクロフォン又はスピーカーを備えることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
  5. 前記突起部が弾性体からなることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
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