JP4463363B2 - 下部電極構造およびそれを用いたプラズマ処理装置 - Google Patents

下部電極構造およびそれを用いたプラズマ処理装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板等の被処理体にエッチング処理等のプラズマ処理を施す際に用いられる下部電極構造およびそれを用いたプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイス等の製造プロセスにおいては、プラズマエッチングのように高真空下での処理が多用されている。このような高真空下では、半導体ウエハの保持に真空吸引を利用することができない。そのため、従来、ウエハを機械的に保持するメカニカルクランプ法が用いられていた。
【0003】
しかしながら、メカニカルクランプ法によると、半導体ウエハを保持する際に、その被処理面にクランプの先端を接触させる必要がある。そのため、メカニカルクランプ法を用いた場合、発塵やウエハ表面の汚染等を生じていた。
【0004】
このような問題を解決するものとして、近年、静電チャックが広く利用されている。図4に、静電チャックを有する下部電極構造の一例を概略的に示す。図4において、下部電極構造100は、アルミニウムからなるサセプタ101と、その上に設けられた静電チャック102とを有している。静電チャック102は、ウエハWの載置面を有する誘電体層103と、その誘電体層103中に設けられた平面電極104とを有している。サセプタ101には、マッチングボックス105を介して高周波電源106が接続されている。一方、平面電極104には、ローパスフィルタ107を介して直流電源108が接続されている。
【0005】
このような構成の下部電極構造100において、サセプタ101に高周波電源106から高周波電力を供給するとともに、平面電極104に、直流電源108から直流電圧を印加すると、誘電体層103上に載置された半導体ウエハWと平面電極104との間にクーロン力等の静電引力が生ずる。その結果、半導体ウエハWは誘電体層103側に引きつけられ、半導体ウエハWを保持することが可能となる。
【0006】
このような下部電極構造100は、プラズマエッチング装置等のプラズマ処理装置のチャンバー内に配置され、チャンバーを真空下に保持した状態で上記高周波電源106からサセプタ101に高周波電力を供給することにより、半導体ウエハWの被処理面近傍に高周波電界が形成される。そして、チャンバー内に処理ガスが導入されると、高周波電界により処理ガスのプラズマが形成され、これにより半導体ウエハWに例えばプラズマエッチング処理が施される。
【0007】
ところが、高周波電源106からサセプタ101に供給される高周波の周波数が例えば2MHz以下の場合、半導体ウエハWとサセプタ101との間に介在する誘電体層103が上記高周波の透過を妨げ、半導体ウエハ上に高周波電界が集中しにくくなりエッチング特性が低下することがある。特に誘電体層103がセラミックで構成される場合、その傾向が顕著である。
【0008】
一方、図4に示す下部電極構造とは別に、図5に示す下部電極構造が知られている。図5に示す下部電極構造110においては、図4に示す下部電極構造とは異なり、高周波電源106は、マッチングボックス105およびキャパシタ111を介して平面電極104に接続されている。すなわち、直流電源108からの直流電圧は、高周波電源106からの高周波電圧が重畳されて平面電極104に印加される。このような構成の下部電極構造110によれば、図4に示す下部電極構造100に比べて、高周波が誘電体層103を透過しやすくなり、半導体ウエハ上に高周波電界を集中させやすくなる。
【0009】
ところで、高真空下においては、伝熱媒体が極めて少ないため、常圧よりも熱伝導性が低くなり、高真空下で処理を行うプラズマ処理では、図5に示すように、サセプタ101に、半導体ウエハWと誘電体層103との間に熱伝達用のヘリウムガスを供給するヘリウムガス配管112が設けられている。このため、高真空下においても半導体ウエハWの温度を制御することができる。
【0010】
しかしながら、図5に示す下部電極構造110においては、ヘリウムガスの供給を行った場合にヘリウムガス配管112内等で異常放電を生じてしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、被処理体上に、良好なプラズマ処理を行うことができる高周波電場を形成することができ、しかも異常放電が生じない下部電極構造およびそれを用いたプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、被処理体に対してプラズマ処理を施すための下部電極構造であって、
導電性材料からなる基台と、
この基台上に設けられ、被処理体が載置される誘電体層およびこの誘電体層の下に前記基台とは電気的に絶縁して設けられた電極を有する静電吸着部材と、
前記静電吸着部材の電極に一端が接続された第1の配線と、
第1の配線の他端に接続された直流電源と、
前記基台に一端が接続された第2の配線と、
第2の配線の他端に接続された高周波電源と、
第1の配線と第2の配線とを接続する第3の配線と、
第3の配線上に設けられたキャパシタと、
第2の配線上に設けられ、第2の配線と第3の配線との接続点と、前記基台との間に介在するキャパシタと、
を具備し、
前記第2の配線上に設けられたキャパシタと前記第3の配線上に設けられたキャパシタとは等しい容量を有することを特徴とする下部電極構造が提供される。
【0014】
本発明の第2の観点によれば、気密に保持可能であり、被処理体にプラズマ処理を施すチャンバーと、
前記チャンバー内に収容され、被処理体の載置面を有する下部電極構造と、
前記チャンバー内に前記下部電極構造の載置面に対向するように設けられた上部電極と、
前記チャンバー内を排気する排気手段と、
前記チャンバー内に処理ガスを導入する処理ガス供給手段と
を具備し、
前記高周波電源からの高周波電力によりチャンバー内に処理ガスのプラズマを形成し、このプラズマにより被処理体に所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、
前記下部電極構造は、
導電性材料からなる基台と、
この基台上に設けられ、被処理体の載置面を有する誘電体層およびこの誘電体層の下に前記基台とは電気的に絶縁して設けられた電極を有する静電吸着部材と、
前記静電吸着部材の電極に一端が接続された第1の配線と、
第1の配線の他端に接続された直流電源と、
前記基台に一端が接続された第2の配線と、
第2の配線の他端に接続された高周波電源と、
第1の配線と第2の配線とを接続する第3の配線と、
第3の配線上に設けられたキャパシタと、
第2の配線上に設けられ、第2の配線と第3の配線との接続点と、前記基台との間に介在するキャパシタと、
を有し、
前記第2の配線上に設けられたキャパシタと前記第3の配線上に設けられたキャパシタとは等しい容量を有することを特徴とするプラズマ処理装置が提供される。
【0015】
本発明においては、高周波電源は第2の配線を介して基台に接続されており、基台に高周波電圧が印加され、一方、静電吸着部材の電極と直流電源とを接続する第1の配線には、キャパシタを有する第3の配線を介して高周波電源が接続されるので、静電吸着部材の電極に印加される直流電圧には、高周波電圧が重畳される。したがって、基台だけでなく静電吸着部材の電極にも高周波電圧が印加されるので、高周波が静電吸着部材に遮断されることなく有効に透過することができ、被処理体の上に高周波電界を集中させることができ、良好なプラズマ処理を実施することができる。
【0016】
また、第3の配線により静電吸着部材と基台との両方に高周波電圧が印加され、しかも第3の配線にはキャパシタが介在しているため直流電圧が第2の配線には重畳されない。したがって、静電吸着部材の電極および基台に印加される高周波電圧の位相差を極力低減することで双方の間の電位差を極力小さくすることができるので、基台内の異常放電を防止することができる。つまり、下部電極構造における異常放電は、隣接する部材間での電位差が所定値を超えた場合に生ずるものと考えられ、静電吸着部材の電極に直流電圧を印加し、基台に高周波電圧を印加した場合、電極と基台との間には周期的に極めて大きな電位差が形成されるため、異常放電が生ずる。したがって、上述のようにして、静電吸着部材の電極と基台との間の電位差を、常時、一定の小さい範囲内とすることにより、基台内にヘリウムガスのような熱伝達用ガスを供給する配管を設けた場合であっても、異常放電を防止することができる。
【0017】
また、第2の配線上に、第2の配線と第3の配線との接続点と、前記基台との間に介在するキャパシタが設けられているので、静電吸着部材の電極に印加される高周波と基台に印加される高周波の位相を調節することができ、これらの位相差を極力小さくして異常放電を防止することができる。
【0018】
さらに、この場合に、第2の配線に設けるキャパシタおよび第3の配線に設けるキャパシタとして容量が等しいものを使用することにより、第2の配線と第3の配線との接続点から平面電極までのインピーダンスと、この接続点から基台までのインピーダンスとを等しくすることができ、静電吸着部材の電極に印加される高周波と基台に印加される高周波の位相を一致させることができるので、異常放電を最も有効に防止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る下部電極構造を概略的に示す図である。図1に示す下部電極構造1は、プラズマエッチング装置等のプラズマ処理装置のチャンバー内に配置され、プラズマ形成電極として機能する。この下部電極構造1は、アルミニウムのような導電性材料からなる基台、すなわちサセプタ2を有している。サセプタ2上には、誘電体層4とその中に設けられた平面電極5とを有する静電チャック(静電吸着部材)3が設けられている。誘電体層4を構成する材料としては、例えば、セラミックスや樹脂等を挙げることができるが、本発明は誘電体層4としてセラミックスを用いた場合に特に有効である。
【0020】
サセプタ2および誘電体層4には、ヘリウム等の熱伝達ガスが通流される上下に延びる配管6が設けられている。誘電体層4上に載置される被処理基板、例えば半導体ウエハWと誘電体層4との間には、誘電体層4に設けられた多数の孔(図示せず)からヘリウムガスのような熱伝達ガスが供給されるようになっている。
【0021】
平面電極5には配線7(第1の配線)の一端が接続され、この配線7の他端は直流電源8に接続されている。配線7の平面電極5と直流電源8との間には、ローパスフィルタ9が設けられている。ローパスフィルタ9は、キャパシタ16と抵抗17とで構成されている。一方、サセプタ2には、配線10(第2の配線)の一端が接続され、この配線10の他端は高周波電源11に接続されている。また、配線10のサセプタ2と高周波電源11との間には、マッチングボックス12が設けられている。
【0022】
配線7と配線10とは、キャパシタ13を有する配線14(第3の配線)により接続されている。したがって、直流電源8から平面電極5に印加される直流電圧には、高周波電源11からの高周波電圧が重畳される。すなわち、サセプタ2および平面電極5の双方に高周波電圧が印加される。一方、キャパシタ13により直流電圧は配線10には重畳されない。
【0023】
上述したように、印加する高周波が2MHz以下であれば、従来のようにサセプタ2のみ高周波を印加する場合には、誘電体層4が半導体ウエハWの直上での高周波電界の形成を妨げるが、特に誘電体層4がセラミックスの場合にその傾向が著しい。しかしながら、このように平面電極5に高周波電圧を印加した場合、誘電体層4のうち、高周波電界の形成を妨げるのは、平面電極5と半導体ウエハWとの間に介在する領域のみであり、誘電体層4の平面電極5とサセプタ2との間に介在する領域は高周波電界の形成に殆ど影響しない。したがって、平面電極5に高周波電圧を印加した場合、サセプタ2のみに高周波電圧を印加した場合に比べて誘電体層4の影響を低減することができる。すなわち、高周波電源11から供給する高周波電力の周波数が2MHz以下であり、誘電体層4がセラミックスの場合においても、半導体ウエハWの上に高周波電界を集中させることができ、良好な高周波電界を形成することが可能となる。
【0024】
また、従来は、サセプタ2および平面電極5のいずれか一方に高周波電圧を印加していたため、サセプタ2と平面電極5との間の電位差が周期的に変動し、そのため、この電位差の極大値がしきい値を超えた場合、配管6において異常放電が生じていた。
【0025】
それに対し、上記のようにサセプタ2および平面電極5の双方に周波数の等しい高周波電圧を印加し、しかもキャパシタ13により高周波電源側に直流電圧が重畳しないようにする場合には、これら高周波電圧の位相差を十分に低減することにより、サセプタ2と平面電極5のいずれか一方のみに高周波電圧を印加した場合に比べ、上記電位差の極大値を低減することができ、異常放電の発生を防止することが可能となる。
【0026】
サセプタ2に印加する高周波電圧と平面電極5に印加する高周波電圧との間の位相差は必ずしも0である必要はないが、この位相差を0とした場合、上記電位差の極大値を一層低減することができ、サセプタ2と平面電極5との間の電位差を常に極めて低いレベルに維持することができ、より有効に異常放電の発生を防止することが可能となる。
【0027】
サセプタ2に印加する高周波電圧の位相と、平面電極5に印加する高周波電圧の位相とを一致させるには、配線10と配線14との接点からサセプタ2までのインピーダンスと、配線10と配線14との接点から平面電極5までのインピーダンスとを一致させればよい。例えば、配線10の、配線14との接点とサセプタ2との間に、キャパシタ13と等しい容量を有するキャパシタ15を介在させることにより、上記インピーダンスを一致させることができ、それにより、サセプタ2に印加する高周波電圧と平面電極5に印加する高周波電圧との間の位相差を0とすることが可能となる。
【0028】
このように、上記下部電極構造1によると、高周波電源11から供給する高周波電力の周波数が2MHz以下の場合においても、異常放電を生ずることなく、良好に高周波電場を形成することができる。例えば、高周波電源11から供給する高周波電力の周波数を800kHzとした場合、フィルタ9を構成するキャパシタ16の容量を100pF〜1000pF、フィルタ9を構成する抵抗17の抵抗値を1.5×10Ω〜3×10Ω、キャパシタ13,15の容量をそれぞれ10000pFとすることにより、サセプタ2に印加する高周波電圧と平面電極5に印加する高周波電圧との間の位相差を0とし、かつ半導体ウエハWの上に良好な高周波電界を形成することができ、プラズマ処理に適用する場合に良好なプラズマ特性を得ることができる。
【0029】
次に、上述した下部電極構造1を用いたプラズマ処理装置について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置の一例を概略的に示す図である。なお、図2は、本発明をプラズマエッチング装置に適用した例を示している。
【0030】
図2において、プラズマエッチング装置20は、気密性を有するチャンバー21を有している。チャンバー21内の底部には絶縁性の支持板22が配置され、支持板22上には、冷却部材23およびサセプタ2が順次積層されている。サセプタ2の上面には、誘電体層4とその中に埋め込まれた平面電極5とからなる静電チャック3が設けられており、誘電体層4の上に半導体ウエハWが載置される。また、誘電体層4上の半導体ウエハWを囲むようにフォーカスリング24が配置されている。
【0031】
冷却部材23には冷媒循環路25が形成されている。この冷媒循環路25には、チャンバー21の外部から流路26を経由して冷媒が供給される。冷媒循環路25に供給された冷媒は、半導体ウエハW等の冷却に利用された後、流路27を経由してチャンバー21の外部へと排出される。また、支持板22、冷却部材23、サセプタ2、および誘電体層4等には、チャンバー21の外部から、誘電体層4と半導体ウエハWとの間にヘリウムガスを供給する配管28が形成されている。
【0032】
チャンバー21内の上部には、誘電体層4と対向する面に多数の孔30が設けられたシャワーヘッド31が配置されている。シャワーヘッド31には、配管32,33を経由してガス供給源34が接続されている。ガス供給源34はCFのような処理ガスを収容しており、そこから配管33およびシャワーヘッド31を介してチャンバー21内に処理ガスを供給する。配管33には、ガス供給源34側からマスフローコントローラ35およびバルブ36が順次設けられている。なお、シャワーヘッド31は導電性材料からなり、上部電極として機能する。また、シャワーヘッド31に処理ガスを供給する配管32とチャンバー21とは、絶縁性部材37により電気的に絶縁されている。
【0033】
チャンバー21の側方には、ゲートバルブ38を介してロードロック室39が隣接して配置されている。ロードロック室39内には、複数のアームを組み合わせてなる搬送機構40が配置されている。この搬送機構40は、半導体ウエハWをロードロック室39とチャンバー21との間で搬送するのに使用される。
【0034】
チャンバー21およびロードロック室39には、それぞれ排気口41,42が設けられている。チャンバー21およびロードロック室39内は、それぞれ排気口41,42からポンプ43により排気され、チャンバー21およびロードロック室39内には所望の減圧状態が形成される。
【0035】
平面電極5には、配線7の一端が接続され、この配線7の他端は直流電源8に接続されている。配線7の平面電極5と直流電源8との間には、ローパスフィルタ9が設置されている。一方、サセプタ2には、配線10の一端が接続され、この配線10の他端は高周波電源11に接続されている。また、配線10のサセプタ2と高周波電源11との間には、高周波電源11側から、位相シフト回路50、増幅器51、マッチングボックス12、およびキャパシタ15が順次設置されている。
【0036】
配線7は、そのローパスフィルタ9と平面電極5との間の位置で、配線14と接続されている。配線14の他端は、配線10と、そのマッチングボックス12とキャパシタ15との間の位置で接続されている。したがって、直流電源8から平面電極5に印加される直流電圧には、高周波電源11からの高周波電圧が重畳される。すなわち、サセプタ2および平面電極5の双方に高周波電圧が印加される。なお、配線14は、配線7との接点と配線10との接点との間に、キャパシタ13を有しているため、直流電圧は配線10の高周波電圧には重畳しない。
【0037】
シャワーヘッド31には、配線52の一端が接続され、配線52の他端は高周波電源53に接続されている。シャワーヘッド31と高周波電源53との間には、高周波電源53側から増幅器54およびマッチングボックス55が順次設置されている。なお、上記位相シフト回路50により、高周波電源11からサセプタ2に印加される高周波の位相が、高周波電源53からシャワーヘッド31に印加される高周波の位相に対して180°シフトされる。
【0038】
このように構成されたプラズマエッチング装置20においては、まず、搬送機構40を用いて、半導体ウエハWをロードロック室39内からチャンバー21内に搬送し、さらに誘電体層4上に載置する。なお、ロードロック室39およびチャンバー21内はポンプ45により所定の圧力に減圧されている。
【0039】
次に、高周波電源11からサセプタ2に周波数が2MHz以下、例えば800kHzの高周波電力を供給する。一方、高周波電源53は、シャワーヘッド31に周波数が13.56MHzの高周波電力を供給する。なお、この場合、ローパスフィルター9を構成するキャパシタ16の容量を100pF〜1000pF、抵抗17の抵抗値を1.5×10Ω〜3×10Ω、キャパシタ13,15の容量をそれぞれ10000pFとすることにより、サセプタ2に印加する高周波電圧と平面電極5に印加する高周波電圧との間の位相差を0とし、かつ良好に高周波電場を形成することができる。
【0040】
さらに、上記条件下で、バルブ36を開放し、マスフローコントローラ35で流量を調節しつつガス供給源34からシャワーヘッド31に処理ガスを供給する。この処理ガスは、シャワーヘッド31とサセプタ2との間の高周波電界によりプラズマ化される。すなわち、シャワーヘッド31と半導体ウエハWとの間にプラズマが形成され、そのプラズマにより半導体ウエハWの表面がエッチングされる。
【0041】
このエッチング処理の際に、配管28を介して誘電体層4と半導体ウエハWとの間にヘリウムガスを供給しつつ、流路26から冷媒循環路25に冷媒を供給する。これにより、半導体ウエハWの温度を制御することができ、エッチング速度等を高い精度で制御することができる。
【0042】
次に、図1に示す下部電極構造1を用いたプラズマ処理装置の他の例について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置の他の例を概略的に示す図である。なお、図3も図2と同様に、本発明をプラズマエッチング装置に適用した例を示している。また、図3において、図2に示したのと同様の部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0043】
図3に示すプラズマエッチング装置60と図2に示すプラズマエッチング装置20とでは電力の供給方法が異なっている。すなわち、図3に示すプラズマエッチング装置60においては、サセプタ2およびシャワーヘッド31の双方に同一の高周波電源11から高周波電力が供給される。
【0044】
高周波電源11から供給される高周波電力は、可変式のトランス61により配線10と配線52とに分配される。配線10に分配された高周波電力は、ローパスフィルタ62を経由した後、図2に関して説明したのと同様に、サセプタ2および平面電極5に印加される。一方、配線52に分配された高周波電圧は、ローパスフィルタ63を経由した後、シャワーヘッド31に印加される。
【0045】
上記プラズマエッチング装置60を用いたエッチング処理は、例えば、以下に示す方法により行われる。すなわち、まず、搬送手段40を用いて、半導体ウエハWをロードロック室39内からチャンバー21内に搬送し、さらに誘電体層4上に載置する。なお、ロードロック室39およびチャンバー21内はポンプ45により所定の圧力に減圧されている。
【0046】
次に、高周波電源11からサセプタ2およびシャワーヘッド31に周波数が2MHz以下、例えば380kHzの高周波電力を供給する。なお、この場合、配線52に分配する電力と、配線10に分配する電力の比は、例えば6:4とする。また、フィルタ9を構成するキャパシタ16の容量を100pF〜1000pF、抵抗17の抵抗値を1.5×10Ω〜3×10Ω、キャパシタ13,15の容量をそれぞれ10000pFとすることにより、サセプタ2に印加する高周波電圧と平面電極5に印加する高周波電圧との間の位相差を0とし、且つ良好に高周波電場を形成することができる。
【0047】
このように構成されるプラズマエッチング装置においても、上記のようにして高周波を供給しつつ、バルブ36を開放して、マスフローコントローラ35で流量を調節しつつガス供給源34からシャワーヘッド31に反応性ガスを供給することにより、高周波電界が形成されているシャワーヘッド31とサセプタ2との間にプラズマが形成され、半導体ウエハWの表面がエッチングされる。
【0048】
このエッチング処理の際に、配管28を介して誘電体層4と半導体ウエハWとの間にヘリウムガスを供給しつつ、流路26から冷媒循環路25に冷媒を供給する。これにより、半導体ウエハWの温度を制御することができ、エッチング速度等を高い精度で制御することができる。
【0049】
また、図3に示すプラズマエッチング装置60によれば、1つの高周波電源で、サセプタ2およびシャワーヘッド31の双方に高周波電圧を印加することができるので、装置の構成を簡略化することが可能となる。
【0050】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく種々変形が可能である。例えば上記実施の形態では本発明をプラズマエッチング装置に適用した場合ついて示したが、これに限らず、プラズマCVD等、他のプラズマ処理装置にも適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、下部電極構造の基台と平面電極との双方に高周波電圧が印加されるため、基台のみに高周波電圧を印加した場合に比べて、より良好に高周波電場を形成することができる。
【0052】
また、本発明によれば、下部電極構造の基台と平面電極との双方に高周波電圧が印加されるため、基台と平面電極とに印加する高周波電圧の位相差を十分に低減することができる。したがって、基台と平面電極との間の電位差を常時低く保つことができ、それにより、これらの間の電位差が許容値を超えることにより生ずる異常放電を防止することが可能となる。
【0053】
すなわち、本発明によれば、被処理体である基板の温度が過剰に上昇するのを防ぎ、異常放電を生ずることなく良好に高周波電場を形成することが可能な下部電極構造およびプラズマ処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る下部電極構造を概略的に示す図。
【図2】本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置の一例を概略的に示す図。
【図3】本発明の実施形態に係るプラズマ処理装置の他の例を概略的に示す図。
【図4】従来の下部電極構造の一例を概略的に示す図。
【図5】従来の下部電極構造の他の例を概略的に示す図。
【符号の説明】
1;下部電極構造
2;サセプタ
3;静電チャック(静電吸着部材)
4;誘電体層
5;平面電極
6;配管
7,10,14,52;配線
8;直流電源
9,62,63;ローパスフィルタ
11,53;高周波電源
12,55;マッチングボックス
13,15;キャパシタ
20,60;プラズマエッチング装置
21;チャンバー
22;支持板
23;冷却部材
25;冷媒循環路
31;シャワーヘッド
34;ガス供給源
W;半導体ウエハ

Claims (11)

  1. 被処理体に対してプラズマ処理を施すための下部電極構造であって、
    導電性材料からなる基台と、
    この基台上に設けられ、被処理体が載置される誘電体層およびこの誘電体層の下に前記基台とは電気的に絶縁して設けられた電極を有する静電吸着部材と、
    前記静電吸着部材の電極に一端が接続された第1の配線と、
    第1の配線の他端に接続された直流電源と、
    前記基台に一端が接続された第2の配線と、
    第2の配線の他端に接続された高周波電源と、
    第1の配線と第2の配線とを接続する第3の配線と、
    第3の配線上に設けられたキャパシタと、
    第2の配線上に設けられ、第2の配線と第3の配線との接続点と、前記基台との間に介在するキャパシタと、
    を具備し、
    前記第2の配線上に設けられたキャパシタと前記第3の配線上に設けられたキャパシタとは等しい容量を有することを特徴とする下部電極構造。
  2. 前記直流電源と前記第3の配線上に設けられたキャパシタとの間の前記第1の配線上にローパスフィルタをさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の下部電極構造。
  3. 前記静電吸着部材の誘電体層はセラミックからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の下部電極構造。
  4. 前記基台の下方から前記基台および前記静電吸着部材を介して前記誘電体層と被処理体との間に熱伝達ガスを供給するためのガス供給手段を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の下部電極構造。
  5. 前記基台を冷却する冷却機構をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の下部電極構造。
  6. 気密に保持可能であり、被処理体にプラズマ処理を施すチャンバーと、
    前記チャンバー内に収容され、被処理体の載置面を有する下部電極構造と、
    前記チャンバー内に前記下部電極構造の載置面に対向するように設けられた上部電極と、
    前記チャンバー内を排気する排気手段と、
    前記チャンバー内に処理ガスを導入する処理ガス供給手段と
    を具備し、
    前記高周波電源からの高周波電力によりチャンバー内に処理ガスのプラズマを形成し、このプラズマにより被処理体に所定のプラズマ処理を施すプラズマ処理装置であって、
    前記下部電極構造は、
    導電性材料からなる基台と、
    この基台上に設けられ、被処理体の載置面を有する誘電体層およびこの誘電体層の下に前記基台とは電気的に絶縁して設けられた電極を有する静電吸着部材と、
    前記静電吸着部材の電極に一端が接続された第1の配線と、
    第1の配線の他端に接続された直流電源と、
    前記基台に一端が接続された第2の配線と、
    第2の配線の他端に接続された高周波電源と、
    第1の配線と第2の配線とを接続する第3の配線と、
    第3の配線上に設けられたキャパシタと、
    第2の配線上に設けられ、第2の配線と第3の配線との接続点と、前記基台との間に介在するキャパシタと、
    を有し、
    前記第2の配線上に設けられたキャパシタと前記第3の配線上に設けられたキャパシタとは等しい容量を有することを特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 前記静電吸着部材の誘電体層はセラミックからなることを特徴とする請求項6に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記基台の下方から前記基台および前記静電吸着部材を介して前記誘電体層と被処理体との間に熱伝達ガスを供給するためのガス供給手段を有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記基台を冷却する冷却機構をさらに具備することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記直流電源と前記第3の配線上に設けられたキャパシタとの間の前記第1の配線上にローパスフィルタをさらに具備することを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記対向電極に高周波電力を供給する高周波電源をさらに具備することを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
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